【特別企画】不動産投資におけるAM企業の現状と今後 (PDF 6.9MB)

不動産 AM 会社ガイド2016
不動産投資における AM 企業の現状と今後
私募ファンドプレーヤーは
私募 REIT に活路を見出せるか
この数年間、AUM 減少傾向に直面していた私募ファンドではあるが、
ようやく底打ちの状況が見えだしている。一方、私募ファンドプレーヤーは
資産残高が急拡大中の私募 REIT に注力している。
不動産私募ファンドの
きた状況である。この間に私募 REIT、
ンドが東京・ 銀座の商業施設「キラリト
AUM 減少に底打ち感
J-REIT も順調な展開をみせている。特
ギンザ」を 500 億円超で取得、またノル
に私 募 REIT は 2010 年 11 月の運 用開
ウェー政府年金基金が 6,000 億円規模
始以来、年金資金や地方銀 行の運用
のオフィスビル投資を目的に東京で拠点
ニーズを捉えて拡大している。
を設立するなど、海外投資家の動きが
三井住友トラスト基礎研究所のレポー
ト「不動産私募ファンドに関する実態調
査」によれば、不動産私募ファンドの市
三井住友トラスト基礎研究所の調べ
話題を呼んだ。また都市未来総合研究
場 規 模 は 2015 年 6 月 末 で 15 兆 1,000
によると、私募 REIT は 2014 年 10 月の
所の調査によると、2015 年 1〜9 月の外
億円で、ピークだった 12 年 6 月の18 兆
8,654 億円から2015 年 8 月の1 兆 2,690
資系法人による不動産取得額が 7,877
1,000 億円から 3 兆円減少した。AUM
億円、47 %増と急成長している。2016
億円となり、前年同期比 57%増の過去
減少の理由は、資本市場の過熱、
年も 4 投資法人が新たに運用を開始す
最大となった。
不動産向け融資の積極化、あるいは不
る模様で拡大に期待が持てる。
こうした超大型コア資金が流入を続
動産市況の好転によりファンド出口の詰
昨年の J-REIT は投資口価格こそ伸
ける場合、特に上場 ・ 私募 REIT 勢が
まりが解消したこと、その一方で新規物
び悩んだ 1 年ではあったが、資産取得額
外部物件を取得する際の手強いライバ
件取得がむずかしくなったことがある。
1 兆 6,146 億 円(前 年 比 0.8 %)、IPO5
ルとなるかもしれないが、彼らは必ずしも
件(調達額 1,201億円、前年比 49.4 増)、
日本に拠点を置き、十分なスタッフを配
る2015 年 9 月末の「契 約資産状況」上
PO35 件(調 達 額 6,460 億 円、前 年 比
置するわけではないため、私募ファンド
位 65 社のランキング である。AUM を
18.3%増)と順調に推移した。さらに
勢にとっては新たな資金運用受託 ・ファ
2014 年 9 月末時点とで比較すると、21
12 月には日銀が量的 ・質的金融緩和を
ンド組成のチャンスとも言える。また 14
社がプラスとなった(マイナスは 25 社、
円滑に進めるために、これまでの銘柄
年にイデラ キャピタルマネジメントが中
プラスマイナスゼロ 4 社、15 社が比較不
別の買い入れ上限を発行済投資口数の
国の大手投資会社、復星グループの傘下
能)。14 年 9 月末のデータと13 年 9 月末
5%から10%へ拡大したことも好材料に
入りするようなケースも今後あるだろう。
のデータで比較すると、55 社中プラスが
なっている。
右頁の表は日本投資顧問業協会によ
ただし、これまで中東の欧州系金融
機関などを経由して、私 募ファンドで
17 社(35 社がマイナス、プラスマイナス
ゼロが 2 社、1 社が比較不能)という結
外資による不動産取得額が過去最大
かなりの不動産資産を積み上げた中東
果となり、段々と AUM を増やすプレー
新たな事業機会に結び付けられるか
オイルマネーの、昨年後半から静かに
ヤーは増加していることがわかる。上位
50 社の合計 AUM は 6 兆 7,000 億円と、
なっている。原油価格の低迷が今後も
2015 年のファンド業界のトピックの一
続くならば、彼らの資金を背景とする
13 年 9 月末の 7.1 兆円より減少している
つに、
「新たな海外ソブリンファンド・ 年
私募ファンドからのイグジットのニュー
が、14 年 9 月の 5 兆 9,000 億 円 か ら は
金基金の日本市場参入」が挙げられる
スが市場を賑わす可能性があるかもし
増加し、AUM 減少に底打ち感がみえて
だろう。アゼルバイジャンの政府系ファ
れない。
40
PROPERTY MANAGEMENT
2016 Feb.
不動産関連特定投資運用業 預かり資産額ランキング
契約資産額(百万円)
2014 年 9 月末
契約資産額(百万円)
順位
2015 年 9 月末
名称
合計
投資運用
投資助言
合計
投資運用
対前年比増減
投資助言
1
東急不動産キャピタル・マネジメント㈱
902,849
52,548
850,301
299,114
70,380
228,734
201.8%
2
東京建物不動産投資顧問㈱
557,328
113,963
443,365
540,901
111,561
429,340
3.0%
3
DBJ アセットマネジメント㈱
474,231
318,292
155,939
-
-
-
-
4
PAG インベストメント・マネジメント㈱※
460,506
122,669
337,837
602,056
179,599
422,457
-23.5%
5
森ビル不動産投資顧問㈱
385,798
16,476
369,322
360,596
4,253
356,343
7.0%
6
三菱地所投資顧問㈱
380,214
81,186
299,028
608,915
113,571
495,344
-37.6%
7
三井住友トラスト不動産投資顧問㈱
366,016
294,429
71,587
366,399
288,896
77,503
- 0.1%
8
オリックス不動産投資顧問㈱
333,673
265,652
68,021
365,358
269,959
95,399
-8.7%
278.2%
9
トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱
245,716
231,417
14,299
64,971
47,326
17,645
10
三井不動産投資顧問㈱
230,198
185,838
44,360
253,740
191,700
62,040
-9.3%
11
ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント㈱
177,530
30,293
147,237
243,010
88,919
154,091
-26.9%
12
日土地アセットマネジメント㈱
168,770
5,000
163,770
170,460
4,950
165,510
-1.0%
13
LCR 不動産投資顧問㈱
141,242
141,242
0
141,181
141,181
0
0.0%
14
ASA アセットマネジメント㈱
135,660
125,946
9,714
182,497
147,981
34,516
-25.7%
15
㈱イデラ キャピタルマネジメント
124,215
36,753
