在 宅 医 療 在宅患者診療・指導料 往診や訪問診療、訪問看護など在宅患者に対する医 在宅医療を専門に行う診療所 師や関係職種の訪問による診療・指導等を評価してい るのが在宅患者診療・指導料です。 今回の改定に伴い、在宅医療を専門に行う診療所の 今回の改定では、「患者の重症度・居場所に応じた 保険医療機関指定が認められることになりました。主 評価」として、在宅時医学総合管理料等が大幅に再編 な要件は次のとおりです。 されたほか、在宅医療専門診療所が新たに認められる などの見直しが実施されています。 在宅療養支援診療所・病院 【在宅医療を専門に行う診療所の主な要件】 ①無床診療所である。 ②在宅医療を提供する地域をあらかじめ規定し、その 範囲を被保険者に周知する。 ③②の地域の患者から、往診又は訪問診療を求められ た場合、医学的に正当な理由等なく断らない。 ④外来診療が必要な患者が訪れた場合に対応できるよう、 地域内に協力医療機関を2カ所以上確保(地域医師会 から協力の同意を得ている場合にはこの限りではない) 。 ⑤②の地域内において在宅医療を提供し、在宅医療導 入に係る相談に随時応じること及び当該医療機関の 連絡先等を広く周知すること。 ⑥診療所の名称・診療科目等を公道等から容易に確認 できるよう明示したうえ、通常診療に応需する時間 にわたり、診療所において、患者、家族等からの相 談に応じる設備、人員等の体制を備えている。 ⑦通常診療に応需する時間以外の緊急時を含め、随時 連絡に応じる体制を整えている。 改 届 看取りまでを含めたトータルなケアが受けられるよ う、在宅医療の中心的な役割を担う診療所及び病院と して診療報酬上で位置づけられているのが在宅療養支 援診療所(以下、在支診)及び在宅療養支援病院(以 下、在支病)です。また、在支診・在支病の中でも、 在宅での看取りや緊急時対応など、一定の実績要件を 満たしたのが機能強化型の在支診・在支病です。 今回の改定では、小児在宅医療に積極的に取り組ん でいる医療機関を評価する観点から、機能強化型の在 支診・在支病の実績要件として、重症児に対する在宅 医療の実績が加わりました。 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の主な施設基準 在宅療養支援診療所 在宅療養支援病院 ・診療所である。 ・24時間連絡を受ける医師又 は看護職員をあらかじめ指 ・許可病床200床未満又は半 径4km 以内に診療所が存在 しない病院。 定し、その連絡先電話番号 等を文書で患家に提供。 ・緊急時に在宅患者が入院で ・24時間連絡を受ける担当者 をあらかじめ指定し、その 連絡先電話番号等を文書で きる病床を常に確保し(他 の医療機関との連携可) 、受 入医療機関の名称等をあら 患家に提供。 ・往診担当医は、当直医とは 別の医師であること。 かじめ地方厚生局に届け出 ・緊急時に在宅患者が入院で きる病床を常に確保。 ている。 ・24時間往診が可能な体制(診療所は他医療機関との連携可)を 確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供。 ・自院又は訪問看護ステーションとの連携(診療所の場合は他の 医療機関との連携も含む)により、24時間訪問看護の提供が 可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文 書により患家に提供。 ・連携先の医療機関や訪問看護ステーションが緊急時に円滑な対 応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、必要な情報を 文書(電子媒体を含む)で提供している。 機能強化型の在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院 (1) 左記の要件に加え、以下の要件を満たす。 ・在宅医療を担当する常勤医師が3名以上配置。 ・過去1年間の緊急往診の実績10件以上。 ・過去1年間の在宅における看取り実績4件以上又は15歳未満の超重症児・ 準超重症児に対する在宅医療の実績(3回以上の定期的な訪問診療を実施し、 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料を算定している場 合に限る)を4件以上。 (2) 他の医療機関との連携によって(1)の要件を満たしても良いが、その場合は 次の要件を満たす。 ・それぞれの医療機関が過去1年間の緊急往診実績4件以上、看取り実績2件 以上又は15歳未満の超重症児・準超重症児に対する在宅医療の実績(3回 以上の定期的な訪問診療を実施し、在宅時医学総合管理料又は施設入居時 等医学総合管理料を算定している場合に限る)を2件以上。 ・連携体制を構築する医療機関数は10未満で、病院が連携に加わる場合は許 可病床200床未満であること。 ・24時間直接連絡がとれる連絡先電話番号等を一元化。 ・連携医療機関間で患者の診療情報の共有を図るため、月1回以上の定期的な カンファレンスを実施。 ・患者に関する診療記録管理を行うのに必要な体制が整備。 ・地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連 携調整を担当する者と連携している。 ・年1回、在宅看取り数等を地方厚生局に報告している。 15 在宅医療を専門に行う在支診 【主な施設基準】 届 ・機能強化型の在支診又は在支病で、過去1年間の緊急 往診の実績15件以上、かつ在宅看取り実績20件以 在宅医療専門診療所が認められたことに伴い、在宅 医療専門診療所が在支診になる場合の施設基準が新た 上。 ・末期の悪性腫瘍等の患者であって、鎮痛剤の経口投 与では疼痛が改善しないものに対し、患者が自ら注 射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法 に設定されています。具体的には、 「直近1カ月に初診、 再診、往診又は訪問診療を実施した患者のうち、往診 又は訪問診療を実施した患者の割合が95%以上の医療 を実施した実績が過去1年間に2件以上、又は過去に 機関」では、通常の機能強化型在支診の施設基準(15 5件以上実施した経験のある常勤医師が配置され、オ ピオイド系鎮痛薬を投与した実績が過去1年間で10 件以上。 ・「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開 催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケア の基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修 了している常勤医師がいる。 頁参照)に加えて、次の基準を満たす必要があります。 また、これを満たすことができない場合は、在宅時 医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料を所定 点数(在支診以外の場合)の80%で算定しなければ なりません(ただし、2016年3月末時点で在支診と ・緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が10 件以上の医療機関で3カ月以上の勤務歴がある常勤医 師(在宅担当医に限る)がいる。 ・院内の見やすい場所等に、過去1年間の看取り実績及 して届け出ている場合は、2017年3月末までは基準 を満たしているものとみなす)。 【在宅患者が95%以上の診療所が在支診になる場合の主な施設基準】 び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示をするなど、 患者に対して必要な情報提供が行われている。 ・直近1年間に5つ以上の医療機関から、文書による紹 介を受けて訪問診療を開始した実績がある。 ・過去1年間の在宅における看取りの実績が20件以上、 又は15歳未満の超重症児及び準超重症児に対する在 宅医療の実績(3回以上の定期的な訪問診療を実施し、 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管 理料を算定している場合に限る)が10件以上。 ・直近1カ月の在宅時医学総合管理料又は施設入居時等 医学総合管理料の算定患者のうち、施設入居時等医 学総合管理料の患者割合が7割以下。 ・直近1カ月に在宅時医学総合管理料又は施設入居時等 医学総合管理料を算定した患者のうち、要介護3以上 又は別に厚生労働大臣が定める状態の患者(17頁の 在宅時医学総合管理料における重症患者と同じ)の 割合が5割以上。 