平成 26 年度事業報告

平成 26 年度事業報告
平成 26 年度事業報告
平成 26 年度の我が国経済は緩やかな回復基調が続いたが、4 月に実施された消費税率 8%へ
の引上げの影響等により弱い動きも見られたことから、平成 27 年 10 月に予定された消費税率
10%への引上げが 1 年半延期されるとともに、11 月には衆議院が解散され、12 月に総選挙が行
われた。選挙の結果、自公連立政権が継続し、12 月末に打ち出された緊急経済対策等により経
済は持ち直しつつある。
不動産市場については、地価は、全国平均で商業地が下落から横ばいに転じるとともに、三
大都市圏では住宅地・商業地ともに引き続き上昇し、
地方圏でも下落幅の縮小が継続するなど、
回復の兆しが広がりを見せつつある。
マンション分譲については、住宅ローン減税の拡充とすまい給付金の創設等の措置が講じら
れたこと等により概ね堅調に推移したが、建築費の高騰等の影響により首都圏の販売戸数は 3
年ぶりに前年を下回った。また、住宅着工戸数も注文住宅を中心に減少し、年間で約 89 万戸と
なった。
オフィスビルについては、需給バランスの改善が進むとともに、企業業績の改善により増床
ニーズが顕在化し、空室率の低下が継続した。これに伴い、賃料水準についても上昇に転じた
ものの、その足取りは鈍い状態が続いた。
このような状況の下、当協会では、税制改正に関する取組み、都市再生の推進、良質な住宅
ストックの形成、環境への取組み、不動産業の事業環境整備等、諸課題に対応すべく積極的な
活動を行った。
以下、平成 26 年度の主な活動について報告する。
1
Ⅰ.政策活動について
1.税制改正に関する取組みについて
平成 27 年度税制改正に関する要望活動を行うとともに、消費税率引上げへの対応に関す
る要望活動等を行った。
(1) 平成 27 年度税制改正
平成 27 年度税制改正要望については、税制 WG、税制委員会等での検討を経て、7 月 28
日の理事会において、税制改正・予算・制度改善要望を含む「成長戦略の実現に向けた政
策要望」を決定した(資料 1)
。9 月 18 日の理事会では、国土交通省の税制改正要望等を
踏まえ、平成 27 年度税制改正要望を決定した(資料 2)
。10 月 23 日には、自民党住宅土
地・都市政策調査会により、関係団体に対する税制改正要望ヒアリングが行われ、理事長
が出席して要望を行った。また、10 月 28 日の公明党による政策要望懇談会、同日の自民
党都市再開発促進議員連盟によるヒアリング、10 月 31 日の自民党国土・建設関係団体委
員会及び国土交通部会による予算・税制等に関する政策懇談会に当協会も出席して要望を
行った。11 月 12 日の理事会では税制改正の動向について報告を行った。11 月 21 日には
衆議院が解散、12 月 14 日に総選挙が行われ、税制改正大綱のとりまとめに向けたスケジ
ュールが厳しく制約される中、引き続き、理事長を中心に関係各方面に要望活動を行った。
与党「平成 27 年度税制改正大綱」は 12 月 30 日に決定され、事業用資産の買換特例の 2
年 3 か月延長、商業地の固定資産税の負担調整措置の 3 年延長、都市再生促進税制の 2 年
延長、国家戦略特区税制の拡充・創設、住宅取得資金贈与の特例の大幅な拡充・延長、住
宅の買取再販に係る不動産取得税の特例措置の創設等、当協会の主要な要望が認められた。
平成 27 年度税制改正法は 3 月 31 日に成立した。
(2)消費税率引上げへの対応
平成 26 年度税制改正大綱において税率 10%時に導入することとされた消費税の軽減税
率制度について、制度が導入される場合には住宅取得に軽減税率を適用するようにいろい
ろな機会を通じて引き続き要望活動を行ってきた。特に与党税制協議会においては、導入
に係る詳細な内容の検討が進められることとされ、7 月からは関係団体に対するヒアリン
グがスタートし、7 月 29 日には不動産団体連合会に対してヒアリングが行われ、当協会か
らは理事長が出席し説明を行った(資料 3)
。
与党「平成 27 年度税制改正大綱」では、消費税の軽減税率制度については税率 10%時