87,462
146,604
55,909
90,695
-15.3%
16
興和不動産投資顧問㈱
122,678
118,662
4,016
106,807
92,945
13,862
14.9%
17
グッドマンジャパンファンズ㈱
121,965
121,965
0
114,836
114,836
0
6.2%
18
SPC アセットマネジメント㈱
108,506
108,500
6
101,133
98,211
2,922
7.3%
19
㈱マックスリアルティー
108,476
90,385
18,091
137,639
115,558
22,081
-21.2%
20
グリーンオーク・インベストメント・マネジメント㈱
103,732
103,732
0
-
-
-
-
21
東京海上不動産投資顧問㈱
101,544
101,544
0
152,993
151,185
1,808
-33.6%
-
22
スプリング・インベストメント
98,270
98,270
0
-
-
-
23
㈱ザイマックス不動産投資顧問
95,280
40,713
54,567
-
-
-
-
24
GALILEO JAPAN ㈱
88,823
88,823
0
99,014
99,014
0
-10.3%
-42.0%
25
シンプレクス不動産投資顧問㈱
81,095
49,279
31,816
139,797
114,536
25,261
26
大和ハウス不動産投資顧問㈱
55,558
0
55,558
-
-
-
-
27
安田不動産投資顧問㈱
54,195
54,195
0
43,190
43,190
0
25.5%
28
三井物産リアルティ・マネジメント㈱
51,711
51,711
0
34,318
34,318
0
50.7%
29
サヴィルズ・アセット・アドバイザリー ㈱
51,630
39,118
12,512
52,173
28,238
23,935
-1.0%
30
㈱ S.O.W. アセットマネジメント
48,441
10,410
38,031
-
-
-
-
31
公共投資顧問㈱
46,824
0
46,824
-
-
-
-
32
プルデンシャル・リアルエステート・インベスターズ・ジャパン㈱
42,689
42,689
0
49,766
37,986
11,780
-14.2%
33
One World Asset Management ㈱
42,185
42,185
0
23,082
23,082
0
82.8%
34
野村不動産投資顧問㈱
41,990
38,970
3,020
86,234
86,234
0
-51.3%
35
ケネディクス不動産投資顧問㈱
40,370
40,370
0
43,409
43,409
0
-7.0%
36
EGW アセットマネジメント㈱
34,167
1,527
32,640
-
-
-
-
37
㈱アヴァルセック
33,500
33,500
0
20,000
20,000
0
67.5%
38
京阪アセットマネジメント㈱
33,220
0
33,220
-
-
-
-
39
㈱ハリファックス・アセットマネージメント
30,309
21,025
9,284
28,889
20,014
8,875
4.9%
40
グローバル・アライアンス・リアルティ㈱
28,462
0
28,462
26,600
0
26,600
7.0%
41
プロファウンド・インベストメント・マネジメント㈱
26,930
26,930
0
5,770
5,770
0
366.7%
42
㈱ LC パートナーズ
25,021
0
25,021
-
-
-
-
43
㈱エー・エム・ファンド・マネジメント
22,804
0
22,804
22,856
0
22,856
- 0.2%
69.7%
44
イトーピア・アセットマネジメント㈱
20,541
12,051
8,490
12,102
5,688
6,414
45
BMS アセットマネジメント㈱
20,289
15,229
5,060
19,670
14,850
4,820
3.1%
46
アジリティー・アセット・アドバイザーズ㈱
19,189
19,189
0
16,708
16,708
0
14.8%
47
㈱玄海キャピタルマネジメント
18,780
11,730
7,050
19,579
6,151
13,428
-4.1%
48
スパークス・アセット・トラスト & マネジメント㈱
18,732
18,732
0
20,518
20,518
0
-8.7%
49
サムティアセットマネージメント㈱
15,793
1,755
14,038
24,089
853
23,236
-34.4%
50
東京キャピタルマネジメント㈱
12,774
10,200
2,574
11,452
4,310
7,142
11.5%
51
㈱リオ・アセットマネジメント
12,513
6,748
5,765
11,295
7,546
3,749
10.8%
52
総合地所投資顧問㈱
12,445
12,445
0
-
-
-
-
53
ファンドクリエーション・アール・エム㈱
12,229
12,229
0
18,196
18,196
0
-32.8%
-45.3%
54
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント㈱
9,119
3
9,116
16,665
10,170
6,495
55
㈱ヒューマックス
9,006
9,006
0
9,005
9,005
0
0.0%
56
タッチストーン・キャピタル・マネージメント㈱
7,417
3,422
3,995
4,002
0
4,002
85.3%
57
MCP アセット・マネジメント㈱
5,902
5,902
0
1,269
1,269
0
365.1%
58
ヘルスケアマネジメントパートナーズ㈱
5,611
5,611
0
5,611
5,611
0
0.0%
59
フィンテックアセットマネジメント㈱
5,175
5,175
0
-
-
-
-
60
セブンシーズアドバイザーズ㈱
2,250
0
2,250
-
-
-
-
61
㈱レガロキャピタル
1,345
1,345
0
1,345
1,345
0
0.0%
62
ストラテジック・パートナーズ㈱
988
988
0
-
-
-
-
63
ユニ・アジアキャピタルジャパン㈱
150
0
150
5,814
3,377
2,437
-97.4%
64
㈱ GCM
70
70
0
625
625
0
-88.8%
65
Vermilion Capital Manegement ㈱
11
0
11
-
-
-
-
※ PAG インベストメント・マネジメント㈱はセキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント㈱から改称
出典:一般社団法人 日本投資顧問業協会「契約資産状況 平成 27 年9月末現在」の
「不動産関連特定投資運用業」データより
「投資運用」
「投資助言」契約資産額に記入がある 65 社について、両資産合計額でランキングを作成
(契約資産額 0 の企業は除く)
41
特別企画 | 不動産投資におけるAM 企業の現状と今後
不動産投資&マネジメントフォーラム 2015 秋
パネルディスカッションダイジェスト
金融緩和縮小の流れで不動産市況はどう変わる?
