川内原発>設置変更許可、異議申し立て棄却 毎日新聞 12月14日(月)

<川内原発>設置変更許可、異議申し立て棄却 毎日新聞 12月14日(月) 19時53分原子力規制委員会は、九州電
力川内原発(鹿児島市薩摩川内市)が新規制基準に適合したとする設置変更許可に対する市民や団体の異議申し立てを
棄却した。棄却は11日付。申立人の代表が14日、福岡市で記者会見して明らかにした。全国の各原発を巡り十数件ある
同様の異議申し立てで規制委の決定は初めて。再稼働に反対する全国の約1500人が行政不服審査法に基づき申し立
てていた。決定書によると、規制委が避難計画の実効性を検証していないなどとする訴えに対し、「避難計画は地方公共団
体が必要な措置を講じ、規制委の審理の対象とならない」などと判断した。申立人代表の青柳行信さんは「規制委は判断
から逃げ、存在意義がない」と批判した。今後、決定書を申立人全員に送り、6カ月以内に提訴するか判断するという。【関
東晋慈】
<高浜原発>滋賀県と関電が安全協定へ 毎日新聞 12月14日(月) 18時38分関西電力高浜原発(福井県高浜町)に
ついて、滋賀県の三日月大造知事は13日の記者会見で、年内にも関電と原子力安全協定を締結する方針を明らかにした。
協定の内容は「関電と協議中」として説明しなかった。同県は高島市の一部が高浜原発の30キロ圏内で、立地自治体並み
の関与を求めているが、協定には再稼働の同意権は含まれない公算が大きい。滋賀県は東京電力福島第1原発事故後の
2013年4月、30キロ圏内にある福井県の美浜、大飯、敦賀原発などを対象に、関電や日本原子力研究開発機構と協定を
結んだ。再稼働の同意権はない。高浜原発の30キロ圏に入るのは高島市北部の山間部で、住人がいないことなどから、関
電との協議が難航していた。三日月知事は「私たちの考えがすぐに全て通らない現実とどう向き合うかを検討した」と述べ、
同意権が含まれないことを示唆した。一方で「原発事故に関する多重防護体制が確立していない」として、新規制基準に合
格した高浜3、4号機の再稼働は容認できないとの考えを強調した。30キロ圏内に7市町が入る京都府は今年2月、炉の新
増設や事故炉の再稼働に際し、府の意見表明権や関電の回答義務を明記した協定を結んだが、同意権は盛り込まれなか
った。高浜原発は再稼働に向けて3、4号機の地元同意手続きが進み、運転開始から40年がたった1、2号機は関電が運
転延長を目指している。【北出昭】
処分場建設反対を表明…宮城県の3市町・千葉市 読売新聞 12月14日(月) 16時37分東京電力福島第一原発事故
で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分場(長期管理施設)の候補地となっている宮城県の3市町や千葉市が建
設反対を環境省に伝えた。井上信治・環境副大臣は引き続き協議を続ける考えを示したが、地元自治体の反対で処分計
画の難航が予想される。宮城県内の候補地となっている栗原市、加美町、大和町は13日、環境省が市町村長を集めて仙
台市で開いた会議で、3市町一致して候補地を返上する考えを表明した。加美町は建設反対を明確にしてきたが、栗原市
と大和町はこれまで、建設へ向けたボーリング調査について「3市町同時の実施」を条件に容認する姿勢だった。栗原市の
佐藤勇市長は、加美町の反対などで計画が進まない現状に「これ以上は我慢できない」として調査も受け入れない考えを
示した。また、千葉市の熊谷俊人市長は14日、同市役所で井上副大臣と面会し「(建設に向けた)調査の実施は受け入れ
られない」と述べ、建設への反対を正式に表明した。同省が今年4月、同市中央区の東電火力発電所内を建設候補地に
選定したのに対し、市は6月、自治体ごとに分散保管するよう求める申し入れを行っていた。
原発協定「早期締結目指す」
滋賀知事と高島・長浜市長が確認 京都新聞 12月14日(月) 13時47分関西電力が再
稼働を計画している高浜原発3、4号機(福井県高浜町)をめぐり、滋賀県の三日月大造知事、高島市の福井正明市長、長
浜市の藤井勇治市長が13日会談し、関電との安全協定について早期締結を目指す方針を確認した。立地自治体並みの
権限を盛り込む協定が困難な現状を受け、今後、締結内容について詰めの協議を進める。3氏は同日、大津市の県公館
で意見交換会を開き、非公開で約1時間、話し合った。会合後の記者会見で三日月知事は、立地自治体並みの同意権が
必要との立場で県と2市は一致していると強調した上で、「私たちの考えが全て、すぐに通らない現実とどう向き合うか検討
しなくてはならない」と述べた。締結の時期は触れず、「何らかのかたちで結び、今後につなげる必要性も議論した。(関電
から)最終的に出てくる中身で判断したい」との考えを示した。高浜原発30キロ圏には高島市の一部が入るが、高浜町には
隣接していない。福井市長は「境界で区分すべき問題ではない」と指摘。長浜市が、美浜原発のある福井県美浜町と隣接
していない条件でも関電と安全協定を結んだ例があり、「『隣々接』の協定をスタートにして必要の都度、見直せばよい」との
