デジタル利活用のための 重点点検専門調査会 活動報告 平成 22 年 3 月 目次 Ⅰ.活動の概要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 Ⅱ.活動の成果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 Ⅲ.結語 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 資料編 資料1 「デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度慣行等の重 点点検」に関するパブリック・コメント」結果 資料2 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等に関す る有識者からの意見 資料3 パブリック・コメント及び委員意見に対する関係府省の見解、取り組 み状況 資料4 重点点検の対象とすべきテーマの絞込みに関する考え方 参考資料 会議議事録等 Ⅰ.活動の概要 1. 経緯 「IT立国・日本」として、情報通信技術の利活用による国民生活向上・国際競争力 強化を進めていくためには、行政サービス、医療、産業等の各分野におけるデジタル 技術の活用を前提としない制度、慣行、組織等の壁を、徹底した業務プロセスの見直 し(BPR)を通じて突破することが不可欠である。 そのため、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(以下、「本部」。)に「デジ タル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行、サービスの仕組みそのもの の在り方や運用などを国民にとって利益となる形で抜本的に見直すための点検を実 施する」ことを目的として、「デジタル利活用のための重点点検専門調査会」が設置さ れたところである(平成21年7月6日、本部決定)。 本専門調査会では、上記考え方にもとづき、デジタル技術の活用に係る規制・制 度・慣行等について、パブリック・コメントを通じて国民ニーズを把握するとともに、重 点的に検討すべきテーマや、検討の進め方等について議論を進めてきた。 2. パブリック・コメントの実施 重点点検専門調査会の発足に向けた準備作業の一貫として、幅広く国民の意見・ 提案を募集するため、「デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行、 サービスの仕組みそのもののあり方や運用」に該当すると考えられるものについて、 平成21年7月10日から平成21年8月6日の間、パブリック・コメントを実施した。この 結果、38者の個人から133件、27者の団体から75件の合計65者から208件の意 見・提案が提出された。 3. 第一回会議の開催(平成21年8月25日) 委員の互選により南直哉 東京電力(株)顧問が会長に選任され、南会長の指名に より國領二郎 慶應義塾大学総合政策学部長が会長代理に選任された。 会議では、上記のパブリック・コメントの結果について、事務局より説明が行われ、 これに対する委員からの意見が提示された。また、委員からは、個別テーマ等に関す る資料が提出されるとともに、個人情報保護、医療情報の活用や電子行政に対する 意見等が提示された。 更に、國領会長代理より、パブリック・コメント及び委員提出テーマに関して、関係 府省の見解を聴取するよう意見が提示され、南会長から事務局に対して関係府省の 見解を聴取するよう指示が出された。また、重点点検の対象候補については、関係 1 府省の見解を踏まえ次回会議までに約 20 件に絞り込むこととされた。 4. 関係府省からの意見聴取、委員からの追加意見聴取 第一回会議における南会長からの指示を受けて、事務局においてパブリック・コメ ント及び委員提出テーマについて関係府省の見解を聴取した。聴取した結果につい ては、適宜委員にフィードバックし、委員からの追加質問がある場合には、再度関係 府省の見解を聴取した。 また、上記結果を踏まえ、南会長及び國領会長代理の主導により、重点点検対象 候補の絞込み作業が進められ重点点検の対象候補テーマリスト(案)が作成された。 5. 第二回会議の開催(平成21年10月21日) 南会長より対象候補テーマリストが提示されるとともに、各委員から絞込みの方針、 点検対象とすべき規制等についての資料が提示され、これに基づく意見交換等が行 われた。 6. 第三回会合の開催(平成22年3月26日) 専門調査会の活動の取りまとめが行われるとともに、それも踏まえた今後の情報通 信技術政策の推進等に関して、意見交換が行われた。 2 Ⅱ.活動の成果 本専門調査会の活動においては、上記のとおり、パブリック・コメントを通じた国民 ニーズの把握と、それも踏まえた有識者からの意見をとりまとめることで、デジタル利 活用のために進めるべき取り組みについて、課題の洗い出しを行うとともに(1.及び 2.)、それに対する各府省の見解や現在の取り組み状況を収集・整理した(3.)。 さらに、この結果を踏まえて、点検の対象とすべきテーマや、点検の進め方につい て検討を行った(4.)。 なお、本活動報告のとりまとめに際し、今後政府の情報通信技術政策を推進して いく上での追加意見等がある各委員からは、別途意見等を集約した(5.)。 これらの活動の成果は以下のとおりである。 1.「デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等の重点点検」に関 するパブリック・コメント」結果 (1)パブリック・コメント概要(資料1-1) (2)資料1-2 パブリック・コメント(資料1-2) 2.デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等に関する有識者か らの意見 (1)第一回会議における各委員からの提出資料(資料2-1) 3.パブリック・コメント及び委員意見に対する関係府省の見解、取り組み状況 (1)パブリック・コメントに対する各府省からの回答(資料3-1) (2)委員意見に対する各府省からの回答(資料3-2) (3)委員追加意見に対する各府省からの回答(資料3-3) 4.重点点検の対象とすべきテーマの絞込みに関する考え方 (1)「対象テーマ候補(一覧)」(第二回会議南会長資料)(資料4-1) (2)「対象テーマ候補(個票)」(第二回会議南会長資料)(資料4-2) (3)第二回会議における各委員からの提出資料(資料4-3) 5.今後の情報通信技術政策の推進に向けた追加意見等(第 3 回会議資料) (1)岡村委員提出意見(資料5-1) (2)國領委員提出意見(資料5-2) (3)南委員提出意見(資料5-3) 3 Ⅲ.結語 国民視点にたって、様々なサービス等に係る規制・制度・慣行等をゼロベースで見 直していくことは、今後の情報通信技術政策を推進してく上で必要不可欠である。 本報告書には、こうした見直しの対象とすべきテーマや、見直しの進め方について の考え方等が取りまとめられているので、今後、政府の情報通信技術政策を進めて いくにあたって、参考としていただきたい。 4 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 活動報告 資料編 資料1 「デジタル技術・情報の利活用を阻むような 規制・制度・慣行等の重点点検」に関する パブリック・コメント」結果 5 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9、10 11 12、13 14 15 16 17 18 19~37 38 39,40 41 42~44 45 46~102 103 104 105~107、109 108 110 111~116 117 118 119~121 122~138 139 提出者等 特定非営利活動法人日本医療コンシェルジュ研究所 個人1 個人2 個人3 個人4 個人5 個人6 個人7 個人8 個人9 株式会社ニーモニックセキュリティ 個人10 個人11 個人12 個人13 個人14 個人15 個人16 個人17 個人18 個人19 個人20 個人21 BeB協議会(アットマークベンチャー内) 個人22 個人23 個人24 個人25 個人26 個人27 社団法人 車両情報活用研究所 (車両電子情報有効活用研究会) 団体A(非公開希望) (社)日本経済団体連合会 京都府行政書士会運輸交通委員会 6 1 / 8 ページ 提出者等 PSA株式会社 NPO法人 東アジア国際ビジネス支援センター 財団法人 日本データ通信協会 タイムビジネス協議会 個人28 個人29 個人30 個人31 (社)電子情報技術産業協会 (社)日本画像情報マネジメント協会 個人32 ヤフー株式会社 社団法人 日本図書館協会 北海道大学大学院医学研究科・北海道臨床開発機構、株式会社野村 169 総合研究所 170~175 富士通株式会社 176~184 社団法人全国地方銀行協会 185~187 楽天株式会社 188 個人33 189~191、203 個人34 192 NPO 士業カウンシル 193 個人35 194 株式会社MTI 195 株式会社 情報数理研究所 196 株式会社PTP 197 個人36 198,199,202 国際航業株式会社 200 個人37 201、205 個人38 204 株式会社ワイズスタッフ 206 電子申請研究センター 207 団体B(非公開希望) 日本マルチペイメントネットワーク推進協議会 208 /日本マルチペイメントネットワーク運営機構 番号 140 141 142~144 145 146~148、150 149 151 152~155 156 157~159 160~164 165~168 意見募集期間 平成21年7月10日~平成21年8月6日 提出意見件数 個人:38者(133件) 団体:27者(75件) 合計:65者(208件) パブリックコメント結果概要 資料1-1 (1/6) 行政 (電子申請) 行政 分類 126、127、128、 176、177、178 68、130、134、 140、179、180、 208 ・登記手続きにおいて、行政機関が作成・発行する添付書類は、バックオフィス連携とすべき。 ・廃棄物処理法にかかる手続きにおいて、都道府県、市町村にそれぞれ個々の手続きを行う必要があり、不便。 ・住民台帳と国民年金第3号被保険者の各種変更届出手続きをリンクさせるべき。 ・国勢調査において、業務横断的なデータ収集を行うことで、調査対象及び費用の削減をはかるべき。 ・指定金融機関から地方公共団体に提供する地方税等の収納情報に関し、書面ではなく電子化すべき。 ・車検手続きにおいて、国と都道府県のデータ連携により、自動車税の納税証明書の添付を廃止すべき。 データ連携 添付書類の省略 46~67、 69~82、 84~86、 88~102、104、 157、159、206 税関係 ・登記に関する法令、通達、Q&A等に、不明瞭な点が多い、又は整合がとれていない部分、矛盾している部分がある。 ・法務局での対応者が、法令に基づく手続きを厳格に実施していない。また対応が不親切、不明瞭。 ・システムの使い勝手が悪い。 ・登録免許税の還付方法が適当ではない。 ・商業登記において、士業サービスをワンストップ化すべき。 ・電子申告のシステムのユーザビリティが悪く、非効率、不便。 ・市町村により電子と紙の扱いが異なるため、企業において、一括処理することができない。 ・eLTAXの導入が不十分。 ・地方税の納付先が限定されており、不便。 ・納税通知を電子的に送付できるようにすべき。 ・地方税の納付書様式が地方公共団体毎に異なり、業務処理の効率化を阻害している。 登記 全般 2、105、106、 ・意見募集の方法等が利用者の視点に立っていない、使いづらい。 ・e-GovのWebページはわかりにくく、また、求めるサービスにたどり着けない。 ユーザビリティ ・国、地方とも、行政機関の動きが年度区切りの予算に縛られており、ITインフラの整備、セキュリティ対応等に対して素早 い行動が十分に取れていない。年度途中でも迅速かつ的確な決裁により支出を可能とする制度にすべき。 ・「e-ネットづくり!」のキャンペーンにおける「自主憲章」やガイドライン等は規制よりにしかならず、ニーズを無視している。 11、23、34、 ・天下りを禁止すべき。 107、109、145、 ・e-Govサイトを通じて行った質問に対して、回答が来ない。 195 ・パブコメにおいて、真の意味で国民の意見を募集する形になっていない、必要以上の情報を記載させている。 ・政府調達において小規模なソフトウェア開発業者等が参入できるようにするため、調達のオープン化を進めるべき。 パブリックコメント番号 意見の概要 小分類 資料1-1 (2/6) 7 8 個人認証 育児 医療・健康 分類 153、172、173、 193 ・レセプト情報の電子フォーマットが、二次利用を行うに適していない。 ・レセプト審査の運用基準が都道府県により異なるため、レセプト分析の精度が下がる。 ・複雑かつ膨大な診療報酬体系によって、関係者間の解釈の相違が生じており、また、診療報酬改定から試行までが短期 間のため、システム反映作業等において医療現場が混乱している。 ・地方公共団体における医療費助成事業については、都道府県により診療請求の運用等が異なり、不便。 ・行政関係の各種カードがばらばらに存在しており、利用者が不便を感じているとともに、個別システムによる管理のため、 無駄な行政コストが生じている。 3、15、17、 ・ID、パスワードがあれば、そもそも住基カードは不要ではないか。(カードリーダーの購入等が不便) 38、170 ・国民総背番号制を導入すべき。 39、40、204 本人確認方法の緩和 ・登記申請における本人確認の方法を緩和すべき。 ・資金移動業者による本人確認の方法を緩和すべき。 83、87、121、 158、207 ・ID、パスワードによる管理では、高齢者・情報弱者が使いこなせない場合があり、視覚物等による認証も導入すべき。 認証、署名の緩和及び 12、16、142、 ・電子署名の長期的な検証に対する制度が不十分。 多様化 161 ・衆議院、参議院への請書・陳情において、法律上規定されていないにも関わらず、自署又は押印を要求されており、不便。 共通コード 各種カード ・育児休暇中の給付金等の手続きが煩雑、保育園の入所申請が書面を前提としたものとなっており不便。 ・育児休業基本給付金の支給規則が、テレワーク勤務を困難にしており、実態に即していない。 電車等での携帯電話の ・携帯電話がペースメーカー等に与える影響についての説明不足から、過剰な反応をする人も存在し、ユビキタス環境の発 45 利用の制限 展の妨げになっている。 匿名化された医療情報 ・患者個人の医療情報を、臨床研究のために利用する場合、オプトアウト方式が認められておらず、また、研究者が、その の活用 業務の一部を委託することができないため、疫学研究が進まない。 169 123 ・処方箋の電子化を認めることで、国民の利便性を向上すべき。 処方箋の電子化 診療報酬関係 124、162、185 1、122、152、 171 ・対面診療の原則のため、遠隔診療が進んでいない。 ・特定健診の保険指導において、対面が原則となっているため、診療報酬上の措置が得られず、活用が阻害されている。 遠隔医療、遠隔面談 薬のインターネット販売 ・消費者の利便性と安全の確保の両立を図った上で、広く通信販売が可能となるようにするべき。 パブリックコメント番号 意見の概要 小分類 資料1-1 (3/6) 9 個人情報保護 選挙 電子化の推進 分類 ・電子帳簿保存の承認を受けるためには、電子帳票のシステム整備に多大なコストを要するため、要件を緩和すべき。 ・企業における文書の電子保存において、電子帳簿保存法とe-文書法、複数の法律が適用されており、電子保存を困難に 125、141、143、 している。 156、184 ・e-文書法の認知度が低い、又は、対象となる書類がわかりにくいので、情報発信、普及啓蒙活動を進めるべき。 ・電子帳簿保存法の運用が不明確、あるいは技術的要件が厳しく、利用拡大につながっていない。 社会保障 電子帳簿保存法 e-文書法 ・個人データの漏洩防止に対する特定の技術的措置を講じているにも関わらず、紛失等の場合に、報告義務が発生し、企 個人情報が保存された 業の負担となっている。 13、154、183 媒体の紛失時の対応 ・一方で、高度に暗号化されていても、パスワードを記載された手帳を見られた場合、意味はなくなることから、あくまで確実 な本人認証の下で利用される限りにおいて、とすべき。 111、155 ・確定給付年金の事務手続きにおいて、電子申請、電子承認等の枠組みを導入すべき。 ・労働者派遣事業における「就業条件の明示」と「労働条件の明示」に関し、前者については、法改正により電子的な通知が 認められたが、両者はこれまで一体的に通知されていたことから、後者についても同様としない限り、実質的に緩和のメリッ 135、136、181 トが受けられない。 ・労働保険料の申告書の受付に関し、各地の労働局に直接申告する形にすべき。 輸入手続き関係 ・個人情報の定義が不明確であり、事業者の判断により目的外使用されている。 ・匿名化された個人情報の取扱が不明確で、その利活用に支障を来たしている。 ・現在紙で発給・運用されている特定原産地証明書について、電子交付を認めるべき。 ・リサイクルビジネスの推進のため、特定有害物質含有物の輸入手続きのオンライン化を進めるべき。 131,132、133、 ・輸入食品監視支援システム(FAINS)を利用して食品等の輸入届出を行った場合に、通関時の分析検査の短縮、電子メー 174、175 ル等での照会、審査状況等の情報提供等を行うべき。 ・米国船積前24時間前ルール規制等への対応のため、輸出者側の情報化と関係者との情報連携を促進すべき。 自動車関係 個人情報の範囲 118,139,192 ・関係府省及び民間事業者の保有する自動車関連の各種履歴情報を集約し、利活用すべき。 ・自動車保有関係手続きワンストップサービス(OSS)の利便性を向上させるべき。 公共事業関係 25、160、187 43、110、144、 198、199、202 ・街路灯番号について、設置場所、目標物などが携帯電話などで検索できる装置をとりつけるべき。 ・地方公共団体の保有する公共建築物、構造物部等の図面データの電子化が進んでおらず、利活用が図られていない。 ・公共事業における電子納品が進んでいない。 ・建築確認申請の電子化が実現されていない。また、電子保存の要件が示されていない。 ・地理空間情報に関する秘密漏洩の区分が不明確なため、積極的な情報公開ができていない。 公職選挙法の規制を緩和し、立候補者がインターネットを利用して選挙活動ができるようにすべき。 パブリックコメント番号 意見の概要 小分類 資料1-1 (4/6) 小分類 コンテンツ等 10 21、22、33、 165、166、167、 168、190 31、151、163 37,116 ・著作権法に、一般フェアユース条項を導入するべきである。 ・特許庁において検討されている音の商標については、著名な旋律・楽曲を登録除外とすべき。 ・著作権の保護期間を短縮すべき。 ・インターネット資料のうち、一定の条件に合致する場合に、複製権を制限することで、情報流通を促進する。 ・図書館間の複製物の取り寄せにおいて、公衆送信権を制限することで、電子的な送付を可能とすべき。 ・一定の要件を満たした場合、電子化された資料及びインターネット資料を、公衆送信できるようにすべき。 ・情報の二次流出に対する責任に対する刑罰を、法律上明確に規定すべき。 ・プロバイダ責任制限法の適用範囲を刑事上の責任にも拡大する。 ・著作権の間接侵害、侵害幇助に対し、その範囲を法律上明確にするための検討を開始する。 ・権限を有しない民間団体による検閲行為を認めるべきではない。 ・人権擁護法案(未法制)のように、ネットでの自由な活動の発展の阻害となる法案を成立させるべきではない。 フェアユース、 コンテンツ活用等 刑罰規定 表現の規制 36、120 20、146、188、 189 ・改正著作権法(H22.1.1施行)のダウンロード違法化条項は、著作権検閲につながりかねず、廃止すべき。 ・情報の受け手への違法化規定は、善良な市民に過度の恐怖を抱かせ、インターネット利用に重大な萎縮をもたらす恐れ がある。 ダウンロード違法化 DRM ・コピーコントロール回避の私的複製による経済的損失は発生せず、これを違法とすべきではない。 (デジタル著作権管理) ・DRMフリーでの音楽配信を許可することで、利用者の利便性を高めるべき。 19、27、196、 197 ・無料の地上波放送においてコピーを制限することは、視聴者から視聴の機会を奪っている。 ・地デジ放送においてコピー制限がかかっている中、私的録音録画保証金制度による賦課は不当であり廃止すべき。 ・B-CASカードの導入により、不要なコストが発生するとともに、商品企画の自由度が奪われている。 ・地デジ対応機器を製造販売したい中小企業等にとって、B-CASカードの支給要件が参入障害になっている。 コピーワンス ダビング10 B-CAS 26、32、35 ・(国際組織犯罪防止条約、)サイバー犯罪条約は法執行機関による個人のプライバシー侵害の危険があるため締結する べきではない。 ・著作権検閲のために、個人のプライバシーに関する情報にアクセスすることは、通信の秘密を侵害するものであり、許す べきではない。 ・模倣品・海賊版拡散防止条約において、個人PCの検閲等の内容を盛り込むべきではない。 ・地上波放送コンテンツのネット上での二次利用について、権利関係等を明確にする等、コンテンツの流通環境を整備すべ 4、164 き。 パブリックコメント番号 意見の概要 放送と通信 プライバシー保護 分類 資料1-1 (5/6) 産業 違法有害 情報等 分類 9、30、108、 112、148、200、 201 ・一般の健全な利用者に対してまで規制の影響が及んでいる。 ・青少年の情報へのアクセス権を侵害する恐れがあり、規制を廃止すべき。 ・何が有害なのかの定義が曖昧。 ・メディアリテラシー教育の観点からも、価値観の押し付けや偏見の温床になりかねない。 ・フィルタリング・ソフトサービスの不当な抱き合わせ販売の助長につながる恐れがある。 ・「出会い系サイト事業」の定義は事実上不可能な中、拡大解釈・恣意的運用が行われており、表現の自由など国民の基本 29、150 的な権利をないがしろにしている。 児童ポルノ フィルタリング 出会い系サイト規制 11 デジタルの利活用 ・タクシーの利用時に、ICカード等に事前に行き先を登録し、カーナビに送信できるようにすべき。 ・カレンダーを組み込んだ携帯電話に、祝日を意味する赤色日付を与えられるようにすべき。 42、44、194 ・動産・債権譲渡登記において、サプライチェーン上のトレーサビリティを確保することで、動産が、企業から販売先に資産移 転するまで担保対象を拡大することが可能となる。 18、103、119 ・公的個人認証サービスの署名検証者の範囲を、広く民間にも拡大すべき。 ・仕入先事業者等が、出店事業者に対して、安売りなどを理由として、一定商品のネット販売を制限・禁止している事例があ 129、186 り、独占禁止法上問題がある。 ・(銀行業界)銀行と顧客とのメールでのやり取りが禁止されており、不便。 その他産業における規 ・(旅行業界)ネットからの予約サイトについて、日本では、団体旅行規制により、既存旅行代理店しか募集ができない。 制・慣行 ・(出版業界)電子出版の最終稿データが版元に存在しない、またフォーマットが統一されていない。 商取引等における規 制・慣行 24、137、138 5、6、7、8、10、 14、28、41、 113、114、115、 117、147、149、 191、203、205 ・情報の単純保持、取得に対する規制を行うべきではない。 ・規制対象の定義が曖昧であり、拡大解釈・恣意的運用につながりかねない。 ・本来実在の未成年を守るべきものであるはずなのに、実在の被害者が存在しない「二次元創作物」の表現規制も含まれ ており、表現活動、コンテンツ文化の促進を大幅に制限している。 ・公式サイト以外のサイトからダウンロードできるファイルの容量制限を行うべきではない。 電気通信事業における ・UWB無線システムの屋外利用にむけて、早期に検討に着手すべき。 規制・慣行 ・モバイルWiMAXの空中線利得を4dBi以下に拡大すべき。 パブリックコメント番号 意見の概要 小分類 資料1-1 (6/6) 資料1-2 パブリック・コメント結果 意見募集期間 平成21年7月10日~平成21年8月6日 提出意見件数 個人:38者(133件) 団体:27者(75件) 合計:65者(208件) 番号 規制、制度、慣行、又は手続等の名称 番号 規制、制度、慣行、又は手続等の名称 1 医師法20条(無診療治療等の禁止) 56 法務省オンライン登記申請システム 2 「デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等の重点点検」 に関するパブリックコメントの募集について 57 法務省オンライン登記申請システム 3 印鑑登録制度 58 法務省オンライン登記申請システム 4 地上波放送コンテンツのネット上での再利用 59 法務省オンライン登記申請システム 5 児童ポルノ禁止法 60 法務省オンライン登記申請システム 6 児童ポルノ禁止法 61 法務省オンライン登記申請システム 7 児童ポルノ禁止法、創作物表現規制問題について 62 法務省オンライン登記申請システム 児童ポルノ法案 63 法務省オンライン登記申請システム 64 法務省オンライン登記申請システム 65 法務省オンライン登記申請システム 8 9 10 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する 法律 児童売春、児童ポルノにかかる行為の処罰及び児童の保護に関する法律 における児童ポルノの定義の明確化 11 各種予算制度 66 法務省オンライン登記申請システム 12 利用者の個人認証 67 法務省オンライン登記申請システム 13 個人情報が保存されたパソコン等の紛失時の対応 68 法務省オンライン登記申請システム 14 児童ポルノ禁止法の改正案 69 法務省オンライン登記申請システム 15 行政サービス毎にICカードが作られている慣行と法制度 70 法務省オンライン登記申請システム 16 情報通信機器の本人認証 71 法務省オンライン登記申請システム 17 <自宅へのカード読み取り機の設置> 72 法務省オンライン登記申請システム 18 慣行:顧客とのメールによる対応の禁止 73 法務省オンライン登記申請システム 19 コピーワンス・ダビング10・B-CAS 74 法務省オンライン登記申請システム 20 ダウンロード違法化 75 法務省オンライン登記申請システム 21 一般フェアユース条項の導入による著作権規制の緩和 76 法務省オンライン登記申請システム 22 音の商標 77 法務省オンライン登記申請システム 23 官製キャンペーン 78 法務省オンライン登記申請システム 24 携帯電話事業者による差別的なダウンロード容量制限 79 法務省オンライン登記申請システム 25 公職選挙法 80 法務省オンライン登記申請システム 26 国際組織犯罪防止条約・サイバー犯罪条約及びこれらの締結に必要な法 改正 81 法務省オンライン登記申請システム 27 私的録音録画補償金制度 82 法務省オンライン登記申請システム 28 児童ポルノ規制・サイトブロッキング 83 法務省オンライン登記申請システム 29 出会い系サイト規制 84 法務省オンライン登記申請システム 30 青少年ネット規制法・携帯フィルタリング義務化 85 法務省オンライン登記申請システム 31 著作権の間接侵害・侵害幇助 86 法務省オンライン登記申請システム 32 著作権検閲・ストライクポリシー 87 法務省オンライン登記申請システム 33 著作権保護期間 88 法務省オンライン登記申請システム 34 天下り 89 法務省オンライン登記申請システム 35 模倣品・海賊版拡散防止条約 90 法務省オンライン登記申請システム 36 DRM回避規制 91 法務省オンライン登記申請システム 37 【非公開】 92 法務省オンライン登記申請システム 38 公的個人認証 93 法務省オンライン登記申請システム 39 育児休業の取得手続・育休給付金の給付申請手続 94 法務省オンライン登記申請システム 40 保育所の入所申請手続 95 法務省オンライン登記申請システム 41 児童ポルノ規制法案、ネット規制法案 96 法務省オンライン登記申請システム 42 タクシー輸送 97 法務省オンライン登記申請システム 43 街路灯番号 98 法務省オンライン登記申請システム 44 祝日(法) 99 法務省オンライン登記申請システム 45 電車等での携帯電話利用の制限 100 法務省オンライン登記申請システム 46 法務省オンライン登記申請システム 101 法務省オンライン登記申請システム 47 法務省オンライン登記申請システム 102 法務省オンライン登記申請システム 48 法務省オンライン登記申請システム 103 旅行行法での旅行代理店規制 49 法務省オンライン登記申請システム 104 代理人がオンラインで納付した登録免許税の還付 50 法務省オンライン登記申請システム 105 <e-Gov.のページ> 51 法務省オンライン登記申請システム 106 <電子政府推進に関する意見聴取先> 52 法務省オンライン登記申請システム 107 <パブコメに住所、電話番号、ファクス番号などを記入させる> 53 法務省オンライン登記申請システム 108 <出会いサイト規制等> 54 法務省オンライン登記申請システム 109 <e-Govサイトを通じた質問は無視される> 55 法務省オンライン登記申請システム 110 道路台帳等の管理方法 12 資料1-2 番号 規制、制度、慣行、又は手続等の名称 番号 規制、制度、慣行、又は手続等の名称 111 個人情報の範囲 161 請願・陳情における自署または押印の要求 112 青少年保護を目的としたネット規制 162 医薬品(市販薬)の情報提供における対面原則 113 わいせつ物および児童ポルノ(3号)の範囲の曖昧性 163 刑事上の責任に対する特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限 及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)の不適用 114 児童ポルノ規制法による過剰な規制や摘発 164 コンテンツの流通・促進のための法制度の未整備 115 2次創作物への規制(現状未法制) 165 インターネット資料の利活用について 116 人権擁護法案(未法制) 166 図書館間における著作物の複製物の送信に関する改善について 117 児童ポルノ修正法案 ダウンロード規制化 凌辱系アダルトゲームの販売禁 止 167 国立国会図書館で電子化される図書館資料の利活用について 118 自動車の各種履歴情報の利活用に関する規制の緩和 168 国立国会図書館で記録されるインターネット資料の利活用について 119 電子出版市場の創出、発展を阻害する業界慣行の見直し 169 匿名化された患者の医療情報の利活用に関する規制の緩和 120 音楽配信に伴うDRM(デジタル著作権管理)技術に関する業界慣行の見直し 170 実効的な電子行政を実現する基盤となる共通コードの実現 121 犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認方法の見直し 171 遠隔医療の普及・促進に向けた規制緩和 122 特定検診の保険指導におけるICTを活用した遠隔面談の実現 172 診療報酬体系の簡素化と診療報酬改定の告示から施行までの期間の確保 123 処方箋の電子化 173 診療報酬請求における地方公共団体自治体が独自に行なう医療費助成事 業の取り扱いについて 124 一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制の見直し 174 特恵原産地証明書の電子発給について 125 電子帳簿保存の承認要件の見直し 175 米国他の船積24時間前ルール規制への対応 126 e-Taxによる消費税申告手続の改善 176 電子納付にかかる指定金融機関制度の改正 127 個人住民税の特別徴収手続の電子化と窓口の一元化 177 書面による納税通知 128 全地方自治体における電子申告(eLtax)の導入 178 地方税の納付書様式等の制定方法 129 公的個人認証サービスの署名検証者の民間事業者への拡大 179 自動車継続検査時の納税証明書の提示 130 廃棄物処理法に係る許可手続きの電子化 180 金融機関の地方公共団体への書面による収納情報の提供 131 特定原産地証明書の電子発給 181 金融機関における労働保険料の申告書受付と回付事務 132 133 134 アジアの資源循環に資する特定有害物質含有物の輸入手続のオンライン 化 輸入食品監視支援システム(FAINS)利用時の食品衛生法に基づく食品輸 入手続の迅速化と進捗状況に関する情報の提供 住民基本台帳とのリンクによる国民年金第3号被保険者の各種変更届の届 出不要化 182 地方税等の収納方法に関する規制 183 個人データの漏えい事案が発生した場合に本人への通知が省略できる ケースの明確化 184 国税関係帳簿書類の電子保存に関する技術的要件の緩和 135 確定給付企業年金における事務手続の電子化 185 一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制 136 労働条件の明示の方法にかかる電子メール等の解禁 186 民間企業間におけるネット販売の制限・禁止の慣行 137 UWB規制の緩和(屋外利用) 187 選挙におけるITの利活用の制限 138 モバイルWiMAX移動局の技術条件の見直し 188 著作権法第30条改正(ダウンロード規制)。 139 自動車保有関係手続きワンストップサービス 189 ダウンロードの違法化 140 技術的に可能なのにネットワーク型対応をしていない業務全般 190 著作権保護期間延長問題 141 電子帳簿保存法における簡便な対応. 191 ブロッキングを含む児童ポルノ規制 142 電子署名及び認証業務に関する法律 192 OSS(自動車保有関係手続ワンストップサービス) 143 国税関係の証憑類の電子化 193 レセプト審査における都道府県ごとの運用基準(ローカルルール) 144 建築図書、図面の電子保存 194 動産・債権譲渡登記制度(法人が行う動産と債権の譲渡について登記によ る第三者対抗要件の具備を認める制度) 145 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等の重点点検」 に関するパブリックコメントの募集 195 政府関連調達に関わる全省庁統一資格制度 146 ダウンロード違法化について. 196 B-CASカード支給契約 147 児童買春禁止法、ならびに児童ポルノ規制について 197 「B-CASカード支給契約」 148 青少年ネット規制法、携帯フィルタリング義務化について 198 地理空間情報の利活用に関する規制の緩和 149 児童ポルノ法改正案について. 199 地方公共団体で維持・更新される図面類の電子化の義務化 150 出会い系サイト規制について 200 151 刑法、不正アクセス禁止法等 201 152 153 154 155 特定健診の保健指導におけるTV会議を活用した遠隔面談の実現、及び支 援ポイントの加算 レセプト情報の2次利用(分析等)を考慮した電子フォーマットの変更に関す る要望 個人データに関する事故が発生した場合における、本人への通知、公表、 および主務大臣への報告の義務 個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」)第2条第1項に定 められる 「個人情報」の定義. 「意味不明」 <提出書類のまま。出会い系サイト、フィルタリング、児童ポルノ等> 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する 法律 202 官公庁が実施する建設関連の電子納品 203 【非公開】等による架空の創作物に対する規制運動 204 テレワーク(在宅勤務)のための、育児休業基本給付金の支給規則の変更 205 児童買春・ポルノ禁止法(以下児童ポルノ禁止法) 206 商業・法人等のオンライン登記手続「商業法人オンライン登記申請につい て」 156 e-文書法 157 登記識別情報制度(不動産登記法) 207 犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認方法の見直し 158 資格者本人確認情報の利活用に関する規制の緩和 208 159 不動産登記オンライン申請手続におけるPDF添付の省略 160 公職選挙法によるインターネットを用いた選挙運動の禁止 自動車継続検査(車検)時の納税証明書提出 ※ <>書きについては、提出意見に未記入等の理由により、事務局にて 追記した部分です。 (注)パブリックコメントの募集時に記載している、「個人に関する情報であって特定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場 合等には、該当箇所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性のある部分については、当該部分を「【非公開】」と記載しています。 13 資料1-2 1 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 特定非営利活動法人日本医療コンシェルジュ研究所 医師法20条(無診療治療等の禁止) 医師は「自ら診察しないで治療し、診断書、処方箋を交付してはならな い。」とされている。この規制はテレビ会議等を用いた検査結果説明、セ カンドオピニオン、症状の安定した患者に対する再診診療、高齢者・身 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 体障害者・へき地等交通アクセスの困難な患者等に対する、遠隔診療 の実現に対して、重大な障壁となっている。 また現状では遠隔診察に対しては保健点数が認められていないため、 環境整備のための設備投資と維持費を含め、医療機関側にインセンテ ィブがない点も問題である。 上述したような状況において、高齢者・身体障害者・交通アクセスの困 難な患者にとっては、炎天下や荒天時、体調不良時等において、実際 上は1時間程度の待ち時間と数分の診察時間のみで、薬を処方され帰 宅するために、多大な労力を払って通院している現実がある。 また高齢者や免疫低下患者にとっては、不急の来院による院内感染の 具体的な問題点 危険性(新型インフルエンザ等)も無視できない。 また医師や医療従事者は、必ずしも対面診療を行わなくても要件を満 たすような患者に対して、診療時間を裂くことにより外来診療の多忙化 や待ち時間の延長を招き、大きなストレスともなっている。 また現状の制度では、医療情報の共有を推進する上で、最終的な受益 者である患者に対しての情報提供や意思確認がタイムリーに行えない 問題点も挙げられる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 一般患者、医師/医療従事者 患者の自宅の薄型ハイビジョンテレビをポータルデバイスとして、ネッ トワーク接続を前提に、ハイビジョンのリアルタイムの双方向テレビ会議 システムを用いて、遠隔診療を行う。ハイビジョンテレビ会議システムを 用いて、画質/音質、通信の安定性、セキュリティーが診療用途として 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 適するかどうかを、検証するモデル事業を行う。その上で、有用性のエ ビデンスが得られた用途に用いることにより、物理的な移動が不要とな るなどの患者の利便性の向上、自宅に居ながらにして、かかりつけ医 のみならず専門医の意見等を聞くことができる等の医療内容の向上、 病院外来の混雑緩和、院内感染の予防等の安全性の向上などの直接 的な効果が期待できる。 また在宅医療の推進が政策的に順次遂行されているが、通常の形の 14 資料1-2 往診のみではなく、必要な際にテレビ会議を用いて担当医療機関と連 絡が取れることは、在宅医療を受けるものにとって大きな安心感につな がると思われる。 さらに電子処方箋の普及と併せ、オンライン処方と調剤薬局における調 剤、さらに自宅への配送など、二次的な効果も期待できる。さらに特別 食の処方と管理栄養士による献立作成、給食会社による調理と宅配も 同様に行うことが可能となる。また特定保健指導や健康診断の結果説 明、セカンドオピニオンなどにも適用可能であり、その副次的な広がり は、限られた医療リソースを有効に用いて、地域格差を合理的に吸収 できる枠組みとして期待される。 根拠法 医師法20条 関連府省等 厚生労働省、総務省 備考 15 資料1-2 2 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人1 「デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等の重点点検」に 関するパブリックコメントの募集について 平成21年7月10日 内閣官房IT担当 室 「意見提出様式」は、Microsoft Word の形式で提供されているうえ、罫線を使 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 って表組された様式になっており、提供すべき情報は多く個人情報が含まれ る。 「意見提出様式」は、Microsoft Word の形式で提供されており、しかも罫線で表 組されているので、Microsoft Word もしくは Open Office 等の特定のアプリケー 具体的な問題点 ションがなければ正しく開くことができない。また、フリーフォーマットに比べ、作 成に手間がかかる。さらに、罫線を使って表組されたデータは、コンピュータに よる自動処理に馴染み難い。個人情報ほか多くの情報の記載を求めると、記 載及び提出を拒む人は多くなる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 一次的には内閣官房IT担当室であるが、結局のところ、国民全体の不利益 となる。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 備考 16 資料1-2 3 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人2 印鑑登録制度 (商業登記法 20 条、一般社団・財団法人法 330 条、生協法 92 条) (不動産登記令 16 条 2 項、商業登記規則 9 条 1 項ほか多数) 印鑑登録制度は公的個人認証制度などに置き換わるはずであるが、 進捗していない。 1)住民基本台帳カードが普及していない 2)1に関して自治体の足並みが揃わない 3)1に関して政府の自治体に対する指導が足りない 4)厚生労働省が社会保障カードを導入しようとしているが、住民基本 具体的な問題点 台帳カードとの棲み分けを説明していない。 5)住民基本台帳データは自治体の所有であり、社会保障データは国 の所有であること、そのことがデータの 2 重管理で、無駄である。 6)社会保障カードと住民基本台帳カードの国民に対する説明が足り ない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全ての納税者 改善提案 1)新規の印鑑登録は廃止し、将来的に制度を廃止する (解決方法及び解決による効果) 2)住民基本台帳データと社会保障データを統合し、国が管理する 根拠法 自治体の条例など 関連府省等 総務省、厚生労働省、自治体 備考 17 資料1-2 4 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人3 地上波放送コンテンツのネット上での再利用 現在、総務省情報通信審議会「デジタルコンテンツの流通促進等に関 する検討委員会」にて審議がなされている、地上波放送コンテンツのネ 規制、制度、慣行、又は手続等の ット上での再利用について、広告モデルにて成り立っている民放の放送 現状 コンテンツについては、ネット上での再利用にあたって充分な広告収入 が見込めないことから、同コンテンツのネット上での二次利用が促進さ れにくい状況となっている。 今日現在、既にネット上では北米の「Veoh TV」や韓国の「パンドラT V」といった動画共有サイトにおいて、日本国内の地上波テレビで放送 された50分もののドラマなどが、そのままの内容(短縮などされず)で、 かつHD品質で、さらに広告(CM)をカットされた形にて地上波での放送 後間もなく同コンテンツの視聴が可能となっている。 特に若者の間では、そういったドラマなどを自宅のビデオレコーダー などにて録画して視聴する習慣が根付いていたところへ、上記のような 録画予約をすることなく、かつCMも既にカットされた形のものが、いつ でも自分の好きな時間に、ネット環境とパソコンがあればどこでも視聴 することができるようになってきたことから、ますますテレビ離れ、および な具体的な問題点 CM離れが助長されてきているといった現状は、日本国内におけるテレ ビの広告モデルを根底から崩壊させ、ひいては産業経済への悪影響を も引き起こすものとなってきている。 また一方で、世界随一のブロードバンドインフラを整備している日本に おいて、50年の歴史を持って国民に慣れ親しんでいる地上波テレビ放 送の番組コンテンツを、過去のものも含めネット上にて自分の好きな時 に好きなものを自由に見ることができる、といったデジタルコンテンツ本 来の利用の形態が、前述の「現状」にて記載した理由から、せっかくの そのすばらしいインフラ環境を活用できずにいることは、今後のデジタ ル社会の発展に逆行しており、真剣に取り組まなければならない大きな 問題である。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 広告主(企業)、国民 18 資料1-2 これまで長い間、主要通信キャリアをはじめとした様々な企業や団体 が、ネット上での動画コンテンツ視聴形態であるビデオオンデマンドを、I PTVサービスなどを通していろいろな形にて実サービス、およびトライア ルを行ってきているものの、アダルトコンテンツを除けば何一つとして成 功といえるサービスが実現できていないのが現状である。 その主な原因としては、①視聴可能なコンテンツが映画などの一部の 人にしか視聴されないものが大多数であること、②動画コンテンツを有 料で見るといった習慣が根付いていないこと、そして③地上波放送の番 組コンテンツが法的な縛りもありネット上での再利用が困難であること、 などが挙げられる。 これらの原因を有機的に考えた場合、今後期待されるデジタル動画コ ンテンツ視聴の在るべき姿として、①無料で視聴ができること、②慣れ 親しんだ万人向けの地上波放送コンテンツがオンデマンドで視聴ができ ること、の2点の実現が望まれるものであると考えられ、またその実現 に向けては以下のような点を改善していく必要があると考えられる。 地上波放送用に作られた番組コンテンツを、地上波放送と同様に無 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 料で視聴者に見てもらうためには、広告モデルの導入が必須となる。し かしながら、現在の地上波放送での広告料とネット上での広告料には 格段の差が発生しており、このギャップを埋める対策が最大の課題とな っている。従来のネット上でのコンテンツ市場の状況として、以下のよう な三すくみの、いかんともし難い状況となっている。 ●おもしろいコンテンツがないから視聴者が集まらない ●視聴者がいないからお金(広告)が集まらない ●お金(広告)が集まらないからおもしろいコンテンツが供給されない この問題は前述のオンデマンドサービスが成功しない最大の原因でも あり、この状況を民民の問題として解決することは、これまでコンテンツ 確保のために莫大なミニマムギャランティを支払ったがために、ビデオ オンデマンドサービスを継続できなくなった例が多数実在していることを 鑑みるに、現状において非常に厳しいことは言うまでもないことである。 デジタル化社会を日本の国策として位置づけるのであれば、ここは やはり国策として国が予算を付け、おもしろいコンテンツが供給されるよ う働きかけることにより、視聴者が集まり、そしてお金(広告)が集まるこ とにより、その後はコンテンツももっと集まる、といった正のスパイラルが 初めて回り始めるはずであり、この点の解決なくして日本のデジタルコ ンテンツの流通に関する発展はありえないと言える。 根拠法 関連府省等 著作権法 他 総務省、経済産業省、文部科学省(文化庁) 備考 19 資料1-2 5 ※本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開とし、「【URL】」と 記載させていただいております。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人4 児童ポルノ保護法案改正 私は昨今の拡大している政府による国家統制の動きに強い危惧を覚え ています。 社会の営み中で当然起こりうるあらゆる問題に対して、全て政府が規制 を行うべきだと言わんばかりの昨今の風潮は国家統制に通じる考えであ り非常に危険だと思います。 そのような中で現在検討されている与党の児童ポルノ保護法改正案は子 どもの権利の保護という大義名分の裏で、個人の人権を無視した国家統 制の動きが広がりかねないと危惧しています。 まず与党案の単純所持規制は二つの点において非常に問題があると 思います。 一つめは例えば被写体の合意の下で作られた写真集などそれを手に 入れた当時には合法であったものを、法律が改正されたのだから破棄せ 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 よという考えは個人の所有権を軽視しすぎなのではないでしょうか? 二つめは冤罪の危険性です。既に単純所持規制を行っているアメリカ では数多くの冤罪が報告されています。入手の経緯を無視して所持して いるだけで違法だ、逮捕だという与党案はあまりにも危険だと思います。 以下実際に発生した冤罪の例を紹介させてもらいます。 【URL】 【URL】 そして与党案のもう一つの問題点は創作物への規制が検討されている と言うことです。 児童ポルノ保護法案は子どもの人権を守るための法律でしょう。それな のになぜ人権の無い創作物まで規制となるのでしょうか?それは表現の 自由、内心の自由への重大な侵害なのではないでしょうか? また日本のマンガやアニメがここまで発達したのは自由な表現が許され ていたからです。 20 資料1-2 アメリカのマンガ文化がアメコミ一色になったのは、コミック・コードといわ れる過剰な規制がなされたからです。 日本もフィクションにまで規制を行うようなことになればマンガやアニメは 間違いなく衰退します。 私は今回の児童ポルノ保護法案の改正は、国家統制、思想統制の動 きに感じられてなりません。 蒟蒻ゼリーなどと同じように実際には無視してもいいほど小さい影響を無 理に政府が押さえ込もうとすれば、社会はより大きくゆがむだけだと思い ます。 自由な市民社会を守るためにも、現在進んでいる国による規制社会とい う風潮にブレーキをかけていただきたいです。 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 備考 21 資料1-2 6 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人5 児童ポルノ禁止法 創作物の規制なし/単純所持可 創作物の規制/単純所持規制に反対 具体的な問題点 本来実在の未成年を守るべきものなのになぜ二次元創作物の表現規 制になっているのか。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 漫画、ゲーム、アニメそう言った産業が壊れる。 規制を行わない。 根拠法 関連府省等 備考 22 資料1-2 7 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人6 児童ポルノ禁止法、創作物表現規制問題について 児童ポルノ禁止法は児童ポルノの流通を規制している。他ならぬ被 害児童の人権を守るためである。 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 一方、日本国憲法第十九条によって思想・良心の自由が、同二十一 条によって言論・表現の自由が保障されている。よって創作は、いかな る内容であっても不当に規制を受けない。 また、日本国憲法第二十九条によって財産権が保証されている。 先日廃案となった改正児童ポルノ禁止法案は、児童ポルノの単純所 持禁止、創作物の表現規制が問題となった。 実在の被害児童を救済するという発想自体には賛同できるが、単純 所持禁止、創作物表現規制には断固反対である。 児童ポルノの定義が曖昧であること。児童ポルノの取得に関する立 証方法も、技術的にも論理的にも立証不可能であること。恣意的な運 用がなされ、客観的に立証できないがために自白が強要されるであろ 具体的な問題点 うこと。こういった事情を鑑みれば、本法案の与党案・野党案のいずれ も、多くの冤罪を生み出す危険性をはらんでい ることは明らかである。 単純所持禁止は適用範囲が広すぎて「国民総犯罪者化」ともいうべき 現象が起きてしまう。 適用範囲を被害児童の存在しない創作物にまで広げるのは、本法案 の本来の趣旨からかけ離れている。 児童の人権を保護するために多くの無関係な国民の人権を侵害する のは、到底許される行為ではない。 23 資料1-2 本法案は日本国憲法十九条および二十一条に反する重大な人権侵 害である。 児童ポルノに該当する可能性のあるものを国家権力が破棄するよう に強制するのは、日本国憲法第二十九条に反する重大な人権侵害で ある。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 オタク趣味を持っている人、アダルトゲーム製作企業(【非公開】等)、 成人向けマンガ作者、その他成人向けコンテンツ制作業者、その他創 作業界全般 思想・良心の自由、表現の自由、検閲の禁止、財産権の保障は日本 人の宝であり、日本の国益であり、これを侵すことはあってはならない。 児童の人権を守るために、児童虐待、児童買春・児童売春、実在の 改善提案 被害児童の存在する児童ポルノの製造・流通の抑止を徹底するべきで (解決方法及び解決による効果) あるが、これらは児童ポルノ法改正ではなく、現行法でも対応可能であ る。 違反者への罰則強化や児童相談所の権限強化などを行えばよいと 思われる。 根拠法 関連府省等 改正児童ポルノ禁止法案、日本国憲法第十九条、同二十一条、同二十 九条、児童福祉法第十二条、児童虐待の防止等に関する法律 内閣府、厚生労働省、経済産業省、総務省、法務省、国家公安委員 会、警察庁、検察庁、文部科学省、文化庁 備考 24 資料1-2 8 提出者名等 個人7 規制、制度、慣行、又は手続等の 児童ポルノ法案 名称 現行法では児童ポルノの定義の1つとして「衣服の全部又は一部を着 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」が含ま れている。 この定義の上で児童ポルノ画像の単純所持を禁止する旨の改正法案 が7月中旬まで国会で話し合われていた。 児童ポルノ法案は現実に性的な被害を受けた児童の権利の保護を目 的としているはずだが、前述の「衣服の全部又は一部を着けない児童 の姿態」という定義では、児童が現実に性的な被害を受けていない画 像(例:海水浴での水着姿など、単に家族が思い出の為に撮影した写真 や、架空創作表現上のもの等 )も児童ポルノという事になる。 こういった画像は、大抵の一般家庭で保管されている可能性が高く、 仮にこの定義のまま単純所持禁止が可決されれば、本来の規制対象 具体的な問題点 であるべき現実に性的被害を受けた児童の画像どころか、それに当た らない上記のような画像の廃棄までもを全国民に対して強要する事に なり、本来の「児童の権利の保護」という目的から大きく逸脱する事にな る。 また、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という定義についても、そ の「興奮」及び「刺激」する・しないの基準は個人の感覚によって違ってく るはずで、何より法的な判断をする上で個人の内心に踏み込む事にな り、憲法の「思想・良心の自由」という観点から絶対に許されない。 問題により不利益を被っている、困 上記の定義で単純所持禁止を含めた改正法案が成立した場合に、児 っている人又は団体等 童ポルノに当たる画像を所持している事になる全国民 「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮さ せ又は刺激するもの」という定義は、上記のような問題を引き起こす可 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 能性を持った曖昧さがある。 この定義を見直し、現実の児童の性的被害によって生まれた画像と いう、本来の目的に沿った具体的なものが規制の対象となるように再検 討する必要がある。 根拠法 児童ポルノ法 関連府省等 不明 備考 25 資料1-2 9 提出者名等 個人8 規制、制度、慣行、又は手続等の 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関 名称 する法律 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 青少年有害情報の閲覧を制限するため、フィルタリング機関の設立、 携帯電話会社にフィルタリングサービス導入を義務化や PC などのプレインストール等を促進する努力義務を課せられている。 法制定前から、民間で自主的にフィルタリングなどの導入が図られて 具体的な問題点 いたにもかかわらず、自主性を重んずるとしながら、実質上は規制を強 制している。また、青少年の情報へのアクセス権を侵害する可能性があ る。むしろ、官公庁の仕事を増やすための措置と言えるのではないか。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 IT 関連会社、個人 Web サイト作成者、青少年 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に 関する法律を廃止する。そもそも、デジタル技術・情報の利活用を促進 するというならば、このような法律を作るべきではなかった。 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に 関する法律 全体 内閣府、総務省、経済産業省 備考 26 資料1-2 10 提出者名等 個人8 規制、制度、慣行、又は手続等の 児童売春、児童ポルノにかかる行為の処罰及び児童の保護に関する 名称 法律における児童ポルノの定義の明確化 現行法の児童ポルノ定義が 「一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 る児童の姿態 二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る 行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの 三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮さ せ又は刺激するもの」となっている。 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 児童ポルノの定義は曖昧で広範囲にわたっており、表現活動、コンテ ンツ文化の促進を大幅に制限している。 コンテンツの制作者、表現者、芸術家 児童ポルノの定義を 「児童の性的露骨行為に及んでいるもの。性的露骨行為とは (1)性的接合交渉(交合接合、肛門性器接合、口淫行為等) 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (2)獣姦行為 (3)自慰行為 (4)サドマゾ的虐待行為 (5)性器あるいは局部の露骨描写 とする」と改正し、定義を明確化させる。このことによって、違法・合法の 境界線が明確化され、表現活動等の委縮が緩和される。 根拠法 関連府省等 児童売春、児童ポルノにかかる行為の処罰及び児童の保護に関する 法律第 2 条第 3 項 法務省 備考 27 資料1-2 11 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人9 各種予算制度 国、地方とも、行政機関の動きが年度区切りの予算に縛られており、 規制、制度、慣行、又は手続等の 素早い行動を十分に取れていないように見受けられます。緊急に必要 現状 な出費でさえも「予算上の理由」により翌年度まで持ち越しとなる場合 があるようです。 私は、ある地方自治体の運営するウェブサイトにセキュリティ上の脆 弱性を発見し、(独)情報処理推進機構を通じて脆弱性関連情報の届 具体的な問題点 出を行いました。ウェブサイト運営者は問題を理解し、応急的な措置が 行われましたが、予算上の理由から、根本的な解決は直ちには行えな いとの回答を得ました。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 地方自治体のウェブサイトに欠陥があるまま運営されているということ ですので、一般利用者が情報セキュリティ上のリスクに晒されます。 上記情報セキュリティの件は一例ですが、IT をインフラとして運営する 限り、急な出費はついて回るものです(例えばウェブサイトの利用者数 改善提案 が予想より大幅に多ければ、設備の増強が必要です)。翌年度の予算 (解決方法及び解決による効果) 編成までお金の出る枠がない(「お金がない」ではない)から欠陥のある まま運営し続けるのでは不都合があまりに大きいので、年度途中でも 迅速かつ的確な決裁により支出を可能とする制度が必要です。 根拠法 不明ですが、多岐に渡るのではないかと想像します。 関連府省等 不明ですが、多岐に渡るのではないかと想像します。 備考 28 資料1-2 12 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 株式会社ニーモニックセキュリティ 利用者の個人認証 標準の個人認証手段として使われるID/パスワードにおいて文字し か使用できません。 知力・記憶力に恵まれた一部の人にしか安全には使いこなせず、特 具体的な問題点 に高齢者・情報弱者は電子行政サービスを断念するか、或いは、安全 を断念するか、という選択を迫られてしまいます。民主主義の公平平等 の原則が根元から腐食しかねません。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 国民全般ですが、特に高齢者・情報弱者で顕著です。 利用者の選択肢を写真やイラストなど非文字の視覚対象にまで拡張 し、更に昔の懐かしい記憶を活用できるようにすれば、本人認証のプロ セスにおいて排除されてしまう国民を大きく減らすことが期待できます。 改善提案 どんな端末でも、どんな環境でも運用可能で、アクセス方法多様化・端 (解決方法及び解決による効果) 末多様化の要件を満たします。既に商用で利用されている技術であり、 ウェブ上にSSO型プロキシ認証サーバを構築する方法によれば既存 の文字パスワード認証システムに改変を加えることなく低予算で実現で きます。 根拠法 関連府省等 備考 29 資料1-2 13 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 株式会社ニーモニックセキュリティ 個人情報が保存されたパソコン等の紛失時の対応 各種ガイドラインにおいて、個人情報が保存されたパソコンを社外で紛 失した場合、情報漏洩として本人に通知しなければならないと規定され ているため、テレワークの推進等の障害になっている。 ご紹介の「資料5」によれば「パソコンに保存されている個人データに関 具体的な問題点 して高度な暗号化などの安全管理措置を講じている場合は、パソコンを 紛失したとしても本人への通知は必要としないことをガイドライン上、明 確にすることで、テレワークの推進等に寄与する。」となっています。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 パソコンの企業ユーザー全般 「高度な暗号化などの安全措置を講じている場合は」を「確実な利用 者認証の下に高度な暗号化などの安全措置を講じている場合は」とす べきと考えます。スーパーコンピュータで挑戦して何億年もかかるような 暗号化をしていても、利用者認証を破られた場合、例えばパスワード記 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 載の手帳を盗られた場合には、暗号化の効力はゼロとなるからです。 暗号化されたデータを保存しているパソコンに暗号ソフトも搭載されて いるという一般的なケースでは、当該パソコン上で暗号ソフトの利用者 認証が破られると暗号化されたデータの復号を阻止できるものはありま せん。「高度な暗号化などの安全措置」が意味を持つのは「確実な本人 認証の下で利用される限りにおいて」であることを忘れてはならないと 考えます。 根拠法 関連府省等 備考 30 資料1-2 14 ※本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開とし、「【URL】」と 記載させていただいております 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人10 児童ポルノ禁止法の改正案 ① 児童買春・児童ポルノ等禁止法の処罰対象となるか否かを問わ ず、子どもに対する性的虐待を性目的で描写した写真、動画、漫画、ア ニメーションなどを製造、譲渡、貸与、広告・宣伝する行為に反対しま す。 ② 政府・国会に対し、児童買春・児童ポルノ等禁止法の改正を含め、 下記各点に対する早急な対応を求めます。 (ア) 他人への提供を目的としない児童ポルノの入手・保有(単純所持) を禁止し処罰の対象とする(第7条) (イ) 被写体が実在するか否かを問わず、児童の性的な姿態や虐待な どを写実的に描写したものを、「準児童ポルノ」として違法化する(第2 条)。具体的には、アニメ、漫画、ゲームソフトおよび18歳以上の人物 が児童を演じる場合もこれに含む。 (ウ) 国及び地方公共団体による児童の権利に関する国民の理解を深 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 めるための教育及び啓発を「義務」づける(第14条) (エ) 「児童ポルノ」等の被害から、心身に有害な影響を受けた児童の保 護のための体制を整備する。そのために具体的な計画の策定を国に義 務付け、担当省庁に実施結果を国会に報告する義務を課す(第16条) ③ メディア、各種通信事業、IT事業、ソフト・コンテンツ製造・制作・販売 等の各業者、業界、ならびに関連団体による上記①に示す著作物等の 流布・販売を自主的に規制・コントロールする官民を挙げた取り組みを 応援するとともに、より一層の取り組みを求めます。 ④ 検察・裁判所はじめ全ての法曹・司法関係者に対し、子どもポルノ が子どもの人権ならびに福祉に対する重大な侵害行為であるとの基本 認識の下、児童買春・児童ポルノ等禁止法事犯に対し厳格に同法を適 用し、刑を科すよう求めます (日本ユニセフ提出案) 日本ユニセフを筆頭とする諸団体はこれらの案が新たに児童ポルノ禁 止法に付け加えられるよう求めています。 31 資料1-2 ■改正案の問題点 (1)定義があいまいである。 (2)悪用される(冤罪など) (3)表現の自由が侵害される (4)犯罪抑制効果が期待できない (5)アメリカ(51%)が最大の児童ポルノ発信源(日本は、わずか 5%) 特に(2)悪用される(冤罪など)では、 世界の潮流といわれる単純所持規制によって、実際にどのような問題 が起きているかということが具体的に書かれています。 正しく、枝野議員や保坂議員が国会で危惧されていたことが、単純所持 規制を行った国で実際に起こっているのです。 単純所持などという滅茶苦茶な基準が導入されてしまえば、司法が可 視化されていようがいまいが、このような問題が発生するのは避けられ ないと考えます。 次に(3)表現の自由が侵害される問題ですが、児童ポルノを創作物に まで拡大することの弊害は想像以上に大きいと考えます。 例えば、既に小規模ながら実際にそのような問題が発生しています。 具体的な問題点 【URL】 いずれも、漫画賞を取るような日本を代表する名作ですが、それらが規 制の対象に取られてしまいかねないわけです。 私は日本のマンガが発展したのは自由な表現が保障されていたからだ と考えます。それらを不当に規制することは世界に誇るマンガ文化を抹 殺する行為に等しいと私は考えます。 現実に、アメリカでは実際にそのような問題に発展してしまい。アメリカ のコミック業界はアメコミ一色になってしまったという事実もあります 【URL】 【URL】 このような事実は枝野議員や保坂議員など個人の権利の保障を唱える 議員の強力な武器になると思います。 最後に、(5)のデーターを見ていただければ分かると思いますが、日本 は児童ポルノの輸出国でも輸入国でも有りません。むしろ先進国の中 では児童ポルノが最も少ない国の類だと考えます。 そして、それはいわゆる美少女キャラによるポルノが児童ポルノの代替 品になっているのが原因の一つだと私は思います。 つまり、ポルノが犯罪を抑止しているかどうかは分かりませんが、美少 32 資料1-2 女ポルノが被写体が実在する児童ポルノを抑止している効果は有るの ではないかということです。 児童ポルノと美少女ポルノの目的はかなり一致します。 我々が人間である以上性欲や性癖を変えることは非常に困難だと考え ますが、その矛先を変えることくらいなら可能だと思います。 ですから、美少女ポルノは魅力的なポルノとして児童ポルノに向くはず だった関心を引きつける効果があるのではないでしょうか? つまり、美少女ポルノは最も平和的かつ効率的に児童ポルノ撲滅の役 割を果たしているのではないかと思うわけです。 したがって、本当に児童ポルノを撲滅したいのであれば美少女ポルノは 黙認した方が効果的であると私は考えます。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 出版社、ゲーム製作会社、テレビ局、マスコミ、日本国民 児童ポルノとする摘発対象は従来の実写媒体のみに限定し、それら を販売、配布、頒布、アップロードする行為を規制する(これらは現行の わいせつ物頒布で摘発できます)。児童ポルノを製造しているのは業者 改善提案 (解決方法及び解決による効果) であり、これを摘発して元を断つこと、これが被害児童を守る唯一の方 法です。 性犯罪被害児童の精神ケア 根拠法 関連府省等 日本国憲法 19 条 思想信条の自由 わいせつ物頒布罪(刑法 175 条) 総務省 国民には内心の自由があります。どのような嗜好や性癖を持とうが国 家から規制されるいわれはないはずです。 備考 であるならば、撲滅すべきは児童ポルノそのものであって、ペドフィリア であってはならないと思います。 ですから、本当にペドフィリアではなく児童ポルノを撲滅したいのであれ ば美少女ポルノは黙認した方が効果的であると私は考えます。 33 資料1-2 15 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人11 行政サービス毎に IC カードが作られている慣行と法制度 住基カード、市民カード、登記カード、運転免許証、TASPO、(健康保険 証、社会保障カード)等、行政サービス毎に、IC カード及びそのための 情報システムが作られている。 IC カード及びそのための情報システムを別々に構築することによって、 共通部分にも二重(三重)投資され、巨額の税金が無駄使いされてい 具体的な問題点 る。 また、住民は、何枚もの IC カードを管理しなければならないので、 紛失の可能性が高くなったり、持ち運びの際にカード入れに入りきらな いなどの不便を生じている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 住民全員 行政サービス用の IC カードは、一枚のカードに集約する。 根拠法 (仮称)行政サービスカード法 関連府省等 全省庁、全自治体 社会保障カード導入の動きがあるが、用途が社会保障だけに限られる 備考 のであれば反対。国民総背番号制を導入し、それぞれのサービスを一 枚のカードで受けられるようにすべし。 34 資料1-2 16 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人12 情報通信機器の本人認証 銀行ATM、ネットでの決済サイト等へのログオン、ネットでの会員サイト 等へのログオンにおいて、現在提供されているのはID&パスワード方 式か、ICカード&生体認証方式である。 ID&パスワード方式では生年月日等本人の覚え易いものは危険度が 高く、安全度を高めるには到底覚えきれないようなランダムな文字列の 具体的な問題点 採用を強いられている。また、生体認証方式では登録する個人情報が 取替えのきかないものなので万一の漏洩・盗難が心配であり、どちらの 方式も利用者にとって使いづらい。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 国民全般 本人認証の基本は、本質論からも利便性からも記憶認証方式にあるの で、認証手段を多様化して使い勝手と安全性をともに高めるべきであ る。具体的には、パスワードに文字だけでなくイラストや写真など視覚に 改善提案 訴えるものを使えるようにすればよい。特に高齢者は短期記憶力が衰 (解決方法及び解決による効果) えても長期記憶には強いので、エピソード記憶とつながるような写真が 利用できると一挙に可用性が向上する。すでに提供されている技術で あるが、国民電子私書箱等の国民全体が利用する電子サービスにお いて利用すれば国民全体が受益者となる。 根拠法 不明 関連府省等 不明 備考 なし 35 資料1-2 17 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人13 不明 あらゆる、報告、申請が旧態として、すすんでいるとは言え全然進んで いない、住民票、戸籍謄本は設置された機械でしか取れない、これだけ 規制、制度、慣行、又は手続等の 技術が進んでいるのに、何をためらっているのか理解に苦しむ、大金を 現状 かけた住基カードは何のためだったのか、又住民カードしかり全然利用 価値が無い、これの活用をすべきであり、住民票など、印刷は自宅で印 刷できるようにすべきである。 今こそ、英知を結集してカードの制限をして1~2枚のカードですべての 処理を出来るように、縦系列で無く横断的に縦横無尽に考え、規制、制 具体的な問題点 度、慣行、又は手続等を簡素化すべきである。費用については、現在い ろいろなカードもあるので、支払いを自宅にカード読取り機械を義務付 ければよい。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) すべてを機械化すれば、利用できない人がでるが、それは啓蒙と教育 で改善できる。それでも残る人達には手動でやり支援する。問題がでた らその都度改善していけばよい。 スピードと人件費の抑制、利用する人達の効果が絶大にある、機械化 は進んでいる、その活用が民間は進んでいるのに、官公庁が進んでな く費用も莫大にかかっていて税金の無駄である。 現況法規すべて、法規すべてが遅れているし、多すぎて対処できてい 根拠法 ない法律は大局を決めればいい。大局にのっとり処理すればいい、法 律が詳細を決めると限が無いし費用も膨大である。これこそ悪しき慣習 である。 関連府省等 備考 関連府省は大局を決定してそれに沿って処理されているかを監視すれ ばこれほど膨大な組織にはならないですむ。 要するに何が大事でどうすれば、簡単に処理すればよいかを実行すれ ばよい。 36 資料1-2 18 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人14 慣行:顧客とのメールによる対応の禁止 私が取引きしている【非公開】の4銀行は、メールでの照会、回答の要 規制、制度、慣行、又は手続等の 請に応えなかった。顧客とのメールによる対応の禁止は銀行界の慣行 現状 と推察される。ある友人によると証券会社でも顧客とのメールは禁止さ れているとのことである。 メールが使えなければ、電話か来店しかないわけで、情報化の推進 に逆行する。 具体的な問題点 ① 近年、人を減らしているのか、電話をかけると待たされる。担当が出 ても知識不足で、また、待たされる。②誤った情報を聞かされても証 拠がない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 顧客。銀行自身も不利益のはず。(②は短期的には銀行側の利益?) 政府(内閣官房 IT 担当室?)が銀行の内部ルールを決めるレベルの 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 人を集め、顧客とのメールによる対応を禁止している理由を聞き、それ が十分合理的でなければ、然るべき委員会にかけるとか、公表すると か、銀行局と全銀協とで検討させるとか、適切に対応して頂きたい。 効果(電話よりメールが便利なこと)は、自明。 根拠法 不明(内閣官房に IT 担当室を設置した法でしょうか?) 関連府省等 総理府、金融庁、 「メール(インターネット経由)では、重要な情報が流出する」という反論が 備考 必ず出ると思われるが、諸手続など流出しても問題ない情報について もメールを使わせないことを問題にしていることにご注意下さい。 37 資料1-2 19 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 コピーワンス・ダビング10・B-CAS 無料の地上放送の全てに、昨年まではコピーワンスというコピーを1 個しか認めない異常に厳しいコピー制限がかけられていた。昨年から 規制、制度、慣行、又は手続等の わずかに緩和されたが、やはりダビング10という不当に厳しいコピー制 現状 限が今も維持されている。このようなコピー制限を維持するためとして、 無料の地上放送の全てにB-CASによりスクランブル・暗号化が施さ れているという状態が今もなお続いている。 B-CASシステムは談合システムに他ならず、これは、放送局・権利 者にとっては、視聴者の利便性を著しく下げることによって、一旦は広 告つきながらも無料で放送したコンテンツの市場価格を不当につり上げ るものとして機能し、国内の大手メーカーとっては、B-CASカードの貸 与と複雑な暗号システムを全てのテレビ・録画機器に必要とすることに よって、中小・海外メーカーに対する参入障壁として機能している。 以前は総務省令によって、無料の地上放送へのこのようなスクランブ ル・暗号化の導入は禁止されていたが、総務省は、平成14年6月にこ の省令の改正を行い、 本来あまねく見られることを目的とする無料の 地上放送へB-CASシステムとコピーワンス運用の導入を可能として、 無料地上波本来の理念をねじ曲げ、放送局と権利者とメーカーの談合 具体的な問題点 に手を貸すと見下げ果てた行為を行っている。コピーワンス問題、ダビ ング10問題、B-CAS問題の検討と続く、無料の地上放送のスクラン ブルとコピー制御に関する政策検討の迷走とそれにより浪費され続け ている膨大な社会的コストのことを考えても、このような省令改正の政 策的失敗は明らかであり、この省令改正を失策と総務省に明確に認め させるべきである。 昨年運用が開始されたダビング10に関しても、大きな利便性の向上 なくして、より複雑かつ高価な機器を消費者が新たに買わされるだけの 弥縫策としか言いようがなく、一消費者・一国民として納得できるもので は全くない。さらに、ダビング10機器に関しては、テレビ(チューナー)と 録画機器の接続によって、全く異なる動作をする(接続次第で、コピー の回数が9回から突然1回になる)など、公平性の観点からも問題が大 きい。 38 資料1-2 現在の地上無料放送各局の歪んだビジネスモデルによって、放送の 本来あるべき姿までも歪められるべきではない。そもそもあまねく視聴 されることを本来目的とする、無料の地上放送においてコピーを制限す ることは、視聴者から視聴の機会を奪うことに他ならず、このような規制 を良しとする談合業界及び行政に未来はない。 コピー制限技術はクラッカーに対して不断の方式変更で対抗しなけれ ばならないが、その方式変更に途方もないコストが発生する無料の地 上放送では実質的に不可能である。インターネット上でユーザー間でコ ピー制限解除に関する情報がやりとりされる現在、もはや無料の地上 放送にDRMをかけていること自体が社会的コストの無駄であるとはっ きりと認識するべきである。無料の地上放送におけるDRMは本当に縛 りたい悪意のユーザーは縛れず、一般ユーザーに不便を強いているだ けである。 情報通信審議会の今年の中間答申において、現行のB-CASシステ ムと併存させる形でチップやソフトウェア等の新方式を導入することが 提言されているが、無意味な現行システムの維持コストに加えて新たな システムの追加で発生するコストまでまとめて消費者に転嫁される可能 性が高く、このような弥縫策は、一消費者として全く評価できないもので ある。さらに言うなら、これらの新方式は、不正機器対策には全くならな い上、新たに作られるライセンス発行・管理機関が総務省なりの天下り 先となり、新方式の技術開発・設備投資コストに加え、天下りコストまで 今の機器に上乗せされかねないものである。この審議会において同じく 検討課題とされていた、制度的エンフォースメントにしても、正規機器の 認定機関が総務省なりの天下り先となり、その天下りコストがさらに今 の機器に上乗せされるだけで、しかも不正機器対策には全くならないと いう最低の愚策である。 無料の地上放送の理念を歪め、放送局・権利者・国内の大手メーカー の談合を助長している、無料の地上放送にかけられているスクランブ ル・暗号化こそ問題なのであって、B-CAS類似の無意味なシステムを いくら併存させたところで、積み上げられるムダなコストが全て消費者に 転嫁されるだけで何の問題の解決にもならず、同じことが繰り返される だけだろう。基幹放送である無料地上波については、B-CASシステム を排除し、ノンスクランブル・コピー制限なしを基本とすること以外で、こ の問題の本質的な解決がもたらされることはない。 法的にもコスト的にも、どんな形であれ、全国民をユーザーとする無料 39 資料1-2 地上放送に対するコピー制限は維持しきれるものではない。このような バカげたコピー制限に関する過ちを二度と繰り返さないため、無料の地 上放送についてはスクランブルもコピー制御もかけないこととする逆規 制を、政令や省令ではなく法律のレベルで放送法に入れることを私は 一国民として強く求める。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民(無料の地上放送の全ユーザー) 1.無料地上波からB-CASシステムを排除し、テレビ・録画機器にお ける参入障壁を取り除き、自由な競争環境を実現する。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 2.あまねく見られることを目的とするべき、基幹放送である無料地上波 については、ノンスクランブル・コピー制限なしを基本とする。 3.無料地上波については、ノンスクランブル・コピー制限なしとすること を、総務省が勝手に書き換えられるような省令や政令レベルにではな く、法律に書き込む。 根拠法 なし 関連府省等 総務省、公正取引委員会 備考 40 資料1-2 20 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 ダウンロード違法化 文化庁の暴走と国会議員の無知によって、 今年の6月12日に、「著 作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつ 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 て、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。) を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら 行う場合」は私的複製に当たらないとする、いわゆるダウンロード違法 化条項を含む、改正著作権法が成立し、来年の1月1日の施行を待つ 状態である。 一人しか行為に絡まないダウンロードにおいて、「事実を知りながら」 なる要件は、エスパーでもない限り証明も反証もできない無意味かつ危 険な要件であり、技術的・外形的に違法性の区別がつかない以上、こ のようなダウンロード違法化は法規範としての力すら持ち得ない。この ような法改正によって進むのはダウンロード以外も含め著作権法全体 に対するモラルハザードのみであり、これを逆にねじ曲げてエンフォー スしようとすれば、著作権検閲という日本国として最低最悪の手段に突 き進む恐れしかない。改正法は未施行であるが、既に、総務省の 「利 用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第一 次提言案において、中国政府の検閲ソフト「グリーン・ダム」導入計画に 具体的な問題点 等しい、 【非公開】による携帯電話における著作権検閲の提案が取り 上げられるなど、既に弊害は出始めている。 そもそも、ダウンロード違法化の懸念として、このような著作権検閲に 対する懸念は、文化庁へのパブコメ(文化庁HP http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/houkoku.html の意見募集 の結果参照。ダウンロード違法化問題において、この8千件以上のパブ コメの7割方で示された国民の反対・懸念は完全に無視された。このよ うな非道極まる民意無視は到底許されるものではない)や知財本部へ のパブコメ(知財本部のHP http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keikaku2009.html の個人から 41 資料1-2 の意見参照)を見ても分かる通り、法改正前から指摘されていたところ であり、このような著作権検閲にしか流れようの無いダウンロード違法 化は始めからなされるべきではなかったものである。文化庁の暴走と国 会議員の無知によって成立したものであり、ネット利用における個人の 安心と安全を完全にないがしろにするものである、百害あって一利ない ダウンロード違法化を規定する著作権法第30条第1項第3号を即刻削 除するべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 全インターネットユーザー 著作権法第30条第1項第3号を削除する。 根拠法 著作権法第30条第1項第3号 関連府省等 文化庁 備考 42 資料1-2 21 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人 15 一般フェアユース条項の導入による著作権規制の緩和 ほぼ全国民が利用者兼権利者となり得、考えられる利用形態が発散 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 し、個別の規定では公正利用の類型を拾い切れなくなるインターネット のような場においては、現行の個別の権利制限規制を前提とする著作 権法全体がデジタル技術・情報の公正な利活用を阻害するものとなっ ている。 フェアユースのような一般規定は、ほぼ全国民が利用者兼権利者とな り得、考えられる利用形態が発散し、個別の規定では公正利用の類型 を拾い切れなくなるインターネットのような場における、現行の個別の権 利制限規制を前提とする著作権法全体によるデジタル技術・情報の公 正な利活用の阻害を解消し、保護と利用のバランスを取る上で重要な 意義を持つものである。 なお、個別の権利制限規定の迅速な追加によって対処するべきとす る意見もあるが、文化庁と権利者団体がスクラムを組んで個別規定す らなかなか入れず、入れたとしても必要以上に厳格な要件が追加され ているという惨憺たる現状において、個別規定の追加はこの問題にお ける真の対処たり得ない。この6月に成立した法改正においても、図書 具体的な問題点 館におけるアーカイブ化のための権利制限の対象を国立国会図書館 のみに限り、検索エンジンの権利制限の対象も、「業として行う者」と業 規制をかけた上で、政令でその基準を定めようとし、研究目的の権利制 限についても、大量の情報の統計解析のみを対象としているなど、不当 に厳しい制限が課されており、天下り先の権利者団体のみにおもねる 腐り切った文化庁による法改正の検討の弊害は如実に現れている。 また、権利を侵害するかしないかは刑事罰がかかるかかからないか の問題でもあり、公正という概念で刑事罰の問題を解決できるのかとす る意見もあるようだが、かえって、このような現状の過剰な刑事罰リスク からも、フェアユースは必要なものと私は考える。現在親告罪であること が多少セーフハーバーになっているとはいえ、アニメ画像一枚の利用で 別件逮捕されたり、セーフハーバーなしの著作権侵害幇助罪でサーバ ー管理者が逮捕されたりすることは、著作権法の主旨から考えて本来 43 資料1-2 あってはならないことである。政府にあっては、著作権法の本来の主旨 を超えた過剰リスクによって、本来公正として認められるべき事業・利用 まで萎縮しているという事態を本当に深刻に受け止め、一刻も早い改 善を図ってもらいたい。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 著作権法に、一般フェアユース条項を導入する。 ただし、フェアユースの導入によって、私的複製の範囲が縮小される 改善提案 ことはあってはならないことである。 (解決方法及び解決による効果) なお、一般フェアユース条項を導入している国には、アメリカの他に 台湾やイスラエルもあり、これらの国の条文等も参考になると考えられ る。 根拠法 著作権法 関連府省等 文化庁 備考 44 資料1-2 22 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人15 音の商標 特許庁の新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ報告 書で、音の商標を新たな保護対象として追加する方針が示されていると ころである。 音の商標は、他の視覚的な商標とは異なる特色を有しているというこ とが考慮されるべきであり、音に、会社名を連呼するような音だけでは 無く単なる旋律も含まれ得、音の商標の使用に、単なるBGMとしての 使用も含まれ得ることから、音については特に慎重に検討するべきであ 具体的な問題点 る。登録除外についても検討されているが、公益的な音だけでは不十 分であり、余計な混乱を避けるため、音について、少なくとも、他人の著 名な旋律・楽曲を登録から除外することを検討するべきである、パブリッ クドメインに落ちた著名な旋律・楽曲の登録のような不当な利得を得る ための登録が排除されない限り、音について、その保護類型への追加 は決してするべきでない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 音の商標について、少なくとも、他人の著名な旋律・楽曲を登録から 改善提案 除外することを検討する。パブリックドメインに落ちた著名な旋律・楽曲 (解決方法及び解決による効果) の登録のような不当な利得を得るための登録が排除されない限り、音 について、その商標の保護対象への追加をしないこととする。 根拠法 商標法改正(特許庁で検討中) 関連府省等 特許庁 備考 45 資料1-2 23 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人15 官製キャンペーン 「e-ネットづくり!」宣言として、総務省への参加申請・登録の要請や 総務省製のロゴマークの販促といった、ニーズを無視した官製キャンペ ーンを総務省が行おうとしているところである。 総務省への参加申請・登録の要請や総務省製のロゴマークの販促と いった、ニーズを無視したいつもの官製キャンペーンに過ぎない「e-ネ ットづくり!」宣言について、そもそも民間が求めていない、「民間による 自主的な取組」など取りやめるべきである。検討が必要であるとしたら、 今ですら訳が分からないほど沢山ある通信関係の各種ガイドラインの 具体的な問題点 整理削減のみである。今以上に、規制よりにしかならないだろう官製 「自主憲章」やガイドラインなども不要である。天下り利権の強化・税金 のムダな浪費にしかつながらない、ニーズを無視した「相談センター」の 拡充などされるべきでない。インターネット・ホットラインセンターという警 察庁の半官検閲センター自体廃止が速やかに検討されるべきものであ り、「違法・有害情報通報受付」と称して、総務省版の半官検閲センター をさらに作ることなど論外である。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全インターネットユーザー 「e-ネットづくり!」宣言について、規制よりにしかならないだろう官製 「自主憲章」やガイドラインも含め、そもそも民間が求めていない、「民間 改善提案 による自主的な取組」を取りやめる。 (解決方法及び解決による効果) 今ですら訳が分からないほど沢山ある通信関係の各種ガイドラインの 整理削減のみを行う。 根拠法 なし 関連府省等 総務省 備考 46 資料1-2 24 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 携帯電話事業者による差別的なダウンロード容量制限 一部の携帯電話事業者が、公式サイト以外のサイトからダウンロード 規制、制度、慣行、又は手続等の できるファイルの容量制限を行っている。(総務省の「利用者視点を踏 現状 まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第一次提言案によ る。) 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 携帯電話事業者による、このような容量制限は、公平性の観点から も、独禁法からも明らかに問題がある。 一部の携帯電話事業者のユーザー 携帯電話事業者による公式サイト以外のサイトからダウンロードでき るファイルの容量制限を排除する。 根拠法 なし 関連府省等 総務省、公正取引委員会 備考 47 資料1-2 25 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 公職選挙法 公職選挙法によって、選挙運動期間中にネットを選挙運動に用いるこ 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 とが完全に禁止されている。7月21日に閣議決定された答弁書 (http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/171/toup/t1 71234.pdf 参照)により、twitter の利用まで公職選挙法違反であるという 政府見解が示されたところである。 選挙運動期間中の選挙運動に関するネット上の掲示は全て、公職選 挙法の第146条で規制の対象となっている文書図画の掲示とされ、完 全に禁止されているが、これは、インターネットにおける正当な情報利用 を阻害する一大規制となっている。 第148条で、選挙の公正を害しない限りにおいて新聞・雑誌に対し報 道・評論を掲載する自由を妨げるものではないと明文で規定している が、新聞紙にあつては毎月三回以上、雑誌にあつては毎月一回以上、 号を逐つて定期に有償頒布するものであり、第三種郵便物の承認のあ るものであり、当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前一年以来そ うであったもので、引き続き発行するものと、ブログ等は無論のこと、大 具体的な問題点 手ネットメディアですら入らない、あまりにも狭い規定となっている。第15 1条の3で放送についても同様の規定があるが、放送法を参照しており、 当然のことながら、動画サイトなどは入らないと考えられる。 紙媒体であろうが、ネットだろうが、実名だろうが、匿名だろうが、報道・ 批評・表現の本質に変わりはない。表現の自由は、憲法に規定されてい る権利であり、民主主義を支える最も重要な自由として、その代表を選 ぶ選挙において、その公平を害しない限りにおいて、あらゆる媒体に最 大限認められなくてはならないものであることは言うまでもない。もし、公 職選挙法が杓子定規に解釈され、各種ネットメディアに不当な規制の圧 力がかけられるようなら、公職選挙法自体憲法違反とされなくてはならな い。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 48 資料1-2 第142条と第143条の認められる文書図画の頒布・掲示の中に、電 子メール・ブログ・動画サイト等様々なネットサービスの利用類型を追加 すること等により、公職選挙法第146条の規制を緩和し、ネット選挙を解 禁する。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 公職選挙法第148条の規制を緩和し、新聞等に加えてネットにおける 報道及び評論の自由も明文で認め、民主主義を支える最も重要な自由 として、その代表を選ぶ選挙において、その公平を害しない限りにおい て、ネットメディア、動画サイト、ブログ等における表現の自由を最大限確 保する。 根拠法 公職選挙法 関連府省等 総務省 備考 49 資料1-2 26 提出者名等 個人15 規制、制度、慣行、又は手続等の 国際組織犯罪防止条約・サイバー犯罪条約及びこれらの締結に必要な 名称 法改正 前国会に提出されていた、国民の基本的な権利に対する致命的な問 題を抱えていると考えられる、国際組織犯罪防止条約及びサイバー犯 規制、制度、慣行、又は手続等の 罪条約の締結のための法改正案は、解散により一旦廃案となったが、 現状 選挙後の国会において、再提出される可能性は高い。また、法改正の 問題以前に、締結が目指されているこれらの条約自体、やはり国民の 基本的な権利に対する致命的な問題を抱えている。 国際組織犯罪防止条約の締結には、共謀罪の創設が必要とされてい るが、現状でも大規模テロなどについてはすでに殺人予備罪があるの で共謀罪がなくとも対応でき、その他、個別の立法事実があればそれ に沿った形で個別の犯罪についての予備罪の適否を論ずるべきであっ て、広範かつ一般的な共謀罪を創設する立法事実はない。実行行為に 直接つながる行為によって、法益侵害の現実的危険性を引き起こした からこそ処罰されるという我が国の刑法学の根幹を揺るがすものであ る共謀罪は、決して導入されてはならない。組織要件の厳密化にして も、今現在国会に提出されている修正案のような、その目的や意思の みによる限定は客観性を全く欠き、やはり恣意的な運用しか招きようの ない危険なものである。このような危険な法改正を必要とする国際組織 犯罪防止条約は日本として締結するべきものではない。 具体的な問題点 サイバー犯罪条約は、通信記録や通信内容等の情報の保全・捜索・ 押収・傍受等について広範かつ強力な手段を法執行機関に与えること を求めているが、このような要請は、我が国の憲法に規定されている国 民の基本的な権利に対する致命的な侵害を招くものであり、この条約も 日本として締結するべきものではない。前国会に提出されていた法改 正案中でも、差し押さえるべき物がコンピューターである場合には、この コンピューターと接続されているあらゆる記録媒体とそこに記録されて いる情報を差し押さえ可能であるとされていたが、昨今のインターネット の状況を考えると、差し押さえの範囲が過度に不明確になる懸念が強 く、裁判所の許可無く捜査機関が通信履歴の電磁的記録の保全要請を することが出来るとしていた点も、捜査機関による濫用の懸念が強く、こ のような刑事訴訟法の枠組みの変更は、通信の秘密やプライバシー、 50 資料1-2 正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明 示する令状がない限り、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利、 といった我が国の憲法に規定されている国民の基本的な権利に対する 致命的な侵害を招くものと私は考える。また、ウィルス作成等に関する 罪についても、「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべ き動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令 を与える」電磁的記録という要件は、客観性のない人の意図を要件にし ている点でやはり曖昧に過ぎ、このような客観性のない曖昧な要件でウ ィルス作成等に関する刑罰が導入されるべきではない。 留保・解釈を最大限に活用しても、憲法に規定されている国民の基本 的な権利に対する致命的な侵害を招くことになるだろう、これらの条約 は、日本として締結するべきものではないものである。前国会に提出さ れていた法案は廃案のままにするとともに、条約からの脱退を検討する べきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 全国民 前国会に提出されていた、国際組織犯罪防止条約及びサイバー犯罪 条約の締結のための法改正案は廃案のままにすると閣議決定を行う。 同時に、条約からの脱退を検討する。 国際組織犯罪防止条約(正式名称は、「国際的な組織犯罪の防止に 根拠法 関する国際連合条約」) サイバー犯罪条約(正式名称は、「サイバー犯罪に関する条約」) 関連府省等 外務省、法務省、警察庁 備考 51 資料1-2 27 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 私的録音録画補償金制度 私的複製によって生じる著作権者の経済的不利益を補償するため、 MD、CD-R、DVD-R等の分離型録音録画専用デジタル録音録画 機器・媒体に私的録音録画補償金が賦課されている。文化庁文化審議 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 会において、数年に渡り縮小・廃止に向けた検討が行われ、補償金の そもそもの意義が問われた中で、その解決をおざなりにしたまま、去年 の6月にダビング10解禁のために文部科学大臣と経済産業大臣の間 で暫定的な措置としてブルーレイ課金の合意がなされ、消費者不在の 中、今年の5月に著作権施行令の改正によってブルーレイへの課金ま で実施された。 確かに今はコピーフリーのアナログ放送もあるが、ブルーレイにアナ ログ放送を録画することはまずもって無いと考えられるため、アナログ 放送の存在もブルーレイ課金の根拠としては薄弱であり、そのアナログ 放送も2011年には止められる予定となっている。 特に、権利者団体は、ダビング10への移行によってコピーが増え自 分たちに被害が出ると大騒ぎをしたが、移行後1年以上経った今現在 においても、ダビング10の実施による被害増を証明するに足る具体的 な証拠は全く示されておらず、ブルーレイ課金に合理性があったとは私 には全く思えない。 わずかに緩和されたとは言え、今なお地上デジタル放送にはダビング 具体的な問題点 10という不当に厳しいコピー制限がかかったままである。こうした実質 的に全国民に転嫁されるコストで不当に厳しい制限を課している機器と 媒体にさらに補償金を賦課しようとするのは、不当の上塗りである。こ のような不当に厳しいコピー制限が維持される限り、私的録画補償金 は廃止するべきである。 文化庁の文化審議会著作権分科会における数年の審議において、補 償金のそもそもの意義についての意義が問われたが、今に至るも文化 庁は、天下り先である権利者団体のみにおもねり、この制度に関する 根本的な検討を怠っている。(今年、文化庁は、基本問題小委員会を設 けたが、始めからメンバーが権利者団体のみに片寄っており、このよう な腐った小委員会で著作権の根本に関わる問題など検討できないこと 52 資料1-2 は明白である。) 世界的に見ても、メーカーや消費者が納得して補償金を払っていると いうことはカケラも無く、権利者団体がその政治力を不当に行使し、歪 んだ「複製=対価」の著作権神授説に基づき、不当に対象を広げ料率 を上げようとしているだけというのがあらゆる国における実情である。表 向きはどうあれ、大きな家電・PCメーカーを国内に擁しない欧州各国 は、私的録音録画補償金制度を、外資から金を還流する手段、つまり、 単なる外資規制として使っているに過ぎない。 この制度における補償金の対象・料率に関して、具体的かつ妥当な 基準はどこの国を見ても無いのであり、この制度は、ほぼ権利者団体 の際限の無い不当な要求を招き、莫大な社会的コストの浪費のみにつ ながっている。機器・媒体を離れ音楽・映像の情報化が進む中、「複製 =対価」の著作権神授説と個別の機器・媒体への賦課を基礎とする私 的録音録画補償金は、既に時代遅れのものとなりつつあり、その対象 範囲と料率のデタラメさが、デジタル録音録画技術の正常な発展を阻 害し、デジタル録音録画機器・媒体における正常な競争市場を歪めて いるという現実は、補償金制度を導入したあらゆる国において、問題と して明確に認識されなくてはならないことである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 デジタル録音録画機器・媒体の全ユーザー 1.そもそも、著作権法の様な私法が私的領域に踏み込むこと自体が おかしいのであり、私的領域での複製は原則自由かつ無償であること を法文上明確にする。また、刑事罰の有無に関わらず、外形的に違法 性を判別することの出来ない形態の複製をいたずらに違法とすることは 社会的混乱を招くのみであり、厳に戒められるべきである。 2.特に、補償金については、これが私的録音録画を自由にすることの 代償であることを法文上明確にする。すなわち、私的録音録画の自由 改善提案 を制限するDRM(コピーワンスやダビング10ほどに厳しいDRM)がか (解決方法及び解決による効果) けられている場合は、補償措置が不要となることを法文上明確にする。 3.また、タイムシフト、プレースシフト等は、外形的に複製がなされてい るにせよ、既に一度合法的に入手した著作物を自ら楽しむために移し ているに過ぎず、このような態様の複製について補償は不要であること を法文上明確にする。実質権利者が30条の範囲内での複製を積極的 に認めているに等しい、レンタルCDやネット配信、有料放送からの複製 もこれに準じ、補償が不要であることを明確にする。 53 資料1-2 4.私的録音録画の自由の確保を法文上明確化するとした上で、私的 録音録画を自由とすることによって、私的複製の範囲の私的録音録画 によってどれほどの実害が著作権者に発生するのかについてのきちん とした調査を行う。 この実害の算定にあたっては、補償の不必要な私的複製の形態や著 作権者に損害を与えない私的複製の形態があることも考慮に入れ、私 的録音録画の著作権者に与える経済的効果を丁寧に算出する。単に 私的録音録画の量のみを問題とすることなど論外であり、その算定に 当たっては入念な検証を行う。 5.この算出された実害に基づいて補償金の課金の対象範囲と金額が 決められるべきである。特に、その決定にあたっては、コンテンツ産業 振興として使われる税金や受信料・電波の割当といった各種の公的に 与えられている既得権益も補償金の一種ととらえられることを念頭に置 くべきである。この場合でも、将来の権利者団体による際限の無い補償 金要求を無くすため、対象範囲と金額が明確に法律レベルで確定され る必要がある。あらゆる私的録音録画について無制限の補償金要求権 を権利者団体に与えることは、ドイツ等の状況を見ても、社会的混乱を 招くのみであり、ユーザー・消費者・国民にとってきちんとセーフハーバ ーとして機能する範囲・金額の確定が行われなくてはならない。 あるいは、実害が算出できないのであれば、原則にのっとり、私的録 音録画補償金制度は廃止されるべきである。 6.集められた補償金は、権利者の分配に使用されることなく、全額違 法コピー対策やコンテンツ産業振興などの権利者全体を利する事業へ 使用されるようにするべきである。 なお、天下り先の権利者団体のみにおもねり、国益を無視して暴走す る腐り切った文化庁には、もはや、この問題の検討能力は完全に無い。 上記のような方向性で検討する必要があると私は考えているが、無理 なようであれば、この制度を現行のまま完全に凍結すると閣議決定す ることも、合わせ検討するべきである。 著作権法第30条第2項 根拠法 著作権法第5章 著作権法施行令第1章 関連府省等 文化庁 備考 54 資料1-2 28 ※本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開とし、「【URL】」と 記載させていただいております 提出者名等 規制、制度、慣行、又 は手続等の名称 個人15 児童ポルノ規制・サイトブロッキング 現行の児童ポルノ規制法により。「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態で あって性欲を興奮させ又は刺激するもの 」という非常に曖昧な第2条第3項第3号 の規定によって定義されるものも含め、児童ポルノの提供及び提供目的の所持まで 規制されている。最近も、この4月に、アフィリエイト広告代理店社長が児童ポルノ規 制法違反幇助容疑で送検され(【URL】参照)、5月に、児童ポルノサイトへのリンクを 張ることについて、児童ポルノ公然陳列幇助容疑で2名が送検され(【URL】、【URL】 参照)、6月には、女子高生の水着を撮影したDVDを児童ポルノとして製造容疑でビ デオ販売会社社長他が逮捕されるなど(【URL】参照。なお、水着を撮影したDVDを 児童ポルノとするケースは去年もあり、今も裁判が続いているようである)、警察によ る法律の拡大解釈・恣意的運用は止まるところを知らず、現行法の運用においてす ら、インターネット利用の全てが極めて危険な状態に置かれている。 規制、制度、慣行、又 は手続等の現状 このような全く信用できない警察の動きをさらに危険極まりないものにしようと、与 党である自民党と公明党は、児童ポルノ規制法の規制強化を企て、「自身の性的好 奇心を満たす目的で」という主観的要件のみで児童ポルノの所持を禁止する、いわ ゆる単純所持規制を含む法改正案を第171回国会に提出し、民主党はやはり危険 な反復取得罪を含む法改正案を提出し、国会で審議が行われた。第171回国会の 解散によって、これらの改正法案は一旦廃案となったが、選挙後の国会で再提出さ れる可能性も高く、今なお、インターネットにおけるあらゆる情報利用を危険極まりな いものとする法改正の検討が今後も続けられかねないという危うい状態にあることに 変わりはない。 また、児童ポルノ規制強化の一環として、この6月に、警察庁、総務省などの規制 官庁が絡む形で、検閲にしかなりようがないサイトブロッキングを検討する児童ポル ノ流通防止協議会が発足している(【URL】参照)。 閲覧とダウンロードと取得と所持の区別がつかないインターネットにおいては、例 え児童ポルノにせよ、情報の単純所持や取得の規制は有害無益かつ危険なもの で、憲法及び条約に規定されている「知る権利」を不当に害するものとなる。「自身の 具体的な問題点 性的好奇心を満たす目的で」、積極的あるいは意図的に画像を得た場合であるなど の限定を加えたところで、エスパーでもない限りこのような積極性を証明することも反 証することもできないため、このような情報の単純所持や取得の規制の危険性は回 避不能であり、思想の自由や罪刑法定主義にも反する。繰り返し取得としても、イン 55 資料1-2 ターネットで2回以上他人にダウンロードを行わせること等は技術的に極めて容易で あり、取得の回数の限定も、何ら危険性を減らすものではない。 児童ポルノ規制の推進派は常に、提供による被害と単純所持・取得を混同する狂 った論理を主張するが、例えそれが児童ポルノであろうと、情報の単純所持ではい かなる被害も発生し得えない。現行法で、ネット上であるか否かにかかわらず、提供 及び提供目的の所持まで規制されているのであり、提供によって生じる被害と所持 やダウンロード、取得、収集との混同は許され得ない。そもそも、最も根本的なプライ バシーに属する個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人が知ること は、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の基本的な権利から あってはならないことである。 アニメ・漫画・ゲームなどの架空の表現に対する規制対象の拡大も議論されている が、このような対象の拡大は、児童保護という当初の法目的を大きく逸脱する、異常 規制に他ならない。アニメ・漫画・ゲームなどの架空の表現において、いくら過激な表 現がなされていようと、それが現実の児童被害と関係があるとする客観的な証拠は 何一つない。いまだかつて、この点について、単なる不快感に基づいた印象批評と 一方的な印象操作調査以上のものを私は見たことはないし、虚構と現実の区別がつ かないごく一部の自称良識派の単なる不快感など、言うまでもなく一般的かつ網羅 的な表現規制の理由には全くならない。アニメ・漫画・ゲームなどの架空の表現が、 今の一般的なモラルに基づいて猥褻だというのなら、猥褻物として取り締まるべき話 であって、それ以上の話ではない。どんな法律に基づく権利であれ、権利の侵害は 相対的にのみ定まるものであり、実際の被害者の存在しない創作物・表現に対する 規制は何をもっても正当化され得ない。民主主義の最重要の基礎である表現の自 由や言論の自由、思想の自由等々の最も基本的な精神的自由そのものを危うくする ことは絶対に許されない。 単純所持規制にせよ、創作物規制にせよ、両方とも1999年当時の児童ポルノ法 制定時に喧々囂々の大議論の末に除外された規制であり、規制推進派が何と言お うと、これらの規制を正当化するに足る立法事実の変化はいまだに何一つない。 サイトブロッキングにつても、総務省なり警察なり天下り先の検閲機関・自主規制 団体なりの恣意的な認定により、全国民がアクセスできなくなるサイトを発生させる など、絶対にやってはならないことである。例えそれが何であろうと、情報の単純所 持や単なる情報アクセスではいかなる被害も発生し得えないのであり、自主的な取 組という名目でいくら取り繕おうとも、憲法に規定されている表現の自由(知る権利・ 情報アクセスの権利を含む)や検閲の禁止といった国民の基本的な権利を侵害する ものとならざるを得ないサイトブロッキングは導入されてはならないものである。 児童ポルノ規制法に関しては、既に、提供及び提供目的での所持が禁止されてい 56 資料1-2 るのであるから、本当に必要とされることは今の法律の地道なエンフォースであって 有害無益な規制強化の検討ではない。児童ポルノ規制法に関して検討すべきこと は、現行ですら過度に広汎であり、違憲のそしりを免れない児童ポルノの定義の厳 密化のみである。 ただし、警察の恣意的な運用によって、現行法においてすら児童ポルノ規制法違 反幇助のリスクが途方もなく拡大し、甚大な萎縮効果・有害無益な社会的大混乱が 生じかねないという非常に危険な状態にあることを考え、今現在民事的な責任の制 限しか規定していないプロバイダー責任制限法に関し、刑事罰リスクも含めたプロバ イダーの明確なセーフハーバーについてはきちんと検討がなされなくてはならない。 違法コピー対策問題における権利者団体の主張、児童ポルノ法規制強化問題・有 害サイト規制問題における自称良識派団体の主張は、常に一方的かつ身勝手であ り、ネットにおける文化と産業の発展を阻害するばかりか、インターネットの単純なア クセスすら危険なものとする非常識なものばかりである。今後は、このような一方的 かつ身勝手な規制強化の動きを規制するため、憲法の「表現の自由」に含まれ、国 際人権B規約にも含まれている国民の「知る権利」を、あらゆる公開情報に安全に個 人的にアクセスする権利として、通信法に法律レベルで明文で書き込むべきである。 同じく、憲法に規定されている検閲の禁止から、技術的な著作権検閲やサイトブロッ キングのような技術的検閲の禁止を通信法に法律レベルで明文で書き込むべきで ある。 また、児童ポルノの閲覧の犯罪化と創作物の規制まで求める「子どもと青少年の 性的搾取に反対する世界会議」の根拠のない狂った宣言を国際動向として一方的に 取り上げ、児童ポルノ規制の強化を正当化することなどあってはならない。児童ポル ノ規制に関しては、最近、ドイツのバンド「Scorpions」が32年前にリリースした「Virgin Killer」というアルバムのジャケットカバーが、アメリカでは児童ポルノと見なされない にもかかわらず、イギリスでは該当するとしてブロッキングの対象となり、プロバイダ ーによっては全 Wikipedia にアクセス出来ない状態が生じたなど、欧米では、行き過 ぎた規制の恣意的な運用によって弊害が生じていることも見逃されるべきではない。 アメリカだけを取り上げても、FBIが偽リンクによる囮捜査を実行し、偽リンクをクリッ クした者が児童ポルノがダウンロードしようとしたということで逮捕、有罪にされるとい う恣意的運用の極みをやっている(【URL】参照)、単なる授乳写真が児童ポルノに当 たるとして裁判になり、平和だった一家が完全に崩壊している(【URL】参照)、日本の アダルトコミックを所持していたとして、児童の性的虐待を何ら行ったことも無く、考え たことも無い単なる漫画のコレクターが司法取引で有罪とされている(【URL】参照)な どの、極悪かつ非人道的な例が知られている。単純所持規制を導入している西洋キ リスト教諸国で行われていることは、中世さながらの検閲と魔女狩りであって、このよ うな極悪非道に倣わなければならない理由は全く無い。 57 資料1-2 しかし、欧米においても、情報の単純所持規制やサイトブロッキングの危険性に対 する認識はネットを中心に高まって来ており、アメリカにおいても、この1月に連邦最 高裁で児童オンライン保護法が違憲として完全に否定され、この2月に連邦控訴裁 でカリフォルニア州のゲーム規制法が違憲として否定されていることや、つい最近か らのドイツ国会への児童ポルノサイトブロッキング反対電子請願(【URL】)に13万筆 を超える数の署名が集まったこと、ドイツにおいても児童ポルノサイトブロッキング法 は検閲法と批判され、既に憲法裁判が提起されていること(【URL】参照)なども注目 されるべきである。スイスにおいて最近発表された調査でも、2002年に児童ポルノ 所持で捕まった者の追跡調査を行っているが、実際に過去に性的虐待を行っていた のは1%、6年間の追跡調査で実際に性的虐待を行ったものも1%に過ぎず、児童 ポルノ所持はそれだけでは、性的虐待のリスクファクターとはならないと結論づけて おり、児童ポルノの単純所持規制の根拠は完全に否定されているのである(【URL】 参照)。 政府・与党内の検討においては、このような国際動向もきちんと取り上げるべきであ り、一方的な見方で国際動向を決めつけることなどあってはならない。 かえって、児童ポルノの単純所持規制・創作物規制といった非人道的な規制を導 入している諸国は即刻このような規制を廃止するべきと、そもそも最も根本的なプラ イバシーに属し、何ら実害を生み得ない個人的な情報所持・情報アクセスに関する 情報を他人が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権 利等の国際的かつ一般的に認められている基本的な権利からあってはならないこと であると、日本政府から国際的な場において各国に積極的に働きかけるべきであ る。 選挙後の国会において、児童ポルノ規制法の改正案が再び提出される可能性も 高いが、政府において、児童ポルノを対象とするものにせよ、いかなる種類のもので あれ、情報の単純所持・取得規制・ブロッキングは極めて危険な規制であるとの認 識を深め、このような規制を絶対に行わないこととして、前国会のような危険な法改 正案が2度と与野党から提出されることが無いようにするべきである。 問題により不利益を 被っている、困ってい 全国民 る人又は団体等 違憲のそしりを免れない現行の児童ポルノ規制法について、速やかに児童ポルノ の定義の厳格化のみの法改正を行う。 改善提案 (解決方法及び解決 による効果) プロバイダー責任制限法に関し、被侵害者との関係において、刑事罰リスクも含め たプロバイダーの明確なセーフハーバーについて検討する。 児童ポルノ流通防止協議会を解散し、サイトブロッキングに関する検討を完全に停 止する。 58 資料1-2 憲法の「表現の自由」に含まれ、国際人権B規約にも含まれている国民の「知る権 利」を、あらゆる公開情報に安全に個人的にアクセスする権利として、通信法に法律 レベルで明文で書き込むこと、及び、憲法に規定されている検閲の禁止から、技術 的な著作権検閲やサイトブロッキングのような技術的検閲の禁止を通信法に法律レ ベルで明文で書き込むことを検討する。 児童ポルノの単純所持規制・創作物規制といった非人道的な規制を導入している 諸国は即刻このような規制を廃止するべきと、そもそも最も根本的なプライバシーに 属し、何ら実害を生み得ない個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人 が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の国際 的かつ一般的に認められている基本的な権利からあってはならないことであると、日 本政府から国際的な場において各国に積極的に働きかける。 児童ポルノを対象とするものにせよ、いかなる種類のものであれ、情報の単純所 持・取得規制・ブロッキングは極めて危険な規制であるとの認識を深め、このような 規制を絶対に行わないことと閣議決定する。 根拠法 関連府省等 児童ポルノ規制法(正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び 児童の保護等に関する法律」) 警察庁、総務省、厚生労働省 備考 59 資料1-2 29 ※本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開とし、「【URL】」と記 載させていただいております 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の名称 個人15 出会い系サイト規制 出会い系サイト事業者の届け出を義務化する、出会い系サイト規制法の 改正法が去年の5月に成立し、同年12月から施行されている。その後、今 年の2月から3月にかけて、警視庁が、SNS各社に対して書き込みの削除 規制、制度、慣行、又は手続等 要請をし、あるSNSでは内容の精査も無いまま「出会い」に関するコミュニ の現状 ティが全て削除されるということが起こった(【URL】参照)。5月には、やはり 警視庁が、SNSサイトの年齢確認の厳格化を要請しており(【URL】参照)、 6月には、無届け出会い系サイト運営容疑で逮捕者まで出ている(【URL】、 【URL】参照)。 警察による出会い系サイト規制法の拡大解釈・恣意的運用によって、ネッ ト利用における不必要かつ有害な萎縮効果が既に発生していることは、一 般サイト事業者に対する警察からの要請とその反応から明らかである。 この出会い系サイト規制法の改正は、警察庁が、どんなコミュニケーショ ンサイトでも人は出会えるという誰にでも分かることを無視し、届け出制の 対象としては事実上定義不能の「出会い系サイト事業」を定義可能と偽り、 改正法案の閣議決定を行い、法案を国会に提出したものであり、他の重要 法案と審議が重なる中、国会においてもその本質的な問題が見過ごされて 具体的な問題点 可決され、成立したものである。憲法上の罪刑法定主義や検閲の禁止にそ もそも違反しており、表現の自由などの国民の最重要の基本的な権利をな いがしろにするものである、今回の出会い系サイト規制法の改正について は、今後、速やかに元に戻すことが検討されなくてはならない。 既に逮捕者まで出ているが、出会い系サイト規制法は、その曖昧さから 別件逮捕のツールとして使われ、この制度によって与えられる不透明な許 認可権限による、警察の出会い系サイト業者との癒着・天下り利権の強化 を招く恐れが極めて強い。出会い系サイト規制法を去年の改正前の状態に 戻すまでにおいても、この危険な法律の運用については慎重の上に慎重 が期されるべきである。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 全インターネットユーザー 出会い系サイト規制法を改正前の状態に速やかに戻す。 出会い系サイト規制法(正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用 して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」) 警察庁 備考 60 資料1-2 30 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人15 青少年ネット規制法・携帯フィルタリング義務化 携帯電話におけるフィルタリングの義務化を中心とする、青少年ネット規 制法が、去年の6月に成立し、この4月から施行されている。 そもそも、フィルタリングサービスであれ、ソフトであれ、今のところフィルタ リングに関するコスト・メリット市場が失敗していない以上、かえって必要な ことは、不当なフィルタリングソフト・サービスの抱き合わせ販売の禁止によ って、消費者の選択肢を増やし、利便性と価格の競争を促すことだったは ずである。一昨年から昨年にかけて大騒動になったあげく、ユーザーから、 ネット企業から、メディア企業から、とにかくあらゆる者から大反対されなが らも、有害無益なプライドと利権の確保を最優先する一部の議員と官庁の 思惑のみから成立した今の青少年ネット規制法による規制は、一ユーザ ー・一消費者・一国民として全く評価できないものであり、速やかに法律の 廃止が検討されるべきである。 青少年ネット規制法の規制は、フィルタリングソフト・サービスの不当な抱 き合わせ販売を助長することにつながる恐れが強く、廃止するまでにおいて 具体的な問題点 も、政府全体で、特に公正取引委員会において、規制を理由にした不当な 便乗商法に対する監視を強めるべきであり、フィルタリングソフト・サービス の不当な抱き合わせ販売について独禁法の適用が検討されるべきである。 フィルタリングについても、その過去の政策決定の迷走により、総務省は 携帯電話サイト事業者に無意味かつ多大なダメージを与えた。この問題に ついては、フィルタリングの存在を知り、かつ、フィルタリングの導入が必要 だと思っていて、なお未成年にフィルタリングをかけられないとする親に対し て、その理由を聞くか、あるいはフィルタリングをかけている親に対して、そ のフィルタリングの問題を聞くかして、きちんと本当の問題点を示してから検 討するべきである。 フィルタリングで無意味に利権を作ろうとしている総務省と携帯電話事業 者他の今の検討については、完全に白紙に戻されるべきである。携帯フィ 61 資料1-2 ルタリングについて、ブラックリスト方式ならば、まずブラックリストに載せる 基準の明確化から行うべきなので、不当なブラックリスト指定については、 携帯電話事業者がそれぞれの基準に照らし合わせて無料で解除する簡便 な手続きを備えていればそれで良く、健全サイト認定第3者機関など必要な いはずである。ブラックリスト指定を不当に乱発し、認定機関で不当に審査 料をせしめ取り、さらにこの不当にせしめた審査料と、正当な理由もなく流し 込まれる税金で天下り役人を飼うのだとしたら、これは官民談合による大不 正行為以外の何物でもない。このようなブラックリスト商法の正当化は許さ れない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 全インターネットユーザー、全携帯ユーザー 青少年ネット規制法を廃止する。 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 廃止するまでにおいても、規制を理由にしたフィルタリングに関する不当 な便乗商法に対する監視を政府において強め、フィルタリングソフト・サービ スの不当な抱き合わせ販売について独禁法の適用を検討する。 合わせ、フィルタリングで無意味に利権を作ろうとしている総務省と携帯電 話事業者他の今の検討については、完全に白紙に戻す。 根拠法 関連府省等 青少年ネット規制法(正式名称は、「青少年が安全に安心してインターネッ トを利用できる環境の整備等に関する法律」) 総務省 備考 62 資料1-2 31 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手 続等の名称 個人15 著作権の間接侵害・侵害幇助 動画投稿サイト事業者がJASRACに訴えられた「ブレイクTV」事件や、レンタ 規制、制度、慣行、又は手 続等の現状 ルサーバー事業者が著作権幇助罪で逮捕され、検察によって姑息にも略式裁 判で50万円の罰金を課された「第(3)世界」事件等を考えても、今現在、著作 権の間接侵害や侵害幇助のリスクが途方もなく拡大し、甚大な萎縮効果・有害 無益な社会的大混乱が生じかねないという非常に危険な状態にある。 今現在、著作権の間接侵害・侵害幇助のリスクが途方もなく拡大し、甚大な萎 縮効果・有害無益な社会的大混乱が生じかねないという非常に危険な状態に あり、民事的な責任の制限しか規定していないプロバイダー責任制限法に関 し、被侵害者との関係において、刑事罰リスクも含めたプロバイダーの明確なセ ーフハーバーについて検討するべきである。 さらに、著作権の間接侵害事件や侵害幇助事件においてネット事業者がほぼ 直接権利侵害者とみなされてしまうことを考えると、プロバイダー責任制限法に よるセーフハーバーだけでは不十分であり、間接侵害や著作権侵害幇助罪も 含め、著作権侵害とならないセーフハーバーの範囲を著作権法上きちんと確定 具体的な問題点 することが喫緊の課題である。 セーフハーバーを確定するためにも間接侵害の明確化はなされるべきである が、現行の条文におけるカラオケ法理や各種ネット録画機事件などで示された ことの全体的な整理以上のことをしてはならない。特に、今現在文化庁の文化 審議会で検討されているように、著作権法に明文の間接侵害一般規定を設け ることは絶対にしてはならないことである。確かに今は直接侵害規定からの滲 み出しで間接侵害を取り扱っているので不明確なところがあるのは確かだが、 現状の整理を超えて、明文の間接侵害一般規定を作った途端、権利者団体や 放送局がまず間違いなく山の様に脅しや訴訟を仕掛けて来、今度はこの間接 侵害規定の定義やそこからの滲み出しが問題となり、無意味かつ危険な社会 的混乱を来すことは目に見えているからである。 問題により不利益を被って いる、困っている人又は団 全インターネットユーザー 体等 63 資料1-2 プロバイダー責任制限法に関し、被侵害者との関係において、刑事罰リスクも 含めたプロバイダーの明確なセーフハーバーについて検討する。 合わせ、今現在文化庁の文化審議会における、著作権法に間接侵害一般規 定を設けることに関する検討を停止し、間接侵害や著作権侵害幇助罪も含め、 改善提案 著作権侵害とならないセーフハーバーの範囲を著作権法上きちんと確定するた (解決方法及び解決による めの検討を開始する。 効果) ただし、このセーフハーバーの要件において、標準的な仕組み・技術や違法 性の有無の判断を押しつけるような、権利侵害とは無関係の行政機関なり天下 り先となるだろう第3者機関なりの関与を必要とすることは、検閲の禁止・表現 の自由等の国民の権利の不当な侵害に必ずなるものであり、絶対にあっては ならないことである。 著作権法第7章及び第8章 根拠法 刑法第62条 プロバイダー責任制限法(正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠 償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」) 関連府省等 文化庁、総務省 備考 64 資料1-2 32 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特定 の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇所 を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいており ます。また、本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開とし、 「【URL】」と記載させていただいております。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続 等の名称 個人15 著作権検閲・ストライクポリシー まだ実施されてはいないが、総務省の 「利用者視点を踏まえたICTサービス に係る諸問題に関する研究会」第一次提言案において、携帯電話においてダ ウンロードした音楽ファイルを自動検知した上でそのファイルのアクセス・再生 制限を行うという、【非公開】の著作権検閲の提案が取り上げられており、今現 在、このような著作権検閲の提案が政府レベルで検討されかねない非常に危 規制、制度、慣行、又は手続 等の現状 険な状態にある。 これも実施されていないと思うが、同じく、著作権検閲に流れる危険性が極め て高い、フランスで今なお揉めているネット切断型のストライクポリシー類似 の、ファイル共有ソフトを用いて著作権を侵害してファイル等を送信していた者 に対して警告メールを送付することなどを中心とする電気通信事業者と権利者 団体の連携による著作権侵害対策の検討が、警察庁、総務省、文化庁などの 規制官庁が絡む形で行われている。 通信の秘密という基本的な権利の適用は監視の位置がサーバーであるか端 末であるかによらないものであること、特に、機械的な処理であっても通信の 秘密を侵害したことには変わりはないとされ、通信の秘密を侵害する行為に は、当事者の意思に反して通信の構成要素等を利用すること(窃用すること)も 含むとされていることを考えると、【非公開】が提案している著作権対策は、明 らかに通信の秘密を侵害するものである。 具体的な問題点 また、本来最も基本的なプライバシーに属する個人端末中の情報について、 内容を自動検知し、アクセス制限・再生禁止等を行うことは、それ自体プライバ シー権を侵害するものであり、プライバシーの観点からも、このような措置は導 入されるべきでない。 最も基本的なプライバシーに属する個人端末中の情報について、内容を自 65 資料1-2 動検知し、アクセス制限・再生禁止等を行う【非公開】が提案している違法音楽 配信対策は、技術による著作権検閲に他ならず、憲法に規定されている表現 の自由(情報アクセス権を含む)や検閲の禁止に明らかに反するものである。 ここで、表現の自由や検閲の禁止という観点からも、このような対策は決して 導入されてはならないものである。 付言すれば、【非公開】の携帯端末における違法音楽配信対策は、建前は違 えど、中国でPCに対する導入が検討され、大騒ぎになった末、今現在導入が 無期延期されているところの検閲ソフト「グリーン・ダム」と全く同じ動作をするも のであるということを政府にははっきりと認識してもらいたい。このような検閲ソ フトの導入については、日本も政府として懸念を表明しているはずであり(日経 のネット記事【URL】参照)、自由で民主的な社会において、このような技術的 検閲が導入されることなど、絶対許されないことである。 このような提案は、通信の秘密や検閲の禁止、表現の自由、プライバシーと いった個人の基本的な権利をないがしろにするものである。【非公開】が提案し ている、検閲に該当するこのような対策は絶対に導入されるべきでなく、また技 術支援・実証実験等として税金のムダな投入がなされるべきではない。 フランスで導入が検討された、警告メールの送付とネット切断を中心とする、 著作権検閲機関型の違法コピー対策である3ストライクポリシーについても、こ の6月に、憲法裁判所によって、インターネットのアクセスは、表現の自由に関 係する情報アクセスの権利、つまり、最も基本的な権利の1つとしてとらえられ るものであるとして、著作権検閲機関型の3ストライクポリシーは、表現の自 由・情報アクセスの権利やプライバシーといった他の基本的な権利をないがし ろにするものとして、真っ向から否定された。フランスでは今なおストライクポリ シーに関して揉め続けているが、日本においては、このようなフランスにおける 政策の迷走を他山の石として、このように表現の自由・情報アクセスの権利や プライバシーといった他の基本的な権利をないがしろにする対策を絶対に導入 しないこととするべきであり、警察庁などが絡む形で検討が行われている違法 ファイル共有対策についても、通信の秘密やプライバシー、情報アクセス権等 の国民の基本的な権利をきちんと尊重する形で検討を進めることが担保され なくてはならない。 これらの提案や検討からも明確なように、違法コピー対策問題における権利 者団体の主張、児童ポルノ法規制強化問題・有害サイト規制問題における自 称良識派団体の主張は、常に一方的かつ身勝手であり、ネットにおける文化と 産業の発展を阻害するばかりか、インターネットの単純なアクセスすら危険なも のとする非常識なものばかりである。今後は、このような一方的かつ身勝手な 規制強化の動きを規制するため、憲法の「表現の自由」に含まれ、国際人権B 66 資料1-2 規約にも含まれている国民の「知る権利」を、あらゆる公開情報に安全に個人 的にアクセスする権利として、通信法に法律レベルで明文で書き込むこと検討 するべきである。同じく、憲法に規定されている検閲の禁止から、技術的な著 作権検閲やサイトブロッキングのような技術的検閲の禁止を通信法に法律レ ベルで明文で書き込むことを検討するべきである。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 全携帯ユーザー、全インターネットユーザー 総務省における【非公開】の著作権検閲の提案の検討を止め、憲法の「表現 の自由」に含まれ、国際人権B規約にも含まれている国民の「知る権利」を、あ らゆる公開情報に安全に個人的にアクセスする権利として、通信法に法律レベ 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) ルで明文で書き込むこと、及び、憲法に規定されている検閲の禁止から、技術 的な著作権検閲やサイトブロッキングのような技術的検閲の禁止を通信法に 法律レベルで明文で書き込むことを検討する。 閣議決定により、警察庁などが絡む形で検討が行われている違法ファイル共 有対策についても、通信の秘密やプライバシー、情報アクセス権等の国民の 基本的な権利をきちんと尊重する形で検討を進めることを担保する。 根拠法 なし 関連府省等 文化庁、総務省、警察庁 備考 67 資料1-2 33 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続 等の名称 個人15 著作権保護期間 現行の日本の著作権法において、著作権の保護期間は著作者の死後50 年とされている。実演、レコード及び放送に関する著作隣接権については、そ 規制、制度、慣行、又は手続 等の現状 れぞれ実演を行った時、音を最初に固定した時、放送を行った時から50年と されている。文化庁の文化審議会において、延長の検討がなされて来てお り、権利者団体と文化庁を除けば、延長を否定する結論が出そろっているに もかかわらず、文化庁は保護期間延長に関して継続して検討するとしている ところである。 1.著作権そのものの保護期間について 著作権そのものに関しては、現行でも著作者の死後50年という極めて長い 期間に渡って著作権が保護されることになっている。また、著作者人格権に ついては保護期間が切れるということはない。 文化的に、ひ孫の孫くらいのことまで考えて創作をしている人間がいるとも 思われず、文化の多様化のためにはこれ以上の延長はほとんど何の役にも 経たず、経済的にも、著作者の死後50年を経てなお権利処理コストを上回る 財産的価値を保っている極めて稀な著作物のために、このコストを下回るほ とんど全ての著作物の利用を阻害することは全く妥当でない。 また、保護期間延長問題は金銭的な話でないとするリスペクト論もよく権利 具体的な問題点 者側が持ち出すのだが、創作者が世に出したいと思う形のまま、創作者の名 前を付けて著作物を流通させるために、同一性保持権や氏名表示権といった 著作者人格権が、既に保護期間が切れることのない権利として規定されてい るのであり、人格権と財産権を混同した主張は取り上げるに値しない。延長 問題は、あくまで権利の財産的な側面のみを考慮して考えられなくてはならな い。 これほど長期間に渡る著作権の保護期間は、過去の圧倒的多数の著作物 の新たな技術による公共利用、 過去の大多数の著作物のデジタル情報とし ての公共利用に対する一大阻害要因となっており、著作権者の個々のメリッ トに比して社会的デメリットがあまりにも大きな有害な規制として機能してい る。このような著作権の保護期間については、短縮が検討されてしかるべき である。 68 資料1-2 また、権利者団体と文化庁を除けば日本国内では、この点に関しては延長 しないということでほとんど結論が出そろっているのであり、文化庁の保護期 間延長に関する検討は完全に止められるべきである。 2.実演家の著作隣接権の保護期間について 同一性保持権や氏名表示権などの実演家の人格権も特に保護期間と一緒 に切れるということはないので、 実演家の著作隣接権の保護期間について も人格権と財産権をごっちゃにするリスペクト論は全く当てはまらない。 実演から50年を超えて保護期間を延長することが、文化的な実演を多く 生み出すためのインセンティブとなり、このインセンティブが、保護期間延長に よって生じる公共利用に対するディスインセンティブを超えるという明確な論 拠が示されるならばともかく、実演から50年という期間はかなり著名かつ長 命の実演家でなければ切れることがない期間であり、今のところ、実演家の 著作隣接権の保護期間延長についても、これを是とするに足る根拠は何一つ なく、これも延長されるべきでない。 なお、著作隣接権の中でも、実演家の権利と、レコード製作者・放送事業者 の権利は大きく性質が異なっているものであり、これらを混同することは百害 あって一利ないものである。 3.レコード製作者あるいは放送事業者の著作隣接権の保護期間について レコード製作者と放送事業者という創作者ではない流通事業者の著作隣接 権は、単にレコード会社や放送局が強い政治力を持っていたことから無理矢 理ねじ込まれた権利に過ぎず、その目的は流通コストへの投資を促すことの みにあったものである。インターネットという流通コストの極めて低い流通チャ ネルがある今、独占権というインセンティブで流通屋に投資を促さねばならな い文化上の理由もほぼ無くなっているのであり、これらの保護期間は速やか に短縮することが検討されるべきである。 なお、放送事業者の権利の保護期間については、今でもローマ条約及びT RIPS協定)で放送から20年と規定されているだけであり、短縮するのに国際 的障害はない。合理的な理由無く決められた保護期間を短縮することが憲法 上問題になる訳もない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 全国民 69 資料1-2 文化庁における著作権保護期間延長の検討を閣議決定により停止する。 放送に関する著作隣接権に関しては、速やかに保護期間を放送を行った時 から20年とする。 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 合わせ、現行ですら余りに長い著作権及びレコード製作者あるいは放送事 業者の著作隣接権の保護期間短縮のため、日本政府からベルヌ条約他の関 係条約の改正提案を行うことを、政府レベルで検討する。 なお、過去、保護期間の短縮を行った国としては、ポルトガルとスペインが 存在しており、保護期間の短縮は国際的に見て完全に不可能とされるもので は無い。 著作権法第2章第4節 著作権法第4章第6節 ベルヌ条約第7条 根拠法 万国著作権条約第4条 ローマ条約第14条 レコード製作者の保護に関する条約第4条 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約第17条 TRIPS協定第12条及び第14条 関連府省等 文化庁 備考 70 資料1-2 34 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 天下り 一昨年の6月23日号の週刊ダイヤモンドの「天下り全データ」という 特集で、天下りとして2万7882人という人数が示されている。中には他 規制、制度、慣行、又は手続等の 愛のない再就職も含まれているだろうが、2万5千人を超える元国家公 現状 務員が各省庁所管の各種独立行政法人や特殊法人、公益法人、企業 などにうごめき、このような天下り利権が各省庁の政策を歪めていると いうのが、今の日本のおぞましい現状である。 