個人情報取扱いの手引き 個人情報取扱いの手引き

若松区の地域団体活動のための
個人情報取扱いの手引き
目 次
1.個人情報とは
(1)個人情報とは …………………………………………………… 1
(2)個人情報とプライバシー ……………………………………… 2
(3)個人情報取扱い事業者とは …………………………………… 3
(4)地域の団体はこの法の適用を受けるの? …………………… 4
2.個人情報の取扱い
(1)個人情報の収集 ………………………………………………… 5
(2)個人情報管理 …………………………………………………… 7
(3)地域団体における情報共有の考え方………………………… 8
(4)個人情報共有 …………………………………………………… 9
(5)名簿作成の基本的考え方 …………………………………… 11
3.事例Q&A
(1)写真、ビデオ撮影を展示、掲示する場合 ………………… 13
(2)テレビでは個人情報はどうなっているの ………………… 14
(3)募集作品の展示、表彰 ……………………………………… 15
(4)記念誌の製作 ………………………………………………… 16
(5)連絡先の伝え方 ……………………………………………… 17
(6)建物内での落とし物の対応 ………………………………… 19
(7)愛称の募集や以前交換した名刺の使用 …………………… 20
(8)ダイレクトメールや営業電話、入会申込など …………… 21
(9)生命・身体・財産に必要な情報を提供してくれないとき 23
(10)防災ネットワーク等の地域での福祉情報の共有 ………… 24
(11)流出に学ぶ個人情報保護の大切さ ………………………… 25
■ その他
若松あんしんネットワークの個人情報共有関連図 ……………… 27
1−(1) 個人情報とは
Q.
どのような情報が、個人情報にあたるのですか?
A. 「特定の個人の情報」であることを認識できる情報です。
個人情報保護法に定める「個人情報」とは、
「生存する個人に関する情報であって、当該情報に
含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」
「他の情
報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することが可能となるもの」とな
っています。
具体的には、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号などです。
なお、生年月日や性別は、それだけでは特定の個人が識別されませんので、単体では個人情報
ではありませんが、氏名などと組み合わせて使用する場合には、
「特定の個人」を識別することが
できるため、全体として個人情報となります。
(1)個人情報に該当するもの
○本人の氏名
○生年月日、住所、電話番号、電子メールアドレス、会社の所属情報と本人の氏名を組み合わせ
た情報
○会社が管理する評価情報などを含む社員、職員又は従業員に関する情報
○電話帳や刊行物などで公にされている個人情報
(2)個人情報の種類
①基本的な個人情報
住所、氏名、年齢、性別、生年月日、電話番号など
②取扱いに注意を要する個人情報
資産、収入、借入金の有無や金額など
③センシティブ情報(特定の機微のある個人情報)
個人の尊厳やプライバシーの核心部分にかかわる情報、社会的差別の原因となる情報、思想、
信条、宗教、人種や民族、本籍地、医療情報、犯罪歴など
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1−(2) 個人情報とプライバシー
Q.
個人情報保護法で、プライバシーが守られますか?
A.
個人情報保護法は、プライバシーを守る法律ではありません。
一般的には、個人情報保護とプライバシー保護を同じと思い、個人情報保護法を個人のプライ
バシーを守ってもらえる万能な法律と思っている方が、ほとんどかもしれませんが、そうではあ
りません。
「複数の情報で、特定の個人が識別されるもの」で、具体的には、氏名などと、
個人情報とは、
住所、電話番号、生年月日などが組み合わさったものです。
では、プライバシー情報とは、なんでしょうか。プライバシー情報とは、
「個人の私生活に関す
る情報や一般の人に知られていない情報」
「一般通常人の感受性を基準にして通常公開を欲しない
情報」などです。具体的には、私生活上の自由、思想、信条、感情の自由や行動監視、会話の盗
み聞き、私物の干渉など、個人情報と比べて、幅広いものです。
個人情報は、一定の定義がありますが、プライバシーの範囲は、その本人にしか測れないもの
です。
個人情報は、正しく管理することで有益に利用するものですが、プライバシー情報は、一般的
に流通しているものではありません。
プライバシー
○個人の私生活の情報
○一般に知られて
いない情報
個
人
情
報
個 人 情 報
複数の情報で、
特定の個人が
識別されるもの
→→
○知られたくない情報
→→
個人が特定される
もっとも厳重な管理が必要な個人情報
民法上の不法行為責任
刑法上の名誉毀損など
個人情報保護法上の罰則
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は
1−(3) 個人情報取扱い事業者とは
Q.
個人情報取扱い事業者はどのような事業者を言うのですか?
A.
個人情報データベース等を事業の用に供し、過去6ヶ月以内において、その識別され
る特定の個人情報数が5,000件を超えるものです。
(1)民間の事業者であること
国の機関、独立行政法人、地方公共団体は、
「個人情報取扱い事業者」の対象から除外されます
が、条例等で個人情報の保護や取り扱い制限をしています。
(2)事業の用に供すること
一定の事業活動を行っていれば、民間企業の「営利目的」にとどまらず、NPO法人のような
「非営利目的」でも、
「法人」
「個人」
「任意団体」でも、個人情報取扱い事業者となります。
(3)5,000件を超える特定の個人情報数を保有していること
個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が、過去6ヶ月以内のいずれの日においても、
5,000件を超えない事業者は除かれます。
Q.
個人情報取扱い事業者は、どんなルールを守る必要がありますか?
A.
個人情報の ①利用取得 ②適正、安全な管理 ③第三者提供 ④開示 などのルー
ルを守るようになります。
(1)利用、取得について
○個人情報の利用目的を特定し、目的達成に必要な範囲を超えて扱うことはできません。
○偽り、不正手段による個人情報の入手は、禁止されます。
○直接本人から個人情報を取得するときは、あらかじめ利用目的の明示が必要で、間接的に取得
した場合は利用目的を通知、公開する必要があります。
(2)適正、安全な管理について
○個人データの安全管理のため、必要かつ適切な措置を講じなければなりません。
○漏洩防止のため、従業者や委託先を監督しなければなりません。
○個人データを正確、最新の情報に保つ必要があります。
(3)第三者提供について
○本人に同意を得ないで、個人情報を第三者に提供できません。
(4)開示について
○本人から求めがあるときは、個人データを開示、訂正、利用停止等を行い、また、苦情が寄せ
られたときは、適正かつ迅速な処理が必要です。
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1−(4) 地域の団体はこの法の適用を受けるの?
Q.
自治会や地域団体には、個人情報保護法が適用されますか?
A.