見解を示した。
山田京都知事、経産副大臣を訪問
高浜再稼働で広域調整を要請 京都新聞 12月14日(月) 13時0分高浜原発の再
稼働をめぐり、京都府の山田啓二知事は14日、高木陽介経済産業副大臣を訪問し、事故時の避難における混雑回避など
広域的な調整を求め、これに伴うインフラ整備への財政支援も要請した。高浜原発で事故が発生した場合に備え、国と府、
滋賀県、福井県などが避難計画を協議しているが、避難時に混雑の発生が懸念されている。山田知事は「バスの要員確保
や、また福井から車で来る人が多いと想定され、できる限り調整してほしい」と訴えた。舞鶴市の大浦半島の例を挙げ、避難
路整備にかかる財政支援の必要性も強調した。原発事故時に甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤配布についても、医師や
運搬道の確保に協力を求めた。高木副大臣は「高浜原発再稼働を進める上で、避難の問題や府民の懸念をしっかり受け
止め国が前面に立って解決する」と述べた。また、原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設計画については、府内への立
地にあらためて反対を伝え、「国が責任を持ってやるべきだ」とした。
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【汚染焼却灰】処分場受け入れ拒否
千葉市長「これが最終回答だ」
環境副大臣に伝達 ちばとぴ by 千葉日報 12月
14日(月) 12時4分環境省が東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質を含む指定廃棄物の処分場候補地に東京電
力千葉火力発電所(千葉市中央区)の敷地を選定した問題で、井上信治副大臣と市役所で面会した千葉市の熊谷俊人市
長は14日、「受け入れることはできない」と述べ、処分場受け入れを明確に拒否した。その後の記者団の取材に熊谷市長は
「これが最終回答だ」と強調した。同日、井上副大臣は、6月に市が申し入れていた廃棄物の各排出自治体での分散保管
に向けた再協議要請に回答するため、熊谷市長を訪問。回答内容は、従来と変わらず、廃棄物を1カ所に集約するため候
補地の詳細調査を進める方針を堅持するというものだった。回答書を受けて熊谷市長は「当初の国の案と何ら変わらず、市
の申し入れや市民の意見が考慮されていない」と指摘。拒否の理由として、選定経緯などについて十分な情報開示がされ
ていないことを挙げた。また市長は、市内の指定廃棄物の放射能濃度が時間経過により8000ベクレル以下にまで減衰して
いると推測され、「実質的に指定廃棄物が市内にない」ことも理由とした。同省による候補地選定作業では、1キロ当たり800
0ベクレル以上の指定廃棄物の自治体ごとの保管量も選定基準となっていた。
<女川原発>再稼働
知事「意見聞き判断」 河北新報 12月14日(月) 11時45分
宮城県議会11月定例会は11日、
一般質問最終日を行った。村井嘉浩知事は、東北電力女川原発(女川町、石巻市)が原子力規制委員会の新規制基準に
適合した場合の再稼働への同意について「さまざまな意見を聞いて判断する」と答弁した。東京電力福島第1原発事故で
発生した県内の指定廃棄物を福島県の最終処分場で処理するよう求める声が出ていることについては「昨年、内堀知事に
断られた。(処理能力的にも)宮城分の受け入れは難しい」と可能性を否定した。環太平洋連携協定(TPP)の発効で懸念さ
れる1次産業への打撃に関し、「国がまとめる経済効果分析も踏まえ、新市場開拓のメリット活用と1次産業の経営安定化に
努める」と答弁。9月の宮城豪雨で浸水被害が出た七北田川の赤生津大橋上流部(仙台市泉区)の氾らん危険のある河川
への指定見通しについて、村井知事は「市の要望もあり、年度内に行う」と答えた。質問は遠藤隼人(自民党・県民会議)太
田稔郎(みやぎ県民の声)相沢光哉(自民党・県民会議)福島一恵(共産党県議団)の4氏。
避難計画に疑問の声絶えず
手順や課題、東通と共通/川内原発ルポ デーリー東北新聞社 12月14日(月) 9時0分
東京電力福島第1原発事故後に施行された新規制基準の下、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)は11日、1号機
が全国初の再稼働から4カ月を迎えた。2号機も間もなく2カ月の節目だが、重大事故に備えた避難計画の実効性には今も
疑問の声が絶えない。地域経済活性化への期待と事故の備えに対する不安が交錯する中、地元の高揚感は鳴りを潜める。
デーリー東北新聞社などで組織する地方新聞エネルギー研究会の現地視察に参加し、再稼働を取り巻く現状を取材した。
計画は具体的かつ合理的だ―。政府の原子力防災会議は昨年9月、同原発の半径30キロ圏に入る9市町(約21万4千人)
の避難計画に対し、こうお墨付きを与えた。同計画は事故が起きた際、自家用車やバスを使い、まずは5キロ圏の住民を避
難させた後、屋内退避していた5~30キロ圏の住民を放射線量に基づいて段階的に避難させる。避難先は県内外10以上