法改正によって得られる利権・行政による恣意的な許認可権を盾に、 役に立たない役人を民間に押しつけるなど、最低最悪の行為であり、一 国民として到底許せるものではない。さらに、このような天下り役人が国 の政策に影響を及ぼし、国が亡んでも自分たちの利権のみ伸ばせれば 良いとばかりに、国益を著しく損なう違憲規制を立法しようとするに至っ ては、単なる汚職の域を超え、もはや国家反逆罪を構成すると言っても 過言ではない。 具体的な問題点 知財・情報政策においても、天下り利権が各省庁の政策を歪めている ことは間違いなく、政策の検討と決定の正常化のため、文化庁から著 作権関連団体への、総務省から放送通信関連団体・企業への、警察庁 から各種協力団体・自主規制団体への天下りの禁止を決定するべきで ある。これらの省庁は特にひどいので特に名前をあげたが、他の省庁 も含めて決定するべきである。 また、人事院の「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」におい て提案されている、60歳を過ぎてから公務員の身分のまま公益法人な どに出向するといった新たな天下りルートも許されるべきでない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 閣議決定により、国家公務員法で規定されている再就職等監視委員 改善提案 会を凍結し、60歳を過ぎてから公務員の身分のまま公益法人などに出 (解決方法及び解決による効果) 向するといった新たに提案されている天下りルートも含め、天下りを完 全に禁止する。 根拠法 国家公務員法 関連府省等 全省庁、特に、文化庁、総務省、警察庁などの規制官庁 備考 71 資料1-2 35 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人15 模倣品・海賊版拡散防止条約 詳細は不明であるが、模倣品・海賊版拡散防止条約の検討が政府レ ベルで行われている。 模倣品・海賊版拡散防止条約について、検討中であり、詳細は不明で あるが、税関において個人のPCや携帯デバイスの内容をチェック可能 とすることや、インターネットで著作権検閲を行う機関を創設することと いった、個人の基本的な権利をないがしろにする条項が検討される恐 具体的な問題点 れがある。他の国が、このような危険な条項をこの条約に入れるよう求 めて来たときには、そのような非人道的な条項は除くべきであると、か えって、プライバシーや情報アクセスの権利といった国際的・一般的に 認められている個人の基本的な権利を守るという条項こそ条約に盛り 込むべきであると日本から各国に積極的に働きかけるべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 他の国が、税関において個人のPCや携帯デバイスの内容をチェック 可能とすることや、インターネットで著作権検閲を行う機関を創設するこ とといった、個人の基本的な権利をないがしろにするような危険な条項 改善提案 をこの条約に入れるよう求めて来たときには、そのような非人道的な条 (解決方法及び解決による効果) 項は除くべきであると、かえって、プライバシーや情報アクセスの権利と いった国際的・一般的に認められている個人の基本的な権利を守ると いう条項こそ条約に盛り込むべきであると日本から各国に積極的に働 きかける。 根拠法 関連府省等 なし 警察庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、農林水産 省、経済産業省 備考 72 資料1-2 36 提出者名等 規制、制度、慣行、又は 手続等の名称 規制、制度、慣行、又は 手続等の現状 個人15 DRM回避規制 現状、不正競争防止法と著作権法でDRM回避機器等の提供等が規制され、 著作権法でコピーコントロールを回避して行う私的複製まで違法とされている。 昨年7月にゲームメーカーがいわゆる「マジコン」の販売業者を不正競争防止 法に基づき提訴し、さらにこの2月にゲームメーカー勝訴の判決が出ていることな どを考えても、現時点で、現状の規制では不十分とするに足る根拠は全くない。 かえって、著作権法において、私的領域におけるコピーコントロール回避まで 違法とすることで、著作権法全体に関するモラルハザードとデジタル技術・情報の 公正な利活用を阻む有害無益な萎縮効果が生じているのではないかと考えられ る。 デジタル技術・情報の公正な利活用を阻むものであり、そもそも、私的なDRM 回避行為自体によって生じる被害は無く、個々の回避行為を一件ずつ捕捉して 具体的な問題点 民事訴訟の対象とすることは困難だったにもかかわらず、文化庁の片寄った見方 から一方的に導入されたものである、私的領域でのコピーコントロール回避規制 (著作権法第30条第1項第2号)は撤廃するべきである。コンテンツへのアクセス あるいはコピーをコントロールしている技術を私的な領域で回避しただけでは経 済的損失は発生し得ず、また、ネットにアップされることによって生じる被害は公 衆送信権によって既にカバーされているものであり、その被害とDRM回避やダウ ンロードとを混同することは絶対に許されない。それ以前に、私法である著作権 法が、私的領域に踏み込むということ自体異常なことと言わざるを得ない。 また、知財計画2009で今年度にDRM回避規制に関する検討を行うこととされ ているが、ユーザーの情報アクセスに対するリスクを不必要に高める危険なもの としかなり得ないこれ以上のDRM回避規制の強化は検討されるべきでない。 問題により不利益を被っ ている、困っている人又 全国民 は団体等 73 資料1-2 著作権法第30条第1項第2号を削除する。 改善提案 (解決方法及び解決によ る効果) 合わせて、DRM回避規制に関して、ユーザーの情報アクセスに対するリスクを 不必要に高める危険なものとしかなり得ないこれ以上の規制強化をしないと閣議 決定する。 著作権法第30条第1項第2号 根拠法 著作権法第120条の2 不正競争防止法第2条第1項第10号、第11号 関連府省等 文化庁、経済産業省 備考 74 資料1-2 37 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、ご意見の内容の一部を非公開とさせてい ただきます。 また、本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公 開とし、「【URL】」と記載させていただいております。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人15 【非公開】 単なる民間団体に過ぎないにもかかわらず、一般からの違法・有害情 報の通知を受けて、直接削除要請を行っている、【非公開】という名の 半官検閲センターが存在している。 同じく民間団体に過ぎないにもかかわらず、【非公開】という団体が、 犯罪に関する情報を匿名で受け付け、解決に結び付いた場合に情報 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 料を支払うということを行っており、この7月からネットでの受理まで開始 している(【URL】参照)。 また、【非公開】は、【非公開】等の根拠無く一般的かつ網羅的な表現・ 情報弾圧を唱える危険な児童ポルノ規制強化プロパガンダに募金を流 用し、さらに、この【非公開】でも、感情論のみで根拠無く児童ポルノの 単純所持規制の導入を訴えるなど、【非公開】の目的を大きく逸脱し、 明白に公益を害する行為を繰り返し行い、インターネットにおけるあらゆ る情報利用を危険極まりないものとしようとしている。 サイト事業者が自主的に行うならまだしも、何の権限も有しない【非公 開】などの民間団体からの強圧的な指摘により、書き込みなどの削除 が行われることなど本来あってはならないことである。このようなセンタ ーは単なる一民間団体で、しかもこの団体に直接害が及んでいる訳で 具体的な問題点 もないため、削除を要請できる訳がない。勝手に有害と思われる情報を 収集して、直接削除要請などを行う民間団体があるということ自体おか しいと考えるべきであり、このような有害無益な半官検閲センターは即 刻廃止が検討されて良い。このような無駄な半官検閲センターに国民 の血税を流すことは到底許されないのであって、その分できちんとした 取り締まりと削除要請ができる人員を、法律によって明確に制約を受け 75 資料1-2 る警察に確保するべきである。 【非公開】についても同断であり、直接害が及んでいる訳でもない単な る一民間団体が、直接一般からの通報を受け付け、刑事事件に関与し て、解決に結び付いた場合に情報料を支払うということ自体異常であ る。【非公開】にせよ、この【非公開】にせよ、警察の本来業務を外部委 託することがそもそもおかしいのであり、【非公開】に無駄に国民の血税 を流すべきでは無く、その分できちんとした情報受け付けと事件の解決 ができる人員を、法律によって明確に制約を受ける警察に確保するべ きである。また、このようなことに手を染めている【非公開】。 また、【非公開】は、【非公開】等の根拠無く一般的かつ網羅的な表現・ 情報弾圧を唱える危険な児童ポルノ規制強化プロパガンダに募金を流 用し、さらに、この【非公開】でも、感情論のみで根拠無く児童ポルノの 単純所持規制の導入を訴えているが、【非公開】(【URL】参照)におい て、根拠無く焚書と表現弾圧を叫ぶことは、【非公開】の趣旨には入って いないと考えられ、このようなことが事業としてあげられている訳も無く、 このような行為は【非公開】違反である。さらに、民主主義の基礎中の 基礎である表現の自由等の精神的自由の重要性を考えると、【非公開】 違反を超えて、このような行為は明白に公益を害するものである。【非 公開】に対して、所管の外務省から【非公開】を出すべきである。【非公 開。(URL を含む)】 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 【非公開】を廃止する。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 【非公開】における警察の委託事業を停止する。また、同時に、【非公 開】に対して、【非公開】 【非公開】に対して、所管の外務省から公益を害する活動を止めるよう 【非公開】を出す。【非公開】 根拠法 【非公開】 関連府省等 警察庁、外務省 備考 76 資料1-2 38 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人16 公的個人認証 多くのサービスで住基カードを使わなければならないことが大きな制 約になっている。 住基カードを使うためにはカードリーダーを購入し面倒な登録作業を 具体的な問題点 行うか、或いは、カードリーダーがあるところに行かなければならないこ とが行政サービスにおける IT 普及の大きな制約になっている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全ての国民、特にIT知識の乏しい過半の国民 住基カードはネット上なら他人にでも使えてしまう。本当に本人確認の 役に立っているのは住基カードではなく一緒に使っているID/パスワー 改善提案 ド。住基カードはなくても良いのではないか?パスワードだけで不安とい (解決方法及び解決による効果) うなら費用がかからず手間もかからない他の方法を考えるべきだ。例え ば大阪市立図書館でも使っている乱数表カードのようなものならカード リーダーは不要でどこでも使える。 根拠法 関連府省等 備考 77 資料1-2 39 提出者名等 個人17 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 育児休業の取得手続・育休給付金の給付申請手続 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 育児休業の取得開始時および取得中(2 か月ごと),書類を育休取得 者・事業主・公共職業安定所の間でやり取りしなければならない. また,保育所における保育の実施が行われないなどの理由により育 休を延長する場合も,同様の手続が必要となるほか,保育所入所不承 諾通知などの添付書類が必要となる. 「パパ・ママ育休プラス」の適用を受ける場合にはさらに手続が煩雑と なることが想定される. 具体的な問題点 個別の育休取得者ごとに育休関連スケジュールを管理し,2 か月ごと に事務処理をしなければならない上,申請後の処理状況が共有されな いため,処理結果について随時問い合わせを行う必要がある. よって育休取得者および事業主の負担が大きい. 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 育児休業等取得者 同取得者を雇用する事業主 育休取得者・事業主・職安がログインして使用するワークフローシステ ムをインターネット上に構築し,当該システムを育休プラットフォームとし て活用する. ワークフローシステムは,民間企業内において,意思決定や受注生産 品のオーダー管理に使用されている.添付書類は原本をスキャンしたも のをアップロードすることで代替する. これにより,事務処理負担が軽減される. 根拠法 育児休業法・雇用保険法 関連府省等 厚生労働省 備考 育児休業以外に,病気休暇,産前産後休暇,失業に伴う基本給付等に 関連する手続についても同様の改善が可能と考えます. 78 資料1-2 40 提出者名等 個人17 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 保育所の入所申請手続 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 保育所への入所申請には,所得状況・家庭の状況・児童の状況等を示す 書類を添付しなければならない. 所得税の確定申告を電子申告で行っていても,申告画面のプリントアウト を提出しなければならない. また両親の勤務証明書を紙で提出しなければならない. これらの書類は毎年 1 回および転居時に作成・提出しなければならない. 具体的な問題点 児童の保護者および各市町村の事務処理負担が大きい. 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 児童の保護者および各市町村 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 児童の保護者・事業主・各市町村がログインして使用する保育申請プラッ トフォームをインターネット上に構築する. 当該システムに入力した情報は年度をまたいで保存されるようにする.申 請の処理状況を随時確認可能とする.添付書類は原本をスキャンしたもの をアップロードすることで代替する.所得税の電子申告システムと接続し, 保護者の承諾があれば税務申告データを自動流通できるようにする.勤務 証明書の発行も電子的に行う. これにより,事務処理負担が軽減される. さらには別途提案の育休プラットフォームとの間で一体のものとしてシス テムを整備することで,さらなる事務処理負担の軽減およびシステム整備 費用の削減が可能となることが期待できる. 根拠法 児童福祉法 関連府省等 厚生労働省 備考 保育所以外に,介護施設等の入所手続についても同様の改善が可能 と考えます. 79 資料1-2 41 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人18 児童ポルノ規制法案、ネット規制法案 ネット規制法案、児童ポルノ規制法案は現在は成立に至っていない。 ネット規制法案、児童ポルノ規制法案は現状に見合ってない危険性の 高い法案だと思われる。 児童ポルノ規制法案にはアニメ、漫画やゲー ムなどの規制が盛り込まれているがこれは今後発展していくコンテンツ 産業やネット産業に致命的な打撃を与えることになるであろう。 そし て、これら実際に性犯罪被害者のいない創作物の規制は犯罪率の低 具体的な問題点 い性犯罪の規制としては過剰な上、児童に対する性暴力を防ぐという 目的にもかなっていないように思われる。 ネット規制法案は責任を持ち 自由な発言を許されるはずのインターネット上の発言などを規制してし まうのは思想統制とも取れる政策で抑圧された社会を招くであろう法案 であり、さらに現状にまったく見合っていない。 これから成長していく産 業を潰すことは日本にとって有益でない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) コンテンツ産業、ネット産業に関わるすべての人々 小学校教育から情報との関わり方を教育する。 児童ポルノ規制法案 は児童性虐待対策法などと名称を改めその本来の目的から外れない ような法案になるように審議する。 根拠法 表現の自由、思想の自由(日本国憲法) 関連府省等 国会 備考 特になし 80 資料1-2 42 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 個人19 タクシー輸送 行き先の申し出。 同じ乗り場(JR駅等)から自宅までの帰り道を指定するのに、毎回同じ 道順を唱えるのはトラブルの元。 消費者一般。とくに道幅の狭い、入り組んだ地点に住居を構える者。 行き先を事前に設定(プリセット)しておき、申し出の際にGPSケータイ・ SDメモリーカード・ICカードなどからタクシーの助手席に設置されたカー ナビゲーションに送信する。 根拠法 道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法 関連府省等 国土交通省 備考 利用を繰り返す度に段々と、運転手と利用者の両者がぞんざいになり がちで、便利なアプリができると喜ばしい。 81 資料1-2 43 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 個人19 街路灯番号 修繕を要する旨の申告時(不点灯・倒壊など) 夜間暗い中での番号の読み取り、書き取りは困難を極めます。 夜間の歩行者。 改善提案 設置場所・目標物などが携帯電話などを用いて検索できる装置を取り (解決方法及び解決による効果) 付けると便利で確実な申告が可能となる。 根拠法 路法施行令 関連府省等 総務省 備考 ケータイ画面に表示されれば119番、110番通報時にも有効。 82 資料1-2 44 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人19 祝日(法) 規制、制度、慣行、又は手続等の カレンダーを組み込んだケータイ(スマートフォン等)に、祝日を意味す 現状 る赤色日付を与えることができない。 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 カレンダーを組み込んだケータイに赤色日付を与えることができないた め、画面を一見して、平日/休日の区別ができない。 ビジネスマン。若者。その他。 休日(祝日)プログラム・共通もしくは汎用の年次毎の祝日データは、出 改善提案 勤しない日である市民も多く、平日とは生活リズムも異なるものである (解決方法及び解決による効果) ので、作成されれば、起床時間のアラームなど繰り返しの設定時に便 利である。 根拠法 国民の祝日に関する法律 関連府省等 内閣府 備考 当分の間、パソコン用ソフトは除外としても良い。 83 資料1-2 45 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人20 電車等での携帯電話利用の制限 電車等での携帯電話利用の制限 携帯電話がペースメーカー等に実害を与えるには、ペースメーカーが作 動する状況下で特定の周波数帯の携帯を胸に押しつけるぐらいの行為 具体的な問題点 が必要であり、多くのハードルを越えないと害がないことを一般の者に知 らされていない。そのため、過剰な反応をする者がおり、車中で口論にな ったり、暴力沙汰までに進展することが見受けられる。今後もユビキタス 環境の発展の妨げになることが考えられる。 問題により不利益を被っている、困 ユビキタス環境を広める者、ユビキタス環境を求める者、埋め込み型医 っている人又は団体等 療機器を使用する者 車内での通話の制限と医療機器への影響を分離して説明をするよう公 改善提案 共交通機関に指導する。携帯電話、通信機器を使ってはいけない場所、 (解決方法及び解決による効果) 状況を明確にした説明をし、デジタル通信機器の安全性を国民にアピー ル。携帯電話の安全性を再確認する。 根拠法 関連府省等 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2006/060530_1.html http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/pdf/080530_9_bt2.pdf 総務省、厚生労働省 過剰に反応する公共交通機関や利用者が未だにいる。安全なのか危 備考 険なのか、ペースメーカー利用者も不安に思っている。国民にわかるよう に正しい情報を広く伝えるべきだ。 84 資料1-2 46 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 半ライン申請に関する平成20年1月11日法務省民二第57号通達の、 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 第3(3)については、規則第63条第2項カッコ書きに、「申請人から登記識 別情報を知ることを特に許された者に限る。)とあることから、代理人の権限 を証する情報に「登記識別情報の復号に関する一切の権限」の委任条項が 必要であるとされた。 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 しかしながら、第3(2)については、登記識別情報の提供に関する規則 第66条には、通知の場合の第63条のような詳細な規定は無い。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 前記通達第3の(2)について、合理的な説明をする必要がある。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 85 資料1-2 47 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 平成20年1月11日法務省民二第57号通達第3の(2)で、(1)の方法に 規制、制度、慣行、又は手続等 より登記識別情報を提供するときは、代理人の権限を証する情報に「登記 の現状 識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項が必要であるとされ た。 この、「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項は、今 具体的な問題点 回の通達で突然出てきたものであるが、登記識別情報の提供に関する規 定である不動産登記規則第66条は変更されていない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 根拠となる規則第66条、又は、先の通達を変更する必要がある。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 86 資料1-2 48 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式に関するQ&Aより Q 資格者代理人が添付書面を普通郵便で送付した場合は? A 資格者代理人は、法令を遵守する義務があるので、、、、 法令を遵守する義務があるのは、資格者代理人だけでなく、登記所職員 も含めて国民全員である。 具体的な問題点 特例方式の場合は、PDFで送付した登記原因証明情報については、一 切の補正を認めず、法令により却下することになっているが、一部登記所で はPDFを再送する等の補正を認め、ボールペンによる補正を認めた登記 所もあるらしい。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 資格者代理人に法令遵守を言う前に、 法務省が法に基づいた取扱いをする必要がある 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 87 資料1-2 49 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式によるオンライン申請の場合、申請情報とともに提供するPDF を写しとして原本還付を認めないのは、「原本に相違ない旨」の文言を必要 とするため。と、説明されているらしい。 そうであれば、PDFに「原本に相違ない旨」を追記して電子署名すれば 認められるのか? 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 合理的な説明ができないのであれば、即時、PDFの添付を不要とすべき である 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 88 資料1-2 50 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式によるオンライン申請の場合、 なぜ、登記識別情報はオンラインで提供しなければならないのか? 登記申請は、申請情報と必要な添付情報を提供すればよいことになって いる。登記識別情報は登記名義人を特定するための添付情報である。オン 具体的な問題点 ライン申請の場合であっても、書面(登記識別情報通知)で交付するのも合 理的であると考えるなら、書面での提供を認めないとする合理的な理由は ない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登記識別情報制度を今後も採用するのであれば、特例方式によるオンラ イン申請の場合は、登記識別情報の書面での提供を認めるべきである 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 89 資料1-2 51 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式によるオンライン申請の場合、 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 PDF化して送信する登記原因証明情報は、「登記原因の内容を明らかにす る部分」(原則として登記事項すべて)が明らかにされている必要があるらし いが、法定相続の場合にPDFで提供する登記原因証明情報は、相続関係 説明図であると説明されている。 相続関係説明図は、戸籍等の原本還付を受ける際に作成する書面で、 具体的な問題点 作成者の記名(署名)・押印は必要ない。相続人の住所の記載も、不動産 の記載も必要ない。 それでも、登記事項すべてが明らかにされていることになるのか? 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 馬鹿な説明をするのではなく、何らかの情報を提供する必要があるので あれば、合理的な理由を示す必要がある。 果) 合理的な説明ができないのであれば、添付不要とすべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 90 資料1-2 52 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム オンライン申請した場合、登記識別情報は原則としてオンラインで交付さ れ、代理人がオンラインで交付を受ける場合は、復号に関する特別な授権 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 が必要とされている。 別途、書面での交付を希望する場合は、その旨を申請情報に記載して申 出ることになっている。 しかし、委任状に復号に関する特別な授権の記載がない場合は、書面で の交付の申出がなくても、書面で交付されるらしい。 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 申出がなくても書面で交付されるのであれば、申出させる必要もないの ではないか? 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 申請人に対し、不適切な説明をしないよう、 登記所職員に、法令・通達等を改めて指導する必要がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 91 資料1-2 53 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記所から、登記原因証明情報のPDFが添付されていないので取下げ るよう電話があった際、PDFは添付したので取り下げはしないと回答した。 登記所から、印刷はできなかったが画面で確認できたので処理しますと 電話あり。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登記所サイドの問題を理由に取下げの指導をすることは極めて不適切で (解決方法及び解決による効 ある。申請人に通知する前に、登記所サイドでできる範囲の確認作業をす 果) べきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 92 資料1-2 54 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 「申請書作成支援ソフト」は、「支援」とは名前だけで、実態は、「まったく 規制、制度、慣行、又は手続等 支援してくれない」ソフトである。 の現状 また、申請情報を作成するソフトと申請情報を送信するシステムが連動し ていない。 申請情報を保存するためのフォルダを申請人が作成しなければならな 具体的な問題点 い。1件の申請をするために、数個のフォルダを作成する必要があり、いく つかの登記をまとめて、一連の手続きとして申請する「連件申請」では、先 の数個のフォルダを申請件数分、申請人が作成する必要がある。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 申請書作成支援ソフトで申請人が作成した申請情報は、当然に、システ ムが認識し、自動的に読み込むシステムにすべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 93 資料1-2 55 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 申請情報とともに提供すべきPDFについては、一切の補正を認めないこ とになっており、現実に却下された事例もあるようである。 不備のあるPDFを添付してオンライン申請をした場合、添付情報を提供 具体的な問題点 しないまま、即日取下げている事例がある。 添付情報を提供する前に取下げる場合は、補正のためであっても、取下 げの権限を証するための委任状の提供が必要である。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 却下すべき申請を、何らの添付情報の提供も無いまま取下げを認める登 記所の取扱には問題がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 94 資料1-2 56 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 個人21 法務省オンライン登記申請システム 誤って送信した申請情報の取下げについて登記所に電話。 「取下げはオンラインでないとだめですか?」 「書面でいいですよ。」 オンライン申請の取下げは、オンラインに限定されているはずである。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 不適切な指導をしないよう、登記所職員を教育する必要がある。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 95 資料1-2 57 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記識別情報(12桁の記号)を誤って入力したものを提供して、取下げ るよう指導された。 再度、正しい登記識別情報を提供すれば良いのでは? 具体的な問題点 仮に、正しい登記識別情報を提供できない場合は、本人確認情報を提供 する。本人確認情報を提供できない場合は、事前通知になるのでは? 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) いずれにしても、取下げる必要は無いのでは? 不適切な指導をしないよう、登記所職員を教育する必要がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 96 資料1-2 58 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記識別情報の再発行を認めた、法律上の規定はない。 再発行した事例として、不適切な登記識別情報に関するものと、不適切 具体的な問題点 なパスワードに関するものがある。 どちらの場合も、法的な根拠も無く、職権で失効させて、職権で再発行し た。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 一方で厳格な取扱いをするフリをしながら、一方で何らの法的根拠も無く 再発行することは極めて不適切である。 不適切な取扱いしかできないのであれば、登記識別情報制度を廃止す べきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 97 資料1-2 59 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム オンライン申請システムには、「登記識別情報の複写」と言う機能があ る。 不動産ごと・名義人ごとに決めるはずの、登記名義人を特定するための 具体的な問題点 登記識別情報を、複数の不動産に複写して、交付したことにする理由は何 か? 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 不適切な取扱いしかできないのであれば、登記識別情報制度を廃止す べきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 98 資料1-2 60 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 個人21 法務省オンライン登記申請システム オンラインで取得した登記完了証の目的が違うので、紙に印刷したもの を提示して訂正を求めたら、登記官の職印で訂正した事例がある。 オンラインで取得した、電子公文書の原本はそのままで、紙に印刷したも のを訂正して、原本である電子公文書を訂正したことになるのか? 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 登記所職員に対して、オンライン申請に関する再教育が必要である。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 99 資料1-2 61 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 常にオンラインで提供することが可能な登記識別情報については、申請 情報とともにオンラインにより提供しなければならないこととされた。 登記識別情報の提供方法をオンラインに限定するのであれば、当然に、 具体的な問題点 交付の方法もオンラインに限定すべきであり、書面で交付するのが合理的 であるならば、書面での提供を認めない合理的な理由は無い。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 書面での交付を可能とするならば、書面での提供も認めるべきである。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 100 資料1-2 62 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記所における適正かつ効率的な事務の遂行という観点から、「法務局 使用欄」を付加した規則別記第13号様式を使用することとした。 一部登記所では13号様式が改正されたことを知らず、一部登記所では 具体的な問題点 オンライン申請専用の受領印照合票を作成して司法書士に利用するよう要 請している。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 登記所に対し、改正後の13号様式の利用方法を指導すべきである。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 101 資料1-2 63 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記識別情報を提供する場合、司法書士はシールを剥がして12桁の記 規制、制度、慣行、又は手続等 号を確認し、写しを封筒に入れて提供している。オンライン申請の場合に登 の現状 記識別情報提供様式を作成することは、書面申請の場合に登記識別情報 を封筒に入れるのと同じことである。 書面申請の場合に、登記識別情報を確認し写しを封筒に入れるために 具体的な問題点 特別な授権を必要としないのであるから、オンライン申請の場合も、登記識 別情報提供様式を作成するために特別な授権は必要ないと考える。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 暗号化に関する特別な授権を必要とする通達は、法的根拠の無い誤っ た推定に基づく不適切なものである。 果) 暗号化に関する特別な授権は不要とすべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 102 資料1-2 64 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 送付の方法による登記識別情報通知書の交付を求めるときは、送付を 求める旨及び送付先の別を申請情報の内容とするものとされた。 登記が完了した時点で、申請情報と13号様式(添付書面を含む)は申請 具体的な問題点 情報つづり込み帳につづり込まれ、登記識別情報通知(書)は13号様式の 写しと一緒に保管され、送付又は窓口で交付される。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登記識別情報通知(書)の交付方法に付いての申出は、申請情報に記載 するよりも、13号様式に記載するほうが合理的である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 103 資料1-2 65 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式による申請の取下げについては、オンライン申請の取下げの手 続と同様に取り扱うこととされた。 特例方式であっても、オンライン申請した場合の取下げは、オンラインに 具体的な問題点 限定されている。しかしながら、取下書(書面)を提出させて、取下を認めて いる事例もある。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 登記所の勝手な判断による便宜的な取り扱いは止めるべきである。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 104 資料1-2 66 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省、法務局及び資格者代理人等が連携・協力して、運用の過程で生 じた様々な問題点を着実に解消していくことによって、政府が目標とする利 便性やサービスの向上が実感できる電子行政が実現できる。 司法書士と登記所が連携・協力して問題を解決するためには、司法書士 と登記所が、オンライン申請について共通の認識をもっている必要がある。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 (解決方法及び解決による効 登記所で使用している手引書の公開を要望する。 果) 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 105 資料1-2 67 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式実施に伴う通達で、「登記識別情報の暗号化に関する一切の 規制、制度、慣行、又は手続等 権限」の委任条項が、代理権限証明情報として提供される必要があるとさ の現状 れた事情は、書面申請の場合は名義人本人が封筒に入れているであろう と、勝手に推定した結果のようである。 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 司法書士は、登記識別情報を確認する必要はないと言っているに等し く、実務をまったく理解していない、馬鹿げた、間違った推定である。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 実務をまったく理解せずに勝手に解釈するのではなく、 先に、登記識別情報制度を廃止すべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 106 資料1-2 68 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記所が保有している法人の代表者事項証明等の証明書を添付情報と 規制、制度、慣行、又は手続等 して提供する必要がある。 の現状 また、照会番号制度が利用できるのはオンライン申請の場合に限定され ている。 添付書類のうち行政機関が作成・発行するものについては、申請を受理 具体的な問題点 する行政機関が当該書類を作成・発行している行政機関から情報を取得す ることによって添付書類の省略を可能とするバックオフィス連携について検 討するものとする。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 特定の登記所で資格証明情報の添付省略を認めることを予定している (解決方法及び解決による効 が、オンライン申請利用促進のために、すべての登記所で、(登記所の作 果) 成・発行する)資格証明情報の添付省略を認めるべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 107 資料1-2 69 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規則第63条第2項は、代理人としてオンライン申請をする者が、申請人 規制、制度、慣行、又は手続等 から登記識別情報を知ることを特に許されている場合には、登記官は、登 の現状 記識別情報が第三者に知られないようにするための措置を講ずる必要は ないとされた。 交付した時点で、名義人以外の者が知っている可能性のある登記識別 情報は、本人だけが知っている情報ではなく、登記名義人を特定することが 具体的な問題点 できる情報ではない。 また、申請代理人が特別な授権を受けた場合であっても、そのことによっ て、登記官の登記識別情報の秘密保持義務がなくなるわけでは無い。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登記識別情報は、オンライン申請の阻害要因であり、登記名義人を特定 (解決方法及び解決による効 するための情報としての存続理由もなくなったのであるから、オンライン申 果) 請の利用促進のためにも、直ちに廃止すべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 108 資料1-2 70 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 平成20年6月25日午後2時ごろ、設立登記を申請しようとした代理人 は、オンライン申請システムにログインできなかった。 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 オンライン申請できないのであれば、書面申請にしようかと、管轄登記所 に問合せたところ、オンライン申請用の申請情報の画面プリントを登記所に FAXすれば、翌日(26日)に対応するという回答を得て、代理人としては、 当然に、25日付で処理してくれるものと思い、書面申請はしなかった。 26日、○○出張所に対応状況を確認するため電話したところ、管轄登記 具体的な問題点 所の回答は、「東京法務局経由で法務省に問合せた結果、25日付けで処 理することはできない。」 結局、本件については、26日付の登記申請となった。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) ○○出張所の申請人に対する対応は、結果として不適切なものであった ので、同様な問題が起きないように、登記所に対し適切な対処方法を指導 するとともに、申請人(代理人)に対しても、適切な対処方法について説明 する必要がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 109 資料1-2 71 提出者名等 個人21 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 法務省オンライン登記申請システム PDFに電子署名した本人確認情報をオンラインで提供したところ、「書面 の本人確認情報が提供されていない。」と言う理由で補正になった事例が ある。 作成名義人である資格者代理人が電子署名したPDFは原本であること 具体的な問題点 を説明しても、補正通知を出した登記官は理解できなかったらしい。 「照会番号」を申請情報に記載して申請したところ、「資格証明情報が提 供されていない。」と電話してきた登記所もある。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) このような対応は、オンライン申請を阻害するものであり、極めて不適切 である。登記所職員の再教育が必要である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 110 資料1-2 72 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記申請書作成支援ソフトウェア試行版(V4.0Z)の配布について 6月23日から配布を始めて、「新着情報」で公表したのは6月27日。即 日申込をして、配布できないとの返事が来たのが7月2日。 利用者に対しては、先のインストローラ入替えのときも、次回のソフトの入 具体的な問題点 替えも、夜間休日に作業するように通知しておいて、法務省は、夜間休日 はメールを受信しても読まないし、読んでもすぐには返信しない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 司法書士に対して「オンライン申請の利用促進に協力を」 何て言うのであれば、試行版(V4.0Z)の配布をすべきではないか? 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 111 資料1-2 73 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 個人21 法務省オンライン登記申請システム オンライン申請した際に、システムからお知らせメールが自動配信され る。 これらのメールは、申請人が電子納付等の一連の作業をしている間に配 信されているので、必要の無い、無駄なお知らせメールである。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 補正の場合も、お知らせメールが配信されるが、事件を特定するような事 改善提案 項は記載されていないので、オンライン申請システムにログインして、処理 (解決方法及び解決による効 状況画面を表示して、補正コメントを確認する必要がある。 果) せめて、登記の目的を記載するとか、ログイン画面へのリンクの設定ぐら いしても良いだろうに。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 112 資料1-2 74 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記識別情報をオンラインで提供するためには、申請書作成支援ソフト で登記識別情報を提供するためのファイルを作成する必要がある。 この登記識別情報提供用ファイルを作成するソフトは、申請情報を作成 具体的な問題点 するソフトとセットで提供されているが一体化されていないので、申請情報 を作成する際に入力した情報を、登記識別情報提供用のファイル作成に流 用できない問題がある。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 電子情報として利用するための登記識別情報が、電子情報として利用す 改善提案 ることが困難であるなら、登記識別情報制度そのものを見直す必要があ (解決方法及び解決による効 る。 果) 当面の現実的な対応として、特例方式を採用している間は、書面として 利用できる旧登記済証の復活を提案する。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 113 資料1-2 75 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A13 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 【誤】登記識別情報は、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定め られます。 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 【正】土地を分筆した場合、分筆前の登記識別情報が分筆後の土地に複写 (解決方法及び解決による効 されるので、多数の不動産について、同じ登記識別情報が発行されている 果) ことになる。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 114 資料1-2 76 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A14 【誤】登記所から登記識別情報を通知する場合には、秘密を保持するため、 次の方法により通知されます。書面申請の場合は、通知書の登記識別情 具体的な問題点 報を記載した部分を覆う目隠しシール(はり直すことができないもの)をはり 付け、本人以外の者がシールをめくって登記識別情報を盗み見た場合に は、その痕跡が明らかになるような工夫をして、登記所の窓口において、本 人を確認した上で交付する方法で通知することになります。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 【正】本人以外の者がシールをめくって登記識別情報を盗み見ても、その痕 (解決方法及び解決による効 跡が残らないように貼りなおすことが可能であり、秘密保持の方法としては 果) 極めて不適切なものである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 115 資料1-2 77 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A16 【誤】オンライン申請では、登記識別情報だけでなく、電子署名及び電子証 具体的な問題点 明書を併せて提供することとし、二重の本人確認手段を採っています。書面 申請においても、登記識別情報だけでなく、印鑑及び印鑑証明書を提出す ることになります。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 【正】担保権の抹消登記を申請する場合、オンライン申請の場合は電子署 (解決方法及び解決による効 名することになっているが、書面申請の場合は12桁の符号をメモ書きした 果) ものだけを提出すればよく、印鑑証明書を提出する必要は無い。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 116 資料1-2 78 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A16 具体的な問題点 【誤】登記識別情報は,それ自体を偽造することは,事実上不可能であり, 登記済証の制度よりも,安全性が高まると考えています(Q15参照)。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 【正】偽造することはできなくても、書き写すことは可能であり、メモ書きした (解決方法及び解決による効 ものであっても本物として利用することができるので、安全性については不 果) 安がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 117 資料1-2 79 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A17 具体的な問題点 【誤】登記識別情報は、登記完了時に通知するものとされているため、その 再通知は、認められません(Q22参照)。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 【正】制度上再通知は認められていないが、法務省は、現在までに2度再通 知をしている。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 118 資料1-2 80 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A18 具体的な問題点 【誤】登記識別情報は,本人だけが知っている情報であることが前提となる ものです。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 改善提案 【正】登記所に提出する際には目隠しシールを剥す必要があり、目隠しシー (解決方法及び解決による効 ルを剥した時点で、「本人以外の者が知ることができる情報」になるので、 果) 「本人だけが知っている情報」であるとの前提は成立しない。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 119 資料1-2 81 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 「新不動産登記法Q&A」より引用 の現状 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html A19 【誤】登記識別情報は、権利の一部の移転や担保物権の設定の登記等に 具体的な問題点 おいて、繰り返し本人確認手段として利用することが予定されています。そ のため、登記所に提供する際にも、秘密性を保持する必要があります。そこ で、オンライン申請の場合には、登記識別情報を登記所の公開鍵を用いて 暗号化して送信することになります。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 【正】本人だけが知っている情報であることが前提となるものであるならば、 繰り返し本人確認手段として利用することは極めて不適切である。また、申 請者とオンライン申請システムとの間の通信は暗号化されているのである から、登記識別情報だけを個別に暗号化する必然性は無い。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 120 資料1-2 82 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 促進策の実施により、資格者代理人が代理人となって登記識別情報に 規制、制度、慣行、又は手続等 関する証明を請求する場合には、法人が請求人であるときの代表者の資 の現状 格を証する情報(令7条1項1号)、代理人の代理権限を証する情報(令7条 1項2号)の提供が不要とされた(規則68条7項)。 実務において重要なのは、請求した時点で有効であるかどうかの証明で はなく、確実に登記することができるかどうかである。有効であるとの証明 具体的な問題点 書の交付を受けても、失効制度があるために、確実に登記できることを保 証することができない制度上の欠陥がある。 1件に付き20分程度の時間がかかることも問題である。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登記識別情報制度を廃止しないのであれば、少なくとも、取引現場で瞬 (解決方法及び解決による効 時に有効性の確認ができ、確実に登記できることを保証することができる制 果) 度にする必要がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 121 資料1-2 83 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登記識別情報を提供しなければならない登記について、資格者代理人 の本人確認情報を提供して完了した登記の割合は、わずか1.12%にすぎ ない。 登記官は、有効な12桁の記号の提供を受ければ、面談することもなく、 申請人が登記名義人であると特定できることになっているが、司法書士の 場合は、本人確認情報を提供できるのは申請代理人に限定されており、面 具体的な問題点 識がある場合でも確認のための面談が要求されるなど、提供するための要 件が必要以上に厳格である。 また、必要な情報を提供した場合であっても、登記官が相当と認めなかっ たときは事前通知され、一部登記所では、本来提供する必要のない「確認 資料」の写しを要求している例もあり、登記所の対応にも問題がある。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 司法書士は、必要な場合は本人確認情報を提供しており、必要でない場 (解決方法及び解決による効 合も本人確認情報の提供を要求するのであれば、面談の要件を緩和する 果) など、利用しやすい制度にする必要がある。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 122 資料1-2 84 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式が実施された後もオンライン申請が利用されない主な理由の一 つは、登記識別情報の提供方法が煩わしいことである。 書面の申請書に添付した登記識別情報は、申請情報とばらばらになる可 能性があり、申請人の氏名等を記載することも必要であろうが、オンライン 申請の場合は申請情報に添付して(申請情報と一体で)提供するのである 具体的な問題点 から、申請人の氏名等を入力する必然性はない。申請情報に12桁の記号 が入力されていれば充分である。 また、登記識別情報が登記名義人を特定するためのものであれば、物件 全部についての登記識別情報を提供させる必要はなく、いずれか1個の情 報を提供すれば充分である。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登記識別情報を廃止しないのであれば、一部入力項目の省略を認める などの便宜的な対応も必要である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 123 資料1-2 85 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 9月26日、不動産登記の完全オンライン申請をして、10月15日完了し 規制、制度、慣行、又は手続等 た。 の現状 完了までに2週間以上かかった理由を登記所に聞いたところ、「添付書類が 届くのを待っておりました。」 不動産登記のオンライン申請は、すべての添付情報を電子情報として提 具体的な問題点 供することになっている。電子化されていない添付情報を書面のまま提供 できるのは「特例」で認められていることを忘れてしまっているようだ。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 特例方式が始まった際の通達では、添付書類を別送する場合は、申請 改善提案 情報の添付情報の欄に、「特例」とか「別送」とか記載するようになっている (解決方法及び解決による効 が、そんな記載をしても登記所では確認していないようだ。 果) また、添付情報は2日以内に提供することになっているが、実際は2週間 以上遅れても却下されないようだ。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 124 資料1-2 86 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省は、登記識別情報の提供及び交付方法はオンラインに限定してい た。特例方式の実施に伴い、希望すれば、書面での交付も認めることとした が、提供方法はオンラインに限定したままである。 特例方式実施後も、登記識別情報を提供する場合は、出来損ないの申 請書作成支援ソフトを利用して、オンラインで提供するための「登記識別情 具体的な問題点 報提供様式」を作成し、申請情報とともに提供しなければならず、この作業 は非常に煩雑であり、オンライン申請が利用されない要因の一つになって いる。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 更なる利用促進策として、登記識別情報通知(書)の写しを、PDF又は書 面で提供することを認めるよう提案する。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 125 資料1-2 87 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 本人確認情報を作成する際に申請人から提示を受ける資料は限定的に 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 規定されており、写真付の証明書を所持していない申請人に対しては、事 前に住民基本台帳カードの交付を受けるよう依頼し、申請人から住民基本 台帳カードの提示を受けて本人確認情報を作成し、提供している事例も多 い。 資格者代理人が申請人から公的個人認証カードの提示を受けて本人確 具体的な問題点 認情報を作成し、登記識別情報の提供に代えて提供することが可能である なら、申請人自身が委任状等に住民基本台帳カードを利用して電子署名し た情報を提供し、登記識別情報の提供に代えることも不合理ではない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 電子署名の普及のためにも申請人を特定するための情報として電子署 名を利用することを考慮すべきであり、特例方式の更なる利用促進のため に、申請人が電子署名した場合は登記識別情報の提供を不要とする取扱 いを提案する。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 126 資料1-2 88 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 照会番号とは、「行政機関等に対してされる申請等に関する法令の規定 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 において申請等の書面に添付し、又は申請等の際に提出すべきこととされ ている書面が登記事項証明書である場合において、行政機関等の定める ところに従い、行政機関等が本制度によって送信される登記情報をもってこ れに代える(ことができる)としているときに、 行政機関等は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法 律第2条第2号に定める機関であって、法務局は、内閣府設置法第 43 条及 具体的な問題点 び第 57 条、国家行政組織法第 9 条に規定されている国の行政機関(法務 省)の所掌事務を分掌する地方出先機関で、法務省設置法(平成 11 年法 律第 93 号)第 18 条に基づき設置されている機関であり、行政機関等には 含まれない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 要は、確認番号を書面の登記申請で利用できないのは、法務局は法務 省の出先機関であって、行政機関等ではないからってこと? これって変でしょう? 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 127 資料1-2 89 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 外字の問題 申請人が作成し申請情報として登記所に送信した外字ファイルはそのま 具体的な問題点 ま登記情報として利用することができず、登記所で独自のものに置き換え て登記情報として手入力している。この外字を一定の範囲で特定すれば、 省力化とオンライン申請の利用促進に効果がある。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 「戸籍統一文字」を、登記で使用できる文字として指定することを提案する。 又は、登記所で使用している外字のコードを公開すべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 128 資料1-2 90 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 申請書作成支援ソフトで申請情報を作成し、オンライン申請システムで送 規制、制度、慣行、又は手続等 信した申請情報は、電子データーとしてそのまま登記情報として利用(入 の現状 力)されず、登記所では、電子データーである申請情報を直接入力すること はせず、すべて手作業によって入力しているそうである。 申請情報作成用ソフト(通称Aソフト)と登記識別情報関係のソフト(通称 Bソフト)の一体化もされないままである。平成21年3月9日からのバージョ 具体的な問題点 ンアップでは、Bソフトの登記識別情報(記号)の入力画面は改良されたが、 申請人の住所氏名・物件情報等を個別に入力しなければならない点は、改 良されていないようである。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 法務省が本気でオンライン申請の利用促進を考えているのであれば、主 (解決方法及び解決による効 な利用者である司法書士の意見を真剣に聞き、適切な改良をすべきであ 果) る。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 129 資料1-2 91 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) シールを剥すことができず、見ることができない情報であっても、登記所 にとっては、本人(登記名義人)を特定することができる情報なのか? 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 目隠しシールを剥すことができなければ、提供することもできないでしょ う。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 130 資料1-2 92 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 特例方式の実施により、登記官の秘密保持義務が一部免除され、登記 規制、制度、慣行、又は手続等 識別情報は本人以外の者が知ることができる情報になったのであるから、 の現状 登記官が申請人と登記名義人が同一人であることを確認できる情報では 無くなった。 不動産登記制度上、申請人と登記名義人の同一性は、住所と氏名が一 致することであり、完全オンライン申請をするためには申請人の電子署名 具体的な問題点 が必要なのであるから、電子署名を検証することによって、申請人と登記名 義人の同一性は確認できる。 よって、完全オンライン申請のために登記識別情報を存続させる必要は ない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 典型的な例として、戸籍を全て電子化することはできないのであるから、 (解決方法及び解決による効 完全オンライン申請のためには、添付書面を個別に電子情報に置き換える 果) のではなく、オンライン申請のための申請方式を考えるべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 131 資料1-2 93 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 具体的な問題点 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を送信すること ができない場合に、当日中の受付番号を確保するための通達と依命通知 登記の申請は、オンライン申請と書面申請に限定されており、メールで申 請情報を送信することは認められていない。(不動産登記法第18条) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) システム障害に対応するためには、予備の受付システムを準備すべきで (解決方法及び解決による効 あり、実質書面申請の特例方式によるオンライン申請のために、違法な取 果) 扱いをすることは極めて不適切である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 132 資料1-2 94 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を送信すること ができない場合に、当日中の受付番号を確保するための通達と依命通知 メールで送信した情報は、法務局・地方法務局から管轄登記所に転送さ 具体的な問題点 れ、管轄登記所では、当日の最終の受付番号の枝番を使って、当日受付 番号を確保することになっているが、管轄外の登記所へ申請することは却 下事由である。(不動産登記法第25条) 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) システム障害に対応するためには、予備の受付システムを準備すべきで (解決方法及び解決による効 あり、実質書面申請の特例方式によるオンライン申請のために、違法な取 果) 扱いをすることは極めて不適切である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 133 資料1-2 95 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を送信すること ができない場合に、当日中の受付番号を確保するための通達と依命通知 登記官は、申請情報が提供されたときに受付番号を記録することになっ 具体的な問題点 ており、申請情報が提供されない段階で受付番号を記録することは明らか に違法である。(不動産登記規則第53条) 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) システム障害に対応するためには、予備の受付システムを準備すべきで (解決方法及び解決による効 あり、実質書面申請の特例方式によるオンライン申請のために、違法な取 果) 扱いをすることは極めて不適切である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 134 資料1-2 96 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を送信すること ができない場合に、当日中の受付番号を確保するための通達と依命通知 緊急事態であっても実質書面申請である特例方式によるオンライン申請 具体的な問題点 についてだけ受付時間を2時間延長することは、権利の保全と取引の安全 を脅かすことになり、本件通達は不動産登記法第1条に違反するものであ る。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) システム障害に対応するためには、予備の受付システムを準備すべきで (解決方法及び解決による効 あり、実質書面申請の特例方式によるオンライン申請のために、違法な取 果) 扱いをすることは極めて不適切である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 135 資料1-2 97 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 平成21年3月23日午前9時頃から午後2時30分頃まで、和歌 山地方法務局橋本支局で、不動産登記システムの障害が発生した。 法務省は、平成21年3月17日オンライン申請システムに障害が 発生し、申請情報を送信できない場合の救済策を発表したが、 「システ ムが申請情報を受信後、管轄登記所に転送できない障害が発生した場 合は、復旧後受付処理をすることが可能であるから、救済策は講じな 具体的な問題点 い。 」としている。 しかしながら、オンライン申請システムに送信した申請情報が管轄 登記所に転送されないということは、登記所窓口に提出した申請が放 置され後から提出された申請が先に処理されるのと同じことであり、 登記制度上極めて重大な問題である。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) システム障害の全てに対し適切な対応をすることができないのであ れば、オンライン申請を中断すべきである。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 136 資料1-2 98 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省は日本司法書士会連合会に対し、「オンライン申請システムに障 害が発生した場合は、新着情報で公表すると共にログイン画面にもその旨 表示する。」と通知している。 法務省作成の「法務省オンライン申請システム 申請者操作ガイド」のロ 具体的な問題点 グイン画面には「お知らせ」について記載されていないので、次回手引書作 成時に訂正を求めたところ、 「修正の必要はないと考えております。」と、回答があった。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 法務省の担当者がこのような認識であるなら、システムに障害が発生し、 改善提案 受付時間の延長とかメールの仮受付を実施した場合、利用者に対して、確 (解決方法及び解決による効 実に通知することなどできないであろう。 果) 先の通知の意味も理解せず、危機感の欠片も無い、とぼけた回答であ る。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 137 資料1-2 99 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 5月25日の2回目の障害について、サポートデスクに問い合わせたとこ 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 ろ、次の回答があった。 「この不具合は,法務省オンライン申請システムに関連する通信機器に 生じた不具合の影響により発生したものでした。」(法務省オンライン申請シ ステム操作サポートデスク) 通信機器に障害が発生して申請情報を送信できなかったことは、調査す るまでも無く判っているので、法務省は、何が原因で障害が発生したのか知 具体的な問題点 らせる必要がある。 申請情報が午後5時15分以降に登記所に到達したときは、翌業務日の 受付として処理されることになっているので、今回のように、法的根拠も無 い内部の 事務連絡だけで当日受付けの処理をすることは違法である。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 一方では登記原因証明情報の PDF に付いて補正を一切認めずに、通信 (解決方法及び解決による効 障害が発生したときは、法律も通達も関係なしに、事務連絡だけで違法な 果) 処理をすることは極めて不合理である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 138 資料1-2 100 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 個人21 法務省オンライン登記申請システム 登録免許税の還付金を登記の申請代理人が受領する場合の取扱いに ついて(依命通知) 法務省は、「特例方式により、登録免許税を電子納付した登記の申請を 取り下げたものについて、書面申請の場合の再使用証明と同様に、再度登 具体的な問題点 記の申請をする際の便宜のために認められるもの。」として、依命通知を出 したが、この取扱いでは代理人の口座に還付されるのに相当な日数がか かる。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 直ちに再申請する必要がある場合は、電子納付は利用できないことにな り、特例方式の場合であっても印紙納付したほうがよいことになる。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 139 資料1-2 101 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省民事局長は国税庁長官に対し、登録免許税の還付金を代理受領 規制、制度、慣行、又は手続等 する場合の取扱いについて照会し、平成21年4月14日回答を得て、 の現状 「登録免許税の還付金を登記の申請代理人が受領する場合の取扱いに ついて(依命通知) 」を発した。 今回法務省が通知を出すことになった現場の事情は、登録免許税を 印紙納付した場合は、申請を取下げたとき未使用証明(再使用証明) 具体的な問題点 を受け直ちに再申請するときに利用できるが、電子納付した場合は、 そのような取扱いがされないので、同様の効果を求めたのであって、 後日、代理人が還付を受ける仕組みの確認を求めたのではない。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 登録免許税を電子納付して取下げた場合、先の取扱いがされるので (解決方法及び解決による効 あれば、特例方式で申請した場合であっても、電子納付しないで印紙 果) 納付したほうが無難である。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 140 資料1-2 102 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人21 法務省オンライン登記申請システム 法務省は、システム障害時に「受付時間延長」と「メール仮受付」の対応 規制、制度、慣行、又は手続等 策(特別措置)を実施することにしている。しかしながら、この対応策は現実 の現状 に障害が発生したときに機能しないものであることは、5月25日、明白にな った。 午前8時30分の業務開始時から障害が発生している場合、申請人は何 時回復するかも分からないままパソコンの前で待機し、午後4時になって「メ 具体的な問題点 ール仮受付措置」が実施されたらメールで送信すると、法務省は考えてい るのであろうか? メールで送信した後も障害が復旧するかも知れないので、パソコンの前 で待機していると考えているのであろうか 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 登記申請人(登記申請代理人・司法書士) 違法を承知で緊急時の対応策を実施するのであれば、障害発生時に直 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) ちに「メール仮受措置」を実施し、仮に復旧した場合は受付時間を延長し、 オンラインでの再申請を促すべきである。 そうすれば、とりあえずメールで受付番号を確保した申請人の多くが、夕 方システムが復旧していることを確認して、登録免許税の軽減を受けるた めにオンラインで再申請することを期待できる。 根拠法 不動産登記法 関連府省等 法務省 備考 141 資料1-2 103 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 BeB協議会(アットマークベンチャー内) 旅行行法での旅行代理店規制 グローバルではネットからのホテル、エアー、などの予約サイトが 規制、制度、慣行、又は手続等の 共通基盤になっているが、MICE(コンベンション)推進施策推進に対し 現状 て企業や団体が主催する海外、国内旅行の募集、運営に旅行代理店 免許を要する現状。 アジア圏でLCC(ローコストキャリア)航空はWEB代理店のみの航空 具体的な問題点 会社が台頭し、またホテルポータルも同様で、個人旅行は問題ないが 団体旅行には既存旅行代理店募集しか不可能。 MICEビジネスは新興国(ソウル、上海、マカオ、クアルンプル)が急成 長しており、理由は日本の団体旅行規制にある。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 既存代理店コスト(2,30%noマージン)やLCC非取り扱い代理店が大 多数の現状MICE主催企業が不利益を被る。 またLCCも航空券とホテルパッケージは旅行代理店のみの許諾で、国 際競争力に 改善提案 MICE特区対象(沖縄、北海道、)の設置や海外MICEに関しては自由 (解決方法及び解決による効果) 化(代理店免許制から届出制) 根拠法 IATA 関連府省等 国土交通省 備考 142 資料1-2 104 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人22 代理人がオンラインで納付した登録免許税の還付 代理人によりオンライン申請を行い、代理人がオンラインで登録免許税 を納付した場合、申請を取り下げると、登録免許税は、代理人ではなく 本人に還付される。 例えば、不動産登記、商業登記について代理人(弁護士、司法書士等) が委任を受けると、これに伴う登録免許税の納付も代理人が申請と同 時に行うことになる(不動産登記法25条12号、商業登記法24条16号 等)。 紙ベースの登記申請においては、印紙や納付書を申請書に貼付 し、代理人が申請の取下をすると、印紙等は再使用証明がなされて申 請書と一緒に代理人に還付される(登録免許税法31条3項)。 しかし、 オンライン申請の場合で、登録免許税が代理人により納付された場合 であっても、代理人が申請を取り下げても、登録免許税は、申請人本人 に還付される(同条1項2号)。 通常、司法書士等の代理人は、登録免 具体的な問題点 許税相当額を本人から預かるなどして、登録免許税を納付している。申 請の取下げは、申請書の内容に錯誤や誤謬があった場合に多く用いら れるが、一旦本人に登録免許税が還付されてしまうと、再申請時に代 理人が預かり金なしに登録免許税を納付する危険を負うことになり、あ るいは、還付された資金が再度代理人に預けられるまでの期間は再度 の登記ができないことになる。これらのことは、税額が高額になるとき は、きわめて大きな問題となる。 このことから、比較的複雑な登記で後 日取下げの可能性がある申請では、登録免許税の還付で問題が生じ るため、オンライン納付が避けられる傾向にある。登記以外の、登録免 許税の納付が必要な手続についても同様である。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 司法書士、弁護士、弁理士、行政書士、税理士 (1)登録免許税法31条に代理人ないしオンラインによる納付について 改善提案 の規定を整備する。 (2)オンライン納付あるいはオンライン申請の時 (解決方法及び解決による効果) に、登録免許税の還付先を代理人とすることについて指定できるよう、 システムを整備する。 根拠法 登録免許税法31条1項、3項 関連府省等 国税庁、法務省 現行の登録免許税法についても、再使用証明をした印紙の還付先が 備考 代理人となることについて、明確な根拠規定がないため、法文の整理 が必要かと考えます。 143 資料1-2 105 提出者名等 個人23 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 e-Gov のページでは、利用者個々の問題を解決するという設計になっ ていない。 電子政府の Web ページは、制度の説明をわかりにくく示している。利 用者は、Web ページにアクセスすることで、目前の問題を解決したいと 具体的な問題点 願っているが、どのメニューに進めば問題を解決してもらえるのかわか らない。また、リンクをクリックしても、制度の説明ばかりで、サービスを 受けることができない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 一般国民 利用者の視点で、電子政府のポータル、サービスの構造自体を全面 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 的に見直し、府省ごとの縦割りとしないことが必要である。 府省担当者の都合で作られているのであって、利用者中心の考え方 が感じられない。 根拠法 関連府省等 全府省 備考 144 資料1-2 106 提出者名等 個人23 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 電子政府推進に関する意見聴取先が、一般国民ではなく、ITベンダ ー、士業者などに偏っている。 このような業者は、自分たちの収益を維持・向上させる意見を示す傾 向にあり、それを政策に反映させれば、一般国民等利用者ではなく、業 者を利することにより国民の負担が増加するおそれがある。 具体的な問題点 例えば、「電子申請は士業者を通じて行うことで、利用率を向上させ る。」、「士業者にとって使いやすいものの、直接国民がサービスを受け るのに便利ではないシステム。」、「個々の利用者が直接に電子政府の サービスを受けるのに障害となる仕組み。」などである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 一般国民 通常の国民(素人)が、「便利」と感じるシステムを構築する。そのため には、システムを提供する官側の担当者(少なくとも同一官庁の管理職 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 以上)は、そのシステムを利用しなければならないというルール(法律) を作ることにより、真に利用者の立場を理解することができるようにな る。 現状では、システムを提供する立場の政府の担当者(少なくとも管理 職以上)は、自分自身を利用者のひとりとは認識していない。 根拠法 関連府省等 全府省 備考 145 資料1-2 107 提出者名等 個人23 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) このようなパブコメに住所、電話番号、ファクス番号などを記入させ る。 直接業務に必要のない情報を収集する意味が示されていない。 一般国民 双方向に連絡がとれればいいので、最低限、業務に必要な情報はど れであるかを明示すべき。 根拠法 関連府省等 首相官邸 備考 146 資料1-2 108 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人24 不明 不明 (1)出会いサイト規制について 一方的サイト削除や恣意的な逮捕者 が頻発する現在の法制定は馬鹿馬鹿しいの一言。駅前の待ち合わせ 場所やナンパ場所を突然封鎖するのと変わらない。 恋愛とも買春と も全く無関係なのに該当の書込みがなされる可能性もあるBBSを、安 心して持つこともでいないような法律は改正が必要。 (2)青少年ネット 規制法・携帯フィルタリング義務化 メディアリテラシー教育の観点か らも、絶対に反対。価値観の押し付けや偏見の温床にもなりかねない。 たとえばゲイ悩み相談のサイトがはじかれたりするのがいい例で、また 内政干渉で欧米の価値観が入れば原爆や捕鯨賛成のサイトがブラック リストに乗りかねない。中国の行っているフィルタリングのおぞましい実 具体的な問題点 情を鑑みれば尚更。 ブラックリスト認定機関なんてもっての他。1件 の審査料ごとに天下り職員が潤うような機関の設立は絶対に許されな い。【非公開】は今すぐ解体すべきである。 (3)児童ポルノ規制・サイト ブロッキング 実在する児童(未成年)の性表現の規制にも問題があ る。性虐待行為を防止するべきであって性表現を禁止すべきではない。 ここをあやふやにすると、ティーンの水着グラビアや家族のアルバムの 所持すら危険が伴う。 また、リンクを貼った、貼られていた、画像のメ ール添付などで罪を問うことは断固反対。インターネットでは所持も閲 覧も送受信もすべてユーザーの意識しないうちに行われるもの。冤罪 の温床に他ならない。 また、漫画キャラ・アニメキャラのような、戸籍 も年齢も実質性皆無のものを児童ポルノ範疇に加えることは、あきれる ほど問題外。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 全国民 上記のとおり 根拠法 不明 関連府省等 不明 備考 国民の意見を聞くにしては、このパブコメは敷居が高すぎないか? 147 資料1-2 109 提出者名等 個人23 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 電話での問い合わせには直ちに回答を得ることができるが、e-Gov サ イトを通じた質問は無視される。 1年以上前に、e-Gov サイトから質問をしたが、自動応答システムか ら、「ご意見等を拝見しました。 いただきました件は、関係する省庁へ 具体的な問題点 送付させていただきます。 首相官邸ホームページ「ご意見募集」コ ーナー担当」というメールを受け取っただけで、全く反応がない。 なお、この質問した数ヶ月後に、この質問がどの部門で処理中なのか についても質問したが、同様に無視し続けられている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 一般国民、あるいは、わたしだけかもしれない。 返事をするくらいは人(社会人)としての常識であり、「改善」を議論す るまでもない。 根拠法 関連府省等 首相官邸 備考 148 資料1-2 110 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人25 道路台帳等の管理方法 現在、都道府県・市区町村は、道路法に従い道路台帳を整備している 規制、制度、慣行、又は手続等の が、近年の測量技術の発展により測量結果の座標は電子化されている 現状 にもかかわらず、道路台帳管理規程、測量作業規程・要領、測量委託 標準仕様書等が昔の手書き図面の管理手法のものがある。 測量会社等が道路台帳の整備や更新作業を受託した際に、手書きの 管理手法のままであると、測量した結果の CAD データを紙に出力し、発 注者から預かった紙の図面にトレースする業務が行われている。また、 その後の建設工事の基礎資料として設計時に使用する際も紙のデータ (又はラスターデータ)であるため、設計時には再度 CAD データにする ためにトレースをしなければならないなどの無駄を生んでいる。 (手書き図面の管理規程の例) 具体的な問題点 (加除修正) 第 3 条 道路の形状変更があったときは、次の各号に掲げることにより 道路台帳の加除修正を行なわなければならない。 (1) 提出されたしゅん工図をもとにして、第 2 原図(マイラー)の写しに鉛 筆をもって転写すること。 (2) 前号の転写をしたときは、理地を踏査し、しゅん工図と相違のない ことを確認した後、第 2 原図に墨入れを行なうこと。 (3) 前号の第 2 原図への墨入れが終ったものについては、定期的に第 1 原図の加除修正を行なうこと。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 測量会社、建設コンサルタント、建設業界 自治体で定めている標準仕様書、規程、要領等において一例のような 記載(墨入れ、清絵、写真植字等)のあるものがないか再点検していた 改善提案 だきたい。今後整備や維持管理される管理台帳や設計図面が測量座 (解決方法及び解決による効果) 標を持った電子データとしてきちんと管理されることにより GIS への移行 や設計品質の向上、設計~施工~管理までの本来の CALS の実現が 可能になると考える。 根拠法 道路法(昭和 27 年法律第 180 号)第 28 条 関連府省等 国土交通省、国土地理院、地方自治体 備考 149 資料1-2 111 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人26 個人情報の範囲 現在、個人情報保護法において個人情報取扱事業者は、自らが保有 する個人情報に関し、その利用目的の明確化や第三者機関に対して情 規制、制度、慣行、又は手続等の 報を提供に関して、厳しく制限されている。ただし、付随する情報として 現状 その事業者が収集している情報(例:購入履歴、購入場所、購入日時 等)は「個人情報ではない」という事業者の判断の基、「利用目的」に記 載されることなく収集されている。 インターネット等で購入した購入履歴等は、消費者から見た場合、保護 される情報として認識している消費者が多い。しかし、実際にはこれら は「個人情報」ではないため、個人情報保護法の範囲内で個人情報を 具体的な問題点 第三者に提供する際に、「個人情報」に加え、これらの情報を合わせて 提供しても法に抵触することはない。しかし、消費者から見れば、知ら ぬ間にプライバシーに関する情報を無許可でやり取りされていることに なる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 個人情報取扱事業者に個人情報を保有されている個人 案 1)個人情報に付随する情報は個人情報とし、個人情報保護法内で 保護される情報とすべきである(利用目的に明記し保護する) 改善提案 案 2)個人情報に付随する情報を第三者機関に提供する場合におい (解決方法及び解決による効果) ては、付随情報を個人情報として取り扱うことを法則化する。(利用目 的に記載されていない情報で、かつ個人情報でない情報でも第三者 機関に提供する場合は「個人情報」として保護される情報とする) 根拠法 個人情報の保護に関する法律(15 条~18 条、及び 23 条) 関連府省等 不明 (内閣府・総務省に関連性が高い) 【非公開】から警察・検察当局の照会に基づき、【非公開】で収集して 備考 いる個人情報とそれに付随する情報(購入場所・日時)が合わせて提供 されたという背景から、非常に問題であると判断したため、このコメント を提出いたしました。 150 資料1-2 112 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人26 青少年保護を目的としたネット規制 青少年保護を目的とし、インターネットサービスで様々なフィルタリング 規制、制度、慣行、又は手続等の サービスやゾーニングなどの措置がとられているが、現状どの程度の 現状 効果が上がっているかは不明、かつ行過ぎた規制の為に一般の健全 なサービス運営にまで影響を及ぼしている。 インターネットはひとつのサイトを規制しても、次々に新たなサイトが作 成される。そのため、フィルタリングを行っても結局はいたちごっことなっ てしまう。また、昨今、出会い系サイトを規制し、出会い系サイトでの児 具体的な問題点 童買春などは減少しているが、一般の健全なサイト(例:mixi 等)での児 童買春等の摘発件数は増加している。このため、一般の健全なサイト にまで規制を設ける動きがでており、一般の健全な利用者に対してまで が規制の影響を受けることとなる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 備考 インターネットサービス事業社及びサービス利用者 フィルタリング規制・出会い系サイト規制、そして一般サイトにまで規 制が及んでくるのは、明らかにインターネットの発展を妨げ、ネットの 自由な活動を阻害する物である。さらに、このまま目に付いたところに 規制を広げても、いたちごっことなるだけである。 この問題は規制で解決できる問題ではなく、学校教育、及び家庭教育 で指導すべき問題である。技術的に可能である点として、親や親に委 託を受けた学校、教育機関等が端末におけるアクセスログ解析を行う ことを可能とし(ただし検閲になる為、プロバイダが行ってはならない。 あくまで端末側でのログ解析)、規則を破ってアクセスしている青少年 に対しては、端末の一次利用停止等の、青少年自身に対するペナル ティを導入すべきである。 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に 関する法律 不明 (内閣府・総務省・経済産業省に関連性が高い) パブリックコメント 112~116 はそれぞれの相関関係において関連性が 高い 151 資料1-2 113 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人26 わいせつ物および児童ポルノ(3 号)の範囲の曖昧性 現状、法令上での「わいせつ物」および「児童ポルノ(3 号)」の定義が 規制、制度、慣行、又は手続等の 非常に曖昧である。このため、取り締まりは捜査機関の主観的意思に 現状 より取り締まられているのが現状であり、何が法に抵触するのかといっ た具体的な線引きがない。 コンテンツ製作者及び消費者側は、そのコンテンツが果たして「わいせ つ物」なのか「児童ポルノ」なのか判断ができかねるようなコンテンツの 場合、捜査機関の主観により(恣意的捜査)により、摘発することも、し 具体的な問題点 ないことも可能である。また、仮に摘発されても、それが実際に法に抵 触するかどうかの判断は、個別の件ごとに裁判にて是非を問わなくて は適法か否か不明である。このような状況下で、クリエイターは安心し てコンテンツを作成することが難しくなる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) コンテンツ作成事業者・クリエイター及び消費者 ・刑法 175 条内の「わいせつ物」の定義を明確化し、法律内で名文化 すること。 ・児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関 する法律内の 2 条 3 項 3 号の定義を明確化し、法律内で名文化する こと。 ・刑法 175 条 根拠法 ・児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関す る法律 関連府省等 備考 不明 (厚生労働省・警察庁に関連性が高い) パブリックコメント 112~116 はそれぞれの相関関係において関連性が 高い 152 資料1-2 114 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人26 児童ポルノ規制法による過剰な規制や摘発 実際の児童保護を目的としているはずの児童ポルノ法が、現状、実際 規制、制度、慣行、又は手続等の に被害にあった児童の救済措置や対策が置き去りにされ、「児童ポル 現状 ノ」を社会的に撲滅するための、インターネット規制や表現規制ばかり が過剰に議論及び摘発されている。 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 備考 児童ポルノ法は実際に被害にあった児童や、被害にあいそうな児童を 救済する為の法律である。しかし、昨今では(前国会内の議論が紛糾し た)、「児童ポルノ」というメディアコンテンツをどのようにして規制するか 等の議論ばかりが集中しており、実際の児童保護が置き去りにされて いる。また、警察において実施している「児童ポルノ撲滅重点プログラ ム」で、プロバイダの協力の元、フィルタリングの実施を視野に入れてい るが、実際にどのようなサイトを規制するのかなどが不透明であり、警 察機関の主観により、反警察的であるとして本来フィルタリングされるべ きでないサイトまでフィルタされるという恣意的な運用も非常に懸念され る。また、フィルタにマッチしたユーザに対し、検閲行為などを行う等の 違法かつ過剰な捜査等が行われる可能性も否定できない。また、児童 福祉法で摘発すべき件を、児童ポルノ法違反として摘発するような、見 せしめ、恣意的な摘発が行われていることも事実である。(児童ポルノ 法違反で摘発したが、起訴時に訴因を児童福祉法違反に切り替えて起 訴している事実等) 被害児童・インターネットサービス利用者 ・本法律が、個人法益保護法である点を留意し、所轄官庁を警察庁か ら厚生労働省に変更する。 ・現状では見えない捜査に関し、可視化を行い、公にどのような規制 (フィルタリング等)を行うのか公開する。 ・本法を警察機関の恣意的な運用をされない為に、法律内で恣意的 運用を行った場合に対する罰則を設ける。 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関す る法律 厚生労働省・警察庁 パブリックコメント 112~116 はそれぞれの相関関係において関連性が 高い 153 資料1-2 115 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人26 2 次創作物への規制(現状未法制) 昨今、性暴力ゲームに対し規制を設けるべきという動き(自民党女性 規制、制度、慣行、又は手続等の 局による「性暴力ゲームの規制強化に向けた提言」等)、及び前国会で 現状 議論された改正児童ポルノ法(与党案)内で、2 次創作物への規制に関 し取り沙汰されている。 具体的な問題点 ・2 次創作物に実在の被害者は存在しない ・2 次創作物が犯罪を助長しているという根拠やデータは存在しない ・日本の文化にまで発展したと言える漫画やアニメの成長にストップを かけてしまう。 ・憲法で保護されている表現の自由及び言論の自由、極論すれば思想 の自由まで規制することになる 問題により不利益を被っている、困 2 次創作物による表現を行っている団体・個人全て(国民全員と言って っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) も良い) ・2 次創作物は規制しない ・個別の作品が適法か否かの判断は、その個別の作品ごとに司法の 場で判断すればよい ・児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関す 根拠法 る法律の一部を改正する法律案(第 171 回国会 議案番号 32) ・性暴力ゲームの規制強化に向けた提言(自民党女性局) 関連府省等 備考 不明 パブリックコメント 112~116 はそれぞれの相関関係において関連性が 高い 154 資料1-2 116 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 備考 個人26 人権擁護法案(未法制) 第 154 回国会に提出され、廃案となった人権擁護法案ではあるが、民 主党のマニフェスト等にも書かれているように、今後国会で成立に向け 再議論される可能性が高い。 この法案が、154 回国会提出時の案とさほど改変無く成立した場合 ・言論の自由を著しく侵害する恐れがある ・罰則の施行に対し、司法の判断を必要としない ・人権委員会による恣意的な活動が非常に懸念される 等の問題が発生する。特に、自由なネットでの発言を「差別」ととらえら れる事を恐れ、ネットでの自由な活動の発展の阻害となる。 全日本国民 ・154 回国会提出時の案と変わらないような要綱の法案を成立させな い。 ・人権擁護法案(第 154 回国会 議案番号 56) 不明 パブリックコメント 112~116 はそれぞれの相関関係において関連性が 高い 155 資料1-2 117 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 個人27 規制、制度、慣行、又は手続 児童ポルノ修正法案 ダウンロード規制化 凌辱系アダルトゲームの販売禁 等の名称 止 一部の国会議員や【非公開】がしきりに成立させようとしている児童ポルノ法 案並びに児童ポルノ修正案には、さまざまな問題を抱えています。しかし、法 案の情報に関して国会議員や【非公開】は、国民にはその問題点を慎み隠 規制、制度、慣行、又は手続 等の現状 し、法案の都合のよい情報だけをマスメディアを通じて国民に流しています。 この児童ポルノ法案および児童ポルノ修正法案以外にも、日本国民の情報 統制につながるダウンロード規制問題、諸外国並びに国内のセックスヘイタ ー集団【非公開】によって法案化もされず国民の意見にも耳を傾けずにに行 われた凌辱系アダルトゲームの販売禁止。これらは決して一部の議員や権 力者の独断や偏見で実行してよいものではありません。 一部の国会議員や【非公開】がしきりに成立させようとしている児童ポルノ法 案並びに児童ポルノ修正案には、さまざまな問題を抱えています。しかし、法 案の情報に関して国会議員や【非公開】は、国民にはその問題点を慎み隠 し、法案の都合のよい情報だけをマスメディアを通じて国民に流しています。 その問題点とされている内容は次の通りとなります。  児童ポルノ 法の“児童ポルノ“の定義が、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態 であって 性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができ る方法により描写したもの」とありますが、この定義では具体的でなく抽象的 であり、児童ポルノとそうでない所の線引きが出来ていません。  先ほどの児童ポルノの定義では、実在する人物はおろか、実在しない人物 具体的な問題点 (例:漫画、アニメ、ゲーム等)、いわゆる、人が想像で作り上げた二次創作物 も児童ポルノの対象となってしまいます。また、二次創作物以外にも、グラビ アアイドルやジャニーズの DVD から、家族写真まで児童ポルノの対象とされ ることになります。  児童ポルノの定義が曖昧で、かつ対象と出来 るものが多いため、児童ポルノ法の“児童ポルノ法の児童ポルノに当たる物 を単純所持していた場合、問答無用で処罰される”という性質を利用して、「他 者のパソコンに画像を忍ばせる」など、児童ポルノ法を悪用する者が出る危 険性があります。また、警察が別件逮捕などの恣意的運用を行う可能性もあ りえます。これらの事から、「痴漢冤罪」のような冤罪が多発することが容易に 想像できます。  現行法でも本当に児童保護目的とはいえないよ うな条文があるのに、 漫画、アニメ、ゲーム類へと規制が拡大する事で、表 現の自由が侵害される恐れがあります。 これらの表現物を麻薬などと扱い 156 資料1-2 にするには、犯罪との因果関係が科学的に証明されなければなりません。 例えマンガ・小説などの登場人物で 18 歳未満が性行為を行っていても、これ らの表現物自体は、 憲法第 21 条「表現の自由」により保障されていなけれ ばなりません。  民主党が児童ポルノ法の修正案で起用しようとし ている“取得罪“(買ったり何度も入手したりする行為を処罰するというもの) は、結局与党が主張する”単純所持の禁止”と同じです。単純所持の禁止・取 得罪そのものが憲法第29条で保障された「財産権の保護」、憲法第39条で 保障された「遡及処罰の禁止」に違反します。  また、児童ポルノに よって犯罪が近年増加しているというデータは、警察庁からも発表がありませ ん。発表が無い事はすなわち、児童ポルノが犯罪増加にはつながらない事に もなります。また、不審者・知障による子供殺害数が年間約一人である事に 対し、親による子供殺害数は年間 130 人~160 人に及んでいます。以下に記 述するデータは、実際に警察庁の公式ホームページの統計データに記載して あったものです。 2009 年度 子供殺害 69人 不審者・知障による子供殺害 1 人 親による 2008 年度 不審者・知障による子供殺害 1 人 親による 子供殺害 159人 2007 年度 不審者・知障による子供殺害 0 人 る子供殺害 136人 2006 年度 不審者・知障による子供殺害 1 人 よる子供殺害 158人 親によ 親に 児童ポルノ法の問題点に関して、御理解頂けたでし ょうか。児童ポルノ法には表現の自由を始めとした、日本国憲法の数々の条 項に違反し、その上警察からの誤認逮捕の可能性もある非常に危険な法案 です。しかし、この法案に対して論理的に法案の問題点に関して追求せず、 ただの性に対する嫌悪感だけで、つまり論理を欠いた“感情的”になって行動 し、児童ポルノ法の成立を行おうとする国会議員がいます。 彼らの行動を、 私は黙って見る事が出来ません。法案とは、常に論理的で、なおかつ、どの 国民から見ても問題点や矛盾点が無いものであるべきです。法案とはルール です。ルールに矛盾や問題点があってはなりません。そのルールを一時の感 情で作ってはならないのです。 この児童ポルノ法案および児童ポルノ修正 法案以外にも、日本国民の情報統制につながるダウンロード規制問題、諸外 国並びに国内のセックスヘイター集団【非公開】によって法案化もされず国民 の意見にも耳を傾けずにに行われた凌辱系アダルトゲームの販売禁止。これ らは決して一部の議員や権力者の独断や偏見で実行してよいものではありま せん。ダウンロード規制問題やアダルトゲームの販売規制は児童ポルノ法と 同じく、自由と権利に関する日本国憲法の項目に深くかかわるのです。それ を一部の人間の意見で勝手に遂行してはならないのです。 繰り返し述べま すが、児童ポルノ法の説明で述べたように、この日本に児童ポルノによって犯 罪が近年増加しているというデータは、警察庁からも発表がありません。発表 が無い事はすなわち、児童ポルノが犯罪増加にはつながらない事にもなりま す。また、不審者・知障による子供殺害数が年間約一人である事に対し、親 による子供殺害数は年間 130 人~160 人に及んでいます。 凌辱系アダルト ゲームが日本で販売されている中で、警察庁から児童ポルノや凌辱系アダル 157 資料1-2 トゲームによって犯罪が増加しているというデータを国民に公開されたという 出来事は、今日に至るまでに一度も無いのです。この事実は、警察庁からの データを基にして言っています。 しかし、【非公開】を始めとしたセックスヘイ ター集団は、この凌辱系アダルトゲームと児童ポルノが犯罪に結びついたと いうデータが警察庁から一度も公開されていないという事実を隠ぺいし、さも 凌辱系アダルトゲームと児童ポルノが有害であるかのように国民に新聞やテ レビなどのマスメディアを通じて宣伝しているのです。私はこの横暴な行為を 決して許しません。許すわけにはいきません。 私は、児童ポルノ法案並びに 児童ポルノ修正法案の成立に断固反対致します。 並びに、ダウンロード規制 化に断固反対致します。 更に、凌辱系アダルトゲームの販売禁止に断固反 対致します。 そして、国民の意見を蔑にして己が独断と偏見で児童ポルノ法 案の成立させようとした【非公開】と凌辱系アダルトゲームの販売禁止を勝手 に行った【非公開】を決して許しません。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) セックスヘイター集団である【非公開】に属さない、並びにセックスヘイトの思 考を持っていない日本国民全般 児童ポルノ修正法案を成立させない。 凌辱系アダルトゲームの販売を再開 する。 ダウンロード規制化法案を成立させない。 先にも述べたように、児童ポルノ法や凌辱系アダルトゲーム販売禁止は国民 根拠法 の事由と権利に関する日本国憲法の項目に反する為。また、国民はこれらの 法案や禁止化された事項に多大な不満を抱いている IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会 IT 戦略の今後の在り方に関す 関連府省等 る専門調査会 【非公開】 IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会 IT 戦略の今後の在り方に関す る専門調査会 備考 【非公開】 これらの組織はセックスヘイターである人物が多く存在し、過去に 児童ポルノ法案を成立させかけたり、凌辱系アダルトゲームの販売禁止を行 った事がある。 158 資料1-2 118 提出者名等 社団法人 車両情報活用研究所(車両電子情報有効活用研究会) 規制、制度、慣行、 自動車の各種履歴情報の利活用に関する規制の緩和 又は手続等の名称 (資料5・座長代理ペーパー9 自動車関連情報の参照) 国土交通省、経済産業省、警察庁、消防庁等が持つ自動車履歴関連データが、自由 に活用できるよう開放されれば、民間の自動車関連産業(メーカー、ディーラー、整備 業者、損害保険会社等)の持つ履歴データと統合する事により、統合的な自動車履 歴データベースが構築可能となり、多くの活用方法が考えられます。 しかしながら、現在行政の持つ自動車履歴情報の中で民間が利用可能となっている のは、国土交通省の自動車登録検査情報(MOTAS 情報)ならびに軽自動車検査情 報のみであり、その方法についても、限定的かつ利活用が困難な方法でのみ提供さ れている。 規制、制度、慣行、 この自動車登録検査情報(以下、MOTAS 情報)は、他の行政や民間の自動車履歴 又は手続等の現状 情報を統合しデータベース化する際に、なくてはならない基盤となるデータです。この 情報は、これまでリコール(回収・無償修理)通知や、犯罪捜査などにのみ活用されて きたが、調査やマーケティング会社など民間企業には実質的には門戸を閉ざしていま した。2003年頃より当研究会を中心に、国土交通省に対し積極的にこのデータの民 間開放を提言し続けてまいりました。その結果、2005年に「社会経済の変化、情報 通信技術の進展等に対応した登録制度の見直しに関する検討会」が発足し、当研究 会もこの検討会において登録検査情報の電子的利活用についてのプレゼンテーショ ンを行いました。(平成17年7月21日・国土交通省11階共用会議室)その後、国会 論議を経て、2007年に法令が交付され、2008年4月より(財)自動車検査登録情 報協会による MOTAS 情報の有償提供が開始されました。(法令:40号 XXXXXXXXXXXXXX) <問題点① - 国交省のMOTAS情報ならびに軽自動車検査協会のみ民間開放 されている> 国土交通省の MOTAS 情報以外にも、国交省のリコール情報、警察庁の事故情報や 盗難情報、消防庁の水害情報など、自動車履歴にとって有益なデータは多い。民間 の各業界や個別企業に賛同・協力してもらい、より魅力的な自動車統合履歴データベ ースの構築を実現する為には、これらの行政の自動車履歴関連データの民間開放が 具体的な問題点 必要条件となりますが、民間への開放はされていません。 例えば米国では、これらのデータは全て民間開放されています。当研究会の設立前、 私が中心者として設立した「CARFAX Japan」は、米国の CARFAX 社の日本における 合弁会社として2003年に設立されました。行政データの民間企業による活用の先進 事例として、米国 CARFAX の自動車履歴統合データの活用ビジネスの紹介と、その 実現に向けた活動を展開致しました。しかしサービス提供制度の壁により収益事業開 159 資料1-2 始の目処が立たなかった為、CARFAX Japan の活動は一旦停止しました。(現在その 活動は「社団法人車両情報活用研究所」として続けております。) <問題点② - MOTAS情報の提供方法が現実的でない> 先述のとおり、このMOTAS情報は、他の行政や民間の自動車履歴情報を統合しデ ータベース化する為に、なくてはならない基盤となるデータです。全車両のデータを活 用できる事、および、各車両のできる限り多くの履歴情報が必要となります。しかしな がら、全車両のデータを活用するにはそのデータ利用料が高額すぎる(問題点②- 1)上に、開放されている履歴情報が非常に限定的であるという問題点(問題点②- 2)があります。 問題点②-1 統合データベースの基礎データとして利用する為には、全車両約7900万台のデータ が必要であり、現在の件数単位の従量課金制ではあまりに高額な利用料となってし まいます。1件の取得料金は自検協及び国交省に支払う手数料の合計が最低でも 7.627円であり、全車両7900万台のデータを取得する為には、初期コストとして最 低6億円、更新情報は1件あたり11.205円を払い続ける必要があります。これは、 民間において履歴統合データベースを構築・維持するにはハードルとして高すぎる金 額です。 これは軽自動車検査サ―ビス提供にも同様の問題が存在します。 問題点②-2 (ブラウザにより1件毎の閲覧方式でない)電子データとして開放される MOTAS 情報 は非常に限定的で、あくまで自動車の「住民票」に相当する基礎データを開示したに 過ぎません。MOTAS 情報に含まれる車両の価値や健康状態を確認する為に有益な データの多くは、非公開となっております。特に、開放されるデータは4ヶ月前からの 情報しか公開されず、初年度登録からの登録情報の履歴(個人情報を除くオーナー 履歴や自動車の利用用途履歴など)が確認できない内容となっています。 一般消費者 中古自動車販売業 問題により不利益を 被っている、困ってい る人又は団体等 自動車整備業者 損害保険業界 自動車メーカー、ディーラー 行政情報を利活用して新たなビジネスの創出を目指している企業 自動車の安全・安心に関わる行政機関 160 資料1-2 <問題点① - 国交省のMOTAS情報のみ民間開放されている> 国土交通省の MOTAS 情報以外に、国交省のリコール情報、警察庁の事故車両情報 と盗難情報、消防庁の水害情報について、民間利用へ開放をする。 <問題点② - MOTAS情報の提供方法が現実的でない> 問題点②-1 (料金体系) 自動車登録検査情報は公的な情報であり、消費者の安心・安全や民間企業、また行 政にいたっても有効に活用できるので、当該データの利用について最低限の必要コ ストで公開するのが合理的と考えます。ブラザーによる閲覧方式については1件毎に 人的業務処理が発生する為、現行の料金でも非合理ではないと考えられる。しかし、 初期接続時以外には継続的な人的業務処理がなく、システムの運用にごく一部のコ 改善提案 (解決方法及び解決 による効果) ストのみが掛かる電子データによる提供については、現在の料金はあまりに非合理 的と考えられる。初期のシステム接続に要する費用として数百万円程度、継続的な更 新データの自動配信で数万円/月程度が現実的なコストではないかと考えます。 問題点②-2 (公開される情報) 閲覧が可能であるデータが、電子的に開放されていないのは合理的でない。個人を 特定する個人情報を除き、他の全ての情報についても電子データとして開放すべきと 考えます。 (ITの利活用を拒む規制・制度・慣行、サービス等について抜本的に見直すとの方針 に、心より賛成したい。2009年度を目処とする方針も適切だと思います。出来るなら 見直しの結果を具体的な改革へと結びつけて欲しいし、そのためには、IT戦略本部 の強力なリーダーシップが不可欠です。 中古車販売業界・自動車整備業界は地道なジミな業界であるが、安全・安心な社会 産業・地域の活性化のカギを握っており、アフターマーケットの普及促進につなげた い。) 根拠法 道路運送車両法施行規則等の一部を改正、他 関連府省等 国土交通省・経済産業省・警察庁・環境省・総務省 <自動車履歴情報の活用によるメリット> 自動車の履歴情報を統合的に連携する「車両電子情報統合データベース」(仮称)を 構築する事に、どのように利活用が可能であるか、誰にどのようなメリットがあるの か、当研究所は以下の通り考えております。 備考 ★中古車売買 → 消費者にとって安心な取引 中古車売買取引において、車両単体のみならず車両カルテを添付することにより、中 古車売買取引の信頼性、車両の品質保証機能を提供することが可能であると考えま す。既に諸外国では、政府機関、及びその他機関からの情報を統合して、中古車の 状態、登録履歴等を広く消費者に提供し、中古車判断材料として活用されています。 161 資料1-2 例) アメリカ カーフアックス/オートチエック イギリス オートチェック/HPI Limited イタリア オートチェツク オーストラリア Check It Out ニュージーランド AA Lemon Check ★整備事業 → 消費者の安全・利便性、整備業者の作業効率/品質アップ 整備事業者間で車両カルテを介することで情報共有を行い、各整備事業者の作業効 率/品質を向上させるとともに、顧客の利便性を向上させる。 ★保険料率算定 → 消費者と保険業界の適正な取引 車両カルテを蓄積した情報を参照/分析できるようにすれば、保険業界の保険料率算 定業務において有効な活用ができ、保険料も車両の状態に基づいた適正な価格にな ります。 ★リコール制度の強化 → 消費者の安全、行政の効率化 事故を未然に防ぐリコール制度に対する社会の信頼を高めるために、車両情報のカ ルテ化は、欠陥車両の情報収集機能の強化を支援するための有効な手段となりま す。 ★車両検査業務 → 消費者の安全、行政の効率化 車両はその利用方法/走行状態等に応じて、同じ車種でも全く異なる状態となりま す。そのような異なる特性を持つ車両に対して、安全/環境水準を向上させるために は、本来であればその車両の特性に応じた対応が必要であるが、車両情報のカルテ 化により実現可能となります。 ★盗難の防止 → 消費者の安心、行政の効率化 車両窃盗団・暴走族等による近年の車両盗難件数の増加はすさまじく、早急に防衛 手段を講じる必要があります。車両盗難の現場をおさえるための警報システムは既 に普及していますが、車両情報のカルテ化は、現時点で不充分である「盗難後の速 やかな車両発見・捕捉」を支援するための有効な手段となります。 ★車両相関分析機能 → 消費者の安全、メーカーの開発業務、保守業務の効率化 車両カルテにより、個別車両の履歴情報が蓄積されれば、これまで不可能であった 車両の相関分析が可能となり、問題発生を未然に防ぐ施策の立案を支援するための 有効な手段となります。例えば、個別車両毎の履歴情報から不具合項目だけを抽出 して、その傾向に共通性があるものをマッピングし、不具合イベント間の関連性を捕ら えることで、不具合の要因分析/相関分析を実施できます。また、車両情報を車種や 利用状況等に応じてセグメンテーションし、セグメント化された分類毎に車両の特性を 把握し、傾向を分析することで、きめ細かな対応策の立案や予防安全の視点に立っ た対策に役立つことが考えられます。 このように、行政の自動車履歴情報が解放されうまく利活用できる環境が整えば、消 費者には安心・安全の多くのメリットが提供でき、民間事業者には新しいビジネスの 創出や業務効率化が期待でき、また、行政にとっても業務効率化に大きな貢献をする ものと確信しております。 162 資料1-2 119 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 団体A 電子出版市場の創出、発展を阻害する業界慣行の見直し 規制、制度、慣行、又は手続等の 電子出版に必要な最終稿のデータが版元に存在せず、かつ、そのフォ 現状 ーマットも統一されていない。 印刷に使用する文字や図表などのデータが散在したり、印刷段階で最 終校正を行う場合もあったりするため、最終稿のデータが必ずしも版元 具体的な問題点 に存在していない。また、データフォーマットがばらばらで、印刷会社へ の組方指定が XML でなされていない。さらに、著者が版面、フォント、紙 質、装丁などに拘る場合も多い。一方、米国では専用の電子ブックリー ダーや携帯端末により閲覧可能な電子出版が既に普及段階にある。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 電子出版を利用したい国民 法令が障害になっている問題ではないため、行政のリーダーシップによ り、関係者からなる「電子出版促進検討会議(仮称)」を設置し、具体的 な検討項目の洗い出しと解決策につき目標年限を定めて検討する。 根拠法 なし 関連府省等 経済産業省 備考 163 資料1-2 120 提出者名等 団体A 規制、制度、慣行、又は手続等の 音楽配信に伴う DRM(デジタル著作権管理)技術に関する業界慣行の 名称 見直し 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 デジタル音楽配信の際に各レコード会社が DRM(デジタル著作権管理) 技術の利用を配信業者に義務付けるために、利用者がさまざまな音楽 プレーヤーで自由に音楽を利用できない状況にある。 欧米主要国(米、英、独、仏)では、大手レコード会社が DRM フリーでの 音楽配信を許可しているために、利用者はいろいろなプレーヤーで音 楽を楽しむことができる。しかし、我が国では各レコード会社が DRM フリ ーを配信業者に許可しないため、利用者がさまざまな音楽プレーヤー 具体的な問題点 で聴くことができない。また、携帯電話にいわゆる「着うた」をダウンロー ドした場合、他の携帯電話に曲を簡単に移動できない場合もあるため に、DRM が携帯電話の買い替えの障害となっているのではないかとい う点も指摘されている。先の国会で成立した改正著作権法で違法ダウ ンロードの規制が強化されたことを踏まえて、合法的な利用の場合の 利便性は向上させるべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) デジタル音楽配信を自由に利用したい国民 法令が障害になっている問題ではないため、行政のリーダーシップによ り、関係者からなる「DRM フリーによる音楽ビジネス成長会議(仮称)」を 設置し、早期に結論を得る。 根拠法 なし 関連府省等 経済産業省 備考 164 資料1-2 121 提出者名等 団体A 規制、制度、慣行、又は手続等の 犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認方法の見 名称 直し 犯罪による収益の移転防止に関する法律(収益移転防止法)施行規則 規制、制度、慣行、又は手続等の 第3条1項1号で書類の授受を要しない本人確認手段として、電子署名 現状 法に基づく電子証明書の利用や、公的個人認証法に基づく公的電子証 明書の利用が規定されている。 先の通常国会で成立した資金決済に関する法律により、銀行以外の企 業が資金移動業に参入可能となった。しかしながら、収益移転防止法 第2条2項28の2号に資金移動業が追加されることにより、同法施行 令第8条1項1号のソにより、資金移動の契約締結(アカウント開設)時 具体的な問題点 に本人確認が義務付けられる。インターネットを利用した資金移動業者 にとっては、電子署名法に基づく電子証明書や公的個人認証法に基づ く公的電子証明書は、利用者にとって極めて煩雑であり現実的でない 本人確認方法である。このままでは、日本の国民は、欧米のようにイン ターネットによる資金移動サービスを簡便に利用できないこととなる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 インターネットによる資金移動サービスを簡便に利用したい国民 アカウント開設時に、利用者の銀行口座情報やクレジットカード番号の 入力を求め、別途本人確認が既に行われている同口座又は同番号の 認証を行うことで、あらためての本人確認は不要とする。 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第3条1項1号 内閣府、総務省、法務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産 業省、国土交通省 備考 165 資料1-2 122 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 (社)日本経済団体連合会 特定健診の保健指導におけるICTを活用した遠隔面談の実現 2008年4月より、医療保険者に対し内臓脂肪型肥満に着目した健診 (特定健診)及び保健指導の事業実施が義務付けられた。医療保険者 が保健指導対象者に対して行う動機付け支援と積極支援の双方では、 初回面談において直接面談による支援が義務付けられており、情報通 信技術(ICT)を活用した遠隔面談を受けることは想定されていない。ま た、初回面談以降に予定されている「6ヵ月後の評価」や「3ヵ月以上の 継続的な支援」においても、遠隔面談は個別支援(直接面談)ではなく、 電話支援とみなされ、ポイント数が低く抑えられている。 保健指導の実施者は、医師や保健師等の有資格者に限定されてい る。これらの有資格者は地理的に偏在しているが、現行制度下では、 保健指導の実施者が不足している地域に在住する対象者でも、直接面 談を受けなくてはならないとされている。 一方、近年の技術進歩に伴い、高画像、高音質の遠隔会議が行える ようになっており、保健指導においても直接面談と遜色ない面談が可能 となるシステムも開発され、試行も進められている。こうしたイノベーショ ンを保健指導にも活かすことが可能となれば、特定健診制度をより円 滑かつ効率的に実施できるようになり、ひいては国民の健康増進につ ながると考えられる。また、ICTを活用することで時間や場所の制約が 少ない遠隔面談が可能となり、保険者・対象者双方にとっても時間的・ 金銭的コストの削減に資する。 加えて、国として遠隔面談の有効性の検証を早期に実施し、その状況 を広く公開することは、制度に対する保険者や対象者の理解を促進す ると考えられる。 保健指導対象者、遠隔面談を実施する医師や保健師等 ①初回面談における遠隔面談の実施、②初回面談以降の継続支援 において遠隔面談と直接面談を同等のポイントとすることで、ICTを活 用した遠隔面談を直接面談と同等の措置として認めるべきである。 特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生 労働省令第157号)第7条及び第8条 厚生労働省健康局総務課保健指導室 備考 166 資料1-2 123 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 処方箋の電子化 薬局で調剤を行うために患者等に交付する処方箋(院外処方箋)に ついては、「民間事業者等が行なう書面の保存等における情報通信の 技術の利用に関する法律」(e-文書法)の適用対象外とされている。 処方箋を電子化することによって、薬局での疑義照会や後発医薬品 への変更、さらには処方箋情報の変更の医師による確認等が容易に 行えるようになる。 またネットワーク化を併せて推進することで、他医療機関での投薬情 報を容易に把握することができ、薬の飲み合わせ・投与量による事故 や薬の不法取得の防止などにも寄与すると考えられる。 処方箋がe-文書法の適用対象外となっていることによる国民的なデ メリットは大きい。 薬を処方される患者 調剤を行うために患者等に交付される処方箋の電子化と制度運用を 可能とすべきである。 根拠法 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に 関する法律等の施行等について(平成17年3月31日医政発第0331009 号、薬食発第0331020号、保発第0331005号) 関連府省等 厚生労働省医政局、医薬食品局、保険局 備考 167 資料1-2 124 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の (社)日本経済団体連合会 一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制の見直し 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 改正薬事法施行規則が2009年2月6日に公布(2009年6月1日施行) された。この改正により、旧法下で認められていた郵便その他の方法 (郵便、カタログ、ちらし、インターネット等)を通じた大衆薬の販売につ いては、経過措置による一部の例外を除いて第3類医薬品に限定され る。 ①薬事法上インターネット販売等を禁止する明示的な規定がなく、省令 で当該規制を行うことは法の授権範囲を超えている ②消費者の利便性を阻害する ③地方の中小薬局のビジネスチャンスを制限する ④インターネット販売等が、店頭での販売に比して安全性に劣ることが 実証されていない ※ なお、離島居住者および継続使用者に対する経過措置が定められ たが、その範囲は限定的である。 インターネットで一般医薬品を購入しようとする消費者、インターネット っている人又は団体等 で一般医薬品を販売しようとする地方の中小薬局等 改善提案 消費者の利便性と安全の確保の両立を図った上で、第3類以外の一般 用医薬品についても広く通信販売が可能となるような提供方法を検討 し、薬事法施行規則を再改正すべきである。 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 改正薬事法第36条の6 改正薬事法施行規則第15条の4、第142条(準用)、第159条の14~18 厚生労働省令第 114 号 関連府省等 厚生労働省医薬食品局総務課 備考 168 資料1-2 125 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 (社)日本経済団体連合会 電子帳簿保存の承認要件の見直し 会計システムや関連業務システムにおける明細データを電磁的に記 録し保持する、会計関連データの訂正・加除履歴の保持や検索性を確 保することなどが電子帳簿保存の承認を受ける要件となっている。これ らへの対応として、仕訳帳や総勘定元帳を電子データ化しただけでは 不十分で、承認申請が認められない。 国税関係帳簿を紙保存から電子データ化すると、紙資源、保管場所 の費用削減や、検索機能の活用による調査の効率化が見込める。一 方、電子帳簿保存法が要求するように業務システムレベルのデータで 保存と検索に対応をするためのコンピュータソフト改修投資は企業にと って負担となっており、この投資負担が保管・調査の効率化を大きく上 回るため、電子帳簿保存法への対応自体を断念するという判断になっ てしまう。 備付と保存ともに業務システムレベルで行う方法でなければ承認され ないのであれば、これまで電子帳簿保存を前提としないでペーパーレス 化を進めてきた様々な投資が無駄なものになる危惧もある。国税局に よる承認は会社個々の対応をみて判断となっているが、どのような対応 をすれば「電子帳票システム」利用が承認されるのか判断できないため 申請できない企業がある。 電子帳簿保存の承認を受けようとする企業・事業所 ①業務システムで作成された帳簿を単なるイメージデータで電子的に 保存する事を認めるべきである。 ②調査の効率性向上のために、①を前提にイメージデータで保存され た帳簿の検索は、イメージデータを前提とした検索機能でよいものとす べきである。 ③個々の業務システム(含む会計システム)で従来書面に出力していた 帳票を日次、月次等の処理の都度、電子帳票システム等のデータベー スに出力しておき、これにより見読、検索機能を確保する場合の具体的 な対応方法ガイドラインを示すべきである。 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特 例に関する法律(電子帳簿保存法) 国税庁 備考 169 資料1-2 126 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 e-Taxによる消費税申告手続の改善 消費税の申告書の作成において、国税電子申告・納税システムを利用 するためには、申告内容を入力する作業が毎月発生する。 消費税の中間申告書の作成において、税務署より送られてきた紙の申 告書では必要事項(金額、税務署名、税目、納税者の住所、氏名等)が 予め記入されており、内容に間違いないことを確認すれば、金融機関に 持ち込むだけで事務手続が完了する。しかし、電子申告する場合には 必要事項を全て入力し直す必要があり、かえって事務手続が煩雑にな っており、入力ミスのリスクも高い。 e-Tax による消費税申告を行う企業・事業所 紙の申告書と同様、電子の申告書についても予め必要事項が入力さ れたものを送付すべきである。 根拠法 国税関係法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関 する省令 関連府省等 国税庁 備考 170 資料1-2 127 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 個人住民税の特別徴収手続の電子化と窓口の一元化 特別徴収義務者(給与支払者)は給与支払報告書を「電子データを保 存したフロッピーディスク」または「紙帳票」にて給与所得者(社員)の居 住している各市区町村に提出しなくてはならない。また、住民税額決定 通知書は「フロッピーディスクと紙帳票」または「紙帳票のみ」にて、各市 区町村から毎年5月末までに特別徴収義務者(給与支払者)に送付さ れ、特別徴収義務者(給与支払者) は6月給与から控除しなくてはならない。 現状では、給与支払報告について、各市区町村によって、電子データ での授受が可能であったり、紙帳票の書式が異なっていたり、住民税 額決定通知書を電子データで受け取るためには、企業から電子データ で給与支払報告を行うことが条件となっていたりと対応が異なってい る。 各自治体により電子手続の可否が異なるため、給与所得者(社員)の 居住地が複数の自治体にわたる大企業では、電子的に一括処理がで きず、結果的に紙媒体で処理せざるをえない。全国共通の電子手続が 可能になれば、各市区町村と特別徴収義務者の双方にとって、業務処 理の大幅な効率化および誤徴収の防止につながる。 現状ではフロッピーディスクによる申請も可能であるが、少なくとも電 子メールでの送受ができるようにする必要がある。 住民税の特別徴収義務者 住民税特別徴収に係る手続について、全国の市区町村の共通のワン ストップの電子手続システムを構築するなど、電子化及び窓口の一元 化を行うべきである。 根拠法 地方税法第 321 条の3、4、5 関連府省等 総務省自治税務局 各地方自治体 備考 171 資料1-2 128 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の 全地方自治体における電子申告(eLtax)の導入 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 自治体や税目によって地方税ポータルシステムが導入されていないた め、地方税の申告、申請、納税の際に紙ベースでの対応を要する。 全ての地方自治体でeLtaxが導入されなければ、申請方法として紙と 電子が混在することになり、業務効率化に繋がらない。 地方税を申告・申請・納税する企業・事業者 全地方自治体において電子申告(eLtax)を導入すべきである。 根拠法 地方税法 関連府省等 総務省自治税務局 各地方自治体 備考 172 資料1-2 129 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 公的個人認証サービスの署名検証者の民間事業者への拡大 現在、公的個人認証サービスの署名検証者の範囲は、行政機関、独 立行政法人、裁判所、学校法人、士業団体等に限定されており、利用 できる場面が限定されている。 国民が行政機関に対して申請等の手続を行ったり、行政機関が提供 するサービス(社会保障、納税、住民票等)を利用したりする頻度は高く なく、行政サービスを利用するのは年にせいぜい数回程度という利用 者も多い。オンライン化した電子行政サービスについても同様のことが 言え、多くの利用者はわざわざ公的個人認証サービスの申込みをして まで、電子行政サービスを利用したいとは考えていない。 電子行政サービスの利用価値を高め、普及促進を図るためには、利 用頻度の高い民間サービスの取り込みが必須となる。金融機関での口 座開設やクレジットカードの新規発行、オークション出品など、現在、本 人確認を必要とする民間サービスについて、公的個人認証サービスが 活用できるようになれば、現在低迷している公的個人認証サービスの 利用拡大にもつながる。さらに、公的個人認証を活用した民間の新たな ビジネスの創出も期待される。 電子行政サービス利用者、公的個人認証を活用したビジネスを行おう とする民間事業者 公的個人認証サービスの署名検証者の範囲を広く民間事業者にも拡 大すべきである。 根拠法 公的個人認証法(電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する 法律)第 17 条 関連府省等 総務省 備考 173 資料1-2 130 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の 廃棄物処理法に係る許可手続の電子化 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 産業廃棄物処理業ならびに産業廃棄物処理施設の許可申請にあた っては、当該業を行おうとする区域ならびに当該施設を有する区域を所 管する都道府県知事、政令で定める市の長の許可を個々に取得する 必要がある。 産業廃棄物処理業ならびに産業廃棄物処理施設の許可申請にあた っては、当該業を行おうとする区域ならびに当該施設を有する区域を所 管する都道府県知事、政令で定める市の長の許可を個々に取得する 必要があり、膨大な事務処理が必要とされている。 産業廃棄物処理業ならびに産業廃棄物処理施設の許可申請を行う 事業者 廃棄物処理法の許可手続に係る全国的な情報システムを構築し、民間 事業者がインターネットの活用により、複数の地方公共団体に対して申 請手続を一括して行うことができるようになれば(ワンストップサービス の実現)、民間事業者にとって使い勝手がよくなり、事務負担の大きな 軽減につながる。 根拠法 廃棄物処理法第 14 条第1項、第 15 条第1項 関連府省等 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 備考 174 資料1-2 131 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 特定原産地証明の電子発給 既存の FTA/EPA における第三者証明制度において、特定原産地証 明書の発給手続は電子化されているものの、証明書自体はいまだ紙で 発給されている。 特定原産地証明書が紙で発給されているため、利用企業にとって利 便性が悪く、無駄なコスト、時間が生じている。貿易円滑化や日本輸出 産業の競争力強化のために、特定原産地証明書を電子発給すべきで ある。 また、ASEAN 諸国においてもアセアン・シングル・ウィンドウ等を通じ て特定電子原産地証明の政府間電子連携に向けた検討が進められつ つあり、このままではわが国が遅れをとる。 特定原産地証明制度を利用して貿易を行う事業者 現状、紙で発給・運用されている特定原産地証明書について、電子的 な交付を認めるべきである。 相手国との連携に向けた技術検討や協定変更等に対応する必要が ある場合、まずは日本国内の申請者側でのプリントアウトを認める方式 を導入するなど、段階的にでも電子発給に向けた措置を進めるべきで ある。 根拠法 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律 関連府省等 経済産業省原産地証明室 備考 175 資料1-2 132 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の アジアの資源循環に資する特定有害物質含有物の輸入手続のオンラ イン化 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 日本国内で製造された材料・部品が、海外企業に輸出・販売され、海 外の工場で生産活動等に使用された後に、使用済触媒やめっき液など が発生する。これら(※)は有価物を含んでおり、わが国の優れた技術 でもってすれば、環境に負荷をかけずに有価物を取り出し、リサイクル することができる。しかし、こうした有価物を含む特定有害物質含有物を リサイクル目的で日本に逆輸入しようとすると、いわゆるバーゼル法の 適用を受ける。これらの行政手続等に2、3ヵ月以上かかる場合もある など、多大な時間を要している。 2006年3月の「3Rイニシアティブ高級事務レベル会合」において、3R 推進のポイントとして、「製造設計段階から廃棄物管理に至るまでの総 合的アプローチ」等の取組みが挙げられたが、現状関係国間では実現 されていない。 ※生産活動後に発生する有価物を含むものとしては、例えば、プロダク ト・スクラップ、使用後のめっき材料等、製造工程での金属付着物、使 用済触媒、めっき液等がある。 