TICAD Ⅵ サイドイベント報告書

TICAD Ⅵ サイドイベント報告書
第6回アフリカ開発会議を終えて
一般社団法人アフリカ開発協会
一般社団法人アフリカ開発協会
TICAD Ⅵ サイドイベント報告書
目次
ごあいさつ....................................................................................................P2
在ケニア日本国大使館 特命全権大使 植澤利次氏からの祝電(英文)
アフリカで活躍する医療従事者のネットワーク作り......................................................P4
日本国厚生労働大臣 塩崎恭久氏からの御挨拶
サブサハラ・アフリカ諸国で活躍する日本人医師・研究者の連絡会議:
キックオフ・ミーテイング 報告書
スマートシティ/スマートアイランド パッケージプレゼンテーション......................................P10
アフリカ・日本学生交流イベント........................................................................P13
アフリカと日本:TICAD VI を前に
YANIE プレイベント Welcome Reception
アフリカ・日本学生イノベーターズ・エクスポ(TICAD VI オフィシャルプログラム)
日本人学生ケニア・ツアー行程
TICAD VI:要人との意見交換ほか................................................................P43
報道資料...............................................................................................P48
一般社団法人アフリカ開発協会
ごあいさつ
日本は早くからアフリカの可能性を察知して、パートナーシップとオーナーシップを念頭にアフリカの開発と発展
のために日本で TICAD(アフリカ開発会議)を開催してきましたが、ついに今年、第 6 回目の会議がアフ
リカの地、ケニア・ナイロビで行われました。今更、日本とアフリカがどれほど近い関係になったか、どれほどお互
いに信頼を寄せているか、まさに心弾む思いがいたします。
一般社団法人アフリカ開発協会では、TICAD IV の際にタンザニア連合共和国キクウェテ大統領(当
時)をお迎えして「アフリカにおけるインフラ整備の現状並びに問題点」、TICAD V ではモザンビーク共和
国ゲプーザ大統領(当時)をお迎えして「アフリカに対しての投資促進」と題したサイドイベントを開催いた
しました。今回アフリカで初めて開催された TICAD にあたっては、今まで以上に貪欲にアフリカとの関係強
化を目指して、3つのサイドイベントを計画しました。今現在のアフリカ社会を支援するということだけでなく、
未来のアフリカのために今私たちが考えられることを提案するということに焦点を当てて、一緒に未来をつくり、
それがアフリカと日本のためだけでなく世界のためになるようなプログラムを構成しました。人々の健康、人々
が生きやすい環境、そして人々の夢と希望。この3点を医療、都市計画、青年交流と位置づけて、サイド
イベント「アフリカで活躍する医療従事者のネットワーク作り」、「スマートシティ/スマートアイランド パッケー
ジプレゼンテーション」、「アフリカ・日本学生イノベーターズ・エクスポ」を催しました。
雄大なアフリカ大陸にある国々との TICAD も 6 回を数えて、今やアフリカ外交は日本外交の基軸の1
つになりました。21 世紀、アフリカを考えずに、外交も、我が国の発展もあり得ません。この理念を共有でき
る場としての TICAD から明確なメッセージがアフリカ各国そして世界へ届いていることを期待しつつ、微力な
がら私ども協会のサイドイベントも日本外交の一助になればと祈念しております。
最後になってしまいましたが、この度のサイドイベント開催に外務省、国際協力機構、国際交流基金、
日本国際協力センターはじめ、ここには書ききれないほどたくさんの方のお力添えをいただきました。心から御
礼を申し上げます。
一般社団法人 アフリカ開発協会
会長 矢野 哲朗
2
一般社団法人アフリカ開発協会
在ケニア日本国大使館 特命全権大使 植澤利次氏からの祝電
Dear Members of Association of African Economy and Development,
On the occasion of the TICADVI, as Japanese ambassador to Kenya, I would
like to pay tribute to the Association of African Economy and Development for
organizing such a wonderful side event focusing on the theme of health, urban
environment and youth exchange. These areas are vital to maintain peace and
development in Africa. In this regard, I am proud to announce that Japan can make
a significant contribution to African countries in these areas. It is my genuine wish
that the side event organized by Association of African Economy and Development
will conclude with great success and that the association will make an even greater
contribution towards strengthening Japan-Africa relations.
Toshitsugu Uesawa
Ambassador
Embassy of Japan in Kenya
一般社団法人アフリカ開発協会
アフリカで活躍する医療従事者のネットワーク作り
アフリカ大陸、特にサブサハラでは医療支援のニーズはとても高
く、人々の保健衛生に関する知識を高めることと共に、医療人
材育成、医療インフラ整備に対する先進国からの支援が求めら
れている。しかしながら、この領域における日本国としてのアフリカ
各国への支援は、経済や一般の教育の領域などに比べ決して
多くなく、むしろ医療従事者が個人あるいは大学単位で活動を
しているケースがほとんどのようだ。
そこで、アフリカ開発協会では、TICAD VI にあたり、アフリカで活動している日本の医療従事者の ①活
動範囲を把握する(医療分野、活動国・地域)②必要に応じて情報共有をする ③ニーズを把握して
政府や企業、組織に働きかける ことを目的にしたネットワーク作りを考える会を以下のとおり開催した。
【日 時】
2016年8月25日(木) 9:00~14:00
【会 場】
ナイロビ、ケニア (Fortis Suites, Hospital Road, Upper Hill, Nairobi)
【主 催】
一般社団法人アフリカ開発協会
【協 力】
Forest Japan Diagnostic Centre
【出席者】 馬場久敏(福井大学名誉教授、SICOT 外傷医学マケレレ教育センター(ウガンダ)
客員教授/医学博士)
武居光雄(諏訪の杜病院院長、Forest Japan Diagnostic Centre/医学博士)
髙田政幸(諏訪の杜病院、Forest Japan Diagnostic Centre)
市村宏(金沢大学教授/医学博士)
川原尚行(認定 NPO 法人ロシナンテス/医学博士)
一瀬休生(長崎大学 熱帯医学研究所 アジア・アフリカ感染症研究施設アフリカ
拠点長、教授/医学博士)
森田公一(長崎大学 熱帯医学研究所 所長、教授/医学博士)
井上真吾(長崎大学 熱帯医学研究所 ウイルス学分野 助教/獣医学博士)
戸田みつる(長崎大学 熱帯医学研究所 JICA 専門家/特任研究員)
風間春樹(長崎大学)
平松義博(古賀病院 21 院長/医学博士)
公文和子(MD PhD / Siloam Health Consulting Ltd., Director)
Toshio Suzuki (MD PhD / African Children Education Fund)
Yasuo Shiojiri (African Children Education Fund, Managing Director)
山口保(一般財団法人風に立つライオン基金 代表理事)
4
一般社団法人アフリカ開発協会
Christine Amo Mamai (MBcHB, MMed / Kenyatta National Hospital)
Ali Akida Wangara (Instructor:Emergency Life Support / Kenyatta
National Hospital)
Bernard M. Ndung’U (MMed, MBChB, BSC / GENDON)
Faith Wachira (Kenya Medical Research Institute, Marketing Officer)
Gerald Mkoji (Kenya Medical Research Institute, Ag Director)
*このほか、一般の参加者、日本の製薬会社の社員など総勢 48 人が集まった。
当該会合は、塩崎厚生大臣(P6)、植澤在ケニア日本大使(P3)からの祝電を
受けて開催された。前半は、川原氏、武居氏、市村氏、一瀬氏、井上氏と戸田
氏、公文氏、馬場
氏によるそれぞれの
アフリカでの活動、
研究報告が行われ
た。後半は、ケニア
保健大臣の代理と
して出席した Mkoji 氏からコメントを頂戴し
た後、アフリカで今求められている医療のニー
ズと活動の上で直面する困難などについてデ
ィスカッションを行った。(P7-9 参照)
ネットワークがあれば各地域の状況、ニーズを把握し易くなる
のと同時に、医療機器や薬を届ける際にも役に立つことが考えら
れる。どの出席者も、ネットワークが構築できれば活動に有益に
なるであろうことは疑わなかった。但し、アフリカ東部で活動してい
る医療従事者が多く参加したここともあり、他の地域での活動を
除外するわけではない
が、まずはアフリカ東部からネットワークをつくってそれをアフリカ全土に
広げていくことで同意した。また、会合を終わるにあたり、日程や予
算の都合で今回アフリカに渡航できなかった先生方にもお声がけを
して、年内に日本国内で次の会合を行うことを確認。そこでは、今
後の具体的な活動内容を検討することになった。
一般社団法人アフリカ開発協会
日本国厚生労働大臣 塩崎恭久氏からの御挨拶
会場にお集まりの皆さま、おはようございます。
厚生労働大臣の塩崎恭久です。本日は所用のため、出席できずに申し訳ありません。
皆様方の長年にわたるアフリカでの医療支援への惜しみないご尽力、そして、揺るぎない信念にて成し遂
げられましたご功績に、敬意を表する次第であり、同じ日本人として大変誇りに思います。
皆様方のご尽力はアフリカの保健医療全体の発展向上に資するものです。先生方の取り組みにより、日
本とアフリカの保健医療分野における協力関係がより一層強固なものとなっていると承知しており、今後とも
皆様方の御活躍を期待しております。
また、この場をお借りして、矢野会長をはじめ、アフリカ開発協会の皆様方の御努力に改めて深く感謝を
申し上げますとともに、今後とも皆様方の国際協力活動が一層発展すること祈念いたしております。
最後になりましたが、本日ここに御参集の皆様方の御健勝と御活躍を心からお祈りしております。
2016年8月25日 日本国厚生労働大臣 塩崎恭久
6
一般社団法人アフリカ開発協会
サブサハラ・アフリカ諸国で活躍する日本人医師・研究者の連絡会議:
キックオフ・ミーテイング 報告書
(平成 28 年 10 月作成)
【会 期】 平成 28 年 (2016)8月 25 日
【時間帯】AM 9:10 ~ PM 2:00