の自治体に及ぶ。こうした手順は、東北電力東通原発(東通村)の事故に備えた青森県の避難計画と共通している。「交通
渋滞が起きないのか」「非常時に整然とした避難ができるのか」と根本的な課題を抱える構図も似ている。一方、川内原発
では一般の住民避難に加え、自力避難が困難な要支援者対策も重要課題となっている。30キロ圏の医療・福祉施設は通
常、市町村とは別に独自の計画策定が求められ、青森県でも9割超の施設が避難先の選定を終えた。しかし、鹿児島県は
「30キロ圏の計画は現実的ではない」(伊藤祐一郎知事)との理由で10キロ圏内に対象を絞り、10~30キロ圏の227施設に
ついては候補先リストを入力した県の「調整システム」に基づいて事故後、初めてマッチングが行われる仕組みだ。既に大
勢の患者や入所者がいる避難先に、避難住民を受け入れる余裕があるのかや、健康状態に応じた車両を確保し、交通渋
滞の中でも無事たどり着けるのかなど課題が山積している。「実効性に尽きぬ疑問」。川内原発1号機が再稼働した翌日の
地元紙にはこんな見出しが躍った。再稼働の前提条件に不可欠だったはずの避難計画の実効性は“状況次第”の危うさと
紙一重にある。川内原発から東に約5キロ離れた市内でデイサービスなどを運営する「わかまつ園」の浜田時久園長は「ここ
は、将来の過疎化を懸念して地元の要望で作られた施設。再稼働した以上、絶対に事故を起こさないでほしい」と訴える。
高浜原発の安全協定締結が急務~滋賀県 毎日放送 12月14日(月) 6時13分滋賀県の、三日月知事は、福井県に隣
接する高島市と、長浜市の市長と意見交換し、関西電力が、再稼働を目指す高浜原発についても、安全協定の締結が急
務である、と確認しました。滋賀県の三日月知事は、13日高島市の福井市長や、長浜市の藤井市長と意見交換しました。
美浜原発や大飯原発などについて、関西電力と既に結んでいる安全協定について高浜原発に関しても締結を目指すこと
を確認、再稼動の同意権を持つ立地自治体並みの権限を求めていくとしています。「多重防護体制の確立がない環境に
おいては、原発の再稼動は容認できる環境にない」 (滋賀県
三日月
大造知事)
高浜原発の3号機と4号機につい
ては、今年4月福井地裁が、再稼動を認めないとする仮処分決定を出し、再稼働できない状態が続いています。
宮城3市町「候補地返上」=指定廃棄物処分場で会議―環境省 時事通信 12月13日(日) 19時7分
東京電力福島第
1原発事故で出た放射性物質を含む指定廃棄物の宮城県内での処分場建設をめぐり、環境省は13日、仙台市で、県内の
市町村長を集めた会議を開催した。会議では、処分場の候補地となっている栗原市、大和町、加美町が「候補地を返上す
る」と表明し、白紙撤回を求めた。これにより、同県内の処分場建設は不透明な情勢となった。環境省は3候補地について、
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現地の詳細調査を行った上で一つに絞り込む方針だった。しかし、加美町の強い反対で、2年連続で調査の越年が決定。
栗原市と大和町は調査の実施は受け入れる方針を示してきたが、進展がないことを批判し、「これ以上我慢できない。今後
は詳細調査も一切受け付けない」(佐藤勇栗原市長)などと訴えた。井上信治環境副大臣は、過去の市町村長会議の議論
で調査実施が決まった経緯などを踏まえ、候補地返上は容認できないとの考えを強調しつつ、「厳しい意見を受け止め、丸
川珠代環境相とも相談の上、今後の方針を回答したい」と述べた。宮城県の村井嘉浩知事は、同省の回答を待って改めて
市町村長会議を開き、県としての意見をまとめる意向を示した。同省は、指定廃棄物が大量に発生した宮城、福島、茨城、
栃木、群馬、千葉6県に、それぞれ処分場を設ける計画だが、地元自治体が計画を容認した福島を除き難航している。
<最終処分場>宮城3候補地「返上」表明 河北新報 12月13日(日) 18時25分東京電力福島第1原発事故で発生した
指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省は13日、8回目となる宮城県内の市町村長会議を仙台市で開いた。栗原、
大和、加美の3市町長がそろって候補地を返上する意向を訴えた。環境省は従来通り3市町で現地調査を行う方針に理解
を求めた。佐藤勇栗原市長は現地調査着手が2年連続で越年することについて「これ以上我慢できず、返上する。今後現
地調査は一切受け入れない」と強調。浅野元・大和町長も同様の考えを述べた。猪股洋文加美町長は県内処分を断念し、
福島県飯舘村の仮設焼却施設で処分することを提案した。井上信治副大臣は「市町村長会議で議論を重ねて決めた(県
内処分の)方針を貫きたい」と繰り返しながら、打開策があるか検討する考えを示した。今後について首長からは、村井嘉浩
知事に県主催の市町村長会議開催を求める声が出た。村井知事は「今回の会議を踏まえた環境省からの回答を待ち、そ
の上で集まってもらいたい」と前向きな姿勢を見せた。
