奈良看護紀要 V 0L 11 . 2 0 1 5 │研究報告│ リラックス効果に影響する精油成分と噌好の関係 -Lavanduulaa n g u s t i f o l i a ,Cupressussempervirens ,Citrusaurantiumbergamia を用いて心理的指標の検討一 秋吉久美代 奈良県立医科大学医学部看護学科 Ther e l a t i o n s h i pbetweenp e r s o n a lp r e f e r e n c e st oe s s e n t i a lo i landi t si n g r e d i e n t son t h er e l a x a t i o ne f f e c t -E v a l u a t i o no f t h ep s y c h o l o g i c a le f f e c tu s i n gLavandulaa n g u s t i 五1 0 1 i a t ' rusaurantiums 伊 , b ergamiaー Cupressuss e m p e r v i r e n s.α Kumiyo AKIYOSHI F a c u l t yofNursingS c h o o lofMedicine, NaraMedicalU n i v e r s i t y 要旨: アロマテラピーの看護研究は増加しており、関心の深さがうかがえる一方で、看護師は精油を選 択することに困難を感じている。この原因のひとつに、アロマテラピーの効果には様々な要因が影 響しており統一した見解が得難い現状があると考える。それらの要因のひとつである個人的要因の 噌好と精油成分の作用が、リラックス効果に与える関係について調べた。 2名 、 対象者は、男性 1 女性 5 4名。年齢 4 6 . 3士 1 0 . 5 1歳。対照群と実験群とに分け対照群には精油を付着していない試香 紙を実験群には、ラベンダー精油、サイプレス精油、ベノレガモット精油のいずれかを付着した試香 紙を嘆ぐ群を設定した。それらを嘆ぐ前後に、気分の変化を心理的指標の日本語版 POMS™ 短縮 版を用いて調べた。分析は S P S S 1 9 . 0で K r u s k a l Wa l l i s検定と W i l c o x o nの符号付順位検定をおこ なった。結果、アロマテラピーのリラックス効果は、個人的要因の噌好と精油成分が関係しているこ とが示唆された。 r.はじめに 近年の看護ケアにおいて、緊曜の緩和やリラ おいても、国内固有の植物から精油の採取がさ ックスを提供で、きる看護技術が注目されている。 れるようになり、その種類は増加している。このよ そして、癒しの技術であるアロマテラピーを看護 うな背景の中で看護ケアにアロマテラピーを活 ケアに活用した看護研究の文献は増加しており 用する時、精油の選択は容易ではないと推察さ アロマテラピ}への関心の深さがうかがええる。 れる。そして、看護ケアにアロマを活用したいが、 アロマテラピーは精油を用いるが、植物から 精油を選択することを困難に感じており導入時 採れる精油は香水や香料産業では通常 2 0 0種 の問題点となっている(松藤ら, 2 0 1 1 )報告もあ 類ほど使用されているといわれている。園内に る 。 -77- 奈良看護紀要 V O L 1 1 . 2 0 1 5 表 1 精油ごとの成分表 また、アロマテラピーについての実験研究や (%) 症例報告も行われているが、アロマテラピーの モノテノレ 効果には様々な要因か影響し統ーした見解が J Z ¥ ペンアノレ 得難い現状がある。それらの影響要因には、精 エステ モノテノレ /レ類 ベン炭化 水素 コール類 油成分による作用、個人的要因、環境要因など が考えられる。 以上のことから本研究において、先行研究で ラベンダー 41 .8 1 4 2 3 9. 7 . 6 4 ベノレガモット 1 0 . 1 3 3 3 . 1 9 5 4 . 6 0 サイプレス 0 . 9 4 2 . 0 7 9 2. 4 0 0 0 9 ) 頻繁に用いられていた精油 3種類(鈴木ら, 2 を使い、精油成分による作用と個人的要因であ る精油の噌好がりラックス効果に与える関係つ いて調べた結果を報告する。 」 一 一 ← 株式会社健草医舎 ケモタイプ精油成分分析表改変 I I .