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CコンピュータGグラフィックス
Ⅰ
概要
今日急激な進化を遂げたCG(コンピュータグラフィックス)について学ぶとともに制作
作業に挑戦する。
Ⅱ
はじめに
近年、メディアは急速な進化を遂げ、中でもメディア・アートと呼ばれるCGのそれは群
を抜くだろう。私たちがテレビなどで目にするほとんどすべてのものにそれは使われてい
る。さらにCGはもはや芸術の一郭を担うまでになり、映画などCGを抜きには語れない域
に達しているといえる。そんな日常に溶け込みすぎているCGというものを、もう一度改め
て見てみようと思う。
Ⅲ
メディア・アートの起源
メディア・アートの起源は、音楽から始まる。“スチル・オペラ”というものだそうだ。音
楽とメディア、機械的なものをうまく組み合わせた画期的なメディア・オペラであり、歌手、
俳優、そしてビデオプロジェクターも舞台の一員として参加しているマルチメディアの走り
であった。
80年代、データグローブを楽器として用いるなどの試みが行なわれたのはこの頃であ
る。それはさらに、音と映像、環境を組み合わせる方向へと発展していくものだった。
こうして VR の時代が訪れる。これはシミュレーションという概念をもたらした。独創的
なオリジナルから無限に再生可能なサンプリングへの移行である。そして空間の体験そのも
のが音やビジュアルよりも重要となり、今度はコンテンツからコンテクストへの移行であ
る。このあたりから、作品の社会への影響が語られるようになる。
同時にコンピューター・アニメーションが発達し、これをハリウッドが惜しみない予算を
掛けて使うようになった。しかしそんな商業主義的発展を後目に、アーティストたちは AI(人
工知能)に目を転じていく。カール・シムズの VR 作品では植物の成長をインタラクティブ
に体験できる。そのインターフェースはシンプルにしようと思えばいくらでもできたに違い
ない。マウスでも、キーボードでも構わなかったはずだ。しかし、彼はそれに植物の葉のデ
ザインを与えた。そこでこの空間の訪問者は、“植物に触る”という 1 つの体験を得るに至っ
たというわけである。
※
カール・シムズ:人為選択に基づく進化の方法を、人工進化という名前で提案した人
(参考記事:“メディア・アートの歴史――アルス・エレクトロニカの 20 年”)
Ⅳ
アカデミー賞
対象年
視覚効果賞に見るCG技術の推移
作品名
対象年
作品名
1961
ナバロンの要塞
1984
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
1962
史上最大の作戦
1985
コクーン
1963
クレオパトラ
1986
エイリアン 2
1964 メリー・ポピンズ
1987 インナースペース
1965 007/サンダーボール作戦
1988 ロジャー・ラビット
1966
ミクロの決死圏
1989
アビス
1967
ドリトル先生の不思議な旅
1990
トータル・リコール
1968
2001 年宇宙の旅
1991
ターミネーター2
1969
宇宙からの脱出
1992
永遠に美しく
1970 トラ!トラ!トラ!
1993 ジュラシック・パーク
1971 ベッドかざりとほうき
1994 フォレスト・ガンプ/一期一会
1972 ポセイドン・アドベンチャー
1995 ベイブ
1974 大地震
1996 インデペンデンス・デイ
1975
1997
ヒンデンブルグ
1976 キングコング
2300 年未来への旅
タイタニック
1998 奇蹟の輝き
1999 マトリックス
1977 スター・ウォーズ
2000 グラディエーター
1978 スーパーマン
2001 ロード・オブ・ザ・リング
1979
2002
エイリアン
ロード・オブ・ザ・リング/二つの搭
1980 スター・ウォーズ/帝国の逆襲
2003 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
1981 レイダース/失われた《聖櫃》
2004 スパイダーマン2
1982 E.T.
2005 キング・コング
1983
スター・ウォーズ/ジェダイの復讐
アカデミー賞の視覚効果賞受賞作品を列挙してみたわけだが、この中で私が見たことのあ
る映画は一番古い物で『スター・ウォーズ』(ルーカスフィルム)、記憶に新しいのは『マ
トリックス』(ワーナーブラザーズ)や『ロード・オブ・ザ・リング』(ウェータ・デジタ
ル)あたりだ。
「映像化不可能といわれた○○が遂に公開」といったキャッチフレーズの映画は近年稀で
はない。「映像化不可能といわれた」が「映像化できた」のだ。いついわれたのかは定かで
ないが、その時点では不可能だったことが実現されている。実在しない物を惜しみなく表現
できるCGの発展は、これに一役も二役も買っているといえるだろう。これから「映像化不
可能」という言葉をそうそう使うことはないと思われる技術が、現代にはあるのだ。
技術発展を見るなら、『スター・ウォーズ』シリーズを例にとると分かりやすい。様々な
星の種族、ロボットなどが多岐にわたって登場するわけだが、目の肥えてしまった私たちに
は、旧シリーズの三部作はいかにも「着ぐるみ・人形」といった感じが拭えない。(その人
形っぽさがよいという声もあるが)しかし新シリーズには20年の間に急速に発展したCG
がふんだんに使われ、あらゆる物が細部まで抜け目なく表現された。爬虫類系の種族の質感
など無駄にリアルである。フルCGのキャラクターも多く、そのキャラクターが激しいアク