【会 場】 Fortis Suites G.F., Nairobi, Kenya
【言語等】English (日本語通訳あり)、邦人以外の参加も許容(open meeting)
【参加費】Admission Fee Free
【主 催】 (社) アフリカ開発協会 (AFRECO)、千代田区紀尾井町、東京
Voice 03-3511-8911, URL.http://www.afreco.jp/
【報告書】サブサハラ・アフリカ諸国で活躍する日本人医師・研究者の連絡網を立ち上げようという企図の
会議が平成 28 年8月 25 日、ケニア共和国ナイロビ市の Fortis Suites (Ground Floor) で開催さ
れた。この企画は、(社)アフリカ開発協会内での討議に於いて、サブサハラ・アフリカ諸国で活躍する日
本人医師・医学研究者は 20 名程は list up できるが、それ以上の存在などのデータが無いこと、また
個々の医師・研究者間に於いても密接なる連絡はなく、むしろ互いの連絡も薄く夫々が言わば“点”での活
動に終止していること、“点”の活動が“線”や“面”で繋がればさらに有機的で有意義な活動になることが予
想される、などの意見があったことがその大きな誘因である。平成 28 年1月以来、その様な討議をいくつか
の政府機関とも協議した上で、ナイロビで初めて開催されるアフリカ開発会議(TICAD The VIth・平成
28 年8月 27~28 日)に合わせて表記のキック・オフ会議が開かれることになった。会議には実際、日本
人医師や大学教授などの医学研究者、療養施設開設者、製薬業者、ケニア人医療関係者、など総数
48 名が参加した。
会議では I, II, III, IV のセッションが組まれた。Session I では、当該キックオフ・ミーテイング開催に
至った現状等、Session II では8名の招待演者の講演、Session III では参加者を含む自由討議、
Session IV では AFRECO 会長理事含む3名の識者によるサマリー発言と将来展望への意見紹介、
がとり行われ、その後、全員での写真撮影 (photo shooting) とランチオン討議(luncheon
discussion)に移り、閉会した。Session I, III, IV では日本語討議も許容され AFRECO Staff
(事務局長・長谷川仰子)による英語通訳が行われた。
一般社団法人アフリカ開発協会
矢野哲朗 AFRECO 会長理事は開会の辞において当該ミーテイング開催に至った経緯に言及、馬場
久敏・福井大学名誉教授はその医学国際協力の意義についてアナウンスした。次に AFRECO 事務局長
から、塩崎恭久・厚生労働大臣と植澤利次・ケニア駐箚特命全権大使から当該ミーテイング(参加者)
に祝辞とねぎらいが届いていることを英語通訳でアナウンスした。川原尚行医師(ロシナンテス代表理事)
はスーダンで地域医療や保健活動を行っている現状を述べ、次いで武居光雄医師(大分・諏訪の杜病
院長)はナイロビで診療所(Forest Japan Diagnostic Centre)を開設し 、Dream World
Healthcare Programme という保健活動を行っている現状を紹介した。市村宏教授(金沢大学)は
Kenya Medical Research Institute (KEMRI) において感染症の研究を行っていること、一瀬休生
教授(長崎大学熱帯医学研究所)も KEMRI 拠点で行われている熱帯感染症の最近の重要な知見
について論述した。KEMRI 拠点の井上真吾博士と戸田みつる研究員(JICA 専門家)は、SATREPS
プロジェクトの成果として簡易迅速診断キットの開発、早期警戒システムについて報告した。馬場久敏医
師(福井大学名誉教授・整形外科学)はウガンダ・マケレレ大学ムラゴ病院において SICOT 外傷医学
マケレレ教育センターを開設したこととその経緯、またナイロビ市の公文和子医師は “The Garden of
Siloam” での小児障害児療育についての holistic approach の現況を紹介した。また山口保・風に立
つライオン基金代表理事も財団の活動につき概説した。次にコーヒー・ブレイクに移った。
図. 積極的な討議を行う参加者 (Fortis Suites, Nairobi にて)
8
一般社団法人アフリカ開発協会
Session III の自由討議では、医療活動を継続するための経費の獲得、グローバル医学教育の将来
展望、医療インフラの整備の問題、日本等での広報活動、について活発な討議が行われた(図)。討議
は日本語でも可能としたので複雑かつ詳細な意見の部分については AFRECO 事務局長(長谷川仰
子)によって英語訳がなされ、邦人以外にも解釈可能とした。サマリー・セッション(Session IV)では森
田公一教授(長崎大学熱帯医学研究所長)と片岡貞治教授(早稲田大学国際戦略研究所長)
が展望を述べ、矢野哲朗会長が閉会の辞を述べた。その後、ランチオン討議(luncheon
discussion)に移って閉会となった。
(文責:SICOT 外傷医学マケレレ教育センター:シニア・アドバイザー
福井大学名誉教授 馬場久敏)
一般社団法人アフリカ開発協会
スマートシティ/スマートアイランド パッケージ・プレゼンテーション
スマートシティあるいはスマートアイランドの考え方は、様々な角度から様々な範疇でとらえることができる
が、ここではその 3 本の柱を ①都市インフラ ②エネルギー ③環境管理と考えた。また、スマートシティ、
スマートアイランド構想をたてるとき、特にアフリカのような発展途上の国々では、どうしても直近の事象、いま
必要な事象に目がいきがちであるが、長期的な目標とそれに向けての方法論をはじめから併せ持っていない
と理想的な都市、国づくりには近づけない。COP21 を経てますます環境への配慮が必要となっている昨
今、デジタルを活用して各分野でのデータを取って、それをもとにスマートシティ、スマートアイランド構想をた
てるアフリカ版都市開発の提言を行うことを目的に、3 本の柱のうち、①と②を中心として、以下のとおりプレ
ゼンテーションを開催した。参加者
は、ケニア、レソト、タンザニア、日本
から42人が集まり、冒頭には経済
産業省 貿易経済協力局 技術協
力課長 大東道郎氏がご出席くださ
り、当該イベント開催への祝辞をくだ
さった。
パート 1
【日 時】
2016年8月25日(木) 14:00~15:30
【会 場】
ナイロビ、ケニア (Fortis Suites, Hospital Road, Upper Hill, Nairobi)
【主 催】
一般社団法人アフリカ開発協会
【協 力】
一般財団法人日本気象協会、アクセンチュア株式会社、一般社団法人日本損保協会
【要旨】交通渋滞がひどく30分で行けるはずの所へ2時間かけてもたどり着かない、港湾の取り扱い能力
が不足しているため待機コンテナが行列を作っている、猛暑でも電力不足のためエアコンが使えない。アフリ
カの各地で聞こえてくる以上のような都市問題を解決するために、新しく道路や橋を作ったり、港を整備した
り計画停電などで対応しようと考えるのが普通の解決策かもしれないが、今あるものをもっと効率的に、スマ
ートに利用し問題を解決しようというのが本プレゼンテーションの趣旨である。
この解決策の重要な要因がデジタルである。デジタルは見えなかったものを見えるようにする、つまりモノで
はなく成果を売ることが可能になる。言い換えればモノにこだわらず成果にこだわるアプローチが、スマートシテ
ィ/スマートアイランドへの近道となる。但し、アフリカでの展開は、先進国のスマートシティ/スマートアイラン
10 
一般社団法人アフリカ開発協会
ドと同じ手法をとる必要はなく、アフリカならではのモデルを作っていくことが求められる。先進国の失敗から学
び、低予算で、国を横断して適応するようなモデルを提供していきたい。
具体的には、日本の廉価な環境技術を活かした環境改善を行い、ハードよりディバイス、ディバイスより
ソフトで対応していくことを考える。例えば、交通渋滞に対して道路や橋の新設を考えることもいいが、センサ
ーを取り付けた信号を増設したり、時間帯によって通行車へ課金を行うシステムを導入したりして、通勤の
ばらつきを促せば、渋滞の解消だけでなく比較的廉価に問題を解決し、その上国への収入も見込まれる。
エネルギー分野では気象予測をフルに活用して、それぞれの土地で無駄のないように太陽光、風力など
再生可能エネルギーを導入するよう計画を立てることが可能になる。これにより電力供給が安定し、かつハ
ード面での投資を極力抑えることができる。
また、自動車社会へと発展しているアフリカにおいて、国をまたいでのインフラを整備する必要もスマートシ
ティへの重要な課題である。この場合のインフラとは、自動車社会と不可分な交通事故による被害者の救
済を確保する、保険、資力、制度の導入のことで、人に優しい都市づくりこそが経済発展に寄与すると考え
る。
デジタルを活用する――正し
いデータを取って正しく分析し、
それを無駄のないように社会に
反映させることこそ、これからの
理想の都市づくりに重要だ。そ
れには、都市を作りながら try
and error を繰り返していく必
要があるが、それはハードを整え
ていくより安価で確実な方法ともいえる。スマートシティ/スマートアイランドに関しては、先進国企業がスマ
ートシティを1から作る機会を求めている風潮もあることから、まずはモデルシティを決め、その都市の環境に
合うカスタマイズされた具体的なスマートシティを提案していきたい。
一般社団法人アフリカ開発協会
パート 2
【日 時】
2016年8月28日(日) 9:00~12:00
【会 場】
ケニア・ナイロビ (Chui, Sarova Panafric Hotel)
【主 催】
一般社団法人アフリカ開発協会
【協 力】
JICA
25日のプレゼンテーションの後、JICA が開催したセミナーの隣室で、スマートシティ/スマートアイランド
に役立つような商品、システムを展示紹介した。
そのほか
コモロ大統領に対し、直接当該イベントのプ
レゼンテーションを行う機会を得て、コモロ諸島
で考えられるスマートアイランド構想を提出する
ように指示を受けた。また、ケニアの後、隣国タ
ンザニアを訪ね土地大臣などに当該イベントの
プレゼンテーションを行ったところ、国内約20
都市で現在スマートシティに取り組みたいと考え
ていることから、タンザニアの都市に合うスマート
シティ構想を提出するよう依頼を受けた。
コモロ大統領
タンザニア土地大臣
12 
一般社団法人アフリカ開発協会
アフリカ・日本学生交流イベント
TICAD VI にあたり、日本でのプレイベント、ナイロビでの交流会、そして帰国後の報告会を兼ねたポスト
イベントの3つを企画。若者にただ交流を促すだけでなく、事前準備と事後の総括もイベントとして構成す
ることで学生への直接的指導にも力をいれた。ポストイベントは 12 月 11 日(日)に、当協会学生委員
会主催で開催予定。
アフリカと日本:TICAD VI を前に
日本の学生の代表として 8 月にケニア・ナイロビへ渡航する学生が、プレゼンテーションする予定の内容を
英語で発表。早稲田大学の学生やほかの出席者から意見や感想を得て、8 月のプレゼンテーションのため
の参考とした。また、ゲストとしてジャカヤ・ムリショ・キクウェテ前タンザニア大統領・現ダルエスサラム大学総
長を招き、TICAD VI の展望と未来を拓く若者へのメッセージをいただいた。
【日 時】
2016 年 7 月 28 日(木)14:45~16:15
【会 場】
東京、早稲田大学 第 3 号館 302 教室
【主 催】
一般社団法人アフリカ開発協会、早稲田大学国際戦略研究所
【後 援】
毎日新聞社、JETRO
片岡教授から、当該イベントが TICAD VI の公式サイドイベントである日本とアフリカの学生交流イベン
ト「日本・アフリカ学生イノベーターズ・エクスポ ~アフリカの未来と持続可能な開発への提言~」 のプレイ
ベントであることを説明。その際に日本側から発表する 11 人の学生と、ABE イニシアティブの学生 2 人
(あしなが基金)の内の 1 人が紹介され、その後各 3 分でプレゼンテーションの要旨を説明した。続い
て、タンザニアの前大統領キクウェテ氏の基調講演が行われ、次世代の若者へのメッセージが送られた。基
調講演の要旨は以下のとおり。
【要旨】

