健康な組織の維持・向上とは何か

健康な組織の維持・向上とは何か
組織の健康を考えるセミナー
議事録
■ 日時:平成 18 年 11 月 29 日(水)13:00∼17:00
■ 場所:大日本印刷株式会社 DNP 五反田ビル 1 階ホール
■ 式次第
13:00
開講ご挨拶
「株式会社経営科学センター 代表取締役社長 三上 登」
「大日本印刷株式会社 C&I 事業部 取締役事業部長 北島 元治」
13:10
基調講演
『経営における人と組織』
Ⅰ経営環境の変化とマネジメントの変遷
Ⅱ経営における人と組織の重要性
Ⅲ成長企業の組織力とは
「株式会社ソシオテック研究所 代表取締役会長 竹内 倫樹」
15:00
基調講演
『DNP の情報セキュリティへの取り組み』
ⅠDNP の情報セキュリティ体制
ⅡDNP のインターネット事業概要
「株式会社 DNP デジタルコム システムソリューション本部 本部長 平井 賢」
15:40
基調講演
『組織力評価の方法論』
Ⅰ競争力を維持・強化・発展させる組織力の本質
Ⅱ如何に組織力を評価するか
「筑波大学大学院 システム情報工学研究科 教授 住田 潮」
17:00
質疑応答
17:00
閉講ご挨拶
■ 13:00 開講ご挨拶
「株式会社経営科学センター 本部長 佐藤 忠」
「株式会社経営科学センター 代表取締役社長 三上 登」
《株式会社経営科学センター 代表取締役社長 三上 登》
「組織の健康を考えるセミナー」を主催している株式会社経営科学センターならびに株式
会社ソシオテック研究所の代表を務めております三上と申します。
まず始めに、本セミナーの開催の理由について、ご説明させて頂きます。
私ども経営科学センターならびにソシオテック研究所は企業の経営コンサルティング活動
を行っており、企業様の人材育成に貢献したいという想いから発足した会社であります。
実は経営コンサルティング事業を 15 年やっている中で、ある 1 点、非常に大きな問題があ
ることに気が付きました。それは何かというと、世の中が複雑で変化するほど、今までは
考えられなかった病気が各企業様に流行しているということです。人間にも例えることが
できますが、食生活が豊かになったり、様々な科学が進展したりして、ある意味では便利
ではありますが、その反面にストレスも多くなってきています。我々人間が今まで罹らな
1
かった病気として、例えば成人病などが蔓延しつつあります。我々も組織も同様に考えて
みると、病気に罹りやすくなっている背景が考察されます。では、そのような際に我々は
どのように対処しているかというと、人間ドックに入ることだと思われます。それは、病
気を早期発見・早期治療するために人間ドックに入るのが一番の理由だと判断されるから
です。私どもの発想としては、人間ドックに変わる企業ドックとして、企業の病状を早期
に発見して、できるだけ早期に治療できる仕組みを作れないかというのが、今回の「組織
の健康を考えるセミナー」の原点になる考え方であります。この考え方を具現化および実
現化できないかと思いまして、最初に「筑波大学の住田教授」に話しを持ち掛けたところ、
ご賛同を頂きました。住田研究室と共同で組織ドックの開発に着手したのが 2 年前となり
ます。同時にこのツールを多くの企業に活用して頂くためには、当然ながら現代のインフ
ォメーションテクノロジーを駆使し、企業の様々な問題解決をするにあたり、ソリューシ
ョンの概念を入れざるを得ないと考えました。そこで、インフォメーションテクノロジー
とソリューションを先端的に研究され、OMAC というツールの開発と普及にご賛同いただ
いたのが、
「大日本印刷株式会社 C&I 事業部」であります。筑波大学と大日本印刷と我々の
共同で開発した組織診断を皆様にご紹介したいという意図で始めたのが本セミナーでござ
います。この趣旨を是非ご理解いただければ、私も本セミナーを開催した意義があると思
います。
内容については、組織の健康について、どういう要素がその組織の健康を支えているのか、
組織学的な見地からソシオテック研究所の竹内会長から講演を頂きます。その後はその組
織の健康を調べる仕組みとして、インフォメーションテクノロジーおよび情報セキュリテ
ィについて DNP デジタルコムの平井本部長より講演を頂きます。最後に、組織診断 OMAC
の開発責任者の住田教授より、OMAC の概要や仕組みについて講演を頂きます。
どうもありがとうございました。
■ 13:05 開講ご挨拶 《大日本印刷株式会社 C&I 事業部 取締役事業部長 北島 元治》
大日本印刷株式会社 C&I 事業部の北島と申します。
弊社は 1876 年、秀英舎「英国に秀でる」を母体として発足した会社であります。
おかげさまで本年で 130 周年を迎えました。この間、社会環境が大きく変化して、元々は
印刷会社としてスタートしたのですが、その印刷技術を核にして、業容や業態を拡大して
いく「拡印刷」を合言葉にしてその事業の形を変え拡げてきました。その後、印刷という
のはコミュニケーションそのものに関わるものであり、総合的にコミュニケーション分野
においての価値創造をしていくということで、情報コミュニケーション産業へと事業の形
を変えてきました。更に、昨今の高度情報化社会を迎えまして、近年、生活者や得意先企
業の皆様の価値観が非常に多様化してきております。弊社としては 21 世紀の社会がどのよ
うな状態になるかと考えた末、最近徐々に浸透しつつある「創発的な社会」になっていく
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という一つの確信をもっております。こうした創発的な社会に向けて、弊社は現在、P&I
(Printing Technology と Information Technology)ソリューションという言葉をコンセプ
トに掲げて、新しい価値を提供していきたいと考えております。皆様がご来場いただいて
いるこの DNP 五反田ビルを今年の 9 月に竣工いたしました。このビルはコミュニケーショ
ンとセキュリティを両立し、かつ、全館を弊社の色々な製品やサービスを見ていただける
ようなショールームとしております。このビルは、得意先の企業の方々やパートナー企業
の方々と積極的にコミュニケーションを図り、新しい価値を創造していくための拠点でも
あります。
この度、ソシオテック研究所から組織診断システム OMAC のコンセプトのお話しをいただ
き、弊社のビジョンとの共通点から、経営科学センター、筑波大学と共に参画させて頂く
ことになりました。本セミナーを通じて新たな価値を創造できればと考えております。ま
た、ご興味やご関心を持たれた企業様には責任を持ってサポートしていく所存でございま
す。どうもありがとうございました。
■ 13:10 基調講演 『経営における人と組織』
《株式会社ソシオテック研究所 代表取締役会長 竹内 倫樹》
株式会社ソシオテック研究所の竹内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
<前段>
我々ソシオテック研究所は 1991 年に設立した会社であります。ソシオテックという言葉は
簡単に言えば「組織と個の問題をテクニカルに捉える」という意味です。
経営環境の変化からお話します。経営も人間も環境も、すべからく「無常」であります。
つまり、一時して同じことはなく、これを捕捉することは非常に難しいのです。人間も若
いうちは筋力・体力が充実していますが、歳をとれば筋力・体力も衰え、バイタリティも
落ちてきます。これは、組織にも言えることであります。日経ビジネスがかつて「企業 30
年説」と唱えましたが、今は 30 年もたず、10 年が 1 サイクルといえましょう。組織の健
康というのは、経営活動を続ける限り、いかに環境適合するかが肝要となります。ダーヴ
ィンが言った通り、「強いから組織が生き残った」のではなく、「環境に適応したから生き
残った」のです。そこを色々な観点から見ていくと、ピーター・ドラッカーが「すでに起
こった未来」として、以下の 5 点を挙げています。
1.
