目 次 目 次

C O N T E N T S
日本病院会雑誌 病院学 2
00
5 年2月号
目 次
巻頭言:混合診療解禁と国民皆保険制度…………………………………… 村上 信乃 3
グラフ:熊本市立熊本市民病院………………………………………………………………… 4
〔第54回 日本病院学会〕
……………………………… (座長) 梶原 優 12
シンポジウム「病院マネジメント最前線」 (1)
診療報酬改定から読み取る急性期型病院の将来展望について …………… 鈴木 紀之 1
3
(2)トヨタ自動車マネジメント手法導入中のトヨタ記念病院の挑戦………… 小野 政秀 2
0
…………………………………… 望月 眞一 2
8
(3)ここ10年の取り組みの成果と今後の課題 (4)外来分離後の急性期病院 ……………………………………………………… 小林 和彦 3
5
(5)討論……………………………………………………………………………………………… 4
1
〔国際モダンホスピタルショウ2
004・カンファレンス〕
パネルディスカッション
「2004年診療報酬改定にみる病院機能分化の新潮流」
………………… (座長) 濃沼 信夫 50
(1)
医療提供体制と病院機能分化の課題 ………………………………………… 川合 弘毅 5
1
(2)地域医療支援病院としての病院運営 …………………………………………
8
5
(3)急性期病院の経営戦略と地域連携 …………………………………………… 竹田 秀 6
9
(4)ケアミックス型の病院経営 …………………………………………………… 安藤 高朗 8
1
(5)討論……………………………………………………………………………………………… 9
3
……………………………木村 通男 10
0
ITフォーラム「現状で実現可能な電子カルテの範囲」
12
6
病院経営管理者養成課程通信教育「通教月報」巻頭言………………………………… 大村 政男 〔一番町だより〕
平成16年度第8回常任理事会・第3回理事会合同会議 議事抄録
(平成1
6年11月2
7日)………1
27
3
8
〔お知らせ〕 第1
0回人間ドック認定指定医研修会の開催案内…………………………………………1
お知らせ 『日本病院会雑誌』表紙リニューアルについて 表紙デザインを変更いたしました。
従来のシンボルカラーの緑を引き継ぎ,ヒポクラテスにゆかりのある西洋プラタナス(スズカ
ケノキ)の葉を題材に白地面積を広げてシンプルかつ落ち着きのあるイメージに仕上げました。
2004 年 7
村上 信乃
むらかみしの
●
(社)
日本病院会副会長
●旭中央病院院長
巻
頭
言
混合診療解禁と
国民皆保険制度
この号が発行される頃にはもう既に決着
経済的には有利です。しかし混合診療で必
がついているかもしれませんが,混合診療
ずしも公的保険でなく患者が必要な医療を
についての過日の反対署名運動には,私の
受ける道筋がつけば,経済的理由からの公
病院も職員を挙げて協力して,約1万人の
的保険範囲縮小の議論が起こることは必然
署名を集めました。同じ時期に行われた社
でしょう。事実,規制改革・民間開放推進
会保険審査会で,審査員として出席してい
会議の委員のなかには混合診療解禁に加え
た県内の何人かの病院長に,他の病院の状
て,公的保険の守備範囲の抜本的見直しも
況について訊ねてみて驚きました。事務長
求めている人もいます。このようにして公
に任せ放しにしていたり,署名運動の事を
的保険での保証の減少した部分を補うため
全く知らないなど,ほとんどの病院長が無
に,当然民間保険が介入してくることでし
関心だったのです。なかには混合診療のほ
ょう。しかし民間保険では,老人などのリ
うが病院にとって有利なので,敢えて署名
スクの高い人の保険料が高く,納める保険
集めをしなかったと語る病院長もいました。
料の額により受けられる医療内容に差がつ
安易に無制限な混合診療を認めた場合,
くことになるでしょう。また混合診療が認
WHO の調査で世界一と評価された国民健
められれば,製薬会社は未承認薬を希望価
康度を維持して来た,わが国の国民皆保険
格で販売できるので,費用をかけてまで日
制度が壊れてしまう危険性のある事を,理
本で臨床試験をして承認をとろうとしなく
解していないようでした。そこで日病副会
なり,保険診療が空洞化する可能性もあり
長として,みんなに次のような説明をして
ます。このような国民皆保険制度崩壊の危
協力を求めました。たしかに目先の利益を
険性のある混合診療を解禁せず,従来の保
考えると,混合診療が認められれば,今ま
険制度のなかの特定療養費制度をもっと柔
で患者にとって必要でも保険適用外なので,
軟に活用して,患者にとって必要な治療法
病院負担としていた薬や高価な手術用消耗
は早く保険で認める体制作りにつとめるべ
品の代金が請求できるので,病院としては
きであると説明しました。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 3(167)
混
合
診
療
解
禁
と
国
民
皆
保
険
制
度
病院紹介
熊本市立熊本市民病院
西に有明海,東に阿蘇連峰を遠く望みながら,湧水豊富な江津湖公園に隣接するなど療養環境に恵まれた
熊本市東部に位置する熊本市立熊本市民病院は,昭和21年2月開設されました。その後,昭和54年第1期工
事(南館完成),昭和59年第2期工事(北館完成),平成13年第3期工事(研究管理棟完成)など,幾多の変
遷を経て現在の診療科目25科,病床数552床の地域医療の基幹病院として発展してまいりました。
一般医療のほか高度・特殊医療を担当しながら,自治体病院としての役割を果たしています。特に,新生
児医療部門における NICU を完備した新生児医療センターは全県域を網羅し24時間体制で活動しています。
また,周産期母子医療にも積極的に取り組み,平成15年8月には WHO とユニセフから「赤ちゃんにやさ
しい病院」の認定,平成16年3月には熊本県から3次医療機能を有する総合周産期母子医療センターの指定
を受けております。
当院の理念である「熊本市民病院は健康を願う市民を支援するため,市民と協力し仁愛と奉仕の心をこめ
て最善の医療を行います」に基づき,今後も地域医療の基幹病院として安全で信頼される良質な医療サービ
スの提供に努めてまいります。
病院の全景
1階と2階をつなぐエスカレーター
1階の外来待合いスペース
広々とした
医療環境の
確保
1階と2階の外来待ち合
わせ,ホール,支払い窓
口など,スペースを広く
とり,ゆったりした雰囲
気にあふれた医療空間を
確保しました。
2階の外来待合いスペース
支
払
い
窓
口
と
、
そ
の
待
合
い
ス
ペ
ー
ス
母体胎児集中治療室(MFICU)のベッド数は6床,後
方ベッド数は12床,産科部門スタッフは医師7名と助産
師16名です。
ユニセフは「生後6カ月の間,母乳だけで育児するこ
とが乳児にとって最善の栄養を提供し,乳児を感染症か
ら守る」ということを提唱しています。当院はユニセフ
から2003年8月,わが国では30番目の「赤ちゃんにや
さしい病院」に認定されました。
当院では出生直後(帝王切開分娩,経腟分娩にかかわ
らず)から母乳を与える指導をしており,24時間の母児
同室を実施しています。お母さま方も母乳育児を心がけ
MFICU 入り口
て下さり,1カ月健診時に完全母乳の乳児は84.2%(新
生児センターに入院しなかった児のみ)にのぼります。
2004年6月1日現在,日本で「総合周産期母子医療
センター」と「赤ちゃんにやさしい病院」と両方の認定
を受けているのは当院と日本赤十字医療センター,聖マ
産科部門
リア病院のわずか3施設のみです。
(産婦人科部長 石松順嗣)
日本有数の設備とシステムを誇る
総合周産期母子医療センター
N
I
C
U
の
病
室
内
6(170)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
M
F
I
C
U
の
病
室
内
妊娠分娩・新生児医療には特に力を注いでおり,県下のみならず
日本でも有数の周産期医療機関として知られています。
新生児医療センターは,生まれたばかりの新生児が医療を必要とするとき,
その家族とともに,最善の医療でお手伝いすることを任務としています。
診療の柱は,未熟児・新生児の救急医療・集中治療および退院後のフォロ
ーアップです。総合病院ですので,外科系を含めてあらゆる疾患に対応可能
新生児部門
であり,この25年間,県域における新生児医療の最後の砦として機能して
きました。ハイリスク新生児の収容先を斡旋する情報センター機能と救急車
による新生児搬送(第3の施設への三角搬送も含む)を受け持ってきました。
このたび総合周産期母子医療センターの指定を受けたことで,これらの責務
がより明確となりました。
NICU 入り口
年間の診療実績はおおよそ,全収容数460名,1,000g 未満の超低出生体
重児50名,人工換気120例,手術50例と,本邦でも有数の新生児医療施設
の1つです。
病棟は,新生児集中治療室(NICU)
15床,後方病床(GCU)40床の計55床
に,小検査室,小手術室,調乳室,カンファレンスルームなどを備える1,200
平方メートルです。保育器50台,人工呼吸器18台,血液ガス分析装置,超
音波診断装置,ポータブル X 線装置なども備えています。
また,日本新生児臨床研究ネットワークに参加することで,新生児治療医
学の進歩に貢献するばかりでなく,自らの診療レベル・倫理性を高めるよう
努めています。当院の薬剤部,熊本大学大学院薬剤情報分析学教室と共同で
新生児治療薬の研究にも取り組んでいます。
日本病院会雑誌
(新生児科部長 近藤裕一)
2005 年 2 月号● 7(171)
全
身
用
マ
ル
チ
ス
ラ
イ
ス
C
T
︵
16
列
︶
高度な医療を提供するために
最新の医療機器を完備
救急医療,がん治療,難病治療など,高度な医療を提供するために最新の医療機器
を設置しているほか,感染症第1種・第2種の病床を備えて県下の感染症にも対応
しています。また,ドイツのハイデルベルク市,米国のサンアントニオ市との間で
医療技術員や看護師の相互受け入れなどを行い,国際交流にも力を入れています。
血液浄化センター(人工透析室)
8(172)● 2005 年 2 月号
カルテ室(自動カルテ受払い機)
日本病院会雑誌
配
置
図
配置図
8F
北館
南館
塔屋
塔屋
機械室
新館
南8階病棟
外科
塔屋
7F
北7 階病棟
感染症科
血液免疫内科
南7 階病棟
大腸こうもん科・外科
泌尿器科・麻酔科
整形外科
機械室
北6 階病棟
6F
内科
循環器センター
新館6階
南6 階病棟
院長・副院長室
事務局
整形外科・脳神経外科
( )
循環器科・心臓血管外科
北5 階病棟
5F
呼吸器科
頭・脳卒中センター
( 神経内科・脳卒中 診療科・
脳神経外科)
北4 階病棟
4F
消化器科・代謝内科
リウマチ科・
リハビリテーション科
南5 階病棟
新館5階
顎・顔面外傷センター
医局・研究室
図書室
( 耳鼻いんこ う科・眼科
形成外科・歯科)
南4 階病棟
新館4階
皮膚科
小児科・小児外科
小児循環器センター
会議室
医療情報室
( )
小児循環器 科・小児 心臓外科
北3 階病棟
3F
新生児医療センター
(NI CU)
(GC U)
北2 階病棟
2F
婦人科・腎臓内科
救急センター・人間ドック
リニアックがん治療機
1F
真心をこめて医療
を提供し,市民の
健康を支援します
BF
南3 階病棟
新館3階
産婦人科
診療録管理室
集中治療部
( ICU)
外来( 麻酔・産婦人・外・小児外・大腸こう
もん・耳鼻いんこう・臨床 病理科・相談室)
中央検査部・中央手術部・ 中央材料室・
血液浄化センター・病診連 携室・医療相談
室・栄養相談室
外来( 内・神経内・呼吸器・消化器・代謝内・神経内・脳卒中診療・血液免疫内・腎臓内 ・感染症・
リウマチ・小児・小児循環器・循環器・小児心臓外・心臓血管外・整形外・形成外・脳神経外・
呼吸器外・皮膚・泌尿器・眼・リハビリテーション・放射線・歯科)
救急診療部・薬剤部・中央放射線部・生理機能検査室・内視鏡センター・中央処置室・中央採血室・
リハビリテーション室・栄養管理室・医事課・総合案内・時間外受付
サービス部門( 食堂・売店・理美容室)
中央放射線部( 治療) ・MRI ・RI 検査室
サプライセンター・薬剤検収室・中央監視室
市民病院は市民の健康と福祉の増進を
目的に設置されています。真心を込め
て最善の医療を提供するのがスタッフ
の義務でもあり,誇りでもありす。
正
面
玄
関
車
寄
せ
病院の理念を刻んだ石碑
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 9(173)
熊本市立熊本市民病院
理 念
病
院
紹
介
熊
本
市
立
熊
本
市
民
病
院
『熊本市民病院は健康を願う市民を支援するため,市民と協力し仁愛と奉仕の心をこめて
最善の医療を行います』
基本方針
1.地域の基幹病院として,市民の健康と福祉の増進に貢献します
2.患者さまの権利を尊重し,公正な医療の提供に努力します
3.地域の医療機関と連携を行い,最善の医療と患者さまに信頼される医療を行います
4.患者さまの立場を第一に考え,心をこめて看護ケアを行います
5.医療の進歩に沿って,病院施設や医療機器の整備と充実を図り,健全な病院経営に
努めます
患者さまの権利
私たちは患者さまの権利を尊重し,信頼に基づいた医療を行うため,患者さまの権利に
関する宣言を掲げます
1.適切で最善の医療を公平に受ける権利
2.検査や治療について真実を知り,充分な説明を受ける権利
3.検査や治療を受ける権利と受けることを拒否する権利
4.プライバシーの秘密保持を得る権利
5.病院や医師を自由に選択し,あるいは変更する権利
病院の概要
●名
称
熊本市立熊本市民病院
●開
設
者
熊本市長 幸山政史
●病
院
長
松田正和
●所
在
地
〒862−8505
熊本市湖東1丁目1番60号 電話096−365−1711
●開 設 年 月 日
昭和21年2月1日
●建 設 概 要
鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上8階(一部7階建)3塔建
●規
建築面積 8,693,81m2
模
●延 床 面 積
34,898,15m2
●駐
車
場
290台
●病
床
数
552床(一般病床540床,感染症病床12床)
●診 療 科 目
25科
内科・精神科・神経内科・呼吸器科・消化器科・循環器科・リウマチ科・小
児科・外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・呼吸器外科・心臓血管外
科・小児外科・皮膚科・ひ尿器科・こう門科・産婦人科・眼科・耳鼻いんこ
う科・リハビリテーション科・放射線科・歯科・麻酔科
10(174)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
第54回 日本病院学会 〈平成 16 年 7 月・横浜市〉
シンポジウム
病院マネジメント最前線
∼事務管理者からの提言∼
日
本
病
院
学
会
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
財団法人筑波メディカルセンター 法人事務局次長兼病院事務部長
鈴木 紀之
トヨタ自動車株式会社トヨタ記念病院 事務長
小野 政秀
熊本整形外科病院/熊本リハビリテーション病院 事務長
望月 眞一
医療法人財団石心会川崎幸病院 事務部長
小林 和彦
座長:医療法人弘仁会板倉病院 理事長
梶原 優
座長 シンポジウム6を始めさせていただきま
ナンバーワンの病院を築きあげてきた管理者の
す。テーマは「病院マネジメント最前線――事務
方々です。すべて,病院の生い立ちというか
管理者からの提言」です。このシンポジウムは,
DNAが違うと私は思います。そういう意味では
日本病院会における「病院管理者協議会」という
1人ひとりのシンポジストの方のお話が,我々が
病院管理者の勉強会で,日頃から切磋琢磨して病
これから病院を経営管理していくうえで大変参考
院経営のために努力しておられる方々の,ある意
になると思いますので,ぜひご清聴いただきたい
味で発表の場であると思います。
と思います。発表のあとは,フロアの皆さまのご
皆さまがご存じのとおり,現在,少子高齢化社
質問も交えてディスカッションしていきたいと思
会と同時に,社会保障制度改革が大いに激しく変
います。
化しております。あと2年後には介護保険と医療
では第1席,
「診療報酬改定から読み取る急性
保険がどうなるのか,非常に問題視されておりま
期型病院の将来展望について」ということで,鈴
すけれども,DPCの問題,また手上げ方式でさら
木紀之さんにお願いします。鈴木さんは学習院大
にDPCが拡大していく。それから,この4月から
学を卒業なさいまして,財団法人筑波メディカル
はハイケアユニットの問題,亜急性期病床の問題
センター病院に入職され,現在,法人事務局次長,
など,本当に目まぐるしく変化しております。そ
病院事務部長・在宅ケア事業管理部長を兼任され
ういったなかで病院の経営管理をどうしていくか
ております。また,私どもの日本病院会,病院管
といったことも非常に重要なテーマではあります
理者協議会の監事もお務めになり,かつ財団法人
が,本日は病院マネジメントの最前線にいらっし
日本医療機能評価機構の事務管理部門のサーベイ
ゃる4名の先生方にシンポジストをお願いしまし
ヤーも発足当初からされているということで,日
た。おのおのが,その地域においてオンリーワン,
本全国で大変ご活躍の先生でございます。
───────────────────────────────────────────────
現職 小野 政秀:トヨタ自動車健康保険組合 事務長 12(176)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
①診療報酬改定から読み取る
急性期型病院の将来展望について 鈴木 紀之
ップ事業として,災害拠点整備事業の一環として,
救急の搬送ヘリが離着陸できるヘリポートを年度
当初に設置いたしました。これからこういうもの
を使って,救急病院がどういう展望があるかとい
うことを地域の皆さんに問いかけていく,という
ロケーションになっています。
ただいま,ご紹介をいただきました,筑波メデ
(スライド2)少し地域事情をお話しますと,画
ィカルセンター病院の鈴木でございます。まずは
面左下の写真の奥のほうに筑波山があります。本
本日のテーマですが,この学会でも随分と診療報
来はこの山麓に広がった農村地帯だった場所にい
酬改定が取り上げられております。そういう意味
わゆる研究学園都市という,人工都市をつくりま
では,同じような話が重なるかと思いますが,特
した。本日の会場になっております神奈川県さん
に事務管理,我々事務長または事務管理職の立場
は画面のとおりです。同じ関東圏ですけれども,
でどういう切り口があるかということを話のポイ
やはり北関東と南関東はロケーションも住民の意
ントにしてご案内したいと思います。
識も違いますし,北関東の病院としては,いわゆ
当院の地域環境と概要 る農村部で比較的保守層の強いなかで,なおかつ
研究学園都市という特異な住民構成を持っている
(スライド1)まず,画面左下が我々の病院です。
エリアです。そこでどのような医療を提供するか
つくば研究学園都市の比較的中心部にあり,いわ
が,我々の日々のテーマとなっております。これ
ゆる関連病院というものはなく,我々の法人は病
もあとでご案内しますが,来年度,平成17年に,
院を1つだけ持ち,そのほかに健診センターなど
東京の秋葉原からつくば研究学園都市まで「つく
はありますけれども,グループ病院はありません。
ばエクスプレス」という鉄道が開通します。秋葉
先ほど梶原先生がいろいろなDNAがあるとおっ
原からつくばまで4
5分となります。これは我々に
しゃいましたが,財団法人として,スタンドアロ
とってはマーケティングという視点で非常に大き
ーン的に1つの病院として,日々地域の医療に取
なポイントになると思います。
り組ませていただいております。
(スライド3)簡単に病院の紹介をいたします。
画面右上にヘリコプターが停まっていますが,
これは今日ご参加の各病院の事務長さん,管理者
今後の我々の展望ということで,平成1
6年度のト
の方に共通だと思いますが,いかに明確に自分た
1.
60
70
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12
34
5
678
スライド1
日本病院会雑誌
-.
スライド2
2005 年 2 月号● 13(177)
日
本
病
院
学
会
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
ちの旗を,地域の住民の方,患者さん,
ご利用される方にお示しするかという
ことを当院としても開院以来,鋭意努
力してまいりました。当院の大きな特
色としては救命救急センター,いわゆ
る3次救急をやりますということ。そ
して地域のがんセンター,これは茨城
日
本
病
院
学
会
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
県のお話を受けて,茨城県の地域がん
センターという役割を持っています。
9):;<=>?@AB<C
9DEF=GDHDIJKDF=<DLMNOPDQ
HRSRTUVWXY=Z
[\]UVWXB^<Z
JK@@=L_`MNOYa
9bcdB^d
9efEgh=iHjkB^>>lmnQ
9opqrE^BGisCtqrEYFFisC
9juCEBFvhCjuDwxyhFvBz
9{|y}~<@v@zG@v<zHjkB^>>lmnQ
9op€b‚cƒ„B…=^=†
9bc‡ˆHopQG…YGG†LHtQ^B…^gF†
また,地域医療支援病院として医師会
スライド3
の先生方としっかり連携してやって
いこうということです。自分たちが地
域において成すことを旗色として,い
かに鮮明にマーケットに問いかけるか
を行動の基準にしてきたつもりです。
ただ,それがこれからの時代に受け入
れられるのか,ドン・キホーテになっ
てしまうのか,そこが事務管理として
は1つの大きな役割,そうした判断を
誤らないためのきちんとした情報提
供・分析を行うことが大事であると認
9‰Š‹ŒŽt‹BLT‘’t“”
RSRTtL•;–—˜t
[™cš›tbc“”@
9bcœHjkB^>lQRTžŸ ¡¢£¤EY^@=¤L
¥¦§¤EBhhh¤H¨©BBg@¤Q
B==sB==g=g¤g=sB==@g¤
9ª«¬­HjkG>BAQ
[™cš›HjkBB>YAQ
®D¯°HjkBY>YAQ
C™c±²³ˆ±´}‚HjkB=>YAQ
µ‚[¶·¸¹¶º»¼½¾¿[š›À¾Á»HjkBY>hAa
9ÂiÃĉŠ
ÅÆÇÈÉÊËL¥ÌÍbUVWX
ÎÏÐÑÒLÓÔUVWXÕ
識しています。
スライド4
ベッド数は全部で4
0
9床あります。
診療科は,オールラウンドにすべての科を包含す
心掛けているつもりです。手術等も減算対象症例
るのではなく,得意な分野に絞って15科ございま
は比較的少なく,これも選択と集中ではないです
す。職員数は780人,外来が1日5
1
9人,入院患者
けれども,得意なところを一所懸命やり,不得意
さ ん が34
4人。409床 に 対 し て3
44人,稼 働 率
な分野にはあまり手を出さないというかたちで,
8
4.
1%ですから,正直に言ってあまり高くはあり
医局もある程度徹底しています。
ません。地域医療支援病院ですので,支援病院の
先ほどヘリポートがありましたが,あれが災害
算定方式による紹介率は9
2.
6%となっております。
拠点病院としてのものです。臨床研修のマッチン
外来の単価が9,
000円をやや超えています。当院
グもおかげさまで順調にきました。日本医療機能
は,院外処方せんを出しておりますので,お薬を
評価機構の認定更新を先般いただきました。そし
含まない単価です。入院のほうは大体5万円前後
て,これも県の事業に参画させていただいていま
です。
すが,地域のリハビリテーション支援センターと
(スライド4)施設基準などは,一通りやってお
して活動しております。関連の施設は画面のよう
ります。地域支援病院とか,がんセンターに独立
なものを持っております。
型の緩和ケア病棟を持っているとか,個性を出し
てご評価いただける施設基準は積極的に取りにい
当院の最近の取り組み事例と今後の事業計画 く,というのが基本的な考え方です。ただ,基準
さてこれから本題に入ります。平成16,
17,
18
を取るために後追いはしない,ということは常に
年度と大きな変化が予想されますが,最近の取り
14(178)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
組みをご紹介させていただきます。
2. Ö׍ØÙÚÛÜÝÞß
à+áâ
(スライド5)2年前の平成1
4年度に,平成1
6年
度の事業展開へ向けての助走に入りました。この
あとに出てきます電子カルテなどのステップアッ
プに備えて,PACSが入りました。それから地域
jk14>lÜã
支援病院としての活動に少しマンネリズムが見え
äåæçèt
てきましたので,NPOと共同連携をして市民健
éÍêëìíîäïðñò
康講座を始めました。それから1
5年に備えての下
jk15>lÜãóôõŒöí÷ø¡
準備,というのが1
4年度の我々のプランでした。
スライド5
(スライド6)それを受けて,平成1
5年度はステ
ップボードにしていくべき年になりました。厚労
省の電子カルテ導入補助事業についてチャンスを
jk15>lÜã
賜りましたので,一挙に電子カルテ,オーダリン
グ,磁気レセプトの導入に踏み切りました。この
会場で午後,当院のメンバーが発表しますが,
我々のところはオーダリングもまだやっていない
段階で,全部まとめていっぺんにやってしまおう
ùúûüýLþXVLùú(U'èt
ª«¬­öÜãm‰XŠ
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RTbc´WX
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という計画でした。準備期間は6カ月で非常に危
惧しましたが,もろもろ課題は残したものの,1
6
スライド6
年度の4月から一応のスタートを切れております。
先ほどのヘリポートの設置ですが,千葉県にあり
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ます日本医科大の北総病院とも連携して,千葉県
と茨城県との協定により,ドクターヘリが茨城県
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のつくばに飛来するということも少しずつ始まる
兆しを見せております。そういう意味では,これ
からの我々の医療のなかでは,地政学的な縛りが
だんだん薄れてくる可能性もあるのかな,と。か
く言いますのは,ヘリコプターなどあまり来ない
だろうと思っていたのが,4月から始まって案外
スライド7
搬送がある。県境をまたいでの搬送もあるという
ことで,非常に興味深い事業になっております。
の補完をしてくださっている。具体的には,開業
それから,これは我々にとって非常に大事なの
医の先生がメディカルセンター病院の外来に来て,
ですが,メディカルセンターは地域医療支援病院
診療を担っていただけるということです。これは
として,医師会や開業医の先生のご支持をどれだ
我々にとって貴重な財産です。決して収入がそれ
けつなぎ止めるか,またそれを自分たちの事業の
ほど上がるわけではない,コストもかかりますけ
活力・エネルギー源にできるかが生命線になりま
れども,こういった活動が我々にとっての勲章で
す。そのなかで,これは各地の病院さんもそうで
あると理解しております。
しょうけれども,小児科の医師が今,払底してお
(スライド7)さて,問題の1
6年度以降,今年か
ります。当院も決して例外ではありません。その
ら来年度にかけてですが,どういった展望を持っ
窮状を見て,地元の医師会が小児の救急診療体制
ているかを簡単にご説明いたします。ただいま申
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 15(179)
日
本
病
院
学
会
シ
ン
ポ
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ウ
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│
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日
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ポ
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│
│
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院
マ
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ジ
メ
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ト
最
前
線
しました,小児医療または小児救急がつくばにお
院のマネジメントの価値観やスタイルが変わって
いては極めて厳しい状況になっていますが,やは
くるだろうということは,多くの方が予測されて
り地域において「小児は当院が中核になってやろ
いることだと思います。
う」ということで,小児病棟の移転・改築――現
平成1
8年度,診療報酬・介護保険ダブル改定へ
在と同じ建物のなかですけれども――これからの
の戦略策定。ゴールに向けた1つの大きなターニ
地域の要求度の高い,利用者に納得のいただける
ングポイントが来そうですね。厚労省の頭の良い
ような施設改修をいたします。1
7年度の初頭から
方が周到な準備をされていて,我々が飛び込んで
スタートさせるべく準備に入っております。これ
くるのを網かけて待っていますので,さてどうや
もお金はかかるのですが,ご存じのように小児は
って我々なりの工夫をして,しっかり地域の皆さ
診療報酬上まだまだ十分な評価を得ていない領域
んとの医療を築けるかという大事なポイントにな
ですが,やはり主旨,我々のよって立つところに
るのが1
8年度からか,と認識しております。
どれだけ忠実に頑張れるか,というところです。
点数が上がったからそこへ行ってみるとろくなこ
当院の損益,実績,及び診療報酬改定の影響 とがない,というのが,私が病院に入って2
0年の
ここから,診療報酬の改定を見据えて,病院の
経験です。まずこれは必要だ。そのなかでどれだ
損益,実績,改定影響などを簡単にご報告したい
け踏ん張れるかという見極めをしてやっていこう
と思います。
というのがこの小児です。
スライド8は筑波メディカルセンター病院の1
4
外来診療体制の見直し。この話は今日,たぶん
年度と1
5年度の実績です。4
0
0床の病院で,入院
私のあとの先生がお話しになると思われますが,
収入が64億,外来収入が17億です。平成1
5年度は
地域医療支援病院にとっての外来は,どうあれか
実績としてその他収入が9億ほどありますが,う
しというのは,17年度の非常に大きなテーマにな
ち5億が先ほどの電子カルテと災害拠点病院整備
ります。先ほどご案内したように,つくばエクス
事業の補助金です。ある意味では他力本願という
プレスが平成17年の秋口に開業を予定しておりま
か,決してこの成果だけで現状は満足できる状況
す。これも決して手放しで喜べる朗報ではなくて,
ではありませんが,やはりこれをトータルでコー
最初はいわゆる医療圏,マーケットが広がるので
ディネートしてなんぼになるか,というプランニ
いい話だと喜んでいたのですが,よくよく検討・
ングをしていくのも,我々事務部門の大事な役割
研究をすると,千葉や東京には良い病院がいっぱ
だということを認識していかなければなりません。
いあります。つくばから東京まで45分,千葉だと
基本的には採算がぎりぎりの病院です。78
0人も
30分以内。
「板倉病院という素晴らしい病院が千
葉にあると聞いたぞ。じゃあメディカルセンター
Y2BÜã34567
に行かずに板倉病院に行こう」と。この流れにど
うやってストップをかけるかということが非常に
重要になるわけです。そういう意味では,我々事
務部門がマーケティングというか地域事情を見据
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えたうえで,どういった需要があるかを考えてい
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くことが大事な役割になってくると思います。
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DPCへの対応。これももういろいろなところ
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で言い尽くされていますが,やはりDPCというキ
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BFB
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ーワードがはずせないものになると思います。そ
れへの対応によって,少し大袈裟に言いますと病
16(180)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
スライド8
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スライド9
スタッフがいて重装備をかけています
スライド10
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ので。でもそんななかでもやれること
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はあるだろうということで進めている
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(スライド9)少し実績速報をしま
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す。外来の単価と患者数を見ていただ
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のが,この14年度・1
5年度は,少し黒
字になっております。債務もたくさん
持っておりますし,決してバラ色では
ないということです。やはり自分たち
のよって立つところ,それに対してど
ういうスタンスを取るかというのが,
行動の規範になるかと思います。
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GhvGF
きます。これは置き換え計算ではなく
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KBvBF
スライド11
て実測値です。1・2・3月が当然
平成15年度の数値,4・5月が今年度の数値です。
うに,地域医療支援病院として外来患者抑制をか
置き換え計算というのは趨勢を見るうえでは非常
けていることも一因かと思います。
に大事ですが,現場の事務長としての勝負はやは
(スライド10)こちらはけっこうショックな数
り実際になんぼになるかです。平成1
6年度はこう
字ですが,入院の単価と患者数。患者数はあまり
いうドクターが入った,こういう設備を入れた。
大きな変化はありません。8
5∼8
6%の稼働率で
そうするとそれを受けて,どのくらいの収入にな
コンスタントに推移していますが,瞠目すべきは
るんだというのが,置き換え計算の場合は読めな
この10%強という患者1人当たり単価の急激な
い。あくまでも置き換え計算は参考値であって,
ダウンです。これも置き換え計算では全く読めな
我々が真にきちんと見極めるべきは自分たちの実
い数字です。患者さんは来ているけれども明らか
力をどの程度予測するかということです。結論か
に単価が急激に落ちた,ということで非常に危惧
ら言うと,置き換え計算よりも実際の診療単価は
を抱く平成1
6年5月度の実績です。ちょっと心配
上がっています。これはドクターのテコ入れなど
だったので,さりげなく知り合いの別の病院の事
が寄与していることで,患者数は3月より若干減
務長さんに探りを入れたら,やはり5月度の成績,
り傾向にありますが,これは先ほど申しあげたよ
来院数や診療内容が低いということが多くござい
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 17(181)
日
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│
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ました。やはりこのあたりは冷静に見
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ていかなければいけない。ただ,好材
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料としては6月が平年並みの状況まで
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ほぼ戻ってきたということです。そう
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見ると,5月は国民の皆さんの健康状
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(スライド11)そうは言っても,外来
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についてはマイナス1%くらい減って
いますよ,基本診療料は案外といいと
ころへ行きましたよ,ということです。
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実際には先ほど言ったように,マイナ
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=v=F
ス1%という数字は理論値であって,
スライド12
現場の数字はもっと違う動きをする
ことを強調したいと思います。
一度ご検討いただけるような活動はしていきたい
(スライド12)入院も基本的には同じです。入
と思います。
院は点数にして50
0万ほど単月で減っていますが,
(スライド14)項目別影響については,先ほど申
これは診療材料費とか医薬品費に相当する部分の
しあげました検体検査の点数がマルメになります
マイナス改定部分が反映しておりますので,実際
ので,今度はコスト管理が大きなポイントになっ
は経費も減っております。差益部分を多少取り逃
てくるかと思います。外来における検査のあり方
がすという程度で,あまり大きな影響を与えない
も考えていきましょうということです。
だろうという観測をしています。それよりもマー
(スライド15)入院部門については小児の加算
ケットの動きによって単価が1
0%も下がること
も出てきましたので,要件緩和が寄与して,小児
が,我々にとって極めて重要な現象ではないかと
の入院の加算が取れるようになりました。このへ
認識しています。
んも現場のいろいろな声が厚労省にも届くのだな
当院における今次改定のポイントと展望 というのが正直な感想です。
(スライド16)当院として今後どうしていくか
(スライド1
3)当院にとって今次改定のポイン
ということですが,急性期病院としての今後の展
トは,まず外来のあり方です。再診料が包括され
開検討が急務になります。外来における包括化の
ます。今回は何となく帳尻が合ってしまいました
問題では,20
0床以上の病院における外来機能を
が,そこから目を背けるわけにはいかないだろう
どう位置づけるのか。これはこのあとに奥の深い
と思います。小児医療への配慮の問題。そしてハ
お話が各先生方からあると思いますが,地域医療
イケアユニット,亜急性期病室加算はどうなるの
支援病院ですので,やはり連携が大前提になりま
か。それから転棟時の入院料算定。当院のように
す。これとつながりますけれども,初診と再診と
ICUやHCUがあっていわゆる急性期をやってい
をすべて,地域需要を当筑波メディカルセンター
る病院にとっては,転棟すると入院料の算定が今
病院が満たすというのは,もう歴史的にも制度的
までの元病棟で取るのか転棟先の点数で取るのか
にも許容されないというのが,我々スタッフの共
で,非常に点数が変わってくる,ということが現
通認識になっております。
実の問題として出てきました。やはりこういうと
(スライド17)そのために,いかに地域での医療
ころも,我々は声を上げて,適正なルールをもう
機能の分担を進めるか。逆紹介を積極的にやる,
18(182)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド16
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スライド1
4
スライド17
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スライド1
5
スライド18
開業医の先生たちへの働きかけを強めていく,ま
最後に,冒頭にも申しあげましたように,将来
た院内のコンセンサスを高めていくなど,いろい
のDPC適用も視野に入れて,我々がこれから検討
ろな取り組みをしていますが,なかなか額面どお
すべき時間はあと1年少ししかありません。準備
りには進みません。ただ,先ほどの小児医療の連
は今から始めなければ間に合いません。それぞれ
携のように,少しずつ実を結ぶ兆しがあることが
の病院が自分たちおのおののDNAがありますか
我々にとっての朗報になります。
ら,日本の病院が一律ですべて同じ手法ではいか
(スライド18)入院部門では,在院日数の短縮と
ない,各地域の地域性,機能,役割,ほかの病院
稼働率の平準化。今回の診療報酬の改定ではあま
との関係性,そういったものを勘案して,我々の
り在院日数の話が出てきませんでしたが,これは
1
8年度の改定へ向けた準備を始めていかなければ
死んだふりかなという気がします。1
8年度はどの
ならないというのが,私の率直な印象です。皆さ
ようなかたちで出てくるのでしょうか,我々はそ
まの力を糾合すれば必ず活路は開けると確信して,
れに対して備えをしたいと思います。
話を終えさせていただきます。ご清聴ありがとう
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 19(183)
シ
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│
│
病
院
マ
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メ
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最
前
線
②トヨタ自動車マネジメント手法導入中の
トヨタ記念病院の挑戦 ございました。
座長 ありがとうございました。次は,企業が
小野 政秀
経営するという非常にユニークなケースだと思い
ます。
「トヨタ自動車マネジメント手法導入中の
日
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病
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│
│
病
院
マ
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メ
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ト
最
前
線
トヨタ記念病院の挑戦」ということで,小野政秀
トヨタ記念病院の小野です。本日は,スライド
さんにシンポジストをお願いしました。略歴をご
をたくさんつくりましたので,走りながらいきた
紹介しますと,1
97
4年に東北大学をご卒業後,ト
いと思います。まず,病院の理念と基本方針です
ヨタ自動車に就職されました。人事部,国内企画
が,理念は50年に1回,基本方針は5年∼1
0年に
部,Netz店営業本部,マーケティング開発部と,
1回,見直しをすることになっています。
さまざまなトヨタ内の職歴をこなしまして,トヨ
(スライド1・2)所在地は,西三河北部医療圏
タ自動車メディカルサポート部というのがござい
で,人口は約45万人です。施設は一般病床5
13床,
ますけれども,そちらのトヨタ記念病院の事務長,
駐車場が1,
35
0台のクルマの町の病院です。職員
トヨタ看護専門学校の事務長を,現在お務めにな
数は8
51名,外注業者の方もいらっしゃいますの
っています。トヨタのユニークなマネジメントシ
で,総勢で1,
00
0名規模となっています。診療実
ステムが,どのように医療に使われているのか,
績は,新入院患者数が8
96名,病床利用率が7
8.
1%
目からウロコが落ちるようなお話をうかがいたい
となっておりますが,現在病棟を改修しており,
と思います。
実稼働病床は44
6,一時期は3
50床くらいで,地域
のほかの病院に入院を肩代わりしてもらっていま
した。平均在院日数が13.