研 究 目 的 ラベンダー精油、サイプレス精油、ベノレガモット リラックス効果の指標は、心理的指標の日本 精油を用いて、精油成分と精油の噌好がリラック 語版 POMS™ 短縮版(以下、 POMS 包縮版と略 ス効果に与える関係を調べる。 す)を使用した。そして、精油を嘆ぐ前に、森林 浴の香り・柑橘系の香り・ハーブ、の香りこの 3つ 皿.方法 から一番好きな香りについての質問と、精油を 1.対日現群には、精油を付着していない試香 嘆いだ後、その精油のニオイについて、噌好の 紙を唄ぐ群を設定した。 程度を質問した。なお、好きな香りの種類と本研 究で実捺に使用した精油との関連では、森林浴 実験群には、精油を付着したいずれかの試 香紙を嘆ぐ群を設定した。使用した精油は、 の香りがサイプレス、柑橘系の香りがベノレガモツ 刀d u l a卸 ' g u s t i f u o ! J : 瓦p r a n a r o mロット番号 Lava ト、ハーブ♂の香りがラベンダーとなる。そして、好 BLAH13)(以下ラベンダーとする)・ C u p r e s s u s きな香りのアンケートの結果を表すときは「香川 刀P θ' N l a m s( p r 叩 a r o mロット番号 BCSB8) s e l とし、実際に嘆いだ精油のニオイについては (以下サイプレスとする)・ C i t r u sa u r a n t i u ms s p 「精油」とする。 b θr gaml a ( p r a n a r o mロット番号 BCBZ5)(以下ベルガモ 心理的指標で、用いた POMS短縮版は、気分を 評価する質問紙法のーっとして M cNairらにより ットとする)を{吏用した。 これらの精油成分においては、ラベンダーは、 米国で開発され、対象者がおかれた条件下に 使用した精油の中で、鎮静作用があるモノテノレベ より変化する一時的な気分、感情の状態を測定 ンアルコール類と鎮静作用、鎮痛作用のあるエ できるとしち特徴を有している。 T e n s i o n Anx i e t y )JI 抑うつ また、「緊張不安 C ステル類が最も多く含まれ ており、精油成分の v 80%がこれらの成分だった。ベルガモットは、モ D e p r e s s i o n D e j e c t i o n )JI 怒り一敵意 一落ち込 ( ノテルベンアルコール類とエステル類を合わせ ( A n g e rH o s t i l i t y )JI 活気 ( Y i g o r )JI 疲労( F a t i g u e ) 含まれており、使用した精油の中では て約 40% 「混乱 ( C o n f u s i o n )Jの 6つの気分尺度を同時に 2番目に多く含まれていた。サイプレスは、モノ 評価することが可能である(横山 2 0 0 5 ) 。そして、 テルベンアノレコーノレ類とエステノレ類は今回使用 大規模な集団で実施標準化されており信頼性 した精油の中で、は最も少なく、合わせて約 3%し C r o n b a c h . s α )は高い。被験者には、提示 係数C か含まれていなかった(表 l参照)。 された質問項目ごとに、気分を表すのに一番当 吟 てはまるものを、「まったくなかった」を 0点、から を 4点とする 5段階のいず 「非常に多くあったJ れかから選択する。 -78- 奈良看護紀要 V 0L 1 1 .2 0 1 5 横山・荒川 ( 1 9 9 7 )は、“「過去 1週間 J を「現在」 r この3分間」などといった短時間の気分 「今日 J を評価することも可能である"と述べている。本 研究の被験者には精油を嘆ぐ前には「今の気 分にいちばん当てはまるものを選んで、くださしリ と伝え、嘆いだ後には、「香りを嘆いだ後の今の 気分にいちばん当てはまるものを選んでくださ t I¥ Jと伝えて使用した。従って、点数が高いほど、 各項目名に関する状態であることを示す。 2 .研究対象者 5歳以上で大きな健康問題を有しな 年齢は、 2 い、またアレルギーがなく嘆覚異常がない男女 で、今までに芳香物質(香水、アロマオイル、お 曹炎などの 香の香りなど)で気分不快、頭痛、皮 j アレノレギー症状を経験したことがない者。妊娠 N.結果 1.属性 対象者は、男性 1 2名、女性 5 4名、合計 6 6 名。年齢 4 6 . 0 3土 1 0 . 5 1歳。対照群 6名、実験群 6 0名。実験群の精油ごとの人数は、ラベンダー 2 4名、サイプレス 1 9名、ベノレガモット 1 7名 。 2 .