平成19年度中国地域における 海外ロケーション誘致に向けた方策調査 報 告 書 平成20年3月 経 済 産 業 省 中国経済産業局 は じ め に 近年,国内外において,映画やTVドラマ等の舞台としての地域がメディアを通して紹介され, 地域のイメージアップや観光客の来訪につながることが認識され,各地のロケ受け入れ機関(フ ィルムコミッション等)の活動が活発になっています。また,映画やTVドラマを含めたコンテ ンツ産業は知的財産立国の重要な柱に位置づけられており,平成 18 年6月に経済産業省がとり まとめた「新経済成長戦略」では,現在 13.6 兆円の市場を,今後 10 年間で約5兆円拡大させ, 2015 年には約 19 兆円の市場規模を目指すこととしています。 こうした状況を踏まえ,経済産業省本省のみならず,地域の経済産業局においてもより一層の コンテンツ産業の推進あるいはコンテンツを活用した地域振興を図る必要があるとの認識から, 平成 18 年9月に中国経済産業局にもコンテンツ産業支援室を設置しました。 映画やTVドラマのロケの誘致及び受け入れについては,中国地域でも地域振興の一つの手段 として認識され,各地の自治体やフィルムコミッションを中心とした活動が活発に行われていま す。現状では,国内の映画やTVドラマのロケ誘致が圧倒的に多いのですが,海外の映画やTV ドラマのロケを誘致した場合,大規模なロケ班の滞在等による直接経済効果だけでなく,映画等 が広く公開されることにより,観光地としての魅力・情報発信につながり,大きな経済的効果を 得ることが期待されます。 その中で,「広島」は世界的に抜群の知名度を有しており,「広島」で撮影したいと希望する映 像関係者も少なくないと言われています。また,「広島」及びその周辺地域(広島地域)は,風 光明媚な魅力とともに,フィルムコミッションなどの活動も活発であることから,海外の映画や TVドラマのロケを受け入れるポテンシャルは十分備えていると考えられます。 こうした背景から,本調査は,広島地域をモデルとして,海外ロケを誘致するための実現方策 について調査するとともに,中国地域全体としての海外ロケ誘致活動のあり方を検討することを 目的として,有限会社地域科学研究所に委託して行ったものです。 本書が,映画やTVドラマのロケの誘致・受け入れを通して地域振興に取り組まれる皆さまの 一助として,活用されることを切に願います。 最後に,調査委員会の委員の皆さまをはじめ,本調査の実施に当たり,アンケート調査やヒア リング調査,情報提供のご協力を賜りました関係各位に対しまして,この場を借りて深く謝意を 表する次第です。 平成20年3月 中国経済産業局 産業部長 岩切 俊一 目 次 (頁) 第1章 調査の概要_______________________________________________________________ 1 1 実施方針 ....................................................................... 1 2 実施内容 ....................................................................... 2 3 調査委員会 ..................................................................... 6 第2章 中国地域におけるロケの実績_______________________________________________ 7 1 中国地域の地域特性 ............................................................. 7 2 中国地域のフィルム・コミッション .............................................. 11 3 ロケ受入の事例 ................................................................ 16 4 ロケ活用の事例 ................................................................ 41 第3章 海外ロケ誘致に必要とされる条件__________________________________________ 53 1 海外における映像制作の現状−米国ハリウッド及び韓国の事例− .................... 53 2 釜山フィルム・コミッションの事例 .............................................. 58 3 わが国における海外ロケ誘致・受入事例 .......................................... 62 第4章 広島地域への海外ロケ誘致方策のモデル検討________________________________ 68 1 海外ロケ誘致のための地域ポテンシャル .......................................... 68 2 海外ロケ誘致のための地域課題 .................................................. 75 3 海外ロケの誘致方策の検討 ...................................................... 78 4 海外ロケの受入態勢の検討 ...................................................... 83 5 海外ロケ誘致による波及効果の試算 .............................................. 87 第5章 中国地域における海外ロケ支援組織のネットワーク化の検討__________________ 94 1 フィルム・コミッションの海外ロケ誘致に対する意識 .............................. 94 2 ネットワーク化の必要性と方向性 ................................................ 96 資料編__________________________________________________________________________ 99 1 調査委員会の議事要旨 .......................................................... 99 2 中国地域のロケ受入事例 ....................................................... 102 3 中国地域のロケ実績を紹介する小冊子の作成 ..................................... 115 4 広島地域の魅力を紹介する DVD の作成 ........................................... 116 5 釜山国際映画祭見本市 BIFCOM への出展 .......................................... 120 第1章 調査の概要 1 実施方針 1.1 調査の背景 近年,国内外において映画やTVドラマ等の舞台として,地域がメディアを通して紹介され, 観光客の来訪促進につながることが,地域の行政・経済団体に認識されるようになり,各地でフ ィルム・コミッション等の活動を活用した観光振興などに取り組む例が増加している。具体的な 効果として,フィルム・コミッションを組織することによって,①当該地域の情報発信ルートの 増加,②撮影隊が支払う直接的経済効果,③作品公開を通じた観光客数の増加と観光客が支払う 間接的経済効果,④映像制作への関わりを通じた地域文化の創造と向上が期待される。こうした 効果を期待して,中国地域においても,2008(平成 20)年3月までに 21 のフィルム・コミッシ ョンが設立され,映画やTVドラマのロケーション(以下, 「ロケ」)誘致が活発に行われている。 コンテンツ立国をめざすわが国においては,特に海外からのロケ誘致を増加させることが有効 であり,そのために映画やTVドラマ等の映像コンテンツに関わるロケ環境を整備する必要があ る。これによって,コンテンツ制作の機会が増えるとともに,コンテンツに関わる人材の育成, 地域経済の活性化,自国文化の保存,わが国のコンテンツ産業の振興が可能となる。しかし,海 外からのロケ誘致の実績に比べて,国内の映画やTVドラマのロケ誘致が圧倒的に多いのが現状 である。その理由として,宿泊施設やそのサービス,関係機関の連絡体制といった受入態勢が不 十分であることや,東欧や中国等との価格競争の激化等をあげることができる。 そうした状況にあって,広島市は国際平和都市として世界的な知名度を有しており,広島市で 映画やTVドラマの撮影を希望する映像関係者も少なくない。また,広島市とその周辺地域(以 下,「広島地域」)は,都市的風景と太田川,瀬戸内海,中国山地といった自然的風景がコンパク トにまとまって立地しているとともに,広島フィルム・コミッションのロケ誘致活動が全国的に みても活発であることから,海外の映画やTVドラマ等のロケを受け入れるためのポテンシャル は十分備えていると考えられる。 1.2 調査の目的 本調査は,こうした背景を踏まえ,中国地域におけるロケ誘致活動の現状と効果をとりまとめ るとともに,広島地域をモデルとして,海外からのロケを誘致するための条件や課題について調 査・分析を行い,それらを踏まえた対応方策について検討することを目的とした。また,広島地 域におけるモデル検討を通じて,海外ロケ誘致のノウハウを確立して中国地域での共有化を図る とともに,海外ロケ誘致に意欲のあるフィルム・コミッション等のネットワークの形成・強化を 図ることをねらいとした。 1 2 実施内容 2.1 調査内容 (1) 中国地域におけるロケの実績の調査 ① ロケ実績の調査 既存資料の収集整理とウェブ検索,中国地域のフィルム・コミッション等を対象としたア ンケート調査を通じて,中国地域における国内外の映画とテレビドラマのロケの実績を把握 した。具体的な調査項目及び内容は以下のとおり。 調査項目 調査内容 作品概要 作品名,原作者,制作者,配給者,主な出演者,興業実績 ロケ概要 ロケ地,シーン,撮影期間,地元協力状況,問題点 経済波及効果 ロケにかかる直接経済効果,ロケ後の観光入込客数 地域振興活動 FC や NPO,企業,行政等の新たな活動展開 また,把握したロケ実績の中で経済波及効果が顕著にみられたり,先導的かつ特徴的な活 動を展開したりしていた3事例を対象としたヒアリング調査を実施し,詳細を把握した。ヒ アリング対象は次の3事例とした。 ・ おのみちフィルム・コミッション(映画「男たちの大和/YAMATO」ロケセットの活用) ・ みまさかフィルム・コミッション(映画「バッテリー」を活かした観光・集客交流) ・ 萩ロケ支援隊(映画「長州ファイブ」を活かした商品開発や観光・集客交流) ② 小冊子の作成 上記の調査内容を整理し,中国地域において映画やTVドラマ等のロケをきっかけに産業 育成や集客交流,文化振興等の地域振興を図っている事例をとりまとめた小冊子(カラーA 4判4頁,1,000 部)を作成した。 (2) 広島地域をモデルとした海外ロケ誘致に向けた方策の検討 ① 広島地域の映像コンテンツにおける魅力の整理 既存資料の収集整理とウェブ検索,公民館アンケート調査を通じて,海外ロケ誘致に向け た広島地域のロケ地としての魅力を整理した。具体的な調査項目及び内容は以下のとおり。 調査項目 撮影シーン 調査内容 生活感あふれる風景,メッセージ性(例:平和)のある風景・施設 撮影場所間の近接性(アクセシビリティ) 撮影サポート体制 映像制作を支援する企業の立地状況 ボランティアの協力体制,行政機関等による協力・支援体制 映画等に関わるNPOの活動状況 ② 海外ロケ誘致に必要とされる条件面の把握 既存資料の収集整理及び関係者へのヒアリングを通じて,米国ハリウッド映画と韓国の映 2 画・TVドラマを事例として,海外ロケの実施要因,ロケ地の選定条件,海外ロケ実施上の 課題について把握した。ヒアリング対象は次のとおり。 誘致対象 米国ハリウッ 制作・受入 制作者側 ド映画 韓国映画・T ヒアリング対象 ビル・ボウリング氏(ハリウッド・ロケマネージャー) 松岡利光氏(㈱インナップ制作部長) 受入地域 姫路フィルムコミッション( 「ラストサムライ」ロケ受入) 制作者側 柳内孝一氏(ロケコーディネーター) Vドラマ 本川春美氏(㈲イーストワン代表取締役) 受入地域 神戸フィルムオフィス(「ガラスの華」ロケ受入) ③ 海外ロケを広島地域に誘致するために必要な課題の分析 ①で整理した広島地域の魅力と②で明らかにした海外ロケ誘致に必要な条件等を比較する 形で,海外ロケ(特に米国ハリウッド映画及び韓国映画・TVドラマ)を広島地域に誘致す る上で強みとなる点と対応すべき課題を抽出・整理した。 ④ 海外に広島地域の魅力を売り込むための方策の検討 ①∼③の検討結果を踏まえ,海外の映画及びTVドラマの制作者に対して,広島地域での ロケ受入に向けて広島地域の魅力を売り込むための方策を検討した。 具体的に,広島地域の魅力を売り込むためのメディアの作成方針,各メディアの効果的な 配布先及び配布等プロモーション活動の実施体制を検討した。また,プロモーション DVD を モデル的に作成し,釜山国際映画祭見本市 BIFCOM(2007(平成 19)年 10 月8∼12 日,韓 国・釜山市)で上映し,アンケート調査を通じて視聴者からの感想や意見を聴取した。 ⑤ 海外ロケを誘致するための受け入れ態勢の整備に関する検討 広島地域において海外からのロケを受け入れるための態勢のあり方及びその整備方策につ いて検討した。具体的に,広島地域に海外ロケ誘致を行うための情報発信等プロモーション 活動を行う態勢及びその整備方策,実際の受入に当たっての支援活動を行う態勢及びその整 備方策について検討した。 ⑥ 海外ロケ誘致による地域への波及効果の試算 広島地域をモデルとして,米国ハリウッド映画及び韓国映画・TVドラマのロケ受入を行 った場合の地域への経済的な波及効果について試算した。 ⑦ 中国地域における海外ロケ支援組織のネットワークの強化に関する検討 広島地域におけるモデル検討の結果を踏まえ,その成果を中国地域全体で共有・活用して いくため,中国地域の海外ロケ誘致に意欲的に取り組んでいる支援組織等のネットワークの 形成及び強化の方針について検討した。 3 2.2 調査手法 調査項目 実施手法 (1)中国地域におけるロケの実績の調査 文献調査,ウェブ検索,アンケート調査 ヒアリング調査 (2)広島地域をモデルとした海外ロケ誘致に向 けた方策の検討 ①広島地域の映像コンテンツにおける魅 力の整理 文献調査,ウェブ検索,アンケート調査 ②海外ロケ誘致に必要とされる条件面の 文献調査,ヒアリング調査 把握 調査委員会の検討 ③海外ロケを広島地域に誘致するために 必要な課題の分析 データ整理,調査委員会での検討 ④海外に広島地域の魅力を売り込むため 調査委員会の検討 の方策の検討 DVD の作成及び見本市での配布・検証 ⑤海外ロケを誘致するための受入態勢の 整備に関する検討 ⑥海外ロケ誘致による地域への波及効果 の試算 ⑦中国地域における海外ロケ支援組織の ネットワークの強化に関する検討 4 調査委員会の検討 産業連関表等による試算 調査委員会の検討 2.3 スケジュール 月 項目 平成 19 年 7月 8月 9月 10 月 平成 20 年 11 月 12 月 (1)中国地域におけるロケ の実績の調査 実績調査 小冊子作成(含.著作権交渉) (2) ① ②海外ロケ誘致に必要と される条件面の把握 ③ ④ ツール検討 DVD 作成 ⑤ ⑥海外ロケ誘致による地 域への波及効果の試算 ⑦ 5 ● DVD 上映 効果検証 1月 2月 3月 3 調査委員会 本調査及び検討を行うに当たり,有識者,自治体,フィルム・コミッション,関係団体等から なる委員会を設置した。委員数は9名とし,調査期間中に広島市内で3回開催した。 【調査委員】 ○ 尾本 哲朗 中国経済産業局産業部産業振興課コンテンツ産業支援室長 ○ 清水 増夫 とっとりフィルム・コミッション 代表 ○ 増田 泉子 中国新聞社 販売部企画チーム ○ 冨永 洋一 下関フィルム・コミッション 常任委員長 ○ 中嶋 健明 広島市立大学芸術学部 教授(座長) ○ 西崎 智子 広島フィルム・コミッション 主事 ○ 松山 生馬 中国運輸局企画観光部国際観光課長 ○ 森本 学 株式会社JTB中国四国地域振興・事業開発チームマネージャー ○ 門田 大地 株式会社中国放送 事業センター長 【開催概要】 ○ 第1回 日 時:2007(平成 19)年8月8日(水)14:00∼16:00 場 所:広島ガーデンパレス(広島市東区) 出席者:委員 10 名,事務局 5 名(計 15 名) 議 題:中国地域のロケ実績,広島地域に海外ロケを誘致するための条件と課題の検討 DVD 作成方針の検討 ○ 第2回 日 時:2007(平成 19)年 12 月5日(水)15:00∼17:00 場 所:中国経済産業局会議室(広島市中区) 出席者:ゲスト 3 名 阿部秀司(㈱ROBOT 代表取締役), 安東善博(広島経済同友会アニメーションビエンナーレ基金代表) 杉田定大(中国経済産業局長) 委員 10 名,事務局 4 名,オブザーバー4 名(計 21 名) 議 題:広島地域への海外ロケを誘致方策及び受入態勢の整備に関する検討, 小冊子作成方針の検討 ○ 第3回 日 時:2008(平成 20)年3月4日(火)14:00∼16:00 場 所:中国経済産業局会議室(広島市中区) 出席者:ゲスト 1 名 広島県警察本部 委員 9 名,事務局 3 名,オブザーバー1 名(計 14 名) 議 題:経済波及効果の検討,中国地域におけるネットワーク強化に関する検討 報告書案の検討 6 第2章 中国地域におけるロケの実績 1 中国地域の地域特性 1.1 自然環境 近畿地方から西に突出し関門海峡で九州と接する半島状の中国地域は,日本海沿岸にも瀬戸内 海沿岸にも平野が乏しい。その中で比較的規模が大きい平野は岡山平野と出雲・松江平野,鳥取 平野などである。山陰と山陽の県境をなす中国山地がやや日本海寄りに東西に走るため,鳥取県 と島根県は東西に細長い形態をなしている。中国山地は分水界でもあるが,江の川だけは例外的 に中国山地を越えて広島県にも広い流域を持つ。 気候的には,冬季には季節風が強く曇天が続き積雪の多い日本海型と,年降水量が少なく夏の 暑さが厳しい瀬戸内型,その中間にあって冬季には曇天と低温の日が続くが夏には朝夕の気温が 涼しくしのぎやすい中国内陸型の3地域に区分される。瀬戸内海沿岸で製塩や造船が盛んであっ た原因の一つとして,瀬戸内海型の気候条件があげられる。出雲平野の築地松景観に代表される 日本海から吹き付ける西北の季節風や瀬戸内沿岸における夏の夜の夕凪はそれぞれの地域の名物 となっている。 資料:『日本の地誌9 中国・四国』から引用,一部改変. 1.2 歴史 古墳時代の吉備文化や出雲文化に象徴されるように,中国地域では内陸部に比べて海岸部への 居住と地域的発展が早かったが,瀬戸内沿岸では浅海に注ぐ河川のデルタが発達し,干拓や埋立 によって耕地の拡大が可能だったことから,山陰沿岸よりは人間活動の場として恵まれていた。 山陰海岸や隠岐でも北前船の寄港地として栄えた港町があったが,瀬戸内海は古来近畿と九州を 結ぶ航路として帆船交通が盛んであり,西廻航路の開発後は日本海に向かう北前船も増加し,赤 間関(下関)や尾道,鞆,下津井などの港町が栄えた。 その後,鉄道交通の発達とともに,山陽本線はわが国の幹線ルートの一つとなり,工業化の進 展によって瀬戸内海沿岸は太平洋ベルト地帯に加わった。戦前の軍事産業(広島・呉)や繊維産 業(岡山県・広島県東部),石油化学工業(山口県)をベースとしつつ,高度経済成長期には新 産業都市や工業整備特別地域の指定を受けて,各地で工場立地が進み,各都市も急速な成長をと げた。これに対して,山陰地域では中海地域が新産業都市の指定を受けたが,高速交通基盤整備 の遅れもあって,工場立地が期待以上に進まず,工業化が促進されなかった。 中国山地は四国山地と比べれば標高も低く急峻な地形ではなく,かつては砂鉄から鉄分をとり だす「たたら」の産地であり,日本刀その他鉄製品の原料となっていた。明治以降にたたら製鉄 が寂れてからも薪炭類の生産は存続し,都市に薪炭を供給してきた。しかし,薪炭が家庭燃料と して使用されなくなった高度経済成長期頃から人口が急速に減少し,特に昭和 38 年の「三八豪 雪」は挙家離村の一大契機となり,過疎化の進行を早めた。 資料:『日本の地誌9 中国・四国』から引用,一部改変. 7 1.3 交通網 (1) 定期航空路 国際定期航空路は,米子空港と岡山空港,広島空港からソウル,上海,台北,グアムなどへ の路線がある(表1)。国内定期航空路は,中国地域の各空港から東京,大阪(伊丹)などへ の路線があり,特に各空港から東京への路線は運行便数が他路線と比べて多い(表2)。 表1 中国地域発着の国際航空路(2006(平成 18)年) 空港 行き先 就航年月 便数 所要時間 利用人数(平成17年度) 米子 ソウル 平成 13 年4月 週3便 1時間 25 分 29,929 人 岡山 ソウル 平成3年6月 週7便 1時間 30 分 94,733 人 上 海 平成 10 年6月 週7便 2時間 10 分 61,201 人 グアム 平成 10 年7月 週2便 3時間 40 分 17,828 人 ソウル 平成3年6月 週7便 1時間 30 分 120,842 人 上 海 平成8年2月 週7便 2時間 10 分 47,594 人 大連・北京 平成 10 年2月 週4便 4時間 05 分 26,668 人 大連 平成 15 年4月 週3便 1時間 55 分 18,568 人 台北 平成 16 年6月 週7便 2時間 25 分 50,392 人 グアム 平成 17 年4月 週2便 3時間 40 分 28,694 人 バンコク 平成 17 年 12 月 週4便 5時間 20 分 7,219 人 広島 資料:『中国地域の経済と地域開発 2007』 表2 中国地域発着の国内定期航空路(2006(平成 18)年) 空港 行き先 便数 所要時間 鳥取 東京 日4便 1時間 10 分 米子 東京 日5便 名古屋 東京 出雲 空港 便数 所要時間 東京 日9便 1時間 10 分 1時間 15 分 札幌 日1便 1時間 50 分 日2便 1時間 00 分 鹿児島 日2便 1時間 15 分 日5便 1時間 20 分 沖縄 日1便 1時間 50 分 東京 日 15 便 1時間 20 分 大阪(伊丹) 50 分 岡山 行き先 広島 福岡 日2便 1時間 10 分 成田 日1便 1時間 35 分 大阪(伊丹) 日1便 50 分 札幌 日2便 1時間 50 分 出雲 日1便 30 分 仙台 日2便 1時間 25 分 萩・ 東京 日1便 1時間 25 分 沖縄 日1便 1時間 40 分 石見 大阪(伊丹) 日1便 1時間 00 分 宮崎 日1便 55 分 鹿児島 日2便 1時間 00 分 東京 日8便 1時間 30 分 隠岐 資料:『中国地域の経済と地域開発 2007』 8 (2) 高速交通網 中国地域は,瀬戸内にJR山陽新幹線が東西に走るほか,東西方向に山陽自動車道と中 国縦貫自動車道,南北方向に中国横断自動車道岡山米子線,同広島浜田線などが整備・供 用され,都市間を接続している。しかし,瀬戸内や中国山地に比べて山陰側は高速道路網 の整備が遅れており,その整備が喫緊の課題となっている。 高速道路利用による県庁所在地間の所要時間をみると,広島−岡山間,広島−山口間は 2時間以内に到達することができるが,鳥取−山口間,鳥取−広島間,松江−山口間など 4時間以上を要する区間もみられる。 鳥取空港 米子空港 出雲空港 隠岐空港 岡山空港 萩・石見空港 広島空港 山陽自動車道 岡南飛行場 広島西飛行場 山口宇部空港 0 100km 50 図1 中国地域の高速交通網(2006(平成 18)年) 表3 高速道路利用による県庁所在都市間の所要時間 鳥取市 松江市 岡山市 広島市 松江市 2時間 30 分 − − − 岡山市 2時間 30 分 2時間 30 分 − − 広島市 4時間 10 分 3時間 00 分 1時間 45 分 − 山口市 5時間 20 分 4時間 10 分 3時間 40 分 1時間 50 分 資料:『中国地域の経済と地域開発 2007』 9 1.4 観光資源 自然的資源については,日本海側と中国山地,瀬戸内でそれぞれ地域的に特色のある分布を示 している。日本海側では砂浜海岸や湖沼,多様な海岸浸食景観が発達し,海水の清澄さという点 でも都市の住民を惹きつける魅力を持つ。中国山地は火山性の地形も分布し温泉の湧出もみられ るほか,石灰岩・カルスト地形も存在するなど多様な観光資源を有している。瀬戸内は内海多島 景観が卓越し,国際的な知名度も高い。波静かな海浜は夏場の海水浴に限らずマリンスポーツに も活用されている。これらのうち,特にすぐれたものは国立公園や国定公園に指定されており, 前者として山陰海岸,大山隠岐,瀬戸内海の3地域,後者として氷ノ山後山那岐山,比婆道後帝 釈,西中国山地,北長門海岸,秋吉台の5地域がある。 人文的資源については,歴史的・文化的遺産が重要な観光資源となっている。城下町起源の都 市(鳥取,松江,岡山,福山,広島,岩国など)は,城郭・城跡や庭園,種種の文化施設,歴史 的建造物,伝統産業を有するものが多く,現代的な都市アメニティと組み合わさって都市型観光 地を形成している。古い歴史を持つ寺社(出雲大社,吉備津神社,厳島神社,防府天満宮など) , 近世から近代の商家を中心に形成されたまちなみ景観(倉吉市,倉敷市,福山市鞆,尾道市,竹 原市,津和野町など)も集客力のある観光資源である。 これらの他にも,各地でゴルフ場や遊園地,ヘルスセンター,キャンプ場,海水浴場,スキー 場などの建設が進められ,一定の利用がみられる。また,近年では伝統的な年中行事(鳥取傘踊 り,下関先帝祭,西大寺裸踊りなど)に加えて,広島フラワーフェスティバルなどのイベントも 重要な観光資源となっている。 資料:『日本の地誌9 中国・四国』から引用,一部改変. 10 2 中国地域のフィルム・コミッション 2.1 フィルム・コミッションの概要 中国地域では 21 のフィルム・コミッションが設立され(2008(平成 20)年3月現在),それ ぞれロケハンの協力,撮影許可申請の代行,ロケの立ち会い,食事や宿泊施設の手配,エキスト ラの募集・手配,映画イベントの協力,映画公開時のロケ地情報パンフレットの制作・配布,映 画ポスターのロケ地での配布・手配などの業務を実施している。 各フィルム・コミッションの分布状況及び組織概要は以下のとおり。 図2 中国地域におけるフィルム・コミッションの分布(2008(平成 20)年3月) 11 表4 中国地域におけるフィルム・コミッションの概要(2008(平成 20)年3月) FC 名 設立年 組織形態 役員数 主要構成メンバー 全国協議会 とっとり FC 平成 17 年 NPO 法人 17 名 有志個人,3名の映画監督が顧問として参加 ○ 松江 FC 協議会 平成 13 年 行政機関 14 名 松江市,松江観光協会,松江商工会議所,島根県観光連盟 ○ 松江 FC 平成 19 年 NPO 法人 9名 有志個人 − 石見 FC 平成 18 年 NPO 法人 14 名 有志個人 − 岡山県 FC 連絡協議会 平成 18 年 行政機関 4名 岡山県,県内市町村,岡山県観光連盟 ○ 倉敷 FC 平成 15 年 任意団体 37 名 倉敷市,倉敷観光コンベンションビューロー ○ 笠岡諸島 FC 平成 14 年 任意団体 − 有志個人 ○ たかはし FC 平成 16 年 任意団体 22 名 高梁市,高梁市観光協会 − にいみ FC 平成 18 年 任意団体 17 名 新見市, − せとうち FC 平成 18 年 任意団体 12 名 瀬戸内市,瀬戸内市観光協会,瀬戸内市教育委員会 − みまさか FC 平成 18 年 任意団体 10 名 美作市,美作青年会議所,みまさか商工会,あさのあつこ支援隊,湯郷温泉観光協会 他 − 広島 FC 平成 14 年 行政機関 − 広島市,広島観光コンベンションビューロー ○ 呉地域 FC 平成 15 年 任意団体 12 名 呉市 ○ FC みはら 平成 15 年 任意団体 2名 三原市,三原商工会議所,三原観光協会,三原市文化協会,三原映画祭実行委員会 ○ おのみち FC 平成 15 年 行政機関 − 尾道市,尾道商工会議所,尾道観光協会 ○ ふくやま FC 平成 17 年 任意団体 3名 福山市,福山商工会議所,福山市観光協会 ○ 備後ふちゅう FC 平成 20 年 任意団体 5名 府中市,府中市観光協会,府中商工会議所,上下町商工会 − 山口県 FC 平成 15 年 行政機関 11 名 山口県 ○ 下関 FC 平成 14 年 任意団体 4名 下関市,下関商工会議所,下関観光コンベンション協会,しものせき映画祭実行委員会 ○ 萩ロケ支援隊 平成 14 年 行政機関 4名 萩市,萩市商工会議所,萩市観光協会,萩温泉旅館協同組合,萩物産協会,萩青年会議所 ○ 岩国市 FC 平成 18 年 行政機関 − 岩国市 ○ 資料:各フィルム・コミッション資料,中国地域における映画・TVドラマのロケ受入実績に関するアンケート調査 12 2.2 広報・プロモーション活動 ウェブサイトやパンフレット等(いずれも日本語版)のメディアの活用,映画やTVドラマ関 係者への情報提供,全国フィルムコミッション連絡協議会への参加などを中心に,ロケ誘致に向 けた広報・プロモーション活動が実施されている。 (件) 14 12 12 10 10 10 10 8 6 6 5 4 3 3 2 2 3 2 1 1 1 1 0 日 英 日 英 D 映 映 ロ 国 海 テ 新 全 国 そ 本 語 語 版 本 語 語 版 V D 画 や 画 館 ケ 内 ー の 外 の レ ビ 聞 ・ 国 F 際 的 の 他 版 ウ ウ ェ 版 パ パ ン 等 の T V を 活 シ 見 ョ 本 見 本 ・ ラ 雑 誌 C 連 な F ェ ブ ブ サ ン フ フ レ 制 作 ド ラ 用 し ン 市 マ 等 市 等 ジ オ の 活 絡 協 C 連 サ イ レ ッ マ た ネ へ へ の 用 議 絡 イ ト ト の ッ ト ト 等 関 係 情供ー の 報 ジ 出 の 出 活 用 会 の 組 織 の 運 運 営 等 の の 作 者 へ 提 供 ャ 展 ー 展 活 動 の 活 作 成 成 の 情 へ の へ の 動 へ 報 情 参 の 提 供 報 提 加 参 加 営 図3 中国地域のフィルム・コミッションによる広報・プロモーション活動の現状 (中国地域における映画・TVドラマのロケ受入実績に関するアンケート調査をもとに作成,回答数:16) 13 2.3 受入態勢の確立 ほとんどのフィルム・コミッション等で「行政の観光部局や観光協会等との連携」「エキスト ラの確保」「ロケ候補地のリストアップ」が実施されている。 「担当職員数の確保」「担当職員の資質向上」は回答団体の約半数にとどまった。また,「地域 ぐるみの支援体制の確立」「ロケ候補地の魅力向上の取組み」に取り組むフィルムコミッション 等はわずかである。 14 13 12 11 11 (件) 10 8 8 7 7 6 4 4 2 2 2 2 1 1 0 0 担 当 担 当 地 域 行 観 政 光 映 画 地 撮 域 影 エ キ 地 域 ロ ケ ロ そ ケ の 職 員 数 職 員 の 住 民 ・ の ・ 観 集 光 客 制 作 支 振 支 興 援 等 ボ ス ト ラ ぐ る み 候 補 地 候 他 補 地 の 確 保 資 質 向 事 業 者 部 サ 局 ー や ビ 援 事 業 に ラ 関 ン わ テ の 確 保 の 支 援 の リ ス の 魅 力 上 の の 理 観 ス 光 事 者 と る ィ N ア 体 制 ト ア 取 組 み 解 の 促 協 業 会 者 等 と の 連 携 P の O 確 等 保 の 確 立 ッ プ 進 と の の 連 連 携 携 携 と の 連 み 向 上 の た め の 取 組 図6 中国地域のフィルム・コミッションによるロケ受入態勢の現状 (中国地域における映画・TVドラマのロケ受入実績に関するアンケート調査をもとに作成,回答数:16) 14 2.4 各フィルム・コミッションの強み ロケ誘致を行う上での強みとして,歴史的景観(街並み等),砂丘や海などの自然景観,交通 条件,多様なロケシーンの集積などがあげられている。回答数からみると,歴史的景観(街並み 等)がもっとも多い。 表5 各フィルムコミッションのロケ誘致を行う上での一番の強み 団体名 ロケ誘致を行う上での一番の強み とっとりFC 日本一の鳥取砂丘 松江FC協議会 数多くの歴史的・文化的建造物 松江FC (平成 19 年 10 月設立のためアンケート未実施) 石見FC (未回答) 岡山県FC連絡協議会 県内FCの窓口機能(ワンストップサービス) 倉敷FC 昭和を撮影できる場所が残っている 笠岡諸島FC (未回答) たかはしFC 魅力ある街並み にいみFC (未回答) せとうちFC 日本のエーゲ海と呼ばれる牛窓の海(瀬戸内海の景観) みまさかFC (未回答) 広島FC 海,山,都市部,田舎の風景など,様々な場所がコンパクトに立地 呉地域FC 海上自衛隊関連施設 竹原市役所 数多くの伝統的建造物 FCみはら 交通アクセスの利便性(広島空港,山陽新幹線,三原港) おのみちFC 狭いエリアに海,坂道,歴史ある寺社が集積 ノスタルジックなロケーション ふくやまFC (未回答) 備後ふちゅうFC (平成 20 年3月設立のためアンケート未実施) 廿日市市役所 世界遺産と日本三景(宮島) 山口県FC 古い建造物 下関FC 国際航路(関釜・釜関フェリー)の就航 萩ロケ支援隊 江戸時代の街並み 岩国市FC (未回答) 資料:中国地域における映画・TVドラマのロケ受入実績に関するアンケート調査 15 3 ロケ受入の事例 3.1 受入件数 図7は中国地域のフィルム・コミッションが組織の設立以降にロケを受け入れた件数の推移を 示している。