Review Stroke Biomarkers: Progress and Challenges for Diagnosis, Prognosis, Differentiation, and Treatment Amy K. Saenger1,a and Robert H. Christenson2 1 2 Department of Laboratory Medicine and Pathology, Mayo Clinic, Rochester, MN; Department of Pathology, University of Maryland School of Medicine, Baltimore, MD. a Address correspondence to this author at: Department of Laboratory Medicine and Pathology, Hilton Bldg. 370, Mayo Clinic, 200 First St. SW, Rochester, MN 55905. Fax 507-538-7060; e-mail [email protected]. Clin Chem 2010;56:21-23 脳卒中のバイオマーカー:診断、予後予測、識別および治 療に向けての進歩と挑戦 概要 背景:ストロークは、壊滅的広範囲な病態である血栓症、出血および塞栓症を含んでいる。 ストロ ークの現在の診断は、もっぱら医師の臨床診断に依存し、様々な神経画像検査技術で補われている。 単一か複数パネルの血液バイオマーカーを用いることにより、急性期ストロークの診断、ストロー クのタイプの識別、初発/再発ストロークの予測をすることが、非常に重要と考えられる。 内容:我々は、いろいろな臨床研究にて見出された新しいバイオマーカー(単一のマーカーあるいは 複数パネル・マーカーのいずれか)に注目して、現在のストロークの分類、診断、および治療につい て議論する。 1 要約:現在のストロークの診断に、迅速(理想的には POC キット)、正確、鋭敏に検出可能なバイオ マーカーによる測定法が不足しているため、その進歩の遅れが目立っている。 この分野はより一層 の開発並びにその臨床使用への研究が強く求められている。新しく見出されたバイオマーカーを用 いて、急性期ストロークの臨床評価を迅速、的確に行うことができれば、患者の予後および生活の 質を著明に改善することができる可能性が見いだされるであろう。 序文 欧米においてストロークは、虚血性心疾患および癌に続く、疾病および死亡の 3 番目の主要原因で ある。世界的には、5000 万を超えるストローク患者および一過性脳虚血発作(TIA)の生存者がいる 1。 5 人の生存者のうち 1 以上は、発症後 5 年の間に再発作に苦しむことになり(1)、それは経済と ヘルスケア・インフラストラクチャー上の巨大な負担を生むことになっている。 最近の査定によれ ば、直接および間接費を含むストロークの全世界での経済コストが、およそ 6 兆 8900 億ドルであ るといわれている(1)。米国だけでも、重度の不具合に生きる推定 5-600 万人のストローク生存者が いる。ストローク生存者の 15%-30%は、生涯の不具合に苦しんでおり、また、20%の犠牲者はス トローク発症後、3 か月以内に施設による保護が必要とされている(1)(2)。 ストロークの危険には、様々な人々がさらされている。つまり、ストロークは犠牲者の 3 分の 1 が 65 歳未満にあるので、もはや高齢者に限定された疾病ではない。白人と比較して黒人は、2 倍のス トロークのリスクがあり、女性は男性より大きなストロークのリスクがあるとされている。米国で 2005 年には、ストローク死の 60.6%を女性が占めた;発生率の増加は主として寿命の延びによっ ている(1)。しかしながらそれらに加えて、同時かその以前に心筋梗塞、凝固障害、周辺の抹消血管 障害、高血圧症、心房細動あるいは糖尿病を含む炎症性・血管のリスク要因がある場合、誰でもス トロークを引き起こす危険状態にある。 ストロークの分類 ストロークという用語は、血栓症、塞栓症および出血を含む幅広い範囲の病態を含んでいる。一般 的には、ストローク総数のおよそ 85%を占める虚血性脳卒中の、虚血性か出血性のタイプとして分 類される(1)(3)。虚血性脳卒中は、主として頭蓋内の血栓症、あるいは頭蓋外の塞栓症のいずれかに よって引き起こされる。 頭蓋内の血栓症の大部分は、アテローム性動脈硬化症による。しかし、頭 蓋外の塞栓症は、一般に同時発症した心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、心内膜炎、心房細動、拡張型心筋 症あるいは鬱血心不全により、頭蓋外の動脈、あるいは心筋由来の原因により発生する。脳出血は 脳出血(ICH)あるいは、くも膜下出血(SAH)のいずれかとして、分類することができる。ICH は弱く なった大脳の血管に始まり、血管を破裂させて柔組織的な大脳のスペース内に、局所的な血腫を形 2 成する。SAH では、出血が脳の外部で生じて、大脳の脊髄分泌液(CSF)へ分泌される。一般的な ICH と SAH の原因は比較的似ており、ともに高血圧症、外傷、薬物使用あるいは血管の奇形等を 含んでいる。 「ミニ・ストローク」として知られている TIA は、虚血性脳卒中に似た神経細胞の損傷部位を誘発 するが、歴史的には 24 時間以上続く現象として定義された(4)。しかしながら、大多数の TIA が、 1 時間以内に終了することはよく知られている(5)。また、90%は、4 時間後には完全に終了する (6)。したがって、米国心臓病学会は、TIA が、単にこの様な時間点に基づいて定義されるべきでは なく、梗塞のない中枢神経組織虚血の一時的な発現があるかどうかによる判断に基づくように勧め てきた(4)。この定義は論争の的になっているが、TIA は虚血性脳卒中の中でも、短期間で心血管系 イベントおよび死につながる危険性の高い予兆であるので、TIA の正確で迅速な診断は、非常に重 要と考えられている。このリスクは、血栓溶解療法の初期の適用を通じて緩和することができる。 リスクの段階的評価を巡る詳細な議論と同様に、TIA の診断もこの総説では議論しないが、別の機 会でなされるであろう(4)(7)。 最後に、用語「ストローク様」とは、ストローク(表 1)の症状や徴候によく似た、様々な異常を含ん でいるため、このように表現されている。