生産活動後に発生する有価物を含むもの(※)は、アジアの諸外国で 処理をしようとすると廃棄物となって環境汚染につながるケースがある が、わが国の事業者は高いリサイクル技術を有していることから、わが 国に逆輸入できれば、資源として有効に活用できる。しかし、希少貴金 属等の有価物は市況の変動が激しいため、行政手続に多大な時間が かかってしまうと、ビジネスとして成り立たなくなり、資源の再利用ができ ない。 有価物を含む特定有害物質含有物をリサイクル目的で日本に逆輸 入している事業者 わが国における製造・販売・輸出事業者が明確である材料・部品が、輸 出国で使用された後に発生した特定有害物質含有物であって、わが国 において再生利用可能な資源を輸入する手続きのオンライン化も含め て行政手続きの簡素化・迅速化を図るべきである。 根拠法 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法) 関連府省等 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不 法投棄対策室 経済産業省産業技術環境局環境政策課環境指導室 経済産業省貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課 備考 176 資料1-2 133 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 輸入食品監視支援システム(FAINS)利用時の食品衛生法に基づく食品 輸入手続の迅速化と進捗状況に関する情報の提供 輸入食品については、その安全性確保の観点から、食品衛生法第2 7条に基づき、輸入者に対して輸入届出の義務が科せられている。届 出を受け付けた厚生労働省検疫所では、食品衛生法に基づき適法な 食品等であるか食品衛生監視員が審査や検査を行う。 輸入食品は、発注から納品までのリードタイムが長い為、調達リスク が大きい。こうした中で、通関時検査については、食品衛生監視員によ る試験検体の採取も含め、7~10日間を要する場合もあり、製品の生 産・販売に迅速に対応した資材調達を図るうえで、通関時検査に要する 日数が障害となっている。 食品輸入業者 輸入食品監視支援システム(FAINS)を利用して食品等の輸入届出を 行った場合に、通関時の分析検査に係わる日数を短縮するとともに、電 子メール等での照会を受け付け、当該申請に係る審査や検査の進行 状況や食品等輸入届出済証の発行の時期の見通しについて情報提供 を行うべきである。 根拠法 食品衛生法第 27 条 関連府省等 厚生労働省医薬食品局食品安全部 備考 177 資料1-2 134 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の 住民基本台帳とのリンクによる国民年金第3号被保険者の各種変更届 の届出不要化 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 2002年4月より、国民年金第3号被保険者の各種変更届(紙帳票)の 社会保険事務所への届出は、市区町村の国民年金課経由から配偶者 の勤務先企業経由となった。 配偶者が勤務先で手続きをすることにより、第3号被保険者の年金加 入への認識が薄れる。 国民年金第3号被保険者の各種変更は、本来、企業の業務ではな い。企業経由にすることにより届出が遅れる可能性もある。 国民年金第3号被保険者の配偶者の勤務先企業 ワンストップ行政を実現し、住民基本台帳と年金手続をリンクさせ、国 民年金第3号被保険者の各種変更届(特に住所変更)の届出と紙帳票 を不要とするべきである。 根拠法 国民年金法第12条 関連府省等 厚生労働省年金局・社会保険庁 備考 178 資料1-2 135 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の 確定給付企業年金における事務手続の電子化 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 複数の事業所が一つのグループ年金規約で運用をする場合、確定給 付企業年金法の体系が厚生年金適用事業所ベースとなっているため、 グループ一体の退職年金制度にもかかわらず、事務作業(各事業所へ の同意・捺印作業など)が紙ベースで大量に発生する。 グループとして事務作業をまとめているのに、各事業所に頻繁に捺 印依頼をするため非効率的になっている。特に、持株会社体制の会社 にとっては事務作業が煩雑である。 持株会社体制の会社において、同様の規約型確定給付企業年金に 入っているケースでは、1社で退職金運営をしているようなものであり、 規制緩和しても問題はないと考える。 持株会社体制の企業など、確定給付企業年金を採用している企業 (解決方法及び解決による効果) 確定給付企業年金の事務手続きにおいて、電子申請・電子承認等の 枠組みを導入すべきである。 根拠法 確定給付企業年金法第2条他 関連府省等 厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課 備考 179 資料1-2 136 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の 労働条件の明示の方法にかかる電子メール等の解禁 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して、労働条件のう ち、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める 事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければな らないとされ、その方法は書面の交付によるとされている。 労働者派遣事業では、「就業条件の明示」と「労働条件の明示」を一 体的に通知することが一般的に行われている。労働者派遣法の改正に より、就業条件の明示についてファクシミリ又は電子メールによる方法 が認められたが、「労働条件の明示」の方法についても同様の取扱い が認められない限り、規制緩和のメリットが受けられない。 また、パートタイム労働法第6条で定める「特定事項」についてFAX、 電子メールによる明示を当該短時間労働者が希望した場合に可能とさ れたが、労働条件明示は書面交付のみとされているため、特定事項に かかる交付手段の弾力化は実質的な意味を持たない。 労働条件の明示にあたり、ファクシミリや電子メールの利用が認めら れれば、手続きの簡素化、労働者に対する迅速な情報提供に資するこ とが期待できる。 労働者派遣事業者、派遣労働者、パートタイム労働者、派遣労働者・ パートタイム労働者の使用者 使用者が、労働者に対して明示する賃金及び労働時間に関する事 項その他の厚生労働省令で定める事項については、明示方法を書面 の交付のみならず、ファクシミリ又は電子メールでも可能とすべきであ る。 根拠法 労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条、労働者派遣法第34 条、労働者派遣法施行規則第25条、パートタイム労働法第6条 関連府省等 厚生労働省労働基準局監督課、職業安定局需給調整事業課 備考 180 資料1-2 137 提出者名等 (社)日本経済団体連合会 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 UWB規制の緩和(屋外利用) 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 無線設備規則第49条の27の3及び4は、UWB搭載機器の他の無線 システムに対する干渉を回避する観点から利用を屋内に限定する目的 から、「筐体の見やすい箇所に、屋内においてのみ電波の発射が可能 である旨が表示されていること」、「交流電源を使用していない無線設備 については、交流電源を使用している無線設備からの信号を受信した 後でなければ、電波を発射してはならない。」と規定している。 UWB無線システムの利用が屋内に限定されているため、例えばワイ ヤレスハブ等の製品が提供されているものの、利用制限もあって市場 が拡大しておらず、UWBが持っている特性をユーザーが享受できてい るとは言い難い。一方で、地上デジタル放送のみならず、民生機器にお いてもHD動画対応の商品が増えており、屋外利用が認められた場合、 ユーザーが場所を意識することなく高画質のHD動画等を楽しむことが 可能となるなど、新たな市場を築く可能性を秘めている。 米国は既に、UWB搭載機器による屋外の他の無線システムに対す る干渉対策として、屋内使用時とは異なる電力マスクを規定することで 屋外利用を認めている。日本の事業者はこのような国際的な動向を踏 まえ、海外での展開を視野に機器の開発を進めている。 UWB無線システムについては、総務省の情報通信審議会のUWB 無線システム委員会において検討が進められ、屋外利用についても、 「継続検討課題としており、引き続き検討が必要と考える。」とある(2006 年3月の報告に対して提出された意見に対する考え方)。しかしながら、 それ以後具体的検討は進んでいない。 日本においても国際的な動向に遅れをとることのないよう、米国での 導入状況も参考にしつつ、屋外利用や干渉軽減技術のあり方について 早期に積極的な検討を進めるべきである。 問題により不利益を被っている、困 UWB無線システムのユーザー、UWB無線システムを利用した機器・ っている人又は団体等 サービスを開発している企業・事業者 改善提案 (解決方法及び解決による効果) UWB無線システムの屋外利用に向けて、早期に検討を進めるべきで ある。 根拠法 無線設備規則第 49 条の 27 関連府省等 総務省総合通信基盤局電波部 備考 181 資料1-2 138 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 具体的な問題点 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) (社)日本経済団体連合会 モバイルWiMAX移動局の技術条件の見直し モバイルWiMAX(無線設備規則第49条の28に規定する送信バースト 長が5ミリ秒のもの)の移動局では、送信空中線利得が2dBi以下に制 限されている。 空中線利得2dBiは、ダイポールアンテナの利得より低い数値で、一 般に小型の機器に組み込む空中線として設計が困難である。空中線の 効率を下げる設計手法で実現する方法もあるが、設備規則第20条の 「空中線の利得および能率がなるべく大であること」とする考え方に反 し、また受信機の感度を低下させることにもなる。一方、同時期に制度 化されたほぼ同様のシステムである次世代PHS移動局では、設備規則 および関連告示によれば、空中線利得は4dBi以下となっており、モバイ ルWiMAXの空中線利得も同様に4dBiとしても何ら問題ないと考えられ る。 また、空中線利得2dBiは、日本固有の規制値である(WiMAXサービ スを展開もしくは展開予定の国・地域の規制値は2dBi以上)。 モバイル WiMAX サービスを展開しようとする企業 「規制の根拠法令」欄にある平成19年11月29日総務省告示651号の 「送信空中線の絶対利得 二デシベル以下」を「送信空中線の絶対利得 四デシベル以下」に、関連する注の「絶対利得が二デシベル」を「絶対 利得が四デシベル」に緩和すべきである。 根拠法 無線設備規則第49条の28 平成19年11月29日総務省告示651号 関連府省等 総務省総合通信基盤局電波部移動通信課 備考 182 資料1-2 139 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 京都府行政書士会運輸交通委員会 自動車保有関係手続きワンストップサービス(以下 OSS) OSS にはアプレットを用いた方式とアプレットを用いない代理人を限定 した印鑑証明等を活用した方式の2つの方式が混在している。(以下ハ 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 イブリッド OSS) ハイブリッド OSS は業界専用システムになっており、個人や代理人行 政書士が利用するためには、システム開発費用を負担しなければ利用 出来ないという。 ハイブリッド OSS は業界専用システムになっており、しかも利用者側 具体的な問題点 で開発費用を負担するという他の省庁ではみられない電子申請システ ムとなっている。結果的に OSS は国民の行政に対する申請権を奪うも のとなっている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 自動車ユーザーである国民及びその代理人である行政書士 PCの 環境設定だけで利用できる、現行のアプレットOSSの利用率を UPするためにも、住基カードを利用しなくても申請が可能な、ハイブリッ 改善提案 ドOSSをアプレットOSSに組み込むことが解決策となる。 (解決方法及び解決による効果) 資格者代理人制度を採用し、本人確認作業を行政書士の責任におい て行う という手段もある。これには、道路運送車両法、登録 規則などの 改正が必要となる。 根拠法 道路運送車両法ほか 関連府省等 国土交通省 備考 183 資料1-2 140 提出者名等 PSA株式会社 規制、制度、慣行、又は手続等の 技術的に可能なのにネットワーク型対応をしていない業務全般 名称 例えば、遠隔医療、遠隔教育、調査統計(国勢調査等) (医療分析や教育) レセプトは診療報酬請求という業務に特化して帳票レイアウトが設計 されているため、データの仕様が特定の業務に閉じている。記載される データの粒度が荒いことから他の業務(分析)に使用することができな い。別の観点から分析ができない単にレセプトという膨大な量の一次デ ータがあるのみ。 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 遠隔教育についても、単に現在の教育システムの一部だけをそのま ま電子化するという状況。この分野は自治体独自で行えることも多い が、まだ挑戦もしていない現状。 (調査統計:国勢調査) 例えば、国勢調査は 5 年に 1 回、約 650 億円をかけて調査するが、 調査客体が記入する項目の多くは行政データや他の統計調査として存 在している。また、他の統計調査も同様に、データが存在しているにも かかわらず、共有データとしての位置付けがされていないために、調査 毎にその都度データを生成するという無駄が生じている。 (医療分析や教育) 現在のレセプトでは、1 回の診療で複数の疾病に対応した場合でも請 求額は合計値のみを記載することから、個人、あるいは特定の地域で どの疾病にどれだけの費用を費やしたかはレセプトからは分からない。 業務横断的にデータを使用しようとするとたちまち破綻してしまう。 遠隔教育においては、より効率的に教育を行う手段として実現化して 具体的な問題点 いても十分な必要条件が満たされていると思われるが、それが現実化 しないところが問題点といえる。 (調査統計) 国勢調査のように現在の居住地における実態の把握、という趣旨も 理解できるが、調査頻度が 5 年に 1 回、調査結果は調査時点から 1~3 年もかかるようではめまぐるしく変化する現在の社会において十分とは 言い難い。強いていえば過去の実態を確認するだけで、現時点の政策 に調査結果を反映させることは不可能である。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 最終的には納税者 184 資料1-2 全体として(医療分析、教育、調査統計) ・データはその組みあわせを変えれば全く異なる情報を生成する特性を 有する。ネットワーク経由で個々の電子データを様々な業務に使用可 能となるように意味と粒度を整えるという最上流の検討をせずに、いき なり個々の業務をネットワークの特性に対応させることなく、現行の業 務フローのまま電子化しても砂上の楼閣を築くようなもので、データの 相互利用ができずにすぐに破たんすることは目に見えている。デジタル 技術・情報の利活用を阻むものは、データの相互利用に必要な業務横 断的な調整をせずに現行の業務フローに基づく業務に特化した帳票を そのまま電子化しようとすることにあり、この発想を変えない限り永遠に 最先端の電子行政を実現することはできないであろう。 ・法律、制度設計もさることながら、あらゆる可能性を考慮して、まず は、ネット型の業務対応が実現できるように、全体の視点でやるべきで 改善提案 はなかろうか? (解決方法及び解決による効果) そのためには、ネットワークと電子データを有効活用するための業務モ デルを検討し、その結果法制度と抵触することがあれば、単なる技術論 であれば法制度の趣旨に反しないので法制度を変えればよい。 例えば国勢調査の場合では、現在の居住地における実態の把握を全 ての世帯で行うことをせず、まず行政データや統計調査の各データをは じめとする様々な統計調査、報告、業務上の帳票のデータを業務横断 的に使用可能なようにデータの意味と粒度を整えておき、このデータを 使用して集計作業を行い、住民基本台帳と現住所が異なる部分のみを 抽出して戸別単位の調査を実施することで、毎年低コストで国勢調査を 実施し、短期間で集計することも可能になる。 また、誤差の範囲が許容できれば、戸別調査を行わず既存データによ る集計に全面的に切り替えることで、抜本的な費用削減と作業の迅速 化を同時に達成することができる。 根拠法 関連府省等 備考 185 資料1-2 141 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 NPO法人 東アジア国際ビジネス支援センター 電子帳簿保存法における簡便な対応 ①国税関連帳簿書類については、e文書法の適用から除外されてい る。商取引に関わる文書保存がe文書法で認められているにも関わら ず、国税関連書類についてのみ適用が除外されていることは、企業活 規制、制度、慣行、又は手続等の 動における文書の電子的保存の重複化を招いている。 現状 ②国税関係の帳簿書類の電磁的保存は、国税当局による事前の承認 を得ることが求められているが、その手続が煩雑で企業に大きな負担 を強いることから電磁的保存が普及せず、企業にとっても国税当局にと っても適正な納税義務の履行における効率化が進んでいない。 ①国際的な電子商取引の進展において、取引現場で発生する電子的 書類と行政手続に供する文書との一貫性は、企業活動におけるITによ る効率化を進める上で必須である。既存の法体系では、民間書面の電 子保存はe文書法に準拠して定める関連府省の政令により規定される 一方、国税関連文書の電子保存は電子帳簿保存法ならびにその関連 法及び取扱通達により規定されている。結果として企業活動における 文書の電子的保存には複数の法律が適用されることになり、企業にお ける電子文書保存を困難にしている要因の一つとなっている。 具体的な問題点 ②税務調査の際、紙に印刷した文書は証憑として有効であるが、電子 帳簿の際には電子署名並びにタイムスタンプを付した電子文書のみで は証憑として認定されず、予め電磁的記録による保存に関する承認を 受けておく必要がある。この承認を受けるためには、国税関係の電磁 的記録の生成過程である企業の基幹系情報システム全体の詳細につ いて審査を受け許可を得る必要がある。このような手続きは企業に膨 大な負担を強いるばかりか、その審査の技術的実効性についても疑問 が残る。また、現実には証拠能力への不安等から結局は紙での保管が 一般的になる原因を作りだしている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 企業全般 【改善提案】 ①電子帳簿保存法を廃し、同法の趣旨をe文書法に準拠した財務省 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 令とする。 ②国税関係の帳簿書類の電磁的保存の事前承認制を廃止する、ある いは少なくともその生成過程である情報システムの機能や処理プロセ スについては審査の対象外とする。 186 資料1-2 【根拠】 基幹系情報システムに瑕疵がある場合、国税関係の帳簿書類の不具 合以前に、企業活動や商取引に重大な支障をきたすことになるので、 企業は基幹系情報システムを十分に精査した上で運用しており、情報 システムの正当性は担保されていると考えられる。 また、電子化文書の標準的フォーマットに内在する機能(電子署名並 びにタイムスタンプ)の活用により、電子化文書の正当性担保と長期保 存は実現可能である。 【効果】 この改善によって、国税関係の帳簿書類の電磁的保存が普及し、税 務調査の際に発生する膨大な紙文書の準備作業が削減されるととも に、担当税務官の紙による調査過程も大幅に効率化されることが期待 できる。 同時に、企業のペーパーレス化が進展すると同時に、電子文書に対 する信頼性の比重が増すことで、IT の浸透が増進する効果が期待でき る。 電子帳簿保存法 根拠法 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の 特例に関する法律施行規則 電子帳簿保存法取扱通達 関連府省等 国税庁 備考 187 資料1-2 142 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 財団法人 日本データ通信協会タイムビジネス協議会 電子署名及び認証業務に関する法律 規制、制度、慣行、又は手続等の 電子署名の長期的な検証に対する制度的な配慮を十分に行っていな 現状 い ①検証を行った時点で電子署名が失効していて当該電子データの信憑 具体的な問題点 性を担保できなくなる可能性がある。 ②検証方法が正しいことを公に確認する手段がない 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 電子署名を活用して電子データの信憑性を担保しようとする人 ①電子署名とタイムスタンプを併用することで、電子データの完全性を 将来にわたって担保できることを公知することで、安心して電子化を 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 進めることができる。 ※長期署名プロファイルが 2008 年 3 月に JISX5092/5093 として JIS 標 準化されています。 ②検証ソフトウェア認定を制度化することで安心して電子化を進めるこ とができる。 電子署名及び認証業務に関する法律 根拠法 電子署名および認証業務に関する法律の施行状況に係る検討会報告 書(H20 年 3 月) 関連府省等 総務省、経済産業省、法務省 備考 188 資料1-2 143 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 財団法人 日本データ通信協会タイムビジネス協議会 国税関係の証憑類の電子化 改正電子帳簿保存法におけるスキャナ保存による認可が進んでいない ①具体的な対応方法が解りにくい 電子帳簿保存法の施行規則、取扱通達等で、要件は示されているも のの、当局に個々に問い合わせると、その解釈により明文化されて 具体的な問題点 いない事項も要求され、どこまでやれば認可が得られるのか不透 明。 ②「帳簿代用書類」のスキャナ保存による電子化対応可否が不透明。 ③領収書、契約書でスキャナ保存できるのは3万円未満の取引書類に 限られる 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 各企業 ① 当局及び、民間のユーザー企業、関連団体などの参加により、より 具体的な電子化ガイドラインやQ&Aなどを作成公開することで、電 子帳票システムの利用を前提に承認を得ている企業に対して現実 に即した対応を行うことができる。 ② スキャニングによる電子化によりその管理は紙より遥かに効率的に 行うことができ検索性も向上する。 電子署名・タイムスタンプを付加 することによりスキャニングした書類の真実性が担保される。 見積 改善提案 書や請求書のような原始証憑である「帳簿代用書類」は、資金や物 (解決方法及び解決による効果) の流れに直結・連動する書類として定義し、適時入力方式以外の方 法によるスキャナ保存による電子化が可能である旨を明確にするこ とで電子化が推進される。 ③ スキャニングした書類は、電子署名・タイムスタンプを付与することに より真実性を担保できるため、特に取引書類に記載されている金額 に上限を設けることなく電子化を容認することで帳票類の選別作業 が不要になり、統一したシステムによる運用が可能となり電子化が 推進される。 根拠法 e 文書法、電子帳簿保存法 関連府省等 財務省、国税庁(局) 備考 189 資料1-2 144 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 財団法人 日本データ通信協会タイムビジネス協議会 建築図書、図面の電子保存 ・ 建築確認申請の電子化が実現されておらす、15年間もの保存義務 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 がある建築関係図書や図面を電子的に保存できない。 ・ 長期優良住宅制度のスタートに伴い、建物の維持管理情報の長期 保存が必要となったが、電子保存の要件が示されていない ・ 建築士向けの公開鍵認証基盤が未整備 設計図面等への電子署名に必要となる建築士向けの電子証明書の 具体的な問題点 発行基盤が未整備。 ・建築図書などの電子保存の要件が示されていない 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 ・建築、設計会社、確認申請機関 ・ 建築士向け公開鍵認証基盤の整備 現在の認定認証業務を用いる事も可能だが、各認証局に対して、建 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 築士の国家資格属性を確認する際の基準を示すことが必要。 ・ 建築図書、等の電子保存ガイドライン作成の検討会を設置し具体的 な要件をガイドラインとして示す事が望まれる。 根拠法 建築基準法、建築士法、建築業法など 関連府省等 国土交通省 備考 190 資料1-2 145 提出者名等 個人28 規制、制度、慣行、又は手続等の デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等の重点点 名称 検」に関するパブリックコメントの募集 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 本パブコメの募集そのもの 広く国民から意見を募集するという趣旨は非常に理解できるが、法律 の専門でもない国民から「必須」項目として、「根拠法」を求めるのは如 何なものかと思います。専門家でも根拠法を示すには相当の知識や調 具体的な問題点 査が必要です。 根拠法などは、国民の側に、「問題点のある法令条文 を示せ」とするのは、政府側の姿勢の怠慢であると思いますが。。。 ま た、まさにこの必須項目自体が意見提出の阻害要因になっていると感 じます。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 本パブコメに意見提出をしようとしている国民 根拠法までは求めることなく、真の意味での国民の意見を募集する要 項・要領にすること。根拠法くらいは政府・行政側で対処する。 根拠法 わからない。 関連府省等 政府 備考 191 資料1-2 146 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人29 ダウンロード違法化について 本来行う必要のない「受け手」への違法化政策によって、社会全体の 自由な情報のやり取り、情報化社会の進展が阻害されようとしている。 たとえ、その情報がいかなる性質を持っていようと、情報の取得者ま でを法的処罰規定に含めることは、例えば、TVで、戦争などの残虐な 映像が流されたとして、その行為者だけでなく、視聴者をも、「人権侵害 者」として定義し、犯罪者扱いすることと全く同義のシステムだと言えま す。とりわけ、著作権法「改正」案の場合、違法な形で著作物を配信した 側と、その画像や映像・音楽等々を視聴した側が等しく「著作権法違反」 に当てはまってしまうわけで、捕虜を虐待している映像を見た人が虐待 具体的な問題点 当事者と同じように「戦争犯罪人」になってしまう図式は、より一層濃厚 と言えます。また、法の不条理以外にも、取得者は基本的に、配信され ている情報が違法なプロセスを踏んでいるかどうか、確認できる立場に なく、情報の「受け手」への違法化規定は、善良な市民に過度の恐怖を 抱かせ、情報に触れることを阻み、結果として情報化社会そのものの発 展の妨げになりかねないリスクがあります。 情報の取得者ではなく、違 法配信者の摘発を重点化しなければ、違法コンテンツ配信が抑制でき ないことは自明であり、取得者への違法化規定は、実効性が見込めな いばかりか、極めてデメリットの大きい施策と言えるでしょう。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 日本国民・住人全般 著作権法第30条第1項第3号を削除する。 根拠法 著作権法第30条第1項第3号 関連府省等 文化庁 備考 192 資料1-2 147 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人29 児童買春禁止法、ならびに児童ポルノ規制について 広範かつ曖昧な定義、客観的証拠ではなく、「鑑定」と言う名の主張によっ て立件可能な現状、二次的行為については、被写体である人が既に児童 ではなくても「児童に対する人権侵害」が適用されるなど、極めて多くの問 題がある。また、取得者・所持者側などの「受け手」に対する規制は、全て 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 の国民にとって脅威となる。 いわゆる「児童買春」事案に関しては、大多数 が「合法」である未成年者側からの誘いがきっかけであること、出会い系サ イトにおいて成人・未成年者を問わず「不正誘引」を規制する法律が効果的 に運用され、減少に極めて大きな力を発揮していることから、「児童買春」に ついては、児童ポルノ法と分離させ、「未成年者売買春禁止法」等と名称を 改めるとともに、売り手、買い手ともに罰則を設け、不正誘引を禁じる法律 を作るべきである。 規制を推進せよという声も多い児童買春・児童ポルノ禁止法ですが、この 法律に関しても、処罰範囲を所持者・取得者にまで広げてしまうと、ただ単 に画像や映像を見ていたというだけの人が、製造者と同様の「人権侵害者」 として逮捕されてしまうという状況が生まれてしまうことになります。また、 「児童ポルノ」における「児童」の基準が、「十八歳未満」と高く、現行法では 「衣服の全部または一部を脱いでおり、性欲を喚起させる」と当局が判断し たものであれば児童ポルノになってしまうという、広範かつ曖昧な定義があ ること、そして、いかなる意図で画像を閲覧・所持していたにせよ、該当する 画像や映像で被写体となっている人の年齢を、当事者でもない人が見た目 だけで正確に判断することは事実上不可能で、著作物よりも更に、コンテン ツの違法性を認識することが困難、すなわち、情報を所有した人が、その行 具体的な問題点 為を犯罪と判断することがほぼ不可能という状況があります(日本における 「児童ポルノ」のほとんどが、十三歳以上十七歳以下の未成年者が被写体 となっているというデータと併せて考えると、情報に触れたからと言って犯罪 性を判断することはほぼ不可能と言っていいでしょう)。 これに対し、取り締 まる当局の側は、客観的データによって、被写体が未成年者であることを 証明し、コンテンツが違法であると立証する必要すらないのが現状で、たと え被写体の個人特定ができなくとも、「鑑定」というプロセスを踏み、この画 像や映像に出ている被写体は未成年者であると主張しさえすれば立件が できてしまうというのが現実です。また、児童ポルノ禁止法は、あくまで「実 在児童の人権を守る」のが目的で、だからこそ、違反した人を「児童に対す る人権侵害者」として摘発することができるわけですが、現行の基準では、 製造された段階で児童であれば(あるいは児童であると主張することが可 能なら)、たとえどれだけ時間が経過していようと、提供等の二次的行為に 193 資料1-2 ついても、「児童ポルノ禁止法違反」、つまり、児童に対する人権侵害だとし て逮捕することができますが、そのために、被写体が十六歳の時に「製造」 され、二十年後、あるいは五十年後に「提供」されたような場合でも、提供者 は、児童に対する人権侵害者としての罪状が科せられてしまっているのが 現状です(無論、その行為が普遍的な意味での人権侵害の性質を有してい ることもあり得るでしょうが、「児童に対する人権侵害」という定義と、それに 伴う罪状の付与は、あくまでコンテンツの性質ではなく、児童に対する人権 侵害の実際的な有無によって考えられなければなりません)。 言うまでもな く、「実在児童の人権侵害」とは、写真や映像に実在の児童としての人権を 付与するのではなく、その行為によって、「児童に対し、人権侵害があった かどうか」が問われなければなりません。現在の基準では、百年前に撮影さ れ、既に被写体が亡くなっていることが明らかになっているような写真や、 被写体が既に成人していることが明らかになっているコンテンツに対して も、「児童に対する人権侵害」が当てはめられ、存在すらしていない「被害児 童」が「事件発生の度に作られている」のです。 「受け手」に製造者や販売 者と同様の法的責任性をかけていく不条理はもちろんですが、広範かつ曖 昧な定義や、警察側の立証責任を半ば免責しているような「鑑定」、そして、 「被害児童」が存在していないことが明白なのにも関わらず、「児童に対する 人権侵害」の規定が適用されている現状等が是正されない状況での取得 罪・単純所持罪設置は、警察当局が、逮捕したい人間を好きなだけ逮捕す ることができるシステムの始まりを意味することになるでしょう。情報を「受け る」ユーザー側には、そもそも、児童ポルノかどうか認識する術がなく、対す る警察側は、「鑑定」だけでも、取得された時点で被写体が、既に児童でなく ても立件が可能で、定義すらいくらでも拡大解釈できるとあれば、老若男女 関係なく、全ての国民が、「児童に対する人権侵害者」というレッテルで逮捕 される脅威にさらされることになります。また、たとえ、「受け手」に罰則を科 しても、児童ポルノ拡散の抑制に繋がらないことは、日本よりも、単純所持 規制を設置している米国などの方が遥かに、児童ポルノの拡散が深刻とい う状況からも明らかです。 非常に良好に児童ポルノ拡散の抑制ができてい る日本において、これ以上の法的処罰範囲の拡大は必要ありません。有償 か無償かを問わず、取得罪の設置は必要なく、無論、単純所持処罰規定も 必要ありません。改正されるべきは、現行法に存在する広範かつ曖昧な定 義と、客観的年齢特定を経ずして「鑑定」のみで立件でき、二次的行為にお いては、被写体が既に児童ではないとはっきりしていても「児童に対する人 権侵害」の構図を無理やり当てはめてしまえる運用上の問題です。「児童ポ ルノ」の定義を、性的虐待にあたるものと厳密化し、絞り込んだ上で、二次 的行為においても、客観的な年齢特定が立件には必要であり、また、二次 的行為がなされた際、被写体が未だに児童であったことを立証しなければ ならないとするような新たな法的基準が必要とされるところです。 また、い わゆる「児童買春」に関しては、大多数が未成年者からの誘いによって事件 194 資料1-2 が発生していることが明らかになっています。「児童買春」は、あくまで買い 手側だけを罰する法律で、売り手側が罰せられることがなく、必然的に違法 行為よりも「合法行為」の方が行いやすいのがその原因です。どれだけ熱 心に売春していたとしても、無条件で「被害者」となる現行法の基準を抜本 的に改めなければ、この問題に対処することはできません。実際に、未成 年者による売春行為勧誘を「不正誘引」だとして法的処罰対象にしたのが、 出会い系サイト規制法ですが、その事がきっかけで、出会い系サイト内にお ける児童買春事案は、極めて顕著な減少ぶりを示しており、「児童買春」事 案に対処するには、売り手と買い手の双方を罰する基準が効果的と、改め て証明される結果となりました。 未成年者が出演する違法なポルノや、「売 ったにも関わらず被害者」という規定を利して、買春者側の弱みを一方的に 握ることで、美人局や、全く関係のない犯罪グループの構築の温床にもなっ ていると言われている「児童買春」事案に抜本的な対処をするためには、 「被害児童の保護」を法的趣旨としている児童ポルノ禁止法と児童買春禁 止法を切り離し、「未成年売買春禁止法」というような形に名称を改め、買い 手と売り手双方に罰を設けることが必要になってくると思われます。また、そ の際、売買春を誘った段階で罪とする「不正誘引」規定を、問題の大きい出 会い系サイト禁止法を解体再編する形で含めれば、対策はより一層盤石な ものになるでしょう。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 全国民 法的処罰範囲は現行法のままにとどめ、広範かつ曖昧な定義と、違法性 の立証や「児童に対する人権侵害の有無」の立証がないがしろになってい る運用状況を抜本的に是正できるような法改正。また、児童買春禁止法 は、児童ポルノ禁止法から分離、「未成年売買春禁止法」といった形に名称 を改め、売り手買い手双方に罰を設け、「不正誘引」規定も含める新法を設 置する これによって、恣意的な警察当局の権力行使を防止し、誰でも分か 改善提案 るような形で定義を明確化、絞り込むことで、無用な恐怖に善良な市民を晒 (解決方法及び解決による効 してしまうことを防ぎ、「児童に対する被害」という法的趣旨に沿わせること 果) で、法の不条理性も減少させることができる。 また、未成年者売買春事案 を根底から減少させることができ、違法な「性産業」を抑制すると同時に、美 人局的に弱みを握っての恐喝や、犯罪グループへの引き込みなど、言わば 二次的犯罪を防ぐことができる。また、「援助交際」を起点とした違法なポル ノ配信や製造などといった現状に、根本から対処することは、児童保護の観 点から有用であり、二次的な犯罪の引き金に、未成年者が使われてしまう ことからも保護することができる。 根拠法 児童買春・児童ポルノ禁止法 関連府省等 警察庁 備考 195 資料1-2 148 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人29 青少年ネット規制法、携帯フィルタリング義務化について 青少年に対する、過剰な「有害情報」規制が行われている。 違法でもない情報に「有害」といったレッテルを貼り、青少年から隔離 することは、青少年保護を意味するものではありません。確かに、現 在、十八歳未満の未成年者は、いくつかの種類の情報を取得すること を制限されているのが現状ですが、それは必ずしもベストの選択肢と言 えるものではなく、また、規制する情報の種類の範囲を拡大する一連の 施策を正当化するものではありません。青少年が得られる情報の範囲 を統制することは、従来よりも、青少年が情報を知るという権利を狭め、 監視下に置くことに他ならず、同時に、「有害」とレッテルを貼られた情 具体的な問題点 報を、より強力な統制下に追いやることを意味しています。また、青少 年を情報統制環境に置けば置くほど、彼らが成人となり、自由に情報に 触れられるようになった際のギャップが大きくなることにもなります。情 報化社会を生きる次代の若者には、従来よりも更に、情報の取捨選 択、メディアリテラシーの能力が必要となってきますが、統制化された社 会環境に置かれては、そうした力を養うことはできません。自由で多様 な考えを持つ青少年を育てるためにも、未成年者への情報制限は極力 抑えるべきであり、ネット情報を統制するような法律は撤廃されるべきだ と考えます。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 青少年を含む全国民 青少年ネット規制法の廃止及び、パソコン、携帯電話等に関するフィ ルタリングに代表される統制的施策の抜本的是正 青少年ネット規制法(正式名称は、「青少年が安全に安心してインター ネットを利用できる環境の整備等に関する法律」)等々 総務省 備考 196 資料1-2 149 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 個人30 児童ポルノ法改正案について 廃案となったが、特定の創作物及び芸術作品に対して、明らかでない基 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 準によって児童ポルノとされ、文化が著しく損なわれる可能性が、自民党案 及び、民主党案に存在している。 その中でデジタル技術を用いた作品の多 くが規制により不当な扱いを受ける危険がある。 これらが、十分に議論を 重ねず、将来的に法制化される危険性ある。 まず、第一にアニメーションやゲームなど日本が世界に誇る先進的文化 まで規制対象となる危険性がある。 未成年主人公を題材とした作品なども 日本のアニメーションやゲーム、漫画などではあり、バラエティ要素を作品 に盛り込むためのシーンまで対象になりかねない。 性欲を興奮させるかさ せないかなどという曖昧な表現では、人の持つフェティシズムは多種多様で あり、そういった意味で適当ではない。 また、近年のアニメーションなどに 具体的な問題点 多く使われている表現技法として、あえて可愛らしく描くことが多々あり、そ れはあくまで表現技術である。 仮に法制化された場合多くの冤罪や不当な 摘発が相次ぐことは、自明である。 現在国民の多くが、アニメーションやゲ ームなどの作品を娯楽としていて、それらの一部といえど不当な規制を受 けたら、生産力の低下に加えて、治安の悪化も懸念される。 また、とてもそ れに携わる人の多くが非常に厳しい体制下でも創作をしていて、他分野に 利用可能な技術が非常に少なく、彼らの再就職が極めて困難である事も考 慮されるべきである。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 アニメーション制作会社、ゲームメーカー、アダルトゲームメーカー、フリー ランスのゲーム製作関係者、アニメ制作関係者、アニメーションやゲームな どの文化愛好者 児童ポルノの定義を従来の状態で維持し、現行法上で運用する。 創作 改善提案 (解決方法及び解決による効 果) 物などは加えない。 海外の女性差別撤廃関連の対策は現行法に基づい て厳正に対処する。 そして、取調べにおいて、自供による統計及び家宅捜 索による統計で参考データの作成を図る。 あくまで、どのような物でも表現 物は明確な科学的データが示されない以上規制されるべきではない。 学 者、政府、業界、消費者による、開かれた議論の場を設ける。 根拠法 憲法、DV 防止法、刑法 関連府省等 警視庁 既にゲームなどの文化は 20 年ほどの歴史があり、これまでも規制に関し 備考 ての議論はあったのに、参考となる統計が少ない。 また、日本が児童ポル ノ発信大国というのは間違いである。 これはイタリアの児童保護団体テレ フォノ・アレコバレーノによる児童ポルノサイト数の統計やに基づいている。 197 資料1-2 150 提出者名等 規制、制度、慣行、 又は手続等の名称 個人29 出会い系サイト規制について 出会い系サイト規制法の設置により、「不正誘引」の対象となる児童買春・淫行事案 を取り締まる法律及び条例では、無条件で被害者と定義され、法的な処罰対象とは ならないはずの未成年者が、犯罪行為には当たらないはずの行為の「誘引」で逮捕さ れたり、あるいは、既存の法律や条例には違反していないはずの行為を誘っただけで 犯罪者になってしまうというような、法的整合性の点からあまりに矛盾した状況が常態 化している。また、法の定義があまりにも広く、直接会うだけではなく、文通やメール のやり取りを呼びかけただけでも「不正誘引」となってしまう危険や、一般サイトが「出 規制、制度、慣行、 会い系サイト扱い」され潰されてしまう危険すらある。 また、一般的に適用されている 又は手続等の現状 法律基準よりもずっと厳しい定義を設けてしまったために、今まで出会い系サイトを利 用していたユーザーが一般サイトに「流入」し、これまで限定されていた出会いを欲す る雰囲気やトラブルが、一般サイトへも拡散・波及し、混乱を招いているという現状も ある。 「不正誘引禁止」規定による、双方罰則付与により、児童買春事案が顕著に減 少した有用性を活用するのであれば、まず、「児童買春禁止法」を、「未成年者売買春 禁止法」といった形に改め、売り手買い手双方に罰則を付与する法律を定めた上で、 「不正誘引」規定を条文に定めるような形を取ることが、法的整合性や、矛盾解消の 面から必要となってくると思われる。 いわゆる「出会い系サイト規制法」は、単に出会い系サイトの運営の指針を示すにと どまらず、利用者に対して、一般法とは違う「特別法」として機能してしまっている側面 があります。例えば、規制法では、児童買春(未成年者を当事者とした売買春行為) をはじめ、様々な行為に関する勧誘行為を「不正誘引」だとして罰則を設けています が、その際、処罰の対象になるのは、成人側だけではなく、未成年者も罰せられま す。しかし、現在日本で運用されている法律及び条例においては、仮に未成年者側 から誘ったとしても、未成年者は、児童買春及び淫行事案の被害者として見なされる ことになっており、少なくとも未成年者に関して言えば、現行法で違法にならない行為 具体的な問題点 を誘っただけで犯罪者になってしまうという非常に矛盾した状況に置かれています。 また、「対償を供与することを示して、異性交際の相手方となるように誘引すること」こ とのように、法令ではおろか、条例にも抵触しない可能性が高い行為の誘引でも罰せ られる他、法改正によって、「前各号に掲げるもののほか、児童を異性交際の相手方 となるように誘引し、又は人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること」 も犯罪行為となり、「交際」の範囲は直接会うだけではなく、手紙や文通、電子メール でのやり取り等も含まれるという報道もなされています。つまり、法で「出会い系サイ ト」と定められたサイトに未成年がアクセスし、電子メールのやり取りを希望しただけで 未成年者が犯罪者になってしまいかねない状況が生まれているのです。内容が合法 198 資料1-2 であれば、法に抵触するはずのない、コミュニケーションを誘うことまでをも犯罪とする この法律の矛盾は深刻なものがあります。 一般的に通用する既存法の基準と比べ て、あまりにも厳しいこの法律の定義は、今まで出会い系サイトを利用していたユー ザーが、一般のサイトに「流入」していくという事態を招きました。誰しも、逮捕されるリ スクを避けたいのは一緒ですから、こうしたユーザーの姿勢は当然と言えますが、そ のために、今まで出会い系サイトに限定されていた、出会いを欲する状況やトラブル が一般サイトにまで波及・拡散し、混乱をより広げているという現状が生まれていま す。 更に、「出会い系サイト」の定義も曖昧で、実際問題として、あらゆるサイトやブロ グ、掲示板などが人の出会いを促す性質も有し得る点などを考慮すると、あらゆるサ イトを当局が「出会い系サイト」扱いし、届け出がないということで、「出会い系サイト規 制法違反」を適用し、サイトを潰して回ることも、利用者のやり取りに介入し、違反であ るとして「犯罪者」を作り出すことも可能な法システムとなっており、サイトを運営する 側、利用する側が、本来確実に合法でしかあり得ないサービスや行為を非常に行い 辛くなるという状況が生まれつつあります。極論ですが、何らかの趣味のサイトやブロ グを運営していただけでも、「出会い系サイト規制法」の基準には抵触しかねないとい うのが現状なのです。 「不正誘引」基準の創設により、未成年者の側が起点となって いた、多くの児童買春事案を抑制できたという効果を無視することはできませんが、 完全に合法な行為での「誘引」で、犯罪者が生まれたり、本来完全に合法なサービス を提供しているだけにも関わらず、「出会い系サイト」として届け出なければ摘発の恐 れがあるという状況は、早期に是正する必要があります。既存法に矛盾するこの法律 は、少なくとも、法律違反にはなり得ない層(未成年者)、や行為(児童買春や淫行事 案には当たらないケース)による誘引は不問とし、サイト届け出義務を撤廃する等の 抜本的是正を行う必要があろうかと思います。 また、もし仮にこの法律内に存在する 「不正誘引」規定を有効に活用するというのであれば、例えば「児童買春」を現行法の 枠組みから分離させ、「未成年売買春禁止法」等と改め、成人、未成年者を問わず、 売り手と買い手双方を罰するような形の法律に条文として付け加えるといった措置 が、法的整合性の面から必要であるように思われます。 問題により不利益を 被っている、困ってい 未成年者を含む国民全体 る人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決 による効果) 根拠法 関連府省等 法全体の抜本的改正・あるいは、「不正誘引」等の法律の一部規定を、別法内の条 文として設置。これによって、法律に存在していた整合性の面からの矛盾や、「出会い 系サイト認定」によるサイトに対しての検閲性などの部分も解消され、「出会い系サイ トでは違法でも、その他のサイトなら合法」のような「抜け道」を塞ぐこともできる。 出会い系サイト規制法(正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用して児童を 誘引する行為の規制等に関する法律」) 警察庁 備考 199 資料1-2 151 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人31 刑法、不正アクセス禁止法等 ウィニーなどファイル交換ソフト等により情報を、その管理につき正当 規制、制度、慣行、又は手続等の な権原のない者が入手した場合、その情報を故意に拡散させる行為に 現状 つき、罰則がないなど、刑法等の処罰規定が、財物等に対する刑罰と 比べて、日本の現在の社会に適合していない。 神奈川県高校授業料データがインターネットに流出した件につき、先 日、容疑者が逮捕されたが、容疑は、日本IBMの著作物である、仕様 書等をインターネットに流したことによる、公衆送信権の侵害であり、容 疑者が授業料のデータだけを流せば、立件は不可能であったと推測す る。しかしながら、本件逮捕については多くのメディアが報道し、私の見 た範囲では、ことごとく報道の見出しは「授業料データを流出させた者 が逮捕された」とのことである。メディアが国民感情を代表しているとは 具体的な問題点 断言できないが、ある程度は反映していると考えると、国民感情として は、情報の二次流出行為についても処罰を求めていると考える。 ま た、刑法では占有離脱物ですら占有離脱物横領罪が成立することと比 べて、刑罰があまりに貧弱である。 デジタル情報の利活用の推進に は、デジタル情報を安心して利活用できるよう、正当な権原を有する者 を保護するため、必要な法令を整備すべきである。 なお、この二次流 出行為について民事的責任追及は可能であると思うが、それは刑事罰 を課さない理由にはならない。(そういう理由であれば、殺人行為、傷害 行為等も民事的責任追及は可能である。) 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 行政機関や企業の抱える個人情報、企業情報は膨大であり、すべて の個人、企業、行政機関その他の団体が潜在的には、刑法等の不備 により、被害を蒙る可能性がある デジタル情報にふさわしい法的保護を与えるべく、とくに手薄な刑法を 整備する。最低でも、刑法の財産に対する罪を参考に、情報に対しても 同等の保護を与えるようにする。 根拠法 刑法、不正アクセス禁止法等 関連府省等 刑法であれば法務省だが、新法を制定する場合は所管が不明 備考 (任意項目を入れないとフォームを送信できないのは、フォームがお かしいと思う。) 200 資料1-2 152 提出者名等 (社)電子情報技術産業協会 規制、制度、慣行、又は手続等の 特定健診の保健指導におけるTV会議を活用した遠隔面談の実現、及 名称 び支援ポイントの加算 特定健診・保健指導の制度においては、ITを活用した遠隔面談が、 - 初回面談では認められていない 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 - 2回目以降の継続的な支援においても、ポイント数は電話と同 等の扱い となっており、ITの利活用が進まず、非効率であるとともに、関係者の 負担が大きい。 保健指導の実施者は、医師等の有資格者に限定されており、これ らの有資格者は地理的・職域的に偏在している。しかしながら、現行制 度下では、保健指導の実施者が不足(不在)している地域や職域の対 象者でも、初回面談は直接面談を受けなくてはならないとされており、I Tを活用した遠隔面談は認められていない。また、初回面談以降に予定 具体的な問題点 されている「6ヵ月後の評価」や「3ヵ月以上の継続的な支援」において も、ITによる遠隔面談は個別支援(直接面談)ではなく、電話支援とみな され、ポイント数が低く抑えられている。 この結果、対象者は保健指導の実施者と面談するために時間的・金 銭的コストを負担しなければならない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 国民、保健指導実施者、保険者 ■ 保健指導の実施者が不足している地域や職域において、以下の通 り、保健指導におけるITを活用した遠隔面談を直接面談と同等の 措置とすることを提案する。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 1) 初回面談における遠隔面談の実施 2) 初回面談以降の継続支援における、遠隔面談の支援ポイ ント配点加算 (直接面談と同配点) ■ 上記を実現するために、まずは、ITを活用した遠隔面談の有効性 の検証を行うことを提案する。 根拠法 関連府省等 特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成十九年 厚生労働省令第百五十七号)第7条及び第8条 厚生労働省 健康局 備考 201 資料1-2 153 提出者名等 (社)電子情報技術産業協会 規制、制度、慣行、又は手続等の レセプト情報の 2 次利用(分析等)を考慮した電子フォーマットの変更に 名称 関する要望 厚労省保険局長通知 保発第 0410006 号「光ディスク等を用いた費用 規制、制度、慣行、又は手続等の の請求に関して厚生労働大臣が定める方式及び規格並びに電子情報 現状 処理組織の使用による費用の請求に関して厚生労働大臣が定める事 項及び方式について」 において、フォーマットは既定されている。 レセプトオンライン化に伴い、診療報酬請求として用いられているレセプ ト情報の 2 次的な利活用が保険者等において広く検討されている。しか し、現在のフォーマットにおいては、傷病・診療行為・調剤がまとめて記 具体的な問題点 載されており、それらを関係付ける情報がない。そのため、どの傷病で どのような診療行為が行なわれたかを判別するためには、医学的知識 を持った専門家が事後的に分類しなければならない。オンライン化され た大規模なレセプトデータを 2 次的に利活用するためには、分類/識別 を人手で行う必要があり、膨大な手作業を要する。 問題により不利益を被っている、困 レセプト情報の 2 次利用(分析等)を行なっている研究機関・事業者・保 っている人又は団体等 険者。 ・レセプトのフォーマットを、傷病名毎に診断・診療行為・調剤を区別でき るようにする。(例:診断・診療行為等の関連付けできる識別子を導入す 改善提案 る等。) (解決方法及び解決による効果) ・医科レセプトと対応する調剤レセプトとの対応関係が識別できるように する。 (例:調剤レセプトに診療毎に区別できるID を記載/付与するな ど) 根拠法 関連府省等 厚生労働省保険局 備考 202 資料1-2 154 提出者名等 (社)電子情報技術産業協会 規制、制度、慣行、又は手続等 個人データに関する事故が発生した場合における、本人への通知、公 の名称 表、および主務大臣への報告(以下総称して「報告等」)の義務 例えば以下のような、個人データの漏洩を防止する技術的措置を講じ ている中で発生した事故についてまで、報告等が義務づけられている。 a)個人データについて高度な暗号化等の秘匿化が施されている状態で紛 規制、制度、慣行、又は手続等 失した場合や、個人情報を構成するデータを複数に分散・割符化し一 の現状 部のデータのみでは復号できないようにした状態において当該一部の データのみを格納したノート PC や可搬記憶媒体等を紛失した場合 b)秘匿化が施された個人データを紛失したが、その直後に当該個人デー タを破壊したことを確認できた場合、など 本人の権利・利益を損なわない事故についてまで報告等の義務が課さ 具体的な問題点 れていることから、情報漏洩を防止する技術が安心・安全ではないとの誤 解が助長されるとともに、こうしたデジタル技術の開発・利活用に対するイ ンセンティブが削がれている。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 個人情報取扱事業者※全般 (※個人情報の保護に関する法律第 2 条第 3 項) 個人データの漏洩を防止する特定の技術的措置を講じている中で発 生した事故について、報告等を省略できることとする。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 特定の技術的措置を講じておくことが報告等の要請されない安心・安 全な対策であるとの社会認識が醸成されれば、事業者は挙って当該技術 的措置の導入を推進することになるため、個人情報の漏洩防止は勿論、 デジタル技術の開発・利活用が促進される。 各省庁の示す個人情報保護ガイドライン。例として、 ・ 「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」第 22 条 第 1 項~第 3 項 ・ 「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とす 根拠法 るガイドライン」2-2-3-2 安全管理措置(法第 20 条関連)組織的安全 管理措置【各項目を実践するために講ずることが望まれる手法の例 示】⑤「事故又は違反への対処」を実践するために講じることが望ま れる手法の例示(オ)(なお本ガイドラインでは、「電気通信事業にお ける個人情報保護に関するガイドライン」と異なり、本人への通知や 公表を省略できることとされている) 関連府省等 内閣府、総務省、経済産業省、など 備考 203 資料1-2 155 提出者名等 (社)電子情報技術産業協会 規制、制度、慣行、 個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」)第 2 条第 1 項に定められ 又は手続等の名称 る 「個人情報」の定義 「特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、 それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」(個人情報保 規制、制度、慣行、 護法第 2 条第 1 項)の判断基準が明確でないため、匿名化された個人に関する情報 又は手続等の現状 (個人情報から「特定の個人の識別を可能にする情報」が削除されたものをいい、以 下「匿名化情報」)についてまで、個人情報保護法の適用対象となるかのような誤解 を生んでいる。 従業者が匿名化情報にしかアクセスできない場合(例えば、匿名化された携帯電 話のアクセス情報や位置情報等のほか、社内規定上・運用上当該従業者が「特定の 具体的な問題点 個人の識別を可能にする情報」にアクセスできない措置が講じられている場合、など) にも、誤解を避ける為に個人情報保護法への配慮※が要請され、匿名化情報の利活 用が阻害されている。 ※ 本来過剰である対本人手続きや、匿名化情報の社外開示断念など 問題により不利益を 被っている、困ってい る人又は団体等 個人情報取扱事業者※全般 (※個人情報保護法第 2 条第 3 項) 例えば総務省や経済産業省の示すガイドラインで既に以下の方針が示されている ことをふまえて、これを更に推し進め、従業者が匿名化情報にしかアクセスできない 場合は、当該匿名化情報については個人情報保護法が適用されないことを、各種ガ イドライン等に正面から明記する。 ・ 「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」(以下「総務省ガイ ドライン」)第 2 条解説(6)で「他の情報との照合が容易でない場合」の例として、 改善提案 (解決方法及び解決 による効果) 「内部でも取扱部門が異なる等の事情により照会が困難な場合」を挙げている。 ・ 「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライ ン」(以下「経済省ガイドライン」)2-1-1「個人情報」(法第 2 条第 1 項関連)※2 が 「通常の作業範囲において」とし、かつ「『個人情報保護に関する法律についての 経済産業分野を対象とするガイドライン』等に関する Q&A」(以下「経済省 Q&A」) No.14 も事業者内で容易照合性を欠く場合について言及している。 これにより、デジタル情報である匿名化情報の利活用が促進され、デジタル技術を 用いて国民生活の利便を向上させるような、クリエイティブな新市場の創出の環境整 備に寄与する。 ・ 個人情報の保護に関する法律第 2 条第 1 項 根拠法 ・ 各省庁の示す個人情報保護に関するガイドライン。例として、 総務省ガイドライン第 2 条解説(6) 204 資料1-2 関連府省等 経済省ガイドライン 2-1-1「個人情報」(法第 2 条第 1 項関連)※2 経済省 Q&A No.14 内閣府、総務省、経済産業省、など 備考 205 資料1-2 156 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 (社)日本画像情報マネジメント協会 e-文書法 e-文書法は法令で要求される文書(紙)をデジタル技術で利活用する ための基盤となる重要な法律であるが、普及は進んでいない。 ① e-文書法の認知度が低い 当協会が行った調査では3割ほどの認知度。 ② 対象となる書類が分かりにくい e-文書法対象書面名と適用条文について首相官邸 IT 戦略本部の HP に掲載されているが法令名からの分類である。民間事業者から 見て具体的に何の書類が対象となっているのか具体的書類名から 判断できる一覧表が必要である。また法令、施行規則等の変更に対 応するために継続的な調査、発信が必要である。 具体的な問題点 ③ 国税対象書類は要件が厳しく、特に関連する会計システムの電子 帳簿保存法要件との関係がわかりにくく、ユーザー企業の理解も得 られていない。また正しい要件が知られていない 当協会が行った調査では7割以上の人が「要件がきつい」ことを 挙げている。特にスキャン者の特定に電子署名法に基づいた電子 署名が要求されるが自然人の実印に相当するものであり、会社業務 で用いるには抵抗がある。 またスキャナ保存を行う為には関連する帳簿(会計システム)が電子 帳簿保存法の要件を満足する必要があるが、その正確な要件の認 識が遅れているため、スキャナ保存が認められないケースがある。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 各企業 206 資料1-2 ①e-文書法の認知度が低い; Q&A、ガイドラインの作成、セミナ、Webなどでの情報発信と継続的 普及啓発活動 ②対象となる書類が分かりにくい; 民間事業者での文書の分類(税務関係書類、社内文書、社外文書な ど)に応じて、具体的に何の書類が対象となっているのか、判断でき 改善提案 (解決方法及び解決による効果) る一覧表を作成と継続的な見直し。 ③国税対象書類は要件が厳しく、特に関連する会計システムの電子帳 簿保存法要件との関係がわかりにくく、ユーザー企業の理解も得ら れていない。また正しい要件が知られていない; ・国税対象書類のスキャナ保存(電子帳簿保存法)で要求される 電子署名の要件緩和 ・当局及び、民間のユーザー企業、関連団体などの参加により、 より具体的な電子化ガイドラインやQ&Aなどを作成公開する。 根拠法 e-文書法、 電子帳簿保存法 関連府省等 内閣官房、財務省 備考 207 資料1-2 157 ※本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開とし、「【URL】」と記 載させていただいております。 提出者名等 規制、制度、慣行、又 は手続等の名称 規制、制度、慣行、又 は手続等の現状 個人32 登記識別情報制度(不動産登記法) 1. オンライン申請の阻害要因 2. 書面申請の阻害要因 1.オンライン申請の阻害要因となっている数々の問題点は、これまでの特例方式 導入に至る経緯をみれば,法務省がいちばんご承知と思います。 2.近時は、シールが剥がれないことによる問題が勃発し始めており、個人情報保 具体的な問題点 護法に対応できず、もうにっちもさっちも行かない上体である。 なお,備考欄参照。もっと詳細に説明を求める気があるならば,上記連絡先までア ポイントを取って訪問なりして,お問い合わせになるべきです。下記 URL 参照。 【URL】、【URL】 問題により不利益を被 っている、困っている人 国民(登記申請人),司法書士・土地家屋調査士 又は団体等 解決方法;すでになんどもパブリックコメント等を通して,貴本部に提案してきており ます。それでも,もっと詳細に説明を求める気があるならば,上記連絡先までアポイ ントを取ってご来所なり,お問い合わせください。いつでもご説明をいたします。 (一例として,登記識別情報制度の廃止と資格者本人確認情報の改善。つまり,登 改善提案 記識別情報制度と本人確認情報制度は並列の制度であるにもかかわらず、実際 (解決方法及び解決に は、ハードルの高さが違いすぎるため、登記識別情報制度を廃止することによる、 よる効果) 本人確認情報利用を促進しやすくしなければならない。 その効果;登記制度の安定。オンライン申請の爆発的促進 (上記行動に出ない場合は,解決に向けてのやる気がないもの,原爆症認定問題 の解決と同様,60年間放置して,官僚制度が危うくなってようやく動き出すものと同 じだと認めます。) 根拠法 不動産登記法第 22 条 関連府省等 法務省(民事局・総務課・二課)、内閣府・IT戦略本部 【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、 【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、 備考 【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、 【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、【URL】、 不動産登記、パスワードに不具合=法務省【URL】 208 資料1-2 158 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人32 資格者本人確認情報の利活用に関する規制の緩和 3. 資格者本人確認情報は、現在、「面談」が要件とされているため、 海外や別法人間の本人(登記義務者)についての確認スキーム 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 が構築できない。(ひいては、パンデミックに対応できない) 4. 資格者本人確認情報については、現在不動産登記法の規定によ り、申請代理人となる場合にのみ提供できることとされている。そ のため、資格者として、全国的に柔軟な対応ができない。 これまでなんどもなんどもなんども,貴本部のパブリックコメント等でな んども申し上げてきました。それでも,さらに詳細に説明を求める気が 具体的な問題点 あるならば,上記連絡先までアポイントを取って訪問なりして,お問い合 わせになってください。 なお,別添(登記識別情報制度の項をご参照ください)。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 登記申請人たる国民,司法書士・土地家屋調査士 解決方法;すでになんどもパブリックコメント等を通して,貴本部に提案 してきております。それでもまた,詳細に説明を求める必要と理由が 改善提案 あって,その気があるならば,上記連絡先までアポイントを取ってご (解決方法及び解決による効果) 来所なり,お問い合わせください。いつでもご説明をいたします。 その効果;登記制度の安定。オンライン申請の爆発的促進 不動産登記法,不動産登記規則 72 条,ほか通達。 根拠法 法務省(民事局・総務課・二課) 関連府省等 内閣府・IT戦略本部 備考 209 資料1-2 159 提出者名等 規制,制度,慣行, 又は手続等の名称 個人32 不動産登記オンライン申請手続における PDF 添付の省略 現在,民事局通達等により,不動産登記オンラインにおいては,登記原因証明情報と 規制,制度,慣行, いう「書類」を PDF 化の上,添付して申請(送信)しなければならないとされている。 又は手続等の現状 すでになんどもパブリックコメント等を通して,貴本部に申し上げてきております。それ でもまた,詳細に説明を求めなければならい理由があるならば,上記連絡先までアポ イントを取ってご来所なり,お問い合わせください。いつでもご説明をいたします。 具体的な問題点 (一例として,同手続きの添付書類として PDF 提出が求められているのは,名目は 「空申請の防止」が理由であるが,特例方式においては,登記原因証明情報は,2日 以内に,登記所に届くことになっているので,この規制による空申請の防止の効果 は,乏しい。逆に,申請技術上の弊害があり,オンライン利用促進の阻害要因となっ ている。 問題により不利益を 被っている,困ってい 登記申請人たる国民,司法書士・土地家屋調査士 る人又は団体等 解決方法;すでになんどもパブリックコメント等を通して,貴本部に提案してきておりま す。それでも,もっと詳細に説明を求める気があるならば,上記連絡先までアポイン トを取ってご来所なり,お問い合わせください。いつでもご説明をいたします。 その効果;登記制度の革命的進歩。オンライン申請の爆発的促進。 具体的には,目的の PDF 添付は不要とすべき。(実際に,PDF 添付の不要のオン ライン申請において,空申請が存在したケースがあったという例を聞いたことがない 改善提案 (解決方法及び解決 による効果) し,存在しているというのなら,その数を公開すべきである。) その他,そもそも添付書類に関しては,原則として,司法書士や土地家屋調査士と いう登記専門資格者を活用することで,西欧諸国と同様に,オンライン申請について の添付書類は不要となる。また,省庁間・自治体間データ連携することでも,添付書 類の提出は不要である。電子証明書に関しても,同市区町村や法務局間データ連携 をすることで,同様に添付書類の提出が不要となる。以上により,現在申請手続きを 行っている国民の負担が軽減する。あわせて,申請書提出先の市区町村の窓口にお いても,紙による書類の確認作業が軽減され,行政コストが削減される。 なお,解決のためには,①不動産登記法や同令並びに同規則に定められている添 付書類の提出規定,保管方法に関する規定を,抜本的に変更する必要がある。 根拠法 関連府省等 不動産登記法ほか,関連する政省令通達 法務省(民事局・総務課・二課) 内閣府・IT戦略本部 備考 210 資料1-2 160 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 ヤフー株式会社 公職選挙法によるインターネットを用いた選挙運動の禁止 公職選挙法では、文書図画を使った選挙活動が包括的に禁止されてお 規制、制度、慣行、又は手続等の り、ビラ、葉書等の一部の手法が限定された態様で認められているに 現状 過ぎない。したがって、選挙期間中に立候補者がインターネットを利用 して選挙運動を行うことは禁じられている。 昨今、インターネットが国民の情報発信・収集のインフラとして幅広く利 用されているにもかかわらず、こと選挙活動では、立候補者が有権者に 具体的な問題点 対してインターネットを用いて情報を発信することはできない。また、有 権者がインターネットを利用して立候補者に関する情報を収集すること もできない。 問題により不利益を被っている、困 インターネットを利用して情報を発信・収集しようとする立候補者および っている人又は団体等 有権者 公職選挙法第 142 条以下を改正して、選挙期間中の立候補者のインタ 改善提案 (解決方法及び解決による効果) ーネットを利用した情報発信を適法とし、インターネットを利用した選挙 活動を解禁する。これにより、立候補者は、ビラ配布・葉書送付のような 費用のかさむ手段を利用することなく、自らの政策や政治信条を有権 者に対して広くアピールできる。 根拠法 公職選挙法第 142 条乃至第 146 条 関連府省等 総務省自治行政局選挙部 備考 211 資料1-2 161 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 ヤフー株式会社 請願・陳情における自署または押印の要求 現在、衆議院および参議院を通じて行う請願および陳情の手続きにお いては、自署を原則とし、ワープロなどで印刷された文字を使った場合 には押印が必要とされている。 近年インターネットを利用した署名活動が行われるようになっており、そ 具体的な問題点 のようなサイトで地域を越えて幅広く集められた要望も国民の声として 国政へ反映されることが望ましいと思われるが、自署性・押印を求めら れるとそもそもそのような声を伝えることが困難になる。 問題により不利益を被っている、困 地理的要因・組織化の困難性により、政策決定過程に声を届けること っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 ができない一般国民 ・ ワープロなどで印刷された文字による署名の場合でも押印を求め ないこと ※ 請願法上は自署性および押印は要件となっていない。 ・ 請願法第 2 条 ・ 衆議院および参議院の請願・陳情提出手順 衆議院 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_tetuzuki.htm 参議院 http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/seigan.html 関連府省等 衆議院、参議院 備考 212 資料1-2 162 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 ヤフー株式会社 医薬品(市販薬)の情報提供における対面原則 市販薬のうち、第 1 類医薬品と第 2 類薬品については、本年 6 月 1 日 から施行された薬事法施行規則により、対面で情報提供を行うことが求 められている。 ネット販売その他通信販売では対面での情報提供が行われないため、 具体的な問題点 当該市販薬の販売ができない。(第 2 類については、経過措置により施 行から 2 年間に限って離島居住者等へは販売が可能。) ・ 歩いて薬局・薬店にいくことができない、体に障害をお持ちの方、お 年をとられた方および近くに薬局・薬店のない僻地にお住まいの方 ・ 中の方、介護中の方 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 開店時間中に薬局・薬店に行くことができない共働きの方、子育て ・ 漢方薬など、一般の流通経路では販売されていない医薬品を服用 されている方、近くの薬局では販売されていない常用薬をお使いの 方 ・ 近所には品揃えの悪い薬局・薬店しかないという方 など ・第 1 類、第 2 類の市販薬についても、ネット上の情報提供※に基づき ネット販売を可能とする。 改善提案 ※ PDF ファイルによる説明書の事前提供、医薬品安全情報ホームペ ージへのリンク、メール・電話による薬剤師の相談応需 など (解決方法及び解決による効果) ・ 不利益を被っている方、困っている方へ必要なときに手元まで市販 薬を届けることができ、安心して健康な生活を送れるようになる。 根拠法 関連府省等 備考 薬事法施行規則第 15 条の 4 厚生労働省、閣府規制改革会議 厚生労働省と規制改革会議の公開討論ニュース記事 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090617-00000010-cbn-soci 213 資料1-2 163 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 ヤフー株式会社 刑事上の責任に対する特定電気通信役務提供者の損害賠償責任 の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法) の不適用 プロバイダ責任制限法は、プロバイダの民事上の損害賠償責任を制 限しているが、刑事上の責任については制限していない。 民事上の責任だけを考えると、プロバイダ責任制限法はプロバイダ に対して常時監視義務を課すものではなく、情報の流通によって権利 侵害がされている旨の通知を受けた場合(あるいは自ら知った場合)に はじめて対応すれば足りる。 しかし、刑法における幇助犯の構成要件はかなり広く捉えられつつあ る中、違法な情報の監視等をしていないことが当該情報の発信を幇助 したと評価される可能があり、結果としてプロバイダには常時監視義務 具体的な問題点 が課せられているのに等しい。 また、構成要件該当性の判断がプロバイダにとっては困難であり、違 法性の錯誤は故意を阻却しないことから、プロバイダ自身の安全確保 のために危なそうな情報は全て削除せざるを得ない。 そのため、刑事分野において表現規制をしているものについては、プ ロバイダに対して実際の構成要件を超えて広く削除することを促す結果 となっており、インターネットを利用して情報を発信・収集しようとする一 般国民の表現の自由を侵害する結果をもたらしている。 問題により不利益を被っている、困 ・ 特定電気通信役務提供者 っている人又は団体等 ・ インターネットを利用して情報を発信・収集しようとする一般国民 プロバイダ責任制限法の適用範囲を刑事上の責任にも拡大する。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) これにより、プロバイダは萎縮することなく特定電気通信役務を提供 することができ、インターネットを通じた情報の流通を促進することがで きる。 根拠法 関連府省等 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の 開示に関する法律 総務省 備考 214 資料1-2 164 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 ヤフー株式会社 コンテンツの流通・促進のための法制度の未整備 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 過去の放送番組を流通・促進させるための法制度が整備されていな い。 ・ 放送番組等のコンテンツには実演家をはじめとする多数の権利者 が存在するが、過去に放送された番組については、権利者の特定 が不可能な場合もあり、番組の一部にしか出演していない者も含め 全ての権利者から通信での二次利用について許諾を得ることが困 難となっており、世界的にみても高い価値を有するわが国の貴重な 具体的な問題点 コンテンツの多くが死蔵してしまっている。 ・ ユーザーにはコンテンツに対するニーズがあるにもかかわらず、適 法に適正価格でコンテンツを視聴することができないということが、 不正なコンテンツ流通の増加の一因になっている。 ・ 将来の放送番組については契約によって処理をすることが可能で あるが、過去の放送番組については民間で解決することが困難で ある。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 ・ 適法なコンテンツを視聴しようとする一般国民 ・ 不正なコンテンツの流通により不当に権利を侵害されている権利 者 過去に放送した番組について、その最初の放送をした放送局に通信 での二次利用を認めるなど、権利関係をクリアにするための法制度を 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 整備する。 これにより、過去の放送番組を適切に利活用することができ、不正な コンテンツの流通の抑止や、二次利用により得られた収益から新たなコ ンテンツを制作することも可能となる。 根拠法 著作権法 関連府省等 IT 戦略本部、文部科学省、総務省、経済産業省 備考 215 資料1-2 165 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 社団法人 日本図書館協会 インターネット資料の利活用について インターネット資料の利用方法の一つとして,広くプリントアウトが行わ 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 れていると思われるが,それらのプリントアウトを著作権法に照らせば, 各種権利制限規定に該当しないような場合も多々あると考えられる。 しかし,インターネット資料には著作者等が連絡先を明示していないこと も少なくなく,許諾を得やすいとは言い難い状態にある。 日常,極めて普通に行われる行為でありながら,それらの行為の,かな 具体的な問題点 りの割合が違法という状態と思われる。 インターネット資料には商業的な流通を前提としていないものも多く,厳 格に許諾を得ること等が現実的なのかも検討の余地がある。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 インターネット資料のうち,誰もが自由に利用できる状態のものであっ て,著作権者の利益を不当に害することがない場合には,インターネッ 改善提案 ト資料の複製権を制限する。 (解決方法及び解決による効果) これにより,一定の割合で違法状態が解消できる。また,図書館が利用 者に対しインターネット情報の複製物を提供できるなど,情報流通が促 進される。 根拠法 著作権法第 21 条,ほか 関連府省等 文化庁 備考 216 資料1-2 166 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 社団法人 日本図書館協会 図書館間における著作物の複製物の送信に関する改善について 著作権法第 31 条で複製が認められている図書館(以下,単に「図書館」 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 という)において,利用者が求める資料を所蔵していない場合,所蔵し ている図書館から複製物を取り寄せることを行っているが,著作権法第 31 条においては複製権のみが制限されているため,その送付は郵送 等によっている。 複製物の送付をファクシミリや電子メールなどによることができれば,よ 具体的な問題点 り迅速,より安価に届けられるが,ファクシミリや電子メールによる図書 館間の複製物の送信は公衆送信に該当すると解釈されており,技術の 恩恵を受けられない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 権利者側には著作物が電子的な形態で流通し,そこから無秩序な複製 改善提案 (解決方法及び解決による効果) が行われる懸念があると思われるが,送信を図書館間に限れば,無秩 序な複製が行われることはないと言えることから,図書館間の複製物の 送信について,公衆送信権を制限する。 これにより,情報化社会に適応した情報流通環境を構築する。 根拠法 著作権法第 23 条,第 31 条 関連府省等 文化庁 備考 217 資料1-2 167 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 社団法人 日本図書館協会 国立国会図書館で電子化される図書館資料の利活用について 平成 22 年 1 月1日から施行される改正著作権法では,国立国会図書館 規制、制度、慣行、又は手続等の において資料の保存を目的とする場合,無許諾で電子化することがで 現状 きるようになるが,この改正において権利制限されるのが複製権のみで あるため,電子化された資料の利用は極めて限定される。 資料が電子化された後は,運用次第で全国からの利用が可能になる。 国立国会図書館が所蔵する資料の中には,同館で閲覧する以外に利 具体的な問題点 用の方法がないような資料もあり,特にそのような資料が電子化された 場合には,全国から利用できる環境に置かれなければ,せっかく電子 化した情報資源が有効活用されない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 電子化された資料をネットワークにより利用させる場合,利用する側で 無秩序な複製が行われないように留意する必要があるが,絶版になっ 改善提案 て久しい資料など,著作権者の利益を不当に害しないと認められる範 (解決方法及び解決による効果) 囲について,公衆送信権を制限し,国立国会図書館が公衆送信するこ とを可能とする。 これにより,電子化された情報資源を有効活用する。 根拠法 関連府省等 著作権法第 21 条,第 23 条,著作権法の一部を改正する法律(平成 21 年法律第 53 号)で新設される著作権法第 31 条第 2 項 文化庁 備考 218 資料1-2 168 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 社団法人 日本図書館協会 国立国会図書館で記録されるインターネット資料の利活用について 平成 22 年 4 月1日から施行される改正国立国会図書館法では,国,地 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 方公共団体,独立行政法人等のインターネット資料の記録が行われ, これに伴い著作権法も一部改正されるが,この著作権法改正によって 権利制限されるのは複製権のみであるため,記録された資料の利用が 限定される。 多くの場合,インターネット資料は更新された後は,過去の情報を参照 具体的な問題点 することができない。発信者にとって過去の情報となったものであって も,利用者にとって有益なものがあるが,記録された資料は,改めて公 衆送信されなければ,情報資源が有効活用されない。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 全国民 記録の対象となる資料の大半は,誰もが自由に利用できたものである 改善提案 はずである。重大な誤りが含まれるなど,特別な場合を除き,公衆送信 (解決方法及び解決による効果) 権を制限し,国立国会図書館が改めて公衆送信することを可能とする。 これにより,記録された情報資源を有効活用する。 根拠法 関連府省等 著作権法第 21 条,第 23 条,国立国会図書館法の一部を改正する法律 (平成 21 年法律第 73 号)により新設される著作権法第 42 条の 3 文化庁 備考 219 資料1-2 169 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 北海道大学大学院医学研究科・北海道臨床開発機構、株式会社野村総 合研究所 匿名化された患者の医療情報の利活用に関する規制の緩和 患者個人の医療情報の医学研究での活用については、現在、「個人情 報の保護に関する法律(以下、「法」という。)第 23 条の規定」および「臨床 研究に関する倫理指針」、「疫学研究に関する倫理指針」によると、医療機 関等での公示通知による患者同意のみなし(オプトアウト方式)において、 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 臨床研究を目的とした場合および同内容での利用を目的とした第三者機 関(研究者等)に情報提供する場合においても、利活用が明示、許諾され ていない。 さらに、同条等においては、医療機関等個人データを取り扱う個人情報 取扱事業者から、研究などを目的に情報の提供を受けた委託先が、その 業務の一部(データ保管およびデータ処理の一部等)を委託できることが 明示、許諾されていない。 患者個人の医療情報の利活用については、疫学研究などに活用するこ とで、医療費の削減への寄与、処方薬剤の安全性(副作用情報の取得) の確認、市販後医薬品での臨床研究促進等における期待が高く、これら の研究を実施することによって、国民全体が医療の発展による恩恵を享 受できるものである。 <1.研究者個々の患者情報収集に関する限界> (1) 個々の研究者等が患者情報の収集や分析などを行なえる範囲が 限定的であるのが実情であり、現状のニーズに即したものとは言いがた い。 具体的な問題点 (2) 研究を目的として収集したデータの保管についても、ICT 等を活用 したデータ保管事業者を活用して、集中的・一元的に行なうことが困難な ため大量なデータへのアクセスなども出来ない。 <2.患者の個人情報取得における問題点> 現状として、個人情報保護法の観点から、研究を目的とした場合におい ても、都度患者の同意が必要となり、患者情報(カルテ情報)を利活用した 「医学の発展のための研究」が妨げられている。 <3.長期研究における患者同意の再取得の困難性> 疫学研究などの長期間に渡る研究に際しては、医学研究が進むことによ り、その発展内容を反映させた研究計画に変更せざるを得ないが、その場 合には再度、全患者の同意を取得する必要が生じる。 220 資料1-2 すなわち、「医学の発展のために適切なデータ管理実施されていれば問 題ない」とならなければ、発展性のある医学研究も困難である。 臨床研究の場合には、臨床研究のガイドラインに従うが、個人情報保 護は重要だが、「研究目的」に関しては、都度患者同意が必要な観点から して、明確に、医学の進歩を妨げている法律・規制であると認識する。 疫学研究の場合には、疫学研究のガイドラインに従うが、それであって も、個人を同定し連結可能なデータとして長期間データを蓄積しなければ ならない。そのため、研究開始時および研究内容の変更時に都度患者同 意が必要となり、医学研究の進歩の妨げになっていると認識する。 結果、わが国では大規模な臨床研究の実施がほぼ不可能な状況にあ る。 問題により不利益を被っている、困 患者の医療情報を利活用したいと考えている研究者等、医薬品企業。 っている人又は団体等 医療の発展による恩恵を享受できる国民全体 【Ⅰ.解決方法】 以下の 3 点を提案する。 <1.研究者個々の患者情報収集に関する限界への提案> 医療機関等の個人情報取扱事業者から研究を目的に個人の情報提 供を受けた第三者機関(研究者等)が、その業務の一部(データベース 管理およびデータ処理の一部等)の委託を許諾されること。 <2.患者の個人情報取得における問題点への提案> 臨床研究を目的とした場合においては、法第 23 条の、医療機関等で の公示通知による患者同意を得たとみなし(オプトアウト方式)によっ て、利活用および情報提供を許諾されること。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) <3.長期研究における患者同意の再取得の困難性への提案> 公示通知以前からの患者情報を遡及して利活用が許諾されること。 このように、個人情報の保護と、医学研究の実施との兼ね合いに柔軟性 を持たせ、医学研究実施のための環境を整備する。 これらが確保されれば、ICT を使った患者情報(カルテ情報)データベース を構築し、それを利活用した多様な医学研究が進み、更に、その結果によ り、国民全体が医療の発展による恩恵を享受できるものである。 【Ⅱ.解決による効果】 具体的には、 1.研究者等が、大量且つ長期のデータを現在に比べて容易に収集出 来るようになることにより、これまで実施困難であった質の高い研究デザイ 221 資料1-2 ンが可能になること。 2.研究を目的として収集したデータを ICT 等活用して集中的・一元的な データベースを構築し、研究者等が必要な大量のデータにアクセスが容易 に行なうことがなり、大規模な研究の実施効率が飛躍的に向上することが 考えられる。 3.患者の医療情報(カルテ情報)の具体的な活用例としては、以下が挙 げられる。 (1) 自治体、健康保険組合等による医療経済研究での活用 (2) 研究者等による大規模な臨床研究、疫学研究での活用 (3) 医薬品企業による市販後医薬品の大規模な臨床研究での活用 これらにより、国民全体の医療の質の向上に寄与できるものと考えてい る。 法第 23 条(『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いの 根拠法 ためのガイドライン』(平成 16 年 12 月 24 日通達、平成 18 年 4 月 21 日改 正)における、「5.個人データの第三者提供(1)(3)①②」) 関連府省等 内閣府 、厚生労働省 備考 222 資料1-2 170 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 富士通株式会社 実効的な電子行政を実現する基盤となる共通コードの実現 ・国民には基礎年金番号、(健康保険)被保険者記号番号、旅券番号など、 規制、制度、慣行、又は手続等 さまざまな番号がばらばらに付与されている。 の現状 ・広く国民をカバーしている住民票コードには、厳しい利用制限が設けられ ている。 ・国民は各種行政サービスの申請において、同じ情報を何度も記入させら れたり、他の書類の添付を求められたりと、煩雑な手続きを強いられてい る。また行政機関間においても、紙による非効率的な情報のやりとりが行な 具体的な問題点 われている。さらに年金記録問題に見られるように、情報の正確な更新・保 持が困難となっており、国民が自分の情報を把握することができない。 ・企業に対しては、各行政機関が個別にコードを割り振っている。これらのコ ードは頻繁に変更されるものが多い。そのため各企業は行政機関ごとに異 なる識別コードを管理しなければならず、業務上の負担となっている。 問題により不利益を被ってい る、困っている人又は団体等 国民、企業 (解決方法) ・行政機関間で必要な情報の連携を行い、プッシュ型の行政サービスを行 なうために、住民票コードと住基ネットをベースとした国民 ID を付与すべき である。企業 ID を含め、これらの実現に必要な枠組み(番号付与、利用条 件、利用者保護など)についての、早急な法的整備が必要である。 (解決による効果) 改善提案 ・共通コードの導入により、行政コストや処理時間の大幅な削減と、処理の (解決方法及び解決による効 正確性の向上が図れる。行政機関間のデータ連携が可能となり、単純な連 果) 絡業務などの職員の負荷を大幅に減らし、窓口業務の効率や質の改善、よ りきめ細やかな行政サービスの提供が実現できる。国民・企業からの申 請、バックオフィス業務、利用者への通知まで一貫した電子処理を実現で き、国民・企業における社会コストの削減に貢献する。 ・共通コードを実現し、民間サービスとの連携を可能とすることにより、引 越、結婚、退職などのライフイベントごとに必要な手続きのワンストップ化が 図れる。また行政側から国民に個別の行政サービス(福祉関連の手当てな 223 資料1-2 ど)を告知するプッシュ型の行政サービスが可能となる。さらに国民が国や 自治体が管理する自分の情報を常に把握することが可能となる。 根拠法 関連府省等 住民基本台帳法、行政手続オンライン化関係三法など (実現には新たな法制度が必要) 総務省ほか (地方自治体を含め、関係省庁を定めた制度化が必要) 多くの電子行政先進国では、個人・企業を一意に特定する共通コードを導 入済みである。共通コード導入の際には、情報セキュリティならびに利用者 備考 のプライバシー・個人情報・機密情報などの保護について法制面で整備し、 国民の不安を払拭している。たとえば行政機関が有する個人情報の目的 外の利用等を防止するため、情報管理やアクセスの監督を行う第三者機関 が設置されている。 224 資料1-2 171 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 富士通株式会社 遠隔医療の普及・促進に向けた規制緩和 規制、制度、慣行、又は手続等の ・対面診療の原則(慢性患者の再診においても必要) 現状 ・診療報酬上の考慮がない 医師不足・医師の偏在が深刻な状況にあるなか、遠隔医療の活用がそ 具体的な問題点 の打開策のひとつとして有用であるにもかかわらず、その実施において は、対面診療の原則から診療報酬上の措置が得られず、活用が阻害さ れている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 国民 対面診療の原則については非常に重要なことではあり、その原則は保 持すべきと考えるが、医師の偏在・医師不足が深刻ななかで、慢性患 改善提案 者へのフォローに関しては生活習慣病指導料等を柔軟に活用できるよ (解決方法及び解決による効果) うにしてほしい。また、遠隔医療として認められている遠隔読影・遠隔病 理診断に関しても、診療報酬にて依頼側と受け手側との配分を制度 上、明確に規定し、普及に努めて頂きたい。 根拠法 関連府省等 ・社会保険・老人保健診療報酬 ・医師法 厚生労働省医政局、保険局 備考 225 資料1-2 172 提出者名等 富士通株式会社 規制、制度、慣行、又は手続等の 診療報酬体系の簡素化と診療報酬改定の告示から施行までの期間の 名称 確保 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 ・複雑かつ膨大な診療報酬体系による関係者間の解釈の相違。 ・短期間の移行期間(診療報酬改定から試行まで期間)のため生じるシ ステム反映作業等による医療現場の混乱。 現在の社会保険・老人保健診療報酬は、非常に複雑かつ膨大で、曖昧 な表現も多く、関係者(医療機関(医療事務スタッフ含)や審査支払機 具体的な問題点 関、保険者等)に解釈の相違が発生している。また、社会保険・老人保 健診療報酬の告示から施行されるまでの期間が極めて短く、レセプト電 算システムへの診療報酬改定内容の反映作業に十分な時間が確保で きず、改定時には現場に混乱が生じている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 ・医療機関(事務スタッフ含む) ・審査支払機関 ・保険者 医師だけではなく医療事務スタッフにとっても解釈の相違がなく、国民 改善提案 (解決方法及び解決による効果) にとってもわかりやすい社会保険・老人保健診療報酬の体系に抜本的 に見直し、簡素化を図っていただきたい。また、診療報酬改定の告示か ら施行までの期間を確保し、改定内容を円滑にシステムに移行できるよ う考慮いただきたい。 根拠法 社会保険・老人保健診療報酬 関連府省等 厚生労働省保険局 備考 226 資料1-2 173 提出者名等 富士通株式会社 規制、制度、慣行、又は手続等の 診療報酬請求における地方公共団体自治体が独自に行なう医療費助 名称 成事業の取り扱いについて 規制、制度、慣行、又は手続等の 地方公共団体が独自に行う医療費助成事業に対する情報の集約する 現状 機関の不在 地方公共団体が独自に行なう医療費助成事業(乳幼児医療給付など) に関して、全国の取り纏め監督を行なう組織がないため、患者が他県 具体的な問題点 の医療機関で診療を受けた際、患者が住む自治体の単独事業情報が その医療機関に入っておらず、本来支払わなくてもよい費用を患者が 支払うケースが存在する。また、診療報酬請求においても記述方法が 定まっておらず、請求手続きも都道府県により異なっている。 問題により不利益を被っている、困 ・国民 っている人又は団体等 ・医療機関(事務スタッフ含む) 地方公共団体が独自に行なう医療費助成事業と取り纏め監督する組 織が新設されることで、患者が他県の医療機関で治療を行なった際で も、その医療機関は患者の居住地の医療費助成事業を知ることがで き、患者への請求ミスを防ぐことができる。また、その後の診療報酬請 求において、レセプトの記述方式を統一し、審査支払機関にて一括して 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 審査、地方公共団体に対する請求代行を行なうことで、医療機関側の 事務負担を軽減することができる。また、オンラインレセプト実現の側面 からも、記述方法や申請方法の統一がなされていないと、スムーズな 審査・支払い手続きができず、手続きが煩雑になり、医療事務費適正 化効果が十分に発揮されなくなってしまう。地域ごとに保険者と市町村 が協力しデータベースを構築することは差し支えないとしているが、国 民に医療機関のフリーアクセスを謳っている以上、国として整備すべき である。 ・療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関 根拠法 する省令第 2 条 ・社会保険診療報酬支払基金法第 15 条 3 項 ・社会保険診療報酬支払基金法、国民健康保険法 他 関連府省等 厚生労働省保険局 備考 227 資料1-2 174 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 富士通株式会社 特恵原産地証明書の電子発給について 我が国が既に諸外国と締結済の FTA/EPA においては、第三者証明 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 スキームによる制度構築が実施されており、制度利用に当たっては指 定発給者である商工会議所の発行する特恵原産地証明書が必要とな る。これらについては現在オンラインでの申請は可能となっているもの の、証明書自身の発給についてはまだ電子的対応はできていない。 特恵原産地証明書の発給申請手続については電子化されているもの の、証明書自体は紙で発給されているため、申請企業(荷主)の事務処 具体的な問題点 理に余分な時間とコストを要する。電子化の実現に当たって、相手国と の調整や協定変更に時間を要するのであれば、まずは日本国内にて 申請企業側での証明書のプリントアウトを認める等、段階的にでも電子 化に向けた措置への改善を要望する。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 FTA/EPA を利用する日本の輸出企業 特恵原産地証明書の電子発給により、利用企業において利便性の向 上、事務処理スピードアップ、コスト削減が可能となり、我が国輸出産業 改善提案 の競争力強化に資する。また、ASEAN 諸国等においても AFTA におけ (解決方法及び解決による効果) る特恵原産地証明の電子化検討が進められつつあり、我が国製造業 が集積し、FTA/EPA 展開を進める東アジア地域との貿易拡大と円滑化 に向けた通商戦略の観点で検討・協議を進めていく事が重要と考える。 根拠法 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律 関連府省等 経済産業省 貿易経済協力局貿易管理部原産地証明室 備考 228 資料1-2 175 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 富士通株式会社 米国他の船積 24 時間前ルール規制への対応 米国同時多発テロ以降、海外政府による国際貿易のセキュリティ規制 強化が貿易円滑化の阻害要因となっている。米国においては、船積前 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 24 時間ルールと呼ばれる「外国港での船積み 24 時間前に米国向け貨 物データを米国税関に提供する義務」が 2002 年から開始されており、 更にその強化版である 10+2 ルールについても 2009 年 1 月より施行運 用を開始。また、EU や中国においても同様の制度の運用開始が予定さ れている。 米国船積前 24 時間ルールの開始に伴い、日本のCY(コンテナヤード) のカットオフタイムは一律 48 時間前倒しとなり、日本の製造業を中心と 具体的な問題点 する輸出企業のトータルリードタイムとコストの増加要因となっている。 今後、米国 10+2 ルールの本格運用開始や、EU、中国での 24 時間ルー ルの開始に伴い、更なる貿易円滑化の阻害と輸出企業を中心とする産 業界の負担拡大が懸念される。 問題により不利益を被っている、困 製造業を中心とする輸出企業、及び物流会社(通関業者、フォワー っている人又は団体等 ダ)、キャリア等のサプライチェーン関係者 海外政府への船積みデータの提供にあたっては、輸出者を起点とした 関係者とのタイムリーな情報連携が要となるが、情報提供の起点となる 輸出者側の貿易手続に関わる IT 活用や、サプライチェーン関係者との 情報連携については、大手企業を除き、必ずしも整備されているとは言 改善提案 えず、輸出者側の IT 活用の格差がサプライチェーン全体の円滑化阻害 (解決方法及び解決による効果) 要因となっている。よって、輸出者側の情報化と関係者との情報連携を 促進する為の政策インセンティブや標準プラットフォームが必要。輸出 者の貿易手続に係る情報化と企業間連携の促進は、グローバルサプラ イチェーン全体の円滑化(リードタイム、コストの削減)を促し、日本の輸 出産業の国際競争力強化に資するものと考える。 根拠法 関連府省等 米国合衆国法典第 19 編、連邦規則第 19 編 EC 関税法第 36a 条、EC 関税法施行規則第 184a 条 他 財務省 関税局(日本におけるカウンターパート) 備考 229 資料1-2 176 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 社団法人 全国地方銀行協会 電子納付にかかる指定金融機関制度の改正 地方税の収納は、地方自治法令により、各地方公共団体が指定し た金融機関(指定金融機関、収納代理金融機関等)が、納入に関する 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 書面に基づき、収納の事務を取り扱うこととなっている(指定金融機関 制度)。 この納入に関する書面には、電磁的記録も含むとされており、電子 納付の取扱いが可能となっているが、一方、納付できる金融機関は指 定金融機関、収納代理金融機関等の範囲に限定されている。 地方税は、技術的にはマルチペイメントネットワークを活用した電子 納付(ペイジー)の取扱いが可能な全ての金融機関から納税者が電子 納付を行うことが可能となっている。 しかしながら、地方公共団体が電子納付を実施した場合でも、現行 の指定金融機関制度の枠組みでは、上記のとおり、納付できる金融機 具体的な問題点 関が指定金融機関、収納代理金融機関等の範囲に限定されているた め、納税者は電子納付のメリットを十分享受できていない。 また、国税が本年9月から導入するペイジー「ダイレクト方式」は法 人の申告税の電子納付に適しているが、今後、同方式を地方税に導 入する際にも、納付できる金融機関が指定金融機関、収納代理金融 機関等の範囲に限定されたままであると、納税者にとっては、利用しに くいこととなる。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 電子納付を行う納税者 電子納付を推進する観点から、各地方公共団体における指定の有 改善提案 無に関わらず、電子納付(ペイジー)の取扱いが可能な全ての金融機 (解決方法及び解決による効果) 関から納税者が地方税の電子納付を行えるよう指定金融機関制度を 改正(電子納付を同制度の適用外とする)する。 根拠法 関連府省等 ・地方自治法第 235 条 ・地方自治法施行令第 168 条、第 168 条の3第1項 総務省 備考 230 資料1-2 177 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 社団法人 全国地方銀行協会 書面による納税通知 国税や地方税は、国税通則法、地方税法により、賦課徴収や還付 に関する通知を書面で行う必要があり、同書類を郵便により送達する こととされている。 地方税は、賦課方式が太宗を占めており、地方公共団体が、膨大な 数の通知書を納税者や住民税特別徴収分の特別徴収義務者(企業) 具体的な問題点 に郵便により送達しなければならない。また、納税者は地方税の納付 のために当該書面を金融機関等の窓口に持参する必要がある。こうし た書面による納税通知や納付が納税者の利便性や地方公共団体の 税業務の効率化を阻む一因であると考える。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 改善提案 ・納税者 ・住民税特別徴収分の特別徴収義務者(企業) ・国、地方公共団体 納税者や企業が希望すれば、国民電子私書箱等により電子的方法 (解決方法及び解決による効果) で納税通知を受け取ることを可能とし、電子納付等を容易にする。 根拠法 関連府省等 ・国税通則法第 12 条 ・地方税法第 20 条 国税庁、総務省 備考 231 資料1-2 178 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 社団法人 全国地方銀行協会 地方税の納付書様式等の制定方法 地方税等は、地方自治法施行令により、指定金融機関等は納入に 規制、制度、慣行、又は手続等 関する書類に基づかなければ、収納ができない。当該納付書の様式は の現状 同施行令において、財務に関し必要な事項として、各地方公共団体が 財務規則等で独自に定めることとなっている。 総務省では、平成 19 年3月に、マルチペイメントネットワークを活用 した電子納付(ペイジー)の導入に際しては、納付書の様式をマルチペ イメントネットワーク標準帳票に準拠する必要がある旨留意通達を出状 している。また、政府の「規制改革推進のための3か年計画」(平成 19 年6月 22 日閣議決定)では、総務省が地方公共団体あてに様式例を 具体的な問題点 提示することを通じて、その早期統一の実現へ向けた努力を継続する とされている。しかしながら、その後、納付書様式の早期統一に向けた 有効な措置が取られておらず、納付書様式の統一化が進んでいない。 当協会の調査に基づく試算では、納付書様式の種類は、全国で約 4 万 7,000 種類にものぼると推計され、こうした状況が電子納付の普及や 地方公共団体の税業務の電子化、金融機関の事務処理の効率化を 阻害していると考える。 問題により不利益を被っている、 ・納税者 困っている人又は団体等 ・金融機関 納付書の規格・様式の統一化の早期実現のためのより実効性のあ 改善提案 (解決方法及び解決による効果) る対応として、規格・様式についてマルチペイメントネットワーク標準帳 票に準じたものにするよう法定化する。 併せて、各地方公共団体が独自に定めている日計表の規格・様式 についても標準化することが有効である。 根拠法 地方自治法施行令第 168 条の3第1項、第 173 条の2 関連府省等 総務省 備考 232 資料1-2 179 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 社団法人 全国地方銀行協会 自動車継続検査時の納税証明書の提示 自動車の継続検査(車検)時には、道路運送車両法により、自動車 税(軽自動車税を含む)の納税証明書を提示することが義務付けられ ている。 上記の納税証明書の提示が義務付けられていることから、納税者 は、電子納付を行った場合でも、あらためて金融機関窓口で納付書に 具体的な問題点 収納印の押捺を受けるか、地方公共団体から納税証明書の発行を受 けて、同書面で提示しなければならない。 このために、電子納付の利便性が損なわれ、電子納付が進まない 要因となっている。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 電子納付を行う納税者 自動車税(軽自動車税を含む)の納税について、各都道府県と国と のデータ連携の実現により、車検時の納税者による納税証明書の提 示は不要とする。 根拠法 道路運送車両法第 97 条の2 関連府省等 国土交通省 備考 233 資料1-2 180 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 社団法人 全国地方銀行協会 金融機関の地方公共団体への書面による収納情報の提供 指定金融機関から地方公共団体に提供する地方税等の収納情報 は、各地方公共団体が定める財務規則などにより、原則、書面(納入 済通知書)によることとなっている。 総務省においては、IT戦略本部「重点計画 2008」に基づいて、地方 公共団体内部の情報システムが相互に接続・連携できるよう「地域情 報プラットフォーム標準仕様」を活用したデータ連携と仕様の統一化の 事業を推進している。 具体的な問題点 しかしながら、金融機関等外部とのデータ授受については、上記のと おり、書面によることとなっており、日常的に、金融機関から地方公共 団体に対し、膨大な枚数の書面が送付されている。また地方公共団体 においても、書面の情報を電子データに変換するための膨大な作業が 行われている。こうした書面による取扱いの義務付けが地方公共団 体、金融機関の事務の電子化、効率化を阻む一因となっている。 問題により不利益を被っている、 ・地方公共団体 困っている人又は団体等 改善提案 ・金融機関 指定金融機関制度に基づく地方公共団体と金融機関の間の書面の (解決方法及び解決による効果) 授受を原則電子化とし、書面の送付を不要とする。 根拠法 地方自治法施行令第 173 条の2 関連府省等 総務省 備考 234 資料1-2 181 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 社団法人 全国地方銀行協会 金融機関における労働保険料の申告書受付と回付事務 金融機関では、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 規制、制度、慣行、又は手続等 より、毎年度の初回の労働保険料収納時に、併せて同保険料の申告 の現状 書の提出を受け、各地労働局に対して回付する事務を取り扱ってい る。 国税等の申告手続きは、徴収官署に直接申告を行うこととなってい るが、労働保険料の申告については、労働保険関係法令の定めによ り、日本銀行の代理店である金融機関が、毎年度の初回の労働保険 具体的な問題点 料収納時に窓口にて申告書を受付け、各地労働局に対して回付する 特殊な事務取扱いとなっている。こうした事務は、金融機関の負担が大 きいばかりでなく、電子申告・電子納付の利用を阻む一因となってい る。顧客情報保護および労働保険料の電子申告の利用促進の観点か らも見直しが必要と考える。 問題により不利益を被っている、 ・地方公共団体 困っている人又は団体等 ・金融機関 電子申告・電子納付の推進の観点から、本年9月に国税庁が導入す 改善提案 るペイジー「ダイレクト方式」による電子納付について、労働保険料へ (解決方法及び解決による効果) の早期導入を検討するとともに、上記の特殊な金融機関への申告書回 付事務を廃止し、各地労働局に直接申告する取扱いとする。 根拠法 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第 38 条第2項 関連府省等 厚生労働省 備考 235 資料1-2 182 提出者名等 社団法人 全国地方銀行協会 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 地方税等の収納方法に関する規制 地方税等の収納については、地方自治法施行令等により、その収納 方法が限定列挙されている。 現在、小額の行政手数料の納付は、現金、証紙による方法に限定さ れている。小口の現金の受け払いについては、近年、非接触ICカード 具体的な問題点 (Suica、PASMO 等)などRFIDの技術を活用した優れた方法が急速に 普及しつつあるが、上記の規制があるため、地方公共団体では、こうし た技術を活用した収納方法を採用することができない。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 地方税や行政手数料の納付者 小口の行政手数料等の収納方法については、地方公共団体の判断 改善提案 により、RFIDの技術を活用した収納方法を取り扱えるようにする。当該 (解決方法及び解決による効果) 技術を活用した収納方法としては、非接触ICカードのほか、ICタグを利 用する方法も考えられる。 ・地方税法第 20 条の6(第三者の納付) ・地方自治法第 231 条の2(証紙による収入の方法等) 根拠法 ・地方自治法施行令第 155 条(口座振替納付) ・地方自治法施行令第 156 条、第 157 条(証券による納付) ・地方自治法施行令第 157 条の2(指定代理納付者による納付) ・地方自治法施行令第 158 条、158 条の2(私人への委託) 関連府省等 総務省 備考 236 資料1-2 183 提出者名等 社団法人 全国地方銀行協会 規制、制度、慣行、又は手続等 個人データの漏えい事案が発生した場合に本人への通知が省略でき の名称 規制、制度、慣行、又は手続等 の現状 るケースの明確化 金融機関は、個人データの漏えい事案等が発生した場合は、本人 への通知等を行う必要があるとされている。 金融機関では、取引先との間で磁気記録媒体を用いて大量の顧客 データの授受を行うケースが多いが、媒体紛失・媒体誤送付等があっ た場合は、当該情報が高度に暗号化されており第三者により読取られ る可能性が極めて低い場合であっても、当該媒体内に記録されている 全ての「本人」に通知しなければならず、「本人」が被る権利利益の侵 害の程度と比較して過大な負担となっている。 なお、「金融機関における個人情報保護に関するQ&A」(問V- 具体的な問題点 16)では、「例えば、漏えい事案が発生した場合において、高度な暗号 化処理等が施されている場合や即時に回収出来た場合等、本人の権 利利益が侵害されておらず、今後も権利利益の侵害の可能性がない 又は極めて小さい場合等には、本人への通知を省略しうるケースもあ るものと思われます。」とされてはいるものの、「高度な暗号化処理等」 の基準は明らかにされておらず、実務上、本人への通知を省略するこ とは困難となっている。 問題により不利益を被っている、 困っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 関連府省等 金融機関 漏えい事案等が発生した場合において、本人への通知を省略しうる 判断基準の一つとして、「高度な暗号化処理等が施されている場合等」 の内容を具体化・明確化する。 ・ 「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」第 22 条第3 項 ・ 「金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの安全管理 措置等についての実務指針」2-6-1 ・ 「金融機関における個人情報保護に関するQ&A」(問V-16) 金融庁 備考 237 資料1-2 184 提出者名等 規制、制度、慣行、又は 手続等の名称 社団法人 全国地方銀行協会 国税関係帳簿書類の電子保存に関する技術的要件の緩和 国税関係帳簿書類については、所轄税務署長の承認を受けた場合、書面 に代えて読取装置(スキャナー)で読み取った電磁的記録による保存が可能で あるが、保存義務者に対して次のような保存のための電子計算機処理システ ムに関する技術的な要件等、詳細な要件が課されている。 ①スキャナーの要件 ・解像度が1ミリメートル当たり8ドット以上、また 256 階調以上で読み取るも のであること。 ②電子署名に関する要件 ・スキャナーで読み取る際に、入力単位ごとに入力者またはそれを直接監督 する者の電子署名を行うこと。 ・課税期間中の任意の期間を指定し、当該期間内に行った電子署名につい て一括して検証ができること。 規制、制度、慣行、又は ③タイムスタンプに関する要件 手続等の現状 ・電子署名が行われている国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項に (財)日本データ通信協会が認定するタイムスタンプを付与すること。 ④帳簿との関連性に関する要件 ・国税関係書類に係る記録事項と国税関係帳簿の記録事項との間におい て、相互にその関連性を確認することができるようにしておくこと。 ⑤画面や書面に関する要件 ・映像面の最大径が 35cm 以上のカラーディスプレイの備え付けや画面、書 面の出力において4pt の大きさの文字を認識できること。 ⑥検索要件 ・取引年月日、取引金額等2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件 を設定することができること。 上記の各要件は民間企業が電子保存を行ううえでの過剰規制となってお 具体的な問題点 り、設備の導入、システム対応等に相応の費用負担を伴うほか、体制整備の ための人員確保等の負担も生じるため、結果として利用が進んでいない。 問題により不利益を被っ ている、困っている人又 民間企業全般(金融機関を含む) は団体等 改善提案 電子保存の普及・促進、民間企業による利用拡大のためには、上記の各要 (解決方法及び解決によ 件の緩和など内容の見直しが必要と考える。要件が緩和されれば、情報管理 る効果) や環境配慮の観点から電子化・ペーパレス化が進展するものと考えられる。 根拠法 ・電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に 関する法律第4条 ・ 同法施行規則第3条 関連府省等 国税庁 備考 238 資料1-2 185 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 楽天株式会社 一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制 2006 年の改正薬事法に基づく改正薬事法施行規則が 2 月 6 日に 公布されましたが、この改正により、今まで認められていた郵便その他 の方法(郵便、カタログ、ちらし、インターネット等)を通じた一般用医薬 品の販売については、6 月 1 日より第 3 類一般用医薬品を除いて販 規制、制度、慣行、又は手続等の 売禁止となっています。ただし、経過措置として平成 23 年 5 月 31 日 現状 までの間は、①薬局及び店舗がない離島の居住者に対して販売する場 合、②改正省令の施行前に購入した医薬品を改正省令の施行時に現 に継続して使用していると認められる者に対して同一の薬局又は店舗 が同一の医薬品を販売する場合に限って、第 2 類医薬品等の郵便等 販売が可能となっています。 (1)2009 年6 月以降、インターネットで通信販売を行っていた薬局等 のもとに、消費者から通信販売継続を求める声が多数届いています。 特に、外出困難な方をはじめとして自分にあった一般用医薬品を購入 できないことで健康の不安を感じている方が多く、国民の健康維持に観 点から問題が生じます。 (2)また、薬局等にとっては、6 月の医薬品売上は前月比62%も減少 し、2300 人もの方に対して販売のお断りを行ったという事例も生じるな ど、経営に甚大な影響を及ぼしています。特に重要な販路を奪われてし まった中小の薬局等にとっては事実上経営が成り立たなくなるほどの 影響が生じます。 具体的な問題点 (3)通販が対面販売と違い安全を確保できないと厚生労働省は説明し ていますが、合理的な説明や証拠は提示されていません。 (4)省令で通信販売を禁止する法律上の根拠がありません。昨年10 月に規制改革会議の公開討論会において、省令でネット販売を規制す ることが可能となることを合理的に説明できる法律上の根拠が提示され ませんでした。また、規制改革会議では、省令への委任内容を超えてお り、違法ではないかと指摘しているところです。 (5)今回の規制強化の中で、例外的に2年間のみ第2類医薬品の通信 販売購入が可能となりましたが、なぜ、離島住居者が救済されて、山間 地域の居住者が救済されないのか、障害者を始め外出困難者はなぜ 救済されないのか等、今回の経過措置内容に至った合理的説明があり 239 資料1-2 ません。 (6)署名やパブリックコメントを通じた意見提出を通じて医薬品通販継 続を求める意見が多数集まっているにも関わらず、厚生労働省からは 合理的回答もなく、通信販売の原則禁止を強行しており、行政手続上 問題があると考えます。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 消費者、インターネット販売事業者 第1類及び第2類の一般用医薬品についても通信販売が可能となる 改善提案 (解決方法及び解決による効果) よう、薬事法施行規則の再改正をすべきである。 (効果) 消費者に対する購入経路の拡大により国民の健康維持に資することが できます。 薬事法第36 条の5 及び第36 条の6 薬事法施行規則第 15 条の 4(第 142 条において準用する場合を含 根拠法 む。)、第 159 条の 14、第 159 条の 15 及び第 159 条の 16 薬事法施 行規則等の一部を改正する省令 附則第 23 条から第 28 条薬事法施 行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令 関連府省等 厚生労働省 備考 240 資料1-2 186 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 楽天株式会社 民間企業間におけるネット販売の制限・禁止の慣行 メーカー、卸事業者等の仕入先事業者が、出店事業者に対して安売 りを行うことなどを理由として、一定商品のネット販売を制限・禁止して 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 いる事例がある(ネットと必ずしも直接関わりのない事項を表面上の理 由として事実上ネット販売を制限・禁止する場合を含む。) (参考) 平成 18 年 12 月 27 日公正取引委員会公表「電子商店街等の消費者 向け e コマースにおける取引実態に関する調査報告書」 合理的な理由なく不当にネット販売を制限しており、拘束条件付取引等 具体的な問題点 として独占禁止法上問題となる。また、事業者による新たな販路開拓や 事業展開を妨げている。さらに、消費者からネットでの購入の機会を不 当に奪っている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 消費者、インターネット販売事業者 公正取引委員会において、ネット販売での取引実態を重点的に調査・ 把握するとともに、実際に独占禁止法上問題がある場合は、厳粛なる 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 法執行を行っていただきたい。 (効果) ネット活用に関する公正な競争環境が確保され、消費者にとってもネッ トでの購入により安価に購入できたり、時間的空間的制約にとらわれず 購入できるなど、利便性が増大する。 根拠法 - 関連府省等 公正取引委員会 備考 241 資料1-2 187 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 楽天株式会社 選挙におけるITの利活用の制限 ①公職選挙法では、頒布できる文書図画が限定されている(公職選 規制、制度、慣行、又は手続等の 挙法第142 条等) 現状 ②選挙管理員会が発行する選挙公報の配布は紙とされている(公職選 挙法第 170 条等) インターネットが事実上の社会インフラとなる中で、インターネットを通じ 具体的な問題点 た情報提供及び受信の機会が選挙人及び被選挙人から奪われてい る。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 選挙人及び被選挙人 ① インターネット(ウェブサイト、電子メール等)を用いた「文書図画」の 頒布を解禁する。 ② 選挙管理委員会は、選挙公報の内容をウェブサイトでも提供できる 改善提案 こととする。 (解決方法及び解決による効果) 等 (効果) 情報提供の機会が増えることにより政策論争が活発化し、民主主義の 発展に資する。 根拠法 公職選挙法 関連府省等 総務省 備考 242 資料1-2 188 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 個人33 著作権法第 30 条改正(ダウンロード規制)。 2010 年 1 月 1 日施行。 パブリックコメントにて多数の反対意見を無視をした文化審議会。 多数 決ではないことは理解しているが、文化審議会は過去に音楽 レコードの 還流防止措置のパブリックコメントにて多数決を行っ た疑いがある。 イ ンターネット利用者の知る権利、通信の秘密などを脅かす規制 は行うべ 具体的な問題点 きではない。あくまでも不正提供者を現行法にて対処す べき。このまま では著作権侵害といえば簡単に私的領域へ踏み込 むことが出来てしま い、誰がいつ何をしたのかを検閲されてしまう。 このような自由と権利を 脅かし萎縮させる規制を行う前に、 インターネット利用者(消費者)へコ ンテンツの知る機会を増やし、 雇用の質と量、所得水準を高めて消費改 善を行うべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 インターネット利用者。 ・著作権法第 30 条改正(ダウンロード規制)の施行停止。 ・若年層への 情報リテラシー教育の徹底。 ・正規品の価格の見直し。 ・広域、県域放 送による情報格差の是正。(期間を定めてインターネットにて 無料視聴 可能にさせる。英 BBC では放送後 1 週間インターネットにて無料視聴 改善提案 可能。日本でも放送後一定期間無料視聴の物があるが、即有料の物の (解決方法及び解決による効果) 方が多 い。また全コンテンツをカバーしていない。) ・解雇規制の緩 和。(同一労働、同一賃金。) ・所得水準の改善。(所得増により正規品 購入の機会を更に得る。) ・失業者へ雇用の量と質の改善。(職業訓練 と雇用による労働時間によって 不正利用時間が減り、所得により正規 品購入の機会を得る。) 根拠法 関連府省等 備考 ・著作権法第 30 条第 1 項第 3 号。 ・放送法施行規則 別表第一号(第一 条の二関係)十二、十三。 ・労働契約法第 16 条。 文化庁、文化審議会、総務省、厚生労働省。 疑わしきは罰することが、なぜこうもスムーズに決まってしまうのか疑問。 中国の検閲ソフトに反対した我が国なら必ず善処されると信じている。 243 資料1-2 189 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人34 ダウンロードの違法化 今年の6月12日に、「著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われ る自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害 規制、制度、慣行、又は手続等の となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画 現状 を、その事実を知りながら行う場合」は私的複製に当たらないとする、ダ ウンロード違法化条項を含む改正著作権法が成立し、来年の1月1日 の施行される。また、適法マーク等の区分け措置が行われている。 いわゆるダウンロードの違法化は、デジタル技術・情報の利活用を阻 む、大きな問題のある制度である。理由はまず、インターネットを利用す る際、ダウンロードは情報の閲覧を含めていかなる場合にも必要な行 為である。またインターネット上で情報を利用する際、ダウンロードをし なければ、その情報が本当に著作権法を違反していないかどうかは分 からない。 ダウンロードをしなければ違法かどうか分からないのに、そ のダウンロードを違法とするのは明らかにおかしい。ただ、情を知って いなければ今回施行される改正著作権法では違法ではないのだが、そ の人間が違法な情報をダウンロードを情を知って行ったか否かは、ダウ ンロード者本人の内心の問題であり、外部の第三者から見て分かるは ずがないことである。 つまり、ダウンロードの違法化によって、インタ ーネットがダウンロードという行為から切り離せないものであり、ダウン ロードをしなければその情報が本当に違法かどうか分からず違法情報 具体的な問題点 回避のために注意もしようがないことから、インターネット上の違法とさ れる行為が過大な範囲に渡り、それを避けるためには運しか頼みがな いような状態になる。そのため、ダウンロードの違法化は、膨大な数の 違反者を生んでしまう事になる。 また、情を知っているか否かは外部 からでは絶対に分からないことから、違法と知らずにダウンロードをした としても、権利者から訴訟を受けるリスクは、違法と知っていた場合と変 わらない。情を知っていなければ無罪になるが、訴訟を受ける事自体が 一般の人間にとって大変な苦痛及び社会的なダメージを受ける事であ る。故に、情を知っていなければ違法ではないという事は、インターネッ ト利用者への過度なリスクをほとんど軽減しない。 これらの事から、 著作権法違反を避けるために、インターネットのあらゆる利用に対し、 合法的な情報に対するものも含む如何なる行為にも過度な疑念を抱か ねばならず、インターネットの利用に重大な萎縮をもたらしてしまう。今 は、キャッシュはダウンロードとされていないが、もし仮にダウンロード 244 資料1-2 の違法化が拡充され、キャッシュへのダウンロードが違法とされればい つ何時違法行為をしてしまうか分からなくなり、インターネットの利用が 事実上不可能となってしまう。 また、ダウンロード違法化によって、イ ンターネット利用者に対し情報を受けることへリスクを負わせる事は、信 用度の低い新興企業及びアマチュア、個人のホームページ等による情 報提供者に対する警戒を強め、その利用を阻害させる。それは、インタ ーネットの利点である、どのような人物、団体であれ気軽に情報を提供 できる事の阻害でもあり、信用力のある大手企業しか利用されないこと から、個人や新興企業のインターネットからの撤退を呼び、インターネッ トの健全な発展を阻害してしまう。一億総クリエーターという言葉が、空 しく響く事になる。 適法マークを使って、そのホームページが安全か 否かを保障するという計画や制度もあるが、これらのマークは主だった 企業や官公庁用であり、星の数ほどある新興企業や個人、アマチュア のページには手間の観点から対応できるとは考えられない。また、如何 なる海外の団体及びホームページは日本国とは関係がないため、それ らの制度を利用する事はない。故に、この制度はダウンロード違法化に よ る 弊 害 を 殆 ど 抑 え る 事 が 出 来 な い 。 さ ら に は 、 http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/houkoku.html のパブリック コメントにおいて8000件もの意見が出され、その7割がダウンロード違 法化に対する様々な懸念がすでに出されている。これを文化庁並びに 政府が無視し続ける事は、民意に対する挑戦であり横暴なことである。 以上のことから、著作権法をすぐにでも再改定し、ダウンロード違法化 を規定する著作権法第30条第1項第3号を無効、削除とするべきであ る。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 インターネット全利用者 改善提案 ダウンロード違法化を規定する著作権法第30条第1項第3号を改定 (解決方法及び解決による効果) し、この条項を削除する。 根拠法 著作権法第30条第1項第3号 関連府省等 文化庁 備考 なし 245 資料1-2 190 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手 続等の名称 規制、制度、慣行、又は手 続等の現状 個人34 著作権保護期間延長問題 日本の著作権保護期間は50年であるが、文化庁の文化審議会において、こ れの延長が議論されている。 またベルヌ条約等の国際条約により、著作権 に対する保護期間が50年以上と定められている。 著作権の保護期間は50年と長期であるが、そんなにも時間が経ってしまえば 殆どの著作物は、大した財産的な価値は持たなくなり、またその利益で著者に 創作活動へのインセンティブを引き起こすことはできなくなる。 そのため長期 の著作権保護は、莫大な数の著作物を死蔵させ、過去の著作物の公共利用、 デジタル化、新技術での再利用を阻害し、保護による個々人の利益及びインセ ンティブによる利益比べ、社会的に許容できない大きな不利益を生み出す。故 に、著作物が早期に公共利用される事の社会的利益の高さも鑑みて、50年か らもっと短い年数にされるべきである。 具体的な問題点 著作者へのリスペクトのために著作権 の保護期間を延長するべきという議論もあるが、著作者人格権の保護期間の 無期限化による同一性保護等で解決済みである。また、収入が発生するかしな いかの財産権と著作者への尊敬は別ものであり、著作権保護期間の論議とは 関係がない。 これらの事は、実演家やレコード会社の著作隣接権でも同じ事 であり、長期の保護をしたところで個々の利益は大して出ず、且つそのインセン ティブを引き出すことも出来ない。逆に、デジタル的な公共利用等を阻害し社会 的な不利益を出すだけとなる。これらの事も無益な延長を考えず、早期の保護 解除が与える社会的な利益の高さの観点からも、もっと保護期間を短い年月に するべきである。 問題により不利益を被って いる、困っている人又は団 国民全員 体等 改善提案 (解決方法及び解決による 効果) 文化庁における著作権保護期間延長の議論を打ち切る。 さらに、著作権及 びレコード会社等への著作隣接権に対する、過度に長期の保護期間を強制し ているベルヌ条約その他の関係条約の改正を、日本政府から各国に働きかけ ていく。 著作権法第2章第4節 著作権法第4章第6節 ベルヌ条約第7条 万国著作権 根拠法 条約第4条 ローマ条約第14条 レコード製作者の保護に関する条約第4条 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約第17条 TRIPS協定第1 2条及び第14条 関連府省等 文化庁 備考 なし 246 資料1-2 191 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人34 ブロッキングを含む児童ポルノ規制 児童ポルノの法改正が前国会から議論され、自民党及び公明党から 児童ポルノの単純所持の禁止並びに創作物規制への調査、民主党か ら収得の禁止が提案された。 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 また、「衣服の全部又は一部を着けな い児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの 」という第2 条第3項第3号の規定による定義の曖昧さが議論がされている。また、 現行の児童ポルノ規制法では18歳未満による児童ポルノの提供及び 製造、提供目的の所持まで禁止している。 その他、警察庁、総務省 などの官庁の指導の下、サイトブロッキングを検討する児童ポルノ流通 防止協議会が発足している。 児童ポルノは当然、撲滅されるべきものである。ただ、インターネット 上において、閲覧する事と収得する事は外部から区別をつけるのは不 可能である。それは、コンピューターへのキャッシュ保存という形で、閲 覧するだけで一般的に、その意図がなくてもダウンロードを行い自動的 に収得してしまうからだ。これは、インターネットの仕組みがダウンロー ドと不可分のため、如何なる対策もしようがない。また、そのインターネ ット上の情報が、閲覧する前に児童ポルノか否か確かめる術は殆どま ったく存在しない。 この事から、回避策はまったくないのに関わらず、 間違って或いは騙されて児童ポルノサイトのリンクを踏み、閲覧してしま っただけで本人の意図に関わらず収得したものと外部からは見なされ、 警察等の捜査を受けかねない。 具体的な問題点 捜査を受けても消去等していれば無 罪にはなるが、逆に言えばそれを忘れるだけ又は気づかないだけで有 罪にされかねない。さらに、最終的に無罪になっても、警察の捜査、拘 留を受ける事自体、一般の人間にとって大変な苦痛であり、大きな社会 的ダメージとなってしまう。そして、意図せず習得した児童ポルノでも、 それを消去すると証拠隠滅に問われる恐れもある。 インターネット上 に張られたリンクやホームページ、電子メールへの添付ファイルが児童 ポルノかどうかは閲覧してみないと分からないのに、閲覧してしまった だけで警察の捜査を受けかねないというのは、インターネットでの情報 収集に巨大なリスクを与え、インターネットの発展を大きく阻害すること は明らかである。 次に、電子メール等で悪意を以って児童ポルノを送 りつけられた場合、キャッシュによる自動収得と同じく、自分がそれを要 請していない事は第三者から見ても分からない事である。また、児童ポ 247 資料1-2 ルノを頒布する悪質なコンピューターウィルスも存在する。 つまり、電 子メールやコンピューターウィルス等で勝手に送りつけられると、これま た児童ポルノに興味がなくとも警察の捜査を受けかねない。また、麻薬 などと違い、残念ながら児童ポルノは簡単に作成出来ることから、一個 人でも児童ポルノを作成、送付し他人を簡単に犯罪者に変えることがで きる。 送りつけられた児童ポルノを消したところで、送付された事実 は変わらず、本人が意図したものかも外部からでは分からないため、警 察の捜査を受けかねないし避けるのも無理である。それは上記の通り 一般人には大変な苦痛で、また、企業関係者など公開された電子メー ルには、一個人では処理しきれないほどの大量のメールが届き、この 中に児童ポルノが混ざっていれば、冤罪どころか本当に有罪になってし まう。 「自身の性的好奇心を満たす目的で」、積極的あるいは意図的 に画像を得た場合であるなどの限定を加えたところで、本人の内心の 問題であり、それはどのような方法であれ、第三者には証明しようがな いのは変わらない。 また現行の児童ポルノ規制法は、定義年齢が十 八歳未満と諸外国に比べ範囲が大きすぎる。十七歳と十八歳を見分け るのは医者や専門家ですら不可能であるのに、一般人がネット上にて これらの所持及び収得を避ける事は難しく、禁止を行う事は無理があ る。 以上のような甚大な危険性を持つのに、単純所持規制や収得規 制を行うのは理解しかねる。しかも、情報を閲覧、個人で収得するだけ では児童ポルノといえど、児童ポルノの被害者本人にさえ如何なる被害 も発生し得ない。これらの規制はプライバシーの侵害並びに通信の秘 密を侵し、知る権利、及び内心の自由への侵害ですらある。 児童ポ ルノの被害者は、それが存在するだけで不安にさらされるため、根絶す るために単純所持規制をしなければいけないという意見もあるが、遺憾 ではあるがゼロを証明する事は悪魔の証明であり、どのような強力な規 制を作ったところで不可能である。そのような無理な事に挑むより被害 者の精神的ケアに、限られている労力を割くことが有益なのは間違いな い。 創作物への規制に関しては、一般的な倫理に基づき猥雑である ならば猥雑物として、すでにある法規制を利用すればよいだけの話であ る。実在の被害者、実在のモデルのいないものを、個人法益に基づい た児童ポルノ法で規制するのは無理がある。法律の権利は相対的なも のであるはずだ。 仮に規制するにしても、架空の存在である以上、そ れが児童であるかどうかは、判断者の恣意でしか基準が作れない。恣 意的な意見を人々に強制することは、表現の自由、言論の自由、内心 の自由、検閲の廃止を侵す横暴な検閲行為である。 さらには、創作 物が犯罪を直接的に引き起こす等という説は科学的には古典であり、 すでに否定された事である。統計的にもアニメやゲームといった創作物 が、犯罪を引き起こすというデータはない。犯罪を引き起こさないもの へ、法的な規制を加える必要は認められない。 248 以上から、創作物の 資料1-2 法的な規制を求める主張は、創作物に関わっている人間に対し無用の 誤解を与え、インターネット上の文化を死滅させる主張であり許容すべ きでない。 児童ポルノサイトのブロッキングに関しては、日本国内な らば現行法の下、速やかにそのサイトを削除すればよい。外国サイトな らば児童ポルノの主要流通国であるアメリカやドイツは当然だが児童ポ ルノは禁止であり、その他の国でも虐待に関して法律がない等というこ とはない。そのため、海外の児童ポルノに関しては、外国政府に連絡及 び対応を要請すればよいだけであり、日本においては既に法律で削除 逮捕等の対応ができることから、ブロッキング行為は無意味である。 また、ブロッキングにより、遮断されたサイトが本当に児童ポルノサイト かどうかは国でしか分からず、どのサイトが遮断されたか第三者には分 からない。それは、ブロッキングを施行する団体、官公庁が勝手に健全 なサイトを児童ポルノサイト扱いし、言論を人知れず封じる事ができる 極めて危険な喧伝を与える事になる。 また、何度も申し上げるが児 童ポルノといえど閲覧するだけでは、その児童ポルノの被害者自身に すら如何なる被害を及ぼしえないのに、その種の規制をすることは有害 である。 