日本とEU諸国における 短期留学の特徴と高等教育の国際化に果たす

日本とEU諸国における
短期留学(受入れ)の特徴と高等教育の国
際化に果たす役割の比較研究
(2008-2010)
佐藤(東工大)、野水(名大)、近藤(阪大)、堀田(広大)、太田、高濱(一橋大)
鈴木(電通大)、水戸(関学)
増山(CSUS)、橋本(モナシュ大)、高宇(スウェーデン王立工科大)、高木(ア
マースト大)、筆内
本日のメニュー
EUと日本を比較するフレームワーク
 オンライン調査第一次集計結果


スペインの事例⇒近藤先生

提言したいと考えている事項⇒ディスカッション
2
Educational Diplomacy
日本
1987~
エラスムス
EU統合の実質化
ECTS単位認定システムの確立
学生と教員の交流促進
ヨーロッパ的視点を取り入れたプログラム開発
1,000大学でECTS制度化
2004~
エラスムス・ムンドゥス
EU大学間の連携強化
優秀な留学生の獲得
高等教育の国際競争力強化
第三世界に対する影響力向上
外交、文化
移民、労働
など包括的
アプローチ
の必要性
1993 CULCON
(US-Japan Conference on Cultural
and Educational Interchange)
米国学生受入れ圧力
1994年~短期留学推進に関する調査
研究協力者会議
⇒多様性、交流性、通用性
⇒奨学金供与、国立大学人員配置による
プログラム奨励
2010年:奨学金
短プロ型:52大学58プログラム610件
単位互換型: 20大学22プログラム120件
その他: 22大学32プログラム140件
21世紀東アジア青少年大交流計画
東アジア共同体構想
3
目的
非英語圏のEU諸国と日本の短期留学(受入れ)が
 送出し側の大学や学生にどのように評価されているのかを解
明し、その強み弱みを分析する
 短期留学が高等教育の国際化をどのように促進し、何が課題
で、その課題を克服するために、どのような政策が有効であっ
たのかを分析する
 企業との連携がどのように行われているかを比較する
 これらを通じ、EUと日本の短期留学(受入れ)の特徴と、高等
教育の国際化や企業との連携に果たしている役割を比較し、
その効果を最大化するために必要な政策や措置について考察
する
4
オンライン調査第一次集計結果
日本に短期留学した学生 222名
学部生72% 修士28%
出身:欧州95 アジア45 北米36 オーストラリア21 中東2
 非英語圏欧州に短期留学した学生 28名
(行先:フランス10 スペイン8 ドイツ7 スウェーデン2)
学部生85% 修士15%
出身:米国人12 日本人16