招待いただいて光栄。この基調講演をお引き受けした理由は、1つにアフリカの友である矢野に NO と
は言えないし、また TICAD VI のちょうど 1 か月前というタイミングに学生たちに語りかけるということであ
ったため。

日本とアフリカの歴史は長く、アフリカが欧州の植民地であったころから日本の製品がアフリカにはあった。
そのため独立後も、質の良い日本製品をアフリカは輸入し続けた。
一般社団法人アフリカ開発協会

アフリカは最後のフロンティアである。誰も取り残されてはいけないはずが、サブサハラでは多くの人が飢
餓に苦しんでいる。エボラの流行の際にも分かったが、健康システムが弱く免疫力もない。世界的な気
候変動もその一因だ。栄養失調、無教育、インフラの不備、貧困、課題は山積している。先進国の
援助がなければ、貧困の負の連鎖から逃れることはできない。

日本はアフリカを思う数少ない国の1つである。それが TICAD として形になり、アフリカを支えてきた。

23 年間の TICAD の歴史の中で、私は 2 回サミットに参加している。TICAD の 20 年とアフリカへの
ODA にあるように、TICAD が始まってから日本はアフリカにたいする ODA を 2 倍にし、1 千万人の人
にきれいな水を届け、水研究において 13,000 人の人のトレーニングをした。投資額も当初の 2 倍に
なっており、2011 年には 62US$であった。過去 20 年で、アフリカの経済は著し発展をみせ、GDP も
2001 年から 2014 年の間に 5%以上となった。世界でもアフリカは東アジアに続いて経済発展が早
いとされており、過去 2 年は成長率が緩やかになったものの、2017 年には持ち直すとみられる。

TICAD VI は、アフリカで初めて開催され、またアフリカ経済が安定した進展を続けているときに開催さ
れる。そして 5 年おきであったものが、これからは 3 年おきになる。

アフリカは、東南アジアの国々が進展してきた中で日本が果たした役割を、アフリカでも果たしてほしいと
考えている。日本にはもっとできるはずだ。特に TICAD V の横浜宣言でも語られたが、日本の企業に
はアフリカへの投資を促進してほしい。2000 年にはアフリカ 54 カ国に対し 7 億 5,800 万 US$の投
資だったが、2014 年には 100 億になった。だが、アセアン 6 カ国に対しては、過去 5 年で 200 億円
も投資している。

産業を生み出すために必要な能力を共に育ててほしい。ビジネス環境と投資環境を作り促進してほし
い。これには今アフリカ開発協会が考えている TICAD センターはもってこいだろう。アフリカと日本の、人
14 
一般社団法人アフリカ開発協会
と人、ビジネスとビジネスの関係をもっと強くしてほしい。人材育成に力を貸してほしい。日本とアフリカの
若者に、ともに生きる友情を築かせたい。

TICAD VI にはビジネス界から 150 人が参加すると聞いている。アフリカへの一番大きいミッションだ。

アフリカで日本製品はどこにでもある。今こそ、日本製品をアフリカで造る時だ。市場はアフリカにある。

TICAD VI の 3 つの柱は、産業化、健康、社会的安定性だ。これはアフリカ・アジェンダ 2063 や
SDGsとマッチする。

日本の企業には、資本や科学技術という点で是非投資のチャンスをつかんでほしい。住友化学やパナ
ソニックなど、実際にアフリカで輝いている企業もいるのだから。

我が国タンザニアにおいても、日本は成長や発展のために貢献を果たしてきた。過去 40 年にわたって、
素晴らしい協力関係を築いてきた。ODA も増え 419 億 4,700 万円になるし、タンザニアからの輸出
は 1998 年に 3 兆 3,994 億 6,300 万円だったのが 2015 年には 28 兆 4,895 億 7,400 万円
になった。タンザニアの輸入も 1998 年に 12 兆 127 億 1,900 万円だったのが 2015 年には 33 兆
2,548 億 1,100 万円になった。貿易バランスは悪くないが、それでもまだ少ないという点はご理解いた
だけるだろう。

TICAD を通じてタンザニアは様々な恩恵を
受けてきている。インフラ、エネルギー、ビジネ
ス環境の創造、能力形成、そして健康と
水。

アフリカと日本は、お互いにお互いが必要
だ。日本とアジアの国々が共に支え合ってき
たように、アフリカも日本と共に成長できる。

最後にもう一度早稲田大学へお礼を申し
上げたい。両国の関係を担うのは若い世代
だ。若者が交流し、壁を取り払い、明るい
未来のために橋渡しをするーーー大学こそその場だ。将来、ダルエスサラム大学と早稲田大学が交流
プログラムを持つことを望む。