に導入し、平成 29 年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等につい
て早急に具体的な検討を進めることとされた。また、平成 27 年 10 月に予定されていた消
費税率 10%への引上げ時期が平成 29 年 4 月に変更となったことを踏まえ、住宅ローン減
税の拡充等の措置及びすまい給付金の対象期間が平成 31 年 6 月 30 日まで 1 年半延長され
るとともに、請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日が平成 28 年 10 月 1 日とされ
ることとなった。
2
2.都市再生の推進について
大都市の国際競争力を強化し、成長戦略を着実に推進するために、都市再生の推進に関し
て、以下の活動を行った。
(1) 国際競争力の強化
国家戦略特別区域法にもとづく区域の案が平成 26 年 3 月 28 日の国家戦略特別区域諮問
会議で示されたことを受け、都市政策委員会と企画委員会合同の「国家戦略特区情報連絡
会」を設置し、第 1 回には内閣府より講師を招き区域案及び区域方針案についての説明を
受けた。その後、諮問会議等の開催の都度、東京都及び内閣府よりそれぞれ講師を招き、
会員企業の関心の高い事柄を中心に説明を受けるとともに意見交換を行い、国、自治体と
の情報共有を図った。
なお、並行して区域会議に出席する構成員の代表について東京都及び内閣府と調整を図
り、10 月に第 1 回が開催された東京圏区域会議には、理事長が東京都代表(三菱地所会長)
として出席し、
「2020 年東京オリンピックまでに一定の成果を実現するようスピーディな
推進と、全分野の事業を推進し経済成長によるマーケットの創出・改善をはかり、規制緩
和・税制措置・財政措置三位一体の推進力により官民が一体となって国際的ビジネス拠点
の形成を図る」との意見表明を行った。
(2) 大都市戦略ビジョン策定への対応
都市再生特別措置法がその大臣認定期限を平成 29 年 3 月末に迎えることを見据え、国
土交通省が平成 27 年夏に大都市戦略ビジョンを策定し、これを踏まえて同法改正案策定
及び税制改正要望を進めることとなったことから、都市政策委員会に都市政策 WG を設置
し、大都市の都市再生事業への措置を継続することについて会員より意見集約を行い、3
月 31 日の国土交通省大都市戦略検討委員会のヒアリングにおいて都市政策委員長が意見
表明を行った(資料 4)
。
(3) 東京国際金融センター構想への対応
東京都が国家戦略特区を活用して推進する「東京国際金融センター」の実現に向け設置
した国・民間が参加する「推進会議」に企画委員長が委員として就任した。また海外の企
業・人材が東京でビジネスをしやすい環境づくりに向けた「ビジネス交流拠点の活性化分
科会」に会員 5 社が参加した。
(4) PPP/PFIの推進
まちづくりにおける公民連携や公的不動産の活用について、都市政策委員会の下に「公
的不動産を活用した PPP に関する勉強会」を設置し、国土交通省政策担当者を招き意見交
換を伴う勉強会を 3 回実施した。
(5) 帰宅困難者対策
帰宅困難者対策への対応として、内閣府・東京都の「一時滞在施設の確保に関するワー
キンググループ」に参加し、
「一時滞在施設の確保及び運営のガイドライン」の改定検討
に向けて意見を述べてきたが、2 月 20 日開催の「首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整
3
会議(第 3 回)
」において、同ガイドライン改定版が承認された(資料 5)
。
(6) 港区高さ規制への対応
港区による絶対高さ制限を定める高度地区の基本方針素案を巡り、かねてより高さ指定
値や緩和特例の考え方について意見交換を重ねてきたが、5 月に基本方針修正素案のパブ
リックコメントが行われる運びとなったため、説明会を開催した上で改めて会員意見を集
約し提出した(資料 6,7)
。9 月に決定された基本方針では、緩和の対象として、建替え円
滑化法に基づく容積緩和特例を活用する特例の追加や、事業化を継続的に検討してきた分
譲マンションへの適用期間延長などが認められた。
3.良好な住宅ストックの形成について