ナレッジが主たる生産手段とし、知価社会の到来をすでに起こった未来として述べて
います。これは、企業中心から個人中心へとシフトしていることを意味しています。
2.
フルタイム労働からパートタイムに移っている。これは組織から個への変化を意味し
ていることであり、具体的には正社員からパートタイムにシフトしていることでもあ
ります。
3
3.
全てを傘下に入れる中央集権的なものから、分権的な連邦へと移っています。
4.
市場では、プロダクトアウトからマーケットインに移っています。情報を持っている
のは顧客であります。
5.
いかなる産業や企業も独自の技術だけでは存在しえなくなってきました。独自という
のは、ボーダレスで侵食されていくことになり、オリジナリティはあるものの、その
サイクルは短くなってきています。
しかし、経営の戦いにおいては「独自の技術」を大切にし、グローバル競争に勝つために、
社員が脳ミソに汗をかき、あまりあるオリジナリティを産み出す必要があります。
すなわち、環境動向が変化する中で、経営組織も変わり創造活動を行う必要があるという
ことです。もともと世界の構造自体が、フリー、フェア、グローバルのもとに変化してき
ました。世界中で自由競争、透明性、グローバルスタンダードが重要視されてきました。
このような文脈のなかで、政治経済と共に開放されるようになったのは、学校法人です。
その他にも医療の開放として医薬分業や道路公団の開放などもあります。これらは、小泉
内閣が「官から民へ」「中央から地方へ」と言ってやったことです。また、ピーター・ドラ
ッカーが唱えた分権化が現実に行われたことであります。環境変化として押さえておかな
ければならないのはこのような国際的な自由競争の流れです。
<経営環境の変化とマネジメント>
(環境変化とマネジメント)
環境に適応した組織ということでいえば過去は量産量販でも良かったのですが、今日では
ハイブリッドイノベーションによる知的生産性を高める必要性があります。また、情報化
社会においてはオープンネットワーク経営へ移行する必要性に迫られています。オープン
ネットワーク経営ということでいえば、それ自体が更に進むと、トーマス・フリードマン
著「フラット化する世界」のように、世界が国を越え、フラット化することで、仕事の仕
方や企業の運営の仕方も変えなければなりません。もう一つの問題として、自由主義経済
の中で資本の論理の問題が跋扈しています。コーポレートガバナンスにおいて株主価値が
大切となってきています。とはいえ、株主価値を上げるためには、「人」が重要なのです。
ニワトリと卵の関係ともいえますが、日本の経営においては、「企業は人なり」がベースに
おかれています。
最近では、世の中がフラット化する中で、「レッドオーシャン」や「ブルーオーシャン」と
いう概念も唱えられています。レッドオーシャンとは「古い市場で血みどろの争いをする
こと」です。効率やコストの競争をすることで、結果として自らの立ち位置がレッドオー
シャンになってしまうということです。一方、ブルーオーシャンとは、「新しい市場を切り
開く」ことを指します。代表選手としてグーグルや豆腐屋業界にイノベーションを起こし
4
ている「男前豆腐」が挙げられます。「男前豆腐」を例に取れば、自らが属する豆腐屋とい
うレッドオーシャンから、豆腐をよりおいしくし、高付価値化するために、盛んに業界に
イノベーションを起こしているのです。フラット化する社会の中で、ブルーオーシャンを
創出したり、情報化社会を新しい動きに変えていこうとしたりする現実があります。グー
グルなどは、色々なソフトを無料で提供し、ネット人口をあげて世界一の広告会社を築き
上げました。Web.2.0 といわれるよう、新しい情報ネットの使い方を提案しているのです。
このように、企業は環境に乗り遅れることのないよう、環境洞察をすることが肝要です。
例えば、80 年代から 90 年代の動向として、日本における経済成長率の平均が 4.3%であり
ましたが、この時代に平均成長率の 2 倍 8.6%の成長率を遂げた大企業が「C 社」
「A 社」
「D
社」です。この時代において、他企業の多くはコストダウンを行い、レッドオーシャンへ
と自らの立ち位置を置いていましたが、3 社は「創造と開発」に投資を行いました。その結
果成長を成し遂げたのです。環境変化を貫く根底の考え方は、創造や開発であり、新しい
ことを創りだすことだったのです。
(世界の動向:2006 年)
世界中の政治や経済の重要なテーマは、「地球環境問題」です。日本のリーディング産業で
ある自動車産業においても、環境問題をテーマに取り組んでいます。
「地球環境問題」のよ
うに、大きなテーマに対してはグローバル視点で経営として新たな理念を確立させること
です。市場において、メガ・コンペティションや新勢力が出てくると、ビジョンや戦略の
ような経営技法が重みを増してきます。新勢力の台頭としては、BRICs の成長(IBSAC)
があります。IBSAC とはインド、ブラジル、サウスアフリカ、チャイナの頭文字です。マ
クロ経済における地域別成長率の統計は、「7:5:3」の指標で見ることができます。「7」
は BRICs の成長率、
「5」は世界経済全体の平均成長率、
「3」は先進国の成長率です。した
がって、いつでもグローバル経済を視るときは、そこの地域が 7%成長なのか、5%成長な
のか、3%成長なのかという視点で捉えるとよいでしょう。また、世の中の実体経済がボー
ダレス化、乗数経済化、サイバー経済化している時だからこそ、明確な将来仮説の設定が
求められます。ビジョンや戦略の重要性を認識することが求められるのです。
(日本経営の変化)
日本の経営環境の変化についてお話いたします。第一に、少子高齢化対応です。これは周
知の事実ですので割愛いたします。次に、グローバルアジャストメントです。経営が国際
化するというと、経営が外に向くことだけに目がいきますが、外から内に来ることが想定
されます。例えば、株式交換制度によって外国資本の流入が考えられます。他にも CSR や
内部統制の導入などがこれにあたります。ワークライフバランスを考えることも必要とな
ってきます。
第三には、経営革新の続行が必要になります。日本のマネジメントシステムは様々な点に
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おいて革新が必要とされます。
他にも、経団連の奥田さんが「日本は品質が劣化した、それは人材の劣化である」と述べ
ていましたが、これは、日本における教育問題が大改革を必要としているという指摘です。
幼稚園や小学校から道徳や社会的常識を教える機会を設けなければならないということで
もあります。第四に、成長シフトということを述べたいと思います。バブル経済の後遺症
を脱した我々は今こそ、企業価値の向上に邁進すべき時です。強みを梃子に成長シフトを
していただきたいと思います。最後に、経営の原点回帰について申し上げます。外国に行
けば行くほど現場で迷うことが多くなります。そんな時に物の考え方や行動規範を定めて、
ウェイやスピリットなどとして、理念を噛み砕いたものを作成しておくことが重要なので
す。それがあると求心力となって現場の判断の参考になるからです。
(マネジメントの変遷)
100 年の間のマネジメントの変遷をみたいと思います。マーケットが小さな時代には、内的
効率アップが重要でした。市場が成熟化するとコンティンジェンシー・セオリーを経て、
戦略的経営に移ります。更には創造的経営へと変化し、今では多様性の経営が大切にされ
ています。経営システム全体はクローズドシステム(内部論理)から、オープンシステム