これをみると,2003 年度から各地域でのFCの設立に伴い,FCでのロケ受入件 数が急増している。 映画 TVドラマ 50 40 25 30 20 (件) 18 20 13 10 0 19 5 6 2 1 2001 2002 23 18 11 2003 2004 2005 2006 (年度) 図7 中国地域のフィルム・コミッションによるロケ受入件数の推移(2001∼2006 年度) (中国地域における映画・TVドラマのロケ受入実績に関するアンケート調査をもとに作成,回答数:15) ※21FCのうち,松江FC,石見FC,笠岡諸島FC,ふくやまFC,備後ふちゅうFC,岩国市FCを除いた数値。 16 3.2 地域への波及効果 フィルム・コミッション等に地域波及効果が高かったと思われる作品の具体的な効果(各作品 につき3点まで)をあげてもらったところ,図8のような回答結果が得られた。 これをみると,「映像作品を通じた地域の広告効果」「地域住民等による街の魅力の再発見」と いった地域の魅力化,ブランド化に関する効果が多くあげられており,「撮影スタッフが支払う 直接的経済効果」と「作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加」といった経済効果 はそれらに次ぐ効果となっている。なお,次頁以降に示した作品別の波及効果をみると,各フィ ルム・コミッション等は撮影スタッフが支払う直接的経済効果や観光関連消費額の具体的な数値 について把握していない場合が多かった。これはロケ受入に伴う経済的効果に対する認識が低い ことと具体的な数値把握が困難であることがその要因と推察される。また,「映像制作企業など 新たな企業立地」という産業育成に関わる効果はみられなかった。 映像作品を通じた地域の広告効果 28 地域住民等による街の魅力の再発見 19 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 15 文化活動の活発化 13 作品公開後の観光客数の増加と観光関連 12 消費額の増加 映像制作企業など新たな企業立地0 その他 1 0 10 20 30 図8 中国地域のフィルム・コミッション等によるロケ受入に伴う地域波及効果 (中国地域における映画・TVドラマのロケ受入実績に関するアンケート調査をもとに作成,対象作品数:41) 17 3.3 地域への波及効果が高い作品 以下に,各フィルム・コミッション等において地域への波及効果が高かった作品として回答さ れた作品の概要,ロケ概要,波及効果,活用事例を示す。 (1) とっとりフィルム・コミッション 作 品 作品名(原作者名) TVドラマ「遙かなる約束」(原作:村尾靖子) 制 作 者 名 フジテレビ 配 給 会 社 名 フジテレビ 主 な 出 演 者 阿部寛,黒木瞳,紺野まひる,佐々木蔵之助,広末涼子 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 鳥取駅,白兎海岸,宝木海岸 概 主 な 撮 影 シ ー ン 再会シーン,愛を確かめ合うシーン,回想シーン ケ 概 撮 影 期 間 4日間 協 力 内 容 ロケハン同行,ジャンボタクシー,宿泊,ロケ弁, 白兎海岸清掃,エキストラの手配,ロケ同行 ロケ隊の態度がよそよそしく感じが悪かった。清掃などで協力 要 効 してもらった人に頼まれたサインを送ってこなかった。 波 及 効 果 果 作 品 概 映像作品を通じた地域の広告効果 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 作品名(原作者名) TVドラマ「西遊記」 制 作 者 名 フジテレビ 配 給 会 社 名 フジテレビ 主 な 出 演 者 香取信吾,内村光良,伊藤淳史,深津絵里 要 平 均 視 聴 率 25% ロ 主 な ロ ケ 地 中国庭園 燕趙園 主 な 撮 影 シ ー ン 第2巻,第5巻,第 7 巻に撮影 ケ 概 撮 影 期 間 4日間 協 力 内 容 要 効 果 鳥取砂丘撮影許可申請,ロケハン(3回)同行,高所作業車 発電機,エキストラの手配,ロケ同行 撮影時間の延長(翌朝6時まで) 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 不明 不明 18 作 品 作品名(原作者名) TVドラマ「温泉若おかみの殺人推理 16」 制 作 者 名 大映テレビ㈱ 配 給 会 社 名 テレビ朝日 主 な 出 演 者 東ちづる,中村梅雀 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 鳥取砂丘 概 主 な 撮 影 シ ー ン 逮捕シーン,回想シーン ケ 概 撮 影 期 間 1日間 協 力 内 容 ロケハン同行,駐車場,ロケ弁,エキストラ,小道具の手配 ロケ同行 鳥取砂丘撮影許可申請をしていなかったため,ロケ中に鳥取県 要 効 職員が来て「違法である」と言った。 波 及 効 果 果 映像作品を通じた地域の広告効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 不明 不明 (2) 松江フィルムコミッション協議会 作 品 作品名(原作者名) 島根の弁護士(原作:香川まさひと) 制 作 者 名 映像京都 配 給 会 社 名 フジテレビ 主 な 出 演 者 仲間由紀恵,香川照之,八嶋智人,竹中直人,樋口可南子 要 平 均 視 聴 率 9.6% ロ 主 な ロ ケ 地 松江市 概 主な撮影シーン ― ケ 概 要 効 果 撮 影 期 間 約3週間 協 力 内 容 ロケ地紹介,各種許可申請,宿泊施設の紹介,エキストラの手 配 雨天の日の急なロケ地の変更への対応 最 大 の 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 不明 19 作 品 概 作品名(原作者名) 制 名 白い船製作委員会 給 会 社 名 シネマ・ワーク 主 な 出 演 者 中村麻美,大滝秀治,尾美としのり,竜雷太 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 白い船(原作:錦織良成) 業 な 成 ロ ケ 績 未回答 地 出雲市(旧平田市) 主 な 撮 影 シ ー ン ― 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 ロケ地紹介,エキストラの手配 要 エキストラの確保 効 果 最 大 の 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 作 作品名(原作者名) 砂時計(原作:芦原妃名子) 不明 制 作 者 不明 名 ドリマックス・テレビジョン 品 配 給 会 社 名 TBS 概 主 な 出 演 者 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 石見地方,松江市 ケ 概 山内菜々,美山加志 主な撮影シーン ― 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 ロケ地の紹介,各種許可申請,エキストラの手配 要 効 果 佐藤めぐみ,竹財輝之助,木内晶子,小野真弓,小林涼子 特になし 波 及 効 果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 不明 不明 20 (3) 岡山県フィルムコミッション連絡協議会 作 品 概 作品名(原作者名) バッテリー(原作:あさのあつこ) 制 作 者 名 角川ヘラルド映画 配 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 林遣都,山田健太 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 約 15 億円 地 高梁市,美作市,新見市 他 主 な 撮 影 シ ー ン オール岡山ロケ ケ 概 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 ロケハン,シナハン,ホテルなどの紹介,映画PR エキストラの手配,ロケ中のサポート 要 ― 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 文化活動の活発化,地域住民等による街の魅力の再発見 果 不明 不明 企 業 に よ る 取 組 ロケ地巡りバスツアーの実施 行 政 に よ る 取 組 バッテリー記念館の設置 作 品 概 作品名(原作者名) 県庁の星 制 作 者 名 共同テレビジョン 配 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 織田裕二,柴咲コウ 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 約 25 億円 地 高梁市 主 な 撮 影 シ ー ン スーパーでのシーン ケ 概 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 ロケハン,ロケ中のバックアップ,エキストラの手配 スーパーが閉店してからの深夜の撮影だったため,エキストラ 要 効 果 の手配が苦労した。 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果,文化活動の活発化 不明 不明 行 政 に よ る 取 組 スーパー内でのパネル展の開催 21 作 品 概 作品名(原作者名) ALWAYS 三丁目の夕日 制 名 ROBOT 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 吉岡秀隆,須賀健太 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 倉敷市,岡山市,真庭市 主な撮影シーン 撮 影 期 間 約2週間 協 力 内 容 ロケハン,ロケ中のバックアップ,エキストラの手配 要 効 ― 波 及 効 果 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果,文化活動の活発化 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 (4) 倉敷フィルム・コミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 釣りバカ日誌 18 制 名 松竹 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 西田敏行 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 下津井,玉島(海蔵寺) 主 な 撮 影 シ ー ン 釣り風景,集会風景 撮 影 期 間 7日間 協 力 内 容 ロケハン,ロケ同行,エキストラ派遣 要 効 果 − 波 及 効 果 特になし 不明 行 政 に よ る 取 組 不明 県によるパネル展示,上映会,釣り大会等 22 (5) たかはしフィルムコミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 県庁の星(原作:桂望実) 制 名 共同テレビ 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 織田裕二,柴咲コウ 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 約 25 億円 地 高梁(ショッピングセンターポルカ),香川(県庁) 主 な 撮 影 シ ー ン 店内でのやりとり 撮 影 期 間 20 日間(全体で2か月間) 協 力 内 容 宿泊,ロケ弁,車両,エキストラの手配 要 スケジュール遅れによるエキストラの調整 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 地域住民等による街の魅力の再発見 果 約 1,200 万円 作 作品名(原作者名) バッテリー(原作:あさのあつこ) 品 概 制 名 角川ヘラルド映画 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 菅原文太,天海祐希,岸谷五朗,林遣都,山田健太 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 不明 業 な 収 ロ ケ 入 約 15 億円 地 高梁,美作,新見 主 な 撮 影 シ ー ン 学校内,キャッチボール,試合のシーン 撮 影 期 間 11 日間(全体で2か月) 協 力 内 容 宿泊,ロケ弁,許認可などの手配 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 地域住民等による街の魅力の再発見 果 約 300 万円 不明 23 作 品 作品名(原作者名) 火垂るの墓(原作:野坂昭如) 制 作 者 名 日本テレビ 配 給 会 社 名 日本テレビ 主 な 出 演 者 松嶋菜々子 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 高梁(吹屋),神戸 概 ケ 概 主 な 撮 影 シ ー ン 空襲シーン 撮 影 期 間 5日間(全体で1か月間) 協 力 内 容 宿泊,ロケ弁,車両,エキストラの手配 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 地域住民等による街の魅力の再発見 果 約 200 万円 不明 (6) にいみフィルムコミッション 作 品 概 作品名(原作者名) バッテリー(原作:あさのあつこ) 制 名 角川ヘラルド映画 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 天海祐希,岸谷五朗,菅原文太 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 約 15 億円 地 久保井野グランド,新見商店街 主 な 撮 影 シ ー ン 主人公の子どもたちが山中のグランドで野球の練習をする場面 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 ロケ候補地の紹介,かき氷の提供,ロケ地周辺の住宅への周知 要 ― 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 地域住民等による街の魅力の再発見 果 不明 不明 24 (7) せとうちフィルムコミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 釣りバカ日誌18 制 名 松竹 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 西田敏行,三国連太郎 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 牛窓のホテル,港 主 な 撮 影 シ ー ン 結婚式のシーン 撮 影 期 間 3日間 協 力 内 容 ロケハン等支援,エキストラの募集,宿泊施設等の紹介 要 ― 効 果 波 作 作品名(原作者名) 母と,ママと,私・・・。 品 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 制 作 者 不明 名 アマゾン 配 給 会 社 名 テレビ朝日 主 な 出 演 者 夏川結衣,岸恵子 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 牛窓オリーブ園,ヨットハーバー 概 ケ 概 要 効 果 主 な 撮 影 シ ー ン ほぼ全シーン 撮 影 期 間 11 日間 協 力 内 容 ロケハン等の支援,エキストラの募集,宿泊施設等の紹介 ― 最 大 の 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 不明 25 (8) みまさかフィルム・コミッション 作 作品名(原作者名) バッテリー(原作:あさのあつこ) 制 作 者 名 角川ヘラルド映画 品 配 給 会 社 名 東宝 概 主 な 出 演 者 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 林遣都,山田健太,倉田成裕,蓮佛美沙子,萩原聖人 上原美佳,岸部一徳,天海祐希,岸谷五朗,菅原文太 入 約 15 億円 地 美作中学校 主 な 撮 影 シ ー ン ほぼ全編 ケ 概 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 ロケ地の斡旋,エキストラの手配,ロケ地使用にかかる申請 FC設立がロケ受入とほぼ同時期であり,実績や活動内容のノ 要 効 果 ウハウがなかったため対応に苦労した。 波 及 効 果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 約 3,000 万円 不明 F C に よ る 取 組 企画展示イベントの開催 企 業 に よ る 取 組 ロケ地をめぐるツアーの企画実施 行 政 に よ る 取 組 企画展示イベントの開催 (9) 広島フィルム・コミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 夕凪の街 桜の国 制 作 者 名 シネムーブ 配 給 会 社 名 アートポート 主 な 出 演 者 田中麗奈,麻生久美子,堺正章 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 平和記念公園,基町環境護岸,広島駅,路面電車 主 な 撮 影 シ ー ン 父を追い広島に来た娘が家族のルーツを知る ケ 概 撮 影 期 間 9日間 協 力 内 容 要 効 果 地 域 ロケ地提案,ロケ地交渉,ボランティアスタッフ・エキストラ 募集,上映・PR支援,その他方言指導,時代考証 天候によるスケジュール変更 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 F C に よ る 取 組 市民を巻き込む撮影になるような各種取組み エキストラ・ボランティア協力及びロケ地の草刈り 振 企 業 に よ る 取 組 撮影時の社内駐車場提供(無償),エキストラ派遣 興 行 政 に よ る 取 組 作品への後援 26 作 品 概 作品名(原作者名) カスタム・メイド 10.30 制 名 サイバーツピクチャーズ 給 会 社 名 グラスホッパ 主 な 出 演 者 奥田民生,木村カエラ 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 市民球場,横川シネマ,横川の町,比治山,元宇品 主 な 撮 影 シ ー ン 作品の9割は広島で撮影 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 エキストラ,ロケ地交渉・提案,立会い等 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 地域住民等による街の魅力の再発見 果 不明 不明 F C に よ る 取 組 横川地区の住民との連携 横川商店街振興会等の協力によるスタッフルームの確保 企 業 に よ る 取 組 地元マスコミによる積極的な告知PR 作 品 作品名(原作者名) ファーとタワン 制 作 者 名 Thunder 社(タイのTV局) 配 給 会 社 名 Thunder 社(タイのTV局) 主 な 出 演 者 ポーラ・テイラー(元ミスタイランド)他 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 広島城,平和記念公園,広島駅,お好み焼き店 概 ケ 概 主 な 撮 影 シ ー ン タイ人留学生とタイ人女性が広島で出会い,恋に落ちるシーン 撮 影 期 間 10 日間 協 力 内 容 エキストラ,ロケ地紹介,ロケ地交渉,ロケ立ち会い 他 要 − 効 果 波 地 F C に よ る 取 組 タイに関係のある方々をエキストラとして起用 域 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 企業による取組 不明 直行便を持つバンコク航空がキャスト,スタッフへのチケット 協賛及び入・出国審査や手荷物検査等への便宜を図った。 県内のロケ地について広島県と連携して全日程をスムーズに行 振 興 行政による取組 えるように調整。広島県に事務局をおく瀬戸内国際観光テーマ 地区推進協議会及び中国運輸局がビジットジャパンキャンペー ンの一環として助成金を支出し,本ドラマの誘致に成功した。 27 (10) 廿日市市(宮島) 作 品 作品名(原作者名) 制 作 者 新平家物語(原作:吉川英治) 名 NHK 配 給 会 社 名 NHK 主 な 出 演 者 仲代達也 要 平 均 視 聴 率 未回答 ロ 主 な ロ ケ 地 厳島神社 概 ケ 概 主 な 撮 影 シ ー ン 厳島神社 撮 影 期 間 1997(平成9)年 協 力 内 容 取材打合せ,厳島神社との連携 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 文化活動の活発化,地域住民等による街の魅力の再発見 果 作 品 不明 作品名(原作者名) 制 作 者 不明 毛利元就 名 NHK 配 給 会 社 名 NHK 主 な 出 演 者 中村橋之助 要 平 均 視 聴 率 23.4% ロ 主 な ロ ケ 地 吉田町,宮島町 概 ケ 概 主 な 撮 影 シ ー ン 厳島神社 撮 影 期 間 1997(平成9)年 協 力 内 容 − 要 効 果 − 波 及 効 果 − 不明 不明 28 (11) 呉地域フィルムコミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 男たちの大和/YAMATO 制 名 東映京都撮影所 給 会 社 名 東映 主 な 出 演 者 反町隆史,中村獅童,松山ケンイチ ほか 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 大和ミュージアム,アレイからすこじま,旧海軍基地 主 な 撮 影 シ ー ン 大和の資料を確認するシーン,小型艇に乗り込むシーン 他 撮 影 期 間 18 日間 協 力 内 容 撮影許可申請代行,エキストラの手配,現場立会い 他 要 効 − 最大の波及効果 果 映像作品を通じた地域の広告効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地マップの作成・配布による観光客等へのPR 企 業 に よ る 取 組 大和関連グッズの企画・販売,ロケ地ツアー商品の企画・販売 行 政 に よ る 取 組 ロケ地マップの作成・配布による観光客等へのPR 作 品 概 作品名(原作者名) 海猿 制 作 者 名 ROBOT 配 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 伊藤英明,加藤あい ほか 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 両城の 200 階段,海上保安大学校 他 主 な 撮 影 シ ー ン 海猿たちの訓練シーン,キスシーン,バスに乗り込むシーン 他 ケ 概 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 撮影許可申請代行,エキストラ・ボランティアの手配,現場立 会 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 最 大 の 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 果 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地マップの作成・配布による観光客等へのPR 行 政 に よ る 取 組 ロケ地マップの作成・配布による観光客等へのPR 29 (12) 竹原市 作 品 概 作品名(原作者名) 時をかける少女 制 名 角川春樹事務所 給 会 社 名 東映 主 な 出 演 者 原田知世,尾美としのり 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 西方寺,胡堂 主 な 撮 影 シ ー ン 主人公の通学風景 他 撮 影 期 間 協 力 内 容 ― 要 ― 効 果 波 作 作品名(原作者名) ズッコケ三人組 怪盗X物語 品 概 及 効 果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 不明 制 作 者 不明 名 フジテレビ 配 給 会 社 名 東映 主 な 出 演 者 大河内奈々子,原田大二郎 他 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 市内全域 主 な 撮 影 シ ー ン 主人公少年たちの日常 ケ 概 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 宿泊・飲食・美術倉庫などの斡旋,道路・施設等の使用願い 夜間撮影に対する住民や施設管理人からの苦情 要 効 果 撮影日程変更による地元プレス記者とのトラブル 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 不明 不明 30 作 品 概 作品名(原作者名) 花田少年史 制 作 者 名 光和インターナショナル,日本テレビ 配 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 須賀健太,篠原涼子,西村雅彦 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 忠海東小学校 主 な 撮 影 シ ー ン 全編 ケ 概 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 要 効 果 公的施設使用手続き,制作スタッフ補助 その他全面的にサポート ― 最 大 の 波 及 効 果 文化活動の活発化 不明 不明 (13) フィルムコミッションみはら 作 品 概 作品名(原作者名) 花田少年史∼幽霊と秘密のトンネル∼(原作:一色まこと) 制 作 者 名 松竹 配 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 須賀健太,篠原涼子,西村雅彦 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 すなみ海浜公園,公園内レストラン,沼田川河川敷 主 な 撮 影 シ ー ン レストランでの食事シーン ケ 概 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 要 効 果 ロケハン立会い,エキストラの募集,宿泊先及びケータリング 先の紹介及び手配 他 − 波 及 効 果 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 31 作 品 概 作品名(原作者名) 大帝の剣(原作:夢枕獏) 制 作 者 名 「大帝の剣」製作委員会 配 給 会 社 名 東映 主 な 出 演 者 阿部寛,長谷川京子,宮藤官九郎,竹内力 他 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 久井の岩海,御調八幡宮,白瀧山 主 な 撮 影 シ ー ン 茶屋及び街道のシーン ケ 概 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 要 効 果 ロケハン立会い,エキストラの募集,ケータリング等の紹介及 び手配 他 − 波 及 効 果 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 (14) おのみちフィルム・コミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 男たちの大和/YAMATO 制 作 者 名 2005「男たちの大和/YAMATO」製作委員会 配 給 会 社 名 東映 主 な 出 演 者 反町隆史,中村獅童,仲代達也 他 要 興 ロ 主 業 な 成 ロ ケ 績 未回答 地 大和ロケセット,岩子島,浦崎 主 な 撮 影 シ ー ン 戦艦大和船上の戦闘シーン 他 ケ 概 撮 影 期 間 約4か月間 協 力 内 容 ロケ・ロケハンの同行,地元交渉の仲介,エキストラの手配 ケータリング手配,各種許認可申請手続き 要 火薬使用による騒音に対する苦情 効 映像作品を通じた地域の広告効果,文化活動の活発化 最 大 の 波 及 効 果 地域住民等による街の魅力の再発見 ロケセットの一般公開による観光客増加 果 不明 推定約 40 億円 企 業 に よ る 取 組 ロゴ入り商品の販売 行 政 に よ る 取 組 上映会の開催 32 作 品 概 作品名(原作者名) 転校生 制 作 者 名 日本テレビ・ATG 配 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 小林聡美,尾美としのり 他 要 興 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 御袖天満宮,尾崎漁港,千光寺道 他 主 な 撮 影 シ ー ン 階段を転げ落ち,男女が入れ替わるシーン 他 ケ 概 撮 影 期 間 1982 年 協 力 内 容 要 効 品 概 最大の波及効果 制 作 者 名 松竹 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 笠智衆,原節子 他 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 浄土寺,住吉神社 他 主 な 撮 影 シ ー ン 浄土寺境内でのシーン 撮 影 期 間 1963 年 協 力 内 容 ― 要 果 不明 配 ロ 効 地域住民等による街の魅力の再発見 作品名(原作者名) 東京物語 興 概 映像作品を通じた地域の広告効果,文化活動の活発化 不明 要 ケ ケータリング手配,各種許認可申請手続き ― 果 作 ロケ・ロケハン同行,地元交渉の仲介,エキストラ手配 ― 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果,文化活動の活発化 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 33 (15) 山口県フィルム・コミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 長州ファイブ 制 名 長州ファイブ製作委員会 給 会 社 名 リベロ 主 な 出 演 者 松田龍平,前田倫良 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 約1億円 地 萩市,下関市 主 な 撮 影 シ ー ン 江戸時代末期の学校や道場,藩邸等 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 ロケ支援,情報提供 要 効 果 − 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果,文化活動の活発化 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地マップ作成 行 政 に よ る 取 組 映画の元になった舞台の歴史講座開講 作 品 概 作品名(原作者名) 出口のない海(原作:横山秀夫) 制 名 「出口のない海」フィルムパートナーズ 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 市川海老蔵,伊勢谷友介,上野樹里 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 下関市,山口市 等 主 な 撮 影 シ ー ン 戦時中の初夏の街並み,野球場 等 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 情報提供,ボランティア・エキストラ募集 要 効 果 − 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果,文化活動の活発化 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地マップ作成 企 業 に よ る 取 組 ウェブサイト開設,ロケ地ツアー 行 政 に よ る 取 組 パネル展開催 34 作 品 概 作品名(原作者名) ALWAYS 続・三丁目の夕日(原作:西岸良平) 制 名 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会 給 会 社 名 東宝 主 な 出 演 者 吉岡秀隆,小雪,堀北真希 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 宇部市渡辺翁記念館 主 な 撮 影 シ ー ン 昭和 30 年代の映画館 撮 影 期 間 1日間 協 力 内 容 情報提供,ボランティア・エキストラの募集 