渡航前に・・現地の感染症情報にご注意を

August 2012
8
渡航前に・
・現地の感染症情報にご注意を
ロンドンオリンピック開幕
今年の夏はイギリスでロンドンオリンピックが開催されますが、多くの観客が集まることで、病気や
けがのリスクが高くなります。感染症についても、渡航者に以下の注意喚起が案内されています。
◆麻疹・百日せき流行中
ヨーロッパでは、麻疹の大規模な発生が起こっています1)。
WHO（ヨーロッパ地域）での、2012年1月∼4月の麻疹症例
報告数は13,233人、主な発生国はウクライナ（8,200人）、
ルーマニア（1,766人）、ロシア連邦（1,470人）、フランス
（476人）、イギリス（440人）、イタリア（339人）、スペイン
（229人）2)
【cf.日本での報告数：110人（2012年5月2日現在）3) 】
。
さらにイギリスでは、全国的に百日せきの患者数が増えていま
す。昨年は1年間で1,118人の患者が報告されましたが、今年は、
5月末までに1,781人の患者が報告されています1) 。
麻疹
百日せき
ワクチン未接種の方
ワクチン接種歴が不明な方
ワクチンの接種回数が不十分な方*
渡航前に早めに医師の診察を受け、
予防接種について相談を！
＊麻疹含有ワクチンは2回、DPT（ジフテリア・百日せき・破傷風）
ワクチンは4回接種が必要です1) 。
出典：1)厚生労働省検疫所FORTH オリンピックを観戦するために英国に渡航される皆さまへ
2) WHO Europe WHO Epidemiological Brief 25: Update on measles and rubella
3)国立感染症研究所HP感染症発生動向調査（IDWR）2012年第17週
夏休み海外渡航前には予防接種を!!
外国では日本に存在しない感染症が流行していたり、
日本にいる時より感染する危険性が高い場合があります。
このような感染症を予防するため渡航前に予防接種を行うことが重要です。渡航先や渡航期間、旅行形態、自身の年齢、
健康状態などにより必要な予防接種は異なるので、事前に渡航先の感染症情報を収集し、必要な予防接種を行いましょう。
【海外渡航で検討する予防接種の種類】※あくまで目安ですので接種にあたっては接種医とよく相談してください。ワクチン接種回数有効期間
対象
3回
5∼10
年間
B型肝炎
3回
10年以上
破傷風
3回
10年間
冒険旅行などで怪我をする可能性の高い人。40歳以上の人は抗体保有率が低い。
狂犬病
3回
2年間
長期滞在、研究者など動物と直接接触し感染の機会の多い場合や、奥地・秘境などへの渡航ですぐに
十分な医療機関にかかれない人。
黄熱
1回
10年間
アフリカや南米の熱帯地域に行く人。黄熱ワクチンの接種済み証明書（接種後10日目から有効）を入国
時に要求する国や帰国時の乗り換えの時に要求する国もある。
日本脳炎
3回
4年間
流行地（東アジア、南アジア、東南アジア）へ行く人。
ポリオ
（生）
2回
10年以上
A型肝炎
途上国に中・長期（1ヶ月以上）滞在する人。特に60歳以下の人は抗体保有率が低いため、接種が勧めら
れる。
日本では16歳未満の人には接種できない（現在申請中）。
血液に接触する可能性のある人。渡航先（主に東南アジア）
での性行為に注意することで予防可能。
南アジア、中近東、
アフリカへ行く人は追加接種を考える。昭和50年から52年生まれの人はポリオワクチ
ンによる免疫獲得が特に低いことが指摘されているため、追加接種が勧められる。
海外の感染症情報はこちら
出典：厚生労働省検疫所FORTH 海外渡航のためのワクチン/予防接種の選択
海外渡航者に対する予防接種のあり方に関する研究班海外旅行者の予防接種Q&A
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