士10.51 - GINMU

奈良看護紀要 V
0L
11
.
2
0
1
5
│研究報告│
リラックス効果に影響する精油成分と噌好の関係
-Lavanduulaa
n
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i
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,Cupressussempervirens
,Citrusaurantiumbergamia
を用いて心理的指標の検討一
秋吉久美代
奈良県立医科大学医学部看護学科
Ther
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Kumiyo AKIYOSHI
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yofNursingS
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lofMedicine,
NaraMedicalU
n
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v
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y
要旨:
アロマテラピーの看護研究は増加しており、関心の深さがうかがえる一方で、看護師は精油を選
択することに困難を感じている。この原因のひとつに、アロマテラピーの効果には様々な要因が影
響しており統一した見解が得難い現状があると考える。それらの要因のひとつである個人的要因の
噌好と精油成分の作用が、リラックス効果に与える関係について調べた。
2名
、
対象者は、男性 1
女性 5
4名。年齢 4
6
.
3士 1
0
.
5
1歳。対照群と実験群とに分け対照群には精油を付着していない試香
紙を実験群には、ラベンダー精油、サイプレス精油、ベノレガモット精油のいずれかを付着した試香
紙を嘆ぐ群を設定した。それらを嘆ぐ前後に、気分の変化を心理的指標の日本語版 POMS™ 短縮
版を用いて調べた。分析は S
P
S
S
1
9
.
0で K
r
u
s
k
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l
Wa
l
l
i
s検定と W
i
l
c
o
x
o
nの符号付順位検定をおこ
なった。結果、アロマテラピーのリラックス効果は、個人的要因の噌好と精油成分が関係しているこ
とが示唆された。
r.はじめに
近年の看護ケアにおいて、緊曜の緩和やリラ
おいても、国内固有の植物から精油の採取がさ
ックスを提供で、きる看護技術が注目されている。
れるようになり、その種類は増加している。このよ
そして、癒しの技術であるアロマテラピーを看護
うな背景の中で看護ケアにアロマテラピーを活
ケアに活用した看護研究の文献は増加しており
用する時、精油の選択は容易ではないと推察さ
アロマテラピ}への関心の深さがうかがええる。
れる。そして、看護ケアにアロマを活用したいが、
アロマテラピーは精油を用いるが、植物から
精油を選択することを困難に感じており導入時
採れる精油は香水や香料産業では通常 2
0
0種
の問題点となっている(松藤ら, 2
0
1
1
)報告もあ
類ほど使用されているといわれている。園内に
る
。
-77-
奈良看護紀要
V
O
L
1
1
.
2
0
1
5
表 1 精油ごとの成分表
また、アロマテラピーについての実験研究や
(%)
症例報告も行われているが、アロマテラピーの
モノテノレ
効果には様々な要因か影響し統ーした見解が
J
Z
¥
ペンアノレ
得難い現状がある。それらの影響要因には、精
エステ
モノテノレ
/レ類
ベン炭化
水素
コール類
油成分による作用、個人的要因、環境要因など
が考えられる。
以上のことから本研究において、先行研究で
ラベンダー
41
.8
1
4
2
3
9.
7
.
6
4
ベノレガモット
1
0
.
1
3
3
3
.
1
9
5
4
.
6
0
サイプレス
0
.
9
4
2
.
0
7
9
2.
4
0
0
0
9
)
頻繁に用いられていた精油 3種類(鈴木ら, 2
を使い、精油成分による作用と個人的要因であ
る精油の噌好がりラックス効果に与える関係つ
いて調べた結果を報告する。
」 一 一 ←
株式会社健草医舎 ケモタイプ精油成分分析表改変
I
I
.研 究 目 的
ラベンダー精油、サイプレス精油、ベノレガモット
リラックス効果の指標は、心理的指標の日本
精油を用いて、精油成分と精油の噌好がリラック
語版 POMS™ 短縮版(以下、 POMS 包縮版と略
ス効果に与える関係を調べる。
す)を使用した。そして、精油を嘆ぐ前に、森林
浴の香り・柑橘系の香り・ハーブ、の香りこの 3つ
皿.方法
から一番好きな香りについての質問と、精油を
1.対日現群には、精油を付着していない試香
嘆いだ後、その精油のニオイについて、噌好の
紙を唄ぐ群を設定した。
程度を質問した。なお、好きな香りの種類と本研
究で実捺に使用した精油との関連では、森林浴
実験群には、精油を付着したいずれかの試
香紙を嘆ぐ群を設定した。使用した精油は、
の香りがサイプレス、柑橘系の香りがベノレガモツ
刀d
u
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a卸 '
g
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!