をへて、インタラクティブシステムとして作用しています。マネジメント全体においても
一方向だけでなく、お互いを尊重するマネジメントが肝要になっています。これが大きな
マネジメントの変遷といえます。時代と共に経営は変化していきます。
(オフバランス経営)
また、最近の経営の特徴としてオフバランス経営というものがあります。バランスシート
からオフすることです。知価社会がやってくると、バランスシートにおける純資産の何倍
かが時価総額になります。この中身は知財やブランドなどが主たる要因です。このような
経営を総称して、市場経済におけるオフバランス化と言います。簡単に言うと、利益の出
ない経営は時代にあっていないということになります。
(オールドエコノミーとニューエコノミーのバリューイメージ)
ここで申し上げたいことは、有形資産パラダイムが無形資産パラダイムに相対的に移行し
ていることです。今まではお金や土地を持っているとよかったのですが、土地の下落やお
金は無くなれば意味が無く資産価値が下がります。これからはよい顧客資産や人的資産を
持っていることが評価されます。これら無形資産の有無が経営の良し悪しになるのです。
(経営における人と組織の重要性)
昔も今も組織の重要課題は「組織に危機意識があるか」です。良い組織とは「常に良い組
織とは何かについて求めている組織」とも言われます。唯一の解がないところに、解を出
6
すというものが組織問題の難しいところであります。したがって良い組織は常に環境適応
への危機意識をもっています。このままではダメであるという強い危機感が良い組織をつ
くるのです。また、不易と流行の峻別がよくできており、変えるものと変えてはならない
ものの区分けができている組織も良い組織と言えます。良い組織をつくるのは人間ですか
ら当然良い人材の育成も重要になります。
(組織活力と業績)
業績の良い組織は堅くありません。営業が強い組織も良い組織です。開発が元気な組織も
良い組織です。工夫のできる製造も良い組織です。
強い組織は製品開発から営業まで、バリューチェーンがしっかりしています。しかも足し
算ではなくかけ算によりこのバリューチェーンが成立しているのです。
優良企業でも活力が低下し、環境適応をせずにいると必ず業績が悪化します。業績が悪化
した時、ただ単純に活力を向上させようとしても、成功体験のパラダイムを捨てることが
できず、元にもどれません。地道に活力を向上させて業績を向上させないと元に戻ること
ができないのです。成果を上げるには必ず手順を踏むことが肝要であります。業績を回復
するプロセスとしては、リソーセスの点検(人材、資金、技術の有無)をし、次にマネジ
メントの組み立てをしっかりと作り上げることが重要になります。企業業績と組織は極め
てプロセス設計の良し悪しといえるのです。
T社では人材育成や会社の変革を10年1単位で見ています。根底にあるのが、変化が起きる
前に変化に対応できる人材を育成しておくということ、すなわち「教育は戦略に先行する」
ということです。従って、T社が、現在実施しているグローバル人材育成なども、10年前か
ら準備しているということになるのです。
(企業と業績の相関)
企業と業績の相関について、一つは理念や価値観の徹底ということが言えます。また、実
験重視の風土(成長のためにはリスクをとり、失敗を恐れない)や葛藤を恐れず、対面解
決をする活発なコミュニケーションということが挙げられます。
(業績のブレーキ)
一方、業績のブレーキとなるものとして、官僚制の逆機能があります。
1.
組織や手続きの尊守が優先され、それが何のために作り出されたか忘れられてしまう
(目的の倒錯)
2.
予測の立たない事態が回避され、臨機応変な対応ができない(問題の先送り)
3.
組織全体よりも自身の所属する部門の利益を優先させてしまう(部分最適)
4.
規則の客観的な適用が重視され、人間的な配慮が忘れられてしまう(権威的マネジメン
ト)
7
5.
組織の力と自分の力とが混同され、外部に対して威圧的な行動をする(権威的マネジメ
ント)
6.
自分自身の責任を回避するために、例外的な事態に対しては、先ず上司の指示を仰ご
うとするために対応に時間がかかる(デシジョンインフレ)
7.
自分自身の担当以外の仕事に関心を示そうとしない(ディマーケーション)
以上の過剰適応が大企業病のもとになります。経営者と中間管理職との違いを考えてみま
す。経営者は常に全体最適として会社全体のことを考えます。しかし、中間管理職は部分
最適で自己や自分のセクションのことばかり考えています。ですから中間管理職は時とし
て業務向上のブレーキとなります。良い経営者とはワンポイントで改革するだけでありま
せん。経営はリレーゲームであるので、次にバトンを渡したときに更に成長させるような
ことが大前提となります。
今のことばかりを考えて行動する経営者も長い目でみれば業績のブレーキなのです。
官僚制の逆機能そのものが問題ではなく人材が過剰にそれに適応するのが問題なのです。
これらの官僚制の逆機能は、大企業に多い病気でありますが、小企業にも「小企業病」と
いうのがあります。「小企業病」の中には、「戦略なき思いつき病」があります。その場
しのぎの対処を行い、社長などが夢ばかり語り実現しないことです。
また、「蛸壺病」もあります。一見効率的そうですが実は無駄が多かったりすることです。
即ち一人よがりの考えに陥ることです。
他にも「放任病」や「不成育病」などがあります。組織の病気はこのように業績にブレー
キをかけます。
(成功の鍵としての人と組織)
戦略と組織の関係は重要です。戦略が組織を規定すると提唱したのがチャンドラーです。
代表例として事業部制が挙げられます。それに対して、アンゾフは組織が戦略を規定する
と提唱しました。この後にミンツバーグが戦略と組織は相互関係にあると提唱して、この
論議に終止符をうちました。プロジェクトチームなどの新規事業、イノベーションについ
ては戦略に基づいて組織が構築されるべきです。また、既存事業については組織が戦略を
規定する企業が多く、新たな戦略が打ち出されても、組織になし崩しにされてしまうケー
スが多いと思われます。従って組織と戦略は状況に応じて使い分けなければなりません。
先日、ベトナムのある企業の工場を見学した際に、「3Q6S」と掲げてありました。「3Q」
とは、「社員の質」、「会社の質」、「製品の質」。「6S」とは、「整理」、「整頓」、
「清掃」、「清潔」、「躾」、「作法」であります。これが、組織を徹底するということ
であります。たとえ外国であっても、組織をしっかりと作らなければ戦略が作動しないの
です。
もう一つは、成果はプロセスによって産み出されるものであり、生み出された成果は必ず
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プロセスに投入しなければなりません。そうしないと、業績にブレーキがかかるのです。
(三大資源の基本配分)
ヒト、モノ、カネの資源を過去から将来へと時間軸を考慮して配分することも大切です。
経費削減や人件費削減などをやりすぎて将来に投資をしないと、資源配分の異常を来たし
ます。経営に対する障害は、普通はヒトからアラームとして発生しますが、将来に対する
投資や育成を疎かにするとマイナス情報に気づかず、一気に組織が崩壊してしまうことが
懸念されます。日本の企業経営においては、コア人材(将来を担う人材)に対して、早期
に、投資的教育をすることが重要になります。そうすることで、早く問題に気づいて対応
することができるのです。資源配分の基本は、長期に人材、中期に物的資源、短期にお金
