平成27年11月19 日 発刊番号 42 - 012 COCKPIT 発行所/ANA乗員組合(APU) 教宣部 大田区羽田空港3-4-2 羽田空港第2 ターミナル TEL (03)6428-4383 FAX (03)6828-4386 Homepage :www.apu.or.jp APU42期 年末交渉 乗員配置に関する労使協議会を開催 -乗員配置に関する組合主張を行う - 11月10日、会社との労使協議会を行いました。11月4日には勤務に関する組合主張を行っていますので COCKPIT 11号を参照ください。 今回の労使協議会においては、乗員配置に関して、現場の機長、副操縦士の想いや不安感、そして問題点を、会社に 対し主張し、質疑応答を行いました。統合の過渡期以降の乗員配置について、今後の機長の人員配置についても、これ までの会社発信通りの対応がなされるかどうかという事を、組合として監視していきます。 【 質疑応答における、会社回答の重要なポイント 】 組)副操縦士の乗員配置という観点から多頻度運航をして、運航環境が厳しい路線に飛んでいる B3 やエアバスに副操 縦士がほとんどいない、抜けていく、この状況を会社としてどう考えているか 会)副操縦士の方々が機長昇格をされる中で求められる技倆を円滑に習得できる仕組み、自己の技倆管理をベースとし た上で、確実かつ効率的に習得できるものとして整理してきているものだと思います。ただその仕組み自体は、一度 決めてしまったらそれが最後かというものでも有りません、現行、副操縦士のエントリー機材を決めているといったこ とに関しても、【 最適な環境を整理していくものだと考えます 】、将来、中長期的な事業展開の方向性も見極めつつ 関係各所と検討なり話は継続的にしていくものだと考えています 組)エントリー機種含め、効果的な配置というものを是非考えていただきたい。この高稼働が続いている中、無駄な機種 移行というのは会社にとっても乗員にとってもデメリットであると思います。もっと長期スパンで計画的にやって頂き たい。 会)はい。今、言われたところについては 2 つだけお伝えをしておきます。【 課題認識は持っております。加えて検討課 題である 】という風に思っております。この 2 点だけはお伝えをしておきたいと思います。 【 執行部見解 】 エアバス、B3 における副操縦士が減少している中、これら2機種においては、副操縦士の技倆向上の為の離着陸経験 においても効果的であると考えられます。これらの機種から副操縦士が減少していく問題に対して、《会社として課題認 識をしており、今後の検討課題である》という発言がありました。また協議会の質疑応答を通じ、これまで会社が我々 に伝えてきた乗員配置に関わる考え方を再度確認し、それが大きく変わっていないという現状は再度確認出来ました。 今後上記の発言のもと、会社としてどのように対応していくのか組合として注視していきます。 COCKPIT42-012 1 / 5 【 質疑応答 】 統合の際の目的の一つであった、ANA が中大型機を中心に国際線運航を担っていくという中で、拡大する国際線 に対応する生産力を確保していくという考えが示されたと思っている、その考え方は現在も変わりないか、かつ、 今度の新中期経営戦略にはそのあたりもきちんと反映されるのか? 会)経営資源を最大限に活用して、事業拡充や事業環境の変化に適切に、安定的かつ柔軟に対応して、競争に勝 ち残っていく体制を作っていくことが主眼であり、ANA はグループの中核会社として中大型機の運航を担う会社。こ れまでも国際線を中心とする事業拡充に対応していくために生産構造の変革をはじめ、様々な施策をこれまで遂 行してきたと思っています。 基本的には中大型機、国際線ということを中心に ANA はやっていくという考えに変わりはなく、それも議論の中に 入っているとの事だが、一方で小型機が WINGS に移管される中、当面の間は小型機も ANA の中で担っていくとい う考えにあったと思うのですが、その役割も変わっていないということでしょうか。 会)はい。そちらにつきましても、統合時の各社の役割でしたり、現行の中期の経営戦略にもある、長期的には WINGS に対して、B3NG のすべてを移管させていくといった方針のもと、これまで移管を進めてきましたし、その間、 ANA においても当面小型機の運航を担っていくといった位置づけなり、役割というのは変わらないと思っていま す。 