J
:
瓦p
r
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mロット番号
Lava
ト、ハーブ♂の香りがラベンダーとなる。そして、好
BLAH13)(以下ラベンダーとする)・ C
u
p
r
e
s
s
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s
きな香りのアンケートの結果を表すときは「香川
刀P
θ'
N
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m
s(
p
r
叩 a
r
o
mロット番号 BCSB8)
s
e
l
とし、実際に嘆いだ精油のニオイについては
(以下サイプレスとする)・ C
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t
r
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n
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ms
s
p
「精油」とする。
b
θr
gaml
a
(
p
r
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n
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r
o
mロット番号 BCBZ5)(以下ベルガモ
心理的指標で、用いた POMS短縮版は、気分を
評価する質問紙法のーっとして M
cNairらにより
ットとする)を{吏用した。
これらの精油成分においては、ラベンダーは、
米国で開発され、対象者がおかれた条件下に
使用した精油の中で、鎮静作用があるモノテノレベ
より変化する一時的な気分、感情の状態を測定
ンアルコール類と鎮静作用、鎮痛作用のあるエ
できるとしち特徴を有している。
T
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s
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n
Anx
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t
y
)JI
抑うつ
また、「緊張不安 C
ステル類が最も多く含まれ ており、精油成分の
v
80%がこれらの成分だった。ベルガモットは、モ
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D
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j
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)JI
怒り一敵意
一落ち込 (
ノテルベンアルコール類とエステル類を合わせ
(
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活気 (
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疲労(
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)
含まれており、使用した精油の中では
て約 40%
「混乱 (
C
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n
f
u
s
i
o
n
)Jの 6つの気分尺度を同時に
2番目に多く含まれていた。サイプレスは、モノ
評価することが可能である(横山 2
0
0
5
)
。そして、
テルベンアノレコーノレ類とエステノレ類は今回使用
大規模な集団で実施標準化されており信頼性
した精油の中で、は最も少なく、合わせて約 3%し
C
r
o
n
b
a
c
h
.
s
α
)は高い。被験者には、提示
係数C
か含まれていなかった(表 l参照)。
された質問項目ごとに、気分を表すのに一番当
吟
てはまるものを、「まったくなかった」を 0点、から
を 4点とする 5段階のいず
「非常に多くあったJ
れかから選択する。
-78-
奈良看護紀要 V
0L
1
1
.2
0
1
5
横山・荒川 (
1
9
9
7
)は、“「過去 1週間 J
を「現在」
r
この3分間」などといった短時間の気分
「今日 J
を評価することも可能である"と述べている。本
研究の被験者には精油を嘆ぐ前には「今の気
分にいちばん当てはまるものを選んで、くださしリ
と伝え、嘆いだ後には、「香りを嘆いだ後の今の
気分にいちばん当てはまるものを選んでくださ
t
I¥
Jと伝えて使用した。従って、点数が高いほど、
各項目名に関する状態であることを示す。
2
.研究対象者
5歳以上で大きな健康問題を有しな
年齢は、 2
い、またアレルギーがなく嘆覚異常がない男女
で、今までに芳香物質(香水、アロマオイル、お
曹炎などの
香の香りなど)で気分不快、頭痛、皮 j
アレノレギー症状を経験したことがない者。妊娠
N.結果
1.属性
対象者は、男性 1
2名、女性 5
4名、合計 6
6
名。年齢 4
6
.
0
3土 1
0
.
5
1歳。対照群 6名、実験群
6
0名。実験群の精油ごとの人数は、ラベンダー
2
4名、サイプレス 1
9名、ベノレガモット 1
7名
。
2
.アンケートの結果
1
)好きな香りについて
最も好まれていた香りの種類は柑橘系の
香りで参加者の 50%だった。最も好まれていな
い香りはハーブ、の香りだった(表 2参照)。
表 2 好きな香りの種類の結果
好きな香りの種類
中ではなく、月経中ではない者。また、本研究
に同意を得られた者。
3年 1
0月 2
2日2
3日
と
3
.実験期間:平成 2
1
1月 8 日
。
4
.実験手1
)
慎:事前にスケジューノレを立て、対照
群と実験群と使用する精油を決めておき、参加
者には精油の種類は知らせず、自由意思で集
まった順番に割り付けた。よって、必ず好みの
精油を嘆げるとは限らなかった。
参加者には、 5分間私語せず安静に着席した
後
、 POMS短縮版と質問紙記入した後、 5分間
試香紙を嘆ぎ、再度 POMS短縮版と質問紙に
記入した。
5
.倫理的配慮:畿央大学倫理委員会の承認
を得た。研究参加者には、口頭と文書で説明
し同意を得られた者のみに実施した。研究協
力については、参加途中でも中断できること
を説明し、得られたデータは個人が特定され
る検討は行わずプライバシーを確保し、研究
終了後はしカミるべき方法で情報や結果の破棄
をした。
6
.データの分析は、 S
P
S
S
1
9
.
