日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 123 号) 1. ジェブ・ブッシュと

日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 123 号)
1. ジェブ・ブッシュとマルコ・ルビオの関係
2.アメリカは夏時間を通年で採用すべきか?
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 10 月 30 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
4. 編集後記 - ニューデリーの様子
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. ジェブ・ブッシュとマルコ・ルビオの関係
ワシントンポストによれば、先週行われた第 3 回目の共和党大統領候補討論会にてジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事とマルコ・ルビオフロリダ州選出上院議員の、本来
近い関係の二人の間で非難の応酬があったという。
ブッシュが、ルビオは上院議員 1 期目の半ばで果たすべき責任があることを指摘すると、ルビオは「私の選挙活動はアメリカの将来について語るためであり、この討論
会の壇上の誰かを攻撃するためではありません。」「私は今後もブッシュ知事に最高の賞賛と経緯を持ち続けます。」と語った。 いかにもブッシュは過去のヒトであり、
その適切な後継者は自分(ルビオ)である、というブッシュのセールスポイントまでも自らに取り込んだ締めで作戦勝ちとなった模様。
実際、討論会後の ABC ニュースの支持率調査の結果、ルビオは 14%に上昇したのに対し、ブッシュは 4%にまで落とした。
ワシントンポストに拠れば、両者の関係は 1998 年にフロリダ州知事就任直前であったブッシュが、当時 26 歳で西マイアミの市の委員に立候補したマルコ・ルビオに、50
ドルの献金をしたことに遡る。
州知事就任後、ブッシュは古参議員が再選制限で議会を去る 2000 年に新たなパートナーを物色した中で、同年フロリダ州議会議員となったルビオに白羽の矢を立て
た。
以来、ルビオはジェブの政策を州議会で提唱し、ブッシュは保守政治、特に小さい政府推進派に祭り上げていった。
両者の関係は緊密さを増し、2005 年にルビオが州下院議長となった際に州知事のブッシュは特別なギフトを送っている。
ジェブの父のジョージ H・ブッシュが北京勤務の際に仕入れた、「蒋介石とオーバーラップする保守の闘士 Chang」の話に所以のある剣である。
ジェブは二期務めた州知事を 2007 年に終えた後も、ルビオとの良好な関係は続き、ルビオが 2010 年に上院議員に立候補した際には自らに近いドナー(選挙資金支援
者)をルビオ陣営に紹介したりと、メンター兼友人関係が続いた。
スポンサー、師弟関係、パートナー、友人のそれぞれの要素を変化させながら今日対立する関係となったが、状況によって両者が組んで大統領・副大統領候補となるの
であろうか?
2. アメリカは夏時間を通年で採用すべきか?
米国ではハローウィーンで盛り上がった 10 月 31 日の土曜日の夜中、正確には 11 月 1 日(日)の午前 2 時に 1 時間時間が戻り標準時間となった。
ハローウィーンで夜更かしした人々も起床時間がいつも通りなら、いつもより 1 時間多い睡眠を楽しめる。
東部時間(ワシントン DC やニューヨーク)で日本との時差が 14 時間に広がったことになる。
そのワシントン DC ではハローウィーンの日の日の出が午前 7 時 34 分、日の入りが午後 6 時 9 分であったものが、翌日は午前 6 時 35 分と午後 5 時 8 分となった。
この時間変更のたびに、標準時間を止め、夏時間を通年採用すべきとの議論が起こるという。
賛成派の多くは帰宅の時間帯が明るい方を望み、反対派の多くは朝の通勤・通学時間帯が明るい方を好んでいる様である。
ワシントン DC にある著名なシンクタンクのブルッキングス研究所の最新調査によれば、夏時間を通年採用することで夕刻に生じる犯罪を減らす効果があり、結果として
アメリカに数千億円分もの効用をもたらすとのこと。
夏時間通年採用反対派は子供たちが通学バスを待つ時間帯が暗いのは危険であると主張するが、同調査ではこの朝の時間帯に犯罪者はそれほどアクティブではな
いことが判明しているようである。
中には夏時間と標準時間の間を取って 30 分ずらし、その時間を通年使うことを主張する向きもあるという。
日本では省エネの意味での夏時間採用の議論はあったが、防犯効果はどこまで意識されているであろうか。
ちなみに、東京の 5 日の日の出日の入りは午前 6 時 6 分、午後 4 時 42 分でした。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 10 月 30 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 基準金利引き下げ
中国人民銀行は、貸し出しや預金の基準金利などを引き下げる追加的な金融緩和策を発表した。
欧州中央銀行(ECB)が新興国の景気減速などに対応した追加緩和を示唆、日本の追加緩和も予想される中での措置であり、世界経済全体の先行きにも不透明感が
増している。
 「中国の夢」実現のための五カ年計画
中国共産党の第18期中央委員会第5回総会(5中総会)が、北京で開幕した。
今回は、国民経済の中期目標などを定める第13次5カ年計画(2016年~2020年)の基本方針を討議された。
そして、習近平総書記(国家主席)がスローガンに掲げる「中国の夢」の実現に向けた発展維持の方策が示され、また、習総書記が主導する反腐敗運動を継続していく
方針を確認された。
(2)韓国
 月 30 万円前後の初任給水準
韓国経営者総協会は、「今年の四大卒新入社員の初任給が月290万ウォンを超えた。」ことを示唆するデータを発表した。
これは同協会がアンケート調査をしたものであり、9月1カ月間、従業員100人以上の大企業・中小企業414社を対象にした結果である。
このデータを見る限りでは、対象企業の大卒初任給水準は日本円では30万円前後となり、比較的、韓国の大卒初任給水準は高いと見る必要があろう。
 三星SDI、中国に EV 用バッテリー工場立ち上げ
韓国主要企業の一つである三星SDIは、中国本土・陝西省・西安市に新設した電気自動車(EV)用バッテリー工場の完成式を行い、中国本土市場の本格的なビジネス
を開始することとなった。
中国では現在、政策支援効果でEVの普及が急速に進んでおり、今後の発展が期待される。
尚、この新工場は2億米ドルを投資して、西安市のハイテク産業集約地である高新技術産業開発区に完成したものである。
[主要経済指標]
1.
対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/
1,136.98(前週対比-3.48)
台湾:1米ドル/32.45ニュー台湾ドル(前週対比-0.06)
日本:1米ドル/
120.78(前週対比-0.92)
中国本土:1米ドル/6.3204人民元(前週対比+0.0373)
2.
株式動向
韓国(ソウル総合指数):2,029.47(前週対比+6.47)
台湾(台北加権指数):8,554.31(前週対比-54.15)
日本(日経平均指数):19,083.10(前週対比+647.23)
中国本土(上海B):3,382.561(前週対比+13.822)
4.編集後記 - ニューデリーの様子
先週、インドの首都ニューデリーを訪れる機会がありました。
夏の暑さを想定して臨みましたが朝夕は冷え込み、日中は日本の秋のようなとても過ごしやすい天気でした。
丁度、インドーアフリカサミット開催の週で、日本同様常任理事国入りを狙うインド政府によるアフリカ代表団の歓迎ぶりがメディアで紹介されていました。
ただ、その分、交通渋滞が激しく、産気づいた妊婦が車中で出産するなどの報道もありました。
先週の金曜日は結婚している女性が午後 4 時から月の出(9 時くらい)まで夫の長寿を祈念して断食するという伝統的な日だったようです。
その逆をする日はあるのか取引先のインド人の男性に尋ねると、「無い」とのことでしたが、彼は我々との金曜日のランチをスキップし、妻の断食に付き合ってました。
そのインド人やその他、数人のインド人にモディ首相の評判を尋ねましたが、彼らは総じて主将のリーダーシップを讃え、特にラジオなどを駆使して国民に直接プラン、
進捗、結果の報告をする透明性に優れると語っていました。
一方、地元日系企業に出向中の方々は総じて、「期待していたほどの変革のスピード感がない」と厳しい評価でした。
そんな中、自動車メーカーのマルチ・スズキとそのベンダーを訪れる機会もありました。
車市場の約 5 割を握るマルチ・スズキは「神様」であるとその威光を表現するインド人もいました。
同社はインド政府との合弁ですが、次に設置する新工場は 100%スズキ独資になるそうです。
地元の中小企業の経営者(インド人)が言ってましたが、自動車産業と電気産業で活気をもたらしてくれる日韓、アパレル、IT、サービス業で生活に入り込む欧米、そして
異次元の安さで様々な消費市場を席巻する中国という捉え方のようです。
一例として、これから始まるインドのお祭りでクリスマスデコレーションの様な点滅ライトを各世帯大量に調達するそうですが、中国製は 1 シーズンで切れる品質ながら、
破格の安さのため、インド世帯は毎年中国製の超安値点滅ライトを大量に購入し廃棄するということを繰り返しているようです。 これも逆転の発想というのでしょうか?