要 効 − 波 及 効 果 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 未公開 (16) 下関フィルム・コミッション 作 品 概 作品名(原作者名) 四日間の奇蹟(原作:浅倉卓弥) 制 名 東映 給 会 社 名 東映 主 な 出 演 者 吉岡秀隆,石田ゆり子 他 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 下関市豊北町角島 他 主 な 撮 影 シ ー ン ほぼ全編 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 道路パトロールの手配,市消防局,地元消防団への協力依頼 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 作品公開後の観光客数の増加と観光関連消費額の増加 文化活動の活発化,地域住民等による街の魅力の再発見 果 不明 不明 F C に よ る 取 組 礼拝堂ロケセットの保存・活用 行 政 に よ る 取 組 礼拝堂ロケセットの保存・活用 35 作 品 概 作品名(原作者名) チルソクの夏 制 名 プルミエ インターナショナル 給 会 社 名 プレノンアッシュ 主 な 出 演 者 水谷妃里,上野樹里 他 興 ロ 主 概 者 配 要 ケ 作 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 陸上競技場,火の山,関門トンネル人道 主 な 撮 影 シ ー ン ほぼ全編 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 撮影許可申請からエキストラ募集まで多数 要 − 効 映像作品を通じた地域の広告効果 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果 文化活動の活発化 地域住民等による街の魅力の再発見 果 不明 不明 F C に よ る 取 組 映画にちなんだ「七夕上映会」の開催協力 映画にちなんだ「七夕上映会」の開催 作 品 概 作品名(原作者名) 出口のない海(原作:横山秀夫) 制 作 者 名 松竹 配 給 会 社 名 松竹 主 な 出 演 者 市川海老蔵,伊勢谷友介 他 要 興 ロ 主 ケ 主な撮影シーン 概 撮 影 期 間 約2か月間 協 力 内 容 撮影許可申請からエキストラ募集まで多数 業 な 成 ロ ケ 績 未回答 地 下関市豊浦町の浜辺,商業高校,伊崎町など 要 効 果 回天光基地のシーン,海軍対潜学校講堂のシーン 主人公の実家 − 波 及 効 果 撮影スタッフが支払う直接的経済効果,文化活動の活発化 地域住民等による街の魅力の再発見 不明 不明 36 (17) 萩ロケ支援隊 作 品 概 作品名(原作者名) 長州ファイブ(原作:五十嵐匠) 制 会 社 名 リベロ 主 な 出 演 者 松田龍平,山下徹大,北村有起哉 他 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 旧久保田家住宅,旧湯川家住宅,笠山海岸 主 な 撮 影 シ ー ン 生麦事件(大名行列) 撮 影 期 間 12日間 協 力 内 容 ロケ候補地リストアップ,ロケ必要品手配,エキストラ確保 要 効 果 名 長州ファイブ製作委員会 給 興 概 者 配 要 ケ 作 文化財保護施設の夜間利用 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地マップの作成,ゆかりの地をめぐる旅行商品造成 企 業 に よ る 取 組 関連グッズの製造・販売 作 品 概 作品名(原作者名) ほたるの星(原作:菅原浩志) 制 会 社 名 角川大映映画,シネボイス 主 な 出 演 者 小澤正悦,山本未来,樹木希林,役所広司 ロ 主 業 な 収 ロ ケ 入 未回答 地 明倫小学校,藍場川 主 な 撮 影 シ ー ン 校庭,教室での撮影 撮 影 期 間 約1か月間 協 力 内 容 エキストラ確保,ロケ候補地の紹介,ロケ必需品の手配 要 効 果 名 ほたるの星製作委員会 給 興 概 者 配 要 ケ 作 ― 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地をめぐる旅行商品造成 37 作 品 作品名(原作者名) HERO(原作:福田靖) 制 作 者 名 フジテレビ 配 給 会 社 名 フジテレビ 主 な 出 演 者 木村拓哉,中井貴一,綾瀬はるか 他 要 平 均 視 聴 率 30% ロ 主 な ロ ケ 地 田床山,菊ヶ浜 他 概 ケ 概 主 な 撮 影 シ ー ン めったに釣れないイシガキダイを釣り上げるシーン 撮 影 期 間 5日間 協 力 内 容 エキストラ確保,各申請処理の代行,宿泊先の紹介 要 効 果 ― 波 及 効 果 映像作品を通じた地域の広告効果 不明 不明 F C に よ る 取 組 ロケ地をめぐる旅行商品造成 38 3.4 海外ロケの受入事例 (1) 受入実績 中国地域では,広島県内を中心に海外の映画やTVドラマ,ドキュメンタリー,CMなどの ロケが行われている。受入件数からみれば,テレビのCM,ドキュメンタリー,企画番組が多 く,映画やTVドラマは比較的少ない。映画ロケは広島市でロケが行われたドキュメンタリー 映画のほか,竹原市でロケが行われた韓国映画『力道山』がある。TVドラマについては,イ ギリス,中国,タイのテレビ局が広島市でロケを行っている。 表6 中国地域における海外ロケの受入事例 FC 区分 作品(番組)名 制作者(国・地域) 制作年 とっとり FC TCM 夕日のフラメンコ 韓国 2006 年 石見 FC TCM 缶コーヒーCM 韓国 2006 年 広島 FC TVD 国際時評 ロシア TV 局 2003 年 映 画 ORIGINAL CHILD BOMB アメリカ合衆国 2003 年 TVP ザ・ゴルフ・チャンネル アメリカ合衆国 CATV 局 2003 年 TVP 達人の極意 BBC(英国) 2003 年 TVP 近代史ドキュメンタリー 韓国 TV 局 2004 年 TVP Submariners オーストラリア TV 局 2004 年 TVP From Hiroshima to Healing アメリカ合衆国 TV 局 2004 年 TVP ヒロシマ BBC(英国 TV 局) 2004 年 TVD 愛在左情在右 日中合作 2004 年 TVP Breathe man アメリカ合衆国 2004 年 TVD 美顔∼愛上世紀初∼ 日中合作 2005 年 TVP ドキュメンタリー番組 イタリア 2005 年 映 画 原爆の傷跡 フランス 2005 年 TVP 教育番組「Blue Peter」 BBC(英国 TV 局) 2005 年 TVP 被爆 60 周年特集番組 MEGA(ギリシア TV 局) 2005 年 TVP 被爆 60 周年特集番組 KBS(韓国) 2005 年 映 画 平和の精神 ベルギー 2005 年 TVP ガイア RAI(イタリア国営放送) 2005 年 TVP スペシャルトラベリング RECORD(ブラジル TV 局) 2005 年 TVP 日本特集番組 IMN(イラク TV 局) 2005 年 TVP The Long War チャンネル 4(英国 TV 局) 2005 年 RAI(イタリア国営放送) 2005 年 TVP TVP 終戦 60 周年の歩み BTV(ブルガリア TV 局) 2006 年 TVD ファーとタワン タイ 2007 年 資料:ウェブ検索等をもとに作成 注)TCM:TVコマーシャル,TVD:TVドラマ,TVP:その他のTV番組 39 表6 中国地域における海外ロケの受入事例(続き) FC 区分 作品(番組)名 制作者(国・地域) 制作年 竹原市 映画 力道山 サイダスピクチャーズ(韓国) 2003 年 おのみち FC TVP 自主番組制作のための取材 GTV 八大テレビ(台湾) 2003 年 IPC ブラジルチャンネル IPC グループ(ブラジル) 2004 年 VISION「青年視覚」 青年視覚(中国) 2004 年 自主番組制作のための取材 サンリンTV(台湾) 2005 年 アメリカ合衆国 2003 年 日本の近代化,明治維新 釜山文化放送(韓国) 2005 年 カルドネ・ボヤージュ フランス国営放送(フランス) 2007 年 萩ロケ支援隊 TVP 資料:ウェブ検索等をもとに作成 注)TCM:TVコマーシャル,TVD:TVドラマ,TVP:その他のTV番組 (2) 受入事例−タイTVドラマ「ファーとタワン」 広島フィルム・コミッションがロケ支援を行ったタイのTV局制作のドラマ「ファーとタワ ン(空と太陽)」は,国土交通省が推進するビジット・ジャパン・キャンペーンと広島県等の 自治体が構成する瀬戸内国際観光テーマ地区推進協議会等のスキームを活用することによって 誘致に成功した。支援スキームは次のとおり。 ロケ地紹介 航空代支援 タイTV制作会社 撮影許可等 入国審査等支援 広島フィルム・ 財政的支援 コミッション 瀬戸内国際観光テー マ地区推進協議会 (事務局:広島県) バンコク航空 国土交通省 中国運輸局 ボランティア・エキストラ その他ロケ支援 広島市民 資料:広島フィルム・コミッション資料をもとに作成 40 4 ロケ活用の事例 4.1 みまさかフィルムコミッション(岡山県美作市) (1) フィルムコミッションの概要 設 立 目 的 ・ 美作市のまちの魅力と活力の創出を図るため,美作市内で行われる国内外の 映画,テレビ,CMなどのロケーションを支援することを目的とする。 設 立 年 月 2006(平成 18)年5月 設 立 経 緯 みまさかフィルム・コミッション(みまさかFC)は同市在住の小説家あさの あつこ氏原作「バッテリー」の映画化決定及び美作市へのロケ誘致を契機として 2006(平成 18)年5月に設立された。具体的な設立経緯は以下のとおり。 平成 17 年7月 角川映画から「バッテリー」ロケ候補地の問合せ 平成 18 年2月 「バッテリー」映画化決定,シナリオ班が美作市を訪問。 バッテリー支援隊を結成 (商工会,PTA,あさのあつこ支援隊,青年会議所他) 平成 18 年5月 みまさかフィルム・コミッション設立 構 成 主 体 美作市文化連盟,東粟倉観光協会,美作ライオンズクラブ,美作青年会議所,作 東武蔵ライオンズクラブ,美作ロータリークラブ,武蔵の里大原町観光協会,み まさか商工会(青年部,女性部),あさのあつこ応援隊,美作市観光振興協議会 企画部会,勝英農協,勝田観光振興会,湯郷温泉観光協会,湯郷温泉旅館協同組 合,民宿組合,美作市,岡山県(美作県民局,観光物産課) 事 業 予 算 320 万円(2007(平成 19)年度) ス タ ッ フ 兼任職員2名(美作市職員) 誘 致 活 動 ・ 「バッテリー」ロケ誘致については,みまさかFCを中心に,岡山県観光物 産課の協力を得ながら,制作会社である角川ヘラルド映画に対して,情報提供 やロケ地探しへの同行,訪問活動など積極的な働きかけを行った。また,美作 市在住の原作者あさのあつこ氏は,美作市を舞台とした原作のイメージを大切 にしたいとの想いがあり,それが美作市へのロケ誘致にプラスに作用したと考 えられる。 ・ 「バッテリー」の映画化及びロケ誘致決定に伴い,岡山県内を中心とするテ レビやラジオ,新聞・雑誌等の取材が相次ぎ,それらのメディアを通じた情報 提供がみまさかFCや映画「バッテリー」,原作者あさのあつこ氏のPRになっ た。 ・ 「バッテリー」以外では岡山県フィルムコミッション連絡協議会(事務局: 岡山県観光物産課)を通じた問合せやロケ受入依頼が多く,県の組織が貴重な プロモーションの機会となっている。 ・ 2007(平成 19)年度中にみまさかFC独自のウェブサイトを開設予定であり, これによりみまさかFCへのダイレクトな問合せや依頼が増えることを期待し ている。 ・ 地元が推薦したいロケ地と映画関係者が必要とするロケ地にズレがあったこ 41 とから,みまさかFCは 2006(平成 18)年 12 月,映画制作者を美作市に招聘 し,映画制作者の視点からみた美作市内の優れた風景やロケ候補地等の写真を 撮ってもらった。今後,ウェブサイト等を通じてその写真を紹介し,ロケ地と しての魅力をPRする予定である。 受 入 態 勢 ・ みまさかFCは行政と民間の多様な組織が加盟するほか,団体・企業・個人 からなる「みまさかロケ支援隊」を組織しており,地域ぐるみのロケ支援体制 を確立している。 ・ 今後は,ロケ誘致とロケ協力活動等を通じて,美作市民のロケに対する意識 を高めるとともに,それらを通じて地域への愛着と誇りを一層高め,例えば各 家の周りを花でいっぱいにしたり,地域の良さを再発見したり,古いモノを大 事にしたりするなど,地域ぐるみでまちづくりへと繋げていくことも期待され る。 事 業 効 果 ・ 「バッテリー」を例にとれば,ロケ隊(約 80 名)が2か月近く美作市内に 滞在したことにより,約 3,000 万円の経済効果を得ることができた。また,映 画公開後(特に「バッテリー」記念館 in 美作の開催期間中)に美作市内を訪れ る観光客数が増加した。 ・ 映画「バッテリー」そのものやそれに関わるテレビ,ラジオ,新聞,雑誌等 の取材・報道等を通じて,多大な地域の広告効果をあげることができた。 ・ 映画「バッテリー」制作へのエキストラやボランティアとしての参加体験は, 地元の小中学生にとって感動的な体験であり,映画への出演はもとより映画制 作を体験することは小中学生の教育的効果があった。 海 外 ロ ケ ・ 現段階で海外のロケ誘致を積極的に行っているわけではないが,制作者から の要請があれば,実施規模等に応じてロケに協力することができる。 そ の 他 ・ 小説家であり「バッテリー」の原作者であるあさのあつこ氏が同市に在住し ていることはみまさかFCにとっての強みとなっている。あさのあつこ氏は東 京近郊に在住する小説家が多い中にあって,作品の背景や創造性を生み出す環 境としての美作の風土を重視しており,今後も美作市に在住する予定である。 美作市内の有志女性を中心に組織する任意団体「あさのあつこ支援隊」はあさ のあつこ氏の文学作品を市内外に広めることを目的とした諸活動を展開してお り,あさのあつこ氏と市民を結ぶ役割を果たしている。 ・ 今後はあさのあつこ氏の作品以外でも積極的に映画やテレビ,CM等のロケ を誘致し,受入を行っていくこととしている。 42 (2) 映画「バッテリー」を活かした地域振興 事 業 目 的 映画「バッテリー」の製作・公開を契機として,映画をPRするとともに,ロ ケ地・美作市の観光・地域経済の振興を図る。 実 施 体 制 みまさかフィルム・コミッション,両備バス㈱,吉備路文学館 作 品 概 要 [作品名]バッテリー [製作者]角川ヘラルド映画 [配給者]東宝 [監 督]滝田洋二郎 [製作年]2006(平成 18)年 [その他]原作者あさのあつこ氏は美作市在住 事 業 概 要 ① 映画「バッテリー」記念館 in 美作 岡山県大型観光キャンペーン「岡山ディスティネーションキャンペーン」の 一環として,映画「バッテリー」及びロケ地・美作のPRを行うため,撮影風 景のパネル(120 枚)や衣装,小道具,台本,絵コンテ,出演者サイン等を展 示するイベントを開催。みまさかフィルム・コミッション主催。 [期間]2007(平成 19)年2月 28 日∼6月 30 日(営業 110 日) [場所]美作文化センター(美作市湯郷) [料金]無料 [集客]9,372 名が来場 (関東や関西の「バッテリー」ファンや原作者ファンが中心) [備考]オープニングには原作者や映画監督などが来場。 ※ 写真提供:みまさかフィルム・コミッション ② 原作者あさのあつこ氏サイン会 岡山県と(社)岡山県産業貿易振興協会,(社)岡山県観光連盟が主催する「吉 備の国岡山 物産と観光展」(2006(平成 18)年9月,㈱三越池袋店)の開催初 日(9月 19 日)に「バッテリー」原作者あさのあつこ氏によるサイン会と映 画「バッテリー」パネル展を開催した。 ③ 「バッテリー」ロケ地めぐりツアー 両備バス㈱が自主事業として映画「バッテリー」のロケ地をめぐるツアーを 2007(平成 19)年3∼6月に企画・実施。美作市内のロケ地をめぐる美作コー 43 スと高梁市内のロケ地をめぐる高梁コースがあり,延べ 29 回 371 人の参加が あった。参加者は原作者や映画のファンなど個人客を中心に関東や関西からの 参加が多く,北海道や宮崎からの参加もあった。美作コースではロケ期間中に 方言指導を行った市民がガイドとして同乗し,制作秘話などを話すなどして, 参加者に好評であった。 ④ 吉備路文学館「あさのあつこ展」 岡山市にある吉備路文学館が自主企画として「あさのあつこ展∼くさぐさの 想い∼」を開催。「バッテリー」執筆の際に原作者が握っていた野球ボールや 原稿,著書,愛用品,写真等を展示。 [期間]2007(平成 19)年1月 20 日∼4月 22 日 [場所]吉備路文学館(岡山市) [料金]一般 400 円,高大生 300 円,小中生 200 円 そ の 他 ・ 映画「バッテリー」記念館 in 美作は岡山ディスティネーションキャンペ ーンの一環として実施したものであり,開催に当たっては岡山県からの補助 金をもとに運営した。 44 4.2 おのみちフィルム・コミッション(広島県尾道市) (1) フィルムコミッションの概要 設 立 目 的 「映画のまち尾道」としての活動実績と地域イメージをさらにステップアップ させ,尾道市民の「我がまち」意識の醸成と新しい観光需要の創出に貢献する ことを目的として,名実ともに日本一の「映画のまち」を目指す。 設 立 年 月 2003(平成 15)年 1 月 構 成 主 体 尾道市,尾道商工会議所,(社)尾道観光協会 事 業 予 算 387,000 円(2007(平成 19)年度) ス タ ッ フ 兼任職員1名(尾道市職員) 誘 致 活 動 ・ 映画やテレビ,CMの制作者等に対して,ウェブサイトやパンフレット等 を通じた情報提供(ロケーションセールス)を実施している。ウェブサイト 等では“ノスタルジックな尾道”をイメージできる情報提供を行い,問い合 わせがあった制作者等に対してロケ地や支援体制などの詳細情報を提供して いる。 ・ 作品の企画やロケ地の選定は制作者の考え方や事情によって決定されると 認識した上で,東京周辺に集積する映像制作者にとって,制作コストの安さ から考えると尾道市は東京周辺でのロケに及ばないことは明白であるとし, 撮影シーンとしての魅力と撮影支援体制の充実度をアピールポイントとして いる。 パンフレット(左:表,右:裏) 受 入 態 勢 ・ 尾道市は古くから文人墨客や画家がその足跡を残しており,また 1928(昭 和 3)年の初めての映画ロケ以来多くのロケが行われてきた。そのため,市民 や事業者等は文化活動,映画等ロケに対する理解が深く,ロケ受入を当たり 前のことと認識するとともに,熱心な映画愛好者を中心にロケ支援活動を主 体的に実施している。 ・ 日頃から市民や事業者,各種団体との緊密なコミュニケーションを行い, ロケ受入に向けた協力態勢の確立に努めている。その信頼関係をベースとし て,映像制作者からの突然の支援要請に対しても,円滑かつ迅速に対応でき ている。 ・ 自営業者を中心とする市民有志が「大林映画ボランティアスタッフ」とし て長年活動している。大林宣彦監督作品を中心に,尾道市でのロケ支援活動 を実施している。映像制作者の中にはおのみちFCでなく「大林映画ボラン 45 ティアスタッフ」にロケ支援を依頼するケースもみられる。 ・ 尾道市では,市役所を中心とするFCと観光協会などの民間団体,「大林映 画ボランティアスタッフ」などの市民団体が,有機的に連携・協力しあうこ とにより,地域ぐるみのロケ支援活動を展開しているといえる。 事 業 効 果 ・ おのみちFCは,撮影スタッフの滞在や映画公 開(番組放送)後の観光客の増加に伴う経済波及 効果よりも,映像を通じて尾道が全国に紹介され たり,それを見た観光客が尾道にたくさん訪れる ことで,尾道市民が「我がまち」に愛着と誇りを 持って暮らせるようになることが最大の効果と捉 えている。 ・ これを具体化するため,例えば,映画のロケ地 マップを持った観光客が具体的な撮影場所を市民 に尋ねたり,映画に関する話を聞いたりすること によって,市民と観光客の交流を促すなど,市民 ロケ地マップ の意識を高める工夫をしている。 海 外 ロ ケ ・ 海外からのロケ受入については,海外の制作者から要請があればロケに協 力してもよいと考えるが,スタッフ数や語学力,ビジネス習慣の違いの問題 も含め,受入れに当たっての不安要素も多い。おのみちFCとして身の丈に あったロケ誘致ができればよいと考えており,必ずしも海外作品のロケ誘致 にこだわっていない。 そ の 他 ・ 尾道市が設置・運営する「おのみち映画資料館」は年間約 32 千人の入館者 があり(2006(平成 18)年度),支出額が約 1,100 万円に対して事業収入は約 1,200 万円で事業収支は黒字となっている。 資料館パンフレット 資料館外観 ・ 2008(平成 20)年 6 月に全国フィルム・コミッション連絡協議会の平成 20 年度総会を尾道市で開催することが決定している。理事会と総会に加えて, 研修セミナーや映画上映会,トークショー,レセプション,エクスカーショ ンなどを行う予定。 46 (2) 大和ロケセット一般公開 事 業 目 的 ・ 映画「男たちの大和/YAMATO」のロケセットが尾道市向島町の日立造船㈱ 向島西工場に設置されたことに伴い,これを保存し,一般公開することで, 「映画のまち尾道」を広く宣伝し,尾道市の観光振興を図る。 実 施 体 制 大和ロケセット公開推進委員会(2005(平成 17)年6月7日∼2006(平成 18) 年6月 30 日) 構成団体:尾道観光協会,尾道商工会議所,尾道市,尾道エフエム放送, 尾道ケーブルテレビ㈱,東映㈱ 事 務 局:尾道観光協会 事 業 概 要 大和ロケセットの一般公開 (2005(平成 17)年7月 17 日∼2006(平成 18)年5月7日) 作 品 概 要 [作品名]男たちの大和/YAMATO [製作者]「男たちの大和/YAMATO」製作委員会 [配給者]東映㈱ [監 督]佐藤純彌 [製作年]2005(平成 17)年 事 業 経 緯 [ロケセット作成・撮影] 平成 16 年 12 月 大和ロケセット起工式 平成 17 年2月 エキストラ説明会(84 名参加) 3月 大和ロケセット完成 尾道ロケ開始 6月 尾道ロケ終了 [大和ロケセット一般公開] 平成 17 年6月 大和ロケセット公開推進委員会設立 7月 大和ロケセット一般公開スタート(目標入場者数 12 万人) 8月 入場者数 12 万人突破(当初目標値) 12 月 映画全国ロードショースタート 平成 18 年5月 大和ロケセット最終公開日(7日) 入場者数 100 万人突破(1,002,334 人) 事 業 効 果 ① 集客効果 当初目標値(12 万人)を大幅に上回る約 100 万人を集客した。映画公開,大 和ミュージアム(呉市)のオープン,広島県大型観光キャンペーンとの相乗効 果があったとみられる。大和ミュージアム(呉市)と本ロケセットをめぐる旅 行商品も多数企画販売された。 ② 経済効果 [ロケセット] 収入:5億 2,702 万円 入場券収入:4億 5,237 万円,駐車場収入:3,778 万円 手数料収入:2,789 万円,その他:898 万円 47 支出:3億 4,639 万円 収支:1億 8,063 万円 寄付:市1億円,商工会議所3千万円,観光協会1千万円 税金:4,063 万円 [波及効果] ロケセットの公開期間中は中心市街地の商店街へ多数の集客があり,飲食 店や土産店などの売上が増加した。また,宿泊客数も一時的に増加した。 ③ PR効果 旅行代理店等へのキャラバン隊:延べ 132 社 (近畿・中国・四国地域) 雑誌等掲載回数:41 回 新聞掲載回数:85 回 ④ 連携効果 大和ロケセット公開推進委員会への参画と 共同事業を通じて,構成団体の連携・協力関 係が強化された。このような共同事業は初め ての経験であり,今後さまざまな共同事業を 展開していく上での事業基盤を確立できた。 チラシ 問 題 点 ・ 当初目標値を大幅に超える集客があったため,交通渋滞が生じたほか,客 を円滑に誘導することができないことがあった。 そ の 他 ・ 映画のロケに当たっては,おのみちFCと尾道観光協会,市民団体「大林 映画ボランティアスタッフ」が,ロケ候補地の選定と情報提供,エキストラ の募集,市民への協力依頼などの支援活動を実施した。 ・ 東映㈱に推進委員会の構成団体になったことにより,ロケセットの活用, 著作権交渉などを円滑に行うことができた。 48 4.3 萩ロケ支援隊(山口県萩市) (1) フィルムコミッションの概要 設 立 目 的 ・ 萩市内の関係団体が連携して国内外の映画・テレビ等のロケーション撮影 を誘致し,支援することにより,萩市の観光・地域経済の振興を図る。 設 立 年 月 2002(平成 14)年5月 構 成 主 体 萩市,萩商工会議所,(社)萩市観光協会,萩温泉旅館協同組合 (社)萩物産協会,NPO 萩コミュニティシネマ,(社)萩青年会議所 事 業 予 算 37 万円(2007(平成 19)年度) ス タ ッ フ 兼任職員1名(萩市職員) 誘 致 活 動 ・ 萩ロケ支援隊としては,ウェブサイトを通じて情報を発信しているもの の,それ以上の積極的なロケ誘致は行っていない。基本的には「待ち」の姿 勢であり,全国フィルム・コミッション連絡協議会や山口県等からの連絡・ 情報を受けて,ロケ支援を行う場合が多い。 ・ 萩市は江戸時代から明治時代,昭和初期までの歴史的街並みが保存されて いること(歴史的建造物・史跡),きれいな海があること(自然景観)など がセールスポイントであり,それらを萩独自の魅力ある撮影シーンとしてP Rしている。 ※ 山口県が県東京事務所を山口県へのロケ誘致活動を行っている。職員が東 京のテレビ局や映画会社等を訪問し,ロケ地情報の提供などを行っている。 受 入 態 勢 ・ 萩市の担当職員(1名:兼任)を中心に,萩ロケ支援隊の構成団体が連携・ 協力して,ロケ地交渉,宿泊等関連機関・サービス等の紹介,撮影許可申請 の代行,ロケ動向・立会,エキストラの募集などを行っている。 事 業 効 果 ・ 萩市がPRしたい観光資源と映画・テレビ番組の制作者が求めるロケ地は 必ずしも一致しない。萩市は主要観光地をPRしたくても,制作者は何げな い日常風景を使用する場合が多く,萩市としてはロケ地を観光振興に効果的 に結びつけていくことが課題となっている。 「長州ファイブ」ロケ地マップ ・ 映画「長州ファイブ」のロケと映画公開をきっかけとして,旅行代理店に よる企画商品の販売,水産加工会社等による土産品の開発・販売といった事 業が創出されており,萩市への集客促進と物産販売につながっている。 海 外 ロ ケ ・ 国際フィルムコミッショナーズ協会に加盟しているが,同協会のウェブサ イトから萩ロケ支援隊のウェブサイトへのリンクを設定してもらっている以 49 外に,海外からのロケ誘致等に関する特別な活動は実施していない。 ・ 2001(平成 13)年以降,4件の海外ロケ受入実績がある。韓国と米国のテ レビ番組とフランスのテレビ局の旅番組,韓国の新聞社の旅情報のロケ・取 材である。 ・ 2001(平成 13)年には米国テレビ局が日本の侍をテーマとしたドキュメン タリー番組「ジャパン メモライズ オブ ア シークレット エンパイ ア」を製作し,萩をロケ地の一つとして選定した。実際の制作・ロケは日本 国内の映像制作会社が担当し,米国テレビ局がこの映像を購入して米国内で 放送した。 ・ 2005(平成 17)年には韓国釜山文化放送(MBC)が創立 46 周年企画番 組として「日本の近代化,明治維新」というタイトルのドキュメンタリー番 組を製作し,萩市内でロケを行った。 ・ 2007(平成 19)年6月にはフランス国営放送が日本の観光地を紹介する旅 番組「カルネド・ボヤージュ」を製作し,フランス及びドイツ国内で放送し た。萩市もロケ地の一つとなったが,フランス大使館から萩ロケ支援隊へ協 力要請があった後,フランス国営放送の取材スタッフが京都在住のロケーシ ョン・コーディネーターとともに萩市を訪れ,萩市内の主要観光地を撮影し た。 ・ 2007(平成 19)年6月には,韓国ファイナンシャルニュース社が韓国の新 聞とウェブサイトで日本の観光情報を発信するため,萩市の取材を行った。 国際観光振興機構から萩市へ取材依頼があり,その後韓国ファイナンシャル ニュース社の取材スタッフが萩市に訪れた。 ・ 海外からのロケ・取材に対して,萩市は英語とフランス語,中国語,韓国 語で作成した観光パンフレットを使用し,ロケ地の情報を提供している。し かし,英語と中国語,韓国語以外の通訳がいないため,それ以外の言語につ いては萩市内だけではコミュニケーション面で円滑に対応できない。 そ の 他 ・ 萩ロケ支援隊は,萩市観光課内に事務局を設置していることからもわかる ように,ロケ誘致・受入を観光振興に結びつけることを目指している。萩市 は「萩まちじゅう博物館」の実現を目指しており,ロケ誘致・受入がその一 つの手段として位置づけている。 50 (2) 映画「長州ファイブ」を活かした観光振興 事 業 目 的 映画「長州ファイブ」の製作・公開を契機として,萩市の観光・地域経済の振 興を図る。 実 施 体 制 萩市,各実行委員会,萩市内外の事業者 作 品 概 要 [作品名]長州ファイブ [製作者]2006 長州ファイブ製作委員会 [配給者]リベロ(全国約 100 の劇場で公開) [監 督]五十嵐 匠 [製作年]2006(平成 18)年 [その他]ヒューストン国際映画祭「劇場長編映画部門」グランプリ受賞 事 業 概 要 ① 「長州ファイブの日」記念行事 萩市観光協会と映画「長州ファイブ」支援委員会,山口日英協会が主催し, 長州ファイブが英国に向けて密かに横浜を出航した5月 12 日を「長州ファイ ブの日」とし,記念行事として記念植樹とアンコール上映会を開催。 ② 映画で使用した小道具の展示活用 萩市は,映画「長州ファイブ」で使用した小道具を萩市博物館に展示し,そ れらの史跡を訪れた観光客が小道具を目にし,映画『長州ファイブ』や萩市ゆ かりの人物などへの関心を高めてもらうようにしている。 ③ 人材育成事業の実施 萩市は,萩市内の中学生を英国に派遣し,語学や歴史などを学ぶ「長州ファ イブ・ジュニア派遣事業」を 2007(平成 19)年度から実施。 ④ 生涯学習講座の企画実施 萩市等が構成する萩・維新塾実行委員会は,映画 『長州ファイブ』に登場する歴史上の人物に学び, 日本の将来を考えていこうという大学生向けの講座 「萩・維新塾」を 2007(平成 19)年8月に開催予定。 萩市と萩市観光協会による「平成萩塾」実行委員 会は,かつて学んだ歴史を萩の地で身近に触れ,体 験を通して歴史の思いをさらに深めてもらうため, アクティブシニアを対象とした萩学シニアカレッジ 「平成萩塾」を 2007(平成 19)年8月に主催する。 旅行の企画実施は近畿日本ツーリスト㈱が担当し, 4泊5日,募集人員 50 名,旅行代金 83,000 円の旅 行商品として販売している。 51 ⑤ ロケ地を訪ねる旅行商品の企画販売 「平成萩塾」以外にも,旅行代理店が映画「長州ファイブ」のロケ地訪問を プログラムに含めた旅行商品を独自に企画販売している。 ⑥ 関連グッズの開発販売 映画「長州ファイブ」の製作・公開を契機として,萩市内外の事業者が主体 的に関連グッズの開発・販売に取り組んでいる。映画「長州ファイブ」製作委 員会(前田登委員長:下関市在住)は県内の酒造メーカー3社と協力し,2006 (平成 18)年 12 月から「長州ファイブ」を商品名にした紅芋焼酎と米焼酎, ワインを開発・販売している。また,同製作委員会は弁当会社と協力し,「長 州ファイブ」を商品名にした駅弁を開発し,JR下関駅や新山口駅で販売して いる。 JAあぶらんど萩は,地元産コシヒカリを使用し,「長州ファイブ」をラベ ルに用いた「維新伝心米」を 2006(平成 18)年 10 月に商品化し,国内はもと より台湾でも販売をスタートさせた。 紅芋焼酎「長州ファイブ」 駅弁「長州ファイブ」 問 題 点 ・ 首都圏では「長州ファイブ」に対する知名度がまだ十分でないため,「長 州ファイブ」を打ち出した旅行商品は十分な集客ができなかった。 そ の 他 ・ 下関市でも「ヒューストン国際映画祭凱旋記念上映会」(2007(平成 19) 年5月 19 日)を開催。(主催・受賞を祝う会実行委員会) 52 第3章 海外ロケ誘致に必要とされる条件 1 海外における映像制作の現状−米国ハリウッド及び韓国の事例― 1.1 米国ハリウッドの現状 (1) 映画業界の現状 米国ハリウッド映画は,他国で製作される映画と比べて,年間製作本数がもっとも多く,ま た1本当たりの制作費ももっとも高い。また,映画監督や俳優は米国人に限らず,世界各国か らやってきた人によって構成されており,国際性も豊かである。このように米国ハリウッドは 世界の映画産業の中心地といえるが,近年は原作権の取得や脚本料,スターの出演料の上昇に より制作費が高騰する傾向にあり,一時期のような超大作は製作しにくくなっている。そのた め,収益が見込める有名監督による大作,過去の作品のリメイクや続編,他国映画のリメイク, 製作費が比較的少ないドキュメンタリー映画にシフトする傾向がみられる。 また,ロケ費用の削減に目がつけられた結果,従来はカリフォルニア州で行われてきたロケ が,税金や撮影にかかる人件費が安い米国の他州(例えば,ルイジアナ州)や海外で行われる ようになっている。海外ロケ地では,アメリカの都市に近い雰囲気を持っていて,英語を母国 語とし,人件費もカリフォルニア州に比べるとかなり安いカナダとオーストラリア,ニュージ ーランドが人気となっている。また,アジア・太平洋地域ではハワイやフィリピン,タイなど でのロケが多い。