アンケートの結果 1 )好きな香りについて 最も好まれていた香りの種類は柑橘系の 香りで参加者の 50%だった。最も好まれていな い香りはハーブ、の香りだった(表 2参照)。 表 2 好きな香りの種類の結果 好きな香りの種類 中ではなく、月経中ではない者。また、本研究 に同意を得られた者。 3年 1 0月 2 2日2 3日 と 3 .実験期間:平成 2 1 1月 8 日 。 4 .実験手1 ) 慎:事前にスケジューノレを立て、対照 群と実験群と使用する精油を決めておき、参加 者には精油の種類は知らせず、自由意思で集 まった順番に割り付けた。よって、必ず好みの 精油を嘆げるとは限らなかった。 参加者には、 5分間私語せず安静に着席した 後 、 POMS短縮版と質問紙記入した後、 5分間 試香紙を嘆ぎ、再度 POMS短縮版と質問紙に 記入した。 5 .倫理的配慮:畿央大学倫理委員会の承認 を得た。研究参加者には、口頭と文書で説明 し同意を得られた者のみに実施した。研究協 力については、参加途中でも中断できること を説明し、得られたデータは個人が特定され る検討は行わずプライバシーを確保し、研究 終了後はしカミるべき方法で情報や結果の破棄 をした。 6 .データの分析は、 S P S S 1 9 . 0を使用し、 K r u s k a l W a l l i s検定と W i l c o x o nの符号付順位検 . 0 5とした。 定をおこない、有意確立を Pく0 人数(人) パ-セント(%) 森材輔の香り 1 7 2 5 . 8 柑橘系の香り 3 3 5 0 . 0 ノ、}プの香り 1 5 2 2 .7 1 .5 無記入 6 6 合計 1 0 0 . 0 2 )精油の噌好について 嘆いだ精油においても、柑橘系の香りである ベノレガモットの精油が最も好まれており、最も好 まれていない精油はハーブの香りで、あるラベン ダーだ、った(表 3参照)。 表 3 嘆いだ精油の好き嫌いの程度のクロス表(%) よ々竺 嫌い どちらで 好き もない 精油の付着なし 1 6 .7 6 6 . 6 1 6 .7 ラベンダー 29.2 3 3 . 3 3 7 . 5 サイプレス 1 5 . 8 .0 21 6 3 . 2 5 . 9 9 4 .1 ベノレガモット 。 * r 嫌u 、」と「少し好き Jを「嫌L、」、「好き」と「少し好き」を「好き」とした 3 .P O M S包縮版の結果 1 )個人的要因の好きな香りと精油の噌好と POMSの項目の結果 (1)好きな香りと嘆いだ精油について P O M S の各項目を好きな香りと嘆いだ精油 uskal-Wallis検定をおこなったが、 とで、Kr -79- 奈良看護紀要 V O L l l . 2 0 1 5 好きな香り別に POMSの項目には群間差が と示唆された。 照)。群間差はなかったが、 POMSの各項目と 2 )対照群と実験群での POMS項目の結果 ( 1 )精油ごとの POMS項目について 精油ごとの POMS項目において、精油を嘆 好きな香りとの関係を詳細に調べるため ぐ前と後での変化は、対照群と実験群ともに W i l c o x o n の符号付順位検定をおこなった 嘆いだ後は POMS項目は低下をしていたが ( 表 3参照)結果、ハープの香りが好きと答え 油を嘆いだ後に POMSの各項目は低下して K r u s k a l W a l l i s 検定で、は群間差はなかった ( 表 5参照)。 しかし、精油ごとの POMSの項目につい いた。 てW i l c o x o nの符号付順位検定をおこなった なくリラックス効果には個人の好きな香りの影 響を受けていなかったことが示された(表 3参 た人の「活気」以外、好きな香りに関係なく精 ( 表 5参照)結果、対照、群は、疲労のみ有意な ( 2 )嘆いだ精油とその噌好について 変化はあったが、その他の項目には有意な 実験群 60名を対象として嘆いだ精油とその 噌好の程度について、 K r u s k a l W a l l i s検定を 変化はなかった。よって、対照群より、精油を おこなったが、群間差はなくリラックス効果に 嘆いだ実験群の方がリラックス効果はあった は、嘆いだ精油の個人の噌好が影響してい と推察される。精油別では、ラベンダーは、 なかったことが示された(表 4参照)。 全ての POMS項目において、精油を嘆いだ 群間差はなかったが、 POMSの各項目と噌 後、有意に低下していたことが示された。 