個人情報保護法の事業者に対する規定は、通常適用されませんが、法律の趣旨を踏ま
えた適切な取扱いが求められます。
個人情報保護法に定める義務規定が適用される事業者は、5,000件を超える個人データを持ち、
特定の個人情報を容易に検索できるように構成したデータベースの中の個人情報を事業活動に利
用している者のみであるため、5,000件を超える個人データを保有していない自治会や地域の団体
は対象外です。もちろん個人にも適用されません。
ただし、義務規定の適用がなくても、法律の趣旨を踏まえた適切な取扱いが求められます。な
ぜなら、もし、個人情報等の取扱いに配慮せずにむやみに取扱うと
①プライバシー侵害で訴えられ、罰せられる恐れがある
②社会的信用をなくす
③情報提供等今後地域の協力が得られなくなる可能性があり、健全な地域社会づくりが行えな
くなってしまいます。
地域の団体活動で大切なことは、地域の方々の信頼を得ながら、地域社会づくりを行うことで
す。この信頼関係を築くためには、自分の個人情報を大切に扱っていると思ってもらえることが
必要です。そうなることで、個人情報を提供してもらえるのです。
結果として、地域の団体は、地域の連携や地域ケアを考えると、個人情報取扱い事業者以上に、
プライバシーを含めた個人情報の取扱いに充分な管理と配慮が必要なのかもしれません。
■ プライバシーに配慮しましょう
プライバシーの範囲というのは、個人により尺度が違います。ある人はホームページに自
分の顔写真や名前、生年月日を公開していても、ある人には、これらの情報は絶対に知られ
たくない場合があります。
このようにプライバシーというものは、個人により受け入れられる範囲が違うため、個人
情報を収集や提供する際にも、その都度収集の目的や活用内容、提供範囲などを説明し、し
っかり本人の同意を得ながら、信頼関係を築いていくことが、地域連携という点からは必要
といえます。
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2−(1) 個人情報の収集
Q.
A.
地域団体の活動の中で、個人情報を収集する際に地域連携を考えた同意を得るとき、
注意する点はどんなことがありますか?
まず、団体の役割や活動内容、収集した個人情報の管理や取扱いを説明し、相手の不
安を取り除きましょう。利用を納得していただいた上で同意していただくなど、信頼
関係を築きましょう。また、地域活動の連携のために、情報の共有や提供範囲を示し
「包括的同意」が得られるようにしましょう。
(1)収集の考え方について
情報提供者に安心してもらうために、個人情報を収集して、利用、管理することを丁寧に説明
し「本人の承諾・同意」を得ることが大切です。そして「本人の利益に反する提供はしない前提
で、地域社会や支援のために関係機関や団体、時には住民に必要最小限の情報を提供する」こと
の「包括的同意」を得られるようにしたいものです。
ここで考えてほしいことは、地域連携や地域ケアの視点に立ち、情報の共有が本人及び住民の
利益になることを考え、積極的に「包括的同意」を得られるようにしてください。そのためには、
どのような団体と何を共有したいか把握していないとうまく機能しません。
(2)同意に関する説明について
同意に関する説明は、相手が納得できるように、わかりやすく、ひとつずつ丁寧に確認していき
ましょう。また、団体活動などの内容や情報提供の範囲など同意の内容は、要約した1枚程度の書
面で説明し、説明後チェックして提供できれば、さらに相手は安心できると思います。次を参考に
説明しましょう。
①同意は白紙委任ではない。
②本人の利益に反する提供はしないことを前提に団体の活動等で想定される関係機関、団体、
住民等へ連絡したり、情報共有すること。具体的に、
「第三者への提供先の範囲」
「第三者に
提供される個人データの項目」
「第三者提供の手段、方法」
「第三者提供のメリット、デメリ
ット」を提示して範囲を確認する。
③目的外や想定外利用はその都度本人確認を行うことを説明する。
④生命・身体・財産に関わる緊急時は同意なく、第三者に提供する例外があるなどの「承認・
同意」を得ます。
(3)同意の仕方について
一般的には、書面による同意が望ましいのですが、署名、捺印に
抵抗がある方もいます。その場合は口頭での同意になるのですが、
後で言った言わないなどの問題にならないよう、
①同意の範囲
②同意した日時
③同席した者の氏名
などを書きとめておくと、トラブルは避けやすくなるでしょう。
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個人情報を収集する際に、次の例を参考に、丁寧に説明しましょう。
○○団体です。○○の目的のためにあなたの○○と○○を教えてください。教えていた
だいた「個人情報」は、○○の目的以外には使用しません。また、○○の目的が終了した
場合は、責任を持って○○処分いたします。
○○の目的のために、地域団体で情報を提供し、さらに充実した体制を整えたいと考え
ています。その場合は①○○、②○○、③○○に必要最小限の情報を提供してもよろしい
でしょうか。
私たち○○団体の情報の管理は、書類にてルールをきめ、管理者には研修を行うなど徹
底し、流出などのご迷惑をおかけしないよう取扱いには充分注意しておりますので信頼い
ただけたら幸いです。また、情報を共有する団体についても同様の対応をしております。
何かわからない点がありましたらどうぞおっしゃってください。後日でも気になる点が
ありましたら、こちらのほうへお問い合わせください。
■ 個人情報収集時の心得
□情報収集の目的を明確化し、活動に必要最小限の情報収集に配慮します。
□情報収集時に活動の趣旨や活動上想定される情報提供範囲、情報の保管管理等を説明し、包括的
な同意を得ます。
□守秘義務のある団体は、そのことを告げると信頼関係を築きやすいです。
□信頼関係を損なわないよう個人情報に配慮した活動をします。
□「あなたの個人情報をこのように保護している」という姿勢を、積極的に示し、相手との信頼関
係を築きましょう。
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い
2−(2) 個人情報管理
Q.
個人情報の漏洩や流出を防ぐためには、どのようにしたらよいですか?
A.
まず、団体にどのような個人情報があり、どのような活用をしているかを調べて、地
域の実情に合った団体独自の個人情報の取扱いルールをつくりましょう。
(1)組織的安全管理
○団体として、個人情報の責任者や構成員の責任と権限を明確に定めます。
○個人情報の取扱いルールや手順書、管理台帳等を整備します。
○ルールに従った運用をし、個人情報の管理状況を確認します。
(2)人的安全管理措置
○構成員に管理の徹底や教育、訓練を実施します。
(3)物理的安全管理措置
○事務所や施設であれば構成員の出入りの管理を行います。
○個人情報の保管に気をつけます。
○鍵や持ち出し等盗難防止に気をつけます。
(4)技術的安全管理措置
○パソコンのウィルス対策等情報システムの構築を行います。
○不正ソフトの導入を禁止します。
○データの持ち出し等を原則禁止し、監視します。
■ 個人情報管理の心得
□むやみに持ち歩かない
□むやみにコピーしない
□むやみに外部提供しない
□私用のパソコンは使わない
□目的がおわった時点で、または、更新した時点で返還、または廃棄する
□廃棄はシュレッダー等厳正に処分する
□保管は書庫、金庫等第三者の目に付かないようにする
□引継ぎを明確に、確実にしている
□記録や名簿そのものの原本を提供しない。目的にあわせて必要最小限の提供のため再編成する
□情報提供相手への秘密保持を徹底させる
□会議等では匿名化したり、資料回収を徹底する
□不要になった情報は保管しない
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2−(3) 地域団体における情報共有の考え方
Q.
地域団体の役員、地域の一員として情報共有の基本的考え方を整理しておきたいのですが?
A.
