前 立 腺 癌 - TRI|臨床研究情報センター

NCCN
®
Practice Guidelines
in Oncology – v.1.2010
前 立 腺 癌
NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology™
(NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン)
前立腺癌
2010年 第1版
つづく
www.nccn.org
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
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in Oncology – v.1.2010
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
NCCN 前立腺癌委員会メンバー
* James Mohler, MD/Chair w
Roswell Park Cancer Institute
Robert R. Bahnson, MD w
Arthur G. James Cancer Hospital &
Richard J. Solove Research Institute at
The Ohio State University
Barry Boston, MD † £
St. Jude Children’s Research
Hospital/University of Tennessee Cancer
Institute
J. Erik Busby, MD
University of Alabama at Birmingham
Comprehensive Cancer Center
* Anthony D’Amico, MD, PhD §
Dana-Farber/Brigham and Women's
Cancer Center | Massachusetts General
Hospital Cancer Center
Eric Mark Horwitz, MD §
Fox Chase Cancer Center
Mack Roach, III, MD §
UCSF Helen Diller Family
Comprehensive Cancer Center
Robert P. Huben, MD w
Roswell Park Cancer Institute
* Philip Kantoff, MD †
Dana-Farber/Brigham and Women's
Cancer Center | Massachusetts General
Hospital Cancer Center
Eric Rohren, MD, PhD
Te University of Texas M.D. Anderson
Cancer Center
Bruce J. Roth, MD †
Vanderbilt-Ingram Cancer Center
Dennis C. Shrieve, MD, PhD §
Huntsman Cancer Institute at the
University of Utah
Mark Kawachi, MD w
City of Hope
Michael Kuettel, MD, MBA, PhD §
Roswell Park Cancer Institute
* Matthew R. Smith, MD, PhD †
Massachusetts General Hospital Cancer
Center
Paul H. Lange, MD w
Fred Hutchinson Cancer Research
Center/Seattle Cancer Care Alliance
Sandhya Srinivas, MD †
Stanford Comprehensive Cancer Center
James A. Eastham, MD w
Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
Gary MacVicar, MD †
Robert H. Lurie Comprehensive Cancer
Center of Northwestern Unviersity
Przemyslaw Twardowski, MD †
City of Hope
Charles A. Enke, MD §
UNMC Eppley Cancer Center at The
Nebraska Medical Center
Elizabeth R. Plimack, MD, MS †
Fox Chase Cancer Center
Patrick C. Walsh, MD w
The Sidney Kimmel Comprehensive
Cancer Center at Johns Hopkins
Daniel George, MD †
Duke Comprehensive Cancer Center
Julio M. Pow-Sang, MD w
H. Lee Moffitt Cancer Center
& Research Institute
つづく
NCCNガイドライン委員会に関する情報開示
§ 放射線療法/放射線腫瘍学
w 泌尿器科学
† 腫瘍内科学
£ 支持療法(緩和ケア、疼痛管理、パストラルケア、
腫瘍科ソーシャルワークを含む)
* 作成委員会メンバー
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
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in Oncology – v.1.2010
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
目次
