RŠœ15-2 #35 Ł`fic 5“Z

山梨医大誌 15(2)
,19 〜 25,2000
総
説
排尿機構と神経支配
―神経伝達物質と神経受容体による調節機構―
武
田
正
之
山梨医科大学医学部泌尿器科学講座
抄
録:排尿機能は蓄尿と尿排出から構成され,下部尿路に分布する神経によって調節される。中
枢では大脳と橋に上位排尿中枢があり,仙髄の下位中枢を支配している。末梢神経には骨盤神経,
下腹神経,陰部神経があり,これらの神経末端から分泌される神経伝達物質,それを受ける末梢臓
器平滑筋における受容体,細胞内情報伝達系が最終的な排尿機能の調節を行う。交感神経優位では
蓄尿機構が主となるが,膀胱排尿筋と尿道平滑筋とでは全く異なるシナプス後受容体が分布し,全
く異なった細胞内情報伝達機構が働いている。膀胱排尿筋では β アドレナリン受容体が G 蛋白質
を介して二次伝達物質である cyclicAMP を産生し,尿道では α アドレナリン受容体が G 蛋白質を
介して二次伝達物質であるイノシトール 3 リン酸を産生する。副交感神経優位では尿排出機構が主
となるが,膀胱排尿筋のシナプス後受容体はムスカリン受容体であり,G 蛋白質を介した二次伝達
物質はイノシトール 3 リン酸である。尿道平滑筋では細胞膜受容体を必要とせず,一酸化窒素を一
次伝達物質として cyclicGMP を二次伝達物質とする,全く異なった細胞内情報伝達機構が働いてい
る。
キーワード
排尿機能,神経性調節,神経伝達物質,神経受容体
1.はじめに
2.下部尿路臓器への神経支配
正常な排尿機能とは,蓄尿機能,尿排出機能
現在のところ,排尿中枢は大脳,脳幹部(特
に大別され,これらの排尿機能を支配する要素
に橋),胸腰部交感神経中枢,腰仙部における
は主として神経系であると考えられている。ま
下位排尿中枢,などが知られている。それぞれ
た,これらの神経支配を受ける末梢臓器である
の間にはシナプス伝達があり,遠心性および求
膀胱,尿道,前立腺などの平滑筋の機能も重要
心性入力によってお互いに連絡しあっている
な要素である 1)。本項では,主として遠心性神
(図 1)。中枢からの命令は脊髄前角でシナプス
経支配と末梢の神経伝達機構の概略について述
を変えて末梢臓器へ伝達され,また末梢臓器か
べる。
らの求心性入力は脊髄後角でシナプスを変え
て,さらに中枢へ伝達される。この際,脊髄に
おいて求心性入力と遠心性入力との間に介在ニ
ューロンが存在し,これが様々な調節機構に関
〒 409-3898 山梨県中巨摩郡玉穂町下河東 1110
山梨医科大学医学部泌尿器科学講座
受付: 1999 年 10 月 29 日
受理: 1999 年 11 月 5 日
与するとともに病的状態の惹起に関係する可能
性がある 2)(図 2)。
末梢神経としては,下腹神経,骨盤神経,陰
20
武
田
図 1. 膀胱・尿道・前立腺における神経支配
下腹神経は交感神経系,骨盤神経は副
交感神経系と考えられているが,陰部
神経だけは体性神経の要素も含んでい
る。
正
之
図 3. 細胞膜受容体の種類
細胞膜に存在する受容体はイオンチャ
ネル型受容体,膜を 7 回貫通し G 蛋白
質と共役する G 蛋白関連型受容体,増
殖因子型受容体に大別される。
ATP :アデノシン 3 リン酸
ADP :アデノシン 2 リン酸
GTP :グアノシン 3 リン酸
GDP :グアノシン 2 リン酸
と呼ばれている 4)。神経伝達物質は多様であり,
アミン類,ペプチドなど様々なものが知られて
いる 5)。
一方,これらの神経伝達物質を受け取る側の
シナプス後受容体は主として 3 種類に大別さ
図 2. 排尿・蓄尿と神経伝達機構
排尿中枢および末梢組織における促進
性(上段)ないし抑制性(下段)神経
伝達物質および神経受容体。膀胱,前
立腺などはヒトの組織を用いた in vitro
での詳細な検討が行われている。
れ,G 蛋白質共役型受容体,イオンチャネル型
部神経が解剖学的に識別されており,それぞれ
排尿に関する神経受容体の大部分を占めると考
主として自律神経系の求心性および遠心性線維
えられている。イオンチャネル型受容体にはグ
受容体,増殖因子型受容体が含まれる 6)。この
うち,最も重要なものが G 蛋白質共役型受容
体であり,交感神経系 α 受容体,交感神経系 β
受容体,副交感神経系ムスカリン受容体など,
を含んでいる。下腹神経は交感神経系,骨盤神
ルタミン酸受容体に属する NMDA 受容体やプ
経は副交感神経系と考えられているが,陰部神
リン受容体に属する P2X 受容体などがあり,
(図 1)。
経だけは体性神経の要素も含んでいる 3)