といった見方を大原則としてもっておくことが組織や人を考える時には大切ということに
なります。
(三層管理)
経営においては、単年度に過剰適応をすることが多くなります。単年度に過剰適応するこ
とを経営学では「計画におけるグレシャムの法則」と言います。
三層管理とは、これに対応するために少なくとも長・中・短に経営を層別して頂きたいと
いうことです。層別というのは、仕事の中でウェイトを考えていただきたいということで
す。例えば、短期に80%∼90%のウェイトをおき、残りの5%は中期と長期にウェイトをお
くということです。経営計画で言えば、1年・3年・5年と、短・中・長を分別できますが、
あくまでも業種や事業特性によって異なります。それから空間軸は点・線・面と考えてい
ただきたいのです。ある政策はアウトプットを出すまでに、必ず長い時間がかかるという
ことをしっかりと認識することが重要であります。成果はプロセスと共にあります。三層
管理におけるリーダーの意識は心・技・体です。すなわち、「決心」することが大切です。
「構想は覚悟である」、「計画は技法である」「技法は優秀な人が描けば誰でも出来るが、
実践できるとは限らない」これが我々の考える経営計画です。構想や仮説を覚悟して出す
のは「決心の心」です。「技」は経営技法を学習するということです。そして、学習した
知識を使って知恵にしていただき、知恵は使って動いて成果にすることが肝要です。更に
「体」は、具体的成果ということです。あくまでもインプリメンテーションとして経営の
存在価値があるので、必ずやり切ることが大切です。その時に様々なマネジメント技法と
してODやBSCなどがあります。本当に業績を向上させるのであれば、短期偏在型マネジメ
ントから三層マネジメントに随時シフトしなければなりません。方法としては、「単年度
のアウトプットを出す人」と「将来的な計画を構想する人」を分けることです。「何%ルー
ルという経営的な指示を出す」ということ、すなわち革新率ということになります。例え
ば、20%を革新的な時間に費やしている会社もあります。つまり、業績を向上させるために
は、三大資源を視野に入れて、三層をしっかりと管理することが重要だということです。
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(成長企業の組織力とは何か)
成長企業の組織力について、机上の理論ではなく現場で一番感じることは「危機意識」で
あります。業績の良い会社に危機意識がなぜあるかと言えば、「望みが高い」「夢がある」
「ビジョンがある」このような考えを経営トップ以下が持っている企業が成長していると
思われます。ラリー・グレーナーの概念に基づき、成長を理論で言えば、「成長するとい
うことはフェーズ毎にやることがたくさんある」ということです。最初の創業する時には
何といっても創造が必要です。ただ、創造活力だけでは統率力に陰りが起きてきます。今
度は集団指導としてリーダーシップが必要になってきます。また、リーダーシップが強く
なった組織においては、今度は自分で何か考えようという部下の「自主自立」が弱くなっ
てきます。そのため、権限委譲を積極的にやろうとします。すると勝手な行動ばかりにな
り統治力が欠けてしまいます。統治力が欠けたら、会社の一体感としてウェイやスピリッ
トで縛ればいいのかと言えば、一時的に調和は起きますが、ルールや仕組みが増え官僚化
してしまいます。このように企業には常に改革が必要なのです。要は、成長する企業は必
ず業績の良い時に改革や革新し、成長しない企業は業績の良くない時に手を打つ違いがあ
るのです。従って、リーダーの洞察力や見識が必要となってきます。
一般的に成長する企業の特徴としては、強い顧客志向と独自の製品やサービスがあり、強
いリーダーシップがあるのが特徴です。
(戦略アイデンティティと原点回帰)
かつて日経ビジネスに掲載されていた記事の中に、「強い企業や成長する企業は『柔効超
台』をアイデンティティとしている」とありました。「柔」は柔らかい、「効」は効率重
視、「超」はコアコンピタンスとして、人より超えている。「台」は土台がしっかりして
いることを例えています。具体的に強い組織にするプロセスとして重要なのは、将来経営
を担う階層をしっかり捕捉して教育することです。ただ、そのことを最後までやり切るこ
とが大切です。若い階層の人達に、まずは自分を燃やし(自燃)、他人にも火をつけて(他
燃)、職場も燃やす(場燃)ことをやらせます。このようにして中核の方々がフェーズを
しっかりと設計しながら行うことが大切なのです。これを理論化して提唱しているのが、
行動科学者「クルト・レヴィン」の次の式です。<B=f(P・E)>。成長する組織は、良
い集団規範を地道に作らなければならないのです。
(T社のマネジメントの国際化)
「教育は人事に先行すべし」、「人事は戦略に先行すべし」とありますが、これは、3段論
法で「教育は戦略に先行すべし」ということになります。戦略のフェーズは3年から5年と
短いですが、賃金制度や人事制度は毎年変えることはなく、比較的に長いフェーズで変え
10
ていきます。従って、管理職以上の方にはビジョンと戦略に長けて欲しいということで、
80年代のTQCモノカルチャー全盛時代にビジョンと戦略の教育の提案をしました。方針管
理を一辺倒に実施している状況下で、ビジョンや戦略を徹底していくように言い続けまし
た。最初は新任管理者を中心に展開し、続いて将来嘱望されている下位層の係長にも展開
しました。95年には役員クラスにも戦略やビジョンを教育として学んで頂きました。ただ、
2000年ごろには、上位者が戦略やビジョンを盛んに言うものですから、下位層も戦略やビ
ジョンと言うものですから、本来の職務を逸脱することになりました。結果として予測通
りには行きませんでした。
「教育は戦略に先行すべし」ということで、一番始めに教育から改革を始めました。課長
制度廃止や一次選抜者出向させたり、成果主義などの導入により人事制度を変えたりしま
したが、その前に教育を行っていたことが変革のポイントです。そして、教育はビジョン
達成まで続けられているのです。よって、政策と行動が組織の中で同期化していたことに
なります。その時の基本姿勢として、次のような言葉がよく使われました。
「革新は業績のよい時にせよ」・・・創造的破壊
「時流に先行した革新を心がけよ」・・・競争優位
「結果が悪いのは、プロセスが悪い証拠と思え」・・・プロセス革新
「発想段階で制約をもうけるな」・・・ゼロベース発想
「革新は倍加・半減の目標を立てよ」・・・ストレッチ指向
「一旦決まったら、何が何でもやり通せ」・・・達成指向
「分からなかったら動いてみよ」・・・現地現物主義
(成長ドライブとしての組織力)
シュムペーターは、「創造的破壊」という概念を提唱しました。新しい物を次々と創りだ
す創造力が不可欠で同時に旧態依然としたものを破壊する必要があると言いました。創造
とは、前の考え方を否定し新しいものを構築することです。すなわち破壊して構築するこ
とがイノベーションの源泉となります。
(イノベーションプロセス)
社員全体は5つに分類され、どんな組織にも必ず2.5%程度のイノベーターがいます。これら
の人材を見つけ出し、改革リーダーとして早いうちから組織化し、組織のエネルギー化へ
と繋げる。すなわち、企業革新は、イノベーターと改革リーダーが短期間に20%位の人員
を組織化し、フォロワーをいかに巻き込めるかが肝要となります。
(改革のための8ステップ)
以下ステップは、ハーバードのジョン・コッター教授が95年に提唱したものであり、改革
時に必要なプロセスです。
11
1.