機長比率にしても、稼働バランスにしても若干いびつになっている、リバランスが必要な時期になってきているとい うのは分析している。新中期を出すにあたって、非常に良いタイミングだと思いますので、我々が長く安心して働け る為にも、1つの、あるいはいくつかの機種に、きつい稼働が偏ることなく、バランス良く配置して頂きたい。また、 恐らく機長の機種移行という話をしないと、各機種のバランスの話に繋がらないと思います。過渡期的取り扱いが 終了した後、APU 組合員の機長も必要性に応じて機種移行を行っていくと、必要性というのは何度言っている様 に、事業計画の必要性に応じて、APU 組合員の機種移行の可能性はあるということでよろしいですね。 会)これまでお伝えしてきた考え方が変わっているものではなく、その様に理解して頂ければ結構です。 特に B3 部あたりを包んでいるその閉塞感、会社統合以降、動きがない中で我々は勤務を続けてきました。その中 には、COP の将来の為、COP さんがまず B6 へ行って、機長昇格への道を作るというところで、私たちもある程度 納得して送り出してきたのですが、この過渡期が終わった以降、我々の将来性についてもビジョンを見せて頂きた い中で、残念ながら統合以来、数名の方が会社を辞められました。辞められて行った会社が ANA よりも給料が高 いとかなら納得するのですが、逆に給料が ANA よりも低い、かつ、管理職をされていたり、査察をされていたり、 いわゆる中心を担っていた方々が辞められたと。そのような現状を会社はなぜだと考えていますか? 会)皆さんから言われている将来のビジョンが見えない、将来展望が描けないと言う、繰り返しになりますけれども 何かこう確約できる話ですとか計画をお示しすると言うのは航空輸送事業を営む上で、柔軟性を待っておくことが 大事であるという話は、これまでもさせて頂いています、一方でその将来の方向性や乗員養成計画、取り巻く背景 に関しては、例えばホールディングスとの協議会であったり、こうした場を通じ、お互い向いて行く先であったりで すとか将来像について、認識の共有化を図っていきたいとこう言った想いは変わりません、こういったところに力を 注いでいきたいと思っております。 COCKPIT42-012 2 / 5 何も将来の事を確定させられないと、これは組合も理解しているんです。例えば今 10 年後こうなりますという事を 言えと言っても、それはもう無理だと思うんですが、だけれども、例えば小型機の移管の話は方向性はこうです よ、変わっていませんと言う割に進んでいなかったりする、これが進んでいればですね、将来的に小型機は ANA からなくなる、会社側が統合時にANKの乗員を使い捨てにはしません、ANAと統合したのだからANAの中で働く 事を前提と考えていますと、そうすると機種移行するのかということがあると思うんです。しかし、B3の移管が進ま ない。それの原因がどこにあるのかわからないと。言葉は悪いけれども、飼い殺し状態みたいになってくるわけで す。それで数年、我慢という言い方が適切かどうかはわかりませんが、将来がわからない中でも、どうなるんだろ うと思いつつ、きつい勤務をしていたりするわけです。B3だと人が入ってこない。これは過渡期だからという説明 だけは受けているんですが、これがあと何年続くのか、というイメージも無い。で、人は抜けていくんです。例えば COPについては二機種乗務という事があって。一例ですよ。そういう事を一つ取ってみても、当然閉塞感は出ると 思います。そういったことを、経営として認識してもらっているのか伺いたい。 会)皆さんのモチベーションが大切だということは会社として当然思っています、そのために各種戦略・施策を進め ていく上で、どうしてそれが必要なのか、必要性の理解、状況の認識。その上で、皆さんが納得性を持ってやって いく事で大きな効果が得られていくと思っています。今、具体的に挙げていただいたB3NGの移管ペース、具体的 に何年度にどうなっているということは、将来にわたる機材数、分担数といったところを確定的に申し上げることは 難しいという事はある程度ご理解して頂いているとは思うのですが、具体的に2012年度から移管を始める中で現 状どうなってきている、今年度の移管のペース、B3NGに関しては、移管がされない経緯というのは、B3-500 を急遽、需給適合の進化という形で導入した事、そういう説明をさせていただく中、できるだけ共有なり理解を求め てきたつもりでいます、そういったところをしっかりとやっていかないと、皆さんの理解、施策を進めるにあたっての 納得に繋がっていかないというところはご主張いただいたとおりと思います。