最も一般的なストローク様としては、緊急時で頻繁に遭 遇する 2 つの臨床症状、つまり低血糖症と発作がストロークと良く似ている。ストローク様は、ス トローク犠牲者の最適な管理に必要な、迅速診断および治療を困惑させることがある。 表 1 ストロークに酷似した臨床症状[Adams ら( 7)] ストローク病態生理学 3 虚血および脳出血の間に多くの類似性、および違いが認められているが、ストロークの病態生理の プロセスにて見出されてきた複雑さは限りなく多い。虚血性脳卒中は、虚血のカスケード(図 1)と呼 ばれる脳虚血で生じる一連の確立されたイベントにはじまる。 各イベントの発症する全面かつ実質 的なタイミングは様々で、梗塞サイズ、虚血の発病および持続時間ならびに再環流の有効性に依存 する。虚血イベントは徐々か、突然の大脳の低灌流で始まり、細胞内エネルギー輸送の失敗、励起 毒性、酸化ストレス、blood-brain 障壁機能障害、微小血管の傷害、止血の活性化、炎症および最 終的な壊死を含む結果として、神経、グリア細胞、血管内皮細胞の壊死をもたらす (8). 虚血性脳卒 中の際の blood-brain 障壁の異常は、虚血再環流に対する積極的な対応として、二相の相異なる現 象であるように見える。 虚血性脳卒中の最初の 24 時間以内に、blood-brain 障壁の浸透性が増加 され、さらに梗塞の後の 48-72 時間で、一層の障害が生じる。 図 1 虚血カスケードによるイベント発症のタイミング [Brouns および De Deyn 8]より引用; Elsevier からの許可取得済み。 大脳内の脳出血の主な原因は、慢性高血圧症に起因して弱くなった血管である。また論争があるい は抗凝固性使用の増加にもかかわらず、ICH の頻度に実質的な増加はなかった。 ICH 発症の徴候は 4 もっと迅速かもしれないし、ゆっくりかもしれない。また、臨床症状は、血腫の大きさ並びに広が りに高度に依存する。ICH 発症後、最初の数時間内で浮腫の程度が変化し、血餅の縮小に伴い周囲 の組織へ、浸透圧により活性化されたタンパク質を放出する(9)(10)。2-3 日後まで、凝固系カスケ ードの活性化は続いて起こり、トロンビンの生成と全身炎症反応が進む。続いてニューロンのヘモ グロビン毒性が認められ、最初に発症した ICH の数日後に、赤血球の溶解が起こる。脳出血ストロ ークのバイオマーカーの発見への挑戦は、出血後数時間は大きな分子に対する blood-brain 障壁の 障害の遅れを含んでいる。血腫ボリューム(8-12 時間後の平均)がかなり大きくなってはじめて、 blood-brain 障壁の浸透性の高まりにより、潜り抜けた脳特有のタンパク質を実質的に測定できる ようになるであろう。 大脳生理学に関する知識の不足と、関連した脳組織の複雑および多様性が、現状のストローク特有 のバイオマーカーの不足の原因である。 ストロークの臨床診断 ストロークの臨床診断、識別および治療法は、正確な病歴および患者の体調の状況を把握すること に基づいている。スピーチ障害の突然の発症および病巣の脆弱さは、虚血・脳出血の両方の有力な 徴候である。ストロークの疑いのある犠牲者に慣例的にさらされたプライマリーケア内科医の場合、 ストロークの診断の精度は 92%であることが明らかとなった(11)。しかし経験あるいは信頼性のよ り少ない内科医においては、それほどの診断精度を期待できない(12)。心筋梗塞と比較して、スト ロークの治療に効果的な時間が数時間と非常に狭いように、急性時のストローク犠牲者の迅速な診 断は、血栓溶解療法の適切な使用において決定的である。 臨床家の診断の一貫性を支援するために、 5∼8 分以内に終了する 42 ポイントの国立衛生ストローク研究所(NIHSS)規格が開発され、設計さ れた(7)(13)。NIHSS は、脳卒中患者の神経細胞欠損状態を測定し、合併症の進展の予後予測を評価 する。NIHSS はまだ、患者の予後の独立した改善値を実証してはいない。 ストロークにおいては二種類の徴候が本質的にオーバーラップするため、神経画像検査は虚血性脳 卒中と ICH を識別しうる、ただ一つの利用可能な手段のままである。出血が大脳外の SAH 患者は、 しばしば病巣のサインあるいは徴候がない場合があることがある;しかしながら、ICH 患者は突然 の発病に伴う、極端で極度の頭痛を伴うことが一般に知られている。 ストロークの診断基準は、そ の代りに、もっぱら放射線診断による異常の判定(表 2)並びに臨床評価に依存して、特定の血液バイ オマーカーを使用してはいない。 5 表2 急性時ストロークの評価に使用される診断法[Adames ら (7)] イメージング技術 現在様々なイメージング技術が利用可能であり、新しい研究成果により脳卒中患者のより早期治療 の可能な機会に結びついている。初期の神経イメージング研究の主要なゴールは、出血性または虚 血性脳卒中を識別するか、ストロークかストローク様かを適切に判定することであった。脳のイメ ージングから得られた多くの重要な特徴、例えば初期の梗塞巣の検知、ストロークの原因である病 変部血管の分布の程度、あるいは梗塞の部位並びに重症度の確認が、最終的な治療方針あるいはオ プションの決定に寄与している。コンピューター断層撮影(CT)および核磁気共鳴映像法(MRI)は、 ストローク犠牲者の急性期診断に日常的に使用されている。 CT の主なる利点は、その広範囲の有用性およびスキャン走査を適時行なうことができる点である。 過急性の過程では、非差異 CT(NCCT)法が、標準的な神経画像検査技術として広く認められている。 また NCCT による診断は、大脳の病巣部か急性出血を検知するために、病状の安定した後にすべて の疑わしい脳卒中患者に一般的に行われる(7)。より新しいマルチモーダル技術(NCCT は環流イメ 6 ージングおよび血管造影法と結合)が、NCCT のいくつかの欠陥をカバーするために使用されている。 つまり、十分に血管の閉塞や側副循環の程度や、初期虚血に対する感度を視覚化することができな いので、虚血性ストロークを正確に診断するのには十分な診断的感度がないからである(14)。 新しい画像診断として、一般的な方法でマルチモーダルの CT 使用に挑戦している。急性時ストロ ークでは、MRI diffusion-weight imaging (DWI)技術は、様々なストローク・サブグループ分布を 識別し、一貫して NCCT(それぞれ 95%-100%対 42%-75%)と比較して、ストローク発症後の早期に 優れた感度をしめした実績を持っている(15)(16)。