フィンランド等、ブロッキングを実行している国がブロッキング したサイトには、殆ど児童ポルノサイトが含まれていなかったという事例 がある。 以上から、ブロッキングは、検閲の廃止、知る権利を侵す見 過ごせない行為であり、このように危険なブロッキングというモノが国の 官公庁から提案されていると自体が驚きである。即刻ブロッキングの計 画をやめるべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 国民全員 児童ポルノ規正法の改正は、その定義の明確化及び、諸外国に比べ 明らかに広すぎる年齢幅の引き下げのみを行う。また、三年毎の改正 議論の強制を命じる付帯決議を削除する。 児童ポルノ流通防止協議 改善提案 会を解散し、サイトブロッキングに関する検討を止めさせる。 (解決方法及び解決による効果) 等で、国民の如何なる公開情報であれ、それを収得する権利の保障、 並びに如何なる理由であれ検閲行為の禁止を明言する。 通信法 児童ポルノ 単純所持規制を行っている国へ、そのような危険な規制を廃止するよう 政府から働きかける。 根拠法 「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関す る法律」、通称、児童ポルノ規正法。 関連府省等 警察庁、総務省、厚生労働省 備考 なし 249 資料1-2 192 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 NPO 士業カウンシル OSS(自動車保有関係手続ワンストップサービス) ①OSSは申請書の電子化にとどまっている。電子化の阻害要因である 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 物の 部分すなわち封印制度を廃止すべきである。 ②登録・届出自動 車に一律3年の車検期間を付与すべきである。 ③自動車税申告書様 式の全国一律統一化を図るべきである。 ④軽自動車の届出制度を再 点検すべきである。 ①自動車の封印制度は、ユーザーが全国どこからでも手続が出来る電 子申請 の目的を阻害している。さらに小さな政府構築を阻害する管轄 主義の一因 となっている。その根拠が封印であり、国民が電子登録す る場合の大きな 阻害要因である。自動車関係団体には封印権が付与 されているが県外や中 古車等が対象外となっていることからも、OSS におけるユーザー登録の 電子化を阻害する要因の一つとなっている。 ②車検期間について合理的な根拠がないままに、初度登録3年として いるこ とは、外国から輸入した中古自動車は3年、国内の中古車は2 年とされて いることに不合理性がある。 ③自動車税の申請書様式が 具体的な問題点 都道府県毎に異なるのは住所異動の際の 手続ごとに用紙を取り寄 せなければならない不便性を強いている。ネッ ト上で基本様式を掲載 しておれば誰でも容易に入手可能であり格段に利便 性が向上する。 軽自動車の届出は所有権の公証制度の規定がない。しかるに全国軽 自動車 販売協会が多年にわたり事前審査事務を受託し、いろいろな 口実を設け て、法に定めのない譲渡証明書の販売や添付書類の義 務づけ、根拠のない 税止め 費用徴収、所有者の印鑑照合、所有権 確認のためのユーザー情報 の開示等違法行為が行われている。電 子申請を阻害する法的根拠のない事 前手続と業界委託は中止すべ きである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 自動車ユーザー全般 250 国民 資料1-2 【改善提案と効果】 ①自らOSSを利用しようとするユーザーの利便を 向上させるために、軽自 動車と同じように登録自動車の封印制度を廃 止する。 ②同じ中古車でありながら3年と2年の車検期間が混在する 合理的理由がな く車検は全て3年とする。 転勤の際など封印の ためユーザーが陸運支局に出頭しなければならな い不便性が解 決でき、かつ、電子申請向上に資する。 ③全国どこからでも電子申請 改善提案 (解決方法及び解決による効果) が可能となる。そのためにも完成検査証と譲渡証データをユーザーに 提示すべきである。 【効果】 ①この改善によって、国民は出頭義務と 現車提示義務が軽減され、管轄主義 を廃止して実態に即した電子申 請の運用により、時間的にも費用的にも大 幅な負担軽減が図れる。 ②登録・車検制度の法的整合性が保たれ、3年車検により国民が大幅 な車検 費用の軽減が可能となる。 ③自動車登録・届出制度には行政 と外郭団体のシステム癒着とも言うべき慣 行が形成されており、契約 書のない行政事務委託による国民負担が削減さ れ、電子化が促進さ れることにより行政事務の透明性が向上する。 根拠法 道路運送車両法 関連府省等 国土交通省 地方税法 総務省 各都道府県 自動車保有関係手続は天下り先である自動車関係団体に対する特権 が付与されている。これが電子申請を阻害する最大要因である。OSS 備考 は電子申請システムと関係団体の利権保護のための施策に利用され ているだけで、その利用率は業界の利用率である。むしろシステム癒着 により国民の手続はより困難な状況になりつつある。 251 資料1-2 193 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人35 レセプト審査における都道府県ごとの運用基準(ローカルルール) i-Japan 戦略では、レセプト情報の活動が謳われています。しかし、現状 規制、制度、慣行、又は手続等の ではレセプト審査の運用基準は都道府県による差異、いわゆるローカ 現状 ルルールが存在しています。各病院はその基準を熟知しており、そのロ ーカルルールに沿った診療が行われているのが現状です。 ローカルルールにあわせた診療が行われていると、仮にレセプトを電子 具体的な問題点 化しても診療内容などを純粋にベンチマークできなくなります。 医療の 質やコストを比較する際にローカルルールによるバイアスがかかること は、レセプト分析などに重大な影響を与えます。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 医療費の負担者(国、保険者および国民) 各都道府県の支払基金や国民保険連合会が保有しているレセプト審 査上の申し合わせ等の内部文書をすべて厚労省保険局に提出させ、 改善提案 精査ののち都道府県統一の審査基準を作成することが望ましいと考え (解決方法及び解決による効果) ます。 これを各都道府県および国民一般に配布することにより、医療 費の適正化が図られるとともに、レセプト分析の精度の向上が期待でき ます。 根拠法 関連府省等 健康保険法、保険医及び保険医療機関療養担当規則(厚生労働省令) など 厚生労働省(保険局) これは本題から外れますが、ローカルルールをなくすことでレセプト審 備考 査そのものを都道府県で集約する必要もなくなり、道州制単位(現在の 制度でいえば厚生局単位)で、人件費が安価な地域で一括して行うよう な方法もとれ、審査コストの低減も期待できます。 252 資料1-2 194 提出者名等 株式会社MTI 規制、制度、慣行、又は手続等の 動産・債権譲渡登記制度(法人が行う動産と債権の譲渡について登記 名称 による第三者対抗要件の具備を認める制度) 動産を特定する方法は「動産の特質」と「動産の所在」の二つがあり、 「動産の特質」は、「動産の種類」および「動産の記号、番号その他の同 種類の他の物と識別するために必要な特質(製造番号やシリアルナン バーなど)」によって特定され、「動産の所在」は、「動産の種類」および 「動産の保管場所の所在地(住所(地番または住居表示番号まで記録 することが必要)、保管場所の名称など)」によって特定される。 日常的 に搬入、搬出が繰り返される在庫などが位置付けられる集合動産の特 定方法としては、登記の備考欄に特段の定めを設けない限り、登記さ れた所在地の保管場所にある同種類の動産すべてが対象となるため、 「動産の所在」が用いられる(工場で使用する機械などが位置付けられ る個別動産の場合は「動産の特質」によって特定される)。 ご参考) 登 記申請の手続き(登録免許税および必要な書類) 債権譲渡登記・動産 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 譲渡登記の申請に係る登録免許税 動産譲渡登記申請 1 件につき 7,500 円(申請 1 件につき 100 件の動産を登記可能) 抹消登記申請 1 件につき 1,000 円(申請 1 件につき 100 件の動産を抹消可能) 申請に 必要な書類 動産譲渡登記に必要な書類としては、a. 登記申請書、b. 委任状(代理申請の場合)、c. 取下書(任意)、d. 申請が法人であると きは代表者の資格証明書(作成後 3 ヶ月以内の代表者事項証明書 等)、e. 譲渡人の代表者の印鑑証明書(作成後 3 ヶ月以内)、f. 譲受人 の住民票(法人であるときは、d.の資格証明書)、g. 特別事由証明書 (存続期間が 10 年を超える場合)、h. 申請データを記録した磁気ディス クなどが挙げられる。 抹消登記に必要な書類としては、a. 登記申請 書、b. 委任状(代理申請の場合)、c. 取下書(任意)、d. 申請が法人で あるときは代表者の資格証明書(作成後 3 ヶ月以内の代表者事項証明 書等)、e. 譲受人の印鑑証明書(法人であるときは、代表者の印鑑証 明書)(いずれも作成後 3 ヶ月以内)、f. 譲渡人又は譲受人の表示が登 記された表示と異なるときはその変更を証する書面などが挙げられる。 「動産の所在」による特定方法を用いる場合、動産が登記上の保管場 所から搬出された場合に登記による公示の効果が失われるため、サプ 具体的な問題点 ライチェーン上における担保対象となる動産が限定的となり(物流網上 の動産を担保対象とすることができない)、企業の事業展開に必要な資 金需要を十分に満たせない可能性がある(特にサプライチェーンが長い 253 資料1-2 企業の資金調達への影響は大きい可能性がある)。また融資元である 金融機関においても動産譲渡担保権の実行時に動産の散逸リスクが 高い可能性がある。 ご参考) 在庫などの集合動産を「動産の特質」に よって特定する方法も考えられるが、対象となる動産件数が相当数に なることから企業が負担する債権譲渡登記・動産譲渡登記の申請に係 る登録免許税が重いこと、また動産譲渡登記や抹消登記申請に関わる 業務(必要な書類の準備)が煩雑であることが問題となる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 企業(融資先)、金融機関(融資元) (サプライチェーン上の動産のトレーサビリティが確保できることを前提 に)在庫などの集合動産を特定するにあたって、譲渡人が動産管理を 委託する第三者の「物流会社」や「場所コード」などで定義されたサプラ イチェーン上の任意の空間などによって特定することにより、上記問題 点が解消可能と想定する(例示:○○物流会社(同物流会社の倉庫、ト ラックなど物流オペレーション上のあらゆる所在場所(空間))に委託管 理されているすべての□□種類の動産)。その結果、動産が企業から 販売先に資産移転するまで担保対象を拡大することが可能になり、事 改善提案 業展開に必要な資金需要を満たし(満たす可能性を高め)、企業の健 (解決方法及び解決による効果) 全な成長を支援可能となると考える。 ご参考) 在庫などの集合動産を 「動産の特質」によって特定する場合においては、債権譲渡登記・動産 譲渡登記の申請に係る登録免許税負担の軽減、または申請 1 件あたり の申請可能な動産の限度数を現状の 100 件から大幅に増やすこと。ま た、動産譲渡登記や抹消登記などの申請にあたって、対象となる動産 の個体識別番号を自動的かつリアルタイムに、柔軟に動産譲渡登記 (追加)または抹消登記(削除)を可能とするなどが改善案として考えら れる。ただし、企業および金融機関におけるインフラ整備を鑑みた場 合、現実的ではない可能性が大きい。 民法(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関す 根拠法 る法律(動産・債権譲渡特例法)、債権譲渡の対抗要件に関する民法 の特例等に関する法律の一部を改正する法律) 関連府省等 不明 備考 特になし 254 資料1-2 195 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手 続等の名称 株式会社 情報数理研究所 政府関連調達に関わる全省庁統一資格制度 制度の簡素化のため、「競争参加者の資格に関する公示」において、全省庁一 規制、制度、慣行、又は手 続等の現状 律に A,B,C,D のランキングが設定され、たとえばソフトウェア開発等の役務提 供では B ランクの場合 1500 万円以上-3000 万円未満、C ランクは 300 万円 以上-1500 万円未満の予定価格の入札にしか原則的には参加できないとされ ている(「弾力的な競争入札を求める場合がある」との但し 書きもありますが)。 デジタル技術情報の利活用においては、先進的なチャレンジや、ニッチ市場的 な多様な試みが民間業者によって幅広く展開され、政府の調達活動において も、そうした動きを支持・促進することが有益であると考えられますが、現行の 政府調達に関わる統一資格制度では、そうした前向きの動きを強く抑制してい ると考えざるを得ない面があります。 現行の調達制度の基礎的な考え方とし 具体的な問題点 て、政府調達では、全体的にも個別の調達部門のインセンティブとしても、リス ク回避を優先するという考え方だと受け取れます。国税の運用という意味では そうした考え方も理解できないではありませんが、こと IT に関わる調達では、前 向きの可能性を積極的に推進する立場が必要ではないでしょうか。安定性と実 績を重視するとすれば、後ろ向きの施策となってしまうと思われます。 また、ソ フトウェア企業に対しても、安定性と実績を強調することとなり、従来のいわゆる 派遣体質等の促進となってしまいます。 現状の制度で、IT プロジェクトとしてはさほど大きなものではない 3000 万円の予 定価格をもつ入札案件に対応できる A ランクの判定基準に達するには、実質的 問題により不利益を被って には年間売上高 100 億円(または 200 億円)以上といった基準のクリアが必要 いる、困っている人又は団 であり、小規模なソフトウェア開発企業の参加機会を非常に困難としています。 体等 弊社の具体的な経験としても、資格要件の硬直的な実施・運用により、従来可 能であったいろいろな場面での参加資格が大幅に閉ざされているという実感お よび実態があります。 IT 関連の調達において、特定の事業者との関係に縛られることのない調達の 改善提案 オープン化を進めると同時に、大幅に資格要件を緩和する。業者の能力評価に (解決方法及び解決による 関しては、総合評価方式のような判定方法の活用や、ソフトウェアプロセス評価 効果) 方式などの活用により担保できる。 それらの成果として IT 市場の活性化が図 られる。 根拠法 全省庁統一資格(「競走参加者の資格に関する公示」) 関連府省等 ほぼすべての府省ですが、主として総務省と経済産業省に関係するでしょうか 備考 (特にありません) 255 資料1-2 196 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等 の名称 株式会社PTP B-CAS カード支給契約 現在、地上デジタル放送対応受信機(テレビや録画機など)の製造販売に 際し、メーカーは B-CAS 社(株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシ ステムズ)との間で B-CAS カード支給契約を締結することが必要となってい る。 この際の契約条件として、ARIB(社団法人電波産業会)および Dpa(社 規制、制度、慣行、又は手続等 団法人デジタル放送推進協会)により定められる技術資料(コンテンツ保護 の現状 ルール)を順守することが求められる。しかし、そもそも B-CAS の仕組みに は法的な根拠があるわけではなく、有料放送のために考えられたものであ って、全国民が使う無料放送を前提として設計されたものではない。また地 上デジタル放送で B-CAS の採用を決定するに至るまでのプロセスは、オー プンな場で議論されたものではなく、極めて不透明である。 1.メーカーは、コンテンツ保護ルールを順守して B-CAS カードの支給を受 けるために、高額な特許ライセンス・技術ライセンス契約や、各種団体へ加 盟することが必要であり、地デジ対応機器を製造販売したい中小企業の参 具体的な問題点 入障壁となっている。 2.B-CAS は元々有料放送で有料コンテンツを保護 するための仕組みであるため、過度なコンテンツ保護ルールとなっており、 商品企画の自由度が大幅に制限される。結果として、利便性を増すような 機器の商品企画ができず、幅広い国民が無料放送を視聴するための利便 性が阻害されている。 問題により不利益を被ってい 1.生活者(地デジ対応受信機を購入する全国民) 2.地デジ対応受信機 る、困っている人又は団体等 の製造・販売に新規参入しようとする企業 1.無料放送から限定受信方式(Conditional Access System, CAS)を撤廃す る 。 2 . 無 料 放 送 に 関 し て は 、 デ ジ タ ル 著 作 権 管 理 (Digital Rights Management, DRM)のような技術的制限を使用しない受信機の製造・販売 ができるようにする。私的録画の範疇を越えた行為に対しては、著作権法 改善提案 等の制度で対応すべきである。 3.(解決による効果)以上によって、地デ (解決方法及び解決による効 ジ対応受信機の商品企画の自由度が大幅に向上する。これにより消費者 果) の選択肢の幅が広がり利便性も向上するため、視聴者がTVに触れる機会 が増え、デジタルコンテンツ市場が拡大する。また参入障壁が低くなること で、既存のメーカー以外の企業からイノベーティブな製品が登場したり、ニッ チな市場に向けた製品が発売されることが期待され、マーケット全体の拡 大・活性化につながる。 根拠法 現状の制度・慣行の根拠にあたる法律はなし。 関連法:著作権法、不正競 争防止法 関連府省等 総務省、経済産業省、文部科学省、文化庁 備考 なし 256 資料1-2 197 提出者名等 規制、制度、慣行、又は 手続等の名称 個人36 「B-CAS カード支給契約」 地上デジタル放送対応受信機(テレビや録画機など)の製造販売に際し、メーカー は B-CAS 社(株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ)との間で B-CAS カード支給契約を締結することが必要となっている。 この際の契約条件と 規制、制度、慣行、又は 手続等の現状 して、ARIB(社団法人電波産業会)および Dpa(社団法人デジタル放送推進協会) により定められる技術資料(コンテンツ保護ルール)を順守することが求められ る。しかし、そもそも B-CAS の仕組みには法的な根拠があるわけではなく、有料 放送のために考えられたものであって、全国民が使う無料放送を前提として設計 されたものではない。また地上デジタル放送で B-CAS を採用するに至るまでの経 緯は、オープンな場で議論されたものではなく、不透明である。 1.メーカーは、コンテンツ保護ルールを順守して B-CAS カードの支給を受けるた めに、高額な特許ライセンス・技術ライセンス契約や、各種団体へ加盟することが 必要であり、地デジ対応機器を製造販売したい中小企業の参入障壁となってい 具体的な問題点 る。 2.B-CAS は元々有料放送で有料コンテンツを保護するための仕組みであ るため、過度なコンテンツ保護ルールとなっており、商品企画の自由度が大幅に 制限される。結果として、利便性を増すような機器の商品企画ができず、幅広い 国民が無料放送を視聴するための利便性が阻害されている。 問題により不利益を被ってい 1.生活者(地デジ対応受信機を購入する全国民) 2.地デジ対応受信機の製 る、困っている人又は団体等 造・販売に新規参入しようとする企業 1.無料放送から限定受信方式(Conditional Access System, CAS)を撤廃する。 2.無料放送に関しては、デジタル著作権管理(Digital Rights Management, DRM) のような技術的制限を使用しない受信機の製造・販売ができるようにする。私的 改善提案 (解決方法及び解決によ る効果) 録画の範疇を越えた行為に対しては、著作権法等の制度で対応すべきである。 3.(解決による効果)以上によって、地デジ対応受信機の商品企画の自由度が 大幅に向上する。これによりユーザーの選択肢の幅が広がり、利便性も向上する ため、視聴者がTVに触れる機会が増え、デジタルコンテンツ市場が拡大する。ま た参入障壁が低くなることで、既存のメーカー以外の企業からイノベーティブな製 品が登場したり、ニッチな市場に向けた製品が発売されることが期待され、マーケ ット全体の拡大・活性化につながる。 根拠法 #NAME? 関連府省等 総務省、経済産業省、文部科学省、文化庁 備考 特になし 257 資料1-2 198 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 国際航業株式会社 地理空間情報の利活用に関する規制の緩和 地方公共団体で整備される地理空間情報(航空写真を含む)が流通し ていないため、結果、重複投資や地理空間情報の有効活用がなされて いない。 庁内で撮影される航空写真は維持管理される計画図、台帳図等に利 活用することができる。また、各部門で整備される地理空間情報は他の 部門においても活用でき、共用することでコスト縮減や維持更新の負担 を軽減することができる。 しかし、地方公共団体では“情報を公開する 具体的な問題点 ことによる利活用の促進”と“情報を流布することの秘密の漏洩”の区分 が曖昧であるために、情報の公開に積極的になれないでいる。 個人情 報や職務上知りえた秘密の保持・漏洩に充分配慮した上で、公開しても よい情報は、民間を含め流通させることで有効活用(民間産業の発展) すべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 地方公共団体、航空写真を利用したいと考える民間企業 改善提案 利用制約の明確な記載はないが、慣習として利用に制約があるため、 (解決方法及び解決による効果) 個別法(地方税法)の運用規則等に利用可能であることを明記する。 根拠法 地方公務員法第三十四条第一項・地方税法第二十二条 関連府省等 国土交通省、総務省 備考 特になし 258 資料1-2 199 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 国際航業株式会社 地方公共団体で維持・更新される図面類の電子化の義務化 規制、制度、慣行、又は手続等の 地方公共団体で維持管理されている図面の多くが流通されていないた 現状 め、結果、重複投資や地理空間情報の有効活用がなされていない。 地方公共団体の各部署で維持・管理される図面類が電子化されれば 地理空間情報として他の部署、隣接する市町村、地理空間情報を活用 した民間企業の事業創出などに役立つ。 しかし、地方公共団体では、 具体的な問題点 図面類(付図、台帳図、計画図等)の電子化(デジタル化)が不十分(多 くは紙図面での活用)であるため、流通・有効活用することができないで いる。 付図・計画図等の図面類の維持・管理を義務付ける個別の法律 に電子化を義務付けるべきである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 地方公共団体、各種図面を利活用したいと考える民間企業 地方公共団体で保有する台帳および付図は個別の法律(道路法、都市 計画法など)および施行規則に従って維持管理されているため、個別の 法律または運用規則に電子化を義務づける。 道路法第二十八条・道路法施行規則第四条の二、都市計画法第四条 根拠法 2および第五条・第六条・十四条・五十三条・都市計画法施行規則第九 条・三十九条 関連府省等 国土交通省、総務省 備考 特になし 259 資料1-2 200 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、 又は手続等の名称 規制、制度、慣行、 又は手続等の現状 具体的な問題点 個人37 意味不明 意味不明 政府に都合の悪い情報を遮断することは百害あって一利なし 問題により不利益 を被っている、困っ 国民全体 ネット規制により政府に都合の良い情報しか見ることが出来ないようになる ている人又は団体 ことは国民全員がロボット人間になるだけであり百害あって一利なし 等 (1)出会いサイト規制について 一方的サイト削除や恣意的な逮捕者が頻発する現在 の法制定は馬鹿馬鹿しいの一言。駅前の待ち合わせ場所やナンパ場所を突然封鎖す るのと変わらない。 恋愛とも買春とも全く無関係なのに該当の書込みがなされる可能 性もある掲示板を、安心して持つこともでいないような現行法はやりすぎであり緩和す べきである。 (2)青少年ネット規制法・携帯フィルタリング義務化 メディアリテラシー 教育の観点からも、絶対に反対。価値観の押し付けや偏見の温床にもなりかねない。 改善提案 たとえばゲイ悩み相談のサイトがはじかれたりするのがいい例で、また内政干渉で欧米 (解決方法及び解 の価値観が入れば原爆や捕鯨賛成のサイトがブラックリストに乗りかねない。中国の行 決による効果) っているフィルタリングのおぞましい実情を鑑みれば尚更。 ブラックリスト認定機関な んてもっての他。1件の審査料ごとに天下り職員が潤うような機関の設立は絶対に許さ れない。【非公開】は今すぐ解体すべきである。 (3)児童ポルノ規制・サイトブロッキン グ 児童(未成年)の性表現の規制には問題がある。性虐待行為を防止するべきであ って性表現を禁止すべきではない。ここをあやふやにすると、ティーンの水着グラビアや 家族のアルバムの所持すら危険が伴う。 また、リンクを貼った、貼られていた、画像 のメール添付などで罪を問うことは断固反対。インターネットでは所持も閲覧も送受信も 260 資料1-2 すべてユーザーの意識しないうちに行われるもの。冤罪の温床に他ならない。 また、 漫画キャラ・アニメキャラのような、戸籍も年齢も実質性皆無のものを児童ポルノ範疇に 加えることは、あきれるほど問題外。 インターネット規制強化は百害あって一利なし。 子どもが危険なサイト見ずにすむから規制した方がいいと言いたそうだが寝言を言うべ きでない。 政府にはいはいと順応するだけのロボット人間を量産するだけである。 根拠法 全ての規制強化 関連府省等 意味不明 今回のパブリックコメントの募集の方法はやり方が汚い。 根拠法を出せだの関連 府省庁も書けだの わざとフォームを複雑化して敷居を高くして意見を言いにくくするよ うな意見の募集の仕方は汚いし 意見募集期間も短い 最低 1 か月は募集すべきであ 備考 る もちろんマスコミが国民に周知させることは当然のことである すべきである 普通に意見を募集 また現状でも政府に都合の悪い情報は、インターネットでしか知ること が出来ないのは異常である テレビ、新聞がネット規制の都合の悪い部分を国民に周 知させないのをいいことに規制強化だけをすることは極めて汚い 261 資料1-2 201 提出者名等 個人38 規制、制度、慣行、又は手続等の 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関 名称 する法律 規制、制度、慣行、又は手続等の 青少年保護の目的を逸脱する広範囲の規制が携帯電話にて行われて 現状 いる。 基準が非常に曖昧で何が有害なのか明確になっていない。 有害情報 と共に有益な情報が規制されることがあってはならない。 18 歳から選 挙権が得られると言う動きがあるにも関わらず、 携帯電話で 20 歳未満 具体的な問題点 の若者が政治サイトにアクセスできないのはおかしい。 酒造メーカー や漫画アニメ関連の一部、下着、水着、一般の掲示板といった 有害と は思えないものまでアクセスできない。 若者の権利を大きく侵害してい る。 情報伝達を阻害しインターネットの発展を萎縮させるものである。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 根拠法 20 歳未満の若者 規制基準を明確にし、児童の閲覧保護には親の判断を優先する。 必 要の無い改正を避けるよう3年毎の見直しを撤廃し、明確な改正の必 要性が出てきた場合に早急に対応できるようにする。 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関 する法律 関連府省等 警察庁 備考 なし 262 資料1-2 202 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 国際航業株式会社 官公庁が実施する建設関連の電子納品 国土交通省が中心となり地方自治体等へ実施の推進を呼びかけてい るが、未徹底であり、官公庁が実施する公共建築物、構造物等の各種 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 設計図書や施工図書の納品規定が明確でないことから、電子データの 再利用が保証されていない。 また各地方自治体に推進を委ねているこ とから、実施にバラツキがある。また、要領・ガイドラインの内容に差異 が生じているため、納品する設計・工事請負業者側が対応に苦慮した り、また技術レベルの向上ができない。 過去に整備された公共建築物、構造物等の将来にわたるメンテナンス 具体的な問題点 を計画する上で、過去の履歴を適切に保存しなければ、安全対策や的 確な予算措置ができないため、今後の社会的な不安に繋がる。 問題により不利益を被っている、困 納品する側の請負業者全般と適切なメンテナンスが行われない公共建 っている人又は団体等 築物、構造物を利用する国民。 官公庁が実施する建設関連の電子納品を明確に規定するとともに、請 負者が煩雑な処理を伴わない仕組みが必要。また、今後の公共建築 改善提案 物、構造物等の安全で快適な状況を保持する責任のある官公庁が積 (解決方法及び解決による効果) 極的に電子納品を推進するための措置が必要。このことから、限られた 国家の財源を無駄なく、有効に利用し、安全で安心できる暮らしが保証 される。 根拠法 土木設計業務等の電子納品要領(案)他 関連府省等 国土交通省、農水省など 備考 特になし 263 資料1-2 203 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人34 【非公開】等による架空の創作物に対する規制運動 【非公開】を名乗るへの協力団体により、なるものが行われ、その中で 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 架空の創作物への規制を提議している。また、自民党女性局や公明党 からも同じようにインターネット上での創作物への流通規制や法的な規 制団体の設立等、架空の創作物に対する法的な規制を求める声明が 出されている。 現在、インターネット上における、架空の創作物の表現が過激である と問題視し、規制するべきという動きがある。しかし、架空の創作物へ の法的な規制を行うことは、どのような種類の創作物又は情報に対して であれ、検閲の廃止、表現の自由、言論の自由、内心の自由、出版の 自由に反することである。そのため、如何なる倫理に反した表現であ れ、それが特定個人、法人に対する名誉毀損及び侮辱に当たらない限 り、保護されるべきである。 また、架空の創作物が直接的に犯罪を引 き起こす等という所謂、強力効果説は古典の域であり、すでに学問的に はに否定されている事である。そのため、公共の福祉等を鑑みても、如 何なる倫理に反した架空の創作物もそれを侵害するとは考えられな い。 具体的な問題点 あえて創作物を規制するにしてもは、それが実害を生み出さない ものである以上、規制の基準は規制を管理する団体の恣意によるもの になり、客観的な基準は設けられず極めて歪なものにしかならない。そ れはまた、何が規制されているか分からないため、インターネット上で の創作を人々が過剰に躊躇を引き起こす さらに、インターネットでの 誰でも様々な情報に接しうる情報の流通性の高さを問題視して、インタ ーネットの所謂『有害情報』からの青少年保護を盾に創作物規制を進め よう等の動きもあるが、青少年保護に関しては 18 歳未満のインターネッ トを利用する際のフィルタリングの義務化で、青少年がそれらの情報に 触れ得ない以上、既に解決した問題であり、ネット上の青少年保護はフ ィルタリングの技術的な強化以外の事は不要である。クリエーター並び に情報提供者に対し、規制を強制させネット上の情報活動を萎縮させる のは無意味かつ有害である。 以上の事から、架空の創作物に関する 如何なる規制も正当性はなく、インターネット上の創作文化において無 264 資料1-2 意味な萎縮効果を生むだけであり行うべきではない。そして、これらの 法制定を求める声に対して、検閲の廃止、表現の自由、言論の自由、 内心の自由、出版の自由を尊重し、科学的客観的な理論を元に対応を するべきである。 さて、この架空の創作物規制の問題に関し、【非公 開】は、日本の成年向けのゲームや漫画等を問題視し、【この部分は、 特定の法人等の名称のため、公開を控えさせていただきます。】これを 【非公開】などとレッテルを張り規制を唱えている。 しかし、モデルや 被害者のいない、また上記の強力効果説の否定から学問的に見て児 童虐待を引き起こすものでもない架空の創作物に対し、【非公開】等と いう、まるで違法な児童ポルノと誤解させるような呼び名をつけ、法規 制を訴えるのはるのはおかしな行動である。 きつい言い方をすれば 無根拠な、営業妨害及び名誉毀損であり、日本のデジタルな創作文化 を担っている企業、クリエーターを徒に中傷し萎縮させる行為である。 また、【非公開】に関し、表現規制を求める運動はその趣旨に沿ってい るとは言えず、また【非公開】に書かれた事業とも関係がないので、【非 公開】違反であるのではないかという疑いすら抱ける。 以上のことか ら、【非公開】の行動は、【非公開】として失礼ながら相応しいと思えな い。そのため、【非公開】に対して、所管の外務省から【非公開】を出す べきである。それでも改善が見られず、情報、デジタル娯楽産業に対し て、その【非公開】の趣旨に反した営業妨害とすら取られかねない運動 を続けるならば、【非公開】 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 架空の創作物に関係するクリエーター並びにそのユーザー全て。 【非公開】に対して、所管の外務省等の行政を通じ、創作物規制という 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 公益を害する行動を止めるよう指導をする。改善が見られなければ、 【非公開】に対して、【非公開】創作物への規制を唱える議員等に対し、 行政は内心の自由、表現の自由、言論の自由、出版の自由、検閲の廃 止、等の憲法の精神及び科学的客観的理論を基にした対応をとる。 根拠法 【非公開】 憲法第19条、思想・良心の自由 憲法第21条、表現の自 由、言論の自由、出版の自由 同条二項、検閲の廃止 関連府省等 文化庁、外務省 備考 【非公開】 265 資料1-2 204 ※本意見は、パブリックコメントの募集の案内に記載されている「御意見中に、個人に関する情報であって特 定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を侵害するおそれがある場合等には、該当箇 所を伏せさせていただきます。」に該当する可能性があることから、内容の一部を非公開とさせていただいて おります。 また、本意見には、利用承諾を得ていない URL の記載があることから、当該 URL 部分は非公開と し、「【URL】」と記載させていただいております。 提出者名等 株式会社ワイズスタッフ 規制、制度、慣行、又は手続等の テレワーク(在宅勤務)のための、育児休業基本給付金の支給規則の変 名称 更 雇用保険法施行規則において、育児休業基本給付金の対象は「就業を していると認める日数が十日以下であるものに限る」とされている。 こ のため、たとえ1時間でも就業すると1日とみなされ、1 日 1 時間・月 10 日仕事をすると、わずか「月 10 時間」の就労で、育児休業給付金の対 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 象外となる。 現行規則は、デジタル技術・情報が普及していない時期 (昭和 50 年)に制定されたものであり、1 時間の就業でも通勤を伴うと判 断されたと思われる。現在、ICT の普及により、通勤を伴わないテレワ ーク(在宅勤務)が可能になったにもかかわらず、現状のままであること が、テレワーク自体の普及や、テレワークによる「仕事と家庭の両立支 援」「少子化対策」「中小企業支援」といった効果の増大を阻む要因とな っている。 育児休業期間中は、まとまった時間(8 時間)を確保することが難しい が、0 歳児は睡眠時間も長く、ICT を活用してテレワーク(在宅勤務)する ことにより、1 日 3~4 時間程度であれば、就業が可能となる。 たとえ ば、テレワークを活用し、1 日 4 時間で 20 日間、自宅で就業した場合、 合計の就業時間は 80 時間となり、通常業務の 50%の収入を得ることが できる。 しかし、現行の規則では、たとえ(10 日間 8 時間の就業と同 具体的な問題点 じ)80 時間でも、就業日数は 20 日間と判断され、育児休業給付金の対 象外となる。 一方で、育児休業給付金は現在 50%の支給があるため、 結果として「テレワークで働いても 50%収入」「まったく働かなくても 50%」 の収入となり、テレワークをして仕事を継続したいという(子育て中の)従 業員のモチベーションを大きく減退させている。また、育児休業中場業 員に、少しでも働いてもらいたいと考える企業(特に人材不足の中小企 業)にとっては、大きな障壁となっている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 ・育児休業制度を導入している企業において、「育児休業期間中でも、 自宅 児休業 からテレワーク(在宅勤務)で働きたい」「キャリアロスを恐れ、育 を取得できない」と考える子育て中の従業員。 ・育児休業制 266 資料1-2 度を導入しつつ、育児休業中の従業員を、テレワーク(在宅勤務) で 働いて欲しいと考える企業。 ・日本にテレワークを普及させたいと考え る政府・自治体、団体・企業、個人。 雇用保険法施行規則に定められている「就業をしていると認める日数 が十日以下であるものに限る」という判断基準を、日単位ではなく、時 間単位にする。 1 日の労働時間を 8 時間と想定する場合、「十日以下」 を時間単位にすると、「80時間以下」となる。 これにより、テレワーク (在宅勤務)で働いた 50%の収入(1 日 4 時間、月 20 日で 80 時間)と、育 改善提案 児給付金 50%、両方を受けとることができれば、100%の収入を継続する (解決方法及び解決による効果) ことが可能になる。 また、その効果として、育児休業中の業務継続によ りスムーズな復帰が実現し、育児と仕事の両立支援や、キャリアロスの ために出産をあきらめていた女性への支援、さらには、中小企業におけ る、育児休業中の業務効率の低下、代替要員の確保などの負荷を軽 減することができる。 さらには、テレワーク(在宅勤務)の普及を広げる ことが可能になる。 雇用保険法施行規則(昭和五十年三月十日労働省令第三号) 第二 款 育児休業給付 第百一条の十一 育児休業基本給付金は、被保 険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被 根拠法 保険者を除く。以下この款及び次款において同じ。)が、次の各号のい ずれにも該当する休業(法第六十一条の四第三項 に規定する支給単 位期間において公共職業安定所長が就業をしていると認める日数が十 日以下であるものに限る。)をした場合に、支給する。 関連府省等 厚生労働省 以下の私が運営しているブログ記事でも、これに関する情報(図など)を 記載しております。 【非公開】のテレワークブログ 【URL】また、昨年、 備考 弊社が実施した「女性が働きやすい社会」をつくるためのアンケート調 査報告書にも関連情報が記載されていますのでご参考ください。 http://www.ysstaff.co.jp/archives/jisseki/research/00303.html 以上、 よろしくお願いいたします。 267 資料1-2 205 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 個人38 児童買春・ポルノ禁止法(以下児童ポルノ禁止法) 規制、制度、慣行、又は手続等の 基準が非常に曖昧で何が有害で違法なのか明確になっていない。 判 現状 例に基づいた曖昧な運用がなされている。 被害者の直接的な保護は何一つされていない。 児童ポルノに関する 犯罪は現行法で対応可能な問題であるにも関わらず、 警察が積極的 に取り締まっていないことに疑問を感じる。 必要性の無い、過剰な規制 具体的な問題点 内容の改正案が作成されている。 改正案は事実上のネット規制法案 であり、 海外ではネットやメールの検閲が進展する事態になっている。 さらに海外での児童ポルノ単純所持規制は犯罪抑止、 児童ポルノ生 産抑止にすらなっておらず犯罪、冤罪を増加させている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 直接救済されない児童、過剰な規制による国民の権利侵害の危惧。 児童ポルノの基準を明確にする。 通報制度を整備しいち早く発信源を 取り締まるよう捜査方針を改めさせる。 所轄官庁を警察から厚生省へ 改善提案 移し被害者の直接的な保護を優先する。 3年毎の見直しを撤廃し、明 (解決方法及び解決による効果) 確な改正の必要性が出てきた場合に早急に対応できるようにする。 以 上により国民の権利を守りつつ児童を守ることができる。 基本的に現 行法ベースで対応できる問題である。 根拠法 児童買春・ポルノ禁止法(以下児童ポルノ禁止法) 関連府省等 警察庁、厚生省 備考 なし 268 資料1-2 206 提出者名等 電子申請研究センター 商業・法人等のオンライン登記手続「商業法人オンライン登記申請につ 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 いて」http://www.moj.go.jp/MINJI/minji60.html#05-03-02 (こちらの「代理人による申請の場合」における委任による代理人の電 子証明書にビジネス認証サービスタイプ1-G を追加すること) 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 商業登記法では、誰もが代理人として手続ができるが、司法書士法に よって代理人は司法書士に限定制限している。 現行のオンライン商業法人・登記手続で利用できる民間認証事業にお ける特定認証業務の電子証明書では、日本認証サービスの証明書、 司法書士電子証明書等が認められている。これの電子証明書を利用 することで代理人として手続が可能である。そこで、民間認証事業での 特定認証業務の電子証明書である「ビジネス認証サービスタイプ1-G (行政書士用電子証明書)」も利用できるようにすれば、オンライン登記 具体的な問題点 手続の普及に寄与するのみならず、申請人本人の利便性に資すること もなる。既に行政書士は会社設立での電子定款に発起人若しくは社員 の代理人として行政書士用電子証明書にて定款に電子署名している。 この電子証明書は電子公証サービスで利用できるとして法務省告示さ れている。オンライン商業・法人登記手続で利用できる電子証明書には 既にビジネス認証サービスタイプ1-E(一般申請用電子証明書)が認 められ、代理人として手続できる者の電子証明書としても認めている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 法人設立の発起人、社員等 ビジネス認証サービスタイプ1-G(行政書士用電子証明書)を代理人 として電子署名する場合の電子証明書として承認する措置をすること。 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 法務大臣が定めるべきである。この改善措置により、法人の発起人若 しくは社員が、定款作成代理について行政書士へ、続けて登記手続は 司法書士へと二重に手須料を支払うことなく、一方の士業へ代理依頼 をすることで費用負担の軽減ができる。かつ、士業がワンストップサー ビスとしての取扱いが可能となる。 根拠法 司法書士法 商業登記規則第百二条第一項及び第四項 関連府省等 法務省 備考 269 資料1-2 207 提出者名等 団体B 規制、制度、慣行、又は手続等の 犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認方法の見 名称 直し 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 犯罪による収益の移転防止に関する法律(収益移転防止法)は、特定 事業者の特定業務のうち、特定取引につき、主務省令で定める方法に よる本人確認を義務付けている。 先の通常国会で成立した資金決済に関する法律により、銀行以外の企 業が資金移動業に参入可能となった。同法成立に伴う収益移転防止法 第2条2項の改正により同条同項に規定される特定事業者に資金移動 業者が追加されることとなった。その結果、資金移動業者は、特定取引 具体的な問題点 を行う場合には、原則として主務法令に定める方法による本人確認義 務が課されることとなると考えられる。しかし、とりわけインターネットを 利用した資金決済サービスでは、同法の規定する本人確認方法では合 理的に機能せず、その結果、資金決済に関するサービスの適切な実施 を確保し、その利用者等を保護すると共に、当該サービスの提供の促 進を図るという新法の目的が著しく実現できないことが考えられる。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 インターネットによる資金移動業の適切な実施により利益を受ける利用 者、並びに同サービスを低価格で提供したい事業者及び電子商取引を 行いたい事業者 銀行等本人確認義務を負う特定事業者が実施した本人確認に資金移 動業者が依拠することで本人確認義務を果たしたこととできるよう、適 宜犯罪収益移転防止法施行令及び犯罪収益移転防止法施行規則等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) を改正すべきである。具体的には、アカウント開設時又は取引が一定 の割合に達した時等に、利用者が既に金融機関等の本人確認を経た 口座番号やクレジットカード番号による認証を行う。利用者本人の銀行 口座やクレジットカードであることが確認されれば、資金移動業者が利 用者に対して確認の通知を行うことをもって、本人確認義務が履行され たものと解釈できるようにすべきである。 根拠法 関連府省等 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第3条1項1号他 内閣府、総務省、法務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産 業省、国土交通省 備考 270 資料1-2 208 提出者名等 規制、制度、慣行、又は手続等の 名称 規制、制度、慣行、又は手続等の 現状 日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/日本マルチペインメント ネットワーク運営機構 自動車継続検査(車検)時の納税証明書提出 自動車の継続検査(車検)時には、自動車の納税証明書の提示が必 要である。 自動車の継続検査時(車検)時には、納税者が電子納付により自動 車税を納付しても、地方公共団体から納税証明書の発行を受けて提示 する必要があり、電子納付の推進、利用者利便性向上の阻害要因とな 具体的な問題点 っている。 地方公共団体からの納税証明書発行は、地方公共団体側から見て も、電子納税の仕組みを取り入れることによって新たに作業が増えるこ ととなっており、電子納付推進の阻害要因となっている。 問題により不利益を被っている、困 っている人又は団体等 改善提案 (解決方法及び解決による効果) 一般利用者、自動車整備工場、および自動車税の電子納付可能な仕 組みを作っている地方公共団体 納税者が自動車税を電子納付した場合には、各都道府県と国とのデ ータの共通化等により車検時の納税者による納税証明書の提示は不 要とする検討をお願いいたしたい。 根拠法 道路運送車両法97条の2 関連府省等 国土交通省、各都道府県、地方公共団体 備考 271 272 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 活動報告 資料編 資料2 デジタル技術・情報の利活用を阻むような 規制・制度・慣行等に関する有識者からの意見 273 274 遠隔医療 地方単独医療費助成事業 (地方公費) 5 6 全国規模での健康情報の分 全国規模で集積したレセプトデータ、特定健診(メタボ健診)結果 高齢者の医療の確保に関する法律で規定しているレセプトデータ、特定健 の情報については、医療費の適正化を目的としてのみ厚生労働 診結果の情報の利用目的の範囲を学術的、疫学的利用にまで拡大する。 析・活用 省が調査・分析できるが、研究者による疫学的な活用ができてい 4 地方自治体独自の医療費助成事業(乳幼児医療費助成等)は、 助成分の請求を医療機関等が地方自治体へ行う現物支給に制度を統一す 患者自らが地方自治体へ請求する償還払いと、医療機関等が患 ることにより、患者の負担を軽減する。 者の代わりに請求する現物支給の2通りの方法がある。 さらに、医療機関等から行う助成分の請求をレセプトと一緒にオンライン請 前者の場合、患者自らが請求書を作成する必要がある。 求を行えるようにすることで、医療機関の負担を軽減する。 また、後者の場合、医療機関等はレセプトオンライン請求とは別 に紙の請求書を作成せざるを得ない場合が多いため、医療機関 はレセプトオンラインのメリットを十分に生かすことができない。 厚生労働省が遠隔医療技術による診療として認めているのは、7 モデル事業等により、安全性・有効性等に関するエビデンスがあると検証さ つの疾病等のみである。(D to P) れた遠隔医療技術について適用範囲を拡大する。 また、遠隔画像診断等、専門医が現場の医師を支援する場合、 また、診療報酬の見直し等により、遠隔サポートをする医師にインセンティブ サポートする側の専門医に対する報酬がない。(D to D) を付与する。 ない。 匿名化された個人の情報の 民間事業者から見て、個人情報保護法が適用される範囲の判断 個人情報を匿名化して個人を特定できないようにした情報等に関する個人 がつきにくいため、匿名化された携帯電話のアクセス情報、位置 情報保護法上の解釈を明確化することで、匿名化された情報等が活用でき 活用 るようになり、クリエイティブな新市場の創出の環境整備に寄与する。 情報等の情報が十分に活用できていない。 3 与する 高度に暗号化されたパソコン 各種ガイドラインにおいて、個人情報が保存されたパソコンを社外 パソコンに保存されている個人データに関して高度な暗号化などの安全管 で紛失した場合、情報漏洩として本人に通知しなければならない 理措置を講じている場合は、パソコンを紛失したとしても本人への通知は必 等の紛失時の対応 と規定されているため、テレワークの推進等の障害になっている。 要としないことをガイドライン上、明確にすることで、テレワークの推進等に寄 2 毎年、各自治体から各企業に対して、原本が紙媒体で送付されて 電子的な税額通知書が配布できるようにすることで、紙媒体での配布が不 おり、企業はそれを仕分けて各従業員に配布しているので、負担 要となり、企業の負担は大幅に軽減される。 が大きい。 どうすれば良いのか? 税額通知書 何が問題か? 1 対象手続き等 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 第9回IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会資料5 第一回会議資料(國領会長代理提出) 資料2-1 自動車関連情報の参照 9 どうすれば良いのか? 自動車の各種履歴情報(事故履歴、走行履歴等)が、統一的に管 関係機関(警察庁、国土交通省、損害保険会社、自動車ディーラー、独立系 理されていないため、中古車市場における中古車の評価が適正 整備工場、中古車販売会社等)が保有する自動車の製造、販売、登録、保 に行われず、市場が活性化していない。 守、保険利用、日々の利用などの各種データをDBとして一元化して管理す ることで、利用者が確実な情報を入手できるようになる。 国勢調査の結果が、ローデータを含めて完全に開示されておら 国勢調査の情報を、個人や世帯が特定されない範囲で個人情報を秘匿した ず、民間部門で十分利活用されていない。 上で開放することにより、民間部門での効果的な利活用、新たなサービスの 市場創出が期待される。 行政の行う統計調査の集約化が十分進んでいない、また、データ 行政の行う統計情報調査を集約するとともに、個人情報等にも配慮しつつ、 の二次利用に制限がかかっているため、これらの貴重なデータが データの二次利用の制約を緩和することにより、学術部門、民間部門等で 民間部門等で十分に利活用されていない。 活用できるようにする。 何が問題か? 275 引越し時の各種行政手続き 既存住宅市場の活性化 受発注書の電子化 11 12 13 受発注書等の電子保存が認められているにも関わらず、一方で、 電子帳簿保存法に基づく契約関連文書等の電子化を進めることにより、本 国税関係帳簿書類としての電子保存が進まないため、実際に運 制度の活用が期待できる。 用されている例が少ない。 既存住宅の品質保証をする社会的仕組みや、情報の蓄積が十分 住宅の建設、保守等のデータをデジタルDB化して管理することで、正確かつ 機能しておらず、そのためのIT利活用が不十分。 十分な関連情報を容易に入手できるようになり、既存住宅市場が活性化す る。 引越しをした場合、前居住時で申請済みの行政サービスについて 自治体間でデータ連携をすることによって、前居住地で受けていた行政サー も、改めて手続きを行わなければならない。 ビスを、手続きを行うことなく継続して受けることができるようになる。 となった場合には、実質的には十分機能しない可能性が懸念され る。 雇用保険被保険者離職証明 平成23年1月に予定されている、行政コストの大幅な削減に資す 離職者の電子署名無しで、オンライン申請できるようにすることで、離職証明 る、企業-職業安定所間の「離職証明書を伴う雇用保険被保険者 書を伴う雇用保険被保険者資格喪失届のオンライン申請が円滑に運用され 書 資格喪失届のオンライン申請」に関し、離職者の電子署名が必要 る。 国勢調査 8 10 政府統計全般 7 対象手続き等 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 第9回IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会資料5 資料2-1 第一回会議資料(國領会長代理提出) 276 題も多い。これらを解決することで、電子行政サービスの便利さを国民、企業等に実感してもらい、他の分野へと拡大するためのきっかけとなる。 ・国民が利便性を実感できる電子行政サービスを実現するためには、行政内部でのデータ連携が有効であるが、実現に向けて法制度や慣習等の課 ③行政内でのデータ連携による国民向けサービス向上の代表例 【①国民実感、②突破口、③問題解決のプロセス】 公開に向けての制度設計や個人情報の取り扱いなど、各分野に共通する課題も多い。 ・行政の透明性向上のための情報公開が求められる。また、行政が所有する情報の有効活用が、企業や地域の活性化につながる場合も多い。ただし、 ②行政が所有する情報の公開に関連するもの 【②突破口、③問題解決のプロセス】 用が進む可能性が高い。 ・デジタル情報の活用にあたり個人情報の取り扱いが課題となる場合が多い。この課題を解決することにより、多くの分野でのデジタル情報の有効活 ①個人情報保護及び活用に関連するもの 【②突破口、③問題解決のプロセス】 (2)上記の点を考慮した選定の視点 ・複数の主体(国民、企業、国、自治体など)が関与し、他の規制・制度等の問題を解決する際のモデルとなる。 ③問題解決プロセスのモデル ・その石(阻害要因)を取り除くことで、関連する多くの規制・制度等によい影響をもたらすことが期待される。 ②突破口 見込まれる」など)。 ・その「規制・制度・慣習等」の改善により、多くの人(国民、企業、行政など)が恩恵を受ける(「毎年○人/年が手続き」「毎年○億円/年のコスト削減が ①国民実感 (1)検討テーマに求められること 1.検討テーマ選定の考え方(案) 検討テーマ選定の考え方について 第一回会議國領委員提出資料 277 ・個人情報保護のより一層の徹底は必要だが、一方で過剰反応等によ り個人情報が有効に活用されないケースが見られる。 ・明確な統一ルールを示すことにより、個人情報を有効に活用したサー ビス等の普及を促進し、企業の負担を軽減する。 ・国が保有する公文書や国立国会図書館の蔵書、各種統計情報など を、国民が有効に活用できるようにすることで、国民・企業の利便性が 向上し、行政の透明性が高まる。 個人情報保護法 等の運用ルール の明確化 国が所有する情 報の公開 ◎ 育児関係 ◎ ・児童手当等の「現況届」の廃止 ※昨年度の特別テーマ評価検討委員会で検討 ・保育所等の申込みの電子化と添付書類(所得 証明書など)の省略 ・育児関係は、多様な制度や手続きが複雑に入り組んでおり、必要な 書類も多い。改善されれば、国民が実感できる先行事例となり得る。 ◎ ・国民(従業員)、企業、国、自治体等が関わり、他の問題解決のモデ ルとなる。 39、40、204 - 5、6 1、122、 123、124、 152、153、 162、169、 171、185 など 医療関係 13 125、141、 143、156、 184 1 ・電子帳簿保存法関連法令・運用の見直し ※現在の電子帳簿保存法は、書類単位ではなく 文書システム全体で承認する仕組みとなってお り、企業の負担が大きく、導入が進んでいない など。 ・遠隔医療に対応した診療報酬制度の改正 ・医薬品のネット販売 ※厚労省は規制の方針を打ち出している。 ・レセプトデータや電子カルテデータの疫学的活 用(民間を含む)の際のルール設計 ◎ 7、8 126、127、 128、176、 177、178 など 165、166、 167、168 など ・個人情報保護に配慮した国勢調査ローデータ の公開 ・国立国会図書館蔵書情報のインターネットでの 公開 2、3、4 座長代理 メモ(※2) ・税額通知書の電子化 ※法的には可能だが、市区町村長の公印の電 子化対応などが課題。 13、111、 154、155、 183 など パブコメ 関連テーマ等 ・国としての個人情報保護及び活用のための統 一ガイドラインの策定 ※府省単位等では作成されている。 代表例として検討する制度や手続き等の例 ・遠隔医療に対応した診療報酬制度改正や、医薬品のネット販売、個 人情報保護に配慮したレセプトデータや電子カルテデータの疫学的 ◎ ◎ ◎ 活用など、ネット社会における医療サービスを阻害する制度が数多く 残っている。地域医療再生の観点からも取り組みが必要。 ◎ ① ② ③ 選定の視点 (※1) ・年末調整~税額通知書の送付など、紙と電子データの混在により、 企業に大きな負担が生じている。 税関係(税額通 ・国民(従業員)、企業、国(国税庁)、自治体等多様な主体が関わり、他 ◎ 知書など) の問題解決のモデルとなる。 ・所得証明などは、他の手続きでも活用されることが多い。 ・自治体の指定金融機関制度が電子化の普及を阻んでいる面がある。 ・企業内では帳簿や文書等の電子化が進んでいるにも関わらず、書面 手続きにおける国の制度的な電子化対応が遅れているため、紙での 保管を余儀なくされるなど、企業に大きな負担が生じている。 電子帳簿保存法 ・電子帳簿保存法についても、帳簿を保存するシステム全体について 事前に承認を受ける必要があるなど企業の負担が大きく、導入が進 んでいない。 取り上げる主な理由 分類 2.検討テーマ候補(案) (最終的には 3 件程度に絞り込んで検討)。 278 ◎ ・電子化に対応した著作権関係の法制度整備の遅れは、国民の利便 性向上を阻害するばかりでなく、当該分野の産業の育成の遅れや国 際競争力の低下にもつながる。 著作権関係 ・デジタル時代に対応した著作権の在り方 ・社会保険、労働保険、国税、地方税等における 「所得」の考え方の統一 代表例として検討する制度や手続き等の例 ー 4、20、21、 27、31、36、 146、164、 188、189 など - - - 9 10 座長代理 メモ(※2) 135、136、 181 パブコメ 関連テーマ等 ・法人、個人の持つ資産のうちでも大きなものであり、関与する機関も 多い。これらの保有情報連携で、社会コスト低減が期待できる。 ・自動車税納入証明が車検の時に必要、軽自動車と自動車の制度間 ・自動車の各種履歴情報の公開・活用を促進す 118、139、 ◎ ◎ ◎ 自動車関係 相違、保有手続きのワンストップ化要望 等課題やニーズも大きい。 179、192 るための関連する規制の緩和 ・国交省の MOTAS 情報は利用料が高く、情報が不十分。 ・国交省のリコール情報、警察庁の事故情報、消防庁の水害情報など を加えて民間開放が望まれている。 ・測量自体は電子的記録を出力しているが、道路台帳管理規程、測量 作業規程、測量委託標準仕様書等が手書き図面管理を求める。 ・紙での作成・修正・保管を前提としている道路 ・建築確認申請の電子化が実現されておらず、15年間もの保存義務 台帳等に関する法制度等(公共測量作業規定 109、144、 がある建築関係図書や図面を電子的に保存できない。 各種図面・地図 ◎ 等を含む)を、電子化を前提としたものに改正 194、198、 ・地理空間情報(航空写真を含む)が流通していないため、結果、重複 情報関係 199、202 することで、地方公共団体等の負担を軽減す 投資や地理空間情報の有効活用がなされていない。 る ・動産の識別をする適切なコード体系がないため、登記や譲渡の手続 きが煩雑となっている。 ・選挙が公示されると、ウェブサイトの更新もままならない公職選挙法 ・デジタル時代に対応した(ウェブサイト等による 25、160、 選挙・政治活動 187 の規定はネット時代には合わないとの意見が大きい。 情報発信を前提とした)公職選挙法の改正 ・特定原産地証明の手続きは電子化されたが証明書は紙のまま。 131、174、 輸出入手続関係 ・船積み前24時間ルールのために円滑な輸出ができなくなっている。 ・特定原産地証明書の電子発給 175 諸手続きの電子化による国際競争力回復が望まれる。 ※1:①個人情報保護及び活用に関連するもの ②行政が所有する情報の公開に関連するもの ③行政内でのデータ連携による国民向けサービス向上の代表例 ※2:「IT 戦略の今後の在り方に関する専門調査会(第9回)」(2009 年 6 月 30 日)資料5 ◎ ① ② ③ 社会保険関係 取り上げる主な理由 ・年末調整同様、企業の負担が大きい分野であり、国の制度の縦割り の弊害などから、煩雑な手続きを余儀なくされている。 ・国民(従業員)、企業、国(厚生労働省、社会保険庁)、自治体、健康 ◎ 保険組合、厚生年金基金等多様な主体が関わり、他の問題解決のモ デルとなる。 分類 選定の視点 (※1) 資料2-1 第一回会議大江委員提出資料 2009.8.25 デジタル利活用のための重点点検に関する意見 委員 大江和彦(東京大学大学院医学系研究科) 現時点で思いつくことを書きます。 1.遠隔診療について ○ 慢性疾患安定期の電子メール等による遠隔診療と処方せん発行の緩和 生活習慣病など慢性疾患の継続診療患者の診療の安定期において継続診療して いる医師が診療する場合には、都市部、僻地、離島に関わらず、患者が希望す る場合には医師の判断により映像を伴わない遠隔診療ができ、かつ電子処方発 行と送付ができるように緩和することを検討していただきたい。 診療の安全を確保するため、対面診療をはさまないで2回以上連続した遠隔診 療はできない、処方の最大日数を 30 日以内にするなどの制限をつけるなどが考 えられる。 現状:遠隔診療は平 9 厚労省医政局通知(平 15 一部改正)により条件付きで認 められているが、制限が厳しく、生活習慣病など慢性疾患の継続診療患者の診 療の安定期においても7種類の在宅診療患者に助言・指導を行うこと以外につ いては、明確には許可されていない。処方せんを発行してもよいかどうかにつ いても明示されていない。 2.電子的な診療情報連携について ○紹介先医療機関に対する電子媒体による診療情報(医療画像を含む)の提供 について ①提供する電子データ形式が標準化されている場合にもに患者に経費を請 求できるように変更すること ②受領した電子診療情報の紹介先医療機関における診療記録上の位置づけ を明確にし、その保存義務の有無と記録指針を明確にすること ③受領したデータを保管する場合にも、外部機関への保管を可能とすること ④標準的な記録形式で受領した電子診療情報を診療に活用した場合や、診療 に再利用できる形で自機関で電子的に保存した場合には、診療報酬上のイン センティブを付与するかまたは別に料金を設定して患者から徴収すること が可能とすることを検討していただきたい。 279 資料2-1 現状:診療情報提供書とともに医療画像データをCD等に記録して患者に渡す ケースが増えている。紹介元医療機関ではCD作成費用を患者に請求すること が可能となっている(事務連絡 H18.6.22(厚労省医政局研究開発振興課医療機 器・情報室長))ため増加しつつあるが、標準化形式でない場合も多いことから 紹介先医療機関でこれを容易に利用できないケースが多発している。また仮に 標準化形式であっても、CD等によるデータ提供には、診療上は必須でないデ ータを含む膨大なデータ量であることが多いため、これを受領する紹介先医療 機関では必要な情報を利用することに大きな作業負担を伴い、結果として十分 に活用できないケースも多い。さらに提供された情報を電子的に保管して診療 に再利用するには、技術的にも作業的にも管理コストの面でも大きな負担とな るため、受領した電子的な診療データのコピーを管理することは現実的でない 面がある。これらについて制度面での支援が必要である。 3.健康情報の疫学的活用について 事前アプトアウト方式による主要な健康概要情報および死亡日付の疫学用匿名 化データベースへの登録、そのデータ形式の標準化、研究者や研究機関・学術 団体による同データベース適正利用手続きの制度の策定を検討していただきた い。 以上 280 281 第一回会議中条委員提出資料 ・日本版EHR(Electronic Health Record)の 実現のためにはレセプトデータのDB化が不可 欠 ・消費者の選択肢の多様化及び利便性の向 上 ・地方薬局等(伝統薬含む)のビジネスチャン ス拡大 ・限られた医療資源の有効利用及び離島や山 間僻地など、医師不足の地方における受診機 会の拡大 見直しの意見が挙がるとともに、今年度義務化 対象となった薬局、病院に対する経過措置が設 けられたが、例外措置は必要最低限に留め、原 則完全義務化の方針を維持すべき 薬事法及び厚生労働省令により、一般用医薬品は 安全性に配慮した上で、事業者間のイコール・ 「対面販売」が原則とされ、インターネットを含む郵 フッティング、公平性が確保されたIT時代に相応 便販売はリスクが比較的低い「第3類医薬品」に限 しい新たなルール整備がなされるべき 定 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務・ 厚労大臣共同)の「中間取りまとめ」及び現在実 施中のモデル事業の結果も踏まえて、遠隔医療 の普及・促進に向けた環境整備を行うべき 初回面談におけるテレビ電話等による遠隔面談 を認めるとともに、初回面談以降の継続支援に おいて遠隔面談と直接面談を同等のポイントとす べき 厚生労働省令により、医療レスプトのオンライン化 が原則完全義務化される予定であるが、見直しの 意見が挙がっている 医師法第20条により「無診断治療等の禁止」が規 定されている。解釈通知により一部緩和されている ものの、遠隔の「画像診断」では、D to D(医師と医 師) を原則とし、送信側の医療機関のみに診療報 酬を算定 特定保健指導の動機付け支援及び積極的支援に おいては、初回時に保健師等の面接による指導の 下に行動計画策定が必要。また、継続支援におい ては遠隔面談が認められているものの対面と比し てポイントが低い 既存のFTA/EPAにおける第三者証明制度におい ・特恵原産地証明書の電子発給により、利用 て、特恵原産地証明書の請求手続は電子化され 原産地証明書を効率的、実用的に電子発給され 企業側での利便性の向上とスピードアップ、不 ているものの、証明書自体はいまだ紙で発給され るように見直しすべき 要コストの削減が可能となり、貿易円滑化や ている 日本輸出産業の競争力強化に資する レセプトデータの ① データベース化 一般用医薬品の ② インターネット販売 ③ 遠隔医療の普及・促進 特定健診の保健指導に ④ おけるICT活用 特恵原産地証明書の ⑤ 電子化 ※書式が統一されていないため、IT化が進まない問題は、他案件についても存在する。 (廃棄物処理法上の行政手続き等) 申請情報における反復申請回避、反復利用等業 輸出入・港湾関連手続きシス 港湾・通関・検疫等の関係機関毎に異なる書式が 務プロセスの改善、及びアセアン・シングルウィン • ペーパレス化等に伴う事務コストの削減や テム(次世代シングルウィンド ⑥ 存在し、また国際システムとの互換性がないため、 ドウを始めとする各国の通関ネットワークシステ リードタイムの短縮、セキュリティ確保の適正 ウ)の利便性向上及び利用促 利用が促進されていない(※) ムとの連携強化を図っていくために、様式の統一 化が図られる 進 化、手続の簡素化について見直しすべき ・事業所が複数ある企業の健保組合等におけ る効率的な保健指導の実施 ・保健師の確保が困難な地域における保健指 導の円滑実施 期待される効果 見直しの方向 案件名 規制等の内容 ITのより広範な利活用を実現するため、下記の規制等について見直しを検討すべきである。 ITの利活用を阻害している規制 282 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 活動報告 資料編 資料3 パブリック・コメント及び委員意見に対する 関係府省の見解、取り組み状況 283 284 児童ポルノ禁止法 児童ポルノ禁止法 6 法務省 法務省 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 e e 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 当省では、教育、科学技術・学術、文化等の振興の観点から予算措置を行っており、ご提案のインターネット配信事業者へ直 接資金を交付することについては、経済・産業の振興という観点から予算措置を検討するべきであると認識しております。 e 資料3-1 1/33 文部科学省 著作権処理の円滑化の実証実験等の施策を通じて、引き続き放送コンテンツのインターネット上などでの再利用(マルチユー ス)の促進をおこなってまいります。 厚生労働省においては、現在、社会保障カードの導入に向けた取組を進めているところですが、その中で、住民基本台帳カー ド、公的個人認証サービスの活用可能性や安全かつ効率的に情報の連携ができる仕組みについて検討を行っています。 印鑑証明は、不動産の登記、自動車の登録等法令の規定に基づき提出を義務づけられている場合のほか、国民の権利義 務の発生、変更等を伴う行為につき、広く利用されているところであり、その性質上公的個人認証制度によって代替されるもの ではないことから、印鑑登録制度を廃止することはできない。 また、厚生労働省において、現在、社会保障カードの導入に向けた取組を進められているところであり、その中で、住民基 本台帳カード、公的個人認証サービスの活用可能性や安全かつ効率的に情報の連携ができる仕組みについて検討が行われ ているところである。 ご指摘の提出方法については、本意見をご提出頂いた後に、フォームにテキストを入力いただく方法による受付を実施致しま した。今後とも、パブリックコメントの募集に際しては、より多くの意見をお寄せ頂きますよう、提出方法や入力事項等を工夫し てまいります。 インターネット上におけるコンテンツの二次利用の促進のため、権利者への利益還元を行うためのビジネスモデルの構築の検 討や著作権情報の集中管理等により、コンテンツ取引を円滑化する取組みを進めてまいります。 b 総務省 備考 【関連法令等】 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働大臣の共同懇談会)の提言を踏まえて、昨年10月より実施 情報通信機器を用いた診療(い している遠隔医療モデル事業(全国10カ所)の成果をはじめとして、遠隔医療の有効性・安全性に関するエビデンスの収集・蓄 わゆる「遠隔診療」)について 積に努め、対面診療の補完とされている遠隔医療の位置づけの見直し、遠隔医療の実施可能な範囲の拡大や、遠隔医療に (平成15年3月31日 厚生労働省 対する診療報酬の活用などを検討し、遠隔医療の円滑な普及を実現してまいりたいと考えております。 医政局長通知) ご指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省の下に設置した「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の 「中間とりまとめ」(平成20年7月)に基づき、総務省において実証事業を実施しているところであり、それらの結果を踏まえて検 討することを予定しております。 関連府省等回答 b f c a b b 厚生労働省 総務省 住民基本台帳カードが普及しないこと等から公的個人認証 印鑑登録を新規登録から順次廃止す 制度の導入が進んでおらず、代替されるべき印鑑登録制度 る。また、住民基本台帳データと社会 が継続されている。 保障データを登録し、国が管理する。 ネット上での広告料は、テレビ放送の 日本のテレビ放送のコンテンツが、米国等でCMが除かれ 広告料と比較して金額が低く、テレビ 地上波放送コンテンツ た状態で視聴可能となっているのはテレビの広告モデルを 放送のコンテンツがネットに供給され 経済産業省 のネット上での再利用 崩壊させる可能性がある。また、日本でもブロードバンドを にくい。国が予算をつけてコンテンツ 利用したコンテンツの視聴ができることが望ましい が流通されるようにすべき。 印鑑登録制度 5 4 3 「デジタル技術・情報 テキスト又はフリーウェアのアプリケー の利活用を阻むような パブリックコメントの提出方法が、特定のソフト等に依存して ションによるパブリックコメントの募集 内閣官房 規制・制度・慣行等の おり、提出者、集計者ともに負担がかかっている。 を可能とする。 重点点検」に関するパ ブリックコメント 総務省 厚生労働省 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 2 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 1 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) テレビ会議システムがセキュリティ上 医師がその場にいなければ診療行為ができないという制約 遠隔診療に適用可能であることを実 医師法20条(無診療 (対面診療原則)や遠隔診察に対する医療保険点数の十分 証試験により確認し、遠隔診療が認め 治療等の禁止) な措置がなされていないことにより遠隔診療が進まない。 られる範囲を拡大する。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 285 10 9 8 7 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 児童売春、児童ポルノ にかかる行為の処罰 及び児童の保護に関 現行の児童買春・児童ポルノ禁止法の定義が曖昧であるの 現行の児童買春・ポルノ禁止法の改 正 する法律における児 で、明示・限定すべき。 童ポルノの定義の明 確化 青少年が安全に安心 してインターネットを利 青少年ネット環境整備法は規制強化であり、青少年のイン 用できる環境の整備 ターネット利活用を阻むので廃止すべき。 青少年ネット環境整備法の廃止 等に関する法律 児童ポルノ法案 児童ポルノ禁止法、創 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の 作物表現規制問題に は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 ついて 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 警察庁としては、今後も国会等において児童買春・児童ポルノ禁止法の改正について議論がなされる場合には、その議論を 注視していきたいと考えております。 ご指摘の規制について、所管外と認識しております。 e e 警察庁 御指摘の児童買春・児童ポルノ禁止法に関しては,その改正法案が先般国会で議論されたところ,その是非について,法務省 としてコメントすることは差し控えさせていただきます。 資料3-1 2/33 e d 経済産業省 法務省 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 d d 内閣府 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 総務省 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 e 法務省 文部科学省 国家公安委員会としては、今後も国会等において児童買春・児童ポルノ禁止法の改正について議論がなされる場合には、そ の議論を注視していきたいと考えております。 e 国家公安委 員会 ご指摘の児童ポルノ禁止法改正案の見直しについては、児童ポルノ禁止法は当省が所管しているものではないため、当省 の所管する制度が改善提案の実施を妨げるものではないと認識しております。 e 総務省 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 経済産業省としてはアダルトゲーム等の流通については、業界の自主的な取組について注視してまいりたい。 e 経済産業省 e 当省では被害に遭った児童の保護等については所管しておりますが、ご指摘の児童買春・ポルノ禁止法における規制につい ては、所管外です。 e 厚生労働省 法務省 児童買春・児童ポルノ禁止法改正案は法務省が所管しており、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しております。 e 関連府省等回答 内閣府 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 利用者の個人認証 個人情報が保存され 各種ガイドラインにおいてPC紛失により個人情報漏えいと 高度な暗号化などの安全措置を行っ たパソコン等の紛失時 して規定されているため、テレワークの推進等の阻害になっ ている場合はガイドライン上個人情報 経済産業省 紛失通知の除外とする ている の対応 12 13 286 20 19 ダウンロード違法化 著作権法第30条第1項第3号が、著作権検閲の恐れがあ る。 B-CASシステムは放送局・権利者にとって無料で放送し たコンテンツの市場価格を不当につり上げるものとして機能 コピーワンス・ダビング し、ダビング10はより複雑かつ高価な機器を消費者が新た 10・B-CAS に買わされるだけの弥縫策であり国民として納得できない。 同法同規定を削除する。 文部科学省 無料地上波からB-CASシステムを 排除し、テレビ・録画機器における参 入障壁を取り除き、自由な競争環境を 実現する。ノンスクランブル・コピー制 総務省 限なしとすることを、省令や政令レベ ルにではなく法律に書き込む。 銀行が顧客とのメールによる対応を禁 複数の銀行において、顧客とのメールのやり取り(照会、回 慣行:顧客とのメール 止する理由が合理的でなければ、関 金融庁 答)が禁止されており、顧客にとって不便な状況にある。 係機関での検討を促す等の対応をと による対応の禁止 る。 18 内閣官房 17 ご意見中の「検閲」の意味は必ずしも明らかではありませんが、今般著作権法第30条第1項第3号を設けた趣旨は、インター ネットによる音楽や映像作品の違法配信者への対処は従来から行われてきましたが、違法配信が年々増加し、その規模が膨 大であることや、配信者への対処には技術的に限界があることから、違法配信対策として、違法配信を行う側と、違法配信と 知って配信を受ける側の双方への対処が必要になっているとの認識によるものであり(平成21年1月文化審議会著作権分科 会報告書)、同条は引き続き規定すべきものと考えております。なお、同条により権利侵害とされるのは、違法配信と知りなが ら録音・録画を行う場合のみに限定されており、そうでない場合には、権利侵害にはならず、また、「違法と知っていたこと」の 立証責任は、権利侵害について訴訟を提起する側が負うことになります。 c 資料3-1 3/33 現行の「B-CASカード」を用いた無料地上放送等に係るコンテンツ保護のエンフォースメントの仕組みは、何らかの制度によ るものではなく、民間の関係者の合意によってルールが形成され、導入・運用が行われてきたものです。現在、現行方式とは 異なる新たな仕組みの導入に向けた検討がなされているところであり、受信機等の商品企画の自由度の向上、視聴者の利便 向上等に資するものとして期待されています。 「ダビング10」については、民間の関係者による長期間にわたる議論の結果と受け止めています。 銀行と顧客とのメールによるやりとりは、業務内容によっては行われるケースもあるなど、必ずしも銀行全体で禁止されている ものではないと承知しております。なお、どのような方法で顧客と連絡を取るかは、情報管理や、顧客に応じた対応等の観点を ふまえ、銀行の経営判断により決定される事柄であると考えられます。 政府においては、国民利便性の向上、行政事務の簡素効率化・標準化、行政の見える化などを実現するため、業務・システム 最適化や、業務プロセスの見直しに取り組んでいるところです。 c c b 自宅で住民票を取得できるようにするためには、申請者が本人であることの厳格な確認方法、申請に係るデータの暗号化、出 力した用紙の複製・改ざん防止措置等さまざまな検討すべき課題があることから、慎重に検討していく必要があると考える。 c あらゆる報告、申請が旧態として進んでいないほか、住民 規制・制度・慣行又は 票などが設置された機械でしか入手できない 手続等の簡素化 総務省 16 横断的に規制、制度、慣行又は手続 等を簡素化すべき。 個人認証の手段は、システム毎に利便性を勘案して構築されるべきものであり、どのように各システムを構築するかは、事業 者等の取組みに委ねられる事柄であると考えられます。 c 本人認証の基本は、本質論からも利 ID&パスワード方式は生年月日等本人の覚え易いものは 便性からも記憶認証方式にあるので、 危険度が高く、安全度を高めるにはランダムな文字列の採 認証手段を多様化して使い勝手と安 情報通信機器の本人 用を強いられて、生体認証方式では登録する個人情報が取 全性をともに高めるべきである。パス 内閣官房 替えのきかないものなので万一の漏洩・盗難が心配であり、 認証 ワードに文字だけでなくイラストや写真 利用者にとって使いづらい。 など視覚に訴えるものを使えるように すればよい。 内閣官房としては電子政府等の実現により手続等のワンストップ化することにより、利便性を高める。行政サービス用のカード を1枚に集約することが合理的かどうかは電子政府の議論の中で検討していくこととする b 行政サービス用のカードは一枚のカー 内閣官房 ドに集約させる。 行政サービス毎にIC 住基カード、市民カード、登記カード、運転免許証等行政 カードが作られている サービス毎にICカードが作られている 慣行と法制度 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 15 e ご指摘の児童ポルノ禁止法改正案の見直しについては、児童ポルノ禁止法は当省が所管しているものではないため、当省 の所管する制度が改善提案の実施を妨げるものではないと認識しております。 e 14 法務省 総務省 当省のガイドラインにおいて、高度な暗号化等の秘匿化が施されている場合には、本人への連絡を省略しても構わないとして いる。 個人認証の手段は、システム毎に利便性を勘案して構築されるべきものであり、どのように各システムを構築するかは、事業 者等の取組みに委ねられる事柄であると考えられます。 年度途中における必要な予算の不足に対応するための制度は財政法等に規定されているところです。ITインフラの整備、セ キュリティ対応等に対して素早い行動が十分に取れていないとの御指摘でございますが、財政民主主義の観点から一定の制 約があることを御理解下さい。 年度途中における必要な予算の不足に対応するための制度は地方自治法に規定されている。 f c d d 関連府省等回答 児童ポルノ禁止法の 改正案 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 利用者の選択肢を写真やイラストなど 非文字の視覚対象にまで拡張し、更 標準の個人認証手段として使われるID/パスワードにおい に昔の懐かしい記憶を活用できるよう 内閣官房 て文字しか使用できないため、特に高齢者・情報弱者は電 にすれば、本人認証のプロセスにおい 子行政サービスを断念するなどの問題が生じている。 て排除されてしまう国民を大きく減らす ことが期待できる。 財務省 総務省 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 各種予算制度 国、地方とも、行政機関の動きが年度区切りの予算に縛ら 年度途中でも迅速かつ的確な決裁に れており、ITインフラの整備、セキュリティ対応等に対して素 より支出を可能とする制度にする。 早い行動が十分に取れていない。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 11 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 287 27 26 25 24 ブルーレイ課金に合理性がない。また、地上デジタル放送 にはダビング10という不当に厳しいコピー制限がかかった 私的録音録画補償金 ままであり、こうした実質的に全国民に転嫁されるコストで 制度 不当に厳しい制限を課している機器と媒体にさらに補償金 を賦課しようとするのは、不当の上塗りである。 私的録音録画補償金の運用にあたっては、消費者、メーカー、権利者などの関係者の納得を得ながら制度の実効性を確保し ていくことが重要であり、関係者間の合意が形成されるように引き続き努力していく所存です。 b 資料3-1 4/33 ダビング10などの著作権保護技術と補償の必要性は、私的録音録画補償金制度のあり方の議論において、まさに現在の中 心的な課題であります。現在、文化審議会著作権分科会で検討中ですが、ご指摘のような考え方の人もいれば、そうでない考 え方の人もいるのが現状であり、文部科学省としては、関係者の合意形成に向けた話し合いの促進が、この問題の解決にとっ て最も重要と考えております。 (当省は、〝どうすれば良いのか?〟の後段「条約からの脱退を検討する。」についてのみ回答) 国際組織犯罪防 止条約及びサイバー犯罪条約の締結については、既に国会の承認を頂いていることから、御指摘の点も踏まえつつ、必要な 検討を進めていきます。 c 外務省 b 国際組織犯罪防止条約等を締結し,国際社会と協調して組織犯罪やサイバー犯罪と戦うための法整備を行うことは,重要な 課題であると考えております。 c 前国会に提出されていた、国際組織 犯罪防止条約及びサイバー犯罪条約 国際組織犯罪防止条 国際組織犯罪防止条約及びサイバー犯罪条約の締結のた の締結のための法改正案は廃案のま 約・サイバー犯罪条約 めに、法執行機関による恣意的な運用や権限の濫用を招き 及びこれらの締結に まにする。国際組織犯罪防止条約及 法務省 かねない法改正がなされるおそれがある。 必要な法改正 びサイバー犯罪条約を締結すべきで はない。 私的領域での複製は原則自由かつ無 償であることを法文上明確にする。私 文部科学省 的録音録画の自由を制限するDRM (コピーワンスやダビング10ほどに厳 しいDRM)がかけられている場合は、 補償措置が不要となることを法文上明 経済産業省 確にする。等 国際組織犯罪防止条約等の締結については、他省の所管であり、当庁はお答えする立場にはありません。 国際組織犯罪防止条約及びサイバー犯罪条約に関して国内法令が整備された場合には、警察は当該法令に従って適切に対 応してまいりたいと考えております。 インターネットを利用した選挙運動については、有権者の政治参加の促進、候補者情報の充実、有権者と候補者との直接対 話の実現、金のかからない選挙の実現などのメリットがあるものの、他方で、ひぼう中傷・なりすましなどインターネットの悪 用、デジタルデバイド(情報格差)の存在などのデメリットも挙げられているところ。 インターネットを選挙運動手段として認めるかどうかは、まさに選挙運動のあり方という、いわば選挙の土俵づくりの問題であ るため、各党各会派において、御議論いただくべき問題であると考えているところ。 e 公職選挙法 警察庁 e 近時,権利者の許諾なく音源を提供する違法サイトが急増し,相当量の権利侵害が行われていること等から,携帯電話事業 者が違法音楽配信対策として,公式サイト以外のサイトからダウンロードできるファイルの容量制限を行っていることは承知し ているが,そのような行為自体が直ちに独占禁止法上問題になるものとは考えていない。 御指摘の点は,著作権侵害コンテンツを排除するための取組に係る問題であり,現在,ネット上の違法コンテンツ対策の在り 方について関係省庁において検討されているものと理解している。 ご指摘の携帯電話事業者によるダウンロード容量の制限については、正当業務行為等に該当する場合には、問題はないも のと考えられます。 c f 公正取引委 員会 総務省 公職選挙法第146条の規制を緩和 選挙運動期間中の選挙運動に関するネット上の掲示は全 し、ネット選挙を解禁する。同第148 て、公職選挙法第146条で規制の対象となっている文書図 条の規制を緩和し、ネットにおける報 総務省 画の掲示とされ、完全に禁止されているが、インターネットに 道及び評論の自由も明文で認め、ネッ おける正当な情報利用を阻害する一大規制となっている。 トメディア、動画サイト、ブログ等にお ける表現の自由を最大限確保する。 一部の携帯電話事業者が、公式サイト以外のサイトからダ 携帯電話事業者によ ウンロードできるファイルの容量制限を行っている。携帯電 携帯電話事業者による公式サイト以 る差別的なダウンロー 話事業者による、このような容量制限は、公平性の観点か 外のサイトからダウンロードできるファ イルの容量制限を排除する。 らも、独禁法からも明らかに問題がある。 ド容量制限 御意見として参考にさせていただきます。なお、この分野については、御指摘の「天下り利権の強化」は決してあってはならな いと認識しております。 23 ニーズを無視した官製キャンペーンに過ぎない「e-ネットづ くり!」宣言について、民間が求めていない、「民間による自 主的な取組」など取りやめるべき。官製「自主憲章」やガイド ラインなども不要。 ご指摘の音の商標の登録の在り方については、現在産業構造審議会商標制度小委員会で議論されており、今後検討して参り ます。 ご指摘の「権利制限の一般規定」については、「知的財産推進計画2009」においても、規定振り等について検討を行い、200 9年度中に結論を得ることとされており、現在、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会において議論されております。同 小委員会では、関係者から様々な意見が出されており、文部科学省としては、関係者の見解に相違がある論点や重要な論点 があることを踏まえ、幅広く論点を整理した上で、慎重かつ多角的に検討を進めていく必要があると考えております。 関連府省等回答 c,d 官製キャンペーン 「e-ネットづくり!」宣言について、規 制よりにしかならないだろう官製「自主 憲章」やガイドラインも含め、「民間に 総務省 よる自主的な取組」を取りやめる。今 ですら沢山ある通信関係の各種ガイド ラインの整理削減のみを行う。 f 音の商標 22 特許庁により音の商標を新たな保護対象として追加する方 針が示されているが、音には単なる旋律も含まれ得、音の 商標の使用に単なるBGMとしての使用も含まれ得る。登録 除外については、公益的な音だけでは不十分である。 音の商標について、少なくとも、他人 の著名な旋律・楽曲を登録から除外す ることを検討する。パブリックドメインに 落ちた著名な旋律・楽曲の登録のよう 経済産業省 な不当な利得を得るための登録が排 除されない限り、音について、その商 標の保護対象への追加をしないことと する。 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 b どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 一般フェアユース条項 現行の個別の権利制限規制を前提とする著作権法全体が 著作権法にフェアユース規定を導入す 文部科学省 の導入による著作権 デジタル技術・情報の公正な利活用を阻害するものとなって る。 いる。 規制の緩和 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 21 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 288 著作権の間接侵害・ 侵害幇助 著作権検閲・ストライ クポリシー 著作権保護期間 31 32 33 著作権保護期間は短縮が検討されてしかるべき。 総務省の研究会の提言において、著作権検閲の提案が取 り上げられている。また、ファイル共有ソフトを用いて著作権 を侵害してファイル等を送信していた者に対して警告メール を送付することなどを中心とする電気通信事業者と権利者 団体の連携による著作権侵害対策の検討が行われてい る。 著作権侵害とならない範囲を著作権法上、確定する。 総務省 著作権保護期間延長の検討を閣議決 文部科学省 定により停止する。 資料3-1 5/33 ご指摘の「保護期間問題」については、これまで著作権分科会にて検討してきましたが、結論が出ておらず、平成21年の著作 権分科会報告書では、今後も引き続き検討することとされています。 ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策については、民間の自主的な取組みとして、電気通信事業者と権利者団体が連 携して検討をしていると承知しており、検討を行うことについて問題はないものと考えています。 e b インターネット上の著作権侵害対策の問題については、ご指摘にある表現の自由、知る権利及び通信の秘密等の諸権利を 害することがないよう配慮されるべきものと考えます。 文部科学省では、改善提案にあるような「技術的検閲の禁止」に関する通信法は所管しておりません。 e c ご指摘のプロバイダ責任制限法の刑事責任への適用拡大については、刑事責任は構成要件が厳格に定められ、違法性及 び有責性を阻却する事由についても刑事法特有の考慮も必要であることなどから、慎重な検討が必要であると考えます。 c 著作権法における「間接侵害」に関する課題については、現在、著作権分科会において検討が進められておりますが、プロバ イダ等の責任の生じない範囲の明確化とその他の間接侵害全般の問題を総合的に検討していくことが適当と考えています。 b 文部科学省 総務省における著作権検閲の提案の 文部科学省 検討を止め、国民の「知る権利」を、あ らゆる公開情報に安全に個人的にア クセスする権利として、通信法に法律 総務省 レベルで明文で書き込むこと、及び技 術的検閲の禁止を通信法に規定する ことを検討する。閣議決定により、違 法ファイル共有対策についても、通信 の秘密やプライバシー、情報アクセス 警察庁 権等権利を尊重する形で検討を進め ることを担保する。 文化庁の審議会で著作権法上確定す るための検討を開始する。 青少年有害情報フィルタリングソフトウェア等の利用を容易にする措置を講ずる義務の実施が、不当な取引を助長すること のないよう、注視してまいります。 なお、青少年インターネット環境整備法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要 な措置を講ずるべきことを規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 c 経済産業省 内閣府 青少年有害情報フィルタリングソフトウェア等の利用を容易にする措置を講ずる義務の実施が、不当な取引を助長すること のないよう、注視してまいります。 なお、青少年インターネット環境整備法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要 な措置を講ずるべきことを規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 青少年有害情報フィルタリングソフトウェア等の利用を容易にする措置を講ずる義務の実施が、不当な取引を助長すること のないよう、注視してまいります。 なお、青少年インターネット環境整備法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要 な措置を講ずるべきことを規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 c 総務省 c 規制の対象となる出会い系サイトは、出会い系サイト規制法第2条第2号において定義され、その解釈についてはパブリックコ メントによる手続を経て策定したガイドラインによって具体的に示されており、同法はこれに従い厳格に運用されていることか ら、改正前に戻す必要はないものと考えています。 d 警察における出会い系サイト規制法の拡大解釈・恣意的運 出会いサイト規制法は前法に戻すべ 警察庁 用によって、ネット利用における不必要かつ有害な萎縮効 き。 果がすでに発生している。 青少年ネット規制法・ 青少年ネット環境整備法は不当なフィルタリングサービスの 青少年ネット環境整備法の廃止 携帯フィルタリング義 便乗商売を促すものである。 務化 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 e 法務省 30 当省では被害に遭った児童の保護等については所管しておりますが、ご指摘の児童買春・ポルノ禁止法における規制につい ては、所管外です。 e 厚生労働省 出会い系サイト規制 ブロッキングに関するご指摘については、インターネット上の児童ポルノ情報対策としてのブロッキングは、あくまでも民間に おいて自主的取組の選択肢の一つして検討されているものであり、国等による規制として検討されているものではありませ ん。もっとも、ブロッキングは、実施によって生じうる弊害など検討すべき課題が少なくない手法であり、民間の自主的取組とし ても十分な検討が必要と考えます。 29 28 関連府省等回答 警察庁としては、今後も国会等において児童買春・児童ポルノ禁止法の改正について議論がなされる場合には、その議論を 注視していきたいと考えています。 ブロッキングについては、民間の自主的な取組みとして、児童ポルノ流通防止協議会において検討が行われていると承知して おり、検討を行うことについて問題はないものと考えています。 e 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の 及び児童ポルノ流通防止協議会で検討されているブロッキ 見直し、ブロッキングに関する検討の 総務省 児童ポルノ規制・サイ ングは、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があ とりやめ。 り、見直すべき。 トブロッキング どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) e 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 警察庁 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 289 御指摘の問題については、いずれも民間団体による独自の活動に対する意見であり、当省及び当省の所管する具体的な規 制等ではないと認識しております。 c e 民間団体が勝手に有害と思われる情報を収集して行う削除 違法有害情報削除の 要請や、事件情報の通報受理業務等は警察が行うべきも 要請や事件通報及び のであり、外部委託すべきでない。 児童ポルノ規制強化 また、表現弾圧となる児童ポルノ規制強化を訴える団体は 公益認定を取り消すべきである。 削除依頼は、パブリックコメントを経て策定されたガイドラインに基づいて行われており、通報の受理に関して着実な成果を上 げています。 また、ご指摘の「民間団体による通報受理等」についても、110番、警察相談電話等の警察に対して直接行う通報では、自らの 人定が特定される、事情聴取等の形で巻き込まれる等と考えて通報を躊躇する人がいることを考慮し、被害者本人からの申 告が期待しにくく潜在化しやすい犯罪について、通報者の匿名性を確保しつつ通報できるよう、民間に委託して運用しているも のであります。 いずれの業務も、以上のような必要性からこれを業務委託しているものであり、通報件数等の点で着実に成果が上がっている ものであることから、その廃止又は停止は不要であると考えております。 e 37 ご提案いただいている著作権法第30条第1項第2号の削除については、著作権法を所管する文部科学省が回答すべき内容 であると認識しております。 なお、当省では、根拠法としてあげられている不正競争防止法を所管しておりますが、不正競争防止法はDRMといった技術 的制限手段を回避する機能のみを有する装置等の販売等の提供行為を規制しているものであり、ユーザーによる技術的制限 手段の回避行為は規制対象とされておりません。そのため不正競争防止法は、改善提案内で指摘されているようなユーザー の情報アクセスに対するリスクを高めるものでもないと認識しております。 DRM回避規制 36 経済産業省 外務省 削除要請を実施している機関の廃止、 警察庁 通報受理業務を受託している団体の 特定非営利活動法人等の認定の取り 消し、児童ポルノ規制強化を訴える団 体の公益認定の取り消し。 著作権法第30条第1項第2号を削除 する。合わせて、DRM回避規制に関 して、ユーザーの情報アクセスに対す るリスクを不必要に高める危険なもの としかなり得ないこれ以上の規制強化 をしないと閣議決定する。 c 著作権法において、私的領域におけるコピーコントロール回 避まで違法とすることで、著作権法全体に関するモラルハ ザードとデジタル技術・情報の公正な利活用を阻む有害無 益な萎縮効果が生じているのではないか。 経済産業省 農林水産省 資料3-1 6/33 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 文部科学省 35 総務省 警察庁 著作権保護技術は、デジタル化・ネットワーク化の時代にあって、著作権を保護する有効な手段と考えられています。著作権 法における私的使用のための複製に関する規定は、権利者の利益を不当に害しない零細な複製を許容する趣旨のものであ り、技術的保護手段を回避して行う場合は、その範囲を超えるものと考えられるため、原則どおり権利者の許諾を要することと しているものです。したがって、第30条第1項第2号を削除することは不適当と考えています。また、技術的保護手段の回避に 関する制度の在り方については、社会の要請に応じて、適宜適切に検討が行われるべきものと考えています。なお、著作権の 国際条約であるベルヌ条約では、権利者の利益を不当に害する場合の権利制限は認めてられていません。また、著作権に関 する世界知的所有権機関条約等の国際条約においても、技術的保護手段の回避規制は各国の義務となっています。 模倣品・海賊版拡散 防止条約 国家公務員の再就職については、予算や権限を背景とする押しつけ的な再就職を根絶するため、平成19年に改正された国 家公務員法により、各府省による再就職あっせんの禁止、中立公正な立場の官民人材交流センターへの再就職支援の一元 化、現職職員の利害関係企業等への求職活動規制、再就職者による現職職員への働きかけ規制、等の措置を講じていま す。 再就職等監視委員会は、これらの規制の実効性を確保するため、規制違反者に関する調査等を通じた厳格な監視を行う機 関として、法律に基づき設置されるものです。 模倣品・海賊版拡散防止条約(仮称)につきましては、我が国は、 プライバシーの保護等に十分留意しつつ関係国と交渉を行い、同条約の早期実現を目指す所存です。 「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」の最終報告では、60歳以降の給与水準の引下げ等の措置を講じつつ、公務 で培った専門性を公務外で活用するため、従来のように再就職の都度退職金を受け取るというようなことを無くし、公益法人・ NPO法人等に派遣・出向できる仕組みを整備することが提言されており、人事院としては、本年8月の人事院勧告の際の報告 において、こうした提案についても、公務と公益法人等との関係について国民の理解が得られるような形で、検討する必要が ある旨述べています。 職員の再就職については、国家公務員法にのっとって全省庁で実施しているところでありますが、ご指摘の改善提案について は制度官庁ではない当庁として回答することは困難であります。 政府全体としての方針の話と認識している。 いただいたご意見は政府全体の方針に沿って実施されるべきお話となりますので、当省としてお答えすることは困難です。 関連府省等回答 模倣品・海賊版拡散防止条約につい 法務省 て、個人のPC等の内容をチェックする 模倣品・海賊版拡散防止条約について、検討中であり、詳 などの条項が盛り込まれないようにす 細は不明であるが、税関において個人のPCや携帯デバイ るとともに、プライバシーや情報アクセ 外務省 スの内容をチェック可能とすることや、インターネットで著作 スの権利といった国際的・一般的に認 権検閲を行う機関を創設することといった、個人の基本的な められている個人の基本的な権利を 財務省 守るという条項こそ条約に盛り込むべ 権利をないがしろにする条項が検討される恐れがある。 きであると日本から各国に積極的に働 きかける。 文部科学省 d 内閣府 e f e f 警察庁 総務省 文部科学省 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 閣議決定により、国家公務員法で規 定されている再就職等監視委員会を 凍結し、新たに提案されている天下り 人事院 ルートも含め、天下りを完全に禁止す る。 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) d d d d d d d d 天下り 2万5千人を超える元国家公務員が各省庁所管の各種独 立行政法人や特殊法人、公益法人、企業などにうごめき、 天下り利権が各省庁の政策を歪めている。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 34 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 d 290 車内での通話の制限と医療機器への 携帯電話がペースメーカー等に実害を与える状況につい 影響を分離して説明をするよう公共交 電車等での携帯電話 て、一般の人に知らされておらず、過剰な反応を引き起こす 通機関に指導する。また、国民に向け 国土交通省 利用の制限 ことにもなっている。 て明確な説明を行う。 45 46 祝日(法) 44 半ライン申請に関する平成20年1月11日法務省民二第5 7号通達の,第3(3)については,規則第63条第2項カッコ 書きに,「申請人から登記識別情報を知ることを特に許され 法務省オンライン登記 た者に限る。)とあることから,代理人の権限を証する情報 前記通達第3の(2)について,合理的 法務省 申請システム に「登記識別情報の復号に関する一切の権限」の委任条項 な説明をする必要がある。 が必要であるとされた。しかしながら,第3(2)については, 登記識別情報の提供に関する規則第66条には,通知の場 合の第63条のような詳細な規定は無い。 厚生労働省 総務省 カレンダーを組み込んだケータイに赤色日付を与えることが できないため、画面を一見して、平日/休日の区別ができ 改善提案に関する具体的な記載は無 内閣府 ない。 し 夜間の歩行者が、不点灯や倒壊などによる街路灯の修繕 設置場所・目標物などが携帯電話な 総務省 を要する旨を申告する際、暗い中での街路灯番号の読み取 どを用いて検索できる装置を取り付け ると便利で確実な申告が可能となる。 国土交通省 りが困難である。 街路灯番号 43 行き先を事前に設定(プリセット)して おき、申し出の際にGPSケータイ・SD メモリーカード・ICカードなどからタク 国土交通省 シーの助手席に設置されたカーナビ ゲーションに送信する。 法務省 タクシー輸送 同じ乗り場(JR駅等)から自宅までの帰り道を指定するの に、毎回同じ道順を唱えるのはトラブルの元。 児童ポルノ規制法案、 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の ネット規制法案 は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 d 不動産登記規則第63条は,登記官が行うべき処理のうち,登記識別情報を通知する際の具体的措置について定めるもので ある一方で,66条は申請人の行為を定めるものであり,その具体的方法については,法務大臣の定めとしてその内容が法務 省オンライン申請のホームページに掲げられています。したがって,御指摘の規則の規定振りの違いから通達が不適切という ことはできないと考えます。 資料3-1 7/33 d d 備考 医薬品・医療機器等安全性情 報 No.237 携帯電話のペースメーカ等への影響に関しては、医薬品・医療機器等安全性情報等において繰り返し周知しているところであ http://www.info.pmda.go.jp/iyak り、今後も周知を図ってまいります。 u_anzen/PMDSI237d.html#chapt er1 国土交通省では、総務省が策定している「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指 針」について、公共交通機関等の関連団体への送付することで、携帯電話等の各種電波利用機器から発射される電波の医療 機器への影響について周知を行っている。 国土交通省としては、これらに関する情報について周知活動を進めていく所存です。 総務省では、平成12年度から毎年、携帯電話等の各種電波利用機器から発射される電波が心臓ペースメーカ等の植込み 型医療機器に与える影響について調査を実施しています。この調査結果を公表するとともに、平成17年には「各種電波利用 機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」を策定し、ホームページ・説明資料による周知を行っ ています。また、総務省においてこれら調査結果をペースメーカ関係団体や携帯電話関係団体等へ周知するとともに、関係省 庁(国土交通省、厚生労働省、経済産業省)にも調査結果を送付し関連団体への周知を依頼しています。 総務省としては、これからも引き続き、これらの活動を進めて参る所存です。 d 国民の祝日に関する法律とは、「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」を定めて、 その日を「国民の祝日」と名づけた ものであるため、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しています。 道路法施行令において、当該改善要望の実施を妨げる規定はない。 御指摘の事項は当省の所管外です。 ルートの確認については、旅客とのトラブルを避けるために行った方が望ましいと考えますが、法令等により義務づけているも のではなく、実施については、民間事業者の判断に委ねられているものと認識しております。 e e e d 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 地方税法第20条の10に規定する「納税証明書の交付」に係る手続については、総務省令によりオンライン化することが可能と なっており、ご指摘の保育所の入所申請に必要とされる「所得証明書(住民税課税証明事項)」(地方税法令上で納税証明事 項として規定するものに限る。)の交付に係る手続のオンライン化を妨げる規制はないと認識していますが、これらの証明書の 交付に係る手続をオンライン化するか否かは、当該証明書を発行する各市町村の判断に委ねているものと考えております。 c e 市町村においては、電算システムを利用し、保育所入所決定、保育料算定等の業務を実施している場合が多いと考えられま す。ご提案の保育申請プラットフォームが構築されたとしても、市町村における電算システムと連動できるか懸念されます。連 動できない場合は、保護者の負担は減少しますが、市町村においてはシステム改修費が必要となるほか、プラットフォームか ら得た情報を手入力するなど、保育所入所申請全体にかかるコストは必ずしも削減されないと考えます。 以上のことから、ご提案については、対応は困難であると考えています。 厚生労働省 総務省 育児休業給付に係る手続きについては、既に電子申請のシステム(e-Gov)を導入しており、この中で、各申請の処理状況につ いても、電子申請の申請者自身で照会できる仕組みとなっています。 電子政府・電子自治体の推進は、国民の利便性向上のみならず、行政の効率化のためにも重要であると考えており、ご指摘 の点も含め、その推進に必要となる課題等については、引き続き、電子政府評価委員会等、関連する場において検討を進め て参りたい。 d b 関連府省等回答 育児休業給付を受給するために、何度も(2か月ごと)書類 育児休業給付用のシステムを提供す 厚生労働省 をやりとり(育休取得者・事業主・職安間)する必要がある。 る。 内閣官房 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 42 41 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 住基カードを使うためにはカードリーダーを購入し面倒な登 録作業を行うか、或いは、カードリーダーがあるところに行 かなければならないことが行政サービスにおけるIT普及の ID/パスワードの利用 大きな制約になっている。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 児童の保護者・事業主・各市町村が参 保育所の入所申請には、所得状況、家庭の状況等を示す 照できるワークフロー管理システムを 保育所の入所申請手 書類の提出が必要な上、毎年両親の勤務証明書を提出す インターネット上に構築し、保育申請 る必要があり、負担が大きい。 続 等に必要な手続きを行う。 育児休業の取得手 続・育休給付金の給 付申請手続 39 40 公的個人認証 38 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 291 c c b c オンライン申請した場合,登記識別情報は原則としてオンラ インで交付され,代理人がオンラインで交付を受ける場合 は,復号に関する特別な授権が必要とされている。別途,書 面での交付を希望する場合は,その旨を申請情報に記載し 申請人に対し,不適切な説明をしない 法務省オンライン登記 て申出ることになっている。しかし,委任状に復号に関する よう,登記所職員に,法令・通達等を 法務省 申請システム 特別な授権の記載がない場合は,書面での交付の申出が 改めて指導する必要がある。 なくても,書面で交付されるらしい。申出がなくても書面で交 付されるのであれば,申出させる必要もないのではない か? 登記所サイドの問題を理由に取下げ 登記所から,登記原因証明情報のPDFが添付されていな の指導をすることは極めて不適切であ 法務省オンライン登記 いので取下げるよう電話があった際,PDFは添付したので る。申請人に通知する前に,登記所サ 法務省 申請システム 取り下げはしないと回答した。 イドでできる範囲の確認作業をすべき である。 申請書作成支援ソフトと申請情報を送信するシステムが連 申請書作成支援ソフトで作成した申請 法務省オンライン登記 動していない 情報はシステムが自動的に読み込む 法務省 申請システム ようにすべき 法務省 法務省 不備のあるPDFを添付してオンライン申請をした場合,添付 情報を提供しないまま,即日取下げている事例がある。添 却下すべき申請を,何らの添付情報 法務省オンライン登記 付情報を提供する前に取下げる場合は,補正のためであっ の提供も無いまま取下げを認める登 申請システム ても,取下げの権限を証するための委任状の提供が必要で 記所の取扱には問題がある。 ある。 オンライン申請について、登記所職員の理解が不足してお 法務省オンライン登記 り、不適切な指導がある。 登記所職員を教育する。 申請システム 52 53 54 55 56 関連府省等回答 オンライン申請について,登記所職員の理解が深まるように,会議,研修等の機会を通じ,引き続き指導してまいりたいと考え ています。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 御指摘の登記申請書作成支援ソフトと法務省オンライン申請システムとの連動機能の改善については,平成22年度末の運 用開始に向けて現在開発中の登記・供託オンライン申請システムにおいて,申請用総合ソフトとして,申請書の作成・送信など を一元的に提供することを検討しております。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 御指摘の相続関係説明図を登記原因証明情報とする取扱について,これを廃止した場合は,被相続人の戸籍謄本等相続を 証する書類すべてをPDFファイルにして添付しなければならないことになるなど,申請人に相当の負担を負わせることになりま す。そのため,相続関係説明図の添付が不要とは考えておりません。なお,この取扱いは,資格者代理人の団体からの要請 に応じたものと考えております。 特例方式は,電子化が進まない添付情報が存在することを踏まえた飽くまでも完全なオンライン申請をすることができる環境 が整うまでの暫定的な措置ですが,その本質はオンライン申請であることに変わりはありません。したがって,電子的な方法に よって提供することができる登記識別情報について,特例方式の場合に登記識別情報の提供をオンラインに限るものとしても 問題はないものと考えます。 御指摘のような説明がされているかどうかについては承知しておりませんが,特例方式において提出されるPDFファイルは, 登記の申請に係る添付情報の存在を確認するだけのものであり,添付情報そのものではありません。したがって,その利用目 的が異なることから,添付を不要とすることはできません。なお,不動産登記規則附則24条2項を参照願います。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 不動産登記規則第63条は,登記官が行うべき処理のうち,登記識別情報を通知する際の具体的措置について定めるもので ある一方で,66条は申請人の行為を定めるものであり,その具体的方法については,法務大臣の定めとしてその内容が法務 省オンライン申請のホームページに掲げられています。したがって,御指摘の規則の規定振りの違いから通達が不適切という ことはできないと考えます。 資料3-1 8/33 b c 50 何らかの情報を提供する必要がある のであれば,合理的な理由を示す必 法務省 要がある。合理的な説明ができないの であれば,添付不要とすべきである。 c 特例方式によるオンライン申請の場合,なぜ,登記識別情 報はオンラインで提供しなければならないのか?登記申請 登記識別情報制度を今後も採用する は,申請情報と必要な添付情報を提供すればよいことに のであれば,特例方式によるオンライ 法務省オンライン登記 法務省 なっている。登記識別情報は登記名義人を特定するための ン申請の場合は,登記識別情報の書 申請システム 添付情報である。オンライン申請の場合であっても,書面 面での提供を認めるべきである。 (登記識別情報通知)で交付するのも合理的であると考える なら,書面での提供を認めないとする合理的な理由はない。 51 c 特例方式によるオンライン申請の場合,申請情報とともに提 供するPDFを写しとして原本還付を認めないのは,「原本に 合理的な説明ができないのであれば, 法務省オンライン登記 相違ない旨」の文言を必要とするため。と,説明されている 即時,PDFの添付を不要とすべきであ 法務省 申請システム らしい。そうであれば,PDFに「原本に相違ない旨」を追記し る。 て電子署名すれば認められるのか? 49 特例方式によるオンライン申請の場合,PDF化して送信す る登記原因証明情報は,「登記原因の内容を明らかにする 部分」(原則として登記事項すべて)が明らかにされている 必要があるらしいが,法定相続の場合にPDFで提供する登 法務省オンライン登記 記原因証明情報は,相続関係説明図であると説明されてい 申請システム る。相続関係説明図は,戸籍等の原本還付を受ける際に作 成する書面で,作成者の記名(署名)・押印は必要ない。相 続人の住所の記載も,不動産の記載も必要ない。それで も,登記事項すべてが明らかにされていることになるのか? c 法務省 特例方式の場合は,PDFで送付した登記原因証明情報に 資格者代理人に法令遵守を言う前 法務省オンライン登記 ついては,一切の補正を認めず,法令により却下することに に,法務省が法に基づいた取扱いを なっているが,一部登記所ではPDFを再送する等の補正を 申請システム する必要がある。 認め,ボールペンによる補正を認めた登記所もあるらしい。 48 d 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 法務省 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 47 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 平成20年1月11日法務省民二第57号通達第3の(2)で, (1)の方法により登記識別情報を提供するときは,代理人 の権限を証する情報に「登記識別情報の暗号化に関する一 法務省オンライン登記 切の権限」の委任条項が必要であるとされた。この,「登記 根拠となる規則第66条,又は,先の 識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項は,今 通達を変更する必要がある。 申請システム 回の通達で突然出てきたものであるが,登記識別情報の提 供に関する規定である不動産登記規則第66条は変更され ていない。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) d c オンライン申請システムには,「登記識別情報の複写」と言 不適切な取扱いしかできないのであれ 法務省オンライン登記 う機能がある。不動産ごと・名義人ごとに決めるはずの,登 ば,登記識別情報制度を廃止すべき 法務省 記名義人を特定するための登記識別情報を,複数の不動 申請システム である。 産に複写して,交付したことにする理由は何か? オンラインで取得した登記完了証の目的が違うので,紙に 法務省オンライン登記 印刷したものを提示して訂正を求めたら,登記官の職印で 申請システム 訂正した事例がある。 59 60 292 c c c c 登記所における適正かつ効率的な事務の遂行という観点 から,「法務局使用欄」を付加した規則別記第13号様式を 法務省オンライン登記 使用することとした。一部登記所では13号様式が改正され 登記所に対し,改正後の13号様式の 法務省 たことを知らず,一部登記所ではオンライン申請専用の受 利用方法を指導すべきである。 申請システム 領印照合票を作成して司法書士に利用するよう要請してい る。 暗号化に関する特別な授権を必要と する通達は,法的根拠の無い誤った 推定に基づく不適切なものである。暗 法務省 号化に関する特別な授権は不要とす べきである。 登記識別情報通知(書)の交付方法に 付いての申出は,申請情報に記載す 法務省 るよりも,13号様式に記載するほうが 合理的である。 登記識別情報を提供する場合,司法書士はシールを剥がし て12桁の記号を確認し,写しを封筒に入れて提供してい る。オンライン申請の場合に登記識別情報提供様式を作成 法務省オンライン登記 することは,書面申請の場合に登記識別情報を封筒に入れ るのと同じことである。書面申請の場合に,登記識別情報を 申請システム 確認し写しを封筒に入れるために特別な授権を必要としな いのであるから,オンライン申請の場合も,登記識別情報提 供様式を作成するために特別な授権は必要ないと考える。 送付の方法による登記識別情報通知書の交付を求めると きは,送付を求める旨及び送付先の別を申請情報の内容と 法務省オンライン登記 するものとされた。登記が完了した時点で,申請情報と13 号様式(添付書面を含む)は申請情報つづり込み帳につづ 申請システム り込まれ,登記識別情報通知(書)は13号様式の写しと一 緒に保管され,送付又は窓口で交付される。 特例方式による申請の取下げについては,オンライン申請 の取下げの手続と同様に取り扱うこととされた。特例方式で 登記所の勝手な判断による便宜的な 法務省オンライン登記 あっても,オンライン申請した場合の取下げは,オンライン 法務省 取り扱いは止めるべきである。 申請システム に限定されている。しかしながら,取下書(書面)を提出させ て,取下を認めている事例もある。 61 62 63 64 65 関連府省等回答 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 13号様式は,登記識別情報通知書を交付する際に利用することを想定して作成・提出されるものですが,登記識別情報をど のような方法で交付するかは,登記事務処理の一つの工程で指定するため,その交付方法については,それを申請情報の一 部として記載した方が,登記の事務処理上,分かりやすく,合理的であると考えます。 登記識別情報は,本人以外の者が知ることを予定されたものではありません。そのため,オンラインにより登記を申請する場 合に,登記識別情報を提供するときは,原則として,登記名義人において,その暗号化をすることが予定されていますが,代理 人が暗号化をする場合には,その代理人が登記識別情報を知ることになることから,法務大臣の定めとして特別の授権が必 要であることを定めたものです。通達は,これを登記所に周知するために発出されたものであり,不適切なものではないと考え ます。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 特例方式は,電子化が進まない添付情報が存在することを踏まえた飽くまでも完全なオンライン申請をすることができる環境 が整うまでの暫定的な措置ですが,その本質はオンライン申請であることに変わりはありません。したがって,電子的な方法に よって提供することができる登記識別情報について,特例方式の場合に登記識別情報の提供をオンラインに限るものとしても 問題はないものと考えます。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 御指摘の「登記識別情報の複写」機能は,オンライン申請システム上には存在しませんが,登記所内の事務処理システムに は用意されているため,これを指すものとして回答します。 御指摘の趣旨は,分筆の登記の際に,分筆後の新たな土地の登記識別情報について,分筆前の土地の登記識別情報と同じ ものとなることなどを指しているものと思われますが,分筆の登記とは,登記上における1筆の土地の1個性を変更して数個の 土地を創設するものであって,申請人が登記名義人となるとき(不動産登記法21条)には当たらないため,新たな登記識別情 報は発行されません。そして,分筆後の新たな土地については,分筆の登記の性質を踏まえ,分筆前の土地の登記識別情報 を複写する取扱いとしているものであり,不適切な取扱いではないと考えます。 御指摘のありました事案については,システム上のプログラムの不具合により,登記識別情報が,容易に他人に知られないと いう意味での安全性が十分に確保されているとはいえない状態となってしまったこと等を踏まえ,法務省民事局として,事案の 内容を広く国民の皆様にお知らせするとともに,相当の期間を定め本人の意思を確認して実施したものです。これにより,関係 者の皆様には多大な御迷惑をおかけすることになってしまいましたが,これは,事案の性質にかんがみ,不動産登記制度全体 の適正な運営を図るため必要と判断して実施したものですので,その趣旨を御理解願います。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 資料3-1 9/33 c 常にオンラインで提供することが可能な登記識別情報につ いては,申請情報とともにオンラインにより提供しなければ 法務省オンライン登記 ならないこととされた。登記識別情報の提供方法をオンライ 書面での交付を可能とするならば,書 法務省 ンに限定するのであれば,当然に,交付の方法もオンライン 面での提供も認めるべきである。 申請システム に限定すべきであり,書面で交付するのが合理的であるな らば,書面での提供を認めない合理的な理由は無い。 登記所職員に対して,オンライン申請 法務省 に関する再教育が必要である。 c 登記識別情報の再発行を認めた,法律上の規定はない。再 発行した事例として,不適切な登記識別情報に関するもの 不適切な取扱いしかできないのであれ 法務省オンライン登記 と,不適切なパスワードに関するものがある。どちらの場合 ば,登記識別情報制度を廃止すべき 法務省 申請システム も,法的な根拠も無く,職権で失効させて,職権で再発行し である。 た。 c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 して,取下げるよう指導された。再度,正しい登記識別情報 不適切な指導をしないよう,登記所職 法務省オンライン登記 法務省 を提供すれば良いのでは?仮に,正しい登記識別情報を提 員を教育する必要がある。 申請システム 供できない場合は,本人確認情報を提供する。本人確認情 報を提供できない場合は,事前通知になるのでは? 登記識別情報(12桁の記号)を誤って入力したものを提供 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 58 57 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 293 c c a c d b b d 特定の登記所で資格証明情報の添付 省略を認めることを予定しているが, オンライン申請利用促進のために,す 法務省 べての登記所で,(登記所の作成・発 行する)資格証明情報の添付省略を 認めるべきである。 登記識別情報は,オンライン申請の阻 害要因であり,登記名義人を特定する ための情報としての存続理由もなく 法務省 なったのであるから,オンライン申請 の利用促進のためにも,直ちに廃止 すべきである。 規則第63条第2項は,代理人としてオンライン申請をする 者が,申請人から登記識別情報を知ることを特に許されて いる場合には,登記官は,登記識別情報が第三者に知られ ないようにするための措置を講ずる必要はないとされた。交 法務省オンライン登記 付した時点で,名義人以外の者が知っている可能性のある 登記識別情報は,本人だけが知っている情報ではなく,登 申請システム 記名義人を特定することができる情報ではない。また,申請 代理人が特別な授権を受けた場合であっても,そのことに よって,登記官の登記識別情報の秘密保持義務がなくなる わけでは無い。 設立登記のオンライン申請に当たり,オンライン申請システ 法務局職員に対して,法令に基づく対 法務省オンライン登記 ムにログインすることができなかったため、対応を照会した 応をするよう指導し,お客様へ適切な 法務省 管轄登記所の説明不足により,登記申請が翌日付けになっ 申請システム 説明をすることができるようにする。 てしまった。 PDFに電子署名した本人確認情報をオンラインで提供した 法務省オンライン登記 ところ,「書面の本人確認情報が提供されていない。」と言う 登記所職員の再教育が必要である。 法務省 申請システム 理由で補正になった事例がある。 法務省 登記所が保有している法人の代表者事項証明等の証明書 を添付情報として提供する必要がある。また,照会番号制 度が利用できるのはオンライン申請の場合に限定されてい 法務省オンライン登記 る。添付書類のうち行政機関が作成・発行するものについ ては,申請を受理する行政機関が当該書類を作成・発行し 申請システム ている行政機関から情報を取得することによって添付書類 の省略を可能とするバックオフィス連携について検討するも のとする。 登記申請書作成支援ソフトウェア試行版(V4.0Z)に関して、 法務省オンライン登記 司法書士へ配布をしていない。 配布すべき。 申請システム オンライン申請した際に自動配信されるメールは不必要で メールの必要性を見直し、登記の目的 ある。補正の場合のメールも事件を特定するような事項は を記載する、ログイン画面へのリンク 法務省オンライン登記 法務省 記載されていないため、オンライン申請システムにログイン を設定するなどの改善を図るべきであ 申請システム して処理状況画面から補正コメントを確認する必要がある。 る。 申請情報を作成するソフトで入力した情報を登記識別情報 登記識別情報制度の見直し。当面は 法務省オンライン登記 提供用のファイル作成に流用できない 法務省 旧登記済証の復活。 申請システム ① 「新不動産登記法Q&A」 土地を分筆した場合,分筆前の登記 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が 識別情報が分筆後の土地に複写され 法務省オンライン登記 ある。 るので,多数の不動産について,同じ 法務省 A13 申請システム 登記識別情報が発行されていることに 登記識別情報は,不動産及び登記名義人となった申請人ご なる。と記述を修正する。 とに定められます。 68 69 70 71 72 73 74 75 関連府省等回答 登記識別情報を通知する場合とは,申請人が登記名義人となるとき(不動産登記法21条)ですが,分筆の登記は,この場合 に該当せず,単に権利の客体を分割するものにすぎないため,新たに登記識別情報が発行されているものではありません。 御指摘の登記識別情報関係様式の入力については,平成22年度末運用開始に向けて現在開発中の登記・供託オンライン申 請システムにおいて,申請書入力内容の登記識別情報提供用ファイルへの転記を始めとして,様々な転記機能を具備し,申 請書作成の省力化を実現することを検討しております。 現行オンライン申請システムにおいて,メールアドレスの登録は任意です。なお,御指摘のメールの自動配信については,平 成22年度末運用開始予定の登記・供託オンライン申請システムにおいて,メール種別ごとの配信要否を申請者が任意で選択 できるよう変更し,メールのタイトル及び本文についても内容の見直しを図ることを検討しております。 御指摘の登記申請書作成支援ソフトウェア試行版(V4.0Z)は,民間事業者が提供している登記申請書作成用ソフトウェアとの 連携機能の追加を行ったことから,民間事業者がソフトの開発及びテストを実施するために提供したものであり,登記申請書 作成支援ソフトウェアの利用者向けに作成したものではありません。このため,登記申請書作成用ソフトウェアを一般に提供し ている民間事業者への配布としました。その後,順次最新版(V4.2A)を配布しています。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 オンライン申請に関するお客様からのお問い合わせに対する対応については,会議・研修等の機会を通じて職員を指導してま いりたいと考えています。 規則63条2項は,代理人に関する定めであり,本人から特別の権限の委任がされていることにより,当該代理人は本人と同 視できるものと考えます。 御指摘の資格証明情報の添付省略を実施することについては,実施に係るシステム上の仕組みや必要となる経費と実施の 効果の観点から慎重な検討が必要と考えられますが,その実施の適否については,検討してまいります。 登記識別情報は,本人以外の者が知ることを予定されたものではありません。そのため,オンラインにより登記を申請する場 合に,登記識別情報を提供するときは,原則として,登記名義人において,その暗号化をすることが予定されていますが,代理 人が暗号化をする場合には,その代理人が登記識別情報を知ることが明らかであるため,その性質上,特別の授権を必要と したものです。 御指摘のとおり,制度を適正・円滑に実施するためには,資格者代理人等との共通認識を持つべきものと考えております。御 指摘の手引書が,どのようなものを指すか承知しておりませんが,公開を要望される手引書について相当と思われるものにつ いては,すでに公開しているものと考えております。また,今後作成される手引書についても,その相当性があると思われるも のについても公開してまいりたいと考えております。 資料3-1 10/33 c 特例方式実施に伴う通達で,「登記識別情報の暗号化に関 する一切の権限」の委任条項が,代理権限証明情報として 登記識別情報制度を廃止すべきであ 法務省オンライン登記 法務省 提供される必要があるとされた事情は,書面申請の場合は る。 申請システム 名義人本人が封筒に入れているであろうと,勝手に推定し た結果のようである。 67 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 c どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 法務省,法務局及び資格者代理人等が連携・協力して,運 法務省オンライン登記 用の過程で生じた様々な問題点を着実に解消していくこと 登記所で使用している手引書の公開 法務省 によって,政府が目標とする利便性やサービスの向上が実 を要望する。 申請システム 感できる電子行政が実現できる。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 66 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 c c d 偽造することはできなくても,書き写す ことは可能であり,メモ書きしたもので あっても本物として利用することができ 法務省 るので,安全性については不安があ る。と記述を修正する。 「新不動産登記法Q&A」 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が 制度上再通知は認められていない 法務省オンライン登記 ある。 が,法務省は,現在までに2度再通知 法務省 A17 申請システム をしている。と記述を修正する。 登記識別情報は,登記完了時に通知するものとされている ため,その再通知は,認められません(Q22参照)。 登記所に提出する際には目隠しシー ルを剥す必要があり,目隠しシールを 剥した時点で,「本人以外の者が知る 法務省 ことができる情報」になるので,「本人 だけが知っている情報」であるとの前 提は成立しない。と記述を修正する。 本人だけが知っている情報であること が前提となるものであるならば,繰り 返し本人確認手段として利用すること は極めて不適切である。また,申請者 法務省 とオンライン申請システムとの間の通 信は暗号化されているのであるから, 登記識別情報だけを個別に暗号化す る必然性は無い。と記述を修正する。 ① 「新不動産登記法Q&A」 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が ある。 法務省オンライン登記 A16 申請システム 登記識別情報は,それ自体を偽造することは,事実上不可 能であり,登記済証の制度よりも,安全性が高まると考えて います(Q15参照)。 ① 「新不動産登記法Q&A」 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が 法務省オンライン登記 ある。 A18 申請システム 登記識別情報は,本人だけが知っている情報であることが 前提となるものです。 「新不動産登記法Q&A」 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が ある。 A19 法務省オンライン登記 登記識別情報は,権利の一部の移転や担保物権の設定の 登記等において,繰り返し本人確認手段として利用すること 申請システム が予定されています。そのため,登記所に提供する際にも, 秘密性を保持する必要があります。そこで,オンライン申請 の場合には,登記識別情報を登記所の公開鍵を用いて暗 号化して送信することになります。 77 78 79 80 81 294 関連府省等回答 登記識別情報は,本人に通知されるものであり,また,その秘密性が保持されるために様々な措置が講じられているため,繰 り返し使用することにより機密性が薄らぐものではないと考えております。 登記識別情報は,本人だけに通知されるものであって,目隠しシールをはがすか否かの判断は,本人の意思によるものです。 したがって,本人がシールをはがすことをもって,本人以外の者が知ることができるものとはならないと考えます。 御指摘のありました事案については,システム上のプログラムの不具合により,登記識別情報が,容易に他人に知られないと いう意味での安全性が十分に確保されているとはいえない状態となってしまったこと等を踏まえ,法務省民事局として,事案の 内容を広く国民の皆様にお知らせするとともに,相当の期間を定め本人の意思を確認して実施したものです。これにより,関係 者の皆様には多大な御迷惑をおかけすることになってしまいましたが,これは,事案の性質にかんがみ,不動産登記制度全体 の適正な運営を図るため必要と判断して実施したものですので,その趣旨を御理解願います。 登記識別情報の安全性は,適正に管理していただくことを前提としたものであり,その一連の取扱いをもって担保されるべきも のであり,御指摘の面のみをもって判断されるべきもではないと考えます。 「新不動産登記法Q&A」は,一般的な留意事項を掲載しているものですが,御指摘のとおり,担保権の抹消の登記を書面に より申請する場合には,印鑑証明書を提出する必要はありませんので,所要の訂正を行います。なお,ホームページへの掲載 については,今後も誤解の生じないよう留意してまいります。 御指摘の改善提案にあるような行為が行われているとは承知しておりませんが,登記識別情報の秘密保持に関しては技術的 な観点からの改良についても継続して検討してまいります。 資料3-1 11/33 c c 担保権の抹消登記を申請する場合, オンライン申請の場合は電子署名す ることになっているが,書面申請の場 合は12桁の符号をメモ書きしたもの 法務省 だけを提出すればよく,印鑑証明書を 提出する必要は無い。と記述を修正す る。 ① 「新不動産登記法Q&A」 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が ある。 A16 法務省オンライン登記 オンライン申請では,登記識別情報だけでなく,電子署名及 申請システム び電子証明書を併せて提供することとし,二重の本人確認 手段を採っています。書面申請においても,登記識別情報 だけでなく,印鑑及び印鑑証明書を提出することになりま す。 c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 76 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 本人以外の者がシールをめくって登記 識別情報を盗み見ても,その痕跡が 残らないように貼りなおすことが可能 法務省 であり,秘密保持の方法としては極め て不適切なものである。と記述を修正 する。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) ① 「新不動産登記法Q&A」 (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html)に誤った記述が ある。 