6日です。
メディカルケアランド構想と病院の位置づけ トヨタ記念病院では8
50人の職員が働いている
わけですから,自分たちがどういう方向へ向かう
かを知らなければなりませんので,20
1
5年のトヨ
タのビジョンというものをつくりました。
“メデ
──────────────────────
ィカルケアランド構想”と“病院の位置づけ”です。
スライド1
20(184)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
スライド2
(スライド3)まず,メディカルケア
ランド構想。そこにありますように,
21th Vi sion
病院は豊田市平和町にあります。トヨ
タ記念病院が医療を担当し,クリニッ
ク(これは分離できなかったのです
が)と健診センターで保健部門を担当,
また,老人保健施設がありますので,
ここで福祉を担当する。その近隣に在
日
本
病
院
学
会
宅介護サービスやケア付き住宅をつく
り,地域の診療所・病院・老健と連携
をとっていくという構想です。
(スライド4)この構想における病
院の位置づけとしましては,2
1世紀型
スライド3
病院への転換ということで,メディカ
ルケアランドの核として,また地域の
中核病院として,日本トップレベルの
病院をつくることです。テーマは2つ
TM H 21t h Vision
2
あり,①入院主体の高度医療急性期病
院をつくることと,②外来機能と健診
機能を分離独立させようということで
ありました。
(スライド5)当院の目指すべきポ
ジショニング。いろいろありましたけ
れども,ケアミックスもとらずに,急
性期型の追求に特化しました。当院の
診療圏と競合病院ということですが,
スライド4
この診療圏に,2
0
0床以上の病院が厚
生連加茂病院,少し離れたところに岡
崎市民病院と厚生連安城厚生病院があ
ります。ここがある意味,コンペティ
ターになるというところです。それ以
外のところの病院については,療養型
等を含めてこれから連携を図っていけ
るということです。当院の目指すべき
ポジショニングとして,今挙げました
病院をプロットしまして,我々は中央
破線部に現在あり,新しいクリニック
は左下の領域を担当,また病院本院は
右上の領域を担当し,なおかつ病院は
スライド5
さらに右上の方向へ向かっていきた
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 21(185)
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
い,というのが我々の考えているポジショニング
構想実現のための中期計画 です。
日
本
病
院
学
会
(スライド6)このビジョンに向けた中期計画
(スライド7)2
00
1年∼20
03年の中期計画です。
です。長期的視点は,先ほど申しましたようにメ
「ホップ,ステップ,ジャンプ」と書いてありま
ディカルケアランドですけれども,短期的視点で
すが,画面にあるようなことをやりました。3年
は,西三河ナンバーワンの急性期病院としての機
間の成果ということで,数字は別としてまず外来
能とポジションを確立する。そのための中期計画
棟をつくりました。これはクリニックとして分離
は2つに分け,2001年∼2
0
0
3年はストラクチャ
するつもりでしたができませんでした。フロア別
ーの完成,20
04年∼2
0
06年はプロセスの充実と
のカラーコーディネイト,プライバシーを重視し
アウトカムの向上と方向づけてスタートしました。
た完全個室の診療室とし,電子カルテを入れて対
面方向でインフォームド・コンセントができるよ
うにしました。それから,個室専用の
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
北病棟をつくりました。1階がレディ
スのフロア,2階が内科系,3階が外
科系というかたちで,広いホテル風の
2004
2006
病棟をつくりました。
既存施設のリニューアルということ
で,外来が出ていきましたので,ICU
とか紹介外来とかの病棟機能の強化を
NO
図り,救急外来,特に救急外来はERト
2001
2003
ヨタとして統合診療科を主体とした北
米型のERを目指すという位置づけで
スタートしています。病棟本院のリニ
ューアルは,消化器センターも含め,
臓器別のセンター制を採用しておりま
スライド6
す。病院の全景として,既存病棟及び
北病棟,老健施設や外来棟などを含め
てメディカルケアランドのステージは
2001 2003
まず整ったというかたちにしています。
そして,これを実行するためには,
まずトータルITシステム。マネジメ
ントですから,自分たちのやっている
マネジメントの結果が見えなければい
けない。そのためには今の日記風のカ
ルテでは駄目だということで,情報の
一元化とか,医療の標準化のために電
子カルテを導入しました。経営改善と
いう意味ではDPCの原価管理もでき
るし,物品管理もできるということで
スライド7
22(186)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
す。将来的には,大学と連携をとって
医療の質,情報開示
急性期病院
機能追求
診療の質 医療
安全
合理化
人材育成,ES
スライド8
スライド9
いきたいとも思っています。それから,株式会社
めることです。この3つが完成されますと,医療
グッドライフデザインを,トヨタ自動車と三菱商
の質向上や情報開示ができて,お客さまのスマイ
事の合弁で設立しました。医療機器と医療材料,
ルがアップする,カスタマー・サティスファクシ
薬品も含めてこの会社で買ってもらうという方式
ョンにつながるということで,2
00
4年∼20
0
6年
です。
の中期計画の達成プロセスとしてまとめております。
(スライド8)今後やっていくことになります
計画指標について20
07年3月までの目標数字
2
004年∼2006年の中期計画(後半)ですが,
「ト
をつくっております。
ップレベルの病院として,自他ともに認知される
それから,地域ニーズの反映ということでは,
地域の中核病院を目指す」ということで,2
0
0
6年
厚生連加茂病院が,平成20年に移転・新築します
を目標として地域医療支援病院基準を達成したい
ので,それについて,診療圏を我々がどう考える
ということです。現在,企業立の病院は地域支援
のか。どの領域を強化していかなければならない
病院になれませんので,基準は達成しても取れな
かをシミュレーションしてみました。加茂病院は
いかもわかりませんが。それから「病院機能評価
北の方へ移ります。豊田市の地域医療は,2拠点
の高得点合格をしよう」
。4以上8
0%を取ろうと
によって分担がより明確になります。人員から計
いうことです。その意味では新生ストラクチャー
算しますと,現状4
52人の入院患者が1
2%増える
とアウトカムの向上が大きな命題になっておりま
と い う こ と に な り ま し た。そ れ か ら2
01
5年 や
す。
20
25年を予想しまして,どの科を強化しなければ
中期計画達成のプロセス ならないかを豊田市の人口構成から見ましたし,
PPM分析を使いましてどこの科の入院を増やさ
(スライド9)その中期計画達成のプロセスと
なければいけないか,というようなことも検討し
して,3つの“S”のアップがあります。まずス
ました。
テップアップ,人材育成が最初です。人材育成に
こういうことをやっていく戦略の3本柱は,ま
スポットを当ててやりますと,ES(従業員の満足
ず1つ目にMQI(メディカル・クオリティ・イン
度)も上がります。そのうえに医療サービスをア
プルーヴメント)の組織を立ち上げることで,今
ップしていこう,それにはITという武器・道具
は医療情報マネジメントグループと医療安全管理
を使い,見える化をしていこうと。そのうえで,
グループの2グループですが,これを将来統合さ
急性期病院としての機能を追求すること,医療安
せて活動評価を可視化することが大きな命題です。
全を含む診療の質をアップすること,合理化を進
強力な武器としては,ITシステムがあります。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 23(187)
日
本
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前
線
2つ目,医療のコアに集中し,それ以外はアウト
トヨタ自動車のマネジメント手法というのは特に
ソーシングをする。先ほどトヨタと三菱商事でつ
変わったものではなく,デミングさんのPDCAの
くりました㈱グッドライフデザインに渡していく
サイクルと,このあとドナペディアンさん(この
かたちになります。公的病院ですとPFI的なもの
方はドクターです)のストラクチャー,プロセス,
だと思います。3つ目としてマネジメント機能の
アウトカム,この3つを充実させていくというこ
強化・定着を図っていくことで,これらが3本柱
とです。残念ながら,医療業界ではこれは認めら
となります。
れず,またアメリカでも認められなくて,日本に
入ってきて日本の産業界がこれで伸びたというこ
トヨタ自動車のマネジメント手法 とで,それ以降はアメリカが逆輸入して,マルコ
マネジメントについて説明させていただきます。
ム・ボードリッジ賞(国家品質賞)をつくったり,
マネジメント手法の変遷ということで,1
9
5
0年に
CQI(コンティニュアス・クオリティ・インプル
デミングさんという人が来てデミング賞というも
ーヴメント)の概念を取り入れたりしました。
のをつくって,PDCAを回したということです。
現在,我々はTQM(トータル・クオリティ・
マネジメント)と日本経営品質賞のものを合わせ
たMASTというものをやっています。BSCもあ
りますが,基本的にQC(クオリティ・コントロ
「トヨタグループのマネジメント強化メソッド」
ール)ができていなければ何をやっても一緒だと
思います。BSCだろうがISOだろうが,1つのも
のをきちんとやっていかないと,意味がないと思
います。TQMが成功するのはQCがきちんとで
きてから,できていなければ意味がないというこ
とです。
(スライド1
0)MASTというのはトヨタグルー
プのマネジメントの強化メソッドで,ポイントは
継続性の確保とPDCAのサイクルを回すという
スライド1
0
ことだけです。
(スライド1
1)MASTのフレームワー
のフレームワーク
クで各職場のミッションが3つ問われ
ます。①顧客はだれか,②顧客のニー
ズは何か,③提供するモノ・サービス
は何か。顧客ニーズに合わないものは
基本的には無駄と考えております。そ
れを前提にしまして,上位方針である
とか方針管理の部分がありまして,人
材の育成,業務プロセスの運営,そし
てそれを見えるようにする情報の共有
化と活用,そのうえで活動の結果があ
るということです。今,BSCが言われ
ておりますけれども,学習と成長は5
スライド11
24(188)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
番の「人材の育成と職場風土」になる
と思いますし,6番の「業務プロセス運営」は内
り,改善業務はやらなくても過ごせますので,こ
部プロセスの改善ということになると思いますし,
れをやっていくためには人づくりとリーダーシッ
財務の部分や顧客の視点などいろいろありますが
プが不可欠です。この2つができないと続きませ
基本的にマネジメントは変わることがありません
ん。
ので,どのように自分たちで取り入れて自分たち
でどこまでやっていくか,ということだと思いま
病院に必要なマネジメントと臨床指標 す。問題の改善がトヨタ方式ですが,問題がある
(スライド1
2)マネジメントの体系ということ
かないかは正常な状態,標準がきちんと決まって
では,部門品質マネジメントと,経営品質マネジ
いなければ見えてこない,改善をしていくために
メントの2つがあると思います。部門品質マネジ
は標準化,つまり基準をつくることが不可欠とい
メントは,我々が提供するモノ・サービスの質保
うことで進めております。病院もその意味ではこ
証をする概念。経営品質マネジメントは部門品質
の部分についてぜひ進めていきたいと思っており
マネジメントの結果としての収益ということです。
ます。
(スライド1
3)病院のマネジメントにおける現
トヨタ生産方式の本質は,いろいろ
な工程の改善ではなくて人材育成がベ
ースになっています。また,コストを
削減するのではなく,7つの無駄とい
うものがありまして,この7つをカッ
トしていくことがベースになっており
ます。また「改善が改悪になっても叱
らず,もう一度改善する」という言葉
があります。そういう意味ではトヨタ
でも電子カルテを入れましたが改悪に
なってしまいました。しかしこれをも
う一度改善し続けて,繰り返して良い
ものにして,新しいシステムにつくっ
スライド12
ていきたいということです。それか
ら「できない10
0の理由を言うよりも,
できる1つの策を探せ」という風土も
あります。また「自分がやっているこ
とは正しいと思うな」
,
「人に聞くな,
ものに聞け」ということわざ的なもの
もあります。
質改善の概念は,基本的に悪いとこ
ろを直していくこと。改善の仕組みで
基本的なところは3つ,プロセス思考
であり,重点思考であり,事実思考で
ある。ポイントはPDCAを回すこと,
標準化,可視化,継続化。継続するこ
スライド13
との難しさというのは,本来業務があ
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 25(189)
日
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院
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│
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在の問題点は,収益を中心に行ってい
ることだと思います。今,求められて
いるのはお金のことではなく,病気に
対するマネジメントですので,病気に
強く人に優しいマネジメントをどうす
るか。病気は治ったのかどうか,それ
がすべてだと思います。そういう意味
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線
で,取り組まなければいけない命題と
して,クリニカル・インディケーター
(臨床指標)があります。外部の人に
医療の質が目で分かる物差しでもあり,
内部の人たちの,自分たちの活動の成
果が計れる物差しでもある,臨床の指
標をつくっていきたいということで
スライド14
す。1人当たりの医師の売上げや病床
の回転率などは,医療には直接関係がないと思っ
ております。
(スライド14)事務部門の位置づけですけれど
も,私は事務長ですが,部下に企画,ファシリテ
ィ,IT調達があります。我々のところは病院長・
副院長・総看護長にいろいろ提案をしていくとい
うことです。その病院長・副院長・総看護長が医
療スタッフへ指示を出すということで,我々事務
各テーマ当たり約10名のメンバーを選出
部門が医療スタッフに直接言うことはありません。
私がもし直接言うとすると,医療事務に言うだけ
スライド15
です。
病院の組織ですけれども,事務部門の企画室か
いろいろな方針の策定をする際には,秋頃に幹
ら経営会議というところに問題を提案します。第
部60人が合宿をして,
「来年はこうしよう」といっ
一線のトヨタ記念病院には,縦組織と横組織とが
た相談をして,各副院長に対して院長がヒアリン
あって,トヨタ記念病院の第1∼第4診療室は,
グを行い,4月に病院集会ということで職員に方
室長が副院長を兼務していますので,副院長がマ
針を示すかたちです。
ネジメントをやっていくということです。それか
(スライド15)今年の方針は,MASTを活用し
ら横組織のほうの委員会・プロジェクトも,プロ
た新3カ年計画への全員参画システムの構築とい
ジェクトは大きく2つ,診療の質向上プロジェク
うことで,まず今年は基盤をつくろう,まず活動
トと合理化のプロジェクト。委員会については6
指標の可視化ということで,臨床指標を病院5
0,
つあります。いろいろな委員会がたくさんあると
各部門で10つくろうということでやっています。
出るのも大変ですから,委員会は6つしか開いて
それから満足度4.
0以上を目標数値としています。
いません。それ以外は全部議題として取り上げて
これは従業員満足度と顧客満足度が良くて,臨床
います。そうでもしないと,会議ばかりしている
指標が良ければ,病院は悪くならないという確信
ということになります。
からです。それから,今年の重点テーマですが定
26(190)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
常業務のなかでは,診療の質向上に向
けた4大推進項目のもの,それから職
員の学習・成長支援とCQI風土の浸透,
というようなことをやっていきます。
病院フォーラムが6月1
1,1
2日,稲垣
病院長のもとで開かれ,室別討議のな
かで,いろいろな科方針に基づき取り
組むべき内容,それからCQIのテーマ
日
本
病
院
学
会
の検討,認証指標の討議というのをや
りました。
(スライド16)この臨床指標をしっ
かりやっていきたい。これによって病
院がベンチマーキングしていきたいと
思っております。その意味ではプロ
スライド16
セスではクリニカルパス,アウトカム
では臨床指標ということにしたいと思っておりま
まして,19
89年に熊本整形外科病院に入職なさい
す。
ました。現在では熊本整形外科病院,熊本リハビ
なお,ほかにも臨床指標はたくさんあり,例え
リテーション病院,介護老人保健施設,すべての
ば循環器から出された臨床指標も1例ですが,こ
事務長を兼務して,今,熊本ではオンリーワンの
ういうものは病院全体で2
0
0くらいありますから,
病院として成果を上げている事務長さんでござい
これを整理していかなければならないということ
ます。よろしくお願いいたします。
になるのではと思われます。長くなりますので,
これで終わりたいと思います。
座長 どうもありがとうございました。トヨタ
自動車独特のマネジメントシステムということで
ご講演いただきました。後ほどのディスカッショ
ンの際におのおのお話したいと思います。それで
は次に,熊本整形外科病院,熊本リハビリテーシ
ョン病院の事務長でいらっしゃいます望月眞一さ
んに,
「この1
0年の取り組みの成果と今後の課題」
ということでお願いしたいと思います。
熊本整形外科病院,熊本リハビリテーション病
院は,目指すところの目標が非常に明確でして,
そういう意味ではまた別のDNAということがい
えると思います。
望月さんの略歴をご紹介します。熊本商科大学
の経済学部をご卒業後,いくつかの会社を経まし
て,医療法人萬生会熊本第一病院に入職いたしま
した。その後,熊本市医師会病院に出向しており
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 27(191)
シ
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│
病
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ト
最
前
線
③ここ10年の取り組みの成果と今後の課題 望月 眞一
ただいまご紹介をいただきました望月でござい
ます。ご案内のとおり,私は2つの病院を兼務し
日
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│
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線
ております。本日はこの2つの病院が10年か1
5年
前になりますが開設2
0年を迎えた頃,新しい病院
つくりを目指したこと,その後の1
0年の取り組み,
スライド1
そして,どうしてもやりたい医療,我々がやらな
くてはいけないと思っていた医療について,どこ
èéod
にでもあるような素材をどのように組み合わせ,
éodÈÉHT‘’Q
どのようなコンセプトで取り組んできたか,その
bcd¨éodêëdì6íodîdïðñd
bcýXòóVd©SddO#dô“ñd
成果はどうであったかを報告いたし,併せて病院
DE
がかかえる課題について意見を申しあげたいと思
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H¨DJKQ
juCE @@v=C
います。レジュメに書きましたとおり,数字がす
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@hvYzHtqr{|yQ
べてだとは思っていませんが,良い医療を継続さ
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@vg@GÝHõöV÷ék§OÝEF=<ݨøù_Q
úûü¤E
hv=Y^Ý
せるためには適正な利益を確保しなければならな
efE
@<^ý
bcýXòóV¥Ìþ}‰Š
い。これが1つの指標でもあります。そういった
±²³ˆ
ことが,あらかた一応の成果として出ました。と
Hjkù>n}‚<K@Q
いうことで,今日はそのチャレンジについて,ど
スライド2
うやって今日に至ったかということを申しあげて,
B^
皆さまにご批評いただきたく思います。
2つの病院の概要 [Ð56T
èéodH@=FDQ
(スライド1)熊本整形外科病院は,全国的にも
病床過剰地域とされる熊本市の中心部にあり,近
B
ÐE
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ÐbcE
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くには熊本大学病院,国立病院,済生会中央病院,
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市民病院,日赤があります。1
8
0万人の県民の約
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3分の1が熊本市に集まっており,周辺1
0カ町村
を合わせますと,ちょうど県下の半分がこの大き
な医療圏に包括されております。かつベッド数も
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C
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スライド3
約半分が集中しているという地域です。
(スライド2)地上9階,地下1階の病院で,全
病床10
0床当たり13
0%くらいになります。平均
床が整形外科のベッドという専門病院です。その
在院日数が22日,入院の紹介率が28%,昨年の手
他の診療科は8つほどありますが,すべて整形外
術症例が2,
72
9例,そのうち靱帯断裂形成術の症
科をサポートするチームということで,他の診療
例は4
06例で全国第1位,人工関節置換術が第7
科単独の患者さんは基本的に持っておりません。
位ということで,地域の整形外科での手術センタ
ベッド数が204床,職員数が現在2
6
5名ですから,
ーとしての役割を果たしているほか,MRIが15年
28(192)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
前から2台体制で動いており,昨年が8,
0
3
5例と
いうことで,画像診断センターとしての役割も果
たしております。
また,入院単価は大体3万6,
0
0
0円で,1ベッ
ド当たり月間10
0万円強です。病院機能評価は,
平成9年当時,種別B,第6号の認定を受け,平
成14年に更新を果たしております。入院患者さん
のうち,県外からの患者さんが1
1%と,少しずつ
増加傾向にある病院です。
(スライド3)地域連携状況。熊本県はもとも
スライド4
と医療機能の分化が全国的に非常に進んでいる地
域でして,紹介,逆紹介の数や率が比較的高いの
は,地域の特性かと思います。
èbcýXòóV
bcýXòóVÈÉHT‘’uT‘’Q
(スライド4)熊本リハビリテーション病院は,
bcd
熊本市の中心部から1
5kmほど東側に位置し,熊
bcýXòóVdéodêëd©Sd
ì6íodïðñdô“ñdékoddO#d
DE
本空港から車で5分の地にあります。併設の介護
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H¨DJKî
’b˜B=BDuT‘’DBhDQ
juCE @Fv<C
老人保健施設(画面右上方)を持ち,老健は平均
qr{|y
^@vYz
在院90日∼12
0日で,維持期のリハを担当してお
Î
y
g@v^z
ります。
(スライド5)リハビリテーション病院
efE
@FGý
Htqr{|yQ
bcýXòóV¥Ìþ}‰Š
は急性期から亜急性期のリハ専門で,全病床ほと
±²³ˆ
んどがリハビリです。リハビリの専門医が4名い
HjkBB>}‚Òß ?BYBLjkB<>n%‚Q
て,リハビリのOT,PT,ST,5
0名余りが中心
スライド5
ですけれども,医師1
7名をはじめコメディカルな
ど全職員が何らかのかたちでリハビリにかかわっ
ているという病院です。
B^
[Ð56T
èbcýXòóVH@=BDQ
職員数は249名とありますが,先月末で2
6
5名と
B
ÐE
@
ÐbcE
す。ベッド数は一般病床で2
0
1床ですが,つい最
Y
{|Ÿ ¡tqrE
近12床の増床許可が下り,2
1
3床となりました。
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P\¨Ÿø¡ÊÌ
^
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tqrjuCE
h
lEH¯{|qrEQ
なり,在宅のスタッフを含めますと現在2
9
0名で
21
3床のうち10
1床が回復期リハビリテーション
病棟で,約半分が回復期リハ病床であります。急
性期から亜急性期を病院内で担当して,在宅ケア
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FG
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@Y^
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YY<
i
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i
z
C
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スタッフ約30名が退院後の在宅部門をフォローし
スライド6
ているといった病院です。つまりお風呂の水と一
緒で,栓を抜いた分しか水が入らない。基幹病院
双方の付加価値が上がり,それぞれ単価が上がり
からの紹介をどんどん受けていくには,いかに栓
ました。今年度,亜急性期の病床制度ができまし
を抜けるか,つまりいかに在宅を充実させるかと
たので,現在の10床に加えてさらに1
0床増やす予
いうことで,在宅のほうが拡大しております。そ
定にしております。それによってさらに双方の付
れから回復期リハ病棟を設けました関係で,平均
加価値が上がり,平均在院日数がさらに短くなる
在院日数が約半分に短縮され,回復期,一般病棟
だろうと思われます。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 29(193)
日
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│
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最
前
線
(スライド6)熊本リハビリテーション病院の
築し,前の病棟を全部取り壊してスタートいたし
地域との連携状況です。昨年暮れからオーダーリ
ました。4つのオペ室のほか,MRIも2台体制と
ング,電子カルテをスタートさせまして,電子レ
し,かつ,主だったドクターには半年から1年の
セプトはこの4月から正式スタートいたしました。
海外研修をさせるなど,非常に重装備でスタート
4の入院紹介患者さんの比率が5
2%というのは,
したことから,当初は大きな赤字体制を余儀なく
基幹病院からの紹介を受けているということです。
されました。平成3年当時,黒字転換の中・長期
計画を策定しました。その計画書を見た大手コン
両病院の収入と利益の推移 日
本
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│
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サルタント会社から絵に描いた餅だと一笑に付さ
(スライド7)熊本整形外科病院は昭和4
1年の
れ,酷評されました。しかし平成7年,新規開設
開設で,昭和63年に現在の規模の2
0
4床に全面新
7年目に単年度黒字化を2カ年前倒しで果たし,
評論家よりも現場をプロデュースして
いる者が強いし,やはり真実は常に現
èéod
場でつくられているという思いを改め
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スライド7
とは,2年に1回の診療報酬改定が当
時1∼2%という時代に,毎年5∼
7%の収入増をベースにした一見無謀
とも思える計画であったこと。それを
常識はずれだとして酷評されたわけで
す。もちろん点数改定だけでは増収・
増益を続けていくことはできませんが,
収入が足りないときはその分だけ経費
を削減して,職員も経営者も血を流し
たことが2回ほどありました。1
0年目
の成果は,ドクターと二人三脚で,車
に利益管理をやってきた結果だと思っ
HzQ
H†Q
ております。
平成10年までは収入が増え続けてき
ましたが,それ以降はフラットになっ
!""
#$%&
#$%&'()*
「絵に描いた餅」と酷評された計画
輪の両軸として一緒に医療現場ととも
èbcýXòóV
てしたことでした。
ています。それでも平成1
5年の経常利
益率が1
5.
8%ということになりました。
(スライド8)熊本リハビリテーシ
ョン病院は昭和49年の開設で,すでに
30年が経過しておりますが,平成6年,
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-
,
.
-
-
スライド8
30(194)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
どうにも収入が上がらない,医業成績
が悪い,患者の治癒率が悪いと,一般
病院ではありますけれども,そぐわな
いということで,リハビリテーション
の専門医である現院長に院長就任を受けていただ
きました。そのほかにもドクターが4,5人辞め,
àC†kØÙÚÛ
長年貢献のあった幹部職員も辞めました。病院の
ÈɁ“ ¤Ÿíí
[J ™cðíyL[
Ú ö !"­®ð=Ú ®
大きな転換期に相当し,新しい理念のもとに改め
XXòt'
てリハビリテーションの専門病院をつくるという
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ことで,1
0年前,再スタートを切ったということ
¨fô(í ¥Ç)L*&ü
+,mw-k ef./ð-kM
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になります。その後は若干のラッキーもありまし
f0íl f01,Œír
f0ß2ˆó” f0ílí34
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たけれども,毎年平均で1
0%超の利益をずっと続
けてきております。平成3年の診療高が1
0億ちょ
っとに対し,平成1
3年が2
0億を超えており,平成
スライド9
5年が12億5,
0
00万に対し,今年が2
5億というこ
とで,1
0年間でちょうど1
0
0%超になっていると
思います。
何が成果を上げさせたか ラッキーといいますのは,どうしてもやりたい
今日は,どうやってこうした大きな成果――先
リハビリ専門病院ということで,私から見ると心
ほども申しましたように数字がすべてとは思いま
配もしたのですが,今の院長がどんどん人を採用
せんが,大きな基準ではあります――こういう結
しました。
「人を入れずにリハビリはできない」
果をどうやって招いたかということを申しあげた
ということです。医療法が求める以上のナース,
いと思います。
あるいはスタッフを増員し,ケースワーカーも入
(スライド9)それはまず,2つの病院,老健も
院の当初からかかわっていきますので,4病棟に
含めて専門の得意分野に特化したこと。それから,
5名おります。専属がそれぞれついていまして,
地域で一番店を目指したこと。地域への最大貢献
ドクターならずとも全職員がそれにかかわってい
を専門職として果たしていくこと。これらを社会
るということで,結果としては,その後,夜間看
のなかで私どものミッションと決めて理念化して
護加算ができたり,回復期リハビリ病棟制度が,
掲げているということで,それ以外にはほとんど
座長の梶原先生のご尽力もありまして実現しまし
何もありません。そして,その理念の具現化のた
た。そしてこのたび,亜急性期の病床も許可にな
めの組織体制を取り,また業務分担や責任の所在
りましたが,まさに我々の病院のようなところを
や範囲を組織のなかで明確化し,それを職員に知
厚労省が随分遅れてではありますけれどもあと押
らせたこと。それがきちんとできるような組織運
ししてくれているのではないかと思います。
営をしていくこと。それから必要な情報を広く開
したがって,診療報酬改定に一喜一憂するのも
示して,情報と課題を共有していくこと。そして,
大事なことですけれども,やはり中期,長期的に
目的集団としての組織風土を醸成していくこと。
どういう視点でどういう医療をしたいのかという
ベクトルを合わせて全員参加型の経営を目指して
点にエネルギーを集中したほうが楽しいといいま
きた,その結果が,先ほどの数字に表れ,また医
すか有意義で,結果的には正解であったかと思い
療成績も上がって,ということになってきたので
ます。そして,平成1
5年の経常利益率が1
0.
8%に
はないかと思います。併せて,職員の自己実現が
なりました。老健施設の経常利益が1
4.
3%ですの
いくらかでも果たせられれば,と思っております
で,はじめて3施設揃って1
0%台になったことは
が,これも発展途上にある我々の病院の命題でも
大きな成果というふうに評価しています。
ありますし,道半ばというところであります。
専門特化について若干の説明を加えますと,や
はりそのメリットは人・モノ・金・教育・時間と
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 31(195)
日
本
病
院
学
会
シ
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ポ
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ウ
ム
│
│
病
院
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最
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線
日
本
病
院
学
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シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
いう経営の素材といわれる経営資源を集中できる
というのは逆に適当ではないかもしれませんが,
ことです。あっちもこっちもということになりま
必要な情報をきちんとした形で与える,したがっ
すとどうしても分散してロスが大きくなります。
て組織図だったらちゃんと見せるということです
それから理念や方針などの組織内周知が非常に容
ね。こういうのが大事だと思っています。
易であることですね。つまり,いろいろと職員に
それから,ベクトルは言わずと知れて,方向を
覚えさせなくていいということ,そして対外的に
定めていくわけですので,そのコンセンサスが得
は看板がとてもシンプルであるということです。
られた分だけ,ベクトルは合っていくということ
患者さんが見て何が専門なのか,何が上手なのか
です。コンセンサスというのは,やはりインフォ
をくどくどと言わなくてもいい。ですから,双方
ームド・コンセントという言葉がありますが,む
の病院の職員に,もし外のお客さまに「何が専門
しろこれは職員のためにあるのではないかと思っ
なのか?」と訊かれた時に金太郎飴のごとく「リ
ておりまして,日頃から組織内でインフォーム
ハビリ専門だ」
「整形専門だ」とたぶん言ってくれ
ド・コンセントをやりながら,組織全体のコンセ
ると思います。それから,地域一番店というのは,
ンサスを得ていくということが大事でして,この
専門特化と同様に経営効率が非常に高くなって,
ことを組織のメンテナンスと私は呼んでいます。
市場への浸透が非常に良くなります。地域への最
これをきちんとやっていかないと,組織はほった
大の貢献は専門職としていちばん重要なことだろ
らかしで情報もやらない,面倒も見ないでは組織
うと思っています。
は動きません。ただの人の集まりでしかありませ
組織体制の整備では,責任分担図としての組織
ん。
図を作ることが大事かと思っております。それか
その他に補完する制度として,十分ではありま
ら,情報の開示・共有と課題の共有について言え
せんが,部署経営制度とか,部門別の原価計算,
ば,組織で成果を出していくためには,情報が生
あるいは評価制度等をやっております。まだまだ
命線になります。情報を出さずに組織を一体化さ
これらは申しあげる程度のものではありません。
せることは不可能です。ですから問題はどういう
情報をどういうときに出していくか,ということ
が大事だと思います。上から下まで同じ情報で,
両病院のネクストスキーム これは,熊本整形外科病院と熊本リハビリテー
ション病院のネクストスキームと言っ
ておりますが,まだ院内では公表して
おりませんで,将来的に1つの可能性
として作っているものです。
w6
ù6DE
76juCE
P6tE8Eju
(スライド1
0)熊本整形外科病院では
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D HJKDQ
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C
@h= isA
約25%の患者さんが在院期間30日を
超える方であります。もちろんこの方
JKD
g
^=DB…^==C
9
^=DB…^==C
<
^=DB…^==C
=
^FDB…<@=C
F…^==:@h=i;B<vBC
たちも引き続き医療が必要な方ばかり
なのですが,急性期病院である熊本整
形外科病院が,こういう方たちを引き
t’>Y=C?
@=FD ?<…B@=C:BgC;Y<=i
?Y<=iK@h=i;h=i
続き診ていく必要があるかどうかとい
うことです。後方病院のほうとうまく
連携が取れて,こういう方たちを当該
病院へ誘導できるとすれば,平均在院
スライド10
32(196)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
日数は全体として16日くらいになると
いう,まあもちろん何が何でも1
6日に
するというわけではありませんが,こ
ういう方法もあるということです。い
くつか方法は模索しておりますが,現
状では回復期リハビリテーション病棟,
ないしは亜急性期だけではくくるのが
難しいかなと思います。ただし,計算
w6
ù6DE
76juCE
P6tE8Eju
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BY=
JKD
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^=DB…^==C
9
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^=DB…^==C
=
^BDB…^Y=C
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8Y^i
:HBY=AG^AY^Q:@;
Y…=Y=:HY^AY^Q:@;h^vgC
上は大きな可能性があるということで
すね。
(スライド11)熊本リハビリテーシ
ョン病院も現在は2病棟が回復期リハ
JKD
g
^=DB…^==C
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8G^i
l@Y^i
’bcýXòóV˜
9
^=DB…^==C
<
^=DB…^==C
=
^BDB…^Y=C
ltY^i
8Y^i
:HBY=AG^AY^Q:@;
F…^Y=:HY^AY^Q:@;B@GvFC
F…^Y=:h^C;^Fi
B…^==:HBFGAG^A^FQ:@;B=vBC
F…^Y=:H^FA^FQ:@;hYvGC
病棟ですが,もう1棟増やそうかと考
えております。そうしますと,実は残
る一般病床は平均在院日数が1
1日くら
スライド11
いになってしまいます。これはくく
ることによって短くなってしまって,いわゆる1
1
&'ù
日ということですと,診療報酬のいちばん高いと
ころだけが一般病床のほうに残ってしまうという
™cðíB{‘
ことなんです。しかし中の患者さん方は全く関係
ëXO™cðÚ kL
ないといいますか,ただ色分けを変えるだけとい
VÈÉÊðWãJ$
うことで患者さん方も知りません。そして回復期
±²XYÙðXXòt'
リハ病棟のほうの付加価値も上がっていくという
Vð=Z³
世界がありまして,次のスキームとしては,こう
スライド12
したことも考えられるかと思っております。
病院の今後の課題 &'7
B{‘%Œ‘CD‘
(スライド12)病院の課題としまして,医療と経
±²
営の客観性・チーム医療と組織成果が今後のキー
9
9
ワードになるのではないかと思います。昨今,い
9
ろいろな新聞でも問題が出ていますけれども,企
9
9
9
業理念と社会的な役割,使命をどうするかという
³ˆ±Ï
9
9
ことを病院も整備していくことが必要ではないか
9
9
と思います。機能集団づくりとリーダーシップ,
9
Eæ(FLEæ(ùG
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¹S±ÏTU±Ï
YÕ
先ほども別の先生がおっしゃいましたけれども,
スライド13
リーダーシップをどのように取って集団を目的集
団・機能集団につくり上げていくかということで,
えていくかということが課題と言えると思います。
ひとえにリーダーシップなくして達成はできない
(スライド13)そのなかで特に客観性について述
のではないか,と考えます。それから,医療はも
べます。客観性・標準性・透明性が問われます。
ともと国民の公共財産ですので,社会資本として
ツールとしましては,ICD9ですとかクリニカル
の病院がどのような姿勢を持って今後,医療を捉
パスや電子カルテ,それに新病院会計準則もあり
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 33(197)
日
本
病
院
学
会
シ
ン
ポ
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ウ
ム
│
│
病
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ジ
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線
日
本
病
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学
会
シ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
ましょうし,診療見積書も出せるようにしなけれ
共有も達成もない,ということです。どうやって
ばいけない。私が部内の職員と話をしていますの
職員に知らしめるかということ。知らされる信頼
は,見積書が出ない産業や商売は,ボッタクリバ
と知らせる信頼があると思いますが,知らさない
ーのほかは病院くらいかな,と。言葉があまり適
ということではモチベーションも高くなりません。
当ではないのですけれども。これだけ経済的にも
③組織と教育。組織集団というのは単なる人の集
厳しい時代のなかで,入院費用が「退院する時で
まりではなくて,目的を持った集団ですので,そ
ないと分からない」と病院はあと5年,1
0年言い
の組織人としての教育もまた必須条件です。先ほ
続けるのかどうか。病院としては当たり前ですよ,
ども申しました,④リーダーシップが果たされて
とやってきたわけですけれども,病院はあと何年
いるかどうか,ということです。だれが責任者か
それを続けるのかということです。やはり当院と
と明示されているかどうかということが重要かと
しては「過去3年間のデータではこうなっていま
思います。併せて,⑤組織と個人の自己実現。達
す」
,
「〇〇さんの場合は3週間の入院で負担金は
成感によって人も組織も成長すると思いますが,
いくらくらいになります」ということを言わなく
それにはやはり自己実現を目指さなければならな
てもいいのか,と思います。おそらくこのような
いし,支援しなければいけないと思います。
状況が残っていくのは病院だけだと思います。そ
ういうことが今後問われてくるのではないのかと
事務管理者に求められること 思います。
事務管理者に求められることとして,どうして
それから,評価も大事だと思います。第3者評
現在,医療は厳しいのか,伸び悩んでいるのか,
価としては医療機能評価機構,ISOなどと同様に,
あるいは何がネックになっているのかということ
保健所の立入調査も1つの基準になるのではない
を,もう一度基本に立ち返って,組織の成果に直
かと思います。特に行政のコンプライアンスの問
結している組織運営の手順を見直してみる必要が
題は避けて通れない必須条件であります。
あるのではないかと思っています。
「こうすれば
(スライド14)それから,組織運営とリーダーシ
病院が良くなる」という話は我々もよく聞きに行
ップ。伸びていく企業とそうでない企業の違いは
きます。皆,興味を持っています。ところが,
「こ
以下の5点で端的に違うのではないかと思ってい
うすれば病院はだめになる」とか,
「これさえしな
ます。①企業理念と社会性。先ほども触れました
ければ病院は良くなります」というのはあまり聞
が,こういうことが社会的使命や役割に対して企
きたがらないといいますか,実はそこが問題だと
業はどういう理念を謳い,また職員と共有してい
思うんですね。ためになる人の話に期待するので
くか,という問題。②情報の共有なくして課題の
はなく,それよりも自分のところのだめな部分を
改善するのが先ではないかという気もいたします。
&'P
診療報酬に対応していく短期戦略が必要なこと
Ú [ðXXòt'
は言うまでもありませんが,地域に対して何がで
\ß¡Wãð]^¡Wã
きるのか,何をしたいのか。長期的な視点から病
ù6WãJ$ðV‘
76œñ#ð&'ñ#
P6Ú ð_`
6XXòt'
6Ú ð5i+,mw
院経営戦略を立てることが今日では重要ではない
かと思っております。これから先も,私どもとし
ては一病院完結型ではなく,地域完結型医療シス
テムの一員として地域医療の一端を担っていくこ
܏IJrŸaø¡¡
とには違いないと思っておりますが,皆さま方と
一緒に今後とも勉強していきたいと思っておりま
スライド1
4
34(198)● 2005 年 2 月号
す。そして運が良くて,3年後も10%ずつもし
日本病院会雑誌
伸び続けておりましたら,なぜ利益を確保できた
④外来分離後の急性期病院 かについてまたお話しする機会があればこれこそ
ラッキーだなと思っていますが,チャレンジした
小林 和彦
いと考えています。ご静聴ありがとうございまし
た。
小林でございます。まず,医療法人で働く事務
座長 ありがとうございました。4題目の「外
部長の最大の任務は,病院収支を黒字にすること
来分離後の急性期病院」ということで,医療法人
であると認識しております。今,公的病院の独立
財団石心会川崎幸病院の事務部長,小林和彦さん
採算化がかなり進むなかで,黒字を出すというこ
にお願いいたします。ご略歴は,明治大学経営学
とはわが国におけるほとんどすべての病院の普遍
部をご卒業後,石心会に入職,現在は財団法人の
的テーマであろうと考えております。こういった
理事と川崎幸病院の事務部長をされています。ま
ことを追求するなかで,私たちのゴールは,より
た,全国病院経営管理学会の理事もやられており,
地域ニーズに立脚したより質の高い医療を患者さ
私ども病院管理者協議会の仕事もお手伝いしてい
ん中心に展開する病院としてリニューアルするこ
ただいています。川崎幸病院の外来分離は,トヨ
とです。こういったあらすじに沿って,できるだ
タ記念病院とはまた少し違っていて,非常にユニ
け外来分離にポイントを絞って私の話を展開した
ークなお話が聞けると思います。よろしくお願い
いと思います。
します。
当院の周辺環境と主な事業展開 まず,私どもの幸病院の周辺環境からご紹介し
ます。
(スライド1)神奈川は1
1の医療圏に分かれてお
りますが,私どもの所属する医療圏は川崎区・幸
区・中原区で構成されている川崎南部となってお
り,現在,画面にありますように,1,
7
0
0床の一般
──────────────────────
病棟の過剰地域となっています。しかしながら,
そのなかの療養病床は約32
0床の計画
に対して,まだ不足という状況です。
8bc™cd
™cóô
ちなみに,隣接する川崎北部医療圏は
DE@==Y6G6Bw
if@==Y6F6Bw
8bnf
klmf
»DE
iJKjcƒa
Y…<@G
h…@GF
^…YgB
g…<gF
B…gF@
K<@=
DE
iJKjcƒa
gh/DE
32
0床の不足地域,また神奈川区・港
北区・鶴見区で構成されている横浜
北部も同様に62
0床の一般病棟の不足
地域となっております。
<<<
B…F=B
(スライド2)幸病院の半径10km以
cƒ(D1
DE
YFG
B…<FG
内に,約6
0の病院があります。これに
cƒ(D1
¨%)BmE
KYBg
@Fh
は精神・結核・歯科は除いています。
^Y=…<=<
B…Ygg…=F^
hY…hg@
BhF…=h^
B^vhF
BYvFF
cƒ(D1
ö¨%E
if
<^e•if
<^e•ifÊÌ
半径5km以内では3
5の病院がありま
す。約5km内外で大学病院,公的病
院と1,00
0床規模の病院も含めて200
スライド1
日本病院会雑誌
床以上の病院が1
7と,かなりひしめき
2005 年 2 月号● 35(199)
日
本
病
院
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会
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ン
ポ
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ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
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最
前
線
合っている,競争の激しい激戦区であ
×op56
ろうと思います。
B=?r
(スライド3)次に,幸病院を含む
9stB=rî
<=
川崎地区の主な事業展開をご説明し
r
ます。昭和48年,6
4床で幸病院はスタ
9st ^rî
Y^
ートしました。昭和5
0年に人工透析
8bc
室を開設し,昭和54年の段階で,往
日
本
病
院
学
会
シ
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ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
Ϝ@==@>q Ù
診・訪問看護を行う地域保健部を発
足させております。その後,透析患者
9×o@==D
•
Bg
uÆ6)vwdí
x
さんもかなり増え,一杯になってきた
ということで川崎クリニックを開設
スライド2
し通院透析部門を分離しております。
これ以降は慢性期の患者さんといい
/012345678
ますか,アキュートオンクロニックと
いいますか,慢性期の患者さんの急性
増悪時に,病院としてどう対応したら
いいか,対応しなくてはいけないとい
S48
S55
うことと,当時言われていた救急患者
8bcŠÅ
8b&st&)Š(*C
y¸Q
さんのたらい回しに対して病院とし
てとにかく受けて立たなければなら
ないということで,まず救急体制を強
化していくこと,次に3大成人病のう
8bcá)
Üã)Š/¸
H4
—üz{|PQt&&st
&)Š
(ÍbfɸQ
H5
}<Ò<~ÆÇýXòó
V)Š
(~ÆǸQ
ちの心臓病と脳血管障害に特に対応
S50
i€Cyv)Š
S54
b~ÆÇ)Š([,Íf‚/Q
S59
E æ ‡Š
S61
ïðñdŠO H Pèt
S61
ì6íod!†“
H1
òˆ—V‰þv)Š
H3
ƒ
H5
„…RIod!†“
H7
)d(
E èt
していこうと,急性期の重症患者さん
スライド3
に対応していこうということで進め
/012345678
ております。
平成7年に,地域の医療機関との連
携を強化しようということで(それま
8bcá)
Üã)Š/¸
H10
8bc&st&ŠÅ
HJKop¸Q
でも事実上の病診連携はありました
が)
,開放型病院の施設認定を受けま
H10
ùúûüýètCÙ¦§)Š
H11
‹Or¿ßcƒðŒ
>†¿ÆÇi9aH
‚ecvIJ“”
ûüæ“èt
—V‰þ’7”¨èt
C±²³ˆ}‚
T‘’“”
{|op“”
bcŽIJ“”
H12
した。スタート段階では登録医は4
2
名でしたが,現在は15
0名を超える状
況です。
(スライド4)平成1
0年,川崎幸ク
H13
H14
T‘’‚“”
®D¯°µ‚
ìRIUVWX„…RIUVWX)Š
リニックを設立し,一般外来を完全分
H15
o@UVWX)Š
þv‘o!’