引き続きそういうところに関しては意 見をいただいてお伝えできる範囲の中で、しっかりとお伝えしていきたいと考えています。 個人のモチベーションや組織の活性化という話があったと思いますが、その中で、B3の組織を活性化させるため に、人材を流動させるという観点から、例えば他の機種から、機長をB3に移行させるといったような話だとか方向 性はありますか。 会)まだ細かい部分について議論ができる状況でなく、全体の方向感として、次の3年から5年、すごい環境変化と 前提にしなければならない要素があまりにも多く、そういった中で、新中期の議論で、最終的に価値創造目標、利 益目標に対してどういう事業、どういう機材を使ってといったところまで進捗をしてくるわけで、中期のビジョンとして、 細かい話は、今は無理だというのは皆さんおわかり頂いていると思うんですけど、少しトレンドとしてどういったこと になるのかというのは、言えるのかどうかは別ですけど、皆さんに、そのへんも含めてお話できないかと、我々も 悩んでいるので、その中で、考え方の整理と、来年度直近の中での実行計画をどうしていくのかという事をこの後、 順次お話していくタイミングが出てくるのかなと思っています。今の段階では課題認識、検討材料ということ以外に 内容についてお話できる事がないというのは我々も苦しいのですが正直なところです。 新中期に向けて、ウイングス以外の出向先というのは考えられるところはあるのか?議論状況を含めて何か? 会)現状そのウイングス社に対して、組合員の方でも 67 名、現時点で出向していただいているのが。全体で見ると その乗員養成配置計画の中でお示ししているようなパートナー会社も含めたところで言うと 10 社に出向を出してい るわけです、グループ内、パートナー各社。そういった機関要員としての人材派遣依頼というのがあるというのは 事実ですし、今後もそういった求めが高まっていくんだというふうに思っております、一方で、今申し上げた、皆さん との関係において、今後何か具体的に新たな出向先とかを、現時点で考えているわけではありません、仮に何か そういった新たな必要性ですとか、お伝えすべきことがあれば、また話をさせて頂きたいと思っています。 COCKPIT42-012 3 / 5 スカイマークとの提携があると思うのですが、B3を多く運航している会社なので、そこら辺がもし、議論の議題に 上がっているようであれば、教えて頂きたい。 会)スカイマーク社に対する、運航乗務員の発出ということに関しては、現状白紙だと思ってます、具体的な話はあ りません。 出向の役割に関して、現状、管理職の方が出て、査察だったり、いわゆる役職でしょうか、教官だったりという少数 数名ずつ出ているんですが、依頼を受けている中で、乗員不足で、稼働乗員が必要だとか、そういった部分、いわ ゆる目的の部分を含めて、どういう依頼があるのか、乗員不足という中で、そういったところの依頼っていうのもあ るのか。稼働要員として来てもらいたいという依頼もあるのか。ウイングスが稼働要員としても必要な部分があっ たりとかするのでは。 会)ウイングスは、グループ内というか、ブランド内にある会社として、拡大して自立化していくことが、グループに とっての利益とブランドにとってのメリットがありますので、そういった意味でウイングスの拡大、自立化に資する支 援というのをこれまで続けてきていると思います、一方でパートナー会社といわれる会社に対しては、何か、稼働 支援のために人を出すというのは、その、ビジネス上の付き合いをしていく中で、必要がある部分、今も言いました ように、具体的な資格といった部分のニーズであったり、組織運営、技量面の所でというところでの支援依頼という ふうな事だと思いますし、そこに対して当然、出向を出す側の ANA として、まずは自分たちの会社の事業計画をし っかり回して、組織運営をしたうえで、そういった支援依頼に対して、どこまで答えていけるかということになると思 います、そこはきちんと関係各社との間での整理は出来ていると思っています。 副操縦士の 2 機種乗務の部分ですが、現在APU の副操縦士の機種移行先は B6 だけなんですけども、ここについ ても新中期、今後の方向性としては何か新しい考えをお持ちでしょうか。もしくは検討課題として挙がっているので したら教えていただきたいと思う。 