(第51期)中間決算説明会資料②

自動車メーカーのコスト削減要請と
わが社の対応
2006年12月8日
株式会社富士テクニカ
代表取締役社長
山村福雄
世界自動車マーケット概観と自動車メーカーの経営戦略
1.ビッグ3の凋落に歯止めがかからない
関連してデルファイ、コリンズ&アイクマン、タワー、デーナ、デュラ等
が破綻したが今後もTier 1部品メーカーの経営危機は続く
2.日本メーカーは増収
しかもほとんどのメーカーが増収・増益を予測
3.BRICs市場に力を入れ、LCCへの投資を積極化
BRICsに合致する新開発エコカー(小型グローバル戦略車)を投入
同市場での戦略車は全体の50%を占め、日米中での部品供給と
サポート体制の確立
4.部品メーカへの一層のコスト削減と短納期要請
世界自動車大手9社生産台数シェア推移
15%
14.7
13.5
12.3
14.4
13.8
14.5
13.3
12.5
9.6
8.2
6.8
5.8
5%
5.5
5.4
14.4
12.4
14.8
14.8
14.9
12.1
12.2
12.4
10.2
10.1
9.9
9.9
9.9
8.2
8.0
トヨタ
GM
12.0
11.4
10%
14.6
CSM Worldwide データより作成
11.0
9.4
10.3
8.0
7.9
8.8
8.5
6.0
5.6
5.2
9.7
8.2
6.4
5.6
5.0
6.5
5.6
4.9
7.7
7.4
6.9
6.4
6.3
10.5
7.9
8.1
ルノー日産
7.9
VW
6.2
5.9
5.9
5.8
5.9
5.9
4.7
9.4
FORD
4.5
4.5
5.9
5.8
4.3
現代
DCX
ホンダ
0%
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
プジョー
世界乗用車生産台数地域別予測
2005∼2012年
1,000台
アジア
2006∼2012までの増分
ヨーロッパ
2005時点での生産台数
3,418
19,946
10,523
23,364
(17.1%↑)
シェアー
32.0→
29.5%
32,822
(47.2%↑)
シェアー
35.8→
41.4%
北・南米
2,206
22,298
20,812
(11.9%↑)
シェアー
29.9→
26.3%
18,606
アフリカ・中東
829
1,399
2,228
(59.3%↑)
シェアー
2.2→
2.8%
CSM Worldwideデータより作成
BRICs4カ国乗用車生産台数予測
全世界合計
20000
(千台)
62,248
ブラジル
64,187
67,538
ロシア
70,431
インド
中国
73,671
76,191
77,774
4カ国シェア(右軸)
17,323
79,225 (千台)
50.0%
19,268
18,181
15,887
15000
中国
14,322
10,383
12,640
11,091
4カ 国計
10000
9,571(千台)
5000
1,369
7,982
5,787
4,737
15.4%
6,939
9,480
17.3%
1,602
18.7%
1,819
20.3%
2,202
1,256
1,374
1,434
1,536
2,210
2,329
2,449
2,602
9,873
8,778
21.6%
2,767
22.7%
3,142
1,674
1,863
2,668
2,838
23.4%
3,255
24.3%
3,552
25.0%
インド
2,005
2,129
ロシア
3,048
3,205
ブラジル
0
0.0%
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
CSM Worldwide データより作成
日本自動車大手8社 3ヵ年見通し
売上高
06/03
07/03
08/03
トヨタ
21,037
13.4% 8.0% 8.2%
ホンダ
9,908
14.5% 11.6% 6.1%
日産
9,428
9.9% 5.3% 6.4%
マツダ
2,920
8.3% 9.6% 6.8%
スズキ
2,746
16.1% 9.8% 6.1%
ダイハツ
1,348
14.6% 18.7% 3.4%
富士重工
1,476
2.1% 0.9% 6.0%
三菱自
2,120
△0.1% 3.8% 10.0%
向こう3年間、全社が増収、しかも
ほとんどの企業が増収増益
営業利益
09/03
06/03
07/03
08/03
6.6%
1,878
12.3% 17.1% 10.0%
6.0%
869
37.7% △4.5%
6.6%
872
1.2% △0.2%
4.4%
123
48.8% 28.0%
7.8%
114
5.9% 19.4%
6.0%
9.2%
9.5%
野村證券作成
金額単位 10億円
経常利益
09/03
7.9%
7.4%
06/03
2,087
19.0%
07/03
08/03
09/03
8.7% 10.1%
8.0%
815
24% △7.3%
7.7%
8.2%
9.1%
7.8%
7.4%
846
△1.1%
7.5%
101
38.9% 45.9% 13.5% 10.7%
7.4% 11.0%
7.8%
49
21.2% 11.0% 11.1% 11.7%
7.6%
58
38.8%△14.3% 11.0%
3.7%
7
- 6.9倍 59.6%
8.1%
1.3%
4.0%
119
8.9% 19.0%
7.7% 11.1%
50
27.2% 11.2% 10.7% 12.6%
47
7.3%△10.2% 32.1%