良質な住宅投資の促進や多様な住宅ニーズに対応した住宅の供給に向け、以下の活動を行
った。
(1) 良質な住宅の供給促進への対応
①住宅政策 WG の設置について
・平成 27 年度に見直しが行われる予定の「住生活基本計画」
(平成 23 年 3 月閣議決定)
について、その改定に向けて適切な要望を行うため、8 社によるワーキングを設置し
(3 回開催)
、本格的な人口減少社会、高齢化・少子化社会の到来に向けた豊かな住
生活とそれを実現する住宅事業のあり方について議論を行い、平成 27 年度も継続す
ることとしている。
②省エネ・創エネ等による環境性能に優れる住宅供給への支援
・住宅の環境性能を向上させるインセンティブの拡充を要望し、平成 26 年度補正予算
により省エネ住宅の普及と住宅投資の拡大を図る「省エネ住宅ポイント制度」が 12
月から実施された。
・新省エネ基準に沿った環境性能に優れる住宅の普及促進のため、運用ルールや計算
プログラムの改善につき国土交通省と意見交換を行った。
・HEMS、MEMS 等を導入したスマートハウス、スマートタウンの普及促進のため、経済
産業省の導入補助事業の周知を行い、会員企業が参加するセミナーの後援を行った。
・国土交通省、厚生労働省等がオブザーバーとなっている「スマートウェルネス住宅
開発研究委員会」および暖房機器の効能や高齢者のヒートショック対策等を取り上
げる「暮らし創造研究会」に委員を派遣し、住宅の健康増進分野の研究を行った。
③居住性能に優れる認定住宅の普及促進
・国の誘導基準である「低炭素住宅及び長期優良住宅」の実績調査及び性能強化コス
トの調査につき、国土交通省にデータを提供する協力を行った。
④良質な高齢者向け住宅の供給促進
・国の重点政策である「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」につき、国や東京都
の補助制度等の周知を行った。
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・前国会で改正された建築基準法において高齢者福祉施設の地階の容積算入が住宅と
同様に緩和されることとなり、その実施に向けて国土交通省と意見交換を行った。
(2)老朽化マンション建替えの促進
①12 月に改正マンション建替え円滑化法が施行されたが、新設されたマンション敷地売
却制度の基本方針及びそのガイドライン等につき、マンション建替え WG(参加 11 社)
を開催し、要望のとりまとめや国との意見交換を行い、パブリックコメントに対し意
見を提出した(資料 8)
。
②構造耐力不足のマンションの建替えに対して、一定の地域貢献を条件に空地要件等が
緩和される容積割増特例につき国と意見交換を行い、その結果国が地方自治体に対し
て示す許可準則(技術的助言)に一部が反映された。
③上記許可準則を受け、認可行政庁である東京都が「東京都マンション建替え容積率許
可要綱(仮称)
」を制定する際に、より活用しやすい制度となるよう意見を提出した
(資料 9)
。
(3)その他
①マンション管理のあり方についての検討
国土交通省「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」に委員を派遣し、平成
27 年 5 月以降に予定されている標準管理規約及び解説の改正につき、意見交換を行っ
た。
②安心居住政策研究会(国土交通省)への対応
高齢者・子育て世帯・障害者等が安心できる住まいや住まい方についての国の研究
会に委員を派遣し、特に高齢者向け住宅のあり方につき意見を提出した。
③住宅政策審議会マンション部会(東京都)への対応
住宅政策審議会の下に設置されたマンション部会に委員として出席し、主にマンショ
ン管理、再生について意見を提出した(資料 10)
。
4.環境への取組みについて
環境に関連する規制等への対応を行うとともに、会員企業による環境行動の推進に関する
活動を行った。
(1) 環境に関連する規制等への対応
2020 年までに新省エネ基準の段階的な適合義務化を目指す国の方針の骨子案に対して 1
月に意見を提出した(資料 11)
