close

Enter

Log in using OpenID

法律家から見た障害者虐待防止法 ~市町村の責務とその役割 - PandA-J

embedDownload
平成24年5月31日、障害者虐待防止対策事業者担当会議
(県自治会館201会議室)
法律家から見た障害者虐待防止法
~市町村の責務とその役割~
弁護士 水 内 基 成
※
ご質問・お問い合わせ先―お気軽にどうぞ
・ 弁護士 水内基成
電話 025-225-3143 / FAX 025-225-3148 メール:[email protected]
・ 新潟県弁護士会 電話 025-222-5533
弁護士による無料電話ガイド(平日10時~16時)
高齢者・障害者の権利に関する委員会
1 障害者虐待防止法
正式名称は、
「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」
H23.6.17 成立、H24.10.1 施行
目的:障害者の権利利益の擁護
国及び地方公共団体の責務:体制整備、人材確保、啓発活動(以上法4)
、関係機関による早期発
見(法6)
2 「障害者虐待」
(法2)
(1) 虐待の主体
・養護者(世話をしている家族、親族、同居人、知人など)
・障害者福祉施設従事者等(障害者自立支援法等に規定する施設、事業に係る業務の従事者)
・使用者(障害者を雇用する事業主(自治体は除く)
)
(2) 虐待の類型
①身体的虐待、②性的虐待、③心理的虐待、④放棄・放任、⑤経済的虐待
cf「虐待」…より広範囲、
「何人も…してはならない」
(法3)
3 市町村が担うべき役割
(1) 家族、支援事業所、企業などからの虐待に関する相談や通報受理
(2) 自宅等への立入調査
(3) 虐待を受けた障害者の一時保護措置
(4) 虐待防止に関する相談対応
(5) 家族などを対象とした虐待防止のためのグループ支援
1
(6) 虐待防止のための広報や研修会などの啓発活動
※ 厚労省「市町村・都道府県における障害者虐待の防止と対応」
(H24.3)を参照
4 発生した障害者虐待への対応の具体的流れ
(1) 養護者による障害者虐待
相談や通報受理→対応方針協議→事実確認、訪問調査→ケース会議(→立入調査→ケース会
議)→介入(成年後見審判の請求、養護者への支援、障害者への支援、障害者の保護)
(2) 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待
通報、届出の受理→対応方針協議→事実確認、訪問調査→ケース会議→各法の規定による権限
行使(施設からの報告徴収、立入検査、勧告、措置命令、業務停止命令、解散命令等)
(→従
事者等による虐待状況等を県が公表)
苦情処理窓口関係機関等
(3) 使用者による障害者虐待
通報、届出の受理→対応方針協議→事実確認、訪問調査→ケース会議→県障害者権利擁護セン
ターへの通知→県労働局への報告→労働法制の規程による権限の適切な行使(ハローワーク、
労基署等)
(→使用者による虐待状況等を県労働局が公表)
苦情処理窓口関係機関等
※ 通報は、
秘密漏示罪その他守秘義務に関する法律上の規定によっては妨げられない
(法
7Ⅱ等)
。→啓発!
※ (2)
(3)につき、公益通報者保護法による通報者保護(公益通報を理由とする解雇
の無効、その他労働契約上の不利益取扱いの禁止)
※ 「コアメンバー」
(初動)
※ 「専門職チーム」
(介入案件よりも以前の段階でお手伝いできないか)
5 事実確認について
(1)相談者・通報者・届出者からの聴取
具体的に(受付票、聴取事項の書式整備)
(2)訪問調査
原則行って確かめる。拒否されそうなら親族、知人、近隣住民の協力を求める(
「個人情報」を
理由に躊躇しない)
。
(3)立入調査(法11Ⅰ)
事案の緊急性、重大性、安否確認の代替手段の有無等により個別判断。警察との連携。正当な
2
理由なき拒否、妨害等は30万円以下の罰金(法46)
6 個人情報の取扱いについて
本人の生命、身体、財産保護のために必要があり本人の同意を得ることが困難なときは、本人の
同意なしに、個人情報を第三者に提供することができる(県、市町村の条例)
。
→事実確認の際の協力要請や関係機関との情報共有の面で躊躇があってはならない。ただし、共有
すべき情報は必要最小限に。ケース記録への記載内容にも留意(侮辱的表現、真偽や出所が不確
かな情報)
。
7 介入の必要性が高いケースへの対応
要件:①養護者による障害者虐待により、②生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあ
ると認められる(法9Ⅱ)
(1) 養護者との分離
・契約による障害福祉サービス(短期入所、施設入所等)の利用
・措置による障害福祉サービスの利用←「やむを得ない事由」
(身体障害者福祉法、知的障害
者福祉法)
(2) 養護者との面会の制限(法13)
「やむを得ない事由」による措置が採られた場合、市町村長、施設長等の判断で制限。
契約による入所等の場合の面会制限の規定はないが、事案により説得等での制限も必要。
→ (1)
(措置の方)
、
(2)いずれも行政不服審査法上の不服申立ての対象と解される。ケース
会議等で慎重な検討要。
(3) 成年後見開始の審判請求(法9Ⅲ)
申立権者は、本人、配偶者、4親等内の親族等
法テラスの書類作成援助の活用(実費 15,000 円、報酬 42,000~63,000 円(鑑定費用は自己
負担)
)
市町村長申立て(精保法51条の11の2、知的障害者福祉法28条)
8 最後に
高齢者・障害者虐待の問題への関心は、児童虐待ほどには高くなっていないように思われる。
高齢者や障害者が大切にされる社会を目指して、本法の施行を機にさらなる啓発を。
以上
3
Author
Document
Category
Uncategorized
Views
1
File Size
103 KB
Tags
1/--pages
Report inappropriate content