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算 在宅療養実績加算 改 届 機能強化型ではないものの、在宅医療に十分な実績 を有している在支診・在支病を評価する観点から設定 されている加算です。加算の対象となる項目は、在宅 緩和ケア充実診療所・病院加算と同様です。 今回の改定では、実績に応じて点数が2区分され、 要件が緩和された在宅療養実績加算2が新設されてい ます(点数については、各項目の該当頁を参照)。 【主な施設基準】 届 在宅療養実績加算1 ・機能強化型以外の在支診・在支病で、過去1年間の緊 急往診実績が10件以上、かつ在宅看取り実績が4件 以上。 在宅療養実績加算2 ・機能強化型以外の在支診・在支病で、過去1年間の緊 急往診実績が4件以上、かつ在宅看取り実績が2件以上。 ・「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開 催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケア の基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修 了している常勤医師がいる。 在宅医療において実績に応じた評価を行う観点から、 機能強化型の在支診及び在支病のうち、緩和ケアや看 取り、緊急往診などに十分な実績を有する医療機関の 評価として新設された加算です。 加算の対象となるのは「往診料の緊急、夜間・休日、 深夜の各加算」「在宅患者訪問診療料の在宅ターミナ ルケア加算」「在宅時医学総合管理料・施設入居時等 医学総合管理料」 「在宅がん医療総合診療料」です(点 数については、各項目の該当頁を参照)。 16 在宅患者訪問診療料(1日につき) 同一建物居住者以外 同一建物居住者 改 加算2(500点)をさらに加算。 ・看取り加算 3,000点 死亡日に往診又は訪問診療を行い、在宅で患者を看 取った場合に加算。 ・死亡診断加算 200点 患家で死亡診断を行った場合に加算。ただし、看取 り加算を算定した場合は算定不可。 833点 203点 いわゆる訪問診療の点数です。これまで、「同一建 物居住者」の場合は、特定施設等入居者とそれ以外の 場合で点数が区分されていましたが、今回の改定によ り一本化されました。週3回を限度に算定できますが、 在宅時医学総合管理料(月1回) 次の定められた疾病等の患者は週4回以上の算定が可 能です。また、急性増悪などにより、一時的に頻回な 改 届 施設入居時等医学総合管理料(月1回) 改 訪問が必要な場合は、月1回に限り14日まで算定で きます。 届 いずれも在宅患者等に対する総合的医学管理を評価 した点数で、基本的な算定要件はどちらも同じです。 【週4回以上の算定が可能な疾病等】 対象は診療所、許可病床200床未満の病院、在宅 療養支援病院のみです。投薬は包括されていますが、 末期の悪性腫瘍/多発性硬化症/重症筋無力症/スモ ン/筋萎縮性側索硬化症/脊髄小脳変性症/ハンチン トン病/進行性筋ジストロフィー症/パーキンソン病 関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、 パーキンソン病〔ホーエン・ヤールの重症度分類がステー ジ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のもの に限る〕 )/多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリー ブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)/プリ オン病/亜急性硬化性全脳炎/ライソゾーム病/副腎 白質ジストロフィー/脊髄性筋萎縮症/球脊髄性筋萎 縮症/慢性炎症性脱髄性多発神経炎/後天性免疫不全 症候群/頸髄損傷/人工呼吸器を使用している状態 注射や検査は別に算定できます。主な施設基準として は、「在宅医療の連携調整担当者の配置」「在宅医療を 担当する常勤医師が勤務」などがあります。 今回の改定では評価体系が大きく見直されました。 