<楢葉中>新校舎で1日だけの授業 河北新報 12月13日(日) 13時5分福島県楢葉町がいわき市に設けた仮設校舎
に通う楢葉中の2、3年生約45人が12日、町内にことし2月に完成した新校舎で1日だけの授業を受けた。町は東京電力福
島第1原発事故に伴う避難指示が解除されたが、町内での学校再開は2017年4月に決まっている。2、3年生は新校舎で学
ぶことができないため、町教委が企画した。多目的ホールで、伊藤浩樹校長が「皆さんは本来ならこの校舎で学ぶはずだっ
た。母校となる校舎を味わってほしい」とあいさつ。生徒らは、木をふんだんに使った真新しい校舎を見て回った後、町教委
の元職員から町の歴史について講義を受け、昼食も楽しんだ。生徒は現在、プレハブ校舎で学んでいる。「体育館の広さ
や高さが全然違う。木の香りもいい」と3年の渡部秋宣君(15)。2年の早川真以さん(14)は「全てが立派。通えないのは残念
だけれど、後輩たちはこの校舎で明るい学校生活を送ってほしい」と話した。楢葉町の中学生は約250人で、うち66人が楢
葉中に通う。町は町内で学校を再開する際、当面は中学校校舎で小中学生が一緒に学ぶ方針を打ち出している。
<日印原子力協定>安倍首相「不拡散推進の日本と合致」
毎日新聞 12月14日(月)19時50分配信
安倍晋三首
相は14日、東京都内で講演し、インドのモディ首相との会談で原子力協定締結に原則合意したことについて、「国際的な
不拡散体制にインドを実質的に参加させることにつながる。核兵器のない世界を目指し、不拡散を推進する日本の立場に
合致する」と意義を強調した。しかし、今後の事務レベル協議で原子力の平和利用を担保したい日本に対し、インドは首脳
会談で「結論に達した」と受け止めており、正式合意に向けた両国の温度差が早くも表面化している。政府は原発輸出を可
能にする原子力協定の早期締結を目指してきたが、インドが核拡散防止条約(NPT)に加盟していないことを踏まえ、安倍
首相が12日の会談でモディ氏に「インドが核実験を実施した場合は協力を停止する」と伝えた。ただ、今回の首相訪印で
協定文書は固まらず、軍事転用が懸念される使用済み核燃料の再処理問題も今後の協議に委ねられた。外務省は「協議
で日本は妥協していない。インドが降りた」(幹部)と強気だが、「合意をどう表現するか迷い『原則合意』にとどめた。まだ詰
めるところが残っている」(政府関係者)という指摘もある。一方、インドは首脳会談で懸案事項はすべて解決したという立場
だ。ジャイシャンカル外務次官は会談後の記者会見で、同国が核実験の一時停止(モラトリアム)を宣言していることなどを
理由に「(日本側に)どうして懸念があるのか分からない。主要な問題ではない」と述べた。再処理問題についても「なくては
ならない計画だ」と譲歩しない姿勢を示した。インドは核を保有する中国、パキスタンとの領土問題を抱えており、核政策で
妥協する余地は少ない。協定文書の文言調整には時間がかかる見通しで、協定案の来年の通常国会への提出は難しそう
だ。【野口武則、ニューデリー金子淳】
インドを核不拡散体制に=安倍首相、原子力協定の意義強調
時事通信 12月14日(月)11時52分配信
安倍晋三
首相は14日、内外情勢調査会の講演で、核拡散防止条約(NPT)に未加盟のインドと原子力協定締結で原則合意したこと
について、「国際的な核不拡散体制にインドを参加させることにつながる」と述べ、意義を強調した。菅義偉官房長官は同
日の記者会見で「仮に核実験が行われた場合は日本側の協力は解消する」と説明。その上で「NPTを重視する立場は全く
変わらない。機会あるごとにインドにNPT加盟を強く働き掛けており、今後も働き掛けを強めていく」と述べた。
日印協定「核不拡散に合致」=岸田外相
時事通信 12月13日(日)16時47分配信
岸田文雄外相は13日、核拡散
防止条約(NPT)未加盟のインドと原子力協定締結で原則合意したことに関し「核の不拡散を推進するわが国の立場にも合
致する」との認識を示した。協定締結により「インドを実質的に国際的な核不拡散の枠組みに参加させることが可能になる」
とも強調した。広島市内で記者団の質問に答えた。
高速増殖炉「もんじゅ」廃炉で脱原発を
ニュースソクラ 12月14日(月)18時0分配信 建設費などに1兆円、維持管理だ
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けで年間200億円のむだ
戦後日本のエネルギー政策の根幹に位置づけられてきた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)の存
廃を巡る議論が活発化してきた。直接のきっかけになったのは、原子力規制委員会が11月13日、安全管理の不備が相次
いで見つかった「もんじゅ」に対して、運営主体の日本原子力研究開発機構に代る新たな運営主体を探すように馳浩文部
科学相に勧告したことである。回答期限は半年後とした。所管する文科省は新たな移転先を探さなければならないが、専門
知識、技能が必要なため、受け皿が見つからない場合は、国策で開発してきた「もんじゅ」の廃炉も視野に入れなければな