ハワイでは『ジュラシックパーク』や『ロスト』などのロケが行われ,フィ リピンやタイではベトナム戦争等に関する作品のロケが行われている。 また,ハリウッド映画は海外から企画や人材を求めてきた歴史と構造を持ち,欧州での企画 等が尽きてきたこともあり,近年はアジアに目を向けているのが現状である。その中で,日本 は米国に次ぐ市場規模を持つことに加え,独特の歴史や文化,ファッションや食文化などが注 目されており,米国と日本双方での公開を見すえた映画1製作が増えている。 (2) ロケ地選定プロセス ハリウッド映画におけるロケ地の選定は,プリ・プロダクションの段階で行われる監督によ るロケーション・マネージャーの選定から始まる。監督は過去に手がけた作品のレジュメや映 画業界内の対人関係を手がかりに数人のロケーション・マネージャーを選定し,それらの候補 者に脚本に基づくロケ候補地の写真を提出させる。それを踏まえて監督による面接が行われ, ロケーション・マネージャーが決定される。 ロケーション会議では,プロデューサーと監督,ロケーション・マネージャー,プロダクシ ョン・デザイナーが意見を出し合いながら,実際に見学するロケ候補地を選定する。すべての シーンのロケ候補地が決定した段階で,ロケーション・ハンティングに出向く。現地では撮影 シーンとしての適正はもとよりカメラ運搬の機能性や間取り,近所の駐車場の確保など様々な チェックポイントが確認され,照明や交通,デザイン,監督などがそれぞれの立場から意見を 1 例えば,『ラストサムライ』(2003 年)『硫黄島からの手紙』(2006 年)など。 53 出し合いながら最終的なロケ候補地を選定する。そして,ロケーション・マネージャーによる ロケ地使用料(ギャラ)交渉などを経て撮影許可契約に結びつくことになる。 このことから,米国ハリウッド映画のロケ誘致を行うためには,ロケーション・マネージャ ーにロケ候補地としてのイメージや情報を事前に把握してもらっておくことが不可欠であると いえる。 (3) ロケ地の選定条件 ハリウッド映画のロケーション・マネージャーの一人であるビル・ボウリング氏,及びハリ ウッド映画の日本ロケ・コーディネーターを務めたことがある松岡利光氏を対象にしたインタ ビュー調査によれば,ハリウッド映画におけるロケ地選定条件として,次の5点があげられた。 ① 安全性 撮影チームがテロや犯罪といった危険な出来事に遭遇することなく,安心して撮影に専念 できることが必要である。 ② ストーリー 作品のリアリティを高めるために,そのストーリー発祥の地であることは重要な選定条件 になる。また,ストーリー発祥の地でなくても,ストーリーをリアルに再現できる環境を備 えた場所であることが必要となる。 ③ 撮影コスト 移動や宿泊,施設使用料,エキストラの確保などにかかる撮影コストができるだけ安価に 抑えられることが望ましい。これについて,世界各国で映画ロケに対する財政的なインセン ティブ制度が確立されつつあり,その充実度がロケ地選定の重要な要件となりつつある。ハ リウッド映画の制作に当たり,もっとも条件のよいインセンティブがある国・地域を徹底的 に調べているのが現状である。 2006 年の『マッハゴーゴーゴー』ロケの際には,ドイツ政 府が 1,200 万ドルのインセンティブを決定したことから,ドイツでのロケとなった。 ④ 警察等の協力 道路封鎖や公共交通機関の対応,爆発物の使用など,警察等の許可を必要とする撮影場面 があることから,各国・地域の警察等がこうした要求に迅速かつ柔軟に対応できることが望 ましい。 ⑤ 言語 撮影スタッフが現地の関係者と円滑なコミュニケーションを図ることができるよう,少な くともフィルム・コミッションの担当者は十分な英語力を備えていることが望ましい。 (4) 日本ロケの可能性 (3)で示した5つの条件を踏まえた,ハリウッド映画の日本ロケの可能性を検討すれば, ① 安全性は十分な水準にあるが,その他の条件については十分に確保されていない状況に 54 ある。また,⑤ 言語については,そもそも英語を母国語としない上,英語でのコミュニケ ーション力を備えたスタッフを配置するフィルム・コミッションとそうでないフィルム・コ ミッションでばらつきがあり,確実にそれらが確保されているとは言い難い。 ② ストーリーについては,ビル・ボウリング氏によれば,近年は日本を舞台とした作品 の企画(脚本)がないようである。 ③ コストについては,日本は先進国の一つであり,特に交通費などの物価水準も高く, 他国と比べて有利な状況にあるとはいえない。また,ドイツのような財政的インセンティブ が確立されているわけではない。 ④ 警察等の協力は日本がもっとも対応が遅れている面であり,他国で許可される撮影条 件が日本では許可されないことが多い。そのため,過去に日本を舞台とした作品が企画され たが,日本の警察から撮影が許可されなかったため,他国でのロケとなったケースもみられ た。また, 『バベル』など近年の日本でのロケ経験から,ハリウッド映画関係者の間では「日 本は規制が多くて撮影に適さない」という認識が広まっている。 これらのことから,ハリウッド映画の関係者からみれば,日本は他国と比べてロケを行いづ らい場所と位置づけられる。また,ハリウッド映画の関係者は日本を映像産業の後進国とみて いる。さらに,日本のロケ地として東京と京都しか認識されていないのが現状であり,それ以 外の地方は全く知られていないか,具体的なイメージが持たれていない。 1.2 韓国の現状 (1) 映像業界の現状 韓国映画は 1999 年の『シュリ』や 2000 年の『共同警備区域 JSA』など壮大なスケールで描 く作品が次々と登場し,ハリウッド映画に劣らない興業収入も記録するようになった。また, 韓国国内では多数の映画祭が開催されるようになり,世界的にも認められる映画が次々と登場 してきた。それに伴い,「メイド・イン・コリア」に固執するだけでなく,韓国人が世界を舞 台に制作する「メイド・バイ・コリア」「メイド・イン・ワールド」戦略が展開され,2004 年 頃から海外ロケブームが到来した。しかし最近になって,それまでの拡大路線及び国際化路線 を改め,国内での堅実な製作活動に戻りつつある。そのため,海外ロケの実施回数も減少傾向 にあり,日本ロケもこれ以上飛躍的に増えないだろうと予測されている2。 また韓国のTVドラマは,ペ・ヨンジュン主演の『冬のソナタ』の日本での大ヒットをきっ かけとして,日本市場を見すえた番組づくりが活発化し,ロケも日本で行うケースが増えてい る3。ただし,韓国TVドラマ全体をみると,海外ロケを行っている作品の6∼7割はタイを ロケ地としている4。 こうした中で,韓国では近年,映画よりもTVドラマの方がスポンサーもつきやすく,視聴 率や出演料の問題から俳優等もTVドラマへの出演を好む状況にある。さらに,韓国のTVコ マーシャルはドラマ仕立てになっていて,若手俳優にとってTVドラマへの出演の登竜門とし ての位置づけになっている。音楽CDのプロモーションビデオも歌手自身が登場することは稀 で,若手俳優を起用することが多い。 2 3 4 柳内孝一氏を対象としたインタビュー調査による。 日本ロケが行われた韓国TVドラマとして,『天国の樹』,『ガラスの華』などがある。 本川春美氏を対象としたインタビュー調査による。 55 (2) ロケ地選定プロセス 韓国には約 10 社の大手映像プロダクションがある。韓国では一つのプロダクションがTV ドラマも映画も制作するのが特徴である。その中で,映画やTVドラマの企画(ロケ地選定を 含む)は少数の製作者の情報交換・合意により立案され,製作がスタートする場合が多い。 (3) ロケ地選定条件 韓国からの海外ロケ地は現地情報の量(豊富さ)や安価な制作費,制作日程の遵守などを条 件に選定されており,日本 5や中国,タイ,ロシア,ウズベキスタン,米国,ニュージーラン ドなどでロケが行われている。しかし,米国ハリウッド映画と比べて,明確なロケ地選定基準 がないのが実態である。その中で,韓国映画の日本ロケ・コーディネーターを務めたことがあ る柳内孝一氏および韓国エンターテインメント業界に精通した本川春美氏(㈲イーストワン代 表取締役)を対象にしたインタビュー調査によれば,韓国の映画及びTVドラマにおけるロケ 地選定条件として,次の4点があげられた。 ① 制作者等との対人関係 韓国では,少数の製作者及びその協力者との間の対人(信頼)関係やロケ誘致に向けた積 極性(熱意)がロケ地選定に結びつく場合が多い。その中でも,サイダスやCJエンターテ インメント(映画ファンドの幹事会社)などとの対人関係を構築しておくことが特に重要で あるとされている6。 ② 対応の迅速性と柔軟性 韓国の映像業界やエンターテインメント業界は,日本と比べて制作に関する意思決定が迅 速であり,ロケ地決定から2∼3か月以内にロケが開始される場合がほとんどである。また, 映像制作中の計画変更や予定変更も頻繁にみられ,こうした柔軟性への対応もロケ地選定の 重要な条件となる。 ③ 撮影コスト 米国ハリウッド映画と同様に,移動や宿泊,施設使用料,エキストラの確保などにかかる 撮影コストができるだけ安価に抑えられることが望ましい。 ④ メディアとのタイアップ 他方,韓国のエンターテインメント業界では,米国ハリウッドや日本といった,韓国から みて先進国と位置づけられる国のメディアやエンターテインメント業界に対する憧れの念が 強いことから,これらのメディア等から招聘されることは俳優やその所属プロダクションに とって名誉な(自らの名声を高める有効な)機会であると言われている 7。こうした機会を 創出することは,当該俳優はもとより,招聘元のメディアやロケ地に対する関心や知名度を 5 日本ロケが行われた韓国映画として,『力道山』,『青燕』,『Sweet Dreams』などがある。 柳内孝一氏を対象としたインタビュー調査による。 7 本川春美氏を対象としたインタビュー調査による。 6 56 高めることに繋がる。 (4) 日本ロケの可能性 (3)で示した4つの条件を踏まえた,韓国の映画及びTVドラマの日本ロケの可能性を検討 すれば,① 製作者等との対人関係については,今後の取組みによりそれを構築できる可能性 は十分にあるといえる。ただし,フィルム・コミッションの担当者が個別に訪問してもなかな か会ってもらえない現実もあり,既存の人脈を活用しながら,効率的な対人(信頼)関係づく りを行う必要がある。 ② 対応の迅速性と柔軟性については,日本ロケを行う上での最大の障壁と思われる。ロケ 地の打診から受入決定,ロケ地との交渉,ロケ実行までを短期間で行うことは,決裁等に時間 を要することが多い日本の行政機関にとって難題であるといえる。 ③ コストについては,日本は韓国や他のアジア諸国等と比べて特に交通費などの物価水準 も高く,有利な状況にあるとはいえない。 ④ メディアとのタイアップについては,韓国からみて日本の映像業界やエンターテインメ ント業界に対する憧れの念が強いことは他国と比べて有利な状況にあるといえる。そのため, メディアとタイアップした俳優等の招聘あるいはロケ誘致は有効な手段として位置づけられる。 57 2.釜山フィルムコミッションの事例 中国地域において海外からのロケーション誘致を図るためには,諸外国のロケ受入地に対して 比較優位な受入態勢を確立し,誘致競争を有利に導くことが必要である。そこで,近年,映画の 街としてさまざまな環境整備を進め,国内外から多くの映画やTVドラマのロケーションを受け 入れている釜山フィルムコミッションの受入態勢について以下に整理し,中国地域における海外 ロケ誘致方策を検討するための参考とする。 2.1 概要 釜山フィルムコミッションはアジアでは2番目,韓国で最初の映画・映像作品を支援するフィ ルムコミッションとして,1999 年 12 月に設立された。積極的な誘致活動と支援活動を通じて, 映像産業では後発都市であった釜山を,毎年韓国映画の 40%以上が撮影される映画都市に変貌 させ,韓国だけでなく,日本やアジア全域のフィルムコミッションの設立に大きな影響を与えて いる。 その後,釜山映画撮影スタジオと釜山映像ベンチャーセンターを設立し,ロケーション撮影か らスタジオ撮影,カメラや照明などの撮影機材まで提供できるシステムを確立した。さらに,2008 年 10 月には世界最高水準の技術力を持つデジタルポストプロダクションセンターである釜山ポ ストプロダクションセンターが完成予定であり,アジア最高の映画・映像産業の中心地となるこ とが期待されている。 また,釜山フィルムコミッションが会長と事務局を担当するアジア・フィルム・コミッション・ ネットワークは,アジア 11 か国 35 会員が各種撮影情報を共有し,アメリカ合衆国やヨーロッパ 地域に対する活発なマーケティング活動を行っている。 2.2 ロケーション支援サービス ・ 担当ロケーションマネージャーの配置(1対1の撮影支援) ・ 道路統制,特殊効果(爆発,銃撃シーンなど)の撮影支援 ・ 警察や消防など官公庁や関係機関の許認可支援(官公庁等に撮影支援担当職員が配備) ・ 道路撮影時の駐車許可支援 ・ フィルム・X線通関許可支援 ・ 撮影場所の推薦及び画像・動画資料の提供 ・ 釜山地域の宿泊施設割引 ・ 同行ロケハン及び撮影に必要な各種情報の提供 ・ オーディション会場の無償レンタル及び宣伝支援 ・ インセンティブ(財政支援措置)の提供 >撮影後の原状復帰のための後片づけ費用の補助 (最大 1,000 万ウオン≒128 万円(2007 年 10 月現在)) >釜山で3作品以上撮影した監督,プロデューサー,製作者にホテル宿泊券を提供 58 2.3 「釜山映画撮影スタジオ」の整備 <敷地面積>7.243 坪 <施設面積>2,151 坪 <施設内容>スタジオ,倉庫,会議室,制作オフィス,メイクアップルーム,休憩室, 大道具室など <メリット> ・ 海雲台都心からの近接性 ・ 最高水準の防音及び吸音効果−いつでも同時録音可能(2.8db 以下) ・ 完璧な平面底でセット建込期間を短縮 ・ 便利な電動式セットバイン ・ ワイヤーアクションができるワイヤーフックを用意 ・ メイクアップルーム3室,制作オフィス室2室,スタッフ休憩室6室完備 ・ 大道具室及び倉庫を完備 ・ 広い駐車場(無料) ・ スタジオから5分圏内に多数のホテル ・ 日本の 10 分の1のレンタル料金で全てのスペースが無料使用可 (250 坪:約4万円/日,500 坪:約9万円/日,その他施設はすべて無料) 2.4 「釜山映像ベンチャーセンター」の整備 釜山映像ベンチャーセンターは,釜山地域の映画関連会社の育成及び専門人材の養成を目的と して 2002 年7月に開館した。2007 年 10 月現在,19 の映像関係会社が入居している。また,無 人ヘリや水中撮影など,様々な撮影機材を安価に貸し出している。 2.5 日本映画の主な撮影実績 ○ 「HERO」(2007 年9月,監督:鈴木雅之) <主なロケ支援内容> ・ ロケハン同行(8回) ・ ロケ場所の調査及び情報提供,撮影場所の推薦及び案内 ・ 釜山検察庁での撮影支援 ・ 繁華街での撮影時の道路統制支援 ・ 海中に車を落下させる場面の撮影支援 ・ 住宅地での撮影時の住民協力要請支援 ・ 俳優の空港出入国の手続き支援(別レーンを使用した円滑な移動及び出入国審査) ・ フィルム・X線通関許可支援 ○ 「花影」(2007 年公開予定,監督:河合勇人) ○ 「あなたを忘れない」(2007 年1月,監督:花堂純次) ○ 「木更津キャッツアイ」(2006 年,監督:金子文紀) ○ 「着信アリ Final」(2006 年,家督:麻生学) ○ 「まだまだあぶない刑事」(2006 年,監督:鳥井邦男) ○ 「チルソクの夏」(2003 年,監督:佐々部清) ○ 「KT」(2002 年,監督:阪本順治) 59 ○ 「ドッジ GO!GO!MINATO DODGE KIDS」(2002 年,監督:三原光尋) 2.6 「釜山国際映画祭(PIFF)」の開催 釜山国際映画祭(PIFF)は,1996 年から毎年 10 月に韓国・釜山広域市で開催される国際映画 祭。アジアの新人監督作品を中心に扱う国際映画製作者連盟公認の特別長編映画祭で,例年,上 海国際映画祭や東京国際映画祭を上回る数の作品が上映される。2007 年(10 月4-12 日開催) は世界 64 か国から 275 作品が招待上映された。日本からは 2007 年,木村拓哉主演のドラマ『HERO』 や松本人志監督の映画『大日本人』,アニメ映画『エヴァンゲリオン劇場版・序』などが招待上 映された。 釜山国際映画祭はAランクとされる世界十二大映画祭より1ランク格下のBランクに位置づけ られるものの,第3回(1998 年)から開始された,映画製作への投資を募る「Pusan Promotion Plan (PPP)」と,第8回(2003 年)から開始された見本市 BIFCOM によって,アジア最大の映画祭へ と発展してきた。上映会が釜山市旧市街の繁華街で開催される一方で,旧市街から離れたリゾー ト地・海雲台に立地するパラダイスホテルを中心として,その周辺に点在するリゾートホテルに おいて,韓国はもちろんアジア各国の映画会社主催のパーティーが開催され,世界中のバイヤー, プロデューサーが深夜まで行き交っている。このパーティーをきっかけとして新作,特に国際共 同製作に関する情報交換が行われ,資金調達あるいは海外セールスに結びつくケースも少なくな い。 2.7 釜山国際フィルムコミッション・映画産業博覧会(BIFCOM)の開催 (1) 概要 2001 年からスタートした BIFCOM は,毎年,釜山国際映画祭と同時開催している。BIFCOM 展 示場は「ロケーション」と「インダストリー」の2つのパートで構成され,撮影情報とともに, 製作やポストプロダクション分野の最新技術情報が集約されたマーケットの場となっている。 2006 年には4日間の期間中に技術デモンストレーション8回,特別プレゼンテーション1回, セミナー2回が開催され,延べ 2,500 人あまりが来場した。 このうち「ロケーション」部門では,アジア各国のフィルムコミッションが自国のロケーシ ョン場所と撮影情報を提供している。また,「インダストリー」部門では,毎年,最新の機材 と制作技術が出展され,2007 年には最も進んだデジタル映像技術として世界中で話題になっ ている「3Dシネマ」の最新技術が紹介された。 2007 年は 10 月8日から 11 日までの4日間,釜山近郊の海雲台グランドホテルで開催され, 「ロケーション」部門には 13 か国 40 団体,「インダストリー」部門には5か国 26 社が出展し た。 60 (2) 2007 年出展団体(FC,アルファベット順) 国名 FC名 オーストラリア ゴールドコーストカウンシル カンボジア 文化芸術部傘下映画文化普及局 中国 長春スタジオ,香港フィルムサービス インドネシア バリフィルムセンター 日本 福岡フィルムコミッション,姫路フィルムコミッション 広島フィルム・コミッション,全国フィルム・コミッション連絡協議会 北九州フィルム・コミッション,神戸フィルムオフィス ながさき観光地映像文化センター,なごや・ロケーション・ナビ 大分市ロケーションオフィス,沖縄フィルムオフィス 大阪ロケーションサービス協議会,さっぽろフィルムコミッション せんだい宮城フィルムコミッション,下関フィルム・コミッション 韓国 釜山フィルムコミッション,清風フィルムコミッション 大田フィルムコミッション,慶尚北道フィルムコミッション 京畿道フィルムコミッション,仁川フィルムコミッション 済州フィルムコミッション,全羅南道フィルムコミッション 全州フィルムコミッション,ソウルフィルムコミッション マレーシア マルチメディア開発公社,マレーシア観光宣伝ソウル事務所 クアラルンプール国際映画祭,マレーシア国立映画開発局 ニュージーランド フィルムニュージーランド,フィルムオークランド フィリピン フィリピン映画開発カウンシル ロシア ウラジオストクフィルムコミッション シンガポール メディア開発公社 タイ タイフィルムオフィス アメリカ合衆国 国際フィルムコミッショナーズ協会 61 3.わが国における海外ロケ受入事例 3.1 姫路フィルムコミッション∼「ラストサムライ」∼ (1) 姫路フィルムコミッションの概要 姫路フィルムコミッション(以下,姫路FC)は 2001(平成 13)年9月に日本で 14 番目に 設立されたFCで,姫路市が(社)姫路観光コンベンションビューローに委託する形で運営して いる。設立当初は姫路市広報課が所管したが,2003(平成 15)年7月から観光課に所管を移 した。2007(平成 19)年8月現在,姫路市役所からの出向職員1名と契約職員1名の計2名 が専従している。 主なロケ受入作品は,映画では「ラストサムライ」「隠し剣 鬼の爪」「大奥」,TVドラマで は「武蔵」「大岡越前」「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「新選組!」などがある。また,主要なロ ケ地は姫路城と好古園,亀山御坊本徳寺,書写山などである。 (2) ロケ作品の概要 映画「ラストサムライ」は 2003(平成 15)年に公開された米国ハリウッド映画(配給:ワ ーナーブラザーズ)で,監督は「グローリー」「レジェンド・オブ・フォール」などを手がけ たエドワード・ズウィック。主演はトム・クルーズで,日本からも渡辺謙や真田広之,小雪な ど多数の俳優が出演している。明治維新下の日本を舞台に,トム・クルーズが演じる銃の達人 が,西洋化を阻む「最後の侍」と戦うというストーリーである。ロケはハリウッドにあるワー ナー・ブラザーズのスタジオとニュージーランドに再現したロケセット(日本の村),姫路市 の書写山・円教寺で行われた。 (3) ロケ受入の経緯 「ラストサムライ」の姫路ロケは,2001(平成 13)年夏にズウィック監督が日本文化や城 郭の研究の一環として姫路城を視察したことがその嚆矢である。ズウィック監督は京都を中心 に研究を行っていたが,もう一つの研究対象として姫路城を事前にリストアップしており,ス タッフ 10 名余りを連れて姫路市を訪れた。姫路FCを設立準備中だった姫路市広報課がこれ に対応し,姫路城を案内するとともに,たまたま帰りの新幹線までの時間が余ったため,姫路 市で姫路城に次ぐ観光地である書写山にズウィック監督他 10 名余りを案内した。なお,この 視察については,美術監督のリリー・キルバート氏が事前に姫路城を視察し,研究対象として ズウィック監督に推薦したことがその背景にある。 その後,2001(平成 13)年9月の米国同時多発テロによりハリウッド映画は海外ロケを自 粛せざるを得ない状況となり,製作者側と姫路FCの連絡も中断することとなったが,翌 2002 (平成 14)年2月に日本在住の制作協力者から再び姫路城と書写山を視察したいという連絡 があり,同年4月に再度の視察が行われ,5月には書写山をロケ地とすることが決定し,ワー ナー・ブラザーズ社から姫路FCへ協力依頼状が届いた。ズウィック監督らが書写山をロケ地 として決定した理由として,書写山はほとんど手が加えられていない古式蒼然とした形で残さ れており,いたずらに観光客向けの修復や装飾が行われていないことがあげられた。 62 (4) ロケの受入態勢 書写山がロケ地として決定してからロケが行われた 2002(平成 14)年 10 月までの約5か月 間にハリウッドから計 35 回 335 名のロケハン隊が姫路市に訪れた。ロケハン隊は撮影,美術 や車両,ケータリングなど部門別に編成され,担当部門ごとに必要事項をきめ細かにチェック した。姫路FCはその都度これに対応し,必要な情報提供や連絡調整等を行った。同年9月に は姫路市内にワーナー・ブラザーズ社の姫路連絡事務所が開設され,ハリウッドや東京等から 来た約 50 名のスタッフが常駐してロケの準備作業を行った。 ロケは同年 10 月に5日間かけて行われ,約 300 名のスタッフ(約 2/3 がアメリカ人,約 1/3 が日本人)がロケ作業に従事した。制作者及び姫路FCはロケ場所の詳細は公開していなかっ たが,映画あるいはトム・クルーズのファンらが書写山ロケの情報を入手し,ロケ初日には約 800 人の見物客があり,その後口コミで見物客数が増え,ロケ最終日には約 6,000 人が訪れた。 こうした事態に対して,姫路FCは姫路市役所各課の動員(約 50 名/日)及び地元警察署の 協力を得て見物客等の整理に対応し,大きな事故や混乱もなくロケを終えることができた。 ところで,ハリウッドでは製作会社と俳優の契約がきめ細かく行われ,拘束時間や移動手段 についても様々な制約がある。例えば,トム・クルーズは移動に公共交通機関を利用しないこ と,自動車の使用は 30 分以内にすること等の条件があったことから,神戸市内の宿泊地から ロケ地の書写山までは専用ヘリコプターと自家用車で移動した。姫路FCはこれに対応するた めヘリコプターが離発着できる場所としてロケ地近くのゴルフ場を確保するなどの対応を行っ た。 現地事務所の様子 ロケ成功祈願祭 ロケ中の打合せ 桜(造花)の制作 トム・クルーズの休憩室 バイキング形式の食事 ロケに伴う規制の告知 ロケの見物客 ※ 写真提供:姫路フィルムコミッション (5) 地域への波及効果 姫路FCは,1か月前からの現地事務所の設置及び5日間のロケ期間中の直接需用費及び観 光関連消費額(スタッフ等の宿泊費,飲食費,交通費)として約1億 500 万円の経済効果があ ったと推計している。この推計金額は見物客等による観光関連消費額は含んでおらず,実際に はこの金額以上の経済波及効果があったと推測される。 また,映画公開後から書写山に登るロープウェイ利用者数がそれまでより約3割増加し,そ 63 の効果は約1年継続した。また,書写山を訪れる観光客は西国 33 か所巡りの巡礼者が中心で あったが,映画公開後は映画ファンと思われる若者や外国人の観光客数が増加した。 (6) 地域振興活動 姫路FC及び姫路市は映画「ラストサムライ」のロケ効果をさらに高めるため,上映会の開 催やロケ地マップの作成,観光キャンペーン等を通じた集客促進活動に取り組んでいる。 上映会ではロケ地となった書写山・円教寺の住職をゲストに招き,ロケ時の制作秘話を話し てもらう企画を実施するなどして,姫路市民や映画ファンに映画「ラストサムライ」や書写山 に対する興味を持ってもらうようにした。また,姫路市観光マップに主なロケ地を掲載したり, 独自のロケ地マップを制作したりするなどして,姫路市を訪れた観光客にロケ地めぐりを楽し んでもらうような情報を提供している。一方,姫路市では,それらのマップを活用して東京や 九州などへの観光キャラバン隊の派遣やマスコミや旅行代理店の招請事業などを実施し,ロケ 地を観光資源として売り出し,姫路市へのさらなる集客促進を図ろうとしている。 ロケ地めぐりマップ(左:表紙,右:書写山紹介ページ) 64 3.2 神戸フィルムオフィス∼「ガラスの華」∼ (1) 神戸フィルムオフィスの概要 神戸フィルムオフィス(以下,神戸FO)は,神戸の街で映像ロケが頻繁に行われるように するため,映像プロジェクトの神戸への誘致活動やロケーション撮影に対するワンストップサ ービスなどを行う,神戸国際観光コンベンション協会を事務局とし,神戸市国際文化観光局観 光交流課,神戸シアトル事務所からなるプロジェクトチームである。設立は 2000(平成 12) 年9月で,同時に国際フィルムコミッショナーズ協会の日本第1号の正式会員として認定され た。神戸FOの代表であるフィルムコミッショナーは,欧米やアジアなどのフィルムコミッシ ョナーやエンターテインメント関連産業に幅広いネットワークを持ち,映像制作経験も豊富な 田中まこ氏が務めている。2007(平成 19)年8月現在,田中氏のほか専従職員4名,兼務職 員6名,シアトル事務所在住の兼務職員2名がおり,受入案件ごとに専属の担当職員を割り当 て,ロケ活動を支援している。 神戸市は多様な景観がコンパクトに集まり,空港や鉄道などの交通アクセスも非常によい環 境にあり,ロケに適した条件が整っている。また,具体的な映像の企画(商業映画・TVドラ マ)をもって,ロケハンのために神戸を訪れる国内外の映像製作プロジェクトに対してロケハ ン費用の一部を助成するほか,田中氏の強力なリーダーシップとコーディネーションのもとで 行政や警察,経済界,町内会など市内関係機関の相互の信頼関係に基づく連携・協力体制が構 築されており,地元協力による円滑なロケ環境を実現させている。さらに,その信頼関係と連 携・協力体制をベースとして,ロケ実施上の障害となる各種の規制緩和についても積極的に取 り組んでおり,それが映像製作者に評価され,年間約 170∼180 件のロケを継続的に受け入れ ている。設立当初はロケ誘致に向けたプロモーション活動を実施していたが,近年は特別なプ ロモーション活動を行わなくても製作者が自ら神戸をロケ地として選定するようになっている。 神戸フィルムオフィス説明資料 (2) ロケ作品の概要 「ガラスの華」は 2004(平成 16)年 12 月から韓国SBSテレビで放送されたトレンディド ラマ。韓国のトップスターであるイ・ドンゴンとキム・ハヌルが出演することでも話題を呼ん だ。ストーリーの中に,雑誌社に勤めるジス(キム・ハヌル)がスヨン(イ・ドンゴン)のス クープを追って日本に来るという設定があり,そのロケが神戸と淡路,倉敷で行われた。 (3) ロケ誘致の経緯 韓国SBSテレビは「ガラスの華」の日本ロケに当たり,最初に国際観光振興機構(JNT 65 O)ソウル事務所に相談した。SBSテレビは西日本地域からロケ地を選定したいと相談し(韓 国人からみると日本の中では西日本地域への親近感が高いようである(神戸FO・田中代表 談)),JNTOソウル事務所では大阪市と倉敷市を提案した。その際,神戸市のホテル関係者 がJNTOソウル事務所に訪問していて,SBSテレビ関係者に神戸市もロケ地の一つとして もらうように提案し,神戸FOに連絡をとるように働きかけた。 その後,SBSテレビの監督と脚本家がシナハンで神戸を訪ね,神戸FOの田中代表が番組 企画のポイントを聞き出しながら,その企画趣旨に合うようなロケ候補地を案内した。また, ロケ地に合ったシナリオやセリフを提案するなどした(例えば,「神戸はね,夜景が美しくて 知られているんだよ。山の上から見る夜景もいいけれど,船に乗って海から見る夜景もいいだ ろう」「ほんと,素敵だわ」という恋人同士の会話は実際のセリフとして採用された。)。 (4) ロケの受入態勢 こうした誘致活動を通じて,神戸市内では「ガラスの華」全 20 話のうち3話が撮影される ことになった。神戸FOは, 「ガラスの華」の受入に当たって,通常のロケ支援と同じように, 公共施設や民間施設などの撮影許可手続きの代行,神戸滞在に必要な宿泊施設などの紹介斡旋, 市民エキストラの紹介などを行った。 その過程で,制作者から民間ホテルでの宿泊とロケについてタイアップへの要望があった。 これに対して,田中代表は神戸FOとしてタイアップの斡旋はできないものの,関心があるホ テルを紹介した上で,そのホテルを会場とした記者会見を開催すること,またそのホテルが番 組放送後に番組のタイトルや俳優名を使用できる権利を得られるように助言した。その結果, 制作者は民間ホテルとのタイアップが実現し,ホテルは番組のタイトルや俳優名を自社のPR に活用できることとなった。 (5) 地域への波及効果 神戸FOは,ロケ隊の滞在に伴う観光関連消費に加え,国内外からの集客促進による観光関 連消費の拡大を重視し,ロケ実施前からその具体化に向けた活動を実施した。一つはロケ期間 中の神戸市内での制作記者会見であり,もう一つは韓国の旅行代理店や雑誌社に対する神戸観 光のPRである。 前者は,神戸FOがSBSテレビに対して,神戸FOが様々なロケ支援を行う代わりにSB Sテレビの負担により神戸市内で記者会見を行うように働きかけたものである。当日はロケ地 として使用したホテルを会場に,東京等から新聞社やテレビ局など主要メディア 40 社が来場 し,それらの記事や放送を通じて神戸ロケが全国に発信されることとなった。 後者については,神戸市内の観光関連企業が神戸市とキャラバン隊を編成し,韓国国内の旅 行代理店及び女性雑誌の編集者等を対象とした神戸ツアーの提案説明会をソウルで開催したも のである。これは「ガラスの華」の視聴者が女性中心であると見込み,韓国女性をターゲット とした旅行商品の企画実施を提案するものである。この提案を受けて,韓国の女性向け雑誌が 神戸特集を組んだり,旅行代理店が神戸ツアーを企画実施するなどして,韓国から神戸への集 客が具体化した。 また,主演のイ・ドンゴンが日本で「ファンの集い」を開催することになり,当初はその候 補地として東京と大阪が予定されていたが,イ・ドンゴン本人がロケで滞在した際の神戸にお 66 ける丁寧な対応に感謝し,大阪の代わりに神戸でファンの集いを開催することを提案し,神戸 開催が決定した。この集いには全国から 600 名あまりが参加し,会場となったホテル(ロケ地 として使用されたホテル)にはその多くが宿泊するなど,当初には想定していなかった経済効 果をあげることができた。 韓国・雑誌社への神戸ツアー提案書 (6) 地域振興活動 神戸FOは阪神・淡路大震災後の神戸のまちづくり事業の一つとして設立された組織であり, その事業はまちづくりの一環として位置づけられる。すなわち,田中氏を中心とする神戸FO はフィルムコミッション事業を通じたまちづくり活動を実践・牽引しており,フィルムコミッ ション事業はロケの誘致や支援にとどまらず,それらを通じたまちづくりや産業振興の分野に も及んでいる。例えば,神戸FOでは映画上映会の開催,映画制作ワークショップの開催,イ ンターンシップ(大学生)の受入などを行うほか,田中氏個人として大学講師の活動等を通じ て映像制作等にかかる人材育成に努めている。こうした多様で活発な神戸FO,とりわけ田中 氏の活動の原動力となっているのは,田中氏の神戸への愛着,映画への愛着,地方における映 像産業振興に向けた熱意であり,それに裏打ちされたプロデュース力とコーディネート力が神 戸FOを単なるロケ支援組織でなく,まちづくり・産業振興にかかる事業体へと発展させてき たとみることができる。 