危機意識の確立(しっかりとしたビジョンや高い目標を掲げて説得する)
2.
強力なガイドチームの形成(1の3乗として、1人称、1次情報、1歩先を考える)
3.
ビジョンの創造
4.
ビジョンの伝達
5.
ビジョンに向かって行動するように全社員を奨励(熱湯の一滴は大海に勝る)
6.
短期的成果の計画と実行(熱き血潮の方々を集め、伝える)
7.
更なる改革の推進(制度、システム、構造を改善する)
8.
新しいアプローチの制度化(最終的に人間の意識改革をして定着させ風土化させる)
成長ドライブとしての組織力とは「企業は人なり」で、やはり人材であります。最も素晴
らしい組織とは環境に適応した組織であり、常に良い組織を追い求めていく組織です。最
も素晴らしい組織とは、組織学習能力がある人材のいる組織なのです。最後に佐藤一斎の
言葉を添えて終わりにしたいと思います。
少なくして学べば、則ち壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、則ち老いて衰えず。
老にして学べば、則ち死して朽ちず。
以上
■ 14:45 休憩
■ 15:00 基調講演 『DNP の情報セキュリティへの取り組み』
《株式会社DNPデジタルコム システムソリューション本部 本部長 平井 賢》
大日本印刷の中でインターネットを中心としたソリューションビジネスを展開している
DNP デジタルコムという会社でシステムソリューションを推進している平井です。
(情報セキュリティに対する取り組み)
大日本印刷では、長年株券や債権等の重要な印刷物を製造してきました。その中で、偽造
防止、情報漏えい防止のノウハウと高い意識を培ってきました。現在、名簿やアルバムの
印刷、DM 等の作成・配送、銀行のクレジットカード、キャッシュカードの発行、顧客のデ
ータベースの設計開発や運用など多岐にわたり顧客の個人情報を預かり、また顧客の代行
で個人情報を収集し、サービスや製品提供に生かしています。実際に取り扱っている業務
として、通販カタログ、DM などの個人情報の管理、個人情報を扱っての宛名印字や搬送、
カードに埋め込む個人情報、その加工を行っています。昨今では、インターネットを中心
として情報管理を行っています。また、忘れてはならないのは、従業員の情報も個人情報
12
の一つであるということです。業務の中で情報が漏れるというリスクが潜んでいます。こ
こ数 10 年で情報を容易に取り扱うことができるようになり、その効果として、事務処理や
業務効率は進展する一方で、情報漏えいの事件などが頻繁に発生するようになりました。
一度漏洩するとすぐにコピーされ、収拾がつかなくなり被害状況がつかめなくなります。
膨大な情報を何から守るのか、何のために守るのかを認識し、明確にするべきだと考えて
おります。想定されるリスクをどれだけ事前に抽出し、それに対する対策を打てるかが肝
要となります。その中で、リスクが発生してしまうと、組織は大きなダメージを受けます。
例えば、データの破壊や復旧作業、法的な対応やマスコミ対応など、大きくは利益の損失
まで生み出す可能性があります。直接的な被害以外にも間接的な被害を受けることにもな
ります。特に、競合に対してビジネスチャンスを与えることにもなります。事件や事故を
起こしたある企業の経営者は以下のように述べました。
「今まで性善説を持ってやってきた
けど、性悪説に変わらざるを得ない」
つまり、漏洩事件の大半が内部犯行的なことが多いことから、性善説や性悪説という捉え
方に基づいて守るのではなく、「人間は元来弱いものだ」という認識から、組織やルールを
構築していくべきだと考えております。「犯罪を起こすのか」ではなく、「犯罪者を出さな
い環境づくり」というのが肝要であります。
では DNP グループ全体での管理体制について、組織的対応、技術的対応、物理的対応、人
的対応の4つの視点で述べたいと思います。
まず、組織的対応です。1999 年 4 月に個人情報保護事務局を設置し、内外の環境変化や対
応、施策の更なる強化や推進の目的で体制の見直しを図っております。現在は、個人情報
を含めた情報セキュリティ全般に対して、グループ全体を統括する組織として本社に DNP
グループ情報セキュリティ委員会を設置しています。更に事業部、グループ会社にも委員
会を設置し、委員長や個人情報管理責任者の基にいくつかの課題に対して責任者を任命し
て推進しています。また、社内規定やルールについても、DNP グループ全体として情報セ
キュリティの基本方針を定め、その基本方針に基づき社内規定を制定し、文章管理、コン
ピュータ利用、外部者の禁止区域の基準等を定めています。そして、法令順守を徹底する
と共に、各事業所において規程、基準、ルールに基づいて継続的に維持・向上が図れてい
るのか、マネジメントシステムを確立し推進しています。特に個人情報を取り扱う事業所
には「JISQ15001」に基づくマネジメントシステムを確立させており、適切な保護措置が
取れているかどうかを認定する制度である「プライバシーマーク」を取得するように推進
しています。この認定制度を用いることにより、我々は新たなビジネスチャンスの拡大を
も図るようにしています。現在は、個人情報を直接取扱う事業所は全てプライバシーマー
クの認定を受けています。
次に技術的対応として、「ジャンダルム」、これは、大日本印刷が運営するデータセンター
に設置するサーバを経由して、得意先と大日本印刷、および大日本印刷内の事業所間のネ
ットワークを介して個人情報を授受する仕組みです。フランス語で警備や取締りを行う兵
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士「衛兵」という意味で「データを守る衛兵」の意味を込め命名し、データを守っており
ます。預かった情報が漏洩した際、受け手側にも疑惑がかかった場合に潔白な形で証明す
るための仕組みを考えております。安全に個人情報の授受を行い、安全に授受した証拠を
提示しようという仕組みです。特徴は「厳正な本人認証」です。通常は ID やパスワードで
認証しますが、それ以外に IC カードとして、当方に保管された証明書を活用して利用者の
認証、授受を行うサーバ利用領域のアクセスの制限を行っています。
次に物理的対応です。各業務が行われている場所ごとに管理レベルの基準を設けておりま