主な変更点は、①重症患者への評価、②月1回の訪問 診療の場合の評価、③「同一建物居住者」の概念を「単 一建物診療患者」に変更し、当該建物の診療患者数(1 人、2∼9人、10人以上)によって点数を3区分、④ 処方せん交付の有無による区分を廃止し、処方せんを 交付しない場合は300点を加算する扱いに――など です。なお、①の重症患者とは次の患者です。 【在宅患者訪問診療料の加算】 ・乳幼児加算(3歳未満)、幼児加算(6歳未満) 400点 ・診療時間加算 100点 診療時間が1時間を超えた場合、30分又はその端数 を増すごとに加算。 ・在宅ターミナルケア加算 機能強化型の在支診・在支病(病床あり) 6,000点 機能強化型の在支診・在支病(病床なし) 5,000点 上記以外の在支診・在支病 4,000点 在支診・在支病以外 3,000点 在宅で死亡した患者(往診又は訪問診療を行った後、 24時間以内に在宅以外で死亡した患者を含む)の死 亡日及び死亡前14日以内の計15日間に2回以上の往 診又は訪問診療を実施した場合に加算。機能強化型 の在支診・在支病で別に定められた施設基準を満たし、 届け出ている場合は、在宅緩和ケア充実診療所・病 院加算(1,000点)を、機能強化型以外の在支診・ 在支病で別に定められた施設基準を満たし、届け出 ている場合は在宅療養実績加算1(750点)又は同 【在宅時医学総合管理料等における重症患者】 ①次に掲げる疾患に罹患している患者 末期の悪性腫瘍/スモン/難病法に規定する指定難 病/後天性免疫不全症候群/脊髄損傷/真皮を越え る褥瘡 ②次のいずれかを行っている状態の患者 在宅自己連続携行式腹膜灌流/在宅血液透析/在宅 酸素療法/在宅中心静脈栄養法/在宅成分栄養経管 栄養法/在宅自己導尿/在宅人工呼吸/植込型脳・ 脊髄刺激装置による疼痛管理/肺高血圧症であって、 プロスタグランジン I2製剤を投与/気管切開/気管カ ニューレを使用/ドレーンチューブ又は留置カテー テルを使用/人工肛門又は人工膀胱を設置 また、特定施設入居時等医学総合管理料は施設入居 時等医学総合管理料に名称変更され、対象施設が追加 17 されています。 【在宅時医学総合管理料・ 施設入居時等医学総合管理料の加算】 【施設入居時等医学総合管理料の対象患者】 ・養護老人ホーム、軽費老人ホーム(A 型に限る) 、特 別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き 高齢者向け住宅、認知症グループホームの入居者 ・短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護のサー ビスを受けている者 ・処方せんを交付しない場合の加算 300点 ・在宅移行早期加算 100点 退院後に在宅療養を始めた患者に対し、在宅時(施 設入居時等)医学総合管理料の算定開始から3カ月間 に限り月1回算定。退院後1年を経過すると算定不可 だが、再入院し退院した後は、再び退院後3カ月を限 度に算定可。 ・頻回訪問加算 在宅時医学総合管理料の点数一覧 病床 訪問回数 (月) 2回以上 機能強化 あり 1回 型の 在支診 ・ 2回以上 在支病※1 なし 患者の 状態 在支診・ 在支病以外 2回以上 診又は訪問診療を行った場合に1回限り加算。 10人以上 <頻回訪問加算の対象患者> 上記以外 4,600点 2,500点 1,300点 2,760点 1,500点 (1) 末期の悪性腫瘍の患者(在宅がん医療総合診療料 780点 を算定している患者を除く) 重症患者 5,000点 4,140点 2,640点 (2) ①であって、②又は③の状態である患者 上記以外 4,200点 2,300点 1,200点 2,520点 1,380点 720点 ①在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導 重症患者 4,600点 3,780点 2,400点 管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄 上記以外 3,800点 2,100点 1,100点 1回 2回以上 2∼9人 重症患者 5,400点 4,500点 2,880点 1回 上記以外の 在支診・ 在支病※2 下記の特別な管理が必要な重症患者に月4回以上の往 単一建物の診療患者数 1人 2,280点 1,260点 