団体の個人情報取扱いのルール作りとともに、地域連携における、地域の特性に合わ
せた情報共有のためのルール作りが必要です。
自治会から配布された地域の名簿をどれだけの人が「個人情報」として管理しているでしょう
か。小学校から配布された緊急連絡網やクラス名簿をどれだけの保護者の方が流出や漏洩に配慮
して管理しているでしょうか。
地域住民同士で個人情報を共有する場合は、漏洩、流出の一定の危険性があること承知して共
有していると考えられます。地域住民の連携のためには、個人情報の保護より、漏洩、流出の危
険性があったとしても共有した方がよいと地域が判断して配布しているからです。
よって、このような認識で共有した個人情報が配布先から漏れたとしても、責任が問われたり、
問題とされるのは、個人でなく、名簿を提供した団体が、配布の際に個人情報の取扱いにどれだ
け配慮し、徹底していたかどうかです。
例えば、
①個人情報の原簿をそのままでなく、必要最小限の情報に再編成し、被害を最小限にしていた
②配布された書類の端に個人情報取扱いルールが記されていた
③配布の際、流出しないような措置がとられていた
④会議などで再三名簿の取扱いを徹底していた
⑤名簿の原簿である個人情報は、厳重に管理されていた
⑥個人情報取扱いルールを定め、研修をしていた
などであり、これらが徹底されていると、仮に、配布された個人が名簿を紛失し、個人情報の一
部が流出しても、団体の管理責任問題にまで及ぶ可能性は、少なくなっていると考えられます。
しかし、個人情報では、むやみに第三者に流出してはいけません。とはいえ、地域団体は非営
利で、役員は無報酬であったり、構成員から会費を取るなどしながら、地域活動を行っているボ
ランティア団体であり、役員も当番制や持ち回り等、地域によりさまざまな問題を抱えていると
思います。
地域の団体や住民は、今後、より重要な個人情報を共有することになるでしょう。地域団体は、
個人情報取扱いに関し、そのルールを定めるなど早急に対策を進めていく必要があります。
あなたの団体の個人情報取扱いのルールは、
どうなっていますか。
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2−(4) 個人情報共有
Q.
地域連携のため、個人情報を共有する際に注意する点は何ですか?
A.
原簿そのものではなく①相手の管理状況②守秘義務等の責任③利用目的等を考え、必
要最小限の情報を抜粋し、改めて資料を再編成してください。
地域社会での情報共有がなければ地域連携、地域ケアは成り立たないという前提に立ち、互い
に信頼関係を積極的に築いていくことが大切です。
災害時ネットワークなどで、行政、防災団体、福祉団体、消防、住民等から高齢者や障害者の
名簿を求められたり、共有して見守りに役立てるよう要請がきたりすることがあります。
小・中学校からボランティア活動、福祉教育などを目的に地域の高齢者や障害者の情報提供を
求められたりすることがあります。
市民センターや公民館事業、まちづくり協議会等から地域コミュニティや連携づくりのための
事業や催しの参加の呼びかけがあったりもします。
これらは、地域活動において良い目的に使おうとしているもので、おおむね本人利益に反する
ものではないと考えられるのですが「名簿提供」による流出等の危険性の影響を考えると慎重な
対応が必要になり、また、これら条件の個人情報は、流出すると最も危険性が高い情報です。
(1)情報を求められたとき(提供するとき)
各地域団体が連携を考慮し、事前に包括的同意を得ていれば、その範囲で個人情報の提供がで
きます。もし、その範囲を超える目的外利用となる提供ならば、善意目的であっても、あらため
て本人への説明と同意を得ましょう。
個人情報の提供を求められたときは、
「同意された提供の範囲にない」からといってすぐに断る
のではなく、その利用目的や「地域性から配慮が必要なとき」や「明らかに本人の利益になると
き」は、本人確認や本人から連絡するなどの対応をしましょう。
また包括的同意を取っていても、いなくても、本人利益になる情報の提供ですから、本人と話
をして報告したり、あらためて同意を取ることで、さらに互いの信頼関係を深めるきっかけをつ
くっていきましょう。
(2)情報を提供されたとき(提供を受けたとき)
情報を提供されて管理する必要が発生した場合は、その利用目的や取扱いのルールを確認し、
情報の取扱いと管理を徹底することを情報提供団体にアピールしてください。それらの実績が、
今後協力した団体から情報提供をお願いするときに、役立つと考えられます。
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(3)情報の提供を断られたとき(提供の説得方法)
①条例等による制限で行政から個人情報が得られにくくなったり、
②流出の危険を避けるために個人情報を外部に徹底して出さない過剰反応があったり、
③己の団体が個人情報取扱いの管理ルールを決めていないため、情報を求めても不信感から、
情報の提供が受けられなかったりと、様々な状況により提供を断られることがあります。
ただ、こちらに個人情報の管理を徹底しているなど非がなく、その利用目的などの検討もせず
に、単なる防衛のための情報の出し渋りには、組織として情報の提供を求めていくべきです。
この場合、団体の構成員がバラバラで主張しても、方針を変えることはないと考えられますの
で、団体の活動の目的を達成するためには、その情報がどれだけ必要であり、また、その手段が
他になく、または困難なことを団体として訴えていく必要があります。また、ただ訴えていくだ
けではなく、相手が提供した個人情報をどのように利用し、管理するかを訴えていくことができ
れば、互いに歩み寄る道が開けるかもしれません。地域社会での情報共有がなければ地域連携、
地域ケアは成り立たないという前提に立ち、個人情報の扱いも互いに信頼関係を積極的に構築す
ることが大切です。
■ 個人情報共有の心得
□情報収集した記録や名簿そのものを提供、公表しない。共有するときはその目的や相手の
状況により提供する内容を状況に合わせて選択する。また、
①相手の管理状況
②守秘義務
③利用目的
も考え、必要最小限の情報を抜粋し、改めて資料を再編成する。
□個人及びその家庭の不利益にならないよう配慮する。
□研修目的で使用する事例は匿名表記したり、資料を回収する。
□包括的な同意の範囲を超えている場合は、提供について本人の同意を得る。包括的同意を
得ていても、本人とはできるだけ連絡を密に取る。
□情報提供者に対して秘密保持の徹底を図るとともに、提供資料は必要最小限に再編成し、
注意書きなどをいれる。
□個人情報の管理や取扱いルールのほか記録の引継ぎや関係者との情報共有のルールを決
め、時々、勉強会や研修を行っている。
□本人以外からの問い合わせ情報には、必ず本人に確認し提供するか、本人から連絡させる
ようにしている。
□地域福祉を支援するには、ボランティアや地域住民の活動が大切です。ただし、そのため
に伝えられる個人情報の質と量は、守秘義務を持つものとそうでないものとは違うはずで、
支えあいのための必要最小限の情報共有とならざるを得ません。
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2−(5) 名簿作成の基本的考え方
Q.
自治会等地域団体で住民名簿を作るときに注意することはありますか?
A.