前者は脊髄における排尿機構の調節 7) に,後
いずれにしても排尿活動は,1)中枢及び末梢
者は膀胱排尿筋の収縮に関与すると考えられて
神経による調節,2)それらの神経系の標的で
いる 8)。神経成長因子(NGF: Nerve growth fac-
ある末梢臓器すなわち平滑筋における細胞内情
tor)はある種の膀胱過活動状態を引き起こす
報伝達機構,の両者の総和と解釈できる。
際に重要な役割を果たす 9) ので,これに対応
以上の様な中枢神経間の情報伝達,末梢神経
す る 神 経 成 長 因 子 受 容 体 ( NGFR: Nerve
と標的臓器である平滑筋との間の情報伝達は細
growth factor receptor)は排尿機構に重要であ
胞間伝達と呼ばれる。これらを司っているのが
るとされている 10,11)が,それ以外の増殖因子
神経末端から開口分泌される神経伝達物質であ
型受容体に関しては,それほど重要な役割を果
り,一次伝達物質(ファーストメッセンジャー)
たしているとは考えられていない(図 3)。
神経伝達物質・神経受容体による排尿調節
3.末梢排尿臓器における神経受容体と
細胞内情報伝達系
21
4)。また,末梢平滑筋(膀胱排尿筋など)にお
ける交感神経系 β 受容体に関しては,アデニル
酸シクラーゼを活性化することによって細胞内
前述の通り,神経伝達物質が細胞膜表面に存
の cyclic AMP を増加させ,これによって平滑
在する神経受容体に結合すると,二次伝達物質
筋の弛緩を起こすと考えられている 14)(図 5)。
(セカンドメッセンジャー)と呼ばれる物質を
膀胱排尿筋における副交感神経系ムスカリン
介して命令が伝達され,最終的には平滑筋の収
受容体は最終的には平滑筋の収縮を起こすので
縮・弛緩といった現象が引き起こされる 12)。
あるが,その機構は受容体サブタイプによって
排尿機構に関して最も重要とされる G 蛋白質
異なっている。ムスカリン受容体には現在のと
共役型受容体における細胞内情報伝達機構は
ころ 5 種類のサブタイプ(M1 − M5)が知ら
様々であるが,いずれも α,β,γ の 3 量体から
れている 15)が,膀胱排尿筋収縮は主として M2
なる G 蛋白質(GTP 結合蛋白質)を介して,
と M3 が関与している 16)。M3 受容体を介した
受容体特異的なセカンドメッセンジャーの産生
機構は,交感神経系 α1 受容体と同様にイノシ
。末梢平滑筋(尿道,前立腺
トール 3 リン酸(IP3)をセカンドメッセンジ
など)における交感神経系 α1 受容体に関して
ャーとして細胞内のカルシウムイオンの上昇を
を引き起こす
13)
は,イノシトール 3 リン酸(IP3)をセカンド
引き起こし,その結果,平滑筋の収縮が起こる
メッセンジャーとして細胞内のカルシウムイオ
ものである(図 4)。一方,M2 受容体は,共役
ンの上昇を引き起こし,その結果,平滑筋の収
する G 蛋白質が抑制性 G 蛋白質(Gi)と呼ば
縮が起こる機構が明らかとなっている 14)(図
れ,アデニル酸シクラーゼを抑制することによ
って細胞内の cyclic AMP を減少させ,この結
果平滑筋の弛緩を抑制することによって収縮を
起こすとされている 15,16)(図 5)。
以上の様な神経受容体を介する機構の他に,
全く受容体を要しない神経伝達物質と伝達機構
が最近明らかとなった。これは 1998 年度ノー
図 4. 平滑筋細胞のイノシトールリン脂質代
謝
イノシトール 3 リン酸(IP3)を介して
細胞内カルシウムイオンの増加する機
序を示す。作動物質が受容体に結合す
ると共役する G 蛋白質の立体構造が変
化し,IP3 を産生させる。これが細胞膜
のカルシウムチャネルや小胞体の IP3 受
容体に作用して,細胞質内のカルシウ
ムイオンを増加させる。
DG : 2 ーアシルグリセロール
IP4 :イノシトール 4 リン酸
GTP :グアノシン 3 リン酸
GDP:グアノシン 2 リン酸
PIP2 :ホスファチジルイノシトール 4,
5 − 2 リン酸
図 5. G 蛋白質とアデニル酸シクラーゼ調節系
アセチルコリンが M2 受容体と結合する
と,共役する抑制型 G 蛋白質(Gi)が
活性化され,アデニル酸シクラーゼを
抑制する。その結果平滑筋細胞内の
cAMP が減少し,平滑筋の弛緩が抑制さ
れて収縮の方向に働く。
Gs :促進型 G 蛋白質
Gi :抑制型 G 蛋白質
武
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田
図 6. 一酸化窒素(NO)代謝経路
一酸化窒素(NO)は NO 合成酵素