アフリカと日本に末永い関係を!
一般社団法人アフリカ開発協会
YANIE プレイベント Welcome Reception
【日 時】
2016年8月25日(木) 18:00~20:00
【会 場】
ケニア・ナイロビ (ジョモ・ケニヤッタ農工大学内 AICAD)
【主 催】
ジョモ・ケニヤッタ農工大学、一般社団法人アフリカ開発協会
【共 催】
毎日新聞社
【協 力】
あしなが育英会、ケニア卓球連盟、JICA、Sports For Tomorrow、栃木 SOBA 研究会
日本・アフリカ学生イノベーターズエクスポ
(YANIE)のプレイベントとして、8 月 25
日(木)に JKUAT 主催で歓迎会が行わ
れ、参加学生を始めとして大学関係者、あ
しながウガンダキッズ等が約 100 名集まり
翌日の本イベントでの健闘を誓い合った。ま
た、当日は Sport For Tomorrow の活
動の一環でタマス株式会社にご協力をいただき、卓球ボールをケニア卓球連盟、JKUAT に寄贈した。卓
球ボールは JKUAT のインブガ学長とケニア卓球連盟の Andrew 会長に寄贈した。
あしなが育英会レインボーハウスからウガンダキッズが冒頭にダンスのデモンストレーションを行い、当協会
矢野会長からキッズにボールペン、JKUAT のインブガ学長から Nissin JKUAT のラーメンがプレゼントされ
た。
16 
一般社団法人アフリカ開発協会
アフリカ・日本学生イノベーターズ・エクスポ(YANIE)
【日 時】
2016年8月26日(金) 9:00~16:30
【会 場】
ケニア・ナイロビ (Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology)
【主 催】
一般社団法人アフリカ開発協会、ジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT)
【報告書】本イベントは、2016 年 8 月 26 日(金)9:30 より、ケニア共和国ジョモ・ケニヤッタ農工大学
(JKUAT)において、日本・アフリカの学生間交流を目的として行われた外務省公式 TICADⅥオフィシ
ャルプログラムである。当日は、日本側か
ら 10 名、アフリカ側から 16 名の学生の
学生プレゼンターが出席し、国連の定め
た持続可能な開発目標(SDGs)をテ
ーマに、会場を2つに分けて、日本とアフ
リカの共同の可能性や自身のアイデアに
よる SDGs の解決策提言を行った。
審査員として Nissin JKUAT、日本
気象協会、毎日新聞社、JKUAT、KEPSA(ケニア経団連)、アクセンチュア株式会社、あしなが育英
会、早稲田大学国際戦略研究所から派遣された各分野の専門家により学生の受賞が行われた。
最優秀賞である JICA 賞を、佐藤幸恵さん(創価大)、Ngugi Ndung’u さんが受賞した。また、日
本気象協会賞に佐藤完さん(筑波大)と
Juliet Nyaboke Amwoma さん。アクセンチ
ュア賞に高比良健太郎さん(京都大)と
William Manthata さん。毎日新聞社賞に
Dennis Mwasela さん(ウガンダ
Kyambogo 大学)が選ばれた。尚、参加者
全員には(財)日本国際協力センター
(JICE)から参加賞が贈られた。
一般社団法人アフリカ開発協会
当日は約 300 名の入場者が参加し、審査員を交えて活発な意見交換を行った。今後も TICAD の
若者交流プロジェクトとして、この「YANIE」を深化・発展させていく。3 年後の日本開催の際にも、同様の
イベントを協力して企画することを JKUAT 側と確認した。
日本側プレゼンターと審査員、スタッフほか
【タイムテーブル】
09:00-09:15 ウガンダレインボーハウス、あしながキッズによるオープニング
09:15-09:20 ジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT)Imbuga 学長による開会宣言
09:20ー09:30 アフリカ開発協会矢野会長挨拶
09:30ー09:40
JKUAT Council Paul Kanyari Njuki 議長挨拶
09:40-10:00 Public Works Principal Secretary Ministry of Land, Housing&Urban
Development 挨拶
10:00-14:00 学生によるプレゼンテーション(2 会場)
14:00-15:30 ランチセッション
15:30-16:20 審査結果発表、講評
16:20-16:30 閉会挨拶
18 
一般社団法人アフリカ開発協会
【審査員】敬称略
・古市信道 日本気象協会業務執行理事 常務理事
・岡崎祐吉 あしなが育英会 常勤理事・アフリカ遺児高等教育支援 100 年構想事業課長・
国際 NGO あしながウガンダ代表
・片岡貞治 早稲田大学教授、早稲田大学国際戦略研究所所長
・福山周平 アクセンチュア株式会社公共サービス・医療健康本部マネージャー
・横山卓
Nissin JKUAT Managing Director
・天野園子 毎日新聞社国際事業室委員
・Suresh Patel
Kenya Association of Manufacturers, KEPSA(ケニア経団連)
・Kevit Desai
Centurion System Ltd., KEPSA
・Vincent Gaitho
National Private Universities of Kenya, KEPSA
・Domiciano Maingi
Aquaculture Association of Kenya, KEPSA
・Joseph
Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology
・John
Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology
・David
Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology
【プレゼンテーション要旨】
冨樫全希 (鳥取大学大学院工学研究科機械宇宙工学専攻 2 年)
「アフリカにおける機械メンテナンスと持続可能な開発」 日本では機械の大量生産は大量消費社会を生
み出した。アフリカにおいても同様の状況が起こることが想定される。今こそ持続可能な社会を目指してメン
テナンスに力を入れていくべきだ。
原維吹 (宇都宮大学農学部農業環境工学科 4 年)
「アフリカにおける農業分野の水不足対策」 サブサハラでは食料需要が 2030 年に向けて 2.91%の増
加が見込まれている。しかし、80%のアフリカの農家は灌漑を使用していない。灌漑を整備することで農業
分野における水のロスを削減し、アフリカの潜在性を最大化することができる。また国連の定めた持続可能
な開発目標(SDGs)にも寄与することができる。
一般社団法人アフリカ開発協会
高比良健太郎 (京都大学情報学研究科修士 1 年)
「持続可能な開発に向けたデジタルファブリケーション」 我々、若者はデジタルネイティブの世代であり、大き
な可能性を秘めた IT を利用することでより世界を変化させることができる。世界的に拠点が増えている
Fab Lab は3D プリンター等を使用することでインターネット上のアイデアを形に変えることが容易である。こ
うした Fab Lab の活用は資源の利用や資金も効率的に利用することに寄与していくだろう。
福原峻 (大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻博士 1 年)
「スマートシティが解決するアフリカ」 スマートシティの導入によってアフリカの電力供給等の課題を解決する
ことができる。同時に、コミュニティの形成やまちづくりにも役立てることができる。特に、エネルギーの分野では
アフリカは世界の他地域と比べて使用できるエネルギー量が少ない。エネルギー資源の有効利用についても
スマートシティは大きな役割を果たすことになるだろう。
佐藤完 (筑波大学システム情報工学研究科博士1年)
「交通インフラの向上」 交通インフラは移動の利便性を確保し、雇用も創出する。交通インフラは経済成
長に直結するものである。今後アフリカにおいても交通インフラの需要は高まると考えられるが、重要なのは
50 年後を見据えたインフラ構築である。こうしたインフラ構築に必要なのは人材の育成である。JKUAT に
おいてもペーパーブリッジを使ったワークショップの導入でこうした人材育成にも資する授業ができるのではな
いかと考えている。
佐藤幸恵 (創価大学文学部人間学科4年)
「OSOROI プロジェクト-日本の伝統文化を通じたアフリカにおける理数教育の補助-」 OSOROI とは折
り紙、そろばんのアルファベットの頭文字をとったもので、日本語においてはマッチングと同意義である。そろば
んは計算能力の向上や記憶力の強化、集中力を高めるなどの効果があり、折り紙は基本的な数学概念
の理解を補助したり、創造性を育んだりという効果がある。日本の学生が中古のそろばんを集め、それととも
に使用方法を映像にまとめる。これをアフリカの学生に提供することで、文化交流を通じた相互理解が得ら
れる。アフリカの生徒は理数教育を日本文化を通じて理解することができ、日本の生徒たちにとっても日本
文化への新たな価値に気付かされるだろう。
20 