サ 好の程度との関係を詳細に調べるため、 イプレスは、緊張ー不安、怒り一敵意、活気、 W i l c o x o nの符号付順位検定をおこなった(表 混乱の 4項目に有意な低下があった。ベノレ 4参照)。結果、嫌いと答えた人よりも、どちら ガモットは、緊張一不安、抑うつ一落ち込み、 でもない、好きと答えた人の方が、精油を嘆 怒り一敵意、活気、混乱に有意な低下があっ いだ後の POMSの各項目において有意に低 た 。 そして、有意に低下した POMS項目が最も 下した項目が多かった。よって、嘆いだ精油 多かった精油はラベンダーだった。 の噌好について、「どちらでもなしリまたは、 と答えた人の方がリラックス効果はある 「 女 子 きJ n u n6 奈良看護紀要 虫干きな香り].l1]POMS項目の結果 表3 介入前 前後の比較 t p値 介入後 T値 ME(Mie-Max) H値 中 P値 ME(Mie-Max) H値 キ P値 7 . 0 ) 7 . 9 4 ( 5 . 0土 1 7 )1 0 . 7 6 ( 5 . 0土 1 9 . 0 ) 森林浴の香り (N=1 緊張一不安 柑橘系の香り (N=33)11 . 78 ( 5 . 0士2 0 . 0 ) ハーブの香り (N 1 5 )1 3 . 0 6 ( 6 . 0土2 1 . 0 ) 森林浴の香り (N=17)8 . 0 0 ( 5 . 0土 1 5 . 0 ) 6 . 0 ) . 4 8 ( 5 . 0土 1 開巧つー落ち込み柑橘系の香り (N=33)8 ハーブの香り (N=15)9β6(5.0土25β) 森林浴の香り (Nヱ1 7 )1 1 .41 (6 . 0土21 .0 ) 柑橘系の香り (N=33)9 . 9 0 ( 5 . 0土 1 9 . 0 ) 怒りー敵意 78 ( 5 . 0土 1 7 . 0 ) ハーブの香り (N=15)9. 森林浴の香り (N=17)1 3 . 0 5 ( 9 . 0土2 0 . 0 ) 柑橘系の香り (N=33)11 . 15 ( 6 . 0土2 0 . 0 ) 活気 ハーブの香り (N=15) 1 1 . 8 6 ( 5 . 0士 2 2 . 0 ) 森林浴の香り (N=1 7 )1 0 . 2 9 ( 5 . 0土 1 8 . 0 柑橘系の香り (N=33)1 2 . 21 (7 . 0士 21β) 疲労 ハーブの香り (N 1 5 )1 2 . 0 0 ( 5 . 0土 2 2 . 0 ) 森林浴の香り (N=17)11 .1 7 ( 6 . 0土 1 7 . 0 ) 柑橘系の香り (N=33)1 1. 4 5 ( 7. 0土 1 7 . 0 ) 混乱 .0 ) 1 . 0 6 ( 9 . 0土21 ハーブの香り (N=15) 2 2 . 0 6 0 . 4 8 1 .0 8 3 . 5 1 1 1 . 0 0 紳 0 . 0 0 9 3 100 0 . 0 0 * 本 8 . 0 6 ( 5 . 0土 1 9 . 0 ) 0 . 0 0 0 . 0 0 1紳 5 . 8 2 ( 5 . 0土 1 0 . 0 ) 2 . 5 0 紳 0 . 0 0 3 7 4 . 0 0 料 0 . 0 0 2 6 . 4 0 ( 5闘O土 1 0 . 0 ) 1 1 . 5 0 0 . 0 3 * 2 . 0 ) 8 . 1 1( 5 β士2 3 . 0 0 0 . 0 0 * * 6 2闘0 0 0 . 3 58 . 1 2 ( 5 . 0土2 1 . 0 ) 0 . 0 4 ご 土1 5 . 0 ) 0 . 7 86 . 5 7 ( 5 . 0 : 1 . 5 5 8 . 0 ) 0 0 . 5 86 . 8 4 ( 5闘O土 1 . 6 3 2 . 8 9 0 . 0 0 * * 0 . 0 0 7 料 11 .0 0 ( 5 . 0士 1 7 . 0 ) 1 2 . 5 0 0 . 0 0 7料 0 . 5 7 1 2 3 . 0 0 紳 0 . 0 1 4 0 . 2 38 . 2 4 ( 5 . 0土 1 8 . 0 ) 0 . 0 5 0 . 9 8 活気 疲労 混乱 幽 0 . 6 4 1 5 . 0 0 0 . 0 2 * 4 4 . 0 0 0 . 0 0 * * キ 0 . 0 4 2 . 0 0 日β 8 ( 5 β士 1 7 . 0 ) 1 4 5 . 0 0 0 . 0 0 1料 0 . 5 3 3 4 7 . 5 0 0 . 0 0 1榊 5 0 4 3“ 0 . 0 1 3 耕 1 .2 5 9 . 