。社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会において、大
規模な新築非住宅建築物(2,000 ㎡以上)から適合義務化することが決定され(資料 12)
、
今国会において新法が提出される(資料 13)予定である。
新築オフィスビルの環境性能については、平成 26 年度に届出を行う物件から新省エネ基
準での報告が義務化されたが、一次エネルギー消費量の算出に使われるプログラムについて、
建築物の日射遮蔽効果を高める設計上の配慮が十分評価されないなどに対する改善を国土
5
交通省に対し要望した。
また、東京都が平成 27 年度より非住宅建築物についての環境性能(ERR 基準値)につい
て、基準値の引上げを検討しており、会員企業の実態に即した運用がなされるよう、環境局
と継続的に意見交換を行っている。
マンションの環境性能については、平成 27 年 4 月より新省エネ基準が完全施行となり、
一次エネルギー消費量に基づく報告が義務付けられることから、会員企業の取組みについて
フォローアップを行った。
また、東京都の都市開発諸制度における環境性能基準について、平成 27 年度より新築住
宅の断熱性能において新省エネ基準に準じた基準が設けられ、届出も義務化となる予定であ
り、その対応について都市整備局と意見交換を行った。
(2) 経団連低炭素社会実行計画フェーズⅡへの対応
7 月に経団連からの要請に基づき、不動産協会の低炭素社会実行計画の 2030 年目標の設
定を検討するため、地球環境対策研究会の下に新たな WG を立ち上げ、本社機能が所在する
ビルにおけるエネルギー消費について、2020 年度目標の見直し及び 2030 年度目標の設定を
行った。これに伴い、12 月に不動産業環境実行計画の記載内容の部分改定を行う(資料 14)
とともに、
「不動産協会の低炭素社会実行計画(2030 年目標)
」として経団連に提出した(資
料 15)
。
なお、賃貸オフィスビルに関する取組みについては、主体間連携として賃貸オフィスビル
の運用段階については日本ビルヂング協会連合会と役割分担をしており、同連合会は賃貸オ
フィスビルの共用部分についてエネルギー消費量原単位を削減する数値目標を設定して経
団連に提出している。
(3)「不動産業環境実行計画」の推進・フォローアップ
不動産業環境実行計画の「精緻化」及び「周知・浸透」を主要なテーマに据え、地球環
境対策研究会の下の各 WG において、新築オフィスビルの新目標の新省エネ基準への読み替
え検討並びに新築分譲マンションの新目標の策定検討等を行った。また、6 月には会員企業
の環境先進・優良プロジェクトを当協会 HP に追加掲載し、7 月には「環境先進プロジェク
トセミナー」としてプロジェクトの事例紹介等を実施した。12 月には「柏の葉スマートシ
ティ」の見学会を実施した。
さらに、6 月から 8 月にかけて実施した不動産業環境実行計画に関する初のフォローアッ
プ調査結果について、環境委員会への報告後、全会員に報告書を配布した(資料 16)
。
(4)国の会議等への対応
総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会、業
務部門における省エネ取組の評価制度に関する研究会、下水熱利用推進協議会、中央環境審
議会土壌農薬部会土壌制度専門部会、環境不動産普及促進検討委員会など、国の会議等に委
員を派遣し、国の動向の情報収集を行うとともに意見提出を行うなど、適切に対応した。
6
5.不動産業の事業環境整備について
(1) 不動産業の国際化への対応
①不動産業の海外展開に関する情報共有
「国際事業情報連絡会」を 7 月に開催し、不動産業の海外展開動向について国土交通省
と情報共有及び意見交換を行った。
②MIPIM JAPAN への協力
実務者会議に実行委員として参加し、平成 27 年 5 月開催の MIPIM JAPAN に向けて、協力
を行っている。
③個別の施策に関する情報収集
日露都市環境協議会にはメンバーとして参加し、TPP 交渉や(株)海外交通・都市開発事
業支援機構については説明会に出席し、個別の施策動向の情報収集を行った。
④情報の提供