0を使用し、
K
r
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s
k
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W
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l
l
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s検定と W
i
l
c
o
x
o
nの符号付順位検
.
0
5とした。
定をおこない、有意確立を Pく0
人数(人)
パ-セント(%)
森材輔の香り
1
7
2
5
.
8
柑橘系の香り
3
3
5
0
.
0
ノ、}プの香り
1
5
2
2
.7
1
.5
無記入
6
6
合計
1
0
0
.
0
2
)精油の噌好について
嘆いだ精油においても、柑橘系の香りである
ベノレガモットの精油が最も好まれており、最も好
まれていない精油はハーブの香りで、あるラベン
ダーだ、った(表 3参照)。
表 3 嘆いだ精油の好き嫌いの程度のクロス表(%)
よ々竺
嫌い
どちらで
好き
もない
精油の付着なし
1
6
.7
6
6
.
6
1
6
.7
ラベンダー
29.2
3
3
.
3
3
7
.
5
サイプレス
1
5
.
8
.0
21
6
3
.
2
5
.
9
9
4
.1
ベノレガモット
。
*
r
嫌u
、」と「少し好き Jを「嫌L、」、「好き」と「少し好き」を「好き」とした
3
.P
O
M
S包縮版の結果
1
)個人的要因の好きな香りと精油の噌好と
POMSの項目の結果
(1)好きな香りと嘆いだ精油について
P
O
M
S の各項目を好きな香りと嘆いだ精油
uskal-Wallis検定をおこなったが、
とで、Kr
-79-
奈良看護紀要
V
O
L
l
l
.
2
0
1
5
好きな香り別に POMSの項目には群間差が
と示唆された。
照)。群間差はなかったが、 POMSの各項目と
2
)対照群と実験群での POMS項目の結果
(
1
)精油ごとの POMS項目について
精油ごとの POMS項目において、精油を嘆
好きな香りとの関係を詳細に調べるため
ぐ前と後での変化は、対照群と実験群ともに
W
i
l
c
o
x
o
n の符号付順位検定をおこなった
嘆いだ後は POMS項目は低下をしていたが
(
表 3参照)結果、ハープの香りが好きと答え
油を嘆いだ後に POMSの各項目は低下して
K
r
u
s
k
a
l
W
a
l
l
i
s 検定で、は群間差はなかった
(
表 5参照)。
しかし、精油ごとの POMSの項目につい
いた。
てW
i
l
c
o
x
o
nの符号付順位検定をおこなった
なくリラックス効果には個人の好きな香りの影
響を受けていなかったことが示された(表 3参
た人の「活気」以外、好きな香りに関係なく精
(
表 5参照)結果、対照、群は、疲労のみ有意な
(
2
)嘆いだ精油とその噌好について
変化はあったが、その他の項目には有意な
実験群 60名を対象として嘆いだ精油とその
噌好の程度について、 K
r
u
s
k
a
l
W
a
l
l
i
s検定を
変化はなかった。よって、対照群より、精油を
おこなったが、群間差はなくリラックス効果に
嘆いだ実験群の方がリラックス効果はあった
は、嘆いだ精油の個人の噌好が影響してい
と推察される。精油別では、ラベンダーは、
なかったことが示された(表 4参照)。
全ての POMS項目において、精油を嘆いだ
群間差はなかったが、 POMSの各項目と噌
後、有意に低下していたことが示された。
サ
好の程度との関係を詳細に調べるため、
イプレスは、緊張ー不安、怒り一敵意、活気、
W
i
l
c
o
x
o
nの符号付順位検定をおこなった(表
混乱の 4項目に有意な低下があった。ベノレ
4参照)。結果、嫌いと答えた人よりも、どちら
ガモットは、緊張一不安、抑うつ一落ち込み、
でもない、好きと答えた人の方が、精油を嘆
怒り一敵意、活気、混乱に有意な低下があっ
いだ後の POMSの各項目において有意に低
た
。
そして、有意に低下した POMS項目が最も
下した項目が多かった。よって、嘆いだ精油
多かった精油はラベンダーだった。
の噌好について、「どちらでもなしリまたは、
と答えた人の方がリラックス効果はある
「
女
子
きJ
n
u
n6
奈良看護紀要
虫干きな香り].l1]POMS項目の結果
表3
介入前
前後の比較
t p値
介入後
T値
ME(Mie-Max) H値 中 P値 ME(Mie-Max) H値 キ P値
7
.