A14 登記所から登記識別情報を通知する場合には,秘密を保 法務省オンライン登記 持するため,次の方法により通知されます。書面申請の場 合は,通知書の登記識別情報を記載した部分を覆う目隠し 申請システム シール(はり直すことができないもの)をはり付け,本人以外 の者がシールをめくって登記識別情報を盗み見た場合に は,その痕跡が明らかになるような工夫をして,登記所の窓 口において,本人を確認した上で交付する方法で通知する ことになります。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 改善提案の趣旨が判然としませんが,照会番号の利用については,資格証明情報の添付省略と併せて慎重に検討する必要 があるものと考えています。 御指摘の外字ファイルの取扱いの問題については,現在のシステムでは,戸籍統一文字及び送信された外字ファイルをその まま登記情報として使用することは困難であると認識しております。他方,御指摘の改善提案又はこれに準ずる方策について は,今後検討してまいります。 c c c c c c 法務省 書面の申請書に添付した登記識別情報は,申請情報とばら ばらになる可能性があり,申請人の氏名等を記載することも 必要であろうが,オンライン申請の場合は申請情報に添付 して(申請情報と一体で)提供するのであるから,申請人の 登記識別情報を廃止しないのであれ 法務省オンライン登記 氏名等を入力する必然性はない。申請情報に12桁の記号 ば,一部入力項目の省略を認めるな 申請システム が入力されていれば充分である。また,登記識別情報が登 どの便宜的な対応も必要である。 記名義人を特定するためのものであれば,物件全部につい ての登記識別情報を提供させる必要はなく,いずれか1個 の情報を提供すれば充分である。 9月26日、不動産登記の完全オンライン申請をして、10月 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省オンライン登記 15日完了し、完了までに2週間以上かかった 法務省 し 申請システム 法務省は,登記識別情報の提供及び交付方法はオンライン 更なる利用促進策として,登記識別情 法務省オンライン登記 に限定していた。特例方式の実施に伴い,希望すれば,書 報通知(書)の写しを,PDF又は書面 法務省 面での交付も認めることとしたが,提供方法はオンラインに 申請システム で提供することを認めるよう提案する。 限定したままである。 電子署名の普及のためにも申請人を 特定するための情報として電子署名を 利用することを考慮すべきであり,特 例方式の更なる利用促進のために, 法務省 申請人が電子署名した場合は登記識 別情報の提供を不要とする取扱いを 提案する。 本人確認情報を作成する際に申請人から提示を受ける資 料は限定的に規定されており,写真付の証明書を所持して 法務省オンライン登記 いない申請人に対しては,事前に住民基本台帳カードの交 付を受けるよう依頼し,申請人から住民基本台帳カードの 申請システム 提示を受けて本人確認情報を作成し,提供している事例も 多い。 照会番号とは,「行政機関等に対してされる申請等に関する 法令の規定において申請等の書面に添付し,又は申請等 の際に提出すべきこととされている書面が登記事項証明書 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省オンライン登記 法務省 である場合において,行政機関等の定めるところに従い,行 し。 申請システム 政機関等が本制度によって送信される登記情報をもってこ れに代える(ことができる)としているときに,書面申請の場 合には適用されない。 法務省オンライン登記 申請人が送信した外字ファイルが登記情報として利用でき 戸籍統一文字を指定するか、登記所 法務省 申請システム ない。 で使用する外字ファイルを公開する。 84 85 295 86 87 88 89 資料3-1 12/33 登記識別情報の提供をしていただく趣旨は,他に提供される情報と併せて,登記の申請の真正性を担保するものです。そのた め,本人の電子署名のみをもって本人の真意を確認するとするのは,不十分と考えます。したがって,御提案の方法を受け入 れることは困難であると考えます。 特例方式は,電子化が進まない添付情報が存在することを踏まえた飽くまでも完全なオンライン申請をすることができる環境 が整うまでの暫定的な措置ですが,その本質はオンライン申請であることに変わりはありません。したがって,電子的な方法に よって提供することができる登記識別情報について,特例方式の場合に登記識別情報の提供をオンラインに限るものとしても 問題はないものと考えます。 御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行っ てまいります。 御提案の趣旨は登記識別情報の提供様式の利用方法の改善を求めるものと思われますが,この点については,より利用しや すいものとなるよう,次期のオンライン申請システムの提供に併せて検討してまいります。なお,不動産に関する権利は,それ ぞれの不動産ごとに設定されるものであるため,「具体的な問題点」の後段部分につきましては,対応は困難と考えておりま す。 御指摘の趣旨が判然としませんが,不動産登記制度は,登記の真正性が担保されることを前提としており,その点を念頭に置 きつつ,当該制度を利用しやすい制度とすることを考える必要がありますので,本人確認制度につきましても同様に運用する 必要があると考えております。なお,御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が不適当なものである と認められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行ってまいります。 c 83 登記の申請は,本人の意思に基づき行われるものであり,登記識別情報の有効・無効も本人の意思により定められるもので ある以上,制度上,失効制度を設けざるを得ないものと考えます。なお,有効性の証明に要する時間の短縮については,関係 部署とともに検討してまいりたいと考えています。 関連府省等回答 登記官は,有効な12桁の記号の提供を受ければ,面談す ることもなく,申請人が登記名義人であると特定できること になっているが,司法書士の場合は,本人確認情報を提供 司法書士は,必要な場合は本人確認 できるのは申請代理人に限定されており,面識がある場合 情報を提供しており,必要でない場合 法務省オンライン登記 でも確認のための面談が要求されるなど,提供するための も本人確認情報の提供を要求するの 法務省 要件が必要以上に厳格である。また,必要な情報を提供し であれば,面談の要件を緩和するな 申請システム た場合であっても,登記官が相当と認めなかったときは事前 ど,利用しやすい制度にする必要があ 通知され,一部登記所では,本来提供する必要のない「確 る。 認資料」の写しを要求している例もあり,登記所の対応にも 問題がある。 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 c どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 82 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 促進策の実施により,資格者代理人が代理人となって登記 識別情報に関する証明を請求する場合には,法人が請求 人であるときの代表者の資格を証する情報(令7条1項1 号),代理人の代理権限を証する情報(令7条1項2号)の提 登記識別情報制度を廃止しないので 供が不要とされた(規則68条7項)。実務において重要なの あれば,少なくとも,取引現場で瞬時 法務省オンライン登記 は,請求した時点で有効であるかどうかの証明ではなく,確 に有効性の確認ができ,確実に登記 法務省 申請システム 実に登記することができるかどうかである。有効であるとの できることを保証することができる制度 証明書の交付を受けても,失効制度があるために,確実に にする必要がある。 登記できることを保証することができない制度上の欠陥があ る。1件に付き20分程度の時間がかかることも問題であ る。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 c c c 法務省 法務省 法務省 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を 送信することができない場合に,当日中の受付番号を確保 法務省オンライン登記 するための通達と依命通知について,登記の申請は,オン 障害発生に備え,予備の受付システ ライン申請と書面申請に限定されており,メールで申請情報 ムを準備すべきである。 申請システム を送信することは認められていない。(不動産登記法第18 条)。 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を 送信することができない場合に,当日中の受付番号を確保 するための通達と依命通知について,メールで送信した情 法務省オンライン登記 報は,法務局・地方法務局から管轄登記所に転送され,管 予備の受付システムを準備する。 轄登記所では,当日の最終の受付番号の枝番を使って,当 申請システム 日受付番号を確保することになっているが,管轄外の登記 所へ申請することは却下事由である。(不動産登記法第25 条)。 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を 送信することができない場合に,当日中の受付番号を確保 法務省オンライン登記 するための通達と依命通知について,登記官は,申請情報 予備の受付システムを準備する。 が提供されたときに受付番号を記録することになっており, 申請システム 申請情報が提供されない段階で受付番号を記録することは 明らかに違法である。(不動産登記規則第53条)。 法務省オンライン申請システムに障害が発生し申請情報を 送信することができない場合に,当日中の受付番号を確保 するための通達と依命通知について,緊急事態であっても 法務省オンライン登記 実質書面申請である特例方式によるオンライン申請につい 予備の受付システムを準備する。 申請システム てだけ受付時間を2時間延長することは,権利の保全と取 引の安全を脅かすことになり,本件通達は不動産登記法第 1条に違反するものである。 法務省は,平成21年3月17日オンライン申請システムに 障害が発生し,申請情報を送信できない場合の救済策を発 表したが,「システムが申請情報を受信後,管轄登記所に 転送できない障害が発生した場合は,復旧後受付処理をす システム障害の全てに対し適切な対 法務省オンライン登記 ることが可能であるから,救済策は講じない。」としている。 応をすることができないのであれば, 法務省 申請システム しかしながら,オンライン申請システムに送信した申請情報 オンライン申請を中断すべきである。 が管轄登記所に転送されないということは,登記所窓口に 提出した申請が放置され後から提出された申請が先に処理 されるのと同じことであり,登記制度上極めて重大な問題で ある。 92 93 94 95 296 96 97 関連府省等回答 オンライン申請システムは,コンピューターを使用している以上,不測の障害が発生する可能性を完全に否定することはできな いため,不動産登記制度全体の運用を考慮して一定の場合に救済策を講じることとしたものです。引き続き,適切な運用につ いて留意してまいりますが,全体に占める割合は小さいものの一月に数万件の利用があるオンライン申請システムに万一障 害が発生したような場合には,これを中断すべきではないと考えます。 御指摘のありました時間延長措置については,法務省オンライン申請システムの不具合により,登記の申請を受け付けること ができなくなった場合に,申請人の利益を保全するために設けられたものであり,この取扱い自体が不適切な取扱いとは考え ておりません。なお,予備のシステムの準備については,次期のオンライン申請システムにおいて検討してまいります。 御指摘のありました電子メールによる申請情報の仮受付措置については,法務省オンライン申請システムの不具合により,登 記の申請を受け付けることができなくなった場合に,申請人の利益を保全するために設けられたものであり,この取扱い自体 が不適切な取扱いとは考えておりません。なお,予備のシステムの準備については,次期のオンライン申請システムにおいて 検討してまいります。 御指摘のありました電子メールによる申請情報の仮受付措置については,法務省オンライン申請システムの不具合により,登 記の申請を受け付けることができなくなった場合に,申請人の利益を保全するために設けられたものであり,この取扱い自体 が不適切な取扱いとは考えておりません。なお,予備のシステムの準備については,次期のオンライン申請システムにおいて 検討してまいります。 御指摘のありました電子メールによる申請情報の仮受付措置については,法務省オンライン申請システムの不具合により,登 記の申請を受け付けることができなくなった場合に,申請人の利益を保全するために設けられたものであり,この取扱い自体 が不適切な取扱いとは考えておりません。なお,予備のシステムの準備については,次期のオンライン申請システムにおいて 検討してまいります。 登記識別情報は,登記の真実性を担保するために必要なものであり,そのため,本人の電子署名のみをもって本人の真意を 確認するとするのは,不十分と考えます。なお,登記識別情報に関する登記官の秘密の保持(不動産登記法159条)について は,特例方式の導入により変更されているものではありません。 改善提案の趣旨が判然としませんが,仮に登記識別情報通知書が経年劣化等の物理的原因により確認することができない 場合は,これをもって本人を確認することはできないため,別の本人確認の手段によらざるを得ないこととなります。 御指摘の登記識別情報関係様式の入力については,平成22年度末運用開始に向けて現在開発中の登記・供託オンライン申 請システムにおいて,申請書入力内容の登記識別情報提供用ファイルへの転記を始めとして,様々な転記機能を具備し,申 請書作成の省力化を実現することを検討しております。 資料3-1 13/33 c c d 特例方式の実施により,登記官の秘密保持義務が一部免 除され,登記識別情報は本人以外の者が知ることができる 情報になったのであるから,登記官が申請人と登記名義人 が同一人であることを確認できる情報では無くなった。不動 完全オンライン申請のためには,添付 法務省オンライン登記 産登記制度上,申請人と登記名義人の同一性は,住所と氏 書面を個別に電子情報に置き換える 法務省 名が一致することであり,完全オンライン申請をするために のではなく,オンライン申請のための 申請システム は申請人の電子署名が必要なのであるから,電子署名を検 申請方式を考えるべきである。 証することによって,申請人と登記名義人の同一性は確認 できる。よって,完全オンライン申請のために登記識別情報 を存続させる必要はない。 法務省 c 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省 し 登記識別情報通知のシールを剥すことができず,見ること 法務省オンライン登記 ができない情報であっても,登記所にとっては,本人(登記 申請システム 名義人)を特定することができる情報なのか? 91 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 b どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 報(記号)の入力画面は改良されたが、申請人の住所氏名・ 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省オンライン登記 法務省 物件情報等を個別に入力しなければならない点は、改良さ し 申請システム れていない。 平成21年3月9日からのバージョンアップで、登記識別情 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 90 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 297 c 違法を承知で緊急時の対応策を実施 するのであれば,障害発生時に直ち に「メール仮受措置」を実施し,仮に復 旧した場合は受付時間を延長し,オン ラインでの再申請を促すべきである。 そうすれば,とりあえずメールで受付 法務省 番号を確保した申請人の多くが,夕方 システムが復旧していることを確認し て,登録免許税の軽減を受けるため にオンラインで再申請することを期待 できる。 101 c c 電子政府推進に関する意見聴取先が、一般国民ではなく、I 改善提案に関する具体的な記載は無 電子政府推進に関す Tベンダー、士業者などに偏っている 内閣官房 し る意見聴取先 パブコメに住所、電話 直接業務に必要のない情報を収集する意味が示されてい 番号、ファクス番号な ない。 どを記入させる 106 107 内閣官房 a 電子政府のwebページの制度の説明がわかりにくい。また、 利用者の視点でポータル、サービスの 総務省 求めるサービスにたどり着けない。 構造を全面的に見直す。 e-Gov. 105 双方向に連絡がとれればいいので、 最低限、業務に必要な情報はどれで あるかを明示すべき。 1 電子政府の総合窓口(e-Gov)については、平成16年1月に現在のデザインとなってから以降、平成18年4月の電子申請 システム運用開始を始めとして、取り扱う情報の種類、量とも増大し、行政情報の探しやすさや表現のわかりやすさについて、 様々なご指摘、ご批判をいただいているところである。 2 このため、平成21年度においては、国民等利用者の使い勝手の一層の向上を目指して意見を募集し、パブリックコメント の検索機能の改善、e-Govのサイトデザイン等の見直し、各府省ホームページの検索機能・電子申請機能の改善等に取り組 んでおり、今後も効果的かつ継続的に進めていきたいと考えている。 なお、e-Govに掲載している手続情報等の掲載内容については、関係府省と協議し、引き続き適切な措置を講じてまいりたい。 資料3-1 14/33 後入力いただく電話番号・FAX番号等は、頂いた御意見の趣旨が不明確な場合等に電話・FAX等により問い合わせをさせて いただく可能性があるため御記入いただいております。 御指摘の点については、既に種々の改善措置を集中的に講ずることとした趣旨も踏まえ、「電子政府利用促進週間」の実施 し、政府全体として電子政府に関する広報、普及啓発活動を重点的かつ効果的に推進しているところ。 御指摘の点については,本年6月に民事第二課長・商事課長通知を発出し,措置済みです。 d 本件につきましては平成21年6月22日から施行され、同日以降において登記が完了していない事件を対象として、すべての登 記機関において統一的な取扱いとして開始されております。 104 f 旅行業の登録制度は、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図る上で最も 基本的かつ重要な制度であり、ご提案いただいた件については、実施は困難と認識しております。 本件措置については,幸いにして,現在まで発動されたことはありませんが,御指摘の問題点については検討すべき点もある と思われますので,引き続き適切な措置についての検討を進めてまいりたいと考えております。 登録免許税を電子納付した場合の代理人の口座への還付の取扱いについては,資格者代理人の団体からの要請を受け,関 係機関と協議してその取扱いを定めたものであり,従前よりも利便性は向上したものと考えております。なお,利便性の向上に ついては,今後も必要に応じて検討してまいります。 御指摘の取扱いについては,資格者代理人の団体からの要請を受け,関係機関と協議してその取扱いを定めたものであり, 従前よりも利便性は向上したものと考えております。なお,利便性の向上については,今後も必要に応じて検討してまいりま す。 御指摘のありました電子メールによる申請情報の仮受付措置については,法務省オンライン申請システムの不具合により,登 記の申請を受け付けることができなくなった場合に,申請人の利益を保全するために設けられたものであり,この取組自体が 不適切な取扱いとは考えておりません。なお,予備のシステムの準備については,次期のオンライン申請において検討してま いります。 法務省オンライン申請システム申請者操作ガイドは、利用者の皆様への操作方法の案内を目的として作成され、現状の同ガ イドのログイン画面の内容でその目的を十分に達することが可能であるために、記載内容の訂正を行わなかったものです。 なお、当省におきましても、システム障害発生時の利用者の皆様への通知の重要性については十分に認識しており、現在、当 システムの障害情報の全般的な掲載方法について改善を検討しているところであり、変更の際には、利用者の皆様にログイン 画面も含めた掲載方法についてご案内させていただくことを予定しております。 関連府省等回答 (1)登録免許税法31条に代理人ない しオンラインによる納付についての規 財務省 代理人がオンラインで 代理人によりオンライン申請を行い,代理人がオンラインで 定を整備する。 納付した登録免許税 登録免許税を納付した場合,申請を取り下げると,登録免 (2)オンライン納付あるいはオンライン の還付 許税は,代理人ではなく本人に還付される。 申請の時に,登録免許税の還付先を 代理人とすることについて指定できる 法務省 よう,システムを整備する。 103 グローバルではネットからの予約サイトが共通基盤になって いるが、日本では規制のため団体旅行は既存旅行代理店 MICE特区対象(沖縄、北海道等)の 旅行業法での旅行代 募集しか不可能。既存代理店コストの問題やLCC非取扱い 設置や海外MICEに関しては自由化 国土交通省 理店規制 代理店が大多数の現状MICE主催企業が不利益を被る。 (代理店免許制から届出制) c c 登録免許税を印紙納付した場合は,申請を取下げたとき未 法務省オンライン登記 使用証明(再使用証明)を受け直ちに再申請するときに利 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省 用できるが,電子納付した場合は,そのような取扱いがされ し。 申請システム ない。 100 102 c 法務省は,「特例方式により,登録免許税を電子納付した登 記の申請を取り下げたものについて,書面申請の場合の再 法務省オンライン登記 使用証明と同様に,再度登記の申請をする際の便宜のた 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省 めに認められるもの。」として,依命通知を出したが,この取 し 申請システム 扱いでは代理人の口座に還付されるのに相当な日数がか かる。 法務省は,システム障害時に「受付時間延長」と「メール仮 受付」の対応策(特別措置)を実施することにしている。しか しながら,この対応策は現実に障害が発生したときに機能し ないものであることは,5月25日,明白になった。午前8時3 法務省オンライン登記 0分の業務開始時から障害が発生している場合,申請人は 何時回復するかも分からないままパソコンの前で待機し,午 申請システム 後4時になって「メール仮受付措置」が実施されたらメール で送信すると,法務省は考えているのであろうか?メールで 送信した後も障害が復旧するかも知れないので,パソコン の前で待機していると考えているのであろうか。 c 申請情報が午後5時15分以降に登記所に到達したときは, 法務省オンライン登記 翌業務日の受付として処理されることになっているので,法 改善提案に関する具体的な記載は無 法務省 的根拠も無い内部の事務連絡だけで当日受付けの処理を し 申請システム することは違法である。 f 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 99 98 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 法務省は日本司法書士会連合会に対 し、「オンライン申請システムに障害が 申請者操作ガイドに、障害が発生した場合の記述がないた 発生した場合は、新着情報で公表す 法務省オンライン登記 め法務省に訂正を求めたところ、修正の必要はないという るとともにログイン画面にもその旨表 法務省 申請システム 示する」と通知しており、職員に通知 回答であった。 の内容を理解させるべきである。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 備考 ○旅行業法(昭和27年法律第 239号)第3条 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 298 110 109 108 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) d 内閣府 e-Govサイトを通じた質問が無視される。 返事をする。 資料3-1 15/33 e f ご指摘の道路台帳管理規程については、道路法では規定されておりません。また、道路法では図面類の電子化を阻む規定 はありません。 測量に関しては、パブコメ提出者ご自身が「測量した結果のCADデータ」と記述し、電子データを前提に意見提出されている ことから、測量に関して問題点を指摘されているわけではないと考えております。 従って、測量法を所管する国土地理院は所管外であると考えております。 1 e-Govを利用される方からのe-Govの利用方法等に関する問い合せや相談にお答えする窓口として、平成18年度より「電 子政府利用支援センター」を開設し、電子メール、FAX及び電話による問い合せ等を受け付けており、e-Govサイトにおいて、 その方法等を示している。 2 同センターの対応状況を確認したところ、現時点で対応中の事案を除き、未回答の事案はない。 3 なお、e-Govでは、「電子政府利用支援センター」のほか、お問い合わせ先として、各府省のホームページや、関係府省の 受付窓口を案内する仕組み等があり、問い合わせ等については、各府省等により対応している。 (参考)e-Govサイトに掲載している問い合わせ窓口 ①e-Govの利用方法等→電子政府利用支援センター対応 ②各府省の所管業務や各種手続→各府省ホームページを案内 ③各府省の政策に関する意見・要望→関係府省(受付窓口)へ送信 ④各府省の電子申請システム等→問い合わせ先の電話番号を案内 ⑤国の行政に対する苦情等→行政相談受付へ送信 ※ 本件は、e-Gov(上記②)を入口として、首相官邸ホームページのご意見募集ページから質問が送信されたものと推察され る。 e 法務省 総務省 御指摘の児童買春・児童ポルノ禁止法に関しては,その改正法案が先般国会で議論されたところ,その是非について,法務省 としてコメントすることは差し控えさせていただきます。 d 経済産業省 (青少年インターネット環境整備法について) 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 (青少年インターネット環境整備法について) 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 c,d (青少年インターネット環境整備法について) 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律を廃止すべきとのご指摘については、イ ンターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護するとの観点から、インターネット異性紹 介事業につき一定の規制は必要と考えられることから、実施は困難と認識しています。また、ブロッキングに関するご指摘につ いては、インターネット上の児童ポルノ情報対策としてのブロッキングは、あくまでも民間において自主的取組の選択肢の一つ して検討されているものであり、国等による規制として検討されているものではありません。もっとも、ブロッキングは、実施に よって生じうる弊害など検討すべき課題が少なくない手法であり、民間の自主的取組としても十分な検討が必要と考えます。 ○出会い系サイト規制法は、出会い系サイトの利用に起因する犯罪から児童一般を保護するために規制を行っているもので あり、規制は必要であると考えております。 ○御指摘の青少年ネット環境整備法については、当庁の所管法令ではないことから、当庁はお答えする立場にはありません。 ○ブロッキングについては、民間の自主的な取組みとして、児童ポルノ流通防止協議会において検討が行われていると承知し ており、検討を行うことについて問題はないものと考えています。 d,e 関連府省等回答 警察庁 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 出会いサイト規制法、青少年ネット環境整備法、児童買春 出会いサイト規制法、青少年ネット環 児童ポルノ禁止法による規制、サイトのブロッキングは、過 境整備法、児童買春・児童ポルノ禁止 剰な規制であり、国民の自由な行動と思想の支障となる。 法を廃止し、サイトのブロッキングの導 総務省 入はやめるべき。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 今後整備や維持管理される管理台帳 道路台帳等の管理において、測量結果が電子化されている や設計図面が測量座標を持ったデー 道路台帳等の管理方 にも関わらず、手書きの紙の図面で管理されているものが タとして管理されることにより、GISへ 国土交通省 あるため、設計時に再度CADデータにする必要があり、無 の移行や設計品質の向上、設計・施 法 駄が生じている。 行・管理までのCALSが実現できる。 e-Govサイトを通じた 質問は無視される 出会いサイト規制等 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 299 児童ポルノ規制法 御指摘の児童買春・児童ポルノ禁止法に関しては,その改正法案が先般国会で議論されたところ,その是非について,法務省 としてコメントすることは差し控えさせていただきます。なお,捜査当局においては,現行の児童買春・児童ポルノ禁止法違反に 関する事案につき,法と証拠に基づいて,適切に対処しているものと承知しております。 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 154回国会に提出され廃案となった人権擁護法案において,救済手続の対象とされる表現行為は,従来から民事上又は刑 事上違法とされてきた行為と部落地名総鑑を頒布することのような差別につながるおそれが大きい行為に限定されており,言 論の自由を侵害するものではなく,また,人権委員会が恣意的に判断することはありません。 法案の在り方については様々な議論があることから,引き続き検討を行っているところです。 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 d e d e 法務省 2次創作物への規制 人権擁護法案 児童ポルノ修正法案 ダウンロード規制化 凌辱系アダルトゲーム の販売禁止 115 法務省 116 第154回国会に提出され廃案となった人権擁護法案が成立 第154回国会に提出されたものと同様 した場合、言論の自由を著しく侵害し、人権委員会による恣 法務省 の人権擁護法案を成立させない。 意的な活動が懸念される。 117 法務省 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、創作物への規制の点で問題があり、見直すべき。また、 見直し。陵辱系アダルトソフトの販売 犯罪との関連性を明らかにせず、陵辱系アダルトゲームの 再開。 販売を禁止している。 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、創作物への規制の点で問題があり、見直すべき。 見直し。 資料3-1 16/33 経済産業省 経済産業省としては、アダルトゲーム等の流通については、業界の自主的な取組について注視してまいりたい。 警察では、それぞれの事案に対し、法と証拠に基づく厳正な取締りを行っております。 d 警察庁 児童買春・児童ポルノ禁止法による過剰な規制及び警察の 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の 恣意的取締りがなされている。 見直し。 厚生労働省 e 当省では被害に遭った児童の保護等については所管しておりますが、ご指摘の児童買春・ポルノ禁止法における規制につい ては、所管外です。 e d ①d ②e 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 d d 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 備考 c ①御指摘の刑法175条における「わいせつ物」の定義については、最高裁判所の判例(昭和32年3月13日等)により、「徒ら に性欲を興奮又は刺戟せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」とされており、そ の明確性に欠けるところはありません。 ②御指摘の児童買春・児童ポルノ禁止法に関しては,その改正法案が先般国会で議論されたところ,その是非について,法務 省としてコメントすることは差し控えさせていただきます。 なお,「児童ポルノ」の定義については,最高裁判所の判例(平成14年6月17日)により,「一般の通常人が具体的な場合に 当該行為がその適用を受けるかどうかを判断することが可能な基準を示しているということができ,不明確であるとはいえな い。」と判示されています。 経済産業省 わいせつ物及び児童 刑法の「わいせつ物」及び児童買春・児童ポルノ禁止法の 刑法の「わいせつ物」及び児童買春・ ポルノの範囲のあいま 「児童ポルノ」の定義が曖昧であり、コンテンツ製作者に,萎 児童ポルノ禁止法の「児童ポルノ」の 法務省 定義を明文化する。 縮効果を及ぼすおそれがある。 い性 114 113 青少年保護を目的とし 青少年ネット環境整備法による行き過ぎた規制により、一般 青少年ネット環境整備法を改正し、情 総務省 たネット規制 の健全サイトが規制を受けている。 報モラル教育を進めるべき。 112 内閣府 個人情報の範囲 関連府省等回答 個人情報保護法では、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる記述等により特定の個人を識別すること ができるものを「個人情報」としている。また、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することが できることとなるものも「個人情報」に含まれる。 したがって、御指摘の購入履歴等の情報が、特定の個人を識別できる情報として存在する場合には「個人情報」に該当する 個人情報の保護に関する法律 (第2条) こととなる。 なお、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること」が本法の目的であることから、個人に関する情報 であっても特定の個人を識別し得ないものを個人情報保護法の対象とする必要性は認められない上に、対象とすることで過度 の規制により個人情報の有効活用を阻害しうる。 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 個人情報保護法においてはその利用目的の明確化や第三 者機関に対する情報の提供は厳しく制限されているが、付 個人情報に付随する情報は個人情報 消費者庁 随する情報として事業者が収集している購入履歴等の情報 とすべき。 は個人情報ではないという判断の元に収集されているケー スがある。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 111 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 300 120 119 118 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 音楽配信に伴う DRM(デジタル著作権 管理)技術に関する業 界慣行の見直し 国土交通省 電子出版市場の業界慣行等を含め、出版産業振興に関しては、出版業界との意見交換する場を設けるなどして、検討していく こととしたい。 e b 総務省 経済産業省 b 関係者の意見を踏まえつつ、流通プラットフォームを支える技術としての共通ID等による展開の可能性につきまして、検討して まいります。 資料3-1 17/33 法令が障害になっている問題ではな 我が国では各レコード会社がDRMでの配信を許可しない いため、行政のリーダシップにより関 ため、利用者がさまざまな音楽プレーや音楽を視聴すること 係者からなる「DRMフリーによる音楽 経済産業省 ができない。合法的な利用の場合の利便性は向上させるべ ビジネス成長会議(仮称)」を設置し検 き。 討を行なうべき。 電子出版に係るデータフォーマット等を含め、電子出版に係る技術的課題に関しては、本年度、実証実験を行い、関係者によ る検証の場を設けるなどして、検討していく予定です。 消防庁では災害規模(人数、棟数等)の把握を所管しているのみであり、所管する制度が改善提案を妨げているものではない と認識しております。 e 環境省 b 御指摘の内容は当省の所管外であり、御指摘に対して当省としてご回答できる立場にございません。 c 警察庁 総務省 備考 経済産業省は、中古車販売業 の活性化等を図るため、入手可 能な自動車関連情報を基に業 界関係団体等と車両データベー ス構築の実現可能性について 将来的に検討を行う予定。ただ し、データベース化に向けては、 ご指摘のMOTAS等自動車関連情報の開示の可否・料金等については、国土交通省、警察庁、消防庁など他省庁の所管とな 入手可能な関連情報、業界内で ります。 の車種の統一コード化、民間企 業が有する情報の提供、データ ベース構築・維持管理・更新に 必要なコストなど、様々な課題 があると考えられるため、これら を慎重に見極めつつ、中長期的 な検討を行うべき課題と認識。 ①ご指摘の自動車のリコール情報については、国土交通省のHPにおいて公表されております。 ②MOTAS情報の利用料金については、道路運送車両法第102条第1項により、手数料の額は、実費を勘案して政令で定め ることとしており、必要経費、運営費、機械費用等を勘案して政令において適性な料金設定がなされていると認識しておりま す。 ③電子的情報提供制度により、MOTAS情報は個人情報保護に留意しながらすでに一定の制限を設けて利用者に提供して いるところである。ご指摘のオーナー履歴等は個人情報保護の観点から、無制限に提供する性格のものではなく実施は困難 である。 関連府省等回答 警察庁においては、交通の安全と円滑に資する目的のもと、全国的な交通事故の発生状況について情報を収集・分析し、公 開していますが、個々の自動車の車体番号は収集しておらず、「自動車の事故履歴」というものは把握していないため、ご要望 に応じることはできません。 また、盗難情報を公表すると、当該盗難車両について警察の捜査が及ぶことが明らかとなり、犯人等が証拠隠滅等捜査へ の対抗措置を講じることを容易にします。よって、犯罪捜査に支障を来すおそれがあるので、一般に公表する情報の中に盗難 情報を含むべきではないと考えます。 なお、警察においては、盗難車両を手配し、その早期発見に努めるとともに、警察庁から国土交通省に盗難等車両情報を提 供して不正登録の未然防止を図るなどしているところです。 e ①d ②c ③c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 ①MOTAS情報以外に、国交省のリ コール情報、警察庁の事故車両情報 と盗難情報、消防庁の水害情報を民 経済産業省 間開放する。 ②初期のシステム接続に要する費用 として数百万円程度、継続的な更新 データの自動配信で数万円/月程度 が現実的なコストではないかと考えま す。 ③個人情報を除き、他の全ての情報 についても電子データとして開放すべ きと考えます。 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 法令が障害になっている問題ではな 電子出版に必要な最終稿のデータが必ずしも版元に存在し いため、行政のリーダシップにより関 電子出版市場の創 出、発展を阻害する業 ていない。また、データフォーマットもばらばらで標準化され 係者からなる「電子出版促進検討会 議(仮称)」を設置し検討を行なうべ 界慣行の見直し ていない。 き。 ①現在、利用可能な国土交通省の自動車登録検査情報 (MOTAS情報)、軽自動車検査情報は、情報が限定的で不 便。国交省のリコール情報、警察庁の事故情報や盗難情 自動車の各種履歴情 報、消防庁の水害情報などの自動車履歴関連データは未 報の利活用に関する 開放。米国では全て開放されている。 規制の緩和(資料5・ ②MOTAS情報は、データ利用料が高額で、我が国の登録 座長代理ペーパー9 車両7900万台のデータを取得する為には、初期コストとし 自動車関連情報の参 て最低6億円、更新情報は1件あたり11.205円を払い続 照) ける必要あり。軽自動車検査サ―ビス提供も同様。 ③データは直近4ヶ月の情報しか公開されず、初年度登録 から 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 301 126 125 消費税の申告書の作成において、紙の申告書では必要事 項があらかじめ記入されているにもかかわらず、電子申告 e-Taxによる消費税申 においては必要事項をすべて入力し直す必要があり、毎月 電子の申告書に関しても予め必要事 財務省 告手続の改善 申請を行う企業や事業所の手続がかえって煩雑になってい 項が入力されたものを送付すべき。 る。 a ①②c ③b c 関連府省等回答 備考 現行でもe-Taxソフトを利用し て消費税の中間申告書を作成 する場合には、「提出先税務署 現行のシステムでは、「中間納付税額」は表示されませんが、納税者のメッセージボックスに中間納付税額を含む申告のお 名」、「住所」、「氏名」等の基本 知らせを送信するシステムの開発を予定しており、さらに申告書に表示するシステムについても、平成23年4月までのリリース 情報は、過去の入力情報に基 を目指しております。 づいて自動的に申告書の該当 欄に表示されることとなっていま す。 ①②については、 電磁的記録等による保存制度の対象となる帳簿書類は、国税関係帳簿書類のうち、自己が最初の記録段階から一貫して電 子計算機を使用して作成する帳簿及び自己が一貫して電子計算機を使用して作成する書類とされており、所轄税務署長等の 承認を受けたときは、記録の真実性及び可視性等の確保に必要となる所定の要件(検索機能の確保等を含む)の下で、その 電磁的記録の備付け及び保存をもってその帳簿の備付け及び保存に代えることができることとされている。 なお、決算関係書類及び帳簿等のように、特に重要な文書については、現行制度においては、改ざん防止の点でイメージデー タを紙と同等のものとして取り扱うことはできず、適正公平な課税を確保するため、スキャナ保存の対象とはされていないとこ ろ。 ③については、 現在、公表に向け参考になる回答事例などの検討を行っているところである。公表時期は未定だが、検討終了後、できるだけ 早期に国税庁ホームページへ掲載したいと考えている。 薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第98号。)の基本的な考え方は、医薬品の販売に当たっては、郵便等販売で あるか否かにかかわらず、購入者に対し、薬剤師又は登録販売者(以下「専門家」という。)が対面で情報提供を行って販売す ることにより、医薬品の安全・適切な選択使用を確保するというものであり、郵便等販売については、このことが確保される状 況にはないため、専門家による販売時の情報提供が不要な第3類医薬品に限ることとしております。 院外処方せんの電磁的記録による交付及び作成については、電子化した処方せんの閲覧環境の整備、記述様式やコード セットの標準化、障害時の対応、どの時点を以って交付等が成立したとするか等についての法解釈の変更を含めた対応など、 検討すべき点が数多くあり、現状における御提案の措置の実施は困難と考えております。 なお、レセプトオンラインの仕組みや、関係府省において現在検討されている情報基盤構築に向けた枠組みを活用した運用を 目指すべきであり、これらの基盤が整備されていない中で、処方せんの電子化を認めることは全体最適や医療全体のコスト引 き下げの観点から望ましくないとの提言を医療情報ネットワーク基盤検討会において受けたところであり、今後の技術や各種 施策の進展を見据えつつ、真に有益な処方せんの電子化の実現に向けて、詳細な検討を行っていくことが必要であると考え ております。 遠隔面談の有効性の検証を進めるにあたっては、有効性を確認するための実証的なデータや、特定保健指導の実施状況、特 定保健指導対象者の負担の程度等も踏まえながら、検討を行う必要があるものと考えております。 厚生労働省としては、遠隔面談の保健指導の有効性等について、検証に必要なデータの提供等、提案者から必要な協力を得 つつ、それらを踏まえて検証し、その結果、有効性等が確認された場合には、全体的な特定保健指導制度の見直しに関する 検討状況も見ながら、要望の措置について検討してまいりたい。 ご指摘の犯罪収益移転防止法上の本人確認義務については、現在は資金決済法が施行されていない段階であり、今後関係 各省と協議していく予定でございます。 当省は、資金決済に関する法律に基づき資金移動業者が行う本人確認等については犯罪収益移転防止法を所管していませ ん。したがって、ご指摘の点については、犯罪収益移転防止法の主管庁及び資金決済に関する法律の所管庁において検討 がなされるものと考えます。 犯罪による収益の移転防止に関する法律は当省の所管外であり、ご提案については、所管省庁より回答すべき内容と認識し ております。 犯罪による収益の移転防止に関する法律における当省の所管事業者は宅地建物取引業者及び不動産特定共同事業者のみ であり、資金移動業者は金融庁が所管している事業者であるため。 ご指摘の犯罪収益移転防止法上の本人確認義務については、現在は資金決済法が施行されていない段階であり、今後関係 各省と協議していく予定でございます。 御指摘の事項は当省の所管外です。 犯罪による収益の移転防止に関する法律における資金移動業者の本人確認義務については当省の所管外です。 御指摘の事項は当省の所管外です。 御指摘の事項は当省の所管外です。 犯罪収益移転防止法は、国家公安委員会及び警察庁が所管しており、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しています。 資料3-1 18/33 消費者の利便性と安全の確保の両立 改正薬事法施行規則により、旧法下で認められていた郵便 を図った上で、第3類以外の一般用医 一般用医薬品のイン その他の方法(郵便、カタログ、ちらし、インターネット等)を 薬品についても広く通信販売が可能と 厚生労働省 ターネットを含む通信 通じた大衆薬の販売については、経過措置による一部の例 販売規制の見直し なるような提供方法を検討し、薬事法 外を除いて第3類医薬品に限定された。 施行規則を再改正する。 124 ①業務システムで作成された帳簿を 単なるイメージデータで電子的に保存 する事を認めるべきである。 国税関係書類の電磁的保存が認められるための要件とし ②調査の効率性向上のために、①を て、関連データの訂正・加除履歴の保持や検索性の確保等 前提にイメージデータで保存された帳 電子帳簿保存の承認 が求められているが、そのためのソフト改修投資等の負担 簿の検索は、イメージデータを前提と 財務省 した検索機能でよいものとすべきであ が大きく、利用が進んでいない。 要件の見直し る。 ③検索機能を確保する場合等の具体 的な対応方法ガイドラインを示すべき である。 処方箋の電子化 123 処方箋(院外処方箋)については、「民間事業者等が行なう 書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法 調剤を行うために患者等に交付される 律」(e-文書法)の適用対象外とされているおり、処方箋の 処方箋の電子化と制度運用を可能と 厚生労働省 する。 電子化が進まない。 c b 初回面談における遠隔面談の実施、 特定健診の初回面談は直接面談が義務付けられており、ま 初回面談以降の継続支援において遠 特定検診の保険指導 た、初回面談以降の支援についても、遠隔面談は直接面談 隔面談と直接面談を同等のポイントと 厚生労働省 におけるICTを活用し に比べてポイントが低く抑えられている。そのため、医師や することで、ITを活用した遠隔面談を た遠隔面談の実現 保健師等が不足している地域の対象者は不便である。 直接面談と同等の措置として認める。 122 金融庁 警察庁 国土交通省 法務省 総務省 内閣府 121 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 財務省 資金決済に関する法律により、銀行以外の企業が資金移 アカウント開設時に、利用者の銀行口 動業に参入可能となったが、収益移転防止法に資金移動業 座情報やクレジットカード番号等の入 厚生労働省 が追加されることにより、資金移動のアカウント開設時に公 力を求め、別途本人確認が既に行わ 的個人認証などの本人確認が義務付けられる。公的個人 れている同口座又は同番号の認証を 認証などの本人確認は利用者にとって煩雑であり現実的で 行うことで、改めての本人確認は不要 農林水産省 とする。 はない。 経済産業省 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 犯罪による収益の移 転防止に関する法律 に基づく本人確認方 法の見直し 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) e e e e e e e e f f 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 302 131 130 b c 関連府省等回答 備考 原産地証明書の電子化については、「貿易手続改革プログラム」において、検討を行うことが記載されており、これを受け「原産 地証明制度改革検討会」等において、議論されているところ。日本国内で申請者側により原産地証明書をプリントアウトする等 の段階的な処置については、証明書の真正性の確保といった観点からの検討も必要と考えるが、上記委員会等での議論や、 他国の電子化における取組動向を考慮しながら、電子発給についても可能なかぎり早急に検討してまいりたい。 許可申請手続の電子化については、廃棄物処理法上の許可情報等の地方公共団体間の共有や許可申請手続の電子化等 について、平成18年度から、排出事業者、廃棄物処理事業者や地方公共団体の意見を踏まえ検討を行いました。その結果、 許可申請手続の簡素化の手段として、電子化は将来的な許可申請の在り方の一つとしては考えられるが、まずは許可申請書 類の簡素化や様式の統一化を図ることが優先であるとの結論が得られました。これを受け、平成20年3月31日付け通知にお いて、産業廃棄物処理業の許可申請手続きに係る書類の統一化及び産業廃棄物処理業の許可申請等に係る先行許可証の 活用について、周知を行っています。また、先行許可証の積極的活用については、担当者会議等でも適宜周知しているところ です。 許可情報に係る地方公共団体間の共有化については、同じく関係者の意見を踏まえ検討を行った結果、情報漏洩対策等情 報管理を確実に行うシステムの構築や申請書類の統一化といった課題を踏まえ、今後の具体的検討に移っていくべきとの結 論が得られましたた。これを踏まえ、現在国がインターネット上で運用している産業廃棄物行政情報システムを充実すべくさら なる検討、改善に取り組んでいるところです。 なお、現在、平成20年7月に中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に設置した廃棄物処理制度専門委員会において、廃棄 物処理制度に関する総合的な検討を行っており、その結論も踏まえ検討してまいります。 金融機関での口座開設等本人確認を必要とする民間サービスにおける公的個人認証サービスの活用については、公的個人 認証サービス普及拡大検討会において検討中であり、本年12月を目途に一定の結論を得る予定としております。 【関係通知】 平成21年4月1日付け総税企第 32号「市区町村における地方税 の電子化について」 【eLTAXへの加入状況】 eLTAX加入団体数(H21.4.1現 在) 全都道府県及び1,321市区町村 ご指摘の全地方自治体でのeLTAX導入については、(社)地方税電子化協議会とともに、各地方公共団体に対して、eLTAX (全18政令指定都市。1,303市区 への加入促進、電子申告等のサービスの普及拡大に向けて取り組んでいるところであり、こうした取組を進めることにより解決 町村) 【電子申告等のサービス提供団 が可能と考えております。 なお、平成21年4月1日付けの通知で各地方公共団体に対して、eLTAXへの加入及び電子申告等のサービスの導入につい 体数】 301団体 ての呼びかけを行っています。 市町村民税特別徴収に係る手続の電子化については、エルタックス加入団体は、平成20年1月から給与支払報告書の電子 データでの提出に併せて、特別徴収税額通知書についても電子データでの通知が行われている。 総務省としては、全地方自治体でのeLTAX導入については、(社)地方税電子化協議会とともに、各地方公共団体に対して、 eLTAXへの加入促進、電子申告等のサービスの普及拡大に向けて取り組んでいるところであり、こうした取組を進めることによ り解決が可能と考えております。 なお、平成21年4月1日付けで各地方公共団体に対して、通知を発出するとともに、eLTAXへの加入及び電子申告等のサー ビスの導入についての呼びかけを行っています。 資料3-1 19/33 現状、紙で発給・運用されている特定 FTA/EPAにおける第三者証明制度において、特定原産地 原産地証明書について、電子交付を 証明書の発給手続は電子化されているものの、証明書自体 認めるべきである。 特定原産地証明書の はいまだ紙で発給されており、利用企業にとって利便性が 相手国との連携に向けた技術検討会 経済産業省 電子発給 悪く、無駄なコスト、時間が生じている。 や協定変更等に対応する必要がある 場合、段階的にでも電子発給に向け た措置を進めるべきである。 廃棄物処理法の許可手続に係る全国 的な情報システムを構築し、民間事業 者がインターネットの活用により、複数 の地方公共団体に対して申請手続を 環境省 一括して行うことができるようになれば (ワンストップサービスの実現)、民間 事業者にとって使い勝手がよくなり、 事務負担の大きな軽減につながる。 b 国民が行政機関が提供する行政サービスを利用する頻度 金融機関での口座開設等本人確認を 公的個人認証サービ は高くないため、公的認証サービスの普及が進まない恐れ 必要とする民間サービスについて、公 総務省 スの署名検証者の民 的個人認証サービスが活用できるよう がある 間事業者への拡大 にする。 129 産業廃棄物処理業ならびに産業廃棄物処理施設の許可申 請にあたっては、当該業を行おうとする区域ならびに当該施 廃棄物処理法に係る 設を有する区域を所管する都道府県知事、政令で定める市 許可手続きの電子化 の長の許可を個々に取得する必要があり、膨大な事務処理 が必要とされている。 b 自治体や税目によって地方税ポータルシステムが導入され 全地方自治体におけ ていないため、地方税の申告、申請、納税の際に紙ベース 全ての地方自治体でeLtaxを導入する 総務省 る電子申告(eLtax)の での対応が必要 導入 b 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 特別徴収義務者と市町村において、給与支払報告書、住民 税額決定通知書の提出、送付は市町村によって電子と紙の 住民税特別徴収に係る事務につい 個人住民税の特別徴 扱いが区々となっているため、複数の市町村にわたること て、全国の市区町村共通のシステム 総務省 収手続の電子化と窓 が多い大企業では電子的に一括処理ができず結果的に紙 を構築するなど、電子化および窓口一 口の一元化 元化を行うべきである。 媒体で処理せざるをえない。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 128 127 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 303 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 経済産業省 環境省 c b c 複数の事業所が一つのグループ年金規約で運用をする場 確定給付企業年金に 合、確定給付企業年金法の体系が厚生年金適用事業所 確定給付企業年金の事務手続きにお おける事務手続の電 ベースとなっているため、グループ一体の退職年金制度に いて、電子申請・電子承認等の枠組み 厚生労働省 子化 もかかわらず、事務作業(各事業所への同意・捺印作業な を導入する。 ど)が紙ベースで大量に発生する。 使用者が、労働者に対して明示する 労働条件の明示にあたり、賃金及び労働時間に関する事 賃金及び労働時間に関する事項その 労働条件の明示の方 項等について、ファクシミリや電子メールの利用が認められ 他の厚生労働省令で定める事項につ 厚生労働省 法にかかる電子メー れば、手続きの簡素化、労働者に対する迅速な情報提供に いては、明示方法を書面の交付のみ 資することが期待できる。 ル等の解禁 ならず、ファクシミリ又は電子メールで も可能とすべきである。 UWB無線システムの利用が屋内に限定されているため、U UWB無線システムの屋外利用に向 WBが持っている特性をユーザーが享受できているとは言 けて、国際的な動向に遅れをとること UWB規制の緩和(屋 い難い。屋外利用が認められた場合、ユーザーが場所を意 のないよう、米国での導入状況も参考 総務省 外利用) 識することなく高画質のHD動画等を楽しむことが可能となる にしつつ、屋外利用や干渉軽減技術 など、新たな市場を築く可能性を秘めている。 のあり方について早期に積極的な検 討を進めるべきである。 135 136 137 関連府省等回答 備考 ご指摘のUWB屋外利用については、情報通信審議会の諮問2008号一部答申において、今後の継続検討課題の一つとされて おります。平成19~21年度に実施している技術試験事務「マイクロ波帯を用いた通信用途のUWB無線システムの高度化に向 けた調査検討」において、諸外国における動向調査、干渉軽減技術に関する調査検討等を行っております。干渉軽減技術等 の見通しがついた時点で、屋外利用の可能性について検討していくこととしております。なお、詳細は技術分科会報告書をご 覧下さい。(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/pdf/060327_3_s1_2.pdf) 労働基準法第15条に基づく労働条件の明示については、労働条件の中でも労働契約の期間、賃金等重要な事項を労働者に 確実に示すため、労働契約の締結時に書面を交付することを義務づけていますが、書面以外の「ファックス」や「電子メール」 の方法では、たとえ労働者が希望していたとしても、携帯電話で受信する場合に労働者が予想していた以上の分量となり、表 示しきれず労働者に確実に示されないおそれがあるなど労働者保護の観点から慎重な検討が必要であると考えます。 確定給付企業年金法施行規則等を改正し、届出事項となる規約変更内容の追加及び添付書類の簡素化の措置を平成20年 12月に講じた。 なお、ご指摘の電子申請・電子承認等の枠組みについては、加入員・受給権者の権利に影響がないかどうかを確認する必要 があるので、慎重に検討してまいりたい。 ご指摘の第3号被保険者の各種変更(特に住所変更)の届出については、平成23年4月より、社会保険庁において住民基台 帳ネットワークシステムから本人確認情報の提供を受けることにより、住民票コードの収録のある第3号被保険者における氏 名及び住所の変更に関する事項の企業による届出を省略することをができるようにすることとしております。 届け出から返却までの時間の把握や、時間短縮に関しては、輸入前の各検疫所での、事前輸出相談や、事前届け出制度が 有効であると考えられることから、これらの制度の活用を検討いただきたい。 FAINSシステムを利用したメール問い合わせ機能については、セキュリティー面やその仕様の複雑さ、予算上の制約からすぐ に実現することは難しいが、平成22年2月のシステム更改において、利用者端末からモニタリング検査結果通知書が取り出し 可能となることから、検査結果についてはシステムによる確認が可能となっております。 輸入届出済証の発行時期の見通しの情報提供に関して、現行のFAINSシステムからの照会はできないが、モニタリング検査 の進捗状況については、届け出を行った検疫所にて電話により照会が可能である。また、命令検査及び指導検査の進捗状況 については、依頼先の検査機関に問い合わせ願いたい。 ルの作成等に取り組んでいるところであり、引き続き、行政手続きの簡素化・迅速化に努めてまいります。 アジア諸国で発生した特定有害廃棄物等を輸入して、我が国の高度な技術を用いてリサイクルなどを行うことは環境負荷低減 及び資源循環の観点から有意義なことであると認識しております。その一方で、輸入審査手続きにおいては、有害廃棄物等が 国内において適正に処理されるかどうかを確認しており、輸入される有害廃棄物等が我が国から輸出された製品あるいは原 有害廃棄物の国境を越える移 料から生じたことのみをもって国内で適正処理されることが確実であるとは言えず、手続きを簡素化する理由とはなりません。 動及びその処分の規制に関す るバーゼル条約 手続きのオンライン化については、既に、貿易管理オープンネットワーク(JETRAS)、電子経済産業省(e-METI)による電子 申請システムを整備しております。 特定有害廃棄物等の輸出入等 また、行政手続きの簡素化・迅速化については、最長1年間、継続的な輸入を行える包括的な承認、輸入移動書類の交付に の規制に関する法律 おける輸出国発効の移動書類原本に替えその写しによる先行審査、内部事務処理の見直しによる処理期間の短縮を図るな どの措置を講じてきております。 外国為替及び外国貿易法 さらに、申請者の利便性の向上を図るため、業界団体に対する説明会の開催や、より分かり易い輸出入申請手続きマニュア 許可申請手続の電子化については、廃棄物処理法上の許可情報等の地方公共団体間の共有や許可申請手続の電子化等 について、平成18年度から、排出事業者、廃棄物処理事業者や地方公共団体の意見を踏まえ検討を行いました。その結果、 許可申請手続の簡素化の手段として、電子化は将来的な許可申請の在り方の一つとしては考えられるが、まずは許可申請書 類の簡素化や様式の統一化を図ることが優先であるとの結論が得られました。これを受け、平成20年3月31日付け通知にお いて、産業廃棄物処理業の許可申請手続きに係る書類の統一化及び産業廃棄物処理業の許可申請等に係る先行許可証の 活用について、周知を行っています。また、先行許可証の積極的活用については、担当者会議等でも適宜周知しているところ です。 許可情報に係る地方公共団体間の共有化については、同じく関係者の意見を踏まえ検討を行った結果、情報漏洩対策等情 報管理を確実に行うシステムの構築や申請書類の統一化といった課題を踏まえ、今後の具体的検討に移っていくべきとの結 論が得られました。これを踏まえ、現在国がインターネット上で運用している産業廃棄物行政情報システムを充実すべくさらな る検討、改善に取り組んでいるところです。 なお、現在、平成20年7月に中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に設置した廃棄物処理制度専門委員会において、廃棄 物処理制度に関する総合的な検討を行っており、その結論も踏まえ検討してまいります。 資料3-1 20/33 a ワンストップ行政を実現し、住民基本 台帳と年金手続をリンクさせ、国民年 金第3号被保険者の各種変更届(特に 厚生労働省 住所変更)の届出と紙帳票を不要とす るべきである。 住民基本台帳とのリン 国民年金第3号被保険者の各種変更は、本来、企業の業 クによる国民年金第3 務ではない。企業経由にすることにより届出が遅れる可能 号被保険者の各種変 性もある。 更届の届出不要化 c,d d c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 輸入食品監視支援シ 通関時に分析検査にかかる日数の短 ステム(FAINS)利用時 縮 の食品衛生法に基づ 厚生労働省 く食品輸入手続の迅 輸入食品の通関時検査が7~10日間を要する場合がある 電子メール等による照会の受付 食品等輸入届済証の発行時期の見通 速化と進捗状況に関 しの情報提供 する情報の提供 わが国における製造・販売・輸出事業 わが国の技術では、材料・部品から環境に負荷をかけずに 者が明確である材料・部品が、輸出国 有価物を取り出し、リサイクルすることができるが、有価物を で使用された後に発生した特定有害 含む特定有害物質含有物をリサイクル目的で日本に逆輸 物質含有物であって、わが国において 入する際、行政手続等に多大な時間を要しており、希少貴 再生利用可能な資源を輸入する手続 金属等の有価物は市況の変動が激しいため、リサイクルが きのオンライン化も含めて行政手続き ビジネスとして成り立たなくなり、資源の再利用ができない。 の簡素化・迅速化を図るべきである。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 134 133 132 アジアの資源循環に 資する特定有害物質 含有物の輸入手続の オンライン化 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 304 142 141 140 139 138 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 個人や代理人について、現行でもシステム開発することなく利用可能となっております。なお、大量に申請する代理人が、その 業務に合わせて自由にシステムを構築する場合のシステム開発の実施については民間事業者の判断に委ねられているもの と認識しております。 改善提案のハイブリッドOSSをアプレットOSSに組み込む方法ついては、実施による効果に比して多大な費用が必要となること から、実施は困難と認識しております。なお、資格者代理人制度を採用し、本人確認作業を行政書士の責任において行うとい う手段が、具体的に何を指すのか定かではありませんが、利用率向上の問題については、今後とも費用対効果を勘案しなが ら、システム改善による使い勝手の向上を図るなどして問題解決に努めてまいります。 c c c 総務省 厚生労働省 電子署名法関連 法務省 (1) f (2) f (1) f (2) f (1) f (2) f c c (2)ご指摘については、今後の電子署名関連の政策を進める上での参考にさせていただきます。 (1)当該JISに基づく長期署名プロファイルを活用することにより、ご指摘の点は対応可能です。 (2)ご指摘については、今後の電子署名関連の政策を進める上での参考にさせていただきます。 (1)当該JISに基づく長期署名プロファイルを活用することにより、ご指摘の点は対応可能です。 (2)ご指摘については、今後の電子署名関連の政策を進める上での参考にさせていただきます。 (1)当該JISに基づく長期署名プロファイルを活用することにより、ご指摘の点は対応可能です。 ①については、 国税関係帳簿書類の電子的保存については、適正公平な課税の確保のため、税務署長の事前承認制を採用している。e文書 法では、このような事前承認制等の特別な手続を予定していないため、国税関係帳簿書類にはe文書法を適用しないこととし て、電子帳簿保存法上措置している。 ②については、 国税関係の帳簿書類の電磁的保存については、所定の要件が定められており、一旦、要件に合わない電子データ保存がされ た場合には、税務調査の実効性が著しく低下し、適正公平な課税の実現に困難を来すことになるため、納税者には要件に適 合したことを確認した上で電子データの保存をしてもらう必要があること、及び納税者にとっても、不要な設備投資を回避する 等の観点からは、予め要件に適合していることが明確に確認された状態で電子データ保存を開始できることが望ましいこと等 から事前承認制とされているところ。 ・統計調査では、住民基本台帳などの行政データでは把握していない項目(就業や住宅の状況など)も調査対象としておりま す。 ・行政データや統計調査のデータを個人ごとに正確に結合することは困難であり、個人情報の目的外利用に対する国民のコン センサスを得ることも困難と考えられます。 ・統計調査の実施に際しては、調査客体の負担軽減等の観点から統計委員会における調査項目などの審査を経ております。 ・こうしたことから、社会経済状況を的確かつ効率的に把握するためには、統計調査によることが適切であると考えています。 各大学において、「オープンコースウェア」として教材を電子化し公開する取組や大学間コンソーシアムを構築し、教材の開発 やコンテンツの配信などeラーニングコンテンツの大学間の共有化を実施しております。 資料3-1 21/33 (1)電子署名とタイムスタンプを併用す 電子証明書の有効期限を越えて署名の検証ができないとい ることで、電子データの完全性を将来 う問題に対して、制度的な配慮を十分に行っていないため、 にわたって担保できる。(長期署名プ (1)当該電子データの信憑性を担保できなくなる可能性があ 経済産業省 ロファイル:2008年3月JIS標準化 る (JISX5092/5093)) (2)検証方法が正しいことを公に確認する手段がない (2)検証ソフトウェア認定を制度化する 総務省 ①電子帳簿保存法を廃止し、e文書法 ①国税関係帳簿書類についてe文書法の適用が除外されて に準拠した財務省令を定める。 いるため、企業における電子文書保存が困難となっている。 ②国税関係帳簿書類の電磁的保存の 電子帳簿保存法にお ②電磁的保存を行うための事前承認について、手続が煩雑 事前承認制を廃止する、またはその 財務省 ける簡便な対応. 生成過程である情報システムの機能 で企業に大きな負担を強いている。 等について審査の対象外とする。 総務省 遠隔医療、遠隔教育、統計利用においてデータ連携が想定 データのデジタル化を進める際に、全 文部科学省 技術的に可能なのに されていないため、業務横断的な分析が行えない、教材の 体最適の観点から業務フローを見直 ネットワーク型対応を 一部のみ電子化されている、共有データとしての活用が認 し、連携に適したデータ種類・構造の していない業務全般 められず活用困難等の問題が発生。 検討を行う。 PCの環境設定だけで利用できる、現 行のアプレットOSSの利用率をUPする ためにも、住基カードを利用しなくても OSSにはアプレットを用いた方式とアプレットを用いない代 申請が可能な、ハイブリッドOSSをアプ 理人を限定した印鑑証明等を活用した方式の2つの方式が レットOSSに組み込むことが解決策と 自動車保有関係手続 混在(ハイブリッドOSS)し、業界専用システムになっている。 なる。 警察庁 きワンストップサービ 個人や代理人行政書士が利用するためには利用者側でシ 資格者代理人制度を採用し、本人確 ステムの開発費用を負担する必要があり、結果的に国民の ス(OSS) 認作業を行政書士の責任において行 行政に対する申請権を奪うものとなっている。 うという手段もある。これには、道路運 送車両法、登録規則などの改正が必 要となる。 f 個人や代理人について、現行でもシステム開発することなく利用可能となっております。なお、大量に申請する代理人が、その 業務に合わせて自由にシステムを構築する場合のシステム開発の実施については民間事業者の判断に委ねられているもの と認識しております。 改善提案のハイブリッドOSSをアプレットOSSに組み込む方法ついては、実施による効果に比して多大な費用が必要となること から、実施は困難と認識しております。なお、資格者代理人制度を採用し、本人確認作業を行政書士の責任において行うとい う手段が、具体的に何を指すのか定かではありませんが、利用率向上の問題については、今後とも費用対効果を勘案しなが ら、システム改善による使い勝手の向上を図るなどして問題解決に努めてまいります。 c ご指摘の医療分析につきましては、個々の疾病と個々の診療行為を1対1で対応させることは困難であることから、疾病ごとに 医療費を正確に抽出することは現行制度上困難と認識しております。 個人や代理人について、現行でもシステム開発することなく利用可能となっております。なお、大量に申請する代理人が、その 業務に合わせて自由にシステムを構築する場合のシステム開発の実施については民間事業者の判断に委ねられているもの と認識しております。 改善提案のハイブリッドOSSをアプレットOSSに組み込む方法ついては、実施による効果に比して多大な費用が必要となること から、実施は困難と認識しております。なお、資格者代理人制度を採用し、本人確認作業を行政書士の責任において行うとい う手段が、具体的に何を指すのか定かではありませんが、利用率向上の問題については、今後とも費用対効果を勘案しなが ら、システム改善による使い勝手の向上を図るなどして問題解決に努めてまいります。 国土交通省 ご指摘のモバイルWiMAX移動局の送信空中線利得の4dBi以下への緩和については、情報通信審議会において審議を行った 際に、隣接する周波数帯を使用する他の無線システムとの干渉検討を行った結果、「2dBi以下」と定めております。なお、詳細 は技術分科会報告書をご覧下さい。 (http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/pdf/061221_1_3-2.pdf) 関連府省等回答 c 平成19年11月29日総務省告示651号 の「送信空中線の絶対利得 二デシベ モバイルWiMAXの移動局では、送信空中線利得が2dBi以 ル以下」を「送信空中線の絶対利得 モバイルWiMAX移動 下に制限されている。空中線利得2dBiは、ダイポールアンテ 四デシベル以下」に、関連する注の 総務省 局の技術条件の見直 ナの利得より低い数値で、一般に小型の機器に組み込む空 「絶対利得が二デシベル」を「絶対利 中線として設計が困難である。 し 得が四デシベル」に緩和すべきであ る。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 建築士向け公開鍵認証基盤を整備す る。また、建築図書等の電子保存ガイ ドライン作成の検討会を設置し、具体 国土交通省 的な要件をガイドラインとして示す。 305 150 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。 直すべき。 児童買春行為における児童は被害者であるにも関わらず、 出会い系サイト規制に 出会い系サイト規制法の「不正誘引」が児童にも適用され、 出会い系サイト規制法の改正 ついて 法的整合性の点から矛盾している。 児童ポルノ法改正案 について. 148 149 青少年ネット規制法、 青少年ネット環境整備法は規制強化であり、青少年の健全 青少年ネット環境整備法の廃止 携帯フィルタリング義 育成につながらない。 務化について 147 146 警察庁 出会い系サイト規制法は、出会い系サイトの利用に起因する犯罪から児童一般を保護するために規制を行っているものであ り、規制は必要であると考えております。 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 資料3-1 22/33 d e d 経済産業省 法務省 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 d d 総務省 内閣府 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 警察庁としては、今後も国会等において児童買春・児童ポルノ禁止法の改正について議論がなされる場合には、その議論を 注視していきたいと考えています。 今般著作権法第30条第1項第3号を設けた趣旨は、インターネットによる音楽や映像作品の違法配信者への対処は従来から 行われてきましたが、違法配信が年々増加し、その規模が膨大であることや、配信者への対処には技術的に限界があること から、違法配信対策として、違法配信を行う側と、違法配信と知って配信を受ける側の双方への対処が必要になっているとの 認識によるものであり(平成21年1月文化審議会著作権分科会報告書)、同条は引き続き規定すべきものと考えております。な お、同条により権利侵害とされるのは、違法配信と知りながら録音・録画を行う場合のみに限定されており、そうでない場合に は、権利侵害にはならず、また、「違法と知っていたこと」の立証責任は、権利侵害について訴訟を提起する側が負うことになり ます。 ご指摘の本パブリック・コメント提出における「根拠法」の項目については、「詳細について不明な場合は、不明とご記入くださ い。」としており、既にご存知の場合は、ご記入いただくこととしておりました。必須項目の記載方法が誤解される可能性のある 表示になっておりましたので、今後のパブリックコメントの募集に際しては、より多くの意見をお寄せ頂きますよう、表示方法等 を改善してまいります。 建築基準法施行規則第1条の3第1項第1号では、「当該図書の設計者の記名及び押印」を、同項第4号では「建築士免許証 等の写しの提出」を求めているが、同項第1号の記名及び押印を電子証明書に代える場合において、同項第4号国家資格属 性の証明を要件としていない。したがって、建築士向け公開鍵認証基盤の整備は建築確認申請の電子化の要件ではない。ま た、指定確認検査機関等においては建築図書等の電子保存の方法は示されており、既に電子的な保存が行われている。 e e c a d ① 現在、公表に向け参考となる回答事例などの検討を行っているところある。 公表時期は未定であるが、検討終了後、できるだけ早期に国税庁ホームページへ掲載したいと考えている。 ② スキャナ保存の対象文書のうち、適時入力方式を採用できる文書の明示については、国税庁告示等により対応済み。 ③については、 契約書及び領収書は、個々の取引の実態や金銭の授受を証明するための最も基本的な書類であり、これらを紙で保存させる ことにより、その他の書類の改ざんを抑制し、改ざんされても、その取引内容を検証することが可能となることから、紙による保 存を求めることとしているところ。なお、取引金額が少額な3万円未満の領収書等については、税務執行上支障が少ないため、 保存コスト軽減にも配慮して、スキャナ保存を認めることとしている。 関連府省等回答 法務省 警察庁 情報の受け手への違法化規定は善良な市民に恐怖を抱か 著作権法第30条第1項第3号を削除す ダウンロード違法化に せ、情報化社会の発展の妨げになるリスクがある。 文部科学省 る。 ついて. 児童買春禁止法、なら 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の びに児童ポルノ規制 は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し。児童買春の買う側だけでなく、 について 不正誘引する売る側も禁止すべき。 直すべき。 本パブコメの募集. 根拠法までは求めることなく、真の意 法律の専門でもない国民から「必須」項目として、「根拠法」 味での国民の意見を募集する要項・ 内閣官房 を求めるのは政府側の姿勢の怠慢であり、意見提出の阻 要領にすること。根拠法くらいは政府・ 害要因になっていると感じます。 行政側で対処する。 建築士向けの電子証明書の発行基盤が未整備のため、建 築確認申請の電子化が実現されておらず、保存義務のある 建築図書の電子保存 建築関係図書等の電子保存ができない。また、建築図書等 関連 の電子保存の要件が示されていない。 ①b ②f ③c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 145 144 143 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 国税当局、民間企業、関連団体等が 電子帳簿保存法関係法令・通達の解釈が不明確で、承認を 参加し、具体的なガイドラインやQ&A 得るための要件が不透明。また領収書・契約書については を作成。契約書等の金額の制限は廃 財務省 電子帳簿保存法関連 3万円未満のものしか認められない。 止。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 306 ① 認知度が低い ② 対象となる書面がわかりにくい ③ 国税対象書類は要件が厳しい 155 156 御指摘のような情報の利活用については、現在、有識者を集めた研究会を開催し、必要な措置について検討を進めているとこ ろです。 d b 消費者庁 内閣官房 (③前段) (③前段について) 国税関係帳簿書類の電子データによる保存制度は、適正・公平な課税を確保しつつ納税者等の帳簿書類の保存に係る負担 を軽減する観点から、一定の要件の下で、電子データの保存をもって国税関係帳簿書類の保存に代えることができるとするも のである。 国税関係書類のスキャナによる保存を認めるに当たっては、適正・公平な課税を確保する観点から、真実性を確保 c するための要件(一定水準の解像度・カラー画像、改ざんを防止するための電子署名、イメージ化した時刻を第三者が証明す (③後段) るためのタイムスタンプ等)及び可視性を確保するための要件(検索機能の確保等)を満たしていることが必要とされているとこ b ろ。 (③後段について) 現在、公表に向け参考になる回答事例などの検討を行っているところである。公表時期は未定だが、検討終了後、できるだけ 早期に国税庁ホームページへ掲載したいと考えている。 ① e-文書法に関する相談の窓口にて引き続き実施 ② 既に省令等が公表されており、公表されている省令をもとに一覧表は作成可能 ③ 国税関係の電子化については財務省が所管 資料3-1 23/33 経済産業省 匿名化情報については、ガイドライン改正の要否を含め、その取扱について検討したい。 個人情報保護法では、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる記述等により特定の個人を識別すること ができるものを「個人情報」としている。また、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することが できることとなるものも「個人情報」に含まれる。そのため、特定の個人を識別することができない匿名化された個人に関する 個人情報の保護に関する法律 (第2条) 情報が、本法の適用対象外であることは明白である。 各省庁のガイドライン等に、匿名化された個人に関する情報が本法の適用対象外であることを明記するか否かについては、 事業分野ごとの特性を踏まえ、各省庁の判断によってガイドラインで規定されるものである。 f a,c, e ガイドラインにおいて、高度な暗号化等の秘匿化が施されている場合には、本人への連絡及び公表を省略しても構わないとし ている。経済産業大臣への報告については、主務大臣として漏えい事故に関する事実関係等を把握するとともに、漏えい事故 の全体の件数を把握する必要があるため、現時点において、省略を認めることは困難である。 c 経済産業省 総務省 御指摘のような情報の扱いについては、現在、有識者を集めた研究会を開催し、必要な措置について検討を進めているところ です。 個人情報保護法では、個人情報の漏洩等が発生した場合における、本人への通知、公表、および主務大臣への報告の義務 を課しておらず、それらの内容は各省庁が定めるガイドラインにおいて、必要に応じて規定されているものである。 そのため、個人データの漏洩を防止する特定の技術的措置を講じている中で発生した事故について、本人への通知等を省 略することを認めるか否かについては、事業分野ごとの特性を踏まえ、各省庁の判断によってガイドラインで規定されるもので ある。 ご指摘のレセプト情報の関連付けにつきましては、複数の疾病にかかった場合などには、個々の傷病と個々の診療行為を1 対1で対応させることは困難であると認識しています。 なお、医科レセプトと調剤レセプトとの対応関係の識別については、調剤レセプトに医療機関コードを付すことを検討することと しています。 備考 b d c,b 遠隔面談の有効性の検証を進めるにあたっては、有効性を確認するための実証的なデータや、特定保健指導の実施状況、特 定保健指導対象者の負担の程度等も踏まえながら、検討を行う必要があるものと考えております。 厚生労働省としては、遠隔面談の保健指導の有効性等について、検証に必要なデータの提供等、提案者から必要な協力を 得つつ、それらを踏まえて検証し、その結果、有効性等が確認された場合には、全体的な特定保健指導制度の見直しに関す る検討状況も見ながら、要望の措置について検討してまいりたい。 デジタル情報の中には,秘密の情報,人のプライバシーに係る情報,財産的価値のある情報等様々なものがあり,また,それ らの情報の取扱い方法も多様化していることから,これらに対し一律に刑法で対応するということは困難です。むしろ,それぞ れの情報の特質に応じた規制及び罰則の在り方を検討する必要があることから,法務省としても,必要に応じ,関係各府省に おける必要な法検討に協力してまいりたいと思います。 関連府省等回答 総務省 ① 継続的普及啓発活動 ② 対象書面の一覧表の作成 ③ 国税対象書類のスキャナ保存の 要件緩和。当局、民間ユーザー企業 及び関連団体などの参加によるガイド 財務省 ライン作成 総務省や経済産業省の示すガイドラ イン等に匿名化された個人に関する 情報が適用対象外であることを明記 する。 個人情報の保護に関 匿名化された個人に関する情報についてまで個人情報保 する法律(以下「個人 護法の適用対象となるかのような誤解を生んでおり、匿名 情報保護法」)第2条 化情報の利活用が阻害されている。 第1項に定められる 「個人情報」の定義. 154 e-文書法 個人データの漏洩を防止する特定の 技術的措置を講じている中で発生した 事故について、報告などを省略するこ ととする。 個人データに関する事故が発生した場合、個人データの漏 個人データに関する事 洩を防止する技術的措置を講じている中で発生した事故に 故が発生した場合に ついてまで、本人への通知、公表、および主務大臣への報 おける、本人への通 告が義務付けられている。これにより、情報漏えいを防止す 知、公表、および主務 る技術が安心・安全ではないとの誤解が助長されるととも 大臣への報告(以下 に、こうしたデジタル技術の開発・利活用に対するインセン 総称して「報告等」)の ティブが削がれている。 義務 消費者庁 153 b 【No.123と同内容】 初回面談における遠隔面談の実施、 初回面談以降の継続支援において遠 厚生労働省 隔面談と直接面談を同等のポイントと することで、ITを活用した遠隔面談を 直接面談と同等の措置として認める。 レセプトのフォーマットを、傷病名毎に レセプト情報の電子フォーマットは、傷病・診療行為・調剤が 診断・診療行為・調剤を区別できるよう レセプト情報の2次利 まとめて記載されており、それらを関係付ける情報がないた にする。 用(分析等)を考慮し 厚生労働省 め、レセプト情報の2次的利用をする場合には、事後的に分 また、医科レセプトと対応する調剤レ た電子フォーマットの 類が必要。 セプトとの対応関係が識別できるよう 変更に関する要望 にする。 【No.123と同内容】 特定健診の初回面談は直接面談が義務付けられており、ま た、初回面談以降の支援についても、遠隔面談は直接面談 に比べてポイントが低く抑えられている。そのため、医師や 保健師等が不足している地域の対象者は不便である。 特定健診の保健指導 におけるTV会議を活 用した遠隔面談の実 現、及び支援ポイント の加算 c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 デジタル情報にふさわしい法的保護 を与えるべく、とくに手薄な刑法を整備 する。最低でも、刑法の財産に対する 法務省 罪を参考に、情報に対しても同等の保 護を与えるようにする。 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 152 151 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) ウィニーなどファイル交換ソフト等により情報を、その管理に つき正当な権原のない者が入手した場合、その情報を故意 刑法、不正アクセス禁 に拡散させる行為につき、罰則がないなど、刑法等の処罰 規定が、財物等に対する刑罰と比べて、日本の現在の社会 止法等 に適合していない。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 159 307 163 162 161 160 具体的には,目的のPDF 添付は不要 とすべき(実際に,PDF 添付の不要の オンライン申請において,空申請が存 法務省 在したケースがあったという例を聞い たことがないし,存在しているというの なら,その数を公開すべきである。)。 内閣府 不動産登記オンライン 現在,民事局通達等により,不動産登記オンラインにおいて その他,そもそも添付書類に関して は,登記原因証明情報という「書類」をPDF 化の上,添付し は,原則として,司法書士や土地家屋 申請手続における 調査士という登記専門資格者を活用 て申請(送信)しなければならないとされている。 PDF添付の省略 すること。また,省庁間・自治体間デー タ連携をすることでも添付書類の提出 は不要である。電子証明書に関して 内閣官房 も,同市区町村や法務局間データ連 携することで,同様に添付書類の提出 は不要となる。 158 プロバイダ責任制限法は、刑事上の責任については制限し プロバイダ責任制限法の適用範囲を ていない。違法な情報の監視等をしていないことが当該情 刑事上の責任にも拡大する。これによ 刑事上の責任に対す 報の発信を幇助したと評価される可能があり、常時監視義 り、プロバイダは萎縮することなく特定 るプロバイダ責任制限 総務省 務が課せられているのに等しい。また、プロバイダは危なそ 電気通信役務を提供することができ、 法の不適用 うな情報は全て削除せざるを得ないため、インターネットを インターネットを通じた情報の流通を 利用した情報発信・収集を阻害する結果をもたらしている。 促進することができる。 関連府省等回答 ご指摘の一般用医薬品の郵便等販売については、規制改革会議として安全を確保した上でIT時代に相応しいルール整備を すべきとの見解を表明しておりますが、制度の所管は内閣府及び規制改革会議ではなく、厚生労働省です。 e ご指摘のプロバイダ責任制限法の刑事責任への適用拡大については、刑事責任は構成要件が厳格に定められ、違法性及 び有責性を阻却する事由についても刑事法特有の考慮も必要であることなどから、慎重な検討が必要であると考えます。 薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第98号。)の基本的な考え方は、医薬品の販売に当たっては、郵便等販売で あるか否かにかかわらず、購入者に対し、薬剤師又は登録販売者(以下「専門家」という。)が対面で情報提供を行って販売す ることにより、医薬品の安全・適切な選択使用を確保するというものであり、郵便等販売については、このことが確保される状 況にはないため、専門家による販売時の情報提供が不要な第3類医薬品に限ることとしております。 c c 衆議院及び参議院は立法府であるため、回答の作成は依頼しておりませんが、本意見については参考までに送付しておりま す。 f f インターネットを利用した選挙運動については、有権者の政治参加の促進、候補者情報の充実、有権者と候補者との直接対 話の実現、金のかからない選挙の実現などのメリットがあるものの、他方で、ひぼう中傷・なりすましなどインターネットの悪 用、デジタルデバイド(情報格差)の存在などのデメリットも挙げられているところ。 インターネットを選挙運動手段として認めるかどうかは、まさに選挙運動のあり方という、いわば選挙の土俵づくりの問題であ るため、各党各会派において、御議論いただくべき問題であると考えているところ。 御指摘の事項については、不動産登記法を所管する法務省において検討が必要と認識しております。 不動産登記法は、法務省が所管しており、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しています。 e e 特例方式において提出されるPDFファイルは,登記の申請に係る添付情報の存在を確認し,これを担保として登記の受付を するものであり,その省略をすることはできません。また,御提案の後段については,登記の真正性の担保にかかわる問題で あり,受け入れることはできません。なお,データ連携による国民の負担軽減策としての行政間のデータ連携については,関係 府省とともに,その実効性等を含めて検討してまいります。 c ご指摘の資格者本人確認情報の利活用に関する規制の緩和については、不動産登記法を所管する法務省において検討が 必要と認識しております。 不動産登記法は、法務省が所管しており、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しています。 御指摘の趣旨が判然としませんが,不動産登記制度は,登記の真正性が担保されることを前提にしているものです。そのた め,当該制度を利用しやすい制度とするためには,この点を念頭に置きつつ,検討する必要があると考えております。 ご指摘の登記識別情報制度の廃止については、不動産登記法を所管する法務省において検討が必要と認識しております。 不動産登記法は、法務省が所管しており、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しています。 御指摘の趣旨は判然としませんが,登記識別情報の制度の改善に関するものであれば,当省としても適切な対応を図ること ができるよう,適時適切な検討を進めてまいりたいと考えております。 資料3-1 24/33 【No.124と同内容】 厚生労働省 改正薬事法施行規則により、旧法下で認められていた郵便 第1類、第2類の市販薬についても、 医薬品(市販薬)の情 その他の方法(郵便、カタログ、ちらし、インターネット等)を ネット上の情報提供に基づきネット販 報提供における対面 通じた大衆薬の販売については、経過措置による一部の例 売を可能とする。 原則 外を除いて第3類医薬品に限定された。 内閣府規制 改革会議 現在、衆議院および参議院を通じて行う請願および陳情の 手続きにおいては、自署を原則とし、ワープロなどで印刷さ ・ ワープロなどで印刷された文字によ れた文字を使った場合には押印が必要とされている。近年 る署名の場合でも押印を求めないこと 請願・陳情における自 内閣官房 インターネットを利用した署名活動が行われるようになって ※ 請願法上は自署性および押印は 署または押印の要求 おり、自署性・押印を求められるとそもそもそのような声を伝 要件となっていない。 えることが困難になる。 公職選挙法第142条以下を改正して、 選挙期間中の立候補者のインター ネットを利用した情報発信を適法とし、 インターネットを利用した選挙活動を 解禁する。これにより、立候補者は、ビ 総務省 ラ配布・葉書送付のような費用のかさ む手段を利用することなく、自らの政 策や政治信条を有権者に対して広くア ピールできる。 1. 資格者本人確認情報は,現在,「面談」が要件とされてい 法務省 るため,海外や別法人間の本人(登記義務者)についての 確認スキームが構築できない。(ひいては,パンデミックに 資格者本人確認情報 改善提案に関する具体的な記載は無 対応できない) の利活用に関する規 内閣府 2. 資格者本人確認情報については,現在不動産登記法の し。 制の緩和 規定により,申請代理人となる場合にのみ提供できることと されている。そのため,資格者として,全国的に柔軟な対応 内閣官房 ができない。 公職選挙法では、文書図画を使った選挙活動が包括的に 禁止されており、ビラ、葉書等の一部の手法が限定された 公職選挙法によるイン 態様で認められているに過ぎない。このため、立候補者が ターネットを用いた選 有権者に対してインターネットを用いて情報を発信すること はできないとともに、有権者がインターネットを利用して立候 挙運動の禁止 補者に関する情報を収集することもできない。 登記識別情報制度 (不動産登記法) c e e c e e 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 登記識別情報制度の廃止と資格者本 人確認情報の改善。つまり,登記識別 法務省 1.オンライン申請の阻害要因となっている数々の問題点 は,これまでの特例方式導入に至る経緯をみれば,法務省 情報制度と本人確認情報制度は並列 の制度であるにもかかわらず,実際 がいちばんご承知と思います。 内閣府 2.近時は,シールが剥がれないことによる問題が勃発し始 は,ハードルの高さが違いすぎるた めており,個人情報保護法に対応できず,もうにっちもさっち め,登記識別情報制度を廃止すること による,本人確認情報利用を促進しや も行かない状態である。 内閣官房 すくしなければならない。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 157 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 308 170 対面診療の原則(慢性患者の再診においても必要)や、診 遠隔医療の普及・促 療報酬上の考慮がないため、遠隔医療の活用が阻害され 進に向けた規制緩和 ている。 実効的な電子行政を 国民には基礎年金番号、被保険者記号番号、旅券番号な 実現する基盤となる共 どさまざまな番号が付与されている 通コードの実現 ご指摘の遠隔医療における診療報酬上の取扱いについては、「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」でのモデル事業の結 果や関係者のご意見を伺いながら検討してまいりたい。 また、遠隔画像診断については、送信側、受診側一体となって医療サービスを提供しており、患者の支払いの利便性の観点 から送信側の保険医療機関において、費用を算定できることとし、受信側の保険医療機関の費用については、医療機関相互 の合議に委ねることとしています。 なお、この費用の配分については、医療機関相互の自由な契約により決められるべきであり、国において一律に規定すること は適当でないと考えております。 電子政府・電子自治体の推進は、国民の利便性向上のみならず、行政の効率化のためにも重要であると考えており、ご指摘 の点も含め、その推進に必要となる課題等については、引き続き、電子政府評価委員会等、関連する場において検討を進め て参りたい。 資料3-1 25/33 b,c b e 総務省 内閣官房 ご指摘の共通コード導入については、当省としてご回答できる立場にございません。 c e 消費者庁 厚生労働省 個人情報保護法は、個人情報を事業の用に供する者を広く対象として、個人情報の取扱いに関して共通する必要最小限の ルールを定めたものであり、同法において特定分野の規制を緩和することは、法の趣旨になじまないものと考えられる。 医療情報の具体的な取扱いについては、事業分野の特性を踏まえ、厚生労働省が定めるガイドラインによって規定されてい 個人情報の保護に関する法律 るが、個人情報の保護に関する基本方針においても、医療分野については、個人情報の性質や利用方法等から特に適正な (第23条) 取扱いの厳格な実施を確保する必要がある分野と位置付けられており、各省庁において、個人情報を保護するための格別の 措置を講じるものとされているところである。 匿名化された患者の医療情報については、個人情報の保護に関する法律(平成15年5月30日法律第57号)及び医療・介護関 係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン(平成16年12月24日通達、平成18年4月21日)による規制の 対象とはなりません。したがって、個人情報取扱事業者たる医療機関は、匿名化された患者の医療情報を、当該患者の明示 の同意を得ずに、研究を目的とする第三者に提供することができることから、御提案の措置の実施は不要と考えております。 なお、匿名化されていない患者の医療情報については、当該情報が個人情報に該当する場合、医療に関わる個人情報が、国 民から高いレベルでの保護を求められるものであることから、同ガイドラインにより、個人情報取扱事業者たる医療機関が、患 者本人の明示の同意を得ずに、研究を目的とする第三者に、保有する患者の個人情報を提供することを禁止しております。 ご指摘の国立国会図書館で記録されるインターネット資料の利活用については、現在国立国会図書館からの要望はなく、今 後の動きを注視していきたいと考えております。 ご指摘の国立国会図書館で電子化される図書館資料の利活用については、現在国立国会図書館と関係者との間で検討が進 められており、文部科学省としてもこうした動きを注視していきたいと考えております。 ご指摘の図書館間の複製物の送信については、これまで著作権分科会において検討が行われており、平成21年の著作権分 科会報告書では、関係者間の協議の進捗状況も踏まえ、適宜検討をおこなうこととされております。 c c a 備考 文部科学省 文部科学省 文部科学省 対面診療の原則は保持すべきと考え るが、慢性患者へのフォローに関して は生活習慣病指導料等を柔軟に活用 できるようにする。 厚生労働省 遠隔医療として認められている遠隔読 影・遠隔病理診断に関しても、診療報 酬にて依頼側と受け手側との配分を 制度上、明確に規定する。 共通コードを導入して行政コストの削 減や処理の正確性を高める 患者個人の医療情報を、臨床研究のために利用する場合、 臨床研究を目的とした患者の医療情 匿名化された患者の オプトアウト方式が認められておらず、また、研究者が、そ 報の取扱について、オプトアウト方式 医療情報の利活用に の業務の一部を委託することができないため、疫学研究が を認め、また研究者によるその業務の 関する規制の緩和 進まない。 一部の委託について認める。 169 図書館間における著 図書館における著作物の複製物の送信方法が、複製権の 図書館間の複製物の送信について 作物の複製物の送信 制限のため、郵送等に限られ、ファクシミリや電子メールと は、公衆送信権を制限する。 に関する改善につい いった手段は公衆送信に当たるとされ、使用できない。 て 著作権者の利益を不当に害しないと 国立国会図書館で電 国立国会図書館における資料が資料の保存目的のため電 認められる範囲について、公衆送信 子化される図書館資 子化されるが、電子データが全国から利用できる環境にな 権を制限し、国立国会図書館が公衆 料の利活用について らない。 送信することを可能とする。 a インターネット資料の複製権を制限す インターネット資料の利活用においては、かなりの割合が違 る。これにより一定の割合で違法状態 法状態であると考えられる。インターネット資料は商業的な の解消が可能。また、図書館が利用 インターネット資料の 文部科学省 流通を前提としてないものも多く、許可を得ること等が現実 者に対し、インターネット情報の複製 利活用について 的なのかも検討の余地あり。 物を提供できるなど、情報流通が促進 される。 著作権等の制限のありかたについては、著作権分科会において検討が行われており、ご指摘のインターネット資料について も、適宜検討をおこなってまいりたいと考えております。 コンテンツ取引の円滑化については、当事者間の契約を支援し、新しいビジネスモデルが登場しやすいような法的環境を整え るべきとの観点から、先ずは契約を支援する取組から検討していくことが有効と考えられます。 そのため、権利者への利益還元を行うためのビジネスモデルの構築の検討や著作権情報の集中管理等により、コンテンツ取 引を円滑化する取組みを進めてまいります。 b ご指摘の過去の放送番組の流通を促進させるための法制度については、著作権分科会報告に基づき、著作権者不明等の場 合の利用の円滑化を含む著作権法の一部を改正する法律が、平成21年通常国会に提出され、本年6月に成立しております。 更なる対応の要否については、同法の施行状況等を踏まえ、適宜検討をおこなってまいりたいと考えております。 a 経済産業省 御指摘の権利関係をクリアにするための法制度の整備については、内閣官房においては、特に知的財産戦略本部において 権利関係の総合調整を行なっているものの、改善提案の実施を妨げるような制度を所管しているものではないと認識していま す。 e 関連府省等回答 著作権処理の円滑化の実証実験等の施策を通じて、引き続き放送コンテンツのインターネット上などでの再利用(マルチユー ス)の促進をおこなってまいります。なお、放送番組と著作権については、著作権者をはじめとする権利者が適正な対価を得ら れることの確保及び円滑かつ迅速な権利処理の観点から取組を進めることが重要であると認識しております。 国立国会図書館で記 特別な場合を除き、公衆送信権を制 録されるインターネット インターネット資料は更新された後は、過去の情報を参照す 限し、国立国会図書館が改めて公衆 資料の利活用につい ることができない。 送信することを可能とする。 て 171 内閣官房 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 b 168 167 166 165 164 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 文部科学省 過去に放送した番組について、その最 コンテンツの流通・促 過去の放送番組を流通・促進させるための法制度が整備さ 初の放送をした放送局に通信での2次 進のための法制度の れておらず、我が国の貴重なコンテンツが死蔵してしまって 利用を認めるなど、権利関係をクリア いる。 未整備 総務省 にするための法制度を整備する。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 309 書面による納税通知 国税や地方税は、賦課徴収や還付に関する通知を書面で 行う必要がある。 納税者や企業が希望すれば、国民電 子私書箱等により電子的方法で納税 通知を受け取ることを可能とし、電子 納付等を容易にする。 総務省 御指摘の地方税に係る納税通知書の交付等については、総務省令によりオンラインにより行うことが可能となっております が、その具体的な実施方法等については、今後検討を要するものと認識しております。 また、国民電子私書箱の活用については、IT戦略本部の「i-Japan戦略2015」に掲げられ、同本部において平成21年度中に 基本構想がとりまとめられるものと認識しており、対象となる行政サービス等については、今後議論がなされていくものと考え ております。 また、改善提案の「電子納付等」については、納税者の利便性向上の観点から、当省としては、これまでもマルチペイメント ネットワークを活用した収納サービスの導入等について、各地方公共団体に対して周知しているところです。 資料3-1 26/33 d,f b,c 177 「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律」では、「処分通知等を受ける者の使用に係る電子計算機に備え られたファイルへの記録がされた時に当該処分通知等を受ける者に到達したものとみなす」旨が定められている。このため、 行政機関が保有するシステムの中に設けた利用者個々のディスクエリアに通知データを記録しただけでは通知が到達したこと とならず、利用者が利用者個々のディスクエリアから通知データをダウンロードしなければ通知が到達したこととならないため、 更正・決定通知書、納税告知書、督促状等の処分性を有する文書(異議申立の対象となる文書)等にはなじまないと考えてい る。それ以外の文書については、電子的な方法により送付可能か、一部検討を行っているところであり、今後も引き続き検討を 行って参りたい。 財務省 平成21年度の全国規模での規制改革要望に関する検討要請において、同様の要望が提案されており、当省からは再検討要 請に係る回答において、以下のとおり回答しているところ。 『公金取扱いの効率的運営と安全を図る観点のほか、公金の納付手段の多様化による住民の利便性の向上の観点も含め、 公金収納実務の影響にも留意しつつ要望事項について検討してまいりたい。』 b 地方公共団体が電子納付を実施した場合でも、現行の指定 電子納付(ペイジー)の取扱いが可能 電子納付にかかる指 金融機関制度の枠組みでは、納付できる金融機関が指定 な全ての金融機関から納税者が地方 定金融機関制度の改 金融機関、収納代理金融機関等の範囲に限定されている 税の電子納付を行えるよう指定金融 総務省 ため、納税者は電子納付のメリットを十分享受できていな 機関制度を改正(電子納付を同制度 正 の適用外とする)する。 い。 (参考)輸出入関連業務及びこれに関連する民間業務(貨物管理等)を国際物流の流れの中で一体的に処理するための官民 共同システムであるNACCSは、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(民間会社)が管理・運営を行っている。 176 米国の24時間前ルールにより、輸出企業のリードタイムの長期化や物流の効率化に影響を及ぼしていることは承知しておりま す。 財務省関税局としては、輸出入・港湾関連手続のさらなる効率化・簡素化を図るため、平成20年10月に国際物流の基幹システ ムであるNACCSを港湾EDIと統合し、シングルウィンドウ化を推進するなど、利用者の意見を聴取しながら、随時見直しを行っ ております。 具体的には、平成20年10月から、インボイスやパッキングリスト情報を電子的に提出できるようにしたほか、輸出業務をより円 滑なものとするため、船積指図書(Shipping Instruction(S/I))情報登録業務を新設し、かかる業務を行うため、荷主、海貨業、 NVOCCを参加業種に加えております。 今後も引き続き、利用者のニーズの把握に努めながら、NACCSの利便性の向上等を通じて、サプライチェーンの円滑化に資 するよう努めて参りたいと考えております。 原産地証明書の電子化については、「貿易手続改革プログラム」において、検討を行うことが記載されており、これを受け「原産 地証明制度改革検討会」等において、議論されているところ。日本国内で申請者側により原産地証明書をプリントアウトする等 の段階的な処置については、証明書の真正性の確保といった観点からの検討も必要と考えるが、上記委員会等での議論や、 他国の電子化における取組動向を考慮しながら、電子発給についても可能なかぎり早急に検討してまいりたい。 b b ご指摘の地方単独医療費助成事業については、当省で所管する医療保険制度外の事業であり、当省の所管する制度が改善 提案の実施を妨げているものではないと認識しております。 米国同時多発テロ以降、海外政府による国際貿易のセキュ 輸出者側の情報化と関係者との情報 米国他の船積24時間 リティ規制強化が貿易円滑化の阻害要因となっており、日 連携を促進する為の政策インセンティ 財務省 前ルール規制への対 本の製造業を中心とする輸出企業のトータルリードタイムと ブや標準プラットフォームが必要。 応 コストの増加要因となっている。 経済産業省 e ご指摘のわかりやすい診療報酬体系への見直しについては、関係者間で解釈の相違が生じないよう、疑義解釈について事務 連絡を発出するなどのその統一を図ってまいりたいと考えております。 また、診療報酬改定の告示から施行までの期間の確保については、診療報酬は、内閣の予算編成の過程において年末に決 定される改定率に基づき改定を行う必要があるため、告示日の更なる前倒しには限界があると考えております。 関連府省等回答 175 FTA/EPAにおいて、第三者証明スキームによる制度利用に 特恵原産地証明書 当たって特恵原産地証明書が必要となる。現在オンライン 特定原産地証明書を電子発給すべ の電子発給について 申請は可能だが発給については電子的対応はできておら き。 ず、申請企業の事務処理に余分な時間とコストを要する。 174 医療費助成事業と取り纏め監督する 組織を新設。また、レセプトの記述方 式を統一し、審査支払機関にて一括し 厚生労働省 て審査、地方公共団体に対する請求 代行を行なう。 173 地方公共団体が独自に行なう医療費助成事業(乳幼児医 療給付など)に関して、全国の取り纏め監督を行なう組織が ないため、患者が他県の医療機関で診療を受けた際、患者 が住む自治体の単独事業情報がその医療機関に入ってお らず、本来支払わなくてもよい費用を患者が支払うケースが 存在する。また、診療報酬請求においても記述方法が定 まっておらず、請求手続きも都道府県により異なっている。 b,c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 医師だけではなく医療事務スタッフに とっても解釈の相違がなく、国民にとっ てもわかりやすい社会保険・老人保健 厚生労働省 診療報酬の体系に抜本的に見直す。 また、診療報酬改定の告示から施行 までの期間を確保する。 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 診療報酬請求におけ る地方公共団体自治 体が独自に行なう医 療費助成事業の取り 扱いについて 172 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 複雑かつ膨大な診療報酬体系によって、関係者間の解釈 診療報酬体系の簡素 の相違が生じており、また、診療報酬改定から試行までが 化と診療報酬改定の 短期間のため、システム反映作業等において医療現場の 告示から施行までの 混乱している。 期間の確保 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 備考 ・平成19年3月27日付総税企第 55号「地方税の徴収対策の一 層の推進に係る留意事項につ いて」 【関係通知】 ・平成18年4月1日付総税企第 88号「地方税の収納に係るシス テムを改修する際の留意点につ いて(通知)」 【総務省令】 総務省関係法令に係る行政手 続等における情報通信の技術 の利用に関する法律施行規則 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 310 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 自動車税(軽自動車税を含む)の納税 について、各都道府県と国とのデータ 連携の実現により、車検時の納税者 による納税証明書の提示は不要とす る。 総務省 国土交通省 185 184 183 地方自治法施行令等により地方税等の収納方法が限定さ 小口の収納については、地方公共団 地方税等の収納方法 れており、非接触型ICカードなどRFIDの技術を利用した収 体の判断によりRFIDの技術を利用し 総務省 納方法を採用できない。 に関する規制 た収納方法を選択できるようにする 182 財務省 c c c f f,c d c 薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第98号。)の基本的な考え方は、医薬品の販売に当たっては、郵便等販売で あるか否かにかかわらず、購入者に対し、薬剤師又は登録販売者(以下「専門家」という。)が対面で情報提供を行って販売す ることにより、医薬品の安全・適切な選択使用を確保するというものであり、郵便等販売については、このことが確保される状 況にはないため、専門家による販売時の情報提供が不要な第3類医薬品に限ることとしております。 国税関係帳簿書類の電子データによる保存制度は、適正・公平な課税を確保しつつ納税者等の帳簿書類の保存に係る負担 を軽減する観点から、一定の要件の下で、電子データの保存をもって国税関係帳簿書類の保存に代えることができるとするも のである。 国税関係書類のスキャナによる保存を認めるに当たっては、適正・公平な課税を確保する観点から、真実性を確保するため の要件(一定水準の解像度・カラー画像、改ざんを防止するための電子署名、イメージ化した時刻を第三者が証明するための タイムスタンプ等)及び可視性を確保するための要件(検索機能の確保等)を満たしていることが必要とされているところ。 「高度な暗号化処理等が施されている場合」とは、例えば、電子政府推奨暗号リストに掲げられた暗号アルゴリズムによって個 人データを適切に暗号化し、かつ、復号(平文化)のためのかぎ(鍵)が適切に管理されていると認められる場合など、十分な 秘匿性が確保されている場合を指します。ただし、暗号化処理の技術等は日々進歩しているものであるため、画一的な基準を 設けることは困難であると考えられます。 ご指摘のRFIDの技術を利用した収納方法が当該地方公共団体の歳入の方法と認められるかどうかについては、口座振替 や、指定代理納付者による代理納付等の現行の地方自治法及び同法施行令に規定する収納方法に該当するか否かについ て、収納時期、収納権限の付与等、個別の決済スキームごとに判断が必要であり、いわゆるRFIDの技術を利用した収納方法 であることをもって、一律に収納方法として認められるか否かが判断できるものではない。 労働保険料の概算保険料申告書の金融機関窓口での受付が、電子申告・電子納付の利用を阻む一因とのご指摘について は、必ずしも明らかではないものと考えています。 また、当該申告書の金融機関窓口での受付及び都道府県労働局への回付事務の廃止については、これを実施すれば、国民 サービスの低下を招き、ひいては必要な申告書の提出がなされなくなるおそれがあることから、実施困難であると考えていま すが、いずれにせよ電子申請の利用促進については、引き続き取り組んでまいりたいと考えています。 いわゆる納入済通知書のような書面は、各金融機関で収納された公金の地方公共団体における確認手段として利用されてい るものであり、当該団体の規則等に基づくもの。したがって、地方自治法において義務付けているものではない。 なお、地方公共団体が当該書面による処理を電子化による処理とする場合には、各地方公共団体において現行の財務会計 システム等の改修が必要となるものと考える。 ご指摘のありました自動車税の納付記録に係る各都道府県と国とのデータの共通化については、税務情報は個人情報であ ることに鑑み、その取扱いは厳格に行う必要があり、たとえ提供先が公的機関であっても同じと考えます。 税務情報は、都道府県職員であっても、税務に携わる一部の職員のみが閲覧可能となっており、また、税務職員に対して は、地方公務員法及び地方税法において守秘義務が課せられており、情報は厳しく管理されているところです。 車検は全国どこでも受検可能であることから、仮にご提案の制度を導入した場合、都道府県単位で管理している納税情報を 全国に展開することとなり、これは情報の厳格な管理という観点から課題があるものと認識しております。また、例えばn年度 に電子納付を行い、n+1年度には金融機関の窓口において納付した場合などは、年度において納税確認の手法が異なるこ ととなり、現場の混乱を招くおそれがあります。 以上の観点から、実施は困難と考えますが、一方、納税者と行政の双方にとって、安全かつ利便性のある制度にすることに ついては、今後とも努めてまいりたいと考えております。 各都道府県の納税システムと自動車登録検査システムを接続し、自動車税の納税状況を電子的に確認することについて、技 術的課題、費用対効果、都道府県の意向等をふまえつつ、実施の可否について検討して参ります。 b 資料3-1 27/33 【No.124と同内容】 改正薬事法施行規則により、旧法下で認められていた郵便 第3類以外の一般用医薬品について 一般用医薬品のイン その他の方法(郵便、カタログ、ちらし、インターネット等)を も広く通信販売が可能となるような提 厚生労働省 ターネットを含む通信 通じた大衆薬の販売については、経過措置による一部の例 供方法を検討し、薬事法施行規則を 販売規制 外を除いて第3類医薬品に限定された。 再改正する。 国税関係書類のスキャナ保存が認められるための技術的 国税関係帳簿書類の 要件等が過剰(スキャナーの解像度、電子署名、タイムスタ 左記要件の緩和等を行う。 電子保存に関する技 ンプ、検索要件等)であり、設備の導入やシステム対応等に 相応の費用負担がかかっている。 術的要件の緩和 「金融機関における個人情報保護に関するQ&A」(Ⅴ-16) では、「例えば、漏えい事案が発生した場合において、高度 な暗号化処理等が施されている場合や即時に回収出来た 個人データの漏えい 漏洩等が発生した場合において、本 場合等、本人の権利利益が侵害されておらず、今後も権利 事案が発生した場合 人への通知等を省略しうる判断基準 利益の侵害の可能性がない又は極めて小さい場合等に に本人への通知が省 のひとつとして、「高度な暗号化処理 金融庁 は、本人への通知を省略しうるケースもあるものと思われま 略できるケースの明確 等が施されている場合等」の内容を具 す。」とされているものの、「高度な暗号化処理等」の基準は 化 体化・明確化する。 明らかにされておらず、実務上、本人への通知を省略するこ とは困難となっている。 金融機関における労 毎年度第1期分の労働保険料納付の際に、併せて申告書を 金融機関窓口への申告書提出を廃止 厚生労働省 働保険料の申告書受 日本銀行代理店である金融機関窓口で受付し、各都道府 する。 県労働局に送付する。 付と回付事務 指定金融機関から地方公共団体に提供する地方税等の収 納情報は、各地方公共団体が定める財務規則などにより、 指定金融機関制度に基づく地方公共 金融機関の地方公共 原則、書面(納入済通知書)となっていることから、金融機関 団体と金融機関の間の書面の授受を 総務省 団体への書面による から地方公共団体に膨大な量の書面が送付され、地方公 原則電子化し書面の送付を不要とす 共団体においてもこれらを電子データに変換するための膨 収納情報の提供 る。 大な作業を行っている。 自動車の継続検査(車検)時には、道路運送車両法により、 自動車税(軽自動車税を含む)の納税証明書を提示するこ とが義務付けられているが、納税者が電子納付を行った場 合でも、あらためて金融機関窓口で納付書に収納印の押捺 自動車継続検査時の を受けるか、地方公共団体から納税証明書の発行を受け 納税証明書の提示 て、同書面で提示しなければならない。 このために、電子納付の利便性が損なわれ、電子納付が進 まない要因となっている。 備考 c 関連府省等回答 【関係通知】 ・平成18年4月1日付総税企第 88号「地方税の収納に係るシス ご指摘のマルチペイメントネットワーク標準帳票に準拠した納付書様式の法定化については、納付書様式の統一には各地方 テムを改修する際の留意点につ 公共団体の地方税の収納等のシステムの変更が必要となり、多大な経費負担が生じることになることから、法令等により、納 いて(通知)」 付書様式を統一化することは困難であると考えております。 マルチペイメントネットワーク標準帳票に準拠した納付書様式への変更については、eLTAX導入等の地方税の電子化推進に ・平成19年3月27日付総税企第 ついて周知する機会などを捉えて、各地方公共団体に対して周知していくこととしております。 55号「地方税の徴収対策の一 層の推進に係る留意事項につ いて」 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 地方税等の納付書様式は各地方公共団体が財務規則等で 納付書の規格・様式の統一化を実現 独自に定めているため、納付書様式の統一化が進んでおら するために、マルチペイメントネット 地方税の納付書様式 総務省 ず、地方公共団体の税業務の電子化や金融機関の事務処 ワーク標準帳票に準じたものにするよ 等の制定方法 理の効率化を阻害している。 う法定化する。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 181 180 179 178 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 311 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 e 法務省 資料3-1 28/33 当省では被害に遭った児童の保護等については所管しておりますが、ご指摘の児童買春・ポルノ禁止法における規制につい ては、所管外です。 e 厚生労働省 ブロッキングに関するご指摘については、インターネット上の児童ポルノ情報対策としてのブロッキングは、あくまでも民間にお いて自主的取組の選択肢の一つして検討されているものであり、国等による規制として検討されているものではありません。 もっとも、ブロッキングは、実施によって生じうる弊害など検討すべき課題が少なくない手法であり、民間の自主的取組としても 十分な検討が必要と考えます。 e 総務省 ブロッキングを含む児 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の 童ポルノ規制 は、単純所持規制と創作物への規制の点で問題があり、見 見直し、ブロッキングに関する検討の 直すべき。また、サイトのブロッキングは行うべきでない。 とりやめ。 警察庁としては、今後も国会等において児童買春・児童ポルノ禁止法の改正について議論がなされる場合には、その議論を 注視していきたいと考えております。 また、児童ポルノ流通防止協議会において検討が行われていると承知しており、検討を行うことについて問題はないものと考 えています。 e 警察庁 191 ご指摘の「保護期間問題」については、これまで著作権分科会にて検討してきましたが、結論が出ておらず、平成21年の著作 権分科会報告書では、今後も引き続き検討することとされています。 また、当該案件については、国際的なバランスについても考慮する必要がありますので、今後も関係国と緊密に連絡をとって まいりたいと考えております。 今般著作権法第30条第1項第3号を設けた趣旨は、インターネットによる音楽や映像作品の違法配信者への対処は従来から 行われてきましたが、違法配信が年々増加し、その規模が膨大であることや、配信者への対処には技術的に限界があること から、違法配信対策として、違法配信を行う側と、違法配信と知って配信を受ける側の双方への対処が必要になっているとの 認識によるものであり(平成21年1月文化審議会著作権分科会報告書)、同条は引き続き規定すべきものと考えております。な お、ご指摘の改正により権利侵害とされるのは、違法配信と知りながら録音・録画を行う場合のみに限定されており、そうでな い場合には、権利侵害にはならず、また、「違法と知っていたこと」の立証責任は、権利侵害について訴訟を提起する側が負う ことになります。 ご指摘の点については、具体的問題点と改善提案との関係性が不明確であるため回答いたしかねます。 ご指摘の著作権法改正の施行停止については、当省としてご回答できる立場にございません。 b e f 190 厚生労働省 総務省 c 文化庁における著作権保護期間延長 著作権の保護期間は50年と長期であるが、長期の著作権 の議論を打ち切る。 さらに、著作権及 保護は、莫大な数の著作物を死蔵させ、過去の著作物の公 びレコード会社等への著作隣接権に 著作権保護期間延長 共利用、デジタル化、新技術での再利用を阻害し、保護によ 対する、過度に長期の保護期間を強 文部科学省 問題 る個々人の利益及びインセンティブによる利益比べ、社会 制しているベルヌ条約その他の関係 的に許容できない大きな不利益を生み出す。 条約の改正を、日本政府から各国に 働きかけていく。 著作権法第30条改正の施行停止。 c 188 文部科学省 189 著作権法第30条改正 通信の秘密などを脅かす規制は行うべきではない。 (ダウンロード規制)。 ご意見中の「検閲」の意味は必ずしも明らかではありませんが、今般著作権法第30条第1項第3号を設けた趣旨は、インター ネットによる音楽や映像作品の違法配信者への対処は従来から行われてきましたが、違法配信が年々増加し、その規模が膨 大であることや、配信者への対処には技術的に限界があることから、違法配信対策として、違法配信を行う側と、違法配信と 知って配信を受ける側の双方への対処が必要になっているとの認識によるものであり(平成21年1月文化審議会著作権分科 会報告書)、同条は引き続き規定すべきものと考えております。なお、同条により権利侵害とされるのは、違法配信と知りなが ら録音・録画を行う場合のみに限定されており、そうでない場合には、権利侵害にはならず、また、「違法と知っていたこと」の 立証責任は、権利侵害について訴訟を提起する側が負うことになります。 f ダウンロードをしなければ、違反かどうかわからないのに、 ダウンロードの違法化 著作権法第30条第1項第3号の削除。 文部科学省 そのダウンロードを違法とするのはおかしい。 選挙におけるITの利 活用の制限 備考 仕入先事業者が出店事業者に対して,定価販売の遵守を求めたり,値引販売を禁止したり,販売価格や最低販売価格の指 示をすることは,不公正な取引方法(再販売価格の拘束)として,独占禁止法上問題となるものである。また,仕入先事業者が 出店事業者に対して,出店事業者が一部の商品について安売りを行うことを理由として,当該商品についてネット販売を禁止 したり,出店事業者による購入が困難となる水準まで出店事業者に対する販売価格を引き上げたりすることは,不公正な取引 独占禁止法第19条 方法(不当な拘束条件付取引,不当な差別対価)として,独占禁止法上問題となるものである。 公正取引委員会は,消費者向けeコマースにおける取引慣行全般について,公正かつ自由な競争の促進の観点から,今後 とも引き続きその動向を注視していくこととする。 関連府省等回答 ①インターネットを利用した選挙運動については、有権者の政治参加の促進、候補者情報の充実、有権者と候補者との直接 対話の実現、金のかからない選挙の実現などのメリットがあるものの、他方で、ひぼう中傷・なりすましなどインターネットの悪 用、デジタルデバイド(情報格差)の存在などのデメリットも挙げられているところ。 インターネットを選挙運動手段として認めるかどうかは、まさに選挙運動のあり方という、いわば選挙の土俵づくりの問題であ るため、各党各会派において、御議論いただくべき問題であると考えているところ。 ②選挙公報は、公職の候補者等の政見等を当該公職の候補者等が申請した原文のまま掲載するものであり、選挙公報をど のようなものにするかは、選挙運動に関わる問題であるところ。 選挙運動の方法等については、これまでの国会における審議や各党間の議論の積み重ねの中から現在のようなルールが 設けられてきたところであり、選挙公報をインターネットのホームページに掲載するか否かは、インターネットの利用を選挙運動 の中でどう位置づけるかということも含め、各党各会派において御議論いただくべき問題であると考えているところ。 f 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 公正取引委員会において、ネット販売 での取引実態を重点的に調査・把握 公正取引委 するとともに、実際に独占禁止法上問 員会 題がある場合は、厳粛なる法執行を 行っていただきたい。 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) ① インターネット(ウェブサイト、電子 メール等)を用いた「文書図画」の頒布 を解禁する。 インターネットが事実上の社会インフラとなる中で、インター ② 選挙管理委員会は、選挙公報の内 ネットを通じた情報提供及び受信の機会が選挙人及び被選 容をウェブサイトでも提供できることと 総務省 する。 挙人から奪われてい 等により、情報提供の機会が増えるこ る。 とにより政策論争が活発化し、民主主 義の発展に資する。 187 186 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) メーカー、卸事業者等の仕入先事業者が、出店事業者に対 して安売りを行うことなどを理由として、一定商品のネット販 民間企業間における 売を制限・禁止している事例がある。これは、合理的な理由 ネット販売の制限・禁 なく不当にネット販売を制限しており、拘束条件付取引等と して独占禁止法上問題となる。また、事業者による新たな販 止の慣行 路開拓や事業展開を妨げている。さらに、消費者からネット での購入の機会を不当に奪っている。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 312 IT関連の調達において、調達のオー 政府関連調達に関わ 政府調達に関わる全省庁統一資格が、政府のITプロジェク プン化を進めると同時に、総合評価方 る全省庁統一資格制 トへの小規模なソフトウェア開発企業の参加を排除してい 式等の審査厳格化を前提に資格要件 る。 度 を大幅に緩和する。 195 B-CASカード支給契 約 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議において決定された「情報システムに係る政府調達の基本指針」において、等級に 格付けされた者に加え、一級下位の等級に格付けされた者も参入させる等の入札参加資格の弾力化措置の導入を図る等の 方針が示されており、各省においてこれに従って措置しているものと認識しております。 参考:「情報システムに係る政府調達の基本指針(案)」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai22/22siryou1-2.pdf d 196 御提案の内容は,「デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行,サービスの仕組みそのもののあり方や運用」 に関する御意見には該当しないものと考えますが,集合動産の特定の方法については,「構成部分の変動する集合動産で あっても,その種類,所在場所及び量的範囲を指定するなどの方法により目的物の範囲が特定される場合には,一個の集合 物として譲渡担保の目的となりうる」とする判例(最判昭54.2.15民集33巻第1号51頁,同昭62.11.10民集41巻第8号1559頁)を踏 まえつつ,今後の施策の推進に当たっての参考とさせていただきます。 f 194 e ご指摘の限定受信方式の撤廃、技術的制限を使用しない受信機の製造・販売について、当省は対応できる立場にないと認識 しております。 現行の「B-CASカード」を用いた無料地上放送等に係るコンテンツ保護のエンフォースメントの仕組みは、放送番組の著作 権保護、消費者の利便性確保等を両立させるために、法規制ではなく、民間の関係者の合意によって、導入・運用が行われて きたものです。 今後も受信機等の商品企画の自由度の向上、視聴者の利便性向上等に向けて法規制ではなく民間の話合いにより改善が進 められることを期待しております。 資料3-1 29/33 文部科学省 f 現行の「B-CASカード」を用いた無料地上放送等に係るコンテンツ保護のエンフォースメントの仕組みは、何らかの制度によ るものではなく、民間の関係者の合意によってルールが形成され、導入・運用が行われてきたものです。現在、現行方式とは 異なる新たな仕組みの導入に向けた検討がなされているところであり、受信機等の商品企画の自由度の向上、視聴者の利便 向上等に資するものとして期待されています。 c 総務省 無料放送から限定受信方式を撤廃 し、無料放送に関しては、デジタル著 B-CASカードの支給を受けるためには高額な特許ライセン 作権管理のような技術的制限を使用 ス・技術ライセンス契約等が必要であり、中小企業の参入 しない受信機の製造・販売ができるよ 障壁となっている。また、過度なコンテンツ保護ルールとなっ うにする。私的録画の範疇を越えた行 経済産業省 ており、商品企画の自由度が大幅に制限されている。 為に対しては、著作権法等の制度で 対応すべきである。 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議において決定された「情報システムに係る政府調達の基本指針」において、等級に 格付けされた者に加え、一級下位の等級に格付けされた者も参入させる等の入札参加資格の弾力化措置の導入を図る等の 方針が示されており、各省においてこれに従って措置しているものと認識しております。 参考:「情報システムに係る政府調達の基本指針(案)」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai22/22siryou1-2.pdf d 総務省 内閣官房 在庫などの集合動産の特定方法とし て、場所コードなど任意の空間で特定 法務省 することにより、担保対象動産が拡大 する。 動産・債権譲渡登記 制度(法人が行う動産 在庫などの集合動産の特定方法として、物流会社や場所 と債権の譲渡につい コードなどで定義された任意の空間で集合動産を特定する て登記による第三者 ことにより、担保対象動産が拡大する。 対抗要件の具備を認 める制度) ご指摘の審査に関する支部間差異解消の取組については、社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険中央会、厚生労働 省保険局を交えた審査情報提供検討委員会等によりその解消が図られているところであり、今後も引き続き、このような取組 を推進することとしているところ。 また、診療報酬体系については関係者間で解釈の相違が生じないよう、疑義解釈について事務連絡を発出するなどのその統 一を図ってまいりたいと考えております。 ご指摘のありました自動車税の申請書様式についてですが、地方税法施行規則により全国統一様式を定めており(第16号 の9様式)、各都道府県ともこの様式に沿っているものと認識しております。 b d 備考 ①自動車の登録制度は、自動車の取引の安全を確保するために第三者対抗要件を付与する「民事登録」と自動車の使用の 実態を把握する「行政登録」の2つの機能を有しており、「民事登録」において登録自動車の所有権の得喪について公証を行 い、自動車の財産権を保全するとともに、盗難車等正当な所有権に基づかない自動車の流通を防止することにより、全国的な 自動車取引の安定性を確保しているものである。従って、自動車の真正な登録を表示する自動車登録番号標と、対応する自 動車の一体性を確保するとともに、その取りはずしを防止するために行われる封印制度は、所有権の公証制度の一環をなす ものであるから廃止すべきではない。また、封印制度は不正なナンバーの付け替えや、未登録自動車(無車検・無保険)の運 行、未施封によるナンバー盗難、盗難ナンバーを取り付けた自動車を使用した犯罪などの防止の観点からも、廃止すべきでは ない。 ②平成16年3月に閣議決定された「規制改革・民間開放推進3か年計画」に基づき、今後の望ましい自動車の検査・点検整備 の在り方について検査対象車種全般に亘り①自動車の交通事故、環境汚染の状況、②ユーザーの保守管理状況、③自動車 部品の耐久性能、④諸外国における検査・点検整備の実態、⑤自動車の不具合状況、⑥有効期間を延長した場合の社会的 影響、⑦点検整備の整備実施状況等について検討を行い、その結果、「有効期間を延長することは、安全確保と環境保全に ②道路運送車両法第61条 対して大きな悪影響を及ぼすと考えられるが、小型二輪車については、初回の有効期間を2年から3年に延長しても、自動車 の安全と環境面における影響は小さいものと考えられる。」との結論が得られたことから、「規制改革・民間開放推進3か年計 画(決定)」(平成17年3月25日閣議決定)に従って、平成18年5月に所要の措置を講じたところです。 他方、乗用車を含むその他の車種の車検期間については、この検討の結果、自動車の安全確保と環境保全に対して大きな悪 影響を及ぼすと考えられるとの結論に至っており、提案について措置することは困難です。 また、車検時にかかる費用の大半は、自動車重量税と自賠責保険料であり、車検の周期が延長されれば、一度に支払わなけ ればならない自動車重量税、自賠責保険料は増加することとなります。 ④軽自動車の検査を行う軽自動車検査協会は、申請書類確認等業務の一部を(社)全国軽自動車協会連合会に委託してい ると聞いています。 電子申請が進んでいないことと、この業務委託との間には、直接の関係はないと考えています。 関連府省等回答 各都道府県の支払基金や国民保険連 合会が保有しているレセプト審査上の レセプト審査における レセプト審査の運用基準は都道府県によるローカルルール 申し合わせ等の内部文書をすべて厚 都道府県ごとの運用 厚生労働省 が存在しており、診療内容などを純粋にベンチマークできな 労省保険局に提出させ、精査ののち 基準(ローカルルー い。 都道府県統一の審査基準を作成す ル) る。 総務省 ①c ②c ④d 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 ①軽自動車と同じように登録自動車 の封印制度を廃止する。 ②車検は全 て3年とする。 ③ネット上で基本様式 を掲載しておれば誰でも容易に入手 可能であり格段に利便性が向上し、全 国土交通省 国どこからでも電子申請が可能とな る。そのためにも完成検査証と譲渡証 データをユーザーに提示すべき。④自 動車登録・届出制度には行政と外郭 団体のシステム癒着とも言うべき慣行 が形成されており、電子申請を阻害す る法的根拠のない事前手続と業界委 託は中止すべきである。 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 193 192 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) ①自動車の封印制度は、ユーザーが全国どこからでも手続 が出来る電子申請の目的を阻害している。自動車関係団体 には封印権が付与されているが県外や中古車等が対象外 で電子化を阻害する要因の一つ。 ②車検期間について合 理的な根拠がなく、初度登録3年、輸入中古自動車3年、国 OSS(自動車保有関 内中古車2年とされていることに不合理性がある。 ③自動 車税の申請書様式が都道府県毎に異なり不便。④軽自動 係手続ワンストップ 車の届出は所有権の公証制度の規定がなく、全国軽自動 サービス) 車販売協会が多年にわたり事前審査事務を受託し、いろい ろな口実を設けて、法に定めのない譲渡証明書の販売や添 付書類の義務づけ、根拠のない税止め費用徴収、所有者 の印鑑照合、所有権確認のためのユーザー情報の開示等 違法行為が行われている。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 199 198 197 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 総務省 313 e e e,f 御指摘の事項は当省の所管外です。 根拠法として示されている道路法、都市計画法及びそれらの施行規則等において、図面類の電子化を阻む規定はない。 ・地理空間情報活用推進基本 法 ご指摘の個別法(地方税法)の運用規則等については所管外ですが、地理空間情報活用推進会議では、地理空間情報活用 (平成19年5月30日 法律第63 推進基本計画に基づき、地理空間情報を円滑に提供・流通させるためのルールとして、国や地方公共団体を対象とした個人 号) 情報、知的財産権等の取扱いに関するガイドライン(「地理空間情報の活用における個人情報の取扱いに関するガイドライ ・地理空間情報活用推進基本 ン」、「地理空間情報の二次利用促進に関するガイドライン」)を平成22年度までに策定するとしています。 計画 (平成20年4月閣議決定) 資料3-1 30/33 地方公共団体で保有する台帳及び図 地方公共団体で維持・管理される図面類の電子化が不十 面は、個別の法律(道路法、都市計画 国土交通省 地方公共団体で維持・ 分であり、多くが紙図面であることから、地方公共団体間及 法等)及び施行規則に従って維持・管 更新される図面類の 理されているため、個別の法律または び民間企業間で、図面類を有効活用できていない。 電子化の義務化 運用規則に電子化することを義務づ 総務省 ける。 国土交通省 d e,f 内閣官房 地理空間情報において、情報公開による利活用促進と、情 地理空間情報の利活 報流布の秘密漏洩の区分が曖昧なため、積極的に情報を 利用に制約があるため、個別法(地方 用に関する規制の緩 公開できず、情報を共有するなどの有効活用ができていな 税法)の運用規則等に利用可能であ 総務省 ることを明記する。 い。 和 e 文部科学省 備考 ・地理空間情報活用推進基本 法 ご指摘の個別法(地方税法)の運用規則等については所管外ですが、地理空間情報活用推進会議では、地理空間情報活用 (平成19年5月30日 法律第63 推進基本計画に基づき、地理空間情報を円滑に提供・流通させるためのルールとして、国や地方公共団体を対象とした個人 号) 情報、知的財産権等の取扱いに関するガイドライン(「地理空間情報の活用における個人情報の取扱いに関するガイドライ ・地理空間情報活用推進基本 ン」、「地理空間情報の二次利用促進に関するガイドライン」)を平成22年度までに策定するとしています。 