Atanki、Jafsa等のメーリングリストで呼び掛け
カリフォルニア州立大学より呼びかけ
科研メンバー
5
留学動機
To increase
opportunities
for future
career
development
12%
日本留学者
To obtain the
academic
knowledge/sk
ill in my field
14%
To upgrade
my Japanese
language
skill
21%
To broaden
my
international
perspective
22%
2位視野拡大
To extend my
human
network
4%
To visit
Japanese
universities
for my study
in the future
3%
To deepen
my cultural
understandin
g of Japan
24%
To increase
opportunities
for future
career
development
10%
To broaden
my
international
perspective
17%
3位言語
習得
1位文化理解
To extend my
human
network
5%
To visit
European
universities
for my study
in the future
1%
欧州留学者
To deepen
my cultural
understandin
g of Europe
20%
To obtain the
academic
knowledge/sk
ill in my field
18%
3位専門
知識習得
To upgrade
my European
language
skill
29%
2位文化理解
上位3つを点数化して集計:1位=3点、2位=2点、3位=1点
1位言語
習得 6
留学して良かった点
To have
increased
chances for
future career
development
9%
To have
visited the 日本留学者
Japanese
universities
for my study
in the future
4%
To have
obtained the
academic
knowledge/ski
ll in my field
10%
2位言語
習得
2位視野
拡大
To have
upgraded my
Japanese
language skill
21%
To have
broadened my
international
perspective
21%
To have
extended my
human
network
10%
To have
deepened my
cultural
understandin
g of Japan
25%
1位文化
理解
To have
increased
chances for
future career
development
6%
2位視野
拡大
To have
broadened my
international
perspective
18%
To have
extended my
human
network
15%
欧州留学者
To have
visited the
European
universities
for my study
in the future
1%
To have
obtained the
academic
knowledge/ski
ll in my field
14%
To have
upgraded my
European
language skill
28%
To have
deepened my
cultural
understandin
g of Europe
18%
2位文化
理解
1位言語
習得
7
問題
Had difficulty
because of the
deterioration
Had difficulty
of human
because proper relationships
accommodatio with the staff
n was not
of the host
difficulty
provided Had
universities
because
of food
3%
3%
differences
Had
4%
difficulty
because of
poor
financial
support
9%
Could not
communicate
well with the
people in
Japan because
of their poor
English
language skills
21%
2位英語によ
る日本人との
意思疎通
日本留学者
欧州留学者
Had difficulty
because of the
transportation
system
3%
1位専門教育の質
Quality of
education in
my field was
lower than I
expected
23%
Could not
extend my
human
network as I
expected
12%
Difference of
the values and
cultures was
bigger than I
expected
13%
Had
difficulty
because of
the
deterioration
of human
relationships
with the staff
of the host
universities
5%
Had
difficulty
because of
the
transportatio
n system
9%
Quality of
European
language
education
was lower
than I
expected
8%
Quality of
education in
my field was
lower than I
expected
6%
Difference of
the values
and cultures
was bigger
than I
expected
15%
Had
difficulty
because of
food
differences
11%
Had
difficulty
because
Quality of
proper
Japanese accommodati
language on was not
education was provided
lower than I
6%
expected
9%
3位文化
の違い
Had
difficulty
because of
poor
financial
support
17%
3位文化
の違い
Could not
extend my
human
network as I
expected
Could not
19%
communicate
well with the
people in
Europe
because of
their poor
English
language
skills
4%
2位
資金支援
1位人的
ネットワーク
8
5段階評価の比較
英語による専門科 日本留学者
目の質
欧州留学者
語学クラスの質
*p<0.05, (*)p<0.06
平均値 標準偏差 有意差
3.04
.908
*
3.63
1.147
日本留学者
4.13
.938
欧州留学者
4.27
.919
見学などその他活 日本留学者
動の質
欧州留学者
4.28
.783
3.96
1.071
他の留学生とのネッ 日本留学者
トワーク機会
欧州留学者
4.20
.880
3.96
1.071
留学国学生との
ネットワーク機会
日本留学者
3.28
1.071
欧州留学者
3.36
1.283
(*)
9
企業との連携
全回答者中の該当回答割合:単位%
企業との連 インターン
連携プロ
企業見学 奨学金
携 有
シップ
グラム
日本留学
者
45.3
10.8
33.6
4.5
3.6
欧州留学
者
17.2
6.9
10.3
6.9
3.4
10
短期留学の総合評価(10点満点)
日本留学者
欧州留学者
平均値
8.29
8.54
標準偏差
1.350
1.290
EUと比較した日本の短期留学の強み弱み(推定)
<強み>
 企業・学校訪問、文化体験、など「その他活動」の充実
 プログラム形式による他国留学生とのネットワーク機会
 企業との連携(企業見学)
 奨学金(しかし、エラスムス・ムンドゥス奨学金が・・・)
<弱み>
 英語による授業の質の低さ(少なさ)
 英語による日本人との意思疎通
11
提言したいと考えている事項
外交、言語・文化、研究、労働、移民などと連携した、総合的
政策の必要性
 海外の日本語教育や文化戦略を強化し、将来、日本に留学
したいと考える若者の層を厚くする
 英語による授業の増加と質の向上⇒FD and 外国人
 日本の短期留学の魅力のアピール(「その他活動」、研究室、
グループ受入れ)
 企業との一層の連携
 送出し側に親切な日本の短期留学のシステム(単位互換)
 派遣も強化し、将来の日本の大学国際化を担う人材を育てる

And more?
12
先達の言葉

英語で教えることに情熱をもって協力してくれる教員を
出来るだけ大勢確保し、留学生を啓発できる授業カリキ
ュラムをいかに編成するか、ということの難しさ

英語図書の充実と図書館を利用しやすくする、writing
centerの設置など、授業の周辺となるアカデミックサポ
ートも重要
北海道大学 留学生センター 常田益代先生
13
22年度の課題
インタビュー結果とコメントの分析
 企業との連携に関する調査⇒日本、EU、韓国
 海外における日本語教育・日本文化広報戦略と短期留学
⇒米国、オーストラリア、スウェーデン、スペイン


オンライン回答数の少なさと偏り
⇒政策提言のためには、より多くの回答に裏打ちされた説
得力のあるデータが必要
14
調査へのご協力のお願い



日本に短期留学(1年未満)した(している)学生たちへのオンライ
ン調査協力の呼びかけ
EU(フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、スウェーデン)に短期留
学(1年未満)した(している)学生たちへのオンライン調査協力の
呼びかけ
協定校の派遣留学担当者へのオンライン調査協力の呼びかけ
オンライン調査や協力依頼のメール文例は下記サイトから:
http://www.ryu.titech.ac.jp/staff/yusato/kaken-request.htm
オンライン調査回答に要する時間は、15-30分程度です
15
調査結果の分析と活用
回答分析を行うにあたっては、集められた個人情報の
機密を保持し、匿名性を確保して分析します
 ご要望があれば、ご協力いただいた大学関係の回答
データをエクセルでお送りできます
 ご協力いただいた方には、分析結果の報告書をお送り
します
詳しくは東工大佐藤まで yusato#ryu.titech.ac.jp
(メールを送られる場合には#を@に変えて送信下さい)
Tel: 03-5734-3524

16