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 122 号)
1. 同性婚支持者急増の謎解明へのアプローチ ― マジョリティの勘違い現象
2.米国で久々に登場したカナダの話題 ―複雑な隣人感情
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 10 月 10 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
4. 編集後記 - 元宇宙飛行士山崎直子さん
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 同性婚支持者急増の謎解明へのアプローチ ― マジョリティの勘違い現象
アメリカでの世論調査に伴う同性婚支持と不支持の割合はワシントンポストによれば 2011 年に支持が不支持を上回り以降今日、57%が支持、39%が不支持となってい
る。
2000 年代半ばまでは夫々が上下し、世論の逡巡の様子が見て取れるが、その後は支持が急速に増大しマジョリティとなった。
この急速な世論形成に関し、ネットワーク研究者のクリスティーナ・ラーマン女史は「マジョリティの勘違い現象」が働いているのではとの仮説を立てている。
これはフェイスブックやツイッターなど情報発信力があり、人望のある人間(仮にハブ&スポークのハブと呼ぶ)を「友達」に持つ場合、その人間に繋がる他の多くの人間
(スポーク)一人一人が有する数少ない「友達」の中でハブは何度も「友達」とカウントされ、存在が大きくなることに伴う現象。
このハブの人間の意見と異なる意見をスポークのヒトが持っていたとして、そしてそのスポークの意見が絶対数的には実はマジョリティであったとしても、そのスポークの
人間からしてハブの人間のネットワークの広さから、ある問題に関する意見の想定マジョリティはハブの意見であると思いこむのがこの「マジョリティの勘違い現象」とい
える。
頻繁に世論調査が行われる大統領選予想ならともかく、めったに世論調査が行われない社会問題で相対する意見の支持率が世間に知れ渡っているケースの方が少
ないといえる。
同性婚問題については、近年になってカミングアウトする人々が急激に増えたことや SNS の発達から世間の人々が同性愛者を身近に感じ、自らは同性婚を支持してい
なかったにもかかわらず、それが世の中のマジョリティであると察し、支持に切り替わっていったというのがラーマン女史の分析のようである。
「アラブの春」もメディアがハブの役割を果たし、必ずしも多数派ではなかった若者のデモ・暴動を他の人々にとっての「マジョリティの勘違い」に高めたというのが彼女の
分析である。
「予定調和」や「察する」ことに長ける我々の社会ではあるが、保守的バリアを超えるほどの「マジョリティの勘違い現象」が同性婚などのテーマで生じるのであろうか。
2. 米国で久々に登場したカナダの話題 ―複雑な隣人感情
共和党大統領候補選を早々に諦めたウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は、そのキャンペーン期間中に「カナダとの 5,540 マイルもの国境沿いに壁を設ける可
能性」に言及している。
先月末に行われたブルームバーグの政治世論調査では 41%のアメリカ人回答者がそれに賛成したことがわかり、これがカナダ国内を揺るがしている。
ワシントンポストによれば、カナダのメディアのコラムニストたちは「上等だ。アメリカが作らなくてもカナダ側で作るべきだ。」といった声が出ているという。
「ドナルド・トランプが大統領にでもなった暁にはショックを受けた数百万ものアメリカの民主党員が政治難民の洪水としてアメリカからカナダに流れ込もうとするのを食
い止める必要がある。」と。
また別のカナダのメディアの社説は「明王朝でも、ゲームオブスローンズ(HBO の人気テレビドラマシリーズ)でも壁は役に立っている。国境沿いに壁を作るべき。高けれ
ば高いほどいい。」と語る。
壁の建設は停滞するカナダ経済への刺激ともなり、五大湖やロッキー山脈の中間にバリアを設けるべく、新たな技術革新が生まれると、その効用をまじめに語る。
また、読者もアメリカの銃問題や悪習がカナダに入ることを防ぐメリットを語るものが多い。
とはいえ、米国がカナダのことを覚えていて言及したこと自身がカナダにとって久々のニュースという複雑な隣人感情も伺える。
あるカナダ人の投稿は「むしろ、41%ものアメリカ人が、米国がカナダと国境を接していると知っていたことを喜ぶべき」と語る。
ドナルド・トランプに悪者にされるメキシコ同様、この選挙シーズンの米国の唯我独尊ぶりに振り回される隣人といえる。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 10 月 10 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 人口 2025 年に 14 億 1 千万人をピークに減少へ
世界一の人口大国である中国の政府系シンクタンクである中国社会科学院の人口労働経済研究所は、「中国本土の人口が2025年に14億1千万人に達するのをピー
クに減少に転じる。
そして、中国本土の人口が2050年には13億人に減少し、2014年末の13億7千万人を下回ると予測される。」とコメントしている。
尚、こうしたデータは、今月に開かれる共産党の重要会議である第18期中央委員会第5回総会(5中総会)で国民経済の中期目標などを定める第13次5カ年計画(20
16~2020年)を議論する際の基本データとして、上層部に提出されており、今後の中国本土の経済政策にも反映されるものとなる。
 人民元の国際決済で日本円を抜く
国際金融機関間の通信網を運営する国際銀行間通信協会(通称、SWIFT)は、「本年8月の国際資金決済市場で人民元による取引の割合が2.79%となり、日本円の
2.76%を上回った。」と発表している。
人民元は日本円を抜き、米ドル(44.8%)、ユーロ(27.2%)、英ポンド(8.5%)に次ぐ世界第4位の通貨に単月ベースとは言え浮上したことになる。
人民元による取引の割合は本年7月の2.34%から急激に高まったが、これについて、SWIFT 関係者は、8月に人民元が切り下げられたことに触れ、中国本土市場の
変動リスクに対する懸念から人民元建て決済が増え、順位を押し上げたのではないかとの見方を示しており、取り敢えずは、「瞬間的増加」と見られる。
しかしながら、中国本土がこうしたことを背景に、「人民元をSDRの構成通貨に入れ、基軸通貨の一つとして国際金融社会に於いて認知せよ。」との攻勢を強めてくるも
のと予想される。
(2)韓国
 北朝鮮 ICBM 発射の正当性主張
北朝鮮の李スヨン外相は、国連本部で一般討論演説を行い、「平和目的の宇宙開発は主権国家の正当な権利であり、衛星打ち上げを問題視する不当な行為に強く対
処し、尊厳を守る決意を持っている。」などと発言し、事実上の長距離弾道ミサイルの発射を示唆した。
 中国人爆買い観光客にスマート消費者登場
韓国国内では、中国人の「爆買い」消費に期待する向きが多い。
しかし、人民元安が続いている上に、外貨準備高の減少も見られる中、中国政府は人民の外貨持ち出しに制限を加える姿勢を強
めつつあり、「爆買い」と言う様相にも変化が出るのではないかとの懸念も出てきている。
こうした中、中国本土の国慶節連休(10月1日~7日)に韓国を訪れる中国人観光客は、以前とは異なり、賢い消費を行う20~30
代の「スマート=賢い=観光客」が中心となりつつあると見られている。
即ち、インターネットを活用して得た最新情報で周到に準備し、買い物リストを作成してくる客層が代表的となっていると朝鮮日報は
報道している。
 LG化学、ヤマハ向けリチウムイオン電池供給へ
韓国有数企業の一つであるLG化学は、韓国企業として初めてヤマハ発動機にゴルフカート用のリチウムイオン電池を供給すると発表している。
ゴルフカートはヤマハが初めて発売するリチウムイオン電池専用モデルで、LG化学は今年末から来年にかけて電池を供給することとなっている。
 今年の GDP 成長率 2.8%前後
中央銀行である韓国銀行の李柱烈総裁は、「今年の韓国の国内総生産(GDP)成長率は、韓国銀行の見通しの通り、2.8%を大き
く外れることはない。」との見方を示している。
即ち、安定成長を記録するとの見通しを示している点、留意しておきたい。
こうした一方で、政府系シンクタンクである韓国開発研究院(KDI)は「経済動向10月号」で、韓国経済について、「輸出不振が続いているものの内需は緩やかに回復し
ている。
また、輸出不振が続いていることで鉱工業の生産と出荷が改善せず、景気回復の障害となっている。」と分析している点も付記しておきたい。
[主要経済指標]
1.
対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/
1,141.56(前週対比+37.25)
台湾:1米ドル/32.23ニュー台湾ドル(前週対比+0.62)
日本:1米ドル/
120.22(前週対比+0.08)
中国本土:1米ドル/6.3450人民元(前週対比+0.0109)
2.
株式動向
韓国(ソウル総合指数):2,019.53(前週対比+49.85)
台湾(台北加権指数):8,445.96(前週対比+140.93)
日本(日経平均指数):18,438.67(前週対比+713.54)
中国本土(上海B):3,813.152(前週対比+760.371)
4.編集後記 - 元宇宙飛行士山崎直子さん
10 月 1 日に都内で行われた US-Japan Council (USJC)の会合でのゲストスピーカーとして宇宙飛行士で 2010 年にスペースシャトルディスカバリーで国際宇宙ステーシ
ョンに到達し、ロボットアームを操作して様々な活動を行われた山崎直子さんがご自身の日米関係の経験を中心に宇宙飛行士を目指された来歴を披露されました。
山崎さんが語られた今の宇宙プロジェクトの状況の中のポイントをご参考まで下記します。
 月には 3 日、火星には 6 か月で到達できる。
 2011 年までに 35 か国で 550 人の宇宙飛行士が宇宙を経験している。55 年を経ているので年間平均 10 人が宇宙を経験している。
 スペースツーリズムについては FAA(米連邦航空局)はすでに 10 か所のスペースポートを承認済み。自分(山崎女史)の夢として日本にスペースポートを設け宇宙を
身近に感じてほしい。自分の働きかけで沖縄の下地島に第一号のスペースポートを設けようとしたが沖縄県の承認は得られなかった。北海道の大樹町に 1,000m
の滑走路があるのでこれを拡張してスペースポート化すべく準備中。
 昔夢物語であったスペースエレベーター構想(地上と宇宙空間をエレベーターで繋ぐ)も昨今の素材技術で軽くて強いものが出てきているので可能性が出てきた。
 火星に水があった可能性が高く、ますます火星が身近になる。 オランダのベンチャー企業は火星移住計画を立上げ、世界中から希望者が応募してきている。
 自分(山崎女史)は交換留学生でメリーランド大学に学び、宇宙飛行士への道を歩めたが、日本はまだ宇宙人材開発が他国に比べ遅れている。 宇宙はもとより地
上でも世界との人間交流をもっと深めるべき。
英語のうまさもさることながら、相手に向かって積極的に話しかけ、情熱を注ぐトークスタイルがとても印象的でした。
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 121 号)
1. 米国への移民最新状況
2.サバイバル年金制度トンチン年金法
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 10 月 5 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
4. 編集後記 - アメリカ・カナダ大学連合の日本財団奨学金授賞式
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 米国への移民最新状況
