日本代表の影響力 プロバスケットボールの統一リーグ化へ 地域戦略 杉原正樹 初めに いよいよ 2010 年 10 月から我らがプロバスケットボールチーム スサノオマジックの 戦いが始まる。島根においては初のプロスポーツチームであり、我々の代表として他地 域のチームと競い合うという島根になかった新しい刺激を与えてくれるであろう。 シーズン開幕を前にして、現在の日本のバスケットボールの現状を見ながら、地方か ら発信するプロバスケットボールについて考えてみたい。 1.2 つのトップリーグ 現在日本には、2 つのトップリーグが存在している。1 つは社会人リーグの流れをくむ 日本バスケットボールリーグ(以下 JBL) 、もう一つは、日本プロバスケットボールリー グ(bj リーグ)である。 JBL は、企業支援のチームとプロチームが混在するチームであり、完全プロ化したチ ームではない。一方 bj リーグは完全なプロリーグであり、参加しているチームもプロチ ームである。 2 統合に向けて 国際バスケットボール連盟より一国に 2 つのトップリーグがあるのはよろしくないと の忠告を受け、統合に向けて動き出し、2010 年 4 月に 2013 年の統合に向けての覚書が 両リーグで交わされ、現在検討委員会が開かれている。 リーグ毎に若干のルールの違い、プロとアマの問題等課題はあるが、なんとか乗り越 えてもらいたいところである。 3 日本代表の力 2010 年 6 月はサッカーワールドカップ南アフリカ大会で大いに盛り上がった。本大会 の日本代表は 4 年前のドイツ大会と違い、素人目に見ても渾身の力を振り絞って戦って いることが伝わってくるチームであり、見ている者に感動を与えてくれた。ある知り合 いのサッカー関係者が言っていたが、一度日本代表が出たワールドカップを体験すると、 それまで日本代表が出ていなくても楽しめたワールドカップが、日本代表がいない大会、 日本代表が早々に負ける大会は見る気もしなくなると。それだけ、日本代表の力、ある いは身近なチームの力というものは影響力が大きいものであると思われる。 ところで、バスケットボールの日本代表はというとどうだろう。2006 年に日本で開催 された世界選手権では、初の予選リーグ突破が期待されたが、残念ながら予選敗退、昨 年行われた、アジアカップでは、10 位。オリンピックにいたっては、1976 年のモントリ オールオリンピックいらい出場できていないという状況である。 これでは国内でのインパクトは弱い。これまで、日本代表に bj リーグの選手は選ばれ る資格がなかった。しかし、リーグ統合に向け本年度からは日本代表に選ばれる資格を 有するようになった。 今後は日本全体の力を結集して日本代表を盛り上げてもらいたい。 4 地域のプロスポーツ発展のために 2010 年 10 月から島根スサノオマジックが bj リーグに参入する。チームの運営維持は 簡単なことではない。そのため地方のチームはファンを引き付けるため、地域に出て行 かなければならない。バスケットボール教室を開催し、地域のお祭りには参加して盛り 上げに一役買い、多くの賛同者を得なければ存続すら危ぶまれる。 地域にとっては、こうしたチームの生き残りをかけた活動が、地域のスポーツ活動・ 健康増進、地域の行事の盛り上がりに役立ってくれば、協力者も増えお互いが相互に利 益をえることも可能である。そのためにも、日本代表の力を借りたいところである。
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