当社が排出する廃棄物には

限りある資源の有効利用をはかる観点
廃棄物関連法規制に基づく廃棄物の
適正処理に努めるとともに、廃棄物の減
金属くず 3.6%
建設廃材 1.8%
その他
0.4%
量化・有効利用拡大に積極的に取り組み、
金属くず 3.9%
建設廃材2.0%
その他 0.1%
汚泥1.8%
その他2.9%
有効利用率90%以上を維持しています。
汚泥
21.5%
汚泥
19.6%
今後も、企業グループ全体で廃棄物の
発生抑制・再使用・リサイクルを推進し、
発生量
109.9万t
さらなる廃棄物の減量化・有効利用拡大
に向けて取り組んでいきます。
有効利用量
99.4万t
最終処分量
10.5万t
燃えがら・ばいじん
72.4%
燃えがら・ばいじん
95.3%
から、配電工事等で撤去された開閉器・
古コンクリート柱は、破砕処理を行って、
配電工事等で撤去された電線の銅くず
柱上変圧器・電力量計・コンクリート柱等
舗装工事に用いる路盤材などにリサイクル
については配電用電線へリサイクルしてい
の修理再使用の継続的な推進や古コンク
しています。2004年度の有効利用率は100
ます。2004年度の有効利用率はほぼ100
リート柱・電線くず等の工事用資材のリサ
%となりました。
%となりました。
イクル推進など、資機材の再使用・リサイ
また、PVC(ポリ塩化ビニル)被覆につ
クルに積極的に取り組んでいます。
いては、再び電線の被覆材としてリサイク
ルしています。
燃えがら・ばいじん
74.6%
90.4%
9.6%
撤去した開閉器の修理・点検を行い、
再使用に努めています。
当社が排出する廃棄物には、石炭や石
2004年度は、730台を再使用しました。
油の燃焼により発生する灰(燃えがら・ば
いじん)や排煙脱硫装置からの副生品で
ある石こう(汚泥)などがあります。これらに
ついては、適切な管理・処理を行うとともに、
有効利用率(%)
有効利用率
発生量
発生量 有効利用量(万t)
有効利用量
94.4
100
83.9
82.8
廃棄物の減量化に向けて有効利用を推進
80
75.1
しています。
2004年度は、廃棄物の発生量が109.9
60
1,162,034
92.7
1,161,491
1,115,135
1,046,383
1,179,442
150
90.4
1,099,371
古コンクリート柱
再生配電用電線
した配電線絶縁カバー類や計器箱などの
棄処分していました。
100
万トン、有効利用量が99.4万トンとなり、こ
の結果、有効利用率は90.4%となりました。
40
50
20
0
872,939
923,161
1999
主な廃棄物の発生量
989,908
2000
1,096,954
2001
970,208
2002
2003
有効利用量
セメント原料など
土木資材など
建材
土地造成材
その他
石炭灰 818千t(815千t)
405千t(392千t)
44千t( 36千t)
16千t( 19千t)
254千t(285千t)
0千t( 13千t)
当社は、グループ企業である東北ポール
994,346
2004
(年度)
0
(株)と共同で、配電柱の傾斜等を防止す
廃プラスチックを原料としてリサイクルした
「プラスチック製ねかせ」導入後は、ほぼ
る新型の配電柱基礎補強機材「プラスチ
ものです。配電設備からの廃プラスチックは、
全量をリサイクルすることが可能となり、環
ック製ねかせ」を開発し、2005年度から導
これまでも再生計器箱等へリサイクルして
境影響を低減することができ、加えて作業
入することとしています。
「プラスチック製ね
いましたが、そのリサイクル量は1割程度に
性も大きく向上しました。
かせ」は、配電設備の更新などにより発生
とどまっており、リサイクルできないものは廃
有効利用率
719千t(745千t)
87.9%(91.5%)
●計器箱
●絶縁カバー など
石こう 214千t(173千t)
石こうボード原料など 214千t(173千t)
100%(100%)
古コンクリート柱など 20千t(20千t)
路盤材など 20千t(20千t)
100%(100%)
電線くず・金属くずなど 39千t(28千t)
再生配電線など 39千t(28千t)
99.9%(99.8%)
全体 1,099千t(1,046千t)
全体 994千t(970千t)
90.4%(92.7%)
(
)
は2003年度実績
廃棄物管理の強化・充実を目的として
2003年度に構築した廃棄物管理システム
当社と委託・請負工事や資機材購入な