計画 (平成20年4月閣議決定) ご指摘の地理空間情報の利用制約については、地方税法では規定されておりません。よってその運用等については実際に情 報を保有する地方公共団体の判断に委ねられています。ただし、個人情報等に該当するものについては、非公開として厳重 に扱わなければなりません。 ご指摘の限定受信方式の撤廃、技術的制限を使用しない受信機の製造・販売について、当省は対応できる立場にないと認識 しております。 f 現行の「B-CASカード」を用いた無料地上放送等に係るコンテンツ保護のエンフォースメントの仕組みは、何らかの制度によ るものではなく、民間の関係者の合意によってルールが形成され、導入・運用が行われてきたものです。現在、現行方式とは 異なる新たな仕組みの導入に向けた検討がなされているところであり、受信機等の商品企画の自由度の向上、視聴者の利便 向上等に資するものとして期待されています。 関連府省等回答 現行の「B-CASカード」を用いた無料地上放送等に係るコンテンツ保護のエンフォースメントの仕組みは、放送番組の著作 権保護、消費者の利便性確保等を両立させるために、法規制ではなく、民間の関係者の合意によって、導入・運用が行われて きたものです。 今後も受信機等の商品企画の自由度の向上、視聴者の利便性向上等に向けて法規制ではなく民間の話合いにより改善が進 められることを期待しております。 c 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 無料放送から限定受信方式を撤廃 し、無料放送に関しては、デジタル著 B-CASカードの支給を受けるためには高額な特許ライセン 作権管理のような技術的制限を使用 ス・技術ライセンス契約等が必要であり、中小企業の参入 しない受信機の製造・販売ができるよ 「B-CASカード支給契 障壁となっている。また、過度なコンテンツ保護ルールとなっ うにする。私的録画の範疇を越えた行 経済産業省 約」 ており、商品企画の自由度が大幅に制限されている。 為に対しては、著作権法等の制度で 対応すべきである。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 資料3-1 201 200 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) d 内閣府 314 d 資料3-1 31/33 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 経済産業省 d 内閣府 d 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 e 警察庁 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 御指摘の青少年ネット環境整備法については、当庁の所管法令ではないことから、当庁はお答えする立場にはありません。 d 経済産業省 総務省 (青少年インターネット環境整備法について) 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 c,d (青少年インターネット環境整備法について) 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施しております。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる d,e インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律を廃止すべきとのご指摘については、イ ンターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護するとの観点から、インターネット異性紹 介事業につき一定の規制は必要と考えられることから、実施は困難と認識しています。また、ブロッキングに関するご指摘につ いては、インターネット上の児童ポルノ情報対策としてのブロッキングは、あくまでも民間において自主的取組の選択肢の一つ して検討されているものであり、国等による規制として検討されているものではありません。もっとも、ブロッキングは、実施に よって生じうる弊害など検討すべき課題が少なくない手法であり、民間の自主的取組としても十分な検討が必要と考えます。 (青少年インターネット環境整備法について) 青少年インターネット環境整備法は、青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること、青少年がインターネット を利用して青少年有害情報の閲覧機会をできるだけ少なくすること、国及び地方公共団体はインターネットにおける特性に配 慮しつつ民間における自主的かつ主体的な取組を尊重することを旨として施策を推進すべきこととしており、これに基づき施策 を実施してまいります。 なお、同法は、政府が、法施行後3年以内に、施行状況について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるべきことを 規定しており、今後、施行状況を踏まえ、検討を進めてまいります。 (1)出会い系サイト規制法は、出会い系サイトの利用に起因する犯罪から児童一般を保護するために規制を行っているもので あり、規制は必要であると考えております。 (2)御指摘の青少年ネット環境整備法については、当庁の所管法令ではないことから、当庁はお答えする立場にはありませ ん。 (3)ブロッキングについては、民間の自主的な取組みとして、児童ポルノ流通防止協議会において検討が行われていると承知し ており、検討を行うことについて問題はないものと考えています。 関連府省等回答 警察庁 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 (1)出会いサイト規制について 一方 的サイト削除や恣意的な逮捕者が頻 発する現在の法制定は馬鹿馬鹿し い。恋愛とも買春とも全く関係のない 書き込みがなされる可能性もある掲示 板を、安心して持てないような現行法 政府に都合の悪い情報を遮断することは百害あって一利な はやりすぎであり、緩和すべきである。 し (2)青少年ネット規制法・携帯フィルタ リング義務化 メディアリテラシー教 育の観点からも、絶対に反対。 (3)児童ポルノ規制・サイトブロッキン 総務省 グ 性虐待行為を防止するべきで あって性表現を禁止すべきではない。 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 青少年が安全に安心 してインターネットを利 青少年ネット環境整備法による行き過ぎた規制により、青少 青少年ネット環境整備法の改正 用できる環境の整備 年にとって有害でない情報までフィルタリングされている。 等に関する法律 政府による情報の遮 断について 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 315 どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) c ビジネス認証サービスタイプ1-G(行 商業・法人等のオンラ 商業登記法では誰もが代理人として手続ができるとなって 政書士用電子証明書)を、代理人とし イン登記手続「商業法 いるが、司法書士法では代理人は司法書士に限定されてい て電子署名する場合の電子証明書と 法務省 人オンライン登記申請 る。 して承認する措置をとる。 について」 資料3-1 32/33 御指摘の,行政書士用電子証明書を商業登記申請の代理人が電子署名する場合の電子証明書として承認することについて は,司法書士法において,他の法律に別段の定めがある場合を除き,司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法 人でない者(その名称中に公共嘱託登記司法書士協会という文字を使用する一般社団法人を除く。)は,登記手続の代理業 務を行うことができないこととされており(司法書士法第73条),行政書士が登記手続の代理業務を行うことは認められていな いため,実施は困難と認識しております。 御指摘の改正法案は先般国会で議論されたものであるところ,その是非に関して,法務省としてコメントすることは差し控えさ せていただきます。 e 法務省 206 当省では被害に遭った児童の保護等については所管しておりますが、ご指摘の児童買春・ポルノ禁止法における規制につい ては、所管外です。 e 警察庁としては、今後も国会等において児童買春・児童ポルノ禁止法の改正について議論がなされる場合には、その議論を 注視していきたいと考えています。 e 厚生労働省 児童買春・ポルノ禁止 国会で検討されている児童買春・児童ポルノ禁止法改正案 児童買春・ポルノ禁止法改正法案の 法(以下児童ポルノ禁 は、「児童ポルノ」の定義が曖昧であり、見直すべき。 見直し。 止法) 警察庁 雇用保険の中心的な保険事故である「失業」に係る給付においては、所定労働時間を短縮した労働者について給付すること は認められておらず、育児休業時にのみ時間単位での支給を認めることは、保険料負担者である労使の同意を得られるもの ではないため、雇用保険制度で対応することは困難です。 c 御指摘の事項について法務省としてコメントする立場にありません。 e 法務省 雇用保険法施行規則に定めれている 「就業していると認める日数が十日以 テレワーク(在宅勤務) のための、育児休業 雇用保険法における育児休業基本給付金の勘定単位を日 下であるものに限る」を「就業している 厚生労働省 と認める日数が八十時間以下である 基本給付金の支給規 から時間に変えることで、テレワークの普及を促す ものに限る」に改正 則の変更 御指摘の問題については、いずれも民間団体による独自の活動に対する意見であり、当省及び当省及び当省の所管する具 体的な規制等ではないと認識しております。 ご指摘の団体及び「創作物規制」の内容が不明確であり、対応は困難と考えております。 f 文部科学省 e 農林水産省が発注する国営土地改良事業については、電子納品要領等を定めており、これをホームページにおいて公表して います。なお、この要領等は全国で実施している国営土地改良事業を対象としていますが、地域毎に条件の異なる地方公共 団体が自らの判断でこの要領等を参考にすることは可能です。 f c 国土交通省では既に、各種電子納品要領、ガイドライン等を作成し電子納品を原則実施しているところであり、受発注者双方 において効率的な電子納品が行われるよう推進してまいりたい。 また、本年3月にとりまとめた、国土交通省CALS/ECアクションプログラム2008において、「CALS/ECの普及」を目標に掲げ 推進しているところであり、機会をとらえて地方公共団体等へも紹介し、推進してまいりたい。 関連府省等回答 農林水産省 国土交通省 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 日本ユニセフ等による インターネット上のコンテンツに対する規制強化の動きはク 規制強化を主張する団体の活動を自 架空の創作物に対す 外務省 リエータの創造活動を萎縮させる。 粛するよう指導すべき。 る規制運動 205 204 203 202 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) 官公庁が実施する公共建築物等の設計図書等の納品規定 が明確でないため、電子データの再利用が保証されていな 官公庁が実施する建設関連の電子納 い。また、要領・ガイドラインの内容に差異が生じているた 品を明確に規定し、請負者が煩雑な 官公庁が実施する建 処理を伴わない仕組みを作る。また、 め、納品する業者が対応に苦慮している。 設関連の電子納品 官公庁が積極的に電子納品を推進す るための措置を講ずる。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 208 207 何が問題か? (パブコメ現状・問題点の要約) どうすれば良いのか? (パブコメ改善提案等の要約) 御指摘の事項は当省の所管外です。 犯罪による収益の移転防止に関する法律における資金移動業者の本人確認義務については当省の所管外です。 御指摘の事項は当省の所管外です。 e e e 法務省 316 自動車継続検査(車 検)時の納税証明書 提出 自動車の継続検査(車検)時には、自動車の納税証明書の 提示が必要であるが、納税者が電子納付により自動車税を 納付しても、地方公共団体から納税証明書の発行を受けて 提示する必要があり、電子納付の推進、利用者利便性向上 の阻害要因となっている。 ご指摘の犯罪収益移転防止法上の本人確認義務については、現在は資金決済法が施行されていない段階であり、今後関係 各省と協議していく予定でございます。 各都道府県の納税システムと自動車登録検査システムを接続し、自動車税の納税状況を電子的に確認することについて、技 術的課題、費用対効果、都道府県の意向等をふまえつつ、実施の可否について検討して参ります。 f b 金融庁 国土交通省 資料3-1 33/33 c ご指摘の犯罪収益移転防止法上の本人確認義務については、現在は資金決済法が施行されていない段階であり、今後関係 各省と協議していく予定でございます。 f 警察庁 ご指摘のありました自動車税の納付記録に係る各都道府県と国とのデータの共通化については、税務情報は個人情報であ ることに鑑み、その取扱いは厳格に行う必要があり、たとえ提供先が公的機関であっても同じと考えます。 税務情報は、都道府県職員であっても、税務に携わる一部の職員のみが閲覧可能となっており、また、税務職員に対して は、地方公務員法及び地方税法において守秘義務が課せられており、情報は厳しく管理されているところです。 車検は全国どこでも受検可能であることから、仮にご提案の制度を導入した場合、都道府県単位で管理している納税情報を 全国に展開することとなり、これは情報の厳格な管理という観点から課題があるものと認識しております。また、例えばn年度 に電子納付を行い、n+1年度には金融機関の窓口において納付した場合などは、年度において納税確認の手法が異なるこ ととなり、現場の混乱を招くおそれがあります。 以上の観点から、実施は困難と考えますが、一方、納税者と行政の双方にとって、安全かつ利便性のある制度にすることに ついては、今後とも努めてまいりたいと考えております。 犯罪による収益の移転防止に関する法律における当省の所管事業者は宅地建物取引業者及び不動産特定共同事業者のみ であり、資金移動業者は金融庁が所管している事業者であるため。 e 国土交通省 納税者が自動車税を電子納付した場 合には、各都道府県と国とのデータの 共通化等により車検時の納税者によ る納税証明書の提示は不要とする検 討をお願いいたしたい。 総務省 犯罪収益移転防止法につきましては当省の所管外であり、ご提案については、所管省庁より回答すべき内容と認識しておりま す。 e 経済産業省 当省は、資金決済に関する法律に基づき資金移動業者が行う本人確認等については犯罪収益移転防止法を所管していませ ん。したがって、ご指摘の点については、犯罪収益移転防止法の主管庁及び資金決済に関する法律の所管庁において検討 がなされるものと考えます。 御指摘の事項は当省の所管外です。 e 総務省 e 犯罪収益移転防止法は、国家公安委員会及び警察庁が所管しており、ご指摘の問題は、内閣府の所管外と認識しています。 e 関連府省等回答 内閣府 関連府省 関連府省等 等回答の 分類 財務省 銀行等本人確認義務を負う特定事業 者が実施した本人確認に資金移動業 者が依拠することで本人確認義務を 果たしたこととできるよう、適宜犯罪収 益移転防止法施行令及び犯罪収益移 厚生労働省 資金決済に関する法律により、銀行以外の企業が資金移 転防止法施行規則等を改正すべき。 犯罪による収益の移 動業に参入可能となったが、収益移転防止法に資金移動業 具体的には、アカウント開設時又は取 転防止に関する法律 が追加されることにより、資金移動のアカウント開設時に本 引が一定の割合に達した時等に、既 に基づく本人確認方 人確認が義務付けられているが、同法の規定する本人確 に金融機関等の本人確認を経た口座 法の見直し 番号やクレジットカード番号による認 認方法は利用者にとって煩雑であり現実的ではない。 証を行い、資金移動業者が利用者に 農林水産省 対して確認の通知を行うことをもって、 本人確認義務が履行されたものと解 釈できるようにすべき。 意見番 規制、制度、慣行、又 号 は手続等の名称 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 パブリックコメントに対する各府省回答 備考 資料3-1 何が問題か? どうすれば良いのか? 解決方法 関連府省 等 現在、医療分野における個人 情報の取扱については、病院 病院における の種別(国立病院、大学病 個人情報保護 岡村委員1 院、自治体の病院等)毎に運 に関する制度 用が異なっており、今後にお について ける遠隔医療の確立にとって 不便。 317 資料3-2 1/8 消費者庁 遠隔医療等、医療分野におけ 医療分野における個人情報 る個人情報の取扱について、 総務省 の取扱について、病院の種別 病院の種別(国立病院、大学 (国立病院、大学病院、自治 病院、自治体の病院等)に関 体の病院等)に関わらず、統 わらず適用される個人情報保 一的な法制度を確立する。 護の特別法・個別法の制定を 検討する。 文部科学 省 厚生労働 省 e c e c a 関連府省 等回答の 分類 個人情報保護法は、その規定内容としては、官民で取り扱われる個 人情報の保護に関する基本法としての性格を有するとともに、民間部 門については多種多様な事業分野を広く対象にして個人情報の適正 な取扱いについて事業者が遵守すべき具体的な義務を定める一般 法となっている。 各事業分野によって、取り扱われる個人情報の内容や性質、利用 方法等が異なるため、医療分野という特定の事業分野における個人 情報の取扱いに関する特別法・個別法の制定の是非については、事 業分野を所管する省庁によって、事業分野の特性を踏まえ検討され るべきものである。 「個人情報の保護に関する法律」及び厚生労働省の「医療・介護関係 事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を踏 まえて国立大学附属病院長会議が作成した「国立大学附属病院にお ける個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」に基づくきめ細 やかな指導等を徹底することにより、医療分野における個人情報の 適切な保護を図ることができることから、個人情報保護の特別法・個 別法の制定は不要と考えております。 個人情報の保護に関する施策の策定と実施は地方公共団体の自治 事務であり、地方公共団体は、個人情報保護法の趣旨にのっとり、そ の地方公共団体の社会経済的諸条件、住民意識等に応じて、その地 方公共団体の個人情報保護条例を解釈・運用しているところである。 医療分野の個人情報の取扱について特別法、個別法を制定すること については、個人情報の保護に関する法律(平成15年5月30日法律 第57号)及び医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱 いのためのガイドライン(平成16年12月24日通達、平成18年4月21 日)に基づくきめ細やかな指導等を徹底することにより、医療分野に おける個人情報の適切な保護を図ることができることから、実施不要 であると考えております。 なお、上記法律及びそれに基づき策定された上記ガイドラインは、 国、地方公共団体、独立行政法人等の開設する医療機関についてそ の対象としておりませんが、それらの医療機関についても、医療・介 護分野における個人情報保護の精神は同一であることから、同ガイド ラインに十分配慮することが望ましいとして、個人情報の取扱の適正 を図っているところです。 所要の省令改正を21年度中に行う予定である。 関連府省等回答 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 自治体で保有している住居表 住居表示台帳の電子的保存 住居表示に関する法律におけ 示台帳については、法律及び を認める。 る「住居表示台帳」に関し、市 住居表示台帳 総務省見解に基づき、紙ベー 町村が電子媒体による保存を 総務省 井堀委員1 の電子化 スで保存することとなってい 行えるよう、所要の措置を講じ る。 る。 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 318 國領委員(新 戦略調査会) 税額通知書 1 電子的な税額通知書が配布 できるようにすることで、紙媒 体での配布が不要となり、企 業の負担は大幅に軽減され る。 毎年、各自治体から各企業に 対して、原本が紙媒体で送付 されており、企業はそれを仕 分けて各従業員に配布してい るので、負担が大きい。 どうすれば良いのか? 医療機関が遠隔画像診断等 のため患者の診療情報を他 の医療機関に提供しようとす る場合、病院の種別によらず 満たすべき施設及び運営上 の事項を共通化する。また、 地方自治体立の病院が他の 医療機関とオンライン結合を 行おうとする場合、自治体の 個人情報保護条例上求めら れる事務を大幅に簡素化あ るいは省略する。 何が問題か? 医療機関が遠隔画像診断等 のため患者の診療情報を他 の医療機関に提供しようとす る場合、医療機関間で個人情 報の管理規定・システムの整 備状況が異なり、それぞれの 医療機関間で個人情報の管 病院における 理レベルについての調整が必 大江委員4 個人情報保護 要。また、地方自治体立の病 に関する制度 院が他の医療機関とオンライ (追加) について ン結合を行おうとする場合、自 治体では個人情報保護条例 に基づき個人情報保護審査 会の意見を聞くことが必要とさ れていることが多く、病院が所 属する自治体ごとに個人情報 保護審査会の意見を聞く必要 があるなど、手続が煩雑。 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 c 厚生労働 省 総務省 b e 消費者庁 資料3-2 2/8 ・地方自治体から、被課税者 に直接電子的に配布できるよ うにする。 ・納税通知を電子的に渡せる 方法を確立する。(現状は公 印がついた紙ベースにより原 本性を担保) c 文部科学 省 e 関連府省 等回答の 分類 関連府省 等 医療機関が他の医療機関と オンライン結合を行う場合、レ セプトオンライン化同様、医療 機関が満たすべき要件を法定 化する。または、全病院共通 総務省 に、個人情報保護に関し施設 及び運営上満たすべき事項 のガイドライン化を図る。 解決方法 市町村から企業へ通知する、特別徴収税額決定通知書につきまし ては、エルタックス加入団体においては、平成20年1月から給与支払 報告書の電子データでの提出に併せて、特別徴収税額通知書につ いても電子データでの通知を行うことができます。 総務省としては、全地方自治体でのeLTAX導入については、(社) 地方税電子化協議会とともに、各地方公共団体に対して、eLTAXへ の加入促進、電子申告等のサービスの普及拡大に向けて取り組んで いるところであり、こうした取組を進めることにより解決が可能と考え ております。 個人情報保護法は、その規定内容としては、官民で取り扱われる個 人情報の保護に関する基本法としての性格を有するとともに、民間部 門については多種多様な事業分野を広く対象にして個人情報の適正 な取扱いについて事業者が遵守すべき具体的な義務を定める一般 法となっている。 各事業分野によって、取り扱われる個人情報の内容や性質、利用 方法等が異なるため、医療分野という特定の事業分野における個人 情報の取扱いの法定化・ガイドライン化については、事業分野を所管 する省庁によって、事業分野の特性を踏まえ検討されるべきものであ る。 平成21年3月に厚生労働省から示された「医療情報システムの安全 管理に関するガイドライン(第4版)」は、医療に関わる情報を扱うすべ ての情報システムや組織を対象としていることから、御提案の措置に ついては実施不要と考えております。 個人情報の保護に関する施策の策定と実施は地方公共団体の自治 事務であり、地方公共団体は、個人情報保護法の趣旨にのっとり、そ の地方公共団体の社会経済的諸条件、住民意識等に応じて、その地 方公共団体の個人情報保護条例を解釈・運用しているところである。 医療機関が電子的媒体により他の医療機関と情報の受渡し等を行う 際に満たすべき基準については、個人情報の保護に関する法律(平 成15年5月30日法律第57号)及びそれに基づく「医療・介護関係事業 者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(平成16 年12月24日通達、平成18年4月21日)並びに「医療情報システムの 安全管理に関するガイドライン(第4版)」(平成21年3月)により指針を 示しているところであり、御提案の措置については実施不要であると 考えております。 全ての病院に適用される個人情報の取扱に関するガイドラインを策 定することについては、前者のガイドラインは、上記法律第2条第3項 に基づき、国、地方公共団体、独立行政法人等の開設する医療機関 につき、同ガイドラインの対象外としておりますが、それらの医療機関 についても、医療・介護分野における個人情報保護の精神は同一で あることから、同ガイドラインに十分配慮することが望ましいとして、個 人情報の取扱の適正を図っているところであり、御提案の措置は実 施不要であると考えております。 関連府省等回答 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 319 國領委員(新 戦略調査会) 遠隔医療 5 高齢者の医療の確保に関す る法律で規定しているレセプ トデータ、特定健診結果の情 報の利用目的の範囲を学術 的、疫学的利用にまで拡大す る。 全国規模で集積したレセプト デ ータ 、特 定健 診( メタ ボ健 國領委員(新 全国規模での 診)結果の情報については、 戦略調査会) 健康情報の分 医療費の適正化を目的として のみ厚生労働省が調査・分析 4 析・活用 できるが、研究者による疫学 的な活用ができていない。 資料3-2 3/8 ・患者と対面する医師を遠隔 サポートする医療機関へのイ 総務省 ンセンティブ付与を実現する ・遠隔診療を対面診療の補完 という位置づけから見直すと ともに対象疾病の明示的な範 囲を拡大。 厚生労働 厚生労働省が遠隔医療技術 モデル事業等により、安全 省 による診療として認めている 性・有効性等に関するエビデ ・遠隔診療加算や各種検査の のは、7つの疾病等のみであ ンスがあると検証された遠隔 診療報酬が認められ、非遠隔 る。(D to P) 医療技術について適用範囲 医療の実施に係る経費負担 を拡大する。 に見合う診療報酬等の収入 また、遠隔画像診断等、専門 が確保されることにより、医師 医が現場の医師を支援する また、診療報酬の見直し等に の遠隔医療実施のインセン 場合、サポートする側の専門 より、遠隔サポートをする医 ティブとなり、遠隔診療の普及 医に対する報酬がない。(D to 師にインセンティブを付与す が期待。 D) る。 高齢者の医療の確保に関す る法律で規定しているレセプト データ、特定健診結果の情報 の利用目的の範囲を学術的、 厚生労働 疫学的利用にまで拡大する 省 個人情報を匿名化して個人を ・個人情報保護法第23条の 特定できないようにした情報 解釈・運用の明確化(ガイドラ 経済産業 等に関する個人情報保護法 イン策定等) 省 上の解釈を明確化すること で、匿名化された情報等が活 用できるようになり、クリエイ ティブな新市場の創出の環境 総務省 整備に寄与する。 関連府省 等 個人情報関連の法律あるい は政府の指針等で、安全な措 置(暗号化、VPN等)を施せば 免責される旨を何らかの形で 消費者庁 言及する 解決方法 民間事業者から見て、個人情 報保護法が適用される範囲 の判断がつきにくいため、匿 國領委員(新 匿名化された 名化された携帯電話のアクセ 戦略調査会) 個人の情報の ス情報、位置情報等の情報が 活用 3 十分に活用できていない。 どうすれば良いのか? パソコンに保存されている個 人データに関して高度な暗号 化などの安全管理措置を講じ ている場合は、パソコンを紛 失したとしても本人への通知 は必要としないことをガイドラ イン上、明確にすることで、テ レワークの推進等に寄与する 何が問題か? b b、c b b f d 関連府省 等回答の 分類 備考 ご指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省の 下に設置した「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の「中間とりま とめ」(平成20年7月)に基づき、総務省において実証事業を実施して いるところであり、それらの結果を踏まえて検討することを予定してお ります。 遠隔画像診断については、送信側、受診側が一体となって医療 サービスを提供しており、患者の支払いの利便性の観点から送信側 の保険医療機関において、費用を算定できることとし、受信側の保険 医療機関の費用については、医療機関相互の合議に委ねることとし ています。 ご指摘の遠隔画像診断をサポートする医療機関(受信側医療機関) も診療報酬を算定できることとすることについては、患者は一つの医 療サービスに対し、2つの医療機関に対して支払いをしなければなら なくなるため、対応は困難であると考えます。 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働大 臣の共同懇談会)の提言を踏まえて、昨年10月より実施している遠隔 医療モデル事業(全国10カ所)の成果等に基づき、対面診療の補完 とされている遠隔医療の位置づけの見直し、遠隔医療の実施可能な 範囲の拡大を検討してまいりたいと考えております。 【関連法令等】情 報通信機器を用 いた診療(いわゆ る「遠隔診療」)に ついて(平成15年 3月31日 厚生労 働省医政局長通 知) ご指摘の国で保有することとなるレセプトデータ・特定健診等データに 現在、平成23年 ついては、現在、具体的な活用ルールを検討しているところです。 度からの本格稼 働を目指し、国に おいてレセプト情 報・特定健診等情 報データベースを 構築中。 御指摘のような情報の利活用については、現在、有識者を集めた研 究会を開催し、必要な措置について検討を進めているところです。 匿名化情報については、ガイドライン改正の要否を含め、その取扱に ついて検討したい。 個人情報保護法では、個人情報の漏洩等が発生した場合における 本人への通知の義務を課しておらず、各省庁が定めるガイドラインに おいて、必要に応じて規定されているものである。 そのため、高度に暗号化されたパソコン等を紛失したとしても、本人 への通知は必要としないこととするか否かについては、事業分野ごと の特性を踏まえ、各省庁の判断によってガイドラインで規定されるも のである。 関連府省等回答 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 各種ガイドラインにおいて、個 人情報が保存されたパソコン を社外で紛失した場合、情報 高度に暗号化 國領委員(新 漏洩として本人に通知しなけ されたパソコ 戦略調査会) ればならないと規定されてい ン等の紛失時 2 るため、テレワークの推進等 の対応 の障害になっている。 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 國領委員(新 戦略調査会) 政府統計全般 7 行政の行う統計情報調査を 集約するとともに、個人情報 等にも配慮しつつ、データの 二次利用の制約を緩和する ことにより 、学術部門、民間 部門等で活用できるようにす る。 行政の行う統計調査の集約 化が十分進んでいない、ま た、データの二次利用に制限 がかかっているため、これら の貴重なデータが民間部門 等で十分に利活用されていな い。 どうすれば良いのか? 助成分の請求を医療機関等 が地方自治体へ行う現物支 給に制度を統一することによ り、患者の負担を軽減する。 さらに、医療機関等から行う 助成分の請求をレセプトと一 緒にオンライン請求を行える ようにすることで、医療機関 の負担を軽減する。 何が問題か? 地方自治体独自の医療費助 成事業(乳幼児医療費助成 等)は、患者自らが地方自治 体へ請求する償還払いと、医 療機関等が患者の代わりに 請求する現物支給の2通りの 方法がある。 國領委員(新 地方単独医療 前者の場合、患者自らが請求 戦略調査会) 費助成事業 書を作成する必要がある。 6 (地方公費) また、後者の場合、医療機関 等はレセプトオンライン請求と は別に紙の請求書を作成せ ざるを得ない場合が多いた め、医療機関はレセプトオンラ インのメリットを十分に生かす ことができない。 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 厚生労働 省 関連府省 等 320 資料3-2 4/8 e-statの充実(基幹統計以外 も対象にしたe-stat への統計 データ集約の徹底、e-stat で 集計項目を任意で選んでクロ ス集計表を作成できるデータ の対象拡大、統計分析エンジ ンの改良) センシ ティ ブ情報がほとんど 問題にならない業務統計や調 査統計については、ローデー タでの提供も可能にする。あ るいは、提供対象について、 「医療・福祉の発展に資すると 認められる場合」や「防災・事 故の防止に資すると認められ る場合」 など、ある程度公共 性の高い目的がある場合に ついても拡大し、民間企業等 であっても活用できる仕組み 総務省 にできないか ・地方自治体において独自に 行われている医療費助成事 業について、申請や請求等の 書式やデータフォーマットを標 準化し、請求業務をオンライン で行うことができるようにす る。 解決方法 d e 関連府省 等回答の 分類 以上2点の理由からご指摘の問題は解決していると考えます。 ①複数の統計調査を統合し1つの統計調査とする「経済センサス」 の創設など、既に統計調査の集約に関する取組を進めているほか、 4つの府省にまたがる生産動態統計を統合する等ことについて、去る 3月13日に閣議決定された「公的統計の整備に関する基本的な計 画」に施策として盛り込むなど、引き続き、統計調査の集約化にも取 り組むこととしていること、 ②また、4月1日に全面施行された統計法に基づき、オーダーメード 集計や匿名データ(統計調査によって集められた情報を個人や企業 が特定できない形に加工したもの)の提供に関して、学術研究目的等 に利用する民間部門も対象としたサービスの提供を開始していること ご指摘の地方単独医療費助成事業については、当省で所管する医 療保険制度外の事業であり、当省の所管する制度が改善提案の実 施を妨げているものではないと認識しております。 関連府省等回答 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 国勢調査の情報を、個人や 世帯が特定されない範囲で 個人情報を秘匿した上で開 放することにより、民間部門 での効果的な利活用、新たな サービスの市場創出が期待 される。 国勢調査の結果が、ローデー タを含めて完全に開示されて おらず、民間部門で十分利活 用されていない。 321 平成23年1月に予定されてい る、行政コストの大幅な削減 に資する、企業-職業安定所 間の「離職証明書を伴う雇用 保険被保険者資格喪失届の 國領委員(新 雇用保険被保 オンライン申請」に関し、離職 戦略調査会) 険者離職証明 者の電子署名が必要となった 場合には、実質的には十分機 10 書 能 し な い 可能 性が 懸念 され る。 c 国土交通 省 資料3-2 5/8 厚生労働 省 経済産業 省 c f c d 関連府省 等回答の 分類 総務省 関連府省 等 離職票は、離職者の受給資格の有無、所定給付日数、給付制限の 有無を確認するための書類であり、離職者の適正な受給を確保する 観点から、離職者本人による離職証明書(離職票となるもの)の記載 内容の確認は不可欠です。現在、紙の手続においては、これを担保 するものとして、離職者本人による押印を求めてるところです。 このため、電子申請の実現に当たっても、離職者本人による確認を 省略することは適当でなく、現時点においては、これを担保するものと して、いわば電子申請における押印である電子署名を求めることは有 用であると考えてるところです。 なお、今後、利用者にとっての利便性も考慮しつつ、離職者の適正な 受給を確保する観点からどのように離職者による離職証明書の確認 を担保するか検討することとしているところです。 警察庁においては、交通の安全と円滑に資する目的のもと、全国的 な交通事故の発生状況について情報を収集・分析し、公開していま すが、個々の自動車の車体番号は収集しておらず、「自動車の事故 履歴」というものは把握していないため、ご要望に応じることはできま せん。 経済産業省は、中古車販売業の活性化等を図るため、入手可能な自 動車関連情報を基に業界関係団体等と車両データベース構築の実 現可能性について将来的に検討を行う予定。ただし、データベース化 に向けては、入手可能な関連情報、業界内での車種の統一コード 化、民間企業が有する情報の提供、データベース構築・維持管理・更 新に必要なコストなど、様々な課題があると考えられるため、これらを 慎重に見極めつつ、中長期的な検討を行うべき課題と認識。 国土交通省の管理する自動車の検査登録情報は、個人を識別する 情報であり、個人情報保護に留意しながら例外として、リコール、国・ 地方自治体の公益性のある事務・事業の場合及び本人の同意があ る場合等の一定の制限を付けて利用者に提供しているところである。 したがって、ご指摘の自動車情報管理の一元化の実施については、 個人情報保護の観点から問題が多く、無制限に提供する性格のもの ではないと考えております。一方、中古車市場においてはすでに民間 機関が中心に中古車評価を適正に行っているところであるものと認 識しております。 国勢調査の集計結果については、統計法に基づきすべて公表して おり、インターネット(政府統計の総合窓口:http://www.e-stat.go.jp) や統計報告書等を通じて提供しています。 国勢調査の調査票情報については、統計法に基づき、行政機関等 に対し、統計の作成等を行うために提供をしています。 また、平成21年度当初より、一般からの委託に応じて、国勢調査の 調査票情報を用いた統計の作成(オーダーメード集計)を開始し、独 立行政法人統計センターに委託してサービスを提供しています。 (http://www.stat.go.jp/info/tokumei/index.htmを御覧ください。) これらの状況を踏まえつつ、国勢調査の匿名データを作成・提供す ることについて検討することとしています。 関連府省等回答 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 ・様々な機関が保有する、自 動車の製造、販売、登録、保 守、保険利用、日々の利用な ど諸データをDBとして一元化 し、個人情報の保護に配慮し 警察庁 た上で、いつでも、誰でも、安 価で、入手する事が出来る仕 組みを構築する。 国勢調査の情報を、個人や世 帯が特定されない範囲で個人 情報を秘匿した上で開放する (ローデータでなく、データ加 工を政府がサービス提供する 選択肢もあり) 解決方法 離職者の電子署名無しで、オ 離職者の電子署名なしでオン ンライン申請できるようにする ライン申請できるようにする。 ことで、離職証明書を伴う雇 用保険被保険者資格喪失届 のオンライン申請が円滑に運 用される。 関係機関(警察庁、国土交通 省、損害保険会社、自動車 ディーラー、独立系整備工 場、中古車販売会社等)が保 有する自動車の製造、販売、 登録、保守、保険利用、日々 の利用などの各種データを DBとして一元化して管理する ことで、利用者が確実な情報 を入手できるようになる。 どうすれば良いのか? 何が問題か? 自動車の各種履歴情報(事故 履歴、走行履歴等)が、統一 的に管理されていないため、 國領委員(新 自動車関連情 中古車市場における中古車 戦略調査会) 報の参照 の評価が適正に行われず、市 9 場が活性化していない。 國領委員(新 戦略調査会) 国勢調査 8 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 受発注書等の電子保存が認 められているにも関わら ず、 一方で、国税関係帳簿書類と しての電子保存が進まないた 國領委員(新 受発注書の電 め、実際に運用されている例 戦略調査会) 子化 が少ない。 13 國領委員(新 既存住宅市場 戦略調査会) の活性化 12 関連府省 等 ・住宅の建設、維持管理等の 情 報 を 確 実 に 保 存 ・ 蓄 積す る。 転出・転入の手続きが行われ る際に、関連する手続きの情 報全てが、前の自治体から新 しい自治体に送られ、新しい 内閣官房 自治体のなかで事務処理が 自動的に行われる。 解決方法 322 資料3-2 6/8 b b b 関連府省 等回答の 分類 現在、公表に向け参考となる回答事例などの検討を行っているとこ ろである。 公表時期は未定だが、検討終了後、できるだけ早期に国税庁ホー ムページへ掲載したいと考えている。 住宅の建設、維持管理等の情報を確実に蓄積するため、現在、市場 における当該情報の蓄積・活用に係るルールについて議論されてい るところ。 2007年度より次世代電子行政サービス基盤等検討プロジェクトチー ムにおいて議論されており、2010年度を目途に標準モデルの構築に 向けて検討しているところである。 関連府省等回答 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 ・住宅のIDの整備など、市場 国土交通 における当該情報の蓄積・活 省 用に係るルールを整備し、共 通のプラットフォームを構築す る。 電子帳簿保存法に基づ く契 制度的には電子的な情報交 約関連文書等の電子化を進 換・保存は認められているわ めることにより 、本制度の活 けで、企業の担当部門やそれ 用が期待できる。 を監督する行政部門の理解を 深めることが重要。具体的に 財務省 は、実施している企業の事例 などを、丁寧に説明する普及 活動を官民で実施する。 住宅の建設、保守等のデータ をデジタルDB化して管理する ことで、正確かつ十分な関連 情報を容易に入手できるよう になり、既存住宅市場が活性 化する。 既存住宅の品質保証をする 社会的仕組みや、情報の蓄 積が十分機能しておらず、そ のためのIT利活用が不十分。 どうすれば良いのか? 自治体間でデータ連携をする ことによって、前居住地で受 けていた行政サービスを、手 続きを行うことなく継続して受 けることができるようになる。 何が問題か? 引越しをした場合、前居住時 で申請済みの行政サービスに ついても、改めて手続きを行 國領委員(新 引越し時の各 わなければならない。 戦略調査会) 種行政手続き 11 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 323 どうすれば良いのか? 解決方法 関連府省 等 総務省 生活習慣病など慢性疾患の 継続診療患者の診療の安定 期において継続診療している 医師が診療する場合には、都 厚生労働 慢性疾患安定 市部、僻地、離島に関わら 省 期の電子メー ず、患者が希望する場合には 現在の遠隔診療は、制限が ル等による遠 医師の判断により映像を伴わ 厳しく、7種類の在宅診療患 一定の要件を満たした場合に 隔診療と処方 ない遠隔診療ができ、かつ電 者に助言・指導を行うこと以外 は、遠隔診療、電子処方箋発 せん発行の緩 子処方発行と送付ができるよ については、明確には許可さ 行の規制を緩和する。 和 うに緩和する。診療の安全を れていない (※詳細は資 確保するため、対面診療をは 料8-2参照) さまないで2回以上連続した 遠隔診療はできない、処方の 最大日数を30日以内にするな どの制限をつけるなどが考え られる。 何が問題か? 資料3-2 7/8 b c b b、c 関連府省 等回答の 分類 現在、健康情報活用基盤実証事業において、診療情報等の健康情 報を誰もが状況に応じたネットワークを介して、安全・安心にアクセス することが可能なセキュアで利便性の高いネットワーク技術の実証を 行っているところである。 ①ご指摘の紹介先医療機関に対して電子的に診療情報を提供した 場合の診療報酬上のインセンティブの付与については、それにより患 者が受ける利益が明確ではないため、実施は困難と認識しておりま す。 ②電子診療情報については、「医療情報システムの安全管理に関す るガイドライン」(第4版平成21年3月)において、指針を示しているとこ ろであり、御提案の措置の実施は不要であると考えております。 ③診療録等の外部保存については、「診療録等の保存を行う場所に ついて」(平成14年医政発0329003号厚生労働省医政局長・保険局 長連盟通知)において、現在でも一定の条件の下、診療録等の外部 保存が可能となっていることから、御提案の措置の実施は不要であ ると考えております。 ④診療報酬とは別に患者から料金を徴収することについても、診療 情報提供そのものを診療報酬上評価している場合には、一部負担金 以上のものを患者から徴収することとなり、実施は困難であると認識 しております。 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働 大臣の共同懇談会)の提言を踏まえて、昨年10月より実施している遠 隔医療モデル事業(全国10カ所)の成果等に基づき、対面診療の補 完とされている遠隔医療の位置づけの見直し、遠隔医療の実施可能 な範囲の拡大を検討してまいりたいと考えております。 ①御指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省 の下に設置した「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の「中間とり まとめ」(平成20年7月)に基づき、総務省において実証事業を実施し ているところであり、それらの結果を踏まえて検討することを予定して おります。 ②院外処方せんの電磁的記録による交付及び作成については、電 子化した処方せんの閲覧環境の整備、記述様式やコードセットの標 準化、障害時の対応、どの時点を以って交付等が成立したとするか 等についての法解釈の変更を含めた対応など、検討すべき点が数多 くあり、現状における御提案の措置の実施は困難と考えております。 なお、医療情報ネットワーク基盤検討会において、レセプトオンライン の仕組みや、現在検討中の社会保障カード(仮称)、国民電子私書箱 (仮称)を活用した運用を目指すべきであり、これらの基盤が整備され ていない中で、処方せんの電子化を認めることは全体最適や医療全 体のコスト引き下げの観点から望ましくないとの提言を受けたところで あり、今後の技術や各種施策の進展を見据えつつ、真に有益な処方 せんの電子化の実現に向けて、詳細な検討を行っていくことが必要 であると考えており、現状における御提案の措置の実施は困難であ ると考えております。 関連府省等回答 【関連法令等】情 報通信機器を用 いた診療(いわゆ る「遠隔診療」)に ついて(平成15年 3月31日 厚生労 働省医政局長通 知) 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 ①提供する電子データ形式が 標準化されている場合にもに 患者に経費を請求できるよう に変更する ②受領した電子診療情報の 紹介先医療機関における診 療記録上の位置づけを明確 紹介先医療機 医療画像データのCD等を解 にし、その保存義務の有無と 厚生労働 関に対する電 した提供に関し、標準化形式 省 紹介先医療機関に対する電 記録指針を明確にする 子媒体による になっていないため容易に利 子媒体による診療情報(医療 ③受領したデータを保管する 診療情報(医 用できなかったり、受け渡す 場合にも、外部機関への保管 大江委員2 画像を含む)の提供につい 療画像を含 データが膨大になり必要とな を可能とする て、制度面での支援を講じ む)の提供 る情報に容易にたどりつけな ④標準的な記録形式で受領し る。 (※詳細は資 いなど、受領側の医療機関に た電子診療情報を診療に活 料8-2参照) とって負担となっている。 用した場合や、診療に再利用 できる形で自機関で電子的に 保存した場合には、診療報酬 上のインセンティブを付与する かまたは別に料金を設定して 総務省 患者から徴収することが可能 とする 大江委員1 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 輸出入・港湾 関連手続きシ ステ ム(次世 中条委員6 代シングル ウィンドウ) の 利便性向上及 び利用促進 電子政府・電 高橋委員1 子自治体の推 井堀委員2 進 提示委員 規制、制度、 慣行、又は手 続等の名称 324 関連府省 等 財務省 ●電子政府の推進を通じて国 民がデジタルの恩恵を受けら れるようにするためには、脱 書面、脱対面、かつセキュリ ティーとプライバシーに対して 十分配慮しつつ、本人認証 や、IDの問題等について、個 人が選択するに足りる柔軟 性、拡張性のある選択肢をき ちんと出すべく検討を進める。 (高橋委員) ●行政手続きにおける本人確 内閣官房 認、事実確認、資格要件の確 認、その方法としての添付書 類、面談、届出書の提出の方 法について、類型化し、その 必要性を検討するとともに、 改善の可能性を検討し整理す る。(井堀委員) 解決方法 資料3-2 8/8 国土交通 省 法務省 申請情報における反復申請 回避、反復 利用等業務プロ セスの改善、及びアセア ン・ 様式の統一化、 手続の簡素 シングルウィンドウを始めとす 化について見直しを行う。 る各国 の通関ネットワークシ 厚生労働 ステムとの連携強化を図る。 省 電子政府・電子自治体の着 実な推進のため、本人確認 の方法等について検討を行 う。 国民がデジタル技術の恩恵を 受けられるようにするために は、電子政府・電子自治体の 推進が不可欠 港湾・通関・検疫等の関係機 関毎に異な る書式が存在し、 また国際システムとの互 換性 がないため、利用が促進され ていな い。 どうすれば良いのか? 何が問題か? a b 関連府省 等回答の 分類 書式の統一化については、港湾管理者・港長・税関・入国管理局で 書式が異なっていた入出港届について、平成17年9月の「国際海上 交通簡易化条約」(FAL条約)の締結に併せて、法律等を改正し、平成 17年11月より様式を統一するなど、各官庁統一申請様式の採用を 図っており、現在では関係機関毎に異なる様式は存在しない。 業務プロセスの改善に関しては、政府全体での取り組みとして策定 された「貿易手続改革プログラム」に基づき、手続の電子申請につい て、利用者コード、申請画面及び入力方法の統一や、相談など各種 窓口の一本化を実現した新たなシングルウィンドウを平成20年10月 に実現するなど、申請情報における反復申請回避、反復利用等業務 プロセスの改善を図っている。今後も引き続き、平成22年2月に空港 の入出港手続のシングルウィンドウ化を行うこととするなど見直しを行 うこととされており、関係者にとって全体最適となる業務プロセスの実 現を図ることとしている。 また、国際的なシステム連携について、平成17年12月のASEAN首 脳会合における合意文書において、アセアン・シングルウィンドウが 完成するとされている平成24年にも、日本のシングルウィンドウとアセ アン・シングルウィンドウが相互に接続された状態となるよう、その実 現に取り組むとともに、米国、EU、韓国、中国等、アセアン以外の 国々とのシステム連携にも取り組むこととしている。 今年度中に予定している国民電子私書箱(仮称)の実現に向けた基 本構想を取りまとめるに当たっては、国民電子私書箱(仮称)を国民 や企業等に重複なく提供する仕組みや、情報の機微性に応じたアク セス手段の技術的方式について複数の方式を選択可能とすることな どについて検討することとしており、その中で個人・企業IDや本人認 証の在り方についても検討を行ってまいりたい。 関連府省等回答 備考 a:改善提案を実施予定、 b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、 d:事実誤認、 e:所管外、 f:その他 委員意見に対する各府省回答 資料3-2 325 厚生労働省 (1)厚生労働省通達(健政発第1075号・医政発第 0331020号)「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠 隔診療」)について」 ① 別表に示された7類型の疾病以外の疾病に関する遠 ・國領委員(新戦略調査会)5 隔診療は、2 留意事項(3)イ「別表に掲げる遠隔診療 ・パブコメ1 など」の「など」に含まれますか。 ・パブコメ122 ② 2(3)イで遠隔診療が認められる場合として、それぞ ・パブコメ152 れの疾病をもつ患者に対し「テレビ電話等情報通信機器 ・パブコメ171 を通して」「観察を行い」とあるが、電子メールにより必要 な観察を行った場合は認められるますか。 ③ 2(3)イで遠隔診療が認められる場合として、「継続 的助言・指導を行うこと」とあるが、「助言・指導」を踏ま えた診療行為の中に医薬品の処方は含まれますか。 2-4 資料3-3 1/4 厚生労働省 総務省 2-3 2-2 総務省 回答対象府省 保険者が保有する特定健診結果又はレセプトデータ は、匿名化した後であれば外部提供は可能であるが、 過去の履歴とひも付け可能な形での匿名化が認めらる ・國領委員(新戦略調査会)4 かが明らかではない等の理由により実態的に研究利用 ・パブコメ169 は進んでいない。保険者が保有するこれらの情報に関 し、個人情報としての取り扱いを要さないための匿名化 の判断基準を保険者に対して提示すべきではないでしょ うか。 地方自治体→企業→個人への送付に関しては、地方 自治法321条の4第2項において、渡すことのみが定め られており、公印や紙ベースでの配布を規定していない との理解で良いでしょうか。 ・國領委員(新戦略調査会)1 また、上記が正しい場合において、自治体では、引き 続き紙ベースでの運用を規定しているところもあるようで すが、これらの規定の根拠等をご存知の場合は、ご教 示願います。(通達、ガイドライン、自治体が参考として いるマニュアル、図書等が存在するのか否か等。) 所要の省令改正の概要をご教示下さい。 井堀委員1 追加質問 2-1 追加質問番号 関連するパブコメ、委員意見 回答 診療は、直接の対面診療が原則ですが、直接の対面診療による場合と同等では ないにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得 られる場合には、別表に示された疾病以外の疾病について遠隔診療を行うこと、 電子メールによる遠隔診療を行うこと、医薬品の処方を遠隔医療により行うこと が、直ちに医師法第20条に抵触するものではありません。 「過去の履歴とひも付け可能な形での匿名化」とはどのような加工方法を想定さ れているのかが不明ですが、健康保険組合等における個人情報の適切な取扱い のためのガイドラインにおいては、健康保険組合等に対し、特定の個人を識別する ことができないよう匿名化されたものは個人情報保護法の規制の対象となる個人 情報に該当しないこと、当該個人と関わりのない符号又は番号を付すことを匿名化 の手法の一つとして周知しているところです。 地方税法第321条の4第1項において、市町村は、給与所得に係る特別徴収税額 を特別徴収義務者及びこれを経由して納税者に通知しなければならないとされて いる。 地方税法第43条においては、市町村が道府県民税の賦課徴収に用いる納税通知 書、納期限変更通知書、特別徴収義務者及び特別徴収に係る納税義務者に公布 する特別徴収の方法によって徴収する旨の通知書、督促状その他の文書は、市 町村民税の賦課徴収に用いるそれらの文書と併せて、地方税法施行規則第2条に 規定する様式に準じて作成するものとされているが、ご質問の特別徴収税額決定 通知書は、この場合の「特別徴収義務者及び特別徴収に係る納税義務者に交付 する特別徴収の方法によって徴収する旨の通知書」にあたり、文書によって通知さ れるもの。 また、地方税法施行規則第2条では、「特別徴収義務者及び特別徴収に係る納税 義務者に交付する特別徴収の方法によって徴収する旨の通知書」は、第3号様式 (別表)によるものとされており、同様式には、押印欄も規定されている。 総務省関係法令に係る行政手続等における情 報通信の技術の利用に関する法律施行規則の別表に住居表示に関する法律第9 条第1項の規定を追加することとする。 各委員からの追加質問に対する各府省回答 資料3-3 326 2-6追加 2-6 2-5 追加質問 資料3-3 2/4 厚生労働省 紹介先医療機関において、紹介元医療機関から払い出 された患者の診療情報の保存義務がないと仮定して、 患者が紹介先医療機関において電子的に提供されたこ れらの診療情報を保存することを希望する場合に、「療 養の給付に直接関係ないサービス」のひとつとして、紹 介先医療機関が同診療情報を預かることについて、保 険外料金を設定して患者から料金徴収を行って差し支 えありませんか。 同上 厚生労働省 厚生労働省 回答対象府省 紹介元医療機関が電子的媒体により患者の診療情報 を提供し、(患者経由で)紹介先医療機関が受領した場 合、その診療情報について紹介先医療機関における診 ・國領委員(新戦略調査会)5 療記録(医師法第24条に基づく「診療録」又は医療法第 ・パブコメ1 21条に基づく「診療に関する諸記録」)としての保存義務 ・パブコメ122 はありますか。(紹介元医療機関には、同じ診療情報に ・パブコメ152 ついて診療記録としての保存義務があると認識。)具体 ・パブコメ171 的には、紹介元医療機関が作成し紹介先医療機関が受 領した患者の診療情報は、上記「診療録」又は「診療に 関する諸記録」に該当しますか。 (2)厚生労働省通達(保医発第0305001号)「診療報酬 の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項につい て」 第一部 初・再診料 第二節 再診料 A001 再診料 ・國領委員(新戦略調査会)5 (5)電話等による再診 イ に基づいて、視聴覚障害者 ・パブコメ1 以外の患者の患者からファクシミリ又は電子メール等に ・パブコメ122 より間接的に治療上の意見を求められた場合に、当該 ・パブコメ152 患者に対し必要な指示をしたときは、再診料は算定でき ・パブコメ171 ますか。(電話、テレビ画像等を通した再診については、 「聴覚障害者以外の患者に係る再診については、ファク シミリ又は電子メール等によるものは含まない。」として、 ファクシミリ又は電子メール等が除外されている。) 追加質問番号 関連するパブコメ、委員意見 回答 保険医療機関の遵守すべき療養担当規則においては、第9条において、「保険医 療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の 日から3年間保存しなければならない。」と規定しており、他医療機関からの紹介 状もしくはそこに記載されている情報は、療養の給付に関する書類その他の記録 に該当するものである。従って、保険医療機関であれば、当該情報の保存につい て患者から別途料金徴収を行ってはならない。 患者の紹介を受けた病院が、紹介元の医療機関より、医療法第21条第1項第9号 の規定する診療に関する諸記録に該当する記録の提供を受けた場合について は、同条の適用により、当該記録を保存する義務を負うことになります。なお、患者 の紹介を受けた診療所が、紹介元の医療機関より、上記の記録の提供を受けた 場合、及び患者の紹介を受けた医療機関が、紹介元の医療機関より、上記の記録 以外の記録の提供を受けた場合については、提供を受けた記録を保存する義務 を負うことにはなりません。 診療は、直接の対面診療が原則ですが、例外的に、電話やテレビ画像等のより 対面診療に近い媒体を通した再診により患者の状態等を適切に把握し治療上適 切な指示をした場合に限り、再診料の算定を可能としています。しかし、聴覚障害 者の場合には電話での再診は不可能であるため、更なる例外として、ファクシミリ や電子メール等による再診についても再診料の算定を認めているところです。 このようにファクシミリや電子メール等による再診料の算定は極めて例外的に認 められているものであり、聴覚障害者以外の患者に対するファクシミリや電子メー ル等による再診の場合には、再診料の算定はできません。 各委員からの追加質問に対する各府省回答 資料3-3 2-8 2-7 ・國領委員(新戦略調査会)1 3 ・パブコメ125 ・パブコメ141 ・パブコメ143 ・パブコメ184 ・國領委員(新戦略調査会) 7、8 追加質問番号 関連するパブコメ、委員意見 327 資料3-3 3/4 財務省 総務省 (1) e-statに移行されていない各省の統計数値につい ても、PDFでしか公開していないものや刊行物しか作成 していないもの等があるが、加工可能な形で開放を進め るべきではないか。 (2) 新統計法で二次利用の促進に向けた条文が盛り込 まれており、「民間部門も対象」とされているものの、審 査によりNGとなることが多く、一部の学者(特に国立)が 有利に入手できるという実態がある。是正すべきではな いか。 (3) オーダーメイド集計については委託申請者に制限 がある上、有料でありハードルが高い。ローデータがあ れば自分たちでできることに対し対価を払うことになり不 合理。米国等に倣いローデータの開放を進めるべきで はないか。 税務署長の事前承認については、承認基準が明確でな く属人的に承認されていないか。承認基準を明確にする べきではないか。 また、裁定に不満がある納税者はどのような対応が可 能なのか。 回答対象府省 追加質問 回答 ①税務署長の事前承認を得ることとしているのは、保存要件を満たしていること等 を確認するためであり、当該要件については法令上明確に規定されているところ。 しかし、納税者にとって、より承認基準が明確になるように、現在、参考となる事例 等を公表することを検討しているところである。公表時期は未定であるが、検討終 了後、できるだけ早期に国税庁ホームページに掲載したいと考えている。 ② 税務署長が行った却下に不服があるときは、却下通知書を受けた日の翌日か ら起算して2月以内に所轄税務署長に対して異議申立てをすることができる。 なお、異議申立てをしないで、審査請求をすることについて正当な理由があると きは、却下通知書を受けた日の翌日から起算して2月以内に国税不服審判所長に 対して審査請求をすることができる。 (3)について 匿名データは、調査票情報を特定の個人・法人が識別できないように加工した情 報であり、この匿名データについては、前述のとおり、学術研究目的、高等教育目 的であれば提供を行っています。 一方、統計調査については、調査対象の方の統計調査に対する信頼を確保し、統 計調査に適切に回答いただき正しい統計を作成するため、統計法によって守秘義 務や法の定めた利用範囲以外の利用の禁止等の一定の制限も設けており、無制 限の調査票情報の開放は、統計制度に対する国民の信頼を崩壊させ、信頼に基 づく国民の調査協力が得られなくなる恐れがあるものと考えています。 (2)について 新統計法で新たに制度化された委託による統計の作成等(法第34条)、匿名 データの作成・提供(法第35条、36条)は、学術研究目的、高等教育目的であれば サービスを提供するものであり、ご指摘は当たらないものと考えています。 (1)について 「統計調査等業務の業務・システム最適化計画(平成18年3月31日 各府省情報 化統括責任者(CIO)連絡会議決定)」では、①各府省は、平成20年度から、所管 の統計について、公表する統計表を表計算ソフト(Excel等)で利用可能な形式によ り作成し、統計表管理システム(e-Stat)からの提供をするものとすること、②各府省 のホームページにおいて提供する統計表については、平成21年度末までに統計 表管理システム(e-Stat)からの提供に移行するものとすることとされている。 平成20年度統計調査等業務の業務・システム最適化実施評価報告書(平成21年 8月31日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)の評価に基づき、引き 続き、表計算ソフトで利用可能な形式による統計表の電子的提供について推進し ているところ。 各委員からの追加質問に対する各府省回答 資料3-3 ・パブコメ144 ・パブコメ130 2-10 2-11 ・パブコメ110 2-9 追加質問番号 関連するパブコメ、委員意見 328 国土交通省 資料3-3 4/4 建築基準法施行規則第1条の3第1項第1号に定める「当 該図書の設計者の記名及び押印」を電子的に実施しよ うとする場合、「建築士向け公開鍵認証基盤」等により、 当該電子署名に建築士であることの属性を付す必要は なく、一般的な認証局を通じた電子認証により対応する ことで十分との理解でよろしいでしょうか。 貴見のとおり。 許可申請書類の統一化は実際にどの程度進んでいる のかご教示下さい。 環境省 廃棄物処理法上、許可申請には許可申請書及び添付書類が必要です。申請書 は環境省令でその様式が定められており、ほとんどの自治体で省令で定める様式 が使用されています。一方、添付書類については、省令等では様式が定められて おらず、自治体によっては、法定の書類に加えて別の書類を求めている場合があ るなど、統一化が進んでいない状況にあります。 こういった自治体の独自規制については、各自治体の裁量の範囲内と言えるも のもありますが、環境省としても、「「規制改革・民間開放推進三か年計画」(平成 17年3月25日閣議決定)において平成17年度中に講ずることとされた措置(廃棄物 処理法の適用関係)について」(平成18年3月31日付け環境省大臣官房廃棄物・リ サイクル対策部産業廃棄物課長から各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部 (局)長あて通知)において、添付書類について、標準の様式を示したほか、全国都 道府県及び政令指定都市等環境担当部局長会議等においても、各地方自治体に 対し、標準様式への統一を図るよう周知しています。 回答 道路台帳を電子化するかどうかは自治事務の範囲であり、国土交通省としてご指 摘の根拠については把握していない。 回答対象府省 道路法及び測量法上、道路台帳の電子化を阻む規定 は存在しないとのことであるが、一方で自治体によって は、管理規程等において紙ベースでの保存を義務付け ているケースもある模様。これらの規程等の根拠をご存 国土交通省 知の場合は、ご教示いただきたい。(通達、ガイドライン、 自治体が参考としているマニュアル、図書等が存在する のか否か等。) 追加質問 各委員からの追加質問に対する各府省回答 資料3-3 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 活動報告 資料編 資料4 重点点検の対象とすべきテーマの 絞込みに関する考え方 329 既存住宅の品質保証をする社会的仕組みや、情報の蓄積が十分機能 住宅の建設、保守等のデータをデジタルDB化して管理することで、正 ・新戦略調査会12 しておらず、そのためのIT利活用が不十分。 確かつ十分な関連情報を容易に入手できるようになり、既存住宅市場 が活性化する。 330 平成23年1月に予定されている、行政コストの大幅な削減に資する、企 離職者の電子署名無しで、オンライン申請できるようにすることで、離 ・國領委員「社会保険関係」 業-職業安定所間の「離職証明書を伴う雇用保険被保険者資格喪失届 職証明書を伴う雇用保険被保険者資格喪失届のオンライン申請が円 ・新戦略調査会10 のオンライン申請」に関し、離職者の電子署名が必要となった場合に 滑に運用される。 は、実質的には十分機能しない可能性が懸念される。 雇用保険被保険者離職証明書 資料4-1 1/4 育休取得者・事業主・職業安定所が参照できるワークフロー管理シス ・國領委員「育児関係」 テムをインターネット上に構築し、育休プラットフォームとして活用する。 ・パブコメ39 この際、手続きに必要となる添付書類等については、電子化対応す る。 引越しをした場合、前居住時で申請済みの行政サービスについても、 自治体間でデータ連携をすることによって、前居住地で受けていた行 ・新戦略調査会11 改めて手続きを行わなければならない。 政サービスを、手続きを行うことなく継続して受けることができるように なる。 引越し時の各種行政手続き 育児休業の取得手続及び育休給 育児休業の取得開始時および取得中(2 か月ごと),書類を育休取得 付金の給付申請手続 者・事業主・公共職業安定所の間でやり取りしなければならない。ま た,保育所における保育の実施が行われないなどの理由により育休を 7 延長する場合も,同様の手続が必要となるほか,保育所入所不承諾通 知などの添付書類が必要となる。 6 5 4 国民がデジタル技術の恩恵を受けられるようにするためには、電子政 電子政府の推進を通じて国民がデジタルの恩恵を受けられるようにす ・高橋委員1 府・電子自治体の推進が不可欠 るためには、脱書面、脱対面、かつセキュリティーとプライバシーに対し ・井堀委員2 て十分配慮しつつ、本人認証やIDの問題等について、個人が選択する ・松本委員 に足りる柔軟性、拡張性のある選択肢をきちんと出すべく検討を進め ・パブコメ12 る。 ・パブコメ16 ・パブコメ38 ・パブコメ170 電子政府・電子自治体の推進 ・國領委員「各種図面・地図情報関 係」 ・パブコメ110 ・パブコメ144 ・パブコメ199 ・パブコメ202 既存住宅市場の活性化 図面類等の納品について電子化を促進するため、図面類等データの 電子化におけるガイドラインを早期に取りまとめ、これに従ったデータ 作成、管理を行うようにする。将来的には、全てのデータを電子化とす ることを前提とし、保存図書や納品図書等の電子化を義務づける。 現在、道路台帳や建築関係の図面類等のデータについては、納品規 定等が明確でないなどの理由により、紙媒体で作成し、管理・運用され ているケースやがあり、データの修正等が煩雑。このため、行政側に とってデータの管理コストがかかるだけでなく、設計・請負業者等にとっ ても従来のデータを利活用できず作業効率が悪いものとなっている。 ・井堀委員1 関連する意見等 公共事業に関わる道路台帳や建 築関係の図面類等の電子化 どうすれば良いのか? 自治体で保有している住居表示台帳については、法律及び総務省見 「住居表示に関する法律」における「住居表示台帳」に関し、市町村が 解に基づき、紙ベースで保存しているため、多大な行政コストが発生し 電子媒体による保存を行えるよう、所要の措置を講じる。 ている。 何が問題か? 住居表示台帳の電子化 Ⅱ.行政内のデータ連携 3 2 1 Ⅰ.行政情報の電子化 対象テーマ デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 重点点検の対象候補テーマリスト 資料4-1 特定原産地証明書の電子発給に ついて 既存のFTA/EPAにおける第三者証明制度において、特定原産地証 明書の請求手続は電子化されているものの、証明書自体はいまだ紙 で発給されている。 331 廃棄物処理法の許可手続に係る全国的な情報システムを構築し、民 ・中条委員7(追加) 間事業者がインターネットの活用により、複数の地方公共団体に対して ・パブコメ130 申請手続を一括して行うことができるようになれば(ワンストップサービ スの実現)、民間事業者にとって使い勝手がよくなり、事務負担の大き な軽減につながる。 薬事法及び厚生労働省令により、一般用医薬品は「対面販売」が原則 消費者の利便性と安全の確保を図った上で、第3類以外の一般用医薬 ・中条委員2 とされ、インターネットを含む郵便販売にはリスクが比較的低い「第3類 品についても広く通信販売が可能となるような提供法を検討し、薬事法 ・パブコメ124 医薬品」に限定された。これにより、それまでインターネットで購入して 施行規則を再改正する。 ・パブコメ162 いた利用者の利便性が低下するとともに、販売側の経営にも大きな影 ・パブコメ185 響を与えている。 産業廃棄物処理業ならびに産業廃棄物処理施設の許可申請にあたっ ては、当該業を行おうとする区域ならびに当該施設を有する区域を所 管する都道府県知事、政令で定める市の長の許可を個々に取得する 必要があり、膨大な事務処理が必要とされている。 資料4-1 2/4 医療機関間での電子媒体による診 患者の紹介の場合、医療画像データのフォーマットが標準化されてお 医療機関の診療情報受入に関し、標準化形式で診療情報が払い出さ ・大江委員2 療情報の提供 らず、受け取りに関する費用徴収が困難等の理由により、健康情報受 れた場合のみ医療機関において患者から費用徴収を認めるとともに、 ・中条委員3 領側の医療機関にとって負担となっている。 標準化されていない診療情報を医療機関が受領する場合には、患者 ・新戦略調査会5 15 からの手数料収入を認める等のインセンティブを措置する。 慢性疾患安定期の電子メール等に 現在の遠隔診療は、制限が厳しく、7種類の在宅診療患者に対し画像 生活習慣病など慢性疾患の継続診療患者の安定期において継続診療 ・大江委員1 よる遠隔診療と処方せんの遠隔交 伝送手段を利用して助言・指導を行うこと以外については、明確には許 している医者が診療する場合には、都市部、僻地、離島に関わらず、 ・中條委員3 付 可されていない。また、処方せんを発行してよいかについても明示され 慢性疾患安定期の患者について、患者が希望する場合には医師の判 ・新戦略調査会5 ていない。 断により電子メール等による遠隔診療を認めるよう制度を緩和し、かつ ・パブコメ1 14 また現状では、処方せんを対面かつ紙で交付することとされており、診 電送等により遠隔地に紙の処方せんの送付を可能とする。 ・パブコメ122 療が遠隔で認められるようになっても処方ができるようになっていな ・パブコメ152 い。 ・パブコメ171 13 一般用医薬品のインターネット販 売 Ⅳ.医療分野でのデジタル利活用 12 廃棄物処理法上の行政手続き及 び書類の電子化 ・國領委員「輸出入関係手続き」 ・中条委員5 ・パブコメ131 ・パブコメ174 申請情報における反復申請回避、反復利用等業務プロセスの改善、 ・中条委員6 及びアセアン・シングルウィンドウを始めとする各国の通関ネットワーク システムとの連携強化を図っていくために、様式の統一化、手続の簡 素化について見直すべき 原産地証明書を電子発給できるようにする。 企業内では帳簿や文書等の電子化が進んでいるにも関わらず、国税 国税関係帳簿書類の電子的保存に係る承認要件についての見直し、 ・新戦略調査会13 関係帳簿書類の電子的保存が認められるための事前承認に係る具体 ガイドラインの作成による当該要件の明確化等を行う。 ・國領委員「電子帳簿保存法」 的要件が不明確であったり、当該要件を満たすための企業側の負担 ・パブコメ125 が大きいこと等から、紙での保管を余儀なくされるなど、電子的な利用 ・パブコメ141 が進んでいない。 ・パブコメ143 ・パブコメ184 国税関係帳簿書類の電子化 関連する意見等 毎年、各自治体から各企業に対して、原本が紙媒体で送付されてお 電子的な税額通知書が配布できるようにすることで、紙媒体での配布 ・國領委員「税関系」 り、企業はそれを仕分けて各従業員に配布しているので、負担が大き が不要となり、企業の負担は大幅に軽減される。 ・新戦略調査会1 い。 どうすれば良いのか? 税額通知書 何が問題か? 輸出入・港湾関連手続きシステム 港湾・通関・検疫等の関係機関毎に異なる書式が存在し、また国際シ (次世代シングルウィンドウ)の利 ステムとの互換性がないため、利用が促進されていない。 11 便性向上及び利用促進 10 9 8 Ⅲ.行政手続き等の簡素化 対象テーマ デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 重点点検の対象候補テーマリスト 資料4-1 対象テーマ 332 国土交通省の自動車登録検査情報(MOTAS情報)、軽自動車検査情 報は、情報が限定的で利用料金が高額。 自動車の各種履歴情報(事故履歴、走行履歴等)が、統一的に管理さ れていないため、中古車市場における中古車の評価が適正に行われ ず、市場が活性化していない。 自動車関連情報の参照 医療分野における個人情報の取扱について、病院の種別(国立病院、 ・岡村委員1 大学病院、自治体の病院等)に関わらず適用される個人情報保護の特 ・大江委員4(追加) 別法・個別法の制定を検討する。 また、診療及び研究目的等一定の要件を満たすことを前提に、レセプト オンライン化同様、他の医療機関に対しオンラインを含めた診療情報 の外部提供を法定化することを検討する。 関係機関(警察庁、国土交通省、損害保険会社、自動車ディーラー、 ・國領委員「自動車関係」 独立系整備工場、中古車販売会社等)が保有する自動車の製造、販 ・新戦略調査会9 売、登録、保守、保険利用、日々の利用などの各種データをDBとして ・パブコメ118 一元化して管理し、利用料金を抑えることで、利用者が必要な情報を 入手できるようになる。 個人情報等にも配慮しつつ、データの二次利用の制約を緩和することに より、学術部門、民間部門等で活用できるようにする。特に、国勢調査の ・國領委員「国が所有する情報の公 情報を、個人や世帯が特定されない範囲で個人情報を秘匿した上で開放 開」 する(ローデータでなく、データ加工を政府がサービス提供する選択肢も ・新戦略調査会7、8 あり)。 資料4-1 3/4 個人データの漏えい事案が発生し 個人データに関する事故が発生した場合、個人データの漏洩を防止す 個人データの漏洩を防止する特定の技術的措置を講じている中で発 ・國領委員「個人情報保護法等の た場合に本人への通知が省略でき る技術的措置を講じている中で発生した事故についてまで、本人への 生した事故について、報告などを省略する。また、本人への通知等を省 運用ルールの明確化」 るケースの明確化 通知、公表、および主務大臣への報告が義務付けられている。 略しうる判断基準のひとつとして、「高度な暗号化処理等が施されてい ・新戦略調査会2 特に、金融機関における個人情報保護の場合、例外とされている「高 る場合等」の技術的措置の内容を具体化・明確化する。 ・パブコメ154 21 度な暗号化処理等」の基準が明確になっておらず、実質的には本人へ ・パブコメ183 の通知を省略することは困難となっている。 20 病院における個人情報保護条例 等の適用について 現在、医療分野における個人情報の取扱については、病院の種別(国 立病院、大学病院、自治体の病院等)毎に運用が異なっており、不便。 また、医療機関が遠隔画像診断等のため患者の診療情報を他の医療 機関に提供しようとする場合、医療機関間で個人情報の管理規定・シ ステムの整備状況が異なり、それぞれの医療機関間で個人情報の管 理レベルについての調整が必要。また、地方自治体立の病院が他の 医療機関とオンライン結合を行おうとする場合、病院が所属する自治 体ごとに個人情報保護条例に基づき個人情報審査会の意見を聞く必 要があるなど、手続が煩雑。 行政機関の長が実施する統計調査のデータの二次利用に制限がか かっているため、これらの貴重なデータが民間部門等で十分に利活用 されていない。特に、国勢調査の結果が、ローデータを含めて完全に 開示されておらず、民間部門で十分利活用されていない。 政府統計全般、国勢調査のデータ の活用 民間事業者から見て、個人情報保護法が適用される範囲の判断がつ 個人情報を匿名化して個人を特定できないようにした情報等に関する ・國領委員「個人情報保護法等の きにくいため、匿名化された携帯電話のアクセス情報、位置情報等の 個人情報保護法上の解釈を明確化することで、匿名化された情報等が 運用ルールの明確化」 情報が十分に活用できていない。 活用できるようになり、クリエイティブな新市場の創出の環境整備に寄 ・新戦略調査会3 与する。 ・パブコメ155 ・國領委員「医療関係」 ・大江委員資料3 ・新戦略調査会4 ・パブコメ169 関連する意見等 匿名化された個人の情報の活用 Ⅵ.個人情報保護 19 18 17 16 臨床研究を目的とした場合は、医療機関等での公示通知により患者同 意を得たと見なし、患者のカルテ情報等の利活用及び情報提供を可能 とする等、健康情報の疫学的活用に関する規制を緩和する。また、高 齢者の医療の確保に関する法律に基づき収集しているレセプトデー タ、特定検診結果の情報について、健康概要情報や死亡日付等の疫 学的研究の観点から有用な情報を併せてデータベース化することを認 める。 どうすれば良いのか? 健康情報の疫学的活用において都度患者の同意が必要となる等の制 約があり、十分活用されていない。一方、全国規模で集積したレセプト データ、特定健診結果の情報の活用が期待されているが、現状、健康 概要情報や死亡日付など、研究用途で有用な情報を統合的に扱うこと とはされていない上に、医療費の適正化を目的としてのみ厚生労働省 が調査・分析できるものであり、研究者による疫学的な活用ができてい ない。 何が問題か? 患者の医療情報の利活用に関す る規制の緩和 Ⅴ.既存情報の利活用 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 重点点検の対象候補テーマリスト 資料4-1 対象テーマ 24 23 どうすれば良いのか? 関連する意見等 公職選挙法では、文書図画を使った選挙活動が包括的に禁止されて おり、ビラ、葉書等の一部の手法が限定された態様で認められている に過ぎない。このため、立候補者が有権者に対してインターネットを用 いて情報を発信することはできないとともに、有権者がインターネットを 利用して立候補者に関する情報を収集することもできない。 選挙・政治活動 ・國領委員「選挙・政治活動」 ・パブコメ25 ・パブコメ160 ・パブコメ187 ・國領委員(追加) ・パブコメ11番 333 資料4-1 4/4 新戦略調査会:「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」6月30日会議資料5 國領委員:第一回会議資料8-1 他 大江委員:第一回会議資料8-2 他 中条委員:第一回会議資料8-3 他 その他委員:第一回会議及びその後の提案事項 公職選挙法第142条以下を改正して、選挙期間中の立候補者のイン ターネットを利用した情報発信を適法とし、インターネットを利用した選 挙活動を解禁する。これにより、立候補者は、ビラ配布・葉書送付のよ うな費用のかさむ手段を利用することなく、自らの政策や政治信条を有 権者に対して広くアピールできる。 国、地方とも、行政機関の動きが年度区切りの予算に縛られており、IT 年度途中でも迅速かつ的確な決裁により支出を可能とする制度にす インフラの整備、セキュリティ対応等に対して素早い行動が十分に取れ る。 ていない。 電子化に対応した著作権関係の法制度整備の遅れは、当該分野の産 デジタル時代に対応した著作権のあり方を検討すべく、フェアユース条 ・國領委員「著作権関係」 業の育成の遅れや国際競争力の低下につながる。 項の導入の可能性等を検討する。 ・パブコメ21 何が問題か? 各種予算制度について Ⅷ.その他 22 著作権関係(フェアユース) Ⅶ.著作権 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 重点点検の対象候補テーマリスト 資料4-1 資料4-2 1-1 番号 テーマ 関連する意見 01 の提案者等 井堀委員1 住居表示台帳の電子化 1.何が問題か? 自治体で保有している住居表示台帳については、 「住居表示に関する法律」において定められている が、現行法及び総務省見解によれば、紙ベースで保存しなければならないとされており、多大な行政 コストが生じている。 2.どうすれば良いのか? 「住居表示に関する法律」における「住居表示台帳」に関し、市町村が電子媒体による保存を行える よう、所要の措置を講じる。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 住居表示台帳の電子化により、事務作業の効率化等が図られ、行政コストが軽減する。 ②他の規制等への波及効果、影響等 住居表示台帳の電子的保存を可能とすることにより、現在紙媒体で保存している他の台帳についても、 その電子化を進める上での先例となり、波及効果が高い。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 住居表示に関する法律第 9 条(総務省) ・ 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(総務省) ・ 総務省関係法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則(総務省) ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 井堀委員1 (改善提案) 住居表示に関する法律における「住居表示台帳」に関し、市町村が電子媒体による保 存を行えるよう、所要の措置を講じる。 関 係 府 省 回 答 a:改善提案を実施予定 -総務省 所要の省令改正を 21 年度中に行う予定である。 (総務省関係法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律施 行規則の別表に住居表示に関する法律第9条第1項の規定を追加することとする。) 334 資料4-2 2-1 ・ 國領委員「各種図面・地図情報関係」 番号 02 関連する意見 の提案者等 ・ パブコメ110 ・ パブコメ144 ・ パブコメ199 ・ パブコメ202 テーマ 公共事業に関わる道路台帳や建築関係の図面類等の電子化 1.何が問題か? 現在、道路台帳や建築関係の図面類等のデータについては、納品規定等が明確でないなどの理由に より、紙媒体で作成し、管理・運用されているケースがあり、データの修正等が煩雑。このため、行 政側にとってデータの管理コストがかかるだけでなく、設計・請負業者等にとっても従来のデータを 利活用できず作業効率が悪いものとなっている。 2.どうすれば良いのか? 図面類等の納品について電子化を促進するため、図面類等データの電子化におけるガイドラインを 早期に取りまとめ、これに従ったデータ作成、管理を行うようにする。将来的には、全てのデータを 電子化とすることを前提とし、保存図書や納品図書等の電子化を義務づける。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 従来の紙媒体から電子データでの管理・運用とすることで、公共事業における設計品質の向上、設 計・施行・管理までの CALS が実現され、行政側の管理コストの軽減だけでなく、設計・請負業者等 にとっても、データの入手、利活用が容易になる等、作業効率化にもつながる。 ②他の規制等への波及効果、影響等 公共事業における図面類等だけでなく、政府や自治体が紙媒体にて運用・管理している同類の業務 に対して電子化を推進するための前例となる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 自治体における台帳管理や建築基準に関する規定や規則 ・ 地方自治体の管理するデータも含まれるため、自治体に対しても取扱うデータの電子化を推進する 必要があり、また自治体間でその管理方法等に差異が出ないよう統一規定を設ける必要がある。 335 資料4-2 2-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 (改善提案) 國領委員「各種図面・地図情報関係」 パブコメ 110(道路台帳等の管理方法) 今後整備や維持管理される管理台帳や設計図面が測量座標を持ったデータとして 管理されることにより、GIS への移行や設計品質の向上、設計・施行・管理までの CALS が実現できる。 関係府省回答 (道路法) ご指摘の道路台帳管理規程については、道路法では規定されておりま ―国土交通省 せん。また、道路法では図面類の電子化を阻む規定はありません。(e:所管外) (測量法) 測量に関しては、パブコメ提出者ご自身が「測量した結果の CAD デ ータ」と記述し、電子データを前提に意見提出されていることから、測量に関して 問題点を指摘されているわけではないと考えております。従って、測量法を所管す る国土地理院は所管外であると考えております。(e:所管外) <追加質問2-9> 道路法及び測量法上、道路台帳の電子化を阻む規定は存在しないとのことである が、一方で自治体によっては、管理規程等において紙ベースでの保存を義務付けて いるケースもある模様。これらの規程等の根拠をご存知の場合は、ご教示いただき たい。(通達、ガイドライン、自治体が参考としているマニュアル、図書等が存在 するのか否か等。) <回答> 道路台帳を電子化するかどうかは自治事務の範囲であり、国土交通省としてご指 摘の根拠については把握していない。 提案者等 (改善提案) 國領委員「各種図面・地図情報関係」 パブコメ 144(建築図書の電子保存関連) 建築士向け公開鍵認証基盤を整備する。また、建築図書等の電子保存ガイドライ ン作成の検討会を設置し、具体的な要件をガイドラインとして示す。 関係府省回答 ―国土交通省 d:事実誤認 建築基準法施行規則第1条の3第1項第1号では、「当該図書の設計者の記名及 び押印」を、同項第4号では「建築士免許証等の写しの提出」を求めているが、同 項第1号の記名及び押印を電子証明書に代える場合において、同項第4号国家資格 属性の証明を要件としていない。したがって、建築士向け公開鍵認証基盤の整備は 建築確認申請の電子化の要件ではない。また、指定確認検査機関等においては建築 図書等の電子保存の方法は示されており、既に電子的な保存が行われている。 336 資料4-2 2-3 <追加質問2-11> 建築基準法施行規則第 1 条の3第 1 項第 1 号に定める「当該図書の設計者の記名 及び押印」を電子的に実施しようとする場合、「建築士向け公開鍵認証基盤」等に より、当該電子署名に建築士であることの属性を付す必要はなく、一般的な認証局 を通じた電子認証により対応することで十分との理解でよろしいでしょうか。 <回答> 貴見のとおり。 提案者等 (改善提案) 國領委員「各種図面・地図情報関係」 パブコメ 199(地方公共団体で維持・更新される図面類の電子化の義務化) 地方公共団体で保有する台帳及び図面は、個別の法律(道路法、都市計画法等) 及び施行規則に従って維持・管理されているため、個別の法律または運用規則に電 子化することを義務づける。 関係府省回答 ―国土交通省 e:所管外 根拠法として示されている道路法、都市計画法及びそれらの施行規則等におい て、図面類の電子化を阻む規定はない。 関係府省回答 ―総務省 提案者等 (改善提案) e:所管外 御指摘の事項は当省の所管外です。 國領委員「各種図面・地図情報関係」 パブコメ 202(官公庁が実施する建設関連の電子納品) 官公庁が実施する建設関連の電子納品を明確に規定し、請負者が煩雑な処理を伴 わない仕組みを作る。また、官公庁が積極的に電子納品を推進するための措置を講 ずる。 関係府省回答 ―国土交通省 c:実施困難・不要 国土交通省では既に、各種電子納品要領、ガイドライン等を作成し電子納品を原 則実施しているところであり、受発注者双方において効率的な電子納品が行われる よう推進してまいりたい。 また、本年3月にとりまとめた、国土交通省 CALS/EC アクションプログラム20 08において、「CALS/EC の普及」を目標に掲げ推進しているところであり、機 会をとらえて地方公共団体等へも紹介し、推進してまいりたい。 関係府省回答 ―農林水産省 f:その他 農林水産省が発注する国営土地改良事業については、電子納品要領等を定めてお り、これをホームページにおいて公表しています。なお、この要領等は全国で実施 している国営土地改良事業を対象としていますが、地域毎に条件の異なる地方公共 団体が自らの判断でこの要領等を参考にすることは可能です。 337 資料4-2 3-1 番号 テーマ 03 関連する意見 の提案者等 ・「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-12 既存住宅市場の活性化 1.何が問題か? 既存住宅の品質保証をする社会的仕組みや、情報の蓄積が十分機能しておらず、購入希望者は新築 住宅と比較すると、十分な既存住宅情報を得られないため、正確な評価をすることができず、結果と して既存住宅市場が活性化していない。 2.どうすれば良いのか? 住宅の建設、維持管理等のデータをデジタル化し、データベースで管理することにより、既存住宅 の品質や性能を正確に評価できるようにする。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 住宅購入希望者が、既存住宅についても十分評価し、安心してニーズに合った住宅を購入すること ができるようになり、既存住宅市場の活性化に資する。 ②他の規制等への波及効果、影響等 規制等の本質的な部分ではないものの、データ保存を長期に保証する電子媒体(HDD、DVD、USB 等)がそもそもないという技術的な問題があるが、これは、他の案件にも共通する課題であり、解決 できれば、その波及効果はある。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 住宅の償却期間を考慮すると、データを 50~100 年超のスパンで保存する必要があるが、長期デ ータ保存が保証された電子媒体がそもそもない ・ 既存住宅の品質を保証することにより、結果として多くの住宅の固定資産税が上昇し、国民の不利 益が生じる懸念がある。 ・ 住宅の履歴情報の保有者のほとんどが民間(建築確認をする機関や住宅所有者本人)であることか ら、ルールづくりにより、むしろ規制強化となるおそれがある。 ・ 住宅の履歴情報の蓄積については、国土交通省が住宅履歴情報整備検討委員会を設置して、H19 ~調査研究を行っている。 ・ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(建築事業者が建てた住宅に対して、10 年間品質保証を負 うこととなっている。また、住宅の性能(耐震性能、遮音性能等)を分かりやすく表示するための 基準を設けている。) ・ 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(長期に使用可能な住宅には住宅の履歴情報を保存す る仕組みが定められている。) 338 資料4-2 3-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-12 (改善提案) ・ 住宅の建設、維持管理等の情報を確実に保存・蓄積する。 ・ 住宅の ID の整備など、市場における当該情報の蓄積・活用に係るルールを整 備し、共通のプラットフォームを構築する。 ・ 関係府省回答 -国土交通省 b:改善提案を検討中 住宅の建設、維持管理等の情報を確実に蓄積するため、現在、市場における当該 情報の蓄積・活用に係るルールについて議論されているところ。 339 資料4-2 4-1 ・ 高橋委員1 ・ 井堀委員2 番号 04 関連する意見 の提案者等 ・ 松本委員 ・ パブコメ12 ・ パブコメ16 ・ パブコメ38 ・ パブコメ170 テーマ 電子政府・電子自治体の推進 1.何が問題か? 国民がデジタル技術の恩恵を受けられるようにするためには、電子政府・電子自治体の推進が不可 欠。 2.どうすれば良いのか? 電子政府の推進を通じて国民がデジタルの恩恵を受けられるようにするためには、電子的な本人認 証及び ID の問題等についても、個人が選択するに足りる柔軟性、拡張性のある選択肢をきちんと出す べく検討を進める。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 電子政府・電子自治体の推進。 ②他の規制等への波及効果、影響等 電子政府・電子自治体の着実な実施により、国民利便性の飛躍的向上、行政事務の簡素効率化・標 準化、行政の見える化が実現する。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 【第 1 回会議における委員発言概要】 ・ 行政の内部あるいは行政の現場から、しっかりとした洗い出しを行った上で、手続きの類型化を行 い、本人確認、事実確認、資格要件の確認、その方法としての添付書類、面談、届出書の提出等、 類型化して整理すべき。(井堀委員) ・ 行政手続きの分野において、技術的に可能な部分において、IT を使って本人確認の方法を簡略化 できると良い。(松本委員) ・ 電子政府を推進していくべき。電子行政を加速し、電子行政によるサービスを飛躍的に向上させる ためには、脱書面、脱対面、かつセキュリティーとプライバシーに対して十分配慮しつつ、国民 ID 及び電子的な本人認証の問題等について、個人が選択するに足りる柔軟性、拡張性のある選択 肢をきちんと出していくことが必要。(高橋委員) 340 資料4-2 4-2 ③関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 高橋委員1 井堀委員2 (改善提案) ●電子政府の推進を通じて国民がデジタルの恩恵を受けられるようにするために は、脱書面、脱対面、かつセキュリティーとプライバシーに対して十分配慮しつつ、 国民電子私書箱の着実な実施のために、国民 ID 及び電子的な本人認証の問題等に ついても、個人が選択するに足りる柔軟性、拡張性のある選択肢をきちんと出すべ く検討を進める。(高橋委員) ●行政手続きにおける本人確認、事実確認、資格要件の確認、その方法としての添 付書類、面談、届出書の提出の方法について、類型化し、その必要性を検討すると ともに、改善の可能性を検討し整理する。(井堀委員) 関係府省回答 -内閣官房 b:改善提案を検討中 電子政府・電子自治体の推進は、国民の利便性向上のみならず、行政の効率化の ためにも重要であると考えており、ご指摘の点も含め、その推進に必要となる課題 等については、引き続き、電子政府評価委員会等、関連する場において検討を進め て参りたい。 提案者等 (改善提案) パブコメ12(利用者の個人認証) 利用者の選択肢を写真やイラストなど非文字の視覚対象にまで拡張し、更に昔の 懐かしい記憶を活用できるようにすれば、本人認証のプロセスにおいて排除されて しまう国民を大きく減らすことが期待できる。 関係府省回答 -内閣官房 c:実施困難・不要 個人認証の手段は、システム毎に利便性を勘案して構築されるべきものであり、 どのように各システムを構築するかは、事業者等の取組みに委ねられる事柄である と考えられます。 提案者等 (改善提案) パブコメ16(情報通信機器の本人認証) 本人認証の基本は、本質論からも利便性からも記憶認証方式にあるので、認証手 段を多様化して使い勝手と安全性をともに高めるべきである。パスワードに文字だ けでなくイラストや写真など視覚に訴えるものを使えるようにすればよい。 関係府省回答 -内閣官房 c:実施困難・不要 個人認証の手段は、システム毎に利便性を勘案して構築されるべきものであり、 どのように各システムを構築するかは、事業者等の取組みに委ねられる事柄である と考えられます。 なお、今後、国民全体が利用する電子サービス等の検討にあた っては、ご指摘の点も参考にさせていただきます。 341 資料4-2 4-3 提案者等 パブコメ38(公的個人認証) (改善提案) ID/パスワードの利用(問題点:住基カードを使うためにはカードリーダーを購 入し面倒な登録作業を行うか、或いは、カードリーダーがあるところに行かなけれ ばならないことが行政サービスにおける IT 普及の大きな制約になっている。) 関係府省回答 -内閣官房 b:改善提案を検討中 電子政府・電子自治体の推進は、国民の利便性向上のみならず、行政の効率化の ためにも重要であると考えており、ご指摘の点も含め、その推進に必要となる課題 等については、引き続き、電子政府評価委員会等、関連する場において検討を進め て参りたい。 提案者等 パブコメ170(実効的な電子行政を実現する基盤となる共通コードの実現) (改善提案) 共通コードを導入して行政コストの削減や処理の正確性を高める 関係府省回答 e:所管外 -総務省 ご指摘の共通コード導入については、当省としてご回答できる立場にございませ ん。 関係府省回答 -内閣官房 b:改善提案を検討中 電子政府・電子自治体の推進は、国民の利便性向上のみならず、行政の効率化の ためにも重要であると考えており、ご指摘の点も含め、その推進に必要となる課題 等については、引き続き、電子政府評価委員会等、関連する場において検討を進め て参りたい。 342 資料4-2 5-1 番号 関連する意見 05 テーマ の提案者等 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-11 引越し時の各種行政手続き 1.何が問題か? 他の市町村へ引越しをした場合、前居住時で申請済みの行政サービスについても、改めて手続きを 行わなければならない。 2.どうすれば良いのか? 自治体間でデータ連携をすることによって、前居住地で受けていた行政サービスを、新たな手続き を行うことなく継続して受けることが可能となる。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 他の市町村へ引越しをした場合、新しい住所地で手続をせずに、前居住地で受けていた行政サービ スを引き続き受けることができる。 ②他の規制等への波及、影響等 機関をまたぐ他の手続においても同様である。また、自治体間でのデータ連携を可能とする仕組み を構築することで、市町村発行の証明書を添付書類として他の市町村に提出する作業を省略できる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 ・ 自治体間でのデータ連携を実現するためのデータ流通基盤整備が必要となる。また、そこに接続す るために、市町村の側で環境整備・投資が必要である。 ・ 実現のための法令を含む制度的な分析や実現に向けた方策の検討が必要となる。 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-11 (改善提案) 転出・転入の手続きが行われる際に、関連する手続きの情報全てが、前の自治体から 新しい自治体に送られ、新しい自治体のなかで事務処理が自動的に行われる。 関係府省回答 -内閣官房 b:改善提案を検討中 2007 年度より次世代電子行政サービス基盤等検討プロジェクトチームにおいて議 論されており、2010 年度を目途に標準モデルの構築に向けて検討しているところで ある。 343 資料4-2 6-1 番号 テーマ 06 関連する意見 の提案者等 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-10 雇用保険被保険者離職証明書 1.何が問題か? 平成 23 年 1 月に予定されている、行政コストの大幅な削減に資する、企業-職業安定所間の「離職証 明書を伴う雇用保険被保険者資格喪失届のオンライン申請」に関し、離職者の電子署名が必要となっ た場合には、実質的には十分機能しない可能性が懸念される。 2.どうすれば良いのか? 離職者の電子署名無しで、オンライン申請できるようにすることで、離職証明書を伴う雇用保険被保 険者資格喪失届のオンライン申請が円滑に運用される。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 オンライン申請が可能となることで、企業は、本社で全事業所分の一括申請が可能となる。そのため、 事業所ごとに担当者を配置して、各事業所の管轄公共職業安定所に別々の担当者が出向き、手続をす るコストが削減される。 ②他の規制等への波及、影響等 従業員の押印が必要な手続の改善の先例となり、波及効果が高い。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 ・離職者の権利を守るため、離職者本人が離職証明書(離職票)の内容を十分に確認することを担保 する必要がある ・「退職ワンストップサービス実現へ向けての段階的アプローチ」(平成21年7月27日 次世代電 子行政サービス基盤等検討プロジェクトチーム)において、 「退職者の電子署名等に係る取扱いについ ては、退職者本人が離職証明書(離職票)の内容を十分に確認すること等を担保しつつ、利便性の高 いワンストップサービスの実現に向けて、厚生労働省を含む関係府省において検討する。」とされてい る。 344 資料4-2 6-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-10 (改善提案) 離職者の電子署名なしでオンライン申請できるようにする。 関係府省回答 c:実施困難・不要 -厚生労働省 離職票は、離職者の受給資格の有無、所定給付日数、給付制限の有無を確認する ための書類であり、離職者の適正な受給を確保する観点から、離職者本人による離 職証明書(離職票となるもの)の記載内容の確認は不可欠です。現在、紙の手続に おいては、これを担保するものとして、離職者本人による押印を求めてるところで す。 このため、電子申請の実現に当たっても、離職者本人による確認を省略すること は適当でなく、現時点においては、これを担保するものとして、いわば電子申請に おける押印である電子署名を求めることは有用であると考えてるところです。 なお、今後、利用者にとっての利便性も考慮しつつ、離職者の適正な受給を確保 する観点からどのように離職者による離職証明書の確認を担保するか検討するこ ととしているところです。 345 資料4-2 7-1 番号 関 連 す る 意 見 ・ 国領委員資料「育児関係」 07 テーマ の提案者等 ・ パブコメ39 育児休業の取得手続及び育休給付金の給付申請手続 1.何が問題か? 育児休業の取得開始時および取得中(2 か月ごと),書類を育休取得者・事業主・公共職業安定所の 間でやり取りしなければならない。 また,保育所における保育の実施が行われないなどの理由により育休を延長する場合も,同様の手 続が必要となるほか,保育所入所不承諾通知などの添付書類が必要となる。 2.どうすれば良いのか? 育休取得者・事業主・職業安定所が参照できるワークフロー管理システムをインターネット上に構 築し、育休プラットフォームとして活用する。この際、手続に必要となる添付書類については電子化 対応する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 ・ 育休取得者の雇用主及び職業安定所等への申請を行う国民の利便性の向上と負担の軽減 ・ 行政内での事務処理負担の軽減 ②他の規制等への波及効果、影響等 ・ ワークフローの類似する他の行政手続きへの活用が可能となる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 育児休業法 ・ 雇用保険法 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 国領委員資料「育児関係」 パブコメ39(育児休業の取得手続・育休給付金の給付申請手続) (改善提案) 育児休業給付金用のシステムを提供する。 関係府省回答 d:事実誤認 -厚生労働省 育児休業給付に係る手続については、既に電子申請のシステム(e-Gov)を導入し ており、この中で、各申請の処理状況についても、電子申請の申請者自身で照会でき る仕組みとなっています。 346 資料4-2 8-1 08 番号 テーマ 関 連 す る 意 見 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-1 の提案者等 ・ パブコメ177 税額通知書の電子的な送付 1.何が問題か? 企業は、毎年 6 月ごろに、各従業員が居住する自治体から紙で送られてくる特別徴収税額通知書を、 部署ごとに仕分けして個人情報に配慮して配布しているが、仕分け・配布の手間や個人情報への配慮 等、企業(人事担当者など)の負担が大きい。 ※特別徴収税額通知書には、企業が源泉徴収などに用いるものと、従業員に配布するものがあり、 前者は一部、電子媒体での送付や eLTAX 経由での送付が実現しているが、後者は公印(市区町村長印) の問題(電子署名方法や、受け取った従業員が確認する方法など)があり、実現されていない。 2.どうすれば良いのか? 納税通知書を電子的に渡せるようにする。できれば企業経由ではなく、直接、従業員(住民)に渡 せるほうが、企業の負担がより軽減する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 ・ 企業の負担が大幅に軽減される。 ・ 特別徴収税額通知書の仕分け・配布に要している企業のコストは、概ね年間 470 億円程度と想定 される。(平成 19 年度第 8 回電子政府評価委員会資料 6 をもとに試算)。 ②他の規制等への波及効果、影響等 ・ 公印の電子的処理の問題を解決できれば、行政の発行するあらゆる証明書類への活用が可能。 ・ 住民に直接、電子的に行政文書等を送付するサービスのモデルとなる。国民電子私書箱のスタート 時のサービスのひとつにできる可能性もある。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関連法案等 【法律】 ・ 地方税法(総務省) 【総務省令】 ・ 総務省関係法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則 【関係通知】 ・平成 18 年4月1日付総税企第 88 号「地方税の収納に係るシステムを改修する際の留意点について (通知)」 ・ 平成 19 年3月 27 日付総税企第 55 号「地方税の徴収対策の一層の推進に係る留意事項について」 ¾ そもそもなぜ、企業が行政に代わって、膨大な手間やコストをかけて配布しなければならない のかという意見もある。 ¾ 347 資料4-2 8-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」5-1 (改善提案) ・ 納税通知を電子的に渡せる方法を確立する。(現状は公印がついた紙ベースにより 原本性を担保) ・ 地方自治体から、被課税者に直接電子的に配布できるようにする。 関 係 府 省 回 b:改善提案を検討中 答 -総務省 市町村から企業へ通知する、特別徴収税額決定通知書につきましては、エルタック ス加入団体においては、平成 20 年 1 月から給与支払報告書の電子データでの提出に併 せて、特別徴収税額通知書についても電子データでの通知を行うことができます。 総務省としては、全地方自治体での eLTAX 導入については、(社)地方税電子化協 議会とともに、各地方公共団体に対して、eLTAX への加入促進、電子申告等のサービ スの普及拡大に向けて取り組んでいるところであり、こうした取組を進めることによ り解決が可能と考えております。 提案者等 (改善提案) パブコメ177(書面による納税通知) 納税者や企業が希望すれば、国民電子私書箱等により電子的方法で納税通知を受け 取ることを可能とし、電子納付等を容易にする。 関 係 府 省 回 b:改善提案を検討中、c:実施困難・不要 答 -財務省 「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律」では、 「処分通知等を受 ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該処分 通知等を受ける者に到達したものとみなす」旨が定められている。このため、e-Tax の メッセージボックスや現在検討されている電子私書箱のように行政機関が保有するシ ステムの中に設けた利用者個々のディスクエリアに通知データを記録しただけでは通 知が到達したこととならず、利用者が利用者個々のディスクエリアから通知データを ダウンロードしなければ通知が到達したこととならないため、更正・決定通知書、納 税告知書、督促状等の処分性を有する文書(異議申立の対象となる文書)等にはなじ まないと考えている。それ以外の文書については、電子的な方法により送付可能か、 一部検討を行っているところであり、今後も引き続き検討を行って参りたい。 関 係 府 省 回 d:事実誤認、f:その他 答 -総務省 御指摘の地方税に係る納税通知書の交付等については、総務省令によりオンライン により行うことが可能となっておりますが、その具体的な実施方法等については、今 後検討を要するものと認識しております。 また、国民電子私書箱の活用については、IT 戦略本部の「i-Japan 戦略 2015」に掲 げられ、同本部において平成 21 年度中に基本構想がとりまとめられるものと認識して おり、対象となる行政サービス等については、今後議論がなされていくものと考えて おります。 また、改善提案の「電子納付等」については、納税者の利便性向上の観点から、 当省としては、これまでもマルチペイメントネットワークを活用した収納サービスの 導入等について、各地方公共団体に対して周知しているところです。 348 資料4-2 8-3 提案者等 (追加質問) 國領委員(追加質問2-2) 地方自治体→企業→個人への送付に関しては、地方自治法321条の4第2項にお いて、渡すことのみが定められており、公印や紙ベースでの配布を規定していないと の理解で良いでしょうか。 また、上記が正しい場合において、自治体では、引き続き紙ベースでの運用を規定 しているところもあるようですが、これらの規定の根拠等をご存知の場合は、ご教示 願います。 (通達、ガイドライン、自治体が参考としているマニュアル、図書等が存在 するのか否か等。) 関係府省回 答 -総務省 地方税法第 321 条の4第 1 項において、市町村は、給与所得に係る特別徴収税額を 特別徴収義務者及びこれを経由して納税者に通知しなければならないとされている。 地方税法第 43 条においては、市町村が道府県民税の賦課徴収に用いる納税通知書、 納期限変更通知書、特別徴収義務者及び特別徴収に係る納税義務者に公布する特別徴 収の方法によって徴収する旨の通知書、督促状その他の文書は、市町村民税の賦課徴 収に用いるそれらの文書と併せて、地方税法施行規則第 2 条に規定する様式に準じて 作成するものとされているが、ご質問の特別徴収税額決定通知書は、この場合の「特 別徴収義務者及び特別徴収に係る納税義務者に交付する特別徴収の方法によって徴収 する旨の通知書」にあたり、文書によって通知されるもの。 また、地方税法施行規則第 2 条では、 「特別徴収義務者及び特別徴収に係る納税義務 者に交付する特別徴収の方法によって徴収する旨の通知書」は、第 3 号様式(別表) によるものとされており、同様式には、押印欄も規定されている。 349 資料4-2 9-1 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-13 番号 09 関連する意見 の提案者等 ・ パブコメ125 ・ パブコメ141 ・ パブコメ143 ・ パブコメ184 テーマ 国税関係帳簿書類の電子化 1.何が問題か? 企業内では帳簿や文書等の電子化が進んでいるにも関わらず、国税関係帳簿書類の電子的保存が認め られるための事前承認に係る具体的要件が不明確であったり、当該要件を満たすための企業側の負担 が大きいこと等から、紙での保管を余儀なくされるなど、電子的な利用が進んでいない。 2.どうすれば良いのか? 国税関係帳簿書類の電子的保存に係る承認要件についての見直し、ガイドラインの作成による当該要 件の明確化等を行う。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 国税関係帳簿書類の電子的な利用が進むことにより、企業側の契約書等の保管コストの軽減や、様々 な業務プロセスにおけるIT活用が可能となる。 ②他の規制等への波及効果、影響等 電子商取引の促進や電子政府の推進に資することが期待される。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(財務省) ・電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(財務 省) ・電子帳簿保存法取扱通達(国税庁) ・国税庁告示 ③関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 パブコメ125 (改善提案) ① 業務システムで作成された帳簿を単なるイメージデータで電子的に保存する事 を認めるべきである。 ② 調査の効率性向上のために、①を前提にイメージデータで保存された帳簿の検 索は、イメージデータを前提とした検索機能でよいものとすべきである。 検索機能を確保する場合等の具体的な対応方法ガイドラインを示すべきである。 350 資料4-2 9-2 関 係 府 省 回 答 - ①②については、 財務省 電磁的記録等による保存制度の対象となる帳簿書類は、国税関係帳簿書類のうち、 自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿及び自己 が一貫して電子計算機を使用して作成する書類とされており、所轄税務署長等の承 認を受けたときは、記録の真実性及び可視性等の確保に必要となる所定の要件(検 索機能の確保等を含む)の下で、その電磁的記録の備付け及び保存をもってその帳 簿の備付け及び保存に代えることができることとされている。 なお、決算関係書類及び帳簿等のように、特に重要な文書については、現行制度に おいては、改ざん防止の点でイメージデータを紙と同等のものとして取り扱うこと はできず、適正公平な課税を確保するため、スキャナ保存の対象とはされていない ところ。(c:実施困難・不要) ③については、 現在、公表に向け参考になる回答事例などの検討を行っているところである。公表 時期は未定だが、検討終了後、できるだけ早期に国税庁ホームページへ掲載したい と考えている。(b:改善提案を検討中) 提案者等 パブコメ141 (改善提案) ① 電子帳簿保存法を廃止し、e 文書法に準拠した財務省令を定める。 ② 国税関係帳簿書類の電磁的保存の事前承認制を廃止する、またはその生成過程 である情報システムの機能等について審査の対象外とする。 関 係 府 省 回 答 - c:実施困難・不要 財務省 ①については、 国税関係帳簿書類の電子的保存については、適正公平な課税の確保のため、税務署 長の事前承認制を採用している。e 文書法では、このような事前承認制等の特別な 手続を予定していないため、国税関係帳簿書類には e 文書法を適用しないこととし て、電子帳簿保存法上措置している。 ②については、 国税関係の帳簿書類の電磁的保存については、所定の要件が定められており、一旦、 要件に合わない電子データ保存がされた場合には、税務調査の実効性が著しく低下 し、適正公平な課税の実現に困難を来すことになるため、納税者には要件に適合し たことを確認した上で電子データの保存をしてもらう必要があること、及び納税者 にとっても、不要な設備投資を回避する等の観点からは、予め要件に適合している ことが明確に確認された状態で電子データ保存を開始できることが望ましいこと 等から事前承認制とされているところ。 提案者等 (改善提案) パブコメ143 ① 当局及び、民間のユーザー企業、関連団体などの参加により、より具体的な 電子化ガイドラインやQ&Aなどを作成公開することで、電子帳票システム の利用を前提に承認を得ている企業に対して現実に即した対応を行うこと ができる。 351 資料4-2 9-3 ② スキャニングによる電子化によりその管理は紙より遥かに効率的に行うこ とができ検索性も向上する。 電子署名・タイムスタンプを付加することに よりスキャニングした書類の真実性が担保される。 見積書や請求書のよう な原始証憑である「帳簿代用書類」は、資金や物の流れに直結・連動する書 類として定義し、適時入力方式以外の方法によるスキャナ保存による電子化 が可能である旨を明確にすることで電子化が推進される。 ③ スキャニングした書類は、電子署名・タイムスタンプを付与することにより 真実性を担保できるため、特に取引書類に記載されている金額に上限を設け ることなく電子化を容認することで帳票類の選別作業が不要になり、統一し たシステムによる運用が可能となり電子化が推進される。 関係府省回答- ① 財務省 現在、公表に向け参考となる回答事例などの検討を行っているところある。 公表時期は未定であるが、検討終了後、できるだけ早期に国税庁ホームページへ 掲載したいと考えている。(b:改善提案を検討中) ② スキャナ保存の対象文書のうち、適時入力方式を採用できる文書の明示につい ては、国税庁告示等により対応済み。(f:その他) ③については、 契約書及び領収書は、個々の取引の実態や金銭の授受を証明するための最も基本的 な書類であり、これらを紙で保存させることにより、その他の書類の改ざんを抑制 し、改ざんされても、その取引内容を検証することが可能となることから、紙によ る保存を求めることとしているところ。なお、取引金額が少額な 3 万円未満の領収 書等については、税務執行上支障が少ないため、保存コスト軽減にも配慮して、ス キャナ保存を認めることとしている。(c:実施困難・不要) 提案者等 パブコメ 184 関 係 府 省 回 答 - c:実施困難・不要 財務省 国税関係帳簿書類の電子データによる保存制度は、適正・公平な課税を確保しつ つ納税者等の帳簿書類の保存に係る負担を軽減する観点から、一定の要件の下で、 電子データの保存をもって国税関係帳簿書類の保存に代えることができるとする ものである。 国税関係書類のスキャナによる保存を認めるに当たっては、適正・公平な課税を 確保する観点から、真実性を確保するための要件(一定水準の解像度・カラー画像、 改ざんを防止するための電子署名、イメージ化した時刻を第三者が証明するための タイムスタンプ等)及び可視性を確保するための要件(検索機能の確保等)を満た していることが必要とされているところ。 提案者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-13 関 係 府 省 回 答 - 現在、公表に向け参考となる回答事例などの検討を行っているところである。 財務省 公表時期は未定だが、検討終了後、できるだけ早期に国税庁ホームページへ掲載し たいと考えている。 352 資料4-2 9-4 提案者等 國領委員(追加質問2-8) (追加質問) 税務署長の事前承認については、承認基準が明確でなく属人的に承認されていない か。承認基準を明確にするべきではないか。 また、裁定に不満がある納税者はどのような対応が可能なのか。 関係府省回答- 財務省 ①税務署長の事前承認を得ることとしているのは、保存要件を満たしていること 等を確認するためであり、当該要件については法令上明確に規定されているとこ ろ。 しかし、納税者にとって、より承認基準が明確になるように、現在、参考となる事 例等を公表することを検討しているところである。公表時期は未定であるが、検討 終了後、できるだけ早期に国税庁ホームページに掲載したいと考えている。 ② 税務署長が行った却下に不服があるときは、却下通知書を受けた日の翌日か ら起算して2月以内に所轄税務署長に対して異議申立てをすることができる。 なお、異議申立てをしないで、審査請求をすることについて正当な理由があると きは、却下通知書を受けた日の翌日から起算して2月以内に国税不服審判所長に対 して審査請求をすることができる。 353 資料4-2 10-1 ・ 國領委員資料「輸出入関係手続き」 番号 10 関 連 す る 意 見 ・ 中条委員資料5 の提案者等 ・ パブコメ131 ・ パブコメ174 テーマ 特定原産地証明書の電子発給 1.何が問題か? 既存の FTA/EPA における第三者証明制度において、特定原産地証明書の請求手続は電子化されて いるものの、証明書自体はいまだ紙で発給されている。 2.どうすれば良いのか? 原産地証明書を電子発給できるようにする。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 原産地証明書の電子化により、事務作業の効率化等が図られ、行政及び利用企業のコストが軽減す る。 ②他の規制等への波及効果、影響等 請求手続は電子化されているものの、発給はいまだ紙でなされているような、行政が発行する他の 証明書類の発給の電子化を進める上での先例となりうる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 「貿易手続改革プログラム」において、検討を行うことが記載されており、これを受け「原産地証明 制度改革検討会」等において、議論されている。 ・ 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律(経済産業省) ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 國領委員資料「輸出入関係手続き」 中条委員5 パブコメ131(特定原産地証明書の電子発給) パブコメ174(特恵原産地証明書の電子発給について) (改善提案) 現状、紙で発給・運用されている特定原産地証明書について、電子交付を認めるべ きである。相手国との連携に向けた技術検討会や協定変更等に対応する必要がある 場合、段階的にでも電子発給に向けた措置を進めるべきである。 関係府省回答 -経済産業省 b:改善提案を検討中 原産地証明書の電子化については、「貿易手続改革プログラム」において、検討を 行うことが記載されており、これを受け「原産地証明制度改革検討会」等において、 議論されているところ。日本国内で申請者側により原産地証明書をプリントアウト する等の段階的な処置については、証明書の真正性の確保といった観点からの検討 も必要と考えるが、上記委員会等での議論や、他国の電子化における取組動向を考 慮しながら、電子発給についても可能なかぎり早急に検討してまいりたい。 354 資料4-2 11-1 関連する意見 番号 11 テーマ 輸出入・港湾関連手続きシステム(次世代シングルウィンドウ)の利便性向上及び利用促進 の提案者等 ・ 中条委員資料6 1.何が問題か? 港湾・通関・検疫等の関係機関毎に異なる書式が存在し、また国際システムとの互換性がないため、 利用が促進されていない。 2.どうすれば良いのか? 申請情報における反復申請回避、反復利用等業務プロセスの改善、及びアセアン・シングルウィン ドウを始めとする各国の通関ネットワークシステムとの連携強化を図っていくために、様式の統一化、 手続の簡素化について見直しすべき。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 ・ 輸出入に係る手続きが簡素化される。 ②他の規制等への波及効果、影響等 ・ 各主体により様式等が異なる類似手続きや、行政手続き等のワンストップ化に対する波及効果が期 待できる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 規制改革会議にて検討中 355 資料4-2 11-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 中条委員資料6 (改善提案) 申請情報における反復申請回避、反復 利用等業務プロセスの改善、及びアセア ン・ シングルウィンドウを始めとする各国 の通関ネットワークシステムとの連携強 化 を図っていくために、様式の統一化、 手続の簡素化について見直しすべき。 関 係 府 省 回 答 a:改善提案を実施予定 -財務省、 書式の統一化については、港湾管理者・港長・税関・入国管理局で書式が異なって -法務省、 いた入出港届について、平成 17 年 9 月の「国際海上交通簡易化条約」(FAL 条約)の -厚生労働省、 締結に併せて、法律等を改正し、平成 17 年 11 月より様式を統一するなど、各官庁 -国土交通省 統一申請様式の採用を図っており、現在では関係機関毎に異なる様式は存在しない。 業務プロセスの改善に関しては、政府全体での取り組みとして策定された「貿易手 続改革プログラム」に基づき、手続の電子申請について、利用者コード、申請画面及 び入力方法の統一や、相談など各種窓口の一本化を実現した新たなシングルウィンド ウを平成 20 年 10 月に実現するなど、申請情報における反復申請回避、反復利用等 業務プロセスの改善を図っている。今後も引き続き、平成 22 年 2 月に空港の入出港 手続のシングルウィンドウ化を行うこととするなど見直しを行うこととされており、 関係者にとって全体最適となる業務プロセスの実現を図ることとしている。 また、国際的なシステム連携について、平成 17 年 12 月の ASEAN 首脳会合にお ける合意文書において、アセアン・シングルウィンドウが完成するとされている平成 24 年にも、日本のシングルウィンドウとアセアン・シングルウィンドウが相互に接 続された状態となるよう、その実現に取り組むとともに、米国、EU、韓国、中国等、 アセアン以外の国々とのシステム連携にも取り組むこととしている。 356 資料4-2 12-1 関 連 す る 意 見 ・ 中条委員7(追加) 番号 12 テーマ 廃棄物処理法上の行政手続き及び書類の電子化 の提案者等 ・ パブコメ130 1.何が問題か? 産業廃棄物処理業ならびに産業廃棄物処理施設の許可申請にあたっては、当該業を行おうとする区 域ならびに当該施設を有する区域を所管する都道府県知事、政令で定める市の長の許可を個々に取得 する必要があり、膨大な事務処理が必要とされている。 2.どうすれば良いのか? 廃棄物処理法の許可手続に係る全国的な情報システムを構築し、民間事業者がインターネットの活 用により、複数の地方公共団体に対して申請手続を一括して行うことができるようになれば(ワンス トップサービスの実現) 、民間事業者にとって使い勝手がよくなり、事務負担の大きな軽減につながる。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 ・廃棄物処理に係る作業の簡素化が図られる。 ②他の規制等への波及効果、影響等 ・各主体により様式等が異なる類似手続き等に対する波及効果が期待できる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 規制改革会議にて検討中 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 中条委員7(追加) パブコメ130(廃棄物処理法に係る許可手続きの電子化) (改善提案) 廃棄物処理法の許可手続に係る全国的な情報システムを構築し、民間事業者がインタ ーネットの活用により、複数の地方公共団体に対して申請手続を一括して行うことが できるようになれば(ワンストップサービスの実現)、民間事業者にとって使い勝手 がよくなり、事務負担の大きな軽減につながる。 357 資料4-2 12-2 関係府省回答 -環境省 c:実施困難・不要 許可申請手続の電子化については、廃棄物処理法上の許可情報等の地方公共団体間 の共有や許可申請手続の電子化等について、平成 18 年度から、排出事業者、廃棄物 処理事業者や地方公共団体の意見を踏まえ検討を行いました。その結果、許可申請手 続の簡素化の手段として、電子化は将来的な許可申請の在り方の一つとしては考えら れるが、まずは許可申請書類の簡素化や様式の統一化を図ることが優先であるとの結 論が得られました。これを受け、平成 20 年3月 31 日付け通知において、産業廃棄 物処理業の許可申請手続きに係る書類の統一化及び産業廃棄物処理業の許可申請等 に係る先行許可証の活用について、周知を行っています。また、先行許可証の積極的 活用については、担当者会議等でも適宜周知しているところです。 許可情報に係る地方公共団体間の共有化については、同じく関係者の意見を踏ま え検討を行った結果、情報漏洩対策等情報管理を確実に行うシステムの構築や申請書 類の統一化といった課題を踏まえ、今後の具体的検討に移っていくべきとの結論が得 られました。これを踏まえ、現在国がインターネット上で運用している産業廃棄物行 政情報システムを充実すべくさらなる検討、改善に取り組んでいるところです。 なお、現在、平成 20 年7月に中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に設置し た廃棄物処理制度専門委員会において、廃棄物処理制度に関する総合的な検討を行っ ており、その結論も踏まえ検討してまいります。 <追加質問2-10> 許可申請書類の統一化は実際にどの程度進んでいるのかご教示下さい。 <回答> 廃棄物処理法上、許可申請には許可申請書及び添付書類が必要です。申請書は環境 省令でその様式が定められており、ほとんどの自治体で省令で定める様式が使用され ています。一方、添付書類については、省令等では様式が定められておらず、自治体 によっては、法定の書類に加えて別の書類を求めている場合があるなど、統一化が進 んでいない状況にあります。 こういった自治体の独自規制については、各自治体の裁量の範囲内と言えるものも ありますが、環境省としても、 「「規制改革・民間開放推進三か年計画」 (平成 17 年 3 月 25 日閣議決定)において平成 17 年度中に講ずることとされた措置(廃棄物処理 法の適用関係)について」 (平成 18 年3月 31 日付け環境省大臣官房廃棄物・リサイ クル対策部産業廃棄物課長から各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長あて 通知)において、添付書類について、標準の様式を示したほか、全国都道府県及び政 令指定都市等環境担当部局長会議等においても、各地方自治体に対し、標準様式への 統一を図るよう周知しています。 358 資料4-2 13-1 ・ 中条委員資料2 番号 13 関 連 す る 意 見 ・ パブコメ124 の提案者等 ・ パブコメ162 ・ パブコメ185 テーマ 一般用医薬品のインターネット販売 1.何が問題か? 薬事法及び厚生労働省令により、一般用医薬品は「対面販売」が原則とされ、インターネットを含む 郵便販売にはリスクが比較的低い「第 3 類医薬品」に限定された。これにより、それまでインターネ ットで購入していた利用者の利便性が低下するとともに、販売側の経営にも大きな影響を与えている。 2.どうすれば良いのか? 消費者の利便性と安全の確保を図った上で、第 3 類以外の一般用医薬品についても広く通信販売が可 能となるような提供方策を検討し、薬事法施行規則を再改正する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 消費者に対する医薬品の購入経路の拡大により、国民の健康維持に資する。 ②他の規制等への波及効果、影響等 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」(厚生労働省)での議論を経て、省令改正 ・ 規制改革会議において検討中。昨年 9 月と本年 5 月に同事務局が実施したパブコメでは圧倒的多数 の通信販売規制反対の意見が寄せられる。(本年 5 月には、総数1万件中 97%が反対) ・ 楽天、ヤフー等が 150 万人の規制反対の署名(電子署名)を集めるなど、世論の関心も高い。 ・ 薬事法第 36 条の5及び第 36 条の6 ・ 薬事法施行規則第 15 条の4、第 159 条の 14,15,16 359 等。 資料4-2 13-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 中条委員資料2 パブコメ124(一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制の見直し) パブコメ162(医薬品(市販薬)の情報提供における対面原則) パブコメ185(一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制) (改善提案) 第3類以外の一般用医薬品についても広く通信販売が可能となるような提供方法 を検討し、薬事法施行規則を再改正する。 関係府省回答 -厚生労働省 c:実施困難・不要 薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第98号。 )の基本的な考え方は、 医薬品の販売に当たっては、郵便等販売であるか否かにかかわらず、購入者に対し、 薬剤師又は登録販売者(以下「専門家」という。)が対面で情報提供を行って販売 することにより、医薬品の安全・適切な選択使用を確保するというものであり、郵 便等販売については、このことが確保される状況にはないため、専門家による販売 時の情報提供が不要な第3類医薬品に限ることとしております。 関係府省回答 -規制改革会議 ※パブコメ162 e:所管外 ご指摘の一般用医薬品の郵便等販売については、規制改革会議として安全を確保 した上でIT時代に相応しいルール整備をすべきとの見解を表明しておりますが、 制度の所管は内閣府及び規制改革会議ではなく、厚生労働省です。 360 資料4-2 14-1 ・ 大江委員資料1 ・ 中条委員資料3 番号 14 関連する意見 の提案者等 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-5 ・ パブコメ1 ・ パブコメ122 ・ パブコメ152 ・ パブコメ171 テーマ 慢性疾患安定期の電子メール等による遠隔診療と処方せんの遠隔交付 1.何が問題か? 現在の遠隔診療は、制限が厳しく、7種類の在宅診療患者に画像伝送を用いて助言・指導を行うこ と以外については、明確には許可されていない。また、処方せんを発行してよいかについても明示さ れていない。 また現状では、処方せんを対面かつ紙で交付することとされており、診療が遠隔で認められるよう になっても処方ができるようになっていない。 2.どうすれば良いのか? 生活習慣病など慢性疾患の継続診療患者の安定期において継続診療している医者が診療する場合に は、都市部、僻地、離島に関わらず、患者が希望する場合には医師の判断により電子メール等による 遠隔診療を認めるよう制度を緩和し、かつ電送等により遠隔地に紙の処方せんの送付を可能とする、 もしくはそれを実現すべく安全で確実な伝送方法の条件を示す。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 地域医療連携における電子化が進む。 ②他の規制等への波及、影響等 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 電子処方せんについては、平成16年当時、医療情報ネットワーク基盤検討会において、処方せ んの電子化について慎重に検討すべきこととされた結果、このうち処方せんのみが e-文書法の適用 対象外とされている。 (診療に関する諸記録(処方せんを含む)について電子的保存は認められてい るが、処方せんの電子的交付は認められていない。)ただし、その後の電子化の進捗を踏まえ、平成 20年7月の同検討会では、処方せんの電子化実現に向けた詳細な検討を行っていくこととされて いる。 361 資料4-2 14-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 大江委員資料1 (改善提案) 一定の要件を満たした場合には、遠隔診療、電子処方箋発行の規制を緩和する。 関係府省回答 b:改善提案を検討中、c:実施困難・不要 ―厚生労働省 ①御指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省の下に設置した 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の「中間とりまとめ」 (平成 20 年 7 月)に 基づき、総務省において実証事業を実施しているところであり、それらの結果を踏 まえ取り組んでいくこととしていることから、現状における御提案の措置の実施は 困難であると考えております。 ②院外処方せんの電磁的記録による交付及び作成については、電子化した処方せん の閲覧環境の整備、記述様式やコードセットの標準化、障害時の対応、どの時点を 以って交付等が成立したとするか等についての法解釈の変更を含めた対応など、検 討すべき点が数多くあり、現状における御提案の措置の実施は困難と考えておりま す。 なお、医療情報ネットワーク基盤検討会において、レセプトオンラインの仕組みや、 現在検討中の社会保障カード(仮称)、国民電子私書箱(仮称)を活用した運用を 目指すべきであり、これらの基盤が整備されていない中で、処方せんの電子化を認 めることは全体最適や医療全体のコスト引き下げの観点から望ましくないとの提 言を受けたところであり、今後の技術や各種施策の進展を見据えつつ、真に有益な 処方せんの電子化の実現に向けて、詳細な検討を行っていくことが必要であると考 えており、現状における御提案の措置の実施は困難であると考えております。 関係府省回答 ―総務省 b:改善提案を検討中 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働大臣の共同懇談 会)の提言を踏まえて、昨年 10 月より実施している遠隔医療モデル事業(全国 10 カ所)の成果等に基づき、対面診療の補完とされている遠隔医療の位置づけの見直 し、遠隔医療の実施可能な範囲の拡大を検討してまいりたいと考えております。 提案者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-5 (改善提案) ・ 遠隔診療を対面診療の補完という位置づけから見直すとともに対象疾病の明示 的な範囲を拡大。 ・ 遠隔診療加算や各種検査の診療報酬が認められ、非遠隔医療の実施に係る経費 負担に見合う診療報酬等の収入が確保されることにより、医師の遠隔医療実施 のインセンティブとなり、遠隔診療の普及が期待。 ・ 患者と対面する医師を遠隔サポートする医療機関へのインセンティブ付与を実 現する 362 資料4-2 14-3 関係府省回答 ―厚生労働省 b:改善提案を検討中、c:実施困難・不要 ご指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省の下に設置した 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の「中間とりまとめ」 (平成 20 年 7 月)に 基づき、総務省において実証事業を実施しているところであり、それらの結果を踏 まえて検討することを予定しております。 遠隔画像診断については、送信側、受診側が一体となって医療サービスを提供し ており、患者の支払いの利便性の観点から送信側の保険医療機関において、費用を 算定できることとし、受信側の保険医療機関の費用については、医療機関相互の合 議に委ねることとしています。 ご指摘の遠隔画像診断をサポートする医療機関(受信側医療機関)も診療報酬を 算定できることとすることについては、患者は一つの医療サービスに対し、2つの 医療機関に対して支払いをしなければならなくなるため、対応は困難であると考え ます。 関係府省回答 ―総務省 b:改善提案を検討中 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働大臣の共同懇談 会)の提言を踏まえて、昨年 10 月より実施している遠隔医療モデル事業(全国 10 カ所)の成果等に基づき、対面診療の補完とされている遠隔医療の位置づけの見直 し、遠隔医療の実施可能な範囲の拡大を検討してまいりたいと考えております。 提案者等 パブコメ1(医師法20条(無診療治療等の禁止) (改善提案) テレビ会議システムがセキュリティ上遠隔診療に適用可能であることを実証試験 により確認し、遠隔診療が認められる範囲を拡大する。 厚生労働省 b:改善提案を検討中 ご指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省の下に設置した 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の「中間とりまとめ」 (平成 20 年 7 月)に 基づき、総務省において実証事業を実施しているところであり、それらの結果を踏 まえて検討することを予定しております。 総務省 b:改善提案を検討中 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働大臣の共同懇談 会)の提言を踏まえて、昨年 10 月より実施している遠隔医療モデル事業(全国 10 カ所)の成果をはじめとして、遠隔医療の有効性・安全性に関するエビデンスの収 集・蓄積に努め、対面診療の補完とされている遠隔医療の位置づけの見直し、遠隔 医療の実施可能な範囲の拡大や、遠隔医療に対する診療報酬の活用などを検討し、 遠隔医療の円滑な普及を実現してまいりたいと考えております。 363 資料4-2 14-4 中条委員資料3 提案者等 パブコメ122(特定検診の保険指導におけるICTを活用した遠隔面談の実現) パブコメ152(特定健診の保健指導におけるTV会議を活用した遠隔面談の実 現、及び支援ポイントの加算) (改善提案) 初回面談における遠隔面談の実施、初回面談以降の継続支援において遠隔面談と直 接面談を同等のポイントとすることで、ITを活用した遠隔面談を直接面談と同等 の措置として認める。 