らなくなってきたのである。通常の原子力発電(原発)は燃料のウランが核分裂した際に発生する中性子の速度を落とし核
分裂の連鎖反応を起こして発電機を回し電気をつくる。これに対し、高速増殖炉は名前の通り、中性子の速度を落とさず,
「高速」の状態を維持する。ウランに高速の中性子があたると、使ったプロトリウム以上に多くのプルトニウムが「増殖」する。
実現すれば、貴重なウラン資源を有効に使えるため、「夢の原子炉」と呼ばれ、日本では1950年代から実用化を目指して開
発に取り組んできた。石炭、石油などのエネルギー資源の多くを海外に依存している日本にとって、自前のエネルギーを確
保し、エネルギーの安全保障体制を構築することは国家的課題だった。そのため戦後の日本は、先端科学技術の賜物で
ある原発の開発、実用化を国是として推進してきた。その中心となる考え方が「核燃料サイクル事業」である。核燃料サイク
ル事業は2つのルートで進められてきた。一つは現状のサイクルである。電力会社がウラン燃料で電気をつくる通常の原発
は、電気をつくった後に大量の使用済み核燃料が発生する。この使用済み核燃料を青森県・六ヶ所村にある再処理工場
に運び、燃料に使えるプルトニウムを再生する。再生したプルトニウムとウランを混ぜてつくった燃料(MOX燃料)で原発を
動かす(プルサーマル発電)方法で、すでに一部で実用化されている。これに対し、高速増殖炉は発電しながら消費する
以上のプルトニウムを生み出す原子炉だ。「もんじゅ」の建設工事は85年に始まり91年に完成した。高速増殖炉の原型炉で
出力は28万キロワット(KW)。95年8月から発電を開始したが、順風満帆とはいかなかった。実用化に当たっては克服しなけ
ればならない様々な技術上の高い壁がそそり立っている。たとえば炉心を液体ナトリウムで冷やすが、ナトリウムは水と触れ
ると爆発するため、安全に運転するための細心の注意が必要だ。それにもかかわらず、同年12月にナトリウム漏れ事故を起
こし運転を停止した。それ以来「もんじゅ」ほとんど動いていない。これまでに建設と維持管理に1兆円が投入されてきた。停
止中の年間の維持管理だけでも200億円の国費が投入されている。将来の見込みも立っていない。一方、欧米の動向を見
ると、安全性と技術上の困難さから、高速増殖炉に取り組んできたドイツは91年に、英国は94年に撤退、フランスも98年に
実証炉を閉鎖した。米国は元々基礎研究に止め、実証炉に取り組んでいない。原子力規制委員会の勧告が契機となり、問
題山積で、将来展望もない「もんじゅ」は廃炉にすべきだ、との意見がエネルギー専門家などの間から起こってきている。と
ころで、プルトニウムは原爆の主要な原料でもある。日本は使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し再処理が出来る唯
一の非核保有国だ。プルトニウムを核兵器に転用せず、平和目的だけに利用することを条件に、日本はアメリカの協力を得
て研究・開発を推進してきた。それを定めているのが日米原子力協定だが18年に期限を迎える。すでに日本が保有するプ
ルトニウムは約48トンに達し、余剰になっている。危険なプルトニウムを大量に保有する日本に対して国際的に疑惑の声が
投げかけられている。日本は、福島原発事故以後、原発への不信感が強まっている。この際、様々な問題を抱える「もんじ
ゅ」を廃炉にし、それを機に、日米原子力協定の廃止を含めこれまでの原子力政策を根本的に見直し、脱原発へ向け大き
く日本のエネルギー政策の舵を切り換える時期がきているのではないだろうか。三橋規宏 (経済・環境ジャーナリスト、千葉
商科大学名誉教授)
原発停止
地元67社「影響ない」
柏崎刈羽原発
本社調査
新潟日報2015年12月14日
東京電力柏崎刈羽原発が地域経済に与えた影響や貢献度を調べる目的で、新潟日報社は
12日までに、地元企業100社を無作為抽出して聞き取り調査を行った。現在、柏崎刈羽原発は
全7基が停止中だが、3分の2の企業が、全基停止による売り上げの減少について「ない」と回答
し、経営面への影響を否定した。1号機が運転を始めてからことしで30年となったが、原発関連
の仕事を定期的に受注したことがあると答えた地元企業は1割余りにとどまった。30年間で会社
の業績や規模が「縮小」したとの回答が4割を超え、原発の存在が地元企業の成長にはつなが
っていない実態も鮮明になった。東電福島第1原発事故後、柏崎刈羽地域では、原発が約3年
9カ月にわたって停止している。このため、経済界を中心に地域経済への影響が指摘されてい
る。地域経済活性化への期待から原発の早期再稼働を求める声があるが、柏崎刈羽原発の再
稼働が地域経済を大きく押し上げる原動力となるかどうかについては、疑問符が付く結果となっ
た。調査によると、原発の長期停止によって売り上げが減少していると答えた社は33社で、減少はないとする社は67社に
上った=グラフ(上)参照=。売り上げが減少したと回答した33社のうち、具体的な減少幅について1社が「5割」と答えた。