MRI はすべての TIA の半分を、検知しうること が示された(17)。MRI-DWI 技術により、さらに治療を必要とする脳卒中患者の追加情報を得ること ができる。 Schulz ら(18)はストロークか、TIA の疑いおよび症状発症から平均 17 日を経た 300 人 の患者に前向観察試験を行なった。 このコホートでは、MRI-DWI の使用によって、患者のうちの 42 人(14%)に、診断名の変更あるいは病巣血管の領域が解明され、管理の方法が変更された。MRIDWI は、さらに急性虚血性脳卒中の診断を補助した。また、ベースライン MRI スキャンによりみ だされた多数の DWI 病変の存在は、初期の病変再発リスクの増加に関係していた(19)-(21)。MRIDWI にて検出される多数の病巣の存在は、病巣の生成時にかかわらず、将来の虚血イベントの独立 した予測因子であった(22)。 MRI に技術により診断は改善されるが、型通りのやり方ではスキャナの高いコストと有効性の限界 が知られている。この方法で現在できる推薦は、NCCT による検討と同じ時間内で終わることがで きる場合のみ、血栓溶解療法に該当する患者の MRI の使用を支持している(7)。MRI スキャン・タ イムの短縮は活発な研究対象であり、15-20 分から 5 分以内まで時間に短縮するプロトコルが開発 されている (23)(24). 神経イメージングの分野での進歩にもかかわらず、CT と MRI に移行するには限界がある。イメー ジングは現在重要なロジスティックスとして、測定法および臨床の評価のために十分な時間を必要 とする。さらに、放射線像の解析は個体内変動があることが知られている(25)-(27)。バイオマーカ ーとは対照的に、CT または MRI スキャンを行うために要求される設備は、それにより本質的に価 値のある有用な情報を提供できなければ、決して許可にならないであろう。 ストローク治療への介在 できるだけ大脳の組織の損傷を救うために、有効な血栓溶解療法をはやめに始めなければならない。 静脈への組のみ換えの組織プラスミノゲン活性化因子(rtPA)は、1996 年に米国食品医薬品局(FDA) による承認以来、急性時ストロークの治療を革新し、その時の血栓溶解に一貫して使用されてきた。 血栓溶解療法の最適の期間は、徴候の発症から 4.5 時間以内である(28)。したがって、診断時間の 重要性は決定的である。 さらに、rtPA 使用の禁忌の患者の広範囲なリストがあるが、最も顕著な 7 禁忌患者としては、発作 3 か月前にストローク/外傷あるいは心筋梗塞があった場合、あるいは発作、 高血圧症、低血糖症、SAH の症状、あるいはイメージングによる ICH の証拠、あるいは血小板数 減少を伴う患者である。 米国では、虚血性脳卒中患者の約 22%は、3 時間以内に救急科に入院するが、それらの患者の 8% だけが rtPA 治療の基準内容に合致する(29)-(31)。イメージング検査をする前に、利点がリスクを上 回ることが示されている rtPA 治療可能な患者への処置が、遅れないようにすることが強く勧めら れている(7)。ストロークをより早期に、あるいはより確実に診断することができれば、治療のオプ ションは非常に改善されるかもしれない。更に、もし ICH が虚血性脳卒中と誤った識別され、血栓 溶解療法を間違って投与されれば死に至るので、虚血性脳卒中と ICH の絶対的な識別に基づいて治 療が介在する分野である。 ストローク・バイオマーカーの必要性 脳梗塞バイオマーカーは、特に神経画像検査で見つかった病巣が、梗塞巣かどうか曖昧に見えるき わどい場面で、ストロークの鑑別診断および予測を覆したり、確認したりする可能性を持っている。 バイオマーカーの発見の難しさは、ストロークや精神的外傷の後に、blood-brain 障壁を超えて分 泌される神経膠・ニューロンのタンパク質の放出が、時間的に遅いことである。さらに、現状の脳 虚血マーカーは、診断特異性を欠き、様々なストローク様病態で増加することが知られている。理 想的なストローク・バイオマーカーは、梗塞の診断的特異性および感度特性をもち、虚血性脳卒中 と出血性の識別、梗塞後の早期ならびに安定的検出、予測可能なクリアランス、治療法のリスク査 定およびガイダンスの可能性、コスト効率の良い測定法による迅速かつ定量測定という特性を持つ べきである。 急性期ストローク患者の予後の病態の改善には、ストロークの迅速で正確な診断を必要とする。ま たストローク・バイオマーカーには、確実にストロークの予測および診断の両方を補助する可能性 がある。以下に我々が、実験的研究ならびに臨床試験により、肯定ならびに否定されたバイオマー カーのうちのいくつかの結果を述べる。 ストロークのリスク予測および診断のためのバイオマーカー リポタンパク質に結合するホスホリパーゼ A2 リポタンパク質結合性ホスホリパーゼ A2(Lp-PLA2)は、炎症性 lysophosphatidylcholine および酸 化脂肪酸を遊離させ、酸化リン脂質を加水分解する、50-kDa のカルシウム非依存性セリン・リパ 8 ーゼである( 32)。Lp-PLA2 は LDL のまわりを取り巻くように結合し、特に small dense LDL 粒子 に引き付けられる。 さらに、Lp-PLA2 糖鎖の生成具合によって、アテローマ生成のメカニズムに 寄与する smal dense HDL 粒子に結合するかもしれない。Lp-PLA2 はマクロファージに富んだアテ ローム性動脈硬化の病巣の中で産生、表現され、高度の冠状動脈の病巣の中で著しく増強される。 FDA は、冠動脈疾患とストロークの長期的な予後予測の危険因子として、Lp-PLA2 の臨床使用を 承認した;それによれば、ストロークの発生頻度が約 2 倍高く( 33)、ストロークの再発の危険比率 (HR)が 2.54(95%の CI 1.01-6.39)であることが示された (34)。 Lp-PLA2 は、心血管障害の危険因 子、ならびにいくつかの大規模な臨床試験の結果に基づいた虚血性脳卒中の予測因子として、独立 した炎症性マーカーとして認められてきた。 血漿 Lp-PLA2 濃度と虚血性脳卒中リスクとの明白な関連は、ほぼ 8000 人の男性および 55 歳以上 の女性におけるロッテルダム研究の、前向き試験ならびに後ろ向き試験により実証された。