す。レベル 5 をハイセキュリティゾーン、レベル 4 をワークゾーン、レベル 3 を従業員共
用ゾーン、レベル 2 をゲストゾーン、レベル 1 を屋外ゾーン、レベル 0 を敷地外と定義し
ております。それぞれに物理的な環境基準を設けております。例えば、各々のエリアに入
る際のカード認証を施し入退室できるようなゲートの設置や、死角のない監視カメラの設
置、携帯電話を持ち込めないエリアの設置などがあります。これは従業員を守るための観
点で対策を打っているものであります。
次に人的対応として、社員一人ひとりの意識向上のために教育啓蒙活動を行っております。
具体的には、ネットワークラーニングを活用した教育、ガイドブックやパンフレット、ビ
デオなどを配布しています。その他説明会や勉強会を実施しています。
顧客に納める製品やお預かりした情報を絶対的安全に扱うことが社会的使命と考えており
ます。情報セキュリティや個人情報保護の対策については、重要な経営課題として取り組
んでおります。
(インターネット事業の概要)
企業と企業との間で情報交換を行う「BtoB」のタイプや直接生活者にサービスを提供する
「BtoC」のタイプ、他には生活者自らが情報を発信し、生活者同士で情報交換を行う「場」
など、インターネットという道具を活用したコミュニケーションが活発になってきていま
す。私どもでは様々なソリューションを企画段階から参画し、必要なコンテンツ制作やシ
ステム設計および運営、管理のビジネスを展開すると共に、運用の中で溜まってきた情報
を分析して、新たにソリューション提供をする一連のワンストップサービスをスローガン
にインターネット事業を展開しております。
その一つにメディアギャラクシー(Media Galaxy)というサービスがあります。取り扱う
情報が複雑だったり、複雑な仕組みを求められたり、金融や証券業界のお客様のように高
いサービスを求められる場合には、一戸建てタイプとして、それぞれの顧客に対してシス
テムを構築して運用する専用のコースを設けております。そこまで求めない他のお客様に
は、マンションタイプとして、一つの環境の中に、共有して使用していただくものと、大
きくは 2 つのタイプを提供しております。しっかりと稼動しているのか監視業務の専門部
隊を配備すると共に、システムが安全な設備環境の中で動かせる、「データセンター」を準
備しております。また、個人情報の取り扱いについても十分な対応をとっています。シス
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テムを構築した後に運用する際に、生活者から例えば、注文情報や応募情報などはサーバ
に蓄積しており、この蓄積した情報は大日本印刷の従業員は閲覧できない環境になってい
ます。お客様から詳細依頼や情報の加工処理などの指示があった際には、特定の作業者が
特定の場所にて作業をする形で個人情報の保護を行っております。インターネット上では、
個人情報が流出してしまうリスクが多いのですが、システム自体を守り、プログラム自体
をセキュアに作り、内部犯行的なことが起きない環境づくりの維持や管理を日々取り組ん
でいます。
次に、安全な設備環境ということで、「データセンター」について述べたいと思います。
「データセンター」は都内某所に準備しております。そこでは、インターネットに接続す
るための高速で大容量なネットワーク回線を準備すると共に、24 時間 365 日監視する体制
を強いております。また、無停止運用を実現する為に電源や空調設備の環境を準備してお
ります。その他にも、サーバが格納されているラック内のシステムの稼動状況をモニタリ
ングするため、交代勤のスタッフを配置し、システムの障害に対してもスタッフが対応し
ています。
特にデータセンターに関しては、情報セキュリティに関する認定制度「ISMS」(Information
Security Management System) を取得しマネジメントシステムを対外的にも評価される
体制をとっております。
次に、メディアギャラクシーサービスおよびシステムの代表事例について述べたいと思い
ます。
■ A(家電量販店)
特徴としては、利用する方々に対して、オンライン決済として多種多様な決済手段を準
備し、商品の検索の充実やポイントもネット上で活用できるようにしています。運営側
も日々変わる商品の管理、在庫管理、利用されている会員管理や受注管理、ポイント管
理を装備しています。また、競合他社の価格と比較し、割引率や期間の設定をしますと
自動的に更新できるシステムを構築しています。
■ B(求人広告会社)
特徴としては、応募した人に対しては興味や嗜好に適した「お薦めの求人情報」を提供
し、求める企業からは、専用の管理画面を通じて簡易に情報が更新できるような仕組み
を構築しています。また、弊社が印刷会社でもあり、サイトに掲載されている情報を印
刷工程とも連動させております。
■ C(育児関連商品メーカー3 社)
特徴としては、サイトが育児のことは全て分かるようになっております。サイトの運営
者と利用する会員とのコミュニケーションだけでなく、会員同士がコミュニケーション
の場が設計されています。
以上
15
■ 15:40 基調講演 『組織力評価の方法論』
《筑波大学大学院 システム情報工学研究科 教授 住田 潮》
筑波大学の住田と申します。よろしくお願いします。
2 年前にソシオテック研究所の三上社長より、OMAC のコンセプトの話を頂き、今後の日
本において非常に意味のあるプロジェクトであると考え、大日本印刷と一緒にアルゴリズ
ム開発に取り組み、自動化できるまで至ったのが現在の状況です。
なぜ、組織診断 OMAC を日本で普及させることの重要性について述べたいと思います。
(日本とアメリカとヨーロッパの比較研究)
一つは日本とアメリカとヨーロッパを比較研究する時の公理として、お金の回り方で本質
的なところが規定されていると考えております。
金融サービスの本義として 2 つあります。
1.
広く薄くある民間の資本を集中化させて産業資本に転化させる。
2.
実態経済を担う方々に対してデリバティブなどのリスクヘッジの手段を提供する。
また、民間の資本を産業資本に転化するにあたり、大切なチャンネルが 2 つあります。
1.
直接金融(企業が企業資金を調達する際に株式や社債を発行し、資本市場から調達す
る。)
2.
