ILAS NEWSLETTER No.40 12-22-1998 Improved Limb Atmospheric Spectrometer ニュースレター ADEOS / ILAS No.40 目次 1. 第8 回フーリエ分光計による宇宙からの大気科学国際ワークショップ(11 月16 日∼18日、フランス・ 2. 3. 4. 5. 6. ・ トゥールーズ) 第2 回ILAS パリミーティング開催(11 月19、20 日、パリ) ILAS / ILAS-II 衛星データ処理運用施設の作業状況および今後の予定(その23) ILAS-II 進捗状況報告 ILAS ニュースレター40 号に 1 1 2 2 3 News from the ILAS Project Leader (November 4 - December 3, 1998) 3 編集後記 4 1.第 8 回フーリエ分光計による宇宙からの大気科学国際ワークショップ(11 月 16 日 ∼18日、フランス・トゥールーズ) この会議は、毎年開催されているフーリエ分光型の衛星センサーに関する国際ワークショップである。開 催場所は日本、米国、欧州の持ち回りで、本年はフランス・トゥールーズの Meteo-France で開催された。も ともとは、IMG、TES、MIPAS のグループを中心に、測定手法、装置の開発・運用状況、データ処理状況、 アルゴリズムの開発状況等についての研究報告会であったが、本年からは、IASI (Infrared Atmospheric Sounding Interferometer; フランス CNES)、ACE (Atmospheric Chemistry Experiment; カナダ CSA)、ILAS-II 後継 機、ATRAS (ATmospheric RAdiation Spectrometer; NASDA) についても発表が加わった。このため、総勢約 85 名の参加者があった。パリに於ける ILAS 関連の会議の直前であったため、ILAS プロジェクトのメンバー も多く参加した。日本からは、プロジェクトスタッフの笹野、横田、中島、杉田のほか、ILAS サイエンス チームメンバーの鈴木(睦)、富士通 F.I.P. (株) の梶、石原、松下技研 (株) の石垣等、計 14 名が参加し、 プロジェクトリーダーの笹野が、ILAS-II 後継機の計画について報告を行った。 研究発表は、口頭発表のほか、ポスター展示も行われた。今回は、IMG の実データの解析及び検証比較 の報告が多く、他は計画やシミュレーションについての報告であった。フーリエ分光型の衛星センサーを今 後開発する上で、装置やデータ処理における問題点や新規手法などについて、有意義な情報交換が行われた。 次回は、2000 年の春期に日本で開催される予定である。 (横田 記、12 / 7 受理) 2. 第 2 回 ILAS パリミーティング開催(11 月 19、20 日、パリ) 第 2 回 ILAS パリミーティング(国際会議)は、11 月 19 日、20 日の 2 日間にわたって、ILAS 検証気球 キャンペーンを共同実施したフランス CNES (Centre National d'Etudes Spatiales) の協力の下、同会議場にて開 催された。この会議には、国内外 6 ヶ国から、出席者は 41 名(+ CNES 関係者多数)にも上り、日本から は国立環境研究所から 9 名、大学関係者 4 名、ILAS データ処理ソフト開発担当会社関係者 2 名、合計 15 名の参加となる大部隊となった。 1 ILAS NEWSLETTER No.40 会議は、プロジェクトリーダーの笹野、及び CNES 側から Nicole Papineau の挨拶を皮切りに、31 名によ る講演発表が順次行われ、終始和やかなうちにも、最新の研究成果の発表と活発な討議と報告が続いた。 研究発表及び討議は大きく分けて、下記の 3 分野にわたった。 1. ILAS ステータスレポート 2. ILAS 研究成果発表 1) データリトリーバル、アルゴリズム開発状況 2) 検証解析 3) 他衛星センサーデータとの比較解析 3. ILAS-II 計画の現状報告と今後の予定 また、パリミーティング全体会議とは別に、環境庁の次期センサー ILAS-II に係る検証実験について、日 本側から ILAS-II プロジェクトリーダー(笹野)、検証実験チームリーダー(神沢)、フランス側から CNES 2 名 (Nicole Papinau, Pierre Faucom) 、Pierre Marie Curie 大学 (Claude Camy-Peyret) の参加を得て、検証 実験スケジュール等が協議された。 (新藤 記、12 / 2 受理) 3.ILAS / ILAS-II 衛星データ処理運用施設の作業状況および今後の予定(その 23) 前回(No.39, 10-26-1998 の記事参照)以降の進展状況および 12 - 1 月における作業スケジュールについて お知らせします。本号から細部の状況の記述については省略し、表形式から文章形式による報告に変更いた します。 1)作業報告 ILAS パリ会議 (Science meeting) に向けた Version. 03.47 プロダクト(テストバージョン)を、登録研究者 には 11 月 10 日に WEB 上において公開しました。短期間中に検証実験データとの対照イベント数百件につ いて処理を行うため、当バージョンによるガス濃度算出等の処理は ILAS-II の設備を用いて実行しました。 ILAS DHF のデータ処理用 High Performance Fortran コンパイラ XLHPF を Ver.1.1 から Ver.1.2 に、リリー スアップしました。また、ILAS-II DHF のデータ処理用 Fortran 及び High Performance Fortran コンパイラ XLF90, XLHPF を Ver.1.2.0 から Ver.1.3.1 に、リリースアップしました。 ILAS-II データ処理装置増設分の二次導入作業については、一部の装置の搬入は 9 月と 10 月に行いました が、最終的な接続及びインストール作業は、集中的に 11 月 19 日から 25 日にかけて行いました。ILAS-II における現行の並列処理用 12 ノード (CPU) に、新たにシリアルジョブ 4 ノードとパラレルジョブ 32 ノー ドが追加され、合計 48 ノードとなり、大規模ストーレッジシステムや高速 LAN との接続が完成したこと で、強力な処理能力とリアルタイム処理性能を獲得したことになります。 2)作業予定 ILAS の Ver.03.47 データを用いた Ver.04.00 処理に向けてのアルゴリズム確定作業の結果を受け、 Ver.4.00 によるデータ処理を開始する予定です。なお、計算機のデータ処理性能を考慮して、処理には ILAS と ILAS-II の計算機システムを相互に活用する方針です。 ILAS 装置の無停電電源装置用のバッテリー 2 個に不具合があるため、年明けに交換を行う予定です。