ベトナムにおける公用地取得等セミナー、日・トルコ建設会議開催、MIPIM JAPAN 参加
等の情報を会員に提供した。
⑤意見集約
(株)海外交通・都市開発事業支援機構の支援基準案に対し、会員の意見等を集約の上、
国土交通省に提出した(資料 17)
。
⑥邦人駐在調査
海外でテロ事件が多発する状況を受け、会員の従業員等に関する海外駐在状況の調査を
行い、調査結果を国土交通省に提出した。
(2) 会計基準の国際化への対応
企業財務・会計委員会及び会計 WG を中心に、以下の取組みを行った。
① 個別の会計基準等への対応
企業会計基準委員会(ASBJ)の「リース会計専門委員会」及び「連結・特別目的会社専
門委員会」に委員派遣を行い、同委員と連携して情報収集を行うとともに意見を提出し
た。
② 我が国における会計制度や IFRS(国際財務報告基準)問題全般への対応
金融庁、経済産業省、経団連、ASBJ、国際会計基準審議会(IASB)の各関係者と意見交
換するとともに、
我が国における会計制度や IFRS 問題の動向についての情報収集に努め
た。
(3) 人権問題への対応
不動産取引における土地調査問題を踏まえ、
人権問題について啓発活動を推進するため、
東京都が作成した人権の尊重と個人情報の保護についてのパンフレットを、宅建法定講習
会場で受講者に配布した。
(4) 暴力団排除条例への対応
不動産取引から暴力団等反社会的勢力の排除を推進するため以下の取組みを行った。
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各都道府県での暴排地方連絡協議会の動向を注視しながら、7 月に「広島県不動産団体・
警察連絡協議会」
、10 月に「愛知県宅地建物取引業暴力追放協議会」
、3 月に「不動産取引
における暴力団等排除のための京都連絡協議会」の各総会に出席した。
「不動産業における犯罪収益移転防止及び反社会的勢力による被害防止のための連絡
協議会」
(不動産業界 6 団体で構成)で運用する「不動産業反社会的勢力データベース」
の照会手続きの運営を継続している。
(5) 民法(債権関係)改正への対応
民法改正要綱仮案とりまとめ(8 月)に向けた法制審議会民法部会の動向を把握すると
ともに、不動産業界団体で構成される「民法改正問題勉強会」
(土地総合研究所主催)へ
参加し情報収集及び意見交換を行った。また1月に自民党法務部会ヒアリングに参加し、
改正要綱仮案に対する意見を表明した(資料 18)
。
2 月には法制審議会で改正要綱案が決定され、法務大臣に答申された。民法改正法案は 3
月 31 日に閣議決定され、今国会に提出されている。
(6) 犯罪収益移転防止法への対応
11 月に「不動産業における犯罪収益移転防止及び反社会的勢力による被害防止のための
連絡協議会」
(不動産業界 6 団体で構成)に出席し、犯罪収益移転防止法の改正に向けた
動向について情報収集を行った。
(7) 不動産取引の電子化の検討への対応
「IT を活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」へ委員として参加し、非対面に
よる重要事項説明、電磁的方法による第 37 条書面の交付等の検討につき、消費者の理解
や安心安全な取引の確保が必要であることを主な内容とする意見提出を行った(資料 19)
。
12 月に最終とりまとめが公開され、
平成27 年度から2 年かけてIT を活用して賃貸取引、
法人間取引における非対面による重要事項説明を社会実験として行うことが予定されて
いる。
(8) 宅地建物取引業法改正への対応
平成 27 年 4 月 1 日に施行された改正宅地建物取引業法において、
宅地建物取引主任者か
ら宅地建物取引士へと名称変更がなされ、宅地建物取引士に相応しい適正な業務確保に係
る規定等が措置されたことに伴い、コンプライアンスの遵守等、法定講習の内容を充実す
る国土交通省の検討委員会へ委員として参加し、意見表明を行った。
また、宅地建物取引士としての責務を適切に遂行すべく、
「不動産協会企業行動理念」
を遵守することを改めて徹底することについて3月の理事会において申し合わせを行った。
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Ⅱ.調査研究活動について
