News Release 2006 年 7 月 3 日 株式会社テクノアソシエーツ 報道関係者各位 テクノアソシエーツ発行レポート 「デジタル家電・特許マップ−ディスプレイ技術編」 - FPD の技術動向を、「特許マップ」で知的財産の観点から徹底分析 - 三菱商事と日経 BP 社が共同出資し、テクノロジーをコアとする事業の成長戦略・知財戦略の 策定・推進を支援するコンサルティング企業 株式会社テクノアソシエーツ(本社:東京都港 区、代表取締役社長:高野一郎)は、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)の主要技術(「液 晶」・「プラズマ」・「有機 EL」・「電界放出」、「リアプロジェクション」)の最新動向を、関連す る国内出願特許、約1万件から網羅的に分析し、その成果を「デジタル家電・特許マップ−ディ スプレイ技術編」としてまとめました。 競争激しい FPD 業界の技術動向の全体像を、定量的に把握する試み FPD 分野は、市場創生期よりパネルから製造装置、部品・材料にいたるまで、数多くの日本 企業が参入する技術的にも競争力の高い分野であり、FPD の各技術はテレビ・パソコン・携帯 電話をはじめ、デジタル家電、情報通信機器の中核部品として様々な用途へ広がっています。 中でも液晶ディスプレイ分野では、日本・韓国・台湾のパネル・メーカー各社が、技術革新に よるガラス基板の大型化と、大規模な設備投資による生産ラインの拡充により、急速な低価格 化を実現。その結果、2005 年度には、液晶テレビの国内出荷台数が年度ベースではじめてブラ ウン管を上回りました(電子情報技術産業協会)。今後も、薄型テレビ市場の需要は、2008 年 には 7,000 万台、2010 年には 1 億台(テクノアソシエーツ:「LCD パネル・メーカーの事業戦 略研究 2006」)と、世界規模での拡大が見込まれており、FPD 関連企業による技術開発競争はさ らに激しさを増すことが予想されます。 しかしながら、FPD 分野は特許出願件数が他の電子分野と比べて多く、参入企業も多岐にわ たるため、技術動向の全体像を 定量的に 把握する試みは難しく、今まで殆ど行われてきま せんでした。そこで今回、特許マップ(三菱総合研究所が独自に開発した「ぱっとチャートTM」) を用いて、約 1 万件にも上る FPD 関連の国内出願特許を網羅し、マクロ的視点とミクロ的な視 点でその技術動向を分析しました。「特許マップ」とは、特定分野の特許を一度に取り扱い、分 野横断的な技術の繋がりや参入企業を、特許明細書の類似性からクラスター化し、周辺領域も 含めてその分野の全体像を把握することができる、技術動向の可視化ツールです。 猛追する東アジア企業と、日本企業が選択すべき道 主要出願人別出現頻度の比較結果を「液晶」、「プラズマ」「有機 EL」など全方式にわたり大 局的に見ると、概ね特定の方式に注力する日本企業とは対照的に、韓国・台湾勢、特に韓国サ ムスングループが、近年、各方式の技術領域に対して出願を積極的に行っていることが分かり 1 ました。 液晶ディスプレイ分野の動向を例にとると、同グループの出願状況は 2000 年(公開年ベース) 以降に急増し、ほぼ全ての技術領域に渡っていることが分かります。素子や材料といった基礎 技術への出願も少なくなく、 「国産メーカーが基礎技術を開発」、 「韓国・台湾メーカーが周辺技 術を開発」という従来の分業の図式はもはや存在せず、技術格差は小さくなっていると言える でしょう。このような短期間に幅広い技術領域で多数の出願を行ってきた背景からは、同グル ープの市場シェア獲得に向けた膨大な研究開発投資と、グループ全体で形成しつつある強力な 特許・技術ポートフォリオの現状とその狙いを垣間見ることができます。 逆に、同分野で日本企業が市場競争力を獲得するためのヒントが、基礎的な性能向上技術に あることも、今回の特許マップによって明らかになりました。この技術領域は、サムソングル ープの出願空白領域であり、「表示品位の向上」に関連した特許を筆頭に、「低電圧化」・「処理 時間短縮」・「低コスト化」といった効率を重視した特許、続いて装置自体の軽量化・薄型化・ 耐久化を目指している特許が目立ち、家電リサイクル法の施行に合わせて、液晶装備製品の廃 棄、再利用に関連した特許出願も揃っています。