0
)
7
.
9
4
(
5
.
0土 1
7
)1
0
.
7
6
(
5
.
0土 1
9
.
0
)
森林浴の香り (N=1
緊張一不安
柑橘系の香り (N=33)11
.
78
(
5
.
0士2
0
.
0
)
ハーブの香り (N 1
5
)1
3
.
0
6
(
6
.
0土2
1
.
0
)
森林浴の香り (N=17)8
.
0
0
(
5
.
0土 1
5
.
0
)
6
.
0
)
.
4
8
(
5
.
0土 1
開巧つー落ち込み柑橘系の香り (N=33)8
ハーブの香り (N=15)9β6(5.0土25β)
森林浴の香り (Nヱ1
7
)1
1
.41
(6
.
0土21
.0
)
柑橘系の香り (N=33)9
.
9
0
(
5
.
0土 1
9
.
0
)
怒りー敵意
78
(
5
.
0土 1
7
.
0
)
ハーブの香り (N=15)9.
森林浴の香り (N=17)1
3
.
0
5
(
9
.
0土2
0
.
0
)
柑橘系の香り (N=33)11
.
15
(
6
.
0土2
0
.
0
)
活気
ハーブの香り (N=15) 1
1
.
8
6
(
5
.
0士 2
2
.
0
)
森林浴の香り (N=1
7
)1
0
.
2
9
(
5
.
0土 1
8
.
0
柑橘系の香り (N=33)1
2
.
21
(7
.
0士 21β)
疲労
ハーブの香り (N 1
5
)1
2
.
0
0
(
5
.
0土 2
2
.
0
)
森林浴の香り (N=17)11
.1
7
(
6
.
0土 1
7
.
0
)
柑橘系の香り (N=33)1
1.
4
5
(
7.
0土 1
7
.
0
)
混乱
.0
)
1
.
0
6
(
9
.
0土21
ハーブの香り (N=15) 2
2
.
0
6
0
.
4
8
1
.0
8
3
.
5
1
1
1
.
0
0
紳
0
.
0
0
9
3
100
0
.
0
0
*
本
8
.
0
6
(
5
.
0土 1
9
.
0
)
0
.
0
0
0
.
0
0
1紳
5
.
8
2
(
5
.
0土 1
0
.
0
)
2
.
5
0
紳
0
.
0
0
3
7
4
.
0
0
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.
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.
4
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1
.
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0
.
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0
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3
.
0
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.
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0
*
*
6
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0
0
.
3
58
.
1
2
(
5
.
0土2
1
.
0
) 0
.
0
4
ご
土1
5
.
0
)
0
.
7
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.
5
7
(
5
.
0
:
1
.
5
5
8
.
0
) 0
0
.
5
86
.
8
4
(
5闘O土 1
.
6
3
2
.
8
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0
.
0
0
*
*
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.
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0
7
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0
(
5
.
0士 1
7
.
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)
1
2
.
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0
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5
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2
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2
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.
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.
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活気
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混乱
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.
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耕
1
.2
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)
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く0.01
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直 ME(Mie-M猷)
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(
5
.
0土 1
2
.
0
)
1
.1
1
0
.
5
78
.
2
3(
5
.
0土 1
9
.
0
)
2
.
5
0
5
.
0
0
0.007**
0
.
0
0本 *
t1
5
.
0
)
6
.
8
0(
5
.
0:
0
.
8
95
.
9
2(
5
.
0:
tl0β)
0
.
7
3
0
.
6
9
9
.
5
0
0
.
1
1
9
5
.
0
0
0
.
0
1
2*
8
.
9
1(
5
.
0士宣5
.
0
)
6
.
3
5
(
5
.
0士 1
5
.
0
)
0
485
鵬、 (N=lω
士1
5
.
0
)
9
.
8
0
(
7
.
0
7
.
2
0
(
5
.
0土 1
4
.
0
)
7
.
5
0
どちらでもない (N=131
0
.
0
(
5
.
0:
t1
7
.
0
)
0
.