離しました。この時点で電子カルテ
スライド4
を導入しました。病院に1日6
0
0名強
の外来患者さんが受診されていましたが,こうい
の診療情報を共有する必要が出てきました。それ
った方が幸クリニックに移り,夜間,救急で病院
で全面的に電子カルテの導入を図ったということ
に搬送されてくることがありますので,患者さん
です。それと,日帰り手術と書いてありますが,
36(200)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
おります。
その後,平成1
5年,心臓疾患のなか
から大動脈瘤という,これも非常に救
急で急性期疾患ですが,これに対応し
た大動脈センターを別に開設してお
ります。手術室がやや小さくなりま
したので,この時に拡大しました。
(スライド5)この図をご覧いただ
けば分かりますが,この周辺が今の川
崎幸病院の機能です。タコ足どころ
か,タコの2,3匹はいるくらいに分
離した状態になっています。現在,幸
スライド5
病院の機能だけを見ても,周辺のビル
を借り,事務とか会議室とか,また医
局や医療相談室なども移動して運営しています。
先ほども触れましたが,それ以外に,旧来,幸病
op¸˜'­
•RT–{|opfɗ
RTopðJKopð˜J–
JKðRTqr@#\™DÜ¡
™–ÆÇ\JKopðšÙ^RT)*ðË
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ÑÔT±²\Ñzž—ŸŸ
•JKopfɗ
bàv– Ì<Xð¡¡L¢<
診察室/待合いスペースとも狭く、汚い
院のなかにあった機能が,幸区の周辺に,スライ
ドに示すようなかたちで分離・開設されています。
外来分離前の問題点,分離直後の改善点 (スライド6)まず,外来分離前の幸病院は,と
にかく一般外来と救急外来の受付が同じ窓口でそ
もそも1日35
0名くらいのスペックの場所に,6
00
名を超える外来患者さんが来ていました。60
0名
のうち6
0%が午前の数時間に集中するというこ
スライド6
とで,一般外来の患者さんが待たれているすぐ脇
これは逆に患者さんの選択肢の1つであると考え
を救急のストレッチャーに乗った患者さんが走っ
ております。その後,急性期対応を強化していく
ていくといった状況でした。それと,医師・看護
ことで進めてきまして,特定集中治療室の管理加
師が一般外来とのかけ持ちでの救急対応となって
算を平成1
1年に取っております。この時に初めて
いました。救急患者さんが来ると一般外来を中断
ICUを病院内で移動新設し,加算の取れるICUに
してそちらに当たるというような状況でした。
したという状況です。その後,平成1
3年に急性期
入院・検査部門は,許可病床が2
03床ございま
特定病院加算を出しまして,平成1
4年に,地域の
すけれども,実質的に使える病床が1
75床という
中核病院としては優秀な医師を育てていく責任も
ような状況でした。ICUに関しても,病院の最上
あろうということで,臨床研修指定病院として厚
階のいちばん端にあるということで非常に位置的
労省の認可を受けております。
に悪く,基準が取れていませんでした。循環器疾
外来を完全に分離して以来,入院機能が非常に
患,それと脳血管障害の患者さんが非常に多くな
クリアになってきました。先ほどの脳血管障害と
ってきたのですが,アンギオ装置も2台目を導入
心臓病に対応するために,脳血管センター,心臓
したいというのに,そのスペースがなかなか取れ
血管センターというかたちで平成1
4年に開設して
ませんでした。それと,いろいろな検査機能が,
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 37(201)
日
本
病
院
学
会
シ
ン
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ウ
ム
│
│
病
院
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
最
前
線
日
本
病
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ポ
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│
│
病
院
マ
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ジ
メ
ン
ト
最
前
線
各フロアに分散していて,患者さんの動線も非常
検査機能を1階のフロアに集中できたということ
に複雑になっていました。
です。それと,ICUの後方として,各病棟にハイ
一般外来に関しては,一言で言って,診察室も
ケア病室が設置できるようになりました。しかし
待合室も狭くて汚い,という状況でした。
ながら,それぞれの病床ですが,大体4床規模の
(スライド7)外来分離直後の改善点ですが,救
設置になっております。それと,手術室を増室し
急・紹介外来に関しては,一般外来を分離しまし
たということです。一般外来部門に関しては川崎
たので,当たり前ですが救急・紹介外来に特化し
幸クリニックというかたちで平成10年に分離独立
たということです。医師・看護師も救急専任とな
しています。
り,入院・検査病床も許可病床2
0
3床がフルに使
(スライド8)幸クリニックで特徴的なのは,先
えるようになりました。しかし実際には個室が2
ほどお話ししました電子カルテです。それと,幸
つと少なく,大部屋主体になっております。それ
病院外来の時点ですでに非常に待ち時間が長いと
と先ほどの救急外来,1階フロアにICUを移しま
いう問題点がありましたので,全診療科で予約制
した。その時点で,管理加算を取得したというこ
を導入したということ。もう1つはちょうど計画
とです。お話ししましたように,アンギオ装置も
時に阪神淡路大震災がありました。そこで,災害
2台目を導入し,MRI,CT,内視鏡,OHPなど,
に強い建物ということで免震構造を取り入れてお
ります。川崎幸クリニックの職員数だけで現在
1
00名,うち幸クリニックだけの常勤医師が1
5名
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おります。
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外来分離後の川崎幸病院の主な機能と体制 •tsÔTfɗ
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(スライド9)では,現在の川崎幸病院はどうい
う機能になっているかというと,救急外来・紹介
外来機能と,入院機能,検査機能というかたちに
なっております。
•JKopfɗ
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(スライド10)まず救急外来・紹介外来機能につ
きましては,2
4時間対応は当たり前ですが,夜
スライド7
間・休日の職員体制は,医師4名が
日・当直しています。それ以外に各
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科がオンコールですぐ駆け付けられ
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る状況になっています。当然,医師体
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ればいけませんのでコメディカルは
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スライド8
38(202)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
制が整ってきますと,ナースを含めた
コメディカルの人員体制も整えなけ
全科で当直体制,なおかつオンコール
体制を取っております。緊急のカテ
ーテルの検査が入ると,例えば放射線
技師やCEなどがそこに取られます。
そうするとほかの救急外来の患者さ
んのCT撮影ができなくなってはまず
いので,こういった場合に対応するた
めに,またオンコール体制を取っています。
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あと,救急隊員向けに循環器と脳外に対しては
ホットラインを設置し,救急隊と直接会話ができ
ù6 RTops{|op±²
るようになっています。救急隊との勉強会は,平
成1
2年以降,もう6
0数回になり,毎月開催してお
76 t±²
ります。救急隊員が仮に1名であってもやってお
P6 ÔT±²
ります。これは各科の医師は当然ですが,それ以
スライド9
外に薬剤科,検査科,CE,ナースなど,
全職員がこの勉強会の講師になって
います。救急隊はとりもなおさず地
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域住民,と考えていますので,救急隊
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の方が患者さんを搬送されてきたと
きに,医師だけでなくて病院の職員と
顔見知りであることは,患者さんにと
って非常に良いことではないか,情報
交換が非常にスムースにいくのでは
ないかと考えております。
それと開業医向けに,現在1
5
1名の
9)ã™
àŽ™B^BýiB<><Aa
登録医の先生方がいらっしゃいます
スライド10
が,地域医療連携室というかたちを進
めております。地域医療連携室につ
いては,検査機能のところでまた触れ
ます。
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(スライド11)入院機能は先ほどお話
ししたように,特にICUが6,CCU
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が4,HCUは1
3床になっています。
それと病床のコントロール。お話し
したように大部屋が非常に多いこと
で,当然患者さんの重症度の問題,男
女の問題,感染の問題といった問題が
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あります。ディスチャージコーディ
ネーターとして看護部の副部長と主
スライド11
任の2名を専任でこの業務に当たら
せています。院内LANを使って各部署で空床状
検査に関しましては,先ほどお話ししたように,
況が常時把握できるようになっています。いかん
全検査について24時間緊急対応が可能な状況です。
せん20
3床しかない病院ですので,全病院的に病
登録医の先生方も電話1本ですべての検査が予約
棟をまたいだベッドコントロールが必要ですので,
できて受けられる状況になっています。もう1つ
主に医療的退院支援を行っております。同様に早
は予約の自由度。MRIやCTなどは,いちおう即
期診断,早期治療に向けてMSWも早い段階から
日検査ができる状況になっています。それと実際
関わっています。
に読影した読影結果はすぐにファックスでそれぞ
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 39(203)
日
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│
│
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最
前
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れの登録医の先生にまず送られ,フィ
ルムは地域医療連携室が即日配送し
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ています。
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(スライド1
2)川崎幸病院ですが,
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$C™c±²³ˆáJKÒßâã
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$T‘’‚t“”iBYa
$®D¯°HIJ(Q iB^a
平成7年に開放型病院,平成1
1年に特
定集中治療室管理加算,平成1
2年に日
本医療機能評価機構の「一般病院種別
日
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最
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線
B」を取得しています。この機能評価
ですけれども,分離後に,病院を職員
全員で見直そうと,ちょうど医療機能
評価の評価項目に沿ってやろうでは
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ないかということで始めました。で
スライド12
すから評価を取得することが目的で
はなく,全員で病院をすべて見直そうということ
ある」と言っておりますが,利益は再投資のため
が目的です。結果的にこういった評価が取得でき
に必要なものです。そしてその病院が地域に必要
たということです。以下,急性期特定入院加算,
とされ,地域から存在評価を受けている限り,そ
臨床研修病院(管理型)となっています。
してそれに応えて医療を行っていくためにも再投
次は地域医療支援病院ですが,一応のところ紹
資はしていかなければいけないと考えております。
介率などの数値は十分クリアできています。しか
また,当院にたくさんの機能を詰め込んだ結果,
し,いかんせん施設が狭いということで,行政の
現在は病院空間があまりにも狭くなっています。
ほうも例えば病院内に3
00人規模の講習室がなけ
施設も31年くらい経ち,かなり老朽化してきまし
ればいけないとか,そういったいろいろな問題が
て新病院としての早急なリニューアルが必要にな
あって現状ではなかなか地域医療支援病院は取得
ってきました。より急性期病院としての機能充実
できない状況です。
を図りながら,もう一度地域ニーズを見直し,一
職員数については川崎幸病院だけで30
0名です。
方で他院との連携を強化しながら地域病院として
2
03床のベッドに対して3
0
0名,約15
0%くらいで
応えるべきものにしっかりと応えていくことが必
す。常勤医師が31名,看護師1
3
5名,技師関係その
要だと考えております。
他7
7名,それ以外が事務職員です。
最後に,事務職の立場から,事務の病院への関
外来分離は急性期病院としての通過点 わりについて一言だけ触れさせていただきます。
病院における事務職は,独自のさまざまな資格を
まず川崎幸病院における外来分離は,あくまで
持った職員のなかでの共通言語といっていいかも
も急性期病院としての歩みのなかの1通過点だと
しれない数字,数値,データを駆使しながら,時
考えています。一般外来の分離なくしては急性期
には医師やナースの立場になったり,ほかのコメ
病院としての現在のさらなる救急機能の充実や,
ディカルの立場になったり,医事であったり,資
急性期の重症患者さんに対する検査機能の充実,
材であったりと,事務本来の立場に立ったりしな
ICUなどの入院機能の充実はなかったと言えます。
がらものを考えていて,1つ重要だと思うことは,
病院として,冒頭にお話ししましたように採算が
ある意味で病院内でいちばん地域の患者さんに近
とれるようにする,黒字を出すということは絶対
い存在ではないかと認識すべきだということです。
に必要なことです。アメリカの経営学者のピータ
時には地域の患者さんの視点でものを言って病院
ー・F・ドラッガーが「利益はコストそのもので
の医療経営に積極的に関わっていくべきだろうと
40(204)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
考えております。また,人の問題に関して,こち
らに理事長とか病院トップの方がいらっしゃると
⑤討 論 思いますが,お願いがあります。特に事務職です
が,まず一般企業並みの給料で積極的に採用して
座長 さて4人のシンポジストの皆さまにお話
いただきたいと思います。現在,失業率が5%と
しいただきますと,やはりもう8割方は話の内容
いわれ,優秀な人材がたくさん世のなかにいます。
が同じでございましたね。理念,目的,目標がし
今は人にお金をかける時期だろうと考えています。
っかりと確立していること。中・長期的な病院の
当然,医師もナースもほかのコメディカルも積極
方向性が職員の末端にまで浸透して確立されてい
的に採用しながら進めるべきだと考えております。
ること。それから小林さんがおっしゃっていまし
言い古された言葉ですが,まさしく「企業は人な
たが,皆さん4名とも人材,要するにいかにそこ
り」ということではないかと思います。数値に関
で働く職員が素晴らしい職員を育てるかというこ
しましては割愛いたしましたが,もしご質問があ
とと,ベクトルが1つに向いているかということ
ればお答えしたいと思います。ご清聴ありがとう
でした。そう考えますと,ではこのDNAが違う
ございました。
4つの病院が,我々ここにいるフロアの方たちが,
これからあと2年後にどうなるかということと,
座長 どうもありがとうございました。
この4月にハイケアユニットとか亜急性期病棟と
かいろいろ矢継ぎ早に出てきていますが,そうい
うものに対してどんな考えをお持ちなのか,いく
つか聞きたいと思います。
総ベッド数に対する職員数は 座長 その前に,皆さんおのおののお話のデー
タのなかにありましたけれども,総ベッド数に対
して職員がどれだけいらっしゃるのか改めてチェ
ックをしたいと思います。鈴木さんのところから。
鈴木 許可ベッド40
9。実稼働率で大体35
0∼
3
60の患者さんに対して7
80名という職員数です。
ただ,いわゆる事務部門は法人全体の管理もして
いますので若干そこから間引いてもいいかと思い
ます。
座長 はい。小野さん。
小野 51
3,約5
0
0床のベッドですが職員数は
1.
7倍の85
0名。3年前は1.
5倍の7
5
0名でした。現
在,15
0名くらいの外部委託の方が働いています。
座長 はい,ありがとうございます。望月さん。
望月 熊本整形外科のほうが2
0
4床に対して
2
6
0名の正職員と外部委託の方が1
5名ほどおりま
すので1
40%くらいでしょうか。リハビリテーシ
ョン病院が先ほど20
1に対して26
5と申しました
が,プラス在宅支援部隊が30名ほどおりますので
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 41(205)
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ト
最
前
線
1
35∼1
45%くらいだと思います。
れの実際は30
0,4
00といった,2
00床以上の病院
座長 小林さんのところはいかがですか。
が本当に急性期のところをやるために,例えば3
0
小林 幸病院は許可ベッド数2
03,稼働が大体
日超の人が病院にどうしても事情で残ると。そう
9
2%くらいで,それに対して30
0名の職員です。
するとそこの部分を亜急性期病床というかたちで
先ほど触れましたように,一般外来のクリニック
確保することで,むしろ大きい病院にこのメリッ
のほうが約100名です。
トはあるのではないかと最近考えられているんで
座長 ありがとうございます。わたしがなぜこ
すが,1人ひとり皆さまからそれに関するコメン
れを皆さんに聞いたかといいますと,日本全国の
トがあれば。鈴木さんからどうぞ。
病院の平均は10
0ベッドあたりの職員数が10
8名
鈴木 結論から申しあげますと,当院では亜急
くらいなんです。OECDの統計ではアメリカが
性期ならびにハイケアユニットについては当面は
10
0ベッドあたり570人,フランス,ドイツが大体
静観という方針をとっていますが,亜急性期につ
2
30∼25
0の職員が10
0ベッドあたりにいるという
いては急性期の病院のいわゆる病棟マネジメント
ことです。地域においてオンリーワンだったりナ
において極めて有効な手段だという評価はしてお
ンバーワンだったりして光っている病院とは,
ります。ただ大事な要件があり,いわゆる病棟運
1
00ベッドあたりどれくらいの職員がいらっしゃ
営についての看護診療部とのきちんとしたコンセ
るのか参考に聞いてみました。要するに病院管理
ンサス,やはり急性病床のなかに亜急性期という
研究所に私が携わっていたときに平均在院日数を
別の思想を折り込むことで,果たしてわれわれの
1日縮めると,大体1.
1
2の係数で職員の数を増や
病院が納得のいく看護や診療ができるかという合
さなければならないというデータがあります。こ
意形成をする必要があると思います。それが取れ
れは当然入院や退院がとても忙しくなるといろい
れば,準備ができしだい,ぜひと思っております。
ろな書きものも多くなりますから,同じ職員数で
これは病室単位でやれるという非常にユーティリ
それをこなすわけにはいかないので必ずマンパワ
ティの高い,厚労省の人が良い知恵を出していた
ーが増えます。そういう意味で光り輝く病院はこ
だいたと思いますが,そういう魅力は持っている
れだけの職員の方をかかえているということを皆
制度だと認識しています。
さん参考にしていただけると思います。
座長 ありがとうございます。では小野さんお
亜急性期病床をどう考えるか 願いします。
小野 ICUと救急を重点にやっていこうと思っ
座長 病院の大半5
0%以上,また5
0%前後が人
ておりますので,ハイケアユニットと亜急性期に
件費だということを考えれば,目的は光り輝く病
ついては考えておりません。
院をつくるためであってもそこにはマンパワーを
座長 はい,小野さんは考えておりませんか。
投資しなければいけないし,それだけのコストは
ICUの受け皿としてのハイケアユニットも。
かかる。逆から言うと公的保険制度のなかでそれ
小野 ICUがうまくいくことをまず考えますの
だけの収入を確保しなければならないというテー
で,そのためにどうしても必要ならばやろうと思
マがまた出てくるわけです。さあ,そこで皆さん
っております。
にまたもう1つおうかがいしたいのですが,今回,
座長 そうですか,ありがとうございます。望
亜急性期病床が認められるようになりました。こ
月さん,お願いします。
れは中小病院の救済措置でできたのではないかと
望月 はい,リハビリテーション病院で現在10
思われたかもしれませんが,ふたを開けてみたら,
床とっておりまして,じきに2
0床にする予定です。
非常に厳しい一般病床のなかの急性期病床という
つまり10%近くまでもっていく予定です。現在,
分類に入って認めていくということで,むしろこ
整形外科病院のほうでは,実績期間を7月からス
42(206)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
タートして8月にとることになると思います。こ
らクリニックは認められなかったということもあ
の亜急性期の位置づけは一般病床のなかでどうし
りますが,そういうこととは別に本来入院機能と
てももう少し長期で診なくければいけない患者さ
外来機能は違うのではないかということで,今は
ん方がいらっしゃいます。地域連携のなかでそう
そういう目先の損得ではなく病院の機能を特化し
いう患者さんを後方病院などの連携で移すことが
ていく。川崎幸病院さんの場合には今ある病院が
できたら幸いなんですけれども,そうもいきませ
どんどん医療の質が上がるたびにいろいろな機械
んのでそういう病院に対する救済であり,そうい
を装備したりして,いろいろな形でスペースが狭
う意味で回復リハビリテーション病棟ができたの
くなって外来を追い出さざるを得なくなったと。
と似たような主旨の制度かと思っております。
そういうことで急性期病院を特化するためには分
座長 ありがとうございます。どうですか,小
けざるを得なかったという事情で別れたというこ
林さん。
とで,入外分離に関しておのおの経緯が違うのだ
小林 亜急性期に関しましては基本的に鈴木さ
と思います。そういう意味で筑波メディカルの場
んと同じ考え方です。ハイケアユニットに関しま
合は地域医療支援病院ですからそこもこれからの
しては,当院は実際先ほどご説明したようにハイ
課題で難しいと思いますが,1人ひとりのシンポ
ケアユニットを一応運用しているのですが,現実
ジストの方に入外分離についてどのような考え,
問題,例えばナースの人員体制の問題とか,病院
またこれから先これが日本の医療の入院医療,病
全体を症度別病棟管理にしなければいけないので
院医療が潮流になるのかどうか教えていただけれ
はないかとか,そういった面である程度まとめて
ばと思います。
いかないとやはり次の展開としては厳しいかと考
鈴木 当院の場合は基本的に方針にぶれはあり
えております。
ません。当院は入院を頑張る。外来は開業医の先
座長 マネジメント上の問題でハイケアユニッ
生,医師会の先生,または病病連携でお願いをし
トの意義は分かるけれどもまだそうすぐに移って
たいという基本方針は全くぶれないのですが,実
いけないということですね。フロアの皆さんもよ
際に収入も,入院収入7
5%,外来収入18%,外来
くお聞きになって,これだけの病院ですらどうい
収入の部門別ではあまり採算性が合わないという
うふうにするか迷ったり,または意義は認めるけ
ことでも方針自体は間違っていないと。ただ受け
れども動けなかったりということがあります。こ
皿は,紹介患者とほぼ同数等以上の逆紹介をかけ
れはおのおのの地域の医療圏のなかでおのおのよ
ていますが,自然像がそれを上回る形で今,非常
って立つ病院によってそこの選択が迫られるとい
に苦慮をしています。これからどういう形で外来
うことですので,選択肢がたくさんあるというの
機能を当院の方針のもとで整理をすればいいのか,
も良いことなので,ぜひそれを皆さんおのおの考
正直,トヨタさんや川崎幸さんの実例をぜひ参考
えていただければと思います。
にしながら当院オリジナルの外来戦略を立てたい
入院―外来の分離についての考え方 と思っています。
座長 ありがとうございます。
座長 そこでまたもうひとつ問題になっている
小野 2
0
00年の8月に病院長が新しく就任し
のが最近の入院と外来の分離の問題です。よく新
ました。その時に海外の病院をアメリカ,ヨーロ
聞,または医療界で巷に門前診療所ということで
ッパといろいろ見ましたけれども,病院で外来を
脱法行為だなどという精神病院協会の会長もいま
行っているところはないということからグローバ
したが,それは別として今日のシンポジスト,特
ルスタンダード的には病院には外来は不要ではな
に2人の方はトヨタ記念病院ではクリニックをつ
いかというのが考え方のスタートです。診療所と
くって,これはちょっと企業立だったものですか
病院は目的が違うものですから,目的が違えば組
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 43(207)
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線
織は違うということから分離しました。ただ医療
紹介率の関係とでクリニックに分けたほうがより
法的には認められませんでしたので,社内ではバ
病院の加算が取れるという動きがあります。
ーチャル組織として分離して運用しています。外
ただ,これもこの2年後の動きのなかではどう
来患者数も当初は1,
8
0
0名ありましたが,立ち上
なるか非常に微妙なところがありますので,私自
がりは1,
20
0名ということで立ち上がりました。
身に入っている情報ではやはり本来のそこの病院
それでも今1,
50
0名近くまで数が上がってきてい
の目的と理念,要するにうちはこういうことをや
ますので,逆紹介等をしまして1,
2
00名にぜひ落
るために外来と入院を分けるんだという1つのあ
として,初診の方には1人1
5∼2
0分,再診の方に
るべき姿できちんと決めていくことが大事だと4
は5分以上の診療ができるということで50診察室
人のシンポジストの方の意見を聞いてつくづく感
でやるとやはり1,
20
0名が限度ですからここに落
じました。
ち着かせるように逆紹介を進めていきたいと思っ
ています。
成功までの血の出るような苦労や課題 望月 熊本整形外科病院とリハビリテーション
座長 ここでピカピカ光ってこんなに成功しま
病院ですが,以前に竹田総合病院ですとか先進の
したという話よりも,ここに至るまでに苦労をし
病院をいくつか見学させていただきまして,いろ
たという話を聞いてみたいのですが,鈴木さん。
いろな試算はしていますが,熊本整形の場合,物
筑波メディカルセンターは地域医療支援病院でピ
理的に可能かどうか,土地の問題などありまして。
カピカですけれどもそれまでにどんな血の出るよ
それと計算上,病棟だけに専念すればたぶん良い
うな思いをしましたか。
医療ができるかという思いはあるわけですが,現
鈴木 まず非常に大事なところは職員数,ざっ
在ベッド数の倍くらいの患者さんが来られており
くりしたところで4
00床で7
80人という人数は日
ますので,そういう方たちを上手く振り分けがで
本のスタンダードでは決して少なくない。特にい
きるかと。医療現場は特にドクターを中心にそう
ちばん分かりやすいのは,当院では介護の職員が
いう戸惑いがあるのも事実でして,現在はどうし
90名ほどおります。この介護の職員は現行の2:
ようかというところで止まっています。
1看護を取っている病院では診療報酬上まったく
小林 先ほども触れましたが,やはり病院は病
評価をされないスタッフです。9
0名で年間で3億
院本来の機能であろう入院に特化すべきと考えて
くらいの人件費です。もしこれをゼロにすれば,
います。一応入院機能を中心に,私どもが次に優
当院のぎりぎりの収支が3億コスト減になります。
先していきたいのはERの機能充実です。救急体
ですから,極端な話でリストラをかければ3億も
制をより充実していくべきであろうと考えていま
利益が出るじゃないか,という危険な甘い誘惑が
す。外来に関しては,もしこのあとに展開してい
事務長はやはり脳裏をかすめるんですね。しかし,
くとしたら,病院としてやるべき外来ということ
そこのドツボにはまると,先ほど在日数が14,入
であれば,それはそれなりに専門化するなりして
院単価が5万2,
00
0円という我々の目指す医療は
きちんと充実していくべきだと考えています。
できない,というのが当院のこれまで構築したコ
座長 ありがとうございます。今,この入外分
ンセンサス,考え方ですね。やはりなかなか安易
離でクリニックを別につくる動きが非常に盛んで
な道ではないのですが,あえてそこを選ぶときに
すね。これは何かというと1物2価でクリニック
はどうやって院内コンセンサスをまとめるかとい
と病院で初診料,再診料の違い,それから同日再
うのが非常に大事になってくると思います。
診が病院では取れない。それからまた今度は入院
当院は今,約2
0年の歴史になりますが,平成15
機能において入外の入院病床に対して1.5倍以上
年度でピーク2
3億の累損が一掃しました。そうい
の外来を診る,そういう急性期加算,特定加算は
う意味では事務部門としては答えを出す責任があ
44(208)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
ります。ただ実際に現場で働くのは医師であり看
すか,血の出るような思いは。
護師であり介護職員です。やはりきちんとした考
望月 いい医療をやるということで,それぞれ
え方を具現化するのが難しくて,ある意味では
2
0年ぐらい歴史のある病院を新しいコンセプトで
我々の大事な任務だと思って2
0年間やってまいり
整形外科専門病院として再スタートをしたわけで,
ました。
借金もたくさんかかえ非常に大きな課題をかかえ
座長 小野さんにおうかがいいしたいのは,実
たわけですが,目的を同じにするものをあちこち
は事前に打ち合わせで医療の現場で働いている方
から集め,そういう人とさらに経営のテーマも共
はメジャーリーガーの選手で,事務方はスコアを
有しなければいけない。このコンセンサスをどう
取ったりフロントをやったりヘッドハンターした
取っていくかに相当時間がかかり,いちばん苦悩
り,そういう運営管理,球場の運営管理の役割だ
したところです。途中でリハビリテーション病院
ということをお聞きしましたが,その辺はトヨタ
に出向といいますか兼務になりましたが,新しい
の場合いかがでしょう。
院長と,2
0年くらい以前からいる職員2
00名全員
小野 トヨタ自動車というのは車を作っており
が新しいコンセプトで行くよということは,後か
ますが,車の品質というのがあって,それを世の
ら入ってきて何を言い出すんだということですよ
なかの人に買っていただいて結果的に収益が上が
ね。これを変えていくということに1,2年かか
ると。医療の場合はあくまでも活動品質というの
るということです。今のままでは新しい答えが出
は医療です。その部分で医療は病気の診断が正し
ない。新しい答えを求めようとしていますから,
かったのか,治療内容がどうだったのか,治療結
新しい手法と新しい考え方が当然いるわけです。
果がどうだったのかということに尽きると思いま
今までの考え方で今までの手法だったら似たよう
す。その意味からいくとそれが医療のマネジメン
な答えしか出ないわけです。新しい答えを出すわ
トだと思います。医療のマネジメントに収益性を
けですから新しいスキームがいるということです。
持ち込むのは基本的には第1ステップとしてはお
だから新しいスキームに対してコンセンサスを得
かしいと思います。品質がある程度でき上がった
ていく,同意を得ていく,時間をかけてというこ
もののなかで次に無駄を省いていく。そういう意
とですね。これがいちばん苦労して,喧嘩までは
味では他の病院でのベンチマーキングをしていく
しませんがほとんど喧嘩状態で辞めていくという,
ことからそれも可能だと思っています。
水と油というと言葉が非常に悪いんですけれども,
先ほど言われたような苦労するとかという部分
やはり水と油を一緒にして,そういう職員に病院
がありましたけれども,幸いにも2
0
0
0年8月に稲
の大事な将来を託すことはできないということで
垣病院長が就任して,医療についてのマネジメン
すね。
トの理解がしっかりされているものですから,も
だからどっちに付きますか,ぜひこっちに付い
のすごく院内が上手く進んでいる。近くに聖隷浜
てくださいと,半年でも1年でも待つからという
松病院さんだとか医療の質が見えるようにしてい
ことでずっと待ちました。待つということは本人
こうという病院があったり,VHJの病院だとかい
たちもしんどい。文化・風土に手を入れるという
ろいろ含めてベンチマーキングができるというあ
ところは時間とエネルギーを最も要したところで,
る意味恵まれたということもあって,順調にいっ
ストレスはそこにいちばん感じました。借金の小
ています。あとは心配ということはないのですけ
さい大きいというより,そこがいちばん大きな問
れども,今後副院長が病院長をどこまで助けて医
題で,またこれから先も,1
0年ほど前ほどは大き
療のマネジメントができるかが課題だと思ってい
くはないと思いますがやはり方向転換は当然出て
ます。
くると思いますので,そこで病院の理念,方針,
座長 ありがとうございます。望月さんどうで
やり方についてきちんとコンセンサスが得られる
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 45(209)
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│
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院
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メ
ン
ト
最
前
線
かどうか,病院の答えが出せるかどうか。その点
うかという意味で途中の経過も結果もわかるよう
でのリーダーシップの如何がやはり病院を決める
な指標をつくろうということで議論をしていまし
と思っていますので,いちばん大変な問題かと思
て,まず最初はあまりいいものができないかもし
います。
れませんが,より進めていきたいと。逆に情報発
座長 ありがとうございます。
信をして賛同をいただけるところがあれば一緒に
小林 いい医療を行うためにどれだけの収益を
指標づくりに取り組んでいきたいと思っています。
上げるかというのが,これが常に裏表のような関
それと私は2
00
0年から国内営業部門からこち
係にありますので,そこの部分が常にやはりあり
らに異動してきまして,異常だと感じたことが2
ます。それと先ほど触れましたが,できるだけ優
つあります。1つは車の修理を頼んで,直らなけ
秀な人材を確保しなければならないということで
ればお金は払わなくていいと思うのですが,医療
す。ここの部分が我々のような病院にずっと課せ
の場合は治らなくてもお金は払わなければいけな
られている課題で,人の確保には現在もいろいろ
い,というのが何だかものすごく非常識に感じま
と苦労しています。
した。ちょっと生意気な言い方になっているかも
座長 ありがとうございます。フロアからほか
しれませんが,基本的には治してお金を払うとい
に何か日頃から悩んでいることで質問があったら
うことからすると完全に治らないにしてもここま
どうぞ。
で治していくらですよ,というものがやはり必要
トヨタ記念病院の臨床評価指標の内容は? ではないかと1点感じました。
2点目は,事務の人たちから話を聞いていると,
質問 神奈川の東名厚木病院の伊原と申します。
医師にこういうことをやらせるとかいうことを言
トヨタ記念病院の小野事務長に質問です。アウト
う。でも事務の人というのは管理はできないと思
カムである経営は大切であるが,医療のマネジメ
います。あくまでも先ほど言いましたようにグラ
ントそのものが大切であるということでハッとさ
ウンドでお客さんにいいプレーを見せるのは野球
せられた次第ですが,具体的には臨床評価指標を
の選手でいえば監督でありコーチであり選手であ
取り入れていかれるということをおっしゃいまし
ると思います。監督は長嶋監督でなければいけな
たが,死亡率とか再入院率とか合併症率とか,そ
いし,野球をやったことがない人がいくら言って
れぞれの病院である程度はやっていると思うので
もそれはお客さんに感動を与えることもできない
すが,お話ですと,病院で5
0例,各部門で1
6,そ
と思っています。そういう意味からいくと,事務
れ以上ということが出ていたかと思いますが,そ
の人たちが直接医師や看護師にこういうことをし
の辺のところ具体的な内容,あるいは切り口とし
たらということはものすごく違和感を感じました。
てどのような指標をやられようとしているのか,
特に会社にいましたから,会社の管理部門なんて
おうかがいできたらと思います。
いうものはなく,国内営業部門は国内営業部門で
小野 具体的に話をしたいのですけれども,私
自分のやりたいことをやりますので,経理部から
では指標の説明が上手くできません。指標自体は
あれこれ言われませんし,それを言うのはトップ
2
00くらいあります。そこには先ほど言った死亡
であり部長であり役員であるということからいく
率だとか含めて結果というか統計のようなものが
と,異常な感じはしました。
あったと思います。1つはドクター自身が病気を
あともう1点は蛇足になりますが,やはり職種
こういう病名だと判断したら,こういう治療をし
ごとに士農工商のような風土があると思います。
ていつ退院しますよということ,この人たちは死
こういうのがなくなればいいと思いますけれども。
にませんとか,いつまでに治りますといった計画
ドクターの方で話をさせてもらうとドクターの方
を立てたものが,最後にそれがうまくいけたかど
は本当に悪い人というのは少ないと思います。一
46(210)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
部はいますよ。でも例えば靴を脱ぐときに,いち
病院もトップに稲垣先生,病院のトップはいかに
ばん最初,ドクターが靴を脱いだ,その時に看護
重要か。これはもう医療だけではありません。銀
師さんに靴を揃えてもらったときはありがとうと
行の支店でも支店長が3年ごとに変わると雰囲気
言えたと思うんです。次のときは靴を揃えてくれ
まで変わります。暗い支店長が来ると受付まで暗
たら黙っていたと思うんです。今は靴を揃えてい
くなります。同じように病院もトップによってい
なかったら「お前揃えてないだろ,何してるんだ」
かに病院が変わるかということを象徴的に皆さん,
というようなことを言われる方がいます。それは
いみじくもおっしゃっていると私は思います。
本人が悪いわけではなくて,そういうように,悪
そこでこれからの2年後の決め手はやはりブラ
く言えば純粋培養的に,みんなに先生先生と言わ
ンドだと思います。オンリーワンかナンバーワン
れてきている部分でそこのところの意識が少し世
か,とにかくその地域内でブランド,そこはこう
間とかけ離れているのかなというようなことも含
いう病院というブランドを高める。シャネルとプ
めて,そういうことが改善されるといいと思って
ラダと同じように,あそこの病院にいけばいいん
います。3
0年前に放映されました『白い巨塔』を,
だと言われるようなブランドを確立する。それは
最近また見て全然違和感がありませんので医療業
何かというとやはりアウトカム,クリニカル・イ
界は変わらないとは思いますけれども,そういう
ンディケーターまたはいろいろなアウトカムがき
疑問を持っています。
ちんと評価される時代が必ず来ます。今の医療機
議論のまとめ 能評価機構も項目数ありますけれども,最終的に
はアウトカム評価で治してなんぼという形で,ど
座長 ありがとうございます。最後に今日の議
れだけあそこは本当に治せるのか。先ほど治さな
論のまとめをさせていただきます。人材を育てる
いで金を取る病院はおかしい,とありましたが今
ことは皆さん共通のことを言っておられました。
現実にそうですね,出来高で診療報酬ですから。
私,日頃から「じんざい」というのに4つの字が
けれど必ずそういう時代が近い将来くるんだと。
あるとよく申しております。人の罪と書いて,い
そうするとそのためには今から何を準備しておか
るだけで罪な人,人罪。それから,病院にいるだ
なければいけないのかということが,皆さんの胸
けの人,存在の在でいるだけの人。次に,我々が
のなかに残ったのではないかと,私は座長をやり
よく言う材料の人材ですね。もう1つは,われわ
ながら思います。
れ医療界に宝のような人,財産の財の人財です。
来年は名古屋で学会がありますが,そこでは2
いかに我々は優秀なスタッフを育てるか,材料か
年後のほぼ介護・医療の形の部分でものが見えて
ら宝にするか,または存在するだけの人を役立つ
くると思います。来年はたぶんそういうことを,
人に育て上げるかという,これがひとつ取り上げ
見えてきたものに対してどういう準備をするのか
られます。
ということが病院管理者協議会主催のシンポジウ
それからもう1つは,皆さんおっしゃっていま
ムでテーマになるのではないかと思います。ぜひ
したように,熊本のリハビリ病院では病院長をク
来年も名古屋で会えればと思います。それではこ
ビにして4,5人辞めていって全部入れ替えたと
のシンポジウムをこれで終わらせていただきます。
いうこともありました。要するに今,トヨタ記念
ありがとうございました。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 47(211)
日
本
病
院
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ム
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│
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メ
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ト
最
前
線
社
団
法
人
日
本
病
院
会
の
と
す
る
。
的
な
医
療
の
成
果
を
あ
げ
る
こ
と
に
努
め
る
も
も
て
る
機
能
の
連
携
に
よ
り
、
合
理
的
で
効
率
五
、
病
院
は
、
地
域
医
療
体
系
に
参
加
し
、
各
々
の
る
活
動
を
す
る
も
の
と
す
る
。
し
、
住
民
の
満
足
を
得
ら
れ
る
よ
う
に
意
欲
あ
四
、
病
院
は
、
患
者
中
心
の
医
療
の
心
構
え
を
堅
持
る
も
の
と
す
る
。
び
と
に
公
正
に
分
ち
合
う
サ
ー
ビ
ス
を
志
向
す
三
、
病
院
は
、
利
用
し
や
す
く
、
且
つ
、
便
益
を
人
的
倫
理
的
医
療
を
提
供
す
る
も
の
と
す
る
。
し
、
常
に
医
療
水
準
の
向
上
に
努
め
、
専
門
職
二
、
病
院
は
、
生
命
の
尊
重
と
人
間
愛
と
を
基
本
と
的
と
す
る
。
人
び
と
の
健
康
と
福
祉
を
保
証
す
る
こ
と
を
目
医
療
サ
ー
ビ
ス
を
行
う
施
設
で
あ
り
、
地
域
の
一
、
病
院
は
、
社
会
機
能
の
一
環
と
し
て
、
公
共
的
病
院
憲
章
国際モダンホスピタルショウ2004・カンファレンス
〈平成 16 年 7 月・東京都〉
パネルディスカッション
2
00
4年診療報酬改定にみる
病院機能分化の新潮流
∼地域医療支援・亜急性・ハイケアを中心に∼
川合 弘毅
特定医療法人若弘会 理事長
前橋赤十字病院 院長
ホ
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シ
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│
2
0
0
4
年
診
療
報
酬
改
定
に
み
る
病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
財団法人竹田綜合病院 理事長
竹田 秀
医療法人社団永生会永生病院 理事長
安藤 高朗
座長:東北大学大学院医学系研究科 教授
濃沼 信夫
座長 これよりパネルディスカッションを始め
リハビリ,あるいはハイケアのようなかたちで,
ます。
一般病床を機能によって分ける経済誘導が行われ
このパネルディスカッションのテーマは「2
00
4
たように思います。そういう流れを病院がいち早
年診療報酬改定にみる病院機能分化の新潮流」
,
くキャッチして将来の病院戦略に繋げていくこと
「地域医療支援・亜急性・ハイケアを中心に」で
はとても大事なことです。そういったことがらを
す。本年4月の診療報酬改定は,医療機能の分化
先陣を切って進めておられます4病院から,今日
が行われてから最初の改定で,医療機能分化の評
はお話をいただく機会をつくりました。
価がどれほどなされたのか,そしてそれがどうい
それでは最初,川合先生にお話をいただきます。
う流れをつくるのか点検したいと思います。病床
テーマは「医療提供体制と病院機能分化の課題」
区分をみますと世界の国々ではまず急性期を決め
です。
て,その残りが療養病床なのですが,日本の場合
川合先生のご紹介をさせていただきます。昭和
には療養病床をまず決めて,その残りが一般病床
42年に東京慈恵会医科大学を卒業されまして,ド
です。したがって一般病床のなかにいろいろな種
イツに留学され,昭和5
6年,現在の若弘会の理事
類のものが入ってくる,このため,急性期と一般
長になられておられます。現在,日本病院会の副
と療養に分けたあとに,機能区分の第2幕がある
会長という要職をお務めになっておられます。そ
であろうことが予感されました。今回,亜急性期,
れではお願いいたします。
50(214)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
(スライド3)今回の診療報酬は,3月の実績
①医療提供体制と病院機能分化の課題 を今回の診療報酬に置き換えてみた結果,実は入
院部分でマイナス1.
7,外来部分でマイナス2.
6,
川合 弘毅
これは通常の一般病院ならどこにでもあるような
結果です。というふうにこの60床の内科単科病院
ご紹介いただきました川合でございます。私は
はマイナス約2%ということで現在,実験を続行
昭和36年に大学に入って4
2年に卒業いたしました,
中です。
現在62歳の人間です。私どもの病院のことを主題
(スライド4)次はいちばんあとに,昭和6
3年に
にしていろいろお話させていただきます。
できた5
00床の病院で,5
0
0床すべてが療養病床で
(スライド1)診療報酬はこの3つが目玉とい
す。療養病床の内訳は,介護保険が半分,医療保
うことで,こういうことに触れて語ります。
険が半分です。医療保険のほうでは,通常の療養
若弘会の病院の概要と現状 病棟の基本料1,1看護単位,回復リハビリテー
ションは2看護単位,特殊疾患療養病棟の1が2
私の法人には,3つの病院,1
00床の老健及び
看護単位というかたちで運営されている病院です。
在宅事業部門があります。そしていちばん成績が
(スライド5・6)この病院は,先ほどの一般病
悪いのが介護保険の在宅事業部門です。
床と違いまして,影響度はプラス0.
0
8ということ
(スライド2)第1番目にお話しする私どもの
+,16.p23456yz{
病院は,昭和5
3年頃から続いている病院で,東京
の秋葉原に相当する日本橋地区の電気屋街にある
病院です。この病院は1
0
0床くらいでケアミック
|stu$x
DPC
スをやっておりました。ところが,いわゆる特例
}~€y‚Aƒ„…†‡ˆ‰Š$x'
許可老人病棟はもうだめになりますので,完全型
qrstuvwuxrstu$x'
の一般病棟に変えて,結果として1
0
0床が6
0床に
スライド1
ダウンサイジングしたわけです。
実は,いったいどうやって6
0床の病院として運
営していくべきか考えました。一番はやめてしま
おうというものでした。父の代からの創草期から
!"