一般社団法人アフリカ開発協会
齋藤克弘 (東京外国語大学国際社会学部1年)
「HIV エイズで日本とアフリカの共同対処の可能性」 HIV エイズはアフリカのみならず、日本でも深刻な問
題である。ユニセフによればアフリカの青少年の最大の死亡原因であり、一番影響を受けるのは日本でもア
フリカでも若い世代である。HIV エイズでは日本とアフリカで状況の違いはあるものの、共同できる部分が多
い。既にザンビアでは、政府の方針で各学校にエイズ対策クラブが導入されており、生徒自身が啓蒙活動
を行う。双方で学び合える部分が必ずあるはずである。
赤尾紀明 (立命館アジア太平洋大学国際経営学部4年)
「竹を利用した教育施設の向上」 アフリカの教育現場では青空教室が未だに多く、遊具も少ない。教室
を確保し、遊具を確保することが必要である。そこで竹を使った解決策を提示したい。竹は日本とアフリカ共
通の素材で、古来日本においては加工技術が多く存在する。安価で調達することができ、強度もある上、
成長も早い。日本の竹の加工技術を利用して、教室と遊具をアフリカに提供することは日本とアフリカの距
離感を縮め、教育環境を改善することに資すると考える。
則友雄磨 (上智大学経済学部1年)
「緑の革命」 これまでの調査で農業が発展すれば貧困が激減することが知られている。アフリカにおいては
8 割近くが農業従事者であり、「緑の革命」を起こすことがアフリカにおいては貧困削減においてきわめて重
要である。これまでのアフリカに対する農業支援は持続能力の欠如がみられた。これを改善するため、日本
とアフリカの若い世代が「緑の革命」を主導する必要がある。日本とアフリカの若者が今こそ農業分野で協
働する必要がある。
呉仁善 (上智大学外国語学部フランス語学科3年)
「若い世代は教育という観点から何ができるか」 従来よりアフリカは助けてあげる対象や救う対象としてみら
れネガティブなイメージが先行してきた。と同時に、こうした誤った相互理解に基づき需要と供給のミスマッチ
も生じてきた。先入観を超えて、国境を越えてお互いが忌憚なく学び合うには教育は不可欠なものだ。相
互理解は真の協力関係を構築することができる。
一般社団法人アフリカ開発協会
Ms. Florence Nannozi
(関西学院大学、あしなが育英会、ウガンダ出身)
「サブサハラでの教育水準を押し上げるために」 ハーバード大学の研究結果によると、教育水準が高いほど
その国の経済発展に良い影響を及ぼしている。ここ数十年、教育水準を上げようとサブサハラの国々が躍
起になっている一方で、世界の他の地域と比べるとまだまだその差は大きい。アフリカ各国政府は、大学や
教育機関と手を取って、国内よりも地域に目を向け近隣諸国と共に特に経済に直結する分野において教
育基盤を作ることが重要だ。
Ms. Anitah Karungi (同志社大学、あしなが育英会、ウガンダ出身)
「アフリカにおける男女平等と女性の権利」 女性が男性の様に権利を持つことは、サブサハラでの持続可
能な発展のために不可欠なことである。特に家庭内暴力や若年女性に対する強制婚姻がそれを妨げてい
ることから、女性同士が助け合うことも必須であるが、女性が経済、社会、政治的に進出するために男性が
どのように女性を助けられるかを考えることも重要だ。
Mr. Ngugi Ndung’u (JKUAT、ケニア)
「ペペツァ」 組織内でのコミュニケーションを円滑するためのバーチャルな掲示板の提案。
Mr. Tamaro Paul (PowerTech 創設者兼 CEO、ケニア)
「デジタル配電システム」 拝殿を増やすためのデジタルシステムの提案。
Mr. Dennis Mwasela (Atomiden 創設者兼 CEO、ケニア)
「サウンド・ハンズ」 聾唖者と健常者間のコミュニケーションを助ける機器の提案。
Mr. Ahmed Nouh Abdel Reheem Badr (エジプト)
「抗酸素性、抗真菌性自然食品」 マイコトキシンを制御するための食品について。
Mr. Issifu Basideen (Annexe マネージング・ディレクター、ガーナ)
「鶏孵卵製造」 ホロホロ鳥用自動孵卵器の提案。
22 
一般社団法人アフリカ開発協会
Mr. Amos Waweru (JKUAT、ケニア)
「SAFI 自動住宅掃除機」 住宅やオフィスなどを自動で掃除するロボット装置の提案。
Mr. Godfrey Wanjala (Mount Kenya University、ケニア)
「太陽光による塩水水殺菌剤」 水処理のための太陽光利用について。
Mr. Econi Carl (St.Lawrence University、ウガンダ)
「農業情報システム(CAIS)」 USSD、モバイル・アプリケーション、ウエッブ・ベースのアプリという 3 つのプ
ラットフォームをもつ農業ベースの情報システムである CAIS を提案。
Mr. Winnie Byekwaso Nanyondo (Kyambogo University、ウガンダ)
「Texfad 職業創成」 バナナの茎に付加価値を加えてバナナの廃物で商品開発することを提案。
Mr. Hesham Farag (Cairo University、エジプト)
「農業廃棄物から生物エタノールを生産する化学生物反応装置」 燃料エネルギーの使用を減らし、農業
廃棄物を利用する装置の提案。
Mr. Manthata Thakgatso William (高校生、あしなが育英会、南アフリカ)
レーザーカッターや 3D モデリング・マシーンを使って、子どもも楽しみながら学習ができるようにし、アフリカの
識字率を高めることが夢。
Ms. Thatcher Margaret (高校生、あしなが育英会、ケニア)
失業率が高いので、故郷の村で起業家を支援するようなプログラム、若者を応援するようなプログラムを始
めることが夢。また、孤児だとチャンスがないのが現状で社会から置き去りにされているので、孤児院も作りた
い。
Mr. Otieno Samuel Ouma (JKUAT、ケニア)
「急速デジタル実験ボード」 科学教育における基本的な電気実験を行う際のデジタルボードの提案。
一般社団法人アフリカ開発協会
日本人学生ケニア・ツアー行程
アフリカ開発協会では、2016 年 8 月 23 日より同年 8 月 30 日にかけて TICADⅥ公式サイドイベン
トの参加に伴い既述の学生 10 人を対象に以下の行程でケニア共和国へのツアーを開催した。このツアー
は、JICA、国際交流基金、Sports For Tomorrow、毎日新聞社、当協会会員企業、個人からの支
援、協力を受けて実現した。ここでは、本報告書に詳細が記載されていない活動内容を報告する。
8 月 23 日(火)成田空港発
8 月 24 日(水)ケニア共和国ナイロビ着
8 月 25 日(木)JKUAT Nissin 見学、JKUAT 主催 Welcome Reception
8 月 26 日(金)日本・アフリカ学生イノベーターズ・エクスポ(YANIE)
8 月 27 日(土)ナイロビ市内視察(Aspire Sports Academy、スラム、国立博物館)
8 月 28 日(日)ナイロビ市外視察(アンボセリ国立公園、マサイ族の村)
8 月 29 日(月)ナイロビ市外視察(アンボセリ国立公園)
8 月 30 日(火)ケニア共和国ナイロビ発
8 月 31 日(水)成田着
【8月25日】午前中はJKUAT内にある日清とJKUATの合弁会社を見学。Managing Directorの横山
氏から事業の概要や当地で業務を遂行するに当たっての問題点や課題などのお話を伺った。また実際に
市販されている商品も食べ比べを行い「商品を現地化させる」ということを味覚から学んだ。当地では
Nissan(日産自動車)の方がNissin(日清)より知名度が高く、プロモーションに苦労している旨も印
象的だったとの声が聞かれた。
午後にはアフリカ開発協会主催のサイドイベン
ト「スマートシティ/スマートアイランド パッケージ
プレゼンテーション」に参加。(詳細は P10)ま
た、夕方からは JKUAT 内にある宿泊施設
AICAD において Welcome Reception が開
催された。(詳細は P16)
【8 月 27 日】午前中はケニア共和国バレーボールナショナルチーム所属の Edinah 氏が主宰する Aspire
Sports Academy を訪問。スポーツを通じて貧困の中で教育を受けられない子どもたちをサポートする活
24 
一般社団法人アフリカ開発協会
動を視察した。Sports For Tomorrow をとおして都立駒込高校から寄付があったサッカーユニフォームと
サッカーボールを寄贈した。
Aspire Sports Academy にユニフォームを寄付
サッカースクールを視察
午後からは、同じく Edinah 氏の案内でスラムを訪問。ケニアの貧困地域で実際に生活する人々に触
れ、話を聞く機会も得た。住宅を訪問する機会にも恵まれ、身をもって経済成長が続くケニアの中での経済
格差を実感した。また、スラム視察の後はナイロビ国立博物館を訪問し、植民地時代から独立に到る経
緯、ケニア近代化の歴史等を学んだ。ナイロビの国立博物館では野生動物が乱獲や密猟によって減少し、
白サイがケニア国内では既に 4 頭しかいないことなどが印象的だったとの声が聞かれた。経済成長の影で野
生動物が減少していることなど負の部分も十分理解することができた。
スラム視察
スラム内の住宅視察