67 第4章 広島地域への海外ロケ誘致方策のモデル検討 1 海外ロケ誘致のための地域ポテンシャル 1.1 撮影シーン 広島フィルム・コミッションを通してロケが行われる映画やTVドラマの約7∼8割は平和記 念公園や原爆ドームといった「平和」「原爆」関連施設を使用している。また,国内外の映像関 係者にも「広島=平和」「広島=原爆」といったイメージが定着している。しかし,広島市及び その近郊には,海と山,都市と田舎,古いモノと新しいモノがコンパクトに立地しており,多様 な撮影シーンを提供することができる。 表7 広島地域におけるロケ候補地 区分 自 然 公園・広場 街並・住宅 道 乗 路 り 物 広島FC提案の候補地 かきいかだ,漁港,元宇品海岸,海田湾, 坂町の海岸線,五日市フィッシャリーナ, 観音マリーナ,廿日市ボートパーク,元安 川,本川,京橋川,雁木,三段峡,ハノー バー庭園,縮景園,渝華園,森林公園山城, 金輪島,似島,絵の島,牧草地 中央公園,森林公園,観音マリーナ海浜公 園,古川せせらぎ公園,元宇品公園,パセ ーラ空中庭園,シャレオ中央広場,アリス ガーデン,広島駅南口地下広場,祈りの泉 向洋地区,仁保地区,本浦地区,可部地区, 神楽門前湯治村,お好み村,お好み共和国, かき船「かなわ」,第1津田ビル(流川), みよし食堂,炭焼小太郎,グレース,楽群, 旧山陽道,本通り,シャレオ,並木通り, 横川駅周辺,マリーナホップ,古民家,旧 家,仁保南団地からの夜景,比治山公園か らの夜景,鈴峯公園からの夜景,広島城か らの眺望,江波山気象台からの眺望,市役 所からの眺望,比治山からの眺望 相生通り,路地,旧広島大学の並木道,シ ャレオ,藤棚の道,本川河岸緑地,比治山 スカイウォーク,吉見園松並木,比治山散 策道,広電天満橋,元安橋,相生橋,平和 大橋,宇品橋,工兵橋,栄橋,猿猴橋,京 橋,御幸橋,荒神橋,比治山橋,柳橋,常 磐橋,大正橋,駅前大橋 市内電車,市内電車電停,JR 広島駅,広島 港,リバークルーズ,アストラムライン, スカイレール 公民館提案の候補地 観音小学校内の森,元宇品,二葉山 太田川河岸,蓮華寺山,南原峡 陰山地域の田園風景,窓ヶ山 太田川(宇賀地区),比治山,本川 黄金山,的場川,絵下山 五月が丘団地から広島修道大学への小径 広島市環境局 中工場の芝生 西福寺庭園,広島市植物公園 五月が丘第5公園 草津まちなみ,美鈴が丘団地 大杉地区,安佐町黒瀬地区 霞町団地モデル住宅,吉島地区 西福寺から半兵衛庭園に至る裏道 矢野地区の古い街並み コイン通り,出迎えの松,猿猴橋 吉島通りなど霞庚午線以南の道路全般 広島呉道路の仁保ジャンクション 市内電車,広電宮島線 みどり坂スカイレール,JRの列車 資料:広島FCウェブサイト,公民館アンケート調査 68 表7 広島地域におけるロケ候補地(続き) 区分 歴史・文化 娯楽施設 学 校 広島FC提案の候補地 原爆ドーム,宮島もみじ谷公園,宮島の街 並み,宮島大鳥居,宮島の海辺,ひろしま 美術館,広島県立美術館,広島市現代美術 館,江波山気象館,広島市こども文化科学 館,昆虫館,広島市郷土資料館,広島市交 通科学館,ガラスの里,平和記念資料館, 旧日本銀行広島支店,旧陸軍被服支廠,ア ステールプラザ,広島国際会議場,広島市 まちづくり市民交流プラザ,広島市留学生 会館,安佐動物公園,広島市植物公園,平 和記念公園,広島城 ファミリープール,ビッグウェーブ,恐羅 漢スキー場,広島市民球場,広島競輪場, ビッグアーチ,似島臨海少年自然の家 広島市立大学,筒瀬小学校,高南西小学校 (廃校),杉の泊小学校(廃校) 愛友市場,宇品ショッピングセンター 倉庫 官公庁舎 広島市役所,西消防署,広島拘置所 高陽中央病院,旧高陽中央病院 昭和初期の診療所 そ 施 の 他 設 広島みなと夢花火大会,菊華展,ドリミネ ーション,フラワーフェスティバル イベント 公民館提案の候補地 木の宗山,二葉の里歴史の散歩道 知神社,青崎地区の共同井戸,武田山 平和記念公園,仁保島村資料館 みくまり神社,「かもじ」の製造 清水劇場 日浦西小学校,瀬野川中学校 広島大学医学部歯学部,中島小 吉島小,広島市立工業高校 段原骨董街,南吉島商店街,半兵衛 お好み焼きのお店 コカコーラ,三島食品などの工場・倉庫 東洋大橋 広島市郷土資料館,造幣局,吉島刑務所 ポリテクセンター,営林署,仁保公民館 広島大学医学部附属病院,吉島病院 老人介護施設「おりーぶえん」 広島港電車乗り場,旧広島水上警察署 広島駅前広場,放射線影響研究所 環境局中工場,仁保姫神社 亥の子祭り,俵みこし作り,広島国際学 院大学大学祭,猿猴川河童まつり エコまつり”環ッハッハ in よしじま” 仁保姫神社の獅子舞,船越ふるさとまつ り 資料:広島FCウェブサイト,公民館アンケート調査 69 1.2 撮影支援体制 (1) 広島フィルム・コミッションを支援する会 広島地域では,広島フィルム・コミッションの活動を支援することを目的として,行政機関 とテレビ局,新聞社,宿泊施設,交通機関,学識経験者,その他関係機関で構成される「広島 フィルム・コミッションを支援する会」が 2002(平成 14)年2月に設立され,広島フィルム・ コミッションが支援する映画等のロケーション撮影への協力活動を行っている。 しかし実際には,構成団体の代表等による年数回程度の会合を通じた情報交換にとどまって おり,担当レベルによる具体的なロケ誘致あるいはロケ受入活動が展開されていないことが課 題となっている。 表8 「広島フィルム・コミッションを支援する会」の概要 目 的 広島フィルム・コミッションの活動支援 事 業 広島フィルム・コミッションが支援する映画等のロケーション撮影への協力 設 立 2002(平成 14)年2月 (座 長)中嶋健明(広島市立大学芸術学部教授) (副座長)広島商工会議所商工部長 (構成員)全国フィルムコミッション連絡協議会,中国運輸局,中国経済産業局 広島県,広島市,広島商工会議所,広島県観光連盟,中四国映像製作社連盟 構 成 員 中国放送,広島テレビ,広島ホームテレビ,テレビ新広島,中国新聞社 広島県ホテル旅館生活衛生同業組合,広島市観光ホテル旅館組合 日本ホテル協会中国四国支部,広島県タクシー協会,広島県個人タクシー協会 西日本旅客鉄道広島支社,広島バス,広島交通,広島電鉄,瀬戸内海汽船 広島県興業生活衛生同業組合,広島県社交飲食生活衛生同業組合 広島市ひと・まちネットワーク,広島市立大学 事 務 局 財団法人広島観光コンベンションビューロー 資料:広島フィルム・コミッションを支援する会資料 (2) 協力企業 広島フィルム・コミッションは,映像制作を支援可能な広島地域の企業をリストアップして ウェブサイトに掲載し,業種・職種別に該当企業を検索できるようにしている。このウェブサ イトに掲載されている業種別の映像制作支援企業数は表9のとおりである(次頁)。これをみ ると,ウイークリーマンションや編集スタッフ,ENG チーム派遣,オープンセットなどの一部 の業種(職種)を除いて広島地域に関連企業が立地しており,映像制作を支援できる環境があ る程度整っていることがわかる。 しかし,映像制作プロダクションや機材レンタル企業の内容をみると,TVドラマの制作に 適した機材はあっても,映画制作に適した機材がないのが実態であり,映画ロケを受け入れよ うとすれば,海外の制作者や国内の他都市から機材を運搬してくる必要がある。 70 表9 広島地域における業種別の映像制作支援企業数(2007 年) 業種 宿泊 職種 企業数 ホテル・旅館 45 業種 美術 職種 企業数 大道具 5 ウイークリーマンション 0 小道具 10 ケータリング 仕出し弁当 7 劇用車 1 プロダクション 映像制作 13 オープンセット 0 音楽制作 5 撮影スタジオ 5 CG制作 2 MAスタジオ 8 照明スタッフ 5 録音スタジオ 6 音声スタッフ 8 編集スタジオ 8 音響スタッフ 3 撮影スタッフ 9 照明機材(取材対応) 5 写真家 5 録音機材 8 演出スタッフ 8 音響機材 4 制作スタッフ 7 カメラ機材 9 編集スタッフ 0 特機 8 フードコーディネーター 1 制作備品レンタル 1 ENGチーム派遣 0 総合レンタル 2 人材派遣 3 レンタカー 1 ロケコーディネーション 2 貸切バス・タクシー メイク・スタイ ヘア・メイク 3 空撮 2 リスト スタイリスト 3 船 6 インテリアスタイリスト 1 中継車 1 キャスティング 3 ロケバス 2 劇団 1 特殊車両 2 小動物 0 通訳 通訳 1 フィルム販売 1 警備 警備 2 スタッフ 出演者 フィルム販売 スタジオ 機材レンタル 交通 照明機材 10 11 資料:広島フィルム・コミッションのウェブサイト(http://www.fc.hcvb.city.hiroshima.jp/kigyou/index.html) 注1)広島フィルム・コミッションが「映像制作をお手伝いする企業」としてリストアップしている企業を対象 とした。 注2)一つの企業が複数の業種・職種を営む場合もある。 (3) 教育・研究機関 広島市及びその近郊には,「映像」に関わる学科を持つ大学・専門学校として,広島市立大 学(芸術学部デザイン工芸学科)と広島経済大学(メディアビジネス学科),広島国際学院大 学(情報デザイン学科),広島国際大学(感性デザイン学科),広島工業大学専門学校(デジタ ル映像コース)がある。 このうち,広島市立大学には,映画撮影も可能な映像機器等を 2008(平成 20)年度から導 入予定の撮影スタジオがあり,これを学生教育用だけでなく商業映画やTVドラマ等の撮影に 71 も使用することも構想されている。また,同大学の構内には特殊撮影場所として使用可能と思 われる敷地もあるようで,今後その使用について検討する必要がある。 図9 広島市立大学の撮影スタジオ平面図(2007(平成 19)年 11 月,広島市立大学・中嶋教授提供) (4) ボランティア・エキストラ 広島フィルム・コミッションはボランティア・エキストラについて登録制度を設置していな いが,映像制作者からエキストラ確保の依頼を受けた際に,メールマガジンを通じてボランテ ィア・エキストラの募集を行っている。 2008(平成 20)年2月現在,メールマガジンの受信 者数は約 820 名であり,広島フィルム・コミッションは定期的にメールマガジンを発行し,ボ ランティア・エキストラの募集情報に加え,広島フィルム・コミッションの活動報告,映像関 連イベント等の情報を提供している。 72 1.3 公民館のロケ誘致に対する意識 広島フィルム・コミッションがいくつかの公民館に対してロケ地探しやロケ支援の協力を求め た実績があることから,広島市内の公民館を対象として「海外ロケ誘致に向けた広島の魅力を再 発見するためのアンケート調査」を実施し,フィルム・コミッション事業に対する意識を把握し た。配布数は 70,回答数は 36,回収率は 51.4%であった(2007(平成 19)年8月3日現在)。 (1) 広島フィルム・コミッションの認知度 回答した公民館のすべてが広島フィルム・コミッションの存在を認知している。そのうち, その活動内容まで知っているのは回答団体の約2/3であった。 設立されたこと も活動内容もよ く知らない 0(0.0%) 設立されたこと も活動内容も 知っている 23(63.9%) 設立されたこと は知っている が、活動内容に ついてはよく知 らない13(36.1%) 図 10 公民館による広島FCの認知度(回答数:36) (2) 海外からのロケ誘致に対する意識 回答団体の約2/3が海外からのロケ誘致を「よい考え」として評価しており,自分たちの 地区でのロケを希望している。一方,「よくわからない」という回答が約1/3あり,公民館 (の担当者)によって意識の違いがあることがわかる。 あまりよい考え だと思わない, 0(0.0%) とてもよい考 え・自分たちの 地区でぜひ撮影 してほしい, 8(22.2%) よくわからない, 11(30.6%) よい考え・要請 があれば自分た ちの地区で撮影 してもよい, 17(47.2%) 図 11 公民館の海外ロケ誘致に対する意識(回答数:36) 73 (3) 公民館として協力可能な内容 公民館として協力可能なロケ支援活動として「撮影候補地に関する情報提供」がもっとも多 くあげられている。この他,「撮影スタッフと住民の交流機会の提供」「撮影協力ボランティア の確保」「エキストラの確保」などがあげられている。 25 23 20 (館) 15 10 10 6 5 5 2 0 0 0 0 0 撮 撮 撮 撮 エ 撮 撮 撮 そ 影 ス タ ッ フ 影 ス タ ッ フ 影 ス タ ッ フ 影 協 力 ボ ラ キ ス ト ラ の 影 候 補 地 に 影 候 補 地 の 影 ス タ ッ フ の 他 の 移 動 支 の 手 飲 配 食 施 の 手 宿 配 泊 施 ン テ ィ ア 確 保 関 す る 情 所 交 有 渉 者 と と 提 住 供 民 の 援 設 の 紹 介 設 の 紹 介 の 確 保 報 提 供 の 使 用 条 交 流 機 会 ・ ・ 件 の 図 12 公民館として協力可能なロケ支援活動(回答数:36,複数回答) 74 2 海外ロケ誘致のための地域課題 2.1 海外ロケ誘致施策の展開状況 表 10 は, 「諸外国における映像産業振興施策と市場動向に関する調査研究(平成 17 年度,経 済産業省)」において提案された海外ロケの誘致及び受入に向けた提案施策に対する広島地域の 充足状況を示している。 表 10 海外ロケの誘致及び受入施策に対する広島地域の充足状況(2007 年 12 月現在) 区分 誘 致 提案施策 充足状況 全国組織の設立と地域組織との連携・補完 ○ 方 策 全国フィルム・コミッション連絡 協議会等への参加 AFCI 等主催イベントでのPR ○ 釜山国際映画祭や米国トレードシ ョー等へのブース出展 海外事務所設置による現地製作者との連携強化 × 外国語のロケ地情報提供 ○ 英語 財政的インセンティブ制度の確立・提供 △ 広島市が管理する公園使用料の減 免措置 受 入 外国語での対応(コミュニケーション) ○ 英語 態 勢 関係行政機関との連携による円滑な撮影支援 △ 広島フィルム・コミッションを支 援する会 住民等へのロケ実施についての調整・告知 ○ 現地での協力依頼,ウェブサイト, メールマガジン他 財政的インセンティブ制度の確立・提供(再掲) △ 広島市が管理する公園使用料の減 免措置 複数地域における撮影許可申請手続きの簡素化 △ 申請から許可までの期間の短縮 × ビザ発給・機材持込時の通関手続きの簡素化 × ロケ受入効果の把握と情報発信 × 他FCとの連携 これをみると,広島地域では広島フィルム・コミッションが全国フィルム・コミッション連絡 協議会や AFCI,AFCnet 等の国内外のフィルム・コミッション連絡組織に加盟し,それらを介し た情報提供やイベント出展等を通じた誘致活動を展開する他,英語による対応が十分可能である 点は海外ロケ誘致に向けて有利な状況にある。 一方,財政的インセンティブが他国・地域と比較して十分でないことや関係行政機関の連携, 現地製作者等とのネットワーク,ロケ受入効果の把握と発信,各種規制への対応に不十分な点が みられる。各種規制への対応については広島地域だけでなく国家レベルで対応すべき課題と言え るが,その他の課題については今後,広島地域において対応を図っていくことが必要かつ可能な 課題であると思われる。 75 2.2 米国ハリウッド映画誘致のための広島地域の課題 表 11 は米国ハリウッド映画のロケの誘致条件に対する広島地域の充足状況を示している。こ れをみると,安全性や言語に関する条件は充足している一方,ストーリーや撮影コスト,警察等 の協力は現段階で対応できていない。 このうち,ストーリーについては,「平和」「原爆」以外の広島地域の魅力やイメージを伝える とともに,それらを活かしたストーリーを米国ハリウッド映画の製作者等に提案していくことも 必要と考えられる。撮影コストについては,他国とくにアジア諸国と比べて一般的に物価や人件 費が高く不利な状況にある上,ドイツ政府や釜山フィルムコミッションが提供するような製作者 にとって魅力的な財政的インセンティブが確立されていない現状にある。また,警察等の協力に ついては広島地域に独自の問題というよりもわが国全体として対応すべき課題であり,国レベル での対応が不可欠である。 以上を考慮すれば,広島地域は米国ハリウッド映画のロケを誘致するための競争力が高いとは 言えない状況にあり,特にストーリーと財政的インセンティブ,警察等の協力が存在しない限り, 広島地域への誘致は困難と考えられる。 表 11 米国ハリウッド映画のロケ誘致に対する広島地域の充足状況(2007 年 12 月現在) 誘致条件 充足状況 安全性 ○ ・ テロや犯罪等の危険な出来事に遭遇することはない。 ストーリー △ ・ 「平和」「原爆」をテーマとしたドキュメンタリー映画の製作に適す。 ・ 商業映画のロケ地となる必然性のあるストーリーがない。 撮影コスト × ・ 他国と比べて一般的に物価や人件費が高い。 ・ 魅力的な財政的インセンティブ制度が存在しない。 警察等の協力 × ・ 大がかりな交通規制等を行うことは困難。 言語 ○ ・ パンフレットやウェブサイトの英語版の整備。 ・ 専属スタッフの英語によるコミュニケーションが可能。 2.3 韓国映画・TVドラマ誘致のための広島地域の課題 表 12 は韓国の映画・TVドラマのロケの誘致条件に対する広島地域の充足状況を示している。 これをみると,いずれの誘致条件も十分に満たしているとは言い難い状況にある。しかし,いず れの条件も今後の取組みによっては対応可能であると考えられる。 制作者との対人関係については,現段階で広島フィルム・コミッション等が韓国の大手映像制 作会社との直接の対人関係を構築しているわけではないが,広島県内に韓国との文化交流を進め る任意団体や韓国のエンターテインメント業界に精通した企業等が立地していることから,それ らの組織や企業を介することによって,ネットワークを構築していくことが可能と思われる。ま た,本川春美氏を対象としたインタビューによれば,韓国の大手映像制作会社と緊密な対人関係 を構築している日本のフィルム・コミッション等はまだ存在しないようであり,全国に先駆けて そうした対人関係を構築することのメリットは大きいと考えられる。 対応の迅速性と柔軟性については,広島地域の関係行政機関における対応の向上が期待される。 撮影コストについては,韓国と比べて一般的に物価や人件費は高く,また魅力的な財政的イン 76 センティブが存在しないものの,米国ハリウッド映画と比べて決定的な誘致条件となっていない ことから,既存のインセンティブ(広島市が管理する公園使用料の減免)や広島空港の空港利用 料が無料であること等のメリットを強調することによって対応を図る。 メディアとのタイアップについては,広島地域ではこれまで地元メディアとタイアップした韓 流イベントを開催した経験がなく,そのため韓国メディアや芸能プロダクション等との対人関係 を有していない。これについては,今後,イベントを積極的に展開していくことが期待される。 表 12 韓国の映画・TVドラマのロケ誘致に対する広島地域の充足状況(2007 年 12 月現在) 誘致条件 制作者との対人関係 充足状況 △ ・ 韓国の大手映像制作会社との直接の対人関係を有していない。 ・ ただし,広島県内にそれらの会社との対人関係を有する企業や 組織が立地しており,当該企業や組織を介することにより,ネッ トワークを構築することが可能。 対応の迅速性と柔軟 △ 性 撮影コスト ・ 広島フィルム・コミッションを支援する会を通じた情報共有。 ・ 行政手続きに時間がかかることが多い。 × ・ 韓国と比べて一般的に物価や人件費が高い。 ・ 魅力的な財政的インセンティブ制度が存在しない。 メディアとのタイア ップ × ・ 地元メディアとタイアップした韓流イベントの開催経験なし。 ・ 韓国メディア等との対人関係を有していない。 2.4 重点対象国の設定 広島地域への海外ロケ誘致に当たり,効果的かつ効率的な誘致活動を行う観点から,重点的に 誘致活動を行う対象となる国を設定する。具体的に,地理的な近接性,民間交流の存在,日本ロ ケに対するニーズの存在,仲介役となるコーディネーターの存在等を考慮し,韓国を重点対象国 として設定する。また,広島地域における映像制作企業の立地状況(TV用機材はあるが,映画 制作機材はない),韓国映像業界の実態(映画よりもTVドラマが制作者や俳優等に選好される) を踏まえ,韓国TVドラマを具体的な誘致対象として設定することが適当と考えられる。 なお,米国ハリウッド映画については,地理的な遠隔性,財政的インセンティブの要請,日本 独自の各種規制等の存在,日本ロケに対するニーズの少なさ等を踏まえ,重点誘致対象としては 設定しない。 広島地域における具体的な誘致対象 = 韓国TVドラマ 77 3 海外ロケの誘致方策の検討 本節では,広島地域への具体的な誘致対象として設定した韓国TVドラマについて,実際に広 島地域への誘致を促進するための課題とそれに対応した方策を検討した。 3.1 対応すべき課題 事例調査やインタビュー調査,釜山国際映画祭見本市 BIFCOM でのプロモーション結果を踏ま え,韓国のTVドラマのロケを広島地域へ誘致するために対応すべき課題として,情報発信とプ ロモーションに関して,次の6点をあげることができる。 (1) 情報発信に関する課題 ① 多彩なロケーション素材のPR 韓国の映像制作者は原爆投下地としての広島は知っていても,多彩な撮影場所があること はほとんど知らない。そのため,TVドラマの企画段階で広島地域を舞台とする作品をイメー ジできていない。そのため,これらの制作者等に広島地域のイメージをしっかりとインプット しておくことが必要である。また,制作費用を軽減する観点から,広島地域には都市的景観だ けでなく,山や川,海など多彩な田園景観があり,しかもそれらが近接していることをPRす ることにより,制作者が広島に行けば効率的な撮影が可能であることを認識できるようにする。 これらについて,文字や静止画像による情報提供だけでなく,よりリアルに地域イメージ や撮影メリットを説明し,理解してもらうために映像資料の作成が有効である。 ② 外国語対応の充実 韓国TVドラマの制作者等との直接的な情報提供やコミュニケーションを行うためには, ロケ地の紹介や支援システムなどに関する外国語(英語・韓国語)での説明資料やウェブサイ トを用意しておくとともに,スタッフが十分な外国語の能力を保有し,円滑なコミュニケーシ ョンを行えるようにする必要がある。 (2) プロモーションに関する課題 ① 映像制作者やメディア関係者等との対人関係の強化 韓国TVドラマの企画やロケ地の選定は,業界内の一部のキーパーソンによって決定さ れる場合が多く,広島地域をロケ地として選定してもらうためにはこれらのキーパーソン (制作者やメディア関係者等)との対人関係・信頼関係を構築しておくことが大切である。 特に韓国は対人関係・信頼関係を重視する国民性及びビジネス習慣があり,映像制作会社 やメディア関係者との属人的な信頼関係を構築しておくことが重要である。 ② 地域プロデューサーの確保 韓国の映像制作者等からの問合せや申込みの統一的な窓口機能を果たすとともに,それら の関係者との継続的かつ属人的な対人・信頼関係を構築し,それに基づく効果的な誘致活動を 展開する観点から,広島地域の象徴(代名詞)あるいは誘致責任者といえる「地域プロデュー サー」を確保する必要がある。「地域プロデューサー」は広島地域のロケ候補地や映像制作に 78 精通するとともに,英語等でのコミュニケーション能力を備えた人材であることが望ましい。 ③ インセンティブの充実とPR ロケ地の選定に当たり,ロケ地からの財政的なインセンティブの有無が重要な選定条件と なっている。そのため,広島空港利用料が無料であることやエキストラの無料手配,公園利用 料の減免などの既存のインセンティブをしっかりとPRするとともに,国内外の他地域(例え ば,釜山フィルムコミッション)と競争できる財政的なインセンティブを提供できるようにす る必要がある。 ④ 全国フィルム・コミッション連絡協議会との連携強化 韓国TVドラマ等の制作者にとって,日本ロケを行う際の統一的な窓口機能の確保が求 められている。日本では全国フィルム・コミッション連絡協議会がその機能を果たすとと もに,文化庁の支援によって全国的なロケ地情報のデータベースが構築されつつある。こ うした動きを踏まえ,広島地域として独自の誘致活動を展開するとともに,全国フィルム・ コミッション連絡協議会との連携を一層強化し,わが国全体としての誘致・プロモーショ ン活動を展開するとともに,その過程において広島地域での受け入れを図るような取組み を展開する必要がある。 79 3.2 広島地域への誘致方策 上記6つの課題に対応し,広島地域への海外ロケ誘致を図るための具体的方策として,情報発 信とプロモーションに関して,次のような取組みが必要と考えられる。 (1) 情報発信方策 ① DVDの制作と活用 広島地域の多彩なロケ素材や支援体制,ロケ実績などをコンパクトに紹介したDVDを制 作する。これについては,本調査においてこれらの条件を満たすと思われるDVD(日本語・ 英語・韓国語)を制作しており,今後,このDVDを積極的に活用した誘致活動を展開するこ とが期待される。 本調査の一環で制作したDVDの仕様は次のとおりである。 製 作 経済産業省中国経済産業局 製 作 協 力 広島フィルム・コミッション 時 間 約 14 分 内 容 「日本の縮図」と呼ばれる国際平和都市・広島で実際に撮影された映画・ ドラマ等の映像やバリエーション溢れる広島地域のロケーションを紹介。 併せて,アクセスや受入体制,東京などの大都市圏と比較した物価の安さ など,映画制作者のニーズに即した情報をもりこんだ広島のプロモーショ ンビデオ。 言 語 日本語,英語,韓国語(ハングル) また,DVDの活用方法として次の方法が効果的と考えられる。 ア)見本市等での配布 釜山国際映画祭や東京国際映画祭をはじめ,広島フィルム・コミッションが出展する ロケーション誘致のための見本市で,TVモニターを通じた上映に加え,希望する来場 者に対してDVDを配布し,イベント終了後に各会社等で見てもらうようにする。 イ)映像制作者等への直接送付 韓国の主要映像制作会社は約 10 社であり,これらの会社がTVドラマも映画も制作し ている。また,韓国の映画やTV番組等に関する雑誌やインターネット放送局も数社あ り,これらの企業が韓国の映像制作の中枢に位置している。 そこで,これらの映像制作者等に対して,本調査で制作したDVDを直接送付し,見 てもらうことにより,広島地域のロケ地や支援体制,ロケ実績等について認識を深めて もらい,日本(広島)を舞台とした作品の企画やロケ地としての選定につなげてもらう ようにする。ただし,組織(部局)宛に事務的に送付したDVDは見てもらえないまま になる可能性があるので,可能な限り,直接の担当者を指名してDVDを送付し,視聴 してもらうようなきめ細かな対応が必要である。 80 ウ)映像制作者等を招いた会合での上映 映像制作者等に直接送付することに加え,映像制作会社等が集積するソウルにおいて, 映像制作者やメディア関係者を招いた会合(プロモーションのためのパーティ)を開催 し,広島地域のロケ地や支援体制,ロケ実績などをPRする一環としてDVDを上映す る。 エ)ウェブサイトでの紹介・上映 DVDの映像データを中国経済産業局のウェブサイトにアップロードし,当該ウェブ サイトにアクセスした人がインターネットを通じてDVDを視聴できるようにする。ま た,広島フィルム・コミッションのウェブサイトから中国経済産業局のウェブサイトに ハイパーリンクを設定することにより,広島フィルム・コミッションのウェブサイトに アクセスした人もハイパーリンクをたどってDVDを視聴できるようにする。 ただし,DVDの中に編集した映画の映像等はインターネット上での公開後1年間の みを上映許可期間としている作品もあるため,それらについては継続的な著作物使用許 可の申請を行う必要がある。 (2) プロモーション方策 ① 誘致スキームの確立 ア)地域プロデューサーの登用 広島地域の象徴(代名詞)あるいは誘致責任者となる「地域プロデューサー」を登用 する。「地域プロデューサー」は広島地域への海外ロケ誘致活動を統括し,広島地域の関 係機関と調整しつつ,また韓国の映像制作者等との太いパイプを活用して,制作者等の ニーズや問合せに応じた柔軟かつ積極的な誘致活動を展開できるようにする。そのため, 比較的自由で臨機応変な行動がとれる立場として位置づけることが望ましい。 イ)映像制作関係者等の活用 広島フィルム・コミッションをはじめとする広島地域の関係者による誘致活動に加え, 広島にゆかりのある国内外の映像制作関係者やコーディネート組織等とのネットワーク を確立し,そうした映像制作関係者等の影響力を効果的に活用した誘致活動を展開する。 例えば,次の方々と連携した誘致活動を展開することが考えられる。 ・ 広島出身の映画監督など映像制作関係者 ・ 広島地域でロケの経験がある映画監督など映像制作関係者 ・ 国内のロケーション・コーディネーター ・ 韓国エンターテインメント業界に精通する企業 他 ウ)国際交流組織の活用 広島地域には広島市や広島県のほか民間の国際交流組織があり,韓国等の自治体や民 間団体等とも活発な国際交流活動を展開している。こうした既存の組織やネットワーク を効果的に活用することで,韓国TVドラマの誘致活動を補強することができると考え 81 られる。広島地域における国際交流組織等の例は次のとおりである。 ・ 韓国・大邸広域市(広島市の姉妹都市) ・ 在日本大韓民国民団広島県地方本部 ・ 広島韓国青年商工会 ・ ひろしま海外友好パートナー(梨花女子大学校名誉教授) ・ 広島県日韓親善協会(事務局:RCC中国放送) エ)国際航空会社との連携 広島とソウルを結ぶ国際航路が存在することをPRするとともに,その利用促進を図 る観点からも,アシアナ航空広島支店との連携を強化する。 ② 制作者等とのネットワークづくり ア) 「広島パーティ in ソウル(仮称)」の開催 韓国の映像制作企業や雑誌社等が集積するソウル市において,それらの企業等を招い た会合「広島パーティ in ソウル(仮称)」を開催する。パーティでは広島地域の食材や 特産品などを持ち込んで広島地域をPRするとともに,DVDを上映するなどして,ロ ケ地としての広島の魅力をアピールする。また,パーティを通じて,広島フィルム・コ ミッションをはじめとする広島地域の関係者と韓国の映像制作企業や雑誌社等の担当者 との対人関係・信頼関係の醸成に努め,その後の事業展開に役立てるようにする。 イ)俳優等を招いたイベントの開催 「広島パーティ in ソウル(仮称)」で形成した映像制作企業等との対人関係をベー スとして,広島地域で開催されるイベントに韓国の著名俳優を招聘し,広島市民等に韓 国の映画やTVドラマ,当該俳優に対する理解を深めてもらうとともに,招聘した俳優 に同行する雑誌社等の記者によるイベント報告及び広島を紹介する記事を通じて,韓国 の映像制作企業等や市民に広島地域に対する理解と関心を深めてもらうようにする。 ③ インセンティブの充実とPR 財政的なインセンティブの有無が海外ロケ地の選定において重要な条件となっている現状 を鑑み,広島地域における既存の財政的インセンティブを積極的にPRするとともに,他地域 との競争に負けない新たな財政的インセンティブを提供していく。 ④ 全国フィルム・コミッション連絡協議会を通じたPR強化 全国フィルム・コミッション連絡協議会が文化庁の支援を受けて進めるロケ地データベー スづくりに積極的に情報を提供するほか,同協議会が主催または参加するセミナーや見本市等 に積極的に参加・協力することにより,日本全体としてのロケ誘致活動に貢献するとともに, 制作者等のニーズに応じて,広島地域でのロケ受入を実現できるようにする。 82 4 海外ロケの受入態勢の検討 本節では,広島地域への具体的な誘致対象として設定した韓国TVドラマについて,広島地域 において受入態勢を確立する上での課題とそれへの対応方策を検討した。 4.1 対応すべき課題 事例調査やインタビュー調査,釜山国際映画祭見本市 BIFCOM でのプロモーション結果を踏ま え,韓国のTVドラマ等のロケを広島地域で受け入れる上で対応すべき課題として,組織面と制 度面に関して,次の7点をあげることができる。 (1) 組織面の課題 ① 地域プロデューサーの確保 誘致活動での中心的役割とともに,海外ロケの受け入れに当たって,広島地域の関係機関 との相互の信頼関係のもとでさまざまな連絡調整や合意形成を推進あるいは支援することがで きる「地域プロデューサー」を確保することが必要である。「地域プロデューサー」は広島地 域のロケ候補地や映像制作に精通するとともに,英語や韓国語でのコミュニケーション能力を 備えた人材であることが望ましい。 ② 実効性のある協力態勢の確立 韓国TVドラマのロケの受け入れに当たり,映像制作を具体的に支援できる関係機関によ る機動性が高く,実効性のある協力態勢を確立する必要がある。具体的に,公共施設の使用(占 用)許可やロケ地付近の住民協力,移動や宿泊等にかかる協力を迅速に得られるように,行政 機関や住民,まちづくり組織,事業者等を巻き込んだ協力態勢を確立する。 ③ 市民啓発と支援活動への巻き込み 広島地域をあげてのロケ受入・協力態勢を確立するためには市民の理解と協力が不可欠で ある。そのため,広島地域におけるロケ受入のメリットと効果を明確にし,それを根拠として 市民等にロケ受入及びそれへの協力の必要性を認識してもらうための啓発活動を継続的に行う 必要がある。