クレジット動向の変化でボラティリティ拡大を危ぶむ声も
グローバルベースで長らく続いた金融緩和の流れも、
米国の利上げが秒読み段階に入ったことで転機に差しかかってきた。
物件の取得競争は変わらず激しいが、利上げ後の市況にリスクを感じ始めた投資家も少なくない。
「不動産投資&マネジメントフォーラム 2015 秋」の
本稿では 2015 年 10 月に開催された
パネルディスカッションのダイジェストをもとに、各社の市況の見方、投資戦略などを紹介する。
各社とも順調に資産を積み上げ
私募型商品への注目も引き続き高い
クリーンエネルギー事業はメガソーラー発電施設の開発・
運用が中心です。2015 年 9 月末時点で、約 100 メガワット規
模のいちごメガソーラーが売電開始もしくは開発が確定してお
―本日はお集まりいただきありがとうございます。ディスカッ
り、そのうち約 40%が売電を開始しています。
ションに入る前にまずは自己紹介からお願いします。
矢野
住商リアルティ・マネジメントは、住友商事の100%子
会社の AM 会社で、2007 年に親会社の建設不動産本部が分
いちごグループホールディングスではグループ傘下の
離独立するかたちで設立されました。住友商事は晴海トリトン
企業も含め、AM、不動産再生、クリーンエネルギー関連と 3
の開発などで知られるように総合商社ながらデベロッパーとし
つの事業を展開しています。AM 事業では主に上場 REIT の
ても高い実績と経験があります。グループのもつ不動産の開発
いちごオフィスリート投資法人が保有する約 1,650 億円の資産
力、幅広い情報ソースなども活かし、質の高い物件と運用サー
を運用しています。さらに 2015 年 11 月には、いちごホテルリー
ビスを投資家に提供しています。運用資産は約 2,500 億円の
ト投資法人も上場させ、上場 REIT2 本体制としました。
規模にあります。
長谷川
不動産再生事業は、いちごグループが運用するREIT など
2015 年 1 月には私募 REIT も立ち上げました。オフィスを中
に向けてシード物件を仕入れ、投資案件として仕上げていく
心に組み入れる総合型で、当初規模は 4 物件 ・330 億円。3
ことに主眼をおいています。50 億円程度までの中小規模のオ
年で 1,000 億円、5 年で 2,000 億円程度までポートフォリオ成
フィス・ 店舗ビルをメインに約 1,700 億円をバランスシートで
長させる計画を掲げています。
抱えています。
宰田
42
PROPERTY MANAGEMENT
2016 Feb.
丸紅アセットマネジメントは、丸紅本体の一部が分離
独立し 2007 年に設立された AM 会社です。親会社である丸
コーディネーター
森岡 一輝(もりおか・かずき)
紅では分譲マンションや建設事業などを長らく手がけてきた
三井住友信託銀行
実績があります。2000 年には不動産私募ファンドを立ち上げ
不動産ファイナンス部
海外チーム 主任調査役
るなど、いわゆる不動産金融の分野にいち早く参入しました。
2003 年にはユナイテッド ・アーバン投資法人を立ち上げ、東
証 REIT 市場に 10 番目の上場を果たしました。
丸紅アセットマネジメントの運用資産規模は約 1,100 億円。
2014 年 9 月には私募 REIT を 300 億円の規模で立ち上げまし
た。オフィスビル、商業施設、住宅、ホテルなどを組み入れる
総合型で、直近では 800 億円規模までポートフォリオを拡大さ
ボストン 大 学 MBA 卒。投 資 銀 行 にてノンリコースローン、CMBS の 組 成・販 売、
J-REIT の引受業務、不動産投融資ビジネスなど、不動産を対象とするあらゆるビジネ
スを経験。その 後、J-REIT 運用会社・証券会社を経て、三井住友信託銀行に。不動
産事業部門で海外 FM と国内で不動産 JV ファンドを組成、海外投資家への個別不動
産投資案件 のアレンジなどを推進。その後、ホールセール事業部門に異動し、海外投
資家とバンキングビジネスを推進、2014 年 1 月から不動産ファイナンス部に在籍し、
海外ノンリコースローン案件にも深く関与。
パネリスト
せています。
佐藤
長谷川 拓磨(はせがわ・たくま)
DIAM アセットマネジメントは第一生命とみずほフィナ
いちごグループホールディングス㈱
代表執行役社長
ンシャルグループによる折半出資の投資顧問会社で、投資信
託から年金投資家向けのファンドまで幅広い金融商品を取り
扱っています。
このうち REIT 関連商品では REIT のインデックスファンド
やファンドオブファンズ、またエリアについては日本に限らず北
㈱フジタ入社後、開発事業に従事。2002 年いちごグループ合流後、上席執行役ファン
ド 第一事業部長、取締役兼執行役副社長不動産部門責任者等 を経て、11 年 1 月いち
ご地所㈱代表取締役社長に就任し、個人富裕層や事業法人をターゲットとした中小規
模不動産を取り扱う新規ビジネスを主として取り組む。15 年 3 月いちごグループホー
ルディングス執行役副社長、15 年 5 月に代表執行役社長に就任。
米、東アジア・オセアニアなど海外の不動産関連商品まで幅
宰田 哲男(さいだ・てつお)
広いラインナップを揃えています。
丸紅アセットマネジメント㈱
代表取締役社長
当社で投資する REIT については、海外であっても現地に足
を運んでリサーチしています。とくに東アジア・オセアニア地区
では 90%以上を直接カバレッジしています。実際に目で見て、
当社でもしっかりと納得できる商品をお客様にご提供すること
をモットーにおいています。
1987 年東京大学工学部卒業後、丸紅㈱開発建設部で不動産開発等に携わる。セキュ
アード・キャピタル・ジャパン㈱派遣勤務の後、丸紅にて不動産ファンド組成業務を行
なう。03 年ジャパン・リート・アドバイザーズ㈱ チーフ・インベストメント・オフィサー
に 就任し、J-REIT「 ユナイテッド・アーバン 投資法人」 の 運営にあたる。 その 後、丸
紅㈱アセットマネジメント室長を経て、2013 年 11 月より現職。2014 年 9 月より非上
「丸紅プライベートリート投資法人」の運用を開始。
場オープンエンド型不動産投資法人
―私募 REIT の話がでましたが、従来からの私募ファンドという
矢野 秀樹(やの・ひでき)
商品もあります。両者はどう違うのでしょうか。
矢野