地域の皆さんの意向を尊重し、納得できるルールを作りましょう。
自治会など地域団体のほとんどの団体には、通常個人情報保護法の義務規定が適用されません
が、法律や条例の趣旨を踏まえ、皆さんで話し合いを行い、各地域や団体の実情に合わせたルー
ルを作って周知し、皆さんの理解と協力のもとで適切に取り扱うことが必要です。
次の例を参考に、各団体で整理してみましょう。
(1)利用目的を特定しましょう
まず、自分たちの団体では、普段どのような時に名簿を使用しているのか、利用事例と利用目
的を整理しましょう。また、団体活動のために収集した個人情報と住民に配布するために再編成
した住民名簿に掲載される情報は、同一ではありません。掲載する情報は、必要最小限としまし
ょう。
(2)取得時のルールを整理しましょう(本人の意向を尊重しましょう)
本人の意向を確認することなく名簿を作成し配布すると、個人情報の提供を不安に思う人との
トラブルが起きる場合があります。トラブルを避けるためには、まず名簿の情報の利用目的や管
理方法、利用の範囲などについて説明し、趣旨を理解してもらい承認・同意を得ることが必要で
す。
充分に説明した上で同意が得られない場合には、本人の意思を尊重し、配布する名簿には掲載
しないというルールにした方が良いでしょう。また、中途でも、名簿からの削除を依頼されたら、
削除理由を確認し、もし誤解があれば説明した上でも納得が得られない場合は、次回の更新時に
は名簿に掲載しない旨を伝え、了承していただくしかないでしょう。
(3)利用方法のルールを整理しよう
利用方法のルールについては、
(2)で特定した利用目的による使用を原則とし、それ以外の利
用については役員会などで必要と認めた場合以外は禁止すると定めておくと良いでしょう。
「必要と認める場合」の判断基準は、
「法令上の提出義務がある場合」
、
「公益上必要と考えられ
る場合」
、
「不正でない目的で構成員の利益となる場合」
、
「地域社会における連携や地域ケア」な
どが考えられます。
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(4)管理方法のルールを整理しましょう
各家庭で名簿や連絡網を共有し保管することは、漏洩や流失に一定の危険性があります。しか
し、それ以上に共有することで、安全のための連絡体制の確立やより優位の住民利益があること
を相互に確認して、共有しているので、ある程度の危険性は予測されていると考えられます。そ
のため、個々の管理体制の不備により直ちに法的責任が生ずることはないとは思いますが、名簿
の流出による被害を最小限にするためにも、発行する団体としては、一定の対策が必要です。
例えば、
(イ)取扱いルールや廃棄ルールを名簿の余白や裏側などに記載し、明確にしておく
①名簿に記載された個人情報は、個人情報保護法によって保護されています。むやみに第三者へ
公表したり不当な目的に利用すると罰せられる場合があります。
②この名簿が必要なくなった場合は、提供先に返却いただくか、第三者に渡らないよう、シュレ
ッダーまたは焼却等により適切、かつ確実に破棄ください。
③この名簿を無断で複写することは禁じられています。
④この名簿を紛失した際は、速やかに提出先にご報告ください。
(ロ)配布対象者を限定する。対象者により情報を必要最小限にする
(同じ地域の範囲限定、連絡網の前後2件のみの問合わせ先にするなど)
名簿づくりは、地域の間では、いってみれば慣習の状態になっていると思います。いきなり
個人情報保護法、という新しい尺度で切り込むよりは、考え方の原点、例えば、本人の関与に
よる個人情報の取扱いの配慮からの取り組みを行っていただければと思います。
世の中では、原簿も含めた色々な名簿そのものが、なぜか名簿業者等で売買され、それをも
とにして勧誘が行われたり、悪質な犯罪へ利用されたりしています。地域で扱う個人情報や名
簿は、こうしたこととは明確に一線を画するために、最大限の管理と取扱いの努力を行うべき
です。
名簿配布先に対しては、徹底した管理や取扱いを促すとともに、名簿等には、
「第三者に提
供したり、販売等することの禁止」
「この名簿の利用目的の明示」
「配布時の注意喚起」などが
必要でしょう。
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3−(1) 写真、ビデオ撮影を展示、掲示する場合
Q.
イベント時の写真を掲示するときに映っている全員の同意は必要ですか?
A.
撮影時事前に告知しておくとともに、掲載後の削除に応じるように配慮できるとよいでしょう。
イベント時に写真、ビデオ撮影をし、後日市民センターでの展示や館報、ホームページなどに
掲載する場合があります。写真に写っている個人の顔も組み合わせにより「個人情報」になる場
合がありますので、不特定多数の方が見られる展示などの取扱いには、一定の注意が必要です。
イベント実施前に写真等の利用を考えているのであれば、
①イベントを告知する際にお知らせする
②会場に注意書きをおく
③放送で周知
しておくと良いでしょう。撮影者は、できるだけ映り込む範囲の方に
声をかけたり、周囲に注意を促すとトラブルは避けられるでしょう。
また、館報や不特定多数の人がみられるホームページへの掲載などは、撮影にあたって、
①個々の人に撮影目的を説明し、同意を得るか
②個人が特定できないよう遠景とする
③画質、解像度を落とす
などの配慮が必要です。
これらの対処は、いずれも個人情報というよりは、プライバシーへの配慮の要素が強いもので
す。なお、事業の記録や事跡のための撮影は、内部資料で特に公にされることがなければ、同意
の必要はありません。
【お知らせや注意書きの例】
本日は○○の掲載のため、イベントの写真撮影を行います。掲載を希望されない方は、事前、
事後に関わらず撮影者または係員までご連絡ください。ただし、印刷物や製作物の場合は、
掲載後の削除には応じることができませんので、事前にご連絡をお願いいたします。
(1)関係者内での活用(学校内、団体内等で第三者が含まれない)
一定の団体の中で撮影され、写真から第三者に対し個人が特定できる状況がなければ、その関
係者内等限られた範囲で行われる展示会などでの配慮はいりません。関係者が購入する写真、配
布するアルバム、ビデオなども問題はありませんが、引渡しの際に「個人情報が含まれますので
取扱いに…」を封入しておくとよいでしょう。
(2)第三者、不特定多数での活用
不特定多数が見られる場所での展示会やホームページ、ビデオなどは、配慮しておけば、すぐ
に個人情報で問われることはありませんが、プライバシー侵害に問われることがあります。事前
の告知や申し出による可能な限りの削除の対応ができるようにしましょう。
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3−(2) テレビでは個人情報はどうなっているの
Q.
テレビでは街中インタビューなどでたくさんの人が映っています。映っている人全員
の同意を得て放送しているのですか?
A.
報道目的の取材報道は、個人情報保護法の適用外です。
マスコミがインタビューをしたり、音声を流したり、顔を映したりすることは報道目的のため、
それ事態は本人の同意なく放送することができ、個人情報保護法の適用外です。
個人情報保護法では、
「報道機関が報道の目的で個人情報を取扱う場合には、個人情報取扱い事
業者としての規定は適用されない」とされています。
ただし、個人情報とプライバシー情報とは、異なります。個人情報保護に過剰に反応している
ケースは、これらを混同していることから起こっていることがほとんどです。
音声や顔は、プライバシー情報なので公表されたくない、といった訴えは、個人情報保護法適
用の範疇ではありませんが、プライバシー侵害の恐れはあるということです。
この手引きを使って研修している地域団体の方々へのお知らせ
個人情報やプライバシーに配慮している若松あんしん
ネットワークの構成団体にステッカーを配布しています
これまで2回の個人情報取扱い研修会に参加したり、この「個人情報取扱いの手引き」を利用して地域で
の勉強会や研修会などを行い、個人情報の取扱いルールを定めたり、個人情報やプライバシーに配慮を進
めている若松あんしんネットワークの構成団体には、申請等により下記のステッカーをお渡ししています。
①個人情報を大切に扱っている団体は、事務局や団体の窓口などで掲示して、個人情報やプライバシーに
配慮して大切に取扱っていることを関係者や利用者にアピールし、地域の方が安心して個人情報を任せ
られる団体であることを訴えましょう。
②個人情報を管理している団体は、個人情報を管理している場所、例えば、保管庫や事務所、パソコン周
りなどの見えるところに掲示して、常に危機管理を念頭に
おくことで、個人情報を取扱う際のうっかりミスをなくし
ましょう。個人情報漏洩や流出の要因は、ほとんどが人的
ミスであり、一度流出すると、経済的損失、社会的信用を
なくすとともに、今後地域の活動に協力が得られなくなる
可能性があります。
【ステッカーのお問い合わせ先】
若松あんしんネットワーク事務局 若松区役所まちづくり推進課内 ℡ 761-5321 内線460
ステッカー仕様 ユポ紙 カラー150mm×150mm
なお、ステッカーは数に限りがありますので
在庫切れの際はご容赦ください。 若松あんしんネットワーク
14
事
例
Q
&
A
3−(3) 募集作品の展示、表彰
Q.