の向上を目指し、経済性(廃棄物処理費
については、2004年度から各事業所への
どで関連の深いグループ企業では、環境
の低減)と環境性(環境影響の低減)を
導入拡大をはかり、一層の廃棄物管理の
担当者による「廃棄物3R施策検討会」を
両立させた廃棄物3R施策を検討・推進し
徹底に努めています。
設置し、請負工事分を含めた有効利用率
ています。
再生計器箱
プラスチック製ねかせ
プラスチックアースモール
拡大図
また、東新潟火力発電所および新潟火
は、秋田県の協力を得て、秋田県内3カ所
石炭火力発電所から発生する石炭灰には、
火力・原子力発電所では冷却水用取水
力発電所では、貝類の全てを低廉で高品
フライアッシュと呼ばれる電気集じん器で集
道路舗装に使用されるアスファルト混合
路の点検清掃時に、水路に付着したムラ
質な肥料として商品化しているほか、能代
めた微粉末の灰と、クリンカアッシュと呼ば
物に不可欠な石粉(フィラー)の代替品と
サキイガイなどの貝類を除去していますが、
火力発電所および女川原子力発電所では
れるボイラーの底に溜まる灰の塊を回収し
して石炭灰の研究を進めています。研究で
新仙台火力発電所内に貝処理施設を設
破砕分級法 ※により埋立処分量を減量化
て脱水・粉砕した灰があります。発生量の
置し、2001年4月から、新仙台火力発電所
しています。
9割程度を占めるフライアッシュについては、
石炭灰(クリンカアッシュ)を道路工事の盛
および仙台火力発電所の貝類の全量有
※破砕分級法:取水路から除去された貝類を淡水で攪拌・
洗浄・破砕後、比重差を利用して貝殻と貝肉類を分類・
処理する方法。
ほぼ全量をセメント原料やセメント混和材な
土材料に利用する技術を共同で開発しまし
効利用を開始しました。
除去貝処理装置(新仙台火力発電所)
の国道で試験施工を実施しました。
当社と国土交通省東北地方整備局は、
どに有効利用していますが、クリンカアッシ
た。この技術は、東北地方整備局がとりま
ュは、半量程度は土地造成材として利用し、
とめた「道路盛土における石炭灰と建設発
残りは埋立処分しています。
生土利用ガイドライン」に採用されました。
このため当社では、廃棄物処分量のさら
なる低減に向けて、石炭灰の有効利用拡
仙台技術センターにおける、新仙台火力発電所および仙台火力発電所での冷却水路に付着した
貝殻と汚泥の再資源化への取り組みが、2004年10月に「リデュース・リユース・リサイクル推進協議
会」の会長賞を受賞しました。
大に積極的に取り組んでいます。
セメント原料・
セメント混和材
貝殻・汚泥を発酵させて出来た製品の全量を、緑化工事の土壌改良材として、企業グループを通
じ、販売しています。
灰は、主にセメント原料(粘土代替)やセ
900
建築
土地造成
その他 処分:
陸上埋立
872
57
175
(19.8%)
700
818
燃料(リサイクル燃料)には、燃え残りのウ
ており、これらは再処理をすることによって
電に利用する「原子燃料サイクル」を原子
70
99
ランが96%(ウラン235が約1%、ウラン
再び燃料として利用可能です。資源が少
力政策の基本としています。
(8.5%)
(12.1%)
238が約95%)、ウラン238が中性子を吸
ないわが国では、使用済燃料を再処理して
(1.6%)
2
600
284
(32.6%)
(0.1%)
270
(30.5%)
216
(25.9%)
500
400
(0.6%)
(1.4%)
2
(0.3%)
300
5
12
285
254
(35.0%)
(31.0%)
16
(1.8%)
242
5
(28.1%)
(0.1%)
13
16
27
(3.1%) 19
(2.3%)
(1.5%)
(2.0%)
36
44
(5.4%)
(4.5%)
ルサーマル」といいます。プルサーマルは
り、現在もフランス、
ドイツ、スイスなどで実
8
用規模で継続的に行われています。わが
(0.9%)
200
337
417
421
470
392
405
(50.1%)
(47.5%)
(53.9%)
(48.1%)
(49.5%)
(39.0%)
度までに16基から18基の原子炉でプルサ
ーマルを実 施する予 定ですが 、当 社は
2010年度までに女川原子力発電所の1基
100
でプルサーマルを実施する計画です。プル
サーマル実現に向けては、様々な機会をと
0
1999
2000
2001
2002
2003
2004 (年度)
イエロー
ケーキ
ウラン鉱石
ウラン鉱山
六フッ化ウラン
らえ理解活動を行っていきます。