世界中の移民動向を調査・報告する Migration Information Source が伝える米国の 2013 年の合法的移民(グリーンカード受領者)の概要は下記の通り。
 2013 年にグリーンカードを新たに受領した外国人は 990,553 人で 2012 年に比べ 4%減少。
 そのうちの 46%が新たにアメリカに入国した移民で、残りは既にアメリカに居住していたものの期限付き居住許可であったもの。





グリーンカードの取得の4つのパターンごとの内訳は下記の通り。
既に米国に永住を許されている移民者の直系の親族が移民者に合流するもの(66%)
H-1B ビザで限定的に就業中の留学生卒業者が米国内の雇用者をスポンサーとしてビザステータスをグリーンカードに切り替えるもの(16%)
難民や亡命者(12%)
移民出身国に多様性をもたせるための抽選に当たったグリーンカード申請者(55,000 人の固定当選枠、内ニカラグアなど中米出身者に 5 千人分優先的に割り当てられ
る)。
この多様性を担保するために、ある出身国の当選者の割合が 7%を超えないこと、抽選の時点で米国への移民数が多い国の出身者は申請できない(例えば来年の抽
選で除外される対象国はバングラデシュ、ブラジル、カナダ、中国(香港、マカオ、台湾は除く)、コロンビア、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、配置、インド、
ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、フィリピン、韓国、英国(北アイルランドは除く)及びベトナムとなる。)
 2014 年の上記の抽選の申請者は 940 万人で、5 万人の枠は 0.5%の当選確率となる。家族一緒にとなるとさらに確率は下がる。2014 年はウズベキスタンやイランからの移
民申請者が急増している。
 2013 年の新規グリーンカード受領者の出身国トップ 10 はメキシコ、中国、インド、フィリピン、ドミニカ共和国、キューバ、ベトナム、韓国、コロンビアそしてハイチとなっている。
この 10 か国で全体の半分を占めている。
 その 2013 年の新規グリーンカード受領者の出身国の居住先トップ 5 はカリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州、テキサス州、ニュージャージー州となっている。
単に移民を歓迎するだけでなく、その多様性維持に腐心しているところがアメリカの多様性国家経営のノウハウと言えようか。
2. サバイバル年金制度トンチン年金法
元々欧州で考え出されたトンチン年金法とは、その年金ファンドに出資したリターンとして定期的に受ける年金額が、そのファンドの他の出資者が死去するとその分取り
分がふえていく仕組みである。
ソーシャルセキュリティ(公的年金)や 401(k)などのない 100 年以上前のアメリカでこの年金法が主流であり、1905 年頃には全米の世帯数が18 百万世帯しかなかったの
にこのトンチン年金証券の発行数は9百万を超えていたという。
ところがそこから時を経ずして生じた一連のスキャンダルにより同年金法はアメリカでは違法となり、またそのイメージも“貪欲”や“不正取引”の同義語となって今日まで
続いている。
ところが、ワシントンポストによれば現在エコノミストや弁護士の中でこのトンチン年金法の復活を喧伝する向きがいるという。
学術分野にすら「現代版トンチンは 21 世紀の退職後の問題を和らげる救いの手」と称するものが出ている。
トロントのヨーク大学の財政学のモシェ・ミレヴィスキー准教授は「トンチンは退職用市場の iPhone となり得る」と語る。
確定年金を買うという行為はアメリカでは不人気であるという。
合理的なアメリカ人が非合理なほど確定年金を嫌う理由として、「自分の寿命を賭けるというギャンプルが嫌なため」とみる行動経済学者もいる。元を取る前に死んでし
まうことが嫌だというわけである。
一方、過去、非合理なほどトンチンに人気があった背景は彼に言わせれば逆に「他人の寿命に賭けるギャンプルに惹かれた」というわけである。
トンチンは極端に言えば、仲介業者のいない年金や長寿保険ともいえ、その分、管理コストが減り、多くを出資者にリターンできる。
確定年金は年金として定額を支払い続けるための調整作業や準備引当金などにお金がかかるのに対し、トンチンは確定にする必要がないためその調整作業や準備引
当が不要であり、経年で当初想定より多くの方が亡くなれば年金が多少増え、亡くならなければ多少減るという変動のみである。
ギャンブル性やいかがわしさと相まってトンチンが違法化され、絶滅したかに見えたトンチンだが、実はその遺伝子は現在も様々な年金商品に組み込まれている。
即ち寿命の変化に応じて年金支給額を変化させるタイプの商品である。
退職者の選択肢の一つとして改めてトンチンを加えるべきとの声が強まりそうである。
人口が増え続けているアメリカでもソーシャルセキュリティ基金は不足気味であり、個人が様々な形で“自衛”していく必要がある。
マイナンバーの始まる日本の年金も人口減少と共に先行きが厳しくなる中で個人の自衛オプションが増えてくるであろうが、他人の寿命の短さでボーナスを得ることはな
かなか抵抗があるであろうと察する。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 10 月 5 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 製造業購買担当者指数(PMI)9 月実績 49.8
中国本土政府・国家統計局が発表した本年9月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49・8となり、景気判断の分かれ目である50を2カ月連続で割り込んでいる。
前月を0・1ポイント上回ってはいるが、製造業の景気減速傾向が明らかで、実体経済の低迷がこうしたデータからも裏打ちされている。
詳細を見ると、規模別のPMIでは、国有企業が中心となっている大企業部門のPMIは51.1となり50を上回っているものの、輸出低迷などの直撃を受けた結果、中規
模企業は48.5、小規模企業は46.8と、いずれも前月対比で1.3ポイントも低下しており、資金繰りの悪化が顕在化するなどの状況となっていると見られている。
(2)台湾を訪れる本土観光客の増加
台湾紙である経済日報は、「本年10月の大型連休に台湾を訪れる中国本土観光客は前年対比10%増となると予想される。」
と報道している。
また、台湾観光当局によると、大型連休中に台湾を訪れる中国本土客は1日平均約9,000人~9,400人となり、台湾にもたらす経済効果は約5億台湾ドルに達する
とみられている。
(3)韓国
 自動車部品メーカー現代モービス業績世界 4 位にランクアップ
自動車産業専門の調査会社であるフォーインが発表した「世界自動車調査月報」によると、韓国の自動車部品大手メーカーである現代モービスが世界で業界4位となっ
ている。
現代モービスは昨年の売上高が333億5,900万米ドルとなっており、ボッシュ(ドイツ・422億米ドル)、デンソー(日本・385億米ドル)、マグナ(カナダ・335億米ドル)
に次ぐ4位となり、またこれは、前年の5位よりも順位を1つ上げたこととなる。
尚、現代モービスの昨年の売上高は前年対比9.9%増え、世界上位5社の中では最も高い伸びを示しており、注目されている。
 中国市場不振の影響を受ける韓国自動車業界
現代自動車、起亜自動車、韓国GM、双龍自動車、ルノー三星自動車の韓国完成車メーカー5社による9月の国内・海外販売台数
は計71万137台となり、前年同月対比1.8%増加したと報告されている。
国内販売は12万8,067台で前年同月対比15.7%増加したが、海外販売は中国本土市場での不振が大きく影響して
58万6,659台となり、同0.8%減となっている。
[主要経済指標]
1. 対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/ 1,178.81(前週対比+10.94)
台湾:1米ドル/32.85ニュー台湾ドル(前週対比+0.15)
日本:1米ドル/ 120.30(前週対比+0.50)
中国本土:1米ドル/6.3559人民元(前週対比+0.0178)
2. 株式動向
韓国(ソウル総合指数):1,969.68(前週対比+26.83)
台湾(台北加権指数):8,305.03(前週対比+172.68)
日本(日経平均指数):17,725.13(前週対比-155.38)
中国本土(上海B):3,052.781(前週対比-39.5666)
4.編集後記 - アメリカ・カナダ大学連合の日本財団奨学金授賞式
先週、日本財団本部で行われたアメリカ・カナダ大学連合(IUC: スタンフォード大学の日本研究所を核に北米の大学で日本研究を行う学生に高度な日本語を教え、以
て日本の文化・芸術・歴史の研究を深めさせる組織。在横浜。)の新入学生向け奨学金授与式に参加しました。
挨拶に立たれた笹川陽平会長によれば、日本財団ではこれまで世界 43 か国の 69 大学の修士、博士課程の学生計 1 万 3 千人超に奨学金を授与され、また世界の視
聴覚障害の学生への支援を行われてきたそうです。
また、「海洋問題」にも焦点を当てられ海の知識を持った学生、研究員を支援する形で養成中だそうです。
さらにはアフリカの農業支援やアジアの山岳地帯の貧しい子供たちのための小学校建設など世界中で「教育」支援を行われています。
一方、日本の情報発信の為に、日本を紹介する英文書籍を 100 冊、世界の 800 もの研究機関に寄贈してこられました。
ただ、残念なのは日本人自身が英語で日本の紹介をしている本はその 100 冊中 3 冊しかなく、残りの約半分は日本人が著した本を外国人が英訳したもの、残り半分が
外国人自身が日本について著した本だそうです。
今年、IUC 奨学生の対象者数を倍増させたのもそういった日本の情報発信への期待と日本と北米の若者のネットワーキングを期待してとのこととご説明がありました。
式典の最後に学生自身が日本語で IUC での学習目的(日本語を学んで何をするか)を簡潔に自己紹介しました。
到底すべてはメモしきれませんでしたが、幾つかをご披露します。
「日本の明治、大正期における庭園や公園のデザインにおける自然の位置づけ」「近代史におけるアイヌの研究」「幕末における異文化がもたらした影響」「戦国時代に
おける男色の状況」「「古事記」、本居宣長の国学などを通じた「もののあわれ」について」「平安時代の女性文学」「日本美術史と絵巻物について」「日本プロレタリア文学」
「日本のメディアの韓国に対する報道」「文化人類学:近代産業と田舎に与える TPP の影響」「1960 年代の建築史」「日本語とテロップの使い方」「日本のホラーSF につい
て」「ポップカルチャーにおける日本のファンの使うメディアについて」「日本の会社法について」などなど平安時代から近世まで、芸術文化からポップカルチャー、メディア、
ビジネスに至るまで様々な分野で日本に興味を持ってもらっているところが驚きでした。
いくら自己紹介の練習をしていたとはいえ入学の段階で十二分に日本語能力を持っているので末恐ろしい学生たちでした。
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 120 号)
1. アメリカ人の学生はどの外国語を勉強すべきか?
2.身長が伸びた(?)ヒラリー・クリントン候補
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 9 月 24 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
4. 経営支援 NPO クラブからのお知らせ 「再生エネルギーフォーラム・土湯温泉 2015」
5. 編集後記 - 近代中小企業に記事掲載
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. アメリカ人の学生はどの外国語を勉強すべきか?