関係府省回答 ―厚生労働省 b:改善提案を検討中 遠隔面談の有効性の検証を進めるにあたっては、有効性を確認するための実証的 なデータや、特定保健指導の実施状況、特定保健指導対象者の負担の程度等も踏ま えながら、検討を行う必要があるものと考えております。 厚生労働省としては、遠隔面談の保健指導の有効性等について、検証に必要なデ ータの提供等、提案者から必要な協力を得つつ、それらを踏まえて検証し、その結 果、有効性等が確認された場合には、全体的な特定保健指導制度の見直しに関する 検討状況も見ながら、要望の措置について検討してまいりたい。 提案者等 パブコメ171(遠隔医療の普及・促進に向けた規制緩和) (改善提案) 対面診療の原則は保持すべきと考えるが、慢性患者へのフォローに関しては生活習 慣病指導料等を柔軟に活用できるようにする。 遠隔医療として認められている遠隔読影・遠隔病理診断に関しても、診療報酬にて 依頼側と受け手側との配分を制度上、明確に規定する。 関係府省回答 ―厚生労働省 b:改善提案を検討中、c:実施困難・不要 ご指摘の遠隔医療における診療報酬上の取扱いについては、「遠隔医療の推進方 策に関する懇談会」でのモデル事業の結果や関係者のご意見を伺いながら検討して まいりたい。 また、遠隔画像診断については、送信側、受診側一体となって医療サービスを提 供しており、患者の支払いの利便性の観点から送信側の保険医療機関において、費 用を算定できることとし、受信側の保険医療機関の費用については、医療機関相互 の合議に委ねることとしています。 なお、この費用の配分については、医療機関相互の自由な契約により決められる べきであり、国において一律に規定することは適当でないと考えております。 364 資料4-2 14-5 提案者等 大江委員(追加質問2-4) (追加質問) (1)厚生労働省通達(健政発第 1075 号・医政発第 0331020 号)「情報通信機器 を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」 ① 別表に示された7類型の疾病以外の疾病に関する遠隔診療は、2 留意事項 (3)イ「別表に掲げる遠隔診療など」の「など」に含まれますか。 ② 2(3)イで遠隔診療が認められる場合として、それぞれの疾病をもつ患者に 対し「テレビ電話等情報通信機器を通して」「観察を行い」とあるが、電子メール により必要な観察を行った場合は認められますか。 ③ 2(3)イで遠隔診療が認められる場合として、 「継続的助言・指導を行うこと」 とあるが、 「助言・指導」を踏まえた診療行為の中に医薬品の処方は含まれますか。 関係府省回答 診療は、直接の対面診療が原則ですが、直接の対面診療による場合と同等ではな ―厚生労働省 いにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得ら れる場合には、別表に示された疾病以外の疾病について遠隔診療を行うこと、電子 メールによる遠隔診療を行うこと、医薬品の処方を遠隔医療により行うことが、直 ちに医師法第 20 条に抵触するものではありません。 提案者等 大江委員(追加質問2-5) (追加質問) (2)厚生労働省通達(保医発第 0305001 号) 「診療報酬の算定方法の制定等に伴 う実施上の留意事項について」 初・再診料 第二節 診 に基づいて、視聴覚障害者以外の患者の患者からファクシミリ又は電子メ イ 再診料 A001 第一部 再診料 (5)電話等による再 ール等により間接的に治療上の意見を求められた場合に、当該患者に対し必要な指 示をしたときは、再診料は算定できますか。(電話、テレビ画像等を通した再診に ついては、「聴覚障害者以外の患者に係る再診については、ファクシミリ又は電子 メール等によるものは含まない。」として、ファクシミリ又は電子メール等が除外 されている。 ) 関係府省回答 診療は、直接の対面診療が原則ですが、例外的に、電話やテレビ画像等のより対 ―厚生労働省 面診療に近い媒体を通した再診により患者の状態等を適切に把握し治療上適切な 指示をした場合に限り、再診料の算定を可能としています。しかし、聴覚障害者の 場合には電話での再診は不可能であるため、更なる例外として、ファクシミリや電 子メール等による再診についても再診料の算定を認めているところです。 このようにファクシミリや電子メール等による再診料の算定は極めて例外的に 認められているものであり、聴覚障害者以外の患者に対するファクシミリや電子メ ール等による再診の場合には、再診料の算定はできません。 365 資料4-2 15-1 番号 テーマ 15 関連する意見 の提案者等 ・ 大江委員資料2 ・ 中条委員資料4 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-5 医療機関間での電子媒体による診療情報の提供 1.何が問題か? 患者の紹介を行う場合、紹介元医療機関からの医療画像データの CD 等の媒体による診療情報の提 供に関し、標準形式になっていないため容易に利用できず、受け渡すデータが膨大になり必要となる 情報の抽出に手間を要する、またはデータ受け取りに関する費用徴収が困難など、診療情報受領側の 医療機関にとって負担になっている。 2.どうすれば良いのか? (患者経由での)紹介元医療機関から紹介先医療機関に対する診療情報授受に関し、データ形式の 標準化を進めるため、標準化形式で診療情報が払い出された場合に限り患者からの費用徴収を認める とともに、標準化されていない診療情報を医療機関が受領する場合には、患者からの手数料徴収を認 める等のインセンティブを措置する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 地域医療連携における電子化が進む。 ②他の規制等への波及、影響等 データ形式の標準化を推進するための経済的インセンティブが広く適用されることにより、地域医 療のみならず疫学的調査等医療分野における情報流通の円滑化が期待できる。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 ・ 診療情報授受に関しては、診療報酬提供書についてはHL7において規格化されているが、DIC OM規格に完全に準拠していない画像がある、あるいは画像データの整理順、ブラウザがばらばら といった課題が存在。 366 資料4-2 15-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 大江委員資料2 (改善提案) ①提供する電子データ形式が標準化されている場合にも患者に経費を請求できる ように変更する ②受領した電子診療情報の紹介先医療機関における診療記録上の位置づけを明確 にし、その保存義務の有無と記録指針を明確にする ③受領したデータを保管する場合にも、外部機関への保管を可能とする ④標準的な記録形式で受領した電子診療情報を診療に活用した場合や、診療に再利 用できる形で自機関で電子的に保存した場合には、診療報酬上のインセンティブを 付与するかまたは別に料金を設定して患者から徴収することが可能とする 関係府省回答 c:実施困難・不要 ―厚生労働省 ①ご指摘の紹介先医療機関に対して電子的に診療情報を提供した場合の診療報酬 上のインセンティブの付与については、それにより患者が受ける利益が明確ではな いため、実施は困難と認識しております。 ②電子診療情報については、 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」 (第 4 版平成 21 年 3 月)において、指針を示しているところであり、御提案の措 置の実施は不要であると考えております。 ③診療録等の外部保存については、 「診療録等の保存を行う場所について」 (平成 14 年医政発 0329003 号厚生労働省医政局長・保険局長連盟通知)において、現在でも 一定の条件の下、診療録等の外部保存が可能となっていることから、御提案の措置 の実施は不要であると考えております。 ④診療報酬とは別に患者から料金を徴収することについても、診療情報提供そのも のを診療報酬上評価している場合には、一部負担金以上のものを患者から徴収する こととなり、実施は困難であると認識しております。 関係府省回答 ―総務省 b:改善提案を検討中 現在、健康情報活用基盤実証事業において、診療情報等の健康情報を誰もが状況 に応じたネットワークを介して、安全・安心にアクセスすることが可能なセキュア で利便性の高いネットワーク技術の実証を行っているところである。 367 資料4-2 15-3 提案者等 (改善提案) 中条委員資料4 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-5 ・ 遠隔診療を対面診療の補完という位置づけから見直すとともに対象疾病の明示 的な範囲を拡大。 ・ 遠隔診療加算や各種検査の診療報酬が認められ、非遠隔医療の実施に係る経費 負担に見合う診療報酬等の収入が確保されることにより、医師の遠隔医療実施 のインセンティブとなり、遠隔診療の普及が期待。 ・ 患者と対面する医師を遠隔サポートする医療機関へのインセンティブ付与を実 現する 関係府省回答 ―厚生労働省 b:改善提案を検討中、c:実施困難・不要 ご指摘の遠隔医療の在り方については、厚生労働省及び総務省の下に設置した 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の「中間とりまとめ」 (平成 20 年 7 月)に 基づき、総務省において実証事業を実施しているところであり、それらの結果を踏 まえ取り組んでいくこととしていることから、現状における御提案の措置の実施は 困難であると考えております。遠隔画像診断については、送信側、受診側が一体と なって医療サービスを提供しており、患者の支払いの利便性の観点から送信側の保 険医療機関において、費用を算定できることとし、受信側の保険医療機関の費用に ついては、医療機関相互の合議に委ねることとしています。 ご指摘の遠隔画像診断をサポートする医療機関(受信側医療機関)も診療報酬を 算定できることとすることについては、患者は一つの医療サービスに対し、2つの 医療機関に対して支払いをしなければならなくなるため、対応は困難であると考え ます。 関係府省回答 ―総務省 b:改善提案を検討中 「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣及び厚生労働大臣の共同懇談 会)の提言を踏まえて、昨年 10 月より実施している遠隔医療モデル事業(全国 10 カ所)の成果等に基づき、対面診療の補完とされている遠隔医療の位置づけの見直 し、遠隔医療の実施可能な範囲の拡大を検討してまいりたいと考えております。 368 資料4-2 15-4 提案者等 (追加質問) 大江委員(追加質問2-6) 紹介元医療機関が電子的媒体により患者の診療情報を提供し、(患者経由で)紹 介先医療機関が受領した場合、その診療情報について紹介先医療機関における診療 記録(医師法第 24 条に基づく「診療録」又は医療法第 21 条に基づく「診療に関す る諸記録」)としての保存義務はありますか。 (紹介元医療機関には、同じ診療情報 について診療記録としての保存義務があると認識。)具体的には、紹介元医療機関 が作成し紹介先医療機関が受領した患者の診療情報は、上記「診療録」又は「診療 に関する諸記録」に該当しますか。 関係府省回答 患者の紹介を受けた病院が、紹介元の医療機関より、医療法第 21 条第 1 項第 9 ―厚生労働省 号の規定する診療に関する諸記録に該当する記録の提供を受けた場合については、 同条の適用により、当該記録を保存する義務を負うことになります。なお、患者の 紹介を受けた診療所が、紹介元の医療機関より、上記の記録の提供を受けた場合、 及び患者の紹介を受けた医療機関が、紹介元の医療機関より、上記の記録以外の記 録の提供を受けた場合については、提供を受けた記録を保存する義務を負うことに はなりません。 提案者等 (追加質問) 大江委員(追加質問2-6 追加) 紹介先医療機関において、紹介元医療機関から払い出された患者の診療情報の保 存義務がないと仮定して、患者が紹介先医療機関において電子的に提供されたこれ らの診療情報を保存することを希望する場合に、「療養の給付に直接関係ないサー ビス」のひとつとして、紹介先医療機関が同診療情報を預かることについて、保険 外料金を設定して患者から料金徴収を行って差し支えありませんか。 関係府省回答 保険医療機関の遵守すべき療養担当規則においては、第9条において、「保険医 ―厚生労働省 療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日か ら3年間保存しなければならない。」と規定しており、他医療機関からの紹介状も しくはそこに記載されている情報は、療養の給付に関する書類その他の記録に該当 するものである。従って、保険医療機関であれば、当該情報の保存について患者か ら別途料金徴収を行ってはならない。 369 資料4-2 16-1 ・ 國領委員資料「医療関係」 番号 16 関 連 す る 意 見 ・ 大江委員資料3 の提案者等 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-4 ・ パブコメ169 テーマ 患者の健康情報の利活用に関する規制の緩和 1.何が問題か? 研究を目的とした場合においても、患者のカルテ情報等を本人の診療歴とひもづけ可能な形で利活 用する場合、現状では匿名化していない患者の個人情報のままで取り扱わざるを得ないため、都度患 者の同意が必要となり、健康情報の蓄積が困難となることにより「医学発展のための研究」が妨げら れている。 一方、これらの問題を解決する一つの手段として、全国規模で集積したレセプトデータ、特定健診 (メタボ健診)結果の情報の活用が期待されているが、現状、健康概要情報や死亡日付など、研究用 途で有用な情報を統合的に扱うこととはされていない上に、医療費の適正化を目的としてのみ厚生労 働省が調査・分析できるものであり、研究者による疫学的な活用ができていない。 2.どうすれば良いのか? 臨床研究を目的とした場合等一定の要件を満たした場合においては、医療機関等での公示通知 により「個人情報の保護に関する法律」第 23 条の患者同意を得たとみなし(オプトアウト方式)、 患者のカルテ情報等の利活用および情報提供を可能とする。 高齢者の医療の確保に関する法律に基づき厚生労働省が収集しているレセプトデータ、特定健 診結果の情報については、利用範囲が学術的、疫学的利用にまで拡大される見込みであることを 踏まえ、健康概要情報や死亡日付等、すでに医療機関等で情報収集を行うための枠組みが講じら れている情報であって疫学的研究の観点から有用なものを併せてデータベース化することを検討 する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 疫学的研究に必要とされる健康情報を統合的に取り扱う情報基盤が整備されることにより、それら を利活用した多様な医学研究が進み、我が国の医療サービスの質の向上が図られる。 ②他の規制等への波及、影響等 個人情報に配慮した全国大でのデータ解析への道を開くこととなることから、都度患者の同意を取 ることが不要となり、健康情報の蓄積が円滑化されることが期待される。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 医療分野においては非常にセンシティブな情報を扱うために、匿名化は非常に重要である。ただし、 疫学的研究の観点からは、特定の患者の状況を時系列を追って追跡できることが必要であることから、 現状では患者の個人情報として取り扱わざるを得ない状況にある。 本件は日本版 EHR(仮称) の実現においても非常に重要な事項である。 370 資料4-2 16-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 大江委員資料3 (改善提案) 事前アプトアウト方式による主要な健康概要情報および死亡日付の疫学用匿名化デ ータベースへの登録、そのデータ形式の標準化、研究者や研究機関・学術団体による 同データベース適正利用手続きの制度の策定を検討する。 関係府省回答 -厚生労働省 b:改善提案を検討中 ご指摘の国で保有することとなるレセプトデータ・特定健診等データについては、 現在、具体的な活用ルールを検討しているところです。 関係府省回答 -総務省 b:改善提案を検討中 現在、健康情報活用基盤実証事業において、診療情報等の健康情報を誰もが状況に 応じたネットワークを介して、安全・安心にアクセスすることが可能なセキュアで利 便性の高いネットワーク技術の実証を行っているところである。 提案者等 國領委員資料「医療関係」 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-4 (改善提案) 高齢者の医療の確保に関する法律で規定しているレセプトデータ、特定健診結果の情 報の利用目的の範囲を学術的、疫学的利用にまで拡大する 関係府省回答 -厚生労働省 b:改善提案を検討中 ご指摘の国で保有することとなるレセプトデータ・特定健診等データについては、 現在、具体的な活用ルールを検討しているところです。 提案者等 パブコメ169(匿名化された患者の医療情報の利活用に関する規制の緩和) (改善提案) 臨床研究を目的とした患者の医療情報の取扱について、オプトアウト方式を認め、ま た研究者によるその業務の一部の委託について認める。 関係府省回答 -内閣府(消費 者庁) e:所管外 個人情報保護法は、個人情報を事業の用に供する者を広く対象として、個人情報の 取扱いに関して共通する必要最小限のルールを定めたものであり、同法において特定 分野の規制を緩和することは、法の趣旨になじまないものと考えられる。 医療情報の具体的な取扱いについては、事業分野の特性を踏まえ、厚生労働省が定 めるガイドラインによって規定されているが、個人情報の保護に関する基本方針にお いても、医療分野については、個人情報の性質や利用方法等から特に適正な取扱いの 厳格な実施を確保する必要がある分野と位置付けられており、各省庁において、個人 情報を保護するための格別の措置を講じるものとされているところである。 371 資料4-2 16-3 関係府省回答 -厚生労働省 c:実施困難・不要 匿名化された患者の医療情報については、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年 5 月 30 日法律第 57 号)及び医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱 いのためのガイドライン(平成 16 年 12 月 24 日通達、平成 18 年 4 月 21 日)による 規制の対象とはなりません。したがって、個人情報取扱事業者たる医療機関は、匿名 化された患者の医療情報を、当該患者の明示の同意を得ずに、研究を目的とする第三 者に提供することができることから、御提案の措置の実施は不要と考えております。 なお、匿名化されていない患者の医療情報については、当該情報が個人情報に該当 する場合、医療に関わる個人情報が、国民から高いレベルでの保護を求められるもの であることから、同ガイドラインにより、個人情報取扱事業者たる医療機関が、患者 本人の明示の同意を得ずに、研究を目的とする第三者に、保有する患者の個人情報を 提供することを禁止しております。 <追加質問2-3> 保険者が保有する特定健診結果又はレセプトデータは、匿名化した後であれば外部 提供は可能であるが、過去の履歴とひも付け可能な形での匿名化が認めらるかが明ら かではない等の理由により実態的に研究利用は進んでいない。保険者が保有するこれ らの情報に関し、個人情報としての取り扱いを要さないための匿名化の判断基準を保 険者に対して提示すべきではないでしょうか。 <回答> 「過去の履歴とひも付け可能な形での匿名化」とはどのような加工方法を想定さ れているのかが不明ですが、健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのため のガイドラインにおいては、健康保険組合等に対し、特定の個人を識別することがで きないよう匿名化されたものは個人情報保護法の規制の対象となる個人情報に該当 しないこと、当該個人と関わりのない符号又は番号を付すことを匿名化の手法の一つ として周知しているところです。 372 資料4-2 17-1 番号 テーマ 17 関 連 す る 意 見 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-3 の提案者等 ・ パブコメ155 匿名化された個人の情報の活用 1.何が問題か? 民間事業者から見て、個人情報保護法が適用される範囲の判断がつきにくいため、匿名化された携 帯電話のアクセス情報、位置情報等の情報が十分に活用できていない。 2.どうすれば良いのか? 個人情報を匿名化して個人を特定できないようにした情報等に関する個人情報保護法上の解釈を明 確化することで、匿名化された情報等が活用できるようになり、クリエイティブな新市場の創出の環 境整備に寄与する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 • 具体的には、個人情報を匿名化処理した場合に、匿名化した情報を第三者へ提供する場合には、 情報提供を受ける第三者の側では個人を特定することができない形でマーケティング等に活用が 可能となる。 • 携帯電話のアクセス情報、位置情報などを活用した新たなサービスの市場創出が期待される。 ②他の規制等への波及、影響等 • レセプトデータ、特定健診結果などの情報の匿名化により、健康情報などの疫学的利用への用途 拡大の検討に資する。 • その他、個人情報の匿名化による統計的利用などの検討に資する。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 ・ 経済産業省「パーソナル情報研究会」報告書(平成 20 年 11 月)において、 「個人情報保護制度の境界線上の問題」における「個人情報の範疇の明確化と例示」として、「個 人情報(個人データ)のうち、特定の個人を識別できるデータ「個人識別性データ」と、特定の個 人を識別できないデータ「非個人識別性データ」との区分について、ガイドラインやQ&Aで範疇 の具体的例示や類型化した事例の提示等により明確化することが求められる。」としている。 373 資料4-2 17-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提出者等 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-3 (改善提案) 個人情報を匿名化して個人を特定できないようにした情報等に関する個人情報保護 法上の解釈を明確化することで、匿名化された情報等が活用できるようになり、クリ エイティブな新市場の創出の環境整備に寄与する。 関係府省回答 -総務省 b:改善提案を検討中 御指摘のような情報の利活用については、現在、有識者を集めた研究会を開催し、 必要な措置について検討を進めているところです。 関係府省回答 -経済産業省 f:その他 匿名化情報については、ガイドライン改正の要否を含め、その取扱について検討し たい。 提出者等 パブコメ155(個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」)第 2 条第 1 項に定められる (改善提案) 「個人情報」の定義.) 総務省や経済産業省の示すガイドライン等に匿名化された個人に関する情報が適用 対象外であることを明記する。 関係府省回答 -内閣府(消費 者庁) d:事実誤認 個人情報保護法では、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる 記述等により特定の個人を識別することができるものを「個人情報」としている。ま た、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することが できることとなるものも「個人情報」に含まれる。そのため、特定の個人を識別する ことができない匿名化された個人に関する情報が、本法の適用対象外であることは明 白である。 各省庁のガイドライン等に、匿名化された個人に関する情報が本法の適用対象外 であることを明記するか否かについては、事業分野ごとの特性を踏まえ、各省庁の判 断によってガイドラインで規定されるものである。 関係府省回答 b:改善提案を検討中 -総務省 御指摘のような情報の利活用については、現在、有識者を集めた研究会を開催し、必 要な措置について検討を進めているところです。 関係府省回答 -経済産業省 f:その他 匿名化情報については、ガイドライン改正の要否を含め、その取扱について検討し たい。 374 資料4-2 18-1 番号 18 テーマ 関連する意見 の提案者等 ・「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-7 ・「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-8 ・國領委員資料「国が所有する情報の公開」 政府統計全般、国勢調査のデータの活用 1.何が問題か? 行政機関の長が実施する統計調査のデータの二次利用に制限がかかっているため、これらの貴重な データが民間部門等で十分に利活用されていない。特に、国勢調査の結果が、ローデータを含めて完 全に開示されておらず、民間部門で十分利活用されていない。 2.どうすれば良いのか? 個人情報等にも配慮しつつ、データの二次利用の制約を緩和することにより、学術部門、民間部門 等で活用できるようにする。特に、国勢調査の情報を、個人や世帯が特定されない範囲で個人情報を 秘匿した上で開放する(ローデータでなく、データ加工を政府がサービス提供する選択肢もあり)。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 一般国民、企業や学術関係者等が、政府の統計データを容易に入手の上、利用できるようになり、 様々な分野において、民間部門のコストダウンや調査研究の活性化等に資する。 ②他の規制等への波及硬貨、影響等 他の行政機関が保有する情報の提供につながる可能性がある。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 国勢調査等の膨大なデータ情報を秘匿する処理には相当のコストがかかると推測される。 ・ 統計データの結果を無制限に公表することが、調査拒否等、統計調査の実施の障害となる可能性が ある。 ・ 基幹統計については調査への回答が義務付けられているところ、営利目的等でのデータの二次利用 が当該義務との関係で適切か検討の余地がある。 375 資料4-2 18-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提出者等 國領委員資料「国が所有する情報の公開」 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-7 (改善提案) ①センシティブ情報がほとんど問題にならない業務統計や調査統計については、ロ ーデータでの提供も可能にする。あるいは、提供対象について、「医療・福祉の発 展に資すると認められる場合」や「防災・事故の防止に資すると認められる場合」 など、ある程度公共性の高い目的がある場合についても拡大し、民間企業等であっ ても活用できる仕組みにできないか ②e-stat の充実(基幹統計以外も対象にした e-stat への統計データ集約の徹底、 e-stat で集計項目を任意で選んでクロス集計表を作成できるデータの対象拡大、統 計分析エンジンの改良) 関係府省回答 -総務省 d:事実誤認 ①複数の統計調査を統合し1つの統計調査とする「経済センサス」の創設など、 既に統計調査の集約に関する取組を進めているほか、4つの府省にまたがる生産動 態統計を統合する等ことについて、去る3月13日に閣議決定された「公的統計の 整備に関する基本的な計画」に施策として盛り込むなど、引き続き、統計調査の集 約化にも取り組むこととしていること、 ②また、4 月 1 日に全面施行された統計法に基づき、オーダーメード集計や匿名 データ(統計調査によって集められた情報を個人や企業が特定できない形に加工し たもの)の提供に関して、学術研究目的等に利用する民間部門も対象としたサービ スの提供を開始していること 以上2点の理由からご指摘の問題は解決していると考えます。 提出者等 國領委員資料「国が所有する情報の公開」 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-8 (改善提案) 国勢調査の情報を、個人や世帯が特定されない範囲で個人情報を秘匿した上で開放 する(ローデータでなく、データ加工を政府がサービス提供する選択肢もあり) 関係府省回答 -総務省 d:事実誤認 国勢調査の集計結果については、統計法に基づきすべて公表しており、インター ネット(政府統計の総合窓口: http://www.e-stat.go.jp)や統計報告書等を通じて提供しています。 国勢調査の調査票情報については、統計法に基づき、行政機関等に対し、統計 の作成等を行うために提供をしています。 また、平成 21 年度当初より、一般からの委託に応じて、国勢調査の調査票情報 を用いた統計の作成(オーダーメード集計)を開始し、独立行政法人統計センター に委託してサービスを提供しています。 (http://www.stat.go.jp/info/tokumei/index.htm を御覧ください。) これらの状況を踏まえつつ、国勢調査の匿名データを作成・提供することについ て検討することとしています。 376 資料4-2 18-3 提出者等 國領委員(追加質問2-7) 追加質問 (1) e-stat に移行されていない各省の統計数値についても、PDF でしか公開して いないものや刊行物しか作成していないもの等があるが、加工可能な形で開放を進 めるべきではないか。 (2) 新統計法で二次利用の促進に向けた条文が盛り込まれており、「民間部門も対 象」とされているものの、審査により NG となることが多く、一部の学者(特に国 立)が有利に入手できるという実態がある。是正すべきではないか。 (3) オーダーメイド集計については委託申請者に制限がある上、有料でありハード ルが高い。ローデータがあれば自分たちでできることに対し対価を払うことになり 不合理。米国等に倣いローデータの開放を進めるべきではないか。 関係府省回答 -総務省 (1)について 「統計調査等業務の業務・システム最適化計画(平成 18 年 3 月 31 日 各府省 情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)」では、①各府省は、平成 20 年度から、 所管の統計について、公表する統計表を表計算ソフト(Excel 等)で利用可能な形 式により作成し、統計表管理システム(e-Stat)からの提供をするものとすること、 ②各府省のホームページにおいて提供する統計表については、平成 21 年度末まで に統計表管理システム(e-Stat)からの提供に移行するものとすることとされてい る。 平成 20 年度統計調査等業務の業務・システム最適化実施評価報告書(平成 21 年 8 月 31 日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)の評価に基づき、 引き続き、表計算ソフトで利用可能な形式による統計表の電子的提供について推進 しているところ。 (2)について 新統計法で新たに制度化された委託による統計の作成等(法第 34 条)、匿名デー タの作成・提供(法第 35 条、36 条)は、学術研究目的、高等教育目的であればサ ービスを提供するものであり、ご指摘は当たらないものと考えています。 (3)について 匿名データは、調査票情報を特定の個人・法人が識別できないように加工した情 報であり、この匿名データについては、前述のとおり、学術研究目的、高等教育目 的であれば提供を行っています。 一方、統計調査については、調査対象の方の統計調査に対する信頼を確保し、統計 調査に適切に回答いただき正しい統計を作成するため、統計法によって守秘義務や 法の定めた利用範囲以外の利用の禁止等の一定の制限も設けており、無制限の調査 票情報の開放は、統計制度に対する国民の信頼を崩壊させ、信頼に基づく国民の調 査協力が得られなくなる恐れがあるものと考えています。 377 資料4-2 19-1 番号 19 テーマ 関連する意見 の提案者等 ・ 國領委員「自動車関係」 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-9 ・ パブコメ118 自動車関連情報の参照(自動車の各種履歴情報の利活用に関する規制の緩和) 1.何が問題か? <国領委員9、パブコメ118> ① 現在、利用可能な国土交通省の自動車登録検査情報(MOTAS 情報) 、軽自動車検査情報は、情報が 限定的で不便。省庁保有の自動車の関する履歴情報(国交省のリコール情報、警察庁の事故情報や 盗難情報、消防庁の車両水没情報など)が統一的に管理、公開されていないため、中古車市場にお ける中古車の評価が適正に行われず、市場が活性化していない。米国では全て開放されている。 <パブコメ118> ② MOTAS 情報は、データ利用料が高額で、我が国の登録車両7900万台のデータを取得する為には、 初期コストとして最低6億円、更新情報は1件あたり11.205円を払い続ける必要がある。軽 自動車検査サ―ビス提供も同様。 ③ MOTAS 情報のデータは、直近4ヶ月の情報しか公開されず、登録初年度からの車両履歴情報が 確認できない。 2.どうすれば良いのか? ① MOTAS 情報以外に関係機関(警察庁、国土交通省、総務省、損害保険会社、自動車ディーラー、独 立系整備工場、中古車販売会社等)が保有する自動車の製造、販売、登録、保守、保険利用、日々 の利用、リコール、盗難、事故、水没情報などの各種データを開放し、DB として一元管理するこ とで、利用者が必要な情報を入手できるようにする。 ② MOTAS 情報の利用者の支払える現実的な手数料レベルを考慮し、初期のシステム接続に要する費用 として数百万円程度、継続的な更新データの自動配信で数万円/月程度の設定とする。 ③ 個人情報を除き、全ての情報について電子データとして開放する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 ① 自動車の過去の履歴が公開されることにより、中古車品質情報の透明化が図られ、中古車売買が 活性化すると共に、品質の悪い中古車の流通を排除できる。 ② 利用者の負担が下がる事により、関連ビジネスの新規参入が促され、自動車市場が活性化する。 ③ 同①に併せ、関連業務の効率化を図ることができる。 ②他の規制等への波及効果、影響等 ・ 自動車に関する情報を保有する関係者が官民ともに大変多いことから、官民連携の良い先例と なる。 378 資料4-2 19-2 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点、関係法令等 ・ 中古車売買は国民生活の中で頻繁にあるものではなく、国民がこの改善に対してメリットを感じる のか不明。 ・ 本 DB の構築には民間保有の情報提供も必要になるが、民間各社の保有情報はお客様情報として各 社の財産と思われ、各社が提供に合意するのか不明。 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提出者等 國領委員「自動車関係」 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-9 (改善提案) 「どうすれば良いのか?」①のとおり 関係府省回答 c:実施困難・不要 ―国土交通省 国土交通省の管理する自動車の検査登録情報は、個人を識別する情報であり、個 人情報保護に留意しながら例外として、リコール、国・地方自治体の公益性のある 事務・事業の場合及び本人の同意がある場合等の一定の制限を付けて利用者に提供 しているところである。したがって、ご指摘の自動車情報管理の一元化の実施につ いては、個人情報保護の観点から問題が多く、無制限に提供する性格のものではな いと考えております。一方、中古車市場においてはすでに民間機関が中心に中古車 評価を適正に行っているところであるものと認識しております。 関係府省回答 ―警察庁 c:実施困難・不要 警察庁においては、交通の安全と円滑に資する目的のもと、全国的な交通事故の 発生状況について情報を収集・分析し、公開していますが、個々の自動車の車体番 号は収集しておらず、「自動車の事故履歴」というものは把握していないため、ご 要望に応じることはできません。 関係府省回答 ―経済産業省 f:その他 経済産業省は、中古車販売業の活性化等を図るため、入手可能な自動車関連情報 を基に業界関係団体等と車両データベース構築の実現可能性について将来的に検 討を行う予定。ただし、データベース化に向けては、入手可能な関連情報、業界内 での車種の統一コード化、民間企業が有する情報の提供、データベース構築・維持 管理・更新に必要なコストなど、様々な課題があると考えられるため、これらを慎 重に見極めつつ、中長期的な検討を行うべき課題と認識。 提出者等 118(自動車の各種履歴情報の利活用に関する規制の緩和) (改善提案) 「どうすれば良いのか?」①、②、③のとおり。 関係府省回答 ① d:事実誤認 ―国土交通省 ご指摘の自動車のリコール情報については、国土交通省のHPにおいて公表されて おります。 379 資料4-2 19-3 ② c:実施困難・不要 MOTAS情報の利用料金については、道路運送車両法第102条第1項により、 手数料の額は、実費を勘案して政令で定めることとしており、必要経費、運営費、 機械費用等を勘案して政令において適性な料金設定がなされていると認識してお ります。 ③ c:実施困難・不要 電子的情報提供制度により、MOTAS情報は個人情報保護に留意しながらすでに 一定の制限を設けて利用者に提供しているところである。ご指摘のオーナー履歴等 は個人情報保護の観点から、無制限に提供する性格のものではなく実施は困難であ る。 関係府省回答 ―経済産業省 ① e:所管外 ご指摘の MOTAS 等自動車関連情報の開示の可否・料金等については、国土交通省、 警察庁、消防庁など他省庁の所管となります。 関係府省回答 ―警察庁 ① c:実施困難・不要 警察庁においては、交通の安全と円滑に資する目的のもと、全国的な交通事故の 発生状況について情報を収集・分析し、公開していますが、個々の自動車の車体 番号は収集しておらず、 「自動車の事故履歴」というものは把握していないため、 ご要望に応じることはできません。 また、盗難情報を公表すると、当該盗難車両について警察の捜査が及ぶことが明ら かとなり、犯人等が証拠隠滅等捜査への対抗措置を講じることを容易にします。よ って、犯罪捜査に支障を来すおそれがあるので、一般に公表する情報の中に盗難情 報を含むべきではないと考えます。 なお、警察においては、盗難車両を手配し、その早期発見に努めるとともに、警察 庁から国土交通省に盗難等車両情報を提供して不正登録の未然防止を図るなどし ているところです。 関係府省回答 ―総務省 ① e:所管外 消防庁では災害規模(人数、棟数等)の把握を所管しているのみであり、所管す る制度が改善提案を妨げているものではないと認識しております。 関係府省回答 ―環境省 ① e:所管外 御指摘の内容は当省の所管外であり、改善提案等に対する回答はありません。 380 資料4-2 20-1 番号 テーマ 20 関 連 す る 意 見 岡村委員1 の提案者等 大江委員追加 病院における個人情報保護条例等の適用について 1.何が問題か? 現在、医療分野における個人情報の取扱いについては、病院の種別(民間病院(個人情報保護法)、 国立病院・大学病院(独立行政法人個人情報保護法)、自治体の病院(自治体の個人情報保護条例) 等)毎に適用される法令・条例が異なっており、病院の種別ごとに個人情報保護の取り扱いが異な っている。 また、医療機関が遠隔画像診断等のため患者の診療情報を他の医療機関に提供しようとする場 合、医療機関間で個人情報の管理規定・システムの整備状況が異なり、それぞれの医療機関間で個 人情報の管理レベルについての調整が必要。また、地方自治体立の病院が他の医療機関とオンライ ン結合を行おうとする場合、自治体では個人情報保護条例に基づき個人情報保護審査会の意見を聞 くことが必要とされていることが多く、病院が所属する自治体ごとに個人情報保護審査会の意見を 聞く必要があるなど、手続が煩雑。 2.どうすれば良いのか? 医療分野における個人情報の取扱いについて、病院の種別(国立病院、大学病院、自治体の病院 等)に関わらず適用される個人情報保護の特別法・個別法の制定を検討する。 また、診療又は研究目的等一定の要件を満たすことを前提に、レセプトオンライン化同様、他の 医療機関に対しオンラインを含めた診療情報の外部提供を法定化することを検討する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 病院の種別に関係なく、個人情報の取扱が統一されるため、病院間の情報連携をスムーズに行う ことが可能となる。 ②他の規制等への波及、影響等 国の機関、独立行政法人、地方自治体の機関、民間等の様々な機関における個人情報保護の取扱 い方針が統一され、情報連携が円滑化される。 381 資料4-2 20-2 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 医療分野における個人情報の取扱いについて、厚生労働省により「医療・介護関係事業者におけ る個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」が定められているものの、その適用範囲は、 「個 人情報保護に関する他の法律や条例が適用される、国、地方公共団体、独立行政法人等が設置する ものを除く。」とされている。「医療・介護分野における個人情報保護の精神は同一であることか ら、これらの事業者も本ガイドラインに十分配慮することが望ましい。」との規定はあるが、実態 的に病院間での適用ガイドラインの整合化は図られていない。 自治体の個人情報保護条例では、外部に対する電子計算機の結合を行う場合の制限として、法令 等の定めがある場合を除き、個人情報保護審査会の意見を聞くことを要件としていることが多い。 自治体の個人情報保護条例は、都道府県、市町村ごとに制定されているため、地方自治体立の医療 機関がオンラインでの情報提供を行おうとする場合、都道府県ごと、市町村ごとの手続が必要。 ②各省コメント 提案者等 岡村委員1 (改善提案) 遠隔医療等、医療分野における個人情報の取扱について、病院の種別(国立病院、 大学病院、自治体の病院等)に関わらず適用される個人情報保護の特別法・個別 法の制定を検討する。 関係府省回答 -厚生労働省 c:実施困難・不要 医療分野の個人情報の取扱について特別法、個別法を制定することについて は、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年 5 月 30 日法律第 57 号)及び医療・ 介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン(平成 16 年 12 月 24 日通達、平成 18 年 4 月 21 日)に基づくきめ細やかな指導等を徹底す ることにより、医療分野における個人情報の適切な保護を図ることができること から、実施不要であると考えております。 なお、上記法律及びそれに基づき策定された上記ガイドラインは、国、地方公 共団体、独立行政法人等の開設する医療機関についてその対象としておりません が、それらの医療機関についても、医療・介護分野における個人情報保護の精神 は同一であることから、同ガイドラインに十分配慮することが望ましいとして、 個人情報の取扱の適正を図っているところです。 関係府省回答 -総務省 e:所管外 個人情報の保護に関する施策の策定と実施は地方公共団体の自治事務であり、 地方公共団体は、個人情報保護法の趣旨にのっとり、その地方公共団体の社会経 済的諸条件、住民意識等に応じて、その地方公共団体の個人情報保護条例を解 釈・運用しているところである。 382 資料4-2 20-3 関係府省回答 -文部科学省 c:実施困難・不要 「個人情報の保護に関する法律」及び厚生労働省の「医療・介護関係事業者に おける個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を踏まえて国立大学附属 病院長会議が作成した「国立大学附属病院における個人情報の適切な取扱いのた めのガイドライン」に基づくきめ細やかな指導等を徹底することにより、医療分 野における個人情報の適切な保護を図ることができることから、個人情報保護の 特別法・個別法の制定は不要と考えております。 関係府省回答 -消費者庁 e:所管外 個人情報保護法は、その規定内容としては、官民で取り扱われる個人情報の保 護に関する基本法としての性格を有するとともに、民間部門については多種多様 な事業分野を広く対象にして個人情報の適正な取扱いについて事業者が遵守す べき具体的な義務を定める一般法となっている。 各事業分野によって、取り扱われる個人情報の内容や性質、利用方法等が異な るため、医療分野という特定の事業分野における個人情報の取扱いの法定化・ガ イドライン化については、事業分野を所管する省庁によって、事業分野の特性を 踏まえ検討されるべきものである。 383 資料4-2 21-1 ・ 國領委員「個人情報保護法等の運用ルールの明確化」 番号 21 関 連 す る 意 見 ・ 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-2 の提案者等 ・ パブコメ154 ・ パブコメ183 テーマ 個人データの漏えい事案が発生した場合に本人への通知が省略できるケースの明確化 1.何が問題か? 個人データに関する事故が発生した場合、個人データの漏洩を防止する技術的措置を講じている中 で発生した事故についてまで、本人への通知、公表、および主務大臣への報告が義務付けられている。 特に、「金融機関における個人情報保護に関する Q&A」(Ⅴ-16)では、「例えば、漏えい事案が発 生した場合において、高度な暗号化処理等が施されている場合や即時に回収出来た場合等、本人の権 利利益が侵害されておらず、今後も権利利益の侵害の可能性がない又は極めて小さい場合等には、本 人への通知を省略しうるケースもあるものと思われます。」とされているものの、「高度な暗号化処理 等」の基準は明らかにされておらず、実務上、本人への通知を省略することは困難となっている。 2.どうすれば良いのか? • 個人データの漏洩を防止する特定の技術的措置を講じている中で発生した事故について、報告な どを省略することとする。 • 本人への通知等を省略しうる判断基準のひとつとして、 「高度な暗号化処理等が施されている場合 等」の技術的措置の内容を具体化・明確化する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 • 個人データの漏洩を防止する技術的措置を講じるインセンティブとなり、個人データが、より適 正に管理されるようになる。 • 個人データの利活用の活性化が進展する。 ②他の規制等への波及、影響等 • 個人情報が保存されたパソコンを社外で紛失した場合、情報漏洩として本人に通知しなければな らないと規定されているため、テレワークの推進等の障害になっている。パソコンに保存されて いる個人データに関して高度な暗号化などの安全管理措置を講じている場合は、パソコンを紛失 したとしても本人への通知は必要としないことをガイドライン上、明確にすることで、テレワー クの推進等にも寄与する。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点等 ・ 「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」では、高度な 暗号化等の秘匿化が施されている場合のように、本人の権利利益が侵害されておらず、今後も権利 利益の侵害の可能性がない又は極めて小さいと考えられる場合には、本人への連絡を省略しても構 わないものと考えられることとしている。 384 資料4-2 21-2 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 國領委員「個人情報保護法等の運用ルールの明確化」 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」資料5-2 (改善提案) 個人情報関連の法律あるいは政府の指針等で、安全な措置(暗号化、VPN 等)を 施せば免責される旨を何らかの形で言及する 関係府省回答 -内閣府(消費者 庁) d:事実誤認 個人情報保護法では、個人情報の漏洩等が発生した場合における本人への通知の 義務を課しておらず、各省庁が定めるガイドラインにおいて、必要に応じて規定さ れているものである。 そのため、高度に暗号化されたパソコン等を紛失したとしても、本人への通知は 必要としないこととするか否かについては、事業分野ごとの特性を踏まえ、各省庁 の判断によってガイドラインで規定されるものである。 提案者等 パブコメ154(個人データに関する事故が発生した場合における、本人への通知、 公表、および主務大臣への報告の義務) (改善提案) 個人データの漏洩を防止する特定の技術的措置を講じている中で発生した事故に ついて、報告などを省略することとする。 関係府省回答 -内閣府(消費者 庁) d:事実誤認 個人情報保護法では、個人情報の漏洩等が発生した場合における、本人への通知、 公表、および主務大臣への報告の義務を課しておらず、それらの内容は各省庁が定 めるガイドラインにおいて、必要に応じて規定されているものである。 そのため、個人データの漏洩を防止する特定の技術的措置を講じている中で発生 した事故について、本人への通知等を省略することを認めるか否かについては、事 業分野ごとの特性を踏まえ、各省庁の判断によってガイドラインで規定されるもの である。 関係府省回答 -総務省 b:改善提案を検討中 御指摘のような情報の扱いについては、現在、有識者を集めた研究会を開催し、 必要な措置について検討を進めているところです。 関係府省回答 -経済産業省 c:実施困難・不要 ガイドラインにおいて、高度な暗号化等の秘匿化が施されている場合には、本人 への連絡及び公表を省略しても構わないとしている。経済産業大臣への報告につい ては、主務大臣として漏えい事故に関する事実関係等を把握するとともに、漏えい 事故の全体の件数を把握する必要があるため、現時点において、省略を認めること は困難である。 385 資料4-2 21-3 提案者等 パブコメ183(個人データの漏えい事案が発生した場合に本人への通知が省略で きるケースの明確化) (改善提案) 漏洩等が発生した場合において、本人への通知等を省略しうる判断基準のひとつと して、 「高度な暗号化処理等が施されている場合等」の内容を具体化・明確化する。 関係府省回答 -金融庁 c:実施困難・不要 「高度な暗号化処理等が施されている場合」とは、例えば、電子政府推奨暗号リ ストに掲げられた暗号アルゴリズムによって個人データを適切に暗号化し、かつ、 復号(平文化)のためのかぎ(鍵)が適切に管理されていると認められる場合など、 十分な秘匿性が確保されている場合を指します。ただし、暗号化処理の技術等は 日々進歩しているものであるため、画一的な基準を設けることは困難であると考え られます。 386 資料4-2 22-1 番号 テーマ 22 関 連 す る 意 見 ・ 国領委員資料「著作権関係」 の提案者等 ・ パブコメ21 著作権関係 1.何が問題か? 電子化に対応した著作権関係の法制度整備の遅れは、当該分野の産業の育成の遅れや国際競争力の 低下につながる。 2.どうすれば良いのか? デジタル時代に対応した著作権のあり方を検討すべく、フェアユース条項の導入の可能性等を検討 する。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 著作権法における権利者の利益を不当に害しない一定の範囲内で公正な利用を包括的に許容し得る 権利制限が規定される。 ②他の規制等への波及効果、影響等 情報通信環境を生かし、著作物の利用・流通の促進が期待される。 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点。関連法令等 ・ 著作権法 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 国領委員資料「著作権関係」 パブコメ21(一般フェアユース条項の導入による著作権規制の緩和) (改善提案) 著作権法にフェアユース規定を導入する。 関係府省回答 b:改善提案を検討中 -文部科学省 ご指摘の「権利制限の一般規定」については、「知的財産推進計画2009」におい ても、規定振り等について検討を行い、2009年度中に結論を得ることとされており、 現在、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会において議論されております。同小委 員会では、関係者から様々な意見が出されており、文部科学省としては、関係者の見解 に相違がある論点や重要な論点があることを踏まえ、幅広く論点を整理した上で、慎重 かつ多角的に検討を進めていく必要があると考えております。 387 資料4-2 23-1 番号 テーマ 23 関 連 す る 意 見 ・ 國領委員(追加) の提案者等 ・ パブコメ11 各種予算制度 1.何が問題か? 国、地方とも、行政機関の動きが年度区切りの予算に縛られており、IT インフラの整備、セキュリ ティ対応等に対して素早い行動が十分に取れていない。 2.どうすれば良いのか? 年度途中でも迅速かつ的確な決裁により支出を可能とする制度にする。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 年度途中に必要となった支出に柔軟に対応できるようになり、IT インフラの整備の促進、セキュリ ティ対応の向上等が見込まれる。 ②他の規制等への波及効果、影響等 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点。関係法令等 ・ 現行の制度においても、年度途中における予算の不足に対応するための方法(流用等)は設けられ ており、対応が不可能ではない。 ・ 年度途中に必要となった支出を可能としつつも、行政府の恣意的な支出をどのように防ぐか(議会 の議決をどのように経るべきか)について留意する必要がある。 ・ 民主党は、複数年度予算の来年度からの拡大実施を検討する方針。 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 パブコメ11 (改善提案) 年度途中でも迅速かつ的確な決裁により支出を可能とする制度にする。 関係府省回答 d:事実誤認 -総務省 年度途中における必要な予算の不足に対応するための制度は地方自治法に規定 されている。 関係府省回答 -財務省 d:事実誤認 年度途中における必要な予算の不足に対応するための制度は財政法等に規定さ れているところです。IT インフラの整備、セキュリティ対応等に対して素早い行 動が十分に取れていないとの御指摘でございますが、財政民主主義の観点から一定 の制約があることを御理解下さい。 388 資料4-2 24-1 ・ 國領委員資料「選挙・政治活動」 番号 24 関 連 す る 意 見 ・ パブコメ25 の提案者等 ・ パブコメ160 ・ パブコメ187 テーマ 選挙・政治活動 1.何が問題か? 公職選挙法では、文書図画を使った選挙活動が包括的に禁止されており、ビラ、葉書等の一部の手 法が限定された態様で認められているに過ぎない。このため、立候補者が有権者に対してインターネ ットを用いて情報を発信することはできないとともに、有権者がインターネットを利用して立候補者 に関する情報を収集することもできない。 2.どうすれば良いのか? 公職選挙法第 142 条以下を改正して、選挙期間中の立候補者のインターネットを利用した情報発信 を適法とし、インターネットを利用した選挙活動を解禁する。これにより、立候補者は、ビラ配布・ 葉書送付のような費用のかさむ手段を利用することなく、自らの政策や政治信条を有権者に対して広 くアピールできる。 3.選定の理由、改善による効果・影響等 ①改善による直接的な効果 有権者の政治参加の促進、候補者情報の充実、有権者と候補者との直接対話の実現、金のかからな い選挙の実現などに資する。 ②他の規制等への波及効果、影響等 4.留意点等 ①検討にあたって留意すべき点。関係法令等 ・ ひぼう中傷・なりすましなどインターネットの悪用、デジタルデバイド(情報格差)の存在などを 考慮する必要がある ・ 選挙制度に深く関係する問題であり、国会議員による議論が不可欠 ②関連する意見に対する各府省からのコメント 提案者等 國領委員資料「選挙・政治活動」 パブコメ25(公職選挙法) パブコメ160(公職選挙法によるインターネットを用いた選挙運動の禁止) (改善提案) (25)公職選挙法第146条の規制を緩和し、ネット選挙を解禁する。同第14 8条の規制を緩和し、ネットにおける報道及び評論の自由も明文で認め、ネットメ ディア、動画サイト、ブログ等における表現の自由を最大限確保する。 (160)公職選挙法第 142 条以下を改正して、選挙期間中の立候補者のインター ネットを利用した情報発信を適法とし、インターネットを利用した選挙活動を解禁 する。これにより、立候補者は、ビラ配布・葉書送付のような費用のかさむ手段を 利用することなく、自らの政策や政治信条を有権者に対して広くアピールできる。 389 資料4-2 24-2 関係府省回答 -総務省 f:その他 インターネットを利用した選挙運動については、有権者の政治参加の促進、候補 者情報の充実、有権者と候補者との直接対話の実現、金のかからない選挙の実現な どのメリットがあるものの、他方で、ひぼう中傷・なりすましなどインターネット の悪用、デジタルデバイド(情報格差)の存在などのデメリットも挙げられている ところ。 インターネットを選挙運動手段として認めるかどうかは、まさに選挙運動のあり 方という、いわば選挙の土俵づくりの問題であるため、各党各会派において、御議 論いただくべき問題であると考えているところ。 提案者等 パブコメ187(選挙におけるITの利活用の制限) (改善提案) ① インターネット(ウェブサイト、電子メール等)を用いた「文書図画」の頒布 を解禁する。 ② 選挙管理委員会は、選挙公報の内容をウェブサイトでも提供できることとする。 等により、情報提供の機会が増えることにより政策論争が活発化し、民主主義の発 展に資する。 関係府省回答 -総務省 f:その他 ①インターネットを利用した選挙運動については、有権者の政治参加の促進、候 補者情報の充実、有権者と候補者との直接対話の実現、金のかからない選挙の実現 などのメリットがあるものの、他方で、ひぼう中傷・なりすましなどインターネッ トの悪用、デジタルデバイド(情報格差)の存在などのデメリットも挙げられてい るところ。 インターネットを選挙運動手段として認めるかどうかは、まさに選挙運動のあり 方という、いわば選挙の土俵づくりの問題であるため、各党各会派において、御議 論いただくべき問題であると考えているところ。 ②選挙公報は、公職の候補者等の政見等を当該公職の候補者等が申請した原文のま ま掲載するものであり、選挙公報をどのようなものにするかは、選挙運動に関わる 問題であるところ。 選挙運動の方法等については、これまでの国会における審議や各党間の議論の積 み重ねの中から現在のようなルールが設けられてきたところであり、選挙公報をイ ンターネットのホームページに掲載するか否かは、インターネットの利用を選挙運 動の中でどう位置づけるかということも含め、各党各会派において御議論いただく べき問題であると考えているところ。 390 資料4-3 第二回会議 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等 対象テーマリスト(案) 國領委員提出資料 取り上げるテーマ(案) 選定の考え方、検討の目的等 具体的な点検の対象 関連する 対象テー マ (1) 行政情報の電子化 行政の保有する情報の中には、依然として、紙ベー スでの保存が制度、慣行上残されているものも多 い。このため、地方自治体における台帳管理をモデ ルケースとして検証の上、その解決策を見出すこと を通じて、同じような状況にある各種行政情報の電 子化への波及効果を狙う。 地方自治体における住居表示台帳の電子化 をモデルケースとして選定の上、制度及び運 用実態を検証するとともに、電子化できない 1、2、3 ことによる弊害、電子化のメリット等にも留意 しつつ、点検を実施する。 (2) 行政内のデータ連携 電子政府の推進には、地方自治体を含めた行政内 部でのデータ連携が不可欠。このため、国民に身近 な手続き等をモデルケースとして検証の上、関連・ 類似手続きの簡素化を目指すとともに、税・社会保 障共通の番号導入等のID問題も踏まえた行政内部 でのデータ連携に関する制度・システムの検討に反 映させる。 より国民に身近な手続きとして、引越をとり あげ、前居住地で受けていた行政サービス を、引越し後の新居住地において自動的に 4、5、6、 引き続き受けられるようにすることを目的と 7 し、関連する制度、運用、技術上の問題等に ついて点検を行う。 匿名化された個人の 情報の活用 匿名化された個人の情報の活用は、クリエイティブ な新市場の創出等において極めて有効。しかしなが ら、民間事業者から見て、個人情報保護法が適用さ れる範囲の判断がつきにくいため、当該情報が十 分に活用されていない。また、国民の安心を得るた めにも、個人情報にかかる問題を整理することが不 可欠である。このため、当該情報の利活用に関し、 制度上の問題点や利活用の在り方を整理すること で、産業分野におけるデジタル情報の利活用を図 る。 携帯電話サイトへのアクセス情報の利活用を モデルケースとして取り上げ、個人情報保護 16、17、 との関係を整理しつつ、制度上の問題点等を 18、19、 点検するとともに、その利活用の可能性を検 20 証する。 薬のインターネット販 売 薬事法及び厚生労働省令により、一般用医薬品は 「対面販売」が原則とされ、インターネットを含む郵 便販売にはリスクが比較的低い「第3類医薬品」に 限定された。本件は、国民の利便性向上と医療上 の安全確保の整合を図るべき事例として国民的関 心が高い。 消費者の利便性と安全の確保を図った上で、 第3類以外の一般用医薬品についても広く通 信販売が可能となるような提供方策を検討 し、薬事法施行規則の再改正の是非を検証 する。 13 (5) 遠隔医療 現在の遠隔医療は、明示的に許可されている症例・ 行為が極めて限定的であり、かつ、診療報酬上の 手当も十分とはいえない。また、医者対患者の例で は、処方せんを対面かつ紙で交付することとされて おり、診療が遠隔で認められるようになっても処方 ができないことなど、関連する制度を併せて改めて いく必要がある。 医者対患者の遠隔診療を取り上げ、都市部、 僻地、離島に関わらず、慢性疾患安定期の 患者に対し、患者が希望する場合には医師 の判断により電子メール等による遠隔診療を 認めるような制度緩和、及び電送等による遠 隔地への紙の処方せんの交付の可能性につ いて検証する。 14 (6) インターネット選挙 先の衆議院選挙においても話題となったところで あるが、多くの国民がデジタル技術の恩恵を実感で きるという観点から、全ての成人が参画可能である 選挙における、インターネットの利活用の可能性を 検討する。 現在公職選挙法において禁止されている、 インターネットによる選挙活動の解禁につい て、制度面、運用面の課題等を点検するとと もに、国民ニーズ等を踏まえた実現の是非を 検証する。 24 (3) (4) 391 資料4-3 第二回会議 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 岡村委員提出資料 御中 第2回デジタル利活用のための重点点検専門調査会に向けての意見 委員 岡村 久道 遠隔医療について推進すべきものと考えます。 しかし、その際における個人情報保護に関する個別法について手当てしなければ、その 実現は困難と考えます。 すでに情報通信技術(IT)担当室宛に本年 9 月 19 日付で別途連絡したとおり、「今回の i-Japan においては遠隔医療が柱のひとつとなっています。他方で医療領域は個人情報保護 法制が部門別に林立していますが、むしろ、医療機関・患者の双方からみて、当該医療機 関が特定部門に属することよりも、医療の特質に応じた規律を行うことが重要です。とこ ろが、現行の医療・介護ガイドライン等では、その性格上、法令でないため強制力が十分 といえるか、課題が残ります。それゆえ、さまざまな医療機関に要求される統一的な規律 を法令によって明確化することによって、統一的な遠隔医療の実施を容易化するため、そ して遠隔医療に関する国民の安心感を得るため、新たに遠隔医療への対応を含めて、個人 情報保護の特別法・個別法ともいうべき法律を制定することが、必要かつ適切であると考 え」ます。 以上 392 資料5-1 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 2010.3.26 岡村 久道 今後の情報通信技術政策の推進に向けた意見 1.今般公表された『新たな情報通信技術戦略の骨子(案)』に、基本的に賛成します。 特に重要と考える点について指摘します。 2.まず、前記案の「具体的な取組(例)」Ⅱ①のうち、特に「双方向でわかりやすい 授業の実現(情報端末の一人一台配備とデジタル教科書等を活用して児童生徒の興 味や関心を高める授業や子ども同士が教え合い学び合う協働教育の実現等)」が重 要です。 この点については、 「IT 戦略の今後の在り方に関する専門調査会」第 2 回会合「資 料 3」において説明したとおりです。例えば、教科書をデジタル化して、登場する 言葉にリンクを付けた副教材を配布して、それを生徒がブラウザ上でクリックして 各科目間を飛び回ることを可能にするとともに、電子政府の総合窓口サイト、国立 国会図書館サイト、国立公文書館サイト、国土地理院サイト、各種国公立美術館・ 博物館サイト等へのリンクを張ることも有用です。学力の低下が指摘されている現 在、教科の壁が消え、多面的で創造的・自律的な視点を養うことができ、併せて、 デジタル教科書等によって、電子化の時代に即した日本発の教育の仕組みを作り、 世界に発信することも可能であるはずです。 以上に関連して、少子高齢化が大きな課題となっている現在、生涯学習も重要です ので、さらなる放送大学の活用について申し添えます。現在、放送大学の UHF 波 を受信可能な地域は首都圏のうち一定区域に限定されています。それ以外の全国の 大部分の地区では衛星放送・ケーブルテレビに頼らざるを得ません。さらに、放送 時間も決まっていることが、勤労者等にとってハードルとなっています。そのため、 いつでも、どこからでも受講できるよう、放送大学の全講座をインターネットでオ ンデマンド配信することを実現するため、体制を整えることが必要です。これによ 393 って、さらに多くの国民が、生涯学習・学位取得に対して円滑に取り組むことが可 能になります。それを活用して、各種の国家資格の取得が容易になるよう、また、 これを中学・高校等でも教材として利用できるよう、併せて必要に応じて制度の整 備も行うべきです。 3.次に、「全国どこでも過去の診療情報に基づいた医療を受けられるとともに、個人 が健康管理に取り組める環境を実現するため、国民が自らの健康・医療情報を電子 的に管理・活用するための全国レベルの情報提供サービスを創出する」こと、その ために要する「医療情報に関する個人情報保護ルールの改善」(前記案の「具体的 な取組(例)」Ⅱ⑥)は、従来から私が重点的に要請してきた点であり(詳細は本 調査会第 2 回会合提出資料参照)、今後の実現に強く期待します。 地方に住んでいて病気になった場合に、安心して高度な治療を受けることができ ないという状況は、可能な限り早急な改善を要する問題であり、その是正に IT は大 きな力となりうるものと信じます。このため、それを円滑かつ適正に実施しうるよ う、前記個人情報保護ルールの改善をはじめ、遠隔医療に即した診療報酬体系など、 取組(例)Ⅱ③から⑤までを併せた、全般的なルールの整備が緊要です。 4.第三に、「具体的な取組(例)」Ⅰ⑫「テレワークの推進」について賛成しますが、 少しだけ私見を付け加えます。平成 21 年に発生した新型インフルエンザ問題は、現 時点では一応の収束を迎えたかのように見えます。しかし、今回の新型インフルエ ンザもさることながら、近い将来、強毒性の鳥インフルエンザのパンデミックを迎 えることが強く懸念されています。その場合、国民の多くが外出不能の事態に陥る ことによって、国民生活や経済が麻痺するおそれがあります。これに対して総合的 な政策を要することは当然ですが、その一環としてテレワークに頼らざるを得ない 側面があります。そのためにも、早期の時点から体制整備を要するはずです。 ところで、民間部門では個人情報保護法に対して過剰反応状態が続いており、そ れがテレワーク普及の壁となるおそれがあります。これを避けるため、テレワーク の円滑な普及に向けて、ガイドラインの整備等を急ぐべきです。 5.第四に、クラウドについて私見を述べます。今後におけるクラウドの普及は必然的 であると思われます。民間部門の効率化等の要請に適合することは当然であり、電 394 子政府・電子自治体との関連でも、行政の効率化を実現するために有用です。この 点に向けた合衆国政府の取り組みが参考になります。 ただ、クラウドの中にはサーバ所在地すら不明確であるケースも多い上、情報セ キュリティの確保が重大な課題となります。この点で、「具体的な取組(例)」Ⅱ ⑲の指摘は正鵠を得ています。さらに、クラウドによって国外への依存度が過度に 進むと、海外とのケーブルが事故等で切断されるなど、通信途絶状態に至れば、情 報セキュリティを超えて、ナショナルセキュリティ上の問題が発生するおそれがあ ります。 その一方、国内が空洞化することを回避するという意味でも、取組(例)Ⅱ⑱の 実現を図るとともに、我が国の通信インフラが速度等の点で総合的に優れているこ とから、事業展開に必要なバックアップセンター等として、クラウド国外事業者の 誘致を図るべく、クラウド特区の創設など、必要な措置を併せて行うことが考えら れます。なお、特区によって、併せてスマートグリッドの実験等を図ることを考え てもよいはずです。 6.最後に、「具体的な取組(例)」Ⅰ⑬「インターネットを利用した選挙活動の実現」 も重要です。 この数年来、繰り返し全国紙等で個人として申し上げてきたとおり、伝統的な選 挙運動は政策不在の慢性的機能不全状態に陥っています。候補者名と顔写真だけの 選挙ポスターや、選挙カーによる候補者名の連呼では、肝心の政策内容は有権者に 伝わりません。演説会への参加やテレビの政見放送を見ることも、多忙な現代人に とって時間的に容易ではありません。これでは選挙運動が“政策不在”と揶揄され ても仕方がありません。これに対し、インターネットを利用すれば、候補者は詳細 な政策内容を安価で公表でき、多忙な人や在外投票予定の海外居住者も、いつでも、 どこからでも閲覧できます。誹謗中傷や「なりすまし」のおそれに適正な配慮を払 いつつ、早急に立法化されることを願うものです。 以上 395 資料5-2 情報資産の有効活用で成長を 國領二郎 1. 日本は世界に冠たる情報資産(ブロードバンドネットワークのようなハード ウエアも、世界中にファンを持つコンテンツや膨大な政府保有データなどの ソフトウエアも)を持っており、その資産を最大限に活用することで、既存 システムの高付加価値化や、新しい産業の創造などが可能である。ところが、 いま、情報技術を想定しない古いルール(対面による対応の義務付けなど) や、新しいビジネスモデルの発達を妨げるような規制によって、せっかくの 資産が「不稼働資産」になっている。電子政府なども、これまで大きな投資 を続けながら、活用を妨げるような規制、制度、慣行などによって、効果を 上げきれていない。規制改革による資産活性化-投資対効果の改善-が急務 である。 2. 本専門調査会は、65 団体・個人による 208 項目のパブリックコメントをも とに、デジタル情報活用のために必要な施策の検討を進めており、今後の情 報通信技術政策を進めていくにあたっては、その活用も含め、規制改革によ る情報資産活性化の取り組みを進めるべきである。 3. 参考までに、國領が独自に本専門調査会検討を集約し、優先的に取り組むこ とで、他の分野への波及効果も含めて大きな成果がでると思われた項目を抽 出、整理した資料を添付する。 以上 396 (参考)第2回デジタル利活用のための重点点検専門調査会(平成 21 年 10 月 20 日)提出リスト ※「具体的な点検の対象」に関しては、あくまでも例示であり、今後、検討が必要である。 取り上げるテーマ(案) 選定の考え方、検討の目的等 具体的な点検の対象 行政の保有する情報の中には、依然として、 行政情報の電子化 紙ベースでの保存が制度、慣行上残されて 地方自治体における住居表示台帳の電子 いるものも多い。このため、地方自治体に 化をモデルケースとして選定の上、制度及 おける台帳管理をモデルケースとして検証 び運用実態を検証するとともに、電子化で の上、その解決策を見出すことを通じて、同 きないことによる弊害、電子化のメリット じような状況にある各種行政情報の電子化 等にも留意しつつ、点検を実施する。 への波及効果を狙う。 電子政府の推進には、地方自治体を含めた 行政内のデータ連携 行政内部でのデータ連携が不可欠。このた より国民に身近な手続きとして、引越を め、国民に身近な手続き等をモデルケース とりあげ、前居住地で受けていた行政サー として検証の上、関連・類似手続きの簡素 ビスを、引越し後の新居住地において自動 化を目指すとともに、税・社会保障共通の 的に引き続き受けられるようにすること 番号導入等のID問題も踏まえた行政内部で を目的とし、関連する制度、運用、技術上 のデータ連携に関する制度・システムの検 の問題等について点検を行う。 討に反映させる。 匿名化された個人の情報の活用は、クリエ イティブな新市場の創出等において極めて 有効。しかしながら、民間事業者から見て、 匿名化された個人の 情報の活用 個人情報保護法が適用される範囲の判断が 携帯電話サイトへのアクセス情報の利活 つきにくいため、当該情報が十分に活用さ 用をモデルケースとして取り上げ、個人情 れていない。また、国民の安心を得るため 報保護との関係を整理しつつ、制度上の問 にも、個人情報にかかる問題を整理するこ 題点等を点検するとともに、その利活用の とが不可欠である。このため、当該情報の 可能性を検証する。 利活用に関し、制度上の問題点や利活用の 在り方を整理することで、産業分野におけ るデジタル情報の利活用を図る。 薬事法及び厚生労働省令により、一般用医 薬のインターネット 販売 薬品は「対面販売」が原則とされ、インタ 消費者の利便性と安全の確保を図った上 ーネットを含む郵便販売にはリスクが比較 で、第 3 類以外の一般用医薬品について 的低い「第 3 類医薬品」に限定された。本 も広く通信販売が可能となるような提供 件は、国民の利便性向上と医療上の安全確 方策を検討し、薬事法施行規則の再改正の 保の整合を図るべき事例として国民的関心 是非を検証する。 が高い。 397 現在の遠隔医療は、明示的に許可されてい る症例・行為が極めて限定的であり、かつ、 診療報酬上の手当も十分とはいえない。ま 遠隔医療 た、医者対患者の例では、処方せんを対面 かつ紙で交付することとされており、診療 が遠隔で認められるようになっても処方が できないことなど、関連する制度を併せて 改めていく必要がある。 先の衆議院選挙においても話題となった ところであるが、多くの国民がデジタル技 インターネット選挙 術の恩恵を実感できるという観点から、全 ての成人が参画可能である選挙における、 インターネットの利活用の可能性を検討す る。 398 医者対患者の遠隔診療を取り上げ、都市 部、僻地、離島に関わらず、慢性疾患安定 期の患者に対し、患者が希望する場合には 医師の判断により電子メール等による遠 隔診療を認めるような制度緩和、及び電送 等による遠隔地への紙の処方せんの交付 の可能性について検証する。 現在公職選挙法において禁止されてい る、インターネットによる選挙活動の解禁 について、制度面、運用面の課題等を点検 するとともに、国民ニーズ等を踏まえた実 現の是非を検証する。 資料5−3 第3回デジタル利活用のための重点点検専門調査会 提出資料 平成 22 年 3 月 26 日 行政刷新と両輪となった新たなIT戦略を 東京電力株式会社 顧問 南 直哉 「i-Japan 戦略 2015」(昨年 7/6)策定、引き続いて本専門調査会に携わった 立場として、活動の区切りにあたり、今後のIT施策への期待を申しあげる。 ・ IT 施策の推進を有効な手段として、行政手続きをはじめとする各種プロセス を抜本的に効率化し、国民・企業の利便性を高めていくことが、わが国の成 長戦略に照らしても非常に重要。 ・ しかしながら、IT を想定しない古いルールが高い壁となって、これを阻害し ており、導入を進めてきたシステムも不稼働資産と化している実態は残念。 ・ これは「i-Japan 戦略 2015」検討当時も強い問題意識を持ち、尖ったテーマ を3点(電子行政、医療、教育)に絞り、戦略策定にあたってきた。 ・ 今般提案された新戦略骨子では、新たな国民主権の社会を確立するため、行 政の見える化や行政刷新を図る電子行政への強い意志を示している。しがら みのなさ、変革への国民の期待を背に、府省縦割りを打破し、これまで為し 得なかった大胆な改革を、政権交代の成果として加速的に進めることを大い に期待したい。非常に重い課題だが、政権交代直後の今を逃しては永遠に為 し得ないこと。喫緊の重点課題として取り組んでいただきたい。 ・ その際、阻害要因となっている高い壁を取り除くためにも、行政刷新会議の 取り組みと両輪一体となって進めることが肝要。行政刷新のツールとして、 あるいは「視点」として、本調査会で集約した課題は大いに参考になるもの。 ・ 具体的施策では、「国民ID制度」に大いに期待している。 ・ 行政情報についてはもちろんだが、多数の顧客と定期的な請求・通知、本人 確認等の情報のやり取りを行っている電力・ガス、電話、銀行、クレジット カードなどの企業でも類似のシステムへのニーズがあり、すでに一部試行し ている。行政だけでなく企業経済全体の効率化にもつながり、顧客側も情報 一元化、パスワード一元化による利便性を享受できれば、国民の利便性に直 結するもの。 ・ その際、まずは本人が監視・コントロールできる範囲でワンストップの行政 サービスを提供するなど、その効果を希望する国民が利便性を早期に実感で きるよう目標年限を設定していただきたい。 以 399 上 デジタル利活用のための重点点検専門調査会 活動報告 資料編 参考資料 会議議事録 400 参考資料1 1 デジタル利活用のための重点点検専門調査会(第1回) 日時:平成21年8月25日(火)17:00~18:33 場所:中央合同庁舎4号館 11階 共用第1特別会議室 ○出席委員 井堀委員、大江委員、岡村委員、國領委員(会長代理)、関口委員、高橋委員、中条委員 松本委員、南委員(会長) ※ この他の出席者:久貝内閣官房内閣審議官、吉田内閣官房内閣参事官、小宮内閣官房 内閣参事官、原総務省政策統括官(情報通信担当)、富田経済産業省審議官(商務情報政 策局担当)、谷脇総務省情報通信政策課長、赤石経済産業省情報政策課長 1.開会 2.デジタル利活用のための重点点検専門調査会の運営等について 3.デジタル利活用のための重点点検専門調査会の活動方針について 4.i-Japan戦略2015について 5.対象となる規制等について 6.閉会 [資料] 資料1:デジタル利活用のための重点点検専門調査会について 資料2:デジタル利活用のための重点点検専門調査会の運営について(案) 資料3:デジタル利活用のための重点点検専門調査会 活動方針(案) 資料4:i-Japan戦略2015概要 資料5:第9回IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会資料5「デジタル技術・情 報の利活用を阻むような規制・制度・慣行等」 資料6:パブリック・コメント結果概要 資料7:2009年度デジタル利活用のための重点点検専門調査会スケジュール(案) 資料8-1:國領委員提出資料 8-2:大江委員提出資料 8-3:中条委員提出資料 [参考資料] 参考資料1:i-Japan戦略2015 参考資料2:パブリック・コメント結果 401 参考資料1 2 開会 ○小宮内閣参事官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回デジタル利活 用のための重点点検専門調査会を開催させていただきます。 本日はご多用のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。私は内 閣官房内閣参事官の小宮でございます。会長の選任まで進行を務めさせていただきます。 先般、7月6日に開催された第51回IT戦略本部におきまして、デジタル社会を実現し ていくためには、デジタル技術、情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行、サービス の仕組みそのもののあり方や運用などを、国民にとって利益となる形で抜本的に見直すた め、本専門調査会の設置が決定されたところです。本専門調査会の設置要綱につきまして は、資料1のとおりとなっておりますので、ご確認をいただければと思います。 それでは最初に、委員の皆様の紹介を行わせていただきます。 資料の1の2枚目にございます委員名簿に従い、五十音順にお名前を紹介させていただ きます。 出席委員を先に紹介させていただきます。 まず市川市情報政策監の井堀幹夫委員。 東京大学大学院医学系研究科教授の大江和彦委員。 弁護士で国立情報学研究所客員教授の岡村久道委員。 慶應義塾大学総合政策学部長の國領二郎委員。 生活経済ジャーナリストの高橋伸子委員。 慶應義塾大学商学部教授、規制改革会議委員の中条潮委員。 一橋大学法科大学院長の松本恒雄委員。 東京電力株式会社顧問の南直哉委員。 このほか欠席委員として、日立製作所相談役の庄山委員、日本経済新聞社の関口和一委 員がいらっしゃいます。 次に、我々事務局のメンバーもご紹介をさせていただきます。 本日別件で遅刻をしておりますけれども、内閣官房より久貝内閣審議官が出席をする予 定になっております。 それから、私の右隣が内閣官房の吉田内閣参事官であります。 次に、私の左手のほうで、総務省の原政策統括官、情報通信担当です。 それから、経済産業省の富田審議官、商務情報政策局担当です。 総務省の谷脇情報通信政策課長。 経済産業省の赤石情報政策課長。 それでは、次に会長の選任に移らせていただきます。 資料1のデジタル利活用のための重点点検専門調査会設置要綱3項におきまして、専門 調査会の会長は、委員の互選によるとされております。ここで、事務局からは差し支えな 402 参考資料1 3 ければ南委員を会長に推薦させていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。 ありがとうございました。では、南委員に会長をお願いすることとし、ここからの議事 を南会長にお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 ○南会長 ただいま会長に選任いただきました南でございます。 極めて微力な人間でございますが、精いっぱい任務を果たせるよう努力させていただき ますので、よろしくお願いいたします。 皆様ご承知のとおりでございますけれども、先般、直面する経済危機を乗り越え、我が 国の底力を発揮すること、それから活気ある社会を実現する、このための戦略策定が必要 ということで、IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会におきまして、i-Japan戦略 2015の策定が行われたわけでございますが、私はそこで座長として委員の皆様のご協力を いただきながら、戦略の取りまとめの役割をさせていただきました。 その際、多数の委員の皆様から、デジタル技術の活用を阻むような規制・制度・慣行等 が数多く存在しているということから、これらを抜本的に見直す必要があるというご意見 が寄せられ、この報告書にも第3章、第4章にIT戦略本部の下に重点点検を行う専門調 査会を設置するよう提言しております。 先ほどご紹介のありました先月のIT戦略本部におきまして、このi-Japan戦略を付議 した際に、この提言を受けて本専門調査会を設置することを決定していただいた次第でご ざいます。私としましても、前回の専門調査会に引き続き、我が国のデジタル戦略の実施、 推進に向かって貢献できるということは、改めて感慨深いものとありがたく思っておりま す。 重点点検の対象となる規制・制度・慣行等につきましては、さまざまな関係者がおられ ますし、またそれぞれにはそれぞれの事情、背景もあるということから、見直しにつきま しては解決すべき課題も大変多いかと思います。しかし、私としましては、新戦略の策定 に携わった者として、戦略策定時の議論も踏まえながら、いろいろな障壁を取り除くこと に全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましても、ぜ ひお力添えをいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 それでは、続きまして、本調査会の運営について定めたいと思います。事務局から運営 案について、ご説明をお願いいたします。 ○小宮内閣参事官 その前にちょっと不手際がございまして、資料の確認をいたしており ませんでしたけれども、本日は資料の1から資料の8及び参考資料の1、2とございます。 もし落丁や欠けているものがございましたら、事務局までお申し出をいただければと思い ます。 続きまして、運営について説明をいたします。 資料の2をごらんいただければというふうに思います。 資料2にございますように、まず会長代理については、事故がある場合には専門調査会 に属する委員のうちから会長があらかじめ指名する者が職務を代理する。 403 参考資料1 4 (2)といたしまして、議事につきましては、原則として公開、議事要旨を作成して、 終了後に速やかに公開をする。 (3)配布資料につきましては、配布された資料は原則として、終了後速やかに公開を する。 (4)協力員の委嘱についてでございます。これは、会長が専門調査会における検討に 必要となる事項を調査させるため、協力員を委嘱することができるという規定でございま す。 以上でございます。 ○南会長 ありがとうございました。 ただいまの説明につきまして、特にご意見ご質問等ございませんでしょうか。 特にないようですので、先ほどの資料1の設置規約9に「専門調査会の運営に関する事 項その他必要な事項は、会長が定める」とございますので、本調査会の運営につき、会長 として、この案のとおり決定させていただきたいと思います。これでよろしいでしょうか。 ありがとうございました。それでは資料2のとおり、本調査会の運営については、これに 従って進めさせていただきます。 今の資料2にありましたように、この議事を進めさせていただくに当たりまして、当専 門調査会の運営に当たっての会長代理を置くということにさせていただきたいと思います。 会長代理は私からご指名させていただきますが、國領委員にお願いしたいと思います。よ ろしくお願いしたいと思います。ここで一言ご挨拶をいただけますか。 ○國領会長代理 まことに僭越でございますけれども、ご指名でございますのでお受けし たいと思います。よろしくお願い申し上げます。 南会長とは、実は今のi-Japan戦略を起草する調査会のときからの同じ組み合わせで仕 事をさせていただいた中で、この重点点検は、やはりシステムに投資することにあわせて、 やはり制度をきちっと見直すべきところは見直していくということが、非常に重要である と。そのことを通じて投資したものが生きてくるという視点から、非常に重要なものだろ うと思っておりますので、皆様のご指導をいただきながら頑張っていきたいと思いますの で、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは次に、本専門調査会の活動方針(案)に移ります。資料3について、これは國 領会長代理からご説明をお願いできればと思います。 ○國領会長代理 資料3をごらんください。 短いですので読み上げてしまいます。 1.「重点点検」の進め方の整理 重点点検の実施に当たっては、その分野においてデジタル技術・情報の利活用を促進す るために大きな障害となっており、デジタル社会を実現し、国民の利益のために緊急に見 直しに着手することが必要な規制・制度・慣行等について、優先的に点検対象とする。 404 参考資料1 5 なお、i-Japan戦略、IT新改革戦略に従い、既に取り組まれている施策等、評価の対 象とすることが適切と考えられるものについては、IT戦略本部評価専門調査会との間で 分担を調整する。 2.「重点点検」のアウトプット 点検の対象として選定した規制等については、本専門調査会において、改善の方向性を とりまとめ、IT戦略本部に報告することとする。 3.関係機関との連携 点検の実施にあたっては、規制改革推進会議等関係機関と連携しながら、重点的に見直 すべき項目とその改善策を検討する。 少しだけ補足させていただきますと、評価専門調査会というのがございまして、こちら のほうが、どちらかというと体系的に全体を見渡して点検をしております。重点点検のほ うはどちらかというと、非常に割合ピンポイントにやっていくということになろうかと思 います。 これの心は、今までの評価専門調査会などの経験から、いいことをやろうと思うとある ところに的を絞ってぎゅっと深く掘っていくということが、そこまでいかないと実を言う となかなか直らないという認識があります。もう片側でITの話は、全体として全体が体 系としてちゃんと動いているということが大事であると。ですから、どちらも壊れるとだ めなので、ちょっと役割分担をしながらいきたいということ。 それから、「重点点検」のアウトプットについては、少し踏み込んで、今までは戦略に 書かれていないことは評価委員会なので、戦略がちゃんと動いているかどうかということ を見るというのがミッションだったわけですけれども、こちらでは少し踏み込んで、どう 直すべきだというようなところまで報告していくこと。それから、もちろん規制改革会議 等、関係しているところがいろいろありますので、その辺と連携しながら、時に役割分担 しながら、時に両方、一遍に押すみたいなことをやっていくというような三つの点という ふうにご理解いただければと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 今の説明に対しまして、ご意見あるいはご質問等ございましたら承りたいと思います。 特にないようですので、それでは本調査会の活動方針につきまして、このように決定し たいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。 それでは、資料3のとおり決定させていただき、今後この方針に従って本調査会の活動 を進めさせていただきます。 それでは、次の議題に移りますが、先般開催されました第51回のIT戦略本部におきま して、先ほども申し上げましたが、新たな戦略としてi-Japan戦略2015が取りまとめられ ました。本日は事務局より、このi-Japan戦略2015の概要について説明していただきます。 それでは、よろしくお願いします。 ○吉田内閣参事官 それでは、ご説明をさせていただきます。 405 参考資料1 6 お手元には「i-Japan戦略2015」本体、これは冊子の形でも本日配布させていただいて おりますが、時間の関係もございますので、本日はこの資料4、A3横の色刷りの資料で ございますが、これに基づきまして概略をご説明させていただきます。 今回の戦略につきましては、我が国は総合的なITの総合戦略については、ご案内のeJapan戦略以来、累次のものがございますけれども、今回の戦略といいますのは、2015年 の我が国の将来ビジョンというものを設定いたしまして、それを実現するために現在何を していけばいいのかという視点に基づいております。 その2015年にどのような社会をイメージする、そのビジョンとして持つかということに つきまして、この資料の左上にございますように、二つの案を提示しております。 一つは、デジタル技術が「空気」や「水」のように受け入れられ、経済社会全体を包摂 し、暮らしの豊かさや人と人とのつながりを実感できる社会を実現していこうというもの で、これは英語で「Digital Inclusion」という言葉を使っております。 さらにもう1点、デジタル技術・情報により経済社会全体を改革して新しい活力を生み 出し、個人・社会経済が活力を持って、新たな価値の創造・革新に自発的に取り組める社 会等を実現していこう、これを「Digital Innovation」という言い方をしまして、いわば この二つの「i」をとって、i-Japan戦略という名称の戦略としているところでございま す。 このようなビジョンを実現するための視点といたしまして、資料右上でございますけれ ども、人間中心のデジタル技術が水や空気のように使いやすく、普遍的に国民に受け入れ られるような、そういういわば人間中心のデジタル社会を実現していこうということで、 4つの新たな視点をそのために提示をしております。 その4点といいますのは、第1が使いやすいデジタル技術です。それから第2点が、デ ジタル技術の活用に立ちはだかる壁の突破ということでございまして、これが本調査会の ご議論にも大きく関係をしてくるような視点ではないかと思われます。3点目がデジタル 技術の利用に当たっての安心の確保。それから4点目が、デジタル技術や情報を経済社会 へ浸透させ、それを通じて新しい日本を創造していこうという新しい日本の創造、このよ うな4つの視点に立って本戦略というものはつくられているところでございます。 具体的にこの本戦略は何を実現していこう、どういうことをやっていこうかということ でございますが、この真ん中の部分にございますけれども、「三大重点分野」というもの をまず置いております。実は、その戦略でどういう分野に重点を置いていくかにつきまし て は 、 こ の e-Japan戦 略 以 来 、 累 次 の 戦 略 で そ れ ぞ れ 、 い ろ い ろ そ の た び ご と に 、 そ の 時々の問題意識で検討されておりましたけれども、その分野が広がってきておりました。 ただ、余り広がり過ぎますと、今度は逆に焦点がぼけてくるということで、今回の戦略で は思い切って三つの「三大重点分野」というものに絞り込んでおります。 その分野といいますのが、そこにございますように電子政府・電子自治体、医療・健康、 教育・人材の三つでございます。この三分野は、ある意味でいいますと、古くから非常に 406 参考資料1 7 重要な分野、デジタル技術の活用によって非常に利便性が増していくような分野であると いうふうに指摘されておりながら、必ずしも利活用の分野で十分に進んでいないといった ような分野と言えようかと思います。 これは、前の戦略の反省に立って、これらの分野を今度こそといいますか、2015年の社 会というものを想定いたしまして、非常に利便性の高い、そういうサービスを実現するた めに、この三つの分野に重点を置いて取り組んでいこうということでございます。 一々の内容については、本日は時間の関係もございますので省略させていただきますけ れども、主な事項といたしましては、そこにございますように、電子政府・電子自治体に つきましては、とにかく推進体制の整備というものをきっちりやっていこうと。過去の計 画のフォローアップやPDCAの制度化を行っていく、司令塔となるような政府CIOと いうものを設置していこうといったようなこと。それから、国民一人一人がみずからに関 する行政情報等を、みずからで管理しながら、高度なワンストップ行政サービスを実現し ていくための国民電子私書箱といったようなものを実現していこうということを提案して おります。 医療・健康につきましても、医療の問題につきましては、デジタル技術だけですべてが 解決されるわけではございませんけれども、デジタル技術の持つ強みというものを生かし て、そこにございますような地域の医師不足等への問題への対応に効果が発揮できるんじ ゃないかという問題意識に基づいて、さまざまな提言をしております。 さらに、各国で進んでおります「EHR」ということに着目いたしまして、日本版のE HRというものを実現をし、高度な医療、サービスの実現に資していこうということを触 れております。 それから、教育や人材につきましても、これは学校における授業でのデジタル技術の活 用等の推進、それから一方で、産業面等における高度なデジタル人材の安定的・継続的な 育成といったようなことについて触れているところでございます。 この三つを「三大重点分野」として取り組むとともに、さらにその下にございますけれ ども、「産業・地域の活性化及び新産業の育成」といったようなこと、それから「デジタ ル基盤の整備」、このデジタル基盤の整備につきましては、これまでの累次の戦略の中で 相当程度の成果を上げているところでございますけれども、これもちょっと一歩油断をし ておりますと、すぐにまた国際競争の中で劣後してしまうという面もございます。 このような点にも力を入れていこうということを触れておりまして、この三大重点分野 プラス、この下の2点で3プラス2といったような言い方をしておりますけれども、これ を本戦略の柱として実現、推進をしていこうというものでございます。 さらに、「今後一層の検討を行うべき事項」として、2点また触れております。一番下 の下でございますけれども、上のほうが、まさに本調査会でございまして、「規制・制 度・慣行等の「重点点検」の実施」ということで、デジタル技術・情報の利活用を阻むよ うな規制・制度・慣行等を抜本的に見直し、2009年中に第1次の「重点点検」を行い、そ 407 参考資料1 8 の結果を踏まえて、所要の措置を講ずるとともに、以後も継続的に実施していこうという ことで、これが本調査会の基本的なマンデートということになろうかと思います。 それからもう1点、「デジタルグローバルビジョン」の策定ということで、我が国のデ ジタル技術や関連産業の国際競争力の強化等について、2009年度末までに「デジタルグロ ーバルビジョン」を策定すると。これは、また別の場ということになりますけれども、こ れについても取り組んでいくということでございます。 以上、i-Japan戦略2015の概要でございます。 ○南会長 どうもありがとうございました。 ただいまの説明につきましては、前回これを検討するに当たってご参加いただいた委員 の方も多いわけでございますが、改めましてご質問等ありましたら、お願いしたいと思い ます。 特にございませんか。もう既にお目通しいただいているかと思いますが、それでは、あ りがとうございました。 これから議論に入りたいと思うわけでございますが、本重点点検につきましては、今説 明がありましたi-Japan戦略2015の策定過程におきまして、資料5にありますように、こ の一覧表がその最後の会議にて國領座長代理から提示され、重点点検の対象となり得る規 制等に関する議論が若干行われたところでございます。 ですから、まず初めに、この6月30日の「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査 会」の最終の場だったと思いますが、どのような議論が行われたか等につきまして、当時 の座長代理を務めていただいた國領会長代理からご説明していただければと思います。よ ろしくお願いします。 ○國領会長代理 少し資料5の背景などについて、ご説明申し上げたいと思いますが、ま ずi-Japan戦略2015をやらせていただくときに、この規制・制度・慣行というあたりをき ちんと見直していかなければ、i-Japan戦略に掲げてある理想のようなものはちゃんと実 現しないだろうという認識があってそれを書き込むことを考えました。 ただし、先ほども申し上げましたとおりで、こういった規制・制度・慣行のような話を 本当に直していこうとすると、相当細かいレベルのことをきちっと詰めていかないと直っ ていかないという認識がもう片側であります。ということで、戦略本体の中では出しませ んでした。加えて、この資料5につきましては、これ自体は正式に、専門調査会として決 定されたものではなくて、座長代理として検討プロセスの中で上がってきたものを例示の 形で出すことによって、今日スタートしたわけです。今日の調査会以降、この秋のいささ か時間が短い中でやらなければいけない議論のイメージを皆さんに持っていただくことで、 加速させられるんではないかというような思いの中で出させていただいたものでございま す。 レベル感がすごく細かいものが若干くくりとして大きいものという意味で、粒がきれい にそろっているわけではありません。かつ分野につきましても、税関係のもの、医療関係 408 参考資料1 9 のもの、車両関係のもの、さまざまなものがあるわけです。恐らく、この辺はぜひ、ここ でご議論いただきたいと思うんですけれども、かなり具体的なものを取り上げ、かつただ、 1点を突破すると、ほかの項目に対して世の中のことに対して、ある程度汎用性が高いも のを狙いたい。例えば匿名化された個人の情報の活用とかというようなところがございま して、これは医療を代表としますけれども、このことについて突破ができるようになりま すと、非常に多方面に活用が可能ではないか。個別のことについてきちんと取り上げて、 突破することによって、それを足がかりにして他のところへ展開できるというようなもの をちょっと皆さんと議論しながら探してみてはどうだろうかということでございます。 恐らくこの後、パブコメのご説明もしていただけるかと思いますので、これはですから、 最初の「呼び水」のように出させていただいて、皆さんにイメージを持っていただいて、 パブコメも非常にたくさんいただいているわけでございますので、その辺も含めて検討し ながら、この調査会で、どれを特に取り上げて突っ込んでいくかというものを決めていた だければと思います。 ○南会長 それでは、今お話にも出ましたが、本専門調査会の開催に先立って、事務局で デジタル利活用を阻むような規制・制度・慣行等についてのパブリック・コメントを募集 したところでございますが、その結果につきましてご説明をお願いします。 ○小宮内閣参事官 それでは、資料の6及び後ろに分厚い参考資料の2というものがござ います。この二つをごらんいただきたいと思います。 今ご紹介がございましたように、本専門調査会の開催に先立ちまして、重点点検の対象 とすべき規制・制度・慣行などにつきまして、パブリック・コメントを求めてございます。 既に委員の皆様方には先週メールにて事前送付をさせていただきましたので、詳細な説明 は割愛をいたしますけれども、いただいたご意見の全体概要につきまして、資料6により ご説明をいたします。 パブリック・コメントは、今年の7月10日金曜日から8月6日木曜日までの4週間、I T戦略本部のホームページ上で行われました。個人の方38名から133件、団体は27者から 75件の意見提出がございまして、合計65名及び者から208件の意見が寄せられております。 提出者名の一覧を1ページ目に載せております。個人の方のお名前については非公開とさ せていただいております。 分野別の意見でございますけれども、資料6の2ページ目以降をごらんいただければと 思います。個別の意見内容につきましては、参考資料2のパブリック・コメント結果をご らんいただければと思いますけれども、資料6におきましては、意見の似たもの同士を事 務局にてグループ化をしております。 まず行政分野でございますけれども、デジタル手続全般にかかる意見が10件、行政分野 のうち登記、税務やその他、申請手続の添付書類の廃止など、電子申請にかかるものが71 件、行政分野全体で81件の意見がございました。 それから、3ページ目でございますけれども、医療・健康分野でございます。遠隔医療 409 参考資料1 10 の推進や薬のインターネット販売、処方せんの電子化、レセプト審査の電子フォーマット に関する意見、匿名化された医療情報の活用など、医療・健康分野に関する意見が14件寄 せられております。 次に、育児休業基本給付金等、育児手続に関する意見が3件。行政関係で用いるカード の共通化、国民総背番号制の導入、個人認証などの本人確認手続や電子署名に関するもの など14件を個人認証のカテゴリーとしてまとめさせていただいております。 次に4ページ目をごらんください。 公共事業、自動車関係手続、輸入手続、労働保険料の申告手続、さらには電子的な帳簿 保存関係など、先ほどの行政と一部重複をいたしておりますけれども、民間分野を含めた さまざまな手続、データのデジタル化に関する意見が22件提出されております。 4ページ目の中段には、公職選挙法の規制緩和に関するものが3件。下段には、個人情 報が保存された媒体が紛失されたときの手続に関するものなど、個人情報の取り扱いに関 する意見が5件出されております。 めくっていただきまして、5ページ目でございますけれども、サイバー犯罪条約に対す る締結反対、著作権検閲のための個人のプライバシー情報へのアクセス反対などの意見が 3件ございます。 5ページ目の下段でございますけれども、放送と通信に関するもの、コピーワンスやダ ビング10に関するもの、ダウンロード違法化条項への反対、デジタル著作権管理技術に関 する意見、著作権法に対する一般フェアユース条項の導入など著作権法に関する規制の厳 格化、表現の規制に関するものなど、コンテンツの流通促進に関する意見が25件提出され ております。 めくっていただきまして、6ページでございますけれども、児童ポルノ法における規制 への反対意見や、違法有害情報に対するフィルタリング、出会い系サイト規制に対する反 対など電子空間上の違法有害情報の取り扱いに関する意見が26件ございました。 次に、産業活動に関する意見といたしまして、電気通信事業に関する規制・慣行に関す るもの、商取引規制に関するもの、その他民間慣行やデジタル利活用促進に関する意見が 合計11件出されてございます。 以上、パブリック・コメントの結果についてのご説明でございました。 ○南会長 どうもありがとうございました。 冒頭のこれまでの説明がやや長くなりましたが、今後どの規制等を対象として点検を進 めていくのかにつきまして、意見交換を行いたいと思います。 口火を切る形で、最初に國領会長代理より今後のスケジュール、点検の進め方について まずご説明いただきまして、その後、自由な意見交換とさせていただきたいと思います。 よろしくお願いします。 ○國領会長代理 資料7をごらんください。 日付が入っていないのは、今、世の中がとても流動的なことをあらわしているわけです。 410 参考資料1 11 非常に多くのパブリック・コメントもいただき、今日拝見して委員の皆様からもいろいろ いただきました。一つはパブリック・コメントをいただいたもの、委員からいただいたよ うなものについては、まず少なくとも各府省がどうお考えになっていらっしゃるかという ようなことについての質問をさせていただき、お返事をすべてについてやっていくという ことは、片側でやっていくんだろうと思っております。 先ほど申し上げましたとおりでございまして、この話はかなり詰めて、当事者の方なん かのお話もお伺いして、こちらからあれはできないのか、こうなのか、何が問題なのかと いうことを、かなり詰めていかないとだめですので、本格的に取り組めるテーマの数とい うのは、事務局の陣容とかも考えまして、三つぐらいなのかなということを思っておりま す。最終的には三つぐらいのテーマに絞り込んでいくのがいいんじゃないかというふうに 思っております。 今日の段階で、ちょっと生のやつは200幾つあって、余り予見を与え過ぎないというか、 余り生データは生データとしてお見せしつつ、多少整理したものというものを事務局に用 意してもらいました。今説明いただいたような話、私自身がちょっと後から、もしお時間 いただけたらご説明したい、私がその中でどういう考え方で選んだらいいかというような ものもお出ししておりますけれども、そういうようなことを通じて、大体次回の会合ぐら いでは、20項目ぐらい候補をたたき台として出させていただいて、今日の議論を踏まえて 20項目ぐらいに落として、その20項目の中で、やはりこれは重要だとかというようなもの をいろいろご議論いただく。第3回目のときに関係府省へのヒアリングという形ですけれ ども、このときには多分3テーマぐらいのことについて、いらしていただいてお話を伺う のがいっぱいいっぱいなのかなという感じがしておりますので、これは大事というような 3テーマぐらいについて、第3回ぐらいのときにやっていきながら、第4回で提言し、そ こからまた各戦略本部に一たん上げて、提言を踏まえて各府省でどういうふうに対応でき るかということを考えていただき、お返事をいただき、それに対して、またこちらで、だ めを押すという言い方は失礼なので、ちゃんと実現するようなところへ固めていくという ような手順というのがいいのではないかと。 こうしますと、こぼれるものがすごくたくさん出てきてしまうわけなんですけれども、 それは決してそれが意味がないとか、これからこの調査会がやらないといっているという ことではなくて、それぞれについて非常に重要なテーマでありながら、ことしのテストケ ース、1発目のケースとしては、この三つぐらいというのを取り上げていくというような ところへ収れんさせていってはどうだろうかと。 収れんする作業の中で、いろいろ検討をさせていただき、先ほど「協力員」というお話 が出てまいりましたけれども、こういう協力員というのは、それぞれの分野における知識 の深いような方々に実際行っていただいて、ヒアリングしていただくというようなことも お願いできればというふうに思っておりまして、そういうような中で、まず三つの分野と してどれが一番ふさわしいかというようなことも、そういうようなプロセスを通じて絞り 411 参考資料1 12 込んでいって、しっかりとしたものをつくっていきたいというようなプロセスではいかが でしょうかというのが、この資料7の絵になってまいります。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは、この後、今、会長代理からご説明のありました対象の絞り込み方の数のイメ ージも含めて、あるいは検討の進め方についてのご意見、それから対象、こういうものを 考えたらどうかとか、ご自由にご発言いただければと思います。 なお、お手元に資料の8として、3人の委員の方からペーパーをいただいておりますの で、お出しいただいた委員から始めていただいてもいいし、その辺は。 どうぞ。 ○井堀委員 それでは、2回目以降、対象の絞り込みをする上での考え方について、ご意 見を申し上げたいと思います。 まず基本的な考えとしては、国民生活に密着する案件であること、そしてまた規制等の 根幹をなすような案件であること、こういったところから整理していく必要があると思い ます。資料6のパブリック・コメントを見てかなり多くの意見が出されたという印象を持 ちましたが、これらの内容は個人や企業、団体等から出された内容でありますので、他に 行政の内部からも、しっかりと調査して洗い出しをすることが重要かと思います。 法律だけではなく、自治体で定めている条例や規則、要綱、見解などによる様々なこと が規制となっている実態の全容を知る必要があると思います。 市川市では、平成17年に約1,200種類の申請手続について、オンライン申請の可能性に ついて調査していますが、その調査資料を必要であれば提供させていただきます。 例えば、住居表示に関する法律では、住居の新築届や住居表示の変更の証明書を交付す る際に必要な住居表示台帳を備えなければならないと定めていますが、将来的には改正が 必要であるけれども、現時点の見解では、紙ベースのものを住居表示台帳として整備して おくことが必要であるとされています。 近年、GISが非常に普及してきておりますので、この住居表示に関する台帳も電子的 な形で管理・運用できるようにすれば効果が得られると思います。 規制が求めている内容を体系化することが必要だと思います。本人確認をしたい、事実 の確認をしたい、所得など資格の要件を確認したいなど、その確認方法として、添付書類 や面談を求め、届出書の提出を求めています。 全ての事例を洗い出すということは大変な作業となりますので、規制内容の類型化をし てた上で、対象とする事務手続きの絞り込みをする必要があると思います。 ○南会長 以上です。 ありがとうございました。 それでは、どうぞ続いて、ご自由にご意見を。 ○大江委員 先ほど國領委員が説明の中でおっしゃられた、すそ野が広いというか、一つ 解決すれば、かなり広範囲にいろいろな問題の解決の糸口が出てくるようなテーマという のを選ぶというのは、やはり私も非常に重要ではないかと思います。そのためにも、これ 412 参考資料1 13 だけ多くのパブリック・コメントでいろいろ出てきていますので、これらをツリー構造状 に整理をできる限りして、比較的根っこの部分にあって、すそ野が広いものを取り上げる というような整理の仕方をする、視覚的に見えるような形でそういうふうに整理すると、 どのテーマが比較的効果が大きいのかというのがわかりやすいのではないかと思いますの で、三つに絞るということですと、かなり重要なものをうまく選ばないといけませんから、 そのようなやり方をしていただくといいのかなと思って、ちょっと聞いていました。それ が1点と。 それからもう一つは、今回デジタル情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行という ことが対象になっているわけですけれども、恐らく慣行の中には入ると思いますが、明確 な規制があるわけではなくて、従来紙の文化ではこういうふうにやっていたので、そのま まITを導入しても、そのままやっていたほうが恐らくみんなから文句を言われないだろ うというふうな、漠然とした意識で続いている無駄なことというのが、かなりあるのでは ないかと。それを見直すためには、やはり明示的に、こういう条件でこういう場面でIT を使うときには、これまでやっていたこれとこれとこれは要らないんですというような、 そういう指針なり、あるいは法的な位置づけでそれを示すといったような、積極的なもの をやらないといけないのではないか。 つまり、明示的にデジタル時代で規制をかけているものと、もちろんそういうものもあ りますけれども、そういうものが何も示されていないために漠然とし続けているというこ とがあって、これはかなり根が深い問題だと思いますので、そういったものを洗い出した いなというふうに私自身も思いますし、この三つに絞り込む中でも、そういう視点でやっ ていくとよいのではないかと思います。 それで、私自身が資料8で医療に関連した部分で少し意見を出したのですが、これは今 ここでご説明させていただいたほうがいいのか、後のほうがよろしいのか。どういたしま しょうか。 ○南会長 そうですね。進め方と、それからこれと分けるというよりも、一緒にやりまし ょう。 ○大江委員 ○南会長 ○大江委員 今申し上げてよろしいですか。 どうぞ。 意見のペーパーをあれば出すようにということでしたので、余り時間がなか ったので十分吟味はしておりませんが、資料8-2に、このi-Japan戦略の中で、特に医 療と健康で取り上げられている幾つかの課題について、取り上げさせていただきました。 まず一つは、「遠隔医療」という言葉で取り上げられている領域ですけれども、これは 非常に簡単に言いますと、インターネットを使って情報を診療にもう少し役立てるという、 そういうことをもう少しスムーズにできるようにしてはどうかと。現在の遠隔診療という のは認められてはいるんですけれども、どちらかというと文面を読むとわかりますが、離 島だとか僻地における限定的な利用、あるいは非常に限られた、具体的には7種類の在宅 413 参考資料1 14 診療患者で、助言とか指導を行う範囲内でのみ認められていまして、それ以外のことにつ いては、「してはいけない」とは書いていないんですけれども、「してよい」と書いてい ないということから、実際臨床の現場では、この7種類の領域における助言指導を超えて までするということは、非常に難しい現状にあります。 さらに、都市部でも実際には生活習慣病を長く診ている患者さんで、極めて安定してい るので、今回は最近の血圧だけ聞いて薬だけ、もうあと1カ月分出せばよいというような ケースにおいても、全くネットを使った診療というのが積極的にはできる状況にないとい うことですので、こういったことを改善していく方向性ということを打ち出せば、診療の 中でかなりデジタル技術の利活用ということができるのではないかということで、一つ目 を挙げさせていただきました。そういう意味で、「遠隔診療」という言葉がかなり特殊な 意味合いを持っているように考えすぎると、今後の発展に阻害があるのではないかと思い ます。 2番目は、これは日本版EHR、あるいは地域医療連携などで話題にされていることで すけれども、医療機関から医療機関に診療情報を電子的に送る、あるいは患者さんを経由 して渡すということは、技術的にはかなりできるようになってきているわけです。実際、 診療報酬といいますか、料金を保険制度とは別に設定して患者さんから取ることも可能に はなっているわけですけれども、実はデジタル情報でデータが提供されますと、提供され た側の医療機関というのは大変な労力がかかりまして、出すほうはコピーして渡せばいい わけですけれども、受け取ったほうは10分程度の診療時間の中で膨大なCD-Rを患者さ んから渡されても、その中を見て正しい診療をするというのは事実上無理だというような こともありまして、つまり、こういう電子的な診療情報連携というのは、従来は送り出す 側だけに対していろいろな配慮がなされてきたわけですけれども、受け取る側に対して、 それなりの制度を持ち込まないと、今後それほど進まないのではないかという視点で書か せていただきました。 それから、2番目の3に書かせていただいた健康情報の疫学的活用、これもi-Japan戦 略の日本版EHRの中で大きく取り上げられていますが、これは非常に大きな問題が幾つ か実現まであると思います。そこに書きましたように、オプトアウト方式で事前に同意を とって、きちんと健康概要情報を取得できる、データベースに登録できるようにすること。 それから特になかなかこれまで議論されてこなかった情報として、死亡日付というのは実 は医療にとって非常に重要で、その方が生存しているのか死亡しているのかわからないま まで情報を取り扱うというのは、極めて問題が大きいですので、そのようなデータをどの ように収集して取り扱うのかということも、今後検討していただく必要があるだろうと。 それから、そのほかはデータ形式の標準化、それから利用の手続の制度の策定について は、資料5にも一部取り上げられていますので、その路線での議論をいただくといいので はないかということで、ペーパーを出させていただきました。 以上です。 414 参考資料1 15 ○南会長 ありがとうございました。 いろいろ逆にご質問もしたい話もあるのですが、とりあえず承るだけ承りたいと思いま す。 それでは中条さん。 ○中条委員 先に質問なんですが、さっき國領さんはテーマは三つぐらいということをお っしゃったわけですけれども、そのテーマの大きさというのは、i-Japanの重点項目の教 育とか医療とか、そういうでかいやつなのか、それとももうちょっと下の、例えば今の大 江先生のおっしゃった遠隔医療とか、そういうぐらいの話なのか。それとももっとピンポ イントに特定原産地証明みたいなそういう話、どれぐらいの範囲で考えればよろしいです か。 ○國領会長代理 その辺もご相談したいところではありますが、私の現段階での個人的感 覚としましては、むしろピンポイントでやったほうがいいと。ただし、ピンポイントとい うのが、非常に多くの、より大きなところへ波及する話でやるのがいいんではないかと思 っております。 ○中条委員 わかりました。 それのどのぐらいの範囲のところでテーマに考えたらいいのかによって、ちょっと考え 方は違うんですが、今、大江先生がおっしゃったような、遠隔地医療の話というのは、実 は遠隔地医療の中の病気の診断についてですね。それをオーケーにするかどうかというの と、これとは別に、健康診断についての遠隔地診断の話があります。この2つは一応、法 的には別々になっちゃっていて、これをピンポイントにやると別々に2つやるという話に なるんですね。 病気の診断のほうは医師法で、健康診断のほうは省令なんですよね。まさに効果的なこ とを考えれば、かなり細かいところでやっていくのが本当はいいんですけれども、そうな ると、この遠隔地医療だけで三つぐらいになっちゃってしまうので、その辺のところは少 し効率性のことも考えたほうがいいのかなと、思っているところです。 次に、私のここでの役割ですが、規制改革会議とこの委員会と連携してやるという形に なっておりまして、そこを代表して来ているわけです。資料の8-3は、規制改革会議で 正式に取り上げて議論をしているテーマを挙げております。 これはもう細かく説明するつもりはございません。大体皆さん、もうこれはタイトルだ けごらんになればおわかりになるものですし、説明は控えます。申し上げたいことは、ま ず一つには、規制を担当している省庁に対して、重点的なテーマを決めて、それについて 説明を求めるということは当然必要なわけですよね。しかし、既にかなりもう議論がなさ れているものについて一から始めるというのは、余り効率がいいことではないと思います。 規制改革会議としては、ここで書いてあるようなことを、この委員会でもコミットして くださるということをお約束していただければ、ここの部分の最初の1段階、2段階のと ころの話は、これはもうかなりいろいろな意見交換を各省庁ともしておりますから、その 415 参考資料1 16 次の段階から、要するに「なぜだめなのか」というようなところぐらいまではわかってい ますから、では「何を変えてください」という、もうそこのところから始めることができ ると思うんですね。 ですので、三つのテーマとおっしゃいましたが、規制改革会議と連携でやるものについ ては、3つとは別途のテーマとして取り上げていただけると、そうすると三つのテーマは 資料8-3以外のテーマを選ぶことができて、選べるテーマがふえますよという、そうい うお勧めが、これはまず第1点です。その中には、大江先生のおっしゃった遠隔医療も入 っております。我々としましては、それと同時に、その下に書いてある健診のほうの遠隔 医療、これもやってほしいなということを考えております。 それから、一番最後のシングルウィンドウの話なんというのは、これは実は、輸出入の シングルウィンドウだけの話ではなくて、ともかくありとあらゆるいろいろなものについ て、ペーパーでやっているものだから物すごく効率が悪いというのは、多くの分野にあり ます。欄外に廃棄物処理について書いてありますけれども、それもその一つです。こうい ったものは本当に星の数ぐらいある話なんですね。こういうものを自治体が対応してくれ て前向きに進めるということをやってくれれば、かなりいろいろなものが私は片づくと思 っております。 それがます1点目で、2点目は選ぶとするならば、なるべくテーマとしてはわかりやす いもの、余り議論をしなくても、というか、要するにわかりやすくというのは、一般的に 人々にわかりやすいものという意味です。説明すると、ああなるほど、そういう規制とい うのは意味がないんだよねとわかってもらえるようにするのは、大変に時間がかかるし労 力がかかるので、なるべくわかりやすいものを。例えば遠隔地医療の話なんて、すごくわ かりやすい話なんだと思います。そういうものを選ぶべきだと。 それから三つ目は、規制があるのでITが進まないという考え方で一応、それはもちろ んそれで結構なんですが、それからもう一歩進んでほしいなと思うんですね。すなわち、 ITによって規制を壊していくということを考えたほうがいいんですね。多くの場合、I T化がどんどん進んでいくことによって、今までの慣行がどんどん壊れていくということ があります。それから、もう一つは、IT化することによって、制度を変えるときに、き っかけにするということが可能ですね。 例えば時間がありませんので一つだけ例を申し上げますけれども、高速道路のETCが 進んだことによって、かなり異なる課金のやり方ができるようになるんですね。今まで合 理的な料金体系に実はなっていなかった。それを変えるとなると、これは既得権を持って いる人たちがたくさんいて、なかなか変えられなかったわけですけれども、ETCを導入 するということをきっかけにすると、これがうまくいくことがあったりするわけですね。 つまり、規制を形骸化していくぐらいITを活用して、実態的に規制を壊していくとい うことが、医薬品のインターネットの販売なんかは私はそういう部分がかなりあると思う んですが、それぐらいのことをやっていこうという気持ちが必要があるだろうと。この三 416 参考資料1 17 つ目は、単に精神的なものです。 以上です。 ○南会長 ありがとうございました。 ほかに、どうぞ。 ○國領会長代理 ○南会長 なければ私も…… 國領先生のペーパーも出していただいていますね。 ○國領会長代理 ちょっと私はしゃべり過ぎなので、少しセーブぎみにいきたいんですが、 資料8-1というものもあわせて出させていただいて、これは資料5の後にパブコメがい っぱい出てきまして、随分いろいろなものが俎上にのってきたので、どう整理したらいい のかなという問題意識でつくらせていただいたものなんです。検討テーマ選定の考え方と して、これはもう皆さんおっしゃっていただいたことと非常に重なっていて、国民実感レ ベルで、すごくいいことがあるなと思えるようなもの、それからそれを突破することによ って、いろいろなことの波及効果が大きいようなもの、それからモデル的な問題解決のプ ロセスとして、先ほど来いろいろ出ていますけれども、この国レベルのもの、自治体、条 例のもの、いろいろな規則のもの、慣行のもの、いろいろなレベルがあるわけです。恐ら くこういうような場でやるときは、少し府省も横断的、自治体と国とも横断的、壁を越え てというようなものにあえて取り組むというような視点かなと。 それから、次のところが何らかの形でこの三つぐらいのことについて対応しておくと、 先ほどの波及効果の意味で大きいのかなという視点なんですけれども、一つはやはり個人 情報保護と活用です。今いろいろなことをやる上でネックになっている。何が使ってよく て何が使っていけないかということが、はっきりしていないことによって引っかかってい るものが、すごく特に個人情報関係については多いので、これについて、何か形が残るも のをつくる。それから行政が所有する情報の公開に関連するもの、これがIT戦略をつく る上で何度も出てきたテーマでして、府省が持っている情報を開示するだけで、非常に大 きな効果が、要するに政府が抱え込んでいる情報というのがたくさんあって、それを出し ていくというようなことを考えていく。 それから、データ連携でございますけれども、これはi-Japan戦略を見ていただいて、 国民電子私書箱の話が強く押し出されているわけですけれども、データ連携を進めていき たいわけですけれども、これに関してさまざまなルールがあるものについて考え方を示す ものというようなことで、ちょっとくくっていただいて、これは大江委員がおっしゃるよ うな体系ツリーにはまだ決してなっていなくて、ちょっと丸をつけてみましたというぐら いのと、パブコメがどれに対応しますかというようなこと。 左側の分類というのが、先ほど中条委員のおっしゃっていただいた大きな分野みたいな イメージなんですけれども、ただそのレベルだけで追いかけていても多分限界があるので、 追いかけるのは、この「代表例として検討する制度や手続き等の例」という、このレベル ぐらいのところでねらいを定めて、きちっとやっていくということが成功に結びつく秘訣 417 参考資料1 18 ではないかと。 それで選んでいる中で、この①、②、③というのが、先ほどの1ページ目の個人情報保 護及び活用に関連する行政の所有する情報の公開に関連する行政内でのデータ連携に当た るわけですけれども、三つの例を選ぶと、この①、②、③がとりあえずカバーできている というような感じで、三つの組み合わせを考えていくといいのではないかというようなこ とを考えています。 この分類と代表例として検討する制度や手続き等の例につきましては、資料5、つまり 戦略を検討する段階でいろいろ浮かび上がってきたもの及びパブコメの中で非常にたくさ ん出てきたりしまして、重要性が高いという指摘が多いようなものを選ばせていただいて おります。 以上でございます。 ○南会長 ○岡村委員 どうぞ。 私は、i-Japanのときには、教育・人材を担当させていただきましたが、本 日は医療の側面から意見を述べさせていただきたいと思います。 一般論的なことにつきましては、既に委員の先生方がおっしゃっておられるのに全面的 に賛同いたしますので、ピンポイントの各論的なお話をさせていただきたいと思います。 結論から言いますと、一つの柱として、医療関係における、特に遠隔医療なんかに中心 を置いた形で、個人情報保護の運用ルールの再構築ということを考えてはどうかというよ うに思っております。 これはどういうことかと申しますと、日本の場合には、個人情報保護法制というのは、 短冊型に各パートで切られている状態であります。他方で、各病院というのは、各短冊型 のパートにそれぞれ属していると。遠隔医療をしようにも、そうしてその前提として、医 療情報を交換しようにも、余りにも全く違った法制度になり過ぎているというところから すると、これは少なくとも医療法も含めて、医療情報の特に沿革とか、そういうものに関 しましては、いわゆる特別法か何かをつくるような形で、今度、横断型の形の個別法規制 をするような形をしないとどうしようもないんじゃないかと。でないと患者のほうも、そ れは独立行政法人と個人情報保護法の適用される病院へ行くんだとか、あるいは民間の単 なる個人情報保護法が適用される病院へ行くんだとか、あるいは地方独立行政法人だから 当該自治体の条例が適用される病院へ行くんだとか、例えば公立大学の附属病院なんかが そうですけれども、そんなところを一々考えていっているわけでもありませんし、ドクタ ーの先生方にしても、相手がどこだからどうだというような話ではなくて、いわゆる一番 いい治療をするにはどうしたらいいかという観点から、紹介状をお書きになったりしてお られると思います。 そうすると、全くそうした短冊型の切り分けが似合わないのが医療ということであろう と。そして、かつ、どうもいろいろな個別の側面、個別の分野のところで医療の場合には 個人情報保護法のルールが明確でなかったり、あるいはどうしても横断的になるから難し 418 参考資料1 19 くなったり、あるいは今後のIT化の中で統一的なルールが、どうもガイドラインだけで は賄いきれないようなところがあると。そうすると、もう少しベースになるような特別法 か何かもそろえて考えていく必要があるだろうと。 そして、それに対して國領座長代理がお出しになった個人情報等の運用ルールの明確化 ということで、これは統一ガイドラインの策定はどうかということで、これは実は共通ガ イドラインということが、本来はこの7月末に各省庁からそれに基づいて出していなきゃ ならないんですけれども、今パブコメにかかっているのが経済産業省、それから農水省が 完成版をお出しになったんでしょうか、その程度のような情勢で非常に苦慮しているよう な状態になっていると。 これもこれで大事なのかもしれませんけれども、医療分野とか特筆がある分野というの もあるわけですので、むしろ今までのさまざまな議論を見ていますと、医療関係と個人情 報保護法の接点の部分で、遠隔医療とか、あるいは薬のインターネット販売等々というと ころで、一つ切ってはどうかと思います。 以上です。 ○南会長 ○松本委員 どうぞ。 松本です。私は事業者をやったことがないので、事業者サイドからの国民実 感というのはわからないんですけれども、一般国民としての実感からいくと、やはり行政 手続の煩雑さを何とかしてほしいというのが、一番メリットを感じることだろうと思いま す。 そうしますと、國領委員の8-1のところの(2)の問題というのは、行政手続という ことであれば①、②、③、みんな満たしてしまうわけですね。最近、私が感じた一つ面倒 くさいと思ったのが、国立大学の職員は以前は国家公務員でしたから、公用旅券で海外出 張するときに簡単に旅券を出してもらえたんですが、独立行政法人になったら民間扱いさ れてしまったのか、「戸籍謄本を出せ」なんて言われて、私は戸籍を遠方に置いているも のですから、慌てて速達で申し込んで取り寄せたと。下手すると出張できなかったかもし れないなというようなことがありまして、これは結局、一番最初に井堀委員がご指摘にな った本人確認をどうするかという次元の話に落ちていくわけです。その手の手続が非常に 多いんではないかと思うので、そこを何とか、ITを使ってもっと簡略化できれば大変あ りがたいと。住基カードが全然うまくいっていないことなんかも、どういうふうに反省を されているのかということもあるんですが。 ただ、技術的に不可能なんだからと言われるとどうしようもないので、技術的にどこま で可能であって、ではこれをやればもっといいじゃないかというところで実現して、技術 的に不可能なことまでやってほしいという気は全くございませんが、可能なのであれば、 行政手続のところを何か一つ、ぜひ取り上げていただきたいと思います。 ○南会長 それでは、高橋委員どうぞ。 419 参考資料1 20 ○高橋委員 私も松本委員と同様に、やはり国民の理解、納得が得られて、きちんと利便 性、便益を実感できて、かつコストに関しての納得感があるということが非常に大事だと 思っています。 私も電子政府を推進していくべきだというふうに思うんですが、それにはかなりの経済 的なコストがかかるということで、今のままでは相当なストレスがかかっているという現 状があると思います。住基ネットだけではなくe-Taxとか、鳴り物入りで始まったものが どうなっているのかという末路は、ご説明するまでもないのですけれども、やはり私も今 までの反省に立って、これまでの無駄、これまでの負担、そんなことはないよというよう な形のものが出せることが必要だと思っているのが基本的な視点です。 それと、國領先生おっしゃったような、具体的かつ一点突破、全面展開できるようなも のというのは、くしくも松本先生と全く同じところに落ちていくんですが、やはり電子行 政を加速して、電子行政によるサービスを飛躍的に向上させるというと、やはり脱書面、 脱対面、かつセキュリティーとプライバシーに対する十分な配慮ということになるんです ね。そうすると、国民IDの問題、それから電子的な本人認証の問題、これをやると、パ ブコメを整理していただいている資料6のペーパーでは行政とか電子申請とか、育児とか 個人認証とか、電子化の推進とか、個人情報保護とかと分けていらっしゃいますけれども、 ここのところでかなり横断的に入ってくるので、この三大重点分野の中の一つである電子 行政・電子自治体というところでいえば、非常にわかりやすいのは、この認証の部分です ね。それと国民IDの部分。非常に壁は厚いと思うんですけれども、国民の精神的な抵抗 感も相当に強いところで電子私書箱というところに落ちているんですが、せめてこの電子 私書箱をちゃんとやらないと、その先がないですし、それがもう2013年というふうに迫っ ているわけですから、ここを無視して考えることはできないんではないかと思います。 公的な個人認証システムの開発実証に関しては、21年度の補正予算とかでとってやって いらっしゃるわけですが、そこだけでは多分狭いんじゃないかというふうに思いまして、 そこにぜひ手をつけるべきだと思っております。例えば電子私書箱の個人認証の共通ID に関して、どういうものが考えられるのか。これは当然諸外国のケースなどを参考にしな がらいくべき問題でしょうし、認証に関しても、やはり現在、特定の認証が画一的あるい は排他的に使われている面はあるというふうに私は思っていますので、それをもっと多様 に柔軟に拡張性のあるものが使えるような、つまり、電子私書箱は個人が選択するわけで すから、個人が選択するに足る選択肢をきちんと出していくということが必要なのではな いかなと思います。硬直的にここのところの検討が進むと、国民から総スカンを食う可能 性がありますので、幅広い検討をしていくという意味で、私はそこの分野をぜひというふ うに提案したいと思います。 以上です。 ○南会長 ありがとうございました。 どうぞ。 420 参考資料1 21 ○中条委員 質問なんですけれども、今、松本委員と高橋委員がおっしゃったことは、私 は全く賛成なんです。ただ、では、これをどの規制を壊していくかということを考えると きになると、全部別々の法律で成り立っていて、それを1個ずつやっていかなきゃいけな い。個人の場合も、それから事業者がいろいろな申請をするときも、これもそれぞれの分 野について全部別々なわけですね。さっきもちょっと申し上げました、例えば廃棄物処理 の免許を取りますとか、あるいは貿易の輸出入の手続、これは全部中で別々になっていて、 これを一つ一つやっていかないと、実際には担当の官庁が違ったりするものですから大変 なんですよね。 質問は何かというと、「やりやすさ」というのはテーマを選定するときの基準としては 入りますかねと、そんなやりやすいものをやっていてもしようがないじゃないかと、難し いものをやるべきだという意見もあるかもしれないし、何か成果を出そうと思ったらやり やすいものからやらなきゃいけないかもしれないし、その辺はどうでしょうか。 ○南会長 どうぞ。 ○國領会長代理 本音ベースのことを言うと、それも考えたほうがいいと思います。 そのときに余り簡単な部分ばかりやっていてもしようがないので、その意味でも組み合 わせて、ある意味でやはり、やるといいことあるよねという達成感みたいなものが大事な ので、これをやったことによって、ここが突破できたという、ある程度そこに見えている けれども、最後に背中を一押しすると成果に結びつくというものから、これはもうすごく 難しいのは初めからわかっているんだけれども、とても大事だからもう進めるところまで 進むものとかというようなことで、組み合わせていったりするのかなと。 例えば私の8-1の2ページ目の育児関係のところでの一番下のところに、児童手当等 の現況届の廃止というのがあるんですけれども、これは実を言うと、去年の評価専門調査 会で特別テーマとして取り上げたんですね。これだけやるにしましても、実を言いますと、 これは市役所と社会保険庁との間のやりとりみたいな話になっていて、地味のようでいて これだけですごく大変なんです。ただし、それを解決することによって、ほかのところを 連携させていくときのモデルになる、まさにこれは認証の話を片づけないとできないもの だったりしますというようなことで、これぐらいが難しさ程度「中」ぐらいの話ですかね。 余りここでべらべらしゃべるといけないんだけれども、なので、この中にもやはりある 程度ざあっと洗っていくと、ハードルは、これはある程度先が見えているもの、それから もう物すごく先が長そうなもの、中くらいのすごく大変そうだけれども、やることをきち っとやっていくことによって突破できそうなものと、その辺のことを上手に組み合わせて やっていけるといいかなと思っております。 ○南会長 ○井堀委員 どうぞ。 先ほど発言した内容と重複しますが、住居表示に関する法律では「台帳を備 えなければならない」というのが明記されていますが、台帳という表記だけでは、紙の台 帳ということが前提となってしまいます。しかし、住民基本台帳法などでは、磁気的な記 421 参考資料1 22 録台帳のことが表記されていますので問題なくデジタル化が取り入れられています。 全べての法律に磁気台帳の使用を認めるように改正しなければならないのか、別の法律 によって、一括して磁気台帳を認めるようにならないのでしょうか。 紙の台帳が原則になっていると、すべてがそこから波及しますので、デジタル化は進ま ないと思うのです。今後、デジタル化を阻む規制を考える上では、余り特定の手続きに絞 り込みをしない方がいいように思います。 ○南会長 今のお話、法律の専門家の方としては、どういうふうに考えますか。法律に 一々書かなきゃいけない、一般法で書類でも磁気でもどちらでもいいという、何かそうい う法律をつくれば…… ○松本委員 ○南会長 それは数年前にIT一括法でやったと思うんですけれどもね。 ああ、そうですか。 ○中条委員 これも電子データでもいい……。 ○岡村委員 それは結局、書面でというのは、日本の法律の場合「書面で」と書いてある やつがあって、括弧して「電磁的記録を含む」というのが電子データの場合を認める場合 に一番明確な形ですよね。それがない場合であっても、たしか書面一括法のときの考え方 というのは、例えば消費者保護のために書面を渡さなきゃならないと。書面のかわりに電 子データを扱える人と扱えない人がいますから、扱えない人を保護しようと思えば、やは り同意があって初めてそれを渡すことができるようにしなきゃならないと。それに対して 井堀委員がおっしゃった、行政内部で保存状態がどうだという場合には、消費者保護であ るとか利用者保護という話ではないですから、そういうものに限って全部一括で読みかえ るとかいうことはあり得るんだろうと、そういう法律をつくったり。 ただ、消費者保護とか利用者保護ということが出てきたような場合には、ちょっと時代 おくれの言葉かもしれませんが、「デジタルデバイド」というのがありますから、全部電 子データで構わないという話ではなくて、そこはやはり分けなきゃいけないんだろうと、 こういうような考え方が、たしか書面一括化法のときにはとられたと記憶しております。 ○南会長 ありがとうございました。 あとご発言ございませんでしょうか。まだ数分ございます。 既に今までも議論されているのかもしれませんが、例えば大江先生がおっしゃった遠隔 医療の7つに限定されているみたいなお話がありましたけれども、患者さんの診察等に当 たってネガティブリスト的に、これは遠隔医療はだめですよというような形の決め方と、 ポジティブ的にこれはいいですよという、医療というのはそもそもそういうものには向か ない、原則オーケー、これはちょっと待てというのは無理な業界なのでしょうか。 ○大江委員 ちょっと一般的に言うのはなかなか難しいのかもしれませんけれども、ただ、 例えば既に例えば例でいいますと、もう十分に診断はついていて、ずっと同じドクターが ある安定した診療をし続けていて、次回1回だけ同じ診療を繰り返しする。診療といって 422 参考資料1 23 も、診療の中には診断を含む診療もあれば、一通りもう診断はついていて、実際には最近 の状態だけ聞いて処方をすればいいという診療もあれば、いろいろな診療があると思うん ですね。ですから、絞り込み方としては、 遠隔医療でも良いという条件 をいかに現場に則 した形で書くかということが大事なのではないかと思っています。 どちらかというと、そういう意味で病気、疾患名とか診断で絞り込むとか、それをネガ ティブリストにするとか、ポジティブリストにするとかというやり方ではなくて、現場感 覚の条件をうまく書くことのほうが重要ではないかと思うんですね。 ○南会長 ありがとうございました。 どうぞ。 ○富田審議官(経済産業省) 大変貴重なご意見をいろいろちょうだいいたしまして、私 ども経済産業省のほうから一言だけ、今日は余り議論にならなかったポイントかと思いま すので、補足ということで少しコメントさせていただきたいと思います。 やはり国民の皆さん方に、ITの利便性というものを実感していただくという意味から いいますと、多数の委員の方々からご指摘ございましたように、行政手続の軽減でござい ますとか、それから行政情報の公開といった点が大変重要であるというのは、私どもも認 識をしているところでございまして、経済産業省としても独自の取り組みをいろいろやっ ているところでございますが、パブリック・コメントの中を拝見しておりますと、少し後 ろのほうではございましたけれども、産業の活動の活性化といいますか、そういった観点 から規制の見直しですとか、制度の見直しは必要ではないかというコメントも幾つかあっ たかと思います。 例えば無線ですとか、あるいは情報通信のいろいろな制度、それから中にはコンテンツ 流通の効率化ですとか、そういったコメントも少なからず含まれていたかと思います。私 どもとしては、やはり産業活動を活性化していくという意味からいって、こういった点に ついても一定の留意は必要かと思いますし、そういったものの中で取り組んでいくべき課 題があれば、政府を上げて取り組んでいくべきだと思いますし、私ども経済産業省として も、積極的にそういった貢献はしていきたいなというように思っております。 1点だけ補足させていただきました。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは、皆様方からいただいた意見を踏まえて、本年度の対象とする規制等の絞り込 みを進めてまいりたいと思いますが、國領代理から何かコメントはございますか。進め方 につきまして。 ○國領会長代理 貴重なご意見ありがとうございました。 