NCCN前立腺癌委員会メンバー
ガイドライン更新の要約
前立腺癌の初回診断、病期分類のための精査、再発リスク(PROS-1)
超低リスク群、低リスク群:初回治療、補助療法(PROS-2)
中リスク群:初回治療、補助療法(PROS-3)
高リスク群、局所進行性、転移性(PROS-4)
モニタリング(PROS-5)
救済治療前の精査:根治的前立腺摘除術後の再発(PROS-6)
救済治療前の精査:放射線療法後(PROS-7)
全身療法(PROS-8)
救済全身療法(PROS-9)
期待余命の推定の原則(PROS-A)
Active surveillanceの原則(PROS-B)
放射線療法の原則(PROS-C)
手術の原則(PROS-D)
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)
化学療法の原則(PROS-F)
ガイドラインのヘルプは
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病期分類
考察
参考文献
ガイドライン索引
前立腺癌ガイドラインを印刷する
臨床試験: NCCNはすべてのがん患者
にとって、最良の管理法は臨床試験に
あると考えている。臨床試験への参加
が特に推奨される。
NCCN加盟施設における臨床試験の
オンライン検索はこちら:
nccn.org/clinical_trials/physician.html
NCCNのエビデンスとコンセンサスに
よるカテゴリー:特に指定のない限り、
推奨はすべてカテゴリー2Aである。
NCCNのエビデンスとコンセンサスに
よるカテゴリーを参照
これらのガイドラインは、エビデンスと現在受け入れられている治療方針に対する見解についての著者らの合意を記述したものである。これら
のガイドラインを適用または参照する臨床医には、患者のケアまたは治療法の決定において、個々の臨床状況に応じた独自の医学的判断を行う
ことが期待される。National Comprehensive Cancer Networkは、その内容、使用、または適用に関して、意見陳述ないし保証を行うものではな
く、いかなる場合においても、その適用または使用について一切責任を負わない。このガイドラインの著作権はNational Comprehensive Cancer
Networkにある。無断転載を禁止する。NCCNの書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかな
る形態においても禁じられている。©2010
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
ガイドライン更新の要約
前立腺癌治療ガイドライン2009年第2版から2010年第1版への変更の要約は以下の通りである:
• PROS-1
¾ 「FNAを考慮」が「生検を考慮」に変更された。
¾ 新たなリスク群として再発超低リスク群が追加された:
⋄ T1a
⋄ グリソンスコア≦6
⋄ PSA<10ng/mL
⋄ 生検陽性コア数が3未満、各コアにおける癌の占拠率が50%以下
⋄ PSA density<0.15ng/mL/g
• PROS-2
¾ 期待余命20年未満の超低リスク群の患者を対象として、6ヵ月毎以下の頻度でのPSA検査と12ヵ月毎以下の頻度でのDREによるActive surveillance
を推奨する新しいパスが追加された。
¾ Active surveillanceを選択した期待余命10年以上の低リスク患者について、12ヵ月毎以下の頻度での再生検が追加された。
¾ 骨盤リンパ節郭清術が推奨されるリンパ節転移の予測確率が7%以上から2%以上に変更された。
¾ 次の脚注「i」が追加された:「望ましくない病理学的特徴としては次のものが挙げられる:断端陽性、精嚢浸潤、被膜外進展、検出限界以上の
PSA値。」
• PROS-3
¾ 連日のIGRTによる3D-CRTの推奨に「連日」の文言が追加された。
• PROS-4
¾ 局所進行性、超高リスク群:短期のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADT(4~6ヵ月)という推奨が長期のADT(2~3年)に変更された。
• PROS-7
¾
¾
¾
¾
救済治療前の精査、選択肢として経直腸コイルMRIおよびPSADTが追加された。
生検陰性・転移陰性症例に対する一次救済療法から凍結手術および密封小線源治療が削除された。
転移陽性症例に対する救済療法からADTおよび経過観察が削除された。
局所再発症例に対するさらに積極的な精査(例、再生検、MRスペクトロスコピー、経直腸コイルMRI)の推奨が追加された。
次のページにつづく
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
UPDATES
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
ガイドライン更新の要約
前立腺癌治療ガイドライン2009年第2版から2010年第1版への変更の要約は以下の通りである:
• PROS-8
¾ ヘッダー「播種性」が削除された。
¾ 「造骨性骨転移および/またはその他の転移かつPSA上昇」を、「ADT治療歴なし」に変更した。
¾ 「内臓転移または溶骨性骨転移かつPSA低値または急速進行性の軟部組織腫瘤」が「去勢後再燃前立腺癌」に変更された。
• PROS-9
¾ 新しいページがガイドラインに追加された:去勢後再燃前立腺癌に対する救済全身療法
• PROS-B
¾ 箇条書きに次の項目が新しく追加された:「当ガイドライン委員会は、前立腺癌の過剰診断および過剰治療について依然として懸念を抱いており、
患者および担当医(放射線腫瘍医、腫瘍内科医、プライマリーケア医)が患者のリスクについて慎重に検討した上でActive surveillanceを考慮する
よう推奨している。」