このコ ホートで、フォローアップ期間の中央値 6.4 年の間に、虚血性脳卒中が 110 人発症した。また、年 齢-/sex-を合わせて比較した危険比率は、Lp-PLA2 活性の 1 番目 tertile(最低活性)と 4 番目 tertile(最高活性)間で,2.0 であった(35)。代わりの脂質パラメーター(総コレステロールおよび非 HDL コレステロール)は脳卒中患者と正常群において、違いが認められなかった。 同様の試験で、 ARIC 研究のアテローム性動脈硬化症のリスク評価として 6 年間のフォローアップ期間中に、虚血 性脳卒中ストローク 194 症例と対照群(それぞれ 443 および 374μg/L、P<0.001)の間で、血漿 LpPLA2 の平均ベースライン値に著しいが認められた(36)。Lp-PLA2 および C 反応性蛋白(CRP)濃度 は、この研究のストローク・リスクの識別において補足的であった; 3 番目の tertile の LpPLA2 422μg/L および CRP>3mg/L の症例では、1 番目 tertile(<310μg/L)および CRP<1mg/L の Lp-PLA2 の場合に比べて、虚血性脳卒中のリスクが 11 倍高いことが示された(36)。LDL コレステ ロール濃度にかかわらず、Lp-PLA2 は独立したストロークの危険因子(HR 2.08; 95%の CI 1.203.62))であり、Lp-PLA2 は LDL 粒子によって運ばれるが、その存在は LDL だけとは異なるリスク を反映していると思われる。 女性健康イニシアチブ(WHI)試験は、全米 40 の異なる臨床センターにおいて、ローリスクの閉経後 の女性の虚血性脳卒中の予期されるリスクを評価し、Lp-PLA2 はそれほどで有意義なマーカーでは ないという結果を報告した(37)。この検討群では、対象群と比較してストローク発症群のリスクは、 Lp-PLA2 高値群の試験参加者において明らかに高かった(929 人のストローク群 vs 935 人のコント ロール群、P<0.003) (38)。しかしながら、虚血性脳卒中発症リスクの標準偏差の増加を伴う相対的 危険度は、1.07(95%の CI 1.01-1.14)であり、大血管ストロークのより高い発生率によるのもので、 小血管ストロークによるものではなかった。さらに他の研究と比較して、ストロークのリスクと CRP の増加との関係は認められなかった。 9 Lp-PLA2 は酵素量か活性のいずれかを測定し、1 つの研究から次の研究における測定法の一貫がほ とんどない。現在一社が FDA の承認を得た LpPLA2 酵素量測定法(PLAC 分析; diaDexus) を販売 しているが、他のすべての活性測定法は研究用である。Lp-PLA2 酵素量と活性には、ほとんど相関 が認められないが、その理由は活性測定に使用される基質の違いによるものであり、測定結果は基 質の特異性に依存する。また、それらが他の血漿ホスホリパーゼ測定に使用する基質と、どのよう に反応するかは不明瞭である;測定値の違いに与える可能性のある要因は、十分に解明されていな い。 Lp-PLA2 酵素量測定も、まだそれ自身の分析法の改善に挑戦をしているかもしれないという ことは記述しておく必要があろう:恐らく 3 世代目の測定法の不安定さが原因で、酵素量測定を使 用した研究結果は一定でないという結論が出されている( 39)。darapladib のような Lp-PLA2 を低 下させる経口阻害剤が、ストロークおよび心血管のリスクを軽減させることが分かれば、酵素量と 活性測定の標準化を行うことが可能となるであろう。Lp-PLA2 を最適な臨床使用にするためには、 測定法の問題点の改良が必要であるが、すでにストローク・リスクの予測のための潜在的に重要な マーカーとしての利用可能な証拠は存在している。 非対称 Dimethylarginine Methylarginines は L-アルギニンのメチル化によって生成され、蛋白質分解後に遊離 dimethylarginines として放出される。 非対称 dimethylarginine(ADMA)および対称 dimethylarginine(SDMA)は、血液、尿および隋液中で検出できる。SDMA は不活性であるが、 ADMA は一酸化窒素シンターゼの有力な阻害作用をもち、広範囲の血管内皮の機能障害を調節する。 したがって、増加した血漿 ADMA はストローク・リスクの予測マーカーであると想定され、高血 圧症(40)-(42)を含む糖尿病 (43)(44) hyperhomocysteinemia (45)-(47)、左室肥大 (43)(48)また高コ レステロール血症 (49)-(51).等、 他の従来の心血管のリスクに関与している。ADMA は ELISA、 HPLC/液体 chromatography-tandem 質量分析(LC-MS/MS)、他の構造異性体からの ADMA の分離 し、必要な正確さを達成する方法によって、正確に測定される。 いくつかの臨床研究では、血漿 ADMA はストロークのリスクと関連することが示された。Yoo and Lee(52)は 52 人の脳卒中患者および 36 人の健常対象者を募集し、再発ストローク(平均 2.28μmol/L)、初発ストローク(平均 1.46μmol/L)およびコントロール群(平均 0.93μ mol/L)(P=0.0001)の間で、ADMA 濃度の著しい差を見出した。研究に参加した 90 percentile 以 上( 1.43μmol/L)の高齢者群対照群が、ストローク全体のリスクを増加させた[オッズ比 (OR)6.05、95%の CI 2.77-13.3、P=0.02]. 880 人の女性の ADMA を評価した Gothenberg の女 性集団の研究によれば、24 年の期間にわたる ADMA のわずかな増加(0.15μmol/L)が、ストローク と心筋梗塞の 30%の増加に関係していることを実証した(53)。また全体の 5 分位の高値間隔の ADMA 濃度 0.71μmol/L が、最も大きな相対危険度(RR)(1.75; 95%の CI 1.18-2.59)を示した。 さらに、神経画像検査が同時の利用可能だった 2013 人の Framingham Offspring Study の研究に 10 より、血漿 ADMA が評価された(54)。