施設で、子どもたちの絵や作文、工作等の展示や入選者の発表などを行う場合、どの
ような点に気をつけたらよいですか?
A.
募集の際に掲示する範囲等の条件を告知し、事前に子どもと保護者の同意が得られる
ようにしておきましょう。
(1)募集時の注意点
まずは作品を募集する際に、提示する範囲(例えば作品と名前を一緒に展示するなど)を本人及
び保護者に了承していただけるようにしましょう。
直接応募をお願いする場合は、お子さんと保護者に一緒に了承していただきます。
直接ではなく団体や学校などを通じて間接的に募集する場合は、募集要項や応募用紙を配布す
ることにより、保護者まで正確な情報がいきわたるようにします。
作品の募集の趣旨により、掲載する情報が本人の名前に加え、学校名、学年、時には保護者名
が含まれることもあります。応募用紙には、連絡用に保護者名や連絡先を書く場合がありますの
で、
①入賞後の掲載の範囲を明らかにしておくこと
②記入された個人情報の管理や取扱い
③提供された作品の扱いにもふれておいたほうが親切でしょう。
(2)展示時の注意点
次に、作品を展示する際に気をつけておきたいことです。
作品の中には、子どもの家庭での生活などが絵や文で記されたものがあるかもしれません。も
しかして、作品には様々なプライバシーに関することが記載され、中には保護者や関係者にとっ
て掲載して欲しくない、個人情報が含まれているかもしれません。
そのため、
①展示する作品の中に、個人情報やプライバシー侵害につながるものが含まれていないか事前
に確認する。
②「作品をそのまま掲載することや名前等付帯情報の範囲」を募集時に本人と保護者の同意を
得ているか。
③間接的募集の場合は、
「作品をそのまま掲載することや名前等付帯情報の範囲」等の注意事項
が応募用紙等に記入されているかに気をつけて、展示の準備をしましょう。
(3)表彰時の注意点
募集した作品の入選者一覧を学校や地域で配布する場合は、
①募集時に事前に了承を取っておくか、
②同意を得ていないときは、あらためて同意を得て配布するようにしましょう。
若松あんしんネットワーク
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3−(4) 記念誌の製作
Q.
施設開設○○周年記念誌、団体活動○○周年記念誌を製作する場合、創立当初からの
関係者や名簿や写真の掲載などどう配慮したらよいですか?
A.
同意に変わる措置を取り、削除等の申し出があれば誠意ある対応をします。
○○周年記念誌という10年ぐらいの歴史をさかのぼる冊子を作る場合、掲載する人の名前や名
簿、写真に同意を得ることはほとんど不可能といえます。
ここでも原則として、確認が取れる方には、できるだけ同意を取り付けるとともに、確認が取
れない方には同意に変わる措置を取りましょう。
具体的には
①利用目的
②掲載内容
③提供方法
④本人の求めにより情報を削除する
ことを、
①本人に通知
②団体窓口での掲示
③ホームページへの掲載
などにより本人が容易に知ることができる状態にします。
その際、削除等の申し出があった場合は、できるだけ速やかに対応すべきです。ただし、製作
済みの印刷物などの場合は、次回発行する際は責任を持って削除することを約束して了承してい
ただくしかないでしょう。
以下は、記念誌を作る際に気をつけたいことです。
(1)正確性の確保
個人情報の保護とはちょっと離れますが、誤字、脱字等は、本人が不快な思いをします。その
場で訂正できる場合は、速やかに、できない場合は、お詫び文や訂正紙等を挟んで配布するとと
もに、次の製作時に訂正するよう相手に伝え了承を得ます。次回製作時に反映されるよう引継ぎ
が大切です。
(2)削除要求への対応
個人情報ではなく、プライバシー的に何かあって名簿や写真の削除を要望されることもありま
す。配布済みの印刷物を回収することは困難なので、次回の作成時には掲載しないことをお約束
するしかないでしょう。しっかり記録して、次回に反映させられるよう、引き継ぐ必要がありま
す。
(3)情報の提供
当時の思い出等懐かしくなり、関係者と連絡を取りたい等の問い合わせがあるでしょう。その
ための受付窓口の明示も必要です。問い合わせにきちんと答えることは、発行者の責任と役割で
す。
「個人情報だから教えられません。
」といった対応では今後の協力が得られなくなります。情
報提供は、まったく無関係な業者に対して、毅然として断るべきですので、その識別をどうする
のか、予め、問い合わせへの対応の方針と、提供時の確認手順などを決め、また、連絡を受けた
人によって対応が変わらないようルール化しておきます。
若松あんしんネットワーク
16
事
例
Q
&
A
3−(5) 連絡先の伝え方
Q.
緊急に関係者の連絡先を教えて欲しいと電話がありました。どのような点に注意した
らよいですか?
A.
電話の相手方、目的を確認するとともに、一度電話を切って、あらためて連絡しなお
す方が、正確でかつ的確な対応ができるでしょう。
団体の役員や地域の民生委員児童委員などの連絡先は、地域連携の一環で一定の範囲内で情報
を伝えられるように規定しているとは思いますが、構成員一人ひとりの情報は、制限しているの
が一般的だと思います。
例えば、職場に「訃報を伝えたいので至急○○係長の自宅の連絡先を教えて欲しい」とか、学
校に「子どもが帰ってこないので友達の○○くんの電話番号を教えて欲しい」と電話をかけても、
すぐには教えてくれないはずです。
緊急な訴えに対しては、地域の実情と互いの信頼関係にも配慮して対応すべきですが、電話と
いう匿名性があるので、慎重な対応も必要です。
あせらず、一呼吸おいて、緊急な事情を確認し、こちらから連絡を取り、折り返し伝えるなど、
個人情報保護の原則を守りつつ、相手のことを心配しながら、気持ちを汲み取った対応ができる
ように配慮してください。
地域の事情から考えると、むやみに「個人情報だから教えられません」とはいえず、また、緊
急だからといって、相手を確認せずに個人情報を教えることもできません。
まずは、こちらも落ち着くことが一番ですので、相手の心証を害しないようにいったん電話を
切り、責任者と相談したり、団体の名簿等で本人を確認してこちらからあらためて電話をかけ、
相手を確かめることで、より適切な対応ができるでしょう。緊急時でも、注意して迅速かつ適切
な対応を心がけましょう。
【注意する点】
①連絡先が必要な理由と目的
②電話の相手が本人かどうかの確認方法
③管理者、責任者と相談して対応する時間をとっているかどうか
また、
「緊急時の人命や財産に関わる場合」は、同意なく第三者提供できる例外規定もあります
ので、緊急時の対応を感覚的に磨き、どうすべきか見極められるようになることが、地域連携に
必要なことかもしれません。
若松あんしんネットワーク
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Q.
先日役員を辞めた○○さんと連絡を取りたいので、連絡先を教えて欲しいと連絡があ
りました。前任者や前役員などの対応はどうしたらよいですか?
A.