次いで6社が「1~3割」とし、それ以外は「1割未満」「分からない」などだった。また、原発の再稼働をしてほしいかとの問い
には、66社が「はい」と答え、「いいえ」が16社、「判断できない」「どちらでもいい」が合わせて18社だった。原発関連の仕
事を定期的に受注したことがあるという社は14社、何回か受注したことがある社は20社で=グラフ(下)参照=、合計しても
全体の3分の1にとどまった。1号機営業運転開始から30年間で、会社の業績や規模がどう変化したかとの問いには4割余
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りが「縮小した」と答え、「拡大した」を上回った。特に原発の恩恵で拡大したという企業は少なく、原発が地元企業の成長に
ほとんど結びついていない実態も浮かび上がった。調査は柏崎商工会議所の会員などを対象に10~11月に実施。柏崎
刈羽原発1号機が営業運転を始めた1985年以前に創業した企業を対象に、柏崎市の産業別就労人口(2010年国勢調
査)の割合に応じて産業別にコンピューターで無作為抽出した。柏崎刈羽原発の再稼働に向けた国の審査が進んでいま
す。2016年3月11日で東電福島第1原発事故から5年となるのを前に、原発をめぐる課題をあらためて多角的に検証し、
県民とともに原発の必要性を考えていきます。◎経済効果の検証必要
柏崎刈羽地域の地元企業100社調査では、原発
が地元企業に及ぼす経済効果は限定的であることが浮き彫りになった。東京電力福島第1原発事故後の原発再稼働論議
では、九州電力川内原発など各地で、「長期停止で地域経済が疲弊している」という説が自明の前提のように語られてきた。
そうした説は具体的な根拠に基づかない“神話”だったと捉えることができる。柏崎刈羽地域が原発を誘致したのは、地域
経済活性化への期待だった。6月、柏崎商工会議所が中心となり、柏崎市議会に提出した早期再稼働を求める請願は「運
転停止による負の影響が市内全業種に及んでいる」と強調されていた。ただ、原発が地元企業の経営にどの程度影響して
いるのかという調査事例は少なく、原発立地地域では、原発と地域経済は密接な関係にあると考えられてきた。しかし、今
回の調査では立地地域でも、経営上、原発関連の仕事に大きく依存する企業は少ないという結果が出た。柏崎刈羽原発6、
7号機は、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査が終盤に入っており、来年は再稼働論議が本格化するとみられる。
原発は地域経済の発展に貢献するのか。そもそも原発は必要なのか。今後、これらを議論するためには、冷静かつ正確な
現状把握と、事実の客観的な分析から始める必要がある。
関西電力、次世代電力量計の導入台数が500万台突破 電気新聞2015/12/14
関西電力によるスマ ートメーター
(次世代電力量計)の設置台数が、11日に累計500万台を突破した。同社では他社に先駆けて2008年から導入を進めて
おり、22年度までに約1300万台の全数を設置する計画。現時点で4割近い導入率は電力10社でもトップを誇る。関電で
は同時にスマートメーターから取得する30分ごとの検針値を活用した取り組みを進めており、11月には家庭用顧客向けの
省エネルギーアドバイスを開始するなど、新サービスの創出にも力を入れている。関電が導入しているスマートメーターは3
段構造のユニット式で、ユニットごとに抜き差しが可能になっている。取り換え作業の安全性や効率性が高く、将来の機能
追加や通信技術の高度化にも柔軟に対応できることから、先行して導入に取り組んできた。
フィンランド規制当局:オルキルオト3号機用原子炉容器に問題がないことを確認
原産新聞2015年12月14日
フィンラ
ンド放射線・原子力安全庁(STUK)は12月10日、オルキルオト原子力発電所で建設中の3号機(OL3)に設置された原
子炉容器(RV)鋼材の品質について、事業者のティオリスーデン・ボイマ社(TVO)が提出した報告書の結論を承認したと
発表した。OL3と同じアレバ社製「欧州加圧水型炉(EPR)」設計を採用したフランスのフラマンビル3号機(FL3)では、RV
上蓋と下鏡の鋼材組成に異常が見つかったが、TVOは報告書の中で、OL3のRVは日本製鋼所(JSW)がFL3のRVとは
異なるプロセスで鍛造したものであり、加圧器を含むその他のOL3用1次系機器と同じく、安全要件をすべて満たしている
と明言。これによりSTUKは、OL3用RVの物質特性にはFL3と同様の異常が見られないこと、安全運転上問題のないこと
を確認した。今年4月に建設中のFL3のRVで異常が発見された後、STUKはOL3で潜在的に同じ問題が存在するか報
告するようTVOに指示。TVOは評価作業の第1段階として、RVと加圧器に関する結果を6月に報告した。日本製のRVに
問題は無かったとする一方、加圧器はFL3用RVを製造したフランス・アレバ社傘下のクルーゾー・フォージ社製だったため、
TVOは評価作業を実施した上で加圧器についても安全要件を満たしていると結論づけた。TVOはその後、作業を第2段
