ゲーム理論的思考法 経済学部三回生 岩堀涼祐 ゲーム理論とは? 「相互作用を及ぼしあう複数、又は単独の主体の振る舞 い」に関して研究する応用数学の一分野。 経済学・経営学・生物学などに“応用“されている。 →数学の一分野なので苦手意識を植え付けられる ゲーム理論の特徴 1.数学的理論 ・答えが明確に現れる ・厳密に議論、論理的な議論ができる 2.合理的人間の戦略的行動 ・※実際の人間は合理的でない。 ・実際は不確実性に満ちている→議論、論理にならない。 ・相手の心を読めるわけではないが・・・ 続・ゲーム理論の特徴 ・合理的思考法・戦略的思考法の訓練 ・戦略的・論理的観点からの自分の決定を相手に説明。勘 や経験だけに頼らない。 ゲーム 以下の4つでゲームを構成する。 1.プレーヤー(独立した合理的な意思決定主体) 2.ルール (プレーヤーの行動の順序(ジャンケンの様に同時手番 か、チェスの様に交代手番か)と、各状況でとりうる行動の選択肢 の集合を指す) 3.結果 4.利得 +戦略 囚人のジレンマ 互いに協調する方が裏切り合うよりもよい結果になる事が分かっていても、 皆が自身の利益を優先している状況下では、互いに裏切りあってしまう状況 問題:共同で犯罪を行った思われる囚人A,Bを自白させる為、警官は2人に以 下の条件を伝えた。 もし、2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年とする。 だが、お前らのうち1人だけが自白したらそいつはその場で釈放する。(つま り懲役0年)。この場合自白しなかった方は懲役10年とする。 ただし、お前らが2人とも自白したら、2人とも懲役5年。 この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏 切って自白すべきか? (wikiの記述を参考に作成) 囚人のジレンマ 利得表に表すと・・・ A/B 黙秘(協力) 自白(裏切り) 黙秘 (-2.-2) (0.-10) 自白 (-10.0) (-5.-5) この状態で各プレイヤーは何を選択するか? →(A,B)=(自白,自白) ナッシュ均衡 他のプレーヤーの戦略を所与とした場合、 どのプレーヤーも自分の戦略を変更する ことによってより高い利得を得ることが できない戦略の組み合わせ ゲーム理論と現実の乖離 <設定> ・競馬を行う。 ・プレイヤーは1.2.3の3人とする。 ・競馬を行う。各プレイヤーは100円を持ち、100円を賭ける ・賭けの対象はA.B.Cの3頭である。 ・A=50% B=30% C=20% で勝利する。 ・賭けに買った時の利得=払戻金=300÷(勝利した馬に賭けた人数) ・期待値は 上記の払戻金×(賭けた馬の勝率) である。 <例> プレイヤー(1.2.3)=(A.A.B)を選んだ時 {1の利得(勝利した場合)、期待値} {2の利得 {3の利得 300÷2=150 、 150×50%=75 }300÷2=150 、150×50%= 75 } 300÷1=300. 300×30%=90 ゲーム理論と現実の乖離 この場合のナッシュ均衡は (1.2.3)=(A.B.B)、 (B.A.A)、(B.A.B) とな る。 ナッシュ均衡は両プレイヤー とも利益をこれ以上最大にで きない点である。 しかし、均衡点では利得の最 大値は90。 つまり、赤字しかでない。 合理的なプレーヤーならゲー ムを行わないハズ →現実では盛んに行われてい る。 質問たいむ ここまでで一旦、ゲーム理論の簡単な説明を終えます。説 明の都合で省いた部分も多いので分からないところは是非 質問してください^^ 次からは、ゲーム理論的な考え方を使った具体的な思考に ついて 問題 プレイヤー1,2が旗取りゲームを行う。旗は21本であ り、交互に旗を取る。番手の度に1~3本を取らなければ ならない。(パスはできない) 最後の1本をとったプレイヤーの勝利である。 プレイヤー1からゲームをスタートする。 先読みと遡りの思考 ・交互手番ゲームには樹形図の概念が非常に 有効である。 ・一人二役の視点 →相手の実際の行動を予測できなければならない。 ・先を読んで合理的に今を推量する。 →自分の行動が究極的にどういう結果を招くか を予想し、自分の最善の選択を推量する。 参考文献 ・戦略的思考をどう実践するか A・ディキシット、B・ネイルバフ 阪急コミュニケーションズ 2010 ・ゼミナール・ゲーム理論入門 渡辺隆裕 日本経済新聞出版社 2008 ・経済学のためのゲーム理論入門 Robert Gibbons 創文社 1995
© Copyright 2024 Paperzz