(NOS)を有する NO 産生細胞(NOS 神
経など)から,L-アルギニンを材料とし
て産生される。NO は従来の神経伝達物
質と比較してきわめて低分子であるた
め,細胞膜受容体なしに標的細胞(陰
茎海綿体組織など)内へ浸透する。NO
は可溶性グアニル酸シクラーゼを活性
化して cyclicGMP を産生させ,これが二
次伝達物質として作用する。この
cyclicGMP を分解して恒常性を保持しよ
うとするのが phosphodiesterase(PDE)
である。
正
之
図 7. 蓄尿機構
蓄尿期には交感神経優位であり,膀胱
排尿筋は交感神経系 β 受容体刺激によっ
て弛緩し,尿道括約筋は交感神経系 α1
受容体刺激によって収縮する。
4.蓄尿機構
蓄尿時には交感神経系優位の状態となり 25),
交感神経系 β 受容体を介した排尿筋の弛緩と,
交感神経系 α1 受容体を介した尿道平滑筋およ
ベル医学・生理学賞の対象となった一酸化窒素
び外尿括約筋の収縮が起こる 26)(図 7)。交感
(NO: Nitric oxide)である 17)。自律神経伝達物
神経系 α1 受容体は現在遺伝子レベルでも薬理
質は古典的には交感神経系がノルアドレナリ
学 的 に も 3 種 類 の サ ブ タ イ プ ( α 1A, α 1B,
ン,副交感神経系がアセチルコリンであり,こ
α1D)に分類される 27)。尿道や平滑筋の収縮に
れ 以 外 の 伝 達 物 質 を 有 す る 神 経 系 は NANC
関与するのは主として α1A 受容体であり,α1B
(Non-adrenergic non-cholinergic)神経と呼ば
受容体は主として末梢動脈の収縮に関与し,結
れている 18,19)。NO を伝達物質とする神経は
果的に全身血圧の上昇を引き起こすと考えられ
NANC 神経の代表であり,排尿に関しては尿
ている 28–31)(表 1)。
排出時の尿道や前立腺の平滑筋の弛緩を引き起
α1D 受容体の機能は明らかではないが,つ
こすことが明らかとなっている 20–23)。NO 合成
い最近,ヒト膀胱排尿筋において α1 受容体の
酵素を有する神経の末端から放出される NO は
なかで α1D 受容体の m RNA が最も強く発現し
極めて小分子であるため,標的臓器(尿道平滑
ていることが報告され,膀胱過活動において交
筋,陰茎海綿体平滑筋など)内に容易に浸透し
感神経系 α1D 受容体が何らかの役割を果たし
て細胞質内の可溶性グアニル酸シクラーゼを活
ている可能性が推察されている 32)。
性化する。その結果,細胞質内の cyclic- GMP
交感神経系 β 受容体も現在 3 種類のサブタイ
が増加し,尿道平滑筋の弛緩が起こる 24)(図
プ(β 1, β 2,β 3)に分類され 33),膀胱排尿筋
6)。
はこれまでは主として β 2 受容体を介して弛緩
していると考えられていた 34)。 β 3 受容体は以
前は脂肪の代謝のみに関係すると考えられてい
た 35)が,最近消化管などの平滑筋や心臓の動
神経伝達物質・神経受容体による排尿調節
23
表 1.交感神経系 α1 受容体サブタイプの分類
α1A
拮抗薬の親和性
WB4101
5-MU
CEC 感受性
遺伝子の名前
染色体上での位置
主たる遺伝子の
発現部位
5-MU: 5-methyl urapidil
高親和性
高親和性
−
α1a
(旧 α1c)
第8
肝,前立腺,
心
α1B
低親和性
低親和性
+
α1b
(旧 α1b)
第5
脾臓,動脈,
腎臓
α1D
高親和性
低親和性
+
α1d
(旧 α1a/d)
第 20
大脳
(前立腺,動脈)
CEC: chlorethyl clonidine
の存在が知られており 15),膀胱排尿筋には主
として M2 と M3 の 2 種類が発現し,そのうち
主として M3 受容体を介して収縮が起こると考
えられている 16)。尿道平滑筋は従来は副交感
神経系優位の状態では交感神経系 α1 受容体を
介した収縮が抑制されることによって,受動的
に膀胱流出路の開放が起こると考えられていた
が,最近では NO を伝達物質とする能動的な弛
緩機構によって効率的に尿排出を行っているこ
とが明らかとなった 21,22)(図 8)。
図 8. 尿排出機構
排尿期には副交感神経優位であり,膀
胱排尿筋は副交感神経系ムスカリン受
容体刺激によって収縮し,尿道括約筋
は NO を伝達物質とする非交感非副交感
神経刺激によって弛緩する。
きに関与するという報告が多くなり36–38),つい
最近,ヒトを含むほ乳類の膀胱排尿筋における
β 3 受容体の遺伝子発現と β 3 受容体を介した弛
