8 August 2016 2016年10月〜 B型肝炎ワクチン定期接種導入 日本におけるB型肝炎対策はこれまで母子感染予防を中心に実施されてきました。 しかしながら、保育所での集団感染例が報告さ れるなど、近年では唾液や汗を介した水平感染が問題となっています。現行の母子感染予防だけでなく水平感染への対策も重要 であること等から、今年10月よりB型肝炎ワクチンが定期接種に導入されることとなりました。 B型肝炎(A類疾病)定期接種スケジュール 接種対象者:1歳に至るまでの間にある者 接種量 0.25mL/回 標準的な接種期間:生後2月に至った時から生後9月に至るまでの期間 27日以上の間隔をおく ① 出生 2カ月 ② ③ 9カ月 1回目の接種から139日以上の間隔をおく 1歳 接種対象者は、平成28年4月1日以後に生まれた児です。 注意事項 ① H28/4/1生まれの児はH28/11/11までに1回目を接種しなければ、定期接種対象年齢(0歳児) の間に3回目まで接種できません。10月を迎えたら、 できるだけ早く1回目を接種しましょう。 H28年4月1日 生まれの場合 H28 10/1 11/1 生後6カ月 H29 1/1 12/1 生後7カ月 生後8カ月 ① 11/12 :定期接種対象期間 2/1 生後9カ月 3/1 生後10カ月 4/1 生後11カ月 1歳 定期として接種できない ② ③ 4/1 139日以上の間隔をおく ② 対象者で定期接種導入以前に任意で接種を受けている場合は、3回のうち残りの回数を定期として接種できます。 ③ HBs抗原陽性の妊婦から生まれた乳児で、抗HBs人免疫グロブリンの投与に併せてB型肝炎ワクチンの投与を 受けた児※は、定期接種の対象者から除かれます。 ※母子感染予防としてのB型肝炎ワクチン接種は健康保険給付の対象となります。 B型肝炎 定期接種化に伴う改正事項 定期化に伴い、副反応報告基準および長期療養特例に ついてB型肝炎の項目が以下のように追加されます。 B型肝炎 ① 副反応報告基準について 定期接種においては各ワクチンごとに副反応として報告すべき基準 が定められています。B型肝炎については、右記の症状を規定の期 間に認めた場合にはPMDA[(独)医薬品医療機器総合機構] にFAXにて直接報告することが義務付けられます。 ② 長期療養特例について 長期療養特例とは、長期にわたり療養を必要とする疾患等により、接種 対象年齢の間に定期接種を受けられなかった場合、当該事由が消滅 してから規定の期間内であれば定期として接種できる制度です。B型 肝炎は事由消滅後2年以内(年齢の上限なし) であれば接種可能です。 ただし、10歳以上で接種する場合、接種量は0.5mLとなります。 出典:平成28年2月22日第8回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料、 平成28年 6月22日 健発0622第1号予防接種法施行令の一部を改正する政令及び予防接種法施行 規則及び予防接種実施規則の一部を改正する省令の公布について、定期接種実施要領 症状 副反応報告基準 期間 アナフィラキシー 4時間 急性散在性脳脊髄炎 28日 ギラン・バレ症候群 28日 視神経炎 28日 脊髄炎 28日 多発性硬化症 28日 末梢神経障害 その他※ 28日 予防接種との関連性が高い と医師が認める期間 ※医師が予防接種との関連性が高いと認める症状であって、入院治療を 必要とするもの、死亡、身体の機能の障害に至るもの又は死亡若しくは 身体の機能の障害に至るおそれのあるもの 企画編集:一般財団法人 阪大微生物病研究会(http://www.biken.or.jp) 発行:一般財団法人 阪大微生物病研究会/田辺三菱製薬株式会社 5BI-453A16Ⅶ079 ▲上記本文中の内容に関するお問い合わせは、お受けしておりません (審)
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