5 3 ( 9 . 0土 21 .0 ) *P く0.05 **p く0.01 同直中 P { i 直 ME(Mie-M猷) 前後の比較 叫車中 P値 日 闘5 0 8 . 8 0 ( 5 . 0土 1 2 . 0 ) 1 .1 1 0 . 5 78 . 2 3( 5 . 0土 1 9 . 0 ) 2 . 5 0 5 . 0 0 0.007** 0 . 0 0本 * t1 5 . 0 ) 6 . 8 0( 5 . 0: 0 . 8 95 . 9 2( 5 . 0: tl0β) 0 . 7 3 0 . 6 9 9 . 5 0 0 . 1 1 9 5 . 0 0 0 . 0 1 2* 8 . 9 1( 5 . 0士宣5 . 0 ) 6 . 3 5 ( 5 . 0士 1 5 . 0 ) 0 485 鵬、 (N=lω 士1 5 . 0 ) 9 . 8 0 ( 7 . 0 7 . 2 0 ( 5 . 0土 1 4 . 0 ) 7 . 5 0 どちらでもない (N=131 0 . 0 ( 5 . 0: t1 7 . 0 ) 0 . 0 6 好き (N =37 ) 1 0 . 6 2 ( 5 . 0: t 2 1 . 0 ) 鵬、(N=lω 1 2 . 4 0 (1 .0 1: t1 6 . 0 ) 7 . 0: t2 4 . 0 ) 0 2 . 4 6( . 6 5 どちらでもない(N=131 好き(体3 7 ) 1 2 . 0 8 ( 5 . 0土 2 0 . 0 ) 楓、 (N=10) 11 .30( 7 . 0土 1 7 . 0 ) 0 . 9 66 . 6 1( 5 . 0土 1 6 . 0 ) 町 “ 。62 4 . 0 0 0.028* 0.00*キ 0 . 0 0 0 . 0 1 1* 1 0 . 0 ( 5 . 0土 1 4 . 0 ) 0 . 7 29 . 1 5 ( 5 . 0土 1 4 . 0 ) ∞ 3 . 7 . 5 0 0 . 2 2 11 . 1 (5 β土 1 8 . 0 ) 0 . 5 8 4( 8 . 0: t1 7 . 0 ) 1. どちらでもない(N=131 0 . 1 0 0 . 7 48 . 15 ( 5 . 0土 21 .0 ) 。 . 0 5 3 5 . 5 0 0 . 0 7 9 4 . 0 . 0 1 6* 2 8 . 0 0 0.00** 9 . 4 0( 7 . 0: t1 4 . 0 ) 3 9 . 0 0 0.049* 9 . 3 2( 7 . 0土 1 5 . 0 ) Icoxonの符号柑!聞こ検定キKru skal-Wallisの検定 -81- ∞ 0 . 2 9 7 . 7 8 ( 5 . 0士 18β) 0 . 9 49 闘4O( 7 . 0: t1 4 . 0 ) 11 .8 6 ( 6 . 0土 21 .0 ) 2 . 4 7 0.008** 1 61 .00 8 .6 0 ( 5 β土 1 3 . 0 ) .0 ) 1 . 3 8 ( 5 . 0土 21 どちらでも品川 N=131 好き (N =37 ) 1 2 . 0 2( 5 . 0: t 2 2 . 0 ) 競 札 、 (N=10) 11 .4 ( 8 . 0土 1 7 . 0 ) 0.00** 0.04* 4 6 . 0 0 0 . 7 3 7 . 5 9 ( 5 . 0土 2 2 . 0 ) 同直 嗣 。105 1 7 . 5 0 0 . 2 8 7 . 7 2 ( 5 β: t 21 .0 ) 0 . 2 2 T T値 好き (N =37 ) 好き (N =37 ) 捌 0 . 6 1 1 5 . 5 0 8 . 3 3 ( 5 . 0士 1 7 . 0 ) 0 . 9 79 . 6 9( 7. 0土 1 5 . 0 ) 剛 . 6 9 ( 5 . 0土 1 5 . 0 ) 抑うつー落ち込品どちらでもない(N=138 怒りー敵意 0 . 7 2 7 . 0 7 . 5 8 ( 5 . 0土 1 11 . 1( 6 . 0土 1 9 . 0 ) .3 8 ( 5 . 0土 200 ) どちらでもない(N=1311 1 2 . 5 6 ( 60: t 21 .0 ) 脇、 (N=10) 8 . 9 0 ( 5 0 土 1 5 . ) 好き (N 口3 7 ) 0 . 4 6 静子期間MS 項目の結果 精;自のE 介入後 介入前 ME(Mie-Max) 関長一不安 幽 。 旬 。 。 t W ilcoxonの特号付順に検定キKruskal-Wallisの検定 鵬、(N=10) 0 . 