緩が報告された 39–42)。今後,蓄尿における交感
神経系 β 3 受容体の役割が重要視されると考え
られる。
5.尿排出機構
尿排出時には副交感神経系優位の状態とな
り,膀胱排尿筋はムスカリン受容体を介して収
縮する(図 8)。前述のごとく,ムスカリン受
容体には現在 5 種類のサブタイプ(M1 〜 M5)
文
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Neural Control of Urinary Function
— Mechanism of Modulation by Neurotransmitters and Receptors —
Masayuki TAKEDA
Department of Urology, Yamanashi Medical University
Abstract: Urinary function involves voiding and storage, which are controlled by neural fibers that innervate the
lower urinary tract. After the inferior nucleus in the sacral spinal cord, three peripheral nerves, the pelvic nerve, hypogastric nerve, and pudendal nerve, run into the lower urinary tract. Final control of urination is managed by those
3 peripheral nerves, the neurotransmitters of which are excreted from the nerve endings, post-synaptic neuroreceptors, and the intracellular signal transduction mechanisms. Sympathetic stimuli elicit urinary storage, and the postsynaptic adrenergic receptors and intracellular signal transduction mechanisms are extremely different between the
urinary bladder and urethral smooth muscle. In the urinary bladder detrusor smooth muscle, the post-synaptic
adrenergic receptor is beta-adrenergic, and cyclic AMP is produced as the second messenger via beta-adrenergic receptor. In the urethral smooth muscle, the synaptic adrenergic receptor is alpha-adrenergic, and inositol-phosphate
(IP3) is produced as the second messenger, which elicits contraction of detrusor smooth muscle via increase in the intracellular calcium concentration. On the other hand, parasympathetic stimuli elicit micturition. In the urinary bladder detrusor smooth muscle, post-synaptic parasympathetic receptor is muscarinic, and IP3 is produced as the second
messenger.
In the urethral smooth muscle, nitric oxide is produced as the second messenger, and has an extremely different intracellular signal transduction mechanism.
Key words: Urinary function, Neural control, Neurotransmitter, Neuro-receptor