現代言語協会(Modern Language Association)によると外国語を学習するアメリカ人学生の数は 2009 年に比べ 2013 年で約 10 万人減少したという。
現在の言語人口を見ると中国語を母国語とする人口は 13 億 9 千万人でトップ、次いでヒンドゥとウルドゥが 5 億 8 千 8 百万人、そして英語が第三位で 5 億 2 千 7 百万
人、アラビア語 4 億 6 千 7 百万人、スペイン語 3 億 8 千 9 百万人と続く。
一方、今後の経済力の潜在性を 2050 年頃の将来を見ると、ヒンドゥ、ベンガル、ウルドゥのインド圏、インドネシア語圏、スペイン語圏、ポルトガル語圏、アラビア語圏が
注目される。
ドイツの語学専門家のウルリッヒ・アモンが 15 年かけて研究してきた母国語人口と学習されている外国語の調査報告に基づく「学習して役に立つ言語トップ 3」は中国語、
スペイン語、フランス語となっている。
中国語は科学分野で使用頻度が低く、読み書きが困難で、母国語人口が特定地域に集中するが、世界中で学習はされているという。
スペイン語は母国語人口は中国語より少ないものの、世界中で第二外国語として学ばれている。
フランス語はアフリカが将来政治・経済両面で活発化することを想定すると有用性が大幅に増大する。
実際、投資銀行の Natixis は昨年の調査で、フランス語が 2050 年までに世界で最も話されている言語となると予想している。
一方、ユネスコが作るハブ言語という観点は言語間の文化影響力(求心力)をとらえている。(例えば何語の書籍を最も母国語に翻訳しているかなど)
この点で英語が最も文化影響力を持っているが、経済規模や人口動態と必ずしも比例せず、フランス語、イタリア語、ドイツ語、オランダ語、ロシア語もハブ言語としての
影響力を保っている。
ところがドイツ語とロシア語はツイッターの使用言語トップ 15 にも入っておらず、書籍はともかく、SNS での影響度では下降している。
以上ワシントンポストは「アメリカの学生が学ぶべき外国語は自らの学習目的を明らかにしてから選択すべき」としているが、残念ながら日本語への言及は一切なかっ
た。
ハブ言語としては日本語は英語のハブ圏に位置づけられている。
2. 身長が伸びた(?)ヒラリー・クリントン候補
大統領候補の背の高さと選挙結果の関係を注目しているワシントンポストの記者が 2008 年のヒラリー・クリントン候補の身長(5 フィート 5 インチ:約 165cm)と現在の身
長(5 フィート 7 インチ:約 170cm)の違いに気づき記事にしている。
前者は 2008 年のヒラリー陣営が公表している数値で、後者はワシントンポスト含めメディアが現在使っている数値である。
後者の根拠はインターネットを通じた検索にある様で、グーグル検索でヒラリーの身長を検索すると 5 フィート 7 インチと出てくるという。
グーグルはその情報ソースを明かさないが、大多数の認識・知覚を提供しているとすれば今や後者が「正しい認識」ともいえる。
現在のクリントン陣営は彼女の身長を公表していない。
有権者は選挙の候補者が二人並んで立っているところを見た場合に、背の高い方に投票する傾向が強いとのデータがあるという。
1948 年以降のテレビ時代の大統領選において、この身長の法則は 69%の確率で当たっているという。
例外には 2000 年に最高裁のフロリダ州投票に関する判断でジョージ・W・ブッシュ(低い)がアル・ゴア(高い)を破り、同じくブッシュがケリー現国務長官(長身)を破り、前
回オバマ大統領がミット・ロムニー候補(オバマ大統領より 1 インチ高い)を破ったことが挙げられる。
ヒラリーの身長が 5 フィート 7 インチであるとしても、民主党内の他候補はいずれも 6 フィート以上で、バイデン副大統領が参戦しても彼も 6 フィート越え。民主党を制して
も、共和党はカーリー・フィオリーナ(5 フィート 6 インチ)とリンゼー・グラハム(5 フィート 7 インチ)以外は全員彼女よりも高い。
男性同士の身長の“見栄え”は女性には適用されない(有権者は別のところを注目する)であろうが、8 年前に比べ、高齢化で身長が縮んでいる可能性はあり、過去の自
分との比較は避けたいところであろう。
尚、ジェブ・ブッシュとドナルド・トランプは共に 6 フィート 3 インチと言われているが、前回のディベートで見る限りブッシュの方が明らかに高く見えたとのことで、トランプが
げたを履いたのかもしれない。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 9 月 24 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 製造業購買担当者指数(PMI)9 月速報値47.0
中国の製造業の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)の9月速報値は、前月から0・3ポイント悪化して47・0となった。リーマン・ショック後の2009年3月以来、
6年半ぶりの低水準となっている。
9月は輸出や新規注文、雇用などの主要な指標がことごとく、前月より悪化する傾向を示しており、8月の人民元レート切り下げによっても、輸出を押し上げる効果が今
のところ、限定的となっていることが確認されたと言えよう。
尚、市場では、製造業の低迷が続いていることで、中国の本年7~9月期の国内総生産(GDP)成長率が年間目標の7・0%を下回るとの見方が強まっている。
(2)ネパール情勢について
ネパールで新憲法が承認された。しかし、この新憲法をめぐり、同国南部の少数派住民が少数民族に不利益があるとして反発、隣国インドとの国境で物流が滞るなどの
混乱状態となっていると報道されている。
ネパールの幹線物流ルートの一つであるインドルートの混迷はネパール経済には大きな痛手となる。
こうした情勢を受けて、ネパールのコイララ首相はこの事態に対する対応の為に、予定していた国連総会出席を中止するという事態となっている
(3)韓国
 北朝鮮の ICBM 能力
韓国の聯合ニュースによると、「韓国の金章洙駐中国大使は、北朝鮮が増築を進めている東倉里発射場の工事は仕上げ段階とし、完成すれば米東海岸まで届く射程1
万5,000キロの大陸間弾道弾が撃てるようになるとの認識を示した。」と報道している。
そして、こうした動きは、北朝鮮の日米韓に対する牽制とともに、最近では中国に対する牽制とも言えよう。
 高まる財閥批判
朝鮮日報は、「韓国の30大グループが全国で所有する土地の面積が、過去10年間にソウル・汝矣島(国会議事堂所在地、ソウル中心部)の34倍にまで達したことが
分かった。
また、同じ期間に30大グループが所有する土地の価格は115兆ウォン上昇した。」
と報道した上で、財閥は税制優遇などを受けているにも拘わらず、土地投機に動いているのではないかとの財閥批判的なコメントをしている。
4.経営支援 NPO クラブからのお知らせ 「再生エネルギーフォーラム・土湯温泉 2015」
中小企業に対する経営支援や人材育成支援などの活動をされている経営支援 NPO クラブからのお知らせを同 NPO からの依頼に基づき本ニュースレターにて共有させ
て頂きます。
同 NPO は、土湯温泉 2 団体と三者共催で掲題のフォーラムを 11 月 5 日(木)と 6 日(金)の二日間、福島市で開催するとのことです。
参加費は無料で、インターネットでお申し込みができるそうです。 詳しくは下記 URL でご確認いただくか、下記連絡先に直接コンタクト願います。
http://www.ka-npo.com/tsuchiyu/
経営支援 NPO クラブ 荻田 浩、連絡先:090-8740-9298
5.編集後記 - 近代中小企業に記事掲載
9 月号の近代中小企業で拙稿が紹介されました。 お取引先のご活躍をまとめたものです。
ご笑覧いただければ幸いです。(What’s new のページの一番下の pdf となります。)
http://www.nisshin-global.com/what-s-new/
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 119 号)
1. 日本、中国、メキシコに出し抜かれていると主張するトランプ、真逆の認識を示すファリード・ザカリア
2. 米国の富裕層の郊外への集中―都市部と郊外の富の格差の拡大
3. 中東情勢分析(中東フリーランサー東京報告9)by 三井物産戦略研究所大橋研究員
4. 編集後記 - インドネシアに行ってきました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 日本、中国、メキシコに出し抜かれていると主張するトランプ、真逆の認識を示すファリード・ザカリア
先週二度目の共和党大統領候補討論会が行われたが、候補者の一人のドナルド・トランプは外交政策でのスピーチにおいて「アメリカは中国、日本、メキシコのような
国々に出し抜かれている。なぜなら、彼らのリーダーは我々のリーダーよりも賢く、狡猾で、シャープだからである。」「彼らは我々(の経済)を抹殺しつつある。」という表
現を用いている。
これに対し、アメリカの外交問題評議会が発行するフォーリンアフェアーズやニューズウィークの編集長を経て現在 CNN やタイムで国際問題を論説するジャーナリストの
ファリード・ザカリアがワシントンポストのオピニオン欄に、アメリカの現状はトランプの認識の真逆にあると寄稿している。 彼の主張点のみ取り上げると下記の通り。

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世界経済における米国経済の地位はクリントン大統領時代の絶好調期に勝るとも劣らない。
今年第二四半期(4 月―6 月)の GDP 成長率は年率ベースで 3.7%と欧州の約 2 倍、日本の 4 倍。
昨年の財政赤字は GDP 比 2.8%と 2007 年以来最低。中国の財政赤字は急増し危険水域に達している。
世界の企業価値ランキングトップ 10 の内の 9 社は米国企業。
過去 5 年で JP モルガン、バンカメ、シティ、ゴールドマンサックス、モーガンスタンレーは企業価値を 2,546 億ドル増加させたのに対し、欧州のバークレイ、クレディス
イス、ドイツ銀行、UBS、スコットランド王立銀行は 95 億ドルのみ。
 日本が脅威であったのは 1980 年代であり、その後は「経済停滞」と「政治麻痺」の典型的モデルであり、安倍首相は公約の改革を実行に移せず経済は継続的に縮
小している。
 メキシコは石油価格の下落になすすべもなく、経済成長の崩壊を迎えつつある。ジョブをメキシコの移民に奪われているというが、今の米国の失業率は 5.1%とこの 7
年間で最低でほぼ完全雇用。
 中国は負債の急増と共に、株と土地のエクイティ市場と通貨市場の対応を誤り、フィナンシャルタイムズ紙によれば 4,000 億ドルもの損失を被っている状況で、かつ
ての勢いはない。
最近ザカリアが会った欧州のビジネスマンは、アメリカが技術からエンタメはもとより金融に至るまで新たなレベルの“支配”に入っていることに懸念を表明していたとの
ことで、アメリカが他国を出し抜いていることはあっても出し抜かれてはいないとのメッセージで締めくくっている。
安倍首相の米議会演説はそれなりに高く評価されていたと思うが、よきにつけ悪しきにつけ他国の捉え方を米国との対比で単純かつ極端に放言する“選挙の季節”が
近付いてきたということであろう。
2. 米国の富裕層の郊外への集中―都市部と郊外の富の格差の拡大
国勢調査の新たなデータによれば、人口 6 万 5 千人以上のカウンティ(郡)をその世帯年収の中位値でとらえると、そのトップ 25 は大都市の郊外の郡となる。
トップ4郡はすべて首都ワシントン DC の郊外にあり、トップはラウダウン(Loudoun)郡で世帯当たり年収が 122,294 ドル、2 位がフェアファックスで 110,674 ドル、3 位がア
ーリントンで 109,266 ドル(以上すべてバージニア州)、で 4 位はメリーランド州のハワード郡 107,490 ドルとなっている。
他にもこの地域の郡がトップ 30 の中の約 3 分の 1 を占める。
一方、同じ首都圏内の大都市のバルティモアでは世帯年収中位値は 42,665 ドルであり、さらに北のフィラデルフィアでも同様の低さとなる。
都市部での世帯年収中位値のトップは第 37 位のサンフランシスコ郡で、ニューヨークのマンハッタン(ニューヨーク郡)は第 70 位となっている。
都市部には無論大金持ちもいるものの、スラム化した地域の人口の多さは中位値を大きく押し下げている。
上述の上位の郡には低収入層がほとんどおらず、経済的に均質化しているといえる。
アメリカをさらに上空から見ると、都市部と郊外の差以上に顕著なのが海岸部と内陸部の富の差であるという。
その原因は大都市が海岸沿いに連なっていることにあり、ミクロには郊外と都市部の差があっても、マクロでは大都市のつながりが多くの富を創り出しているといえよ
う。
3.中東情勢分析(中東フリーランサー東京報告9)by 三井物産戦略研究所大橋研究員
継続的にご紹介している三井物産戦略研究所大橋研究員の中東フリーランサー報告第 9 号をお送りします。