その結果 ADMA は、臨床症状がない状態で、MRI 異常およ び病変の増加に独立に関係していた(または四分位の 1 と 2-4 の間で OR 1.43、95%の CI 1.002.04)。ADMA が、明らかにストロークに先行した重要な危険因子であることが実証された。 全体として、ADMA は心血管障害による死亡、血管内皮の機能障害およびストローク・リスクに関 連した新しいバイオマーカーであるように見える。従ってさらなる研究により、その臨床的有用性 がより明白に保証されるであろう。 マトリックス Metalloprotein 9 マトリックス Metalloproteinases(MMP)は、細胞外マトリックスタンパク質の代謝回転および分解 に関与する、亜鉛-カルシウム依存のエンドペプチターゼのファミリーである。 MMP 活性の調節は、 組織再構築、炎症、血管形成および腫瘍細胞転移において重要である(55)(56)。MMP は前駆体酵素 (プロ MMP)として分泌されて、様々なプロテイナーゼによって活性化される。また、その活性は metalloproteinase の組織抑制因子(TIMP)との相互作用、また 2 マクログロブリンによって高度に 調節される。 MMP-9 は正常の大脳の組織では通常少量で検出できないが、10 年以上前に虚血の際、 脳内で MMP-9 が増加することが発見された(57)(58)。脳内の障害の程度に応じて MMP-9 が増加し、 ホメオスタシスを維持するのに不可欠な細胞外マトリックスタンパク質が分解され、中心的なスト ロークの病変の役割を果たすと仮定されている。 ストローク発症後、MMP 発現および活性が増強 し、蛋白質分解をひき起こし、blood-brain 障壁からの漏出および細胞死に結びつくと考えられて いる(59)-(62) MMP-9 の分泌パターンは一定ではない。しかし、健常人と比較して、その増加は救急科に運ばれ る虚血性患者および脳出血患者の両方で見られ、分泌から検知までは比較的短い期間(時間)で認め られる(63)(64)。ストローク急性期の MMP-9 濃度は、梗塞サイズ、減衰神経反応および出血に伴う 合併症に関連が認められた(63)(65)(66)。入院中に測定される MMP-9 濃度は、D.W-MRI 法と併用 することにより、梗塞巣のボリュームの推定が可能であることが確認された(67)。また、このバイ オマーカーは、ストローク病巣の進展並びに血栓溶解療法の有効な適用法に関与している。(68)。 さらに、初期の研究によれば、低体温療法のような治療法と比較して、rtPA 治療を受けた患者の血 中 MMP-9 濃度が増加されることから、「洗い出し」現象の可能性を示唆している(69)。より最近 の研究からも、rtPA で治療された脳卒中患者の血中 MMP-9 濃度は、未治療患者よりも著しく高い ことが確認された(70)。MMP 作用の有害性の仮説と一致しているので、虚血性脳卒中の過急性の MMP-9 血中濃度は、rtPA 投与後のさらなる出血性合併症の予測因子として注目された(67)。技術 的には、MMP-9 の測定法はすべて酵素免疫測定法であり、それはまだ標準化されていない; した がって、基準値および測定法の特性は、1 つの研究に用いられているものからそうでないものまで、 同じではない。 11 おそらく MMP-9 は、ストローク直後の blood-brain 障壁、ニューロン細胞死および出血、ならび にのちの組織修復期の脳再生ならびに脳血管再構築における 2 重の役を調節するのだろう。大多数 ストロークの MRI および神経学的な研究が、MMP との明瞭な相関性を実証するので、MMP によ る実験的、臨床データは有望である。 S100 ベータ S100β(S100B)は低分子量の神経膠タンパク質(およそ 10 kDa)で、カルシウムを媒介としたタンパ ク質(S100 タンパク質)の多重遺伝因子ファミリーに属しており、100%の硫安に可溶性のためにそ のように命名された ( 71)。 サブユニット( またはβ)の様々なコンビネーションは、ヘテロあ るいはホモ・ダイマーの - 、 -β、またβ-βサブユニットの S100 タンパク質ファミリーを構築 する。 S100B はβ-βと -βの形で構成され、神経組織に非常に特有であり、大脳のアストログリ ア、周辺のシュワン細胞、そしてメラノサイト、脂肪細胞および軟骨細胞で、高濃度に見いだされ ている(72)。 S100B は様々な細胞に局在するため、特定の神経膠の損害マーカーではなく、一般的 な blood-brain 障壁機能障害のマーカーであると想定されている(73)。S100B はニューロン細胞 が損傷を受けた時、CSF へ分泌されるが、blood-brain 障壁からの漏れの基本的なメカニズムは、 明らかになっていない。 S100B 濃度は血清より、CSF において 40 倍高い。このバイオマーカーは、 溶血の影響は受けず、臨床のバイオマーカーとして使用の際、求められる例外的に高い安定性を有 している(74)。 ストロークに伴って血清 S100B 濃度が著しく増加することを、いくつかの研究が実証した(75)(82) 。つまり発病の徴候後、S100B の分泌が 48 時間まで増加し、脳梗塞後の最初の 24 時間以内 にピーク濃度に達する。 Elting ら(78)は測定時、TIA か正常な脳 CT を示した患者において, 大動 脈皮質の梗塞をもつ重症な神経学損傷および異常な脳の患者と比較して、ほとんど変化しない著し く低い S100B 濃度であったと報告した。S100B の 急性期状態の診断に使い過ぎた場合の明白な落 とし穴は、血中への移行時間の明らかな遅れに起因している。従って血清 S100B の診断的感度の不 足が、急性期ストロークでの診断の使用を妨げている。 梗塞巣サイズと血中の S100B 濃度の高い相関は、虚血病巣の様々な臨床並びに実証研究により実証 された。Jonsson ら(83)は、外科心臓手術後の 48 時間に二次的合併症として虚血病巣をもつ患者の S100B 濃度が、強くその病巣サイズと関連することを実証した。S100B 濃度とストローク重症度の 直接の相関性を、幾つかの研究が報告している。Jauch ら(80)は統計的に、より高い S100B 濃度は より高いベースライン NIHSS 値(r2=0.263、P<0.0001)に関係していることを見出している。 