-18
-
25
-
2.2倍
8.1%
1.9%
自動車メーカー原価構成
価格220万円台乗用車基準
50%
∼
∼
自動車メーカーの
部品購入費が売上高の
50%近くを占める⇒
∼∼
∼∼
20
部品購入コスト抑えるこ
とが増益要因⇒
部品メーカーへの一層
のコスト削減要求
10
EBITDA
一般管理費
広告宣伝販売費
品質保障費
物流費
研究開発費
間接材料費
労務費
部品購入費
直接材料費
販売奨励金
富士テクニカ売上/粗利実績と予想
単位 100万円
2008/03
2005/03
2006/03
2007/03
4,518
272
6.0%
8,310
704
8.5%
6,322
840
13.3%
海外
売上高
粗利
粗利率
19,971
1,299
6.5%
10,681
148
1.4%
9,779
1,481
15.1%
全体
売上高
粗利
粗利率
24,489
1,571
6.4%
18,991
852
4.5%
16,101
2,321
14.4%
国内
売上高
粗利
粗利率
国内
7,316 売上高
846 粗利
11.6% 粗利率
海外
9,768 売上高
332 粗利
3.4% 粗利率
全体
17,102 売上高
1,261 粗利
6.9% 粗利率
●売上高は減少から横ばい傾向 ⇒ 値引き要求で単価が下がった結果
●未だ国内主体の売上構造になっていない
●2007年度は自動車メーカーの新車投入の6∼9ヶ月遅れと、一層の
値引き要求とで厳しい業績が予想される
金型製造原価構成
売上高
製造原価
売上高原価率
12,775
12,399
11,846
11,071
16,193
13,851
15,723
13,799
18,739
17,261
97.1
93.5
85.5
87.8
92.1
●
労務費
36.4
●
38.7
●
33.1
9.1
材料費
10.1
部品費 6.1
└ 3.2
11.3
91.7
(%)
100%
22.7
●
14,098(百万円)
12,933(百万円)
●
●
25.3
40.1
10.9
10.3
4.0
6.5
50%
17.1
5.5
6.6
65.1
外注費
47.4
50.1
44.4
59.8
36.3
0%
2001/03
2002/03
2003/03
2004/03
2005/03
2006/03
富士テクニカ技術の3施策
コスト削減・納期短縮に向けた
金型設計・製造技術の改革を推進
1.技術データの一元化
2.金型構造の標準化
3.3D化(Full Digital Engineering)
1.技術データの一元化
現状
富士生技
技術
富士設計
技術
部門間で技術データが共有されていない
設
計
生産技術
塑性検証技術
経験値ノウハウ
成形理論
金型構造実績
成形性
初期の品質向上
(精度90%以上)
技術データの一元化
玉成の削減
玉成回数1∼2回
富士プレス
技術
情報遅延による機会損失
不具合・非効率が多発
同じ失敗が繰り返されている
プレス技術
トライ結果
3部門の技術を串刺し
金型構造
初期品質の向上
(1型当り1件未満)
それぞれの部門で富士技術を共有
コスト削減
納期短縮
2.金型構造の標準化
・個人保有技術による構造方案決定
→多種多様の金型構造
・現場不具合のフィードバック不足
→同様の構造不具合の多発
・情報伝達不足による構造の相違
→設計工数の増大
・構造・製作方法の不統一
→製作期間の増大
金型モナカ論
標準化データ
アンコ部分
下型
カワ部分
上型
金型のカワ部分を標準化
大幅なコスト削減と納期の短縮を
可能にします
3.3D化 (Full Digital Engineering)
経緯
1998年 金型設計用3次元CAD導入
2000年 3次元ソリッド金型設計の実務適用
問題点
・プレス加工部の3次元形状作成による工数の増大
・検図用2次元図面の作成による工数増大
・金型製作用2次元図面の作成による工数の増大
設計工数の増大
2Dの1.2∼1.8倍
物造りのシステム、プロセスを変える
1
3次元ソリッド主体による一気通貫したプロセス構築により業務改善
2
DL構想設計からNC作成まで、デジタル情報を一元化し、D/Bを構築
標準化&自動化の実現
コア技術
客先データ
DL
DL
構想設計
構想設計
DL
DL
詳細設計
詳細設計
成形
成形
シュミレーション
シュミレーション
各プロセスでの
蓄積と活用
型構造
型構造
詳細設計
詳細設計
型構造ソリッド検図
干渉検査
強度解析
搬送シミュレーション
経験・ノウハウのD/B
3次元DLモデル≒NCモデル
現場実績値
型構造
型構造
構想設計
構想設計
プレス機
パネル測定
データ 玉成
材料
工数削減
型構造SOLID
納期短縮
標準部品 部分雛形
NC作成
NCデータ
一次加工 二次加工
トライ
部品手配
FMC手配
不具合防止
富士テクニカ技術の3施策
●技術データの一元化
●金型構造の標準化
●3D化
•標準化データによる金型品質の向上
•設計工数の短縮→30%削減
•金型制作コストの削減→20%削減
•金型制作期間の短縮→20%削減
•構造不具合の削減→80%削減
製造原価総額の
= 10%削減
約15億円
自動車メーカーと富士グループとの協働の促進
●一緒になって開発し、富士グループが製造する
●情報、利益、目的を両社で共有
●富士グループが自動車メーカーのパートナになります
■システム化(設計から生産まで一括発注)
■モジュール化(複合部品)して納入
■共同開発
設計
富士テクニカ
製品
自動車
メーカー
仕様
変更
+
部品
手当て
生産
Bメーカー
部品
富士テクニカ
グループ