会)現行の機種移行先が B6 になった経緯なんかはこれまでもお伝えしてきているので、あえて長々とお伝えする 気は無いんですが、一方で今後の取り扱いについて、これも今日の場で具体的とか新たにお伝えできるものは無 いんですけども、今後の事業環境ですとか今ありました育成環境なんかを鑑みる中で、来年度以降の取り扱いな んかに関しては、また皆さんに適切な時期にご説明できるようにしていきたいという風に思っている。 過渡期以降は出身会社を問わず、必要な機材に移行なりして頂くといった事を会社は発信しているわけですが、そ の認識は、まだ変わっていないということでよろしいですか。 会)2013年の同じような年末の時期に、特に機長の機種移行については、やり取りをさせて頂いたと思います、 そこの中で確認していただいた内容があると思います。機長の機種移行に関しては、その時にお伝えしている、事 業計画、機材計画、乗員配置計画上の観点を総合的にふまえ、必要な機種移行を履行計画していくと、ここに関し て、出身会社だとか、所属組合、そういった事によって左右されるものではない会社の基本的なポリシーだという 事をお伝えさせて頂いています、その考え自体、今も変わりませ。いわゆる過渡期的取り扱いが明けた以降も、そ の考えに基づいて、進んでいくと思っています。 COCKPIT42-012 4 / 5 新中期や、これからの乗員養成配置計画含めた考えの中で、モチベーションをどういう風にとるかというのは、い ろいろな考えがあるとは思います。この人はこのライセンスを持っているからこの飛行機、といった簡単なパズル や組み合わせではなく、元々ANAで副操縦士がやっている2機種乗務、APUは1機種のみの乗務の機長も大勢い る中での不安感や、個人に与えられるライセンスですけども会社の人事発令によって移行し、ライセンスを取得し ている、3機種持っている人もいれば、1機種の人もいるという事も、会社の責任として、平等に配置していくという のも、一つのモチベーションであると思います。先程出た退職者の話も、一個人の理由があってという事ではなく、 会社としてみれば、非常に大切な人材を無くしたという意識をより持って頂いて、我々からしても、経営からしても、 本当に良い会社で働き続けたいと思わせるような土壌をお互い作っていくという事が非常に大事だと思っていま す。今までANAの中で、退職者がでることは無かったと思います。いろいろな労働条件含め、環境面含め、ただ他 社においては現在人材が流出している中、労働条件をあげていく動きがあったりですとかしています。非常に惜し い人材を無くす前に、ANAとしても人材を確保しながら共に歩んでいける環境が作れればと思っています、そのあ たりも、次の計画の策定にあたり、考慮して頂きたい。 会)いろいろなやり取りをしている中で、足元の環境として、今ある課題を認識されている。それから将来不安、今 後どうやっていくのだろう、こういった不足面も合わせ、ご主張を頂いているんだと思います。その一つの観点でこ ういったやり方もあるのではないかと言ったご意見を頂いたと思っているのですが、今のタイミングで具体的に何 か申し上げるのが難しいというところを十分ご理解頂いた上、今後次期中期ですけれども、5 年未満を目指してとい うことも共有させて頂いてます、そういった方向感は 1 月末から、2 月の中旬くらいに、それから当然足元の皆様と の関係からいくと、大きな要素を占める乗員養成計画というのもだいたい 3 月の前半くらいには共有させて頂きた いと思っています。その手前に段階でもこういった情報共有であったり、出来るような工夫を引き続き会社としても 悩みながらもやってまいりたいと思いますし、先程組織の活性化といったところもありましたが、ある意味機種の移 行のお話しであったり、人材の入れると言ったお話し、そういった側面も当然あるのだと思いますけども、それ以外 のまさに組織としての、前回勤務のお話しもありましたけれども、運航乗務員皆さんであったり、スタッフであったり スケジューラーであったり、組織運営の全体の色々なお話もあると思うので、我々としても組織全体が活性化して いく事は、良い事だと思っていますので、そういった観点からも会社として悩みながら、また皆さんと意見交換をし ながら色々な案を模索していきたいと思います。 COCKPIT42-012 5 / 5
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