高レベル
放射性廃棄物
処分場
低レベル
放射性廃棄物
埋設センター
再転換工場
転換工場
高レベル
放射性廃棄物
貯蔵管理施設
高レベル
放射性廃棄物
六フッ化ウラン
ウラン
濃縮工場
製錬工場
海外ではすでに40年近くにわたり実績があ
国では各電力会社が順次導入し、2010年
います。2004年度には21.4万トンの石こう
を有効利用しました。
使用済燃料を再処理して取り出したプ
ルトニウムをウランと混合してつくった燃料
(MOX燃料)を、軽水炉で利用することを「プ
よって副次的に発生する石こうは、全量を
石こうボード業界へ供給し、有効利用して
ウランやプルトニウムを回収し、繰り返し発
815
13
(0.1%)
1
収して生成したプルトニウムが約1%含まれ
18
(21.7%) 2
(0.2%)
(31.6%)
原子力発電所で一度使用した使用済
(6.5%)
(2.1%)
181
273
しました。
火力発電所の排煙脱硫装置の運転に
土木
833
石炭灰を混入したフライアッシュセメントを
使用し、約1,100トンの石炭灰を有効利用
セメント・コンクリート
800
有効利用率が87.9%となりました。また、
建設工事において、コンクリート構造物に
仙台技術センター 土木課 佐々木 優
886
861
います。
2004年度は有効利用量が71.9万トン、
盛土材料への適用
アスファルト
フィラーへの適用
(千t)
メント混和材として、また土地整備事業な
どの土地造成材として有効利用をはかって
高流動コンクリートの
開発・活用
流動化埋め戻し
材料への適用
より有効な発酵菌の選定や製品化までの各工程の見直しなどにより、一層のコスト低減を目指します。
有効利用:
園芸培養土の
開発
土地造成材、
道路の盛土材
貝殻・汚泥を全量有効利用することについては前例がなく、法規制等について確認するとともに、
設計から試運転段階まで装置にさまざまな工夫・改良を重ねました。
石炭火力発電所において発生する石炭
アスファルトフィラーへの適用
ウ二
ラ酸
ン化
ウ回
ラ収
ン
プルトニウム・ウラン
使用済燃料
中間貯蔵施設
再処理工場
使用済燃料
成型加工工場
燃
料
集
合
体
燃使
料用
済
低レベル放射性廃棄物
原子力発電所(商業用)
原子力発電所から出る低レベル放射性
当社の事業所では、オフィスの省エネ・
廃棄物には気体、液体、固体の廃棄物が
あります。これらは一般の廃棄物とは区別し、
資源有効活用と社員の環境意識の高揚を
昼休みの照明の消灯、不使用時のOA
廃棄物の性状や含まれている放射性物質
目的として、コピー用紙の使用量の削減や
機器の電源オフや事業所内の冷暖房温
組みなどの省エネ努力により、93.6百万
の種類や濃度などに応じた区分管理のも
古紙分別回収など、環境に配慮した取り
度の適正化(夏季28℃以上、冬季20℃以
kWhとなり、前年度並に抑制しました。
組みを積極的に進めています。
下に設定)などに努めています。
とで適切な管理・処理を行っています。
気体廃棄物は、放射能を十分減衰させ
た後、安全を確認し排気筒より放出してい
ます。液体廃棄物は、ろ過やイオン交換、
濃縮などの処理を行った後、一部について
は安全を確認した上で放水口から放流しま
すが、大部分について基本的に発電所内
原
子
力
発
電
所
か
ら
出
る
廃
棄
物
大気
へ
建屋の排気など
での再利用を行っています。使用済樹脂、
(百万kWh)
海へ
電子メール、電子掲示板、電子台帳な
洗濯水など
どの活用により、文書類の電子化をはかっ
固体廃棄物
貯蔵庫
セメントなどで固める
紙・布など
焼却・圧縮して減容する
かっています。
ドラム缶に詰める
(t)
120
1000
110.0
109.8
用紙購入量
107.7
古紙回収量
102.2
100
92.5
ています。また、文書・印刷物の両面コピ
ーの徹底により、用紙購入量の削減をは
93.6
能を減衰させた後、
ドラム缶にセメントなど
した後、
ドラム缶に詰めています。これらの
で固化しています。紙、布、金属といった
ドラム缶は発電所構内の固体廃棄物貯蔵
雑固体廃棄物は、焼却や圧縮により減容
庫で安全に保管し、その一部は日本原燃
(株)の低レベル放射性廃棄物埋設セン
ター(青森県六ヶ所村)に搬出しています。
などの影響がありましたが548.9トンと、前
年比で約1%削減しました。
821
800
753.0
705.3
80
600
60
650.4
623.0
580.0 562.4
688.6
552.6