そうした啓発活動を通じて,ロケ支援への協力者を段階的に確保し(巻き込み) , ロケが円滑に実施できる支援体制を確立していく。 (2) 制度面の課題 ① 迅速かつ柔軟な意思決定や手続き 韓国TVドラマ等はロケ地選定から実際の撮影までの期間(平均2か月)が短く,それを 受け入れるためには広島地域の関係機関(特に行政機関)が撮影許可や支援体制の確立までを 短期間で迅速に行うことが求められる。細かな運用規定や過剰な公平性の論理等にこだわらず, 映像制作のメリットと効果を十分認識し,効果的かつ効率的なロケが実現できるような協力を 行うことが必要である。 83 ② 財政的なインセンティブの充実 財政的なインセンティブの有無が海外ロケ地選定の重要な要件となっている現状を鑑み, 既存のインセンティブに加え,映像制作者にとって魅力的な財政的インセンティブ制度を確立 し,映像制作者に提供できるようにすることも必要である。 ③ 撮影支援企業の集積促進 効率的かつ効果的,さらに柔軟な現場対応が可能なロケを行うためには,ロケ地周辺に映 像制作を支援できる多種の企業が立地していることが望ましい。これについて,将来的には, 釜山映像ベンチャーセンターを参考としつつ,広島地域への映像関連企業の立地を促進し,撮 影機材の貸出や撮影協力などを行える態勢を確立することが有効と考えられる。 ④ 撮影スタジオの整備 釜山映画撮影スタジオのように安価な撮影スタジオの存在は,映像制作者にとって効果的 かつ効率的なロケ及び映像制作を行う上で重要な要素の一つとなっている。これについて,広 島地域においても,将来的に撮影スタジオの整備を検討することも有効と考えられる。 84 4.2 広島地域に求められる受入態勢 上記7つの課題に対応し,広島地域に求められる海外ロケの受入態勢を確立するため,具体的 に次のような取組みが必要と考えられる。 (1) 組織面の対応 ① 地域プロデューサーの登用 広島地域における海外ロケ受け入れの責任者となる「地域プロデューサー」を登用する。 「地域プロデューサー」は広島地域への海外ロケの受入事業を統括し,広島地域の関係機関と 調整しつつ,また韓国の映像制作者等との太いパイプを活用して,制作者等のニーズや問合せ に応じた柔軟かつ効果的なロケ支援活動を展開できるようにする。そのため,比較的自由で臨 機応変な行動がとれる立場として位置づけることが望ましい。 ② 「広島フィルム・コミッションを支援する会」の拡充と実効化 現在,広島地域においては「広島フィルム・コミッションを支援する会」が組織され, ロケ誘致及び支援活動に関する情報交換が行われている。しかし,活動内容は情報交換レ ベルにとどまり,具体的な誘致活動の展開や受入態勢の拡大・充実に結びついていないの が実態である。そこで,国内はもとより海外ロケの受入を具体的に支援するため,韓国等 の映像制作者のニーズに迅速かつ適切に対応できる組織としての拡充を図る。 具体的に,既存の構成員に加え,広島地域の国際交流組織や航空会社,警察機関,消防機 関,広島地域での海外ロケ受入に協力できるロケ・コーディネーター等の参画を得る。また, 実効性ある組織とするため,各組織の代表者レベルによる組織に加え,各組織の実務担当者(で きればロケ支援担当者(兼務で可))によるワーキング組織を設置し,「地域プロデューサー」 の指示・調整のもとで,具体的かつ迅速に対応できる態勢を確立する。 ③ 市民啓発のためのイベント開催 関係行政機関への対応と同様に,広島地域の市民に対しても,韓国TVドラマのロケ受入 による地域振興のメリット・効果が大きいことを定量的に説明し,理解を深めてもらう。また, 広島地域におけるロケ実績の紹介,既存ロケ作品の上映会の開催,既存ロケ作品のロケ地を訪 ねるロケ地ツアーの開催,映像制作に関するワークショップやセミナー,シンポジウム等の開 催を通じて,広島地域の市民の映像制作への関心を高める。 なお,韓国TVドラマについては,広島地域においても相当数のファン層が存在すると みられることから,そうした韓国TVドラマや韓国俳優のファンを巻き込んだネットワー クづくりを進め,ロケ支援はもとより作品公開後のイベント等への集客に結びつけていく。 (2) 制度面の対応 ① 海外ロケーション特区の設置 海外の映像制作者のニーズに適切かつ迅速に対応するためには,各種の事務手続きや許認 可申請等を迅速に行うことが肝要であり,それが保証されなければ海外ロケの受入機会を逃し てしまうことになりかねない。しかし,長年の行政的習慣や国全体としての統一性を維持する 必要から,広島地域での映像制作のためだけに,そうした特例的な対応がとりにくいのが実態 85 である。また,行政機関には,納税地の市民が多く参加するイベント等に対して,映像制作は 製作者の営利事業であり,そうした営利事業に対して特例的に対応できないという認識も根強 い。 そこで,関係行政機関等に対して,海外ロケの受入による地域振興のメリット・効果が 大きいことを定量的に説明し,理解を深めてもらうとともに,特例的に迅速な事務対応が 可能となる環境整備を行うこととする。具体的に,内閣府が推進する構造改革特区制度を 活用し,広島地域において海外ロケを受け入れる際の許認可申請や各種事務手続きの簡素 化・迅速化を図ることが可能な制度設計を提案する。 ② 財政的インセンティブ制度の充実 ア)恒常的インセンティブ 韓国等の映像制作者による広島ロケに対して,既存のボランティア・エキストラ制 度や使用料減免措置に加え,国際的にも競争力のある財政的なインセンティブ制度を創 設する。具体化に当たっては,行政機関と経済組織等で十分な協議を行い,費用対効果 の視点にも留意しつつ,拠出金額や負担割合について検討していく必要がある。 イ)プロジェクトベースの支援 2007(平成 19)年4月に広島ロケが行われたタイのTVドラマ「ファーとタワン(空 と太陽)」の誘致・支援スキームにみられるように,プロジェクトベースで海外から広島 へのロケを誘致し,財政的な支援を行うスキームを確立する。具体的に,国土交通省が 推進するビジット・ジャパン・キャンペーンや自治体が中心となった国際観光テーマ地 区推進協議会等のスキームを活用することによって,広島ロケに対する財政的支援を行 うことが考えられる。 ③ 映像関連企業の集積促進 中・長期的な観点から,広島地域への映像関連企業のさらなる立地・集積を促進する。そ の場合,空室が多い既存のオフィスビル等を活用したり,跡地利用が課題となっている空地(予 定地を含む)に新たな拠点施設を整備したりすることも検討する必要がある。 ④ 撮影スタジオの整備・供用 中・長期的な観点から,広島地域でロケーション撮影と合わせてスタジオ撮影も可能な撮 影スタジオの整備を検討する。その場合,すでにスタジオや編集室,機材置場,準備室などを 備え,2008(平成 20)年度から映画撮影も可能な映像機器等を導入予定の広島市立大学の撮 影スタジオをTVドラマ等の撮影にも使用することも想定される。また,同大学構内の特殊撮 影に使用可能と思われる場所の使用可能性についても検討する必要がある。 86 5 海外ロケ誘致による波及効果の試算 5.1 地域活性化効果の捉え方 「ロケーション撮影による地域経済効果の推計手法等に関する調査」(2003 年,国土交通省総 合政策局観光部)によれば,ロケ誘致による地域活性化効果として,ロケハンからロケ撮影まで の期間と上映・放映時及び上映・放映後の期間のそれぞれにおいて,経済的効果と社会的効果が あるとされている(表 13)。 表 13 ロケ撮影による地域活性化効果 段階 効果 経済的効果 映像制作・及び上映・放映の流れ ロケハン→ロケ撮影 上映・放映→上映・放映後 ● ロケ隊の消費 ● 観光客の消費 ・ スタッフや出演者の宿泊費 ・ 宿泊費 ・ スタッフや出演者の食費(弁当等) ・ 飲食費 ・ 車両・機材のレンタル費 ・ 土産等購入費 ・ その他制作関連費 ・ 交通費 ・ スタッフや出演者の個人消費(土産等) ・ 施設入場料 ・ その他 ● 地域に根ざした活動機会の創造 ● 地域の知名度向上 ● 地域間交流の活発化 ● 地域のイメージアップ ● 地域の誇りの醸成 社会的効果 資料:「ロケーション撮影による地域経済効果の推計手法等に関する調査」をもとに作成 ロケハンからロケ撮影までの期間には,ロケ隊がロケ地で宿泊したり,食事をしたり,映像制 作関連の機材をレンタルしたりすることにより,観光消費等の経済的効果が発生する。また,エ キストラ参加などで住民が映像制作に触れる機会を持つことができるというような社会的効果も 期待できる。 一方,完成した映画やTVドラマが上映・放映されて,ロケ地の地名や風景が視聴者の印象に 残れば,地域の知名度が向上する。そして,ロケ地を実際に訪ねてみたいと考える人も出てくる ようになる。ロケの話題が新聞や雑誌などに取り上げられることで,このような効果はさらに高 まり,ロケ地に訪れる観光客数も増加する可能性がある。また,ロケ地の地名や風景が上映・放 映されることによって,住民が地域に誇りを持つようになるといった効果も期待できる。 これらの地域活性化効果は,映画やTVドラマといった映像の種類,国内と国外といった制作 者の所在地等に関わらず,効果の程度の差はあれ,いずれのロケにおいても共通に発生すること が期待できると考えられる。 87 5.2 経済的効果の試算 ここでは,広島地域への重点的な誘致対象として設定した韓国TVドラマのロケが実際に行わ れたと仮定した場合の広島地域への経済的効果について試算を行う。具体的に,表 13 に示した 経済的効果(ロケ隊の消費,観光客の消費)について試算を行うこととする。 (1) 消費費目 ① ロケ隊の消費費目 ロケ隊の消費費目として期待される主な費目は次のとおりである。 費目 スタッフ・出演者 の宿泊費 スタッフ・出演者 の食費 車両・機材のレン タル費 その他制作関連費 スタッフ・出演者 の個人消費 表 14 ロケ隊の主な消費費目 費目の説明 スタッフや出演者の宿泊室料。多人数での長期滞在となるため,1人1泊 あたりの宿泊単価は一般よりも低料金であることが多い。また,スタッフ と出演者では宿泊単価が異なることが多く,一般に出演者の方が高い。 ロケでは食事をとる時間帯が不規則になることが多いため,朝・昼・夕食 ともに弁当を購入する場合が多い。また,撮影は深夜に及ぶことが多いた め,夜食が用意されることもある。 ロケの撮影場所は地域内の広い範囲にわたることが多いため,スタッフや 出演者が移動するためのワゴンやマイクロバスなどをレンタルすることが ある。また,クレーンなどの重機はロケ地周辺でレンタルされることが多 い。 (交通費)有料道路通行料やガソリン代など (出演料)ロケ地周辺の劇団や芸能プロダクションの役者への支払い (ロケ協力費)民間施設などへの撮影協力に対する謝礼 (技術費)ロケ地周辺の映像制作関連会社に一部業務を委託した場合 (美術費)大道具・小道具の材料費,家具のレンタルなど (宴会費)ロケの中締めや打ち上げなど (雑 費)予期せぬ出費に備えて予算化しているケースがある 日用品や土産物の購入,個人的な飲食費など 資料:「ロケーション撮影による地域経済効果の推計手法等に関する調査」をもとに作成 ② 観光客の消費費目 観光客の消費費目として期待される主な費目は次のとおりである。 費目 宿泊費 飲食費 交通費 土産等購入費 その他 表 15 ロケ隊の主な消費費目 費目の説明 旅行者が旅先の旅館やホテル等に支払う宿泊室料 旅行者が食事の際に立ち寄る飲食店などで支払う 旅先で利用するタクシーや路線バス,レンタカー,駐車場等の代金 土産物代,旅先で必要となった日用品代。 有料観光施設の入場料や宅配便代,電話代,レンタル代(スキー用具)など 資料:「ロケーション撮影による地域経済効果の推計手法等に関する調査」をもとに作成 88 (2) 広島地域で韓国TVドラマのロケが行われた場合の経済的効果 ① ロケ隊の消費 ア)ロケ隊の規模 広島地域で韓国TVドラマ「広島の○○(仮題)」(2時間ドラマ)のロケが行われる とすると,韓国から広島地域へは3回の来訪があると想定される。それらは2回のロケ ハンと1回のロケ撮影であり,いずれも宿泊を伴う来訪と想定される。 2回のロケハンはいずれも2泊3日で,4人のスタッフ(プロデューサー,監督,脚 本家,美術監督等)が来訪すると仮定する。また,ロケ撮影は 13 泊 14 日で行われ,ス タッフ 40 人と出演者 10 人の計 50 人が来訪すると仮定する。その結果,延べ滞在人数は 58 人,延べ滞在日数は 724 人日,延べ滞在泊数は 666 人泊と仮定される。 表16 ロケ隊来訪作品の把握(広島地域に韓国TVドラマを誘致した場合) 連 番 作品名 支援対象 ロケ隊滞在形態 (ロケ/ロケハン) (宿泊/日帰り) 主なロケ(ロケハン地) 主な出演者 備考 1 韓国TVドラマ「広島の○○」 ロケハン(1) 宿泊 ○△川、○×温泉 ○○ 同行して記録 2 韓国TVドラマ「広島の○○」 ロケハン(2) 宿泊 ○△川、○×温泉 ○○ 同行して記録 3 韓国TVドラマ「広島の○○」 ロケ 宿泊 ○△川、○×温泉 ○○ 同行して記録 ロケハン ロケ隊支援件数 ロケ 合計 (件) (件) (件) 2 1 3 うち宿泊小計 3 うち日帰り小計 0 表17 ロケ隊の規模(人数・滞在日数)の把握(広島地域に韓国TVドラマを誘致した場合) b 連 番 支援対象 c 撮影開始日 (年月日) d=b+c+1 撮影終了日 滞在日数 f g スタッフ平 出演者平均 均滞在人数 滞在人数 滞在泊数 h=f+g i=d×h ロケ隊平均 滞在人数 ロケ隊延べ滞 ロケ隊延べ滞 在日数 在泊数 j=e×h (日) (泊) (人) (人) (人) (人日) 1 ロケハン(1) 2008.4.** 2008.4.** 3 2 4 0 4 12 8 2 ロケハン(2) 2008.6.** 2008.6.** 3 2 4 0 4 12 8 3 ロケ 2008.6.** 14 13 40 10 50 2008.6.** (年月日) e=d-1 ロケ隊の規模 (人泊) 700 D=Σi 650 E=Σj (延べ滞在日数・泊数) 年間合計 (人日) (人泊) 合計 724 666 うち宿泊小計 724 うち日帰り小計 0 イ)消費額の推計 まず,1人1日(泊)あたりの消費単価を設定する。宿泊費と食費については,「ロケ ーション撮影による地域経済効果の推計手法等に関する調査」を参考に,それぞれ 6,000 円/人泊,2,000 円/人日と設定する。車両レンタル費はスタッフ・出演者の移動に使用す る大型バス借上費の 60,000 円/日と機材運搬車両借上費の 15,000 円/日を加算し,75,000 円/日と設定する。その他制作関連費については,「ロケーション撮影による地域経済効 果の推計手法等に関する調査」で紹介されている雑費を1日平均 30,000 円とするケース を参考に 30,000 円/日と設定した。個人消費額は「ロケーション撮影による地域経済効 果の推計手法等に関する調査」を参考に 1,000 円/日と設定した。 次に,それぞれの単価に滞在日数(滞在泊数)を乗じることにより,各費目の消費総 89 額を算出する。その結果,宿泊費が約 400 万円,食費が約 145 万円,車両レンタル費が 90 万円,その他制作費が 42 万円,個人消費が約 72 万円と推計される。これらを加算する と,広島地域で韓国TVドラマのロケを行った場合のロケ隊の総消費額は約 749 万円と 推計される。 表18 ロケ隊の消費額の把握(広島地域に韓国TVドラマを誘致した場合) 連 番 支援対象 k l=k×j m n=m×I o 1人1泊あ たり宿泊費 宿泊費総額 1人1日あ たり食費 食費総額 1日あたり車 車両レンタ 両レンタル費 ル日数 p q=o×p r=s÷d 車両レンタ ル代総額 1日あたりその その他制作関 他制作関連費 連費総額 s t u=t×I v=l+n+q+s+u ロケ隊1日当 ロケ隊の個人 ロケ隊総消費額 たり個人消費 消費の総額 (円/人泊) (円) (円/人日) (円) (円/日) (日) (円) (円/日) (円) (円/人日) (円) (円) 1 ロケハン(1) 6,000 48,000 2,000 24,000 0 0 0 0 0 1,000 12,000 84,000 2 ロケハン(2) 6,000 48,000 2,000 24,000 0 0 0 0 0 1,000 12,000 84,000 3 ロケ 6,000 3,900,000 2,000 1,400,000 75,000 12 900,000 30,000 420,000 1,000 700,000 7,320,000 ※大型バス60,000円/日 ※機材運搬車両15,000円/日 ロケ隊の消費額/年間 平均・合計 合計 K=L÷E L M=N÷D N O=Q÷P Q R=S÷D S 宿泊費平均 単価 宿泊費小計 食費平均単 価 食費小計 車両レンタル 費平均単価 車両レンタ ル代小計 1日当その他制作 関連費平均単価 その他制作関 1日当個人消 個人消費小計 ロケ隊総消費合計 連費小計 費平均単価 T=U÷H U V (円/人泊) (円) (円/人日) (円) (円/日) (円) (円/日) (円) (円/人日) (円) (円) 6,000 3,996,000 2,000 1,448,000 75,000 900,000 30,000 420,000 1,000 724,000 7,488,000 うち宿泊 小計 うち日帰り 小計 7,488,000 0 ② 観光客の消費 ア)観光客数の推計 「ロケーション撮影による地域経済効果の推計手法等に関する調査」では,ロケ地へ の観光入込客数を推計する手法として,映画等を動機とする来訪客比率からの推計,映 画等ゆかりの観光施設入場者数からの推計,前年の入込客数からの増分で推計,映画等 ゆかりの観光施設でのカウント調査が紹介されている。しかし,本検討においては,広 島地域におけるそれらの実績値が不明であることから,次の3つの形態の旅行が具体化 した場合の観光客数の設定及び観光消費額の推計を行う。 第一は,神戸フィルムオフィスがロケ支援を行った韓国TVドラマ『ガラスの華』と 同様に,韓国旅行エージェントによるロケ地ツアーが企画・実施されるケースである。 これについて,日本へのロケ地ツアーはロケ地めぐりと既存観光施設のセット商品が多 いという指摘(「四国地域におけるロケ地の誘客力向上及び映画体感観光ツアーの創設に 関する調査」)を踏まえ,各ツアー中の広島地域での宿泊回数は1泊/回と設定する。ま た,1回あたりの携行人数は,「山本興治(2004):韓国人訪日パックツアー分析−韓国 アウトバウンド観光ヒアリング調査を中心に−,関門地域研究,vol.13」を参考に,30 人に設定した。そして,このツアーが仮にTV放送後に5回実施されると仮定し,ツア ー参加者の合計は 150 人と設定する。 第二に,TVドラマの放送を契機に,韓国人の個人ツアー客が増加するケースである。 関東運輸局・関東地方整備局・東京航空局の資料において,韓国人訪日旅行の8割が個 人旅行であるという指摘を踏まえ,上記の 150 人をTV放送を契機とする団体客と位置 づけ,その4倍にあたる 600 人がTV放送を契機とする個人客として広島地域に来訪す ると仮定する。 第三は,神戸フィルムオフィスがロケ支援を行った『ガラスの華』と同様に,韓国人 俳優等のファンの集い等のイベントが広島地域で開催され,日本各地からイベント目当 ての観光客が来訪するケースである。これについて,神戸市での実績値(約 600 人)を 90 参考に,500 人が来訪すると仮定する。 これら以外にロケ中の見物客や日本国内からの個人客の来訪も想定されるが,前者は 円滑なロケ撮影の障害となってロケ隊に敬遠されること,後者は明確な設定基準がない ことから,ここでは検討(推計)の対象外とする。 なお,広島市観光交流部資料によれば,平成 18 年の広島市への韓国人観光(宿泊)客 数は 11,064 人(外国人観光(宿泊)客数 177,173 人の 6.5%)であり,1本の韓国TV ドラマのロケ受入により,実数で 750 人,平成 18 年実績値の 6.8%増とすることになる。 表19 TV放送後の観光客数(広島地域に韓国TVドラマを誘致した場合) 旅行形態 滞在日数 発地 滞在泊数 携行人数/回 a 実施回数 来訪者数 (日) (泊) (人) (回) (人) 30 5 150 500 1 パック旅行(訪日ツアー) 韓国(ソウル/釜山) 2 1 個人旅行(訪日) 韓国(ソウル/釜山) 2 1 個人旅行(韓国俳優ファンの集い) 日本各地 2 1 600 500 A 合計 (人) 1,250 イ)消費額の推計 まず,1人1日(泊)あたりの消費単価を設定する。「ロケーション撮影による地域経 済効果の推計手法等に関する調査」を参考に,宿泊費を 2,861 円/人泊,食費を 2,147 円 人日,交通費(鉄道・航空機を除く)を 2,207 円/日,土産購入費を 3,524 円/日と設定 する。なお,これらの単価は国内旅行者を想定したものであるが,広島市観光交流部に おいて外国人観光(宿泊)客の観光消費額を推計・公表していないことから,便宜的に 韓国人旅行者についてもこれらの数値を使用する。 それぞれの単価に滞在日数(滞在泊数)を乗じることにより,各費目の消費総額を算 出する。その結果,宿泊費が約 1,608 万円,食費が約 268 万円,交通費が 279 万円,土 産購入費が約 441 万円と推計される。これらを加算すると,広島地域で韓国TVドラマ のロケを行った場合の観光客の総消費額は約 2,592 万円と推計される。 表20 TV放送後の観光客の消費額の把握(広島地域に韓国TVドラマを誘致した場合) b 連 番 旅行形態 c=b×a 1人1泊あ たり宿泊費 d 宿泊費総額 1人1泊あ たり食費 e=d×a f 食費総額 1人1泊あた り交通費(除. 交通費(除.鉄 道・航空機) 1人1泊あたり 土産購入費総 鉄道・航空 総額 土産購入費 額 機) g=f×a h I=h×a j=c+e+g+I 観光客総消費額 (円/人泊) (円) (円/人日) (円) (円/人泊) (円) (円/人泊) (円) (円) 1 パック旅行(訪日ツアー) 12,861 1,929,150 2,147 322,050 2,207 331,050 3,524 528,600 3,110,850 2 個人旅行(訪日) 12,861 7,716,600 2,147 1,288,200 2,207 1,324,200 3,524 2,114,400 12,443,400 3 個人旅行(韓国俳優ファンの集い) 12,861 6,430,500 2,147 1,073,500 2,207 1,103,500 3,524 1,762,000 10,369,500 12,861 16,076,250 2,147 2,683,750 2,207 2,758,750 3,524 4,405,000 25,923,750 観光客の消費額/平均・合計 91 ③ 経済波及効果 ア)経済波及効果 次に,広島県産業連関表を用いて,ロケ隊及び観光客の消費に伴う経済波及効果を推 計する。ロケ隊の延べ滞在日数 724 人日,消費支出(県内最終需要増加額(生産者価格) =直接効果)748.8 万円とし,広島市消費転換率(平成 16 年)の 0.629776 を用いると, ロケ隊の消費による総合効果は生産誘発額が 1,213.1 万円,粗付加価値誘発額が 736.3 万円,雇用者所得誘発額が 374.9 万円と推計された。その内訳等は表 21 のとおりである。 表 21 韓国TVドラマのロケ隊の消費による広島地域への経済波及効果(試算例) (単位:万円) 種別 直接効果 一次波及効果 二次波及効果 合計(総合効果) 生産誘発額 748.8 267.9 196.5 1,213.1 粗付加価値誘発額 444.1 160.6 131.5 763.3 雇用者所得誘発額 245.1 77.9 51.9 374.9 また,観光客の消費について,観光客数 1,250 人,消費支出(県内最終需要増加額(生 産者価格)=直接効果)2,592.4 万円とし,広島市消費転換率(平成 16 年)の 0.629776 を用いると,総合効果は生産誘発額が 4,219.6 万円,粗付加価値誘発額が 2,516.5 万円, 雇用者所得誘発額が 1,282.5 万円と推計された。その内訳等は表 22 のとおりである 表 22 韓国TVドラマ放送後の観光客の消費による広島地域への経済波及効果(試算例) (単位:万円) 種別 直接効果 一次波及効果 二次波及効果 合計(総合効果) 生産誘発額 2,592.4 855.2 672.0 4,219.6 粗付加価値誘発額 1,496.7 569.8 450.0 2,516.5 雇用者所得誘発額 828.2 276.8 177.5 1,282.5 イ)雇用創出効果 雇用創出効果については,ロケ隊の消費に伴う雇用誘発者数は直接効果による1人, 観光客の消費に伴う雇用誘発者数は直接効果の3人,一次波及効果の1人,合計4人と 推計された。 (3) 韓国人の訪日旅行の現状(参考) 国際観光振興機構(JNTO)によると,訪日韓国人数(観光客)は 1998(平成 10)年の約 38 万人から 2002(平成 14)年の約 76 万人,2006(平成 14)年の約 161 万人と,近年は急増傾 向にある。また,JNTO「訪日外国人旅行者調査」によれば,韓国旅行社が持つ日本の観光地と しての特性として,①飛行時間が短い,②温泉旅行が多い,③価格が高い,④ショッピングや オプションがない,⑤ホテルのレベルが高い,⑥旅行日程が短い,⑦景色がいい,⑧気候の差 が少ない,⑨時差がない,⑩安全だ,があげられている。一方,日本の大手旅行会社の訪日韓 国人旅行者の特徴として,①温泉を旅程に折り込むこと,②日本料理に関心を持つが,実際に 92 は韓国料理を適宜組み入れること,③日本を往復する旅行者が増加していること,④中国人と 異なり,目的意識が明確で,訪問地が全国展開していること,があげられている。 なお,2008(平成 20)年1月に韓国の主要な訪日旅行会社を訪問した広島経済同友会アニ メーションビエンナーレ基金事務局によれば,これらの旅行社には日本各地の観光パンフレッ ト等が多数置かれている中で,中国地域の観光地を紹介するパンフレット等はほとんど置かれ ておらず,中国地域の観光情報がほとんど発信されていないようである。その中で愛媛県松山 市の道後温泉を紹介する観光パンフレットが多数置かれており,韓国人旅行者のニーズも高い ようで,中国地域は道後温泉をメインとする観光ツアーのオプションとして認知されている。 このことから,韓国TVドラマを契機とした広島地域へのロケ地観光は道後温泉と組み合わせ た観光ツアーを提案することが望ましいと考えられる。 (4) 他地域の事例(参考) ① 兵庫県姫路市 本調査で事例検討した姫路フィルムコミッション支援の米国ハリウッド映画「ラストサム ライ」における姫路市への経済的効果は次のとおりである。本検討では米国ハリウッド映画 の広島地域へのロケ受入に伴う経済的効果の試算を行っていないが,この実績値を参考とす ることができる。 表 23 「ラストサムライ」ロケ受入に伴う姫路市への経済的効果 ロケ隊の規模 (人) 250 (泊) 5 ロケ隊の消費額 (人泊) 1,250 (万円) 4,162.9 (万円) 1,186.1 (万円) (万円) (万円) (万円) 540.0 4,203.1 377.5 10,469.6 資料:姫路フィルムコミッション ② 北海道小樽市 映画「LOVE LETTER」のロケ地となった北海道小樽市は,同映画が 1999(平成 11)年に韓 国でも上映され,大人気となったことから,ロケ地・小樽を訪れる韓国人観光客が急増した。 この「LOVE LETTER」ブームが火付け役となり,「温泉と雪景色とラベンダー」(在札幌韓国 総領事)を特色とする北海道は韓国人にとって憧れのリゾート地として定着してきた。2006 年度上半期の小樽市の韓国人宿泊延数は 4,088 人(前年比 713.4%)となっており,小樽市 ではさらに韓国からの集客を促進するため,韓国人ボランティアによる小樽市の魅力紹介, 観光モニターツアーの実施などに取り組んでいる。 93 第5章 中国地域の海外ロケ誘致ネットワークの検討 1 海外ロケ誘致に向けたフィルム・コミッションの意識 中国地域のフィルム・コミッション等を対象としたアンケート調査(2007(平成 19)年7月) において,海外ロケ誘致に向けて,その必要性とロケを誘致したい国・地域,中国地域における 海外ロケ支援ネットワークの必要性について尋ねたところ,以下のような回答結果が得られた。 1.1 海外ロケ誘致の必要性 「海外ロケを積極的に誘致したい」と回答したのは,岡山県FC連絡協議会と広島FC,竹 原市の3団体(回答団体の 17.6%)であった。また,「海外の制作者から要請があればロケに 協力してもよい」という回答は7団体(同 41.2%)であった。このことから,これらを合わせ た 10 団体(同 58.8%)で海外ロケの受入が可能であるものの,その2/3は海外ロケ誘致に 必ずしも積極的であるとは言えない。また,2団体が「わからない」,5団体が「関心はある が,受入態勢が整っていないので,海外からのロケ誘致は困難」と回答しており,中国地域に おいて海外ロケの誘致及び受入が可能なフィルム・コミッション等は数的に限定されるのが現 状といえる。 関心はある が、受入態勢 が整っていな いので、海外 からのロケ誘 致は困難 5(29.4%) 海外ロケを受 け入れるつも りはない 0(0.0%) 海外ロケを積 極的に誘致し たい 3(17.6%) 海外の制作者 から要請があ ればロケに協 力してもよい 7(41.2%) わからない 2(12.5%) 図 13 海外ロケ誘致の必要性に対するフィルム・コミッション等の意識(回答数:16) 94 1.2 ロケを誘致したい国・地域 ロケを誘致したい国・地域として「韓国」と「米国(ハリウッド)」がもっとも多くあげられ ている。「中国」や「東南アジア」,「ヨーロッパ」等の回答も散見された。 8 (件) 6 6 6 4 2 2 2 1 0 1 0 0 米 韓 中 東 イ フ そ そ 国 国 国 南 ン ラ の の ・ ドハ ア ジ ド ン ス 他 パヨ 他 リ ア ー ウ ロ ッ ッ 図 14 フィルム・コミッション等がロケを誘致したい国・地域(回答数:10) 1.3 中国地域における海外ロケ支援ネットワークの必要性 「海外ロケを積極的に誘致したい」または「海外の制作者から要請があればロケに協力しても よい」と回答した団体のほとんどが海外ロケ支援組織のネットワークの必要性を認めている。し かし,「運営体制について検討が必要」とする回答が過半数を超えており,効果的な運営体制に ついて十分に検討する必要がある。 ネットワーク は必要だが、 参加するかど うかわからな い 1(11.1%) あまり参加し たいと思わな い 0(0.0%) ネットワーク 自体が必要で あるとは思わ ない 0(0.0%) ネットワーク は必要であ り、ぜひ参加 したい 3(33.3%) ネットワーク は必要であ り、参加した いと考える が、運営体制 について検討 が必要 5(55.6%) 図 15 海外ロケ支援ネットワークの必要性に対する フィルム・コミッション等の意識(回答数:9) 95 2 海外ロケ誘致ネットワークの必要性と方向性 2.1 海外ロケ誘致ネットワークの必要性 (1) フィルム・コミッション等からみた必要性 各フィルム・コミッションや自治体にとって,米国ハリウッドや韓国等から海外ロケを誘致 するに当たって,各国の映像制作の現状,アプローチすべき会社や人材の情報,誘致条件,海 外ロケの受入事例等に関する情報を得ることは重要である。しかし,各フィルム・コミッショ ン等が単独でこれらの情報を入手し,独自のプロモーション活動を展開することはマンパワー 面や財政面の制約から困難であると思われる。 そのため,海外ロケ誘致に関する情報の入手と共有化を図る必要性から,海外ロケ誘致を図 ろうとするフィルム・コミッション等が連携・協力することは有効であると考えられる。 (2) 映像制作者からみた必要性 海外の映像制作者にとっては,ロケの誘致というよりもロケの受入の観点から,フィルム・ コミッション等のネットワークの必要性について検討する必要がある。 一つは撮影シーンの問題である。映像作品のロケ地を選定するに当たって,できるだけ多様 な撮影シーンが近接した位置に集中して存在することは,撮影コストを低減させる観点から必 要な条件となる。しかし,一つのフィルム・コミッションの担当地域で複数の撮影シーンを確 保できない場合,別の場所を探すことになるが,近接した地域で適当な場所があれば,移動コ ストを押さえることができ,制作者にとってメリットがある。そのため,中国地域という一つ のエリアで多様な撮影シーンを提供することができれば,遠距離移動を伴わずに,効率的なロ ケ撮影が可能となる。これを支援するため,中国地域のフィルム・コミッション等が連携・協 力して多様な撮影シーン情報を制作者に対して提供することは有用だと考えられる。 もう一つは撮影許可の問題である。複数の地域でロケ撮影を行う場合,制作者にとって撮影 許可等の手続きを複数回実施する必要があり,これが簡素化されることによって,撮影にかか る労力コストが削減されることになる。これに対応するため,中国地域のフィルム・コミッシ ョン等が連携・協力して撮影許可申請に関して制作者に便宜を図ることは有用だと考えられる。 以上の2点からフィルム・コミッション等のネットワークは制作者にとっても有用であると 位置づけられる。ただし,制作者にとって真に効果的かつ効率的なロケ撮影となるためには, フィルム・コミッション同士の信頼関係をベースとして,きめ細かな情報提供や一定水準以上 のロケ支援サービスを提供するなどの実効性あるネットワークとする必要があり,形式的な組 織とならないようにすることが要請されている8。 