#$%&'()*
の病院ですので,やめるのはいかがなものかとい
う意見もありましたし,実はこの時に兄弟げんか
をいたしまして,一時弟が出ていって
スライド2
しまったというがたがたがありまし
た。私はやめてしまえという派でし
たが,やめるについては3億くらいの
+,-./0123456789:;7<=
お金がいるし,大変だということがあ
りました。幸いなことに補助金がい
ただけましたので,2看護単位の6
0
床の血液・肝疾患の病院,血液という
のはがんですし,肝がんの専門の病院
としてやっていけるか,現在乱暴な実
-^
/0VW
+_`A abcdeafg
ijklm
$
XYZ[X\
XYZh]]
RS
Y]Z\YX
Y]ZY\\
TU
56nop
789:;7<=>?@A BC.*DEF'G BH.DIJEKLMNOPAQ
スライド3
験をしているところです。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 51(215)
ホ
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ィ
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│
2
0
0
4
年
診
療
報
酬
改
定
に
み
る
病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
で,外来のほうは減っているのですけれど,全体
くれる意味なのか,これが介護保険のほうに寄っ
的に見ましたら0.
03になっております。1日入院
てしまう意味なのかによって,例えば介護保険の
単価が先ほどの病院は4万1,
0
0
0くらいでしたけ
1日入院単価は現在私どもの病院では1万5,
0
00
れども,こちらは2万1,
0
0
0くらいで,介護保険の
なにがしですから,1万円弱以上向こうへ行くの
ほうは1万5,
00
0くらいです。ということで実は
かこっちへ来るのかで,療養病床の将来というの
今回の診療報酬改訂では皆さま方もご存じのよう
は非常に変わってまいります。回復期リハビリテ
に,一般病床は大変ですけれども,療養病床のほ
ーション病棟と特殊疾患療養病棟は,冠のついた
うは何ともないという状況です。実は大変なのは,
一般病棟ともいえますし,療養病棟とも言えます。
平成1
8年にいったいどうなるのかという話で,最
要するに急性期以外の病棟です。冠のついた急性
近,西山さんがスライド6の療養病棟を介護保険
期以外の病床というのは,これは平成1
8年もおそ
と一緒にしてしまえというようなことを言ってい
らく大丈夫なのかなと思います。だからここの療
ます。さあ介護保険がこっちのほうに寄ってきて
養病棟の部分がいったいどうなってくれるのかが
問題になります。今日,私は,サブアキュート,
ホ
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ウ
パ
ネ
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年
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病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
—˜™š›œ’›;7<=
亜急性期病棟の病室のことはあまり触れません。
あとで安藤先生が話してくれると思います。療養
‹500xžŸ238EŽžŸ262
病棟の部分で,亜急性期病棟云々というのはやは
‹#$%&'-‹Œ)‹ ¡”(• 54
vwu›œ’›;7<=#$'
96
¢£!"‹#-
88
り無理があります。一般病棟のうちの1割がどう
こうと書いているわけですから,療養病床,完全
な療養病床で考えても意味がないですから。
‹ŒŽ‹‘;’“G”(•–––––––––––– 262
(スライド7)3つ目の病院は2
30床。急性期と
しては非常に小さい,話に聞くところ
スライド4
によると単独型の臨床研修指定病院
—˜™š›œ’›;7<=
のいちばんあとの病院だったらしく,
+,-./0123456789:;7<=
23
0床の急性期の臨床研修としては最
-^
/0VW Y®Z\]]
+_`A abcdeafg Y®Z\XY
ijkl”m•
Yh¬Z­X]
56nop
­±­\
$
xžŸ ŽžŸ
hYZ®[X
Y\Z\]®
hYZ[YY
Yh¬Z­X]
°
­±­®
°
小の病院ということになるわけです。
RS
\Z[¯\
\Z®h¯
TU
現在ここの病院は急性期特定加算が
取れなくて,ものすごく苦しんでおり
®­Z]¬]
­±­]
789:;7<=>?@A BC.*DEF'G B/.DIJEKLMNOPAQ
²³"´/µ¶·¸¹º»
スライド5
ます。ハイケア病棟のことはちょっ
と触れますけれども,ICUは取れてい
るけれども,ハイケア病棟を取るには
どうしたらいいだろうかという話。
まあ,手術,病院の施設基準というの
はこんなもんです。
#¤¥¦§y56nop
‹#
-^
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+_`A abcdeafg
ijkl”m•
56nop
Y¬ZX[¬
Y¬ZX[¬
\­]
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¨ƒ©ª¨«eafg
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Yh\Z]X­
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¢£!"
‹#
hhZ¯Y®
hhZ¯Y®
\­]
­±­­]
(スライド8)実はここの病院は5
Ž
‹Œ
x
Y\Z\]®
°
°
スライド6
52(216)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
月からDPCになりました。で,私ど
もの病院はここなのですけれども,不
満というか何というか,調整係数が
0.
9
1くらいで非常に低い係数だなと
思います。
(スライド9)いろいろ足してみて
0.
9
520です。どうしてこんな安い価格になってし
孝一さんたちとスリムにスリムにずっとやってき
まったのか,竹田先生のところはうちよりずっと
ましたので,やはりこれが,スリムにやってきた
高いので,竹田先生があとでこの説明をしてくれ
のがこのような点数になってしまったのかと。こ
ると思いますけれども,やはりDRG・PPSのほう
んなことを言うと愚痴になりますけれども。いず
がいいのになあと,実は心の中で思っています。
れにしてもDPCの値は低いということです。こ
とはいっても,実際ここでこうして話しているわ
こで先ほどのことに若干触れますけれども,ハイ
けですから,厚生労働省を批判しているのは間違
ケア病棟はハイケアユニットの看護の点数を取り
いないわけですが。この係数がどうしてあのとき
にいけるかどうかということになるのですけれど
に私どもの病院を水ぶくれにおいてなかったのか
も,現在2
30床で,病床平均在院日数が1
4日を割っ
と,今非常に残念に思っています。うちはDRG・
ているはずです。1
4日を割っているわけですから,
PPSの研究班にずっと入っていましたから,将来
ナースは2対1の看護基準ではやっていけるはず
DRG・PPSになるだろうからということで,川渕
がないですから,ハイケアユニットは取りたいと
T5A230
T5AyDPC
#$%&'-)”-• stu$E2UUV
x¼½¥¾¿ÀÁF3.H0.9174
¢6~'”W• XYŒ”X¬• `ŒZ[\E
ÐO]x^'E_U_`”(•”a• bc2d-E*
xxxx¼½¥¼y‚AÀÁx0.0346
e"´fEgh$x'/
Ùtuvw;“
i·€jklm,OnjklopqOnjkl“=r?sO
xxx0.9520
8IJKLMNOPEQ8¶ÐOPERRS
スライド7
スライド9
BCDJPEx¼½h­­X.C0h]^F3GH1
žŸx¼½
ÂÃPÄÅÆÇüÈÉÊxË=Ì;
xÅÆÍÎÏÐÑÍÎÏ
ÒϞŸÓ
Ô՞ŸÖ×ØÙ
ÚÛÒϞŸØÙ
ÜÝÒϞŸ
ÂÃPÄÅÆÇüÈÞ{
ßàÒϞŸ
xÅÆáâÏãäØÙ
ÒϞŸåæç
xÅÆÒèéêÏëäçØÙ
PÄÂÃÅÆÇüÈìíxË=Ì;
îïðÒϞŸ
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スライド8
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 53(217)
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院
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能
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の
新
潮
流
思います。それで現在病床稼働率が
9
0数%です。実は大きな病院で,急性
T5A H0123456nop
期のところで病床稼働率が9
0%を割
っていたら,例えば1,
0
0
0の病床を1
割カットすれば病床稼働率は10
0%に
近づくわけです。ということになり
ますと,その分をダウンサイジングし
たら,人員,ナースをそのままハイケ
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アユニットのほうに持っていけるの
スライド10
です。ところが私どものほうは23
0床
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る
病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
で,これを削ってしまいますと,いわゆる単独型
報酬前の診療報酬を使って計算しますと,1日入
の臨床研修をやるのは非常に大変になりますし,
院単価は4万くらい,ところが新しいもので出来
最低限の病床数ですから,ナースを新たに雇用し
高の部分で計算しますと1日入院単価は3万
ないことにはハイケアユニットを取れません。で
9,
0
0
0くらい,先ほど愚痴を言いました0.
95いく
すからいろいろなお話を聞くとはなしに聞いてお
つのDPCであっても,実は1日入院単価は4万
りますと,大きな病院で病床稼働率の低いところ
6
30円と前よりは良くなっているわけです。です
は,ハイケアユニットを取るのは極めて簡単なの
からこの増減を見てみますと,出来高だけでした
ではないだろうか。それをどういうお考えか知り
ら実は全体では1%の減,今回の診療報酬は薬価
ませんけれど,サブアキュート・ケアユニットの
ベースで1.
0
5ですから,ぴたりそこの部分に合う
話だとか,あるいは療養病床に変換するだとか,
ような診療報酬のダウンになっているわけです。
非常にもったいないことをおっしゃっているなと。
たまたま5月からDPCを取っております。5月
そんなことはないと思いますけれど,もしかした
からですから,6月はもうちょっとこれが上がる
らナースはチョンボしているのかと下司の勘繰り
と思うのですけれど,5月から取っていますと
をするわけです。ですから大きな病院で病床が十
3
16万円のアップになって,全体では0.
69のプラ
分に動いていない病院でしたら,直ちにダウンサ
スになっているということで,DPCは経常に何
イジングしたら,今のナースの人員でそのままハ
も悪いものではないと思います。先ほど前年を水
イケアユニットは取れると思います。平均在院日
ぶくれにしておいたらよかったと言っていますけ
数を短縮していくにはもうただただナースの数で
れども,そんなこと考えなくても,そういうふう
す。最初は気がつかなかったのですが,2
0日を割
に設定されているということです。
って1
4日を割ってきたときに,もうただただナー
スです。ドクターは忙しくなっても平気です。ナ
これからの急性期病院 ースが全部受けてくれますから。で,しわ寄せは
(スライド1
1)急性期病院について私の考えで
もう一手にナースのところへいってしまう。とい
すが,まあ,DRG・PPSなのかDPCなのかとい
うことで,大きな病院で病床稼働率が低いところ
うと,やはりDPCです。看護密度を高くしなけれ
ほど,ハイケアユニットは取りやすいのではない
ばだめ。ハイケアユニットは絶対に取れるなら取
でしょうか。もちろんいろいろな基準,患者さん
るべきです。もちろんICU加算がなければ絶対無
の程度はということは別にしての話ではあります
理です。これは当たり前の話です。だから,ハイ
が。
ケアユニットを取るためには先ほど申しあげたよ
(スライド10)これは私どもの急性期病院の5
うに,ダウンサイジングするのが1つの方法でし
月分です。この5月分を,前の3月,新しい診療
ょうか。よほどナースをたくさん雇用できるだけ
54(218)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド13
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スライド14
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スライド1
2
の魅力ある病院であれば別ですけれども,例えば
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ハイケアユニットをつくりたいけれど,私どもの
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病院でナースを集める自信がないのでどうしよう
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かなと今足踏み状態です。それと急性期特定病院
加算の入院外来比率1.
5,これは過酷な条件です。
スライド15
一所懸命に紹介状だとか逆紹介状だとかやってい
ますけれど,やってもやってもなかなか道は遠い
急外来医療ということになるわけです。
(スライ
ですね。
ド14)紹介外来医療というのは,ターゲットをク
(スライド12)それで入院外来比率1.
5を取るた
リニックに置いた紹介外来です。要するにクリニ
めにはどうするかというと,もう診療所や中小病
ックが望む医療機器の共同利用の情報をクリニッ
院と競合するような外来機能を徹底的に否定しな
クにお返しするということ。次は検査依頼も種々
いとだめです。だから今までの一般外来業務を全
の情報に基づいた診断サービスをクリニックにお
面否定です。専門外来も否定しなければだめです。
返しするということ。実は開放型病院をやりまし
まして検診センターともなれば,外来を減らすこ
て,近隣のクリニックのドクターの要求は,内々
とはできません。セカンドオピニオンなんてしゃ
はこれだということが分かりました。診断名をつ
れたことを言っていては到底外来の数を減らすこ
けてくれるのもけっこう,検査の情報をくれるの
とはできません。だからこの1.
5というのは非常
もけっこう,しかしほしいのはこれ,要するに,
に過酷な数字で,それをするためには外来をどう
治療指針を教えろと,患者の前ではなく,直に言
するべきかという話になるわけです。
えということなんです。クリニックの先生方が求
(スライド13)急性期病院の外来機能というの
めているのはこれなんですね。ですから果たして
は,まず紹介外来だということです。これもみん
我々の外来というのは,患者さんのほうを向いて
な口にします。それとワンデイサージャリーと救
行っているのか,クリニックのほうを向いて行っ
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 55(219)
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化
の
新
潮
流
ているのか。ただ,クリニックのほうを向いて行
いうふうに考えているわけです。これはひいては
っていても,これは結果として患者さんの便宜を
日本の救急医療の課題ではないでしょうか。
図ることになるわけですから,患者さんのほうを
(スライド16)急性期病院以外の入院医療とい
向いていると私は考えております。
うのは,ここに列挙をしましたようなことがあり
(スライド15)それから救急外来ですけれども,
ます。レジュメにございますのでお暇なおりにご
今までの救急外来は一期一会の医療です。若草第
覧ください。
一病院の火曜日は,たまたまこの週は立派な脳外
(スライド17)私が考えるのは,実はここなので
科の医者がいたから助かったと。次の木曜日に来
す。急性期の中小病院かどうかは知りませんけれ
たときの脳外科の医者は安物の医者だったから同
ども,その中小病院はこれからいったいどのよう
じ脳外科の疾患であっても死んでしまった。そう
にその病院が地域のなかで医療サービスを提供す
いったことが,実は今までの救急医療の現実と違
べきなのかというのが分かりません。今までのお
うのかなと。もちろんそうではない病院はたくさ
話のなかで,いわゆる大病院は何となくイメージ
んあると思いますけれども,少なくとも私の病院
はできました。急性期以外の病院というのも,こ
では,一期一会の救急医療を提供していたような
こにあります亜急性期だけはやや違うと思います
気がします。ですから36
5日,2
4時間,同じ医療
けれども,亜急性期はいったいどこにあるべきな
サービスの品質と機能を提供できるようにどうシ
のか,ここにあったほうがいいのかなと思います
ステムを変換するかということが私どもの課題と
けれども,いわゆる急性期以外の,私どもの5
00床
の老人を対象にした病院なんかは行
く道ははっきり分かっていますし,茨
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す。ですから,いわゆる急性期の進む
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ものは分かったし,慢性期の病院の進
むものも何となしにイメージとして
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分かるんですね。ところが冒頭挙げ
た私どもの60床の小病院。これが生
きていくためにどうしたらいいかと
いうのが全く分からないし,今いちば
スライド1
6
ん皆さん方が注目なさったのは,中小
病院がいったいどんなふうにやるべ
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きなのか。中小病院が,例えば,急性
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わりといけそうな気がします。です
からこれからの課題は,この中小病院
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をどんなふうに考えてやるか,これは
地域特性がございます。なにも銀座
を島根県や岐阜県につくっても仕方
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がない話で,これは地域特性に応じた
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やり方,それぞれが考えてやっていか
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スライド1
7
56(220)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
なければならないと思います。
えにこの療養病床です。何の冠もついていない療
これからの課題 養病床がαになるのかなというのが西山さんの話
(スライド18・1
9)要するに,今まで3回のマイ
です。このβはいくらになるのでしょうか。分か
ナスがありました。私の言いたいの は 過 ぎ た
りません。ただこのαとかβを考えるときには,
ことはさることながら,平成1
8年のこ
とです。このときは医療と介護の報
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23456‹”xGw;“•y
酬は両方ともダウンしました。日本
病院会でも,山本新会長は,ここに対
ÒϞŸ!3No.2195”2004.1.11
して日本病院会はどうあるべきか,皆
で考えよう,この1年ちょっとの間に
考えていこうと言っておられます。
これが最後なのかどうなのか,いわゆ
る団塊の世代と,これを目標にして今
から始まっていくわけですから,さあ
ここの部分をどうするのかというと
ころがいちばんの問題点,課題であり
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(スライド20)先ほどもちらっとお
スライド18
話がありましたけれど,私はもう大胆
に,将来は50万床だと思います。これ
は個人として川合弘毅が前からそう
思っていたということです。それで
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.
2002
2003
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H14/4/1
H15/4/1
2004
H16/4/1
2005
2006
2007
2008
2010
2015
H17 H18/4/1
H19
H20
H22
H27
ここの急性期以外の病床というのは
何万床でしょう。2
0万とか3
0万では
なく,1桁くらいではないでしょう
か。例えば,今ある介護保険ですけれ
ども,介護保険は今1
7万あるわけで,
これを足して7
0万くらいで,いったい
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スライド19
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スライド2
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日本病院会雑誌
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スライド21
2005 年 2 月号● 57(221)
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やはり団塊の世代が老人になるときをターゲット
にしているのでしょうが,ただ,団塊の世代とい
②地域医療支援病院としての病院運営 う言葉を使って病床はどうあるべきかという議論
はまだなされていないような感じがします。
(スライド21)今言ったことを書いてあります。
2
01
5年頃にいったいそれぞれ病床はいくらくら
前橋赤十字病院院長の でございます。当院
いあればいいのかというのが,これの機能分化の
は地域医療支援病院となって3年目に入りました。
たどり着く課題ではないかと思います。
今日の課題が地域医療支援病院としての運営とい
ご清聴どうもありがとうございました。
うことですので,最初に地域医療支援病院の総論
的なお話をして,そのあと当院が取得した経緯,
座長 どうもありがとうございました。
「医療提
さらに今考えていることをお話ししたいと思って
供体制と病院機能分化の課題」という演題名で,
おります。
機能分化がはらんでいる課題,そしてこれは総量
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病
院
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化
の
新
潮
流
がどのくらいかということとその内訳をどうする
地域医療支援病院の制度について かということなどを明快にお話しいただきました。
(スライド1)この制度ができた背景は,先ほど
2年後の診療報酬改定で回答が得られるだろうけ
濃沼先生からお話がありましたけれども(編集部
れども,それに向けて,中小病院が的確な戦略を
註:濃沼信夫教授の基調講演は本誌3月号に掲載の予定
たてることが容易ならない,悩ましい事情もお話
です。)
,医療環境の変化と多様化,つまるところ
しいただきました。ありがとうございました。
機能分担とそれを保証するための相互連携と資源
次は「地域医療支援病院としての病院運営」と
の有効活用ということであることは,皆さんご承
いう題名で,前橋赤十字病院の 先生からお話
をいただきます。
先生は,昭和4
5年に群馬大学の医学部をご
卒業になり,昭和5
8年に前橋赤十字病院脳神経外
科の部長になられました。平成1
3年から院長をさ
れて現在に至っております。地域医療支援病院を
どう取得され,それがどういう意味を持ったのか
というお話であり,これから目指されている病院
の皆さんには大変参考になるのではないかと思わ
れます。よろしくお願いいたします。
スライド1
スライド2
58(222)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
知のとおりであります。
んたくさんございます。特徴的なのは医師会立の
(スライド2)平成9年にこのような医療法改
病院が比較的小さい病院が多いということです。
正がありまして,これも皆さんご存じのとおりで
少ないものでは10
0床台もあり,多いところでも
す。
2
5
0床くらいまでのところが多いと思います。で
(スライド3)地域医療支援病院の本来の目的
すから,医師会立以外の病院に比べますと小ぶり
のなかには,はっきりと「かかりつけ医を支援し」
ですが,これについて私は,地域医療診療をどう
と書かれており,
「地域医療の充実を図ることを
捉えるか,こういう小さい規模の病院の地域医療
目的として,2次医療圏ごとに整備される」とい
支援をどう考えるかということで,自分では感じ
うことになっております。施設の共同利用とか地
るところがあるのですが,現状はそういうふうに
域医療従事者の研修なども行うということですけ
なっております。
れども,この厚労省のいっている目的では,
「かか
(スライド5)承認の要件は,まず2
00床以上で
りつけ医」ということをいっているわけです。
あること。さらに救急医療の提供,機能の共同利
(スライド4)これは平成1
6年1月時点の数字
用。病床も共同利用ということは,オープン病院,
で,現在はもうちょっと増えております。先ほど
オープンベッドが必要です。それから研修を行っ
の濃沼先生のお話では7
0ということでしたけれど
ていること。紹介率が80%,これはちょっと緩和
も,16年の1月現在では6
3,日赤でも今6になっ
されようとしていますけれど,当面80ということ
ておりますので,7
0くらいだと思います。当院は
になっております。それから院外の委員による運
全国で39番目の承認です。この中身を見ますと,
営協議会をつくること。患者搬送車を持つこと。
医師会立が約半数くらいを占めています。そのほ
県の医療審議会の承認が必要である。こういった
かはいろいろ散らばっていて,医療法人もずいぶ
要件がございます。
スライド3
スライド5
スライド4
スライド6
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 59(223)
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(スライド6)紹介率の算定式は80%というこ
とで,取ろうというお考えのところでは県に強力
とになっていますが,この紹介患者の数プラス緊
に働きかけることが必要だと思います。
急に入院し治療を必要とした救急患者の数という
(スライド8)ご承知のように,現在,紹介率の
ことですが,ここに分かりにくいところがありま
ほうに逆紹介率を加えて条件を緩和するというこ
す。
とが言われています。随分前からいわれておりま
(スライド7)解釈が非常にばらばらで,すでに
すけれども,実際はまだ新基準が出されていませ
具体的に検討していらっしゃる病院ではご承知で
ん。すぐにも,今日にも明日にも出るといわれて
しょうけれども,このなかにいろいろな解釈があ
いながら全然出ていないので,どうなるのか分か
ります。厚労省によると非常に厳しい考え方も出
りませんけれど,そういう状況があります。
るのですが,実際の解釈は県単位でやっておりま
(スライド9)地域医療支援病院になりますと
す。当院は群馬県にあるわけですが,群馬県には
良いことがあるのも確かで,1つは加算でかなり
今,2つ地域医療支援病院がありますけれど,そ
有利な点がつきます。初日に限って80%以上の
の2つの病院が違った計算式で県に届けています。
紹介率ですと9
00点,それから紹介患者加算が4
00
県はどちらが正しいのか分からないということで,
点,診療情報提供料が52
0点つくということがあ
どちらも認めてくれています。ちょっと変ですが,
ります。6
0%になるとやや低くなるということ
同じ県の中でもそういう解釈の違いがありますし,
です。
県によって厳しい県と緩い県とがあり,先ほどの
(スライド1
0)これは当院の加算状況ですが,実
空白県があるというのもそういうことからきてい
は平成14年の1月までは紹介率も80∼86%ほど
る可能性もあります。これはあくまで地域の医療
きていたものですから,もう大丈夫だろうという
計画に基づいて県の医療審議会が決めるというこ
ことで1月から算定をしたのですけれども,実は
60(224)● 2005 年 2 月号
スライド7
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スライド10
日本病院会雑誌
1月に6
5.
6と8
0を割ってしまったわけです。これ
も日本でいちばんアグレーションの数などが多く,
はちょうどお正月ということで,一般患者が外来
かなり積極的にやっている循環器病に特化した病
のほうへ急患で随分来られて割ってしまったとい
院ですけれども24
0床あります。それから個人の
うことだと思います。この当時は1カ月でも下が
病院がいくつか,大きいもので2
00床規模の病院
ると算定できないということで,2月からずっと
が3つございます。人口3
4万ということで,決し
加算できず,取るまでにまた3カ月間8
0%をクリ
て大きい2次医療圏ではありませんので,かなり
アしないと取れないということがあり,結局回復
過当競争的な状況です。
したのは7月からでした。この期間は1,
7
0
0万円
(スライド1
2)当院の概要は,ここに述べたとお
くらいの減収になっており,もし地域医療支援病
りで,いろいろ指定を受けるように努力はしてお
院を取るということになりますと,紹介率という
ります。
ものをかなり厳密に,数日遅れで出すような計数
(スライド1
3)現在は紹介率は9
5.
4%,これは一
管理というものが必要かと思います。
般の紹介率にすると5
3%ということで,地域医療
地域医療支援病院承認までの軌跡 支援病院としての紹介率は一般病院の紹介率と比
べて30∼40は高く,最低でも3
0くらいは高く出ま
(スライド11)当院の今までの軌跡を申しあげ
す。ですから,一度その地域医療支援病院として
ます。当院のあるところは,2次医療圏は群馬県
の紹介率で計算してみられるといいのではないか
の前橋を中心として3
4万人ちょっとのところです。
と思っております。平成1
5年では,外来比率が1
このなかにかなりたくさんの病院がひしめいてお
対1.
5
9ということで,これも地域医療支援病院に
ります。大学が7
0
5床,それから社会保険の病院
なると紹介率が大事ということで,結果的には制
もありますし,済生会病院もあります。県立病院
限することになりますので,どんどん下がってい
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スライド14
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 61(225)
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改
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に
み
る
病
院
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能
分
化
の
新
潮
流
きます。現在当院では1対1.
4くらいまで下がっ
域に信頼される医療の提供をやろうということで,
ていまして,これが良いか悪いか,経営的にはい
平成7年に委員会をつくり,いろいろ議論したわ
ろいろ収入の減少ということがありますけれども,
けですけれど,そのなかで救急体制を充実すると
そういう状況がございます。
いうことをまずいちばんにやりました。そのなか
(スライド14)地域医療支援病院になるまでど
では,これまでは当直は婦人科,内科,外科,小
うやってきて取ることができたか,そのあとどう
児科ということで4人くらいでやっていたのです
変わったかということでお話ししたいと思います。
が,それに専門のほうを生かして頭部の専門医,
(スライド1
5)取り組んだのが9年前というこ
胸部の専門医,腹部の専門医を配置し,7,8名
とで,決して昔というわけではないのですが,と
の当直という形をとりました。また,それまで救
にかく日赤というのは患者さんを取って返さない,
急を一所懸命にやられてこられた民間の病院から
返事もくれないというのが医師会の評価だったわ
の批判もありますので,当院としては救急車をた
けです。その当時,病院で医師の評価をするとき
くさん受けるというよりも,皆さんが困ったとき
にたくさん患者さんが来る科が良い科だというよ
にはいつでも患者さんを受けます,ですからみな
うなイメージを,経営陣は各科の先生に対して確
さんが十分救急医療をやってください,困ったと
かに持っていたと思うんです。ですから各科のほ
きには当院で受けますということをアピールいた
うはなるべく前年と比べて少なくとも増やしてい
しました。
こうというような,それが評価されるというイメ
(スライド16)結果的にはそれがよかったのか,
ージを持っていたと思うのです。それを直すとい
救急車も順調に増えてきまして,何か困ったとき
うことで,これは当然なことではありますが,と
には日赤に電話すれば何とかしてくれるという信
にかくまず開業医との相互信頼が大事であり,地
頼を得られたわけです。この間,現場のドクター
にとってはかなり大変なことだったのではないか
と私は思いますけれども,皆それによく応えてく
れたということです。
もう1つは返事をきちんと出すということで,
病院で返事を全部チェックして,返事を書いてい
ないドクターには返事を出すように伝えて,情報
提供を行いました。これは昨今ほとんどの病院で
行われていることだと思います。
(スライド17)平成12年の6月に連携室を立ち
スライド1
5
上げました。この当時は,医師は1人が兼務して,
専従の事務2名とソーシャルワーカー2名と一緒
に登録医制度をつくり,最初は2
82名の登録をい
ただきました。このときはまだ地域医療支援病院
にはなってはおりませんけれども,それまでは医
師の人脈に頼っていた紹介の情報を1本化すると
いうことでやりました。そのあとシステムがきち
んとできると,今度は開業の先生からまた不満が
出ます。システムで,我々はこまかい話をドクタ
ーに教えたいのだけれども,情報室で何でもいい
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6
62(226)● 2005 年 2 月号
から患者を送ってくれというような言い方になっ
日本病院会雑誌
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スライド20
てしまって,開業医と当院のドクターの間の意思
状を書いていただけませんかということを行いま
疎通が不十分になったという批判が随分あり,そ
した。しかし,患者さんは黙って来ていることが
ういった部分を解消するために登録医大会とかを
多く,難色を示す方もいるのですが,過去のデー
症例検討会などをたくさん開きまして,とにかく
タがあったほうが良いからということで,了解を
顔が見える連携にしようということで,対策をい
得られた患者さんにはこちらからお話ししてあげ
ろいろ行いました。
るからということで,前の先生に紹介状をいただ
(スライド18)それから,紹介を増やすときには
くという努力をいたしました。そんなことで,紹
先に逆紹介をしようということで,とにかく当院
介率が上がってきたということです。
に初診で紹介状なしで来られた方もどんどん地域
そういうことで平成1
3年12月に認められて,1
に返すということで,先に紹介してくださいじゃ
月から加算を算定するようになったということで
なく,紹介をこちらから先にしましょうというこ
す。
とをして,基本的な考え方としては地域の先生方
(スライド20)承認後はどうしたかといいます
が当院の外来であるという,そういう認識のもと
と,症例検討会をやっていたのですが,それを少
に,当院のほうは当院でしかできない外来だけを
し見直しをいたしました。地域医療支援病院にな
やろうということで行いました。
ったからということではないんですけれども,こ
(スライド19)当初はまだ支援病院ではなかっ
ういう症例検討会をやると各科のドクターは難し
たので,紹介率を上げるために,例えば紹介状な
い話をしたがるんですね。専門医でもたまにしか
しに来られた患者さんがどこかの先生にすでに診
見つからない病気をいかに自分が治し,自分が名
てもらっている方ですと,その先生にもう1回お
医であるかということを地域の先生に宣伝したい
話しして,こういう患者さんが来られたので紹介
のだと思うんですね。専門用語を使って,こうい
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2005 年 2 月号● 63(227)
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う治療をしたということでお話しするわけですが,
でまだ建築しているところですが,昔外来の待合
これが開業のドクターには評判が悪くて,開業の
だったところを,外来をどんどん減らしています
ドクターが求めているのは,こういう患者さんは
のでそこを地域医療支援センターとして,ここに
何科にどういうタイミングで紹介すればいいのか,
事務とソーシャルワーカーと訪問看護を一緒にし
あるいはこれは紹介したほうがいいのかどうか,
て,少なくとも外との関わりのある部署は皆ここ
そういうことを聞きたいということがありまして,
にまとめるということで,地域医療連携というこ
なるべくそういう内容に変更していただくように
とに焦点を置いた1つの組織をつくり,場所もつ
各科のドクターにお願いしました。でもこれはな
くって始める予定でいます。
かなか直らないですね。みんなミニ学界的な,い
わゆる学会でやるようなかたちの勉強会になりや
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改
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る
病
院
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潮
流
紹介率・逆紹介率向上でやってきたこと すいということがありました。あとは紹介された
(スライド2
3)紹介率向上の3つのポイントと
患者さんがいつ来たとか,入院したとかを紹介医
しては,まず積極的な逆紹介をするということで
がインターネットで見られるような仕組みをつく
す。紹介率等を常に把握して,毎月発表していく,
りました。それから,先ほど言いましたように,
紹介率の推移は常に全職員が見られるようにネッ
紹介率が下がってしまうと経済的にもかなり問題
トに載せるとか,返事を徹底してやるということ
が出てしまいますので,紹介率を毎日,今日まで
で,中間返事と最終返事というようなことで書か
の紹介率が何%かが分かるようなモニターをつく
れたかどうかをチェックしていく,紹介してくれ
りました。
た患者さんは必ず紹介元に返す努力をする,こう
(スライド21・22)そういうことで,地域連携の
いうことをやっています。
支援をより明確にするために,これは8月の予定
(スライド24)次のポイントは,慢性再来の逆紹
スライド2
1
スライド23
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2
スライド24
64(228)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
介です。当院で診ていた患者さんはなるべく地域
フレットを作りました。患者さんは,日赤で手術
へお返しするということですが,紹介してもすぐ
してもらったんだから手術後もどうしても診ても
にまた戻ってきてしまうということはよくありま
らいたいとか,再発があるかもしれないから診て
すので,共同診療カードというものを作りました。
もらいたいという気持ちが随分あるんですね。薬
開業医のドクターと当院のドクターとで一緒にあ
も次の先生に行ったら変えられちゃって不安だと
なたを診ていきますということを強調したカード
かですね。そのことをその先生におっしゃらない
を配ることで,不安解消に努めました。どの先生
で,我々のところへ来てまた言うということがあ
に照会したらいいかをすぐに探せるように,当院
りますので,なかなか信頼関係ができていないと
のインターネットに全部の登録医の住所や地図を
いうか,それをまた払底するように努力をしてお
入れておりまして,壁にも何科の先生がどの町に
ります。
いるというような情報を掲示しております。
(スライド27)そういうことで,患者さんの9
2%
(スライド2
5)3つめのポイントは連携医との
は元の先生にお返しすることができております。
綿密なコミュニケーションということで,連携委
ただ,疾患とかリハの問題で違う病院に紹介した
員会にも医師会の代表の先生に入ってもらったり,
ほうがいいというような方もおります。また,こ
連携室の職員が開業医の先生を回って,一種のマ
れには治って自宅に帰った方が出ておりませんけ
ーケティングリサーチといいますか,当院に対す
れど,治った方も,もう通わなくてもいいという
る不満とかいったものを聞いて回ったりしており
方も,必ず元の先生にかかりつけ医として戻って
ます。
いただくということでやっています。
(スライド2
6)患者さんにともかく安心しても
(スライド28)返事ですけれど,中間返事が84%,
らわないといけませんから,こういう連携のパン
これはその月のなかですので84%,来た患者さん
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2005 年 2 月号● 65(229)
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流
の8割くらいはすぐに返事を中間で書いているわ
方は,先生に集まっていただいて,こういうふう
けです。最終的な返事はちょっと少ないんですが,
にすればいいですということで,いわゆる提携を
これは同じ当該の月ということですので,最終的
やっております。
には9
5%くらいにはなっていると思います。こ
(スライド3
0)これは先ほど言いました共同診
れは同じ月のなかのデータです。
察カードで,これには当院のほうの担当医も書い
(スライド29)そのなかで,いろいろな連携をや
てありますし,かかりつけ医の先生も書いてあり
られていますけれど,病院を超えての地域での連
ますので,こういうカードをお渡しして安心して
携パスということで,例えば乳がんの専門医とい
いただき,これを持っていれば救急外来でいつで
う方は地域にもそんなにいらっしゃらないので,
も診るから,土日でも安心ですよと言っています。
乳がんで落ち着いた方で再発とか化学療法だけの
開業の先生はけっこう土日が休みで,電話しても
出ないというようなこともありますので,そうい
うことで安心していただけるということでやって
います。
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(スライド3
1)このように勉強会をいろいろや
りまして,それからJPTECとかACLS,救急の勉
強会ですけども,これ以外はスライドにあるよう
なことです。健康教室とか健康フォーラム,これ
は市民向けです。上のほうの症例検討会,これは
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医師向けです。このほかにも,救命士向けの勉強
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会,ACLSとかBLSは救命士も入っております。
それから例えば大腸ファイバーの技術講習会とい
うことも当院の職員の検診も兼ねまして,被験者
になってもらって,そういう技術講習会も2回ば
かりやりました。
(スライド3
2)これはいろいろなテーマでやっ
ております。議論になるように,こまかいテーマ
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に区切ってやるようにしております。問題点は毎
回出席してくださる先生がかなり固定してしまう
16
ということで,まだ考える余地があります。
(スライド33)登録医も徐々に増えて,現在4
0
0
名が登録医になっていただいております。
(スライド3
4)こういうことでやってまいりま
すと平均の外来数はどんどん減ってきます。これ
は最近の月次のデータですが,昨年の1
2月は1.
6
2
でしたが,今は1.
4くらいまで下がってしまい,経
スライド37
営的には厳しいところもあります。
(スライド35)ただ,入院単価のほうは随分上が
地域医療支援病院としては,やはり外来は最小
ります。入院患者さんの数は減りませんので,単
限に止めて入院診療に徹するということで,安全
価が上がる分だけ,入院関係の収入は増えてきま
で効率的で,患者さんの満足度の高い急性期入院
す。外来のほうも単価が上がりますので,外来患
医療を提供することが求められているということ
者数はかなり減っても,収入のほうはさほど減り
です。患者などの紹介時に満足していただく,で
ません。しかし基本的にはやはりマスが減るだけ,
すからクライアントは患者さんだけでなく,紹介
診療報酬のほうも減ってくるということです。
元の先生もそうだということです。
(スライド36)ただ入院の紹介は増えてきます
(スライド3
7)問題点としては,患者さんを1カ
から入院率も上がってきて,入院のほうには良い
月に1回以上紹介してくる施設は1
6%ですが,患
影響が出てくるということです。
者さんの割合にすると80%は,いわゆる当院に対
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2005 年 2 月号● 67(231)
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してロイヤリティがあるというか親密感を持って
要かと思っております。
くださる,あるいは地域的に近いというドクター
(スライド4
1)これを超えまして地域医療支援
からの紹介患者です。ですからこれをどうやって
病院というのは,単なる開業の先生だけではなく,
裾野を広げていくかが次の課題ということになっ
救急隊だとか県や市,あるいはいくつかの介護施
ております。
設の後方病院となっております。地域全体を支え
(スライド38)今のは外来の数ですけれども,入
る病院になっていくと意識しているわけではござ
院患者さんの数も,たくさん送ってくださる先生
いませんけれども,地域医療支援病院という名が
からの紹介の患者さんがたくさん入院するという
つくことによって職員の意識が変わってくるとい
ことです。
うことがございます。それが結局,さらに質が上
本当に求められているのは「質」 ホ
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がり,また信頼も得られることにつながるのでは
ないかと思います。ですから,地域をサポートす
(スライド39)地域支援病院というとともする
るという意識から,逆に地域からサポートされて
と紹介率に目を奪われがちですが,これからはや
いるということが実感できるような病院になって
はり質の向上のステージに行かなければならない
いるように感じている昨今であります。
かと思っております。
以上で終わります。ありがとうございます。
(スライド4
0)これは地域全体の「医療の質」の
向上へということで,先ほどお話ししたようなこ
座長 ありがとうございました。地域医療支援
とをやりまして,症例的には栄養指導といったよ
病院,これはハードルが高いけれども,何とかし
うな,診療所が持っていない栄養士さんを派遣す
て取得した暁には,加算という経済的なメリット
るというような,コメディカルも含めた連携が必
だけではなくて,組織の活性化や職員の意識変革
16
68(232)● 2005 年 2 月号
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スライド41
日本病院会雑誌
のような付加価値があるというお話であったかと
思います。
③急性期病院の経営戦略と地域連携 それでは,3番手の演者にお願いいたします。
竹田 秀
竹田綜合病院の理事長であります竹田先生です。
ご略歴を申しあげますと,昭和4
8年に東北大学を
ご卒業になり,富士通などを経まして,平成7年
ご紹介いただきました竹田でございます。今日
に現在の財団法人竹田綜合病院の理事長にご就任
は地域連携というテーマですが,私の話は,前半
になられています。病院の新しい戦略などのニュ
で急性期病院としての経営戦略,そして後半のほ
ースがありますと,必ずといっていいほどこの病
うで私どもの病院の地域連携に対する取り組みと
院と竹田先生がご登場になります。本日は「急性
いうことでお話をしたいと思います。濃沼先生,
期病院の経営戦略と地域連携」という題名でお話
あるいは先にお話しになったお二方の先生とも重
をいただきます。よろしくお願いいたします。
複する部分があるかとも思います。
急性期病院の経営戦略 (スライド1)まず地域における機能分化とい
うことですけれど,これからの病院経営を考える
うえでいちばん重要なのは,自分たちの病院の機
能をいかに明確にしていくかということだと思い
ます。こちらに代表的な7つの病院の種類を書い
てありますけれども,医療法で規定されている機
能の分類,あるいは診療報酬で定められている機
能の分類,いろいろ混在しておりますが,代表的
なものとして,
「地域医療支援病院」
,
「臨床研修指
定病院」
,そして急性期の加算をとっている「急性
期病院」
,それから「回復期リハビリテーション病
院」
,あと最近はケアミックスということは使わ
れなくなってきましたけれど,過渡的な位置づけ
としては,まだ急性期と療養,両方の病棟を持つ
「ケアミックス病院」というのもあるのかという
気がいたします。先ほど川合先生が200床以下の
!"#$%&
' ()()*+,&*+,
- ./)012034567
8 9:;<=>
? @ABC09:DEFGHIJ
K LMNOPQRI
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日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 69(233)
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病院の将来像,中小病院の将来像を考えるのはな
うことではないのですが,1つの目安としてはそ
かなか難しいというお話がありましたが,1つの
ういう数字が出てくるということです。
形としては,外来,健診を主体とした「プライマ
(スライド3)今年の4月の診療報酬改定で②
リケアを担う病院」というのも考えられると思い
のハイケアユニット,⑤の亜急性期病棟というも
ます。それから「療養病院」
,これは将来的には多
のが新設されました。ハイケアについては,まず
分,介護保険に包括されるだろうという見通しで
条件としてICUを持っていなければならないとい
はないかなと思います。
うことです。ICUは最大14日まで入れるわけです
濃沼先生のほうからは一般病床,アキュートの
が,ハイケアのほうは通算して2
1日までというこ
病床についての将来予測,あるいはわが国のある
とです。下のほうにありますように,ICUについ
べき姿ということで先ほど数字が示されましたが,
ては重症度の評価,②のハイケアについては重症
スライド2のほうは厚生労働省が3年ほど前,
度の評価+看護必要度の評価というものが新たに
OECDなどの先進国の人口当たりの病院・病床
条件として付け加わりました。これは新しい考え
数などからわが国の将来の病院・病床数を予測し
方といいますか,これから患者さんの状態に応じ
たもので,確か5種類ほどの試算が出ていますが,
た評価をしていこうという現れではないかと思っ
その数字としては4
2万∼6
0万床という数字でした。
ています。
その下に特定機能病院以下公的病院まで大体53万
回復期リハと亜急性期について,後ほどディス
床あります。全部が全部必ずしも急性期というこ
カッションのなかで出てくると思いますが,亜急
とではありませんが,最大の6
0万床からこの53万
性期のほうが取りやすいということがいえます。
床を引くと大体7万から1
0万くらいが民間病院の
回復期のほうがいろいろと施設基準がありますし,
ベッド数と想定されます。このとおりになるとい
病気,疾患の種類なども定められており,それだ
S()"TUV
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Ÿ Ÿ- ¡žš›
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スライド4
スライド2
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スライド3
70(234)● 2005 年 2 月号
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日本病院会雑誌
スライド5
けの患者数がいるかどうかということになると難
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しいと思います。一方,亜急性期のほうは最大で
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40床まで,一般の1割までという縛りが現在のと
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ころありますが,次の診療報酬改定では緩和され
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るかもしれません。回復期リハあるいは亜急性期
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という中間的な病棟というものが病院によっては
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必要になってくるということが想定されます。
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スライド4はご承知のように急性期病院の経済
スライド6
評価。紹介外来加算,紹介外来の特別加算,急性
期入院加算,これを全部とると2
0
5点。あと入院
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外来比率が1.