このような技術領域で、これまで積み上げた 技術の精度をさらに磨いていくことが,日本企業が選択するべき道と言えるでしょう。 デジタル家電・特許マップ−ディスプレイ技術編 (http://sangyo.jp/ri/digital_map/display/) 【発 行】 【企 画 ・著 作 協 力】 【発 売】 【発 行 日】 【頁 数】 【定 価】 株式会社テクノアソシエーツ 株式会社三菱総合研究所 日経 BP 社 2006 年 7 月 3 日 分析編(書籍:A4 判、148 ページ、白黒) 資料編(PDF/CD-ROM、287 ページ、カラー) ※ただし分析編のカラー版データを含む 249,900 円(税込) <解説セミナー開催について> ●日 時: 2006 年 7 月 12 日 13:00‐16:30 ●会 場: 東京・海運ビル 2F 大ホール <株式会社テクノアソシエーツについて> テクノアソシエーツは、三菱商事と日経 BP 社が共同出資するベンチャー企業です。 三菱商事の持つ豊富な事業ノウハウ・国内外ネットワークと、日経 BP 社が持つ高度な専門情報 の収集・分析力を融合させ、技術を核とした事業開発に関して大企業・業界コンソーシアム・ 政府・ベンチャー企業などを対象にコンサルティング/マーケティング事業を行います。三菱商 事の事業開発・リスク管理能力や中国等海外への進出ノウハウと、日経 BP 社が技術系専門媒体 の出版社として培ってきた経験と人材等を活用した技術戦略/知的財産戦略/海外戦略をコアに、 事業戦略/マーケティング戦略/広報戦略等を策定・実施することを特徴とします。2005 年 11 月には、調査研究レポート「LCD パネル・メーカーの事業戦略研究 2006」を発行しました。 URL:http://www.technoassociates.com/ 2 <参考資料> (「デジタル家電・特許マップ−ディスプレイ技術編」より) 液晶ディスプレイ関連特許に占めるサムスングループの位置づけ(赤いクラスター)と日本企業が守る べき領域(青い点) 液晶分散高分子 フィルム 強誘電性液晶表示 素子の製造方法 マルチ液晶表示 装置 液晶注入用装置及び これを利用した液晶パ ネルの製造方法 駆動印加時点決定モジュール及び これを含んだ液晶表示パネルアセン ブリとその駆動方法 デジタルスチルカメ ラ 広視野角モード 用液晶表示装置 とその駆動方法 日本企業の比率が高い領域の主要クラスター クラスタ No. 中心特許の発明の名称 20 空間光変調素子及びその製造方法 27 表示装置 : 周辺回路のコストを上げることなく、縦縞による表示品位の低下を 抑制する。 54 高分子分散型液晶表示装置及びその製造方法 .84 液晶素子 : OCBモードの液晶素子において、ベンド配向処理にかかる時間短 縮或いは低電圧化を図る。 3 <目次>(抜粋) 0.はじめに 0.1 イントロダクション 1.分析の基本的な考え方 1.1 取り扱う範囲・方式 1.2 分析方法 1.3 特許マップについて 2.FPD 分野における特許出願動向(5方式全体) 2.1 母集団の抽出 2.2 方式別特許出願件数の推移 2.3 方式別出願人出願頻度 2.4 方式別主要出願人別出願頻度の比較 3.液晶方式 3.1 液晶方式:知的財産から見た研究開発実施状況 3.2 液晶方式:特許マップから見た各社の狙い・脅威の状況 4.プラズマディスプレイ方式 4.1 プラズマディスプレイ方式:知的財産から見た研究開発実施状況 4.2 プラズマディスプレイ方式:特許マップから見た各社の狙い・脅威の状況 5.有機 EL 方式 5.1 有機 EL 方式:知的財産から見た研究開発実施状況 5.2 有機 EL 方式:特許マップから見た各社の狙い・脅威の状況 6.電界放出方式 6.1 電界放出方式:知的財産から見た研究開発実施状況 6.2 電界放出方式:特許マップから見た各社の狙い・脅威の状況 7.リアプロジェクション方式 7.1 リアプロジェクション方式:知的財産から見た研究開発実施状況 7.2 リアプロジェクション方式:特許マップから見た各社の狙い・脅威の状況 【本件に関するお問い合わせ】 株式会社テクノアソシエーツ 池田 TEL:03-5545-1720 FAX:03-5545-1721 E-Mail:[email protected] 4
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