養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管 660点 重症患者 3,450点 2,835点 1,800点 理、在宅人工呼吸指導管理、在宅悪性腫瘍等患 上記以外 2,850点 1,575点 850点 1,710点 510点 者指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、在宅 1回 945点 肺高血圧症患者指導管理又は在宅気管切開患者 ※1 施設基準を満たし届け出た施設では在宅緩和ケア充実診療所・病 院加算(1人:400点、2∼9人:200点、10人以上:100点) が算定可。 ※2 施設基準を満たし届け出た施設では在宅療養実績加算1(1人: 300点、2∼9人:150点、10人以上:75点)又は在宅療養実 績加算2(1人:200点、2∼9人:100点、10人以上:50点) が算定可。 指導管理を受けている状態にある者 ②ドレーンチューブ又は留置カテーテルを使用し ている状態 ③人工肛門又は人工膀胱を設置している状態 (3) 在宅での療養を行っている患者であって、高度な 指導管理を必要とするもの 施設入居時等医学総合管理料の点数一覧 訪問回数 病床 (月) 2回以上 機能強化 あり 1回 型の 在支診 ・ 2回以上 在支病※1 なし 1回 上記以外の 在支診・ 在支病※2 在支診・ 在支病以外 2回以上 1回 2回以上 1回 600点 患者の 状態 単一建物の診療患者数 1人 2∼9人 10人以上 在宅がん医療総合診療料(1日につき) 改 重症患者 3,900点 3,240点 2,880点 上記以外 3,300点 1,800点 1,300点 1,980点 1,080点 780点 機能強化型の在支診・在支病(病床あり) 院外処方 1,800点|左記以外 2,000点 機能強化型の在支診・在支病(病床なし) 院外処方 1,650点|左記以外 1,850点 上記以外の在支診・在支病 院外処方 1,495点|左記以外 1,685点 重症患者 3,600点 2,970点 2,640点 上記以外 3,000点 1,650点 1,200点 1,800点 990点 720点 重症患者 3,300点 2,700点 2,400点 上記以外 2,700点 1,500点 1,100点 1,620点 900点 660点 重症患者 2,450点 2,025点 1,800点 上記以外 2,050点 1,125点 850点 1,230点 510点 675点 届 在支診又は在支病を対象にした点数で、在宅療養を 行っている末期の悪性腫瘍患者に対し、計画的な医学 ※1 施設基準を満たし届け出た施設では在宅緩和ケア充実診療所・病 院加算(1人:300点、2∼9人:150点、10人以上:75点) が算定可。 ※2 施設基準を満たし届け出た施設では在宅療養実績加算1(1人: 225点、2∼9人:110点、10人以上:56点)又は在宅療養実 績加算2(1人:150点、2∼9人:75点、10人以上:40点) が算定可。 管理の下に総合的な医療を提供した場合に算定します。 算定方法は、①訪問診療又は訪問看護を週4日以上 (同一日に訪問診療及び訪問看護を行った場合でも1 日とする) 、②訪問診療が週1回以上、③訪問看護が 18 週1回以上――のいずれの基準も満たした場合に、1 日以上の訪問看護・指導が可能な患者、②急性増悪等 週間(日曜日から土曜日の暦週)を単位として、当該 により、一時的に週4日以上の訪問看護・指導を行う 基準をすべて満たした日に算定します。 必要を認めた患者、③当該医療機関を退院後1カ月以 各種の診療費用は原則包括されており、別に算定で 内の患者、④緩和ケア又は褥瘡ケアの専門研修を受け きません。加算としては、患家において死亡診断を行っ た看護師が、他医療機関や訪問看護 ST の看護師等と た場合の死亡診断加算(200点)のほか、施設基準 共同で訪問看護・指導を行う場合――は除きます。 を満たし届け出た医療機関では、在宅緩和ケア充実診 在宅患者訪問看護・指導料の点数 療所・病院加算(150点)、在宅療養実績加算1(110 保健師・助産師・看護師 点) 、同加算2(75点)が設定されています。 