5以下ということで急性期の特定外
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来加算をとると20
0点で,全体で2
5
0点がとれると
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いうことです。地域医療支援病院の入院診療加算。
これは入院初日だけの算定ということですが,先
ほどお話がありましたように,6
0%以上で4
9
0点,
8
0%以上で90
0点です。
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そして急性期病院の加算がとれるのが全部1
4日
になっています。急性期入院加算をとる条件は,
スライド7
平均在院日数17日以下ということですが,この加
算の算定限度は14日です。したがってこの1
4日と
大体3
0名。3
0名だと増員は不要だということです。
いうのが急性期病院の入院期間の標準的なリミッ
さらにDPCの場合ですが,出来高ですと3,
70
0点
トと考えられます。
(1日3万7,
0
00円)ですが,DPCの場合DPCで
(スライド5)私どもの病院で,これらの急性期
包括された金額+ハイケアユニットの加算という
の加算でどのくらいの収入アップになっているか
ものがつきます。それが大体1日2万円くらいつ
ということで,これは平成1
5年度のデータです。
きますから,それを考えると,ハイケアユニット
紹介患者加算,これは途中6
0%から8
0%に上がり
はDPCでやるとかなり有利な気がします。それ
ました。全部で3,
2
7
7万円。それから急性期入院
から先ほど重症度看護率のチェックが必要だとあ
加算から,今年の2月から特定加算に,外来比率
りましたが,これが今後急性期の一般病棟の,あ
1.
5以下にしましたので,これが取れて,大体1億
るいは特別な患者についての評価につながってい
5,
000万円くらい,そして地域医療支援病院の入
く可能性があります。そういう意味では重症度,
院診療加算,これも昨年5月から9
0
0点になりま
看護必要度についても,評価に慣れておく意味で
したので,これも全部で8,
6
0
0万円くらいという
のメリットがあると思います。
ことで,全体で大体2億5,
0
0
0万円くらいの収入
スライド7は急性期病院の要件。簡単に言えば,
アップにつながっております。
紹介率3
0%以上,外来入院比率1.
5以下,在院日数
スライド6はハイケアユニットの評価です。う
17日以下。医療従事者の配置として,ドクターは
ちはこれは算定していませんが,取った場合どう
入院日額管理のとれる10
0床当たり1
2名以上,そ
なるかというと,大体月2
3
0万くらいの増収です。
れから看護師,これは2:1以上と申しあげても
現在2
5床の術後病棟があって,平均して患者が1
7
いいのではないかと思います。あとは,救急医療
名いますが,これを1
6名にして4:1という基準
は当然提供し,地域医療連携を図って,早期退院
で,夜勤回数を考慮して看護婦の数を計算すると
のためにはリハビリ,早期リハをやるということ
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 71(235)
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の
新
潮
流
と,栄養管理の充実を図る。NSTをつくって患者
専門家をきちんと病院のなかに養成することが必
さんの臨床の栄養管理をきちんと行う。さらには
要です。そういった院内の管理体制がしっかりし
これプラス,最近ではDPCに対応できるかどうか,
ていることが,このDPCに対応できるかどうかと
あるいは電子カルテなどのIT技術を導入してい
いうことになります。またDPCになれば当然包
るかどうか,こういったことも重要な要素という
括払いですから,その患者さんに使った薬剤ある
ことになります。
いは医療材料,こういったものもきちんと把握で
DPCというのは単に支払方式が包括になると
きなければなりません。そのためには電子カルテ
いうことではなくて,DPCをやるためのきちんと
を導入して現場において使用した薬剤,医療材料
したデータを出さなければだめだということです。
などの管理をできるような体制をとられているか
1つは病名などのしっかりしたコーディングがで
どうか,あるいはDPCについてもこれはコンピュ
きる,そういったことに関心が高く,それなりの
ータシステムでコーディングを行ったりレセプト
を作成したり,あるいはDPC分類ごとの治療成
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績,あるいはコストの管理,こういったことをす
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るためにはどうしてもIT技術というものが必要
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になってくる。そういう意味ではDPCとニアリ
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ー・イコールでIT機能,IT化の技術をとり入れ
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8 jýnþÅÅ(74
るということがセットになっているのかなと思い
ます。
(スライド8)少し前は急性期5つ星病院とい
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スライド8
近はこれプラスDPCの適用病院あるいは電子カ
ルテの稼働病院ということがあります。
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スライド9の数字は少し濃沼先生のより古い数
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字だと思います。地域医療支援病院,先ほどの先
生の資料では7
0病院となっていました。やはり③
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うことで,この5つが挙げられていましたが,最
の急性期入院加算,急性期特定入院加算,要する
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に診療報酬上の話ですけれども,厚生労働省は要
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するにこれに合致しているのは急性期病院だと条
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8 jýnþÅÅ(74
件をきちんと示してくれているわけです。在院日
スライド9
数1
7日以下で紹介率3
0%以上で,あるいは外来入
院比率は1.
5以下。これが急性期病院の姿ですよ
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と,お手本というか示してくれているわけですか
ら,当然このハードルを超えるということが条件
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になります。おそらくこの38
0という数字から倍
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くらいにはなると思いますから,日本全体では
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0くらいから1,
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0数百までいくかどうかは分
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かりませんが,そのくらいがこの急性期病院とし
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て生き残る可能性があるのではないでしょうか。
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(スライド1
0)選ばれる急性期病院ということ
スライド1
0
72(236)● 2005 年 2 月号
で,患者から選ばれる病院,それから地域の医療
日本病院会雑誌
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スライド1
2
スライド14
機関から選ばれる病院,そして研修医から選ばれ
つくりました(スライド1
3)
。平成1
0年1
0月から
る病院,救急隊から選ばれる病院,この4つをク
稼働しておりますけれども,まだ現在は5名の職
リアすることが地域における病院としては重要だ
員でやっています。責任者は看護師です。業務内
というように思います。
容は多くの地域医療連携室などでやっていること
竹田綜合病院における地域医療の取り組み ですので省略いたします。
(スライド1
4)このなかのポイントは20
02年
(平
(スライド11)地域医療連携ですが,急性期病院
成14年)4月に総合連携本部ということで,地域
にとって,この地域連携というものは必須の機能
医療連携室を組織変更しました。機能としては,
です。紹介率を向上させるためには,患者さんを
前方連携を担う地域医療連携課と後方連携を担う
紹介してくださる診療所の先生はお客さまです。
医療社会福祉課,この2つのセクションを統合し
そういう意識を持つということです。在院日数を
たということです。
短くするにためは,後方医療機関や介護施設との
(スライド1
5・16)前方連携のほうは紹介患者
連携が必要です。最終的には濃沼先生のお話にあ
の受け入れとか,紹介してくださった開業医の先
りましたように,地域においてそれぞれの施設が
生に対する返事のチェック,などをやっています。
特色を生かして,地域全体で医療・介護を支える
あと病院のベッドの一元的管理ということで,各
といったグループ時代が来ているのだろうと思い
病棟の入院のための連絡調整などを機能として受
ます。
け持っています。それから,地域医療支援病院の
スライド12は当院の地域連携への取り組みとい
条件として開放型のベッドを持つことが必要にな
うことで,まず1つ目は地域医療支援病院を取得
っています。こういったベッドの利用の促進,そ
するという目標で,地域医療連携のセクションを
れからさまざまな研修会などの案内といったよう
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 73(237)
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スライド20
なことをやっておりますし,また地域における広
域におけるかかりつけ運動を推進しています。
報活動もやっております。
我々も病院として協力体制をとって,医師会のポ
(スライド17)後方連携のほうは,主に入院患者
スター貼り,そして医師会の活動に協力してきた
の退院調整,それから後方施設との連携,あるい
という経過があります。
はMSWが中心になっていますので,患者さんの
(スライド1
9)紹介率を上げるため,医事課のな
医療福祉に関する相談とか,在宅の療養の相談な
かに専任の担当者をおいて,毎日紹介率のチェッ
どをやっています。
クなどをやっています。
(スライド18)会津若松市は医師会が病診連携
(スライド2
0)職員の方にも,病診連携の必要性,
について積極的な地域でして,平成6年から日本
それからうちの病院が地域医療支援を目指すのだ
医師会のモデル事業として,会津若松医師会は地
と,そういったことを情報提供や広報活動を通じ
74(238)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド2
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スライド25
るか分かるように,これも患者さんに対する案内
として掲示しております。
(スライド2
4)それから,福島県の補助金事業と
して,会津若松医師会に対してパソコンを1
0台配
るということで,当院にサーバーを設置して開業
の先生1
0カ所に端末を置いて,インターネット,
あるいは電子メールを使って情報交換を行うよう
なシステムをやっております。それと放射線の画
スライド2
3
像診断につきましては,これはインターネットで,
自分が紹介した患者さんの画像が見られるシステ
て徹底していくということを,また医局会議でも
ムも導入しております。
逆紹介を積極的にやるようにお願いをしました。
(スライド2
5)医師会との合同カンファレンス
また,一方では患者さんに対する啓蒙も必要とい
もやっておりますし,紹介するうえで,やはり病
うことで,広報誌で記事を掲載するだけでなくて,
院の先生の顔が見えないというのが非常に障害に
病院内の待合室にパネルなどを展示して,理解を
なるということで,インフォーマルないわゆるお
深めてもらっています。スライド2
1のようなかた
酒を飲むような会に科長クラスが参加して顔を売
ちで病診連携の必要性を訴えています。スライド
っているということがあります。そのほか,年1
2
2はポスターの一部です。あと,スライド2
3のよ
回救急隊との勉強会を行って意見交換を行ってい
うな会津若松市内の開業医の先生のマップを作り,
ます。
近くの開業医の先生,どういう先生がいらっしゃ
(スライド26)初診時特定療養費は,平成12年に
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 75(239)
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スライド2
8
スライド31
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00円から2,
000円に増額しましたが,これによっ
病院に登録されている開業医の先生は60名という
て極端に患者が減るという現象は起きませんでし
状況です。
た。
(スライド2
9)地域医療支援病院の運営委員会
(スライド2
7)医療機関訪問と医療機器の利用
の設置,これも義務づけられていますので設置し
供与。これはいいですね。
ております。
(スライド28)開放型病床については5床設置
(スライド30)そういったことで平成1
4年2月,
しています。県のほうから地域医療支援病院とし
先ほどの 先生のところより1カ月遅れですが,
ての基準は,開放型病床の利用率が2
0%という基
正式に認可がおりました。全国では4
0番目という
準が示されています。ですからこの5床のうち,
ことになります。
つねに1床は利用しているということです。あと
(スライド3
1・3
2)そのほかここにあります地
76(240)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド3
4
域周産期母子医療センター,あるいは地域広域リ
ハビリテーションセンター。こういった指定も県
のほうから受けております。
(スライド33・3
4)紹介率が平成1
5年から8
0%
を超えています。スライド3
5は紹介患者数のグラ
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6は紹介患者数で初診を算定し
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スライド37
たものです。スライド3
7は紹介元の医療機関です
が,いちばんトップの先生,平成1
5年で5
4
7人,そ
スライド3
8は逆紹介率です。スライド39は逆紹介
の次が37
0人,その次が2
9
0人,これらはいずれも
の患者数。平成1
5年3月で3
86人ということです。
病院のOBの先生方からの紹介ということです。
スライド4
0は開放型病床の稼働率ですが,多いと
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 77(241)
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スライド41
スライド3
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スライド3
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スライド42
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スライド4
0
スライド43
ころで8
0%くらい稼働しているので5床のうち
として地域パスというものがございます(スライ
4床稼働しているということです。
ド4
4・4
5)
。これは循環器関係の患者さんについ
スライド4
1は地域の医療従事者向けの研修。ス
て,病院を退院したあと,近くの開業医の先生に
ライド42は地域の連携の活動ということで,地域
かかっていただいて6カ月ないし1年後にまた病
医療フォーラムというものを開催しています。こ
院に来ていただく。その間を繋いでいこうという
れは年1回,地域の一般市民の方に対する公開の
パスです。現在2
0名が利用していて5名の方が6
講演会ということで,2
0
0名くらいの市民の方が
カ月ほどで当院で検査を受け,そのうち2名は一
参加していただいています。
部治療してかかりつけ医のもとにまた紹介しまし
(スライド43)地域医療,地域連携の推進のため
た。3名の方は経過が良好なので6カ月ではなく
にということで活動しておりますが,代表的な例
て1年後のフォローに切り替えたということです。
78(242)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド44
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スライド4
5
DPCについて スライド46
です。
(スライド47)入院期間ですが要するに入院期
簡単にDPCについて報告いたします(スライド
間Ⅰというのが25パーセンタイル値で,入院期間
4
6)
。今年の5月から参加いたしました。5月退
Ⅱというのが5
0パーセンタイル値です。これをご
院した患者は1,
09
1名です。DPCの適用条件は5
覧になって分かるように,それぞれ17
3名と3
04名,
月に入院して,退院したという患者ですから,そ
合わせて8
8%の方がこの5
0パーセンタイル値以
の方は622名ということになります。このうちに
内に退院しているということです。5
0パーセンタ
疾患等のDPC適用になっている方が5
3
0名,大体
イル値を超えているのが55名,さらに大幅に2
適用率85.
2%です。包括の適用患者上位者は,小
SDを超えて,出来高に切り替わっていった患者
児科,産婦人科,整形,こういった科が多かった
さんが4件ということで,9割近くの方がDPC
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 79(243)
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スライド4
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スライド4
8
で決められた入院期間の半分のところでは退院し
ているという状況です。
スライド50
コンプライアンスを重視 (スライド48)どういう疾患が多いのかという
(スライド5
0)最近の経営で何がいちばん重要
ことで,第1はウイルス性腸炎ですが,肺炎がけ
かというと,新聞をご覧になっている方はよくお
っこう多いです。
分かりでしょうけれど,病院に限らず,企業でも
(スライド49)出来高に置き換えて算定したも
このコンプライアンス経営というものはいちばん
のと包括で算定したものを比較した場合,小児科
大切であり,また企業にとっても重要であるとい
がいちばん有利で52万点ですから52
0万円くらい,
うことだと思います。病院においては,安全管理,
19.
8%くらい出来高より得している,と言うとお
環境管理,診療報酬請求とか,介護報酬の請求,
かしい言い方ですが,DPCが高いということです。
また来年からは個人情報保護法。これらへの対応
あと消化器,糖尿病,内科といったところです。
をきちんとやらないと,もし何か起きた場合は病
内科系が総じて良く,外科系はDPCのほうが逆に
院の存続にとっても致命的になりかねません。従
下がっているという感じです。病院全体で見ると,
来は,お金がかかるとか採算が取れないからしな
3
1
0万円ほどDPCのほうが出来高より高く算定で
い,あるいは法律で決められたから,診療報酬で
きているということです。6月退院でやった場合,
点数がついたからする,そういった発想が多かっ
大体1,
300万くらい良くなりました。
たのですが,そういう意識では今はもう経営する
資格がない,という時代になってきたのかなとい
80(244)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
うことです。以上で私の話は終わります。
④ケアミックス型の病院経営 座長 どうもありがとうございました。
「急性
安藤 高朗
期病院の経営戦略と地域連携」というテーマで急
性期病院の5つ星1つ1つについて大変分かりや
すく整理をしてお話いただいたと思います。従来
ただいまご紹介をいただきました永生病院の安
の5つ星に加えて,これからはDPCの試行で6つ
藤でございます。私どもの病院は,慢性期病院と
星もあります。さらに,特定機能病院を目指そう
いうことで,本当に急性期病院からのご紹介がな
という一般病院も登場してきましたから,今後は
いと生きていけないような病院でございます。慢
急性期病院の7つ星があるかもしれません。山の
性期医療として,自分が病院経営をやっていて困
向こうにまた山がある,とそんな感じがいたしま
ったことや悩みごとを含めてお話をさせていただ
す。
きます。
次に,安藤先生に「ケアミックス型の病院経営」
というお話をいただきます。急性期の話が重なり
病院の概要 ましたけれども,療養型と急性期をどうケアミッ
病院は東京の八王子という所にあります。この
クスしていくかということ,これは多くの病院で
地域は世界でいちばん老人病院と精神病院の多い
お悩みになっていることではないかと思います。
所です。
安藤先生にはそこをどううまくやるのかというお
当院はもともと老人病院でしたが,一般病院が
話をいただけるのではないかと思います。
非常に少ないということで,平成2年に私が病院
ご略歴をご紹介いたします。昭和5
9年に日本大
を少しずつ手伝うようになったときに,一般病棟
学の医学部をご卒業になられ,平成元年に現在の
をつくりたいという思いから,駆け込み増床のと
医療法人社団永生会永生病院の理事長におなりで
きに一般病床をつくりました。それ以前は全く外
す。若手の経営者として,世の中に意見,提言を
来もやっていませんでした。始めても外来は多く
常に発信されている先生でございます。それでは
ても2
0
0人くらいかと思っていましたが,最近で
よろしくお願いいたします。
は多いときで50
0人ということで,とても病院の
──────────────────────
なかでは収容しきれなくなってきました。そんな
ときに,病院の目の前の場所にゴルフ
練習場があったのですけれども,そこ
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スライド1
日本病院会雑誌
の社長さんがうちの患者さまで,土地
を貸してくださるというので借り,ク
リニックをつくりました。1階が診
察・検査ブースで,2階をリハビリ
テーションセンターにしております。
病棟のほうは,周りが一種住居専用
地域ということもあって全く土地が
ないなかで,残った土地で回復リハビ
リテーション病棟を建てましたが,細
くて1
0
0mくらいの長さがあります。
患者さまにはリハビリになって良い
かなということですが,年配の職員た
2005 年 2 月号● 81(245)
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病
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機
能
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の
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潮
流
ちは疲れ果ててしまうようで,この病棟は若い職
りました。地域が非常に高齢化しており,退職さ
員だけで構成しております。
れた方も在宅でお困りということなので,老人保
(スライド1)昭和3
6年に2
1床の個人病院から
健施設や訪問看護ステーション,在宅介護支援セ
始め,増改築をして,平成2年に一般病棟をつく
ンターなどをつくってまいりました。そのうちリ
ハビリテーションの重要性を感じまし
て,回復期リハビリテーション病棟を
つくりました。
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,-./
012.3( 4.5678.5-94.5,-.5:.5
;<=>?@.%AB;<=>?@CD+
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能
分
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(スライド2)病床としては,一般
病床が14
6,回復期リハが1
00,療養が
医療と介護を合わせて31
2,あと精神
病棟に1
09床ありますけれど,こちら
は高齢者の痴呆病棟です。
(スライド3)病院の理念としては,
質が高くて,安全で安心なものをつく
• „…†‡X<=>?@%ˆ‰+
• Š?=‹=5Œ
っていきましょうということです。方
針として,質の向上,患者さまの満足
スライド2
度の向上,健全経営という3本柱を挙
げております。
(スライド4)これは病院憲章みたいなもので
ÒÓ¶¤Ôª]ÕÖ
す。公正な医療,インフォームドコンセント,プ
×ÒÓØ
ٚÚFÛ»5Üݝ5ÜÞߚÇྏáâX†‡ã=;
XžŸ ‘™¡¢
ライバシー,診療情報の開示,教育,それからター
ミナルケアという6本柱を,今から8年くらい前
×ÒÓØ
“’•äåFæçFdèšéê¡¥u5ÚFÛ»5Ü
ݝ5ëw¹ì»šíu5à¾Ç»
ÜÞߚÇྏ
žî¡
から進めております。
質の評価,満足度の評価をすすめている ת]ÕÖØ
ðñâX†‡FÚFò˞3󑙡
(スライド5)毎年目標を設定していますが,先
$ðôõöFò˞÷¹™¡
ほどの3本柱の,質と満足度それと経営です。質
#ðdø9ùFúûšíu™¡
に関しては,慢性期の病院ですが,クリニカルイ
スライド3
ンディケータとしてとりあえず始めたばかりです
けれど,退院するまでのADLを,FIM(Functional Independence Measure)という評価で測
Ž‘’FF30
定しています。この結果は,開示ということでホ
“”F•5
ームページで発表しております。それから在宅復
•
–—˜™š›œžŸ ‘™¡¢
•
£š¤¥¦§
–—˜™F¨©šª«ž¬u™¡¢
帰率など数値での目標設定を心がけています。や
•
–—˜™F­®f¯>=ž°±‘™¡¢
2²³ž–—˜™´µš¶·¸‘™¡¢
り始めたのは,亡くなった患者さまがなぜ亡くな
•
•
¤¹º»¼½Ž¾¥¤¿5ÀÁ5À»‘™¡¢
ったのか,本当の原因を探っています。例えば肺
•
–—˜™F¼ÃęÅÆwÅÇ¥¤¿š5EFÈɞ°±‘™¡¢
炎があったとして,もしかしたら喀痰吸引が少な
ÊËF̞¡¥ušÍ–—˜™FÎÏО¶Ñ»‘™¡¢
かったとか,もっと早くナースコールに反応して
いればそういうのは防げたのではないかというよ
スライド4
82(246)● 2005 年 2 月号
うなことを,少々シビアな話ですけれど,検証し
日本病院会雑誌
ております。あと医療機能評価で,悪かったとこ
üýþöFF30
ろをフォローアップしています。どうしても認定
を受けるために,私も学生のころ試験というと一
• ÚFòË
– FòË
EF"#$F%¹
夜漬けが多かったもので,それが職員に移ってし
• #$ÕF&'
• |}(FòË
• FÜD&c
まって,やっつけ仕事でもって,ようやくつくっ
てしまった項目があったので,いつサーベイして
– )*#$+,-3F./0=‡V­
も受かるような状態に持っていこうというような
かたちで運動をしています。
スライド5
(スライド6)患者さまの満足度調査アンケー
トです。これはもう1
0年くらい前から実施してい
üýþöFF30
るんですけれど,その内容の改定を今つくってい
• ôõöFòË
ます。職員満足度調査も5年くらい前から実施し
ていますけれど,こちらも現在さらにバージョン
– –—çôõ
ホ
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• ¶¤ÔFòË
アップをしております。
– ôõ
(スライド7)健全経営ということで,拡大再生
• ýÌöF
• F
産まではできないにしても,法人として運営でき
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るような必要最低限の利益を確保していこうとい
うことで,目標経常利益率を掲げております。法
スライド6
人としては5%です。それを各事業所に割り振っ
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て目標にしております。
(スライド8)委員会とかプロジェクトはたく
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さんあります。そのために忙しいと職員からクレ
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ームもあります。方針としては,急性期からご紹
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介していただく患者さまは必ずお断りしないよう
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に,どんな状態の方でもお受けしようということ
だったものですから,一時期非常に忙
スライド7
しい病院になってしまって,永生病院
は老人病院だから楽できると思って
来たら,とんでもないという話で,そ
の日入ってすぐ辞めたという方もい
ました。そこで患者さま1人ひとり
の医療密度と要介護度,看護度という
ものを測定していって,ある病棟が忙
しくなったら,そこにマンパワーを加
配していきましょう,ということで医
療密度プロジェクトというものをつ
くり,データベースに基づいて,マン
パワーも確保していきましょうとい
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・職員満足度プロジェクト
・職場環境検討会
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うことが必要だと思ったら,プロジェ
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 83(247)
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になるということがあります。やらなければいけ
(スライド9)地域活動に関しては,慢性期の病
ないなというジレンマがありまして,反省はして
院というのは地域の公園のような機能を持ち,地
いるのですけれどやってしまおうと。まあ反省し
域のコミュニケーションの広場みたいに利用して
ていないんでしょうね。機能評価ですとどうして
もらえばいいかなと考えております。今までは地
も一般病棟のほうの評価が中心になりますので,
域の方々に病院に来ていただいて,いろいろな講
老人の専門医療を考える会というのを老人医療の
習会を開催してきましたが,これからはどんどん
大塚先生,天本先生,吉岡先生がつくったのです
我々が外に出て,市町村講演会への講師派遣,市
けれども,そこの評価表も併せて使っています。
町村へのPT,OT派遣,子供会・運動会・旅行な
理念だとか医療の内容,患者さまの満足度だとか,
ど地域町内会行事への看護師などの派遣というよ
機能,教育とか,構造とか,地域活動というよう
うなかたちで考えております。
なものを評価しています。もうだいぶ病院が老朽
(スライド10)医療機能評価も,一般・療養・精
化してきたので,構造,機能が非常に良くない。
神という複合型でやっと認定をいただきましたが,
地域活動のほうはよくやっているというのが評価
宿題が6つありまして,それ以外でも多かったの
だと思っています。
は,職員がちょっと忙し過ぎないかというような
(スライド11)患者さまの満足度を医師,看護師,
ご指摘を受けました。私も反省しているんですけ
すべての職種に関して5点満点で評価をしてもら
れど,自分で勉強したりいろいろなことを聞いて,
っています。職員対応も少しずつ良くなっている
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職員の対応
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84(248)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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ような感じがします。療養環境に対
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する満足度はスライド1
2のようにな
っています。
(スライド13)やはり重要なのは,
医師の評価です。一時期,慢性期病院
や老人病院は年をとった先生や,あま
り仕事が好きじゃない先生が集まる
んじゃないかというような話もあっ
て,一時期は永生病院は医療じゃなく
て事務でもっているのではないかと
いうようなことを言われていました。
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さんを育てていこうということで,医
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師に関しても5段階評価で患者さま
から評価をしていただいております。
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応対などを評価していただいていま
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期などではリハビリに関しても医師
が協力的じゃないと非常に困るとい
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くて,いちばん医師とおつき合いが長
いわけですから,看護師さんに評価を
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ことを評価しております。最近大事
るかを測定しています。医師によっ
てはこんな患者さんは診ないよとい
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う人がいるので,そういうことが絶対
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 85(249)
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ないように評価をしております。
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(スライド15)看護師さんと患者さまの評価を
加重平均したものを医師の評価にしております。
これをやっていったら,ちょうどこのホスピタル
ショウでDPCについて話をされる,赤穂中央病院
の古城先生は私と同級生なのですが,その古城先
生がこれをもらったと言って,同じものを使って
いるようです。古城先生とは,お互いに使えるも
のはすぐ真似しています。
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(スライド16)目標管理制度をつくろうという
スライド17
ことで,人事考課は,これは医局の例で言えば,
院長,医局長,医師とそれぞれ,病院の目標に沿
(スライド17)患者さまが満足するためには,職
ったものを落とし込み,各人が目標を立てて,年
員が満足しなければいけないということで,今年
に2回ほど面接で評価していくということをやっ
は職員の満足度調査に非常に力を入れております。
ております。これからシーズンになってきますの
前は給料とか労働条件とかコミュニケーションと
で,非常に時間がかかりますが,面接をやってい
か仕事環境とか,そういった1
0項目くらいの項目
くと,普段の医師の悩みだとか問題点とか誤解と
で測定していましたが(スライド18・19)
,理念的
いうものが解けるというので非常に有効ですし,
なこととか病院の方針とか将来に関しての考えと
また良いアイデアもいただくことがあります。
か,そういうものが取り入れられないだろうかと
86(250)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド19
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 87(251)
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療
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に
み
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病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
いうことで,新しいバージョンで全部で1
67項目,
(スライド20)
。その結果がスライド2
1ですが,
欲ばって非常に数の多いものになってしまったの
愕然としてしまいました。職員満足度調査をする
ですけれども,その職員満足度調査を行いました
と,どの病院の院長や理事長の方々もがっかりす
るみたいです。結論的には自分だけが突っ走って
いて,気がついたらだれもついて来ないという状
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$£WøšXY+
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• Úp/
が弱み,つまり不満足ということになります。強
いところには,永生会の方針とか,忙しいけれど
も自分の仕事に関しては満足している,というよ
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うなことがあります。弱みのところは,病院の方
• ­®f¯>=ž_¥ušÊ`Fëa•
»¢
針とか重要なことはトップばかりが決めてしまっ
て,自分たちの意見をもっと取り入れてほしい,
自分たちにもっと良いアイデアがある
スライド2
0
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ル
シ
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のに,というようなことが主でした。
これらの問題を展開したのがスラ
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イド22です。弱いところを7つのス
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³~(ij9DF­0€X5|tE¬5F°±
テージに分けて,課題の1個1個にプ
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ロジェクトをつくって,1つずつ改
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善していこうというようなことを試
みています。
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潮
流
態だったのです。図の左のほうが強み,右のほう
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スライド21
慢性期病院としての取り組み (スライド2
3)永生会は,慢性期医
療中心ですけれども,あくまでも在宅
を目指して,在宅に復帰できるような
ことをやろうということで,永続的な
入院は行わないということを1つの
目標にしております。
(スライド2
4)その患者さまの状況
9ùfÚ+,æ%³~(F7+
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cd
cd
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g=†V3óò
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(スライド25)種別ごとの平均在院
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日数です。一般病棟が長いというの
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スライド22
88(252)● 2005 年 2 月号
けたり,病棟間の連携をしております。
日本病院会雑誌
は,うちの一般病棟は,どちらかとい
うと亜急性期病棟だと私は思ってお
ります。ですから,将来は一部を亜急
性期病棟に変えてしまおうと思って
いるのですけれども,亜急性期だけで
なくて,特殊疾患療養病棟を併設して
両方を使い分けようと思っておりま
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スライド2
5
スライド28
す。一部,地域医療や整形外科のために,普通の
悩みが非常にありました。ではやってやろうとい
一般病棟も残すつもりです。ちなみに,診療報酬
うことで,大変ですが,夜中遅くても,必ずショ
の3月,4月の対比ですと,大体どこの病棟も平
ートステイを引き受けるようにしております。で
均して1%くらい落ちているような状況でした。
すから,現場はもう戦場のような状態になってい
外来のほうが0.