今回は、1. 1990 年の クウェート侵攻を振り返る 、2. クウェート侵攻に見る石油政策と中東治の底流 、3. サウジ ア ラビの生産余力と石油価格戦略?、4. 湾
岸危機を回顧して 湾岸危機を回顧して4つのテーマです。大橋研究員殿のごあいさつ文も下記いたします。
「2 か月ぶりのご無沙汰です。中東報告をお送りしますが、今号はちょっと海外出張・講演等が立て込んだこともあり、また 1990 年 8 月の湾岸危機から 25 周年と言う個
人的な思いもあり、クウェート出張中に書いた原稿をベースに、当時の湾岸危機と今般の石油価格下落の背景を比較してみました。石油専門家の方には噴飯ものかも
知れませんが、シルバーウィークの読みものとして、ご覧頂ければ幸甚です。文中にも書きましたが、小生今月末にて定年と相成ります。ひきつづき嘱託でお世話になり
ますが、40 年の商社マン生活の一区切りを迎え、いささか感慨無量です。中東レポートはこれからも続けますので、どうかよろしく。」
4.編集後記 - インドネシアに行ってきました。
今月前半にジャカルタに行ってきました。 グッドニュースは従来 35 ドルも取られたエントリービザが不要となっていたこと(但し、ビジネス訪問であることが明らかな場合
はビジネスビザの購入が必要)です。
もう1つは日本が長雨の状況であったのに対し、ジャカルタでは乾季で連日シャワーもなく好天であったことです。
ただ、地元の人は、「いくら乾季とはいっても通常は 1 か月に 1 度は降雨が期待できるが、今年はこの 3 か月間一滴も降っていない、異常だ。」と語ってました。 いずこ
も異常気象なのでしょうか。
ジャカルタを訪問したその週にジョコ大統領が高速鉄道の導入を見送る決定を発表しました。
一方、国民への公約である電力供給体制の改善はしっかりやるとのことで、通勤電車も含めた社会インフラ基盤整備は地元ビジネスの当面のねらい目のようでした。
特に地元日系企業いわく、過去数年続いた自動車・バイク製造販売バブルが一旦終わり、通貨のルピア安から経済の停滞感が漂う中で(ジャカルタではそれほどの不
景気感は全くありませんが)、電力事業拡大への期待感は強いとのことです。確かに電力供給が充実すれば製造業はもとより、サービス、消費の稼働時間帯も増し、若
い人口に溢れる同国の消費を原動力とした経済成長の好循環が担保されると感じました。
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 118 号)
1. 共和党移民改革支持組織に担ぎ出されるロナルド・レーガン大統領
2. 海上・海底人工都市構想の本格化
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 9 月 14 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
4. 編集後記 ― 日本語スピーチコンテスト
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 共和党移民改革支持組織に担ぎ出されるロナルド・レーガン大統領
今週水曜の晩にカリフォルニア州のロナルド・レーガン大統領図書館にて行われた共和党大統領候補討論会は CNN にて全国放送されたが、その放映中はもとより、そ
の前後において移民改革を支持する共和党系のビジネス、政治、宗教の指導者の横断組織が作成したテレビコマーシャルが大々的に流された。
CM はレーガン大統領の 1989 年の大統領離任スピーチから移民に関する部分を抽出、「わたしは政治家としての人生を始めてから常に輝ける社会を標榜してきました。
神に祝福された、そして多くの様々な種類の人々が仲良く平和に暮らす社会です。」と語るシーンで始まる。
CM のシーンは次に今日に戻り、ドナルド・トランプが、「彼ら(不法移民)は犯罪を持ち込んでいる。彼らは強姦者だ。」「私が大統領になったなら、就任初日にアメリカか
ら追い出すであろう。」と語り、ウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカーが、インタビュワーから米国での出生により両親のステータスによらず米国市民権が得られる
現在の制度を廃止すべきかと尋ねられ「もちろん。絶対に。」と答えるシーン、そしてテキサス州選出上院議員のテッド・クルーズは「出生市民権制度を廃止すべき。」と
語り、再度トランプが「私は大きな大きな壁を(国境沿いに)建てる。」と語る。
その後 CM はまたレーガン大統領のスピーチに戻り、「その目指すべき社会は大洋よりも強い岩の上に構築されたそびえたつ誇りに満ちた社会です。そしてそこに城壁
が作られるにしても、その壁には扉があり、この社会に来ようとする意志と心を持った人ならば誰にでも開かれている扉です。私はこのように(アメリカを)見てきましたし、
今もなおそう見ています。」というコメントで終わる。
オバマ大統領が 2008 年と 2012 年に大統領選に勝利した際に、黒人はもとよりヒスパニックの圧倒的多数が彼を支持した。
ヒスパニックが期待している包括的移民改革法(不法移民の合法化手続がポイント)の成立を共和党議員が阻止してきたことから元々彼らにとっての共和党のイメージ
が良くないところにドナルド・トランプの放言が連発され、共和党自身のイメージはさらに悪化している。
そんな中、共和党の象徴とはいえ故人を引っ張り出し、共和党のイメージ回復を図らざるを得ないところに共和党の現在の問題がありそうである。
2.海上・海底人工都市構想の本格化
洋上に浮かぶ人工都市や海底都市の話はこれまで小説や映画のテーマにはなっても月面や火星でのスペースコロニーほどリアルな話ではないとの印象であった。
ところが、フィナンシャル・タイムズによれば各国でそれなりの具体的進展を見せているという。
背景には気候変動に伴う海面水位上昇と土地面積の減少、都市人口の増大に伴う住宅地と耕作地の必要性というニーズと、排水管理技術、メガフロート技術、雨水回
収技術など実現可能とするシーズも揃ってきたことがある模様。
海面から 6m 下の都市、オランダのロッテルダムでは世界に先駆けて都市計画に浮上開発(floating development)を正式に組み込んでいる。
昨年 Aqua Dock という浮上技術試験地を建造している。
アメリカでは洋上コロニーは今のところシリコンバレーで盛り上がっている。
地球を救うという大上段の視点もあれば、国(陸上)の法規に縛られない「リバタリアンのユートピア」を洋上に求める発想もある。
後者として、2008 年にグーグルのソフトウェア技術者でノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンの孫のパトリ・フリードマンとペイパルの共同創設者でベンチャ
ーキャピタリストのピーター・シールが創設した Seasteading Institute という NPO がある。
2020 年までに洋上プラットフォーム上に初の半自治都市を設け、法的、観念的自由を得られた人々が新たな変革を起こすことを期待しているという。
日本の清水建設による深海海底と洋上の居住部を 15km もの長さの螺旋状のインフラで繋げた都市 Ocean Spiral も紹介されている。
清水建設は今後 5 年間で 3 兆円の総工費を見込んでいるという。
海底に眠る微生物の「地球工場」から洋上にエネルギーや資源を送ると共に、洋上から海底に「観光」に行くといったニーズにも応えられるという。
2050 年までに海面上昇と人口増に伴う耕作地等のニーズから地球上で 2200 万㎢の土地が不足するという(因みに日本の面積は約 38 万㎢)が、中国の南沙諸島の洋
上基地建設はさておき、洋上都市は空想小説からかなり身近な話題になってきているのかもしれない。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 9 月 14 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 2014 年の実質 GDP 成長率 7.3%へ下方修正
中国政府・国家統計局は、2014年の実質国内総生産(GDP)成長率の改定値を発表し、速報値の前年対比7.4%から7.3%に下方修正した。
金融など第3次産業のデータを引き下げたことが引き下げの背景と説明されている。
中国政府はまた、2015年の成長率目標を7.0%としており、本年4~6月期の成長率は7.0%だったと報告しているが、筆者(真田教授)は、電力消費量や物流の増
加量の伸び率が4%にも満たないことから、実体経済の成長率は4%前後ではないかと見ている。
 外貨準備高過去最高の減少幅
中国人民銀行は、中国本土の8月末の外貨準備高が、前月末から939億米ドル減った水準である、3兆5,574億米ドルとなったと発表している。
外貨準備高の減少幅は過去最大で、中国への流入が続いた資金が流出していることが大きな背景と見られている。
 8 月の輸出前年同月比 5.5%減
中国政府・税関総署が発表した本年8月の貿易統計によると、中国本土の8月の輸出は前年同月対比5.5%減の1,969億米ドルとなり、2カ月連続で減少している。
外需が上向かないことで、中国本土の景気減速が更に深まる可能性がある。
一方、輸入は同13.8%減の1,366億米ドルとなっている。
 台湾経済成長率下降
台湾政府・行政院主計総処によれば、本年第2四半期の実質GDP成長率は第1四半期から3.32ポイント下落し、前年同期対比0.52%となった。
経済成長率が1%を下回ったのは2012年第2四半期以来であり、こうしたことから本年である2015年通年のGDP成長率も5月時点の予測値の3.28%から1.72
ポイント下方修正されて1.56%となっている。
(2)韓国
 8 月の造船受注、日本、中国に次いで 3 位に下落
造船・海運市況の分析機関である英国のクラークソン社は、8月の世界の船舶発注量は39隻、101万CGT(標準貨物船換算トン数)となったと発表している。
7月(103隻、322万CGT)に比べ64隻、221万CGT減少しており、2009年9月(77万CGT)以来、約6年ぶりの低水準となっている。
CGTベースの8月の国別受注実績は、日本が43万CGTでトップであり、日本がトップに立つのは1月に大規模コンテナ船を受注し1位になって以来、7カ月ぶりとなる。
韓国は8月に6隻、15万CGTの受注にとどまり、中国本土(41万CGT)に次いで3位となっている。
 不安定なウォン為替相場
ウォン相場が揺れている。
米国の利上げの可能性や世界経済の先行き不透明感からリスクを回避する心理が高まり、原則的にはリスクが高いと言われるウォンが売られる格好である
また英スーパー最大手のテスコが、韓国スーパー大手のホームプラスを売却することが明らかになり、米ドル需要が発生する可能性が高まったことからウォンが下落し
たとする見方も加わっている。
[主要経済指標]
1.
対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/
1,184.57(前週対比+4.74)
台湾:1米ドル/32.51ニュー台湾ドル(前週対比+-0.00)
日本:1米ドル/
120.50(前週対比-1.60)
中国本土:1米ドル/6.3745人民元(前週対比-0.0196)
2. 株式動向
韓国(ソウル総合指数):1,941.37(前週対比+55.33)
台湾(台北加権指数):8,305.82(前週対比+305.22)
日本(日経平均指数):18,264.22(前週対比+472.06)
中国本土(上海B):3,200.234(前週対比+40.067)
4.編集後記 ― 日本語スピーチコンテスト
先月末に長沼スクール東京日本語学校の学生代表による日本語スピーチコンテストを見学させて頂きました。
初級、中級、上級それぞれの代表3~4名ずつが壇上で大人数を前に堂々と日本語で自分の生き方や日本での気づき、社会問題、人間関係の在り方などについて発
表しました。
話の内容自体が良く考えられた深く示唆に富むものばかりでした。
そして、「大丈夫」という励ましや、「優しいまなざし」、「相手への配慮」、「感謝」といった日本で大切にされている価値観を切り口に自分の考え方を経験と共に訴えかけ
る姿勢に説得力がありました。
相手の立場を配慮して語る「日本語の構文」がそうさせているのか、或いは「日本語での表現」が一番しっくりくる価値観をそのまま表現しているからなのかわかりません
が、独断ながら「日本語学習」と「日本での生活体験」がもたらす日本的価値観への気づきの効果といったものがあると感じた次第です。
一人でも多くの有意な外国人に日本語学習と生活体験をしていただきたいと思いました。
尚、このコンテストの模様は nippon.com で取り上げられ下記の通り世界中に発信されています。
http://www.nippon.com/en/nipponblog/m00091/?utm_source=Nippon.com+Newsletter&utm_campaign=b443894327-Newsletter_2015_09_08&utm_medium=email&utm_ter
m=0_e230632244-b443894327-249187025
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 117 号)
1.
2.
3.
4.