9 7 7. 4 0 ( 5 . 0土 1 5 . 0 ) 0 . 1 71 0 β 6 ( 5 . 0 : 土1 8 . 0 ) 1 . 1 5 . 0 ) 1 0 . 0 0 ( 5 . 0土 1 ご 事 務 V O L l l . 2 0 1 5 1 .9 3 0 . 3 7 3 9 . 0 0 制8 . 5 0 *P く0.05 料 0.049* 。 開 。0** Pく0.01 奈良看護紀要 V 0L 1 1 .2 0 1 5 表5 精油虫IjpOMS項目の結果 介入前 ME(Mie-Max) ヲベンダー (N=24) 緊張ー不安 ペルガモット (N=17) 11 .37(5 . 0土 21 .0 ) 1 2 . 7 3 ( 7O土 2 0 . 0 ) 1 2 . 2 9 ( 6 . 0 : : ! : : 1 9 . 0 ) 1 0 . 0 ( 7 . 0 : 土1 2 . 0 ) 9 . 4 5 ( 5 . 0土 2 5 . 0 ) 7 . 8 9( 5 . 0 : : ! : :1 4 . 0 ) 9 . 11(5 . 0 : : ! : : 1 6 . 0 ) 7 . 6 6 ( 6 . 0 : : ! : : 1 1 . 0 ) 1 0 . 6 9 ( 6 . 0土 2 1 . 0 ) 1 0 . 3 1( 5 . 0土 1 9 . 0 ) 9 . 9 4 ( 5 . 0土 2 0 . 0 ) 士1 1 . 0 ) 9 . 5 0 ( 8 . 0 : 1 2 . 2 5 ( 5 . 0土 2 0 . 0 ) 1 2 . 8 9( 8 . 0 : : ! : : 2 4 . 0 ) 11 .4 1( 6 . 0 : : ! : : 2 0 . 0 ) 1 0 . 0 ( 7 . 0 : : ! : : 1 2 . 0 ) 1 1 . 5 4 ( 5 . 0 : : ! : : 2 2 . 0 ) 11 .36( 5 . 0 : : ! : : 2 1 . 0 ) 1 2 . 5 2 ( 5 . 0 : 土2 1 . 0 ) 1 0 . 8 3 ( 8 . 0 : 土1 9 . 0 ) 1 1 . 5 8 ( 7 . 0 : : ! : : 2 1 . 0 ) 1 2. 10 ( 9 . 0 0 : : ! : : 1 7 . 0 ) 11 .5 2 ( 6 . 0ま 1 8 . 0 ) 対照群 ( N = 6 ) .0 ) 9 . 5 0 ( 7 . 0士 11 サイプレス ( N"19) ペルガモット (N=17) 対照群 ( N " 6 ) ラベンダー (N"24) 抑うつー落ち込の サイプレス (N=19) ペルガモット (N=1 7 ) 対棟群(昨日) フベンダー (N=24) 怒りー敵意 サイプレス ( N"19) ペルガモツ卜 (N"17) 対照群 ( N = 6 ) フベンダー (N=24) 活気 サイプレス ( N=19) ペルガモット (N=17) 対照群 ( N = 6 ) フベンダー (N=24) 疲労 サイプレス ( N=19) ペルガモット (N=17) 対照群 ( N = 6 ) フベンダー (N=24) 混乱 サイプレス ( N=19) 町 H値 キ . 49 1 ME(Mie-Max) 7 . 37(5 . 0土 1 2 . 0 ) 8 . 5 2( 5 . 0 : : ! : :1 9 . 0 ) 0 . 6 88 . 3 5 ( 5 . 0 : : ! : : 2 1 . 0 ) H値 キ P値 0 . 8 5 0 . 7 8 ∞ 8 . ( 5 . 0 : : ! : : 1 3 . 0 ) 5 . 7 9( 5 . 0 : : ! : : 1 0 . 0 ) 1 .48 0 . 2 2 0 . 6 96 . 7 8 ( 5 . 0士 1 5 . 0 ) . 0 ) 6 . 5 8 ( 5 . 0土 15 0 . 0 ) 6 . 1 6 ( 5 . 0土 1 7 . 1 6 ( 5 . 0土 2 2 . 0 ) 7 . 3 1( 5 . 0土 1 6 . 0 ) 0 . 9 77 . 5 2 ( 5 . 0 ± 1 9 . 0 ) 0 . 2 4 0 . 9 7 0 . 2 3 0 . 9 7 1 . 0 ) 6 . 8 3 ( 5 . 0土 1 9 . 5 0 ( 5 . 0 : : ! : : 1 8 . 0 ) 5 . 5 1 11 . 10 ( 5 . 0 : : ! : : 1 6 . 0 ) 0 . 1 41 1 . 3 5 ( 7 . 