【8月28日-29日】アンボセリ国立公園では野生動物を観察した。アンボセリ国立公園のデータでは2008
年時点でライオンは35頭しか生息しておらず、野生動物の乱獲の影響がここでも垣間見られた。ガゼルや
シマウマ、キリン、象、サイなどは観察することができたが、多くの野生動物が減少している様子に学生たちは
衝撃を受けたようだった。展望エリアからキリマンジャロを見ることができ、アフリカの雄大な自然の中で貴重な
経験をすることができた。キリマンジャロの山頂の雪も温暖化で減少を続けているとのことで、期せずしてアフ
リカで温暖化への意識も高まったようであった。
マサイ族の村にも訪問し、ケニアの伝統的な生活様式を実際に視察し、説明を受けた。牛の糞でできた
住居や火起しの技術など興味を引かれるものが多かった。また、マサイ族の村の中にあるコミュニティースクー
一般社団法人アフリカ開発協会
ルも視察をすることができ、実際の授業風景も観察することができた。マサイ族からも教師の数は不足してお
り、学校の施設も満足いくものがないとの意見も寄せられた。こうした不足を補うため外国人観光客から寄
付を募っており、寄付と手弁当でコミュニティースクールを運営している。夜は学生たちを歓迎するために、目
の前でヤギを殺しそれを焼いて皆で食べるという経験もすることができた。
マサイ族の村視察
マサイ族の人にヤギの屠殺方法の説明を受ける
【学生によるツアー報告】
文責:富樫全希(鳥取大学)
2016 年 8 月 23 日
Time
Contents
Photo
成田空港第一ターミナル集合。
各自のスーツケースに、
19:00
Welcome Reception 用のソ
バやピンポン玉、Donation 用の
サッカーウェアやサッカーボールを分
散して詰め込む。
チェックイン。TICAD6 のためか、
19:30
ETIHAD 航空のチェックインに長
蛇の列。
航空保安検査。寄付用のソーラ
20:30
20:40
ー電池が検査で引っかかる。
出国審査。
26 
一般社団法人アフリカ開発協会
搭乗ゲートへ。
20:50
成田空港離陸。
21:15
2016 年 8 月 24 日
Abu Dhabi 空港着陸。
3:00
次のフライトまで一時解散
Boarding time まで 5 時間近
3:20
く時間があったので、一旦自由解
散。各々、おしゃべりをしたり、ソフ
ァーで寝るなどして時間を潰す。
集合。
8:15
8:30
搭乗ゲートへ。
Abu Dhabi 空港離陸。
8:45
Nairobi 空港着陸。
12:45
一般社団法人アフリカ開発協会
入国審査。TICAD6 のポスター
13:00
の前でみんなで記念撮影。
空港前でバスを待つ。
13:20
13:50
この間に両替や水などの購入を済
ませる。
バス到着。みんなで力を合わせて
バスに荷物を乗せる。
Nairobi 空港出発。
14:00
AICAD 到着
16:10
受付。部屋に入ってからは、各自
16:30
ジムに行ったり部屋で休んだりプレ
ゼンの練習をしたりと、夕食まで自
由な時間を過ごす。
夕食
19:00
21:00
フライト疲れもあるので早めに就
寝。
28 
一般社団法人アフリカ開発協会
2016 年 8 月 25 日
朝食。各々のタイミングで朝食を
7:00
済ませる。
9:00
AICAD の受付に集合。
YANIE 学生イベント会場下見。
9:15
次の日の YANIE 学生イベントの
会場を見て回る。会場付近のポ
スター前で記念撮影。
9:30
AICAD 出発。
Nissin JKUAT に到着。
9:40
Nissin JKUAT にてレクチャー及
び試食会。サンプルを食べ比べ
10:00
て、どれが日清商品のものか当て
るゲーム。誰が味音痴かもばれ
る。
Nissin JKUAT 出発。Nissin
11:00
JKUAT の前で記念写真。
道中、Nairobi 市内はすごい渋
11:30
滞。
Smart City 会場に到着。
12:45
一般社団法人アフリカ開発協会
円卓をみんなで囲んで昼食。
13:00
Smart City サイドイベント開
14:00
始。
16:00
Smart City サイドイベント終了
17:00
AICAD 到着。
Welcome Reception の準備
開始。水道水は匂いがきつくて使
えないので、ウォーターサーバーの
17:20
水でそばを茹でたりと、試行錯誤
しながらみんなでそばを準備。ケニ
アの方々は汁物を好まないため、
日本には馴染みのない、汁のかな
り少ないそばが完成。
Welcome Reception 開始。
最初のセレモニーとして、ウガンダ
18:30
Kids 達によるダンス披露。
その後、卓球協会の会長と矢野
会長の対決も!
Welcome Reception 終了。
20:30
22:00
就寝
30 
一般社団法人アフリカ開発協会
2016 年 8 月 26 日
朝食
7:20
AICAD の受付に集合
8:00
YANIE 学生イベント会場内に集
9:00
合
日本メンバーはプレゼンテーション
での事前練習に余念がない。
YANIE 学生イベント開始前のイ
10:20
ベントが押していたため、約 1 時
間遅れで開始。
プレゼンテーション開始。当初は
昼休憩を挟む予定だったが、時
11:30
間が押したせいもあってか、最初
から最後まで休憩なしでプレゼン
テーションが進行。
プレゼンテーション終了。
13:40
JKUAT 内のカフェテリアで昼食。
14:00
YANIE 学生イベント終了。タイ
16:20
ムテーブルとは約 1 時間遅れで
再開。
一般社団法人アフリカ開発協会
AICAD に戻る。夕食まで自由
17:00
時間。各自部屋で休んだり、ジム
に行ったり、買い出しに行ったりと
自由に過ごす。
19:20
夕食。
打ち上げ。当初の目的を終了
し、夕食後は打ち上げ。買い出し
20:20
班が買ってきたケニアのお菓子を
みんなでつつく。ビールは口に合う
ことが多いが、お菓子はなかなか
口に合わず(笑)。
23:00
就寝。
2016 年 8 月 27 日
朝食。
7:20
8:30
AICAD の受付に集合。
TICAD6 本会場前に到着
10:10
会場内には入れないので、外で
記念撮影。
スラム支援 NPO サッカーグラウン
10:45
ド到着。子供たちに交じって一緒
にサッカーをするメンバーも。
サッカーグラウンド周辺のスラムを
12:00
散策。
32 
一般社団法人アフリカ開発協会
スラム在住のサッカーチームメンバ
12:30
13:10
ーのお宅訪問。
スラム支援 NPO サッカーグラウン
ド出発。
ウタマデゥニ・ショッピングセンター到
着・昼食。
13:30
ショッピングセンター内で買い物。
15:00
かなり大きなショッピングセンター。
地元の人だけじゃなく、観光客も
大勢いました。
15:50
ショッピングセンター出発。
National Museum 到着。閉
館時間いっぱいまで博物館を堪
16:20
能。Snake park は時間の関係
で見ることができず残念。博物館
敷地内の民芸品売り場にて各自
お土産を購入。
National Museum 出発。
17:30
18:30
AICAD 到着。
夕食。
21:00
23:00
就寝。次の日の朝が早いので早
めに床に就く。
2016 年 8 月 28 日
一般社団法人アフリカ開発協会
5:50
AICAD の受付に集合。佐藤さ
んの部屋に一度全員の荷物を預
け、受付に集合する。
AICAD の正面玄関集合。朝早
く起床して集合するも、サファリ専
用のバスが全然来ず、手持無沙
6:00
6:40
汰。
サファリ専用のバス到着。
サファリに向け出発。
6:45
道中のスーパーマーケットで食材
10:00
を買い、テラスで朝食。
サファリ到着。サファリの門の前に
12:45
は土産物売りの方が待ち構えて
いる。
サファリ観光。キリンがいたり、ガゼ
13:00
ルの闘いが見れたり。
サファリ内のホテル到着。サファリ
13:30
内にあるとは思えないぐらい綺麗
なホテルにビックリ。
34 
一般社団法人アフリカ開発協会
昼食。バイキング形式。味は欧米
14:00
15:00
人に合わせたような食事。
マサイ村に出発。
マサイ村に到着。予想通りビジネ
スライクなマサイ族でした。観光地
15:25
化されるとマサイ族もこうなるのか
と各々思いを巡らしながらマサイ
村を堪能する。
マサイ村を出発、再びサファリへ。
16:45
サファリ内の丘に到着。360°の絶
17:30
景に感動。頂上でみんなで記念
撮影。
サファリ内の丘出発、再びマサイ
18:00
村へ。
マサイ村到着。
18:45
マサイ族による Welcome Party
20:00
さっき倒した山羊の肉とウガリを食
べる。肉は生焼けだけどビールは
美味い。
20:45
マサイ村出発。
21:10
ホテル到着。
一般社団法人アフリカ開発協会
夕食。
21:15
夕食後、各自部屋でボサボサに
22:15
なった髪を洗い流してから、ホテル
内テラスに集合。
2016 年 8 月 29 日
ホテル内のテラスに集合。朝日を
見ようとホテル内のテラスに集合。
酸味の強いキリマンジャロコーヒー
6:00
を飲みながら待つ。しかし、テラス
とは逆方向から朝日が出ることが
分かり、日の出時間に合わせて移
動する。
日の出。雲がサファリ全体を覆って
いて、朝日をしっかりみることはで
6:40
きなかった。しかし、小さい雲の晴
れ間から朝日の光を見ることが出
来た。
7:45
ホテルロビーに集合。