Hill ら(84)は、S100 の見出されたピーク濃度がアドミッション NIHSS スコア(P<0.05)と著しく関連し ていることを示した。 12 血液中での S100B の増加は、外傷性脳損傷および頭蓋外の悪性腫瘍を含む他の神経病理性疾患でも 認められ、これらが結果の解釈を誤らせる可能性をもたらすため、脳梗塞に特異的というわけでは ない(72)(85)(86)。全体として、S100B の臨床使用は、急性虚血性、出血性、あるいは、ストロー ク様の診断と識別においては、不十分である。したがって、S100B がストロークの臨床に関連した 有用なバイオマーカーになるようには見えず、脳外傷の評価のためにのみ有用かもしれない。 NMDA 受容体ペプチドおよび抗体 N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体はグルタミン酸神経伝達物質を結合し、脳の全体のニュ ーロン細胞に存在している。 NMDA 受容体は典型的には 4 つのサブユニット、2 つの NR1 および 2 つの NR2 サブユニットを含んでおり、NR2 の NR2A と NR2B のペプチドへの分割は、脳虚血ま たは神経毒性で生じると考えられている。NMDA レセプタ−抗体(NR2Abs)の生成は、虚血イベン トに続く免疫系によって調節され、これらの自己抗体あるいは NR2 ペプチド断片それ自体のいずれ かは、CSF と血液で測定することができる。 ストロークのマーカーとして、NR2Ab と NR2 のペプチドの役割を調べた少数の臨床研究が報告さ れている。ELISA (Dambinova ら) (87)を用いて、105 人のストロークまたは TIA の患者およ び 255 の正常コントロール群の NR2A/2B 自己抗体が測定された。 NR2Abs は虚血性脳卒中およ び TIA の患者で、コントロール群に比べて著しく高濃度(P<0.0001)が検知された、しかし、虚血性 脳卒中と TIA を区別するためには、抗体濃度を使用することはできないであろう。NR2Abs は ICH 患者あるいはコントロール群では増加しないということは、NR2Ab 陰性結果が ICH を除外しない ことを示唆している。このことからやはり、イメージング診断は判定の標準法として残るであろう。 徴候発病の 3 時間以内に、虚血性脳卒中または TIA の診断において、カット・ポイント 2.0μg/L の場合、感度(97%)および特異度(98%)が認められた。 陽性的中率は虚血性脳卒中で、86%および TIA で 91%であった。また、陰性的中率は、虚血性脳卒中と TIA の両方が 98%であった。増加し た自己抗体濃度は、高血圧患者、およびストロークまたはアテローム性動脈硬化症の既往歴を持つ 患者で観察された。しかしながら、その後の要因がストローク危険を予測するので、増加した自己 抗体濃度は現状のストローク発症が反映されたものなのか、将来の脳血管イベント発症の潜在的な 予測なのかかどうかは、不明瞭であった。前向き多施設臨床試験で、NR2Ab 濃度が冠状動脈の手 術を受けた 557 人の患者の神経性合併症を予測しうるかどうか検討された(88)。25 人の患者だけが NR2Ab の手術前濃度が 2.0μg/L であったが、25 人のうち 24 人に手術後 48 時間以内の神経性 合併症(RR 17.9、95%の CI 11.6-27.6)が認められた。 したがって、NR2Ab は神経性合併症のハイ リスク群の予測に有用かもしれない。 生体内での自己抗体産生は必然的に一定時間を必要とし、ストローク徴候の発症直後に血清 NR2Ab 測定の有用性は大幅に制限される。NR2 ペプチド断片は恐らく虚血直後に生成されるので、 より適切な測定対象になるかもしれない。NMDA 受容体は、これからのストローク・バイオマーカ 13 ーとして期待されるが、大きなマルチサイトの研究のつみかさねにより、潜在的な測定バイアスを 取り除く必要がある。 グリア細胞繊維性酸性タンパク質 グリア細胞繊維性酸性タンパク質(GFAP)は脳星状細胞に特有のモノマーのフィラメント・タンパク 質である( 89). GFAP の正確な役割はまだ未知であるが、様々なニューロン細胞のプロセスと関連 し、blood-brain 障壁内の神経機能を部分的にになっている。GFAP の初期の臨床研究によれば、 症状発病 2-4 日後でピーク濃度になり、コントロール群に比べて虚血性脳卒中患者で血清濃度が増 加したことが報告された(90)-(92)。GFAP の遅れた分泌およびその特異性は、ICH の発病が典型的 に迅速で、どんな柔組織的の損傷も星状膠細胞からの GFAP の漏出を必ず伴うので、ストロークの 識別に使用される可能性が考えられている。 Foerch らによる前向き試験研究(93)は、ストローク症状発症の 6 時間以内に病院へ収容された 135 人の患者でおこなわれた。 血液は入院後直ちに採取され、患者は CT または MRI の結果により、 出血性か虚血性の脳卒中の診断がなされた。血清 GFAP は自動化酵素免疫測定法により、虚血性脳 卒中患者のわずか 5%と比較して、ICH 患者の場合 81%で検出された。さらに、血清 GFAP 濃度は、 ICH 患者において平均結果 111.6 ナノグラム/L と、虚血性脳卒中患者の 0.4 ナノグラム/L に比べ て、はるかに高かった(P<0.001)。2.9 ナノグラム/L のカットオフ値では、GFAP の診断的感度は 79%であった。また、ICH と虚血性脳卒中(P<0.001)の識別の特異度は 98%であった。同じグルー プによるその後の研究で、ストローク徴候発症 2-6 時間後の GFAP 測定により、ICH と虚血性脳卒 中の識別に有用性があることが明らかとなった(94)。この時間枠内の診断の精度は、83%-88%であ った。わずかの割合患者だけが 2 時間以内に病院へ収容されるか、優先的に処置されるが、GFAP は症状発病の 2 時間以内での診断的感度は低かった。 複数機関の S100B、神経特異エノラーゼ(NSE)、GFAP、また活性化タンパク質 C-protein C 抑制複 合体(APC-PCI) の検討の結果から、GFAP は 97 人の脳卒中患者群の虚血性脳卒中(P=0.005)からの ICH を識別する重要な因子であることが実証されたが、S100B(P=0.13)、NSE(P=0.67)、あるいは APC-PCI(P=0.84)では観察されなかった( 95). 