作 業予定については、関係者に事前に電子メールでお知らせしますが、作業期間中、ILAS システムが一時的 に停止致します。 年末年始は、計算機システムは無人連続運転を行う予定です。Web 等のアクセスには特段の問題は生じな いものと思われます。 (林田、岩間、横田 記、12 / 1 受理) 4. ILAS-II 進捗状況報告 ILAS-II 搭載モデル (PFM) は、プロトフライト試験を実施中です。機械環境試験を宇宙開発事業団筑波宇 宙センターの設備を借用して実施しました。音響試験(141.5 dB、40 秒の音圧を印加)は 10 月 19 日∼21 日に実施され、外観、機能共問題ないことを確認しました。正弦波振動試験(周波数 5∼100 Hz、最大加速 2 ILAS NEWSLETTER No.40 度 10G (Z軸) で加振)は、10 月 22 日∼11 月 4 日に実施され、外観、機能に問題ないことを確認しました。 但し、ジンバルの共振周波数が僅かに低下しましたので、その影響に関してメーカーへ問い合わせをしてお ります。11 月 9 日∼11 日に質量特性測定試験を実施し、重量、重心及び慣性モーメント測定を行い、解析 と一致していることを確認しました。その後、性能確認のためのガスセル試験を開始しております。使用測 定機器等の初期トラブルもあり準備に手間取りましたが、現在測定実施中です。 全体スケジュールにおいて、熱真空試験を 1 月初めより開始する予定でありましたが、ADEOS-II バス機 器である EPS(電源系)の熱真空試験が遅れており、宇宙開発事業団と調整の結果、ILAS-II 熱真空試験を 約 2 週間遅らせることになりました。従って、その後のスケジュールが後ろにシフトし、PFM 納入・引き 渡しが 3 月末日となる予定です。 データ処理の立場から ADEOS-II 地上部との打合せも進んでおり、ADEOS-II 運用時期が太陽活動の活発 期にあたるため、観測要求に関わるコマンド発行頻度や平均軌道要素の提供頻度の増大等が運用の改善によ って対応されようとしております。 また、GPS データ異常時の観測時刻決めについても対処法を検討中で す。 衛星関連の ILAS-II / ADEOS-II インタフェース作業取り決め、インタフェース管理図面、打ち上げ後の運 用管理文書、地上部のミッション運用インタフェース仕様書、ミッション運用インタフェース作業取り決め、 地上システムインタフェース要求書等の文書の詰めも並行して行われています。 ハードウェアはだんだん大詰めに近づき、地上系は佳境に入ってきている所です。 (石垣 記、12 / 7 受理) 5.ILAS ニュースレター 40 号に ILAS ニュースレターは、本号で創刊以来 40 号になります。1991 年 2 月 20 日発行の和文の ILAS サイエ ンスチームニュース(英文名:ILAS Science Team News)としてスタート、途中、No. 19 からは ILAS ニュ ースレター(英文名: ILAS NEWSLETTER)と改称され現在に至っております。ニュースの英訳は、サイ エンスチームニュース No. 18 から作成され、広く海外の同学の士、にも送付されております。配布部数は、 当初、30 ∼ 50 部であったのが、計画の進展と共に増え、現在、和文ニュースは 215 部、英文版は 161 部に 達しております。 ILAS ニュースレター(旧サイエンスチームニュース)は、印刷物の他、ILAS HOME PAGE にも掲載され、 全号をブラウズし、ダウンロードする事が可能になっております。ILAS Project の歩みの記録として、将来 のプロジェクトへの一つの手本・反省の材料としても役立つものと、信じている次第です。皆様方の御意見・ 感想・研究の近況、などのご投稿をお待ちしております。 (飯田 記、12 / 7 受理) 6.News from the ILAS Project Leader (November 4 - December 3, 1998) 平成 8 年 8 月 17 日の ADEOS の打ち上げ以後、電子メールを利用して "News from ILAS Project Leader" の タイトルで、ADEOS および ILAS に関する最新情報を、ILAS プロジェクト関係者に提供している。これは また、WWW の ILAS プロジェクトホームページ(http://www-ilas.nies.go.jp/)にも転載している。これらを 紙面により周知させると共に、記録にとどめることを目的として、以下に再掲する(日付の新しいものから 順に掲載する)。 (December 3, 1998) This is just to remind you that the next ILAS Science Team meeting will be held on March 29 and 30, 1999 in Japan, and that we are now collecting requests from our overseas colleagues for travel supports to attend the meeting. If you are interested in and have not yet made contacts to us, please take your time to look at the News from ILAS Project Leader (November 26, 1998) that I sent you before and is also available at <http://www-ilas.nies.go.jp/ilasstatus/ProjNews.html>. (November 26, 1998) <15th ILAS Science Team meeting to be held in March 29 and 30, 1999> We would like to announce that the next (international) ILAS Science Team meeting will be held in March 29 and 30, 1999 in Japan, and all the ILAS Science Team members, the JRA-PIs, and the Validation Team members will be 3 ILAS NEWSLETTER No.40 invited to it. The main purpose of the meeting will be to discuss the latest results regarding validation analysis using Version 3.47 (or later) products, scientific analysis results, and future possible sciences using ILAS data. I think we could also