3%くらいの減でした。
ます。
(スライド26)療養病床でも,どんどんショート
(スライド27)今後の課題ですが,どうしてもロ
ステイを受け入れております。地域のケアマネー
ングステイをされたいという方もいらっしゃるん
ジャーさん方からは,夜中に痴呆が出て徘徊して
です。永生病院で,最後まで見てほしいという方
いる方をどこの病院も診てくれないというような
もいらっしゃったり,難病の方で,どうしても,
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 89(253)
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み
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病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
短命の方もいらっしゃいます。近い将来,病院も
(スライド28)リハビリに関しては,急性期,回
だいぶ老朽化したものですから,病院を2つに分
復期,維持期とありますが,治りそうなのだけれ
割して1つはリハビリテーション,在宅を積極的
ども回復期リハビリテーション期間には治らない
にする病院,もう1つはロングステイの病院,生
が,ゆっくり徐々に良くなっていく方がいらっし
活重視の病院ということにしようと考えておりま
ゃるので,うちの病院では移行期のリハビリを特
す。あとは,本当にもうマンパワーの勝負の部分
別につくっております。これは制度にはないので
があります。
すがけっこう患者さんがおります。
(スライド2
9)連携は大変重要で,地域総合支援
室を設け,地域医療のコーディネーターたちが,
AB~x
どんどん急性期の病院と連携しております。最近
• äå-^=a'=
では急性期病院のほうにPTを派遣して,一緒に
– FÔ8
• [email protected]³H5±&ÕFXY
– –—ç./0=
向こうの患者さんを診ながら,良くなったらうち
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病
院
機
能
分
化
の
新
潮
流
の病院にお運びするというようなシステムをつく
っております。医者のほうもどんどん急性期病院
äå-^=a'=¾n
rshn%öS¾n5‰Sþn+
EFG¿n
に訪問して連携を結ぶようになっております。
(スライド30)診療所で1
1
5カ所,病院としては
スライド2
9
42
1カ所,あと老健・特養でも5
9カ所くらい,行政
もあるので,そういうところと連携しております。
¶D)*
·¸.^_xyz€@= ·«^_xyz
(スライド3
1)このモダンホスピタルショウで,
\]^_¹º»F^_·¸¼z^½g‡@;
.^_¾¿^_ÀÁ^_·Â^_^ÌÄ
^_\].^_ÅÆÇ^_·¸^_¦'¼
r€@=ŽÈÉÊË\^8
ークのお話があると思いますが,今度,東京都と
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東京都医師会の大橋先生の電子カルテのネットワ
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東京都医師会とで予算を立てて,電子カルテを利
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用した地域ネットワークをつくりましょうといっ
421
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た事業を始めております。八王子もそのエリアに
38‘k
入ったものですから,うちの病院も電子カルテが
|}~
入っておりますのでネットワークをつくって中心
的にやっていこうという計画をして
スライド3
0
おります。
AB²³>X<Ô
(スライド3
2)永生会としては施設
F-ž3ó‘Í
サービスと在宅サービス,これはやは
り,大きな車輪の輪になって,それを
ä厴
結ぶのがリハビリテーションセンタ
2k
ーかと思っております。リハビリに
関しては,竹田先生のところがお取り
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2k%ˆ+
ˆ²³
2k%Š+
になった地域リハビリテーション支
援センターを取っておりまして,さら
に地域のリハビリを推進していこう
3M€@=
と思っております。
(スライド3
3)問題点としてはマン
スライド31
90(254)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
パワーの問題で,医療密度や介護度が
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FÚFòË
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スライド32
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—šEF‘ºÚã=;XžŸ ¡¥š
•£(þÊ˼Ýñò
スライド3
3
高い方のリハビリテーションをすると,本当に現
スライド34
けばいいのではないかと思っております。
在の療養型の3:1ではとてもじゃないけど少な
(スライド3
5)将来の療養型ですけれど,療養型
いと思います。1:1,2:1くらいのマンパワ
の機能が集約されてくると,医療度の高い人をみ
ーがありますから,日本療養病床協会会長の木下
ていくのが重要で,医療度の少ない人はケア付き
先生の持論じゃありませんが,何とかしてマンパ
住宅のようなところにリハビリテーションセンタ
ワーを集約したほうが質の良い医療が保てるだろ
ーがあって,そこで我々がサービスをしていく。
うとつくづく感じております。
それで重症になったら療養型のほうに移ってくれ
(スライド34)これは私の持論ですが,中小病院
るようなかたちに,1
0年後,20年後にはなってい
のなかでしんどいというところは,シルバーハウ
くと私は感じております。
スのようなものに転換して在宅機能をつくってい
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 91(255)
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スライド36
スライド3
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病
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能
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化
の
新
潮
流
これからの運営ポイント •
(スライド3
6)最後になりましたが,中小病院と
して今後どうやっていくかということは,病床稼
働率,病床回転率,1件当たりの点数などのアッ
•
プは当然のこと,自分の病院の患者さまの医療度,
•
介護度,看護度や疾患,周りの医療機関や介護サ
ービスの状況などを分析しながら考えていくのが
FÚFòË
– ÆÉë^šª«»
• 2ýZ5F+,59Äþ5j
– W<aÖâIX
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9ùªF’
– ÒÓ
– ôõöFòË
– `R¹õ
– 309
スライド37
いいのではないかと思っております。
(スライド37)医療の質とか,患者さまサービス
の向上,経営基盤の強化というためには,いろい
がなくなってきて,最近はけっこう明るく仕事を
ろな指標をつくってしっかりしたデータベースに
するようになってきましたので,やはりコミュニ
基づいて,数字で示していく必要があります。患
ケーションというのは非常に大事,ということを
者さまにも示していくし,自分のところの職員に
思い直しております。以上でございます。
も示していくことが大事だと思います。あと,病
院の理念や方針をいかに職員たちに浸透させるか
座長 どうもありがとうございました。安藤先
ということですが,数字だけではやはり人間は動
生には「ケアミックス型の病院経営」ということ
かないので,私なんかも職員を1
0人くらいずつ集
でお話をいただきました。急性期に比べますと,
めて,1時間から1時間半くらい,
「文句でも何
慢性期というのはスポットライトが当たっていな
でも言っていいよ,良い意見があったら言ってく
いようなイメージがあります。しかし,今のお話
ださい」という理事長懇談会をやっております。
をうかがいますと,まさに機関銃のごとく,いろ
これを全職員に実施しようと考えます。今週も3
いろなことに手がけられていることが分かります。
回くらいやっています。そうすることで,だんだ
こうなりますと黙っていても職員が創意工夫をす
んと方向性や病院の人たちがどんなことを考えて
るようになり,それをリーダーはくみ上げざるを
いるのかということが分かり合えるようになって
えなくなります。楽しく仕事をする秘訣を教えて
きて,同じベクトルにスタッフを向かわしていけ
いただいたような気がいたします。
ればいいかなということでやっております。回数
を重ねるごとに,忙しい忙しいというだけの文句
92(256)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
⑤討 論 のですが,昔どおりの病床数をかかえ込んでいる
ので,病床のだぶつきによる弊害が目立ってきた。
例えば27万人以上の社会的入院です。今おっしゃ
られたような医療の周辺の部分ですが,これは機
座長 冒頭にも申しましたが,わが国でも遅れ
能区分では整理のしようがない。病床数のスリム
ばせながら病床の機能区分が行われ,これまで混
化,ダウンサイジングしかないように思えます。
ぜこぜであったものが,急性期と慢性期の2つに
しかし,このメニューはなかなか出てこない。あ
分けられました。しかし,それだけで十分とはい
りがとうございました。 先生,同じ質問でい
えない。とりわけ一般病床にはいろいろな役割,
かがでしょうか。
機能が落とし込まれている。今回の診療報酬改定
亜急性期ということでは,例えば血液疾
で,次のステップとしての一般病床の機能区分,
患などで入院を繰り返すような方をどういうふう
その一部が位置づけられたように思います。4人
に考えるかというのは,現在まだ一般病棟でやっ
の方にお聞きしたいのですが,これで一応のメニ
ておりますが,そういう答えも少し出てきている
ューが出そろったのかどうか,ほかにまだ何か位
かなという気はするので,メニューは出たのでは
置づけなければいけないものがあるのかどうか。
と思います。これからそれをどう評価していくか,
それから,メニューが出そろっているとして,こ
私には予測がつかないんですけれども。
れはどのくらい伸びていくのか。特に亜急性期の
普段,病院経営をしていて感じることは,当院
ようなものは相当数必要なのか,あるいはそんな
でも総合診療病院から進んできたものですから,
に多くはいらないのか,この2つの点を含めてお
従来の科が全部そろっているんです。例えば,眼
答えをいただきたいと思います。まず川合先生,
科とか耳鼻科あるいは形成歯科とかといったよう
いかがでしょうか。
なもの。急性期,超急性期というようななかでや
病院機能分化,残されている課題 っていて,こういうようなものをどういうふうに
位置づけるか。例えば急性期であるときにはどう
川合 メニューが出そろったかどうかというご
しても麻酔医とか病理医とか,こう重装備のもの
質問ですけれども,例えば,急性期病院でみたと
を必要としているわけですけれども,そういうの
きに両手両足自由になって歩いておられる患者さ
が必要でない患者さんをどちらに分類していくの
んが急性期病院に入院しておられるけれども,本
か,亜急性期なのか。現在のように平均在院日数
来的には入院する必要があるのかということも考
で考えられるようななかでは,むしろそういう軽
えなければならないと思います。例えば,2
0代3
0
症の方をたくさん扱って回転を上げたほうが,平
代の青壮年期の人たち,特に男の人が,ただ単に
均在院日数が下がるわけですね。ですから,こう
骨が引っ付くまで入院していなければならないと
いうかたちで平均在院日数をただその軽症の方で
いう姿が果たして病院としてふさわしいのか。で
回す病院が急性期と亜急性期であるんでしょうけ
すから,メニューが出そろったか否かという前に,
れども,どう位置づけていくのかというようなこ
まず,本当に急性期に入院していなければいけな
とを感じております。
い患者さんしか入院していないのかどうかという
座長 ありがとうございました。竹田先生,急
こと。それと日本の文化ということを照らし合わ
性期と慢性期の中間的な病態の患者さんたちが少
せてどう考えるか,ということのほうが大事では
なくないということが現場の大きな不満となって
ないかなというのが私の最近の思いです。
いるように思われますが,亜急性期はこれに対す
座長 ありがとうございました。医学の長足の
る解決策と位置づけられるのでしょうか。
進歩で病床数は昔の数分の1で済むようになった
竹田 そうですね。先ほど濃沼先生がご指摘に
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 93(257)
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なっておられましたけれども,日本の場合アキュ
てご意見をお聞きしたい。
ートとロングタームのアキュート以外の部分を定
安藤 1つに慢性期と言いますが,医療保険型
義していって残ったものがアキュートであるとい
の療養病床,介護保険型,痴呆療養病床,特殊疾
うことで,私も今は急性期の病床の性格というも
患療養病棟,一部一般病棟,それからこれは入る
のはまだはっきりと共有できていないのかなとい
かどうか分かりませんが,緩和ケア病棟というよ
う 気 が い た し ま す。た だDPCに な っ て,そ の
うなかたちに分かれております。医療療養と介護
DPC分類である程度標準的なメニュー数が定め
療養。それから,医療療養と特殊疾患療養などオ
られていますから,そこでどこまでカバーできる
ーバーラップする部分もありますし,一般病棟の
のかがはっきり分かってきます。そこから外れる
なかで医療密度がある程度高く入院期間が長い方
ようなDPCの標準的な入院期間をはずれるよう
がいらっしゃるということで,その辺の整理をど
な症例や患者さんの病状はどういうものなのか。
うするのかが非常に大きな問題ですし,病院協会
もう少しクリアに分かってくるのかなと思います。
などでも非常に悩んでいるところだと思います。
それに基づいてそういった患者さんたちを回復リ
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ハでやるのか特殊疾患療養でやるのか,あるいは
障害者を介護保険に包含する動きについて 亜急性期でやるのかということですね。もう少し
座長 少々話題がずれるかもしれませんが,介
DPCのデータを蓄積し分析すると急性期医療の
護保険に広く障害を含むべきとの考え方がありま
実態像が分かってくるのかなと思いますけれど。
す。これに関して,そうなったときに病院はどう
座長 竹田先生,もう1つお聞きします。亜急
対応していくのかも含めて,先生のお考えをいた
性期は在院期間が延び,収益もあまり見込めない
だきたいのですが。
のではと,その取得に二の足を踏むところもある
安藤 障害の部分,障害の方々の病気を見てい
かと思います。診療報酬改定の今後の見通しはど
ますと,介護保険でカバーできるところはありま
うでしょうか。
すが,やはりサービスに関して非常に高いアメニ
竹田 先ほど申しあげました亜急性期の問題は,
ティを伴った部分を要求される方,いろいろなニ
1つはそのベッド数の上限があるということです。
ーズを要求される方がいらっしゃったりしますし,
それからもう1つ点数的な問題で包括されてない
若い方もいらっしゃいます。これを全部介護保険
ものが,回復リハだとリハしかありませんけれど
に取り込むというのは,検討しなければならない
も,亜急性期だとリハ以外にも包括されていない
部分が多いと思っております。もう少し時間をか
ものがあったと思いますから,そういったできな
けて,上乗せサービスと基本部分を分けていく必
かった部分を積み上げれば,そんなに採算は悪く
要があると思っております。
ないという気はします。それともう1つは,亜急
性期は在院日数の算定から外れますので,急性期
マンパワーについて 加算がとれなかった病院でも,亜急性期をうまく
座長 どうもありがとうございました。4人の
活用して急性期加算を在院日数値を7以下にして
お話のなかにしばしば出てきたのは,マンパワー
いくととれるという,そっちのメリットが出てく
についてです。これをどう確保していくか。安藤
る可能性があります。
先生にはマンパワーの勝負というようなお話をい
座長 どうもありがとうございました。今の議
ただきました。一般に療養とか慢性期に関して関
論は,急性期病床の機能をもう少し分けるべきだ
心が薄いといわれる一方で,需要はむしろそちら
ということであったと思います。安藤先生,慢性
側にシフトしてきています。医学教育も含め,ど
期の方は今のようなものでいいのか,さらにまた
こをどうすれば療養や慢性期に多くの優秀なマン
何か特化するような機能があるのか,そこも含め
パワーを引きつけることができるようになるので
94(258)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
しょうか。
療養的な部分などを見ていると必ずしも看護師で
安藤 マンパワーについては,例えば療養型で
なくても,サポートする訓練を受けた人であれば,
最後までターミナルまでお引き受けするようなと
看護師の資格を持ってなくても仕事はできると考
ころだと入退院もあまり多くありませんからじっ
えていますので,現在の基準で大体よいと思って
くりと患者さまの生活などを担当できる職員の方
います。
を集めればいいと思います。しかし在宅復帰を目
座長 ありがとうございました。 先生,今
指し,最終的にはお帰ししたいお帰しするレベル
医師不足が社会問題になっております。急性期医
までもっていかなければいけないというような場
療をやるうえで人が足りない,必要な診療科の医
合は,大変かもしれない。その場合,大変でも最
師がいないでは機能分化も絵にかいた餅というこ
後は良くしてお家に帰すようにするんだよという
とになるわけです。大学との新しい関係について
ような気持ちを持っている人でないと長続きはし
もいろいろ議論されております。急性期医療,例
ません。ですから,そういう職員を集めるのが大
えば地域医療支援病院を担っていくうえで,人の
変です。そのためには,条件面の整理もあるかも
確保というのはどんな方向に進んでいったらよろ
しれません。また,その仕事をすることによって,
しいのでしょうか。
自分の家族の方も含めて,介護が必要な方に役に
今の当院のなかでも不足しているのが,
立つことに喜びを感じるというような理念を共有
例えば放射線科の読影の医師だとか麻酔科医ある
できるというところが非常に大事かなと思います。
いは病理医といった,麻酔科は従来からありまし
忙しいけれどもお給料が良いというような条件面
たけれども,科の枠を超えたところで働く先生が
と,モチベーションをアップするような理念の両
ちょっと足りません。そういう人を大学に頼んで
方がないと厳しいのではないかと思います。
も大学のなかにもあまりいないのです。結局は自
座長 ありがとうございました。竹田先生,一
分のところで臨床研修のなかから育てていくのか
般病床,療養病床あるいは亜急性期の人員配置が
なと思っております。あるいは緩和ケアをやるド
決まっておりますが,実際にそれぞれの機能を発
クターとか救急医療をやるドクターとか,もとも
揮するうえで,このままでよろしいのか,将来的
と大学の旧来の科のほうで育った医師に対して,
には今の人員配置を見直す必要があるのか,その
もう少し横断的に働ける医師が今後必要になるの
辺はどうでしょうか。
かということを感じております。それから,医師
竹田 実質的にICUとかHCUあるいは術後の
の方がサイト用の入院1つとっても,いろいろな
集中的な管理,そういった要求される場所の人員
書類をつくらなきゃならない。かつては説明書だ
配置は現状でも1:1以上になっています。そう
とか1つ1つの処置をするのに承諾書が必要だと
いう意味では,一応診療報酬上は2:1が上限で
か,その処理に非常に追われていまして,医師が
すけれども,実質的には必要な部分については
かなり疲弊していることもあって,若手が開業志
1:1でやってきているということです。急性期
向を持つようになっているのではないか。入院医
については2:1。そして特別な集中的なケアを
療というか病院医療に希望を持てなくなっている
するところについては1:1ということで現状は
比較的若手の人が多いのではないかという気がし
いいという気がしています。
て,病院医療が崩壊のほうに向かうのではと個人
ただ,これから一般病床,急性期の病床はどん
的には不安に思っております。
どん減っていくでしょうから,そこについていた
座長 川合先生,特殊科,例えば,麻酔医や病
看護師さんたちが慢性期,あるいは療養のほうに
理医は医療の質を確保するうえで,絶対必要だと
まわるということであれば,現状の看護師の数で
思います。しかし,比較的規模の大きな病院でも
も充足できるのではないかと思います。それから,
こうした医師を常勤ではなかなか確保できないの
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2005 年 2 月号● 95(259)
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が実情ではないかと思います。急性期医療のハー
わけです。となりますと,ナースが足りるなんて
ドルを高くするようなときに,麻酔医や病理医は
決して思えないし,ドクターが足りるなどとも思
常勤であることが必須条件になるのか,今のまま
っておりません。ですから,日本病院会としては,
でよいのか,病院団体としての立場からでもけっ
ドクターの教育については本当にあれで良かった
こうですがいかがでしょうか。
のかという議論をやっております。
川合 医療の質を担保するためには,先生方が
おっしゃったように,ドクターは必要であるとい
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1
8年改定について/中小病院の行く道 うのは我々の見解です。それで一時,医師の養成
座長 どうもありがとうございました。最後の
を抑えたあたりはやはり行政の間違いではなかっ
質問に移りたいと思います。今回のテーマはこの
たかなと思います。医師1人で1億円か何億円か
4月の診療報酬改定を踏まえて,機能分化と病院
は知りませんけれども,医療費を押し上げるとい
経営を考えるということです。すでに巷では次回
うのは,これはあくまでも診療報酬の仕掛けがお
の改定についてもさまざま取り沙汰されています。
かしいのであって,診療報酬の現在の流れのよう
次回は医療保険と介護保険の同時改定ですので,
ななかで果たしてそういうことがいえるのでしょ
いろいろと注目される改定になろうかと思います。
うか。それと医師であってもタクシードライバー
機能分化と病院経営が,次回の改定はどんなもの
であることがおかしくはないようにあるべきでは
になるかという見通しをおうかがいしたい。大変
ないでしょうか。医師だってピンからキリまでい
難しい質問で恐縮なのですけれども。それから,
るわけですから,何もタクシードライバーが良く
川合先生から提示されました中小病院の進むべき
ない仕事であるというわけではなく,タクシード
道はどうなのかをお聞きしたい。ここにご出席の
ライバーでしかありえない医師,医学部卒業生で
方々も中小病院に関わっている方が少なくないと
あってもおかしくないような,要するに切磋琢磨
思います。大型の優良病院の話ばかりではなくて,
しなければ病院の医師として勤務できないよ,あ
中小病院の機能分化はどうあるべきか。これも大
るいはクリニックのドクターになれないよという
変難しい問題で恐縮です。この2点,今お感じに
ような仕掛けです。医師の養成はもう少しそうあ
なられていることでけっこうでございますから順
るべきではないのかなと。一時,医師の養成を抑
番に話していただければと思います。まず川合先
えたあたりが問題であるというふうに考えており
生からお願いします。
ます。
川合 まず1番目の1
8年改定で診療報酬はどう
それと看護師の話ですけれども,平均在院日数
なるのかについてですが,機能分化はより進むよ
が例えばドイツはオーストラリアのDRG/PPS
うな診療報酬体系になるだろうと。ただし,机の
のプログラムを買って現在7日におちているわけ
上でかまぼこみたいにくっついている役人が考え
です。日本はまだまだそこまでいっていません。
るのではなしに,私たち日本病院会が,機能分化
平均在院日数が短縮するのに看護師が圧倒的に足
についてこうあるべきだという提言をしてみたい
りません。看護師が圧倒的に足りないということ
というのが日本病院会の考え方です。そのときに,
と,病院でぶらぶら廊下を歩ける患者さんは入院
機能分化にあてはまらない病院群として,実は中
している必要はないということです。そのように
小病院というのが存在するのではなかろうかと。
私が申しあげるのは,実は急性期病院というのは,
中小病院が存続している意味は何で,しかも社会
ICUというようなものもさることながら,すべて
が受け入れてくれるのは何か。むしろ私たちはこ
の病棟がハイケアユニットであるような看護体制
れからこの1年足らずの間に皆さん方と一緒に考
で患者さんが入院しているということが,平均在
えていきたいということで,むしろ私どもからの
院日数がドイツのような7日というところにいく
お願いでございます。
96(260)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
座長 ありがとうございました。それでは を特化していくといった道がある。あとは後方の
先生お願いいたします。
位置づけで,回復リハとかですね,急性期病院の
難しい問題でなかなかお答えできない
退院の受け皿としていくということです。中小病
のですが,やはり今までの改定の流れから言いま
院には専門病院として,例えば眼科とか整形外科
すと,機能分化ということをもっと進めてくるだ
とか脳外科とか,そういう単科病院として特化す
ろうと。ですから自分たちの行く道をしっかりと,
るというのも一時期は言われていましたが,先ほ
地域の特性,自分の病院の開設者と自分の性格と
ど話がありましたように麻酔医,病理医のドクタ
いうのを考え合わせて,しっかり見極めていく必
ーがいない,専任ドクターがいないような病院で
要があるであろうということを思うわけです。中
これから手術をどんどんするということが本当に
小病院のあり方というのは,私たちもちょっと分
良いことなのかどうか。あるいはもしそこで何か
かりませんけれども,1つは専門病院化ですね。
医療過誤が起きたときにリスクを背負うのが経営
あまりこう複合的な病気を持たない,例えば耳鼻
的にも妥当なのかどうかという気がします。
科や眼科のような専門的な病院化だと中小病院で
座長 どうもありがとうございました。では,
も成り立つのかなと。それからもう1つは地域に
同じことを安藤先生,お願いいたします。
密着して,亜急性的かもしれませんけれども,あ
安藤 皆さんがおっしゃったように,急性期に
まり重装備の装置を必要としない地域と密着した
関してはDPC,慢性期に関しては介護医療型も含
かたち,むしろ満足度を向上した病院というかた
めた整理整頓だと思っております。あと中小病院
ちが1つあるのかなというふうに私は外から見て
の今後の生き残り方といいますか, 先生がお
いて思います。けれども,ただ中小病院の先生方
っしゃったような専門分化というのも非常に重要
のご苦労をいろいろ聞いていると大変だなという
なことと思っていますし,先ほど川合先生とお話
ふうに思いますので,簡単にはちょっと言えない
ししたときに,中小病院だと亜急性病棟をうまく
と思います。
利用していくとよいのではと痛感しました。本日
座長 ありがとうございました。それでは,竹
の「じほう」が出しているジャパンメディシンの
田先生お願いします。
特集に「亜急性期病棟のメリットとデメリット」
,
竹田 次回改定ですが,1つはDPCが拡大さ
「どういうものが将来できないか」など書いてあ
れるのではないかというように思います。それと
りますけれども,そういうのを見ていてもやはり
給食,入院の室代などのホテルコストですね。こ
整形外科などでは亜急性期を使うことによって平
ういった部分についての保険給付を見直す。要す
均在院日数を確保できますし,回復期リハビリテ
るに自己負担の部分を増やしていくようになって
ーションはハードルが高いということですから,
いく気がします。それから,介護のほうについて
亜急性期病床にリハビリテーションを加算できる
は先ほど話がありましたように,障害者を含めて
ようなかたちに持っていけばいいのでしょうか。
20歳以上から保険料を徴収して,障害者と介護保
あと私の知りあいの病院なんですが,中小病院で
険とを一緒にしていく。そのなかで医療の療養型
平均在院日数が短くなって,さらにそういう患者
というのが介護のほうにいくだろうと。そこまで
さんを多く集めていくと逆に亜急性期病院のほう
一気にいくかは分かりませんが,そういう方向だ
が点数が高くなってしまって,患者さんの自己負
ろうと考えられます。
担が増えて怒られたという話も聞きますので,亜
あと中小病院の進むべき道,経営戦略ですけれ
急性期のあり方を今後検証していく必要があるか
ども,1つには,急性期病院の前方機能を果たす
と思います。もし私が,中小病院,一般病院をや
ということ,プライマリー・ケアとかPETによる
っていたらどんなことをやろうかと思ったのです
検診などですね。そういった入院よりも外来に力
が,やはり人が避けたがる医療というものがキー
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2005 年 2 月号● 97(261)
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ポイントだと思います。例えば困っている患者さ
すくご説明いただきました。この問題は,これか
んというのは痴呆の方で骨折をした方とか,透析
らも深めるべきものと思います。目の前の霧が少
を受けてて痴呆の方だとか,そういう方がいらっ
し取れて進むべき道がぼんやり見通せるようにな
しゃいます。そういう組み合わせが,急性期病院
ったというところかもしれません。ご参加の皆さ
で非常に困っています。そこをカバーできる可能
まが,今日の議論を参考にしていただければと思
性があるのではないでしょうか。特別組み合わせ
います。そして何かこれならできそうだという手
というものをやってみたいと思っております。
応えを感じていただければ,幸いに存じます。こ
座長 とても良いお話をありがとうございまし
れで本日のパネルを閉じたいと思います。どうも
た。本日は地域医療における機能分化と病院経営
ありがとうございました。
に関し4人の先生に多岐にわたる問題を分かりや
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日本病院会雑誌
四病院団体協議会
医療・介護関係事業者における「個人情報保護法」
に関する講習会(予定)
(東京会場)
日 時 平成17年2月1
7日
(木)1
2:3
0∼16:00
会 場 メルパルク東京
〒1
0
5-8
5
8
2 東京都港区芝公園 2 − 5 − 20 TEL 03−3
43
3−72
11
お
知
ら
せ
定 員 1
5
0
0名
(大阪会場)
日 時
平成1
7年2月2
8日
(月)1
2:30∼16:0
0
会 場 大阪サンケイホール
〒53
0-2
0
0
4 大阪府大阪市北区梅田2−4−9 TEL 0
6−6
34
3−35
45
定 員 14
0
0名
参加費 両会場とも1人8,
0
0
0円(当日,領収書を発行します)
講 演 「個人情報保護法の解説」について (厚生労働省係官)
「厚生労働省のガイドラインの解説」について (厚生労働省係官)
「個人情報保護法導入管理措置の実際」について
※詳細については日本病院会企画部までお問い合わせください。
TEL 03−32
6
5−007
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日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 99(263)
医
療
・
介
護
関
係
事
業
者
に
お
け
る
﹁
個
人
情
報
保
護
法
﹂
に
関
す
る
講
習
会
︵
予
定
︶
国際モダンホスピタルショウ2004・カンファレンス
〈平成 16 年 7 月・東京都〉
IT フォーラム
現状で実現可能な電子カルテの範囲
∼標準化の課題と意義∼
浜松医科大学医学部附属病院医療情報部 教授
本日はスライド1のような内容でお話しさせて
いただこうと思います。
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現
状
で
実
現
可
能
な
電
子
カ
ル
テ
の
範
囲
木村 通男
内外の電子カルテバブル まず内外の電子カルテバブルの状況について少
(スライド2)私がこの医療情報の仕事をする
し触れまして,電子カルテの目的や実情を少し再
にあたって念頭に置いていることで,まずいちば
評価してみる必要があるだろうと思います。さら
ん大事なのは「手段の目的化を避ける」というこ
にそれから見て,現状でひどい痛みなく実現可能
とです。IT機器などは単なる道具ですので,便利
な電子カルテの範囲について少し私論を展開させ
なら使うというだけのことです。通常の企業での
ていただきます。その範囲及び実現のバックボー
IT投資というのは,売上げの1%から1.
5%だと
ンとなるものは,私の立場としては標準化が大事
すると,それ以上の,例えば臨床的な研究データ
であるということですが,これは別な言い方をし
がしっかり出るというのであればそれ以上の投資
ますと,例えばメーカーを変えてもデータがちゃ
も有効でしょうが,そうでないならば,単にOA
んと移行できて,なくならないということがいち
機器ですからとにかく安ければいいという状況に
ばん大事なことだと思います。
なります。
あとは標準化の内外の動向を少し紹介して,官
手段が目的化している人というのはけっこうこ
の側の風ですが,厚生労働省の標準的電子カルテ
の分野には多くて,いわゆるオタクと呼ばれる人
プロジェクト,もう1つは静岡県版電子カルテプ
たちですけれども,ちょっと弊害を起こしている
ロジェクト,これは私が技術委員長を拝命してお
という状況もあります。
りますが,これのご紹介をさせていただきます。
次に,
「入れていないデータは処理できない」
。
最後に「システム構築に失敗するための7つの方
当たり前ですけれども,要するに実施入力をちゃ
法」というスライドも用意してございます。
んとしなければ,そこからは経営分析のデータは
•
•
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100(264)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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@ªE&…&«…¬@B¦9G&&…
スライド2
出ません。ですから,例えばクリティカルパスの
­®¯@Fƒ¦9…C°G|
[\]^_`G±'…²&…
システムを入れても,きちんと実施入力及びオー
ダのアップデートをしなければ,かえって看護師
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• H‰ ¡DEno‘
さんが医者を確認のためつかまえることが増えて
しまいます。入っていないデータは出ません。
「旅人のコートを脱がせるのは太陽」ということ
は,要するに医療情報システムを使っていただく
のは,直接ユーザーにメリットが少ないことがか
なり多いので,アメを用意するかムチを用意する
かということになるかと思います。ドクターやナ
ース,職員が使って,例えば研究や教育の役に立
スライド3
つとか,引き継ぎをしなくて済むとかいったメリ
ットがないとやはり使っていただけません。上か
になるわけですね。
らの構造的な圧力だけでは無理ではないかと考え
「全病院IT化」
,これはスローガンとしてはきれ
ております。ですから浜松医大ではあまり無理に
いですけれども,それだけではコンパイルしてイ
オーダもたくさん入れていませんし,電子カルテ
ンプリメントできません。
「全面オーダシステム
もはっきり言って入れていません。
「患者情報を
化」などというのも駄目です。
「患者さんの投薬
大事にする」
。これはいちばん大事なのですが,
待ち時間を減らしたい」
。そのためにはドクター
メーカーが替わったごときの理由でデータが読め
に早いうちから発生源で入れていただいて,調剤
ないなど絶対あってはいけないのです。私が非常
部門では準備ができている。そういうかたちで待
に辛い思いをしたのは,1
0数年前の非加熱製剤の
ち時間を減らす。
「標準化」も実は目的ではあり
投与歴を探せという話でした。浜松医大でも紙の
ません。あれは例えば検査結果を,メーカーが替
レセプトを探したわけです。しかし,よく考えて
わってもなくしたくない,データの形式がゆえに
みるとあの頃の大学病院はすでに請求については
検査会社を拘束されたくないというようなことを
コンピュータでやっていたのではないかといわれ
目指すわけです。そのために高度の標準化,デー
ます。しかし,いろいろな大学病院に聞いてもみ
タの形式の標準化がいるということになります。
んな紙のカルテをめくっているわけです。うちの
ですから「医療費削減」や,
「患者のための医
場合,当時は富士通,今はNECです。磁気テープ
療」というのも目的なのか方法なのかよく分かり
の状態が悪くてとか,それを読むソフトまでは置
ません。
「患者のための医療」という言葉はあま
いていないからなどの理由で読めなかったわけで
りにも耳ざわりが良過ぎて,思考停止の言葉に使
す。こんなことでは患者さんのデータを大事にお
われて非常に危ない言葉だと思います。医療情報
預かりしているとは言えません。メーカーが変わ
に携わる私たちとしては,例えば患者さんに段取
ってもやはりちゃんと読めるということがいちば
りよく受診していただくとか,患者さんにドクタ
ん大事なことだと考えます。
ーやナースの顔をより長い時間を向ける,これ以
大体プロジェクトにIT用語が目的に入ってい
上画面にドクターやナースの顔を向けさせないと
るうちは駄目です(スライド3)
。
「書類の電子
いったことが目標です。
化」とか「病院のIT化」を目指すというのは絶対
(スライド4)厚生労働省の風というのは,e -
に駄目で,
「診療記録を共有したい」
,
「カルテ待ち
Japan構想で保健医療分野のIT化のグランドデザ
をやめたい」というので,そのために電子化して
インというのが平成13年に出ました。その内容は,
紙媒体から解放されたいとなる。目的と手段が逆
アクションプランのなかで医療情報の電子的交換
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 101(265)
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範
囲
を促進するというものです。私も標準化をずっと
とでもう1回します。
主張してきましたが,ようやく認めていただき体
昨年(平成1
5年)のクリスマスイブに,厚生労
制をつくっていただいております。電子レセ請求
働大臣から医療事故対策の緊急アピールというク
を平成16年で50%以上,1
8年で7
0%以上,電子カ
リスマスプレゼントがありまして,
「オーダリン
ルテの普及が平成18年には4
0
0床以上の病院で
グやバーコードなどを活用して安全対策を行う」
60%以上。これをどれだけ達成できているかと
というものでした。今,こういった厚生労働省か
いうと疑問ではありますが,電子カルテという言
らの風が来ております。
葉の定義がはっきりしないので,見方によっては
(スライド5)アメリカでも同じような話があ
これは上手くいくかと思います。この話はまたあ
って,Medicare, Medicaidというのは日本でい
えば政府管掌保険及び国保といったものですが,
それが組織の統合で一緒になって,CMSという
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組織になっています。ここが去年,平成16年の10
• áâãäãåæçènoéêë_0ì‹[í‹îïðñò
– no póôõS
月から診療報酬について2つの改革を行うと発表
• -./õS¤‹Áö
しました。1つは病院のクオリティインディケー
– p÷øùúû
ターに基づいてトップ1
0%とセカンド10%にボ
• üýðþ|ð
– úû
ーナスの報酬,プレミアムをつけると。もう1つ
• üýð
¶·Aþ
• MNOP¢no£ëŒ<îïððò
– Ç<ȋ<Š<Û&«­6®™Å
スライド4
は電子カルテ保有病院(これは定義が難しいんで
す)
,さらに電子カルテの使用病院(これも監査が
難しいです)に,きちんとプレミアムをつけると
いう話です。
Medicare/MedicaidEMR
ですから今,アメリカは電子カルテバブルの真
っ最中です。スライド6の写真は2
0
03年のサン
ディエゴでのHIMSSの様子で,これは日本でい
• 200410²|CMS(Center for Medicare
Medicaid Services|A8Ž !"#
ç$|ç%@|¹op÷FI™9&'(
)6*¬&+
うホスピタルショウです。端から端まで歩くと大
体2
0分くらいかかるという,会場内に電気自動車
– Quality IndicatorF,-…9|Top 10F2%|
Second 10F1%.</1
やバスが走っているという大会場で,それはもう
– 罶·012|Ø345@›b%|
ÚF€®¶·06×@›b%F|.<
/1
場内でタヌキの皮算用の臭いがしてたまらないと
いう場所で,バブル真っ最中だなという感じがい
たします。
スライド5
ところが,早くも,ニューヨークタイムズの今
年の4月6日の記事ですが(スライド7)
,
「多く
ï788ñ89
の病院でIT化に職員が反旗を翻した」という記
事が載りました。ロサンゼルスのCedars - Sinai
病院では,職員の反対で稼動を始めたオーダシス
テムを停止した」という記事がありました。その
ドクターは「オーダに1患者5分間余計にかかる
というのなら,オレはどうやって2時間という時
間をつくればいいんだ」とおっしゃるわけです。
実は,ご存じのとおり日本ではオーダエントリー
スライド6
102(266)● 2005 年 2 月号
を世界に先駆けて多く普及させておりますので,
日本病院会雑誌
6,7年前によく日本で聞いた話です。今や日本
ではオーダエントリーに関してはかなり評価が定
着して,例えば処方オーダに関してはdo処方がし
ました。
電子カルテの目的と実情の再評価 やすい,手書きの処方せんよりもずっと間違いが
(スライド8)よく聞かれる問題点は「費用が高
少ないといったものです。ドクターにとっても
い」という話です。1病床30
0万円ほど。最近は
do処方しやすいというのはメリットですから,ほ
少し安くなって20
0万円で,といった商談がよく
ぼ受け入れられています。こういったレベルで反
あるそうです。すると5
00床以上だとハードも込
旗を翻すという動きが昔の日本でも確かに見られ
みで1
5億とか2
0億になります。先ほど申しあげま
ましたが,なんせ日本のオーダエントリーの普及
したように通常の企業のIT関連の投資というの
率は大病院で50%,アメリカのオーダエントリー
は,例えばコンビニのようにデータをすごく大事
の普及率は大病院でおおよそ5∼8%くらいでし
にする企業でも,やはり全体の売上げの2%ある
ょうか。オーダエントリーに関しては日本のほう
かないかです。例えば浜松医大病院は,年間の売
がずっと先に進んでいます。シンガポールや香港
上げデータは医療収入が百数十億とありますが,
など小さい地域は別とすれば,オーダエントリー
そうすると1%で1億数千万です。5,6年間で
の普及率ではたぶん世界1位です。
償却すると1年間に使えるお金は5億とか6億,
アメリカの4,
90
0の病院のうち3
0
0ほどがそうい
最大で1
0億になります。もしそれで3
0億,4
0億の
うオーダエントリーやITによるオーダコミュニ
導入をするとなると医療収入の6,7%を使う
ケーションを持っていますが,安全性のために
ことになり,明らかに補助金などがなければ実現
「きちんと動いているのは4
0ほど」とここでニュ
できない数値になります。ですから皆さんご存じ
ーヨークタイムズの記者は書いています。さらに
のとおり,何十億円をかけてつくったところとい
「ケリー上院議員は『2
0
1
0年には全病院がIT化
うのはナショナルセンターであったりとか,すご
して安全対策を』と言うが,そのコストとして算
く補助金に強いところです。
定される200億ドルをだれがどうやって出すかと
「診療に時間がかかる」
。2つ意味があって,レ
いう議論をだれもしていない」とこのニューヨー
スポンスが遅い,所見を記述しにくい。所見を記
クタイムズの記事はまとめておりました。という
述しにくいという点で私が非常に悲しく思うのは,
わけで夢と現実ということをしっかりと把握して,
電子カルテ導入が高齢の医療職のいびり出しに使
現状の目指す方向を決める必要があると考えてい
われたケースがどうやらあるようだということで
ます。そのために本日いろいろとお話をご用意し
す。私としてはそういうことで医療の文化が荒廃
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All Rights Reserved, Copyright Hamamatsu University Hospital 200
スライド7
日本病院会雑誌
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スライド8
2005 年 2 月号● 103(267)
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していくのを看過できない。高齢の方は日本の給
検査結果・処方内容・画像,このあたりまでは標
与体系だとどうしても給与は高くなっていて,バ
準化ができていますので,安心してお預かりでき
リバリの30代や40代に比べると,という話になる
ます。所見に関してはしっかりとした標準化した
と経営に非常に寄与しますね。これは禁じ手だと
ものがありません。もちろん文字で読めるかたち
思います。少なくともITというものを肩叩きの
で打ち出すことはできますが,それはデータベー
手段にすると,私たちのほうにも石が飛んでくる
ス化とはいえません。ですから,浜松医大病院で
ことがあるのでそれはやめてほしいし,これを念
私は検査結果・処方内容・画像などは自信を持っ
頭に置かずに情報システムを構築することはでき
てお預かりしていますが,電子カルテのいわゆる
ないと私は思います。
所見技術の部分はお預かりしていません。
経営データにしろ臨床データにしろ,
「データ
スライド9は規模別に電子カルテ導入の初期費
が出てこない」という問題点もよく聞かれます。
用を考えたものですが,先ほど厚生労働省の標準
期待したほど何も出ない。この理由はあとで説明
的電子カルテプロジェクトというお話をしました
します。
が,あれは1
0いくつかの厚生労働科学研究費の研
そもそも電子カルテについて「定義がはっきり
究班でいろいろな分野の研究がなされているとい
しないので,商談でトラブルが多い」という話も
うものです。そのうちの元富士通の営業部長でい
します。つまり買った側は,電子カルテといえば
らっしゃる阿曽沼先生の報告がとてもCandidな
在庫管理もクリティカルパスも当然入っているだ
情報が出ていて,我々も非常に学ぶところが多い
ろうと思っていたのが,それは契約書には入って
のですが,それによりますと,ランニングコスト
いません,となる。それだけならまだいいですけ
を含まず,ただしネットワークや仕様打ち合わせ
れども,クリティカルパスは入っていても,職員
を含み(
「仕様打ち合わせは少なめ」というのは,
がちゃんと実施情報やアップデート情報を入れな
大学病院みたいなものは勘弁してくれという意味
い限り正常に動きません。ですからシステムを購
でしょうけれども)
,公的な大病院,ナショナル
入しただけで動くつもりになっている経営者に,
センター及び大学病院のレベルですとやはり3
0億
現実に医療情報担当者が,なぜ動かないんだと怒
から4
0億かかるということです。
られるという話をけっこう聞きます。そのあたり
先ほど売上げの何%と計算しました。大規模の
をぜひご理解ください。
新築,5
00床の自治体の新築病院だったりします
「そもそもメーカーが替わっても,せっかく頑
が,これですと大体1
5億∼2
2億くらいであろうと。
張って入れたデータは大丈夫か」ということです。
地域中核民間モデル,30
0床から5
00床でこれは一
昨年(平成14年)とその前と2年続きました補正
予算の半額の補助を考え,残りを自己資金と考え
ƒ„…ƒ†‡Þ®
て全体の費用が10億を切るくらい。もっと低コス
!"#$%&'()**+,
トに考えると,自己資金中心だとどうしても5億
以上出すということはやはり難しいだろうと何回
• ˆ¢¶·0dð
%0‰|¢Š%
– ñ<\
も言いますが,先ほどの売上げのパーセンテージ
• ¢ƒ„‹f0
%0ŒÁŽ%
– ð<\
• ‘Ž’“Í”;0ñ<
%0•–—˜™—
š|›oŒœž%
– <ð\
• ŸŠ1`…ƒ”;0<ñ
%0ŒœžŽ%
– <\
というところから入ります。そういう状況である
というご報告がありました。とても示唆に富む数
字です。要するにせいぜい数%だろうと。そうす
るとどうやってこのお金を出すんだ,ということ
• ‰ ¡¢˜­Š1`G£o¤¥±A‘
です。
スライド9
104(268)● 2005 年 2 月号
スライド1
0は当時厚労省の推進室長補佐の武末
日本病院会雑誌
先生がおつくりになった図で,このハイプサイク
ÀÁÂÃ[ÄÃ_
ルという考え方は1つのものが普及していくうえ
での期待度を示しています。最初にすごく期待さ
れて失望期があって,実情はここだというところ
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に収束します。レセコンは大体こんなものだとい
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Gartner research
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IT Hype cycle
ÎÏÐNÑÒ(H13)æ
‰-.ÓRS‘Ÿo
うところまできていますね。オーダリングもすご
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い夢があって,失望があって,落ち着くところま
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できた。レセ電に関してはいきなり大きい期待は
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だれもしていないので,この辺まできたかなと。
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電子カルテは今ここということで,これは平成1
3
スライド10
年の武末先生が示したポイントで,私が今これを
定めるならば,そろそろ下降に入っているように
思います。厚労省の半額補助がなくなったときと
²;<=G9'C²H
いうのがたぶんこの頂上かなという気がします。
• ¶¦F-.¯GB¦D²H
しかし一方で,過度の期待がなく,等身大の電
– øù®|r
§¨®|0©ª« %­…%
• BCžh6
子カルテを議論する非常に良い機会ができた気が
– ‹[e<`AƒÔ
– ®<¯1`AƒÔ
– °±&Œ²_ë²[@AˆC²H
します。最初は値段など関係なく導入して,収支
も関係なく開発しているメーカーがあって,双方
• ³x¹o´ƒ
が疲弊する,ユーザーも疲弊する状況でしたので,
– ¾:¾:|«¶µG«³x²|1E„9…
C²H
それがやや改善されつつあると私は思っています。
• c9¶‰·¸¹‘‰º»‹N¼‘‰½¾x‘‰¿/x‘
(スライド1
1)先ほど電子カルテからデータが
スライド11
出てこないじゃないか,というお話をしました。
なぜかというと,病名に標準語があったかという
「フリーテキストでもご入力いただけますよ」と
ことです。病名マスターというのは長い間統一し
言う。そうするとドクターは人によってはテンプ
たものがなかった。請求用のものと臨床用のもの
レートで入れたり,人によってはフリーテキスト
がバラバラで,なかなか統一的なマスターがない。
で入れたりする。どうやってこれを網羅的にピッ
これは求められる詳しさが違うために請求書用の
クアップしますか? 無理でしょう? だから所
マスターは研究用・臨床教育用には全然使えない
見からはやはりデータは出ないのです。
ということでした。ですから,これは詳しくはこ
所見に関する標準化というのは,実は今,厚生
うだけれども請求のレベルでは大雑把にいうとこ
労働省の班研究でも行っています。私もその班員
れ,という病名集が出ることが求められています。
なのですが,とても各科の詳しい部分までできる
しかしMEDIS((財)医療情報システム開発センタ
はずもなく,初診時の最初の身体所見くらいまで
ー)から病名集が出て,これにはシソーラスがあ
は標準的なものがつくれるかなというところです。
りますので,やっとその基盤が整ったかなという
病名はまだ意図を持って情報を交換する言葉です
ところです。
から,標準的にしようということで,インセンテ
所見に関しては,大体の電子カルテはテンプレ
ィブがあります。ICDだと保険の請求もつくとい
ートを用意します。皆さんドクター総出でテンプ
う話もありますし,DPCもそうです。そういう求
レートをおつくりになります。しかし,私が見る
心力がありますけれども,所見はそれがないので
限りでは,あまりお使いにならないですね。メー
す。やはり所見からどんどんデータが出る,臨床
カーは当然テンプレートも用意していますが,
研究にすぐ役立つというのは夢なのです。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 105(269)
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臓器別の診療収入という話が4年
²;<=G9'C²H
くらい前にあり,文部科学省が国立大
学に「それを出せ」と言ってきました。
• Ô1w*¶·Õ|9<Ö,;<=אbø
でも,そもそもどの病気がどの臓器か
– ¡,|n£
という情報はどこにあるかというと,
– /Šom½˜|sÁ½˜&«GsAØٙ9…„C
áډ&¬…GŒKAÛoÜECF‘ÝáåÞ
pGËf<`)*
これがないのです。ICDの章は消化
• ƒ¦9…&…
器だ,循環器じゃないかという意見も
• :™¬„6ÛoÜECŸFiC&|Ç<ÈÌSß
ÔÌF|n¡²lmk@Øٙ9Fƒ„C
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• ¬„GyFsÍ@n£GU²noGF7š¦D‚v
ありますが,ICDには悪性新生物と
いう章がありますので,消化器の悪性
pG9¬&…
• 9äc
– ‰àDCᶑ‰:¦:Ó6€¦DᶑG"#
新生物は悪性新生物に入っている,と
– (1AŠ<Û!€®0,â1%
• ãäŠ<Û@ÌåFŸ¦9­¶µF
いうわけです。さらにはっきりどの
臓器か分かる病気はいいのですが,代
スライド12
謝性の疾患だとか自己免疫系の疾患
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囲
というのはどれがその臓器か分からない場合もあ
うのができたのは良いことだと思います。今まで
ります。
の請求だと病名がズラリと並んで,いったいどれ
(スライド12)要するにデータがないのにすぐ
がこの人のいちばんの病気で,どれは貼り薬のた
にデータを出せと言うわけです。入っていないデ
めに出して,どれは痛み止めのために出して,ど
ータは加工できません。今,我々はDPCで入院患
れは検査のための病名だと分からないですよね。
者さんの請求をしています。その特定機能病院が,
あと「最も資源を使った疾病」というのが別にあ
去年(平成1
5年)DRGで基本的なデータを出せと
ります。最もお金のかかったのだけというのをキ
言われました。患者基本や医事情報は医事系から
ープしておいても臨床的には使えないわけですか
インポートできるようにはします。さすがにそん
ら,臨床的にあとで使えるようにするには主たる
なことまで手でやれません。しかし臨床的な必要
疾病を記述して,もし資源を最も使った疾病があ
性から化学療法や手術の有無などはやはり手で判
れば,別途記録しておく必要があります。やはり
断していく必要があります。
DPCは経営系の分析のためのデータばかりで,そ
当時担当の役人さんが電子カルテならこういう
のまま臨床的に研究や教育に使えるかというと,
のは自動で取り込めるのですが,とおっしゃって
さすがに大学病院を預かる私の立場としてはノー
いました。とんでもない間違いですね。どの病気
と言わざるを得ません。
のためのどの化学療法なのかが分からないから,
何よりも20
0
4年の7月の改定で,コードが再使
化学療法の有無というものはやはり医者が判断し
用されました。前のコードと同じコードが6月以
ないと駄目なんです。入っていない情報は出ない
前と違う疾病で使われた,全く基本的なミスです。
です。これを自動的に処理するようにするために
時代によって同じコードが違う病気になります。
は,オーダ時あるいは実施情報入力時にドクター
ということはコードをつけたタイミングを記録し
やナースが判断して電子カルテに入れることにな
て相手に渡さないといけませんし,処理系のシス
ります。これはよく考えると医事職員から医療職
テムはマスターの履歴を持っていないといけない。
に手間が移っただけです。なぜ事務系の職員が電
医療機関ID番号というものが,実はこの国にな
子カルテ導入に乗り気か,という理由を医療職の
いということをご存じでしょうか。病診・病病の
皆さまはお分かりいただけましたでしょうか。
連携のプロジェクトがけっこうありますが,この
問題のDPCですけれども,あまり大声で悪口を
IDのなさがやはり問題です。なぜないのか。保
言える立場ではありませんが,
「主たる疾病」とい
険診療報酬の施設番号があるではないか。あれも
106(270)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
再使用していたんです。コードの再使用は本当に
pq;<=6«€²H
…[]GB¦D²H
コードの命を絶つのです。
多くの先生方はDPCは一般病院もそろそろな
のかなと思っておられると思いますけれど,とり
あえずこういう基本的なミスを平気でやらないよ
• ߃Ô|<Š<Û"‡Sæ|¶¦Š<Û-./
FŸo|pq;<=GkkBC
– ‰a´çèéÕêëɝ|Ÿ´çèé²ì‡|íî‘
– ‰ï|ðñò|½¾xò&U²SE9|Ö×óôS¦9õ
òÐsÁ6D'™Ÿ‘
うに,バグが取れるまでお待ちになったほうがい
– ö“÷øùEú„FûÐFüCë
いと思います。我々がちゃんとテストパイロット
で発見しておきますので。大学病院というのはや
はり実験をする場所,新しいものを生み出すため
– ýþ|þGà™9(Ä-™9®…Cˆ
• ˜6&'™DI˜4&AB„Ž|;‹1
6X¦9|p÷ö«(˜|noÞÖ9ä
68
Ÿ
に評価をする場所ですから,喜んで新しい医療の
スライド13
体制のための実験はお受けします。ただし予定調
和は受けませんからね。学者に嘘をつかさせない
も)
,どう使うかという議論をせずにデータが必
でください。
要だ,データが出た。これは怖いですね。各科に
(スライド1
3)経営データをどう使うかという
よって黒字・赤字が出ます。いろいろな実施入力
議論はそもそもありましたか? 今までずっと病
のご努力で出るようになってきます。この黒字・
院情報システムや電子カルテから経営データが出
赤字をどう使うか。
「黒字の科はよくやったから
ないとよくいわれてきました。さすがにそろそろ
いろいろつけてやろう。赤字の科はお前ら何をし
実施入力を一所懸命される病院も増えて,今日こ
ているんだ」と言うならば,その病院の全員で病
れからあとのご発表にいろいろと良い実例が出る
院を良くしようという心はバラバラになるでしょ
かと思いますけれども,少しデータが出つつあり
う。もちろん無駄はいけません。けれどもきちん
ます。私の知る限り国立国際医療センターでは素
と無駄をなくしたうえであれば保険診療報酬の体
晴らしいデータが出ています。
制が悪いわけですから,それを改善するためにデ
さて,そのデータをどう使うか。だれが儲けて
ータを使うべきです。
いる,どの病気が儲かる儲からない,どの検査が
ですから黒字・赤字は前年との対比で使うべき
儲かる,ということがはっきりするようになって
であって,黒字・赤字そのものを叱ったりほめた
きました。このデータをどう使いますか? 「高
りするのはいかがなものか。病院の人的な心のつ
収益部門への戦略的な投資と低収益部門からの整
ながりを失うだろうと思います。ぜひこのメッセ
理撤退」
。これは経営コンサルタントの1
0
0点満点
ージを受け止めてください。そろそろデータが出
の答案です。これを医療の言葉に変えますと,
始めているので,この議論なしで1人歩きして日
「救急や小児科,循環器科なんかやめてしまって,
本の医療が荒廃するのでは,と本当に危惧してい
検査をいっぱいやって眼科の検査や外来手術を多
るんです。アメリカの医療はそういう意味で荒廃
くしよう」となります。これは役人の蛇口の閉め
しています。儲かる部分,お金持ちのための医療
忘れにアリがたかっている話です。もちろん今,
はどんどん進んでいる。
口に糊をする必要がある場合もありますから否定
もちろん無駄はいけません。しかし無駄をなく
はしませんが,皆が皆データをこのように使うの
したあとで正当な不採算であれば,エビデンスを
ですか?
