アノテーション情報の 利用マニュアル 110730 1 マススペクトルの質などを確認したいが・・・ 114.0560 132.0666 (Precursor) 72.0454 90.0560 55.0189 単にマススペクトルのm/z の値だけ並べられても・・・ 114.0560 C5H8NO2 C3H6NO C3H3O C3H8NO2 72.0454 55.0189 90.0560 アノテーション情報が 知りたい! 132.0666 (Precursor) 2 使用可能なアノテーション情報 Precursor-Product テーブル (PPテーブル) 開裂スキーム 標品の一次プロダクトイオンスペクトル(約1600のマススペクトル、約600種の化合物)に 対するアノテーション情報を開裂スキームとPPテーブルに集約 1スペクトルごとに1つの開裂スキーム&PPテーブルが作成されており、 これらを利用することでアノテーション情報を得ることが可能 3 開裂スキーム 化合物名 化学構造式 ピークm/z :結合の開裂位置(生成イオンの分子式) *m/z部分が色づけされていることがあるが、作業上の マーカーのため無視すること プロトン付加(脱離)体の分子量 相対強度が強いピークのm/z をメモ m/z = 90のピークは、 ・矢印 a と交わる化学結合が開裂 ・開裂位置よりも下側(矢印の向きによる)がイオンとして生成 ・生成したイオンの分子式がC3H8NO2 結合の開裂位置のアノテーション情報を確認したい場合におススメ! 4 開裂スキーム(特殊表記) ① ② ①:どの置換基が脱離するか不明の場合 (OH基,NH2基など) ③ ④ ②予想される開裂位置が2通り考えられる場合 (3通り以上の場合、 “M3”or “M4” と省略) ③:結合の開裂位置まではアノテートできていない場合 ④:複数ヶ所で結合が開裂する場合 ⑤:MSnを測定した場合 ⑤ *その他の特殊表記 ⑥ “rad.”:アノテートした分子式がラジカルの場合 ⑦ “T” :転移を伴う場合 ⑧ “分子式A or 分子式B” :分子式の候補を1つに絞り込めなかった場合 5 開裂スキーム(備考) ・アノテート支援ソフト(MassFrontier, MSmanager) の結果を参考 →2つのソフト間で異なった予測を示す、複数の予測を示す、複雑な転移反応を介した 予測を示す、などの問題あり →あくまで参考レベル、目視で確認して除外・絞り込み ・m/z の値からの分子式候補の絞り込み →相対質量確度:50ppm *(測定精密質量と計算精密質量との差) / 測定対象質量) →やや幅をもたせ、結合の開裂のしやすさなどを考慮してさらに絞り込み ・アノテート対象としたピーク →強度の上位10ピーク程度(スペクトルによって多少違いあり) 6 PPテーブル アノテートしたピークのm/z&分子式 (行と列に同一のものが並ぶ) Precursor 側 側 Product 中性脱離分子の分子式 (Precursor → Product生成時) *交点元の2つのイオンがprecursor-productの関係 にあるものと仮定 m/z = 86をPrecursor、m/z = 60をProductと仮定した時 の中性脱離分子の分子式がC2H2 2つのイオン間の中性脱離分子を確認したい場合におススメ! 7 PPテーブル(セルの色) Precursor 側 側 Product Pre.-Pro.関係にある →計算値どおりの中性脱離分子を 生成している可能性大 Pre.-Pro.関係にない →あたかも中性脱離分子が生成しているように見えるが、 実際には生成し得ない可能性大 *オレンジ色か水色か判断できていない場合にはクリーム色で表示されている 8 閲覧方法 Metabolomics.JP (http://www.metabolomics.jp/wiki/Main_Page) のサイト内に 各化合物の開裂スキーム&PPテーブルが格納されている 化合物リスト 今回は化合物リスト(Excelファイル)に貼られている ハイパーリンクをクリック → 直接アノテーションページへ飛ぶことができる PR100262のアノテーションページ 9 アノテーションページから他のアノテーションページへ PR100262のアノテーションページ ①閲覧したい機関をクリック 分子リスト ②閲覧したい化合物の化合物名を探し、 同一行のMassBank IDをクリック KOX00083のアノテーションページ 他の化合物のアノテーションページへ 移動することができる 10
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