8 松岡利光氏を対象としたインタビュー調査による。 96 2.2 海外ロケ誘致ネットワークの方向性 (1) ネットワークの性格 フィルム・コミッションからみても映像制作者からみても海外ロケ誘致に向けたフィルム・ コミッション等の海外ロケ誘致ネットワークは有用であると言えるが,その運営に当たっては, 形式的な組織の設立及び運営ではなく,より実効性のあるネットワークとすることが求められ る。 しかし,中国地域のすべてのフィルム・コミッションや自治体が海外ロケ誘致に積極的であ るとは言えない現状にあり,また受入能力にも地域差が存在することから,中国地域における フィルム・コミッション等のネットワークは海外ロケ誘致だけを目的とするのでなく,国内の 映画やTVドラマ等のロケ誘致も目的とした,幅広い目的を持ったネットワークとすることが 現実的であると考えられる。 また,誘致活動は各フィルム・コミッション等の積極性に委ねることが中心となるため,そ のネットワークは各フィルム・コミッション等の誘致活動を側面的に支援するとともに,映画 やTVドラマ等のロケ及びその活用を通じたまちづくりに関する情報やノウハウ等の交換・共 有を主たる目的とすることが望ましいと考えられる。 そうした情報の交換・共有を通じて,フィルム・コミッション等が相互の理解と信頼を深め るとともに,10 年先を見すえつつ,住民や関係行政機関の映像制作に対する理解の促進,規 制緩和,映像産業の集積,映像を通じた地域イメージと郷土意識の向上といった,「映像のま ちづくり」を中国地域各地で展開し,ロケ地としての地域力(ポテンシャル)の向上に繋がる ようにする。 <中国地域におけるFCネットワークの性格> ● 各FC等の相互理解と信頼関係の醸成 ● 国内・海外ロケ誘致の支援 → 地域力の向上 ● ロケを通じたまちづくりに関する情報交換・共有 (2) ネットワークの組織 (1)で検討したネットワークの性格を考慮すれば,中国地域におけるフィルム・コミッショ ン等のネットワークは,規約や会費等を定め,総会開催等を必要とするような組織でなく,相 互の信頼関係と共通理念等に基づいたゆるやかなネットワークとすることが望ましいと考えら れる。各フィルム・コミッション等の情報を共有・発信する情報基盤(ツール)を整備するこ とと,プロジェクトに応じて柔軟に協力しあう態勢づくりを基本とし,統一組織として大々的 な誘致活動等を行うことを目指さない。 このことは通常のロケ誘致あるいはロケ支援業務に忙殺されたり,他業務との兼務でロケ支 援活動に専従できない各フィルム・コミッション等の職員に新たな負担を強いないという点で 効率的であると考えられる。また,活動目的やロケ受入を通じて期待する地域への波及効果は フィルム・コミッション等によって異なっており,そうした実態から考えても,新たな枠組み で誘致活動を展開することは必ずしも必要ではないと考えられる。 FC間の連携は,組織対組織のつながりというより,個人と個人のつながりに負うところが 大きい。そのようなことから,FCのネットワークについては,実務者レベルのゆるやかなネ 97 ットワークが望ましいと思われる。一例として,FCネット九州山口の運営手法(参加は自由, 年2∼3回の会議開催,幹事は持ち回り)が有効と思われる。なお,2008(平成 20)年6月 5∼7日の間,全国フィルム・コミッション連絡協議会の定例総会が広島県尾道市で開催され ることになっており,これを契機に地域のネットワーク構築を図っていくことが効果的と考え られる。 <中国地域におけるFCネットワークの組織> ● 信頼関係と共通理念に基づいたゆるやかなネットワーク ● 実務者レベルのネットワーク (3) ネットワークの活動 上記の性格及び組織形態を備えた中国地域のフィルム・コミッション等のネットワークが実 施することが望ましいと考えられる活動内容は次のとおりである。 ① フィルム・コミッション情報の共有 各フィルム・コミッションの運営や活動,ロケ実績等にかかる情報を共有するとともに, 国内外の映像制作者等に対してそれらの情報を提供する。具体的に,これらの情報をとり まとめたガイドブックやウェブページ,CDを作成することが考えられる。 ② ロケ候補地情報の提供 各フィルム・コミッションや自治体等が有するロケ候補地情報をとりまとめ,国内外の 映像制作者等に対してそれらの情報を提供する。具体的に,これらの情報をとりまとめた ガイドブックやウェブページ,CD,DVDを作成することが考えられる。なお,これに ついては,①のフィルム・コミッション情報と合わせたツールとすることが望ましい。 ③ ロケ支援にかかる連携 中国地域内の複数の地域でロケが行われる場合,必要に応じて,該当するフィルム・コ ミッション等が連絡をとりあい,ロケハン同行や撮影許可申請の手続き,宿泊施設等の紹 介等のロケ支援サービスを共同で提供する。 ④ 共同研修 ロケを通じた「映像のまちづくり」のあり方や推進手法について,各フィルム・コミッ ション等の事例紹介やゲストを招いた共同研修を通じて,ノウハウの共有化を図り,各フ ィルム・コミッション等の今後の取組みの参考となるようにする。 98 資 料 編 1 調査委員会の議事要旨 1.1 第1回委員会 (1) 開催概要 日 時:平成 19 年8月8日(水)13:30∼15:40 場 所:広島ガーデンパレス(広島市東区) 出席者:委員 10 名,事務局5名 (2) 主な意見 ・ FCの取組みとして,映画やTVドラマ等のロケ誘致はもとより,ロケ後の活用が重要 であり,それが知恵の絞りどころだと考えている。 ・ 海外ロケ誘致については,米国やヨーロッパ,アジアなどからロケ受入実績が比較的多 数あるが,予算の制約等もあり,十分な活動ができていない。これを解決するために,海 外ロケ誘致に関するネットワークづくりは有効だと考えるが,その運用については構成団 体とくに事務局の負担を考慮しつつ,効果的な運用体制を検討する必要がある。 ・ 映画製作で苦労したのはエキストラの確保と各種許可申請であり,それらの対応がしっ かりしているFCがあればロケもスムーズにできる。 ・ 映画制作(ロケ)はロケ地に無理難題を依頼するケースが多く,受入側では各種規制等 に縛られていては何もできない。役所的な対応の対極にあるのがロケ支援活動であり,映 画制作に対する愛情がなければロケ支援も簡単にはできない。 ・ ロケ地の選定条件として,受入側のホスピタリティがあげられる。それらが製作者間の 口コミを通じて広まり,継続的なロケに繋がっているケースもみられる。 ・ ハリウッドの映画関係者は広島や中国地域のことをほとんど知らない。そうした事前情 報(イメージ)がないと映画関係者が中国地域を舞台とした映画(シナリオ)を企画する こともできない。 ・ 海外のロケ地では税金減免などのインセンティブがあるのに対し,日本でも例えば VJC 等を通じたロケ支援制度があればよい。 ・ “記憶に残る風景”が観光商品になることが多い。しかし,“記憶に残る風景”はお金 になりにくいので,それを活用してビジネスにつなげる仕組みを考えていく必要がある。 ・ ロケをきっかけとした集客交流につなげるためには,地域内あるいは地域間のネットワ ークづくり,仕掛けづくりが重要。 ・ 海外では観光地としての中国地域の知名度は低い。DVD制作を通じて映画関係者等に 中国地域に対するイメージを持ってもらうことは大切であり,有効な手段であると思う。 ・ 委員会等を通じて委員同士の情報交換やネットワークを強化し,海外ロケの誘致に向け, 何らかの具体的なアクションにつながればよいと思う。 99 1.2 第2回委員会 (1) 開催概要 日 時:平成19年12月5日(水)15:05∼17:00 場 所:中国経済産業局 第3会議室(広島市中区) 出席者:ゲスト3名,委員 10 名,事務局4名,オブザーバー4名 (2) 主な意見 ・ 小冊子が中国地域のFCや自治体等のネットワーク化に役立つようにしたい。 ・ 今年度の調査事業だけで終わらず,その成果を次年度以降に繋げていくことが必要だ。 ・ 海外ロケを誘致するだけでなく,中国地域でロケされた邦画を海外に紹介していくこと も大切だ。岡山県内でロケされた「釣りバカ日誌」は国際線の機内で上映されている。 ・ 下関市は釜山との交流実績やノウハウを提供するので,中国地域各地のFCが情報を共 有しながら,韓国に乗り込んでいきたい。 ・ 広島や中国地域にどういうコンテンツやストーリーがあって,韓国の制作会社がそれを 必要とするか,という点について明確にする必要がある。「原爆=広島」という図式は結 びつきやすいが,それ以外の図式や理由も必要ではないか。 ・ 韓国TVドラマの制作に当たって,ロケ地は作品の企画やストーリーに関わらずどこで もよく,むしろ制作者との対人関係,信頼関係がロケ地決定に重要であるようだ。 ・ 広島は市内電車が売り物の一つになるのではないか。広島を舞台にしたストーリーを創 作し,それを日韓合作で制作していく方法もあるだろう。 ・ 財政的インセンティブはすぐには実現が難しいにしても,規制緩和や迅速な許認可など, 行政側の対応が重要になってくるのではないか。 ・ インターネットを活用することが重要。特に SEO 対策が重要であり,検索されやすいキ ーワードを上手に使っていくことを工夫すべきである。また,制作者だけでなく一般の方々 にも中国地域のFCを知ってもらうためにも,中国地域のFCに関するポータルサイトが あってもよいと思う。 ・ 携帯コンテンツとしてFC情報等を提供していくことも考えられる。 ・ 映画やTVドラマに関して何か取り組みたいと考える人がいると思うので,そうした 人々の意欲や行動を引き出し,さらに地域全体として映画等への関心を高めていくような 取組みが必要だ。 ・ 地域の映画等に対する熱意が重要だ。それが地域外に伝わっていくのが理想的だ。地域 の主体的な取組みをベースとして,日韓交流の組織やキーパーソンを巻き込みながら,何 らかのムーブメントを起こしていくことが大切だ。 ・ 中国地域のポジショニングや売り(強み)を明確にする必要がある。その上で誘致を図 るべき。また,受入地である中国地域の状況だけでなく,制作サイドの状況をより詳細に 把握して,相互関係を踏まえた上での検討を行ってほしい。 100 1.3 第3回委員会 (1) 開催概要 日 時:平成20年3月4日(火)14:00∼16:00 場 所:中国経済産業局 第1会議室B(広島市中区) 出席者:ゲスト1名,委員9名,事務局3名,オブザーバー1名 (2) 主な意見 ・ 国内映画等のロケだとFC間の誘致合戦になるので,中国地域全体で連携して海外ロケ 誘致活動を展開するのがよいのではないか。 ・ 制作者にとって中国地域のFCがネットワークすることの意味,メリットが何かを明確 にする必要がある。 ・ 韓国の映像制作者の場合,地域性や作品テーマよりも制作者との緊密な対人関係づくり が誘致の鍵になる。その意味では中国地域が連携して韓国の映像制作者等と緊密な対人関 係を構築していくことが考えられる。 ・ 数年前に警察庁から道路使用に関する通達が出され,地域が多面的な道路使用を希望す れば,警察は必ずしもそれを却下することはなくなったはずだ。その時に大切なのは住民 合意とそれによる公益性の担保であろう。そのとりまとめの中核となるのが各地域のFC であり,その背後にある自治体なのだと思う。そうした地域ぐるみの動きがあれば警察も 動いてくれるだろう。 ・ 中国地域を大砲とするような広域でのロケ候補地のデータベースが構築されれば,制作 者にとってもメリットがあると思う。 ・ 全国FC協議会のデータベースを利用すれば,コストもかからないし,PR効果もある し,効果的だと思う。ただし,全国FC協議会の会員でなければ利用できない。 ・ 中国地域全域のロケ候補地情報(写真等)を自治体や住民に呼び掛けて投稿してもらう ような仕組みができないか。 ・ 旅行代理店としてFCの活動をPRできるような仕組みづくり,商品造成ができないか と考えている。中国地域のFCの方々と連携して取組みを進めていきたいと思う。 ・ 映画を見せることは文化活動に位置づけられるものだと思うが,そうした文化活動を経 済活動や産業創出に活かすような仕掛け,取組みに結びつくとよい。 ・ 韓国の個人旅行者はインターネットを通じて情報収集や旅行予約などを行っているので, それへの対応を各FCと協力して展開していきたい。 ・ 中国地域のFCが連携して,映画やTVドラマのロケを核とした文化と経済の相互作用 による創造都市づくりのモデル事業が企画できればいいと思う。 ・ 広島では今年夏に韓国の人気俳優を呼ぶイベントも企画されているようなので,そうし た機会を捉えてロケ誘致にも繋げていくような取組みができればよい。 ・ 各地域あるいは中国地域としての地域プロデューサーの確保が重要であると思う。各地 でそうした人材を確保する取組みを進めていければいいと思う。 101 2 中国地域のロケ受入事例 2.1 映画 表 23 は映画の歴史(概略)を示す。 図 16 は中国地域における映画ロケ件数の推移を示している(各種資料調査により中国経済産 業局が把握した数値であり,これ以外にも中国地域でロケが行われた映画はあると思われる)。 これをみると,1956 年∼1965 年の件数が突出しており,その後,一旦は件数が減少するものの, 近年は漸増傾向にあることがみてとれる。 表 23 映画 100 年小史 主な出来事 リュミネール兄弟がシネマトグラフを発明 大阪で日本初のシネマトグラフによる興業 日本初の劇映画「稲妻強盗」完成 日本初の映画常設館「電気館」が東京・浅草にオープン ニューヨークで初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」公開 アメリカで第1回アカデミー賞。作品賞は「つばさ」 日本発の本格トーキー「マダムと女房」公開 アメリカでカラー大作「風と共に去りぬ」公開 アメリカ映画界でレッドパージ始まる/映倫発足 日本初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」公開 ベネチア国際映画祭で,黒澤明監督「羅生門」が邦画初のグランプリ 日本の映画館入場者数 11 億 2,750 万人でピーク。 日本の映画館数 7,457 館でピーク(中国地域は 625 館)/カラーテレビ本放送始まる 映画公開本数 764 本で第1次ピーク(邦画 535 本,洋画 229 本) 外国映画の輸入自由化 日活,ロマンポルノ路線に転向/大映倒産 にっかつ倒産 日本の映画館数 3,062 館。中国地域は 164 館。 映画公開本数 821 本で第2次ピーク(邦画 417 本,洋画 404 本) 年 1895 年 1987 年 1899 年 1903 年 1927 年 1928 年 1931 年 1939 年 1949 年 1951 年 1958 年 1960 年 1961 年 1964 年 1971 年 1993 年 2006 年 資料:中国新聞(1995 年1月1日版),日本映画製作者連盟資料(http://www.eiren.org/toukei/data.html) 80 72 70 60 46 (件数) 50 40 17 16 20 34 33 29 30 7 10 年 ∼ 20 05 年 96 19 ∼ 19 95 年 86 19 ∼ 19 85 年 76 19 ∼ 19 75 年 66 19 56 ∼ 19 65 年 55 19 ∼ 19 46 19 36 19 ∼ 19 ∼ 19 35 45 年 年 0 図 16 中国地域における映画ロケ件数の推移(1925-2005 年) 資料:中国新聞(1995 年1月1日版),全国ロケ地ガイド,各フィルムコミッション資料 102 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(1) 県名 ロケ地 鳥取 鳥取 市( 鳥取 砂 荒木又右衛門 丘,浦富海岸他) 東海道膝栗毛 作品名 製作年 監督名 1925 年 池田富保 1926 年 粂穣・森肇 人の一生 1927 年 溝口健二 東洋武侠団 1927 年 内田吐夢 血染の十字架 1927 年 安田憲邦 熱血児 1927 年 三枝源次郎 るろう組 1927 年 中山呑海 鉄路の狼 1927 年 東坊城恭長 新日本の健児 1928 年 三枝源次郎 新・水戸黄門 1928 年 池田富保 エノケンの孫悟空 1940 年 山本嘉次郎 ジルバの鉄 1950 年 小杉 勇 ごろつき船 1950 年 森 一生 美男天狗党 1954 年 内出好吉 孫悟空 1956 年 佐伯 清 七番目の密使 1958 年 森 一生 日蓮と蒙古大襲来 1958 年 渡辺邦男 山田長政・王者の剣 1959 年 加戸 敏 安珍と清姫 1960 年 島 耕一 源太郎船 1960 年 渡辺邦男 流し雛 1961 年 大槻義一 眠り狂四郎殺法帖 1963 年 田中徳三 血と砂の決斗 1963 年 松田定次 絶唱 1966 年 西河克己 夕日に向かう 1969 年 田中康義 砂の器 1974 年 野村芳太郎 絶唱 1975 年 西河克己 冬の華 1978 年 降旗康男 夢千代日記 1985 年 浦山桐郎 火宅の人 1985 年 深作欣二 帰郷物語 1987 年 若杉光夫 舞姫 1988 年 篠田正浩 男はつらいよ 寅次郎の告白 1991 年 山田洋次 風と大地と梨と木と 第一章,第二章 1997 年 丘乃れい 第七官界彷徨−尾崎翠を探して 1998 年 浜野佐知 風と大地と梨と木と 第三章 1999 年 丘乃れい 風と大地と梨と木と 第四章 2002 年 丘乃れい こほろぎ穣 2006 年 浜野佐知 M.O.-105 2006 年 Secky Chang 103 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(2) 県名 ロケ地 鳥取 米子市 作品名 製作年 監督名 闇の弥太っぺ 1959 年 加戸 敏 八岐之大蛇の逆襲 1985 年 赤井孝美 道 1986 年 蔵原惟繕 倉吉市 男はつらいよ 寅次郎の告白 1991 年 山田洋次 リアリズムの宿 2002 年 山下敦弘 浮船−FU-SEN 2004 年 高松宏行 道 1986 年 蔵原惟繕 未来日記 2000 年 杉本 達 妖怪大戦争 2004 年 三池崇行 ハンセン病・今を生きる 2005 年 原田隆司 第七官界彷徨−尾崎翠を探して 1998 年 浜野佐知 リアリズムの宿 2002 年 山下敦弘 1935 年 内田吐夢 1966 年 西河克己 リアリズムの宿 2002 年 山下敦弘 三朝小唄 1929 年 人見吉之助 花いちもんめ 1985 年 伊藤俊也 リアリズムの宿 2002 年 山下敦弘 大帝の剣 2007 年 堤 幸彦 暗夜行路 1959 年 豊田四郎 危うし!怪傑黒頭巾 1960 年 松村昌治 犬笛 1978 年 中島貞夫 ハンセン病・今を生きる 2005 年 原田隆司 日南町 「通夜の客」よりわが愛 1959 年 五所平之助 日野町 八つ墓村 1976 年 野村芳太郎 かくて夢あり 1954 年 千葉泰樹 集金旅行 1957 年 中村 登 新日本珍道中 西日本の巻 1958 年 近江俊郎 欲 1958 年 五所平之助 日本よいとこ無鉄砲旅行 1960 年 生駒千里 安来ぶし道中 1963 年 瀬川昌治 悪の紋章 1964 年 堀川弘通 花いちもんめ 1985 年 伊藤俊也 白い船 2002 年 錦織良成 アイラブピース 2003 年 大澤 豊 天然コケッコー 2006 年 山下敦弘 境港市 岩美町 若桜町(氷ノ山) 白銀の王座 智頭町 絶唱 三朝町 (三朝温泉他) 大山町 島根 松江市 浜田市 104 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(3) 県名 ロケ地 作品名 島根 出雲市(出雲大社 鑓の権三 他) 釣りバカ日誌スペシャル 製作年 監督名 1986 年 篠田正浩 1994 年 森崎 東 白い船 2002 年 錦織良成 アイラブピース 2003 年 大澤 豊 大田市 アイラブピース 2003 年 大澤 豊 奥出雲町 絶唱 1958 年 滝沢英輔 砂の器 1974 年 野村芳太郎 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ 1974 年 山田洋次 1981 年 篠田正浩 1925 年 三枝源次郎 1925 年 池田富保 足軽出世譚 1934 年 山中貞雄 鳥人 1940 年 丸根賛太郎 生ける椅子 1945 年 野淵 永日 狸小路の花嫁 1956 年 小石栄一 二等兵物語・死んだら神様の巻 1958 年 福田晴一 キングコング対ゴジラ 1962 年 本多猪四郎 拝啓天皇陛下様 1963 年 野村芳太郎 フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン 1965 年 本多猪四郎 わが闘争 1968 年 中村 登 バージンブルース 1974 年 藤田敏八 反逆の旅 1975 年 渡辺祐介 ふたりのイーダ 1976 年 松山善三 オカルト寛平 1982 年 九十九良造 独身アパート・どくだみ荘 1988 年 阿部誠華 千羽づる 1989 年 神山征二郎 八つ墓村 1996 年 市川昆 岡山孤児院−石井十次の生涯 2005 年 山田火砂子 ALWAYS 3丁目の夕日 2005 年 山崎 貴 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 狼火は上海に揚る 春江遺恨 1944 年 稲垣 浩 花の講道館 1953 年 森 一生 麦笛 1955 年 豊田四郎 花は嘆かず 1957 年 田畠恒男 姿三四郎 1965 年 内川清一郎 津和野町 隠岐の島町 悪霊島 岡山 岡山 市( 後楽 園 世界の女王 他) 荒木又右衛門 倉敷市 (美観地区, 児島地区他) 105 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(4) 県名 ロケ地 岡山 倉敷市 (美観地区, 児島地区他) 津山市 玉野市 作品名 高梁市 監督名 讃歌 1972 年 新藤兼人 空,みたか? 1972 年 田辺泰志 バージンブルース 1974 年 藤田敏八 砂の器 1974 年 野村芳太郎 冒険者たち 1975 年 田辺泰志 テキヤの石松 1975 年 小沢茂弘 北斎漫画 1981 年 新藤兼人 鑓の権三 1986 年 篠田正浩 千羽づる 1989 年 神山征二郎 岡山孤児院−石井十次の生涯 2005 年 山田火砂子 ALWAYS 3丁目の夕日 2005 年 山崎 貴 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 男はつらいよ 寅次郎紅の花 1995 年 山田洋次 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 虎彦竜彦 1943 年 佐藤 武 狼火は上海に揚る 春江遺恨 1944 年 稲垣 浩 憎いあンちくしょう 1962 年 蔵原惟繕 カンゾー先生 1998 年 今村昌平 1928 年 ヘンリー小谷 1977 年 市川 昆 悪霊島 1981 年 篠田正浩 海峡 1982 年 森谷司郎 瀬戸内少年野球団 1984 年 篠田正浩 彼のオートバイ彼女の島 1986 年 大林宣彦 おかしな二人 1988 年 大林宣彦 渋滞 1991 年 黒土三男 旅の贈り物 0:00 発 2006 年 原田昌樹 わが闘争 1968 年 中村 登 犬神家の一族 1976 年 市川 昆 武士道残酷物語 1963 年 今井 正 男はつらいよ 寅次郎恋歌 1971 年 山田洋次 八つ墓村 1977 年 野村芳太郎 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 1983 年 山田洋次 東方見聞録 1992 年 井筒和幸 八つ墓村 1996 年 市川 昆 岡山孤児院−石井十次の生涯 2005 年 山田火砂子 県庁の星 2005 年 西谷 弘 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 笠岡市(笠岡諸島 黎けゆく村 他) 獄門島 総社市 製作年 106 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(5) 県名 ロケ地 岡山 新見市 備前市 作品名 1977 年 野村芳太郎 八つ墓村 1996 年 市川昆 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 早春 1956 年 小津安二郎 黒い雨 1989 年 今村昌平 八つ墓村 1996 年 市川 昆 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 1940 年 豊田四郎 1974 年 野村芳太郎 愛しき日々よ 1984 年 保坂延彦 独身アパート・どくだみ荘 1988 年 阿部誠華 カンゾー先生 1998 年 今村昌平 1955 年 大曽根辰保 1957 年 伊藤大輔 ハンザキ大明神ゴロスケの歌 1957 年 山田典吾 八つ墓村 1977 年 野村芳太郎 男はつらいよ 寅次郎紅の花 1995 年 山田洋次 ALWAYS 3丁目の夕日 2005 年 山崎 貴 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 ALWAYS 続・3丁目の夕日 2007 年 山崎 貴 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 海より上,屋上より下 2007 年 安井祥二 カンゾー先生 1998 年 今村昌平 真庭市(神庭の滝 吉野の盗賊 他) 地獄花 建部町 監督名 八つ墓村 瀬戸 内市 (牛 窓 小島の春 他) 砂の器 美作市 製作年 あかね色の空を見たよ 2000 年 中山節夫 鏡野町 秋津温泉 1962 年 吉田喜重 奈義町 バッテリー 2006 年 滝田洋二郎 1952 年 新藤兼人 1953 年 関川秀雄 1958 年 木村荘十二 新日本珍道中 西日本の巻 1958 年 近江俊郎 24 時間の情事 1959 年 アラン・レネ 憎いあンちくしょう 1962 年 蔵原惟繕 その夜は忘れない 1962 年 吉村公三郎 安来ぶし道中 1963 年 瀬川昌治 母 1963 年 新藤兼人 とべない沈黙 1966 年 黒木和雄 ヒロシマ一九六六 1966 年 白井更正 愛と死の記録 1966 年 藤原惟繕 広島 広島市(平和記念 原爆の子 公園,原爆ドーム ひろしま 他) 千羽鶴 107 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(6) 県名 ロケ地 作品名 広島 広島市(平和記念 記録なき青春 公園,原爆ドーム 原爆裁判・人間であるために 他) モスクワわが愛 呉 市 竹原市 製作年 監督名 1966 年 阿部野人 1970 年 高木一臣 1974 年 吉田憲二他 廣島廿八 1974 年 ルン・コン はだしのゲン 1976 年 山田典吾 灯は生きていた 1976 年 阿部野人 すかんぴんウォ−ク 1984 年 大森一樹 夏少女 1995 年 森川時久 お好み八ちゃん 1999 年 中沢啓治 鏡の女たち 2003 年 吉田喜重 H Story 2003 年 諏訪敦彦 父と暮せば 2004 年 黒木和雄 カスタムメイド 10.30 2005 年 ANIKI ヒナゴン 2005 年 渡邊孝好 横川サスペンス 2005 年 神酒大亮 ちゃんこ 2005 年 サトウトシキ 夕凪の街桜の国 2006 年 佐々部清 恋する彼女,西へ。 2006 年 酒井信行 天然コケッコー 2006 年 山下敦弘 太陽,海を染めるとき 1961 年 舛田利雄 嵐を呼ぶ 18 人 1963 年 吉田喜重 故郷 1972 年 山田洋次 「仁義なき戦い」シリーズ 1973 年 深作欣二 大地の子守歌 1976 年 増村保造 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 1981 年 山田洋次 悪霊島 1981 年 篠田正浩 瀬戸内少年野球団 1984 年 篠田正浩 最後の博徒 1985 年 山下耕作 新・喜びも悲しみも幾年月 1986 年 木下恵介 夏少女 1986 年 森川時久 花のズッコケ児童会長 1991 年 中島俊彦 海猿 ウミザル 2004 年 羽住英一郎 陸に上がった軍艦 2005 年 山本保博 旅の贈り物 0:00 発 2005 年 原田昌樹 MAKOTO 2005 年 君塚良一 男たちの大和/YAMATO 2005 年 佐藤純弥 エデンの海 1950 年 中村 登 悪霊島 1981 年 篠田正浩 力道山 RIKIDOZAN(韓国映画) 2004 年 ソン・へソン 108 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(7) 県名 ロケ地 広島 三原市 作品名 製作年 監督名 鬼の居ぬ間 1956 年 瑞穂春海 裸の島 1960 年 新藤兼人 あの夏の日−とんでろじいちゃんー 1999 年 大林宣彦 1929 年 木藤 茂 1939 年 阿部 豊 恋三味線 1946 年 野淵 永日 薔薇はなぜ紅い 1949 年 大曽根辰夫 東京物語 1953 年 小津安二郎 放浪記 1954 年 久松静児 女の暦 1954 年 久松静児 由紀子 1955 年 今井 正 この女に手を出すな 1956 年 酒井辰雄 素足の娘 1957 年 阿部 豊 集金旅行 1957 年 中村 登 悲しみは女だけに 1958 年 新藤兼人 暗夜行路 1959 年 豊田四郎 裸の島 1960 年 新藤兼人 左ききの狙撃者 東京湾 1962 年 野村芳太郎 憎いあンちくしょう 1962 年 蔵原惟繕 ぶらりぶらぶら物語 1962 年 松山善三 はだしの花嫁 1962 年 番匠義彰 波浮の港 1963 年 斎藤武市 うず潮 1964 年 斎藤武市 馬鹿っちょ出船 1965 年 桜井秀雄 かげろう 1969 年 新藤兼人 故郷 1972 年 山田洋次 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ 1974 年 山田洋次 お嫁に行きます 1978 年 西河克己 神様のくれた赤ん坊 1979 年 前田陽一 転校生 1982 年 大林宣彦 時をかける少女 1983 年 大林宣彦 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 1983 年 山田洋次 さびしんぼう 1985 年 大林宣彦 幕末青春グラフィティ RPNIN 坂本龍馬 1986 年 河合義隆 落葉樹 1986 年 新藤兼人 野ゆき山ゆき海べゆき 1986 年 大林宣彦 彼のオートバイ・彼女の島 1986 年 大林宣彦 おかしなふたり 1986 年 大林宣彦 ドンマイ 1990 年 神山征二郎 尾道市(旧市街, 波浮の港 因島,瀬戸田) 女の教室 学校の巻 七つの仏 109 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(8) 県名 ロケ地 広島 尾道市(旧市街, ふたり 因島,瀬戸田) 墨東綺譚 作品名 製作年 監督名 1991 年 大林宣彦 1992 年 新藤兼人 あした 1995 年 大林宣彦 瀬戸内ムーンライト・セレナーデ 1997 年 篠田正浩 あの夏の日−とんでろじいちゃんー 1999 年 大林宣彦 マヌケ先生 2000 年 大林宣彦 八月の幻 2002 年 鈴木浩介 ちゃんこ 2005 年 サトウトシキ 男たちの大和/YAMATO 福山市(旧市街, 花頭巾 鞆の浦,みろくの 二人の武蔵 里他) 助っ人稼業 2005 年 佐藤純弥 1956 年 田坂勝彦 1960 年 渡辺邦男 1961 年 斎藤武市 剣 1964 年 三隅研次 家族 1970 年 山田洋次 泣きながら笑う日 1971 年 松山善三 ブルージーンズメモリー 1981 年 河崎義祐 幕末青春グラフィティ RPNIN 坂本龍馬 1986 年 河合義隆 犬死せしもの 1986 年 井筒和幸 座頭市 1989 年 勝新太郎 幕末純情伝 1991 年 薬師寺光幸 写楽 1995 年 篠田正浩 男たちの大和/YAMATO 2005 年 佐藤純弥 大帝の剣 2007 年 堤 幸彦 1953 年 衣笠貞之助 忘れえぬ友情 1956 年 イブ・シャンピ 連合艦隊 1981 年 松林宗恵 東広島市 青葉学園物語 1981 年 大沢 豊 三次市 荷車の歌 1959 年 山本薩夫 落葉樹 1986 年 新藤兼人 庄原市(帝釈峡) 地獄花 坂町 海猿 ウミザル 1957 年 伊藤大輔 2004 年 羽住英一郎 安芸太田町 1964 年 河野寿一 廿日市市(宮島) 地獄門 第三の忍者 110 表 24 中国地域がロケ地となった映画の例(9) 県名 ロケ地 山口 下関市 製作年 監督名 宮本武蔵 決闘巌流島 1956 年 稲垣 浩 紅の海 1961 年 谷口千吉 男はつらいよ 幸福の青い鳥 1986 年 山田洋次 みすず 2001 年 五十嵐匠 チルソクの夏 2002 年 佐々部清 偶然にも最悪な少年 2003 年 グ・スーヨン カーテンコール 2004 年 佐々部清 四日間の奇蹟 2005 年 佐々部清 この胸いっぱいの愛を 2005 年 塩田明彦 長州ファイブ―CHOSHU FIVE― 2006 年 五十嵐匠 出口のない海 2005 年 佐々部清 ヘレンケラーを知っていますか 2005 年 中山節夫 The EARS(ジーアーズ) 2006 年 中村 拓 風の外側 2006 年 奥田瑛二 流雛の岸 1956 年 新藤兼人 追跡 1961 年 西河克己 配達されない3通の手紙 1979 年 野村芳太郎 ユキエ(ソリチュードポイント) 1995 年 松井久子 釣りバカ日誌 12 2001 年 栗山富夫 ほたるの星 2003 年 菅原浩志 嗤う伊右衛門 2003 年 蜷川幸雄 海猿 ウミザル 2003 年 羽住英一郎 長州ファイブ―CHOSHU FIVE― 2005 年 五十嵐匠 集金旅行 1957 年 中村 登 心中天網島 1969 年 篠田正浩 北斎漫画 1981 年 新藤兼人 鑓の権三 1986 年 篠田正浩 夏草の女たち 1987 年 高橋 勝 東京デラックス 1998 年 催 洋一 美祢市 喜劇 ふしぎな国・日本 1983 年 松林宗恵 周南市 大いなる驀進 1960 年 関川秀雄 山口市 萩 市 岩国市 (錦帯橋他) 資料: 作品名 愛と炎と 1961 年 須川栄三 上関町 愛の讃歌 1967 年 山田洋次 田布施町 真昼の暗黒 1956 年 今井 正 中国新聞 1995 年1月1日朝刊. 