『特殊マルチ』のご紹介

No.132 号
No.2
平成21年9月15日
発行:
『特殊マルチ』のご紹介
マルチは一般的には、地温の確保と雑草の抑制を目的として使用されています。
今回は特殊マルチの使用目的と特性についてご説明いたします。
1.生分解性マルチ
(1) 使用目的
:
環境負荷の軽減と省力化をはかる。
(2) 特性
①
土壌中の微生物により、最終的には水と二酸化炭素に分解されます。
このため、収穫終了後トラクターで土中にすき込むだけで後処理が完了します。
従いまして、一般マルチのような剥ぎ取り・回収・梱包作業が不要になるため、
大幅な省力となり、また、重労働から開放されます。
(3) 取扱上の留意点
①
長期保管は分解により強度が低下しますので、毎年必要数を購入し、その年に使
い切る。
2.地温抑制マルチ(商品名
(1) 使用目的
:
白黒ダブルマルチ)
夏期栽培において地温抑制により高地温障害を防ぐ。
(2) 特性
①
表面が白色、裏面が黒色の特殊2層構造になっており、表面で光線を反射し、裏
面で光線透過を抑制して地温を下げる。
②
姉妹品として、銀黒ダブルマルチ(表面が銀色、裏面が黒色)がある。
地温抑制効果は白黒ダブルマルチよりやや劣るが、表面銀色の紫外線を含む強い
光反射により、有翅アブラムシの忌避効果があります。
③
白黒ダブルマルチ、銀黒ダブルマルチともに、特注品としてホーリーシート加工
(有孔加工、図1参照)も可能です。
3.害虫(有翅アブラムシ)忌避マルチ(商品名
KOマルチ)
(1) 使用目的
:
一般マルチ並の地温確保と、有翅アブラムシの飛来を防ぐ
(2) 特性
:
アブラムシの嫌がる弱光反射により、有翅アブラムシの飛来を防止
1
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すると共に、地温を一般マルチ並みに確保する。
4.メデルシート
(1) 使用目的
:
播種後のマルチ展張により発芽時の省力化をはかる。
(2) 特性
①
マルチの播種部分に、細かい切れ目が一定の幅で帯状につけられていて、切れ目
から発芽するため、発芽時のマルチの穴あけ作業が不要となり省力がはかられる。
②
メデル加工(図2参照)が可能な品目は、上記の白黒ダブルマルチ、銀黒ダブル
マルチ、KOマルチの3商品。
③
は種の形態は点播、条播、撒播、いずれも加工対応は可能で、シードテープとの
併用は一層省力となります。
5.反射・保温マルチ
(1) 果樹用(商品名
◎
太陽シート、ネオポリシャイン)
使用目的と特徴
:
アルミ蒸着フィルムで、反射光により下葉日陰部分の光合
成を活発にし、果実の肥大、着色、糖度アップを促す。
(2) 水稲用(太陽シート)
◎
使用目的と特徴
:
水稲育苗箱平置きベタ掛育苗に使用する。
日中は太陽光の入射をさえぎって高温化を防ぎ、夜間は放熱
を抑えて保温する。夜間低温時は、他資材も併用し必要温度
を確保する。
6.カミマルチ(水稲用、畑用)
(1) 使用目的
:
有機栽培等における雑草抑制をはかる。
(2) 特性
①
段ボール古紙を原料にした環境にやさしい雑草抑制資材です。
②
使用後の回収は不要で、土中で分解する。(畑用はすき込みが必要)
(全農新潟県本部
2
園芸部
花き・園芸資材課)
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