0
6
好き (N
=37
)
1
0
.
6
2
(
5
.
0:
t
2
1
.
0
)
鵬、(N=lω
1
2
.
4
0
(1
.0
1:
t1
6
.
0
)
7
.
0:
t2
4
.
0
) 0
2
.
4
6(
.
6
5
どちらでもない(N=131
好き(体3
7
)
1
2
.
0
8
(
5
.
0土 2
0
.
0
)
楓、 (N=10)
11
.30(
7
.
0土 1
7
.
0
)
0
.
9
66
.
6
1(
5
.
0土 1
6
.
0
)
町
“
。62
4
.
0
0
0.028*
0.00*キ
0
.
0
0
0
.
0
1
1*
1
0
.
0
(
5
.
0土 1
4
.
0
)
0
.
7
29
.
1
5
(
5
.
0土 1
4
.
0
)
∞
3
.
7
.
5
0
0
.
2
2
11
.
1
(5
β土 1
8
.
0
)
0
.
5
8
4(
8
.
0:
t1
7
.
0
)
1.
どちらでもない(N=131
0
.
1
0
0
.
7
48
.
15
(
5
.
0土 21
.0
)
。
.
0
5
3
5
.
5
0
0
.
0
7
9
4
.
0
.
0
1
6*
2
8
.
0
0
0.00**
9
.
4
0(
7
.
0:
t1
4
.
0
)
3
9
.
0
0
0.049*
9
.
3
2(
7
.
0土 1
5
.
0
)
Icoxonの符号柑!聞こ検定キKru
skal-Wallisの検定
-81-
∞
0
.
2
9
7
.
7
8
(
5
.
0士 18β)
0
.
9
49
闘4O(
7
.
0:
t1
4
.
0
)
11
.8
6
(
6
.
0土 21
.0
)
2
.
4
7
0.008**
1
61
.00
8
.6
0
(
5
β土 1
3
.
0
)
.0
)
1
.
3
8
(
5
.
0土 21
どちらでも品川 N=131
好き (N
=37
)
1
2
.
0
2(
5
.
0:
t
2
2
.
0
)
競
札
、 (N=10)
11
.4
(
8
.
0土 1
7
.
0
)
0.00**
0.04*
4
6
.
0
0
0
.
7
3
7
.
5
9
(
5
.
0土 2
2
.
0
)
同直
嗣
。105
1
7
.
5
0
0
.
2
8
7
.
7
2
(
5
β:
t
21
.0
)
0
.
2
2
T
T値
好き (N
=37
)
好き (N
=37
)
捌
0
.
6
1
1
5
.
5
0
8
.
3
3
(
5
.
0士 1
7
.
0
)
0
.
9
79
.
6
9(
7.
0土 1
5
.
0
)
剛
.
6
9
(
5
.
0土 1
5
.
0
)
抑うつー落ち込品どちらでもない(N=138
怒りー敵意
0
.
7
2
7
.
0
7
.
5
8
(
5
.
0土 1
11
.
1(
6
.
0土 1
9
.
0
)
.3
8
(
5
.
0土 200
)
どちらでもない(N=1311
1
2
.
5
6
(
60:
t
21
.0
)
脇、 (N=10)
8
.
9
0
(
5
0
土 1
5
.
)
好き (N
口3
7
)
0
.
4
6
静子期間MS
項目の結果
精;自のE
介入後
介入前
ME(Mie-Max)
関長一不安
幽
。
旬
。
。
t
W
ilcoxonの特号付順に検定キKruskal-Wallisの検定
鵬、(N=10)
0
.
9
7
7.
4
0
(
5
.
0土 1
5
.
0
)
0
.
1
71
0
β
6
(
5
.
0
:
土1
8
.
0
) 1
.
1
5
.
0
)
1
0
.
0
0
(
5
.
0土 1
ご
事
務
V
O
L
l
l
.
2
0
1
5
1
.9
3
0
.
3
7
3
9
.
0
0
制8
.
5
0
*P
く0.05
料
0.049*
。
開
。0**
Pく0.01
奈良看護紀要 V
0L
1
1
.2
0
1
5
表5
精油虫IjpOMS項目の結果
介入前
ME(Mie-Max)
ヲベンダー (N=24)
緊張ー不安
ペルガモット (N=17)
11
.37(5
.
0土 21
.0
)
1
2
.
7
3
(
7O土 2
0
.
0
)
1
2
.
2
9
(
6
.
0
:
:
!
:
:
1
9
.
0
)
1
0
.