全国ロケ地ガイド. 各フィルムコミッション資料. 111 2.2 TVドラマ シリーズ番組(水戸黄門など)や推理ドラマ,大河ドラマなどのロケ件数が多い。海外作品は 広島市でロケが行われた「ファーとタワン」(タイ番組)が唯一である。 表 25 中国地域がロケ地となったTVドラマの例(1) 県名 ロケ地 鳥取 鳥取市 島根 岡山 番組名 製作年 製作局 土曜ワイド劇場「温泉おかみの殺人推理」 2005 年 テレビ朝日 新・人間交差点 2006 年 NHK 砂の器 2006 年 TBS 遙かなる約束(アベシャーニェ) 2006 年 フジテレビ 湯梨浜町 西遊記 2005 年 フジテレビ 松江市 松江・出雲・隠岐グルメ殺人事件 2002 年 BSジャパン 寝台特急八分間停車 2004 年 テレビ東京 土曜ワイド劇場「温泉若おかみの殺人推理 18」 2005 年 テレビ朝日 名探偵コナン 2005 年 讀賣テレビ 砂時計 2006 年 TBS 砂の器 2006 年 TBS 島根の弁護士 2007 年 フジテレビ 浜田市 砂時計 2006 年 TBS 出雲市 砂時計 2006 年 TBS 島根の弁護士 2007 年 フジテレビ 大田市 砂時計 2006 年 TBS 斐川町 砂時計 2006 年 TBS 奥出雲町 砂の器 2006 年 TBS 岡山市 西部警察スペシャル「大門死す!男たちよ永遠に」 1984 年 テレビ朝日 NHK テレビ小説「あぐり」 1997 年 NHK 月曜ミステリー劇場「金田一耕助シリーズ・人面瘡」 2003 年 TBS NHK 大河ドラマ 「武蔵 MUSASHI」 2003 年 NHK 金曜エンタテイメント「雨月物語殺人事件」 2004 年 フジテレビ 僕と彼女と彼女の生きる道 2004 年 フジテレビ 花より男子 2005 年 TBS CA とお呼びっ! 2006 年 日本テレビ 水戸黄門 2002 年 TBS 月曜ミステリー劇場「金田一耕助シリーズ・人面瘡」 2003 年 TBS 「われ晩節を汚さず∼新夫婦善哉∼」 2003 年 NHK 金曜エンタテイメント「雨月物語殺人事件」 2004 年 フジテレビ 犬神家の一族∼誰も知らない金田一耕助∼ 2004 年 フジテレビ 終戦 60 年スペシャルドラマ「火垂るの墓」 2005 年 日本テレビ 土曜ワイド劇場「破婚の条件」 2005 年 テレビ朝日 金曜エンタテインメント「ずっと逢いたかった。」 2005 年 フジテレビ 鉄道捜査官Ⅵ 2005 年 テレビ朝日 倉敷市 112 表 25 中国地域がロケ地となったTVドラマの例(2) 県名 ロケ地 岡山 倉敷市 製作年 製作局 内田康夫旅情サスペンス「倉敷殺人事件」 2006 年 フジテレビ 鉄道捜査官・清村公三郎2−瀬戸内を渡る殺意− 2006 年 テレビ朝日 松本清張スペシャル「共犯者」 2006 年 日本テレビ NHK テレビ小説「あぐり」 1997 年 NHK はだしのゲン 2007 年 フジテレビ 玉野市 裸の大将 老人と海 1990 年 関西テレビ 井原市 NHK 大河ドラマ 「武蔵 MUSASHI」 2003 年 NHK 総社市 月曜ミステリー劇場「金田一耕助シリーズ・人面瘡」 2003 年 TBS 高梁市 金曜エンタテイメント 10 周年記念「八つ墓村」 2004 年 フジテレビ 犬神家の一族∼誰も知らない金田一耕助∼ 2004 年 フジテレビ 終戦 60 年スペシャルドラマ「火垂るの墓」 2005 年 日本テレビ 金曜エンタテインメント「倉敷殺人事件」 2006 年 フジテレビ NHK 大河ドラマ 「武蔵 MUSASHI」 2003 年 NHK 金曜エンタテイメント 10 周年記念「八つ墓村」 2004 年 フジテレビ 金曜エンタテイメント 10 周年記念「八つ墓村」 2004 年 フジテレビ 津山市 新見市 備前市 終戦 60 年スペシャルドラマ「火垂るの墓」 2005 年 日本テレビ 瀬戸内市 母とママと,私。- 2006 年 テレビ朝日 真庭市 NHK 大河ドラマ 「武蔵 MUSASHI」 2003 年 NHK 金曜エンタテイメント「雨月物語殺人事件」 2004 年 フジテレビ 犬神家の一族∼誰も知らない金田一耕助∼ 2004 年 フジテレビ 終戦 60 年スペシャルドラマ「火垂るの墓」 2005 年 日本テレビ 世界の戦士シリーズ:将軍 2006 年 テレビ朝日 NHK 大型時代劇 宮本武蔵 1988 年 NHK NHK 大河ドラマ 「武蔵 MUSASHI」 2003 年 NHK 美作市 広島 番組名 金曜エンタテイメント 10 周年記念「八つ墓村」 2004 年 フジテレビ 鏡野町 犬神家の一族∼誰も知らない金田一耕助∼ 2004 年 フジテレビ 美咲町 キーハンター 1968 年 TBS 金曜エンタテイメント 10 周年記念「八つ墓村」 2004 年 フジテレビ 教育こそわが人生 2004 年 アートテレビ 熱き夢の日 2004 年 フジテレビ 火曜サスペンス劇場 2004 年 日本テレビ 鉄道捜査官Ⅵ 2005 年 テレビ朝日 広島・昭和 20 年8月6日 2005 年 TBS ファーとタワン(空と太陽) 2007 年 タイ はだしのゲン 2007 年 フジテレビ 広島市 113 表 25 中国地域がロケ地となったTVドラマの例(3) 県名 ロケ地 広島 呉 市 製作年 製作局 島にきんさい∼広島・蒲刈∼ NHK 人間の条件 1962 年 TBS 並木家の人々 1993 年 フジテレビ 19(ナインティーン) 1999 年 中国放送 犬神家の一族∼誰も知らない金田一耕助∼ 2004 年 フジテレビ 金曜エンタテインメント「ずっと逢いたかった。」 2005 年 フジテレビ 海猿 2005 年 フジテレビ 竹原市 終戦 60 年スペシャルドラマ「火垂るの墓」 2005 年 日本テレビ 三原市 CA とお呼びっ! 2006 年 日本テレビ 尾道市 水曜ミステリー9「鉄道警察官・清村公三郎」 2005 年 テレビ東京 福山市 終戦 60 年スペシャルドラマ「火垂るの墓」 2005 年 日本テレビ 悪魔が来たりて笛を吹く 2007 年 フジテレビ 東広島市 水戸黄門 2006 年 TBS 廿日市市 NHK 大河ドラマ「毛利元就」 1997 年 NHK NHK 大河ドラマ「義経」 2005 年 NHK 水戸黄門 2006 年 TBS 海猿 タクシードライバーの推理日誌 東京∼関門海峡 1,100km 殺人 新幹線をつくった男たち 2005 年 フジテレビ 2003 年 テレビ朝日 2004 年 テレビ東京 浅見光彦シリーズ 化生の海∼北前船殺人事件∼ 2004 年 フジテレビ 十津川警部シリーズ 寝台特急あさかぜ殺人事件 2005 年 TBS 少女には向かない職業 2006 年 Gyao HERO 2006 年 フジテレビ 土曜ワイド劇場「京都殺人案内 30」 2006 年 テレビ朝日 NHK 大河ドラマ「毛利元就」 1997 年 NHK 月曜ドラマ「萩・津和野湯けむり殺人」 1997 年 TBS 月曜ドラマ「萩・津和野殺人ライン」 1998 年 TBS 創立 50 周年記念ドラマ「金子みすず」 2001 年 TBS 天竜・伊那殺人渓谷 2002 年 テレビ東京 るり色の砂時計 奥様は魔法少女(アニメ) 2005 年 2005 年 九州朝日放送 岩国市 ホーム&アウェイ 2002 年 フジテレビ 柳井市 ホーム&アウェイ 2002 年 フジテレビ 阿東町 砂の器 2006 年 TBS 坂町 山口 番組名 下関市 萩 市 資料: 全国ロケ地ガイド. 各フィルムコミッション資料. 114 3 中国地域のロケ実績を紹介する小冊子の作成 2.1 体 裁 名 称:ロケーション回廊 中国路 仕 様:カラーA4版4頁 部 数:1,000 部作成 2.2 活用方針 ・ 中国地域のフィルム・コミッションや自治体等が相互の活動状況を知るきっかけとする。 ・ 映画愛好者や旅行愛好者,旅行代理店等の映画等ロケ地への関心を高め,中国地域の映画 等ロケ地への集客交流につなげるきっかけとする。 ・ 国内の映画監督や脚本家,TV局,制作会社,配給会社などに中国地域のロケ実績や地域 イメージを伝えることにより,中国地域への映画等ロケーション誘致を図る。 2.3 編集方針 ・ アイキャッチしやすいタイトルをつける。 ・ 「昭和」をテーマとしたノスタルジックなイメージを強調する。 ・ 多様なロケーション・シーンがあることを強調する。 ・ 地域ぐるみでロケ支援やその後の活用(地域振興)を図る動きがあることを紹介する。 ・ 撮影風景や作品の一部(画像)を積極的に使用する。 2.4 構 成 頁 構成 1 中国地域ロケ作品名場面の紹介 内容 ○ 「絶唱」(山口百恵/鳥取砂丘) ○ 「アイラブピース」(忍足亜希子/大田) ○ 「県庁の星」(織田裕二・柴崎コウ/高梁) ○ 「座頭市」(北野武/みろくの里) ○ 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(堀北真希/宇部) 2 中国地域の主なロケ地の紹介 東京などでは撮影できない「昭和」を象徴する風景や特 徴的な景観を紹介。 3 ロケ活用事例の紹介 ○ 西河克己映画記念館(鳥取県智頭町) ○ 雲南映像プロジェクト実行委員会(島根県雲南市) ○ バッテリー記念館 in 美作他(岡山県美作市) ○ 大和ロケセット公開推進委員会(広島県尾道市) ○ 「夕凪の街桜の国」先行上映会(広島県広島市) ○ 1000 人の上映会(山口県下関市) ○ 「長州ファイブ」観光振興(山口県萩市) 4 中国地域のFC紹介 各FCの概要及びURLを記載。 115 4 広島地域の魅力を紹介する DVD の作成 ① 目 的 海外(特に米国ハリウッド及び韓国)の映画及びTVドラマの制作者(監督,脚本家,ロケ ーションマネージャー,配給会社等)に対して,広島地域でのロケ受入に向けて広島地域の魅 力を売り込むためDVDを作成する。 ② 仕 様 製 製 作 経済産業省中国経済産業局 作 協 制 タ 力 広島フィルム・コミッション 作 株式会社TSSプロダクション イ ト ル Sea, hills, and urban vitality − Shooting in Hiroshima− 時 間 約 14 分 内 容 「日本の縮図」と呼ばれる国際平和都市・広島で実際に撮影された映画・ ドラマ等の映像やバリエーション溢れる広島地域のロケーションを紹介。 併せて,アクセスや受入体制,東京などの大都市圏と比較した物価の安さ など,映画制作者のニーズに即した情報をもりこんだ広島のプロモーショ ンビデオ。 言 語 日本語,英語,韓国語(ハングル) ③ 構 成 映像 映像・具体例 ①オープニング ・ 実 際 の 映 画 ファーとタワン の映像から ちゃんこ ヒナゴン 夕凪の街桜の国 ② ビ ル ・ ボ ウ リ ハリウッド著名 ング氏 ロケーションマネージャー ・ロケ地中国地 方の魅力につ いて タイトル 内容・音声 BGM・映画等の音声∼ (プロモーションビデオのように日本的音楽に合わせて 緩急ある編集で 印象的なシーンをダイジェストで見せていきます) ボウリング氏コメント 「現在は,ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズで国際 ロケーションを担当しています。広島はとても美しく, 大変活力を得る旅となりました。川が美しく,道路は広 く,街はきれいで,優れた建物も多いのが広島の特徴で す。私は,広島のメインストリートを走る路面電車が好 きです。広島は親しみやすい中規模の都市です。東京や 大阪と比べて撮影もやりやすいと思われます。」 『 Sea, Hills, and Urban Vitality ∼ Shooting in Hiroshima ∼』 116 ③広島のロケー ション ・ 広島の街並 みや美しい風 景を紹介 都会・躍動感・ デザイン 河川・公園 豊かな自然 ・ 各FCから の映像 ・ 小さく中国 地方地図 空撮(市街) 原爆ドーム 宮島 NA∼ 広島。 世界遺産を二つも抱える最も知られた日本の都市のひ とつ。単なる国際平和都市というだけでなく,そこには 映画人を魅了するロケーションが整っています。 河川・橋 ポプラの川辺 電車 『水の都』とよばれる美しいまち広島。 市内には6本の川が流れ,水辺の風景は印象的です。 市街・宇品港 吉島ゴミ焼却場 比治山スカイウォーク 中央公園 旧日銀・聖堂 美術館 流川・歓楽街 棚田 瀬戸の島々 滝・雪・日本海 砂丘 座頭市製作風景 写真 (2 枚) 北野監督写真 みろくの里 みろくの里 水軍祭り 神楽 宮島「能」 消えずの火 ビューティーカ ット ④アクセス・宿 泊 ・アクセスCG バリエーション豊かな車体で人々を運ぶ電車。橋を渡 る姿は他の都市では見られない光景のひとつです。 また広島市は中四国地方のビジネスの中心です。整然 とした街並みに躍動感あふれる人々。成熟した都市にふ さわしい緑豊かな公園や文化的・近代的建築物が数多く あります。人が集まる場所にはそれぞれの人生模様が映 し出され,濃密な空気が漂います。 一方,車でわずか 1∼2 時間圏内には温暖な気候に育ま れた瀬戸の島々や田園風景が広がります。冬には中国山 地が雪に彩られます。 3∼4 時間移動をすれば野趣溢れる日本海や砂丘など, 全く趣の違うロケーションに出会うことができます。 NA∼ 日本が誇る北野武監督。ヴェネツィア映画祭でも大絶 賛された,彼の「座頭市」は「みろくの里」で撮影され ました。脚本にあったロケ場所というだけでなく,現場 近くに宿泊施設があり,予算や効率の面でもメリットが あるというのが選定の理由だそうです。 「みろくの里」は二つのオープンセットを備えた本格 的ロケーションポイントで数々の映画・ドラマ・CMが 撮影されています。広島市内から車でおよそ 1 時間半の 距離です。 その他,この地方独特の文化には古代から伝わる神秘 的な物語がいくつもあります。 武士道精神にのっとった日本最大の海賊「村上水軍」。 1300 年以上も昔から神々に捧げられてきた舞「神楽」。 誰もがその美しさに驚嘆をする世界遺産厳島神社。こ こで行われる「能」や「官弦祭」は日本国内でも独特の ものです。 背後の弥山には神が宿ると言われ,800 年ごろより絶え ることのない「消えずの火」があります。この火は平和 記念公園の平和のともし火のもと火にもなっています。 桜 雪 広島 LONG 四季に彩られる日本の美と近代都市が隣接する広島。 『日本の縮図』と呼ばれるこの都市は車での移動,数時 間圏内にロケーションがコンパクトにまとまっており時 間と予算をセーブした効率的な撮影を可能にします。 ボウリング氏 (ボウリング氏コメント) 「広島は,日本の他の都市と同じようにレベルの高い街 で,宿泊施設やインフラが整い,行政の仕事はきちんと 117 していて効率的で,街は安全で清潔です。制作にも適し たホテルでした。」 宿泊施設 日本地図 CG →世界地図 NA∼ 広島は東京・京都の西に位置し,中四国地方の要の都 市です。国内各所への移動はもちろん,広島空港にはソ ウル・北京などアジア主要都市からの国際定期便や,ハ ワイ・ヨーロッパへのチャーター便が就航しています。 観光客 大規模ホテル ビジネスホテル 多くの外国人がおどろくのは宿泊施設の充実とその安 さです。リーズナブルなビジネスホテルから一流ホテル まで海外はもとより東京などの相場に比べコストパフォ ーマンスは抜群です。清潔できめ細やかなサービスに感 動することは間違いありません。 ボウリング氏 (ボウリング氏コメント) 「日本の社会はとてもレベルが高いと感じます。人々は よく教育され,洗練されています。とりわけ日本のフィ ルム・コミッションのスタッフは一生懸命に困難な仕事 も的確にこなしてくれます。」 広島FCこれま での制作風景の 写真等携わった 作品スーパー, NA∼ 円滑な撮影を支えるには FC と地域住民の協力は欠かせ ません。国際クルー受入経験豊富な広島FCを中心に地 域・全国の各コミッションが連携しています。地域間の 情報を共有し,最適なロケーションを紹介するなど安全 できめ細やかなサービスを提供するほか,各種機材・ス タッフの手配なども行います。 ⑤撮影支援体制 ロケー ション サービ ス ・ 広島フィルム コミッション ・ 撮影クルー・ 機材 ・ 通訳サービス 会社 ・西崎さんコメ ント 連携ネットワー ク,撮影機材, 照明機材 1 人しゃべり 西崎さん∼ 「最も魅力的なサービスはエキストラの募集協力です。 フィルムコミッションが募集するエキストラは通常,ボ ランティアで食費・記念品等の提供以外,費用が発生し ません。エキストラにかかるコストの大幅削減が期待で きます。」 「夕凪」予告編 2007 年公開された「夕凪の街 桜の国」。広島を舞台にそ れぞれの時代を生きる二人の女性の物語。命の尊さや生 きる喜びを語りかけます。 この物語に共感をした市民団体は喜んで映画制作にボ ランティアとして参加しました。 ポップラ・ペアレンツ・ク ラブ メンバーインタビュー 「この場所でロケがあるということでみんなで草刈をし ました。大体 30 人近くいたかな。やっぱり僕らは元々こ の場所に愛着を持って活動しているということがあっ て,そこで撮られる映画だということで,協力したいな という気持ちで。色んな人によっても違うと思うんです けど,僕はそういう思いで。」 ・市民の支援 「この場所はとても素晴しい場所なので,映画はもちろ んのこと色んなイベントが今後開催されることがあれば 間違いなく応援いたします。」 118 ⑥エンディング ・印象的な景色 ・広島イメージ カット 桜 雪 広島 LONG NA∼ 水の都 広島。6本の川と橋。豊かな海と瀬戸の島々。 背後には緑豊かな山村と四季折々の自然。少し足を伸ば せば,趣の違う様々なロケーション。「平和」というイメ ージ以上の魅力があります。 四季に彩られる日本の美と近代都市が隣接する『日本 の縮図』広島。快適で効率的な撮影を約束します。 (詳しくは広島フィルムコミッションホームページ) 119 5 釜山国際映画祭見本市 BIFCOM への出展 5.1 出展概要 (1) 出展目的 中国経済産業局が製作したDVD「Sea, hills, and urban vitality − Shooting in Hiroshima−」を活用して,韓国をはじめアジア各国から広島地域への海外ロケーション誘致 を図るためのプロモーション活動を行う。また,来場者等を対象としたアンケート調査等を通 じて,製作したDVDに対する感想・意見を聴取する。 (2) 出展方法 アジア・フィルム・コミッション・ネットワーク会員である広島フィルム・コミッションの 協力を得て,2007 年 10 月8日から 11 日までの4日間,ブース出展を行った。ブース来場者 に対して,2名の説明員がチラシやパンフレット等を配布するとともに,DVD視聴を呼び掛 け,視聴者にはアンケート調査に協力してもらった。 (3) 配布・上映資料 ・ DVD「Sea, hills, and urban vitality − Shooting in Hiroshima−」(英語版+韓国語版) ・ チラシ「Sea, hills, and urban vitality − Shooting in Hiroshima−」(300 枚) ・ 広島FCパンフレット(英文)(300 部) ・ 広島FCグッズ(マウスパット(200 個),ソーイングセット(100 セット)) (4) 出展状況 会場の海雲台グランドホテル 広島FCの出展ブース 隣は姫路FCと下関FC 各地の名産を持ち寄って交流 120 5.2 チラシ「Sea, hills, and urban vitality − Shooting in Hiroshima−」 (1) 目 的 釜山国際映画祭等の見本市において,DVD上映に併せて,その概要や広島フィルム・コミ ッション,さらに中国地域におけるフィルム・コミッションの紹介及び韓国映画やTVドラマ 等のロケ受入実績を紹介するチラシ(英語版)を 500 部作成した。 (2) 内 容 ① 1面「Sea, hills and urban vitality ∼ Shooting in Hiroshima」 広島フィルム・コミッションは,広島を舞台とした映画,ドラマなどのロケーション撮 影を応援します。2つの世界遺産を抱える国際平和都市。市内には6本の川が流れ,水辺 の風景とそれにかかる橋。路面電車。美しい日本の田園風景と近代的景観が隣り合う広島。 『日本の縮図』と呼ばれる広島はロケーションがコンパクトにまとまっており,時間と予 算をセーブした効率的な撮影を可能にします。市民もロケーションに積極的に協力します。 <西崎氏(広島FC)> 最も魅力あるサービスはエキストラの募集協力です。フィルム・コミッションが募集す るエキストラは通常ボランティアで,食費・記念品等の提供以外,費用が発生しません。 <ボウリング氏(ハリウッド・ロケーションマネージャー)> 広島は親しみやすい中規模の都市で,フィルム・コミッションのスタッフは一生懸命に 困難な仕事も的確にこなしてくれます。 ② 2面「The Network between Hiroshima and other cities in the Chugoku district」 中国地域は,韓国・釜山からもっとも近い日本の地方の一つです。中国地域には 19 のフ ィルム・コミッションがあり,相互の協力により,映画やドラマなどの効果的で効率的な ロケーション撮影を応援します。 <とっとりFC> 鳥取砂丘で韓国CMのロケが行われました。 <広島FC> タイのテレビドラマ「ファーとタワン」のロケが行われました。 <萩ロケ支援隊> 韓国の新聞社が観光地・萩を取材・紹介しました。 <下関FC> 映画「チルソクの夏」は下関と釜山でロケが行われました。 121 5.3 視聴者アンケート (1) 調査票 ① 日本語原稿 釜山国際映画祭プロモーションDVD視聴者アンケート 今後の参考とするため,DVDをご覧になられた感想をお聞かせください。 【問1】あなたの国籍を教えてください。 1.韓国 2.中国 3.台湾 4.タイ 5.マレーシア 6.シンガポール 7.ベトナム 8.フィリピン 9.インド 10.その他アジア 11.日本 12.オーストラリア 13.ヨーロッパ 14.米国 15.その他( ) 【問2】あなたの職業を教えてください。 1.映画監督 2.脚本家 3.ロケーションマネージャー 4.TV関係者 5.映像制作会社 6.映像配給会社 7.フィルム・コミッション関係者( ) 8.俳優 9.学生 10.その他( ) 【問3】DVDの全体的な感想は? 1.よい 2.どちらでもない 3.よくない 【問4】DVDを見て広島地域のイメージを持つことができましたか? 1.イメージがわいた 2.イメージがわかなかった 【問5】DVDの中であなたがもっとも関心を持った撮影ポイントは? 1.原爆ドーム 2.厳島神社 3.広島市街(都市景観) 4.文化施設 5.自然景観 6.みろくの里(オープンセット有) 7.伝統芸能 8.その他(具体的に ) 【問6】DVDを見て広島地域をロケ候補地の一つに考えてみてもよいと思いましたか? 1.ぜひ広島でロケを行いたい 2.ロケ候補地の一つとして考えたい 3.わからない 4.関心を持てなかった 【問7】DVDの感想や広島地域へのメッセージなどがあれば,自由にご記入ください。 ご協力ありがとうございました。 122 ② 英語版 Questionnaire to ask your impressions of our DVD We would appreciate your thoughts and impressions of our DVD. Your answers will be used to help us to improve our service. Q1. Nationality. □ South Korean □ Chinese □ Taiwanese □ Thai □ Malaysian □ Singaporean □ Vietnamese □ Filipino □ Indian □ Other Asian country □ Japanese □ European □ American □Australian □ Other ( ) Q2. Profession □ Movie director □ Scenario writer □ Location manager □ TV company □ Image producer □ Distribution system □ Film Commission □ Actor □ Student □ Other( ) Q3. How about our DVD? □ Good □ Average □ Poor Q4. Can you imagine the city of Hiroshima after watching our DVD? □ Yes, I can. □ No, I can’t. Q5. Did anything introduced in the DVD attract your interest? □ Atomic Bomb Dome □ Itsukushima Shrine □ Urban scenery in the city of Hiroshima □ Architecture □ Rural scenery □ Mirokunosato (with two open sets for shooting) □ Traditional performing arts □ Other ( ) Q6. After watching the DVD, do you think that you may use Hiroshima as a location? □ Yes, definitely. □ Considering Hiroshima as a possible location. □ Too soon to decide. □ No. Q7. Please let us know any other opinions you have regarding the DVD. Thank you for your time. 123 ③ 韓国語版 부산 국제영화제 프로모션 DVD 시청자 앙케이트 향후 참고를 위해 DVD 를 보신 소감을 적어주시기 바랍니다. 【문 1】 귀하의 국적을 알려 주십시오. 1. 한국 2. 중국 3. 대만 7. 베트남 8. 필리핀 9. 인도 12. 오스트레일리아 4. 타이 5. 말레이지아 10. 그 외 아시아 13. 유럽 14. 미국 6. 싱가포르 11. 일본 15. 그 외( ) 【문 2】 귀하의 직업을 알려 주십시오. 1. 영화 감독 2. 극작가 5. 영상 제작 회사 8. 배우 3. 로케이션 매니저 6. 영상 배급 회사 9. 학생 4. TV 관계자 7. 필름・커미션 관계자 10. 그 외( ) 【문 3】 DVD 의 전체적인 감상 소감은? 1. 좋다. 2. 어느 쪽도 아니다. 3. 좋지 않다. 【문 4】 DVD 를 본 후 히로시마 지역의 이미지를 상상할 수 있었습니까? 1. 이미지를 상상할 수 있었다. 2.이미지를 상상할 수 없었다. 【문 5】 DVD 중에서 귀하가 가장 관심을 가진 촬영 포인트는? 1. 원폭 돔 2. 이쓰쿠시마 신사 3. 히로시마시 거리(도시 경관) 4. 문화 시설 5. 자연 경관 6. 미로쿠노사토 (오픈 세트 있음) 7. 전통 예능 8. 그 외 (구체적으로 ) 【문 6】 DVD 를 보고 히로시마 지역을 로케 후보지 중 하나로 생각하셨습니까? 1. 꼭 히로시마에서 로케를 실시하고 싶었다. 2.로케 후보지의 하나로 생각하고 싶다. 3. 모르겠다. 4.관심을 가질 수 없었다. 【문 7】 DVD 의 감상 소감이나 히로시마 지역에 대에 쓰실 내용 등이 있으면 자유롭게 기 입해 주십시오. 협조해 주셔서 감사합니다. 124 (2) 回答結果 ① 調査概要 配布数:250 回収数: 20 回収率:8.0% ※ 来場者に調査票を配布し,DVD視聴及び調査協力を呼び掛けるものの,立ち止ま ってDVDを見たり,さらに調査票に回答したりする人がほとんどいなかった。 ② 調査結果 ア)回答者の居住国 ・ 回答者の8割が韓国在住者,2割が日本在住者。 韓国 日本 4(20.0%) 16(80.0% ) 図 17 回答者の居住地(N=20) イ)回答者の職業 ・ 回答者の 45%は「学生」。これに次ぎ,回答者の 30%が「制作会社」。 ・ 「ロケーションマネージャー」の回答はなかった。 学生 制作会社 配給会社 その他 4(20.0%) 1(5.0%) 9(45.0%) 6(30.0%) 図 18 回答者の職業(N=20) 125 ウ)DVDの感想 ・ 回答者の約8割が「良かった」と回答。 ・ 「悪い」という回答はなし。 よい 普通 悪い 0(0.0%) 4(21.1%) 15(78.9% ) 図 19 DVDの感想(N=19) エ)DVD視聴による広島地域の理解状況 ・ 回答者の約9割が「よくわかった」と回答。 ・ このDVDを見た人は広島地域に対する何らかのイメージを持つことができたとみ ることができる。 よくわかった よくわからなかった 2(10.5%) 17(89.5% ) 図 20 DVD視聴による広島地域の理解状況(N=19) 126 オ)DVDを見て興味を持った場所 ・ 最も多くの回答者が興味を持ったのは「農村的景観」(7人,回答者全体の 35.0%)。 これに次いで「原爆ドーム」や「都市的景観」 ,「みろくの里」が多い。このことから, 従来「原爆ドーム」「平和公園」のイメージが強かった広島に対して,DVDを通じて 異なるイメージを与えることができたといえる。 農村的景観 7(35.0%) 原爆ドーム 6(30.0%) 都市的景観 5(25.0%) みろくの里 4(20.0%) 伝統芸能 3(15.0%) 建築物 3(15.0%) 厳島神社 3(15.0%) その他 1(5.0%) 0 2 4 6 8 図 21 DVDを見て興味を持った場所(N=20,複数回答) カ)広島でのロケ可能性 ・ 回答者の約3/4が広島でロケを行うことについて前向きな意識を持つに至った。 (ただし,この数字は学生などの制作者以外の回答を含む。) ・ 6名の「制作会社」関係者に限定してみれば,「ぜひ広島でロケをしたい」 :1名, 「ロ ケ候補地として考えても良い」:4名,「現段階ではわからない」:1名となっている。 ぜひ広島でロケをしたい ロケ候補地として考えてもよい 現段階ではわからない ロケ地として考えられない 0(0.0%) 3(15.8%) 5(26.3%) 11(57.9% ) 図 22 広島地域でのロケ可能性(N=19) 127 5.4 プロモーション効果 (1) DVDに対する評価 BIFCOM に出展した国内の他 FC からDVDについて,次のような感想・意見があった。 ・ DVD に登場するビル・ボウリング氏(ハリウッドのロケーションマネージャー) のインタビュー映像は,映画製作者にとってインパクトがある。 ・ 広島で撮影された映画の映像をつないだ部分は,ロケ地としての魅力を発信する 上でインパクトがある。九州地域でも,九州経済産業局に働きかけて,同様の DVD 制作 を実現したい。 (2) BIFCOM 期間中の交渉等 今回の BIFCOM 会場への来場者の中には,広島 FC として交渉を行うべき映画等の制作担 当者がほとんどいなかった。 また昨年,広島 FC が単独で出展した際には,同時開催されたアジアン・フィルム・マーケ ットの商談会場に,(西崎氏の)名刺と広島 FC のパンフレットを持って出向き,居合わせた 人に各社の制作担当に渡してほしいと依頼したが,居合わせた人は配給担当者ばかりで,ロケ 誘致にかかる具体的な話をする状況でなかった。そこで今回は,今年から新たに開催された国 際共同制作プロジェクトに参加する企業に対して事前に電子メールを送信して,広島 FC を簡 単に紹介した上で,イベント開催期間中に会場にも出向いてパンフレットの配布等を行った。 この他,広島で毎年冬に開催される「広島ドリミネーション」の取材(スタッフの宿泊費は 広島側が負担)を韓国のテレビ局(ソウル本社および釜山支局)に事前に電子メールによって 提案したが,この提案に関心を示して BIFCOM 会場に来る韓国のテレビ局はなかった。 また,BIFCOM 終了後の来場者等から広島FCへの映画等ロケに関する問合せや申込み等は まだないが,広島FCでは東京国際映画祭(2007 年 10 月)などのイベントにおいてDVDを 活用したプロモーション活動を継続的に実施している。 資料:西崎氏(広島フィルム・コミッション)作成資料 128 平 成 1 9 年 度 中 国 地 域 に お け る 海外ロケーション誘致に向けた方策調査 平成20年3月 経済産業省中国経済産業局産業部コンテンツ産業支援室 〒730-8531 広島市中区上八丁堀6番 30 号 TEL 082-224-5638 FAX 082-224-5642 URL http://www.chugoku.meti.go.jp 129
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