もっとも大きな違いはゴーイングコンサーンかどうかと
住商リアルティ・マネジメント ㈱
代表取締役社長
1983 年住友商事㈱に入社。20 年以上にわたる国内外 の不動産企画・開発経験の後、
いうことでしょう。しかし公募か私募という意味では、私募
不動産戦略事業推進部長、不動産戦略事業部長を歴任、不動産ファンドビジネスライ
REIT/ファンドのいずれも顔の見える投資家と事前に投資方
業部長を経て、2015 年住商リアルティ・マネジメント㈱代表取締役に就任。住友商事
針を話し合い、それを共有しながら運用を行っていくことが大
および国内外機関投資家との協働による、オフィス、住宅、商業、物流の 各私募ファ
きな特徴です。
投資法人」の運用に注力している。
宰田
ンの立上げに従事。北米住友商事グループ北米生活産業グループ長、生活資材推進事
ンドの 組成・運用に加 えて、14 年に設立した 私募 REIT「SC リアルティプライベート
丸紅グループのなかで公募と私募を両方手がけてきま
佐藤 紀行(さとう・のりゆき)
したが、公募の上場 REIT の場合には広く一般の投資家を相
DIAM アセットマネジメント㈱
株式運用本部 REIT 運用グループ
手にするという意味で、運用はどうしても画一的なものになり
部長
やすい。その意味で流動性を多少犠牲にしてでも、機関投資
家からは私募という選択肢をとるニーズも増えています。
長谷川
資金の調達側からいうと株式マーケットが軟調に推
㈱日本興業銀行にて、マネーマーケット・先端デリバティブ・米国債券関連プロダクト
などを駆使した資金運用業務を 10 年間の海外勤務を含め約 15 年携わる。2002 年よ
り興銀第一ライフ・アセットマネジメント㈱(現 DIAM アセットマネジメント㈱)にて、
移するなかにあって、公募だけではなく私募も重要な選択肢と
国内株式、国内外 REIT ファンド運用を担うほか、同社の REIT に関連するプロダクト
いえるでしょう。投資家サイドからも、オーダーメイドで商品設
ている。米国 CFA 協会認定証券アナリスト。担当する REIT ファンドで複数の受賞歴
計ができる私募を好む声が高まっています。
の 統括運用責任者としても従事。欧米、豪州 の REIT 運用会社との 強いパイプも有し
をもつ。
43
不動産投資&マネジメントフォーラム 2015 秋
パネルディスカッションダイジェスト
レンダーの融資姿勢は安定的
大規模なクラッシュは起きにくいか
品も育ち、買い手の層も厚い。当面マーケットの大きな変動は
起きにくいとみています。
ただし、ファイナンスの調達コストが安ければそのぶん物
―マーケットでは米国の利上げや中国の景気後退リスクを指摘
件を高く購入できるという考え方、つまりインプライドキャップ
する声も大きくなってきました。いまの市況の見方や、投資を進め
レートに頼った投資には注意が必要です。これは不動産の流
る際に注意しているポイントについて教えてください。
動性が常に保たれていることが前提です。しかし大きな経済
変動が起こると実際には流動性が著しく損なわれてしまいま
グローバルの金融マーケットが不安定さを垣間見せ
す。プレーヤーもこのことは過去に痛いほど学習してきたはず
るなか、株価や REIT の投資口価格も数年前のような強気一
です。短期的な値幅取りではなく、あくまで中長期の目線で投
辺倒ではなくなりつつあります。いずれ不動産マーケットもそ
資・運用を行うことが大切になってくるでしょう。
長谷川
の影響を免れ得ないでしょう。とはいえファイナンス環境は依
(純資産)
このほか J-REIT では、投資口価格が軟調で NAV
然として良好ですし、銀行の融資姿勢が一変する状況も当面
倍率 1 倍切れの銘柄も散見されるようになっています。これか
なさそうです。大きなクラッシュは起こりにくいとみています。
らは上場 REIT の M & A の機会も出てくるかもしれません。
当社としてはこれまで以上に厳選して物件を仕入れるととも
佐藤
全体感としては少し慎重な意見をもっています。米国の
に、ファイナンスについても長期固定かつ低金利の調達を意
利上げは秒読み段階に入りました。日本も 2013 年から金融緩
識していきます。仮に市況が調整する局面があるとすれば、当
和を続けていますが、グローバルの流れでいえば緩和は縮小
社が納得できる価格水準であれば積極的に物件を仕込んで
の方向性にあるとみて間違いないでしょう。J-REIT などの証
いきます。
券化商品は金融商品でありクレジットの影響を免れ得ません。
矢野
たしかにファイナンス環境は良好で、当社も住友商事
本体とほぼ同じレートで調達ができています。銀行の融資姿
勢がいつ変化するのかをいまの時点で予測することは困難で
米国ではすでにハイイールド債からの資金流出もみられはじ
めました。
長らく続いた金融緩和の悪影響は随所にみられています。
すが、仮に変化があったとしても以前のようにローンが大幅に
オーストラリアのシドニーをみても、キャップレートの縮小が限
焦げ付いたり、不良債権化することにはなりにくいとみていま
界まで進むと同時に賃料も下落を続けています。これは金融
す。この10〜20 年の間、貸し手 ・ 借り手ともに数々の景気変
相場にほかなりません。こうしたなかで一気に金利が上がれば
動やクラッシュを経験するなかで多大なる学習をしてきました。
何が起きるかは明らかです。
物件の評価額やレバレッジ水準もおおむね無理のない範囲に
収まっているとみています。
リスクといえば、東京オリンピック後の景気低迷を危惧する
意見もあります。しかしオリンピックは一過性のイベントであ
シンガポールのコンドミニアムの価格もピークから10%程度
下落、香港でも商業用不動産の賃料が弱含みはじめました。
すでに金融ドリブン型の相場は息切れ感がみられ、マーケッ
ト全体に不穏な空気が漂っています。
り、官民によるインフラ投資はその後も継続して行われていく
そうしたなかで重要なことは、ボラティリティに耐えられる投
でしょう。米国駐在時にアトランタオリンピックを経験しました
資ではないでしょうか。株式の世界でもスマートベータ投資が
が、国際的な知名度向上などでオリンピック後も景気は強い
注目を浴びています。不動産の分野でも海外の年金投資家な
基調にあったと記憶しています。
どがより安定的なコアアセットに目を向けています。
ただし長期のタームでみると金利はゆるやかな上昇トレンド