ホテル出発。
8:00
朝サファリ観光。シマウマばっかり。
9:00
みんな朝ご飯を食べていました。
36 
一般社団法人アフリカ開発協会
朝サファリ終了。Nairobi 市内に
10:00
向け出発帰る途中に、これから出
勤するマサイ族に出会いました。
11:40
昼食を取るお土産屋さんに到
着。
ホテルで購入したランチボックスを
12:00
食べる。クオリティーがコストに見
合っていない…。ハエがぶんぶん
飛んでいました。
13:00
出発。
Giraffe Center に到着。キリン
15:20
16:10
に間近で餌やり。原ちゃんがキリン
とキスして口元がベタベタに。
Giraffe Center を出発。
お土産屋さんに到着。今までにな
くちゃんとした商品が置いてあり、
16:30
お土産を買いつくしたはずのメンバ
ーも思わず追加で購入していまし
た。
お土産屋さん出発。道が渋滞し
17:45
ており、到着にかなり時間がかか
る。
20:30
AICAD 到着。
20:50
夕食・打ち上げ
2:30
夕食・打ち上げ終了、就寝。
2016 年 8 月 30 日
昨日の終わりが遅かったため、ちょ
8:00
っと遅めの朝食。
一般社団法人アフリカ開発協会
受付前集合。最後にママさんと一
10:00
10:15
緒に記念撮影。
AICAD 出発。寝不足のため、み
んなバス内で爆睡。
Nairobi 空港到着。佐藤さんと
12:00
はここでお別れなので、みんなで
記念撮影。引率を天野さんに交
代する。
12:20
航空保安検査。空港の入口で
保安検査が入る。
チェックイン。行きと同様に、
12:30
TICAD6 の影響か、ここでも長
蛇の列が。
出国審査。チェックインに時間が
13:20
かかり、搭乗時間にギリギリ間に
合う時間になる。
Nairobi 空港離陸。結局搭乗
14:00
時間も離陸も時間通りには行か
ず、十分に間に合う。ケニアでは
飛行機さえも Pole Pole。
20:00
Abu Dhabi 空港着陸。
搭乗ゲートへ。
21:00
22:15
Abu Dhabi 空港離陸。
38 
一般社団法人アフリカ開発協会
2016 年 8 月 31 日
13:20
成田空港着陸
13:40
入国審査
13:50
手荷物受取
税関を出て解散。残ったメンバー
14:00
で昼食を食べに行く。皆さんお疲
れさまでした!!
一般社団法人アフリカ開発協会
【ツアー参加学生のフィードバック】
参加者 1
始まりは、所属学科の教授から「ケニアに行く気はないか」という言葉でした。それまで海外への渡航経験
もない僕にとって、急にアフリカと言われても漠然とし過ぎて、何がどうなのか判断材料も何もありませんでし
たが、その時は、知らない土地に行けるということで、二つ返事で了承したのを覚えています。しかし、何も決
まってない状態で了承したので、その後の渡航までの準備に苦労したことも今では良い思い出です。
初の海外ということもあり、カルチャーショックの連続でした。食事や時間感覚、人柄など、日本との違いに
直面する度に、自分は違う国に来ているということを感じ、1週間ほどのケニア滞在も、体感時間ではもっと
長く思えました。今まで知らなかったものに触れると、もっと他の国に行ってみたいと思うようになり、そんな好
奇心も今回の渡航で得たものであります。
また、他大学のメンバーと交流できたことも刺激になりました。それぞれがそれぞれの思いで今回のイベント
に参加しており、様々な経験をこれまで積んできたメンバーとの交流を通して、自大学内で井の中の蛙にな
っていてはいけないと思いました。
YANIE 学生イベントという形で、アフリカで様々な人々と出会い、様々な経験をさせてもらいました。この
経験を糧に、別の形でもアフリカと関わっていけたらと思うことが出来たのが、一番の経験だったと思います。
参加者2
良かった点
スラム見学-旅行ではいけないようなところに行けたのが貴重な経験となりました。また、現地のスタッフさ
ん(元プロサッカーリーグ選手の男性の方。名前を忘れてしまい申し訳ないです)に案内してもらっている間
にたくさん個人的に質問などできたのがすごくよかったです。いわゆる、プロボノ?というのでしょうか、本来の仕
事とは別に自身のスキルなどを活かして、ボランティア活動を行う人に出会ったのがはじめてでした。自分自
身のキャリア設計にそのような選択肢が全く無かったので、自分の将来を考え直すよいきっかけとなりました。
なによりも、「将来はこの周辺に学校も建てて地域の教育を受けられない子達に教育の機会を提供した
い。そのためにも今の活動をもっと広げていきたい!」という彼の情熱に感動しました。私自身の人生のよい
ロールモデルになると思います。
NISSIN 見学-アフリカで働く日系企業を見られたのは本当に貴重な経験でした。現地のニーズにあっ
た商品開発を、なんてことは日本でも一般論としてよく聞く話でしたが、具体的に実際に経験者から話を聞
くのとでは大きな違いだったと思います。海外で働くことの大変さ、やりがいなどがわかり、良かったです。
40 
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日本人学生との交流ーこれは栃木で学生生活を送っているからかもしれませんが、自分の大学以外の学
生とあそこまで親睦を深められたのはこの四年間で初めてでした。大学によって学生ってこんなにも変わるん
だなと少し感慨深かったです。色々な話を聞けて自分にとってはすごく有益だったと思います。各大学一人
ずつというのが良い制度であったと思いました。
少し残念だった点
現地学生との交流-プレゼンテーションの前後で、もうちょっと学生同士の交流があったらよかったなと思っ
ています。合同の食事会や見学だけではシャイな性格のアフリカ人、日本人同士ではなかなか仲が深まりづ
らかったと思います。例えば、合同のワークショップを日本人とアフリカ人合同で行うなど、強制的に交流を促
すのも手じゃないかなと思います。自分自身、宇都宮大学でそのようなプログラムに参加した経験があり、
(台湾の長栄大学、韓国の Yeungnam University にそれぞれ 2 週間ほど滞在し、現地の学生と合
同でワークショップを行いました。ワークショップの内容は、あまり完成度の高いものではありませんでしたが、外
国の学生とそこまで密に活動したことがなかったので、貴重な経験でした)今でもお互いの国を行き来する
など、生涯の付き合いになるほど親睦を深められました。もちろん限られた時間の中でなかなか難しいと思い
ますが、お互い利害関係なしに共同で何かをするというのは、学生じゃないとできない経験なのではないかな
と考えています。
参加者3
満足した点として、YANIE を通じて、現地の様々な学生とお会いすることができました。彼らとネットワー
クを作ることができたのは財産です。加え、余暇に訪れたサファリはとても満足の行くものでした。また、スラム
見学も、現地の人々のコネクションがなければ、行くことも難しい貴重な機会であり、たいへん勉強になりまし
た。現地の子供との交流からも、学ぶことが大きかったです。
今後こうあるといい部分としては、日本からビジネス目的でナイロビに訪れている人々とお会いする機会が
もっとあればよかったと思います。加え、TICAD 本会議に出席することもできればより良かったと思います。ま
た、研修という形ではありましたが、もう少し、街を歩きたかったです。ナイロビの街がどのような街で、都市部
ではどのような生活をしているのか、ということについてもっと知りたかったと思います。
参加者4
本報告書は、今後行われるイベント、特に今回のサイドイベントに類するものにかつようされるものと考え、
いくつかのトピックに分類して作成する。
1)
日本出発前
日本のイベントにおいて我々学生にとってのピークはやはりプレゼンテーションにある。それに向けていくつか
の書類を作成したが、その書類が誰に向けてどのように公開・紹介されるものなのか不明瞭なものが多く、
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非常に戸惑った。これらの書類をまとめ、発行するのが現地スタッフらが主であったことによる行き違いもその
原因の一つかもしれないが、日本出発前の準備段階ではこういった「今、行っていることにどう使われるのか」
ということについてもう少し情報があれば、書類作成もより進めやすくなり成果の質の工場も期待できたと思
う。
2)
宿泊施設
我々がケニアでの滞在先としていた AICAD は、事前に聞いていたものやイメージしていたものよりはるかに
良質(日本人学生にとって)なものであった。スタッフは好意的に接してくださったし、割り当てられた部屋
は清掃が行き届いていた。また提供される食事も概ね満足できるもので、学生の部活やサークルの合宿所
としてよく使われる宿泊施設と遜色ない、あるいは AICAD の方が優れている場合もあったといえる。
3)
スマートシティ会議の参加
スマートシティに関するイベントにも参加した。アクセンチュア、日本気象協会など日本の組織の方々によ
るプレゼンテーションと参加者による質問がその主であったが、プレゼンテーションに関しては日本人である
我々にとってはよく知った内容で少々期待外れな面もあった。オーディエンスの現地大学教員とのディスカッ
ションは新たな気づきもあったので、このようなイベントにせっかく参加するのであれば、アフリカの人々によるプ