更に、NIHSS スコアを備えた、GFAP および APC- PCI のコンビネーションは、100%の診断感度および陰性的中率を示し、ICH の可能性を排除し、 rtPA の早期投与の開始を可能にした。 数少ない GFAP の利用可能な測定法は、現在まだ標準化されていない酵素免疫測定法である。 GFAP は予備的な面白い臨床観察を実証しており、多数マーカー・パネルの一つとして、脳出血の 有望なマーカーになる可能性が考えられる。 14 PARK7 PARK7(DJ-1 としても知られている)タンパク質は、癌遺伝子として最初に発見され( 96)、その後、 パーキンソン病に関係する常染色体の劣性遺伝子と認められた(97)。PARK7 の代謝における複雑な 役割は未知であるが、現在の仮説は、神経の酸化ストレス損害およびプロセスにおける、その修復 の役割を中心に考えられている。Lescuyer ら(98)は、死後 PARK7 が CSF タンパク質群の中で、生 前の CSF と比較して増加するのを見出した。 ELISA を用いた血漿 PARK7 濃度のさらなる測定に より、症状の発症後の 30 分から 3 時間の間で、脳卒中患者がコントロール群に対して、著しい血 中濃度の増加を実証した(P<0.001) (99)。14.1μg/L の PARK7 カットオフ値により、54%の診断的 感度および 90%の特異度をしめした。 PARK7 の増加は、必ずしもストローク(虚血、出血、あるい は TIA)のタイプを正確には識別しなかった;したがって測定結果が高くとも、ICH を除外するため のイメージングをしないで、rtPA の速やかに開始をするための手段にはならない。急性期臨床時に おける PARK7 測定の実施並びに最適化の、さらなる研究が必要である。 ヌクレオシドジホスフェート・キナーゼ A ヌクレオシドジホスフェート・キナーゼ A(NDKA)酵素は、様々なヌクレオシドジホスフェートの リン酸の交換を触媒する酵素である。 NDKA はニューロンの中で表現され、ストロークに関係す る虚血のカスケードにつながると考えられている。NDKA は PARK7 とともに見出され、研究され てきた(98)。そして、同じ研究グループによって ELISA で測定された(99)。PARK7 と同様に、血漿 NDKA 濃度は、徴候発病の初期に増加した。 NDKA の診断感度は、PARK7(67%)に比較してわず かに特異性(90%)が改善されている。いままで述べられてきた他のバイオマーカーと類似している ので、診断的感度の全面的な不足は、ストロークでの NDKA の通常の使用を妨げている;しかしな がら、NDKA の優れた特異性は、多数マーカー・パネル内のさらなる研究を保証するかもしれない。 様々なバイオマーカー 表 3 に、調査された多くの単独にあるいは他のマーカーと一緒に用いたストローク診断バイオマー カーをリストした。 一般に表 3 中のバイオマーカーは、ストロークあるいは他の生理学的プロセス で認められるものである。 これらのマーカーのパフォーマンス特性を支持する文献、あるいは広範 囲なデータの蓄積はないが、それらは今後ストロークの診断、予後あるいは治療に有用な役割を果 たすかもしれない。 15 表3 ストローク診断に使用される様々なバイオマーカーの戦略 多数マーカー・パネルの役割 現在、急性期ストロークの診断、識別あるいは危険予測の場面で、型通りの使用に用いることがで きる既知のバイオマーカーはない。多数マーカー・パネルは個々のバイオマーカーの診断的感度お よび特異度を改善しようとして、調査され開発された。多数マーカー・パネルが成功するためには、 それが臨床診断に付加的な情報を提供し、迅速な結果を出さなければならない。また、器械使用は 使いやすく、コスト効率の良い必要がある。 Reynolds ら(100) は、S100B、B タイプ神経組織成長因子、フォン・ヴィレブランド因子、MMP9 および単球走化性タンパク質 1 の多数マーカー・パネルを使用して、223 人の脳卒中患者群をス クリーニングした。 さらに、彼らは 214 人の正常コントロール群を加えて、50 の血清バイオマー 16 カーを測定した。急性虚血性脳卒中の徴候発病後の 12 時間以内に得られた血液試料を用いて、5 つ のマーカーを組み合わせた場合、どのマーカーも個々に使用する場合と比較して高い診断的感度 (91%)および特異度(97%)を示した。別の研究では、65 人の虚血性脳卒中の疑いのある患者群およ び 157 人の正常コントロール群において、26 マーカーのパネルを検討した(101)。S100B、MMP-9 および血管細胞接着因子およびフォン・ヴィレブランド因子を組み合わせることにより、ストロー クの予測において 90%の診断的感度および特異度が報告された。これらのいずれの研究においても、 研究を進める上で必須の対象群の大多数は、神経学的徴候のない、年齢がマッチした症例であった。 Laskowitz ら(102)は、130 人の患者に D−dimer、CRP、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、 MMP-9 および S100B を組み合わせた多数マーカー・パネルを検討した。徴候発症後 6 時間以内の 群、また急性期ストロークの疑わしい群およびストローク様患者に分けて検討された。この多数パ ネル・マーカーの使用した場合、従来の 2 つ試験の虚血性脳卒中の予測および診断の報告より、低 い診断的感度鋭(81%)および特異度(70%)であった。同じ研究グループは、ストロークの疑いをもつ 1100 人以上の患者で、CRP を除いて POC 機器を用いた Triage Stroke Panel(Biosite 社)のストロ ーク・パネルを使用して、同じ多数マーカー・パネルの診断の的中率を評価し、予期された通りの 多施設臨床試験を得た(103)。徴候発症から実施までの時間は 24 時間以内であった。パネルの診断 的感度(86%)および特異度(37%)は、単独でもストロークとストローク様を識別し、必ずしも最適で ないとしても何人かの患者の早期治療を可能にするかもしれない。パネルの中で使用される各バイ オマーカーの、個々のストロークの可能性を判定するカットオフ値は、いまだ未定である。 Whiteley とその同僚(104)(105)によって、虚血性脳卒中の診断ならびに予後に関するストローク・ バイオマーカーの優れた系統的な調査が、最近公表された。