環境行動の推進に関する調査研究
①「不動産協会地球環境対策研究会」の開催、オフィスビル WG 及びマンション WG におけ
る新たな数値目標の換算または設定に向けた検討を行っている。
②「不動産業環境実行計画」のフォローアップ調査を継続して行った。
Ⅲ.事業委員会活動について
1.マンション・戸建住宅事業委員会
7 月に「消費増税後のマンション市況について」の講演及び会員間の情報交換を行った。
10 月には「マンション建築費の見通しに関するセミナー」を開催した。
また、プロジェクト見学会として、10 月に「スカイズタワー&ガーデン」の見学会を実施
した。
2.事務所・商業施設等事業委員会
5 月にリゾート事業委員会との共催にて「観光立国推進のための不動産関係事業者協議会
取りまとめ報告会」を行った。観光庁が外国人訪日旅行の促進策、受入環境整備、消費税免
税販売制度について講演を行い、会員企業のインバウンド戦略や外国人受入体制の整備等の
事例紹介を行った後、東京都が「外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュア
ル」について講演を行った。
6 月に「オフィスマーケット・リテールマーケットの現状と今後」についての講演会を行
った。11 月には流通事業委員会と共催にて「不動産投資取引動向セミナー」を開催し、最近
の不動産投資取引の動向及びアジアにおけるネットワーク拡大と海外投資家の動向につい
て情報を共有した。
また、プロジェクト見学会として、6 月に「虎ノ門ヒルズ森タワー」
、10 月に「日本橋ダ
イヤビルディング」
、2 月に「飯田橋グラン・ブルーム」の見学会を開催した。
3.流通事業委員会
7 月に「レインズデータから見る不動産流通市場の動向」について講演会を行った。11 月
には事務所・商業施設等事業委員会との共催にて「不動産投資取引動向セミナー」を開催し
た。
(再掲)
4.リゾート事業委員会
5 月に事務所・商業施設等事業委員会との共催にて「観光立国推進のための不動産関係事業
者協議会取りまとめ報告会」を行った。
(再掲)
7 月に「軽井沢 リゾートカンファレンス都市 その心と形~ダボス・アスペン・軽井沢 世
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界三大リゾート会議都市への道」について講演会を行った。
11 月に「軽井沢リゾートカンファレンス&見学会」を開催し、
「軽井沢のリゾート特性と観
光ビジョン」等の講演を行うとともに、千ヶ滝別荘地、インターナショナルスクールオブア
ジア軽井沢、東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢、ビッグウィーク軽井沢等を見学した。
2 月に「日本におけるホテル併設型コンドミニアム成功の可能性」について講演会を行った。
Ⅳ.広報活動について
不動産業の実態、当協会の諸活動の成果等について多角的かつ積極的に広報するため、以
下の活動を行った。
1.記者懇談会・論説懇談会等の実施
記者懇談会を理事会後に 4 回開催したほか、10 月に正副理事長とマスコミ各社の論説・解
説委員との懇談会を開催し、不動産市場の現状や、都市・住宅税制改正の必要性等について
意見交換を行った。また、
「最近の土地取引・地価動向等に関する勉強会」を 9 月及び 3 月
に開催した。
2.理事長コメント等情報発信
平成 27 年度税制改正大綱や地価公示の発表に際し、理事長コメントをニュースリリース
として発信するとともに、協会の政策提言等についても発信した。
3.広報誌の発行
都市、住宅、土地問題の課題とその解決方策の検討に資することを目的に、業界オピニオ
ン誌として「FORE」を、時宜を得た内容となるよう充実を図るとの方針の下で 6 回発行した。
特集テーマとして、
「都市の国際競争に打ち勝つためには」
、
「経済成長と不動産の価値向上」
、
「都市のイノベーションとグローバル化を促す成長戦略と規制改革」
、
「国土のビジョンと都
市の未来像」
、
「都市の防災・減災に向けて」
、
「環境と経済の両立とまちづくり」を取り上げ