0土 1 7 . 0 ) 0 . 0 7 7 . 2 3 7 . 8 3 ( 5 . 0士 1 3 . 0 ) 7 . 5 0 (5 . 0: : ! : : 1 2 . 0 ) 2 . 7 2 1 . 49 前後の比較 T P健 介入後 P健 “ 。44 8.89( 5 . 0 : : ! : : 2 1 . 0 ) 7 . 7 0 ( 5 . 0土 1 7 . 0 ) 8 . 5 0( 5 . 0 : : ! : : 1 7 . 0 ) 日. 9 5( 7 . 0 : : ! : : 1 2 . 0 ) 1 0 . 1 0 ( 8 . 0 : : ! : : 1 4 . 0 ) . 0 : : ! : : 1 5 . 0 ) 0 . 6 89 . 17(7 0 . 8 6 0 . 7 6 4 . 4 3 0 . 2 2 9 . 8 3 ( 7 . 0 : : ! : : 1 1 . 0 ) T値 1 5 . 5 0 4 . 0 0 7 . 0 0 1 . 0 0 2 2 . 5 0 2 . 0 0 7 . 0 0 2 . 5 0 6 . 0 0 目 1 7。 1 4 . 0 0 0 . 0 0 3 3 . 0 0 1 4 . 0 0 2 0 . 5 0 3 . 0 0 3 . 0 0 2 4 . 5 0 5 2 . 0 0 0 . 0 0 8 . 0 0 1 3 . 5 0 1 1 2 . 0 6 . 5 0 P < 0 . 0 5 tWilcoxonの符号付I J 慌に検定中Krus 泊I W a l l i sの検定 ホ 0 . 0 0 1ホ * 0.00*ホ 0 . 0 0 4* 0 . 0 7 4 0 . 0 0 1** 0 . 400 0 . 0 0 4* 0 . 1 5 0 0.00*隼 0 . 0 0 8* 0 . 0 0 9* 0 . 6 3 0 0 . 0 0 1事 * 0 . 0 1 5市 0 . 0 1 3常 0 . 1 1 0 0 . 0 0** 0. 430 0 . 6 4 0 0 . 0 4 2事 0.00*ホ 0 . 0 0 5* 0 . 0 0 3* 0 . 5 7 7 *P く0 . 0 1 ホ V. 考察 低下していたことが分かった。嘆いだ精油の 最も好まれていたのは、香りの種類と精油 ともに柑橘系の香りであるベルガモットだ、っ O M Sの項目は噌好の 噌好の程度においては、 P 程度には群間差はなかったが、 Wilcoxonの符 号付順位検定で調べると、「嫌いj と答えた人 た。最も好まれていない香りの種類と精油は ともにハープの香りのラベンダーだ、った。こ よりも「好き」と「どちらでもなしリと答え れは、人には単純接触効果があり生活経験上 で、接触した経験があるものを快く認識する 傾向にあり(庄司, 2005)、ラベンダーの精油 は、柑橘系の香りであるベノレガモットや森林 裕の香りであるサイプレスに比べて、日常的 O M S項目が有意 た人の方が精油を嘆いだ後、 P に低下したものが多かったことから、嘆いだ 精油の噌好の程度がリラックス効果に影響し ていると推察された。 噌好とリラックス効果の関係を自律神経の にある香りではなく馴染みの少ないニオイの ために好まれなかったと考える。反対に柑橘 系の香りは、馴染みの有る香りであるため最 も好まれたと考えられ、先行研究においても 同様の結果となり、ハープの香りよりも、柑 橘系の香りが好まれていた(木暮, 2006)。 反応を指標としている研究においても、同様 の報告があり噌好がリラックス効果に影響し 0 0 4 . ていることを示唆した報告がある(谷田, 2 金子, 2014)。実験群と対照群とを比較した結 果では、精油を嘆いだ人の方が精油を嘆いで 好きな香りがリラックス効果に影響してい O M Sの各項目は好 るかについて調べた結果、 P きな香りに影響されずに、精油を嘆いだ後に O M S項目が有意に低下した いない人よりも、 P ものが多かった。このことより、精油の付着 がある実験群の方が精油の付着が無い対照群 よりもリラックス効果があったと推察された。 -82ー 奈良看護紀要 V 0L 1 1 .2015 POMS項目が有意に低下したものが最も多か 精油についての嘆覚生理学的調査一香りに った精油は、今回使用した中ではラベンダー 対する好き嫌い-日本アロマセラピー学会 だ、った。ラベンダーにはリラックス効果があ 誌 ,5 ( 1 ) : 2 5 3 3 . ることは、多くの研究で述べられており(細 庄司健,田口澄恵,寺島有史 ( 2 0 0 5 ):香りの単 井ら, 2 0 1 3 .