そこでは診断として 21 の研究を調べ、 58 の単一のバイオマーカー、および 7 のパネル・バイオマーカーの組み合わせを評価している。 単独で使用された時、高い診断的感あるいは特異度が大多数のバイオマーカーで実証されている; しかしながら、これらの試験の実施方法には限界があり、それが臨床使用に用いるための特定のバ イオマーカーとしての推薦を妨げている。研究の共通の欠点として、小さすぎる研究サイズ、あい まいな基準ならびにコントロール群の選択、不明瞭な診断の基準値、および全面的な分析的特性の 記述不足や、提案されたバイオマーカーの臨床評価の不足等が、総説の中に記載されていた(104)。 多数マーカー・パネル試験のいずれも、ストロークの予測を推定するための回帰式を提供しておら ず、同じバイオマーカーに対して、様々なカットオフ値が使用されていた。さらに、採血時間がし ばしば治療の時期と無関係であった。表 3 にいくつかの単独あるいはパネルのストローク・マーカ ーが調査されているが、これらはパフォーマンス特性をサポートする多くの文献や、広範囲なデー タは持っていない。 多数マーカー・パネルの中には、迅速にストロークの初期治療プロセスを改善し、医学的、経済的、 運用上に、効果的なインパクトを与える可能性のある、強力なバイオマーカーのグループとしての 17 大きな可能性がある。しかしながら多方面から評価したか、ストロークの場面で単一対多数マーカ ー・アプローチの財政的側面からシミュレートした研究は、現在までなかった。急性心筋梗塞の際 の心臓マーカーPOC 試験は、多数の研究で経済的・運用上の有益性を示した(106)-(108)。しかしな がら、いまだに臨床結果の改善を実証してはいない(109)。更に、どのような臨床の状況の中でも、 検査法の潜在的なインパクトおよび利益の正確な定量化は、ヘルスケア・システム、および経営方 程式中の潜在的な絡み合う変数が存在することから、避けられない複雑さのために困難である。 結論 この総説では、現在ストローク診断、つまりリスク評価、診断および予測に使用されているいくつ かの潜在的なバイオマーカーを調査した。臨床検査室に推薦することができるバイオマーカー候補 として約束する前に、明らかに必要とされる多くの検討事項が存在する。出てきた結果がすべてで あるので、ストロークの新しいバイオマーカーの第一の目指すべき所は、患者に対する有用性であ るべきである。理論上、POC 測定法の開発は、ストロークの治療および管理に最も大きな影響を及 ぼす可能性があり、バイオマーカー開発での最優先事項のままであるべきである。どんな新しいバ イオマーカーも、臨床の判断および画像診断療法とは別の、新たな独立した情報を加えることがで きなければならない。 新しいストローク・バイオマーカーを評価する試験は、それらのユニークな臨床貢献として、スト ロークの診断、管理およびリスク予測に関して、以下の質問に答えるべきであろう:患者はストロ ーク発作を本当に起こしたのか? 虚血性か出血性、どちらの病因のストロークか?-徴候はさらな る集約的診断あるいは血栓溶解療法を必用とするか?いま苦しんでいる患者はストロークなのか、 心血管系イベントの再発なのか?現代のストローク診断はいまだに臨床観察に極度に頼っているま まである。今後のストローク・バイオマーカーの発見の研究成果を、臨床への橋渡しをすることに より、患者の予後およびその質を非常に大きく改善する可能性がある。 Acknowledgments Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article. 18 Authors’ Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest. Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript. Footnotes 1 Nonstandard abbreviations: TIA, transient ischemic attack; ICH, intracerebral hemorrhage; SAH, subarachnoid hemorrhage; CSF, cerebrospinal fluid; NIHSS, National Institutes of Health Stroke Scale; CT, computed tomography; MRI, magnetic resonance imaging; NCCT, noncontrast CT; DWI, diffusion-weighted imaging; rtPA, recombinant tissue plasminogen activator; FDA, US Food and Drug Administration; Lp-PLA2, lipoprotein-associated phospholipase A2; ARIC, Atherosclerosis Risk in Communities; CRP, C-reactive protein; WHI, Women’s Health Initiative; ADMA, asymmetric dimethylarginine; SDMA, symmetric dimethylarginine; LC-MS/MS, liquid chromatography– tandem mass spectrometry; OR, odds ratio; RR, relative risk; MMP, matrix metalloproteinase; TIMP, tissue inhibitor of metalloproteinase; NMDA, N-methyl-D-aspartic acid; NR2Ab, NMDA receptor antibody; GFAP, glial fibrillary acidic protein; NSE, neuron-specific enolase; APC-PCI, activated protein C–protein C inhibitor complex; NDKA, nucleoside diphosphate kinase A; BNP, brain natriuretic peptide. 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