¾ 「若年患者におけるフォローアップは高齢者の場合よりも厳格に行うべきである」という記述が追加された。
¾ 「癌が進行している可能性がある」に続く項目から「PSA年間増加度が0.75を超えている」が削除された。
• PROS-C
¾ 外照射療法、「線量を78Gy以上とする場合は、さらに画像誘導放射線治療(IGRT)が必要となる。」という記述が追加された。
¾ 新しい節として緩和的放射線療法が追加された。
• PROS-D
¾ 拡大骨盤リンパ節郭清術が支持され、縮小骨盤リンパ節郭清術が削除された。
• PROS-F
¾ 箇条書きに新しい項目が追加された:
⋄ PSA値の上昇のみでは(短期間の上昇であり進行を示唆する臨床所見を認めない場合は特に)化学療法の中止は正当化されない。
⋄ 転移症例におけるドセタキセル治療失敗後の最善の追加療法については、現時点でコンセンサスは得られていない。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
UPDATES
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初回
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初回の臨床評価
a
期待余命 ≦5 年
かつ無症状
• DRE
• PSA
• グリソン
グレード
(primary
および
secondary)
a
いずれの治療法の場合も、望ましい形態は
認可された臨床試験への参加である。
b
c
前 立 腺 癌
病期分類のための精査
(TNM病期分類は2002年の分類による)
再発リスク
臨床的限局性:
超低リスク:
• T1a
• グリソンスコア≦6
• PSA<10ng/mL
• 生検陽性コア数が3未
満、各コアにおける癌の
占拠率が50%以下
• PSA density
< 0.15 ng/mL
症状発現まで更なる精査
および治療は行わない
b
(高リスク患者 は除く)
骨盤部 CT または MRI、
T3~T4 または T1~T2 で
かつノモグラムによるリン
パ節転移の確率が 20%を超
える場合
初回治療
(PROS-2)を
参照
低リスク:
• T1~T2a
• グリソンスコア2~6
• PSA<10ng/mL
以下の場合は骨スキャン:
T1~T2かつ
PSA>20ng/mLの場合
または
グリソンスコア≧8の場合
または
T3、T4または有症状の場合
期待余命 >5 年
または症状あり
a
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
c
中リスク:
• T2b~T2cまたは
• グリソンスコア7または
• PSA 10~20ng/mL
転移が疑われ
るリンパ節
生検を
考慮
上記以外のすべて;
更なる画像検査は行
わない
期待余命の推定の原則(PROS‐A)を参照。
5年以内に水腎症などの合併症もしくは転移の発生が予測される選択された症例では、アンドロゲン遮断療法(ADT)または放射線
療法(RT)を考慮してもよい。その危険因子としては大きなT3~T4癌、グリソンスコア8~10などが挙げられる。
有害因子を複数有する患者は1つ上のリスク群としてもよい。
初回治療
(PROS-3)を
参照
c
高リスク:
• T3aまたは
• グリソンスコア8~10
または
• PSA>20ng/mL
局所進行性:
超高リスク:
T3b~T4
初回治療
(PROS-4)を
参照
転移性:
すべてのT、N1
すべてのT、すべてのN、M1
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
PROS-1
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再発リスク
患者の期待余命
a
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
初回治療
臨床的限局性:
d
超低リスク:
• T1-T2a
• グリソンスコア≦6
• PSA<10ng/mL
• 生検陽性コア数が3未
満、各コアにおける癌
の占拠率が50%以下
• PSA density
<0.15ng/mL/g
<20 年
active surveillance(カテゴリー2B)
• 6ヵ月毎以下の頻度でPSA検査
• 12ヵ月毎以下の頻度でDRE
e
e
<10 年
active surveillance
• 6ヵ月毎以下の頻度でPSA検査
• 12ヵ月毎以下の頻度でDRE
e
低リスク:
• T1~T2a
• グリソンスコア2~6
• PSA<10ng/mL
active surveillance
• 6ヵ月毎以下の頻度でPSA検査
• 12ヵ月毎以下の頻度でDRE
• 12ヵ月毎以下の頻度で前立腺再生検
≧10 年
f
RT (連日の IGRT による 3D‐CRT/IMRT または密封
i
小線源治療)
望ましくない病理学的特徴あり:
g
根治的前立腺摘除術
±骨盤リンパ節郭清術(リンパ節転移の
予想確率が2%以上の場合)
a
d
e
f
h
病勢進行
初回の臨床評価
(PROS-1)を参照
期待余命の推定の原則(PROS‐A)を参照。
当委員会は、PSA検査による早期前立腺癌の診断増加に関連する過剰治療という問題について依然
として懸念を抱いている(NCCN前立腺癌早期発見ガイドライン2010年第1版を参照)。
この群の患者にはactive surveillanceが望ましい。
Active surveillanceでは、進行時には介入を行うことを前提とした上で積極的に病状経過をモニ
タリングしていく。Active surveillanceの原則(PROS-B)を参照。
放射線療法の原則(PROS-C)を参照。
モニタリング
(PROS-5)
を参照
経過観察
または
f
RT
リンパ節転移:
経過観察
または
アンドロゲン遮断療法
j
g
手術の原則(PROS-D)を参照。