間接金融(国民が預金などの銀行に預けて、銀行を通して産業資本に転化される。)
直接金融の特徴としては、自己責任の投資(インベストメント)間接金融の特徴はローン
などの貸し出しです。歴史や文化が深く長いヨーロッパは、先に間接金融が発達して、現
在は間接金融がやや主流で直接金融が日本より強くあるのが社会システムの現状です。ア
メリカは技術も資本もヨーロッパから調達してきて、国を立ち上げた経緯がありますので、
最初から直接金融になります。社会システム全体が 200 年の歳月を経て優勝劣敗の市場主
義に基づく社会システムの現状です。日本の場合は、大正時代を見ると、直接金融の色彩
が強く、直接金融の特質として成金が生まれることであり、短期間にお金を調達できるの
は、直接金融のパイプがないとならないことになります。大正時代は直接金融の色彩が強
かったのですが、戦争に負けて対国から戦犯銀行と呼ばれていました。
戦後は、社会戦略の側面上、日本は間接金融が強くなっています。日本は個人投資家が動
かす割合が増えてはいますが、未だに 7 割位の企業は銀行を通して資金を調達しています。
日本人とアメリカ人とは会社での働き方の違いがあります。アメリカ人の場合、人生のド
リームはプライベートが充実していることであり、実現するためのお金を得るために、時
間と技量を会社に売るのが大原則です。日本人は会社で過ごす時間が多く、全く逆です。
これを企業社会システムで考えると、ヨーロッパは税金が非常に高い代わりに、老後の年
金・保険は、一定水準で保障されます。また、企業においても、「パブリック・インスツル
メント(公器性)」という側面が非常に重要視される社会です。企業の国際経営とう観点か
16
ら述べますと、植民地経営に根ざしておりますので、ヨーロッパのグローバル経営は、ア
メリカや日本に比べると現法への権限委譲が強いのが特色です。日本の国際経営において
は考えられない経営をヨーロッパは行っています。
アメリカの場合、国内での成功事例をそのままスクラップ&ビルドで世界展開するという
のが通例であります。アメリカは多種多様な移民から構成されており、国内問題が常に国
際問題的側面を持つ唯一の国であることから、国内市場で売れる製品、サービスはそのま
ま世界でも通用するだろうという無前提な確信を持っています。また、企業は個人が自由
な時間を確保するために自分の時間とスキルを提供する場です。以上がアメリカの基本ス
タンスであり、本質です。
組織の問題を考える際には、大体は真ん中の 70%が主要テーマになってきて、上 15%は優
秀な人材で放っておいてもいいのですが、下 15%は大変な人材が多いのが読み取れます。
持続的な企業の競争力においては真ん中の 70%にどのような人材の質なのかが規定されま
す。社会システム的に考えても同様なことが言えます。アメリカは人材市場で競争できる
人達(上 15%)においては良いシステムを作っていますが、国民の 70%は競争できない辛
い現実です。なぜ、アメリカがこのようなシステムを持っているのかというと、アメリカ
は全世界中から富と人材が流れてきているからだと言えます。すなわち、優勝劣敗の市場
主義の中からはみ出てしまう人が多くいるという社会的本質があります。ただ、今は世界
中からお金や人材が集まっているから状態を保てているのであり、人間の歴史の発展から
見れば、市場の成熟化はアフリカでもアジアでも進んでいくに違いなく、アメリカが現在
一極的に持っている投資効率の魅力が相対的に薄れていくと予想されます。そうすると、
50 年や 100 年の射程で見ると、一極集中型がなくなり、優勝劣敗なシステムが国民の幸せ
なのかと言えば、そうではないと考えられます。
日本は銀行から回ってきた間接金融の中で 60 年の「労使協調路線」が出来上がり、世界に
冠たる「日本的経営」として皆で知恵を出し合い仕事をするという形をとっています。自
己実現の場として職場を考えているのは日本人固有なものであり、実際に家族より職場仲
間の方が多く過ごすのかと言えば、お金を稼いで生活を拡大させるより、仕事において、
価値を実現したいという思いをマネジメント側も働く側も双方に真剣に思っていることが
考えられます。
今の日本の問題として、アメリカが 200 年近くかけて作り上げたシステムの上層部だけ真
似ている問題が浮き彫りとなったと考えております。例えば、ここ 2 年位で正社員の数が
280 万人減少していて、フリーターが同様に増えているのが現実であり、10 代や 20 代の労
働力として 2 人に 1 人が平均としてフリーターであり、短期的には政府としてはコスト削
減でサポートするような施策をしてきましたが、フリーターの生涯で稼げるお金は 6,000
万円、メーカーであれば 2 億円、金融機関であれば 3 億円になります。よって、10 年後の
国内市場を縮小していることが分かります。企業の活動はマクロ経済的に捉えなおして、
短期的に競合に勝つだけではなく、株主だけでなく、働き甲斐のある場所を提供し、社会
17
的に貢献し続ける経営をしていくことが肝要です。よって、これからは世界の手本になる
ような新しい社会システムを生み出すポテンシャルは日本や中国が高いと思います。よっ
て、手本の無い時代に企業経営の R&D が問われているのが考えられます。
(日本の資本主義経済)
もう一つは、日本が間接金融にもとづいて弱いのがサービスであり、日本の資本主義経済
を身体に喩えると、R&D が頭脳系、Manufacturing が筋肉や骨格、Finance が血液循環器
系、IT が神経系、Logistics が消化器系、Human Resources がホルモン系、Marketing が
感覚系だとして、日本は間接金融で何でも自前で行ってきましたので、サービス部門に関
して、グループ経営の中でマネジメントとしては優れています。独立したサービス企業体
として国際競争できる物を育てていないのが現実であります。10 年後のサービス産業の分
野で日本に学べというプレーヤーが出現しないと危機だと言えます。
(組織力とその評価)
組織の知力や体力測定に関しては、結果として現れるものなので、顕在化しやすいですが、
顕在化し難いものとして、組織が変化に気づく力や変化を行動に変える力、行動を持続す
る力などの変わるための基礎能力があります。これは、鎖の強度に喩えられますが、鎖と
いうのは、リング一つひとつの強度が異なり、一番強度が弱いリングが切れると鎖として
は死んでしまうわけです。経営の発想も同様で、弱いところ以外の強いところを更に強化
しても、組織としての強度は向上されていないことになります。弱いところを特定して、
強化するために、組織活力と組織恒常性を維持していかなければなりません。問題が現れ
た瞬間に崩壊するのは放置してはならず、これを支えるためには、新しい経営を創りだす
意味においても、現状を正確に把握し、不断にモニターして強化していくことが肝要です。
(コンプライアンス経営の本質)
倫理の問題として、この組織診断 OMAC を開発するにあたり、過去 15 年の 100 件位の日
本やアメリカで起こった経営不祥事の事例を土台として分析し、その中で体系的に分かっ
たことが、4 段階に分けて考えなければならないと分かりました。
Compliance with Law:遵法精神、どの経営者も社員も法律を遵守しなければならない。
Compliance with Corporate Vision:企業理念、企業理念として社員の行動の位置づけ。
Compliance with Corporate Value:共有価値、掲げている企業理念を実現するために会社
として何を一番大切にしているかが共有されている。
Compliance with Corporate Canon:行動規範、企業全体として大きく踏み外さないような
活動の積み重ね。
コンプライアンス経営において、自分が権限ないのに部下に一任してはならない。
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(組織診断システムの開発について)
組織診断システムを開発するにあたり、まずは設問表の開発を行いました。
設問表作成フローとして、まず、組織の現状把握するにあたり、7 つの要素 14 のサブカテ
ゴリーを定義しました。
1.
「情報感度(社内・社外)」とは、組織の置かれている状況を的確に把握するため
に、社内外の情報を収集し分析する組織能力。
2.
「意思決定(迅速性・革新性)」とは、組織の使命やあるべき姿を実現するために、
状況に応じた決断を明確に下す組織能力。
3.
「意思疎通(上下・左右)」とは、組織構成員の行動を組織目的に向けて統合す
るために、情報を伝達し共有する組織能力。「顧客志向(維持・向上)
」とは、顧
客満足を高いレベルで実現するために、商品・サービスの質を安定させ持続的に
向上させる組織能力。
5.