本人の連絡先は教えず、要件を伺い、相手の連絡先を聞いて取り次ぐようにしましょう。
現在、団体に所属していない関係者の連絡先の問い合わせはよくあることでしょう。このよう
な個人情報は、引継ぎや業務の連絡等の都合により、すぐには処分せずに、一定の期間、ルール
を決めて保管していることでしょう。
ただし、これらは団体活動の引継ぎや確認等の目的に利用される個人情報なので、取扱いの注
意が必要ですが、地域連携の点からも、むやみに「個人情報だから教えることはできません」と
せずに、
「お尋ねの件は、個人情報にあたるため保護の観点から教えることができない」旨を説明
した上で、相手の連絡先を聞き、本人に伝えるようにするのが一般的ですが、その状況や必要性
に応じた対応を心がけましょう。
Q.
イベント保険に加入のため○○さんの生年月日を教えて欲しい。手続きのため困って
いるようです。個人的に知っているので教えてもいいですか?
A.
個人情報ですので、本人に連絡を取るか、または、本人より連絡させます。
「お尋ねの件は、個人情報にあたるため保護の観点から教えることができな
い」旨を説明した上で、面倒であっても、本人を通じて連絡するとよいでしょ
う。ただし、団体事業等で事前に同意が取れている個人情報であれば、庶務関
係者等が管理していますので、それらを通じて回答することができます。
Q.
落とし主が拾い主にお礼をしたいので、相手の連絡先を教えて欲しいと施設に連絡が
ありました。お礼の申し出なので連絡先を教えてもよいですか?
A.
善意の申し出であっても拾い主の同意を得ていなければ教えられません。
施設等で発生した拾得物は、一時的に施設で預ることにより、落とし主が容易に発見できるよ
うにしていることが多いと思います。
拾得物の届出の際に、拾い主から名前や連絡先を聞くと同時に、落とし主がみつかった際、連
絡先を教えてよいかどうかの同意も得ておくと、お礼の申し出に対応できます。礼金給付やお礼
を辞退している場合は、相手が善意であっても、連絡先を教えずに、拾い主がお礼を辞退してい
る旨を伝えてください。同意を得ていない場合は、電話で確認し、連絡先を伝えてよいか確認す
るか、拾い主に落とし主の連絡先を伝えるようにしましょう。
若松あんしんネットワーク
18
事
例
Q
&
A
3−(6) 建物内での落とし物の対応
Q.
携帯電話を拾いました。落とした人は困っていると思い、誰のものか手がかりを探す
ために、内容を確認してもいいですか?
A.
携帯電話の機能には手をつけずに、関係者や施設に届けたり、電話がかかってこない
かしばらく待ってみます。
手がかりを見つけるために、携帯電話を操作して落とした本人につながる情報を探していませ
んか。
携帯電話は、今では小さなパソコンであり、その中には多くの個人情報が詰まっています。そ
のため善意であってもメールや着信履歴、プロフィールなどを見ることによる落とし主探しは、
場合によってはプライバシーの侵害になり、そのことが落とし主に知られた場合、トラブルの元
になるかもしれません。同様に手帳や財布なども個人情報の宝庫であり、同じような対応が必要
になってくるでしょう。
①落とした場所により、関係者や機関に届けましょう。
会議室で拾ったなら会議主催者に届けたり、施設で拾ったのなら施設事務所に届けるなど、
落とし主が探す手がかりを残すようにします。後は届けを受けた管理者が、施設内放送で呼
びかけたりとマニュアルにそった対応をするでしょう。
②その携帯電話に電話がかかってくるまで待ちましょう。
本人または友人からかかってきたら、状況を説明してあげましょう。電話に出ることは、こ
の状況では問題にならないと考えられます。
■ 考えてみよう
と整理してみましたが、実際はどうでしょう。すでに落し物であるため、
①不特定多数が見ることができ、
②悪用される危険性がある
ことを落とした時点でわかっているはずです。もし、本人に結びつく手がかりで無事落し主
に返還された場合、落し主は、拾った人が善意で行ったその行為を、訴えることはないと考
えてもよいのではないのでしょうか。
このように、個人情報保護なのか、プライバシー配慮の行き過ぎかもしれない対応は、紙
一重です。これは、プライバシーの範囲がその人が感じる度合いによって尺度が違うためだ
からです。名簿が不用意な管理により流出することは問題ですが、個人情報の塊である携帯
電話でも、そのセキュリティに気をつけて使用している人は、あまりいないでしょう。紛失
し、悪用されると自分も被害者ですが、登録者にも迷惑をかけ、被害を受けた登録者から見
ると加害者にもなるわけです。
若松あんしんネットワーク
19
3−(7) 愛称の募集や以前交換した名刺の使用
Q.
団体の愛称や道路の名前を募集する場合に、注意する点がありますか?
A.
申込用紙の扱いや応募箱の設置に気をつけてください
個人情報を記入する申込書には、事業を行っている団体としての個人情報の取扱いルールを記
しておく必要があります。例えば「記入された個人情報はこの目的以外に使用しない」ことや
「名前が決まったあとは責任を持って破棄する」ことなどです。
それよりも、応募箱は、大丈夫でしょうか。応募用紙には、多くの個人情報が詰まっています。
①ダンボール等でつくった簡易なもの
②投入口が広くて誰でも中を確認できるもの
③置き場所が人目に付かずに持っていかれても気づき
にくいもの
など、これらは、個人情報の紛失や漏洩する危険が高い
ので、常に関係者がいる場所におき、定期的な回収、人
目がない場所では、応募箱の固定や鍵などの対策が必要
です。
Q.
以前就任していた団体役員のときに直接交換した名刺は、役員終了や団体脱会後でも
自由に扱えますか?
A.
前の団体の個人情報にあたるおそれがありますので自由に扱えません。
その名刺の連絡先情報等は、以前属していた団体の情報にあたると考えられます。よって、団
体役員の立場で交換して所持していた名刺は、すべて団体に帰属するので、通常は、属した団体
に置いておくべきです。もし、無断で使用すると「A団体に渡した名刺のはずなのに違うB団体の
人から連絡があった」
、となり、A団体から個人情報が漏洩したこととなります。
実際には、役員終了や脱会時に、お礼とあいさつ周り等を行う際に、引き続き連絡を取りたい
場合は、新たに名刺交換したり、今後連絡の同意を取り付けたりすると問題ありません。
しかし、電話で相手の状況を確認しながら話すならまだしも、あいさつもなしに、電子メール
やハガキ等を一方的に送りつければ、トラブルとなりやすく、信頼関係は築けずに、前の団体の
長や役員にクレームが行くなどの迷惑をかけることになるでしょう。
例えば、大学病院に勤務していた医師が、独立開業する際に以前の患者さんに、大学に無断で
ハガキを送るなどした場合は、問題となったようです。
若松あんしんネットワーク
20
事
例
Q
&
A
3−(8) ダイレクトメールや営業電話、入会申込など
〒000-0
00
福岡県 0
北九州
市
Q.
○○○
○0-0-0
○○○
○○○
様
ダイレクトメールや営業電話は違法ではないのですか?
上得意様
限定
特別ご招
待状
株式会
社○○
○○○
商事
A.
個人情報保護法のルールを守っていれば、適法に行うことができます。
電話帳や市販の住宅地図など一般に公にされているものから個人情報を収集し、利用目的を通
知又は公表していれば、営業電話やダイレクトメールも適法に行うことができます。とはいえ、
名簿業者など個人情報を第三者に提供している事業者で、法律の業務規定が適用される事業者は、
本人から申出があれば情報を削除しなければならないことになっています。
ただし、架空請求など悪質と思われるダイレクトメールや電話などの場合は、連絡を取ると、
その際に本人確認のために個人情報の提示を求められ、逆にさらなる個人情報や金品などを要求
してくる場合があります。その結果、実在することを知られたり、自らの正しい新たな個人情報
を渡してしまうことになり、逆効果となりますので、この場合は、無視することが一番安全です。
営業電話の場合には、その場で今後電話をしないように要望して電話を切りましょう。同じ会
社から繰り返し電話が来る場合には、消費生活センターなどにご相談ください。
Q.