東京に目を向けると、三鬼商事のオフィス市場調査では都
を辿る可能性もあります。金利が上がればエクイティリターンは
心のビルの空室率が 5%を割る一方、賃料はなかなか上昇に転
それだけ圧迫されます。一方でインフレ期待が醸成されていけ
じません。オフィス床は 2016〜17 年も30〜40 万坪規模の供
ば賃料の上昇分で相殺されていくでしょう。
給が見込まれています。需給バランスからみて 16 年後半にも
宰田
海外投資家は日本市場の良好なスプレッド環境に着目
しています。上場 REIT ばかりではなく私募 REIT など別の商
44
PROPERTY MANAGEMENT
2016 Feb.
少し調整が入る局面になるとの声も聞こえます。
ホテルなどオペレーショナルアセットへの注目高い
ノンコアアセット市場はさらなる拡大を期待
いわゆるノンコアのアセットにも注目しています。グループで
は太陽光や風力、火力など発電事業にも積極的に取り組んで
います。こうしたインフラ施設の開発 ・ 保有は、日本ではこれ
―ポジティブな意見、ネガティブな意見の両方がでました。その
までリコースの世界でした。SPC ストラクチャーであってもスポ
なかで具体的にどのような事業機会を見込んでいますか。
ンサーが連帯保証を入れます。しかし海外では完全に倒産隔
離された SPC にノンリコースファイナンスが提供され、証券化
長谷川
インバウンド需要の増加に着目し、引き続きホテルに
もされている。日本でもこうしたインフラファンドが実現できる
は力を入れていきます。当社グループのバランスシートでも数
よう、投資家などとも連携して取り組んでいきます。
百億円規模の物件を保有しています。そのなかには個人や事
佐藤
業会社などが保有し、ハードにもあまり投資をしてこなかった
とで言えば、海外投資家からは日本の不動産マーケットに興
ような再生型のものも多く含まれます。
味があるものの、なかなか安定した投資対象が見つからない
先にお話ししたボラティリティに耐えられる投資というこ
ホテルに限らず、不動産のプロではない所有者がもっていた
という声をよく耳にします。これは A クラスのオフィスビルとい
案件には継続して大きなチャンスが見込めそうです。事務所や
うことだけでなく、インフラ施設なども含めた景気循環に左右
店舗ビルなどについても、ハード/ソフト両面に手を加えること
されにくい、中長期の運用に耐え得る物件という意味です。日
で、3 年程度で 3〜4 割程度のテナントが賃上げに成功してい
本では丸の内 ・大手町を代表するようなビルは企業がバラン
ます。
スシートに抱え込んでしまってなかなか証券化の対象にはなり
そのほかメガソーラー事業にも注力していきます。国の買取
ません。シドニーやシンガポールにおいてその当地を代表する
単価は下がってきていますが、市場の拡大などで太陽光パネ
ようなプレミアム物件が REIT に軒並み組み入れられているの
ルの単価も下がってきています。まだまだ事業機会は多く継続
とは対照的です。これは日本市場の構造的な課題ともいえる
的に投資を行っていきます。
でしょう。
たしかに個人や事業会社などいわゆる B to C に近い取
ノンコアのマーケットの発達も遅れています。ヘルスケア
引にはチャンスが見込めると思います。また B to B の取引で
REIT はようやく立ち上がりましたが、グローバルにみたヘ
あっても、現行賃料がいまのマーケット水準に追いついていな
ルスケア REIT の本丸ともいえる病院 施 設やハイエンドの
い物件も散見されます。そうした投資機会も積極的に捉えて
retirement house などを組み入れる事例がなかなかみられま
いきます。
せん。インフラの分野についても、太陽光を除けばほかのア
宰田
商業施設やホテルなど運営力が試される案件にもチャンス
があります。国内外のプレーヤーをみても、この運営の目利き
ができるところはまだまだ少数だと思います。エリアの広がりも
セットへの広がりはみられません。これからのマーケット拡大
に期待したいと思います。
世界中の REIT やファンド商品をみて一つ言えることは、
重要でしょう。多くの投資家は東京・大阪などの大都市に投資
健全な需要が見込めるアセットは積極的に証券化の対象と
を集中させています。しかしそのほかの地方都市であっても、
されるなど、投資家の投資意欲を惹きつけるに長けているこ
今後一定の存在感を維持できる都市があると考えています。
とです。
コアアセットへの投資に引き続き注力していきます。A
例えばオーストラリアでは、政府の財政政策の支援が厚い
クラスアセットへの投資機会を捉えることはたしかに困難を極
保育所に投資する REIT が立ち上がっています。またアメリカ
めますが、当社の場合には住友商事本体の開発力を見込める
ではキャッシュフローの安定した刑務所などの行政施設を組
ことは大きなアドバンテージになっています。
み入れたファンドもあります。世の中の需要に応じた商品開
矢野
もう一つは取得に向けた交渉力、提案力です。なんらかの
発 ・ 設計を進めていくことが日本でもますます重要になってい
事情で物件を手放したいオーナーに向けて、価格面の優位性
くのではないでしょうか。
だけではなく、ハード/ソフト両面において住友商事グループ
―ありがとうございました。
ならではの提案も行っていきます。
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AM
Guide
2016
不動産AM会社ガイド2016
私募 REIT・ファンドを運用する注目 AM 各社の
会社データ・投資対象アセット・規模・エリア領域などを紹介
◎ 掲載項目
[会社データ]代表者名/設立日/所在地/電話番号/FAX 番号
[AM 事業概要]運用資産残高/運用ファンド数/運用アセット/対象エリア/投資家層/AM の特徴
株式会社イデラ キャピタルマネジメント
http://www.idera-capital.com
[代表者名]今井夏生
[設立日]2001 年 9 月
[所在地]〒 107-0061
東京都港区北青山三丁目 5 番 12 号 青山クリスタルビル
[TEL]03-5771-9001
[FAX]03-5771-9002
[運用資産残高]1,240 億円(2015 年 9 月末時点)
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/物流