世界の資源市場が痙攣を起こす中国の資源爆食の鈍化
自動走行自動車産業誘致を念頭に安全規制を検討する米国の州政府
東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 8 月 31 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
EC(電子商取引)サイトセミナーに参加しました その③
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 世界の資源市場が痙攣を起こす中国の資源爆食の鈍化
中国の長年にわたるインフラ投資先行型の高度経済成長はインドネシアの石炭から、ペルーの銅、ブラジルとオーストラリアの鉄鉱石に代表される天然資源の産出を
一気に引き受けてきた。
その規模たるや、世界の鉄鉱石産出量の 3 分の 2、同銅鉱石とニッケルの半分、そして原油の 8 分の1に及び、「爆食」と言われる所以である。
ところが、ここにきて中国国内に「車の殆ど走らない高速道路」や「空き家ばかりのマンションと高層ビル」に象徴される中国国内の社会インフラの供給過剰が目立ち、そ
の供給の蛇口を絞りつつあることで世界の資源市場での供給過剰をもたらし、その結果、資源市場価格も軒並み大幅に値下がっている、とワシントンポストは報道す
る。
その中でも中国の発展を表す粗鋼生産量とそれを支える鉄鉱石の市場価格の推移は最も象徴的といえる。
リーマンショックで世界経済がマイナス成長となる中、中国政府はインフラ投資刺激策で高成長を持続したが、その結果、2011 年初頭の鉄鉱石の市場価格はトン当たり
180 ドルと 2005 年に比べ 6 倍になった。
その段階での中国政府の想定シナリオは、新たな都市を設計・建築し、ビルや道路、鉄道、電力網を整備すれば、それまでの 20 年で 3 億人の人々が農村から移ってき
たように、多くの農村部の人々で満たされるはず、とのものであった。
ところがこの 2011 年頃からそういった新都市がヒトや車で埋まらず「ゴーストタウン化」し始めているとワシントン DC のシンクタンク CSIS の中国専門家スコット・ケネディ
氏は語る。
その結果は鉄鋼需要の減退、ひいては鉄鉱石の供給過剰となり、鉄鉱石価格は 50 ドルにまで下がっている。
それまで中国からの資源開発投資と、開発された資源の中国向け輸出で国の成長を支えられてきた南米諸国や石油のロシア、ベネズエラ、そしてサブサハラ諸国にと
っては大きな逆風となりかねない。
米国の鉄鋼業界の調査では、中国の鉄鋼メーカーはその粗鋼生産容量の約半分の 4 億トンが国内需要不足の状態に陥っているという。
中国の鉄鋼メーカーはその供給過剰分を米国を中心とした海外向け輸出に振り向けているが、4 億トンといえば米国の鉄鋼メーカーの 4 年分の生産量であり、貿易問
題の火種となりかねない。
中国の指導層にも、経済成長のモデルをインフラ投資型から中流層の厚みを通じた消費主導に転換すべきと考える向きもあるが、そのための各種規制緩和、自由化、
民主化のハードルも高い。
一方、インフラ派は新たな投資先として北京をその周辺の衛星都市とインフラでつなぎ、全体を1つの巨大都市(メガロポリス)にする計画を進めつつある。
中国の消費モデルへの転換のニーズに日本の経験や商品という新たな「資源」が大いに生き、互恵的成長ができればよいのだが・・。
2. 自動走行自動車産業誘致を念頭に安全規制を検討する米国の州政府
今年これからバージニア州の北部(ノーザンバージニア)を通る一般道と I-95 やベルトウェイと呼ばれる I-495 において自動走行自動車の走行試験が実施される。
州政府はこの試験車に対する特別の登録を必要とせず、また同乗する人間(緊急時にハンドルを握る)にも何ら特別な免許を求めない。
法的な面で、この試験車は一般車と同じ扱いとなる。
州政府の意図は将来のドル箱と期待される自動走行自動車ビジネスを州内に歓迎することにあり、テキサス州も同様の動きを示している。
逆に、カリフォルニア州、フロリダ州、ミシガン州、ネバダ州とワシントン DC は自動走行自動車の走行を合法化する州法を早々に設けることで同業界を歓迎する。
アメリカでは、自動車の安全性に関わることは連邦政府の運輸省とその管轄下の国家道路交通安全局(NHTSA)が監督し、州政府は自動車の登録と免許の発給・管理
という役割分担となっている。
NHTSA は自動走行自動車の技術調査の結果が出るまでは州における関連法制は控えるべきと 2013 年に発表しているが、その調査結果がまだ出されていない時点で、
各州が上述のように動き出している。
その背景に、自動走行自動車を推進する企業のロビーング活動がある。グーグルはテキサス州で法制化を通じ自動走行自動車産業を迎え入れようという動きが出た
際にロビーングを通じこの芽を摘んでいる。
結果としてグーグルはテキサス州オースティンを中心に現在走行試験を行っている。
また自動車部品メーカー大手のデルファイ社は自社の自動走行自動車の試作車をサンフランシスコからニューヨークまで大陸横断させたが、途中通過した 15 の州には
法律や規制はまだない。
「合法」の枠を決めてしまうことでその枠外の可能性が規制されてしまうことを業界側は恐れている。
一方、カリフォルニア州では 9 社から計 78 台の自動走行自動車が登録されているが、シリコンバレーの発想で設計され、製作された「車」の意図と技術を理解しつつ、
日常生活に与え得るインパクトを想像し、判断していくことは州政府にとっても至難の技と言える。
リサーチ会社の Lux Research によれば自動走行自動車技術市場は 2030 年までに 870 億ドル(10.4 兆円)に拡大するという。
ある程度の安全性が確認された段階で実践し、そこから学んだことを最終的に法制化するという実践・チャレンジ派のバージニアとテキサスに対し、事前に想定できるこ
とを想定しつくし、考え得るリスクを対策をして臨むカリフォルニア等の対応と、同じアメリカでも土地柄、気質の違いが政治同様にあらわれているといえる。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 8 月 31 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 新たな G2 関係を米側に打診する習主席
スーザン・ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)、習近平国家主席ら中国本土・指導部と会談した。
9月下旬に予定される習国家主席の訪米を前に、中国本土による南シナ海での岩礁埋め立てやサイバー攻撃、米国に逃亡した中国汚職官僚らの引き渡し問題など、
米中間で意見の隔たりが大きい問題について協議したと見られているが、習国家主席は、領土・主権など双方の「核心的利益」を尊重し、意見の相違を縮小すべきだと
主張した上で、更に、「新しいタイプの大国関係=G-2 体制=)構築に向けて、米中投資協定の交渉を加速させ、軍事交流の強化を目指す」という考えを示している。
 中国による紛争地向け兵器輸出
中国の防衛関連企業から、事実上の内戦状態にある南スーダンに対して昨年、対戦車ミサイルや発射装置や2千万発以上の弾丸など約2千万米ドル相当以上の武器
が輸出されたと、南スーダンを担当する国連安全保障理事会の専門家パネルで報告されている。
 中台租税協定署名
中台双方の交流窓口機関は、企業や個人への二重課税を回避する租税協定など2件について署名した。
一方、5月の主管官庁閣僚級会談で大筋合意していた「中国人旅行客の台湾経由での海外移動(トランジット)」は署名に至らなかった。
中台間の競争と協調の駆け引きの様子が垣間見られる。
 台湾馬総統の尖閣列島領有権主張
馬総統は米紙ワシントン・タイムズ電子版に寄稿し、沖縄県・尖閣諸島(台湾名・釣魚台)の台湾領有権を改めて主張、台湾の総統として、
「釣魚台の主権と漁業権を守る義務がある。」ともコメントしていることが報告されている。
更に、馬総統の寄稿文では、7月に訪日した李登輝元総統が、尖閣は日本領だと述べたことも強く批判している。
(2)韓国
 エクアドルと戦略的経済補完協定交渉開始
韓国政府・産業通商資源部の尹相直長官はエクアドルのナタリー・セリー生産・雇用・競争性調整大臣、そして、ディエゴ・アウレスティア貿易大臣と会談を行い、両国の
「戦略的経済補完協定」(SECA)の交渉開始を公式宣言している。
 観光アウトバウンド増、インバウンド減
韓国政府・文化観光研究院の観光知識情報システムによると、本年1~7月累計の韓国人海外旅行者数は1,082万人となり、前年同期の906万人に比べて19.4%
増加している。
海外旅行者数は2008年のリーマン・ショックの影響で2008年には10.0%減少、2009年には20.9%減少したものの、その後は増加を続けている。
海外旅行者数が増えた主な要因は今年上半期のウォン高により旅行費用の負担が減ったため、韓国人の海外旅行が増えたと見られている。
また、韓国文化観光研究院は、「国際原油価格の下落と格安航空会社の成長により、航空券の価格が全般的に安くなった点も影響を及ぼした。」ともコメントしている。
一方、韓国を訪問する外国人観客数は中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス感染拡大などの影響で、本年1~7月累計の外国人観光客は730万5,000人と前
年同期の798万人に比べ8.5%減少している。
こうした結果、韓国の本年1~6月累計の観光収支は22億7600万米ドルの赤字となり、昨年1年間の赤字である17億100万米ドルを既に大きく超える水準となった。
尚、韓国政府は外国人観光客を呼び戻すため、大規模なショッピング・観光イベント「コリアグランドセール」を開催するなどの対策を講じるとしている。
[主要経済指標]
1.
対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/ 1,178.87(前週対比+15.20)
台湾:1米ドル/32.34ニュー台湾ドル(前週対比+0.28)
日本:1米ドル/ 121.68(前週対比+0.41)
中国本土:1米ドル/6.3865人民元(前週対比+0.0022)
2.
株式動向
韓国(ソウル総合指数):1,937.67(前週対比+61.60)
台湾(台北加権指数):8,019.18(前週対比+232.26)
日本(日経平均指数):19,136.32(前週対比-299.61)
中国本土(上海B):3,232.350(前週対比-275.394)
4.EC(電子商取引)サイトセミナーに参加しました その③
先々週からレポートさせて頂いている EC サイトセミナーの続きで最終回です。
<成功事例・失敗事例>
株式会社デジタルスタジオの板橋憲生社長が海外向け EC サイトの成功事例、失敗事例を同社の Live Commerce サービス(海外向け EC サイト構築支援)のクライアン
トの実例をベースに、全体の中では小さい比率の成功例に共通するポイントとして EC で「販売」する前の「顧客創造活動」を行っていることを挙げました。
顧客が自覚的には気づいていない問題点について、SNS 等を通じつぶやいていくことで潜在顧客に「気づき」を与える。そして、それを的確な問題と認識する際にソリュ
ーションとしての商品とサービスを提案し、そこからは EC サイトの各種機能がストレスを与えることなくタイムリーにお届けする流れ。
このつぶやきとして、メルマガ、AdWords,ブログ、フェイスブックなどを使ったこまめな情報発信が「顧客創造活動」ということになります。
それともう1つ、昨今はスマホでのショッピングや決済手段が充実しているため、スマホでの対応を意識すべきと。
別のセッションでまさにこの「顧客創造活動」で成功した「日本の弁当箱」を世界に販売する EC サイト、Bento & co.のトーマス・バートランド社長のインタビューが別途行
われました。
彼はフランス人で、京都大学に留学後、巡り巡って京都に住むことになり、そこで日本の様々なお弁当の美しさ、楽しさにうたれ、弁当に関するブログをフランス語で書き
続けました。
するとそれを調達してほしいという声が母国フランスやフランス語圏から聞こえてきて EC サイト Bento & co.を立ち上げました。
そのころには彼のブログは有名になり、英語で読みたい、日本語で・・ということで参加国語対応とし、現状世界 90 か国の弁当ファンから注文が来ているそうです。
さらには、京都の中心部に実店舗を立ち上げ、彼のブログを読んでいる海外旅行者が立ち寄ってお土産を購入していくという好循環も起こっているようです。
創業からまだ 6~7 年の段階で売り上げは既に 1.7 億円にも達し、世界中を相手にすることから EMS から FedEx や DHL などに共通の配送発注システムを構築し、それ
を他の EC サイトに ASP で出したり、B2B として卸売業に弁当箱を卸す発展も進めています。
また次のターゲットは中国市場で、近々中国語版もリリースされる模様です。
好きこそものの・・ではないですが、愛着の対象に関する情報を発信し続けることが「顧客創造」に繋がった好例といえるかと思います。
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 116 号)
1.