「利益志向(改善・定着)」とは、事業活動の基盤を強固にするために、適正な資
源配分を行い、効率的に業務を遂行する組織能力。「意欲(自己成長・組織貢献)
」
とは、組織と個の健全な成長を両立するために、組織構成員が自己の能力や行動
のレベルを自律的に高める組織能力「倫理(行動・知識)
」とは、組織としての社
会的責任を果たすために、法律や社会規範を遵守し、社会に対して積極的に貢献
する組織能力。
我々はこれを「企業ドック」として捉え、人間も身体的なものと精神的なものがあるよう
に、企業も同様に考えることができますので、次に「CS‐IS MATRIX」と称し、7 つの要
素を基礎にして、組織上の問題を制度的要因(身体的側面)と風土的要因(心的側面)の 2
次元マトリクス上で類型化しました。この 2 次元マトリクスを考えて、全部の組み合わせ
で悪化するとどのような問題が起こるのか、関係者内で議論し合い、設問データベースの
構築にかかりました。それとは別に病名を付けた方が良いという結果から、仮説を用いて
マトリクスの組み合わせから症候群の作成に取り組みました。設問データベースにおいて
は、ランダムに設問を並び替えて設問作成の自動化システムを行っています。大日本印刷
のインターネットサービスのサーバを活用し、顧客企業と経営科学センターとの間で直接
パスワードを発行し、アクセスできるようにしているので、個人情報が漏れることはあり
ません。
次に、回収された設問表を二つの観点から評価します。一つは「組織活力」です。これは
企業が業績を向上させるための必要条件であり、エネルギー源であります。企業を良い方
向にドライブする、導く力があるのかどうか判断します。
もう一つの指標は「組織恒常性」です。これは、現実としてアンケート調査の限界である
平均分散でしか見ないところを我々は「組織恒常性」というパターンに対して、実際のア
ンケート結果のパターンはどうなのかというところから、
「組織恒常性」を判断します。例
19
えば人間の恒常性は何かと言えば、熱が出ると汗が出て、熱を下げようとする体のシステ
ムが自動的に動きます。よって、企業の活動が極端な方向に走り始めたときに、それを引
き止めて正常な方向に引き戻す力が組織内部に有るのか無いのかを判断するのが「組織恒
常性」の考え方です。「組織活力」と「組織恒常性」の両面から健全性または症状に陥って
いるの判定が成されます。最終的にアンケート調査の基礎データが整理されたところで、7
つの要素と 14 サブカテゴリーの診断結果になります。次に症候群の診断として、マネジメ
ントとスタッフと区分して調査します。それぞれの仮説の重篤度を判定するアルゴリズム
を開発しています。重篤度のレベルは 5 段階に区分され、進行状態とその対処法について
それぞれ定義されています。
レベルⅤは、症状が他者(外部)から指摘される程に進行しており、非常に危険な状態
にあります。真の原因を特定し、抜本的な改革に取り組む必要があると思
われます。
レベルⅣは、症状が表面化している程度に進行しており、危険な状態といえます。これ
に対して「想定される原因」と「対策」を提示します。「対策」にとどまる
ことなく、さらなる調査と原因解明に取り組まれることが望まれます。
レベルⅢは、症状は表面上分からないものの内面的に進行しており、やや危険な状態と
いえます。これに対して「想定される原因」と「対策」を提示します。早
急に組織として「対策」に取り組むことによって、改善する可能性がある
といえます。
レベルⅡは、症状が組織内の一部に進行し始めており、初期段階の状態といえます。こ
れに対して当面の「処置」が必要とされる項目を提示します。「処置」に取
り組むことにより、早期に進行を止めることが可能であるといえます。
レベルⅠは、わずかではありますが、兆候が見られ、経過観察が望ましい状態といえま
す。これに対して当面の「処置」が必要とされる項目を提示します。症状
が見受けられるなど、必要と判断される場合には、「処置」に取り組んでく
ださい。
次に、サンドイッチ設問を開発しています。共通の内容を分析することを意図して、マネ
ジメントとスタッフに対して、ペアの設問になっているものです。
「Type1」は、マネジメントにマネジメント自身の評価していただき、その内容について部
下はどう思っているのかを埋め込んでおります。
「Type2」は、部下に自分自身はどう判断しているのかという質問項目を埋め込んでいて、
それに対して上司がどう考えているのか埋め込んでおります。
「Type3」は、相互評価として、互いにある一つのテーマに関してどのように判断している
のかを埋め込んでおります。このような分類に基づいた設問をサンドイッチ設問として埋
め込んでおります。その集計結果によって、マネジメントと部下のコミュニケーションが
どのようになっているのか判断します。
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最後に、フィードバックする報告書のコメント作成イメージについてお話します。始めに
スタッフとマネジメント層別、サブモジュール別に診断が出ます。その診断に関して、コ
メントを用意しております。コメントに関しては同様なものが出ないように緻密に分析結
果が類別されております。それを結合させるアルゴリズムとして、組織総合サブモジュー
ル別の診断表が作成され、最後に組織総合モジュール別の診断表が作成されます。
つまり、手本の無い時代に企業経営の R&D が問われている中で、国際的に中小企業や大企
業を問わず、世界市場は連関しています。それに対してどのような経営をやれば、競争に
勝てて、かつ社会的にも有意義な場所を占められるのかは、現在の経営者が直面している
普遍的なチャレンジであり、把握しがたいことでもあります。よって、企業の組織的な状
態を経年で把握することが重要になってきます。例えば、何を大切にする企業であるのか
という共有価値の浸透を不断に確認して、眼に視えぬ問題に対処する対応策の効果分析を
したり、眼に視える経営指標との相関分析や企業社会全体の趨勢把握、競争他社に対する
自社の位置取りをしたりすることなどが挙げられます。
最後となりましたが、
「夢を蒔き、夢を育て、夢を生きよう」
「高い志を持って不断に深く考え真直ぐに生きよう」
志を高く持ち、普段に考え抜き、真直ぐに実行することでよい考えが生まれてくるのでは
ないかと思います。是非、皆様と力を合わせてこのようなすばらしいシステムを創り出し
ていければと思います。
以上
■ 17:00 閉講ご挨拶
《株式会社経営科学センター 本部長 佐藤 忠》
本日ご紹介した組織診断 OMAC は、各企業様が持っている病状を早期発見し、早期治療す
る健康管理のツールです。これは、単年度的に受けていただくものではなく、経年変化で
受けて頂くものになります。
価格に関しては、基本的に Web で受けて頂く前提で 500 名までで 200 万円です。その他の
人数や属性の追加に関しては、お問い合せいただければスタッフが対応させて頂きます。
(質疑応答)
質問者
「質問の数はいくつぐらいあるのか?」
佐藤
「質問の方は Web も紙ベースも同様で、設問内容は 3 階層(役員、管理職、ス
タッフ)に区分し、各々15 分間で 60 問位の設問になります。
報告書は 30 ページから 50 ページになります。企業様の診断結果から、データ
の詳細、日々の健康管理のポイントや抜本的な対策案が出ます。
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これは、入口の健康診断であり、2 次検査や 3 次検査などの専門的な部位に関し
ては、専門のコンサルタントが対応させて頂きます。」
質問者
「2 次検査や 3 次検査に関してはヒアリングもするのか?」
佐藤
「調査方法に関しては、専門のコンサルタントが対応します。」
■ 17:00 閉講ご挨拶
《株式会社経営科学センター 代表取締役社長 三上 登》
本日は皆様、大変お疲れ様でした。
我々は、組織診断 OMAC を出来るだけ多くの皆様にご活用していただき、病状を早期発見
し、早期治療して頂き、強固な会社を作っていただきたいと考えております。
また、本診断はただ単に報告のみするのではありません。その後の処置や対策に対して多
くのご提案をさせて頂いております。
ソシオテック研究所のコンサルテーションのプロセスや経営科学センターの多種多様なそ
の他の診断ツール、大日本印刷のコミュニケーションなどのシステムや仕組みなどが全て
網羅されてご提供できる体制を整えております。
最後に、住田教授の講演で「夢と志」とありましたが、我々は世界に対して、アルゴリズ
ムや仕組みを活用し、素晴らしい世界を創り上げるために貢献していく所存でございます。
以上
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