エムケーキャピタルマネージメントとアトラス・パートナーズの合併で誕生し、現場力とファンド
マネジメント・ 新規商品開発力が強み。2014 年 5 月に中国の代表的コングロマリット・ 復星集
団 (Fosun Group) が新スポンサーになり、復星集団の長期的な支援のもと、日本ひいてはアジ
ア屈指の不動産投資管理プラットフォームとなることを目指している。
ASAアセットマネジメント株式会社
http://www.asa-am.jp
[代表者名]飯田浩令
[設立日]2007 年 8 月
[所在地]〒 105-0001
東京都港区虎ノ門 4 丁目 3 番 13 号
[TEL]03-5425-6771
[FAX]03-5425-6774
[運用資産残高]1,259 億円
[運用ファンド数]23 本
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]全アセット対応
青山綜合会計事務所のグループ力を背景に、多数のファンド運用を受託している。対象アセッ
トは、オフィス・レジデンシャル・商業施設・ホテル・ケアハウス等多岐にわたる。独立系アセッ
トマネジメント会社としての強みを活かし、多数のエクイティ投資家およびレンダーの業務ニー
ズに柔軟に応え、コストパフォーマンスを重視したこまめなAM業務対応を心掛け、同業他社
との連携も行い、業容拡大を図っていく。
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PROPERTY MANAGEMENT
2016 Feb.
株式会社 LC パートナーズ
http://lcpartners.co.jp
[代表者名]小山努
[設立日]2009 年 8 月
[所在地]〒 107-6024
東京都港区赤坂 1 丁目 12 番 32 号 アーク森ビル 24 階
[TEL]03-6229-4070
[FAX]03-6229-4080
[運用資産残高]約 260 億円
[運用ファンド数]17 本
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]物流/商業/ホテル
サブリース事業を主力に、地主の土地有効活用ビジネスで 50 年以上の実績を持つロジコム
グループのアセットマネジメント事業を行っている。不動産ファンド黎明期から業界に携わり、
不動産のみならず建築や金融の分野も熟知する人材を有している。2014 年に運用を開始した
「LC リテールファンド」にて生活密着型の商業施設などを中心に拡充中。メザニンローンをク
ラウドファンディングで調達するファンドビジネスのワンストップモデルを展開している。
ケネディクス株式会社
http://www.kenedix.com
[代表者名]宮島大祐
[設立日]1995 年 4 月
[所在地]〒 103-0026
東京都中央区日本橋兜町 6 番 5 号 KDX 日本橋兜町ビル
[TEL]03-5623-8400
[FAX]03-5623-8401
[運用資産残高]約 1.6 兆円(2015 年 12 月末時点)
※グループ全体の数値
[運用ファンド数]-
[対象エリア]東京及びその周辺と全国主要都市
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/物流/商業/ホテル/シニアヘルスケア等
ケネディクスは、顧客投資家との共同投資や不動産開発等の幅広い手法で、様々な投資機会
を投資家へ提供している。100%子会社であるケネディクス不動産投資顧問においては、複数
の J-REIT(ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・レジデンシャル投資法人、ケネディ
クス商業リート投資法人)と私募 REIT(ケネディクス ・プライベート投資法人)の運用を行っ
ている。
株式会社ザイマックス不動産投資顧問
http://www.xymax.co.jp/xy-reia/index.html
[代表者名]稲月伸仁
[設立日]2001 年 9 月
[所在地]〒 107-0052
東京都港区赤坂一丁目 1 番 1 号
[TEL]03-5544-6860
[FAX]03-5544-6861
[運用資産残高]約 1,200 億円
[運用ファンド数]22 本
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/ヘルスケア
プロパティマネジメントやビルメンテナンスで培った不動産マネジメント能力を活かし、広範な
アセットマネジメントサービスを提供。不動産本来の姿である長期運用の観点を大切にした、
戦略的かつ安定的なマネジメントスタイルで不動産価値を高める。
47
不動産AM 会社ガイド2016
サヴィルズ・アセット・アドバイザリー株式会社
http://www.savills.co.jp
[代表者名]稲津俊彦
[設立日]2011 年 9 月
[所在地]〒 100-0006
東京都千代田区有楽町二丁目 7 番 1 号 有楽町イトシア 15 階
[TEL]03-6777-5252
[FAX]03-6777-5253
[運用資産残高]約1,000 億円(2015 年12月 20 日時点)
[運用ファンド数][対象エリア]全国
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル 他
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
グローバル ・サービス ・プロバイダーであるサヴィルズ・ジャパンの AM 関連会社として2012
年に業務を開始した。主に欧米 ・アジアの機関投資家からサード・パーティーAM を受託して
いる。多様なクライアントからの要望に応えるため、サヴィルズ・ グループの総合力とグローバ
ルなネットワークを活かして、案件ごとにカスタマイズされた AM サービスを提供している。
住商リアルティ・マネジメント株式会社
http:www.sumisho-rm.co.jp
[代表者名]矢野秀樹
[設立日]2007 年 9 月
[所在地]〒 104-6217
東京都中央区晴海一丁目 8 番 12 号 晴海トリトンスクエアオフィスタワーZ 17 階
[TEL]03-5547-0571
[FAX]03-5547-0574
[運用資産残高]約 2,149 億円(2015 年 9 月末時点) [運用ファンド数]14 本