た。
4.マスコミとの交流
広報委員会において、マスコミと委員との懇談の場を設け、3 回交流を図った。
5.ハンドブック、協会案内(パンフレット)の発行
ハンドブック「日本の不動産業」
(日本語版及び英語版)及び協会パンフレットを発行し
た。
10
6.インターネット物件紹介事業
当協会ホームページ及び各ポータルサイト(ヤフー、スーモ等)を活用した会員各社のマ
ンション及び戸建住宅の物件情報提供は、会員 18 社が利用し、毎月平均約 1,170 件の掲載が
あり、エンドユーザーから毎月平均約 46 件の電子メールによる資料請求があった。
Ⅴ.会員活動等について
8 月に会員企業の役職員が東日本大震災の被災地における復興事業等を視察し、震災時の
体験や復興への取組み状況を直に見聞することにより、各社の災害への備えや復興への理解
を深める一助となるよう、被災地視察会を実施した。岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市、
女川町、石巻市、東松島市を訪れ、進捗している各地の復興事業とともに、民間企業の産業
復興の取り組みを支援との関係も視野に入れながら視察した(資料 20)
Ⅵ.社会貢献活動について
1. 不動産協会賞
当協会の社会貢献活動の一環として、日本経済や国民生活に関する著作物の中から、世の
中の多くの方々に対し、不動産業界が直面する幅広い課題について理解を得るための著作物
を不動産協会賞として選考し表彰している。
今年度も社会的に発信力のある部外有識者に選考委員を依頼し、
「国際競争力を高める都
市再生」
「良好な住宅ストックの形成」
「防災・減災」
「環境問題」
「持続可能なまちづくり」
「コンプライアンス」
「法制度」
「エネルギー問題」など、幅広い分野の著作物を対象に選考
を行った。
2 月の最終選考委員会にて受賞の 3 作品を決定し(資料 21)
、受賞作品については協会 HP
で紹介した。
なお、平成 27 年 4 月に理事長が出席して表彰式を行い、FORE においてもその内容を掲載
する予定である。
2.寄付
社会貢献活動として、合計 9 件、746 万円の寄付を行った(資料 22)
。
※世界遺産糺の森保全会、出雲大社御遷宮奉賛会等
11
Ⅶ.月例会・研修事業について
1.月例会の実施
会員の事業に資するため、各界講師を招いて月例会を 8 回開催し、各回約 100 名が参加し
た(資料 23)
。
2.宅建法定講習会の実施
宅地建物取引業に基づく宅地建物取引主任者法定講習会を首都圏で 15 回、
愛知県で 6 回の
合計 21 回開催し、4,906 名が受講した。
Ⅷ.地域支部活動について(資料 24)
1.関西支部の活動
関西支部の会員数は期中に 1 社が退会し 78 社となった。
月例会、業務委員会、説明会、セミナー等を開催し、行政機関の委嘱事項や指導・要請
の対応に努めるなどの活動を行うとともに、大阪府・友好団体等と連携して人権啓発に努
めた。
(1) 月例会
会員の研鑽と親睦に資するため、各界講師を招いて月例会を 11 回開催し、各回約 50 名
が参加した。
(2) 業務委員会
6 月と 1 月に同委員会の主催で、㈱不動産経済研究所大阪事務所より講師を招き「近畿
圏のマンション市場動向」に関するセミナーを開催した。
(3) マンション専門部会
8 月に㈱リクルート住まいカンパニーより講師を招き、
「分譲マンションの展望とカスタ
マー動向について」説明を受けた。
(4) 説明会・セミナー・研修会
① 8 月に大阪府人権局の担当官を招き、
「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関
する条例」の説明会を開催した。
② 5 月に「関西(大阪)不動産市場について」
、6 月に「高齢者と不動産取引」
、8 月に「リ
ノベーション市場の現状と課題、今後の展望について」
、11 月に「今さら人に聞けない
ソーシャルメディアの活用について」
、2 月に「マンション購入者の現状と今後の動向
を探る」
、3 月に「環境不動産セミナー」
、
「平成 27 年度不動産税制改正及び不動産取引
への影響について」と題したテーマで、実務者向け・環境・法務税制のセミナーを開催