report the status of ILAS-II project and ILAS-II follow-on mission. Please reserve your schedule for a trip to the meeting. We also would like to inform you that we have some but a limited amount of travel fund to invite foreign scientists to the meeting. The order of priority of the funding should be the ILAS Science Team (regular) members, the JRA-PIs for ILAS, the Validation Team members, and others. If you plan to attend the meeting in March and find a problem in getting travel expenses at your side, please contact me so that we may consider funding. As we have to fix our budget plan for this FY very soon, please do that by December 4 (JST). If you have any questions, please do not hesitate to contact us. (November 10, 1998) <ILAS Version 3.47 products with a new altitude registration now available> About 90 occultation event data corresponding to the CMDB registered data sets have been processed with a new version of software (Version 3.47). The newly-processed data are available on the ILAS home page in a digital form and as a graph plot. Plots for comparison between profiles of Version 3.47 and of Version 3.10, as well as a correlative measurement profile, are also available. Please check the readme file for Version 3.47 products before looking at the products. The biggest change from Version 3.10 is that sun-edge sensor data have been used for tangent height determination in Version 3.47 algorithm. As you will see, the profiles, in overall, have been much improved although some profiles look to have gotten worse agreements with correlative measurement data. Some species such as CH4, NO2, and CFCs still have problems. Processing with the Version 3.47 software is continuing, and the new products will be uploaded when made available. I would suggest you to visit our site regularly for the latest products. (November 4, 1998) <Updated Information on 2nd ILAS Paris meeting> Updated information on the 2nd ILAS Paris meeting has been uploaded on the ILAS web site <http://wwwilas.nies.go.jp>, which has newly included a draft agenda. As you can see, the schedule will be very tight because there are a lot of presentations planned, excitingly much more than we expected. If you have any comments or suggestions, please contact Mr. Shindow at <[email protected]> Please note that the venue will be CNES/HQ for both days (November 19 and 20). There will be no registration fees. Just inform Mr. Shindow at <[email protected]> of your plan of attendance if you don't find your name on the tentative participant list. [編集後記] 11 月は雨が殆ど降りませんでしたが、12 月に入ったとたんに雨天続きになりました。つくばの紅葉の盛 りも漸く過ぎようとしております。 ILAS パリ会議も盛会の裡に終了し、チームの皆様の元気な顔が揃い、みやげ話に花が咲いたのもほんの つかの間、また、目白押しの国際会議等に出席のため、不在がちになっております。 少し早いようですが、皆様、ご健康にお気をつけの上、よいお年をお迎え下さい。新年からの更なるご活 躍をお祈りしております。 (飯田 記、12 / 9 受理) 4 ILAS NEWSLETTER No.40 5 ILAS NEWSLETTER No.40 発行責任者 笹野泰弘 Tel. 0298-50-2444 Fax. 0298-50-2569 E-mail: sasano@nies.go.jp 連絡先 編集担当 飯田隼人 Tel. 0298-50-2460 Fax. 0298-50-2569 E-mail: iida-h@nies.go.jp 国立環境研究所 地球環境研究グループ 衛星観測研究チーム 〒305-0053 つくば市小野川 16 - 2 6
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