階に進め、10月に加圧器で行った追加の評価により鋼材組成に異常がないことを確認。その他の1次系機器に関しても鋼
材の物質特性評価を行っており、安全運転に影響するような問題は見られないとする補足報告書を11月初旬にSTUKに
提出していた。
米規制委:デービスベッセ発電所の運転期間延長を承認、81基が合計60年の運転認可取得
4日
原産新聞2015年12月1
米原子力規制委員会(NRC)は12月8日、オハイオ州のデービスベッセ原子力発電所(PWR、95.6万kW)(=写
真)に対して、2037年4月まで20年間の運転期間延長を許可した。これにより、米国内の商業炉約100基のうち、運転開
始当初の40年と合計して60年間の継続運転を許された原子炉は81基(このうち2基は早期閉鎖済み)となった。NRCで
は現在さらに、13基の運転期間延長申請を審査中だとしている。デービスベッセ発電所における運転開始当初の認可は2
017年4月までとなっていたため、事業者であるファーストエナジー・ニュークリア・オペレーティング社(FENOC)は2010
年8月に運転期間の延長申請をNRCに提出。NRCスタッフは同申請について、発電所の安全性と周辺環境への影響と
いう2つの側面で審査を実施したほか、公聴会を開催して一般の意見も聴取した。FENOC側も、2011年に原子炉容器上
蓋、2013年に蒸気発生器(SG)を2台取り替えるなど、同発電所の長期的な運転における安全性と信頼性を保証するた
めに約10億ドルを投資したと指摘。2003年以降は、出力も2.5万kW増強した点を強調している。
エネ調、地層処分の技術的検討で学会への情報提供に向け中間整理
原産新聞2015年12月14日
高レベル放射性
廃棄物地層処分の技術的検討を行う総合資源エネルギー調査会のワーキンググループは12月11日、処分地選定で国が
科学的有望地の提示を行うとする基本方針を受けて、今後、(1)関係機関や関係学会への情報提供・意見照会、(2)国民
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への説明内容の充実――を進めるため、地質環境の長期安定性、施設の建設・操業時や輸送における安全性などについ
て、これまでのWGによる検討結果を取りまとめた中間整理を概ね了承した。科学的有望地に関する技術的検討を巡って
は、10月の「国民対話月間」で、シンポジウムや少人数ワークショップなどを通じ、資源エネルギー庁より、全国各地で要件
・基準について説明に当たっているほか、11月にはWG委員長の杤山修氏(原子力安全研究協会技術顧問)が原子力委
員会で報告を行うなどしている。11日のWG会合では、輸送時の安全性確保の観点から、特に、沿岸部の海域に着目した
研究成果や技術的課題の整理に向けて、新たに有識者による研究会を立ち上げることとなった。
日印首脳会談で原子力協力協定の締結が合意
原産新聞2015年12月14日
12月11~13日にインドを訪問した安倍
晋三首相は12日、モディ首相と首脳会談を行い、日印民生用原子力協力協定の締結合意、日本の新幹線技術や高効率
な石炭火力発電技術に関する協力を始めとする電力エネルギー・インフラ投資支援、政治・安全保障、人的交流などの分
野で、両国間の戦略的グローバル・パートナーシップの拡充・深化を図っていくとする共同声明「日印ビジョン2025」が両
首脳により署名された。また、両首脳は、広島・長崎への原爆投下70周年に際し、核廃絶に向けたコミットメントを再確認し、
核拡散・核テロの課題に対処するための国際協力を強化していくことで一致しており、会談の中で、安倍首相は、「『核兵器
のない世界』の実現という目標は既にインドと共有している」と述べ、今後もNPT普遍化やCTBTの早期発効についても、
インドとの対話を続けていきたいとしている。インドでは、今後の経済成長に伴い、エネルギー需要が大幅に増大することが
見込まれ、原子力発電を現在の21基・578万kWから2032年には総発電設備容量の9%に相当する6,300万kWにまで
拡大する計画があり、大型軽水炉の導入に向け日本の技術力への期待が高まっている。さらに、インドは、世界第3位のC
O2排出国でもあり、原子力発電の拡大計画に協力することは、世界的規模の資源問題や地球温暖化問題の緩和につな
がるほか、日本にとっては、長年培ってきたプラントの建設・運転・保守に係る技術やサプライチェーン、福島第一原子力発
電所事故の教訓などを活かし、インドの原子力発電における安全性向上に貢献するとともに、日本の産業活性化や原子力
技術の維持・向上や人材育成・確保への寄与も期待されている。一方、インドはNPTに加盟しておらず、1974年に核実験
を実施したことから、国際的な原子力協力を得られなくなり、独自に原子力開発を進めてきた経緯があるが、2005年に米
国がインドとの原子力協力を進める方向に動き出し、2008年に原子力供給国グループ(NSG)がインドとの原子力協力を
容認(例外規定扱い)してからは、米国、フランス、ロシア、カナダ、韓国、豪州、カザフスタンなどの国々がインドとの原子力