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3.
4.
米議会の制裁解除の承認を待たずにイラン詣でする欧州政府・企業
料理人が不足気味の米国のレストラン ー チップ収入が得られない調理場の不満
東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 8 月 24 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
EC(電子商取引)サイトセミナーに参加しました その②
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 米議会の制裁解除の承認を待たずにイラン詣でする欧州政府・企業
イランと欧米 6 か国の核開発に関する協議が 7 月 14 日に合意に達しイランに対する制裁が段階的に解除されることが決まってまだ間もない時点で、欧州主要国の政
府とビジネス幹部のイラン訪問が相次いでいる。
合意 5 日後の 7 月 19 日にはドイツの副首相が政府専用機でシーメンス、ダイムラーやフォルクスワーゲン、ティッセン・クラップなどのドイツ企業幹部を引き連れてテヘ
ランを訪れている。
それに遅れまいとフランスやイタリアの政府幹部もテヘランを訪問、英国のフィリップ・ハモンド国務長官も閉鎖中の在イラン英国大使館の再開のために週末にテヘラン
を訪問した。
スペイン、スウェーデン、ポーランドは今秋にはテヘラン入りする予定であるという。
これら政府高官は総じてビジネス界の幹部を伴っている。
欧州の官民のテヘラン詣での背景は「イランには 8 千万人の市場と豊富な石油、天然ガス資源がもたらすチャンスがある。」とのドイツのシーメンスの Joe Kaeser 社長
の言葉に象徴されている。
米議会では 9 月 17 日までに米国としてこの合意を正式に承認するか否認するか投票判断がなされるが、仮に否認された場合には米国の制裁が残ることになり、米国
とのビジネスを持つ欧州の多国籍企業にとっては難しい選択を迫られる可能性がある。
仮に米国とのビジネスが少なくても、米財務省によるドル決済に対する制裁により欧州の多国籍企業の海外活動が制約を受けることになるため。
それにも拘わらず、米議会の判断を待たずにイタリアでは Mediobanca 銀行がイタリア企業とイラン企業の間の取引に融資を行う覚書を交わし、それをイタリア政府の輸
出信用会社が保証を与えている。
これに対し、米企業は慎重な姿勢を崩していない。一つの理由は、仮に議会がイランとの合意を承認しても、核問題とは別の人権問題やテロ支援に絡む別の制裁は引
き続き残るため。
それ以上に重要なのは今の米国世論においてイランとのビジネスに飛びつく行為には企業のブランド価値を著しく毀損するいわゆるレピュテーショナルリスクが高いと
の判断がある模様。
イラン市場の魅力については疑いの余地は無いが、このワシントンポストの記事の中には欧州域内の成長源泉不足と欧州の米国に対する潜在的不満、そしてイスラエ
ルとの距離感に伴う欧米間の温度差などの文脈もあるものと感じられる。
2. 料理人が不足気味の米国のレストラン ー チップ収入が得られない調理場の不満
アメリカのレストランでのチップの相場が 15%から 18%に上がり、20%では気前良すぎると思われていたものが、25%が新たな「常識」(ワシントンポスト)になりつつある中、
そのチップ収入に一切あずかれない調理場の料理人や皿洗い等スタッフに不満が高く、料理人の確保が難しくなっているという。
かつてはチップ収入はレストランで集計し、料理人を含め従業員に分配していたが、レストランでの集計の段階で幹部の懐に消えていく問題や、客のチップの意図と実
際の流れとのかい離、透明性不足の問題から政府が公正労働基準法(Fair Labor Standards Act)を定めた。
その結果、チップは「習慣的にかつ常態として」チップを得る従業員でのみ分配され、調理場や管理人などに分配することは違法行為ということになった。
上述の通りチップの相場は上がる一方で、結果として客の支払額が増えることから、客が価格に敏感なレストランではその分、元のコストを抑える必要があり、それが調
理場の給与抑制という調理場とウェイター・ウェイトレスの待遇かい離の悪循環をもたらしている。
結果として料理人の時給は全米平均 10 ドル程度に対し、ウェイター・ウェイトレスはチップだけで 10 ドルを遥かに超え、マイアミやボストン、サンフランシスコといった大
都市では 13 ドルを超え、それに給与が加わることになるという。
調理場の不満は人員不足はもとより提供する料理の質や衛生問題にもなりかねない。
この点、ニューヨークの寿司店 Sushi Yasuda ではクレジットカードのワンライティング用紙でチップを記入するところに「当店のサービススタッフはそのサービスに見合う
対価を十分に給与から得ておりますのでチップはお受けいたしません。」と書いてあるとワシントンポストの記事で紹介されている。
日本の高級店ではシェフが店内に顔を出して接客する店もあるが、確かに調理場と客との間のコミュニケーションはなく、インターネットのレストラン紹介サイトでの味の
評価が調理場にとっての唯一のフィードバックなのかもしれない。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 8 月 24 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 8 月の購買担当者景況指数(PMI)リーマンショック以来の低水準
中国の製造業の好不況を示す指標の一つとされている「購買担当者景況指数(PMI)」は、本年8月は47.1となり、前月対比で0.7ポイント下がっており、リーマン・シ
ョックが深刻化した2009年3月以来6年5カ月ぶりの低水準に落ち込んだと報告されている。
その中身を見ると、幅広い業種の製造業が生産計画引き下げや設備投資の延期に動いていると見られている。
また、新車販売など国内消費が、不動産市況の低迷や上海株の下落を受けて伸び悩み、外需の不振もカバー出来ていない状況にある。
 7 月末通貨供給量前年同月比 13.3%増
中央銀行である中国人民銀行は、通貨供給量(M2)について、7月末時点では前年同月末より13・3%増加したと発表している。
金融緩和政策を受けて、増加率が6月末の11・8%と比べて更に拡大、また、政府の目標である12%を上回っている。
(2)韓国
 中国経済のモニタリング強化
韓国経済は、中国本土経済の影響を受け易くなっている。
こうした中、韓国政府・企画財政部は、中国本土の人民元切り下げによる市場の動向と対応策を協議するための点検会議を開催するなど、その対応を協議している。
企画財政部は、国内外の市場動向および外国人資金の流出入に対して24時間体制で点検しながら中国経済動向のモニタリングを強化する方針を示唆している。
「韓国経済への影響では短期的な人民元の動きよりは中国の輸出と実体経済の動向がより重要である。人民元切り下げと中国本土の加工貿易縮小が個別産業に与
える影響に対する細かい対応が必要である。」と警戒感を示している。
 LG化学、中国長安汽車製ハイブリッド車向けバッテリー供給へ
韓国有数企業の一つであるLG化学は、中国本土の大手地場系自動車メーカーである長安汽車にハイブリッド車向けのバッテリーを供給することになったと発表してい
る。
その規模が大きい長安汽車であるだけに、LG化学のビジネス拡大が期待されている。
 韓国勢の世界テレビ市場シェア 42.6%(4~6 月期)
米国の調査会社であるIHSテクノロジーは、世界のテレビ市場に於けるシェアについて、「本年4~6月期の韓国の三星電子の売上高ベース世界シェアは28.5%とな
り、前期から1.4ポイント上昇し、トップとなっている。」と発表している。
また、同発表によると、第2位も韓国のLG電子で、そのシェアは14.1%となっており、韓国勢2社で42.6%を占めていることになる。
 自国内生産伸び率を誇る韓国自動車業界
韓国自動車産業協会によると、「世界の主要自動車メーカーによる過去10年間のそれぞれの国内での生産伸び率を比較すると、韓国の現代・起亜自動車グループが
最も高い延びを示したことが分かった。」とコメントしている。これによると、現代・起亜自動車グループの昨年の国内生産台数は359万台で、2004年の269万台に比
べて90万台増えており、その伸び率は33.5%となっている。
そして、同様の基準で見た場合、2位はドイツのフォルクスワーゲンで、ドイツ国内での生産台数は同じ期間に202万台から257万台へと約27%増えている。
一方、この両社を除くと、米国のGM、フォード、日本のトヨタ、日産など各社はコスト削減を目的に国外へと生産基地を移転したことで、国内生産台数はいずれも減少し
たと報告されている。
[主要経済指標]
1.
対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/ 1,194.07(前週対比-15.74)
台湾:1米ドル/32.62ニュー台湾ドル(前週対比-0.47)
日本:1米ドル/ 122.09(前週対比+2.19)
中国本土:1米ドル/6.3887人民元(前週対比+0.0021)
2.
株式動向
韓国(ソウル総合指数):1,876.07(前週対比-107.39)
台湾(台北加権指数):7,786.92(前週対比-518.72)
日本(日経平均指数):19,435.93(前週対比-1,083.52)
中国本土(上海B):3,507.744(前週対比-457.591)
4.EC(電子商取引)サイトセミナーに参加しました その②
先週レポートさせて頂いた EC サイトセミナーの続きです。
日本郵便の方が越境 EC サイトの活況ぶりを同社 EMS を中心とした配送件数で紹介されました。
EMS 利用は昨年 1400 万通で急増中。特に EC(通販)が圧倒的な伸びだそうです。
<用途別順位>
1 位 通販 40%増
2 位 卸・小売
3 位 製造業部品
4 位 個人向け C2C
<仕向地>
中国向けが全体の 39.7%とダントツトップ(前年比 72%増)。米国向けは全体の 15.5%(15.7%増)。
中国向けは今年の上期を見ても伸びがすごいようです。
<通販で輸送されているモノ>
中国向け: 美容・化粧品(化粧水、口紅、クリーム)、健康食品、日本食、キッチン用品(包丁、ステンレスボトル)、電化製品(加湿器、スマホ、ウォシュレット系)、幼児向
け(紙おむつ、粉ミルク)、ファッション(アパレル、中古ブランド品)
米国向け: フィギュア、人形、玩具、ゲームソフト、CD・DVD、ファッション(アパレル、中古ブランド)、電化製品(カメラ関連、スマホ、オーディオ)、スポーツ(ゴルフ関連)
<発送法>
中国向け: ①EMS 83.4%、知名度が高くかつ中国だと近いので安くなるため、②国際小包 8.9% 比較的大きなもの
米国向け: ①EMS42.9%、②国際 e パケット(2kg まで、10 日前後)41.6%、③小型包装(書留、2kg まで、2 週間、最安値)15.5%
EMS は最速、最優先取扱い、丁寧な取扱いで賠償金額も高いことから高価な品の郵送に向いている。重量も 30kg まで可能。
片や e パケットは書留扱い、オンライン伝票作成可能で安いとのことです。
中国の株価下落が経済成長の減速を象徴しているやに報道されるこの頃ですが、少なくとも EC 分野ではまだまだ上昇中の感が強いです。
日賑グローバル・ニュースレター国内版(第 115 号)
1.