[対象エリア]全国
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/物流/底地
[投資家層]コア
アセットマネジメントの特徴
住友商事グループにおける唯一の不動産アセットマネジメント会社として設立された同社は、
住友商事グループの持つ豊富な情報及び知見を活用して、投資家へ優良な投資機会と質の高
いアセットマネジメントサービスを提供している。2015 年 1 月からは、長期的な安定運用を期待
する投資家ニーズに応えるべく、私募 REIT「SCリアルティプライベート投資法人」の運用も開
始。今後も積極的な預かり資産の積み増しに注力していく。
タッチストーン・キャピタル・マネージメント株式会社
http://www.touchstone-cm.com
[代表者名]賣間正人
[設立日]2005 年 6 月
[所在地]〒 107-0052
東京都港区赤坂一丁目 7 番 1 号 赤坂榎坂森ビル
[TEL]03-5114-6622
[FAX]03-5114-6623
[運用資産残高]約 1,259 億円(2015 年 12 月末時点) [運用ファンド数][対象エリア]東京都区部/大都市圏
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/商業/住宅
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
コアからオポチュニスティック投資まで幅広い分野のアセットマネジメントサービスを少数精
鋭のプロフェッショナル集団により提供している。英語を使ったバイリンガルスキルにより海外
投資家のニーズに応えるとともに、ファイナンスに精通した独立系アセットマネジメント会社と
しての強みを発揮し、顧客の個別ニーズに合わせたベンダー編成に基づく運用体制を提供し
ている。
48
PROPERTY MANAGEMENT
2016 Feb.
東急不動産キャピタル・マネジメント株式会社
http://www.tokyu-tlcm.co.jp
[代表者名]前原仁司
[設立日]2007 年 2 月
[所在地]〒 107-0062
東京都港区南青山二丁目 6 番 21 号 TK 南青山ビル 9 階
[TEL]03-5414-1832
[FAX]03-5414-1834
[運用資産残高]約 9,600 億円(2015 年 9 月末時点) [運用ファンド数]主に東京 23 区とその周辺エリア、
[対象エリア]
及びその他政令指定都市の中心エリア
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/商業/住宅/物流 他
[投資家層]コア
東急不動産ホールディングスグループの私募ファンド運用会社。不動産の開発から運営・ 管理
に至るグループのノウハウや、デベロッパーを母体とする“目利き力 ”を活かし、多様な投資ニー
ズに応えている。「投資家ニーズの的確な把握」と 「確かな運用が見込める不動産」とを結びつ
ける基本姿勢に基づき、コア型の私募ファンドを中心に組成 ・ 運用。2014 年 3 月、私募 REIT
「ブローディア・プライベート投資法人」の運用を開始している。
東京海上不動産投資顧問株式会社
http://www.tokiomarine-pim.com
[代表者名]後藤伸樹
[設立日]2003 年 2 月
[所在地]〒 105-0021
東京都港区東新橋二丁目 4 番 1 号
[TEL]03-5733-3001
[FAX]03-5733-3002
[運用資産残高]1,671 億円(2015 年 12 月末時点)
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国主要都市
[投資家層]コア/コアプラス
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業 他
東京海上不動産投資顧問は、東京海上ホールディングス100%出資の投資顧問会社であり、
2003 年の創業以来、海外不動産ファンドオブファンズや海外不動産投資一任、国内不動産私
募ファンド、国内私募 REIT 等の運用商品を機関投資家に提供している。徹底したマーケットリ
サーチに基づく意思決定を強みとし、定量的なリスク分析やポートフォリオ理論の導入等、国内
有数の機関投資家を出自とする同社ならではのアプローチを不動産投資に導入している。
日土地アセットマネジメント株式会社
http://www.nittochi-am.co.jp
[代表者名]梅本勝久
[設立日]1973 年 4 月(2007 年 11月 現商号へ変更)
[所在地]〒 100-0013
東京都千代田区霞が関一丁目 4 番 1 号
[TEL]03-3501-6655
[FAX]03-3501-6677
[運用資産残高]約 3,000 億円
[運用ファンド数]15 本
[対象エリア]全国主要都市
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/その 他
日本土地建物の 100%子会社である日土地アセットマネジメントは、日土地グループが長年
培ってきた、不動産業務および不動産投資運用業務のノウハウ並びにネットワークを最大限に
活用するとともに、利益相反取引・ 利害関係人取引等に係るコンプライアンスを十分徹底し、
投資家の皆様に優良な運用機会と質の高いサービスを提供。2015 年 2 月に運用を開始した日
本土地建物プライベートリート投資法人を含め約 3,000 億円の資産を運用。
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不動産AM 会社ガイド2016
野村不動産投資顧問株式会社
http://www.nre-am.co.jp
[代表者名]安部憲生
[設立日]2003 年 1月
[所在地]〒 160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目 5 番 1 号
[TEL]03-3365-8666(代表)
[FAX]03-3365-1198
[運用資産残高]約 1.1 兆円(2015 年 3 月末時点)
[運用ファンド数]16 本
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/物流/ヘルスケア
