特設記事 音源チップAY-3-8910互換IPコアで 音楽を再生してみよう

特設記事
これぞコンピュータ・サウンド?
懐かしのゲーム・ミュージックを当時のPSG音源でバッチリ再現!
音源チップ AY-3-8910 互換 IP コアで
音楽を再生してみよう
横溝 憲治
Kenji Yokomizo
ここでは FPGA 評価ボード MicroBoard と DE0 で,簡単な音楽を再生してみます.サウンド・ジェネレータと
ふう び
しては,その昔の 8 ビット・パソコン時代に一世を風 靡(?)した,音源チップ AY-3-8910 と互換性がある IP コア
(AY_3_8910_capcom)を試してみました.音を発生するための制御方法を確認し,曲を演奏するプログラムまで
を作成します.
て採用されていました.あの懐かしい“ピコピコ音”
は,AY-3-8910 によって生成されていたのです.特徴
1.懐かしのサウンドを再生
〜 AY-3-8910 の特徴
は次のようになります.
● AY-3-8910 とは
AY-3-8910 は General Instrument 社が開発した PSG
(Programmable Sound Generator)チップで,1980 年
代のゲーム機やパーソナル・コンピュータの音源とし
・三つの矩形波発生(4096 段階)
・エンベロープ発生
・ノイズ発生
・音量設定
・波形のミキシング
・D-A 変換
・I/O ポート
こ の AY-3-8910の互換ICは現在でも入手可能です
(写真1)
.
● AY-3-8910 互換 IP コアの概要
IP コアの名称は AY_3_8910_capcom です.設計デー
タは OpenCores のサイト(http://opencores.org/
project,sqmusic)からダウンロードできます.ダ
ウンロードにはユーザ登録が必要です.機能は D-A
変換と I/O ポートが省略されています.IP コア本体に
D-A 変換機能はありませんが,D-A 変換に利用できる
PWM 変換の参考回路がデータに付属しています.
内部ブロック図は図 1 のようになります.ブロック
写真 1 AY-3-8910 の互換品の例(ヤマハ YM2149F)
AY_3_8910_capcom
din[7:0]
バス・
アクセス
adr
wr_n
レジスタ
波形発生
ミキサ
音量制御
波形発生
ミキサ
音量制御
波形発生
ミキサ
音量制御
cs_s
ノイズ発生
エンベロープ
発生
図 1 AY_3_8910_capcom の内部ブロック図
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音源チップ AY-3-8910 互換 IP コアで音楽を再生してみよう
CH_A
CH_B
CH_C
A [3:0]
B [3:0]
C [3:0]