0
(
7
.
0
:
土1
2
.
0
)
9
.
4
5
(
5
.
0土 2
5
.
0
)
7
.
8
9(
5
.
0
:
:
!
:
:1
4
.
0
)
9
.
11(5
.
0
:
:
!
:
:
1
6
.
0
)
7
.
6
6
(
6
.
0
:
:
!
:
:
1
1
.
0
)
1
0
.
6
9
(
6
.
0土 2
1
.
0
)
1
0
.
3
1(
5
.
0土 1
9
.
0
)
9
.
9
4
(
5
.
0土 2
0
.
0
)
士1
1
.
0
)
9
.
5
0
(
8
.
0
:
1
2
.
2
5
(
5
.
0土 2
0
.
0
)
1
2
.
8
9(
8
.
0
:
:
!
:
:
2
4
.
0
)
11
.4
1(
6
.
0
:
:
!
:
:
2
0
.
0
)
1
0
.
0
(
7
.
0
:
:
!
:
:
1
2
.
0
)
1
1
.
5
4
(
5
.
0
:
:
!
:
:
2
2
.
0
)
11
.36(
5
.
0
:
:
!
:
:
2
1
.
0
)
1
2
.
5
2
(
5
.
0
:
土2
1
.
0
)
1
0
.
8
3
(
8
.
0
:
土1
9
.
0
)
1
1
.
5
8
(
7
.
0
:
:
!
:
:
2
1
.
0
)
1
2.
10
(
9
.
0
0
:
:
!
:
:
1
7
.
0
)
11
.5
2
(
6
.
0ま 1
8
.
0
)
対照群 (
N
=
6
)
.0
)
9
.
5
0
(
7
.
0士 11
サイプレス (
N"19)
ペルガモット (N=17)
対照群 (
N
"
6
)
ラベンダー (N"24)
抑うつー落ち込の サイプレス (N=19)
ペルガモット (N=1
7
)
対棟群(昨日)
フベンダー (N=24)
怒りー敵意
サイプレス (
N"19)
ペルガモツ卜 (N"17)
対照群 (
N
=
6
)
フベンダー (N=24)
活気
サイプレス (
N=19)
ペルガモット (N=17)
対照群 (
N
=
6
)
フベンダー (N=24)
疲労
サイプレス (
N=19)
ペルガモット (N=17)
対照群 (
N
=
6
)
フベンダー (N=24)
混乱
サイプレス (
N=19)
町
H値 キ
.
49
1
ME(Mie-Max)
7
.
37(5
.
0土 1
2
.
0
)
8
.
5
2(
5
.
0
:
:
!
:
:1
9
.
0
)
0
.
6
88
.
3
5
(
5
.
0
:
:
!
:
:
2
1
.
0
)
H値 キ P値
0
.
8
5
0
.
7
8
∞
8
. (
5
.
0
:
:
!
:
:
1
3
.
0
)
5
.
7
9(
5
.
0
:
:
!
:
:
1
0
.
0
)
1
.48
0
.
2
2
0
.
6
96
.
7
8
(
5
.
0士 1
5
.
0
)
.
0
)
6
.
5
8
(
5
.
0土 15
0
.
0
)
6
.
1
6
(
5
.
0土 1
7
.
1
6
(
5
.
0土 2
2
.
0
)
7
.
3
1(
5
.
0土 1
6
.
0
)
0
.
9
77
.
5
2
(
5
.
0
±
1
9
.
0
)
0
.
2
4
0
.
9
7
0
.
2
3
0
.
9
7
1
.
0
)
6
.
8
3
(
5
.
0土 1
9
.
5
0
(
5
.
0
:
:
!
:
:
1
8
.
0
)
5
.
5
1
11
.
10
(
5
.
0
:
:
!
:
:
1
6
.
0
)
0
.
1
41
1
.
3
5
(
7
.
0土 1
7
.
0
)
0
.
0
7
7
.
2
3
7
.
8
3
(
5
.
0士 1
3
.
0
)
7
.
5
0
(5
.
0:
:
!
:
:
1
2
.
0
)
2
.
7
2
1
.
49
前後の比較
T P健
介入後
P健
“
。44 8.89(
5
.
0
:
:
!
:
:
2
1
.
0
)
7
.
7
0
(
5
.
0土 1
7
.
0
)
8
.
5
0(
5
.
0
:
:
!
:
:
1
7
.
0
)
日.
9
5(
7
.
0
:
:
!
:
:
1
2
.
0
)
1
0
.
1
0
(
8
.