野村不動産グループでは、不動産の保有構造の変化を先取りし、業界のフロントランナーとし
て 1990 年代後半から不動産を投資対象とした資産運用事業を本格展開してきた。運用資産
残高 1 兆円を超える国内最大級の不動産投資運用会社として、不動産セクター、運用スキーム、
運用対象資産等における事業領域を着実に拡大するとともに、長年の運用経験により培って
きたノウハウを発揮することで、投資家の期待と信頼に応えている。
BMS アセットマネジメント株式会社
http://www.bmsam.co.jp
[代表者名]橘延治
[設立日]2008 年 1月
2016 年 2 月 21 日移転予定
[所在地]〒 101-0052 東京都千代田区神田小川町二丁目 5 番地 1 オーク神田小川町ビル 7 階 ※〒
101-0054 東京都千代田区神田錦町一丁目19 番地 1 神田橋パークビル 8 階
[TEL]03-5282-5400
[FAX]03-5282-5401
[運用資産残高]-
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/物流 他
大手 PM 会社である BMS の 100%子会社として親会社の PM・ CM 業務のノウハウを活用し
不動産証券化のアレンジ、受託資産の運用及び売却等の提案を行っている。運用資産はオフィ
ス・ 住宅 ・商業施設 ・ホテル・ 物流等多岐にわたり、リーシング戦略や改修工事等により受託
資産の付加価値を高め、中長期的な安定運用を図っている。また、同業他社との連携も行い、
それぞれの利点を活かして様々な投資家ニーズに応えている。
丸紅アセットマネジメント株式会社
http://www.marubeni-asset.com
[代表者名]宰田哲男
[設立日]2007 年 11月
[所在地]〒 100-0004
東京都千代田区大手町一丁目 6 番 1 号 大手町ビル 8 階
[TEL]03-6256-0200
[FAX]03-3217-3310
[運用資産残高]約 1,140 億円
[運用ファンド数]3 本
[対象エリア]国内主要都市およびその周辺部
[投資家層]コア/コアプラス
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業施設/ホテル 他
2014 年 9 月に運用開始した非上場オープンエンド型不動産投資法人(私募 REIT )「丸紅プ
ライベートリート投資法人」の運用を行うほか、丸紅グループの都市開発機能に沿った不動産
私募ファンドの運用を行っている。総合商社系ならではの豊富なネットワークを活かして、私募
REIT の運用、国内・ 海外の投資家のニーズに応じた不動産私募ファンドの組成、一任運用、
運用助言、投資顧問等、業容の拡大を図っていく。
50
PROPERTY MANAGEMENT
2016 Feb.
三井住友トラスト不動産投資顧問株式会社
http://www.smtreim.jp
[代表者名]岩﨑洋充
[設立日]2005 年 11月
[所在地]〒 101-0054
東京都千代田区神田錦町三丁目 11 番 1 号
[TEL]03-3518-6951
[FAX]03-3518-6956
[運用資産残高]3,718 億円(2015 年 12 月末時点)
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]全アセット対応
三井住友信託銀行の 100%出資子会社である三井住友トラスト不動産投資顧問は、不動産
証券化業務のパイオニアである信託銀行が長年培ってきた機能を活用し、多様化する投資家
ニーズに対応した新たな不動産証券化商品の開発も視野に、マーケットの要請に応え得る的
確でスピーディなサービスの提供に取り組んでいる。
三井不動産投資顧問株式会社
http://www.mfia.co.jp
[代表者名]冨川秀二
[設立日]1997 年 9 月
[所在地]〒 103-0027
東京都中央区日本橋 1 丁目 4 番 1 号 日本橋一丁目三井ビルディング 7 階
[TEL]03-3246-3920
[FAX]03-3246-6110
[運用資産残高]1 兆 2,390 億円(2015 年 3 月末時点)[運用ファンド数][対象エリア]全国
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/物流/ヘルスケア
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
三井不動産グループの開発・運営スキルとネットワークを活かして不動産私募ファンド事業に取
り組み、不動産投資市場のパイオニアとして実績と信頼を積み重ねてきた。現在では 2012 年 3
月に運用を開始した三井不動産プライベートリート投資法人を含め 1 兆 2,000 億円を超える資
産を運用。不動産投資に関するソリューション・パートナーとしての役割をより高度な次元で果
たすことを目標に掲げ、さらなる進化を図っている。
三菱地所投資顧問株式会社
http://www.mecinvest.com/jp
[代表者名]天野雅美
[設立日]2001 年 7 月
[所在地]〒 100-0005
東京都千代田区丸の内二丁目 5 番 1 号 丸の内二丁目ビル 7 階
[TEL]03-3218-0031
[FAX]03-3218-0035
[運用資産残高]6,050 億円(2015 年 12 月末時点)
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国主要都市
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[運用アセット]オフィス/住宅/商業/物流
三菱地所投資顧問は不動産アセットマネジメント会社として 2001 年 7 月に設立されて以来、三
菱地所グループに蓄積された不動産の開発 ・ 運営・ 証券化などに関する多種多様な経験とノ
ウハウを活かし、不動産投資・ 運用に関する専門サービスを提供している。2011 年 3 月には不
動産からの安定的なインカムゲインの享受を目的としてオープンエンド型私募 REIT「日本オー
プンエンド不動産投資法人」の運用を開始している。
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