553.9
548.9
474.4
2004年度の用紙購入量は、災害対応
濃縮廃液は、貯蔵タンクに保管して放射
2004年度の電気使用量は、左記取り
400
40
200
20
0
1999
2000
2001
2002
2003
0
2004(年度)
1999
2000
2001
2002
2003
2004(年度)
使用済燃料を再処理し、ウランやプルト
ニウムを取り出した後には「核分裂生成物」
ガラス固化体
を含む廃液が残ります。この廃液は放射能
レベルが高いので「高レベル放射性廃棄物」
と言い、ガラス原料と溶かし合わせて「ガラ
ス固化体」にします。ガラスは水に溶けにく
く、化学的に安定しているため、放射性物
核分裂生成物
3%
プルトニウム
1%
質を長期間にわたり安定して閉じこめること
に優れています。ガラス固化体は冷却する
ために一時貯蔵し、その後は人間が管理し
なくても良いように地下深い安定した地層
中に埋設処分する計画です。
約
130
cm
核分裂
しやすい
ウラン235
1%
核分裂
しにくい
ウラン238
95%
使用済燃料(例)
再
利
用
可
能
核高
分レ
裂ベ
ル
生放
成射
物性
重さ
約500kg
廃
棄
物
高レベル放射性廃棄物
貯蔵管理施設
冷
却
空
気
入
口
ガラス固化体
OA紙、新聞、パンフレットなどの分別回
社員食堂への生ゴミ処理機の導入(一部
収による紙のリサイクルを継続実施してい
事業所)や、ミックスペーパーの分別・リサイ
ます。2004年度の回収量は、821.0トン(前
クルなど、各事業所から排出する一般廃棄
年度比109.0%)となりました。
物についても、排出量の削減に努めています。
一般廃棄物の分別回収(福島支店)
約40cm
廃液をガラス原料と溶
かし合わせてステンレス
製の容器(キャニスター)
の中で固化する。
ウラン・プルトニウム
「環境配慮型商品の利用による環境影
ガラス固化体は当初、表面温度
が高くなり、冷却する必要がある
ため30〜50年間安全に一時貯
蔵する。
人工バリアを設けた
うえで、天然バリア
となる地下300mよ
り深い安 定した地
層に埋設処分する。
などを目的に、グリーン調達の推進に取り
組んでいます。
当社では従来から、再生紙の購入、名刺
やPR冊子などへの再生紙利用をはじめ、照
明器具に省エネタイプの製品を導入するなど、
八戸火力発電所では、
4号機排煙脱硫装置除却工事に伴い発生する廃棄物の処理量やコストの削
減、および有効利用の拡大へ向け、廃電子基板材に含まれている貴金属の回収を目指し調査・検討
を実施しました。
その結果、小坂製錬(株)を中心とした「秋田北部エコタウン」において、有価取引が成立する貴
金属の回収(基板100kgあたり金10g、銀100g、銅20kg、パラジウム5g程度)が可能であることが
判明し、
100%のリサイクルを達成しました。
今後予定されている4号機廃止撤去工事においても、
「廃止撤去工事における3R対策の実施」を
項目に掲げ、さらなるコスト削減とリサイクル率100%を目指し環境影響低減対策を実施していくことと
しています。
■会 社 名/矢崎総業株式会社
■品
名/6kV-CVT他
ポリ塩化ビニル樹脂を使用する電線・ケーブル全般
■提案内容/環境負荷物質削減の一助として、電線・ケーブルに使用されている
絶縁体・シースに含まれる鉛化合物を削減
従来、ポリ塩化ビニル樹脂には材料の劣化を防止するために、鉛系の安定剤が使
用されてきました。
事務用品のグリーン化を推進してきました。
矢崎グループでは、環境負荷物質である鉛の削減を推進しており、電線・ケーブル
2002年4月からは、
「東北電力グリーン
用ポリ塩化ビニル樹脂の安定剤を鉛系安定剤から、安全性の高い、鉛を使用していな
調達ガイドライン」に基づき、事務用品や
い安定剤に変更してきました。2003年からは業界初となる全品種鉛フリー化への切り
什器類などのオフィス用品および電力設備
替えを順次始め、現在では一部の製品
用資機材のグリーン調達をはじめました。
を除いた全品種で切り替えが完了して
電力設備用資機材では、環境影響低
電子基板(貴金属含有)
グリーン提案の一例を下記のとおりご紹介します。
響の低減」、
「市場のグリーン化への協力」
います。
減への提案「グリーン提案」を募集し、既
この鉛を使用していない安定剤を使
に6件が採用されています。主に梱包材の
用したポリ塩化ビニル樹脂の特性は、
削減についての提案ですが、これに伴い
従来品と同等です。
梱包材の価格も削減しています。