した。
③ 8 月に不動産団体 4 団体共催による人権研修会を開催し啓発に努めた。
④ 「不動産コンサルティング近畿ブロック協議会」において、コンサルティング技能登録
12
の研修会を開催し人材育成に努めた。
(5) 見学会
9 月に「ライオンズ茨木ニューシティ A 街区(大阪府茨木市)
」
、10 月に「大阪ガス実験
集合住宅・NEXT21(大阪市)」
、10 月に「リノべる㈱ショールーム(大阪市)
」
、11 月に「竹
中大工道具館(神戸市)
」
、12 月に「ジオタワー高槻ミューズガーデン(大阪府高槻市)
」
の見学会を開催した。
(6) 地方自治体との会議等
① 大阪府住宅まちづくり審議会
大阪府住宅まちづくり審議会に支部長が委員として出席した。
② 大阪府景観審議会
大阪府景観審議会に支部長が委員として出席した。
③ 大阪府人権局との意見交換会開催
大阪府人権局と土地差別調査問題の再発防止に向けた意見交換会が開催された。
(7) その他
① 大阪府と不動産団体で構成する「不動産に関する人権問題連絡会」が開催され、人啓発
事業の推進に努めるとともに、人権研修会及び人権推進指導員養成の研修会開催等を実
施した。
② 2 月に会員の協力を得て、大阪府と都市緑化行政の推進に関し、ヒアリングと意見交換
を行った。
③ 大阪府、大阪府警、業界団体等で構成される「大阪府安全なまちづくり推進会議」の幹
事団体として安全なまちづくりの推進に努めた。
④ 宅地建物取引主任者制度の運営者・
(一財)大阪府宅地建物取引主任者センターに理事
を派遣し、宅地建物取引主任者制度の健全な発展に努めた。
2.中部支部の活動
中部支部の会員数は 35 社で、年度を通して変動は無かった。
幹事会を中心に市場動向などの諸課題について検討するとともに、行政機関、関連団体等
と連携し諸活動を行った。
(1)
月例会
支部会員の事業・親睦に資するため、各界講師を招いて月例会を開催し、毎回 25 名~30
名が参加した。
(2) 宅地建物取引主任者法定講習
5、7、9、11、1 月及び 3 月の計6回の法定講習会を開催し、年間 768 名が受講した。
(3) 説明会
5 月に「平成 26 年度税制改正の概要について」及び「最近の住宅市場の動向等について」
、
11 月に「改正省エネ基準 平成 27 年 4 月の完全施行に備えて」
、1 月に「高齢社会とすま
13
いづくり」
、2 月に「フラット 35S の金利引き下げ幅の拡大、省エネ住宅に関するポイン
ト制度等の解説」の説明会を開催した。
(4) 研修会
3 月に「不動産の表示に関する公正競争規約等に関して」をテーマとした研修会を開催
した。
(5) 2 月に中部地方整備局と当中部支部ほか不動産業 2 団体との間で不動産市場、税制等に
ついての意見交換会が開催され、支部長、副支部長が出席した。
(6) その他
①愛知ゆとりある住まい推進協議会の情報部会・環境共生部会・ハウジング&リフォー
ム愛知 2014 の委員として協議会活動に携わった。
②愛知県建築安全安心マネジメント協
議会、
③愛知県安全なまちづくり推進協議会、
④愛知県宅地建物取引業暴力追放協議会、
⑤愛知県不動産コンサルタント協議会のメンバーとして活動した。
Ⅸ.不動産団体連合会の活動について
当協会は不動産団体連合会の会長団体を務めており、消費税対応等税制改正要望について
統一的な活動を行った。
Ⅹ.国際交流活動について
世界不動産連盟日本支部事務局として、5 月開催のルクセンブルクでの第 65 回世界総会、
12 月開催のワシントンでのビジネスミーティングに出席し、各国代表と意見交換を行った。
9 月には、台湾支部の黄南淵会長以下 13 名の来日に際し、同支部の要請に応じて建物見学会
を企画し、事務局が同行した。11 月には前世界会長フラビオ・ゴンザガ・ヌーンズ氏が来日
し、支部会長とともに懇談会を開催した。2 月 19 日の日本支部総会に世界会長ロビン・ウォ
ーターズ氏が出席して支部会員に向けてのスピーチを行い、懇親会後には同氏と所属 6 団体
長及び事務局との懇談会を行った。
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