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天皇陛下の「深い反省」のおことばを大きく取り上げたワシントンポスト
カー・ハッキングのデモが行われた DEF CON サイバーセキュリティ・カンファレンス
東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 8 月 17 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
EC(電子商取引)サイトセミナーに参加しました
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1. 天皇陛下の「深い反省」のおことばを大きく取り上げたワシントンポスト
終戦記念日の15日、政府主催の全国戦没者追悼式にて天皇陛下が語られたおことばの中に「深い反省(deep remorse)」の表現が含まれたことをワシントンポストでは
大きく取り上げている。
従来の追悼式でのおことばが「深い悲しみ(deep sorrow)」を繰り返すものであったものが、今年に関しては強い表現となっていると。
元日本テレビのアナウンサーで現在フリーの立場で皇室の報道を行っている久能靖氏の「陛下は我々が歴史から学ぶべきという意図でこの表現を使われたのであろう。
皇室においてこのような表現を用いられることはかつてないことで、自らのお気持を天皇のお立場で最大限表されたもの。この戦後 70 年の節目の年にとても大きな意
味があるお言葉である。」とのコメントを紹介している。
同記事では、「戦後、米国が草案を作った平和憲法において「象徴」の立場となられた天皇陛下には政治的発言への制約も加わり、今上天皇のおことばも常に慎重な表
現で平和を希求されてきた。 安倍首相の集団的安全保障の合憲化解釈や現在参議院で審議されている安保法制に対し、明仁天皇は可能な範囲で抵抗感を示され
ていた。」と伝えている。
そうした中での今回の「深い反省」の表現は、安保法制に反対する政治的勢力にも「利用」され得るインパクトがあるとの見方も伝えている。
さらに、天皇、皇室、神道の研究を専門とする政治学者で明治学院大学の原武史教授の「「日本の平和が今日まで築かれてきたのは日本人自身の意識的な平和追求
の努力のお蔭である」との陛下のおことばもかつてないもので、安倍首相が進めようとしている「より積極的な平和主義」へのご批判と考えられる。」とのコメントも紹介し
ている。
即ち、日本を今日まで平和に保ってきたものは米国との安全保障条約に基づく抑止力であり、その日米安保関係を強化するために改憲すべきという安倍首相のロジッ
クに対し、「陛下が仰られているのは「そうではなく、日本人自身がたゆまなく平和を熱望し続けてきたことこそが今日にいたるまで「平和」を強化してきたのである」という
ことで、そのお気持は現政権に対する厳しい批判であると私は考える。」というコメントまで紹介している。
最も平和を切望したであろう戦争経験世代の割合が減り、国のかじ取りをする世代の中心が戦後世代となる中で、陛下自身の切実な問題意識がおことばに現れたので
はないかという本記事の観測には相応の説得力がある。
因みに、追悼式前日の安倍首相の戦後 70 周年談話に対し、ホワイトハウスの NSC 報道官から、談話における「深い反省」の表現や過去の政権の歴史認識を踏襲する
としたことを歓迎するとともに、積極的な国際的平和と繁栄への貢献の意図を高く評価し、過去 70 年の日本の記録は世界中のどの国にとってもお手本となる、とのコメ
ントが出ている。
2. カー・ハッキングのデモが行われた DEF CON サイバーセキュリティ・カンファレンス
弊社ニュースレター#112 で走行中のジープ・チェロキーのダッシュボードにある Uconnect(車内用ワイヤレス・インターネット接続システム)に外部から
無線で侵入しブレーキシステムなどを誤作動させる実証実験の様子を紹介したが、先週ラスベガスで開催された DEF CON サイバーセキュリティ・カンファ
レンスにおいて、同様のカーハッキングを体験できるコーナー”Car Hacking Village”が設けられた。
元々DEF CON ではハッキングの技を体験させたりするイベントは行われていたが、カーシステムに対するものは今回が初めてである。シアトルに本拠地の
ある Theia Labs がこのイベントを開催、Uconnect に外部からどう侵入するかを体験させた。
手口としてまず侵入対象車の選別があり、クルーズコントロール、駐車補助装置といった車の中枢駆動部と連接するデジタル自動制御システムが多く搭載さ
れている車種を選ぶという。そのうえで、WiFi やブルートゥースなどの外部とつながり得る侵入口を持つ車に絞り込んでいく。
侵入に成功するとまず、CanBus というブレーキやエンジン、ハンドルのような制御を司るシステムへの連接を探す。
この手のシステムは車外の世界と接続することを想定して設計されていないので、システムに入ってくる如何なる指令(コマンド)も受け入れてしまうとい
う。
従いこの車に外部と無線でつながるシステムがある場合、それと CanBus の間が隔絶されていないと外部からの侵入による誤作動が可能となる。
CanBus が標準化されているとはいえ、自動車メーカーは独自のシステム言語で制御しているので、侵入する方も外部からのコマンドがどう作用するか実際
にはわからない。
DEF CON の Car Hacking Village では CanBus が 1 セット用意され、それに複数のラップトップが数台連接され、そこからのコマンドに CanBus がどのように
反応するか見学、実験できるコーナーも設けられた。
また、テスラの電気自動車の Model S の外部からの侵入に対する脆弱性に対するプレゼンテーションは満員であったという。
テスラは同社製品の重大な脆弱性を指摘してくれたハッカーには最高 1 万ドルの賞金を出すと宣伝、カー・ハッキングに対する安全性の高さを今後の売りに
するという。
攻撃と防衛が互いにある程度手の内を見せ合いながら市場を拡大するというマッチポンプ的互恵関係も感じられるが、いずれにせよサイバーセキュリティ市
場が自動車市場も捉えるならば巨大なビジネスとなることは間違いなさそうである。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の 8 月 17 日付レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国
 7 月の輸出、前年同月比 8.%減
中国税関総署が発表した本年7月の貿易統計によると、中国の輸出は前年同月対比8.3%減の1,951億米ドルとなり、2カ月ぶりの減少となったと発表している。
 7 月の製造業景況感悪化
中国の製造業の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)の7月のデータを見ると、前月から1・6ポイント悪化して47・8となったと報告されている。
7月は新規の注文や輸出といった主な要素が、軒並み前月より縮小する傾向を示しており、特に外需の縮小で内需も縮小し、縮小トレンドが加速化しているとも言える。
中央銀行である中国人民銀行は今年に入って3度の利下げを行い、個人や企業が融資を受け易くし、また国務院は7月だけでも4度、経済対策についての話し合いを
常務会議で行い、インフラ建設などを増やすよう指示しており、今後は中国に於いても財政出動を伴う景気対策が加速化される可能性もあると見ておきたい。
(2)韓国
 現代エンジニアリング、2 年連続で「アジア最高のエンジニアリング会社」
韓国の主要紙である朝鮮日報は、韓国有数企業である現代エンジニアリングが米国の建設・エンジニアリング専門誌である「エンジニアリング・ニュース・レコード」が発
表した「世界の設計会社225社」リストで、2年連続でアジア最高のエンジニアリング企業として評価されたと報道している。
現代エンジニアリング社は、この評価に対して、「今年の順位上昇はウズベキスタン、トルクメニスタンなど新興市場で大型プラントのEPC(設計、調達、建設を含む工事
請負契約)プロジェクト受注に成功したことが大きかった。」とコメントしている。
更に、同社は、同社の昨年の海外設計売り上げが7億5,000万米ドルとなり、2007年の9,440万米ドルに比べて何と7倍も伸びたことを強調している。
 インテルの売り上げに肉薄する三星電子
米国の市場調査会社である「ICインサイツ」は、韓国の三星電子の本年4~6月期の半導体売上高は103億100万米ドル(但し、受託製造分を含む)となり、前期対比
10.3%増加したと発表している。
一方、世界第一位のインテルは前期対比2.7%増の119億4,600万米ドルとなっている。
インテルの2014年通年の売上高は三星電子より36%多くなっているが、今年4~6月期は16%上回るに留まっており、ウォン高にも拘らず、三星電子の売り上げは
善戦していると評価されている。
[主要経済指標]
1.
対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/
1,178.33(前週対比-11.34)
台湾:1米ドル/32.15ニュー台湾ドル(前週対比-0.50)
日本:1米ドル/
124.28(前週対比+0.56)
中国本土:1米ドル/6.3908人民元(前週対比-0.1812)
2. 株式動向
韓国(ソウル総合指数):1,983.46(前週対比-29.83)
台湾(台北加権指数):8,305.64(前週対比-143.92)
日本(日経平均指数):20,519.45(前週対比-144.99)
中国本土(上海B):3,965.335(前週対比-303.796)
4.EC(電子商取引)サイトセミナーに参加しました
昨日新宿で行われた中小機構主催のセミナーには多くの参加者が集まり会場はごった返していました。
いずれも興味を引くタイトルのヒトこま 50 分のセミナーが午後半日だけで同時並行的に数十も開催されたため到底全体を語れませんが、私が参加できたセ
ッションの特筆点だけ 3 回に分けてご紹介いたします。
今回は中国越境 EC についてで、株式会社ユニベイトの郭健 COO からのプレゼンテーションで聴取した内容です。
同社は Amazon とアップルに次ぐ世界第三位のネット小売り企業の JD.COM の日本市場パートナーに認定され JD.COM に出店を検討する日本企業を支援する
立場にあります。
中国の電子商取引市場は昨年で 4,260 億ドル(約 53 兆円)と米国(3,050 億ドル)や日本(710 億ドル)を遥かに凌駕し、またその伸び率(2013 年比)も
35%超と米国(15.7%)や日本(約 10%)を大きく引き離しています。
急成長を遂げている中国の EC 市場で数少ない未開拓地が①越境 EC と②生鮮品(いわゆるクール便)市場だそうです。
未開拓といっても中国の越境 EC 市場は既に昨年 989 億ドルに達していますが、中国政府の越境 EC 促進政策により今後大きな伸びが期待されるとのこと。
例えば、通常の輸入であれば輸入関税と増値税で 17%以上の税金を取られていたものを行郵税(個人郵便荷物用輸入関税)のみとし、輸入税額が 50 元以下の
場合、無税とします。また、上海、重慶、杭州、寧波、鄭州、広州、深センが越境貿易電子商取引サービス実験都市に認定されました。
日本との間の越境 EC での売れ筋は現状は①ベビー用品、②お菓子、健康食品、③化粧品、だそうです。
日本の商品を求める中国人消費者にとっての判断基準のキーワードは「安心」、「安全」、「高機能性」、「費用対効果」だそうです。
中国の電子商取引の殆どが現状タオパオや JD.COM のような C2C か B2C のモール経由なされており、単独ドメインでの取引はハードルが高いようです。
中国の EC 市場に興味があって参入コストとリスクを低く抑えたい日本企業には C2C や B2C のモールへの出店の代わりに、そういったモールを運営する直販
企業と提携する B2B2C のスキームがお勧めというのが JD.COM との間を取り持つユニベイト社の提案でした。
あまた選択肢があるなかで、紙おむつでは花王のメリーズ、化粧水で SK-II が爆発的人気を誇っているのはメーカーのマーケティングではなく、中国人仲介
業者の「高機能性」と「費用対効果」に関する SNS を通じた粘り強い説明があったため、という趣旨の本を最近読みましたが、やはり中国人の感性に訴え、
財布のひもを緩めるポイントは「口コミ」を創出する物語やイベントの繰り返しであり、そこにソーシャルメディアの果たす役割が非常に大きいとの印象で
した。