進行の判定基準は明確に定義されておらず、医師の判断が要求される;
しかし、リスク群の変更は病勢の進行を強く意味する。
i
望ましくない病理学的特徴としては次のものが挙げられる:
断端陽性、精嚢浸潤、被膜外進展、検出限界以上のPSA値。
j
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)を参照。
h
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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再発リスク
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患者の期待余命
a
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
初回治療
臨床的限局性:
e
active surveillance
• 6ヵ月毎以下の頻度でPSA検査
• 12ヵ月毎以下の頻度でDRE
h
病勢進行
初回の臨床評価(PROS-1)を参照
f
<10 年
RT (連日のIGRTによる3D-CRT/IMRT±短期のネ
オアジュバント/同時併用/アジュバントADT(4~6
ヵ月)±密封小線源治療)
モニタリング(PROS-5)を参照
i
k
中リスク:
• T2b~T2cまたは
• グリソンスコア7
または
• PSA 10~20ng/mL
g
根治的前立腺摘除術 +骨盤リンパ節郭清
術(リンパ節転移の予想確率が 2%以上の
場合)
≧10年
k
望ましくない病理学的特徴あり:
経過観察
または
f
RT
リンパ節転移:
経過観察
または
アンドロゲン遮断療法
モニタリング(PROS5)を参照
j
f
RT (連日の IGRT による 3D-CRT/IMRT±短期の
ネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT
(4~6 ヵ月)±密封小線源治療)
a
c
e
f
g
期待余命の推定の原則(PROS‐A)を参照。
有害因子を複数有する患者は1つ上のリスク群としてもよい。
Active surveillanceでは、進行時には介入を行うことを前提とした上で
積極的に病状経過をモニタリングしていく。
Active surveillanceの原則(PROS-B)を参照。
放射線療法の原則(PROS-C)を参照。
手術の原則(PROS-D)を参照。
h
i
j
k
モニタリング(PROS-5)を参照
進行の判定基準は明確に定義されておらず、医師の判断が要求される;
しかし、リスク群の変更は病勢の進行を強く意味する。
望ましくない病理学的特徴としては次のものが挙げられる:断端陽性、精嚢浸潤、
被膜外進展、検出限界以上のPSA値
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)を参照。
中または高リスクの臨床的限局癌に対するactive surveillanceは、期待余命が10年を
超える場合には推奨されない(カテゴリー1)。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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PROS-3
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再発リスク
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ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
初回治療
補助療法
f
c
高リスク:
• T3aまたは
• グリソンスコア
8~10または
• PSA>
20ng/mL
RT (連日のIGRTによる3D-CRT/IMRT)
(カテゴリー1)+長期のネオアジュバント/
j
同時併用/アジュバントADT(2~3年)
または
g
根治的前立腺摘除術 +骨盤リンパ節郭清
(隣接臓器への固定がみられない選択された症例)
f
RT (連日のIGRTによる3D-CRT/IMRT)+長期
のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADT
j
(2~3年) (カテゴリー1)
または
局所進行性
超高リスク:
T3b~T4
g
根治的前立腺摘除術 +骨盤リンパ節郭清術
(隣接臓器への固定がみられない選択された症例)
または
ADT
j
モニタリング(PROS-5)
を参照
モニタリング(PROS-5)を参照
i
望ましくない病理学的特徴あり:
• 経過観察
または
f
• RT
リンパ節転移:
j
• ADT
または
• 経過観察
PSAが検出
限界未満
PSA が検出
限界以上
転移性:
すべてのT、N1
すべての T、
すべての N、M1
ADT
c
f
g
救済療法
(PROS-6)
を参照
モニタリング(PROS-5)を参照
i
望ましくない病理学的特徴あり:
• 経過観察
または
f
• RT
PSA が検出
限界未満
リンパ節転移:
j
• ADT
または
• 経過観察
PSA が検出
限界以上
j
ADT
または
f
RT (連日の IGRT による 3D-CRT/IMRT)+短期のネオ
j
アジュバント/同時併用/アジュバント ADT(4~6 ヵ月)
モニタリング
(PROS-5)
を参照
モニタリング
(PROS-5)
を参照
救済療法
(PROS-6)
を参照
モニタリング(PROS-5)を参照
j
有害因子を複数有する患者は1つ上のリスク群としてもよい。
放射線療法の原則(PROS-C)を参照。
手術の原則(PROS-D)を参照。
i
望ましくない病理学的特徴としては次のものが挙げられる:断端陽性、精嚢浸潤、被膜外進展、