0
:
:
!
:
:
1
4
.
0
)
.
0
:
:
!
:
:
1
5
.
0
)
0
.
6
89
.
17(7
0
.
8
6
0
.
7
6
4
.
4
3
0
.
2
2
9
.
8
3
(
7
.
0
:
:
!
:
:
1
1
.
0
)
T値
1
5
.
5
0
4
.
0
0
7
.
0
0
1
.
0
0
2
2
.
5
0
2
.
0
0
7
.
0
0
2
.
5
0
6
.
0
0
目
1
7。
1
4
.
0
0
0
.
0
0
3
3
.
0
0
1
4
.
0
0
2
0
.
5
0
3
.
0
0
3
.
0
0
2
4
.
5
0
5
2
.
0
0
0
.
0
0
8
.
0
0
1
3
.
5
0
1
1
2
.
0
6
.
5
0
P
<
0
.
0
5
tWilcoxonの符号付I
J
慌に検定中Krus
泊I
W
a
l
l
i
sの検定
ホ
0
.
0
0
1ホ *
0.00*ホ
0
.
0
0
4*
0
.
0
7
4
0
.
0
0
1**
0
.
400
0
.
0
0
4*
0
.
1
5
0
0.00*隼
0
.
0
0
8*
0
.
0
0
9*
0
.
6
3
0
0
.
0
0
1事 *
0
.
0
1
5市
0
.
0
1
3常
0
.
1
1
0
0
.
0
0**
0.
430
0
.
6
4
0
0
.
0
4
2事
0.00*ホ
0
.
0
0
5*
0
.
0
0
3*
0
.
5
7
7
*P
く0
.
0
1
ホ
V. 考察
低下していたことが分かった。嘆いだ精油の
最も好まれていたのは、香りの種類と精油
ともに柑橘系の香りであるベルガモットだ、っ
O
M
Sの項目は噌好の
噌好の程度においては、 P
程度には群間差はなかったが、 Wilcoxonの符
号付順位検定で調べると、「嫌いj と答えた人
た。最も好まれていない香りの種類と精油は
ともにハープの香りのラベンダーだ、った。こ
よりも「好き」と「どちらでもなしリと答え
れは、人には単純接触効果があり生活経験上
で、接触した経験があるものを快く認識する
傾向にあり(庄司, 2005)、ラベンダーの精油
は、柑橘系の香りであるベノレガモットや森林
裕の香りであるサイプレスに比べて、日常的
O
M
S項目が有意
た人の方が精油を嘆いだ後、 P
に低下したものが多かったことから、嘆いだ
精油の噌好の程度がリラックス効果に影響し
ていると推察された。
噌好とリラックス効果の関係を自律神経の
にある香りではなく馴染みの少ないニオイの
ために好まれなかったと考える。反対に柑橘
系の香りは、馴染みの有る香りであるため最
も好まれたと考えられ、先行研究においても
同様の結果となり、ハープの香りよりも、柑
橘系の香りが好まれていた(木暮, 2006)。
反応を指標としている研究においても、同様
の報告があり噌好がリラックス効果に影響し
0
0
4
.
ていることを示唆した報告がある(谷田, 2
金子, 2014)。実験群と対照群とを比較した結
果では、精油を嘆いだ人の方が精油を嘆いで
好きな香りがリラックス効果に影響してい
O
M
Sの各項目は好
るかについて調べた結果、 P
きな香りに影響されずに、精油を嘆いだ後に
O
M
S項目が有意に低下した
いない人よりも、 P
ものが多かった。このことより、精油の付着
がある実験群の方が精油の付着が無い対照群
よりもリラックス効果があったと推察された。
-82ー
奈良看護紀要 V
0L
1
1
.2015
POMS項目が有意に低下したものが最も多か
精油についての嘆覚生理学的調査一香りに
った精油は、今回使用した中ではラベンダー
対する好き嫌い-日本アロマセラピー学会
だ、った。ラベンダーにはリラックス効果があ
誌
,5
(
1
)
:
2
5
3
3
.
ることは、多くの研究で述べられており(細
庄司健,田口澄恵,寺島有史 (
2
0
0
5
):香りの単
井ら, 2
0
1
3
.浅野, 2
0
0
9
)、結果からも、今回使
純接触効果.日本味と匂学会誌, 1
2
(
3
)
:
用した精油の中でもリラック効果が高かった
2
7
9
2
8
2
.