ションを繰り広げたりする。20年前の人形ではできない芸当である。CGの技術発展の偉
大さが窺えるところの一つだ。しかし表を見てみると、新シリーズの三部作のいずれも、視
覚効果賞は受賞できていない。
これはCGの技術発展による競争の激化の結果だと思われる。エピソードⅠが公開された
1999 年の視覚効果賞には、マトリックスが輝いている。2001∼2003 の視覚効果賞を独占し
た『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは、CGのスケールもさることながら、巧みな遠
近法で小人種族を表現したりと+αの技巧に評価があったのではないだろうか。このように
CGの技巧は既に「当たり前」の物になりつつあるのだった。
Ⅴ
3Dと2D
2006 年夏に公開した『ブレイブストーリー』(フジテレビ、GONZO、ワーナーエンター
テイメントジャパン)を見に映画館に足を運んだ。基本は2Dで描かれたキャラクターが物
語を展開するのだが、背景に使われているのは3DのCGが多かった。バスや標識、ホワイ
トボードなど細かい背景部品まで。しかし背景に使われていた3DCGは、3Dでありなが
ら2Dの世界に適度な存在感があり、妙になじんでいた。かと思えば、実写かと思うくらい
リアルな空や川や森が出てきたり、妙に存在感のある3Dの石像と2Dの主人公が絡むシー
ンがあったりと、とても不思議な感覚を覚えた。「3Dと2Dの融合」という点でとても興
味を惹かれる一作だった。
一口にCGといっても、表現の仕方は様々であることを実感させられた。CGというとつ
い「リアル」を求めてしまう。いかに本物っぽく見せるかを躍起になって研究している人た
ちも多いと思うが、それだけがCGの良さではないのだ。適所適材、これに勝るものはない
だろう。
Ⅵ
まとめ
・ メディア・アートは音楽に起源を持つ。“スチル・オペラ”から始まった。
・ CGの発展は映画界に大きな波を起こしたが、現在それは当たり前のこととなって
しまった。
・ 「リアル」だけがGCではない。適所適材を極めるべき。
Ⅶ
制作記録
CGの制作に挑戦。
今回使用したソフトはShade8.5
basic (e-frontier)
まったくの初心者ゆえ頼れるのは説明書と己のみ。
まずはオブジェクトの作成
正面図、側面図、上面図、透視図が画面上
で四つ巴になっているこのキャンバス上に
オブジェクト(物体)を描いていく。
正面図でマウスを上下させると側面図で
は上下するが、上面図では動かない。
上面図でマウスを左右させると正面図で
は左右するが、側面図では動かない。
といった具合だ。空間図形が得意なほうが全
くもって有利である。
慣れるまでに結構時間がかかった。
今回はペットボトルをモデリングする。
正方形を描いて掃引体にし、底の部分だ
け一点に収束させて穴をふさぐ。上は開い
たまま。
コントロールポイントを挿入しつつ正面
と側面から操作し、くぼみや飲み口の部分の
サイズを変えていく。
まだゴツゴツである。
縦の大きさなども調整。角を切り落とし
たり丸めたりしながら滑らかさを出してい
く。
角を丸める度にパート(外形を形作る輪
郭線)が増えて何ともややこしい状態に。
だんだんペットボトルらしくなってき
た。
ひたすら微調整。根気との戦いである。キ
ャップとラベルもつけた。
レダリングをしてみるとこうなる。(すべての情
報を計算して画像にする作業をレダリングという。
Shade はすべて自動でやってくれる。)
これでオブジェクトは完成である
オブジェクトが完成したら形状情報で質感の設定をす
る。ペットボトルの透明感を出すため「透明」の数値を上
げる。すると↓となる。透明感が出てぐっとペットボトル
らしくなった。
怖い。
仕上げにラベルのオブジェクトにイメージを読み込ん
で(さらに微調整を加え)完成。
(ラベルデザイン:Kuno)
Ⅷ
アニメーション制作
アニメーションの制作にも挑戦した。
まずオブジェクトを作成する。
今回は蝶の胴体と羽二枚の計3
つのオブジェクトを作成した。こ
の蝶を羽ばたかせるのが目標。
↑羽を羽ばたかせるために羽の付け根に回転ジョイントを設置。
←モーション設定画面で波状のラインを
描いて羽ばたくようにする。
↑さらに旋回、縦揺れ、蝶自体
の方向転換用に 3 つの回転ジョイ
ントを挿入。
←羽の時と同様に時間軸をずらしながら
そのシーンに合った形に旋回、縦揺れ、
回転を設定していく。
羽の質感には「透明」や「メタリック」要素を取り入れ、
幻想的な雰囲気を狙った。→
アニメーションレダリングをして再生すると、蝶が羽ばたく。
(↑羽ばたきイメージ。実際は動画だ)
Ⅸ
感想
今回初めて1からCG、CGアニメーションを制作してみて、CG制作には第一に根気が
必要なことがこれでもかというくらいにわかった。拘泥りの程度にもよるが、パソコンと睨
めっこし、納得のいくまで細かく微調整を繰り返す作業は実に骨が折れる。しかも独学とい
うのは分からないことだらけなので、問題の解決に膨大な時間を費やすこともしばしばで大
変だった。しかしだからこそ、作品の仕上がりを見たときの達成感には計り知れない物があ
った。蝶が羽ばたいたときは本当に感動した。(十分に伝えきれないのがとても残念。。)
しかし、たった 12 秒の動画を作るのにこれだけ苦労がいるということは、映画一本制作す
るのにどんな苦労があるのか、想像するだけですごいことになる。将来CGデザインの関係
に携わりたいと考えているので、今回の体験が役に立つといいと思う。
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