恐らく、今日のご意見をいろいろ踏まえて、だんだん整理をしていき、大江委員がおっ しゃるほど、きれいな体系には多分ならないと思うんですが、それにしましてもある形が 見えてきて、それからレベル感も粒度も、どれぐらいの粒度で設定するといいかというよ うなことについて、ある程度絞り、いきなり3にはしないで、これくらいではないんでし 423 参考資料1 24 ょうかというのを、ちょっと事務局とご相談させていただきながら、もしよろしければ、 会長判断で20ぐらいのことを次回提案させていただくということにして、その間もし追加 的に、ここはとても重要だからこれは絶対落とすなとかというようなことがございました ら入れていただければというような、今日のところはそんな感じじゃないでしょうか。 ○南会長 ありがとうございました。 今、國領代理からお話がありましたような方向で、規制等の絞り込みの案を作成、事務 局に検討をお願いしたいと思います。 それから、なお先ほどご説明していただきましたパブリック・コメントの結果につきま しては、事務局より関係府省の考え方を聴取いただいて、次回専門調査会においてご報告 した上、公開するようお願いしたいと思います。 また、この結果につきましては、次回専門調査会の開催の前に委員の皆様方にご送付い ただきたいと思います。これらの結果も踏まえまして、國領代理がおっしゃった3件を目 途に絞り込みを進めていきたいと思っております。 なお、次回に提出させていただく約20件の規制等につきましては、本日の皆様からのご 意見を極力取り入れる方向で整理いたしますが、最終選定は今、代理のお話がありました ように、会長の私にお任せいただきたいと思います。これでよろしいでしょうか。ありが とうございました。 絞り込み作業の結果につきましては、決定後、速やかに事務局より委員の皆様にご連絡 させていただきます。そして、そのときに改めまして、追加のご意見等をお出しいただい てもと考えております。 ちょうど、お約束の時間が少し過ぎましたが、以上をもちまして第1回目のデジタル利 活用のための重点点検専門調査会を終了させていただきます。 次回の日程等につきましては、ご案内のような政局状況でもございますので、別途、事 務局から連絡するということにさせていただきたいと思います。 本日はどうもありがとうございました。これで散会します。 閉会 424 参考資料2 1 デジタル利活用のための重点点検専門調査会(第2回) 日時:平成21年10月20日(火)15:00~16:30 場所:中央合同庁舎7号館 12階 共用第2特別会議室 ○出席委員 井堀委員、大江委員、國領委員(会長代理)、関口委員、高橋委員、南委員(会長) ※ この他の出席者:津村内閣府大臣政務官、長谷川総務大臣政務官、久貝内閣官房内閣 審議官、吉田内閣官房内閣参事官、小宮内閣官房内閣参事官、原総務省政策統括官(情報 通信担当)、富田経済産業省審議官(商務情報政策局担当)、谷脇総務省情報通信政策課 長、赤石経済産業省情報政策課長 1.開会 2.政務官ご挨拶 3.パブリックコメント及び委員意見に対する各府省回答 4.対象テーマの候補リストについて 5.意見交換 6.閉会 [資料] 資料1 :パブリックコメントに対する各府省回答 資料2 :委員意見に対する各府省回答 資料3 :各委員からの追加質問に対する各府省回答 資料4-1:対象テーマ候補(一覧) 資料4-2:対象テーマ候補(個票) 資料5 :各委員提出資料 [参考資料] 参考資料:パブリック・コメント結果 425 参考資料2 2 開会 ○南会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回目のデジタル利活用の ための重点点検専門調査会を開催させていただきます。 本日は、各委員におかれましては、極めてご多用中のところご参集いただき、誠にあり がとうございます。 また、本日は、今、ちょっと遅れておられますが、大変ご多用な公務を割いて、津村内 閣府大臣政務官にもお見えいただくご予定でございます。また、現在、長谷川総務大臣政 務官にご臨席賜っております。どうもありがとうございます。 もう、カメラは入っていますか。 ○小宮内閣参事官 ○南会長 カメラは、津村政務官と一緒に来る予定でございます。 一緒に入ってこられる、そうですか。ということで、本日は冒頭だけではなく、 最後までカメラが入ることになっておりますので、ご承知おきいただければと思います。 それでは初めに、まずお手元の議事次第をご覧いただきたいと思います。 本日は、まず長谷川政務官よりご挨拶をいただき、津村政務官がお見えになればそのと きまたご挨拶いただきたいと思っております。 その次に、本調査会の第1回目の会議におきまして、デジタル情報・技術の利活用を阻 むような規制・制度・慣行等に関しましてのパブリック・コメントと、それから前回、委 員の皆様から出されましたご意見が提示されておりましたが、これらに対しましての関係 府省の考え方を聴取いただいた結果を事務局から報告いただきます。 その次に、これらを踏まえて、本年度の重点点検の対象とする規制等の候補として、約 20程度に絞り込みましたリストにつきまして、私からご説明させていただきます。その 後、次回に予定しております各省ヒアリングまでに、本年度の最重点の点検対象として、 3件を目途に絞り込みたいと思いますので、更なる絞り込みについてのご議論をいただき たいと思います。これが、本日のメインでございます。 そして、16時30分ごろの終了を予定しておりますので、よろしくご協力方お願いします。 それでは、まず初めに、長谷川総務大臣政務官からご挨拶をいただきたいと思います。 よろしくお願いします。 ○長谷川総務大臣政務官 ただいま会長からご紹介を賜りました、このたび総務省の政務 官に任命されております長谷川憲正と申します。私は、民主党の所属ではございませんで、 国民新党という小さな政党に所属しておりまして、参議院議員でございます。 冒頭、内閣府の担当政務官であります津村さんのほうからご挨拶を申し上げる予定であ りましたけれども、何しろ発足したてのほやほやの内閣でございまして、特に内閣府の担 当の政務官というのは、あれやこれや掛け持ちでございますので、それで遅れているのだ ろうと思います。ご容赦をお願い申し上げたいと思います。 私は、もともと郵政省という役所で33年間、役人をしていた者でございます。今からち ょうど10年前に役所を辞めさせていただきまして、しばらく北ヨーロッパのフィンランド 426 参考資料2 3 というところで大使をいたしまして、戻りましてから平成16年の選挙で、当時は自民党か ら立候補したのでございますが、参議院に当選させていただいたものでございます。その 後、自民党を離党いたしまして、国民新党という小さな政党に移りまして今日に至ってお りますが、このたびの政権交代によりまして、この総務省の政務官というお仕事をやれと いうことになったわけでございまして、非常に私も光栄にも思っておりますし、またお役 にも立ちたいということで意気込んでいるところでございます。先生方には、大変お世話 になっているというふうに承っておりまして、今日はこの会議で、こうして短い時間では ございますけれども、先生方に直接ご挨拶させていただけることを非常に喜んでおります。 先ほども申し上げましたように、私は、このITの世界には随分長いこと携わっている わけでございますが、思い返してみますと、悔しい思いとか、「もっとああすればよかっ た」とか、後悔することばかりの連続でございまして、失敗に失敗を積み重ねてきたよう な気持ちがいたします。特に、私がその思いを強くしたのは、幾つかあるんですけれども、 世界の情報技術の標準化というものを担当に、随分、自分も仕事をさせていただいたんで すけれども、一度たりともうまくいったことがなかったということがございます。それか ら、フィンランドで大使をしておりますときに、あそこにはノキアという携帯電話の大メ ーカーがございますが、そこの総帥でありますヨルマ・オリラと話をしているときに、 「ノキアは大したものだね」とお世辞を言いましたら、オリラがにやっと笑って、「あな た、何を言っているんですか。うちの携帯電話は、箱をあけてみたら8割は日本の部品が 詰まっていますよ」ということを言われてびっくりしたことがございます。 そんなことで、どうも今までのこの情報通信産業の分野では、そういった一つ一つの部 品とか要素というところでは非常に優れておりました。技術もそうだったと思います。と ころが、全体を包括する、インテグレートするというところが、非常に欠けておったよう に反省しているわけでございまして、今日も各省の精鋭の皆さんがそろっておられますけ れども、これをやはり国家的な見地できちんとインテグレートして、お互いが垣根を越え て大きな力が発揮できるような姿にしなければならないと、常日ごろ、そう思っておりま したものですから、このIT戦略本部の先生方のお働きというものに対して、本当に頭が 下がる思いでございます。 新政権になりまして、政治主導で物事を進めようということを私たちは考えているわけ でございまして、どうしてもそうした従来の枠組みのようなものを乗り越えていかなけれ ばならぬというふうに思っておりますものですから、私どもも一生懸命やりますが、どう か先生方の大所高所からのいろいろなご指導、ご鞭撻をちょうだいしたいというふうに思 っているところでございます。 なお、今日は、私、ちょっとこの後、仕事が重なりまして、途中で失礼させていただき ます。何か、津村さんと私で、早番・遅番の二交代勤務みたいで非常に恐縮なのでござい ますけれども、今度、時間のあるときに、改めていろいろ先生方のお話もお伺いさせてい ただきたいと思いますし、また、私たちの熱い思いも受けとめていただければありがたい 427 参考資料2 4 と思っているところでございます。 ちょうど、津村政務官が入ってきましたので、ここで選手交代とさせていただきますが、 どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございます。 (津村内閣府大臣政務官 ○南会長 入室) どうもありがとうございました。 お話にありましたように、長谷川政務官におかれましては、ご公務の関係から間もなく 退席されることになります。どうもありがとうございました。 ○長谷川総務大臣政務官 どうぞよろしくお願いいたします。 (長谷川総務大臣政務官 ○南会長 退室) それでは次に、大変ご多忙なご公務を割いてご出席いただきました津村政務官 からご挨拶をいただきたいと思います。津村政務官、よろしくお願いいたします。 ○津村内閣府大臣政務官 ご紹介いただきました津村啓介と申します。内閣府の大臣政務 官をさせていただいておりまして、菅大臣の部局を担当しております。本来であれば、始 まる前に皆さんに名刺交換でもして、きちんとご挨拶しなければならないところですが、 遅参いたしまして大変申しわけありませんでした。 ご存じのとおり、今、各種の審議会とか、さまざまな諮問会議のようなもののあり方を 見直しているわけです。例えば、私の部局ですと、いわゆる経済財政諮問会議、運用の仕 方によっては政権のエンジンにもなり得る器でしたけれども、それを廃止しようと。ある いは、地方分権推進改革委員会、あちらも非常に重要な会議体でしたけれども、原口大臣 のイニシアチブで発展的に解消しようと。そんなことで、この会議についてもどういう形 にしようかというのが、実は迷いもありました。 しかしながら、IT戦略全体の中でのこのデジタル利活用の位置づけというものを、担 当部局の方からも大変熱心にご説明をいただきながら、まずはこの枠組みでしっかりと私 たちの、政務三役といいますけれども、政治主導を担っていく我々政治家も、勉強させて いただくところからのスタートだろうと。今後とも、枠組みといいますか、この会議体の あり方については、一概にまだ答えを出して存続ということかどうかは、率直に言いまし てわかりません。 しかし、いずれにしても、こうした知恵を活かしていく方法を考えていくのも私たちの 仕事と思っておりまして、まずは、今日は皆さんのお話を最後まで聞かせていただくとこ ろから始めようということでやってまいりました。稚拙な質問をするかもしれませんし、 あるいはお聞きするだけで消化不良になるかもしれませんが、まずは皆さんの率直なご意 見を拝聴できればと思っています。どうかよろしくお願いします。 ○南会長 津村政務官、どうもありがとうございました。 今お話にありましたが、津村政務官には、この後の意見交換にも、積極的にご参加いた だけるよう、よろしくお願いしたいと思います。 428 参考資料2 5 それでは、議論に入ります前に、事務局から本日の配布資料の確認をお願いいたします。 ○小宮内閣参事官 お手元に大部の資料がございます。先ほど、会長からご紹介のありま した議事次第に資料番号が書いてございますけれども、順次読み上げますと、資料1がパ ブリック・コメントに対する各府省の回答ございます。ちょっと分厚い資料でございます。 それから資料2が、第1回目の会合で出た委員の意見に対する各府省の回答でございます。 それから資料3でございますけれども、これは各委員からの追加質問に対する各府省の回 答でございます。それから、資料4-1がございまして、これは対象のテーマ候補の一覧 でございます。これは、A3の形で後ろにこのように置いてあろうかと思います。それか ら資料4-2でございますけれども、これはA4の縦長の資料4-1の個票の形になって ございます。各番号ごとに、それぞれの何が問題か、どうすればよいのか等々について整 理したものでございます。 それから、資料5が、各委員の提出資料でございますけれども、2つございまして、こ れは枝番をつけてございませんけれども、國領委員からの提出資料の表になっているもの と、岡村委員からの文章の提出資料がございます。 ご確認の上、もし欠けているものがあればお申し出いただければと思います。 ○富田審議官(経済産業省) ○南会長 すみません。資料1が。 ほかにございませんでしょうか。資料はよろしいでしょうか。 どうもありがとうございました。 それでは次に、デジタル利活用を阻むような規制等に関してのパブリック・コメント及 び委員の皆様から提出された意見、それらに対する関係府省の考え方についてご紹介しま す。 提出された改善提案に対して、規制等を所管する府省等の考え方を確認すべきだという ことが前回の会議で決まりまして、それを事務局にお願いしたものです。 なお、この資料につきましては、事前に委員の皆様には送付しておりますので、時間の 都合もあり、詳細な説明は割愛させていただきたいと思います。 では、事務局より手短にご説明をお願いします。 ○小宮内閣参事官 それでは、事務局より簡単にご説明させていただきます。 7月10日から4週間実施いたしました合計208件のパブリック・コメントの結果につき ましては、第1回会議で報告させていただいたところでありますけれども、その際、南会 長より、これらの意見に対する関係府省の考え方を聴取するようにご指示をいただいたと ころでございます。 これを受けまして、事務局より各府省に対しましてコメントの取り付けを行いましたの で、その結果を簡単にご報告いたします。 お手元の資料1でございますけれども、パブリック・コメントでのご意見や提案に対し ての関係府省の考え方になります。それから、資料2でございますが、各委員から提出い ただいた資料や会議でのご発言内容に対する関係府省の考え方であります。そして、資料 429 参考資料2 6 3が、資料1、2の結果を踏まえて、再度、委員の皆様からいただいた追加意見等に対す る関係府省の考え方を取りまとめたものでございます。 会長からもご説明のありましたように、本資料については、事前に委員の皆様方に配布 させていただいているところでありますので、個別の内容に関する説明は、時間の関係か ら割愛させていただきますが、調査方法のポイントについて、幾つか補足説明させていた だきます。 まず、本日、参考資料1として、前回会議にて配布したものと同じものですが、パブリ ック・コメントの結果を配布してございます。この分厚い資料でございます。各省には、 このパブリック・コメントや、前回会議及びその後の意見照会において委員の皆様からい ただきましたご意見を提示の上で、回答作成を依頼いたしました。この際、ご意見の内容 が膨大なものも多いため、これらの意見を、「何が問題か?」「どうすれば良いのか?」 といった2項目に概要として取りまとめて、一覧表として整理した上で、各府省の回答を 記載しております。 また、各意見の中には、提案者が担当府省を指定しているものがございます。こちらに ついては、提案者のご意見を尊重するため、実際にその府省がその規制等を所管している か否かにかかわらず、全て当該府省から回答を取り付けております。 一方で、提案者が担当府省を指定していないもの、あるいは提案者の指定している担当 府省が間違っている場合や不足している場合には、内閣官房において実際の担当府省を追 加した上で、その府省からも回答していただいております。 さらに、回答に当たりましては、各府省に対して、その内容をaからfに分類するよう に依頼しております。具体的には、a:改善提案を実施予定、b:改善提案を検討中、 c:実施困難・不要、d:事実誤認、e:所管外、f:その他の6つに、各府省の判断に よって分類し、それを取りまとめたものを、本日、準備させていただきました。 なお、本結果につきましては、全て公開することといたしまして、本日の会議終了後に も、速やかにホームページに掲載することとしております。 以上、簡単ではございますけれども、パブリック・コメント及び委員意見に対する各府 省回答についての説明を終わります。 以上でございます。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは次に、本年度の重点点検の対象候補となる規制、制度等の候補リストについて ご説明いたします。 重点点検の対象候補とする20程度の規制等の選定につきましては、前回の会議の議論で、 議長である私に一任させていただいたところでございます。 委員の皆様には事前照会させていただいておりましたが、その結果を反映したものを、 國領会長代理と相談して、資料4-1として準備いたしました。また、皆様にご議論いた だく際の参考資料としていただくために、選定した規制等ごとに、選定の理由とか留意点 430 参考資料2 7 等が一覧できる情報を載せた個票を資料4-2としてまとめてございます。 それでは、これらの資料につきまして、國領会長代理より概要を手短に説明していただ きますが、これらの資料につきましても、事前に委員の皆様に送付しております。この後 の議論に貴重な時間を割きたいと思いますから、詳細な説明は割愛させていただきますの でご了承ください。 それでは、國領会長代理、よろしくお願いします。 ○國領会長代理 よろしくお願いいたします。 今、会長のほうからお話がありましたとおり、前回の会合で20程度に絞り込むというこ とについて、会長にご一任いただいたということになりました。その作業をやらせていた だいたということなんですけれども、基本的な考え方といたしましては、委員から「これ は重要だ」というようなご発言、ご指摘のようなものをいただいたものを軸といたしまし た。それから208項目に及ぶパブリック・コメントをインプットいただいていますので、 こういうようなものを参考にしながら、かつ、IT新改革戦略の評価専門調査会の報告のよ うなものも参考にしていきながら、結局、20とお約束していたのですが、ちょっと足が出 たんですけれども、ちょうど委員の皆さんのものを集約すると24でした。4つぐらいの足 が出るのはお許しいただけるかなということで、24にさせていただきました。基本的にこ の段階では、前回のものと大きく乖離するというのはあまり好ましくないということで、 受け継がせていただきながら、少し分類させていただいて、大体8分野にさせていただき まして、それぞれの中に項目があり、そして、その上で複数の委員の方が似たようなテー マのことをおっしゃっていただいている部分がございましたので、それを集約させていた だきました。 ここまで来ますと、これから恐らく更なる絞り込みをやって、どれを重点的にやってい くのかということを決めていくわけですけれども、この24分野ぐらいについては、ちょっ といずれにしろテーマとしては、非常に重要なテーマが並んでいるというような認識に立 ちまして、少なくともどういう状況になっているかというのを整理させていただいたほう がよかろうということでつくらせていただいたのが、資料4-2というようなことになり ます。これはあちこちに散らばっている情報をテーマ別に集約させていただいたものとお 考えいただければ結構なんです。例えば01ですと「住居表示台帳の電子化」という井堀委 員からいただいたテーマでございますけれども、関連するような府省からのお返事がどう なっているかということも書かせていただいておりますし、以降の24のほうにつきまして は、関連したパブコメに対して、関連府省からどのような状況になっているか、返事をい ただいているかというようなことについてまとめさせていただいて、今日の皆様の議論の 資料にしていただければと思ってつくったものでございます。 ちょっと蛇足になります けれども、印象的を言うと、この「e:所管外」というものが結構多くて、「なるほど、 宙に浮いている話もいっぱいあるんだな」というのが素朴な印象でございます。 今日、恐らくまたご議論いただいて、この中から特に重要なものをどういうふうに抽出 431 参考資料2 8 していくかということについて、ご議論いただければと思います。当初の計画では、最終 的に多分3テーマぐらいを深掘りしていくということがよいのではないかという議論に今 まではなってございます。 とりあえずは、以上でございます。 ○南会長 どうもありがとうございました。 それでは、ごく簡単でございましたが、今までの説明を踏まえまして、本日のメインの 議題でございますが、本年度の重点点検の対象とする規制等を3つ程度に絞り込んでまい りたいと思います。先ほどのリストの中から、皆様のご議論を踏まえ、さらに絞り込みを 行いたいと思いますので、委員の皆様、そして津村政務官のほうからも、積極的なご発言 をお願いしたいと思います。 特に、今、説明のありました資料4-1、4-2におきまして、「関連する意見等」の 欄にお名前を記載させていただいている委員におかれましては、当該テーマの補足説明等 も含めてご意見をいただければと思います。 また、本日初めて参加される委員もいらっしゃいますが、本日整理してお出ししました 資料に加えまして、この際、発言しておきたいということがありましたら、それも含めて で結構でございます。 なお、本日ご欠席の委員の皆さんから、意見が資料として提出されております。お1人 ですが、最初にこれを簡単に事務局からご紹介いただければと思います。 ○小宮内閣参事官 本日は、岡村委員がご欠席でございます。資料5の2枚目に、岡村委 員提出ペーパーがありますが、ポイントは最後の3行ぐらいでございますけれども、統一 的な遠隔医療の実施を容易化するため、それについての安心感を得るために、個人情報保 護の特別法・個別法ともいうべき法律を制定することが、必要かつ適切であると考える、 こういうご意見が提出されております。 以上でございます。 ○南会長 ありがとうございました。 この会議では、ご出席の全ての委員のご意見を、順次、承りたいと思っておりますけれ ども、まずは今の資料5の1枚目に意見を出してくださっております國領会長代理から始 めていただければと思います。 ○津村内閣府大臣政務官 ○南会長 ちょっとだけ、ご質問してもよろしいですか。 どうぞ。 ○津村内閣府大臣政務官 すみません。基本的なことをわかっていなくて申しわけないん ですが、まず3つに絞るというのは、なぜ3つなのかということと、それから非常に多岐 にわたる分野のテーマが上がっているんですが、これを比べるというのは非常に難しい作 業で、もちろんフィージビリティというのは1つあるのと、例えば経済効果みたいなもの を考えるのかどうかとか、あるいはそれとは違う安全・安心のような価値観で選んでいく ものなのか、何かどういう尺度で今からの議論を聞いていけばよいのかというのを、どな 432 参考資料2 9 たか教えていただければと思うのですが。 ○南会長 これは、國領会長代理からご説明いただくのが一番よいと思っていますが、長 くこの問題をやってきて、たくさんテーマをそろえると、なかなか結果として進まないの で、「今年はこれに取り組もう」とまず何が何でも進めるべきものに絞ってはどうかとい うことだと思います。 ○國領会長代理 この前段として、ずっとIT戦略に関して評価専門調査会というのをや っておりまして、網羅的に全ての進捗状況とかについて、ずっとチェックし続けてきて、 いわゆるPDCAというのを回してくるということをやってまいりました。それは未だに 続いていまして、非常に重要だと思っております。 その上で、それを今、会長からもお話があったんですけれども、網羅的にやっています と、やはり表面的にチェックして、問題を指摘するところで終わってしまうということが 多かったことと、神は細部に宿ると申しますか、何か非常に細かい細則のところとか通達 のところとか、そういうようなところで非常に大きな話が引っかかっているというような ことも多かったりするもので、片側で網羅的に調べる一方で、かなり絞り込んで、そこの 部分については追い込む形でやっていくということが重要だろうということで、重点点検 をしています。3つというのは、別に3つが5つでもよいのですが、これは正直申しまし て、手伝ってくださる人の寝る時間の関数だったりするということで、3つぐらいかなと いうことです。 評価基準につきましては、最終的にはインパクトの大きいものと考えているんですが、 ただし、応用問題として、例えば非常に重要な問題としてデータ連携という問題がありま して、このIDの話ですよね。こういうようなことを考えたときにも、最後の本丸は非常 に大きいところかもしれないんですけれども、もうちょっと問題として整理がしやすいと ころできちんと突破しておいて、問題解決の考え方を整理できると、もっと大きな問題に 応用可能ではないかというようなところですとか、あとはジャンル的に考えて、これも先 ほど8項目を本当は説明すればよかったのかもしれないですけれども、大くくりで考えて、 項目が多数あるものを、1つのカテゴリーで3つやるのではなくて、ある程度、散らして いくことによって、数少ないものに取り組みながら、インパクト、その広がりとしては大 きくなるように考えようというような議論をしながら、今、こんなところに到達している ということになります。 ○南会長 よろしいでしょうか。 ○津村内閣府大臣政務官 ○井堀委員 ありがとうございます。 ちょっと関連いたしますので、私のほうから。 今、津村政務官がおっしゃったことと、実は私も共感するような同じことを考えており ます。パブリック・コメントなどから多くの事例がリストアップがされていますが、これ だけでは、偏りや抜け落ちがあるように思います。網羅的に全部出すというのは、あまり 433 参考資料2 10 効果的な手法ではないなと思いますが、モデルケースとして最終的に絞り込むには、ある 程度のところまでは洗い出しをする必要があると思います。 実務担当者など現場の人たちから、重要な情報を収集することが大事なのではないでし ょうか。この短期間によくこれだけの内容が出されたなと思いますがもう少し調査したほ うが良いと思います。そこで、今、市川市では、全庁全部門に調査をかけております。各 部門からどのような内容が出てくるか分かりませんが、本委員会に役立つ内容であれば情 報提供したいと思います。 その上で、これからテーマを絞り込む上で「何が問題なのか?」「何が達成できるの か?」ということについて、しっつかり分類しなければならないと思います。先ほど、津 村政務官もおっしゃったことと共通しますが、例えば、1.行政コストの削減につながる、 2.見える化が進展する、3.正確性が向上する、4.国民の利便性が向上する、5.安 全性、セキュリティが向上する、6.地域主権への道につながる、これらのうちどこに一 番関連するのかが分類できれば、おのずから優先順位がそれによって決まってくると思い ます。幾ら行政コストの削減につながったって、正確性に問題があれば、それはできない わけですから、ないが達成できるのかを分類できなければいけないと思います。 例えば、4-1の資料では、「Ⅱ.行政内のデータ連携」では、デジタル技術の恩恵が 受けられるようになる、電子自治体の推進が不可欠という表現などがありますが、これだ けでは、先ほど申し上げた5つの「達成する分類」には、あてはめられないと思います。 従って、最終的にテーマを絞り込む際にも優先順位を見誤らないように分類することが重 要だと思います。 私自身が非常に重要だと思っていることは、国民に効果的な行政サービスを提供するに は、国民がどこにいつから住んでいるのか、その住所や世帯人数、生年月日などを確認す る業務が行政内部には多くあるが、データ連携ができていないから、コストがかかってい ることなどを早く改善するべきだと思います。 例えば、選挙人名簿を例に申し上げると、期日前投票の時は電子オンライン台帳である 選挙人名簿の使用が許可されていますから、投票人はどの投票所でも投票できますが、投 票日になると、現行制度では同じ方法で処理することが許可されていませんから紙に印刷 された選挙人名簿で対応しています。こうした台帳のあり方について整理が必要かと思い ます。 ○南会長 ありがとうございました。今、井堀委員がおっしゃったような視点で、私とし ても整理したつもりでございますけれども、確かにそういう意味ではまだ不十分かもしれ ません。 國領会長代理のほうからコメントをお願いできますか。資料5を参考にしながらやって いただくと良いですかね。 ○國領会長代理 ちょっと話が先走ってしまうんですけれども、資料5というのが、私が 434 参考資料2 11 今回、これは1委員として出させていただいたものですが、資料4-1をつくらせていた だいている中で、恐らく似た問題意識を持っているところがございまして、資料4-1と いうのは、皆さんからたくさん出てきているというものをまとめるという作業をやると、 抽象度のレベルが上がって見えなくなってしまうというようなところがありました。その 中で「24項目の中で3つ選んでください」とやってしまうと、何か焦点がぼけたものにな ってしまいそうだったので、少し、もう1回研ぎ直すとどうなるかしらと。そのときには、 いきなり3つとかというよりは、6つぐらいにしてみたらどうかというようなことで、で すから、この資料5の特徴は、「選定の考え方、決定の目的等」という、やはりこの目的 意識というのをもうちょっと持ったほうがよいのだろうというようなところでございます。 その中で……これを説明し始めてしまってもいいですか。 ○南会長 そうですね。今のご意見に対しては、説明していただいたほうが問題意識もわ かっていただけると思いますね。 ○國領会長代理 では、ちょっと失礼して、私のペーパーを説明させていただきたいと思 います。検討の目的をもう少し磨くということと、それからその具体的な点検の対象をど うするか。恐らく、今の井堀委員のお話というのは、この住居表示台帳の電子化という話、 これを実現するということが大きいと理解しているんですけれども、こういうようなこと について、かなり具体的なところで考えていきながら、今おっしゃったとおりでございま して、この話が解決できますと、非常に多くの行政情報の話につながってくるというよう なことで、この「行政情報の電子化」は、非常に精力的にやってきたと言いながら、きち んとできていないところというのがまだまだ残っているという話があるのかなと。 2番目のところが、「行政内のデータ連携」ということでございます。これは税金とか 社会保障の共通番号等の話というのが、いろいろなところで議論されているかと思います けれども、ITをきちんと活用していく上で、データ連携、今おっしゃったような最終的 に何か特定の場所に行かないとサービスが受けられないというような状況というのも、こ のデータ連携に起因しているというようなことかと思いますので、この話をきちんと取り 上げる。ここでちょっと「引越」というのがよくないのかもしれないんですけれども、引 越をしたときに、やはりA市からB市に引っ越したときに、A市でやったのと同じ手続を もう一回全てやり直すというようなことがないようにできるような仕掛けというものを考 えられないか。これは、具体的にどれがよいかというのも随分考えさせていただいて、例 えば国民健康保険の手続のようなものが、引っ越しても引き継げるような形というものが できないかというようなことを応用問題にしてみたらどうかというようなことが考えられ るのではないかと思っています。 それから、「匿名化された個人情報の活用」というのは、非常に大きな産業というんで すか、経済効果を持つということが期待されているわけでございますけれども、もちろん 匿名化の仕方、個人情報の扱い、プライバシーの扱いというようなことについて、きちん と整理していくというようなことが必要になっております。この辺の話についても、2つ 435 参考資料2 12 のパターンがあると考えていまして、1つは本当に個人の、いわゆるターゲット・マーケ ティングと言われている個人をずっと追いかけるタイプのもの、それからもう一つのタイ プが、むしろ、データを集めて大きな統計にしてパターンを解析しながら、そこにトレン ドを見つけ出していくようなタイプのもの、この2つのうちの後者について、例えば具体 的に動かすことを考えてみたらどうか。 それから、これは中条委員が今日ご欠席でございますけれども、「薬のインターネット 販売」。非常に国民生活に身近なところで、何か不合理に見える規制がかなりストレート に妨げになっているものについて、きちんと整理できないか。 「遠隔医療」、これは岡村委員からも出てきていますし、大江委員のほうからも出てい ます。遠隔医療の範囲が広げられないか。それから遠隔医療は、7疾病についてはできる けれども、それに基づいて薬をもらおうと思うと、処方箋のほうは紙でもらわなければい けないというとても矛盾した状況があるのを、例えば電子メールによる処方箋の交付のよ うなことができないか。 それから、「インターネット選挙」の話でございますけれども、こここそ今まで何か検 討しようとすると、すぐつぶされてきたというようなところがございまして、政権交代で これを1回、きちんと民主主義のあり方としてのITの使い方というようなことについて 取り上げてみたらどうかというようなことでございます。ちょっと井堀委員がおっしゃっ ているほど、明確に「この効果」というような分類にはなっていないんですけれども、こ の24の項目よりは、少し目的意識というのを明確にした形でリストアップさせていただい て、このうちからちょっと作業のキャパシティが届く範囲内ぐらいのことで選んで見てい ただいたらどうかしらというようなことを、これは単なるご提案でございます。 ○南会長 いかがでしょうか。というような問題意識あるいは評価基準で24、あるいは、 それを8つに絞り、その中からさらに絞るとしたらこういう考え方でどうかというのが、 國領会長代理の案でございます。 どうぞ、ご意見を順次いただければ。 大江委員、どうぞ。 ○大江委員 まず、この3つなりに絞ったときに、その残りの取り扱いというのは、今後 どうするのか。それから、特にこの24に挙げられなかった中で、さっき國領委員もおっし ゃった、問い合わせた省庁が「どれもうちの所管外です」と言っているものというのは、 むしろ、今後、どこかの時点できちんと取り上げることが、むしろ重要なものかもしれま せんので、今日でなくてもよいのですけれども、そのあたりの残りの取り扱いの方針とい うのを議論する必要があるかなというふうに感じてお聞きしていました。 その上で、医療に関することとしては、この24、資料4-1ですと、14番、15番あたり が特に私も気にかけてきたところですけれども、少し細かい個々の項目に意見をする前に、 改めて医療におけるデジタル化、IT化をどういう視点で考えないといけないのかという ことを、私なりにちょっとコメントさせていただけたらと思います。 436 参考資料2 13 基本的には、医療におけるIT化とかデジタル化というのは、質の高い医療をいかに安 全・確実に提供するか。それからもう一つは、それを、かつ、いかに医療へのアクセスの 利便性を国民に対して高めるかという、これが大きな目標だと思うんですね。それを実現 することが、国民にとっても、それから医療を提供する側にとっても、目に見えるIT化 の効果であろうと思います。 ご存じのように、今、医療は遠隔医療、それから処方箋の電送交付、あるいはインター ネットで調剤薬局に依頼して調剤してもらって入手する、購入するといったことの実現な どは、サービスのアクセス・利便性として非常に求められているというふうに感じるわけ です。これを、単に便利になるというふうにだけとらえてもらってはいけないのではない かというふうに思っていまして、医療の場合は、こういうアクセスの利便性が向上すると いうことは、単に便利になるだけということではなくて、これまで利便性が低いがために、 実は医療サービスを受ける機会を逃していた人たちというのは結構いるわけです。あるい は、ふだん医療機関に行っても、たまたま忙しくて行けなかったということによって、本 来そのタイミングで受けるべき医療の機会を逃してしまうということがあるわけですね。 そういう意味で、単にちょっと便利になりますということではないということで、受けら れなかった医療が受けられるということは、結局、例えば生活習慣病でいえば予備軍を減 らしますし、あるいは病気の重症化を防ぐ可能性も高まりますし、ひいては健康水準の向 上にも直結するということですので、利便性という視点だけで議論しないことが大事では ないかというわけです。 ところが、これまで恐らくアクセス・利便性よりも、安全・確実に対象者に届けるとい うことを重視してきたわけで、そうなりますと、診察は遠隔よりも対面のほうが安全・確 実だ、処方箋も紙を目の前の患者さんか家族にお渡しすることが必須である、そういうふ うにしてくれば全て無難にいくということで、それをしてきたのが実情で、もちろんそれ はやむを得なかった時代だったのですけれども、しかし、今や対面性が持つ安全性とか確 実性を維持しつつ、これまでよりもアクセス・利便性を高めるということは、今のデジタ ル技術をうまく活用すればもう可能な時代になっているということは、皆さんがわかって いることなわけですね。 ところが、今回の事前のいろいろなやりとりの回答を見ますと、回答する側のお気持ち は、大変、私はよくわかるんですけれども、「現在の法令では困難だ」とか、「ほかのと ころで検討しているから現在は実施困難だ」といったものが非常に多くて、また、逆にそ の回答だけをこの検討会が、「鵜呑み」と言うと言葉は悪いかもしれませんけれども、そ れをとらえて検討を後回しにするというのは、やはりなかなかそれでは進歩がないのでは ないかというふうに、今回の事前のいろいろなやりとりをしていて感じました。 やはり先ほどお話ししたような見える効果ということを実現するということをまず前提 にして、現在のデジタル情報技術で何をどのように使えば実現できるのかということを、 やはり柔軟な発想で改めて検討していかないと進まないなということを痛感してきました 437 参考資料2 14 ので、そういう視点で、医療に限らないかもしれませんけれども、私に関係する項目とし ては医療に関するものをぜひ取り上げていただいて、具体的に進むような戦略というもの を立てていきたい、そんなふうに感じましたので、コメントさせていただきます。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは、どうぞ、残りの委員の方も。 では、まず高橋委員から。 ○高橋委員 私は、政務官の冒頭の疑問、質問に関しては、全く同じような思いで前回の 会議に参加していました。これまでの間、少し自分なりに整理してみましたので、意見と して述べさせていただきます。 前回の会合で、事務方から、基本にあるのはi-Japan戦略2015であるということと、4 つの視点、すなわち使いやすいデジタル技術、立ちはだかる壁の突破、安心の確保、新し い日本の創造ということと、3大重点分野として、電子政府・電子自治体、医療・健康、 教育・人財というご説明がありました。パブリック・コメントを208も寄せていただいて おりまして、多岐にわたる問題提起の中から、この調査会で我々が取り上げるべきテーマ を3つに絞るというのは非常に至難のわざなのですけれども、人的な資源の限界もあると いうことでしたので、まあ、3つということで納得するのであれば、重点3分野から1つ ずつというのがバランス的によいのではないかというふうに最初は考えました。 ところが、パブリック・コメントを一つ一つ読ませていただきますと、電子政府・電子 自治体のところに非常に集中しているということと、もう一つの山は医療・健康にありま した。私自身は、前の専門調査会のときには教育・人財の担当者だったのですけれども、 それよりも優先すべき課題があると感じましたので、資料4-1のペーパーでいえば、4 「電子政府・電子自治体の推進」にある本人認証とか個人IDの問題で意見を出させてい ただいたということでございます。 前回の会議でも述べさせていただきましたとおり、電子政府の推進の中で大きなネック になっているのは、個人認証の問題だと思っております。ですので、そこにフォーカスす るのがよいと思います。これは、國領会長代理からも重点点検の進め方として整理された、 優先度が高いということとか、国民の実感とか、突破口とか、その阻害要因を取り除くと 関係する多くの規制・制度によい影響をもたらすといった条件を満たすと思っております。 つまり、先ほど國領先生からご提案のありました6つのテーマ全部が、この個人認証の問 題にかかわってくるわけですね。これは、非常に大事なことで、どこの官庁にも所管しな い「e」ではなくて、「g」という項目をつくって、「全てのものに関与する」と言って も過言ではない問題です。セキュリティとユーザビリティが、電子政府及び今後のデジタ ル化を進める上での非常に重要な項目ですので、ぜひ医療と電子政府と、もう一つ、それ らに横串を通すという意味で個人認証、IDの問題を取り上げていただきたい。 資料4-1で、24テーマの一つとして4に挙げてはいただいているんですが、分類では 「Ⅱ.の行政内のデータ連携」というところに入っているところが、私にとっては、実は 438 参考資料2 15 最大の不満でございます。「行政内のデータ連携」には、行政のバックオフィス改革のこ とがかなり書いてあるわけですけれども、個人認証とかIDの問題は、そうではなくてフ ロントオフィスの部分、それと、国民への接点、インターフェースの部分であるので、本 来は、ここに「電子政府へのアクセス」という項目が1つ立ってもしかるべきではないか というふうに思いました。 ただ、いろいろ調べますと、この項目が立てていただけなかった理由としては、今回の 補正予算の執行停止に個人認証と電子私書箱がかかってしまいましたので、お金がないか らできないということなのかなとも理解しかけたのですが、お金がなくてもできることは かなりあるのではないかと思っておりますし、この問題を先送りにしますと、民主党案と して、電子政府の中心とするIDを社会保障番号ではなくて納税者番号へと、幾ら言って いただいても、国民の理解、納得が進まないということになります。ぜひこれをひとつ、 そういう視点から入れていただきたいと思っています。 それから、これを進める上での障害が何かということですけれども、「規制・制度・慣 行」というより、この「等」というところに入るサービス部分だと思っているんですが、 今後、点検していく上で協力員を求める、と行政のほうからご説明いただいているんです ね。私は、実は情報通信の会議で、地デジのB-CASの問題などで随分ご意見を申し上 げたんですけれども、既存の学会であるとか学者先生、産業界などの勢力によって、新し いソフトウェア方式が入りにくかったという苦い経験があります。IDとかパスワードの 部分では新しい技術革新が促進されるように、協力員を求めるときには大きな事業者だけ ではなくて、幅広く国民各界から求めていただきたくお願いいたします。 ○南会長 ありがとうございました。 どうぞ、関口委員。 ○関口委員 前回欠席しました、日経の関口でございます。 前回の議論に参加していなかったものですから、3つに絞るとか、そのあたりについて、 必ずしも私自身、納得しているわけではありませんでして、ちょっと少しさかのぼってお 話し申し上げたいと思います。 1つは、今のi-Japan戦略に伴う新しい戦略なんですけれども、もともとe-Japanから始 まってIT新改革と来て、そして3つ目になるわけですね。この間、どういうことが起き たかというと、当初、e-Japanで幾つかの目標を掲げて、次に新しくバージョンを重ねる に当たって、項目を増やしたわけですね。結果的に、たくさん項目が増えて、アブハチ取 らずになってしまった。もう一回これを絞り込みましょうというのが、多分、今回のiJapan戦略だと思うんです。その過程で、医療、教育、行政という3セクターに絞られて きたと思うんですね。その中から具体的な項目を挙げて、また絞りましょうと。これ自体 は、先ほどの國領会長代理のご説明にもありましたように、神は細部に宿っているので、 そこから一つ一つ片づけていくというのは、それはそれで1つ、方法かとは思います。 ただ、今のご時世を見ていますと、この情報化の日本の後れというのは、世界的に見て 439 参考資料2 16 も大変困った状況にあるわけでして、これを一つ一つやっていっても、ほとんどこれはも う時間が足らないというか、なかなか先に進まないということでいうと、私は、ここに挙 げられているさまざまなテーマ、このどれが大事かとか、先ほど井堀委員のご説明があり ましたように、その基準も非常に大切だと思うんですけれども、その中で選択するという よりは、内容によって性格を分けて、異なるアプローチをとらないといけないのではない かなと思うわけであります。 それはどういうことかというと、1つには、ここに掲げられているいろいろな項目があ りますけれども、大きく言うと、いわゆるガバメントリーチの世界とプライベートセクタ ーの世界とがあると思うんです。もっとそれを細かく見ると、その真ん中にあって、もっ と言うと、特にデータ連携のところなどはそうなのですけれども、最初がガバメントの世 界、政府内で完結している話。それから、ガバメントリーチという意味でいうと、標準化 にまつわるようなところ、民民の事業ではあるんですけれども、標準化が絡むために、政 府との関与がそこで落とせない部分。それから、全くの民間の世界と、3つに多分、分か れてくると思うんですね。それから、やっている内容についても、トランザクション・ベ ースで見ますと、今度は横串でいって、B to BのトランザクションとB to C、あるい はG to Cというトランザクションがあると思うんです。それを整理してマトリクスをや ると、多分アプローチが、私は違うのではないかなと思うわけです。 例えば、アメリカの情報化がどうやって進んだかという歴史的背景を見ますと、特に90 年代、アメリカではパソコン通信なるもの、特にアメリカはオンラインとか、そういうも のが出てきて、一般個人が情報化の恩恵、あるいは情報化のメリットというのを家庭で使 ってわかった。これを企業に持ち込んだらよいのではないか、行政に持ち込んだらよいの ではないかということで、アメリカのBPRみたいなものがスタートしたと思うんですよ ね。 ところが、日本は、そういうキーボード文化もなければ、インターネットも、当時、高 くて使えなかったものですから、なかなかそういうものがなくて、むしろ官とか企業主導 で情報化が日本の場合は始まった。だから、その生い立ちは多分に違って、むしろ日本の 場合は、企業とか行政がやっているので、それを家庭でもやらざるを得ないという流れで、 多分、来ていると思うんですね。 だから、そこの生い立ちは、多分、違うんですけれども、私は今やるべきことは、やは り個人がメリットを実感できる部分、すなわち、B to C、G to Cのほうを先行してや るべきではないかなというふうに思うわけです。その中でも、ガバメントの部分と、ガバ メントリーチの世界と、全くのプライベートの世界があって、ガバメントの世界は、これ はもうやることがここに書き出されているように、全てもうわかり切っているわけですか ら、これについては勝手に各省庁、あるいは担当する所管官庁にやってもらうと。それは、 もうベンチマークでもって進捗度合いを徹底的に査定していくようなやり方をとるべきで はないかなと思うわけです。 440 参考資料2 17 何でそういうことを申し上げるかというと、この国は2000年のちょっと前、1990年代末 に2000年問題という大問題に遭遇したわけです。そのときは、IT戦略本部が中心となっ て、それで重要インフラ、電力、ガス、水道とか、こういったところの幹部、経営者を集 めてきて、それでトップダウンでもって「何とかしろ」というふうにある意味でしばいて、 ベンチマークをやった。それで、それぞれトップが呼び出されていますから、自分のとこ ろで恥をかかないようにということで切磋琢磨して、一気に問題が片づいたわけです。そ ういうことでいうと、私はB to Bの世界で、なおかつガバメントの世界というのは、も う問題がはっきりしているのはやってもらう。その中でどれが大事などという序列づけす るよりは、それを先行してどんどんやってもらって、その成果をはかるということが、多 分、大事ではないかと。 もう一つの問題は、さっき言ったように、これを国民的な新しいモメンタム、あるいは その流れとして加速させていくためには、やはり国民がそのメリットを実感しないと進ま ないと思うんです。今、例えば保険の問題もそうですし、それから医療もそうですけれど も、結局、IDの問題にしても、メリットが実感できないから、それを国民がサポートし ない。ですから、それが例えば選挙を通じても、あるいは政治のプロセスを通じても、大 きな流れとして声になっていないわけですね。であれば、やはり私は、個人がメリットを 実感できるようなところにまず集中的に焦点を当てて、それで「ああ、こんなことができ るんだ。こういうふうに自分の情報がわかるんだ」、あるいは「こういうふうに健康や教 育の恩恵にあずかれるんだ」ということをわからせる、そこを最優先してやるべきではな いかなというふうに考えます。 長くなりまして失礼しました。 ○南会長 ありがとうございました。 この夏、取りまとめていただきました、この前身の調査会では、今、高橋委員がご紹介 いただきましたようなまとめになっていて、たくさんやるべき分野はあるけれども、とり あえず最も重点を置いてやるべきところを絞ってやったほうがよいということで、分野と して3つに絞って、電子政府・電子自治体、それから医療、教育として、それをやるに当 たってどうすべきかは、一応、方向は決まったんだけれども、それを阻んでいる実態、現 実には何があるだろうかということで、規制・制度・慣行、法令も含めた、そういうもの の何が一番ネックになっているのだろうということを、今度は、改めて重点点検する対象 を絞りましょうということ。3つの分野の中で、またそれを阻んでいる制度、仕組み等と いうことで、今回、この調査会は始まったのだと思います。 そのときに、これは確かに整理してみて、必ずしも十分ではないですけれども、やはり 紙主体になっている、いわゆる情報が電子化されていないところが一番問題ではないかと。 この前の調査会でもありましたように、要するに、原則は電子化というふうに紙主体から 変えてみたらどうか。そうしたら、法令等でそれを阻んでいるものをいろいろ直さなけれ ばいけない。 441 参考資料2 18 それから、もう一つ出たのは、ほとんど私は電子化と同じではないかとさえ思うのです が、行政内のデータ連携が、今でも、紙でも全く連携されていない感じがあるわけですけ れども、それが電子化されたときには瞬時に連携が完成する。それも、便利な手段を使っ て、なぜ行政側の連携がとれていないのだというと、その根拠法令等が違うとか、過去の 慣習が違うとか、いろいろなものがあるかと思うのですが、そういうものが幾つかあるの ではないかというような形でこれを整理しました。たしか電子政府・電子自治体の推進と いうのは、例えばちょっと表現を変えるべきだったかとも思いますが、そんな感じでこれ は改めて整理してみたものです。 それで、今、各委員ともおっしゃいました、「3つに絞るというのはどうしてだった か」と改めてご議論されているんですけれども、これは3つに絞って残りはやらないとい うことではなくて、最も今、第一にやるべきで、、象徴としてシンボル的にも影響範囲が 大きくて、効果的なものとして、何を選ぶのがよいかということで3分野を選んで、その 3分野を実行するために、どこをどういうふうに行政サイドの、あるいは法令、さらには 民間の慣習も含めてかもしれませんけれども、そういうところのどこを直していけば実現 に近づくか、それを今、議論していると私は理解しているのですが、何かコメントはござ いますか。 それよりも、政務官のコメントをまずいただきましょうか。いかがですか、ここまでの ご議論を聞いていただいて。 ○津村内閣府大臣政務官 今のお話ともかかわると思うんですけれども、もう一つ、出口 のほうの質問とこれはセットなんですが、これはある時期、3つなのか、もうちょっとぼ わっとした形なのか、5つなのかは別として、これを取りまとめましたと。その後の進捗 管理とかは、どうやってやるんですか。私たちは、提言したら終わりなんですか。 ○南会長 いえ。今お話がありましたように、そのPDCAを回す調査会は、別途、前か らありますし、今でもあるんですね。ですから、そこで提言するんですけれども、それが なかなか現実には動かないのを、動かすにはどういう戦略をまたやっていったらよいかと いうのが、我々の調査会の役目だと思っているのですが。 ○津村内閣府大臣政務官 ○南会長 なるほど。あと、もう一つの切り口は…… どうぞ。 ○小宮内閣参事官 今の政務官のご質問に、一応、当初のもくろみだけご説明いたします と、ここで議論していただいた検討事項、例えば3つなのか5つなのかわかりませんが、 絞り込んだ最後は、当初はIT本部を開いて、それで、いわば本部の中で担当省庁に対し て付け出しをするということを考えていたわけであります。付け出しをして、それを担当 省庁でどの程度やれるかどうかというのをこなしていただいて、それで、その検討結果を また3カ月ぐらい先のIT本部でご報告をいただくということが、当初の考えていたこと であったということであります。 ○南会長 どうぞ。 442 参考資料2 19 ○津村内閣府大臣政務官 今、a、b、c、d、e、fをここに写してみたんですけれど も、例えば住居表示台帳の電子化という一番上のものはaで、「もう来年からやることに なっている」という話のものと、最後のほうの各種予算制度のものは、総務省からも財務 省からもd、dといって、ほとんどゼロ回答というか、「憲法上できない」に近いぐらい のひどいコメントをされているものとが一緒になっているので、それを何か同じ土俵で、 やはりaとかbというものは、もうどんどん進める話で、そういう意味での重点というか、 もうできることはやろうという位置づけを、1つはしたほうがよいのではないかなという のと、cとかdというのは、「本当か」というチェックはもちろん必要なんですが、明ら かにできないものを議論してもしようがないということで、実現可能性の高いものと低い ものを、ある程度フェーズを分けて、その中で特に加速していくものはどれかというやり 方が、結果を出すという観点からは現実的なのかなというのが一つの感想です。 それから、よく似ているなと、今、連想したのは、私はもう一つで地域主権推進担当と いうのをやっていまして、先ほど少し触れましたけれども、地方分権改革推進委員会とい うのがあって、3次勧告、4次勧告というのを出して、各省庁に義務づけ、枠づけを廃止 しませんかという勧告を800項目、このたび出しまして、原口大臣の強いリーダーシップ で800項目のうち何項目になるかは別として、「今月中にでも返事を出せ」みたいな勢い でやっているんですよね、一方では。今月中だったか今年度だったか、ちょっと忘れまし たけれども。 幸いIT担当大臣というのもいて、だからこの組織があるんだと思うんですが、それは 菅さんなんですよね。ある意味では、原口さんに引けをとらない発信力のあるというか、 まさに政治主導というのを、今、体現されようとしている方の下に、非常に似た、しかも、 それだけ200何人の方がアイデアを出してくださるようなことがあるのであれば、800項目、 200項目とは言いませんけれども、ある程度網羅的なものも一方でちゃんとつくりつつ、 しかし、関係者の方が寝る時間も大事ですから、それは3項目かどうかは別として、確か におっしゃるように3分野に1つか2つずつとか、先ほど高橋先生がおっしゃられた横串 的なブレークスルーも必要だと思いますので、そこはめりはりをつければよいと思うんで すけれども、ちょっとその議論が小さくなり過ぎないように気をつけていただければ、 「3つだけこの24から選べば今日の仕事は終わり」ということにならないほうがよいのか なという感想を持ちました。 ○南会長 どうもありがとうございました。 何かコメントはございますか。 ○國領会長代理 ありがとうございます。 少しさかのぼりますけれども、今、政務官のおっしゃったことと非常に関係するので申 し上げたいと思います。普通、パブリック・コメントは最後にやるというのが多いところ に対して、これの調査会は1回目の会合をやるよりも前にパブリック・コメントをやり、 その全部のパブリック・コメントに対して府省に回答を求めて、それを今日中にウェブに 443 参考資料2 20 載せるということをさせていただくということで、これはもう本当に皆さんからお声をい ただいたものを、そのままにせず全部対応して出すと。その意味で網羅的にあり、そこに 載っているだけで、「ああ、この人たち、やる気がないんだ」というところまで全部わか るという、それを開示するところには既に意義があるような気がしています。ただ、やは り処理していくためには、そこから先、だんだん少しずつ加工していかなければいけなく て、加工するときにやはり修正が入って、これはもうしようがない。やっていく中も、な るべく全部出させていただきながら、全体像を見ながら、その中で焦点を絞り込むという ようなことを考えていきたいと思っております。 そういう意味で、ですから少し局面が変わったので、3つではなくて、今までこの調査 会すら年度主義でやっていまして、年度末までにとりあえず報告を出してといくようにす るので、果たしてそれがよいのかというようなそもそもを考えてももちろん結構ですし、 それから絞り込んだもの以外のもの、少なくともこの24ぐらいのところは、今回やらない としても非常に重要なものが並んでいるということで、それもありまして資料4-2とい うような整理もさせていただきながら、これも表に出していき、そうすると、また各方面 からいろいろ投げ込まれてまいりますので、それをどう受けとめていくか。やっているう ちに、さらされているだけでそういう効果が出てくるだろうというような期待もあるし、 その中で、ただ、ここで恐らくやったほうがよいのは、先ほどのIDなどの話も、これは おかげさまでbがついているんですけれども、だから、「改善提案を検討中なので改善す る」とおっしゃっていただいているところまで来ているんですけれども、ただ、これは恐 らく相当のウィルがないとできないものになってまいります。それからeですね。児童ポ ルノに関する話は、もう皆さんが「これに手を出すと、予算はつかない割に手間ばかりで かい」と思っていらっしゃるようで、「自分の担当ではない」とおっしゃっているけれど も、これほど大事なテーマを誰も担当しなくてよいのかと。これは、だから「政治がやっ てください」というような感じで投げ出されていたりもいたします。 というようなところで、これは総務省がありながら、経済産業省がありながら、IT戦 略本部というのをつくった経緯といたしまして、要は相当、上のウィルがないとできない という認識があります。ITというのは、技術は単なる道具ですけれども、その制度まで 含めて考えたときには、もうほぼ横串になるものなので、かなりウィルがないと動かない 話が多い。本部というのは、今の仕組みを続けていただけるとするんですと、最後は総理 の前で決めよう、それをやっていただこうというような仕組みになっていますので、そこ へ上げるまでにどれぐらい精査して、どれぐらい追い込んでいって、最後、そこで決めら れるかというような、それにふさわしいようなものかというふうに思います。 先ほど来、各委員のお話をお伺いしていて、大江委員のほうからも……「アクセス」が 今日、一つのキーワードなのかな。つまり、供給側から、上から目線で提供してあげるサ プライサイドの議論ではなくて、国民の側が政府の情報にどうアクセスできるかというよ うな考え方でいかなければいけないし、医療へのアクセスというような考え方で、同じI 444 参考資料2 21 Dとか認証の話を考えるにしても、サプライ側の話、効率化の話、これは片側で井堀委員 がおっしゃるとおりで非常に重要なんですけれども、それと、そういうような見方で見る よりも、視線としては国民側がどういう形で情報、サービスにアクセスできるのかという ような考え方でいき、それが効率化と両立するような考え方でいくというような話をいた だいたように受け取ったんですが、そんな感じですか。 ○南会長 ○井堀委員 よろしいですか、どうぞ。 違った問題意識を持つべきかと感じましたので、発言させていただきます。 デジタル技術、情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行について、事実を誤認してい るパブリック・コメントが「d」に整理された内容ですが全体の17%がそれに該当します。 これは、規制が何いのにも拘わらず、あると勘違いしている。これでは、前向きな行動 に繋がらない。このような事態を解決する手立てを考える必要があると思います。○南会 長 ありがとうございました。 要するに重点点検対象としてこの分野をやりましょうという中にaを含めて、突っ込ん で聞いてみたら、形の上ではできているように思えても機能していないというaもあり得 るかと思いますし、今のご指摘のとおりかと思います。 どうぞ。 ○高橋委員 同様の問題提起ですけれども、例えば資料1の38のところに、私が提案して いる公的個人認証に関するパブリック・コメントがあるんですけれども、これはbという 評価で、「ご指摘の件については、電子政府ガイドライン作成検討セキュリティ分科会に おいて指摘されていて、その結論を得る」というふうに書いてあるんですが、そちらの会 議の議事録を見ますと全然動いていなくて、こういうものが山ほどあるということに気が つきました。「連携する」とか「分担する」という形で、「進んでいる」とか「進めま す」と書いてあっても、きちんと検証していかないと、実際上は全然進んでいなくて年度 末を迎えてしまうというふうなことも出てくると思うんですね。 ですから、先生もおっしゃいましたように、制度があるだけではだめで、それがきちん と機能しているか、その方向性が正しいのかというのが、まさに重点点検する意味だと思 います。私はa、bだからといって全然安心していないということが1つと、cのところ を読みますと、できない理由を並べてあって、「本来できるんじゃないんですか」と私な どが見ても思うものが幾つかあるので、回答をいただいたままにせず、さらに多角的に見 直すことが必要と感じております。 ○國領会長代理 必ずしも3つに絞ること自体が目的ではございません。ただ、これから もし、ちょっとゼロベースでご相談したいと思うんですけれども、当初考えていたのは、 このあたりで「大体このあたりをやりたいよね」というねらいを決めた後で、その分野に おいて、例えば医療なら医療でその制度を司っているような、今までだと役所の方をお招 きすることが多かったんですけれども、担当の政治の方でもいいんですけれども、とにか く少しこの場で我々の中だけで議論しているのではなくて、実際にヒアリングさせていた 445 参考資料2 22 だくというようなことを考えています。その辺のどなたをお招きすればよいかというよう な意味合いにおいて、今日、ある程度このあたりのことについてやってみたらどうですか ということについて、方向性が見えるとうれしいなということなのでし。それについての、 先ほど高橋委員は電子政府の部分と医療のところが、やはり見ていると非常に国民のニー ズも強い。その中で避けては通れないような認証の話、IDの話のようなところをやると よいのではないかと。それから大江委員のほうからは、遠隔医療の話をしていただいて、 幾つか「ここが大事」というようなお話を、今までもいただいているものもありましたの で、考えていきたいということと、ここは、ちょっと最後は、時代が時代なので、もう政 務官は恐らく物すごくお忙しいかと思うんですけれども、私が3項目にしないで6項目に したのも、ある程度選んでいただけるようなメニューにしたらどうかという思いで持って きたので、ちょっと会長と政務官でお話しいただいて、どれが大事かというのを決めて、 それに関連した方をお招きしてヒアリングして、何が問題なのかということを絞り込んで いくというようなことをできればと思いますが、そんな感じでよろしいでしょうか。○高 橋委員 それに異議はないんですが、先ほどヒアリングの対象の協力員に関して希望を述 べさせていただきました。重ねて、ですが、情報通信の審議会でもワーキングで検討する ことが多いですけれども、行政が今まで用意してくださったヒアリング先には異議あり、 が多いです。たとえば、産業界からいつも協力しているところが出てくださると、非常に 一方的な話になって、B-CASカードのときにも、あるいはその前のコピーワンスのと きにも、非常に重要なところの方々が招聘されないことがよくありました。ですので、コ ピーワンスのときにも、「では、アメリカからインテルを呼んでください」とか、「本当 にアメリカでそういうふうにハリウッドが言っているんですか」というふうな形で要請を かけると、我々がそれまで聞いていたのと全然話の展開が違ってきて、局面が変わったと いう経験がございます。一方、通信の分野などでは、携帯電話各社の社長さんが出ていら っしゃいまして、そこで丁々発止の討論をしていただくことも実際にやっておりますが、 そのぐらいフェアな協力員の求め方をしていただきたいというのが希望でございます。時 間に限りがありますので、一方的なお話で点検を進めていくと、非常にゆがんでいく可能 性があるということです。 それをもう一つは、全ての分野を点検、というのは非常に難しく、焦点を絞ってやらざ るを得ないかと。まず1回、何かのテーマで、あるいは1つか2つのテーマでやってみて、 それから少し回数は増えるかもしれませんけれども、必要に応じて点検の仕方を見直すこ とも必要かなと思っています。 ○南会長 ありがとうございました。 今日、各委員からそれぞれもう出ていますように、この夏に取りまとめましたi-Japan 戦略2015も、いわゆるユーザーである国民の側からの視点で大きくまとめており、アクセ スを含めて何が望ましいと感じているか、その視点をたしか基本に置いていると思いまし 446 参考資料2 23 たので、そうしたときに、今日、資料のほうで國領会長代理が整理していただいた行政情 報の電子化、行政内のデータ連携、ここで具体事例が挙がっていますから、これなどは一 つの事例になるし、それからやはり遠隔医療というのは、いろいろな方が強くおっしゃる し、これまたなかなか実現のための条件が難しいということをいろいろな方がおっしゃる。 これを一度、まずチャレンジしてみたらどうかというような感じを持っていますが。 どうぞ、関口委員。 ○関口委員 この資料4-1というのは、いろいろパブコメ等を通じて、実際に個別案件 として上がってきたものを整理したものだと思います。それと、資料5というのは、國領 会長代理のほうでコンセプトとして6つにくくってまとめていただいたものだと思うんで す。そういう意味でいきますと、3つにするのか、5つにするのか、6つにするのかとい うのは、これは別にそんなに数は大事ではなくて、要するにやるかやらないかということ でいうと、私はこの6つのポイントというのは、このままこれを前面に掲げて、この下に 資料4-1にある個別のものをはめ込んで、それをまさに重点点検項目にするということ でよいのではないかなと私は思います。 それと、もう一つ言えば、過去のe-Japan、それからIT新改革戦略で決めたけれども、 実際にやられていない、あと、後退している部分というのがあるわけですね。特に、IT 新改革戦略でいえば、レセプトのオンラインというのを言っておいたにもかかわらず、そ の文言を変えて後退させてしまっているという実情があるわけです。ですから、それはや はりおかしいと思いますので、それを改めて1項、レセプトのオンラインを入れるのか、 あるいはデータ連携のほうにはめるのか、そこはその書き方によるかと思うんですけれど も、そういった既に決めていて約束事になっているけれどもやられていないという部分も、 この6つに加える形で項目を決めたらよいのではないかなと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは、簡潔にお願いします。 ○大江委員 今後、議論いただく上で、この資料5の(5)で書かれているテーマ名の 「遠隔医療」という4文字なんですけれども、この4文字は非常に幅広い意味を持ってい て、場合によっては誤解を招くケースもありますので、テーマ名として、ちょっと後でご 検討いただきたいんですけれども、もう少し正確に、例えば「ICTを活用した対面でな い診療サービスの提供」とか、何かそういうようなニュアンスがきちっと伝わるような形 で取り上げていただけるとよいのかなと思いますので、ご検討いただきたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは、お約束した時間がもう間もなく来そうですので、今日、非常に活発なご意見 をいただきましてありがとうございました。ご発言メモを再度整理させていただいて、そ れを踏まえた上で、次の会での「こういうことで議論していただいたらどうか」という案 を、津村政務官と相談の上つくらせていただき、もちろん國領会長代理にもご協力いただ いて、我々事務局で準備させていただいて、後日、皆さん方にご連絡した上で、再度ご意 447 参考資料2 24 見を伺って、次回の進め方を決めさせていただきたいと思います。 最後に、政務官、ご感想を含めてお話をいただければと思います。 ○津村内閣府大臣政務官 何度か発言させていただきましたので、特につけ加えることは ありませんが、本日は活発なご議論に心から感謝申し上げます。 政権交代のもちろんよいところを伸ばしていかなければいけないんですが、一方で、選 挙の期間が長くあったことや、その後、政権発足まで若干時間があったこと、そしてこの 間、私自身の日程のことも含めて、この専門調査会の開会が少し遅れたことは、皆さんに 大変申しわけなく思っております。今、本当であれば、今日、何かが取りまとめられる可 能性もあった中で、少し丁寧に進めるというお話もありましたので、場合によっては次回 の会を少し早めにセットさせていただく等して、全体のスケジュールが遅れないように私 も工夫していきたいと思いますし、皆さんにもご協力いただければと思います。よろしく お願いいたします。 ○南会長 どうもありがとうございました。 それでは、次回はいずれ11月になるかと思いますが、事務局のほうから別途ご連絡させ ていただきますので、その節はよろしくお願いいたします。各省を含めた関係者のヒアリ ングをしたいと思っておりますが、それも検討の上、またご連絡させていただきます。 政務官におかれましては、最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。 ○津村内閣府大臣政務官 ○南会長 ありがとうございました。勉強になりました。 それでは、本日はこれで閉会させていただきます。 どうもありがとうございました。 閉会 448 参考資料3 1 デジタル利活用のための重点点検専門調査会(第3回) 日時:平成22年3月26日(金)10:28~12:00 場所:中央合同庁舎4号館 12階 共用1208特別会議室 ○出席委員 大江委員、岡村委員、國領委員(会長代理)、高橋委員、松本委員、南委員(会長) ※ この他の出席者:川端内閣府特命担当大臣、古川内閣府副大臣、津村内閣府大臣政務 官、小宮内閣官房内閣参事官、吉田内閣官房内閣参事官、原総務省政策統括官(情報通信 担当)、渡辺経済産業省審議官(IT戦略担当)、谷脇総務省情報通信政策課長、赤石経 済産業省情報政策課長 1.開会 2.専門調査会活動報告について 3.新たな情報通信技術戦略について 4.閉会 [資料] 資料1-1:活動報告(案) 資料1-2:活動報告 資料編(案) 資料2 :活動報告取りまとめに際しての各委員意見 資料3 :新たな情報通信技術戦略の骨子(案) [参考資料] 参考資料1:国民主権の社会を確立するための新たな情報通信技術戦略 1 449 参考資料3 2 午前10時28分 ○南会長 開会 おはようございます。ただいまから第3回のデジタル利活用のための重点点検 専門調査会を開催させていただきます。 本日は、各委員におかれましては、ご多用中のところご参集いただき、誠にありがとう ございます。 また本日は、大変ご多用なご公務を差し繰りいただき、古川内閣府副大臣、津村内閣府 大臣政務官にご臨席賜っております。なお、古川副大臣はご公務の都合により、11時ごろ にご退席される予定でございます。また、11時30分過ぎから最後まで、終わりまで、川端 IT担当大臣にもご出席いただく予定となっております。 では、お手元の議事次第をごらんください。本日は最初に古川副大臣よりご挨拶をいた だいた後、本調査会の活動報告を取りまとめ、最後に、現在、新政権のもとで検討が進め られている新たな情報通信技術戦略について意見交換を行う予定でございます。 終了は12時ごろを予定しておりますので、よろしくお願いします。 それでは、まず、古川副大臣からご挨拶をいただきたいと思います。古川副大臣、よろ しくお願いいたします。 ○古川内閣府副大臣 おはようございます。 ただいまご紹介いただきました、副大臣を仰せつかっております古川でございます。本 日は、重点点検専門調査会の委員の皆様方におかれましては、ご多用のところお集まりい ただきまして、こうしてご議論いただきますこと、まずもって心から感謝申し上げたいと 思います。 また同時に、南会長を初め、専門調査委員の皆様方には、この会、昨年7月、政権交代 前に設置されたわけでございますけれども、政権交代もあったということもあり、私ども 新政権のもとで、このIT戦略と推進体制も含めて、中身を含めて見直しを図ってきたと いうこともございまして、せっかく専門委員の皆様方にご就任いただいたわけであります けれども、これまで会合は2回ということで、そして今日、今回で一たんこの会を閉じさ せていただくということになりましたこと、本当に専門調査会委員としてやろうというこ とで、南会長以下、ご参加いただいた皆様方には本当にこういう形になってしまいました ことを、まずもって心よりおわびを申し上げたいというふうに思っております。 実は、この専門調査会の親になりますIT戦略本部自体も、ようやく先日第1回の新政 権のもとでの会合が開かれたというようなこともございまして、そのもとにありましたこ の専門調査会もこのようなスケジュールで、こういう形になったということでございます。 そのため、この調査会として当初のスケジュールで想定されておりましたアウトプットを 出していただくというところまでには至らないことになってしまったわけでございますけ れども、ここでこの調査会の活動にひとまず区切りをつけさせていただくわけでございま すが、私どもといたしましては、このIT戦略本部そのものの体制等について整理を行っ て、その後、引き続きこの情報通信技術の利活用に関する規制・制度等の見直しに取り組 2 450 参考資料3 3 んでいきたいというふうに考えております。その上で、今日は限られた時間でございます が、ぜひ委員の皆様方から忌憚のないご意見をいただいて、それを報告という形でまとめ させていただき、それをぜひ活用させていただきたいと思っております。 また現在では、政府のもとで成長戦略、さらには新しいIT戦略についての議論を進め ております。この本調査会におきましては、現在、我が国が直面している情報通信技術政 策における諸問題等についてご議論いただいてきたわけでありますので、今後とも、専門 調査会は終わりますけれども、ぜひまた今後とも委員の先生方からご指導、またご鞭撻を 賜ればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうご ざいます。 ○南会長 古川副大臣、どうもありがとうございました。 では、議論に入る前に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。 ○小宮内閣参事官 配付資料でございます。議事次第の下に資料の番号が書いてございま すが、お手元にはまず資料1-1、活動報告(案)がございます。それからその次の資料 1-2がそれに添付される資料編でございます。非常に分厚うございます。それから資料 編の資料2というものが、各有識者からのご意見という形でまとめさせていただいており ます。それから資料編の続きで資料3、資料4と形でございまして、その後、参考資料で 会議の議事録がついてございます。それから、右上のほうに資料ナンバーの2というのが ございまして、2-1から始まりまして、本日のこの会議に向けて各メンバーから出して いただいた意見、ペーパーで出されたものがございます。それからその次の資料3でござ いますけれども、これが先日のIT戦略本部で議論されました新たな情報通信技術戦略の 骨子でございます。それのポンチ絵が後ろについてございます。 資料については、以上でございます。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは次の議題に移ります。ただいま、古川副大臣からご説明いただいたように、来 年度以降の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の活動の参考としていただくため に、これまで我々が議論してきた内容を活動報告として整理いたしました。 活動報告の内容につきましては、事前に委員の皆様方にお送りしておりますので、ご確 認いただいているところでございますが、國領会長代理より要旨をご説明いただきます。 よろしくお願いします。 ○國領会長代理 おはようございます。よろしくお願いいたします。 ごく手短にまいりたいと思います。古川副大臣もお見えいただいていて、少し経緯をご 説明する意味合いも兼ねて申し上げたいと思いますが、この専門調査会はもともと、やっ ぱりITに対する投資がなかなか利活用という形で生きていないなという基本的な問題意 識のもとに、例えば国民に利便性を提供したり、それから投資効率を高めて経済成長につ なげていくというためには、規制であるとか制度であるとか慣行であるとかいうようなも のを見直していくと、それをやらないと、逆にいうとお金を投入してもなかなか生きてこ 3 451 参考資料3 4 ないという基本的な問題意識で始まったものでございます。 始めて直後に、これは広くいろいろなところにお伺いしたほうがいいということで、資 料1-2にあります、その中の資料1ですね。資料番号がいろいろあって恐縮ですけれど も、この分厚いやつ。パブリック・コメントをかけましたところ、208件という非常に大 量の、いろいろなご意見をいただいてまいりました。 加えて有識者の方に活動報告資料編というほうの資料2のところに、ここの委員も含め、 有識者の方々からご意見をいただくというようなことをやってまいりました。今度、それ からすべてのいただいたパブリック・コメント、それから委員からの意見について府省に 照会して、それについてどう考えるかということについて、いただいたのがこの資料3と いうものでございまして、「それは自分の管轄ではない」とかいろいろなことが書いてあ るんですけれども、ちょっと問題意識が違うんじゃないかということも含めて、いろいろ レスポンスいただき、それを考えた上で、ちょっと事務局でいろいろ検討し、会長とご相 談しながら、これ恐らく一番大事なのが資料4と書いて、これのめくっていただきますと、 重点点検対象テーマリストというものがございまして、テーマが何か、何が問題なのか、 どうすればよいのかということで、ここまで整理しましたと。恐らく本当はやるべきだっ たのが、これのリアリティーチェックをきちんとやって、この問題意識で本当にいいのか ということをきちんと精査した上で、どう取り組んでいくべきかというところまで本当は やりたかったんです。ちょっと途中になっている。 ただ、それを本当に深堀りしていこうとすると、もっと絞り込んだほうがいいんではな いかとかいうような議論をしていたんですけれども、ちょっとそれが確かに途中になって しまって誠に恐れ入りますが、ただ、ここまで下ごしらえさせていただいておりまして、 この辺のことについてきちっと取り組みをやっていくということが重要ではないかという ことかと思います。 報告書というか、きちっとするという意味で、資料1-1に戻らせていただくと、どう いうような経緯でどういう問題意識でやってきたかということをちゃんとドキュメントに させていただき、この活動成果のところに、この資料集が入っていくような形でお役に立 ていただけるような資料として残すということで、今回させていただければというふうに 考えております。 大体こんなところでございます。 ○南会長 ありがとうございました。 ただいまご説明いただいた内容で活動報告として取りまとめさせていただきたいと思っ ているわけでございますが、委員の皆様方の中から特段のご意見がございましたらお願い いたします。 どうぞ、高橋委員。 ○高橋委員 質問でございますけれども、意見の提出があれば出すようにと、非常に短い タイムスパンで委員のほうに発せられたのですけれども、それは出ているのか、出ていな 4 452 参考資料3 5 いのか、報告書につけるようなものが今日席上に配付されているのであれば教えていただ きたいと思います。 ○南会長 これについては後からですよね。 ○國領会長代理 資料2です。もう一度それについては議論する時間があると理解してお ります。 ○小宮内閣参事官 右肩に資料2-①と、岡村先生と出された資料が一番上になっている ものがありまして、その後、資料2-2という國領先生のが、ついているというのがあり ますけれども、次の議題のところに意見がまとめて入っているという形になっているかと 思います。 ○高橋委員 前回も非常に出席委員数が少なかったんですが、今日も拝見しますと非常に 少ないので、何人中何人が出席していて、何人が欠席でうち何人から席上意見が出ている か教えてください。報告書をまとめるに当たって活動報告の中に意見書がつくようですの で、どのようになっているかも確認させてください。 ○南会長 事務局、今データありますか。 ○小宮内閣参事官 ○南会長 後ほど調べたものをご報告させていただきます。 ただ、今日の時点までで、私のお聞きしているところでは、先ほどの資料の2 のほうで出ている意見、お三方出ている、ほかはなかったと伺っています。 それからおっしゃった出席回数等々は後ほど調べさせていただきます。 それでは、ありがとうございました。それでは、この本活動報告の取りまとめ、表現の 仕方等、一部、もし修正すべきところがあるかどうか再度チェックしまして、それがあり ましたときには、会長である私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。 ご異論ないようでございますので、本活動報告につきましては、私のほうで取りまとめ させていただいて、改めて副大臣にお渡しすることとさせていただきます。 本活動報告には、規制・制度等の見直しを進める上でのポイント等が、先ほど國領代理 からご説明ありましたようにまとめられておりますので、今後の情報通信技術政策を推進 する上で、ぜひご活用いただければと思います。 それでは、次の議題に移らせていただきます。 先ほど古川副大臣から現在、政府内で検討を進めている新たな情報通信技術戦略に関し まして、我々専門調査会各委員の意見を聞きたいとのお話がございました。3月19日のI T戦略本部で提示されました新たな情報通信技術戦略の骨子案については、これも事前に 皆様方に配付させていただいておりますが、本日は古川副大臣より新戦略の検討状況等に ついて、改めて簡単にご説明いただき、その後、意見交換を行うことにしたいと思います。 それでは古川副大臣より、ご説明をお願いします。 ○古川内閣府副大臣 ありがとうございます。 皆様、資料3という、この右上のところに書いてある新たな情報通信技術戦略の骨子案 というのがございますが、ご説明、横書きの参考資料1という、こちらのほうでご説明を 5 453 参考資料3 6 させていただきたいと思っております。 まず、この参考資料1の1枚目の目的をごらんください。 新しい戦略では、社会の抜本的な改革を実現し、政治主導により新たな国民主権の社会 を確立するためということで、重点を絞り込んだ戦略を打ち出すという目的にいたしてお ります。重点化の方向でございますが、国民主権の観点から、まず政府内で情報通信技術、 いわゆるITによる革命を徹底し、国民本位の電子行政を実現いたします。加えて、IT の徹底的な利活用により地域のきずなを再生し、新市場の創出と国際展開を図っていくこ とにより、ITにより革命を強力に進めていきたいと考えております。 今回の戦略では、この考え方に沿って、まず第1といたしまして、国民本位の電子行政 の実現、第2といたしまして地域のきずなの再生、第3といたしまして新市場の創出を国 際展開、この3つの柱を重点戦略として位置づけさせていただきました。今後、骨子案に 基づきまして各府省における検討作業を進めていきたいというふうに思っておりまして、 先日も第1回の企画委員会を開いたところでございます。 なお、具体的には4月をめどにITの戦略の目標を明確化し、IT基本戦略として取り まとめるとともに、5月をめどに戦略を実施するための工程表を策定する予定であります。 次にそれぞれの柱について、具体的にどのような目標を設定し、重点施策を講じていく かの事例をお示ししたいと思います。 2枚目を、この青い国民本位の電子行政の実現という、この2枚目をごらんください。 ここで見ていただきますと、週7日24時間、オンラインまたはオフラインでサービスが利 用できるための年限をいつにするか等の目標を設定いたしたいと思っております。そして、 行政刷新を行うとともに、下の図にありますように複数の手続が1回で済むワンストップ サービスや、国民が自己の情報が行政にどのように使われているかをいつでも確認できる ようにするなどの施策を講じてまいりたいと思っております。 次、もう1枚めくっていただきまして3枚目をごらんください。地域のきずなの再生と いう項でございます。ここの点につきましては、地域を問わず、質の高い医療サービスを 受けることを可能にするための明確な目標を設定いたします。そして下の図にありますよ うに、医療機関ごとの重複検査をなくし、過去の診療履歴をどこでも活用できる医療体制 の整備や、一人で暮らしておられる高齢者の健康や命を守るための施策等を講じてまいり ます。 次、もう1枚めくっていただきまして4枚目をごらんください。新市場の創出を国際展 開でございますが、新技術の導入や規制の撤廃等による新市場の創出規模をどの程度とす るか等の目標を設定いたします。そして下の図にありますようにCO 2 の25%削減に大き く寄与することが期待できる人、物の移動のグリーン化やスマートグリッドなど、戦略分 野についてのオールジャパンでの海外展開を推進いたします。これらの詳細な説明は省か せていただきますが、これらの施策の中には制度的課題や改革に消極的な利害関係者の存 在など、先ほど國領先生からもいろいろ見せていただきますと、ほとんど何か所管外だと 6 454 参考資料3 7 か関係ないみたいな、こういうのを見ても相当内外のいろいろな困難があろうかと思って おりますが、これはぜひIT戦略本部等の場におきまして、これこそ政治主導で各省の縦 割りや既存の慣習を打破してまいりたいというふうに思っております。 以上、簡単でございますが、情報通信技術戦略の骨子案についての説明を終わらせてい ただきたいと思いますが、この本調査会は重点点検を実施する組織でありますが、皆様方 は情報通信技術に関して高い知見を有しておられること、また先ほどお話もございました ようにさまざまな、大変有益なこういうテーマでこういう形でやればいいんじゃないかと いう、そういうご示唆もいただいておりますので、ぜひこれを活用させていただきたいと 思っておりますし、また、本日のご議論では、必ずしもこの重点点検にこだわることなく、 それぞれ専門家と有識者というお立場から新しい情報通信技術戦略のあり方等について忌 憚なきご意見をいただければと思いますんで、よろしくお願い申し上げます。 ○南会長 古川副大臣、どうもありがとうございました。 それでは、委員の皆様より、新たな情報通信技術戦略に対して、今ご説明いただいたも のに対しまして、ご意見等ございましたら、よろしくお願いしたいと思います。 なお初めに、岡村委員から資料2-1にございますが、新たな戦略に対するご意見を提 出いただいております。もしかしたら後ほど遅れてご出席いただける可能性もあると伺っ ておりますが、念のために、まず初めに事務局より、このペーパーのポイントのみご紹介 いただければと思います。よろしく。 ○小宮内閣参事官 それでは、右肩に資料2-①と書いてございます、岡村委員のペーパ ーがございますので、それをご参照ください。ここにございますように幾つかの意見を提 出されておられますけれども、まず双方向でわかりやすい事業の実現についてのご意見。 それから2ページ目に医療の、過去の診療情報を全国レベルで電子的に管理・活用するた めの全国レベルの情報提供サービスの創出についてのご意見、それに関連する個人情報保 護ルール改善についてのご意見。それから3番目にテレワークの推進についてのご意見。 それから2ページ目の一番下にクラウドについてのご意見があり、さらに3ページ目の真 ん中から下にインターネットを利用した選挙活動の実現についてのご意見が記されてござ います。 以上でございます。 それから、先ほどの高橋委員の質問について、今お答えしてよろしいでしょうか。 今まで3回やった、まず出席人数ですけれども、1回目が8名、2回目が6名、本日3 回目が岡村委員を入れまして6名でございます。それから、先ほどご紹介しました活動報 告の参考資料の中に各回の議事録を添付してございますので、ここで皆様のご発言の内容 も記されてございます。 以上でございます。 ○南会長 ありがとうございました。なお、今ごらんいただいている資料2-①には、こ の岡村委員の次に國領委員のペーパー、そして最後に不肖、私のペーパーもつけてござい 7 455 参考資料3 8 ますが、これはご出席いただいていますんで、適宜この場でご紹介いただければと思いま す。 それでは、委員の皆さんからどうぞご意見。大江委員、どうぞ。 ○大江委員 私は事前に意見の文書での提出はしておりませんので、ここで少しご意見を 述べさせていただきたいと思いますけれども、長年、医療情報、特に医療機関での診療情 報連携とか、それを実現するための標準化とか、そういったことをやっている立場で、医 療に関連した部分だけについて意見を述べたいと思います。 今回の情報通信技術戦略の骨子、あるいはそれに付随した資料を拝見いたしますと、医療 に関してはこれまでの10年間やられてきたさまざまな活動の路線をさらに継承して発展さ せていくという視点で、大変重要なかつ、私から見た場合にあるべき姿というのを目指し ているというふうに思いますので、ぜひ積極的に今後もこの方針で進めていただきたいと 思うわけですが、ただ、ここで表明されていることは、実は2001〜2年ごろに厚生労働省 で取りまとめられた保健医療情報分野のIT化のグランドデザイン、その後のe-Japan戦 略などで取り上げられてきた路線を続けるという形になっていまして、かねてからこの実 現は望まれてきているわけですね。ただ、やはり10年たっても、なぜまだそれほどできて いないのかという点を、ぜひ今後十分何かの機会に議論していただきたいと思います。 やはり、私この機会に3つだけ、そのポイントと思うことを発言させていただきたいん ですが、一つは、過去の診療履歴、診療情報をいろいろなところで参照して診療に役立て るということをするには、そもそも診療情報の重要な部分が電子化されていないとそもそ もできっこないわけですね。そのためには、例えば診療情報、診療所のIT化、電子化、 電子カルテ化率というのは、まだようやく20%程度になっているという状況で、まだまだ 遅れているわけです。こういった点をきちんと底上げをしないと、やはり絵にかいたもち になり続けると思うんですね。ここにぜひやっぱり何をすればいいのかというのを今後議 論していただけるといいと思います。 具体的には、私個人的には、やっぱり診療所に対しては電子カルテのような基本的な機 能というのは、何らかの無償に近い形で、オープンな共通なソフトを国家レベルで開発し て提供するということが必要で、これはほかの先進国の幾つかでは既にやられていること ですので、そういうことを考えていく必要がやはりあるんではないか。そうしないと、い つまでたってもこれは実現しないと思います。 それからもう一つは、最近いろいろなところで議論されていて、まだ進んではいません けれども、一人の患者さんがいろいろな医療機関でかかったときに、やはり同じ人物であ るということがきちんとコンピューター上で連結できる何らかの識別番号ですね、こうい ったものがないと、診療する側から見ると、生年月日と名前が同じだから同じ人のデータ と思ってよいのかと、そういう不安を持ちながら医療をするということはほとんどできな いわけで、やはりきちんと目の前の患者さんに再検査せざるを得なくなります。したがっ て、こういう番号の導入というのは不可欠だろうと。それを議論していただきたいと思い 8 456 参考資料3 9 ます。 それから3つ目は、医療に関係したさまざまな法律、特に診療録、診療情報に関する法 律、それからそれの周辺にあるさまざまな医療保険制度に関する法令が、基本的に紙の情 報をベースにつくられているんですね。紙でここが管理しなさいと。医療機関が、医療機 関自身で医療機関で発生する診療録情報を管理しなさい、こういう法律体系のままでは、 電子的なデータを扱うという上でいろいろな障害が出始めています、現場では。これを今 は、問題が出てくるとそこだけ改善するということで非常に複雑な法令の体系になってい るわけですが、そろそろこれは5年、10年かけて、基本的には電子化された診療情報を前 提に法体系をつくっていく必要があります。例外的に紙のものをどう扱うかというふうに チェンジしていかないと、物すごく泥縄の複雑な状態で、それがいろいろなところで見え ない規制を生んでしまうということになっていると思います。以上この3つを5年、10年 かかるかもしれませんけれども、今後議論をしていただく場があればしていただきたいと いうふうに思います。 ○南会長 ありがとうございました。今、5年、10年かかるかもしれないが、とつけ加え られましたけれども、もっと短くやってもらえるんじゃないかと期待したいと思います。 どうぞ、残りの委員のご意見ございましたら。 松本委員。 ○松本委員 それぞれ書かれている部分について特に異論があるというわけではなくて、 これのもう一つ背景にある部分について、ご確認をしたいということです。 つまり、ITを活用するということは何のためかという部分が実は一番重要なのではな いかということであります。骨子の3つの柱ということで、3つの大きな塊が挙げられて おります。この中の最後の部分というのは大変わかりやすい。産業振興なんだと、あるい はITを活用することによってグリーン化を図るんだということですから、こういう目的 のためにIT化ということですよね。あるいはIT産業を振興するということは日本経済 にとっていいことだという、これは大変わかりやすいんですが、その前の2つの部分につ いて、電子行政あるいは医療の部分なんかですと、何のためなのか。つまり電子政府って 何のためなんですかということをきちんと考えないでやると、ある手続だけを電子的にや れるようにするということじゃ意味がなくて、ほとんど使われていない仕組みがいっぱい できたというのが、昨年の評価だったと思うんですね。 それは結局、IT化自体が目的であって、それはツールであるという意識が多分少なく て、導入することがいいことだということで終わっていた。あるいはそこの部分だけがI T化すればいいじゃないかと。しかし、行政というのはプロセスですから、ここだけIT 化したって、その前の部分、その後の部分が従来どおりであれば、むしろ手間がかかって 煩雑になるだけなので、結局予算は費やしたけれども使われないということになるのは当 たり前といえば当たり前であると。ということは、IT化をゴールにするんではなくて、 行政全体を国民にとって利便の高いものにし、コストがかからないものにしていくという 9 457 参考資料3 10 ことがゴールなのであって、そのためにIT化というのが一つの非常に役立つツールにな る可能性があるということだと思いますから、1カ所だけをいじるんではなくて、全体を いじるという覚悟でもって取り組まないと意味がない。 つまり、ビジネスの世界だと、ビジネスプロセス・リエンジニアリングとかいう言葉が ございますよね。それと同じように、行政プロセスをリエンジニアリングするんだという 覚悟でもって、もっと大きな行政改革の視点でもって取り組むということが不可欠なのじ ゃないかなという気がいたしておりまして、医療も恐らく同じことだろうと思います。 医療サービスの仕組み全体をもっといいものにしていくというために、IT化というの が、こういう形で使えるんだと。しかし、それをしようと思うと、先ほどの大江委員がお っしゃったように、もっといろいろなところを変えないと、結局1カ所だけではだめだと。 電子カルテにして共有できるようにして、レセプトもつないで、ということは医療のサー ビスを、もうはっきり言って透明化するということなんですよね。つまり今までだと、そ れぞれの医師が非常に裁量の幅の広い中で、余りきちんと説明しないで、いいことをやっ ているんだということでそれぞれやってこられたというのが、白日のもとにすべて出てく ると。どういう治療をして、どういう薬を出しているのかということがわかる仕組みにす るということですから、そこまでの覚悟をもってやるということでないと結局うまくいか ない。予算はついて一部何かできたけれども、それでおしまいという、予算がついている 間だけのIT化ということになりかねないんではないかなという気がいたしまして、電子 政府にしろ、医療にしろ、そういうもっと大きな中で取り組みを政府として進めていただ きたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 すみません、意見を申し上げるだけの知見を持っておりませんので、質問を 津村政務官のほうにさせていただきたいと思います。 先ほどの副大臣のご説明によりますと、IT戦略推進の体制や中身を見直して、国民本 位のものに変えていくということですけれども、このペーパーを拝見する限りでは、一国 民の立場としては何がどう変わるのかがよくわからないと率直に申し上げたいと思います。 私自身が委員として常に申し上げてきたことは、国民にとっての利便性って本当に何な んですかということと、国民はやはりプライバシーとかセキュリティーを非常に気にして おりますので、そこの体制が万全にとれるのかということです。それとそれに払うコスト ―利便性とかセキュリティーに係るコストというものが納得のいくものであるのかどう かという、この3点を申し上げてきました。 今回の案を拝見しまして、特に3の新市場の創出と国際展開というところは、すばらし い作文ができていると私は思います。文章はとてもきれいなんですけれども、今までもこ れはさんざんにいろいろなところでやってきたはずのことなのにできていない。今回これ を書かれることで何がどう変わるのか、私は本気でお伺いしたいと思っています。 10 458 参考資料3 11 危惧しておりますのは、今回、技術革命という言葉が出ているんですね。これって何な んですかとお伺いしたいんですが、実は技術ということになりますと国民不在になりやす いんです。技術はもう専門家に任せなさいと。日本のIT、通信放送の部分というのは、 ずっとずっとそれをやってきたひずみが今出ているというふうに私は感じています。総務 省の契約監視会の委員もしておりまして、そこら辺の無駄を先週もさんざん議論したとこ ろでありますし、今日の午後もITの国際標準化に関しての会議があるんですが、例えば、 3の一番下の○のところに「今後成長が期待される戦略分野について、官民・府省・産業 横断のオールジャパンの体制を整備し、国際標準の獲得、輸出、投資の促進を行う」と書 いてあります。けれども、この官民とか、この横断的とかオールジャパンというのは、今 までもあらゆるところで言われてきたけれどもできなかった。それが政権が変わったこと でどういうふうにできることになるのか見せていただきたい。とくに国際標準に関しては、 技術開発のためにたくさんのお金を複数年度投下してきて成果が出ていない面もあり、今 日もその議論の続きになると思うんです。このように簡単に書いていただいても、国民と しては、今まで国にお任せしてやってきて結果が出ていなくて、一つの技術開発でも何十 億も使われたにもかかわらず当初の目的と違う形になっている結果も実際に見てしまって いると、こういう文章―作文と申し上げて申しわけなかったんですけれども、信じられ ないというのが正直なところでございます。ですので、せっかく政権交代して新しくとい うことであれば、以前とどう違うのかを、単に体制や中身が変わりますではなく、具体的 に先ほどの3点を中心に示していただきたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 どうぞ。 ○津村内閣府大臣政務官 ありがとうございます。お三方のそれぞれに少しお話をさせて いただこうと思っているんですが、今の高橋さんのお話にまずお答えすべきなんだろうと いうふうに思います。 先ほど副大臣、非常に詳細に説明、ご挨拶をされましたけれども、ちょっと補足をした いといいますか、副大臣は非常に率直な方ですので、これまでの議論との不連続の部分を 中心にご説明になったなという気がするんですが、私は一方で強調させていただきたいの は、今回、3回目で年度末で一区切りというのはそのとおりなんですけれども、今回の新 政権になってからのIT戦略の時間の流れ方というのは、成長戦略を6月末にまとめると。 その大方針は12月30日に出しているという、ここに縛られてというか、非常にこれとの連 携の中で動いていまして、私たちとしては、その成長戦略といかにインテグレートしてい くか。IT戦略本部だけが唯我独尊にならないようにきちんとインテグレートしていくこ とを重視して、この間作業してきました。 前回の第2回の会合、少し遅れてきましたけれども最後まで出させていただいたと思う んですが、大体ここで出ていた議論、違うものというふうに先ほどは少し説明があったか もしれませんが、この重点点検の対象候補テーマリスト、前回ここで議論をして、この中 11 459 参考資料3 12 で3つ特出しをするのか、いや、私からは3つにしなくてもいいんじゃないか、これ全部 やりましょうよみたいな議論をさせていただいた覚えがあるんですけれども、それをまさ に成長戦略の第一弾の議論が12月にしたときにもその話を持ち出しまして、そして、それ をじゃ、6月に向けて、ITというのは成長戦略の中ではプラットフォームの位置づけに しましょうと。6つの柱ということでありましたけれども、並列した6つの柱ではなくて、 これから成長、日本が成長していくのは2つのイノベーションでいきましょう。ライフイ ノベーションとグリーンイノベーション。片仮名をつければいいというものじゃないんで すが、片方は少子高齢化という、明らかに日本が世界に最も先駆けて課題として直面して いる、課題先進国日本のまさに先進国であるがゆえんは少子高齢化が最速で進んでいるこ とである。これは、そう自分たちを定義しているわけですね。 もう一つは地球温暖化ですと。これも世界中同じ問題ですが、しかし、鳩山イニシアチ ブによって、世界で最初にこの課題に取り組むと、これは自分たちから手を挙げている話 で、この2つの最先端の課題に正面からこたえるイノベーションに資源を集中しましょう。 それがグリーンとライフなわけで、それに極端に言ったら、成長戦略はこの2本柱なわけ です。 空間的な広がりとしてアジア、地域という2つのイノベーションと2つのフロンティア を配していて、それを支えるプラットフォームは、一つが科学技術ITであり、もう一つ は雇用人材であると。その辺は一種当たり前のことなんですが、改めて述べていると。 なので、中身の話に入る前に、このIT戦略の政権全体における位置づけを再定義する というのは非常に重要な作業で、そこを私たちは12月、1月にかけてやってきました。 なので、それがその結果、改めて、この第2回調査回まででやってきていただいたこと をそういう成長戦略の文脈の中で書き直したものがこの骨子案の中の後半に出てくる弾で ありまして、そういう意味では第2回までに皆さんが議論していただいていることを私た ちはいよいよ成長戦略の中に盛り込もうとしていて、先般本部会合やったもの、やってそ れをオーソライズしていただいて、さあ、これから6月に向けて本当に弾込めしていきま しょうということなので、最初の話に戻りますけれども、非常に連続的に、この皆さんの 議論を成長戦略にはめ込もうとしているというふうに私は思っています。ずっとITの、 副大臣もお忙しいので、ITの会合に出ているのは基本的に私がずっと出ているんですけ れども、そういう意識でやってきたんですね。 何が違うのか、前政権ということになると、私は基本的にこういう弾は、表現が多少違 いこそすれ、前政権で議論されてきたことがほとんどだというふうに思っています。民主 党政権になったから急に新しいITの切り口が次から次へ、ひらめいていないわけです。 今までも皆さん議論されてきたことです。 ただ、非常に重要なのは、やっぱりそれをどういう政権の成長戦略、その直後には参議 院選挙があるわけで、国民の皆さんとの約束という場面が待っているわけですけれども、 その中でどういう位置づけをするかということ自体が政治的に非常に重要で、先ほど申し 12 460 参考資料3 13 上げた成長戦略の中でプラットフォームとして明確に位置づけているということ、それは 鳩山政権のほかの政策もそうなんですけれども、成長戦略というのをこれまでは、自民党 政権のもとでは毎年のように、かつ各省がつくってきた。新政権のもとでも、実は経済産 業省にも成長戦略検討チームがあるし、国土交通省にも成長戦略検討チームがあるんです けれども、しかしそれをインテグレートして、鳩山政権全体の成長戦略、しかも10年戦略。 これはリバイスすることはあっても、もう変更しないわけです。鳩山政権はこれ一本でい くという成長戦略をつくっているということと、それをPDCAサイクルというのはもう しきりに気にしているんですけれども、毎年数字化して、それをチェックをしていくとい う、ここが私は新政権の新しさだと思っています。つまり、時間的により長いコミットを して、かつ、府省横断で、一つの成長戦略にインテグレートしているということと、もう 一つは、PDCAサイクルを政務三役できちっとつくるということ、そこが新しさで、中 身のこれは率直に言って、新しいものももちろんあるんですけれども、ある意味では今ま での議論の整理したものというふうに思います。 少し乱暴な言い方をしたかもしれませんが、ですから、これからの会議体の回し方― 同じ名前の重点点検専門調査会は、ここで一たん成長戦略に発展的に吸収されるわけです けれども、この後どういう形で点検していくかというのは、それも第2回のときに私申し 上げたと思うんですよね。どうやってPDCAをこの調査会で回していくかと。そのとき に、たしか南会長か会長代理から、それは別の専門調査会がありますという、たしかお答 えをいただいているんですけれども、そこの設計をもう一回ちゃんとやろうとしているの で、そこはもしやるんだったらこういう形のほうがちゃんとチェックができるよというこ とがあれば、この後の議論でもぜひご提案いただきたいんですけれども。 すみません、長くなりまして、ごめんなさい。そういうことです。もし説明が足りなか ったら、また言ってください。 大江先生、松本先生のお話でいいますと、まず松本先生のおっしゃられたことと100% 答えになるかどうかわかりませんが、骨子案の2ページのところに、これ、まさに松本先 生がおっしゃった言葉とほとんど同じ言葉遣いで、実は川端大臣もこれまでも、電子行政 といったってこれまでも十分やってきたこと、言われてきたことだけれども、何でうまく いかなかったのか、それは費用対効果―これは川端大臣の言い方ですけれども、何のた めにこの費用を使っているのかというところが不明確だったからじゃないかと。そこは今 回、同じ過ちを繰り返さないということは決意表明をしようというのが、この少し長い文 章に―後から足したから長くなっているんですけれども、部分でして、問題意識として は大臣以下、共有させていただいているところです。今申し上げたような、まさにPDC Aサイクルをちゃんと回せるかどうかというところにかかってくるのかなというふうに思 います。 それから、さっきの高橋先生のご質問にも答えることにもなるとも思っているんですが、 大江先生のご質問にもある意味では答えるのかなと思っているんですが、何でこの3つな 13 461 参考資料3 14 んだと。ある意味じゃ、ばらばら―これは松本先生もおっしゃったかな。何かばらばら に寄せ集めた感じになっているのは、やっぱりこれはプラットフォームだからなんです。 これからITと知財や科学技術をこういうふうに今と同じように3つのばらばらの戦略本 部で議論していくべきなのかどうかということも、3つともの戦略本部の担当を兼ねてい る政務官なり大臣としては問題意識があるんですが、やっぱりそこも結局は成長戦略はラ イフイノベーションとグリーンイノベーションと言っているわけですから、それを支える ものであってほしいという意識がこのIT戦略にもありまして、だからこそ医療とかスマ ートグリッドとか、これは出口として先ほど申し上げた少子高齢化対策と地球温暖化対策 という出口を見ながらプラットフォームの議論をしているからそういうものになっていき ますし、さっきの地域ということもフロンティアとして位置づけとしていると申しました。 そういうほかの成長戦略の柱を意識しながらつくっているものですから、IT政策として は多少ぶつ切りという感じがするかもしれませんけれども、その成長戦略の全体像を投影 しているということが一つポイントなのかなと思います。 すみません、説明が足りなかったら、またご指摘ください。 ○南会長 津村政務官、ありがとうございました。 國領委員、どうぞ。 ○國領会長代理 ちょっと一員として申し上げたいんですけれども、ちょうど今、PDC Aが大事とおっしゃっていただいたんで非常に心強くて、先ほど高橋委員がおっしゃった とおりで、ある意味できれいな戦略を書くところまでは、ある意味簡単で、それをやっぱ りどうエクセキューションしていけるかというところがとても大事。 そうなりますと、今までの経験からいうと、戦略をつくった後に各府省にやっていただ くと、どんどん細分化して袋小路に入っていくみたいなところがあって、もう一回どうや って集約するかと、だからこそ評価専門調査会が内閣官房レベルでやっていたところがあ りますと。 その観点から見ると、この3ページの一番下の今後の進め方というところで、着実な実 施を担保すると、これはとても大事なんですけれども、今のところ各府省に投げたままに なっていて、これをもう一回全体の観点からどう見直して、かつひっかかっているような、 現場レベルでひっかかっているようなことをどうやって突破できるかと。これは今もしお っしゃるんでしたら、政務三役でおやりになるとおっしゃるんでしたら、それをはっきり 書くというぐらい、やっぱりどう実行を担保するかということについて、かなりはっきり 書いておくということが。 実をいうと、この中にCIOの話を書いていただいていて、そういう意味ではそういっ た政治のリーダーシップをきちっと支えるCIOという位置づけはいいと思うんですけれ ども、この辺の話、だれが責任を持って、これをやり抜くのかということについてあらか じめ明文化しておくということが、今までの経験からも重要ではないかというふうに思い ます。 14 462 参考資料3 15 ○南会長 ありがとうございました。 ○津村内閣府大臣政務官 ちょっとお答えしますね。 骨子案のこれ自体は戦略本部で、総理以下ご了解いただいたものなので、この文章を変 えることは、残念ながらと言うべきか、ならないんですけれども、明記じゃなくて明言を するとすれば、今我々がIT担当として気持ちを集中させているのは、6月の成長戦略に これのうちのどれだけ盛り込めるかなんですね。6月の成長戦略で、成長戦略って、まだ 信頼性が余りないかもしれませんけれども、ちょっと政治的なことを言ってしまいますと、 参議院選挙の直前に政府が成長戦略を公表することの意味というのは、やっぱり非常に重 くて、ある種事実上のマニフェストと見られるわけですね。 そうすると、これだけ子供手当や高校無償化も高速道路無料化も含めて、マニフェスト に載っているからこそ、あれだけ議論になって、あれだけある意味では縛られもするし、 批判も来るし、つまりアジェンダとして乗っかったわけですね、もう完全に。 私たちはまだこれはそこまでのレベルに達していませんけれども、成長戦略に盛り込む ことができれば、それは政権としてのアジェンダになるわけで、私たちとしてはこれを、 もう6月がエンドなんです、そういう意味では。言いっ放しも何も、6月までにこれから 国家戦略室を舞台に、私たち―私と古川さんは国家戦略室も実は兼ねているんですけれ ども、ここの部分でいうと、IT担当として国家戦略室にこれをいわば持ち込んで、そこ で成長戦略にしっかり載るかどうかを議論していくと。そのためにも、6月にも成長戦略 が策定されるんだったら5月までにきっちり理論武装しておこうと。しっかりとしたもの をつくっておこうというのがこの日程なので、そういう意味では、今なすべきことは非常 に見えています。 各府省との横の調整を、今まではこの専門調査会のすぐ上が総理以下の官邸での会議だ ったんですけれども、各府省を説得する場面をちゃんと制度化しようということで、この 間のIT戦略本部で企画委員会という、副大臣級会合をつくっていただいたわけです。で すから、これから私は2週間に1回かなと言っていたら、参事官から毎週やれと言われて いますけれども、副大臣級の企画委員会を毎週開いて、まさにこれを成長戦略に載せてい いですよね、経産省さんとか、いいですよね、総務省さんと作業を、これから毎週やって いくと。その上で、ぜひ今日は皆さんに、経産省さんも総務省さんも皆さん聞いていらっ しゃるわけですから、非常に重要だよということを言っていただけると、あるいは問題点 があれば、ここは問題だよということを言っていただけると、非常に成果につながってい くというふうに思っています。 ○南会長 ありがとうございました。今のご発言も含めまして、いかがですか。 ○國領会長代理 その意味では、今おっしゃっていただいた意味では非常に重要なことで、 今までやっぱり、継続性を言っていただいたのもありがたいんですけれども、例えばID の考え方についても、先ほどの高橋委員のような配慮もある中で、やっぱり明確なポリシ ーを打ち出せるということはとても重要なことだと思っておりまして、例えばもう本当に 15 463 参考資料3 16 ここで、はっきりと社会保障と税と一体的な運用というようなことを出していただいてお りまして、私はこれは一定の見識だと思います。 このあたりのことについて、はっきりした明確なポリシーを打ち出すことによって民間 も、今まで非常に、はっきり言って方針がふらふらしていたので不確実性が大きくて身動 きがとれないというような状況があり続けたところに、明確なポリシーを打ち出していた だけるというのは非常にありがたいことかと思っていますので、ぜひ頑張っていただきた いと思います。 ○南会長 ○松本委員 どうぞ。 大変明確にご説明いただきまして、ありがとうございました。 政治として責任を持って、この背景にある仕組みをがらっと変えるという方向に進んで いかれる決意表明だというふうに受けとめさせていただきましたので、ぜひ進めていただ きたいと思います。 個々の各論的な部分を実現するだけじゃだめなんで、それがつながっている全体を変え るということ、今、國領代理がおっしゃったようなことも一つですし、それ以外にも別添 というところを見ますと、そういったものがたくさん並んでいると思いますので、大きな 視点から、政治のリーダーシップでもって取り組んでいただいて、それがITのほうにも つながっていくというか、目的はITそのものよりは、むしろそれ以外のほうが大きいん だろうというぐらいの気持ちで取り組んでいっていただきたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 私も委員として発言させていただくならば、2-①の最後に私から1枚の簡単なペーパ ーをつけてございますが、これに尽きます。津村政務官の先ほどのお話はもちろん、この 骨子もそうですが、我々がこれまで二、三年、意見を交換し検討を重ねてきたのも、すべ てもうほとんど同一だと思います。私のペーパーの2つ目のポツにありますように、要す るに今のITを想定しないような古い制度とか仕組みがそのまま残っているものだから、 この基本が先ほどから大江委員、松本委員、高橋委員も含めてご発言ありましたように、 ペーパーを原則とする旧来からの仕組み、これが変わらない。 もう一つは、直接、本人確認は対面でここへ来なきゃだめだという感じが厳然と一つ存 在するというようなところ。 加えまして、典型が印鑑証明ですね。本人が目の前にいて、私が本人だと証明してサイ ンするからと言っても、判こがないと絶対だめだ、みたいなところも残っています。印鑑 証明はその都度持ってこないといかん、実印でなくちゃいかんという、加えて印鑑証明は その都度とらなきゃいけない。3カ月で期限切れになるから、その都度。コピーでもいい じゃないかといっても、コピーはだめだ、ということになっていますよね。そういう簡単 にやめていくことができるのを、なぜ残り続けるんだろうかと。 ですから、私も3年ほど前にこの仕事を手伝いさせていただいて、お話を聞くたびに、 皆さん、もう10年間言い続けても変わらない。それは結局各省ごとのそれぞれのやってき 16 464 参考資料3 17 た、昔からの制度習慣があるんで、それを思い切って変える人がいない。ポストをつくっ てもその人が本当に実権を持ってやるには、どんな仕組みで、どうすればいいのかを含め て、これは本当に大変なので、ここにも下のほうに書いておきましたが、行政刷新会議、 これと両輪一体になって進めることが必要だし、新政権というのはこれまでのしがらみも ない貴重な時期なので、今がこれを実施する最も重要な時だと、ここに書いてございます。 国民として先ほど高橋さんもおっしゃいました利便性なり便益を実感できるようになると、 うん、これはいいと、こうなっていく。それを何かでつくり始めたらどうか。それであの 3点にとりあえず絞ったらどうかということなんですが、全部やるのはもちろん大事だと 思うんですけれども、なかなか進まないから、何かそれこそ、例えば一番いいのは、私ど も電気事業ですが、公益事業と連携しながら、引っ越し業務をどこかに一回、一つ届ける と、それで全部共有し得るように、引っ越し元、引っ越し先をインプットすれば、もうす べての手続が終わるように、我々の業界としてはそれは一部試験実施しておりますけれど も、それを行政ベースで全部やれると非常に楽だなというのも実感すれば、きっとああこ れはいいと。番号を、秘密さえ守れるなら番号が必要だったら、これはオーケーしましょ うという意見がどんどん高まるかなと思います。 そんな趣旨をここに入れておきました。IT戦略本部ができて、多分10年たつとお聞き しておりますが、その間、いろいろな提言があり、政策がつくられ、それをフォローアッ プするための評価委員会、調査会というのもやってきて、その都度また立派なPDCAの チェックアクションを求める報告を出しているんですけれども、それがそのまま埋もれて、 繰り返し繰り返しやっているのを何とか新しい今の政権で、ぜひ前に進めていただけると、 大いに期待しています。先ほどのようなお話、全く同感でございますので、それを実行す るのがなかなか大変かと思いますけれども、よろしく期待しているところでございます。 どうぞ。 ○高橋委員 ご説明ありがとうございました。6月の成長戦略に向けて非常に汗を流して くださるということですので、期待しております。 気になっておりますのは、今、会長もおっしゃいましたように国民IDですね。利便性 は期待されているところですけれども、本当にいつ実現するのか。スケジュール感も非常 に大事にしておやりになるということですが、国民に利便性を実感させながら一歩一歩進 めていくという形で、多分いかれると思うんですけれども、住基カードを基本にやってい くとしたときに、まずその信頼性の問題があります。そこでずっこけてしまうと非常に嫌 だなという感じがしております。 資料3のほうの別添のところを見させていただいても思うのですけれども、公的ICカ ードとか、いろいろなところで安全・安心の確保という書きぶりがされていません。利便 性のほうが先行するのは困りますので、バランスへの配を、ぜひお願いしたいと思います。 それから、先ほどちょっと技術ということにこだわってご質問させていただいたところ ですけれども、技術分野の方々は非常に慎重にお考えになりますし、そこの周りにあるい 17 465 参考資料3 18 ろいろな学会とか、いろいろな事業者さんとかがあって、なかなか進まない状況も容易に 想定されるところです。そこをどういうふうに突破していかれるのか、その辺もお伺いで きるとうれしいと思っています。 それから、政府が横断的でないからとよく皮肉を言っているんですけれども、2けたぐ らいの委員をさせていただいて、いろいろな会議を走り回っているのは、横断的にあそこ ではこんなことをやっている、ここではこんなことをやっているというお話をしないとな かなか議論がつながらないからです。自分自身の後半の人生は公務ボランティアに徹しよ うとある程度決めて、本業そっちのけで今やっているところがあるのですけれども、そう した動きの中で気になるのは公文書管理のところです。 公文書管理の有識者会議の委員をしておりましたけれども、あれは今までの自民党政権 の中で珍しく政府主導で進んだものだというふうに理解しているんです。ただ残念なこと に、あの公文書管理のところでは、公文書館をつくるところまでは決まっているわけなん ですが、電子の部分、デジタルの部分については、ほとんど私以外の委員が発言しなくて、 歴史的文書のほうを非常に重視された議論でした。現用文書のこととか、これからこの先 どうしていくのかなど、電子化に関してはほとんど議論がされていなかったということが あります。 霞が関WANとかLGWANの使い勝手の悪さとか非効率性なんかもいろいろ申し上げ たんですけれども、そこをきちんとしないと、ここに書かれているような電子行政の推進 は非常に難しいと思っておりますので、その点はぜひよろしくお願いしたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。今、岡村委員、到着されたわけでございますが、い ただいておったペーパーにつきましては、冒頭、ごく簡単にではございますが、紹介させ ていただいておりますが、何か補足、ご説明、コメントございましたら、どうぞ。 ○岡村委員 本日、ちょっと出られるかどうか、よくわからなかったので、少し詳しめに 資料2-①の先頭部分を書いてございましたので、これをご紹介していただいたんであれ ば、意は尽くせていると思いますけれども、前のi-Japanをつくらせていただいたときに も申し上げましたけれども、ここに書いておりますようないわゆるデジタル教科書の問題 にせよ、それに例えば国立国会図書館であるとか、あるいは国土地理院であるとか、各種 の美術館あるいは国立の博物館サイト等々のつなぎ合わせでいろいろなことができるとい うことは、もうこれ。あとはイマジネーションの問題だと思います。 したがって、いろいろなしがらみがこれまでございましたでしょうけれども、思い切っ た政策をやっていただかないと、どんどん日本だけがフェードアウトしていくというよう な形では困るんじゃないかと思っております。 それから、あとマニフェストにも書かれていますけれども、最後のところ、私もうこの 10年間、インターネット選挙運動ということをずっとさけび続けております。昨日あたり 拝見したところでは、まだ法案も出てきていないと、これまでずっと法案が出てきていた のが、今出てきていないという状況でありますけれども、これももう思い切って早くやっ 18 466 参考資料3 19 ていただきたいと。でないと、どんどんと政治に対する関心というのが失せていくという ことになってもらっても困ると。 前の参議院選挙のときと比べましても、今般の衆議院選挙のときは後退しているような 雰囲気に私には感じられて仕方ございません。これなんかも含めて、ぜひやれるところか ら至急どんどんと積極的に政策を実行して、決定、実行していただきたいということが一 番申し上げたいところでございます。 以上です。 ○南会長 どうぞ。 ○津村内閣府大臣政務官 岡村先生、ありがとうございます。 岡村先生の紙をさっき、ずっと見ていたんですけれども、2つ、お話、いらっしゃった らお話ししたいなと思ったことの1つがまさにこのインターネットの件でして、今、配っ ていただいたもの、これは成長戦略の先、ちょっとお話ししていたんですけれども、今政 権全体で成長戦略というのを国家戦略室でまとめようとしていて、IT戦略本部から成長 戦略に盛り込むべきものを挙げてこいというふうになったんですね。これは基本的にはこ の骨子案という、今日、中心的な議論になっているものを丸々、これ頑張るよとやってい るわけですけれども、ここにちょっと載っているんですけれども、余り大きく載っていな いのもとして、私はこれを国家戦略室に出すべきだということで、実はやっているんです。 本当にこれ、私も行政に半年前に入ってようやくわかったことなんですけれども、本当 に行政というのは政治家のトップダウンと官僚の皆さんのボトムアップのベストミックス でなされるものだと思っているのですが、ボトルアップに比較的頼りがちな部分で言えば、 これ出てこないんですよね、役所からは。政治マターで議員立法でずっとやってきている 話なんで。なので、まさにここに政治主導でこういうことをやらないと、だから前政権の 中でなかなか出てこなかったのは、やっぱりそれだけ役所の皆さんに頼っていたからなん じゃないかというふうにも思っていて、ぜひ政務三役で議論しましょうというのを、実は つい、きのう、おとといもやったばかりです。 政治主導だけに非常に政治的で、参議院選挙の、変な話ですけれども、風向きとかも含 めての話にもなるんだとは思うんですが、少なくともアジェンダとしては載せていこうと 思っています。ぜひ具体的なお知恵をまたおかしください。 それからもう一つ、私非常に、何というんですかね、びびっときたのが一番最初の教科 書のデジタル化の話で、教科書のデジタル化自体は、ちょっと技術的なことも含めていろ いろな議論があるやに聞いているんですけれども、私、後でちょっとさっきの高橋先生の お話にも答えようと思っていることでいうと、政府のやるべきことってやっぱり2つに分 けるべきで、政府の中で完結してできることと、やっぱり民間を促す、最終的には政府だ けではできないというか、むしろ民間主役でやっていただかなきゃいけないものを道筋を 引いて、こっちのほうで皆さんやってください、お手伝いしますよというものと、2つあ ると思っていて、やっぱりいい道筋を引く作業がまさに成長戦略なんだと思っているんで 19 467 参考資料3 20 すが、これは教科の壁が消えということで、当面の話なのかわからないですけれども、私 は、副大臣がよく使われる言葉で「デジタルネイティブ」という言葉がここにも出てくる んですけれども、10年後のIT界を担っているのは多分今の子供たちで、ほうっておいて も彼らは、もう生まれたときからIT社会に生まれているのでデジタルネイティブなので、 彼らは我々が今想像する以上のことをやってくれるだろうと。だとすれば、そんな彼らの 芽を摘まないように、むしろ本当にITに小さいときから、今ある技術の最先端になじま せておいてあげたら、彼らは多分本当に才能を発揮していくんだろう。そういう意味で、 私は小学校1年生からIT機器をどういうものでもいいけれども、すべての子供たちに持 たせてあげるということが、教科書か何かは別として、携帯電話でもいいと思いますけれ ども、長い目で見たら将来の爆発を起こせるんじゃないかなというふうに思うんです。だ からデジタルネイティブという言葉にこだわっているし、最初にこの子供たちの話が出た のは、非常にシンパシーを感じました。 それから、さっきの高橋先生の話、技術のことをおっしゃられた話が今の話とちょっと 絡むんですけれども、まさに政府ができることというのは、民間のIT化というか、IT 技術というものに企業が思い切って投資をするのか、人がITの世界に飛び込んでいくの か、それを促していくには、やっぱり結局は成長戦略というところになっちゃうんですけ れども、10年間政府ははしごを外さないよと、この分野で頑張っている人、あるいは設備 投資をして新しいビジネスをやっていくことは、少なくとも政府としては邪魔はしないよ、 応援しているよというメッセージをいかに送るかということだと思っていて、それ以上は できないと思うんですよね。うまく言えないんですけれども、何というか。 だから、そういう意味では、こういう骨子案に幾ら書いても絵にかいたもちに終わる可 能性というのはおっしゃるとおりあると思うんですが、ちゃんとした、その業界の人、国 民の皆さんが信頼に足る絵を描ききって、それをやると言い続けられるかどうかというこ とにかかわっているかなというふうに、お聞きしながら思いました。 それからもう一つ、公文書管理のお話をされました。私、電子行政の実現というのには、 実は当初、随分抵抗しまして、利用頻度の高い行政サービスといったって、そんな、住民 票を年に何回とるのか、結婚の手続なんて、私はしたことがありませんけれども、ほかの 人も、まあ一生のうちに1回か2回しかしないような手続が全部ワンストップでできるか らと、そのときぐらい別に市役所へ行きゃいいじゃんぐらいに私思っていて、最初は。余 り国民生活に大きな影響がないんじゃないかなというふうに実は思っていたんですが、一 つはやっぱり、まずは隗より始めよで、政府としてはできることを全部やってみせるとい う一種のアナウンスメント効果と、もう一つはやっぱりこれでいうと2行目、3行目にあ る、情報へのアクセスが全部見られるという、まさにおっしゃられた公文書管理、電子面 での公文書の管理と公開というのが国民にすごいインパクトというか、エンカレッジする のかなというのは、例えば事業仕分けがあれだけ大爆発したのも、まさに見せたからであ って、おっしゃるとおりだと思います。公文書管理という書き方になっているかどうか、 20 468 参考資料3 21 また後でチェックしてみますが、私がこの仕事を引き続きさせていただく限りにおいて、 先ほどの電子デジタルの公文書の話は盛り込むように努力したいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。ほかにご意見はございませんですか。 どうぞ。 ○岡村委員 政務官、ありがとうございました。 かばうわけじゃないんですが、総務省はもう五、六年前だったと思いましたが、インタ ーネット選挙運動解禁の研究会報告書を出していたと思います。したがいまして、ボトム アップのほうも本当はできていたんじゃなかろうかと、私は信じております。 それから、先ほどご指摘のデジタル教科書の点でございますが、もうアメリカあたりに 行くと、キンドルだの何だの、そういうようなものはいっぱいあふれております。他方で、 やはり日本の場合には高校生がみんな携帯を、ほとんどの人間が持っていると。そうしま すと、やっぱり日本的なあり方で、それでもういわゆる一律制の料金でキャップ方式でみ んなやっている人が多いと思いますので。違法有害情報がどうのこうのということはあり ますけれども、むしろもっと質のいい情報をどんどん出せるものは出していったほうがい いんじゃなかろうかと。 そこでこれを書いておりますが、例えば、放送大学なんかのコンテンツなんかでも、ど んどん有効活用ができるんじゃないかと。だから変な情報を学生が見る前に、いつでもど こでも勉強ができるというような情報をどんどん発信していただけるようにお願いしたい と思っております。 以上です。 ○南会長 よろしいですか。ほかにございませんか。 さっき津村政務官から、率直なお話で、前は電子行政を全部しなくてもいいじゃないか とお感じになったというご発言がありましたけれども、i-Japan戦略2015をまとめるとき の調査会でも、主婦連の方が「どうしても私は電子行政でつながれたくない、本能的に嫌 だ」ということをおっしゃっておられましたが、そういう方が情報漏洩も含めて心配して いる中で、各府省も皆さん、意見を寄せられたときにも問い合わせに対して感じますけれ ども、積極的に反対という人はだれもいない。言ってみれば、不作為の抵抗というと変で すけれども、従来の仕組みを変えると、変えたときにその責任問題が起こることも含めて、 だれかが強引に変えてくれれば従うんだけれども、お前のところで変えろと言われるとな かなか変えにくいというか、変えたくないというのは、そんなのが続いているかなという 気がしまして、ぜひ強いリーダーシップで実行するんだと。 こういう個人情報の問題もきちんと配慮は行き届いているということを見せつつやって いただけるということを、先ほどの新しい成長戦略の中にそういう形でお入れいただくと いうことを伺って、大変心強く思っております。ありがとうございます。 (川端IT担当大臣 ○南会長 入室) 大変ご多忙な中で川端大臣、ご臨席賜りましてありがとうございます。少なく 21 469 参考資料3 22 とも最後には締めのご挨拶をいただく予定になっておりますが、今いろいろ自由な議論を やっているところでございます。何かご発言ございましたら。 ○川端IT担当大臣 ○南会長 ○高橋委員 いやいや、どうぞ皆さん続けてください。 どうぞ。 先のほうで申し上げたので、まだお答えいただけていないところでお伺いし たいんですが、国際標準化のところですね。3ページ目の(3)の一番下にある「国際標 準の獲得、輸出・投資の促進を行う」というところですが、もう少し具体的にご説明いた だけるとありがたいと思います。 ○津村内閣府大臣政務官 議論の枠組みの話をちょっとだけさせてください。先ほどちょ っと申し上げたように、川端大臣のラインで、科学技術とITと知財の3つの戦略本部を やっていますと。その中で、これは実は知財に非常に関連する部分かなというふうに思っ ています。 それぞれが科学技術の世界で完結した報告を上げて、ITを勧告して、知財でというこ とになると、同じ大臣のもとで何をばらばらなことをやっているんだと、そういうことは 今まで多かれ少なかれあったというふうに思って、逆に言えば、だから3つも本部がある んだと思うんですけれども、そこはさっきも申し上げたように、一つにインテグレートし ていこう、成長戦略で最終的に一つにしていくんですが、少なくとも同じ大臣、副大臣、 政務官のもとで出している報告書ですから、ちゃんと横の連携をしていこうという思いが あって、それでかなり意識して、ここは知財と連携するよという、これはメッセージなん です。 知財戦略本部の中には、まさに国際標準化専門調査委員会があって、その報告も実は来 週、総理に上がるんですけれども、中身ということで言えば、その報告がそれになるんで すが、ちょっと今私、それをばっと全部ご説明できないんですけれども、この横串刺して きっちりやるよという、これはメッセージ、宣言文です。 ○高橋委員 ありがとうございます。私のほうが本日参加するといっていたのは通信と放 送の融合のほうのIT標準化なんです。後ろのほうに出ているスマートグリッドとかクラ ウドとかに関しては重点分野をどこにするかという絞り込みの中に、ダブっているものが あるので、ここで書かれるとこっちが優先なのかとか、結局複数の会合が動いていますの で、いろいろな連携をとっていく必要がありそうです。成長戦略まではこういうふうな状 況もやむを得ないけれども、その後はきちっと効率的・効果的に進むというふうに考えた らよろしいんでしょうか。 ○津村内閣府大臣政務官 おっしゃるとおりだと思います。今ちょっと極端な言い方かも しれませんが、6月に全体をインテグレートする前の段階で、各府省がそれぞれに、ある 意味ではプレゼン合戦というか知恵出し合戦をやっていて、その中で可能な範囲で、まさ にああやって来てくださっているわけですけれども、何かあったら言ってくださったらい いと思うんですが、横串刺しながらやっている。少なくとも同じ大臣の下の3つの本部は 22 470 参考資料3 23 相当密に、毎週一緒に会議をやっていますんで連携をしていると。 ただ、ほかの省庁さんとは多少、言葉遣いはまだ今のところは違うかもしれませんが、 6月に向けてきっちりと国家戦略室がまとめていくと、そういう順番になっています。 ○南会長 ありがとうございます。 それでは國領委員。 ○國領会長代理 標準の話はとても重要だと思っていまして、国がここへ行くとデジュリ の話が多くなるわけなんですけれども、今の文脈においては、いわゆる民間がやる標準の 話というのも非常に重要だと。そのときに、官がどこまでやるかというような話があるん ですけれども、少なくともやっぱり人材の育成のようなところを、人の面において、でき ることがいろいろあるんではないかというふうに考えております。 全般的に、実をいうと私、本部の会合の場でも同じことを申し上げましたんで、ちょっ と重なってしまうかもしれないんですけれども、やっぱりシステムに対する投資とともに、 賢いユーザーがいるとかレベルの高いユーザーがいるとか、レベルの高い開発者がいると いうことが、どんな技術的にすごいセキュリティーの例えば仕組みを入れるよりも、ユー ザーのリテラシーが例えば高いというのが安全性を高めるみたいな話になってきますし、 この標準化の話なんかも、政府に着実にデジュリの絵と標準化段階に押し込んでいただく というのも片側で大事である一方で、民間レベルで、そのレベルの高い人たちがたくさん いるということがとても大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○南会長 ありがとうございました。そろそろ時間も迫ってきておりますが、あと言い残 しておられる、特にというご発言ありましたら。 どうぞ。 ○高橋委員 たびたびで恐れ入ります。 電子行政の国民利便性というところで、これまで例示としてずっと「引っ越し」のワン ストップサービスの話が出てきているんですけれども、引っ越しでいいかどうかという疑 問を最近感じております。 なぜかといいますと、先月身内に不幸がございまして、さまざまな手続きのために行政 文書を、それこそ家族で総動員で行政書士さんを頼まないで取得しているんですけれども、 印鑑証明、住民票、戸籍謄本、改正原戸籍謄本、除籍謄本云々、もう取得数が3けたに及 んでおります。これを全国民が、誰かが亡くなるたびに、いろいろな窓口に行っていろい ろかき集めなきゃいけない。電子政府の利便性は国民の多くが体験するこの辺で実現して いただくと納得感が高いと思います。 民間の手続きでも、お医者様のところの入院証明も、生保、損保、それぞれが独自の書 式でやって、どういうふうに書いてくれるのか、問題があったらまた行かなきゃいけない しお金がかかるみたいなことが起こっています。これは私自身が実感してみて、国民に非 常に納得感のある電子化の分野かもしれないと感じています。ある種の職業の方の、例え ば銀行の相続サービスとか、行政書士さんとか司法書士さんの仕事を奪ってしまうかもし 23 471 参考資料3 24 れませんけれども、どちらのほうが国民は幸せかということを考え、そういうふうな視点 もぜひ入れていただいたらというふうに申し上げたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 どうぞ。 ○松本委員 一点、若干レベルの低い話になるかもしれないんですが申し上げたいことが あります。それは私、昨年から消費者委員会の委員長という職についた関係上、本籍は民 間人なんですが、少し行政のほうの仕事もやっておりまして、オフィスにパソコンが与え られておりまして霞が関WANにつながっているわけですが、大変使いづらいです。セキ ュリティーの関係だそうですが、非常に効率がわるいんじゃないかと。ずっとそういう状 態でやってこられた行政職員の方はそれで当たり前だということでなれてくるのかもしれ ないですけれども、外から入っていきますと、今まで使いなれた環境と全く違う、がんじ がらめのソフトだとか、あるいはインターネットへのアクセスへも非常に制限をされてい るということです。 これはさまざまな理由があると思います。まずはセキュリティーをきちんとしないと、 政府のところに外部から勝手に入ってこないようにする、あるいはウイルスとか変なソフ トが入らないようにするというのはあるだろうし、あるいは職員が勤務中に何かブログを 書いていてどうのこうのということもございましたから、そういうのをさせないというこ ともあると思うんですが、それでもなお、とても使いづらいという実感がございますので、 セキュリティーだとか、あるいは仕事をきちんとやるということと両立させる形で、もっ と生産性向上に役立つような各職員の方々のIT環境の整備にも少しご配慮いただければ いいんじゃないかなということを申し上げたいと思います。 ○南会長 ありがとうございました。 それでは意見交換はこのあたりで終わらせていただければと思います。大変充実したご 意見をたくさんありがとうございました。本日の意見交換の内容につきましては、新しい 情報通信技術戦略の策定を進める上で参考にしていただければ、当専門調査会としても極 めて幸いなことでございます。 それでは最後に、川端大臣よりご挨拶を兼ねて、お話をいただきたいと思います。どう ぞよろしくお願いします。 ○川端IT担当大臣 どうも今日はお忙しいところ、お集まりいただきまして、また活発 なご議論をいただきまして、ありがとうございます。遅参をいたしました。来週で年度末 ですので、国会も年度末のいろいろ立て込んでおりますが、恐らく皆さん方もそういうふ うなご多忙だったと思いますが、本当にご協力いただいてありがとうございます。また活 発なご議論もありがとうございます。 今伺っていまして、私も役所に来て、卓上のパソコンはほとんど何もつながらないとい う、ユーチューブさえ見られないというすばらしい環境に今おいていただいていますし、 昔、中古車を買って、自分で一度名義変更登録をしようと思いまして死にそうになったこ 24 472 参考資料3 25 とがございました。車庫証明から自分でとるということから始めて、これぐらい書類をつ けないとというので、ぽっと渡すとお金を取ってやってくれるんですけれども、結局どう いうことかというと、主権者の側からどうあるべきかという議論がやっぱり一番大事なん だろうと思っています。レセプトというか、いろいろな医療のデータの共有化の話もあっ たと思いますが、あのデータは患者のものでありまして、お医者さんのものではないとい うことは、まさにそちらから見るということから、やっぱり世の中が変わる、それを変え 得るツールが、ここに今現実にハードも、それからインフラも通信も含めて、コンテンツ も含めて環境がいよいよ整ったという、そしてふと気がついたら世界で随分遅れてしまっ たという状況で、非常に大きな国の姿にかかわるテーマであり、そして時間も、残されて いる時間もそんなにないということだと認識しております。 そういう意味で、4月を目途に大まか議論をしてまとめて、基本的な戦略をまとめて、 5月に具体的な中身まで盛り込んでということで、かなり急いで議論をしていきたいとい うふうに思っていますので、今日のご議論、またこれからもいろいろあるものはまた参考 にさせていただいて、またお知恵をおかりしたいというふうに思います。 そういう意味で、これからも大変大きなテーマをやっていくことになりますが、たまた ま知財もITも科学技術全般も、加えて文部科学行政もということで、毎日何をやってい るかよくわからなくなってきたんですが、全部何かやっぱり共通したところに、ベースに あるんだろうと思っています。 また、8月以降、本当にいろいろお忙しい中、ご協力いただいたことをお礼申し上げな がら、今日の締めくくりのご挨拶にさせていただきます。本当にありがとうございました。 ○南会長 どうもありがとうございました。それでは、本日の会議はこのあたりで終了さ せていただきます。 デジタル利活用のための重点点検専門調査会は、本日で終了でございます。委員の皆様 にはさまざまな形でご協力いただき、誠にありがとうございました。これから今、大臣の お話もありましたように精いっぱい、政府の進められるのを一国民として応援してまいり たいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 それでは、これで散会します。どうもありがとうございました。 午後 25 473 0時00分 閉会
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