浅野, 2 0 0 9 )、結果からも、今回使 純接触効果.日本味と匂学会誌, 1 2 ( 3 ) : 用した精油の中でもリラック効果が高かった 2 7 9 2 8 2 . と推察された。そして、ラベンダーにはリラ 松藤尋幹,渡謹浩子,柳吉桂子,我部山キヨ子 ックス効果があるとされている精油成分のモ ( 2 0 1 1 ):産科領域におけるメディカルアロマテ ノテノレベンアルコール類とエステノレ類が精油 ラピ)の導入に関する看護職員の意識調査. 成分の 80%と最も多く含まれていた。 1 ( 4 ) :7 6 6 8 3 . 母性衛生, 5 本研究においてラベンダーは、嘆いだ精油の 鈴木彩加,大久保暢子 ( 2 0 0 9 ) :看護分野にお 中で「嫌いj と答えた人が最も多く、そして けるアロマテラピー研究の現状と課題.聖路 [好き J と答えた人が最も少なかった。しか し、精油を嘆いだ後 POMS項目が有意に低下し 5 :1 7 2 7. 加看護大学紀要, 3 谷田恵子 ( 2 0 0 3 ):代替療法のエピデンス一芳 た項目が最も多くリラックス効果が高いと推 香療法(アロマセラピー)-.臨床看護, 2 9 察された。このことから、リラックス効果に ( 1 3 ): 2 0 4 4 2 0 5 4 . は、精油成分が影響しているのではなし、かと 推察された。 谷田恵子 ( 2 0 0 4 ):真正ラベンダーの香りが副交 感神経活動に及ぼす影響:心拍変動の週は 以上のことから、精油のリラックス効果に影 響するのは、個人的要因である嘆いだ精油の 数解析を用いた検証.日本アロマテラピー学 会誌, 3( 1 ): 4 5 51 . 噌好と精油成分の両方が関係していることが 細井英司,曽根津美,安曇健作 ( 2 0 1 3 ):ラベンダ 示唆された。本研究は、リラックス効果につ 一精油とグレープフノレーツ精油による自律神 いて心理的指標を用いてのみの結果であるが、 経系及び免疫系に及ぶ影響,アロマテラピー 今後は心理的指標だけではなく生理的指標も 学雑誌, 1 2( 1 ): 2 9 4 0 . 用いてより詳細に、様々な年齢と健康状態を 横山和仁,荒記俊一( 1 9 9 7 ) :. 第 4囲気分プロフ 対象としたアロマのリラックス効果を調べて ィーノレ検査 (POMS).産業衛生学雑誌, 3 9 : いき研究成果の蓄積をおこなっていくことが 7 3 7 4 . 必要だと考える。 横山和仁( 2 0 0 5 ): POMS短縮版手引きと事例第 5版.金子書房. 参考・引用文献 2 0 0 8 ): 花 輪 尚 子 , 才 木 祐 司 , 山 口 国 樹( 浅野智絵美,伊藤輝子,川野直子 ( 2 0 0 9 ):グレー 日本由来の香りが日本人にもたらす交感神経 プフルーツ及びラベンダーのニオイ刺激によ 活動の鎮静作用.日本生理人類学会誌, る生理・心理気のへの影響.日本味と匂学会 1 3 ( 1 ) :4 9 5 6 . 誌 ,1 6( 3 ): 6 3 3 6 3 6 . 三上杏平 ( 2 0 1 1 ):カラグラフで読む精油の機 加藤幸子,小暮守宏,笠原多嘉子他 ( 2 0 0 5 ):アロ マセラピーで、の精油に対する好き嫌いが自 律神経に与える影響.日本アロマセラピー学 会誌,4 ( 1 ) : 4 1 4 6 能と効用.フレグ‘ランスジャーナノレ,第 l版第 5 印刷発行 : 3 8 . ロパート・ティスランド/トニー・パラシュ著高山林 太郎訳 ( 2 0 0 8 ):精油の安全ガイド(上巻). フ レ 金子仁子,鈴木志保,富田美保子他 ( 2 0 1 4 ): 自 律神経に及ぼす精油の効果,日本アロマテラ ヒ。一学会, 1 3 ( 1 ) :1 7 2 3 . 1刷発行. グ、ランスジャーナノレ,第 l版第 1 ロパート・ティスランド/トニー・パラシュ著高山林 太郎訳 ( 2 0 0 8 ):精油の安全ガイド(下巻)ブレ 木暮守宏,加藤幸子,秋元恵実他 [ 2 0 0 6 J:植物 グ、ランスジャーナノレ,第 1版第 9刷発行. -83- 奈良看護紀要 V 0L 11 . 2 0 1 5 デ、イピッド・ G ・ウィリアムズ著川口健夫訳 ( 2 0 0 6 ):精油の科学.ブレグ、ランスジャーナル, 第 l版第 4刷 -84-
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