と推察された。そして、ラベンダーにはリラ
松藤尋幹,渡謹浩子,柳吉桂子,我部山キヨ子
ックス効果があるとされている精油成分のモ
(
2
0
1
1
):産科領域におけるメディカルアロマテ
ノテノレベンアルコール類とエステノレ類が精油
ラピ)の導入に関する看護職員の意識調査.
成分の 80%と最も多く含まれていた。
1
(
4
)
:7
6
6
8
3
.
母性衛生, 5
本研究においてラベンダーは、嘆いだ精油の
鈴木彩加,大久保暢子 (
2
0
0
9
) :看護分野にお
中で「嫌いj と答えた人が最も多く、そして
けるアロマテラピー研究の現状と課題.聖路
[好き J と答えた人が最も少なかった。しか
し、精油を嘆いだ後 POMS項目が有意に低下し
5
:1
7
2
7.
加看護大学紀要, 3
谷田恵子 (
2
0
0
3
):代替療法のエピデンス一芳
た項目が最も多くリラックス効果が高いと推
香療法(アロマセラピー)-.臨床看護, 2
9
察された。このことから、リラックス効果に
(
1
3
):
2
0
4
4
2
0
5
4
.
は、精油成分が影響しているのではなし、かと
推察された。
谷田恵子 (
2
0
0
4
):真正ラベンダーの香りが副交
感神経活動に及ぼす影響:心拍変動の週は
以上のことから、精油のリラックス効果に影
響するのは、個人的要因である嘆いだ精油の
数解析を用いた検証.日本アロマテラピー学
会誌, 3(
1
):
4
5
51
.
噌好と精油成分の両方が関係していることが
細井英司,曽根津美,安曇健作 (
2
0
1
3
):ラベンダ
示唆された。本研究は、リラックス効果につ
一精油とグレープフノレーツ精油による自律神
いて心理的指標を用いてのみの結果であるが、
経系及び免疫系に及ぶ影響,アロマテラピー
今後は心理的指標だけではなく生理的指標も
学雑誌, 1
2(
1
):
2
9
4
0
.
用いてより詳細に、様々な年齢と健康状態を
横山和仁,荒記俊一(
1
9
9
7
)
:.
第 4囲気分プロフ
対象としたアロマのリラックス効果を調べて
ィーノレ検査 (POMS).産業衛生学雑誌, 3
9
:
いき研究成果の蓄積をおこなっていくことが
7
3
7
4
.
必要だと考える。
横山和仁(
2
0
0
5
):
POMS短縮版手引きと事例第
5版.金子書房.
参考・引用文献
2
0
0
8
):
花 輪 尚 子 , 才 木 祐 司 , 山 口 国 樹(
浅野智絵美,伊藤輝子,川野直子 (
2
0
0
9
):グレー
日本由来の香りが日本人にもたらす交感神経
プフルーツ及びラベンダーのニオイ刺激によ
活動の鎮静作用.日本生理人類学会誌,
る生理・心理気のへの影響.日本味と匂学会
1
3
(
1
)
:4
9
5
6
.
誌
,1
6(
3
):
6
3
3
6
3
6
.
三上杏平 (
2
0
1
1
):カラグラフで読む精油の機
加藤幸子,小暮守宏,笠原多嘉子他 (
2
0
0
5
):アロ
マセラピーで、の精油に対する好き嫌いが自
律神経に与える影響.日本アロマセラピー学
会誌,4
(
1
)
:
4
1
4
6
能と効用.フレグ‘ランスジャーナノレ,第 l版第 5
印刷発行 :
3
8
.
ロパート・ティスランド/トニー・パラシュ著高山林
太郎訳 (
2
0
0
8
):精油の安全ガイド(上巻).
フ
レ
金子仁子,鈴木志保,富田美保子他 (
2
0
1
4
):
自
律神経に及ぼす精油の効果,日本アロマテラ
ヒ。一学会, 1
3
(
1
)
:1
7
2
3
.
1刷発行.
グ、ランスジャーナノレ,第 l版第 1
ロパート・ティスランド/トニー・パラシュ著高山林
太郎訳 (
2
0
0
8
):精油の安全ガイド(下巻)ブレ
木暮守宏,加藤幸子,秋元恵実他 [
2
0
0
6
J:植物
グ、ランスジャーナノレ,第 1版第 9刷発行.
-83-
奈良看護紀要 V
0L
11
.
2
0
1
5
デ、イピッド・ G ・ウィリアムズ著川口健夫訳
(
2
0
0
6
):精油の科学.ブレグ、ランスジャーナル,
第 l版第 4刷
-84-