A.
入会申込みの際に、本人確認の資料として免許証の写しを同封するよういわれました
が、個人情報を悪用されそうで不安です。どうしたらよいですか?
個人情報の提供が不安な場合には、個人情報の利用目的や
管理方法などを事業者に確認してから判断しましょう。
氏名 ●
●●●
●●●
本籍 北
昭和○
九州市
年○月
○○○
住所 北
○日生
○○○
九州市
●−●−●
○○○
交付 平
○○○
成○年
●−●−●
○月○
日
平成00年00
0000
月
免許の
条件等
00日まで有
効
眼鏡等
番号 第
0000
二・小・原
000000
平成
00 号
他 平成 00年00月00
00年00月 日
二種
普
00 種 通
平成00
年00月 日
00日 類
運
転
免
許
証
福岡県
公安委員
会
入会時の本人確認など、正当な利用目的があり、事務の運営上保有、
管理が必要な情報であれば、入会時や契約時に当該情報の提出を要件としても不適正とはいえま
せん。
自分の個人情報は、自分で守るしかないのですが、下記を参考に入会を検討するとよいと思い
ます。
①プライバシーポリシー(事業者の個人情報に関する考え方や方針)を公表しているなど、
個人情報保護に取り組む姿勢が示されていますか。
②個人情報の利用目的ははっきり示されていますか。
③利用目的に照らして、必要以上の個人情報を求められていませんか。
④団体名や苦情受付窓口などの連絡先はきちんと示されていますか。
若松あんしんネットワーク
21
Q.
弁護士、警察、行政からの問い合わせの対応はどうしたらよいですか?
A.
法令に基づく場合やその業務の必要性などから同意を得ずに個人情報を
提供できる場合がありますが、一定の注意が必要です。
最近では、行政等の肩書きを騙った詐欺事件などが多発しています。直接会って応対している
場合は、令状等法的根拠の確認ができますが、電話での問い合わせで、相手の確認が取りにくい
場合は、相手部署等の確認により、こちらから連絡を入れるなど、確認作業を怠らないようにし
ましょう。
また、当該情報の提供を求めた担当者の役職、氏名、連絡先を確認し、その求めに応じ提供し
たことを、当人に説明できるように記録しておきましょう。
Q.
団体が企画した催しで、ケガをした参加者を病院に搬送しました。ケガの状況を団体
に報告するためには、どんなことに気をつけたらよいですか?
A.
ケガをした本人が、付き添ってきた者の同席を拒まないのであれ
ば、同席して病状や状況等の説明を受けることができます。
もし、同席せずに、後から電話等で医療機関に問い合わせても、一般と同様、
「本人の同意がな
ければお答えできません」といわれるでしょう。
ただし、その団体や施設がケガの原因究明のため、事故再発防止などに有効で、団体に必要な
情報を伝えておくべきと医師が判断した場合は「人の生命、身体の保護に必要な場合」として、
本人の同意が得られなくても必要な範囲で情報提供されることもあります。
若松あんしんネットワーク
22
事
例
Q
&
A
3−(9) 生命・身体・財産に必要な情報を提供してくれないとき
Q.
ケガをした原因となった加害者に対して損害賠償請求をしたいのです
が、その加害者の情報を持っている企業が個人情報保護のためといっ
て連絡先を教えてくれません。どうしたらよいでしょうか?
A.
損害賠償請求を行うために必要としている点で、「人の生命、身体又
は財産の保護のために必要がある場合」の例外規定で対応できないか
企業にかけあいます。
まずは、企業に「加害者に連絡を取り、被害者に連絡先を教えることの同意を得た上で、連絡
先を教えてもらうか、直接加害者から連絡するよう促す」ことを要請しましょう。
しかし、加害者が責任追及されるため、連絡先を教えることに同意しない可能性が高い事例で
す。そこで、企業に「人の生命、身体または財産の保護のために必要な場合」に関する例外規定
を適用し、情報を提供するよう検討してもらいましょう。
法律では、第三者提供の制限の例外として、
「人の生命、身体
又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意
を得ることが困難であるときは、本人の同意を得ないで第三者
提供できる」こととなっています。この事例では、被害者が損
害賠償請求を行うために必要と主張している点で、
「人の生命、
身体又は財産の保護のために必要がある場合」にあたり、また、
加害者に同意を求めても同意をしないであろうと予想される場
合には、
「本人の同意を得ることが困難であるとき」にあたると
説明し、加害者の情報提供を促すように交渉してください。
Q.
入会した団体が、会費引落のため金融機関へ提出する書類を紛失していたことがわか
りました。すぐに金融機関の届出印を改印しましたが、流出による悪用が心配です。
どうしたらよいでしょうか?
A.
紛失等のことの経緯と今後の対応等、文書での回答を求めましょう。
万一悪用され被害を被った場合の責任の所在を明らかにするために、団体に対して、書類紛失
の事実等について記載された文書を求めるなどの対応が考えられます。
若松あんしんネットワーク
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3−(10) 防災ネットワーク等の地域での福祉情報の共有
Q.
災害に備えて高齢者などの情報を地域で共有しておきたいのですが?
A.
悪用される危険性が高い情報ですので、特に厳重に管理する必要があります。地域の
実情や特性に合わせたルール作りが必要になってきます。
緊急の場合に備えて独り暮らしの高齢者の連絡先などを地域で共有することは、災害時に迅速
な支援を行うために効果的ですが、一方でこのような情報が万一部外者に漏れた場合には、詐欺
や空き巣などの犯罪に利用されるなど、他の情報に比べ悪用される危険性が高いので、情報の利
用可能者を必要最小限に限定し、それ以外の者が使用できないよう特に厳重に管理する必要があ
ります。
また、これらの情報は、行政関係者はもちろん、守秘義務のある民生委員児童委員と、地域の
ボランティア等による福祉協力員や自治会、住民といった地域の方々が協力して支えあい、取り
組むと本格的に機能します。そのため、その立場や役割によって共有する個人情報のレベルが違
ってきます。ただし、これらの防災ネットワークを機能させるためには、日頃から、地域の団体
の連携と、情報の共有の仕組みづくりが大切です。
これまで、さまざまな事例をQ&A形式で学んできましたが、高齢者や子育て世代等を地域で支
えあっていくためには、保健・医療・福祉・教育分野の関係者と地域住民による情報の共有が必
要不可欠であり、個人情報の取り扱いに関する充分な知識を身につけておくことが個人の利益を
保護していく上でも重要です。これまでの個人情報の取扱い方を参考に、各団体が地域でできる
ことを、あらためて考えてみましょう。
なお、事故や災害が起こったとき、被害者の家族等への連絡その他被害者の生命、身体、財産
等を保護するため緊急の必要がある場合には、本人の同意を得ずとも個人情報の利用、提供は可
能です。
若松あんしんネットワーク
24
事
例
Q
&
A
3−(11) 流出に学ぶ個人情報保護の大切さ
Q.
では、現在、情報の流出防止に向けて、やるべきことは何ですか?
A.
