第2回インバウンドセミナー ~インバウンド最前線~「中国人観光客

第2回インバウンドセミナー
~インバウンド最前線~「中国人観光客受け入れ指南 売上UPへ向けての取り組み」
(第63回日中ビジネス講演会&交流会)
世界的な不況や円高の影響を受け、訪日外国人旅行客数の減少傾向が続き、日本のインバ
ウンドは厳しい現実に直面しています。そのような状況の中、非常に高いポテンシャルを持ってい
ると期待がますます高まる中国語圏。どうしたらより多くの訪日中国観光客を獲得し、個人消費を
増加させられるのか。多くの事業者が中国語圏をターゲットとしたインバウンドの取り組みに関心
を寄せています。この度レジャーサービス研究所、日中ビジネスネットワーク主催の第二回インバ
ウンドセミナーが開催されました。参加者はインバウンド業に携わっている方や関心を持っている
方、また実際に中国を訪れたことのある方が9割を占めました。今回は弊社の代表取締役である
村山も講師として参加させて頂き、ポータル・ジャパンの取り組みについてお話しさせて頂きまし
た。
【日時】:2009 年 4 月 20 日(月)19:00~22:00
【場所】:紙パルプ会館1F ラウンジ「パピエ」
東京都中央区銀座3-9-11(〒104-8139)
【内容】:(1)ご挨拶
(2)第1部講演(60分程度)
テーマ:『日本をもっと世界へ!ポータル・ジャパンのインバウンドに
おける取り組み』
(3):第2部講演(60分程度)
テーマ:『春節インバウンド対応事例紹介:課題と改善点』
~インバウンド最前線 売上UPナビゲーション~
(4):懇親会(立食パーティ)
【主催】:レジャーサービス研究所
【共催】:日中ビジネスネットワーク
■ 第一部『日本をもっと世界へ!ポータル・ジャパンのインバウンドにおける取り組み』
ポータル・ジャパン株式会社代表取締役 村山慶輔氏
<中国のインターネット市場>
2009 年4月の時点で、中国のインターネットユーザーが3億人を超えました。これは日本のイン
ターネットユーザーの4倍にも当たる数であり、ユーザーの年齢層も 20 代の若者から 40 代まで広
がりました。また中国のネットショッピング市場規模は、2011 年に約 6 兆円を見込まれており、今
後も 30%以上の成長率を続けると見られています。いかに中国でのインターネット市場が拡大傾
向にあるかが分かると思います。
<海外検索エンジン市場>
海外の検索エンジン市場において、欧米では Google が圧倒的に優位であり、アジア諸国では
Yahoo や、その地域特有の検索エンジンが台頭しているのが現状です。そのため、ターゲット国を
明確にした上での対策が重要となります。中国では Baidu という現地の検索エンジンが強く、中国
を狙う場合は Baidu 対策が重要となります。
<ポータル・ジャパンが考えるインバウンドの定義>
インバウンドとは、「日本のファンづくり」だと、我々は考えます。
・ まず、我々日本人が日本の良さを(再)認識・(再)発見すること
・ それを効果的に発信し、より多くの外国人が日本に興味を持ってもらうこと
・ 実際に外国人に日本へ足を運んでもらい、消費行動をしてもらうこと
・ そして、日本を好きになってもらい、何度もリピートして頂くこと
そうすることで、日本の経済が活性化するだけでなく、世界において日本のファンが増え、日本人
が世界に旅行する際にもその恩恵を受けることが出来ます。また、外国人に対して、効果的に情
報発信するためには、相手国を知ることが重要となるので、異文化理解が促進されます。
このようにインバウンドに取り組むことは、今後の日本を考える上でも非常に重要な取り組みで
あると考えております。そして、弊社としてもこの取り組みに長期的視点で携わっていきたいと考え
ております。
■ 第二部『春節インバウンド対応事例紹介:課題と改善点』
~インバウンド最前線 売上UPナビゲーション~
レジャーサービス研究所(東京)斉藤茂一所長
川満まき氏
廣瀬美紗氏
<中国はインバウンドの大先輩>
実は中国は日本が見習うべきインバウンドの先輩なのです。日本人観光客の減少を受け、
地下鉄やバスなどの公共交通機関を使った格安ガイドツアーを実施したり、杭州での旅行
消費権を発行して大きな経済効果を生むなどの実例があります。また、中国のホテルなど
では日本の休日を把握し、いつ日本人観光客が旅行に行くかなどを熟知しています。イン
バウンドの大先輩である中国へ実際に行き、こういったテクニックや戦略を学んで来るの
も一つの良い手段だと思います。
<小売店満足度&売り上げ UP のツボ>
小売店でお土産などを売る際のコツをいくつかご紹介します。
・お土産やお菓子を売る際は、材料の詳細を表記する。
→そのお菓子にどんな材料が使われているかを明記することで、どんなものなのかをイメージし
やすくなり、観光客はそのお菓子を買ってみようという気になります。
・ 試飲・試食コーナーを設ける。
→観光客にとって初めての日本のお菓子や日本酒などを、まずは試食をしてもらい味を知っても
らうことで、購入に結び付けていきます。
・ ブラックボードを効果的に活用する。
→ブラックボードは、パソコンで中国語が打てなくても、教科書など見本を見れば簡単に文字を書
くことができ、毎日の更新も簡単なのでお勧めです。
・ 「日本製」であることを表示する。
→日本製の商品は、質の高い良い製品だという認識が根強く残っています。「日本製」のシールを
貼ると、その商品の信頼性がアップします。また価格が若干割高になっても納得して購入してもら
うことができます。
ここに挙げたようなツールを使うだけで、特に飲食店などでは、すぐ売り上げ UP につながります。
<飛行機の中で出会った中国人男性の一言>
先日の飛行機でたまたま一緒になった中国人男性の方が、「日本発信の情報は若い女性向けの
ものばかりで、男性向けの情報がまだまだ足りない。もう日本に行くのは飽きてしまった。」と言っ
ていました。男性も楽しめるような情報の発信が今後期待されるのではないでしょうか?
■ 編集後記
今回のセミナーでは、実際に中国で見られる、私たち日本人が見ると笑ってしまうような日本語の
ユニークな看板や、中国でのインバウンド対策の実例、成功例など大変興味深いお話を聞くこと
が出来ました。またたくさんの業種の方が、それぞれの視点から中国圏をターゲットとしたインバ
ウンドに興味を持っていることが分かり、業界における中国語圏に秘められているこれからの可
能性を改めて認識しました。そしてその中国こそ、インバウンド業界の大先輩として私たちが見習
うべき相手だということが、大変印象的でした。
(編集 日向由華)