レゼンテーションを聞けるようなイベントに参加した方が得られるものは大きかったのではと考える。
4)
プレゼンテーション
日本人学生のプレゼンテーションとアフリカ人審査員の方々の求めるものに乖離があった。事前の説明で
は日本人学生には「イノベーション」というテーマが必ずしも求められていなかった。しかし質疑応答では審査
員によるイノベーションに関する質問が多かった。1)でも記述したように、プレゼンテーションが誰に向けて
行うもので、どのような人物が審査を行うかについての情報共有があればプレゼンテーションの質も上がっただ
ろうし、審査員の期待するものにより近いものを作り上げることは可能であったと思う。
5)
市街視察
市街の視察は今回のケニア研修で最も興味深いものであった。現地 NGO 法人の活動紹介も興味深
いものであったし、その後のまちあるき、一般的な家庭や居住区の見学は、めったに体験ができるものではな
く、学ぶことが多々あった。参加者の安全を考慮すると容易なことではないが、このような企画は海外渡航
経験の少ない私のような学生にとって非常に有難いものだと思う。
42 
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参加者5
満足した点
今回の TICAD6 サイドイベント・YANIE への参加を通じて、非常に貴重な体験をすることが出来まし
た。イベントのみならず、市内観光やサファリツアーも充実していたと思います。また、自分だけ別日程での滞
在となりいろいろとご面倒をおかけしたと思いますが、親切に対応してくださって本当に助かりました。
改善点、要望
提出物の期限がぎりぎりになることが多かったので、もう少し余裕を持って告知していただきたかった。
アフリカ開発協会(もしくは毎日新聞)の撮影された写真の中で、集合写真などあればシェアしていただき
たい。
参加者6
事前イベントで中間発表を行う機会がせっかくあったので、あの場でフィードバック等を頂けると本番のプレ
ゼンテーション作成に生かすことができたかなと思います。また、サイドイベント本番では、より具体的な講評
を頂きたかったです。テーマの近い学生の方と同じグループにして頂けたりすると、今後のプロジェクト案の改
善・実行を考える上で役立ったかと思います。また、他のサイドイベントなどに参加する機会がもう少しあると
嬉しかったです。
ただ、今回のサイドイベントを通して、アフリカの現地の学生と交流し、お互いのプロジェクトについて意見交
換する機会を持つことができた点には、本当に満足しています。審査員の皆さんも、発表の内容を真剣に
審査してくださり、質疑応答の内容が今後のプロジェクト案の実行を考える上で有意義なものとなりました。
また、スラム訪問も、自分ひとりではなかなか入り込めない部分まで見せていただき、良い経験となりました。
全面的にイベントへの参加費用を負担していただき、本当に助かりました。アフリカは自費で行くには少し
遠すぎるため、このような機会を作っていただけたことに心から感謝しております。本当にありがとうございまし
た。
参加者7
今回ケニアに行くにあたって治安の面で不安がありましたが、宿泊した大学施設はセキュリティーもしっかり
しており安心して過ごすことができました。また、施設にはウォーターサーバーがあり毎日ミネラルウォーターが
支給されたのも助かりました。ご飯も美味しく滞在期間中体調を崩すことなく過ごせました。
プレゼン以外にもサファリ体験やマサイ族の村訪問など、ケニアの自然や文化を感じることができ、大学で
アフリカを専攻している私にとって非常に貴重な経験ができました。
一般社団法人アフリカ開発協会
一方で、事前に提出したプレゼンのサマリーシートが全く使用されていなかったのは非常に残念でした。ま
た、本番前に会場で一度練習できればよかったと思います。
他の日本人学生のプレゼンは非常に専門的で具体性もあり、またアフリカ側のプレゼンも実践的なもの
ばかりでした。それに比べ私のプレゼンは具体的な提案に欠けたものになってしまい、これからの課題が見つ
かりました。今回の経験を自分の学習につなげたいと思います。
参加者8
良かった点
プレイベントでは、タンザニア前大統領のお話しを聞くだけでなく、目の前でスピーチする、という大変貴重
な機会を頂けたことは、素晴らしい経験となりました。また、本イベントでも、多くの聴衆がいる中でプレゼンを
した事は、当時は緊張しましたが、振り返れば自身の成長に大きく繋がったと思います。
多くのアフリカ人学生と交流できた事もとても良かった点です。文化や生活、彼らの夢などを聞くことがで
き、良い異文化交流となりました。
今後こうあるとよい点
ケニアでのスケジュールやスピーチの目的・内容等をもう少し早く、具体的に教えていただけると良かったで
す。また、プレゼンテーションのブラッシュアップを皆で行ってもよかったかと思います。
大学内の施設での自由時間が多かったので、現地で動いている日系 NGO・NPO や JICA 協力隊、
日系企業を訪問し現地のことを教えてもらったりできれば、より現地ならではのことを知れたかと思いま す。
参加者9
私は今回 TICAD6公式サイドイベント YANIE に参加させていただきました。満足した点としては二つ
あります。一つ目は自分自身のモチベーションが大きく上昇したことです。ここに参加するうえで、もちろんいろ
いろなことを調べ準備していましたが現地の大学生と意見交換をすることで何が本当に必要でどういったこと
を求められているのかをしっかりと感じられ今後いろいろな活動をしたいと強く思いました。さまざまな独創的か
つ現地の人ならではのアイデアが聞けたのは刺激的でした。二つ目は一緒に行った日本人のメンバーとの交
流です。大学などでもディスカッションなどの機会はありますが自分よりも専門性がはるかに高くまた実績のあ
る方たちでしたのでこれからの指針としてどういう目線でどういった研究をしていくのが大事なのかを多角的に
学ぶことができました。今後の改善点ですが会場の設備や集客などの点があると思います。具体的にはスラ
イドの大きさや操作方法など少し事前に用意ができていればより良い発表ができたのではないかと思いまし
た。
44 
一般社団法人アフリカ開発協会
参加者10
今回のケニア渡航への参加は貴重な体験の連続であり、有意義な時間を持つことができたと感じていま
す。特にジョモ・ケニヤッタ農工大学でのサイドイベントでは、同世代の学生のプレゼンテーションを通して、互
いにどのような未来を描いているのかを垣間見ることができたためとても興味深かったです。プレゼンテーション
に限らず、現地学生の研究のブースにおいても多様なジャンルのものを見ることができ、面白く見学していま
した。しかし、現地学生との交流が予想していたより出来ず、より多くの学生と意見の交換をしておくべきだっ
たと後悔しています。また、TICAD 開催に伴って他のサイドイベントが開かれている中、それらの見学だけで
もできなかったことはもったいないように感じます。
TICAD の本会議を見学できなかったことが心残りではありますが、サイドイベントだけではく、NISSIN や
aspire sport 訪問、観光までもでき、とても満足しています。それに加えて、参加者が学部生から院生ま
でだったためイベント以外の場所でも刺激を受けることができたため面白かったです。ありがとうございました。
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TICAD VI:要人との意見交換ほか
NISSHIN JKUAT 工場着工式
エリトリア外相、エリトリア大使
コートジボワール外相
ケニア大使
ケニア産業大臣
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NPAD 池亀氏、イキアラ氏
ケニア豊田通商 アオリ氏
オグトゥ TICAD 担当大使
ケニア前エネルギー大臣
ソマリアデレゲーション
逢沢 AU 議連会長
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トーゴ大統領
レソト首相
ギニア大統領
ベナン大使夫妻
アンゴラ経済大臣
タンザニアエネルギー鉱物大臣
48 
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タンザニア通信科学技術大臣
タンザニア財務計画省局長ほか
タンザニアアジア局長
タンザニア観光資源大臣
在タンザニア日本人の皆様との夕食会
前タンザニア駐日大使
一般社団法人アフリカ開発協会
ジブチ投資大臣
ジブチ外務大臣
ジブチ国民議会議長
ジブチ設備運輸大臣
ジブチ沿岸警備隊長官
ジブチ・ディキル県知事
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報道資料
毎日新聞 7 月 14 日朝刊
YANIE プレイベント「アフリカと日本」
Daily Nation 紙 Web 版 8 月 27 日
一般社団法人アフリカ開発協会
52 
一般社団法人アフリカ開発協会
Wednesday Pictrial 紙 9 月
People Daily 紙 9 月 19 日
一般社団法人アフリカ開発協会
毎日新聞 9 月 29 日
54 
一般社団法人アフリカ開発協会
2016 年 10 月
一般社団法人アフリカ開発協会
事務局 長谷川仰子 佐藤正幸
〒102-0094
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