持って報酬制度の改正を求め,ひいては国民に医
日本の医療の供給体制というのは,基本的に社
療費のGDP比の上昇を訴えたいです。今,GDP
会主義的で一物一価の体制ですから,市場原理は
比は8%くらいになりました。アメリカは14%,
通用しないわけで(もっとも私は市場原理を通用
ヨーロッパは大体1
1%から1
3%です。もちろん
させるべきではないとも思ってもいますけれど
日本の場合は,急速な老齢化があるので自然増が
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 107(271)
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あってたぶん11%くらいまでは放っておいても
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いきますが,それでも少なめです。医療費削減と
いうのが目的なのか手段なのか最初に私が申しあ
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•
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げたのがそこです。しかし,エビデンス,透明性
のないところにお金は来ません。自浄力を示さな
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いところに国民はお金を出そうとはしません。で
すから我々は何を努力するべきか,同じパイを争
うだけでいいのかということを主張したいのです。
ですからもしも赤字の部門があれば,そのドク
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ターになぜ赤字なのかと責めるのではなくて,私
スライド14
ならそのデータをドクターに渡して,患者さんに
説明してもらう。
「あなたの病気,制度的に恵ま
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れてないですよ」と。そうしたらたぶん患者団体
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が動いてマスコミが動きますから,そういう疾患
があちこちで動いたら,たぶん最後にはGDP値の
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上昇につながるのではないかと思います。医者が
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• ØÙ9
しんどい大変だと言っても,マスコミは全然記事
にはしてくれませんけれども,患者さんが「制度
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–
–
が悪い」と言ったら絶対記事にしますね。いかが
でしょうか。
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(スライド14)電子カルテの話に戻ります。今
までいろいろといわれてきた電子カルテをもう少
スライド15
し正確に把握しようというお話です。いろいろな
メリットがいわれてきました。これを星0から3
ら流動性はやはりありません。新築は看護師何人,
つまでで評価してみます。
技師何人と採用できます。そういう意味でメリッ
「手書き文字からの開放」
,オーダエントリーの
トを受けやすいわけです。
良さでもありますけれど,これは確かにありまし
「患者への説明の充実」
,これがない電子カルテ
た。薬剤師さんは達筆な処方せんからの開放があ
はやはり存在意義がないといえるでしょう。
りました。事故防止にこれは大きく寄与したと思
「診療録の切り口の多面性」
,これは要するに外
います。
「情報の共有」
,施設内ではさすがにいい
来だけとかうちの科だけ,看護記録もというよう
ですね。これができていないと電子カルテとは呼
にいろいろな見せ方ができるという意味ですけれ
べません。検査のところでカルテ降り待ちという
ども,さすがに電子的に出ないとやりにくいこと
ことがなくなる。しかし,特定施設間で多少情報
なので,これはできているでしょう。
の共有ができても,不特定の間での情報の共有は
「見落としや事故の防止」というのはできてい
全然できていません。
るように見えますけれども,これは実はやはりき
「ペーパーレスによる,人員,スペースの節約」
ちんと実施情報の入力などをしないと危ないです。
ができるか。新築の病院ではそのように設計でき
ですからそれは電子カルテがもたらしているので
るからできます。そうでない病院はそれほど人
はなくて,実施の徹底がもたらすものです。電子
員・スペースの節約ができない。特に人員は,医
カルテやPDA(ポータブル情報端末)などはあく
療職というのは国のライセンスで守られているか
までも道具です。
108(272)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
「データの付加的な後利用」が難しい。先ほど
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申しあげたようにデータがなかなか出にくいので
す。物品もバーコードなどの標準化が進みつつあ
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りますけれど,今のところ研究・教育になかなか
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データが使えない。例えば病名のマスターが不十
• èé012|wx|n£VR
• ØÙ9
分で臨床的に使えないといった意味です。
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–
–
(スライド1
5)そのいろいろな機能をアクター
分析という手法で考えてみますと,まず患者のID
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情報などの管理。これはオーダ系ですね。私はク
リティカルパスというのは電子カルテではなくて,
オーダ系の進化したものであると考えています。
スライド16
各部門のシステムや医事会計も別の機能です。各
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<|<e1
部門の機器,画像検査機器なども別ものです。あ
と,結果のデータベースとして検査結果,処方,
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画像といった機械が出せるもの(処方はオーダし
– _{|1
ていただきますけれど)
,各部門のレポートで人
• èé012|wx|n£VR
• ØÙ9
に読ませるつもりで書いているもの,実施情報
–
–
–
–
(処置や注射の実施情報はけっこう大変です)
。所
見,この項目は,ドクターの場合もナースの場合
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も上から下になるにつれてだんだん実施するのが
大変なのです。上のほうは機械が出してくれます。
スライド17
下のほうはドクターがキーボードやマウスを動か
さなければいけません。あとは物品管理であると
部門が何もかもがオーダされなくていい。実施情
かデータの後利用です。
報や所見までペーパーレスでなくていい。ただ,
これが求められる機能の要件としての分析です。
患者説明や多箇所での即時参照ができることが大
病院情報システムとか放射線部システムとか電子
事と主張しています。
カルテというと,どこまでが範囲か分からないか
これがペーパーレス電子カルテというというこ
ら議論が曖昧になるわけです。例えば検査予約を
とになると(スライド17)
,各部門のシステムの全
あるところでは病院情報システムが扱い,あると
オーダ化,そして所見の入力などもやってもらわ
ころでは放射線部情報システムが扱うというよう
ないと困ることになります。それでも,物品管理
に,それぞれの業務範囲が定まっていないのです。
とかデータの後利用というのが義務とすると,や
ですから提供してくれる機能単位でものを考える
はりちょっとハードルが高くなり過ぎると思いま
ほうが間違いがないです。するとこういう分析に
す。そうすると先ほど申しあげました平成1
8年に
なります。
60%というのは無理だろうと思います。
さて,医療情報学会から一応電子カルテの基本
形としてはここまではやってくれというか,これ
痛みなく実現可能な電子カルテの範囲 ができたら基本電子カルテと呼んでいいだろうと
そこで現状を鑑みて,どこまでが痛くなくでき
いう基準が2年前に出ました(スライド1
6)
。実
るかということですが,先ほどの医療情報学会の
は私がこれの主査だったのですが。文字に斜体を
見解を要約しますと(スライド18)
,ペーパーレス
かけてある部分は,してなくてもいい。つまり各
でなくても電子カルテであり,そんなことよりも
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 109(273)
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患者の説明の向上だとか,迅速に古いデータが出
例はあります。私なりにいろいろな病院を見学さ
るほうが大事なわけです。最初に私が申しあげま
せていただきましたけれども,まず新設の場合。
した,ドクターの顔を患者さんの側にもっと向け
これは昔の重いデータや昔からのしきたりとかや
たい。レスポンス待ちをさせたくないという点が
り方がないですね。それはうまくいきやすい。次
大事です。いろいろな病院で導入している電子カ
に欲張らない。実施入力の徹底は大変なので,あ
ルテで,レスポンスが遅くてしょうがないから2
まりアウトカムデータは期待しない。例えばクリ
年か3年くらい前のデータより古いものはもう降
ティカルパスシステムのソフトが入っているから
ろしているということがけっこう多いです。
といって,職員が入力してくれるようにきちんと
結局そのデータを探す手間がかかったり,レス
意識を揃えて体制づくりをしなければ,システム
ポンスが悪いと出てくる時間がかかったり。です
やソフトを購入しただけでは動かないことを分か
から,所見がペーパーレスであることよりも,数
っていると,あとで失望しません。
年前のデータがすぐ出ることが,ずっとドクター
診療所や小病院の場合,手間がかかる人と導入
にもナースにも患者さんにも大事だということを
したい人とが同じ人であるケースが多いので,こ
主張しています。クリティカルパス,物品管理,
れはスムーズにいきます。ですから私は,電子カ
業務フロー改善,各種データというのは必須とは
ルテはやはり小さいところから普及が始まるなと
しない。その患者の説明の充実とデータがスムー
考えています。
ズに出ることをまず重視してくださいということ
(スライド20)その対極にある国立大学病院な
です。
どは,特徴としてすでにオーダが入って目いっぱ
(スライド19)電子カルテのうまくいっている
い手が加えられて,マスターも自家製です。求め
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スライド20
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スライド1
9
110(274)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
スライド21
られるデータの詳細度がすごく大きいです。あと
超えたあたりから,急に電子カルテは難しくなり
病院の傘の下は20の独立病院のことが多いもので
ます。
すから,1患者1カルテが実現できている病院す
スライド2
2は外来診療で受診されて採血と投薬
ら全部ではない。あと国立の場合は,医療職の各
があるという普通のケースで,診療所だと受付で
職員は特に病院長を上司だと思っていないケース
呼び込まれてそこで採血をして会計が済むと終わ
があるので,非常に電子カルテを入れにくい状況
り。小病院だと外来受付で診察して,処置室で採
だということを申しあげておきましょう。
血して薬をもらってお金を払って終わり。大病院
大病院の電子カルテがなぜ難しいのかといいま
だと中待合があって診療・診察があって,検査部
すと(スライド2
1)
,それは組織が複雑だからです。
の受付があってまた呼ばれて次は会計で薬でと,
急速にレスポンスが悪くなる。これはやはり病院
要するに組織が増えれば増えるほどこの間のメッ
の規模によるプロセスの差があるのだろうと思い
セージが増えていきます。規模の単純拡大,つま
ます。運用は多様化します。あと,システムが複
り30
0床と9
00床だったら3倍にはならない。そ
雑になって,システムのメッセージの数が級数的
れが先ほど示した級数的に上がるメッセージの数
に増えてしまいます。例えば国立国際のようにオ
です。あともう1つ加えるならば,データベース
ブジェクトブローカー,CORBAを使ってなるべ
がどうも50
0床あたりから遅くなってしまう。今
くデータをそのメインストリートに走らせないと
のデータベースのチューニングの技術もありまし
いうやり方。あるいは参照系だけは別立てにして,
て,大病院電子カルテはレスポンスの低下をきた
オーダ系のスムーズさを損じないというやり方な
さない例を見るのは非常に難しいです。
どいろいろあります。どうしても5
0
0床,6
0
0床を
電子カルテ導入費用の明細というのをちょっと
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スライド22
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 111(275)
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つくってみました(スライド2
3)
。
『電子カルテ部
で0.
5億,2億,1
0億。合計が5億,15億,40億。
品集』という,私が集めたデータから出したもの
これは阿曽沼さんのデータに大体合わせたので
ですが,単位は億円で3
0
0床,50
0床,1,
0
00床ク
すが,これだけでは済まないですね。謎の1億,
ラス,これは中小の病院,大病院,公立系の大病
3億,10億というのがありまして,これについて
院ということになるでしょう。オーダリングがハ
はあとでご説明します。トータルは6億,2
1億,
ードも含めて1億,3億,1
0億。参照系が0.
5億,
5
0億という計算になります(スライド24)
。
1億,2億となっています。もしもフィルムレス
スライド2
5は静岡県の電子カルテプロジェクト
にこだわるとビューアなども良いモニターをたく
で,その際に調査をして各社からデータをいただ
さん買わなくてはいけませんので,1億,3億,
きました。それは本のかたちにして出版しました。
6億。クリティカルパスとかナースの支援をしっ
特にこだわったのは費用を絶対に必ず書いてくれ
かりやると,システムだけでは動きませんけれど
ということです。相談上というのは絶対許さない,
も1億,3億,
6億。この辺はPDAを入れたり無
桁数でいいから書いてくれということで,あと保
線LANのワゴン付きノートなども入れますから。
守費用もきちんと書いてくれという内容です。こ
物流をやると同じようにバーコードリーダーとか
の会場でも売られていますので,ぜひいちど手に
コンテナとかメールもいろいろなものを入れます
取ってみてください。
から,このくらいかかるだろうと思います。ペー
結局痛みのないシナリオに戻りますけども(ス
パーレスを頑張るとやはりもっとお金がかかって,
ライド26)
,まず「データ入手の簡単な」というの
大病院の場合には非常にわがままなことを言うの
は検査結果,処方,画像,各種レポート,これら
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スライド2
4
112(276)● 2005 年 2 月号
スライド25
日本病院会雑誌
スライド26
を迅速に参照する。ここまではドクターは絶対に
いうのをご存じでしょう。例えばローランドのサ
喜びます。患者さんも喜びます。クリティカルパ
ンプラーでキーボードを弾いてMacの上で楽譜
スをしっかりやるかどうか,それからペーパーレ
が出て,それをミスタッチのところは修正して,
スに踏み切るかどうか,そして業務フロー改善を
ヤマハのシンセサイザーで流す。これはMIDI規
やるかどうかは,どこまで職員が覚悟して努力す
格で全部できるんですけれど,それを今の医療に
るかによります。できているならばやればもちろ
欲しいと思うわけです。
んそれなりのものはあります。物流は個装の標準
(スライド27)バベルの塔は旧約聖書の話です。
バーコードの印刷が近づいています。つまりアン
バビロニアで人間が天に届くタワーを建て始めた
プル単位で2次元バーコードを入れるという話が
ことを察知した神が怒って,民族によって言葉を
進んでいまして,今のところJANコードだと1
0個
変えてしまうことで協調作業ができないようにし
入りの箱も1個1個も同じコードになってしまい
た。医療においていろいろなコードが違うという
ます。これでは物流の管理に使えません。その問
のは,こういう状況になることなのです。標準化
題点があるので,今,厚生労働省で検討委員会が
がないために診療施設間で患者の情報のスムーズ
大急ぎで始まっています。1,2年でできますの
な受け渡しができなくなってしまいます。いろい
で,これができればこのうえで物流管理をやると
ろな地域連携のプロジェクトがありますけれども,
非常によろしいかと思います。まずはオーダリン
やはり相手を特定してのものが多くて,相手を特
グをしっかり安全に移行して,将来のためにコー
定せずに渡すことは非常に実現が難しい。何回も
ドの標準化を意識していただきたいと思います。
言いますがレセコンや病院情報システムのデータ
標 準 化 システムのメーカーが替わっても
データ移行が可能であるためには
をメーカーが替わって移行できるのかと,ひょっ
として「あのメーカーと最後まで心中?
!」という
ことになりますね。病院情報システムのデータか
ら術式のデータ集計がなぜできないのかというと,
標準化の話です。サブタイトルとしては「シス
手術や処置の良いマスターがないからです。
テムのメーカーが替わってもデータ移行が可能で
マスターがなぜ重要か,コードが重要かという
あるためには」
。ビデオにはいろいろな規格があ
のは,例えば“γ−GTP=12
0”と“gamma - GTP
りますね。βとVHSでVHSが勝った。アナログ
=1
20”が2つ書いてあって,人間の目で見てこれ
の8ミリがそろそろ減ってきて今はDVD。DVD
は同じだというのは分かりますが,機械だとこれ
もちょっと細かい差があるというのも詳しい方は
は分かりません(スライド2
8)
。このギリシャ文
ご存じかと思います。ブルーレイなどの新しい戦
字のγとgammaが同じだと分かるにしても,何
いもありますね。音楽をなさる方はMIDI規格と
気に半角ダッシュと全角ダッシュだったりします
“ÍŠ‹Œ<=
-./@&…DEF
• tuÖ­ävðáÖ­ävð
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ñ}ï}}å}
• €|c€M®Ã|²||7M|…‚vAG/é0‚
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スライド2
7
日本病院会雑誌
スライド28
2005 年 2 月号● 113(277)
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囲
からこの辺でも間違いやすい。だから共通のコー
ドが必要です。日本臨床検査医学会さんがJLAC
コードというものをおつくりになっています。こ
れがγ−GTPのほうです。これはSRLさんや
BMLさんといった検査会社がバックしているの
で,非常にキチンとアップデートされていて信頼
できます。ただそれだけではだめで,このように
5
0,U,6,38,Hといった長いコードが検査デ
ータとして出てきます。どれがコードでどれが値
スライド29
か,どれが基準値でどれが単位か分からないです
ね。HL7というのは縦棒の数を数えて,何番目
はこのコード,何番目は値,何番目は単位,何番
目は基準値ということが定められています。です
ホ
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から,大体その病院情報システムのベンダーある
いはレセコン・ベンダーがデータ更新時にはエク
セルまたはCSV形式でお出ししますと言います
が,要するにこのデータがずらっと来るという意
味です。どれがどれかはやはり分かりません。手
作業でないとあとで取り込めないですね。という
スライド30
わけでやはりコードと文法が必要だということで
す。XMLで出せますというのも同じです。それ
は単にA判の紙でお出ししますというのと一緒で,
どこに何が書いてあるかやはり分からない。そう
いったことも十分チェックしてください。
標準化というのは,例えばこれが沼地で(スラ
イド29)
,ここに家を建ててくれということです
(スライド30)
。補助金を使って病院情報システ
ムをつくる。それも補助金なので年度内,という
と大急ぎでこういう家を建てますね。住めるでし
スライド31
ょう。虫も上がってこないでしょう。雨もしのげ
るでしょう。でも建ってみると,この病院間で集
化というのはこういうことです。いろいろな深さ
計がしたい,疾病別の集計がしたい,広域スタデ
があります。いろいろな取り決めを共通に持って
ィ,臨床分析をやりたいなどと考えます。それは
いないと,スムーズなデータのやり取りができな
この家の間の行き来みたいなもので,そんなこと
いということです。
は最初から言ってもらわないとできないわけです。
それをやるためには,やはりちゃんと土質を改善
電子カルテ関連の標準化の内外の動向 して区画を切って,ここは道路ここは家(スライ
(スライド3
2)標準化の状況を簡単に説明しま
ド31)
。これだけじゃだめで,右側通行だとか赤
すと,文法としては,検査結果,処方内容及び患
信号と青信号の意味,こういったものも標準化さ
者基本ID情報ではHL7がほぼ普及しつつありま
れていないとスムーズな交通はできません。標準
す。DI COM規格をご存じの方も多いでしょうけ
114(278)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
れどもこれは医用画像の規格です。両方とも厚生
-./gh
労働省のアクションプランで使用すべき規格とし
て推奨されています。
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コードは病名集はわりと良いものがMEDISか
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ら出てきました。薬剤は病院薬剤師会のバックで
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HOTコード。臨床検査項目は臨床検査医学会さ
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んがJLACコードというものをつくっています。
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この画像検査項目JJ1
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1
7というのは私が委員長
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をやっているものなのですけれども,今,2つの
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工業会の支援でコードをつくっています。β版は
スライド32
MEDISのホームページでもう公開されています。
電子カルテ,タグ項目,J−MIX。これが非常
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に大事で,J−MIXを使ってXMLでやると,少な
くともどれが初診時の理学的所見かくらいまでの
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ことはきちんと分類できます。もしベンダーの方
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がいらっしゃればぜひこれをご利用ください。細
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かいことまでは入っていません。それはその場で
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決めないといけませんが,基盤としては十分です。
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医療材料の話。先ほどバーコードの話をしまし
た。あと手術・処置名というのが今進んでいると
スライド33
ころです。PKIによる公開鍵方式の運用も標準的
なところまできたような気がします。所見という
n®ƒŒæ9c7
のはこれからです。これも初診時の所見はほぼ標
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準的なものをつくりつつあります。それらの接続
性を向上するのがIHEという,標準をいかに使う
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かというガイドラインのプロモーションがありま
す。
行政の指向として(スライド3
3)
,先ほど申しま
した40
0床以上で6
0%の電子カルテというのがあ
ります。MEDISで標準化委員会をつくって,標
スライド34
準化の事業をサポートしてくれています。平成1
2
年度の補正と13,1
4年度の電子カルテ補助で,各
は,東芝のPACSとGEのCTを繋ぐのに1,
00
0万
種標準コードを使うこと,HL7やDICOMを使う
円請求されたんですけれども,今なら大体数十万
ことも条件にしていただいたおかげで,普及がか
円で繋げます。今やDICOMは内視鏡画像や顕微
なり進んでいるということです。あと電子レセプ
鏡画像も対象としています。日本画像医療システ
ト請求をすることもありました。静岡県版の話も
ム工業会がDICOM委員会の事務局をやっていま
あとで出ますけれど,それでも使うことにしてい
す。厚生労働省も採用すべき規格として推奨され
ます。
ています。スライド3
5はうちの大学で使っている
(スライド34)DICOMというのはご存じのとお
ものですが,こんな感じでブラウザで見られるよ
り画像の規格で,私が東大の放射線科にいた当時
うな,そういったものもDICOMのおかげででき
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 115(279)
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5
ています。
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HL7というのは処方や検査などの
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p01
オーダ系の規格です(スライド36)
。
これも組織としては1
9
8
9年ころから
ありまして,患者基本,各種オーダ及
び各種結果の文字情報の規格です。
大手外注検査会社はすでに対応して
く だ さ っ て い ま す。SRLさ ん と か
BMLさんとかそういったところは追
加料金なしでと聞いております。HL
7バージョン2.
5がISO規格になりま
した。日本HL7協会はJAHISさんが
事務局をやってくれています。これ
スライド37
も厚生労働省が使用すべき規格と推
奨しています。そのおかげで浜松医大でも検査結
った接続性試験ですけれども,こういった星取表
果や処方内容を,ずっとHL7で8年間貯めてい
が出るわけです(スライド40)
。例えば患者基本
たので,こういう検索システムを作れました(ス
の枠をちゃんと渡せるのはどのメーカーの商品か,
ライド3
7)
。こういったものをまた県版電子カル
画像の一貫性ができるのはどの商品か,レポート
テの一部のものとして,他施設でも使っていただ
をちゃんと見えるようにするのはどのメーカーの
けるようになります。
商品か,通常の臨床検査だとどこか。そうすると
(スライド3
8)IHEというのはこういったDI-
ユーザーの側は公開されている表を見てスムーズ
COMやHL7をどう使うかという,北米放射線学
に繋ぐためには,このメーカーとこのメーカー,
会とアメリカのホスピタルショウとが組んで始め
丸のついているこのメーカーのなかから選べばい
たプロモーションで,展示で接続性のデモをして,
いんだな,ということになります。
メーカーを集めて接続性の試験をしてその結果を
何にせよ標準化の目的というのは患者情報を大
公表しています。厚生労働省の標準的電子カルテ
事にすることであって,データの末長い寿命を望
推進委員会でもこれを考えて,接続性の確認にこ
むならば,メーカー独自の形式ではなく,標準的
の手法を使おうということになっています。スラ
な形式で出せるものをお求めになることをお薦め
イド39は今年2月にベンダーをたくさん集めて行
します(スライド4
1)
。
116(280)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド3
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ユーザはこのリスト
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に●のあるベンダの
製品を採用すれば,
簡単に接続できる
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■ 画像表示一貫性
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スライド40
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 117(281)
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スライド42
スライド4
1
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厚生労働省標準的電子カルテ推進委員会 ホ
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•
(スライド4
2)ここから少し厚生労働省の標準
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• 012Šë&C,bC1
• 012w*12
的電子カルテの話をさせていただきます。平成1
4
• 012ÍèéÍJ‹ÒÓÔÕ1¯<2H
年から始まったプロジェクトです。病院を中心と
• Öô»6ÃçiCDE ×X؋ÙP%
した大規模な医療情報システムが電子カルテを入
…†q‡ˆ‰Š‹9ŒŽ9‘q’“
れる際を対象にして,コンポーネント化とそのモ
ジュール化をすすめ,平成1
8年までに実用化を目
スライド43
指すということです。これは1つの大きな電子カ
ルテのモジュールをつくってみんなで使うのでは
-.RSTUV
ありません。そういうことを進めるためにどうい
うことをすべきかをはっきりさせようというプロ
ジェクトになっています。今のところは,情報の
可用性を確保し,接続性,真正性・見読性を確保
し,導入しやすくするということです。そういう
課題が出されています(スライド4
3)
。
委員会はスライド4
4のようなメンバーで構成さ
れております。産官学でこれだけのメンバーが集
まっておりまして,それに基づいて各研究班に研
究費が出ています(スライド4
5)
。私も少しいた
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だいております。皆さんそれぞれのことをやって
スライド44
いるのですけれども,私が関与するもので東京大
学の大江先生の大江班では電子カルテを評価する
のところでは所見用語の標準化,これは内科学会
機能要件をはっきりさせようとしています。現実
さんとプライマリケア学会さんが支援しています
に今年,5つの電子カルテ導入病院で実地調査を
(スライド46)
。
数日間,見学・調査に行かれて,いろいろとどの
私自身は連携の推進ということで,今は,診療
ように実際に使われているか,レスポンスはどう
所・病院の間で患者さんのフィルムや重いものを
かという面白い報告書が出ています。坂本班は
持っています(スライド4
7)
。それを用意するド
HL7の実装を進めていて,兵庫医大の藤田先生
クターも大変だ,ということでこれを何らかの可
118(282)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド4
6
搬型メディアかネットワークにしたい(スライド
48)というものです。もらった側はブラウザで出
スライド47
¹o p× !"g/
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すと診療情報提供書や画像も見えるということで,
そういう仕組みを進めています(スライド4
9)
。
前からやっていたことですが。あと院外処方せん
に2次元バーコードを印刷して院外薬局の業務を
改善しよう,間違いを減らそうということも日薬
のご支援を受けて行っています(スライド5
0)
。
日本病院会雑誌
スライド48
2005 年 2 月号● 119(283)
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沼先生の班のご報告です。電子カル
テ導入コストの構成比。1
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バーのハードウェアで,クライアント
のハードが1
3.
5%,電子カルテのオー
ダ系のパッケージのソフト1
3.
0%。
するとここまでで37%くらいしかい
きません。あとの6
0%くらいは何か
というと,SE作業費だったとおっし
ゃ る ん で す。仕 様 の 確 認 や 調 査 に
1
5%,設計に40%,パッケージをいじ
るのに3
0%,操作講習・リハーサルに
スライド49
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0%くらいかと
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™š›œmmz{žŸ&‡ 思っていたのですけれども,上が40%
以下,下が5
8%ということです。何し
ろ富士通の営業部長さんだった方が
おっしゃっていることなので信憑性
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囲
15%。私もこれには驚きました。大
の高いデータです。これは業界に驚
(·Ê”)
きを与えました。
もちろん操作講習やリハーサルを
ケチるのはよくないですし,カスタマ
イズがやはり多過ぎるのかもしれま
せん。でもやはり病院によって求め
スライド50
たるシステム設計や運用設計というのは,会議出
ÜÝÞ0ᥦno¢%
慃Š1`eý#
•
•
•
•
るものもあるでしょう。40%にも当
席のための交通費とか人件費などがすごく多いわ
けです。先ほど東大で私が繋いだときに1,
0
00万
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円,今DICOMで繋げば数十万円という話をしま
したが,標準化が益するところはやはりここです。
– ð¥æ$XÃl|(gd×
この部分を小さくすると,もっとリーズナブルな
– ¥æ012R|W®R|Ö%
– ñ¥æ|²
<]1`6õ
導入コストが得られるのではないかということで,
– ð¥æ&¸Ñ'|Â<Ä
• L¥æ¾
阿曽沼先生はその部分をどうやっていくかという
スライド5
1
ご研究をなさっておられます。私は非常に楽しみ
にしております。
これはもともとJAHISさんと日本薬剤師会が進
めた話なんですけれども,私もちょっとお手伝い
静岡県版電子カルテプロジェクトの概要 させていただいているという状況です。
最後に,静岡県版電子カルテプロジェクトとい
スライド51が平成15年度にいちばん目を引いた
う話を,僭越ながら全国レベルで初めてさせてい
データです。先ほど電子カルテ導入費用のところ
ただきます。先ほどちょっとご紹介した本は,経
で,謎の数億という話をしましたが,これは阿曽
緯を申しあげますと,県の理事から浜松医大の私
120(284)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
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スライド5
2
スライド53
に,どうも電子カルテは高価でしかも作動しない
これをそのままにするのはもったいないと思った
ことが多い,それはドクターがきっとわがままを
ので本にして売っております(スライド52)
。
言うからだと,県のお金を用意するからパッケー
そのプロジェクトの基本的な理念ですが(スラ
ジソフトとしてつくって皆に配って安く使おうじ
イド53)
,ペーパーレスにすることよりも,診療所
ゃないか,という話がありました。
「先生,3
0,4
0
及び病院,調剤薬局,こういった間での情報交換
億もかけてもろくに動かないのに,3億4億じゃ
による連携の推進のほうが大事だということです。
できませんよ」というのが私の最初の返事でした
あと,患者さんの求めによって可能な範囲の情
が,議論を繰り返すうちにどこまではできる,ど
報を開示してあげる,カルテ全部とは言いません。
こまでは無理ということをはっきり理解していた
(私はそれにはどちらかというと反対です。
)し
だけたので,私もこれに協力することになりまし
かし,検査結果や処方内容や画像というものは今
た。
でもプリントアウトして渡しているわけです。そ
県病院協会に検討の依頼が行き,県病院協会の
れを求めに応じてお渡しする,これによってセカ
技術検討委員会ができて,私がその委員長です。
ンドオピニオンが受けやすくなる,これは非常に
まずその県版の電子カルテとして,どこまででき
医療の透明性を上げると私は考えております。
る,どこからは夢,ということをはっきりさせよ
EBMの推進ということは,特定の分野(糖尿病
うという技術要件を平成1
5年度につくりました。
など)では項目を立てて情報を入れるということ
やはり部品を組み合わせないと安くはできません。
です。つまりペーパーレスを完全にあきらめてい
浜松医大の今のシステムで私が目指したものはマ
るわけではないのですが,糖尿病などのように項
ルチベンダーです。私がいつも開くメーカー定例
目を共通化して入れようとみんなが思う部分は入
会は10何社ずらっと集まってやるもので,マルチ
れていいのではないかということです。
ベンダーでシステムを組むとSI費用はもちろん
何よりも患者さんのデータを大事に保存するこ
要るのですが,得意の分野で安いものを組み合わ
とです。標準的な形式でです。静岡県の場合には
せることができます。
やはり県の意識として災害時のアーカイブという
プロジェクトの前段階として,そういう部品の
話がありました。それをどういうかたちでどう物
材料となる資料が要るだろうと思って,JIRA(日
理的にやるかはこれからの議論なのですが,少な
本画像医療システム工業会)さん,JAHIS(保健
くともそれができるためのデータ形式などの標準
医療福祉情報システム工業会)さん,あるいはホ
化を進めておこうというのが,とりあえず今年度
スピタルショウ出展企業さんなどにお声をお掛け
私が目指しているものです。
して,
7
9の企業に返事をいただいて,
2
7
0の項目を
この心として「和而不同」ということを挙げま
載せております。もちろん報告書にもしましたが,
す。論語の言葉で「君子和而不同,小人同而付和」
。
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 121(285)
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偉い人は調和はするが,付和雷同,つ
まり同じような丸真似はしない。小
¡¢£¤RS@ABTBUº»àá9âã
…ƒõS Ò ¹o pª²`À<_
U…ƒ¾Iì„|-./|D#/
人は付和雷同するけれども調和する
ことはできないという言葉です。つ
A|²
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まり共通化や統一化ではないと,それ
BBB¶·F*vC|²
<]…ƒÞ®ßÎY
UUUU0Ç<Èlmn£012Ga±&…%
なりにオーダ系もお使いになってそ
H-./
BBB€7RSY
BBB¹oßÍ póôFŸCJ‹RSY
BBB012J‹Þ®6ßÎY
れなりに使いやすくもなっている。
それを,県版はこれだから全部を入れ
C?90126½D~®
替えろ,とはとても言えません。その
BBBÇ<Èlmn£èé012G|¾±±Y
代わりに情報の連携を大事にしまし
E…ƒst*Ÿnçi
BBBï834¡¡FŸC|…ƒst*ŸnçißY
BBBÂ<ÛI^ëóFGƒ:ÖrY
BBBèü²Ê>|‹012…ƒst
ょう,調和をやりましょう。それが私
の目指すものです(スライド5
4)
。
All Rights Reserved, Copyright Shizuoka Prefecture 2004
(スライド55)パッケージを開発し
ホ
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範
囲
スライド54
て,既存のオーダ系は有効に使う。た
¡¢£¤RS@ABTBUq©ª
だし既存のオーダ系に関してはHL7
で出せるところまでは各ベンダーに
¡¢£¤RS@ABTBUo¥¦q§m¨ƒ©ª«}
¬}­o®¯°±¦²³°´µ¶·¸‰v¹
º»9‡ «}v§m¨o¼½q¾¿¹
きっちりとつくっていただきたい。
その後はそれを利用して紹介状をつ
XYZ
Z012
012
WXYZ
くったり,看護支援の基本をつくった
(À,ÁÂß&
ÄÅTBU
り,所見のペーパーレスができる分野
はDB化したり,画像を出したり,あ
とは臨床データのデータマイニング
のデータベースを使ったり,こういう
(Ü,ÝÞLß
TBU
(,ÌÍΟ&
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部分はソフトは無償で提供されるよ
うになります。
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All Rights Reserved, Copyright Hamamatsu University Hospital 2004
静岡県で商談がある各ベンダーは,
スライド55
ここの部分を標準的なかたちにするとこ
ろまでやっていただくことになります。病院側は
提供するものでペーパーレスするのは無理だろう
このなかで使いたいものを選んで導入することに
と思うので,ペーパーレスにされる,クリティカ
なります。
ルパスをがっちりやるとおっしゃるなら,その機
(スライド56)ですから小規模病院では,アミの
能があるベンダーのパッケージをお買いになって,
かかった部分が県版で無料で提供する部分で,医
県版を部品として,例えば連携の部分や臨床デー
事とオーダは買っていただきます。連携する部分
タ分析の部分をご利用いただく,こういう3形態
や,データマイニングのソフトなどは無償でお渡
があるだろうと思っています。とにかく,連携を
しします。中小の病院だとベンダーのパッケージ
ちゃんとしていただくことをもって県版の連携準
の電子カルテとしてその辺の機能もできるという
拠ということにさせていただくということになり
ところもあるかもしれません。その場合は連携の
ます。
部分をちゃんとやっていただいて,データマイニ
その費用はどこから出るかというと(スライド
ングの臨床的なデータが出るものを無料でご利用
5
7)
,やはり医事とオーダは各施設で買っていた
いただく。大規模病院はやはり県版パッケージで
だかないといけません。もしも全面ペーパーレス
122(286)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
をお考えになるならば,やはり既存の
電子カルテパッケージをお求めになら
ないといけないと思います。先ほど出
した部分は無償で提供する。パッケー
ジでそれが全部できるという場合は付
加的な部分に関しても無料で提供する
べきだと考えています。もちろん開発
する部分のハードウェアはもちろん買
っていただきます。医事やオーダが県
版提供の部分にデータを標準的に出す
ところまでの改造は各ベンダーにやっ
ていただきたい。マスターの対応改造,
スライド56
これはやはり各施設がやっていただ
くし,たぶん補助が県からあるべきだろうと考え
!{ìí
ます。
(スライド5
8)結局このプロジェクトで私が何
• n£|Ç<È
を目指したかというと,もちろん病診連携の推進
• ?9|²
<]0ÅÆ<|<e1ßß%
が1つですね。それから患者さんから見て医療の
透明性の確保。次に患者さんのデータを大事に扱
うこと(メーカーが替わってもなくならない)
。
それから特に中小病院についてですが,大病院に
は医療情報担当者がいらっしゃって,そういう方
は標準化の意味を知っているので標準的なものを
– Òß
– Òß
• ÂÒèéJ®`
– ҘN
• &OÑ3&èé
– ҘN
• ÂÒèéÂ<Û
– Òß
• n£|Ç<Èf(P
– ÒK‹È
• 61=<Qf(P
– Òß0—š%
導入する意味を分かっていますが,中小の病院は
All Rights Reserved, Copyright Hamamatsu University Hospital 2004
スライド57
そういう方がいらっしゃらないので,プロジェク
ト方針というかたちで標準化を理解していただく
ことが重要だろうと考えます。あとこの県のプロ
äåcæçèéÐêƒë=ž¶q
ジェクトでベンダーの標準形式(HL7など)への
• ¶¹J‹RS
対応という重い腰を上げさせるというのが,前か
• ¡²h9no2Ç»Ãç
• ;<=6¢£FJ0-./FŸC%
らの私のねらいでしたので非常にいい機会だと思
– ¤<7ØÌF:&'&&…
– ÔFŽð¶·
います。やっとFもNもNTTデータも,ちょっと
– K‹È|²
<]-./f
その気になってきたかなというところです。それ
• äd
F()*&+,Ç#
• no p012wxÇL/
• Y:¶·no pMLL
がないと県で商談がないよという感じです。
あとは県下の病院のみなさんで電子カルテに過
大な夢をお持ちの方もいらっしゃったので,これ
スライド58
はできる,これは夢,それは無理,ということを
ー1,2社に金額を聞くくらいで,たぶん病院関
何回も説明したということです。もう1つ,本を
係者の皆さんはこれが本当に妥当な金額なのか,
つくったこともそうですが,医療情報システムの
ボラレているのかよく分からないとお考えだった
商談の明朗化です。というのは,今まで医療情報
ろうと思います。ああいう本にして数字が入って
システムを導入するとなると,知っているベンダ
いるというだけで,ずっと明朗な商談がこれから
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 123(287)
ホ
ス
ピ
タ
ル
シ
ョ
ウ
現
状
で
実
現
可
能
な
電
子
カ
ル
テ
の
範
囲
できるようになるかと思います。少なくとも静岡
県で私が目を光らせている間はと思っております。
あとは県下の病院の皆さんの医療情報のレベルの
Æîïðñgòóôðòõö÷TBU©øs
ùú
úûü|vžýs“þ¦q•
© 向上があるといいですね。やはりこれはこの地区
• Æ;R˲SEC
の国立大学の教授としてやるべき仕事だなと思い
• (y¡1®\<×X6+TÐiC
• GUGüQABCAUi9bÇ6üQFJ
ます。
• Ÿ'é²&…AUŠ‹Œ<=<@VK&“F
i96•C
システム構築に失敗するための7つの方法 • èé¬GW'š²&…AUèé¤<<
Fi9•C
最後にトリネタですけれども,これは北里大学
• «Ÿ&;<=02µUXUY%@BC²d
&…
• «Ÿ&ghA012@€®Ú„C²6d&…
の村田晃一郎先生にスライドをお借りしています。
「システム構築に失敗する有効な7つの方法」
(ス
スライド59
ライド59)
。
「画面デザインから始める」
。VBを書
ホ
ス
ピ
タ
ル
シ
ョ
ウ
現
状
で
実
現
可
能
な
電
子
カ
ル
テ
の
範
囲
けるSEは,ここから入る人が多いのですが,間違
ちばん変わった部分は,データの構造を重視する。
いです。
「現在の業務フロー維持を再優先する」
。
それはリファレンスインフォメーションモデル,
「職員は平等だからすべての要望は平等に扱われ
RIMと言いまして,これは基本的には,人間とい
るべきである」
。
「よく分からないからコンピュー
うものであればその属性として名前がある,とい
タが得意な人にすべてを任せる」
。
「部門のことは
うようなことです。医師も人間ですからその属性
よく分からないので,各部門に任せる」
。そうす
を引っぱっていて,オーダの種類,処方オーダと
ると繋ぐことを気にしていないものをつくります
いう内容は何を持っているかというデータ間の構
ね。
「どのようなデータ(種類,内容,量)がある
造ですね。これをはっきりさせて,こういった辞
のか調べない」でものをつくる。これがいちばん
書みたいなものを見ながら,システムをつくろう
大事です。
「どのように使われるかを調べない」
。
ということです。そうするといろいろなシステム
これらをやりますと間違いなく失敗できますので,
をつくるうえでデータの粒度の違いというのが分
ぜひこれをご参考に。
かります。詳しさの違いでデータがやり取りでき
以上で終わります。これからのシステムプロジ
ないということが起こらない,というのがHL7
ェクトで参考になるものがあれば幸いでございま
のバージョン3になっていちばんの,最近のオブ
す。何か質問などがございましたらお受けいたし
ジェクト思考の分析思考です。今のHL7でいち
ます。
ばん大事なのはRIM,情報モデルです。ですから
ここで申しあげたいのは,画面デザインよりも情
質問 最後の「失敗するために有効な7つの方
報モデルが先なんだということです。もちろん画
法」で,いちばん最初に画面デザインから始める
面デザインは大事で,無視できないことだと思い
ということでしたが,プロトタイプモデルなどの
ますし,現実に厚生労働省の研究班でも今年スタ
開発手法ですとこちらに近いかたちから入ってい
ートするのは画面デザインのガイドラインです。
くと思うのですが,その辺はどのように考えてお
まずデータモデルをしっかり理解してから,次に
られますか。
それを辞書のように見ながら設計すればいいわけ
木村 HL7がバージョン2から3になってい
です。
124(288)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
平成1
6年度 第8回常任理事会・第3回理事会合同会議 議事抄録
日 時
場 所
出 席 者
平成 16 年1
1月27日
(土) 午後1時∼4時
日本病院会 会議室
(会長)山本 (副会長)武田,池澤,大井,村上 (常任理事)舘田,石井
(暎)
,
梶原,近藤,齊藤
(壽)
,秋山,天川,土屋,渡部,福田,小川,佐藤
(眞)
,邉見,元原,
福井 (理事)西村,樋口,宮下,真田,石川,関口,崎原,織本,中,宮崎
(忠)
,
積,末永,佐藤
(太)
,赤松,斎藤
(洋)
,大道,馬殿,南,中川,中島,土谷, 細木,
今泉,高野,明石 (監事)星,柏戸 (代議員会議長)加藤 (同副議長)中藤
(顧問)中山,大道,登内 (参与)岩井,行天,岩崎 (委員長)中後,堺
〔承認事項〕
定刻となって山本会長から開会の挨拶が行われ
1.会員の入退会について
たあと,本日の会議定足数は定数65名に対して出
2.厚生労働省及び各団体からの依頼について
席45名,委任状1
7通,計62名で本会議が成立して
3.人間ドック・健診施設機能評価の認定につい
いる旨を報告,議事録署名人に樋口,高野両理事
て
を選出した。次に,新潟県の渡部常任理事から,
〔報告事項〕
このたびの新潟県中越地震被害に対する心遣いや
1.各委員会,研修会の開催報告について
援助に御礼の言葉が述べられ,今までは被災者の
2.四病協諸会議の開催報告について
医療支援に全力をあげていて会員の被害状況など
3.平成17年度予算・税制改正要望について
はつかめてないが,反省点もあり,これからの大
4.医学研究における個人情報の取扱いの在り方
災害の対応のあり方について総括し,何かの機会
専門委員会の開催報告について
に報告したいと挨拶があった。
5.社会保障審議会医療部会の開催報告について
山本会長は,10月の台風2
3号でも兵庫県,京都
6.医療とニューメディアを考える会世話人会の
府等で会員病院の被害が出ており,中越地震につ
開催報告について
いても被害の実態を把握したうえで前回の阪神・
7.平成16年秋の叙勲・褒章受章者について
淡路大震災を例にとって日病としてお見舞いの策
8.その他
をとりたいと述べた。このあと大井副会長の司会
〔協議事項〕
により議事に入った。
1.混合診療について
2.個人情報保護について
3.介護保険について
〔承認事項〕
1.会員の入退会について
A.正会員の退会1件
1.個 人 松枝病院(6
0床)
会員名 松枝秀樹(院長)
岡山県倉敷市連島中央5−13−19
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 127(291)
一
番
町
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任
理
事
会
・
第
3
回
理
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会
合
同
会
議
議
事
抄
録
以上について大井副会長から説明され,
(1)
(1
0/1より診療所へ移行)
B.賛助会員の入会1件
(2)
(4)の後援依頼は承認,
(3)は社会保険診
療報酬検討委員会(栗山委員)
,医事法関係検討委
1.A会員 ㈱ブイエムシー
員会(加藤代議員会議長)
,病院委員会(福田常任
(化粧品,環境機器製造販売)
代表者 塩田剛太郎(代表取締役)
理事)の各委員会委員の継続推薦で,
(5)の医療
〒1
070
-0
61東京都港区北青山3−12−7
経済学の深耕等を目的とするフォーラムの山本会
秋月ビル tel.0
3−34
99−26
21
長の正会員就任依頼とともに承認された。
(紹介者:日本病院共済会)
3.人間ドック・健診施設機能評価の
認定について
C.賛助会員の退会5件
1.A会員 ㈱アズウェル医業経営研究所
代表者 阪本俊行(所長)
(1)千葉市・斎藤労災病院(訪問調査日 10/22)
大阪市中央区石町2−2−9
2.B会員
㈱アズウェル東海カンパニー
天川常任理事から,上記施設の機能評価認定に
代表者 真野友幸(東海エリア統括)
ついて,報告書をもとに説明され承認された。
名古屋市名東区本郷2−1
73−2
3.B会員
佐野記念クリニック
代表者 蕪木倫彦(理事長)
〔報告事項〕
静岡県富士宮市宮町1
3−30
一
番
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第
8
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任
理
事
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・
第
3
回
理
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会
合
同
会
議
議
事
抄
録
4.D会員
森永正文
神奈川県厚木市泉町1
4−2
5.D会員
1. 各委員会,研究研修会の開催報告について
亀井学
神奈川県厚木市泉町1
4−2
(1) 予防医学委員会・健診事業に関する意見交
換会(天川常任理事,10/28)……平成1
7年度
大井副会長から,以上の正会員の退会1件と賛
の各種人間ドックに関する契約について,日病,
助会員の入会1件,退会5件について諮られ承認
全日病,総合健診医学会の3者と健保連とで話
された。計,正会員数は2,
7
08病院(公的9
56,私
し合いが行われた。指定に関する大きなことで,
的1,
75
2,総病床数7
1万1,
6
7
0床)
,賛助会員数は
日病との契約は従来の一泊ドック指定,これは
5
36会員となった。
今度名前を改めて「二日ドック」とするが,そ
2.厚生労働省及び各団体からの依頼について
(1) 第1
4回シンポジウムの後援(依頼元・医療
れに加えて1日で行う病院の「一日ドック」も
健保連の指定を受けることとした。これについ
ては,人間ドック・健診施設機能評価の認定施
設が対象となる。また,従来日病を通して指定
関連サービス振興会)
(2)
第7回治療食等献立・調理技術コンテスト
を受けていた日本総合健診医学会が法人化し,
の後援及び賞状交付(日本メディカル給食協
独自指定を受けることとなった。全日病は従来
会)
どおり,日帰りドックとして進める。
検査項目のなかで乳房触診については,マン
(3)
会内委員会委員の推薦(日本医師会)
(4)
歯科医師臨床研修指導医講習会の後援(日
(5)
正会員の就任(医療経済フォーラム・ジャ
パン)
128(292)● 2005 年 2 月号
モグラフィまたは超音波と併用して優先オプシ
ョン項目とすることとし,梅毒検査は基本検査
本口腔外科学会)
項目に入れるが希望者のみとすることにした。
(2) 予防医学委員会,人間ドック・健診施設機
日本病院会雑誌
能評価委員会(天川常任理事,1
1/1
1)……人
シンポジスト候補について検討した。現在5名
間ドック認定指定医の第6回認定交付者の3
1
5
の候補が挙がっている。
名と,第1回更新の交付者数4
2
8名を確定した。
前回認められた日本病院会のロゴタイプ・文
更新保留者については2
02名いるが,第1回の
字について印刷物等の積極使用を図ることとし
更新であり条件確認が少し不備なところもあっ
た。委員会や役員会など「日病の動き」をイン
て,今後2年以内に所定条件を達成すれば更新
ターネットで迅速に広く会員並びに国民に広報
手続をすることとした。個人情報保護について
する必要があるということで,その方策として
は,健診を受けた人のデータを健保組合や会社
事務局の作成する案をもとにして,委員会や役
から要求されたときどうするかという問題を議
員会の司会担当副会長のチェックを受け紹介し
論しており,来年の4/1までに結論を得るよ
ていくようなかたちをとっていきたい。
(5) 臨床研修制度小委員会(堺委員長,11/5)
うにしたい。
人間ドック・健診施設機能評価の受審申請は
……今年度第1回の委員会であるが,臨床研修
11/10現在57施設であるが,書類審査について
指導者の養成として管理者向けの半日コースと
は1つの基準(ファーストゲート)を設けて,
指導医養成の2日半コースがあり,四病協主催
健診実績があるかどうかなどを見ていくことと
で行っている。毎回講習会の後に参加者アンケ
した。機能評価の結果は既にホームページで公
ートを取っており,それを参考にしてプログラ
開しているが,中項目の評点の5段階評価で出
ム等を企画している。
しており,これが一般の人々の目にも触れて例
今年度は9月分が終了し,残り12/10∼12,
えば通信簿のような評価と捉えられてもどうか
来年3/4∼6の計3回を実施,平成17年度は
という意見があり,少し考えようということに
4回行う予定で12月までの仮日程を決めた。将
なった。機能評価受審の新たな説明会も計画す
来的には,この講習会は厚労省の認定を受けた
ることにした。認定指定医小委員会(1
0/2
9)
ものでないとカウントされないことがあり,当
では,第10回研修会を来年3/1
2,東京の日本
講習会でもその認証を受けるよう努力している。
教育会館で開くこととした。PETの利用やメ
昨年度は医政局長の認証をもらい,今年度は少
ンタルへルス,個人情報保護法などを取り上げ
し様相が変わっていま申請中であるが,特に問
ており,少し大きな8
0
0名収容の会場を確保し
題はないと思う。
(6) 診療情報管理士教育委員会(大井副会長,
た。
(3) ITシステム委員会(村上副会長,1
1/2)
11/12)……平成16年度夏期進級試験の合格者
……初会合を開いたが,委員会のスタンスはIT
は受験者1,
047名に対し34
0名,合格率3
2%であ
の技術システムを医療の質の向上に役立てると
るが,今回から単位制のため再試験は不合格科
いう趣旨であると説明があり,今後の方向性に
目について行うこととなる。通信教育のあり方
ついてフリーディスカッションした。そのなか
を検討し,スクーリング開催地を現在の東京,
で1つ,生活習慣病対策が重視されている点と
大阪,福岡のほかに拡大して参加しやすく,ま
か健康管理の面から,日病の「私のカルテ」を
た,ショートスクーリングという単科の講習を
携帯電話につなげないかという提案があった。
受けられるようにしたい。自宅学習のリポート
(4) インターネット委員会(斎藤理事,1
1/4)
問題も勉強しやすいようにバインダー方式とし,
…… IT化の職員教育のモデルとして熊本リハ
試験もリポートの模範解答付きと提出用リポー
ビリテーション病院の視察を行った。第5
5回日
トのなかから出していくなど進級率や合格率を
本病院学会のインターネットシンポジウムとし
もう少し上がるように改正する考えである。
て「病院IT化の光と影」を企画しており,この
新潟県中越地震のため東京のスクーリングに
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 129(293)
一
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8
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常
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事
会
・
第
3
回
理
事
会
合
同
会
議
議
事
抄
録
参加できなかった受講生についてビデオ補講を
学会から要望書が出てくるが,新しい分野の保
行い,テキスト紛失者にはテキストを配布する
険適用というようなものばかりで,出月先生が
こととした。第2回の分類小委員会(1
1/5)
いちばん期待しているのは材料が手術料のなか
が開かれ,分類法演習の内容やリポート作成な
に入ってしまって,実は手術料が上がっている
ど実務について検討した。
ようにみえても材料がやたらと含まれていて実
(7)
医療経済・税制委員会(関口理事,1
1/
一
番
町
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り
第
8
回
常
任
理
事
会
・
第
3
回
理
事
会
合
同
会
議
議
事
抄
録
際は全然上がってないという,そういう細かい
9,11/24)……「病院医療材料の診療報酬上
ところは日本病院学会が期待されているとした。
の評価に関する調査」は昨年から継続しており,
関口委員長は池澤副会長から同様に言われてお
手術に用いられる保険適用外診療材料について,
り,今回の調査で36項目のうち13項目も報酬が
関東を中心に依頼した31病院のうち2
7病院から
下がっていると愕然としたが,材料費が下がっ
一般的な36項目の手術についてデータを出して
ているためだろうと思っていたらそうでないと
もらった。結論としては,36項目のなかで使わ
いう点が問題視されるとした。
れている材料費の中間値が当該点数の1
0%未
(8) 中小病院委員会(福田常任理事,11/18)
満というのが4項目,2
5%未満が2
6項目,2
5%
……次の中小病院情報交換会を来年1/2
7秋田
以上が6項目であった。この結果を1
1/1
9,池
市で,秋田県病院協会と共催で実施することを
澤副会長とともに厚労省保険局の麦谷医療課長
決めた。
「中小病院の経営戦略」というテーマ
に説明したが,材料費は既に保険に含まれてい
でシンポジウムなどを行い,当委員会の委員と
るという指摘を受け,これを「手術に用いられ
地元の先生に講師をお願いする。来年7月,名
る材料費の占有度調査」と改めることにした。
古屋での第5
5回日本病院学会におけるシンポジ
この36項目の手術のうち,平成1
4年度から1
6
ウムは,福田が学会長なので座長は梶原副委員
年度の診療報酬改定の2年間で手術料の上がっ
長にお願いしており,シンポジストは当委員会
たのは1項目だけで,開胸して行う肺がんの手
委員や秋田県などから3名ほど予定する。
術が約12%上がっているが,1
3項目の手術料は
(9) 医療制度委員会(邉見常任理事,11/26)
5.