准看護師 在宅患者訪問看護・指導料(1日につき) 改 同一建物居住者訪問看護・指導料(1日につき) 改 週3日目まで 580点 週4日目以降 680点 週3日目まで 530点 週4日目以降 630点 悪性腫瘍患者に対する緩和ケア又は 褥瘡ケアの専門研修を受けた看護師 1,285点 同一建物居住者訪問看護・指導料の点数 保健師・助産師・ 看護師 いずれも医師の指示に基づき、看護師等が訪問した 場合に週3日を限度に算定できますが、別に定められ た患者(17頁の「在宅患者訪問診療料が週4日以上 同一日2人 同一日3人以上 同一日2人 准看護師 算定可能な疾病等」及び10頁の退院後訪問指導料の 同一日3人以上 対象患者の(1)に該当する患者)には週4日以上の 悪性腫瘍患者に対する緩和ケア又は 褥瘡ケアの専門研修を受けた看護師 算定が可能です。また、急性増悪などにより、一時的 週3日目まで 580点 週4日目以降 680点 週3日目まで 293点 週4日目以降 343点 週3日目まで 530点 週4日目以降 630点 週3日目まで 268点 週4日目以降 318点 1,285点 に頻回な訪問が必要な場合は月1回(気管カニューレ 使用患者又は真皮を越える褥瘡患者については月2回) 【在宅患者(同一建物居住者)訪問看護・指導料の加算】 に限り、週7日(診療日から14日以内の期間に限る) ・難病等複数回訪問加算 450点、800点 週4日以上の訪問看護が可能な患者又は週7日を限度 に訪問看護が可能な患者に1日2回の訪問を行った 場合は450点、1日3回以上の訪問を行った場合は 800点を加算。 ・緊急訪問看護加算 265点 診療所又は在宅療養支援病院の医師の指示により、 緊急に訪問を行った場合に、1日につき加算。 ・長時間訪問看護・指導加算 520点 別に定められた長時間の訪問を要する患者(15歳未 満で超重症児〔者〕入院診療加算・準超重症児〔者〕 入院診療加算の対象患者、急性増悪等で一時的に頻 回の訪問看護が必要な患者など)に90分を超える訪 問看護を行った場合に、週1回(15歳未満の超重症 児又は準超重症児の場合は週3回)加算。 ・乳幼児加算・幼児加算 50点 3歳未満の乳幼児、3歳以上6歳未満の幼児に訪問看 護を行った場合に、それぞれ加算。 ・複数名訪問看護加算 430点、380点、300点 週4日以上の訪問看護が可能な患者など別に定められ た患者に対し、複数名による訪問看護を行った場合、 同行者が保健師、助産師、看護師の場合は430点を 週1回、同行者が准看護師の場合は380点を週1回、 同行者が看護補助者の場合は300点を週3回加算(同 まで算定できます。 ただし、「緩和ケア又は褥瘡ケアの専門研修を受け た看護師」の点数は評価体系が異なっています。対象 となるのは「悪性腫瘍の鎮痛療法もしくは化学療法を 行っている患者」又は「真皮を越える褥瘡の状態にあ る患者(在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合 は真皮までの状態) 」で、これらの患者に専門の研修 (別途規定)を受けた看護師を訪問させ、他医療機関 の看護師等や訪問看護ステーション(以下、訪問看護 ST)の看護師等と共同して、看護・指導を行った場 合に、月1回を限度に専門看護師が所属する医療機関 で算定します。この場合、各種加算は算定できません。 また、施設基準を満たし届出が必要です。 今回の改定では、評価の充実を図るため、点数が引 き上げられています。また、特別の関係にある訪問看 護 ST 又は訪問看護指示書を交付した訪問看護 ST 以 外でも、訪問看護 ST が訪問看護療養費を算定した月 は、算定できない扱いとされました。ただし、①週4 19 で算定できます。これまで「薬剤師1人につき1日5回 行者が看護補助者で週4日以上の訪問看護が必要な場 合は回数制限なし) 。 ・在宅患者(同一建物居住者)連携指導加算 300点 訪問診療を実施している医療機関を含め、歯科訪問 診療を行っている医療機関又は訪問薬剤管理指導を 行っている薬局と文書等による情報共有を行い、必 要な指導を行った場合に月1回加算(准看護師の場合 は対象外)。 ・在宅患者(同一建物居住者)緊急時等カンファレン ス加算 200点 患者の急変時等に、他の医療機関の医師の求めによ り、当該他の医療機関の医師、歯科医師、薬局薬剤師、 ケアマネージャー等と共同で患家に赴き、カンファ レンスに参加し、共同指導を行った場合に月2回加算 (准看護師の場合は対象外)。 ・在宅(同一建物居住者)ターミナルケア加算 2,000点 死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に2回以上 の訪問看護を実施し、ターミナルケアを行った場合 に加算。 ・在宅移行管理加算 250点、500点 一部の在宅療養指導管理料の算定患者など別に定め られた患者に訪問看護を行った場合に250点を、重 症度等の高い患者の場合は500点を1回加算。 ・夜間・早朝訪問看護加算 210点 夜間(18時∼22時)又は早朝(6時∼8時)に訪問 看護を行った場合に加算。 ・深夜訪問看護加算 420点 深夜(22時∼翌6時)に訪問看護を行った場合に加算。 在宅患者訪問点滴注射管理指導料 まで」という算定制限がありましたが、今回の改定で 「薬剤師1人につき週40回まで」に改められています。 なお、加算としては、麻薬管理指導加算(100点) があります。 その他の在宅患者診療・指導料 項目 点数 往診料 720点 緊急加算 病床あり 機能強化型の 在支診・在支病※1 夜間・休日加算 +1,700点 深夜加算 +2,700点 緊急加算 病床なし ※2 在支診・在支病 在支診・在支病以外 +1,500点 深夜加算 +2,500点 +1,300点 深夜加算 +2,300点 緊急加算 +325点 夜間・休日加算 診療時間加算(1時間超の場合30分ごと) +100点 +200点 救急搬送診療料 1,300点 新生児加算 +1,500点 +700点 長時間加算(診療時間30分超) 在宅患者訪問リハビリテーショ ン指導管理料 (週6単位まで、退院日から3カ 月以内は週12単位まで)※3 300点 (1単位につき ) 同一建物 居住者 255点 (1単位につき ) 300点 特別訪問看護指示加算※4 +100点 衛生材料等提供加算 +80点 介護職員等喀痰吸引等指示料(3カ月に1回) 在宅患者訪問栄養食事指導料 (月2回) +700点 同一建物 居住者以外 訪問看護指示料(月1回) 訪問看護を受けており、週3日以上の点滴注射が必 +650点 +1,300点 死亡診断加算 乳幼児(6歳未満)加算 100点(週1回) +650点 夜間・休日加算 深夜加算 改 +750点 夜間・休日加算 緊急加算 上記以外の +850点 240点 同一建物居住者以外 530点 同一建物居住者 450点 要な在宅患者に対し、医師が訪問を行う看護師等に対 在宅患者連携指導料(月1回) 900点 して、点滴注射に際し留意すべき事項等を記載した文 在宅患者緊急時等カンファレンス料(月2回) 200点 往診 在宅患者共同診療料 (1年以内、2回限り ) ※5 訪問診療 書を交付して、必要な管理指導を行った場合に算定で きます。今回の改定では点数が引き上げられています。 1,500点 同一建物居住者以外 同一建物居住者 在宅患者訪問褥瘡管理指導料 (6カ月以内、2回限り ) 在宅患者訪問薬剤管理指導料 1,000点 240点 750点 ※1 施設基準を満たし届け出た施設では在宅緩和ケア充実診療所・病 院加算(100点)をさらに加算できる。 ※2 施設基準を満たし届け出た施設では、在宅療養実績加算1(75点) 又は同加算2(50点)をさらに加算できる。 ※3 急性増悪等により一時的に頻回の訪問リハビリが必要な場合は、6 カ月に1回限り、診療日から14日以内の訪問リハビリについては 1日4単位に限り算定可。 ※4 気管カニューレ使用又は真皮を越える褥瘡の患者は月2回まで算定 できる。 ※5 15歳未満の人工呼吸器装着患者、15歳未満から引き続き人工呼 吸を実施しており体重が20キログラム未満の患者又は神経難病等 の患者を対象とする500床以上の病院(在宅療養後方支援病院に 限る)については、年12回まで算定できる。 改 同一建物居住者以外 650点(月4回) 同一建物居住者 300点(月4回) 医療機関の薬剤師が在宅患者を訪問し、薬剤管理指 導記録に基づいて服薬指導、服薬支援その他の薬学的 管理指導を行った場合に、月4回(末期の悪性腫瘍患 者及び中心静脈栄養法の患者は週2回かつ月8回)ま 20
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