協力協定を結んでいる。日本は、2008年のNSG容認後の2010年より、インドとの原子力協力協定締結に向け、外交レベ
ルでの交渉を進めてきた。
世界は自然エネルギー100%に向けて踏み出した パリ会議は世界の気候変動協定に合意 2015年12月14日
団法人
公益財
自然エネルギー財団2015年12月12日、第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(パリCOP21)が終了した。史
上初めて、先進工業国・途上国にかかわらず、すべての国が一丸となって、温室効果ガスを削減し、気候変動の最悪の影
響を阻止するための取り組みに合意した。今回のパリ会議の会場で一番大きな存在感を示していたのは自然エネルギー
である。自然エネルギー関連団体やNGOだけでなく、気候NGO、宗教グループ、気候脆弱国フォーラム(CVF)、ユース
(若者たち)、自治体、投資家など、多くの異なったグループが、『自然エネルギー100%』を掲げ、化石燃料から新しい経済
への脱却を訴えていた。気候変動枠組条約の署名が開始された1992年『リオ・環境サミット』から23年、第1回COP会合から
21年が経過し、各国が手をこまねいているなかで、気候変動の脅威は加速し大きな被害が広がっている。一方で、その間
に、自然エネルギーは、欧米先進国のみならず、アジア、中南米、新興国、途上国で大きく発展を続け、いまや、世界中で、
安定的で、経済的で、安全なエネルギーを人々に提供している。今存在しない技術ではなく、今存在しない政策や投資に
よってではない。すでにわたしたちが手にしている技術ー太陽光や風力やバイオエネルギーや地熱や水力が、世界の20
%のエネルギーを生み出し、電力分野では23%を供給、コストは大幅に低下、設備容量も供給量もどんどん増え続けてい
る。本日合意にいたった『パリ協定』は、危険な気候変動を防ぐ目安となる平均気温の上昇を「2度未満」に抑えるという目標
を明確にし、さらに、産業革命以 前に比べて1.5℃未満に制限するよう努力すると書き込まれた。しかし、現在提出されて
いる目標を合わせても、「2度未満」に抑える目標は達成できない。協定では、締約国が国別の排出削減や行動の提出と見
直しを5年毎に行い、目標達成に向けた国内対策をとらなければならないとし、さらに、5年毎の見直しを行った際に、新し
い目標は古い目標より強化することが盛り込まれた。そして、マーシャル諸島共和国などの主導で、アフリカ各国や、米国
やEU各国、カナダ、ブラジル、フィリピン、オーストラリアなど、100ヶ国以上が参加する「高い野心を持つ国々の連盟」(the
High Ambition Coalition)という新しいグループの結成も、今までの交渉過程の中では、特筆すべき出来事だ。交渉を前
に進めるための大きな推進力となった。一方で、日本政府はこの連盟に参加したのも交渉の行方が決まった今日になって
からだ。未だ国内対策計画もとりまとめておらず、自然エネルギーが大きな役割を果たす各国の気候変動対策に大きく遅
れを取る消極的な削減対策に留まっている。日本が確実に温室効果ガスを削減するために、まずはここ二十余年、進んで
いない産業分野でのエネルギー効率改善を進める施策の強化が必要である。また業務・家庭分野では、建築物の省エネ
ルギー基準の義務づけなどに取り組むことが重要である。そして、エネルギー転換分野では、石炭火力発電の新増設を全
て中止し、自然エネルギー増加に向けたエネルギー政策に舵を切るべきである。さらに、根本的な脱炭素化を進めるため
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に、炭素税の強化や排出量取引制度(キャップ&トレード)の導入というカーボン・プライシングの実現を急ぐべきである。世
界は、自然エネルギー100%に向けた未来に、確実に一歩足を踏み出した。日本の自然エネルギーも、固定価格制度導
入以降、大きな拡大を続けている。この流れを押しとどめてはならない。そこにこそ、日本の未来がある。
コノコフィリップス、来年は設備投資さらに25%縮小 By TESS STYNES
WSJ2015年12月11日
米石油大手コノコフィ
リップスは10日、来年の設備投資見通しを77億ドル(約9300億円)前後とし、今年予想されている水準からさらに25%縮小
した。2016年12月期の一部項目を除く営業費用は、今年想定されている82億ドルから5億ドル少ない77億ドル前後と予測し
ている。同社は10月、7-9月期(第3四半期)決算で赤字額が予想を上回ったことを受け、今年の設備投資額見通しを110億
ドルから102億ドル、営業費用見通しを89億ドルから82億ドルへそれぞれ下方修正していた。ライアン・ランス会長兼最高経
営責任者(CEO)は電話会見向けの資料で、来年の計画は原油相場の下落と急変動に備えるための過去1年間の取り組
み強化をあらためて浮き彫りにするものだと述べた。
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