漏洩や流出は、ほとんどがうっかりミスです。流出の事例を学び、個人情報を取扱う
ときは、いつも気をつけるよう心がけてください。
個人情報の漏洩、流出等は、その原因のほとんどが「人間のうっかりミス」から起こったもの
です。ということは、関係者に対して個人情報取扱いについての教育を徹底して行うことが最優
先で求められます。
どんなに高額な費用をかけてセキュリティー対策をしても、それらを扱う人がミスをすれば、
その対策にはなんの意味もありません。
個人情報を扱うものが常に「個人情報とはどれか?」
「漏洩、流出した場合どうなるのか?」
「漏洩、流出する原因はなにか?」という危機管理を念頭におき、事故がおきた場合の本人への影
響、経済的損失、社会的な信用失墜を考えた対応、措置ができているか考えながら、個人情報を
取扱うようにしましょう。そして、いったん漏洩、流出したら、どんな小さな情報であっても被
害を受ける人がいるとの認識で、早急に対策を取るべきです。初期対応の失敗が2次被害へとつな
がったり、また、大きな苦情対応へと発展することを認識してください。
(1)初歩的なミス
○申込書などの個人情報が書かれた書面のリスク認識の甘さ
○誤配送、誤封入、誤送付、印刷ミス
【解決法】※複数人で再確認する
(2)盗 難
○置き引き、引ったくり、空き巣、事務所荒らし、車上荒らし
【解決法】※個人情報を持ち出さない
(3)ノートパソコン・私用パソコン
○紛失、盗難、社外持ち出し、セキュリティ対策移動時の安全対策
【解決法】※個人データを持ち出さない、私用パソコンを使わない、不正
ソフトをインストールしない。
(4)関係者の教育、日常点検確認
○目的外利用や提供、不正アクセス、不正持ち出し
【解決法】※教育や研修、定期的な点検、ルールの見直し、改善を行う
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(5)漏洩、流出の事例
■ 車上荒らしによる盗難 ………………………………………………………………………………… ●
帰宅途中、立ち寄ったコンビニで買い物中、駐車していた車が車上荒らしにあって、助手席の
かばんが盗まれた。自宅で処理しようとしていた名簿とフロッピーディスクが入っていた。
■ 私用パソコンの盗難 …………………………………………………………………………………… ●
プレゼンテーションするために私用のノートパソコンを持ち込んでいたが、休み時間ちょっと
目を放した隙に、なくなっていた。パソコンには、役員をしている自治会の氏名、住所などの個
人情報が入っていた。
■ ウイルスによる流出 …………………………………………………………………………………… ●
自宅のパソコンでも作業ができるようイベントの参加者の名簿情報を入れていたが、ウィニー
を使用していたためウイルスに感染して、参加者の情報が不特定多数に流出した。
■ FAX送信ミス …………………………………………………………………………………………… ●
事前に確認してもらおうと履歴書等の人事情報をFAXで送信したが、一桁ミスで別のところに
FAXされてしまった。
■ BCCによる電子メール送信ミス ……………………………………………………………………… ●
会員全員に、決算報告を電子メールで送る際に、BCCで送るところをCCで送ってしまったため、
全員のメールアドレスと名前が流出した。
■ パスワードによる漏洩 ………………………………………………………………………………… ●
会員ページのパスワードを忘れないようにパソコンに貼っていたら、誰かに見られたらしく、
悪用され会員ページにアクセスして公開されている会員の個人情報が漏洩した。
■ 廃棄ミス ………………………………………………………………………………………………… ●
個人情報が載っている書類をシュレッダーにかけずに再生紙ボックスに入れてしまった。他の
人が裏紙をメモ用紙に使うために利用し、公衆電話の横に置いていた。メモを使った人から個人
情報の流出を指摘された。
■ 廃棄パソコン …………………………………………………………………………………………… ●
個人情報の買い取りの要求がついた封筒が送られてきた、中にはCDに個人データが入っていた。
経過をたどってみると、関係者がハードディスクのデータを消去した後に、リサイクルにだした
パソコンから抜き取られたものであった。
■ 鍵のかけ忘れ …………………………………………………………………………………………… ●
個人情報を保管している書庫から、ファイルごと個人情報がなくなっていることに気がついた。
この書庫は鍵をかけることになっていたが、業務中は使用することが多く、普段からあいたまま
になっていた。
■ 整理ミスでゴミ処分 …………………………………………………………………………………… ●
事務書類を整理した際に、収納庫に入れようとだしていたところ、同僚が誤って、焼却ゴミと
して捨ててしまった。催しの申込書に書かれた個人情報が行方不明になった。
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事
例
Q
&
A
若松あんしんネットワークの個人情報共有関連図
地域関連事業
福祉関連事業
健康づくり事業
チャリティ活動
災害支援
伝統文化伝承
文化祭
小・中学校の福祉教育
生活安全パトロール
地域成人祭
ボランティア活動
卒業記念製作 等
見守り活動
一人暮らしの応援
あるきing、バスハイク
幼稚園
体 育
指導員
サロン活動
ひきこもり防止 等
保育所
地域関連事業
介 護
サービス
事業者
小学校
婦人会
老人会
市 民
センター
養護
学校
自治会
警 察
社会福祉
協議会
地域
部会
福祉関連事業
民生委員
児童委員
食改善
推進員
薬剤
師会
行 政
消 防
医師会
衛 生
連合会
若松あんしんネットワークの地域部会の関係団体では、
障害者
施 設
歯 科
医師会
地域部会
①地域事業活動や連携における「個人情報の共有」と、
②流出すると悪用される危険性が高い「福祉関連の個人情報の
他の部会
共有」があります。
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地域連携を主体とした個人情報取扱いチェック
(1)収 集
○情報の収集には、団体の活動趣旨、収集の目的(必要最小限の項目)を説明し、活用に同意を
得る。
(2)管 理
○個人情報の取扱いルールを整備する。
○団体の個人情報の保護、取扱いルールを丁寧に説明
する。
○個人情報の管理、取扱いを徹底し、いつ何時も気を
抜かない。
(3)提供、共有
○情報の提供や共有には、団体の活動や地域の連携上想定される情報提供範囲の包括的同意を得
る。
○情報提供、共有には、記録そのものを提供せず、目的にあわせて、必要最小限に再編成する。
提供資料には、取り扱いルール等を記載する。
○包括的同意を得ていてもできるだけ、情報提供者とコミュニケーションを取り、信頼関係を築
くことが地域連携の早道である。
○地域連携、地域ケアの観点から、互いに協力していくための手段や方法を常に考えて対応する。
個人情報保護のガイドラインについては、その都度見直しがされています。
この冊子は、地域団体が個人情報を取扱う際に理解しておくべき点を、その当時の状況に
照らし合わせて、判断できる考え方を整理したものです。変更、見直しされた点などは、そ
の都度修正してお使いください。
なお、気がついた点がありましたら、下記まで連絡ください。
若松区の地域団体活動のための個人情報取扱いの手引き
編集・発行/ 若松あんしんネットワーク 地域活動推進検討部会
(若松区保健・医療・福祉・教育・地域連携推進協議会)
監 修/ 北九州市総務市民局文書館
事 務 局/ 若松区役所まちづくり推進課
〒808-8510 北九州市若松区浜町1-1-1
TEL 093-761-5321 内線460
発 行 日/ 平成19年2月
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子どもからお年寄りまでが、住み慣れた地域
や家庭で安心していきいきと暮らしていくこ
とができる地域社会づくりのために、保健・
医療・福祉・教育の関係者と地域住民・団
体、行政が連携・協働しながらネットワーク
づくりを進めている協議会の愛称です。