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STUK の審査結果の要点(日本語)
フィンランドの放射線·原子力安全センター(STUK)は、2015 年 2 月 11 日に雇用経済省に提出
した審査意見書の中で、地層処分の実施主体である Posiva 社(以下 Posiva という。)によって設
計されたオルキルオルトに建設予定の使用済核燃料の封入施設と最終処分施設(以下放射性廃
棄物施設という。)は、安全を確保して建設することができるとしました。これによって、雇用経済
省がこれらの施設の建設許可発給に関する準備を進め、最終的に政府から建設許可が発給され
ることになります。
Posiva の処分プロジェクトは、20 年以上中間貯蔵された使用済核燃料を銅製キャニスターに
封入し、地下約 430 メートルの深さの岩盤中のトンネルに設けられた処分孔に膨潤性粘土である
緩衝材で保護して処分するという多重バリア原理による KBS-3 処分概念(SKB(スウェーデン核
燃料•廃棄物管理共同体)によって開発された処分概念)に基づいて進められます。キャニスター
は、膨潤性粘土の緩衝材により保護され、処分トンネルは粘土材料が充填され、操業終了時には、
全体の処分施設が粘土材料と砕石を用いて埋め戻され、閉鎖されます。表面に近い地下部は、
施設内部に侵入することを困難にする構造になっています。閉鎖後の施設は受動的に安全であ
り、施設の安全を確保するためのモニタリングを必要としません。
STUK の担当セクション長のヘイノネン氏は、「申請された放射性廃棄物施設の運用と長期的
な安全性の説明は、建設許可を付与するために十分なレベルにあると評価した。これは新しいタ
イプの施設なので、計画を段階的に進め、その過程で蓄積する知識に基づいて施設の設計を評
価し、工夫することが適切なアプローチである。例えば、施設の建設が始まると、私たちは最終処
分の深さでの岩石の特性に関するより詳細な知識を得ることができる。」と説明しています。
上記のような考えに立って、審査意見書の中で STUK は、Posiva に対し、長期安全性に関連し
た研究を継続し、建設許可申請にあたって実施したシナリオ分析や安全解析をより工夫すること
を求めています。Posiva は次の段階である操業許可申請のためのセーフティケースの作成にあ
たり、現在のものを改善し、最終処分の操業や安全性に関する根拠と結論を明確に提示しなけれ
ばなりません。
最終処分は、人や環境に有害な放射線被ばくを引き起こしてはなりません。Posiva は、建設許
認可にあたって作成したセーフティケースにおいて、閉鎖後の遠い将来にわたる処分施設の状態
について、考えられるいくつもの異なるシナリオおよびそのリスクを分析し、たとえ人が放射線被
ばくしたとしても、被ばく線量は非常に低いであろうと述べています。
(フィンランドの)法律によると、最終処分場は、施設が閉鎖された後に個人に与える年間被ばく
線量は 0.1 ミリシーベルトを超えてはならないことになっています。放射線被ばくが発生するとす
れば、処分された核燃料中の放射性物質がキャニスターから放出され、地下水によって地表に運
ばれ、そこから水や食物を通じて人々に摂取されることが考えられます。解析に基づくと、このよ
うな場合であっても、放射線被ばくは年間 0.1 ミリシーベルトという法律で定められた限界値の1
万分の1とされています。ちなみに、フィンランド人が現在実際に受けている年間被ばく線量の平
均は約3.2 ミリシーベルトであり、 0.1 ミリシーベルトという被ばく線量の基準値は、頭部の X 線検
査1回、または大西洋横断飛行で受ける量と同じです。
また、回収可能性について、Posiva は、建設許可申請において、閉鎖した処分場を再び掘り返
す場合の技術とそのコストに関して報告しており、施設を安全に開口し処分したキャニスターを取
り出すことは、現在実用化されている作業方法(参考文献:たとえば、POSIVA 2008-03)により
実施することが可能だとしています。これに対し、STUK は、処分された放射性廃棄物の回収可
能性は技術的に実現可能であり、再開口は、処分場の閉鎖後の安全を脅かすものではないとし
ています。
建設許可が下りると、STUK はこの放射性廃棄物施設の建設を監督し、必要に応じ、承認され
た設計の変更を求める可能性もあります。
岩盤に施設を 建設する 可能性に つ い て は、 オ ル キ ル オ ト の地下岩盤特性調査施設
(ONKALO)で実証されています。施設建設の実現に際して必要となる岩の適性を判断するため
の岩盤分類法の信頼性は、処分場の第一段階の建設フェーズ中に評価されることが重要とされ
ています。
この点について、ヘイノネン氏は、「封入施設と最終処分施設の建設に加えて、我々は最終処
分システムが計画通り設置されることを確実にすることに特に注意を払うだろう。このようなタイプ
の施設が建設されるのは今回が初めてであるから、最終処分トンネルを建設する際、岩盤中で
の建設工事法と処分を行うことが適切な場所を判定する岩盤分類法の有効性を評価し、処分場と
して開発すべき領域や安全性を向上させる可能性を明らかにすることが重要である。さらに銅製
キャニスターや周囲の粘土材料に求められる機能をより一層確かにするための研究も必要であ
る。」と説明しています。
フィンランド議会が 2001 年に最終処分事業の原則決定を行って以降、STUK は放射性廃棄物
の安全管理に関する事項を管轄し、慎重な取り扱いを行うことができるように、この分野の専門知
識と業務資源や国際的な協力活動を体系的に増加させてきました。Posiva の建設許可申請書の
評価は 2 年間続き、約 18 人·年の STUK の専門家の作業と 7 人・年のフィンランド内外の専門家
の作業を要しました。