検出限界以上のPSA値。
j
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)を参照。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
PROS-4
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初回管理または病理診断
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
モニタリング
再発
PSA 値が検出限界未満
まで低下しない
根治的前立腺
摘除術後
その後の 2 回の PSA 測定で
検出限界以上となる
初回の根治的治療
N1
または
M1
• PSA検査を最初の5年間は
6~12ヵ月毎、
それ以降は
• 1年毎 DREを1年毎
放射線
療法後
PSA値上昇
または
DRE陽性
l
一次救済療法
(PROS-7)を
参照
身体診察(DRE を含める)
+PSA 検査を 3~6 ヵ月毎
播種性
l
一次救済療法
(PROS-6)を
参照
全身療法
(PROS-8)を
参照
RTOG-ASTRO(Radiation Therapy Oncology Group - American Society for Therapeutic Radiology and Oncology)Phoenix Consensus―(1)PSA nadir 値から 2ng/mL 以上の上昇をみることが、外照射
療(ホルモン療法併用の場合も含む)施行後の生化学的再発に対する現時点での標準的定義である;(2)再発日は上昇が確認された日付(“at call”)とする(遡って算出しない)。追跡期間の短さに
よるアーチファクトの回避を目的とした「適切な追跡」に関するガイドラインを厳格に順守すれば、外照射療法単独(ホルモン療法を併用しない)施行後には ASTRO Consensus Definition を用いること
ができると勧告されている。例えば、追跡期間中央値が 5 年の場合は 3 年時点での制御率を提示すべきである。この厳格化された ASTRO 定義に従えば、膨大にある既存文献との比較も可能になる。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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PROS-5
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ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
根治的前立腺摘除術後の再発
一次救済療法
救済治療前の精査
f
PSA 値が検出限
界未満まで低下
しない
初回治療後の 2 回
の PSA 測定で検
出限界以上となる
f
j
転移陰性
± 骨スキャン
± CT/MRI
± PSADT
± ProstaScint
± 生検
RT ±ネオアジュバント/
同時併用/アジュバント
j
ADT
または
経過観察
進行
全身療法
(PROS-8)を
参照
j
転移陽性
ADT
または
経過観察
放射線療法の原則(PROS-C)を参照。
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)を参照。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
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PROS-6
NCCN
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in Oncology – v.1.2010
前 立 腺 癌
救済治療前の精査
一次救済療法
生検陽性、
転移陰性
局所療法の適応:
• 当初の臨床病期T1~T2、
NXまたはN0
• 期待余命>10年
• 最新のPSA値<10ng/mL
放射線療法後
l
のPSA上昇
または
DRE陽性
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
生検
骨スキャン
±腹部/骨盤部CT/MRI
±経直腸コイルMRI
±ProstaScint
±PSADT
生検陰性、
転移陰性
経過観察
または
g
根治的前立腺摘除術
または
凍結手術
または
f
密封小線源治療
経過観察
または
j
ADT
または
臨床試験
または
局所再発症例に対する
さらに積極的な精査
(例、再生検、MRスペク
トロスコピー、経直腸コ
イルMRI)
転移陽性
局所療法の適応なし
進行
全身療法
(PROS-8)を
参照
経過観察
または
j
ADT
f
放射線療法の原則(PROS-C)を参照。
手術の原則(PROS-D)を参照。
j
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)を参照。
l
RTOG-ASTRO(Radiation Therapy Oncology Group - American Society for Therapeutic Radiology and Oncology)Phoenix Consensus―(1)PSA nadir値から2ng/mL以上の上昇をみることが、外照射療
(ホルモン療法併用の場合も含む)施行後の生化学的再発に対する現時点での標準的定義である;(2)再発日は上昇が確認された日付(“at call”)とする(遡って算出しない)。追跡期間の短さによ
アーチファクトを回避することを目的とした「適切な追跡」に関するガイドラインを厳格に順守すれば、外照射療法単独(ホルモン療法を併用しない)施行後にはASTRO Consensus Definitionを用いるこ