3%ほど下がっている。材料費について私ど
……今いちばん問題となっている混合診療につ
もの病院で調べたところ,この2年間で値段は
いて討論し,この反対論が国民の理解,共感を
ほとんど変わっておらず,販売会社から聞いて
得ているようには見えないという高橋委員の,
もほとんど変わっていないという返事だった。
非医師の立場からの問題提起があったが,6
00
手術料を材料費と技術料に分けると,技術料が
万人を超える署名が集まっているわけだから
ダウンしているということである。
徐々に共感が得られているはずであるなどと論
1
1/2
4の委員会では,もう少し精度を高めて
議した。また,規制改革・民間開放推進会議が
近々調査結果を発表していくこととしたが,技
提起する問題に1つ1つ答えていくこととし,
術料と材料費を分けて請求することも考えてい
東大,京大,阪大病院長の混合診療容認発言の
く必要があるのではないかという意見があった。
新聞記事に対しては,執行部の関係のある先生
このほか,平成1
7年度予算・税制改正要望で1
1
から連絡をとり,コメントをもらってどこかで
/10自民党,11/1
6公明党,1
1/1
7民主党のそ
発表しようということになった。
れぞれのヒアリングに関口と池澤副会長が出席
委員会のこれまでの6回の検討結果を中間報
告としてまとめることとし,まず,中医協及び
した。
以上の報告に対して梶原常任理事から,医療
その下部組織の診療報酬調査専門組織の分科会
材料の調査結果はなるべく早く教えてほしいと
委員に,病院代表を医師会代表より多く入れる
発言があり,外保連の実務委員会に出ていて各
ことを挙げた。2番目は,混合診療は不要であ
130(294)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
り特定療養費制度の拡大と機動的対応で十分で
ントマークスで100例ほど試して2例ほど激烈
あること。3番目はDPCについて,診療報酬小
な疼痛があったということで,セントマークス
委員会でもう少し検討して日病としてアピール
ではPPHはやらないと決めたときいており,あ
するということ。4番目の,療養病床は医療保
る程度の自律神経損傷を伴うのではないかと調
険か介護保険かという問題も,今度できた介護
査中である。要するにエビデンスというのでな
保険小委員会でもう少し検討する。
く,ほかの経済的効果とかアメリカの圧力とか,
5番目は診療報酬の抜本的検討ということで,
そういうことで動いているのではないかと思う
施設関連費用というホスピタルフィー的要素を
ところがある。混合診療に入れるべきではない
重視して,外来に配分しすぎている日本の医療
し,もっとエビデンスを集めて検討すべき事例
費を是正すること。6番の門前クリニックの適
であると述べた。
否条件の検討については,別途報告書があるの
(1
0)
救急医療防災セミナー(土屋常任理事,10
でそれをたたき台にして検討する。7番の地域
/2
2)……岡山で土井常任理事,岡山県病院協
医療支援病院制度は,7月にまた紹介率などの
会の協力を得て四病協主催で行い,13
7名の参
要件が変わったが,本当にその病院が地域医療
加者があった。
「メディカルコントロールの現
を支援しているかサーベイし検証する必要があ
状――特に救急救命士による気管挿管とその
る,あるいは要件を変えることも必要というこ
問題点」のシンポジウムは大変熱心な議論にな
とである。8番は,救急医療体制特に小児救急
り有効であった。
「大震災後の想定する緊急医
を中心に検討すること。9番は,認定医療法人
療活動に関する調査」及び「小児救急の対応に
制度ができてくると開設主体も変化するという
関する調査」の結果報告も行われたが,引き続
問題で,以上の9項目を挙げた。このほか,終
いて力を入れていかなければならない問題だと
末期医療について取り上げるべきであると意見
思う。来年は福井常任理事の協力を得て長崎で
があり論議した。
開催する予定である。
以上の報告のあと高野理事から,報告書のな
かにある「混合診療の容認例として推進会議側
2. 四病協諸会議の開催報告について
が挙げたPPH法による痔治療は,その有効性は
(1) 医療従事者対策委員会(山本会長,1
0/
無論のこと患者を安心させるのにかなりの問題
2
6,1
1/1
9)……厚労省の第六次看護職員需給
がある」という記述について質問があり,邉見
見通し検討会との関連で,現場ではまだ必要数
委員長は,10例ほど大腸肛門学会で報告があっ
は足りていないという声があって四病協で看護
て,1例を除いて痛みが残っているとかエビデ
職員の緊急実態調査を行っており,現在まだ中
ンスがあまりないと報告されている。その1例
間的な段階で報告できないが,この関連で
をとって推進会議側は混合診療に入れると言っ
FTA交渉の問題について話題が出た。フィリ
ているようだと答えた。
ピンから看護師を入れるという話であるが,国
高野理事はこれについて,学会のシンポジウ
立の看護学校が廃校になっているのでそれを利
ムでは10対1で,1例だけ有効であまり副作用
用して中国とか韓国から優秀な人を集めて,日
はなかったとされたが,それよりもっと以前か
本で教育し立派な看護師を育てたらどうか,国
ら推薦の動きがあり,大腸肛門学会の健保委員
際協力のうえからいいのではないかという意見
長をしているので厚労省から電話の問合せを受
が出ていた。また,フィリピンの医師が看護師
けたりした。これは材料費の機械も高く,ジョ
の資格を取って,先進国へ看護師として出て行
ンソン&ジョンソンから出ていて5万円ほどす
く。国内で医師として稼ぐよりもいいという話
るが,痛みというのも問題で,世界の有名なセ
で,実際にフィリピンでは医師が減り,看護師
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2005 年 2 月号● 131(295)
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も減るという状況が起きているなかで,日本へ
カ月2万円を前倒しして5万円出すと,これは
来てもらうのはおかしいなどと論議があった。
1年目2.
5万円,2年目2.
5万円ということで5
(2)
総合部会(山本会長,
10/2
7,
1
1/2
4)……
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万円出すという説明であった。
中医協の懇談会が開かれ,病院団体からも委員
(3) 医療制度委員会(秋山常任理事,11/9)
を出したらどうかという議論があって,これに
……地域医療と連携をテーマに医師数標準の算
ついては日医のほうから現在5名が出ていて,
定式の見直しについて議論し,地域の実態から
そのうちの1名は病院団体から出ているので発
もっときめ細かい病院運営が可能となるよう全
言の際に病院団体を無視した発言はできない,
国一律の医師数算定基準を見直すべきであると
1人出ているからいいではないかというような
意見があった。麻酔科,小児科,放射線科の医
方向での話し合いとなったようだ。この中医協
師不足対策については,結局政策的な別の財源
の見直しは委員の中の話で,結果的に全く見直
で縛るよう厚労省に要請するというような結論
しはないということであるが,我々は中長期的
になったが,この問題は過疎の問題と共通であ
に,やはり病院団体の代表を入れるべきだとい
ると理解する必要があると思う。
うのは短期的には無理になったけれども,中長
病棟機能別の入院患者のケアの実態というこ
期にはこの体制は直して病院団体から出るべき
とで,全日病が実施した調査の報告があり,療
だという理論武装をして,働きかけているとこ
養病棟の患者の退院先は自宅が31.
6%と,3人
ろである。
に1人が自宅に戻っている。在院期間は30日以
11/24の会議には厚労省から説明にきて,病
内が2
3.
7%で,亜急性期の患者も受け入れてい
院職員に対するインフルエンザ予防接種は約9
るなどと説明があった。日病からは池澤副会長
割の病院で行っているという報告と,ワクチン
が,アメリカのマイケル・ポーター,エリザベ
は昨年の4割増,
2,
0
6
0万人分を用意し,タミフ
ス・タイスバーグの書いた『ヘルスケア市場の
ルは1,
500万人分用意してあるという。宿日直
競争戦略』を紹介,アメリカでは歪んだ競争が
勤務に関する監督指導は,これまでに実施した
質の低下とコストの上昇を招いており,日本の
件数が59
6病院で,そのうち何らかの法違反が
ような国民皆保険制度を導入すべきだという内
あったのが4
30病院。その中でいちばん問題な
容である。関連して秋山から,医事新報に出し
のが37条違反という時間外の費用を出していな
た「医療・社会保障と背反する市場原理」の概
いことで,この改善について指導したところ,
要について説明した。また,先ほどのFTA交
5
0病院のうち既に2割の病院が改善されたとい
渉の受け入れ問題で,ドクターまで転職して看
う。厚労省も少し現場の事情がわかり,いま指
護師に来ることが道義的に問題がないかと議論
導してもすぐに改善できるような医療環境には
した。
ないということは理解していると思うが,短期
(4) 日医・四病協懇談会(山本会長,11/17)
的な改善はムリとしても改善計画を出すのが大
……今回は日医が司会役で,日医から出た問題
前提とされているので,そこをまずやってほし
を中心に議論した。混合診療では国民医療推進
いということであった。我々がもう1つ質問し
協議会の署名数が発表され,現在6
00万人とな
たのは,本庁がそう言っても出先の機関が厳格
っている。四病協の反対声明も支持された。介
ということがあるので,そこは統一してほしい
護保険制度の見直しで居住費用や食費を保険外
と申し入れ,1つの方針で指導しているという
とする動きには反対することで一致した。
厚労省が診療報酬導入をにらみ,訪問看護ス
返事であった。
医師臨床研修の補助金については,その申請
テーションでの仮称「通所看護」というモデル
期限が迫り,プログラム責任者の経費が1人1
事業を始めて,日医は反対としているが,要す
132(296)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
るに訪問看護ステーションのデイケアみたいな
人情報の取扱いについて検討しており,多岐にわ
もので,モデル事業を全国5∼6カ所で始め,
たるので厚労,文科,経産3省で合同委員会を開
北海道では一泊二日とか二泊三日のモデル事業
いているが,その第7回,8回の委員会が合同で
もやっていて,長期に看護の必要な人を置いて
10/22,三田共用会議所で行われた。その中身は,
おくのは医療ではないかという議論であるが,
医療機関から資料提供するときはまず匿名化する
四病協側も少し検討して態度を決めることとし
こととし,そうでなければ本人の同意を得る。ま
た。また,地域医療支援病院のあり方や救急車
た,資料をもらって研究所に送るときは必ずイン
を利用する紹介率の算定の考え方を見直すべき
フォームドコンセントを行えというような内容で
であると,医師会側から提起があった。
ある。これについても今,パブリックコメントを
(5) 医療保険・診療報酬委員会,介護保険小委
員会合同委員会(齊藤常任理事,1
1/5)……
今後の療養病床のあり方を決めるためには慢性
期入院医療の包括評価の調査が必要であると言
募集しているので,まとまったら公表されてくる
旨の報告。
5.社会保障審議会医療部会の開催報告について
われているが,中医協の事情もあって行われて
村上副会長から,1
1/1
1厚労省で第3回の医療
おらず,四病協としてスタンスを決めていく必
部会が開かれ,医療提供体制のあり方として地域
要があると協議した。介護保険制度の見直しに
医療支援病院の議論が行われた。この要件が最近
ついては,基本的に指定介護療養型医療施設で
緩和されていくつかの病院が承認されたが,初め
行われているのは医療を必要とする入院であり,
に立ち上げたときの趣旨と大分変わってきて,地
居住費用を患者から徴収するのは考えにくいの
域の中核病院を地域支援病院にもっていこうとす
で保険給付を現在のまま続けるべきであるとい
る厚労省の考えであっても紹介率をクリアできな
う意見が出された。医療保険対応の療養病床に
いところはたくさんある。それをこなすために門
ついては医療の必要度に応じて,その実態を反
前クリニックを作るという問題もあり,地域によ
映した診療報酬制度が必要であると議論した。
っては紹介率よりも救急医療などをきちんと評価
して,紹介率を見直すべきであるという意見が出
3. 平成1
7年度予算・税制改正要望について
ていた。
自民党の厚生労働部会,厚生関係団体委員会合
日病の地域医療委員会でもこの点が報告されて
同の平成1
7年度予算・税制改正要望ヒアリングが
いて,その部分は「長野県の佐久地方では,人口
11/10,自民党本部で開かれ,関口理事・医療経
11万人に対して医療機関数は4
8あるけれども,佐
済税制委員長が出席して,予算要望については国
久総合病院を除く郡部には小児科,産婦人科,眼
庫補助負担金の削減案と混合診療導入に反対の意
科,耳鼻科,泌尿器科,皮膚科の医師は存在しな
を述べ,税制改正の重点要望事項として消費税の
い」
。すなわち,そこの部分は全く新患として病
非課税制度の見直しを求めた。四病協としての税
院に来てしまうわけで,こういう地域がいくつも
制改正要望も別途行われた。同様のヒアリングが
あると紹介率はどうしても上がってこない。そし
11/1
6公明党,11/1
7民主党で行われ,池澤副会
て,
「今回の医療計画の見直しにあたり要望する
長が出席した旨の報告。
こととして,医師の地域偏在を踏まえて二次医療
圏を柔軟に設定すること,機能的に地域医療支援
4.医学研究における個人情報の取扱いの在り方
専門委員会の開催報告について
病院である病院の紹介率算定式は地域の状況に応
じて適応しやすいようにすること」などを挙げて
武田副会長から,来年4月施行の個人情報保護
いる。このような意見を踏まえて医療部会で発言
法の関連で,ヒト遺伝情報や医学研究における個
していきたいと述べた。
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2005 年 2 月号● 133(297)
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以上の報告のあと秋山常任理事から,もともと
管理者養成コースの卒業生を中心とした協議会
紹介率については不条理なことが多く,これを改
で,
11/1
1∼1
2の2日間,研修会を実施し1
0
0名
善するというよりも紹介率の制度そのものをやめ
が受講した。また,第55回日本病院学会で協議
させるべきではないかという意見があり,梶原常
会のシンポジウムが希望されているとして学会
任理事は当時の委員として,第3次医療法改正で
長の福田常任理事の承認を求め,了承された。
地域医療支援病院制度ができたが,紹介率8
0%と
(3) 山本会長から,国民医療推進協議会の署名
いう高い設定は医療審議会というよりは医師会立
運動の報告があり,11/24正午現在でトータル
病院の赤字救済目的で決まったような経緯がある。
5
97万7,
0
00人と,ほぼ60
0万人。その内訳とし
地域医療システムから見れば,こういう紹介率の
て医師会分と協議会参加の各団体で出ているが,
おかしなものは取り払うべきであると四病協で主
日病からは5万1,
5
00余を届けた。ただ,各地
張すればいいと補足した。
域の会員病院は,医師会の連絡が非常に早かっ
たので医師会を通して出しているところも多く,
6.医療とニューメディアを考える会世話人会の
開催報告について
中身を調査して日病としていったいどのくらい
の署名が集まったか確定数字を出していきたい。
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大井副会長が11/16開かれた世話人会に出席し,
なお,署名数は6
00万になったが,もう少し頑張
第2
1年度(平成15年度)の実績として1
0回の講演
りたいという植松会長の意向もあり,12月初旬
会開催報告があり,また,会計報告と昨年同様の
まで延長するということなので引き続き取り組
講演会開催という本年度計画が了承された。次回
みをお願いしたいと報告。
例会は来年1/2
5,
「医療分野のIT化に関する厚
労省の取り組み」をテーマに開催されるので,興
(4) 平成1
6年度健保組合全国大会(11/1
9)に
山本会長が出席し,決議等行われた旨の報告。
(5) 岩崎参与から,臨床研修病院の評価につい
味のある方は申し込まれたい旨の報告。
て発言があり,研修病院のプログラムや指導医,
7.平成1
6年秋の叙勲・褒章受章者について
研修医の評価について検討しようと医療機能評
山本会長から,平成1
6年秋の叙勲・褒章受章者
価機構で部会を設け,全国の研修病院から委員
として日病推薦の武田惇元理事(瑞宝小綬章)ほ
30名ほどを集めて3年くらい前から開始してお
か会員関係の受章者が報告され,祝意が述べられ
り,ようやく評価項目ができて日病や全自病協
た。1
2/18の役員会終了後に武田先生の祝賀会が
の指導医講習会で発表の機会を与えてもらった。
予定される。
プログラムをキチッと評価し,そのプログラム
どおりに研修しているかどうかということを中
8.その他
立的な立場で評価していくことが研修病院育成
(1) 日本診療録管理学会の編集委員会報告(1
1
のためにも重要で,評価項目は80項目くらいと
/12)が大井副会長から行われ,学会の「3
0周
病院機能評価からすると1
0分の1ほどであるが,
年記念誌」を『診療録管理』1
6巻の別冊として
現在パイロットスタディを始めた。指定病院の
本年度内に発刊することを決めた。本日の役員
アンケートでも90%以上は賛同するという返
会終了後に第61回診療情報管理士認定式を行い,
事をもらっている。
今回の認定者は1,
13
1名で認定者総数7,
3
1
9名,
そこで,本日お願いしたいのは,これを医療
診療録管理士を含む総数で9,
55
0名となる旨の
機能評価機構で扱うのは物理的に困難であり,
報告。
病院機能評価が年間6
50病院が最大限で更新も
(2)
病院管理者協議会の理事会報告(11/11)
が山本会長から行われ,日病の通信教育で病院
134(298)● 2005 年 2 月号
加わっていて新規が入るのも困難な状況なので,
日病中心に各病院団体で一緒になって評価機構
日本病院会雑誌
を立ち上げてほしいということである。これは
で,国民医療推進協議会に参加し署名運動もお願
単独型であれ管理型,協力型であれ,すべての
いしたが,日病としての考え方を発表する場がな
研修病院を対象に評価したい。今度始めた人間
い。もし,外に向かってさらに発言するなら,ど
ドック・健診施設機能評価によく似たシステム
ういうかたちで出すかという理論武装やデータも
で,簡単にできるよう開発した。協力型まで入
揃えてわかりやすく出そうということで,池澤副
れると臨床研修病院は今2,
2
0
0以上あり,2年
会長や邉見委員長の医療制度委員会を中心にこれ
に1回は少なくともやらなければいけないので,
を検討してきた。
事務局を別につくってNPO法人化し,中立性,
その結果,意見の取りまとめとして挙げた項目
第三者性を保つことができるようにしたいと考
が,まず「国民皆保険制度を堅持する日病の基本
えている。
的姿勢」である。次に「我が国と米国の医療制度
以上のような提案があり,これに対して堺委
の違い」でこれも明確に違いを出す。3番目に
員長は,今の臨床研修制度が始まる前に,日病
「病院医療の診療報酬上の評価に関する問題点」
。
あるいは四病協でこういう第三者評価が必要で
これは,先ほど関口先生が報告した診療材料の調
あると要望しているとしてその立ち上げに賛同
査資料を混合診療の問題と結びつけて具体的な例
し,山本会長は,新しい研修制度が始まって大
として検討していく。そして,
「規制改革・民間
学と一般病院の研修医の割合がどんどん変わり,
開放推進会議の解禁提案に対する見解」というこ
一般病院が多くなってきたしそこに質の管理も
とで,具体的に1つ1つ反論していく。
必要と思う。我々の会員も多く参加していて日
以上の4点について先生方が分担してまとめて
病がやるならピアレビューになり第三者性が薄
いる。発表する相手は規制改革の推進会議であろ
くなると思っていたが,今の話をきいていると
うが,その他,例えばマスコミになるかもしれな
我々が積極的に取り組むべきテーマかなと思う。
い。今年の7月,推進会議側からヒアリングの予
いずれにしても,関係者を集めて検討したいと
定が入っていたが,一方的にキャンセルされてそ
して了承された。
の後何の連絡もないということで,混合診療は先
進医療の問題で病院の問題であり,病院団体が発
言する場を与えられないままに混合診療が進むよ
うな議論はおかしい。最近はこの問題がいろいろ
〔協議事項〕
なところで取り上げられ,新聞記事で見ても賛成
と反対の違いがあり,それぞれ賛成,反対の中で
も意見のズレがある。こういう状況のなかで1つ
1.混合診療について
の方向に向かって進むことはおかしいし,我々が
山本会長から,1
0/2
7四病協で出した「混合診
キチッとしたかたちで発表することで相手側が場
療についての声明」について説明がなされ,その
をつくって対応していくことができるということ
前文で,
「安全で有効な医療を広く,平等に患者に
も考えている。
提供している国民皆保険制度は,高度な理念に支
以上の説明のあと織本理事から,腎友会という
えられた国民のための医療制度として十分に機能
透析患者の全国組織があるが,昭和47年に更生医
しており,さらにより質の高い安全な医療を確保
療ができて腎の透析が国費になり,それから透析
するためこれを守らなければいけない」として,
の医学が進んで死亡率が下がり,20年,30年と受
混合診療の解禁は容認できず,特定療養費制度を
けている人もいる。その昭和47年以前は金の切れ
充実させ迅速化をはかれという提言になっている。
目が命の切れ目と言われて,50万円かかっていた
この声明を出して日病の姿勢をはっきり出したの
が,もし混合診療が入ってきて1割でも2割でも
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負担がかかるとまた死亡率が高くなるということ
皆保険が達成されたのが19
61年,池田内閣の所得
で,猛反対したいと言っていると述べた。
倍増計画のときであり,その前年に国際間の自由
齊藤常任理事は,11/1
7の中医協小委員会で内
貿易が始まって市場経済の波が来たときに日本も
保連代表として出席し,規制改革側の言っている
それに乗って所得倍増しようという計画であった。
ことに対し具体的に列挙しながら反駁したとして,
そのときの議論で,やはり貧富の格差が出るので
「医師の裁量権の拡大」とか「患者の自由な選択」
はないかということで国民皆保険をやろうという
と言うが,保険で認められているものはインフ
ことになったのが6
1年という,大事なその年の決
ォームド・コンセントで患者の同意と選択で行わ
定であった。その原点に戻って考えると,今の議
れていて,保険で認められていないものについて
論はむなしいところがあると補足した。
それを言うのは極めて危険である。その危険性は
福井常任理事からは,今挙げた「我が国と米国
イレッサによる副作用で既に3
0
0人が亡くなって
の医療制度の違い」について,朝日新聞の1
1/2
3
いるし,エイズとか未熟児網膜症とか過去にさか
付け記事に「李啓充・元ハーバード大助教授に聞
のぼれば危険な事案はいくらでもある。いちばん
く」とあって,その著書に『アメリカ医療の光と
問題なのは,規制改革会議側が医療者や患者を抜
影』
『市場原理が医療を亡ぼす』があり,両方とも
きにして経済の視点で報告し,経済財政諮問会議
読んだが,確かに正鵠を得ているというか鋭い指
に諮っていることで,医療のことを知らないので
摘がなされていると述べ,末永理事は,先ほど3
使っている言葉が非常に抽象的であって,一定水
大学病院の院長に対する対応は聞いたが,外科学
準以上の医療機関とか専門医とか言うが,その実
会からも無条件賛成ではないけれども大きな制限
態は何かと問うと何もない。
のなかで混合診療に賛成するというような見解が
今後は公開討論を申し込むとか,実態のあるか
出ている。これについても申し入れるべきではな
み合った議論を世間に発表していくことが大事で,
いかと発言があり,他の理事からは外科系学会が
特定療養費で振り替えるということも,これまで
集まった外保連の出月会長と話したらどうかなど
具体案がほとんどなく,これは混合診療全面解禁
と意見があった。
の裏返しになるので裏も固めておかないとおかし
さらに,齊藤常任理事からは,最近目立つのは
なことになる。例えば,その入口は中医協だけで
規制改革側のつまみ食い現象であり,自分の都合
いいのか専門家の委員会が必要なのか,どういう
のいいところだけをつまみ食いして既成事実をつ
状況になったとき保険本体に取り込むべきかとい
くろうとしているとしか思えない。この問題は,
うことが固まれば,全面解禁論は非常に劣勢に立
前から議論になっている公平性とか安全性,国民
つという気がする。また,先ほど委員会の報告に
皆保険制度の空洞化とか,そういう全体の図式で
あった阪大,東大の病院長からは,独立行政法人
見ないといけないと思う。国立大学病院が独法化
になり,臨床研修必修化の研修医ばなれもあって
で困るからとか,そういう姑息な議論にすりかえ
追い込まれている状況だが,これが全面解禁の隠
られないように注意していく必要があると述べ,
れ蓑にされることは心外だという言葉があったと
この議題を終えた。
述べた。
山本会長はさらに,先日の医療経済フォーラム
に参加したとき,市場経済原理主義のなかで貧富
2.個人情報保護について
武田副会長から,医療機関における個人情報保
の差が出て,それをカバーするのが社会保障制度
護ガイドラインについて,パブリックコメントは
だから,この社会保障制度たる医療に市場経済を
1
1/30締切り,12/9まとめる予定であるが,個
持ち出すこと自体が理論的に間違っているという
別法として法律化するかどうかという議論はこの
話を聞いた。それに興味を持って調べたら,国民
ガイドラインで3年ほど続けて,その後必要なら
136(300)● 2005 年 2 月号
日本病院会雑誌
考えようということになった。この個人情報保護
おいて出しておくこととしたという説明がなされ
に関する会員向け説明会を2月までに2回,東京
た。
と大阪あたりで開催する計画で,認定個人情報保
石井常任理事は,介護保険の問題はこれから医
護団体の資格を日病が取得していくという件とと
療制度委員会の中に小委員会をつくって検討する
もに諮られ,了承された。
ことになっているが,今の問題は反対ということ
この認定個人情報保護団体については大井副会
でよいと思うとし,介護保険はもともと高齢者だ
長から,認定は主務大臣の厚労大臣が行うもので,
けの介護保険で出発して,いま年齢制限を撤廃す
条件としては民間の組織で法人であることである。
るかどうかという問題が出ているが,制度的な改
その団体が,傘下の会員である個人情報保護事業
変としてはこれが一番の問題と思う。諸外国の介
者に対して教育研修を行い,病院が掲げるガイド
護保険には年齢制限はなく,こうなると介護保険
ラインを示すことができる。卑近な例でいうと,
と医療保険との関係が一変せざるを得ない。厚労
受付での患者呼び出しは「お呼びしますよ」とい
省も今までのような,施設によって介護保険と医
うことを掲示しておかなければならず,掲示する
療保険を使い分けるのでなく,制度,サービスに
と同時に「ご不満な方は訴え出てください」とい
よって併用していくという方向にいかざるを得な
うことをズーッと入れていくとすごく長いものに
い内容を含んでいると述べた。
なる。それをうまくつくって,会員の先生方に利
山本会長は,もう1つ四病協として,医療保険
用していただくということであると補足した。
対応療養病床についての提言を検討しており,こ
の療養病床のあり方として入院対応患者の機能分
3.介護保険について
化を図るため医療必要度の設定を行いたいという
山本会長から,介護保険制度の見直しに関する
内容であるが,その中身について少し問題が残っ
四病協要望書(案)の説明があり,社会保障審議
ているので,各団体で持ち帰って検討することと
会の介護保険部会で介護保険制度の見直しの議論
していると説明し,この項を終えた。
が行われていて,施設給付のうち居住費用につい
ては保険給付でなく自己負担とするという考え方
このあと池澤副会長から,本日行われた「国民
が示されている。これについて,指定介護療養型
医療を守る東京大会」の出席報告がなされ,東京
医療施設つまり療養病床や老人性痴呆疾患療養病
都医師会等の主催で開かれて1,
80
0人が参加し盛
棟は,医療を必要としているための入院やリハビ
会であった旨の報告があった。次いで,大井副会
リを行うための一定期間の入院,在宅復帰支援の
長から閉会挨拶が行われて合同理事会を終えた。
ための入院等医療を行う施設であるので,居住し
合同理事会終了後,公認会計士石井孝宜氏によ
ているわけではない。だから居住費用の徴収はお
る特別講演「医療法人制度について」が行われた。
かしいと現行どおりの給付の存続を要望するとい
う趣旨で,これは食費の問題も絡むがこの限りに
(日本病院会事務局 広報部)
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常
任
理
事
会
・
第
3
回
理
事
会
合
同
会
議
議
事
抄
録
日本病院会雑誌
2005 年 2 月号● 137(301)
第10回人間ドック認定指定医研修会の開催案内
日 時 平成1
7年3月1
2日
(土)1
0:0
0∼16:00
会
場 日本教育会館 一ツ橋ホール
〒1
0
10
-0
0
3 東京都千代田区一ツ橋2−6−2 TEL 03−32
30−28
31
参加資格 (1)
人間ドック指定医
(2)
日本人間ドック学会の医師個人会員で認定指定医資格取得希望者
(3)
日本総合健診医学会の医師個人会員で認定指定医資格取得希望者
参 加 費 1人 1
0,
0
00円(資料代含む)
講
演 「健康増進法と健康診査等指針について」
(案)
(厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室室長補佐 武井貞治(予定)
)
「PETを中心とした検診システムについて」
(山中湖クリニック理事長 井出 満)
「個人情報保護について」
(仮題) (独協医科大学学長 寺野 彰)
「人間ドックとメンタルヘルスについて」
(仮題)
(東海大学医学部教授 保坂 隆)
「人間ドック・健診施設機能評価について」
(日本赤十字社熊本健康管理センター名誉所長 小山和作)
申込方法 日本人間ドック学会公式サイトに掲載 http://www.ningen-dock.jp/
電話での問い合わせ TEL 03−32
6
5−00
7
9 学術研修課 中田,竹内 宛
日本病院会雑誌
第 52 巻第 2 号 2005 年 2 月 1 日発行(毎月 1 日発行)
頒価 1,200 円(会員の購読料は会費の中に含まれます)
発行所 社団法人日本病院会
〒 102-8414 東京都千代田区一番町 13 − 3
電話:03 − 3265 − 0077(代)
FAX:03 − 3230 − 2898
http://www.hospital.or.jp
発 行 人 山本 修三
編 集 人 石井 暎禧
編 集 協 力 (株)美和企画(東京都渋谷区南平台町 12 − 6 電話:03 − 3496 − 6751(代))
印刷・製本 日本平版印刷(株)(東京都文京区小石川 4 − 3 − 6)
本誌の転載・複写についてはあらかじめ許諾をお求めください。