とができると勧告されている。例えば、追跡期間中央値が5年の場合は3年時点での制御率を提示すべきである。この厳格化されたASTRO定義に従えば、膨大にある既存文献との比較も可能になる。
g
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。
2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
PROS-7
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前 立 腺 癌
全身療法
救済全身療法
転移陰性
再燃
m
LHRH アゴニス
ト単独±7 日間
以上の抗アンド
ロゲン剤(テス
トステロン値の
一過性上昇を予
防するため)
再燃
m
または
LHRH アゴニス
ト+抗アンドロ
ゲン剤
再燃
精巣摘除術
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
去勢後再燃前立腺癌に対する救済
全身療法(PROS-9)を参照
または
ADT治療歴
なし(M0
またはM1)
神経内分泌腫瘍ではな
い(小細胞腫瘍の特徴
の有無は問わない)
m
転移陽性
生検を
考慮
神経内分泌腫瘍
ではない(小細
胞腫瘍の特徴の
有無は問わない)
m
n
去勢後再燃前立腺癌に
対する救済全身療法
(PROS-9)を参照
n
シスプラチン/エトポシド
または
n
カルボプラチン/エトポシド
または
n
ドセタキセルベースのレジメン
テストステロン値を去勢レベルに維持する。
化学療法の原則(PROS-F)を参照。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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PROS-8
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
去勢後再燃前立腺癌に対する救済全身療法
転移陰性
転移陽性
o
• 臨床試験(望ましい)
• 経過観察
• 抗アンドロゲン剤の中止(複合アンドロゲン
遮断療法の場合)
• 二次ADT
¾ 抗アンドロゲン剤
¾ 副腎酵素阻害剤
¾ エストロゲン療法
• ドセタキセル3週毎+ステロイド(カテゴリー1)
• ドセタキセルを含む他のレジメン
• 二次ADT
¾ 抗アンドロゲン剤
¾ 副腎酵素阻害剤
¾ エストロゲン療法
• ミトキサントロン+ステロイド(カテゴリー1、延命で
o
はなく生活の質の改善を目的とする)
• 症候性骨転移に対する緩和的RTまたは放射性核種治療
• 骨転移症例に対するビスホスホネート系薬剤
PSA 再燃または
転移(M1)
下の経路に従う
臨床試験
または
救済化学療法
または
best supportive care
ドセタキセルベースのレジメンに耐えられない患者が対象となる。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
期待余命の推定の原則
• 期待余命の推定は、前立腺癌の早期発見および治療において十分な情報に基づく意思決定を行っていく上で極めて重要である。
• 集団を対象とした期待余命の推定は可能であるが、個人を対象とした推定は困難である。
• 期待余命の推定には、Social Security Administrationの余命表(www.ssa.gov/OACT/STATS/table4c6.html)を用いることができ
る。
• 期待余命はさらに、全般的な健康状態に関する臨床医の評価に基づいて以下のように調整することができる:
¾ 患者の健康状態が集団の上位25%に入る場合―50%を加算
¾ 患者の健康状態が集団の下位25%に入る場合―50%を減算
¾ 患者の健康状態が集団の上位25%から下位25%の間に入る場合―そのまま
• 期待余命が5年ずつ変わる例がNCCN Senior Adult Oncology Guidelinesに提示されている。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
Active surveillance の原則
• NCCN前立腺癌ガイドライン委員会およびNCCN前立腺癌早期発見委員会(NCCN前立腺癌早期発見ガイドライン2010年第1版を参照)は、
前立腺癌の過剰診断および過剰治療について依然として懸念を抱いている。当委員会は、患者およびすべての担当医(泌尿器科医、放射線腫
瘍医、腫瘍内科医、プライマリーケア医)が患者のリスク、年齢および健康状態について慎重に検討した上でActive surveillanceを考慮する
よう推奨している。
• Active surveillanceは通常、平均余命が20年未満の超低リスク前立腺癌の患者と平均余命が10年未満の低リスク前立腺癌の患者に対して適切
となる。再発リスクの基準(PROS-2)を参照。
• Active surveillanceでは、進行時には介入を行うことを前提とした上で積極的に病状経過をモニタリングしていく。
• 根治的治療の適応がありながらActive surveillanceを選択する臨床的限局癌の患者には、定期的なフォローアップを行うべきである。若年患
者におけるフォローアップは高齢者の場合よりも厳格に行うべきである。フォローアップには以下を含めるべきである:
¾ PSAを3~6ヵ月毎
¾ DREを6~12ヵ月毎
¾ 初回生検のコア数が10未満であった場合および評価結果が整合しなかった(例、生検陽性部位とは反対側に触知可能な腫瘍を認める)場合
には、診断後6ヵ月以内に前立腺針生検を再度施行してもよい。
¾ 初回生検のコア数が10以上であった場合は、少なくとも18ヵ月の間は再度の針生検は不要である。
• 以下の場合には癌が進行している可能性がある:
¾ 前立腺再生検でprimaryグリソングレードが4または5の癌が発見された
¾ 前立腺生検で発見される前立腺癌の生検本数または占拠率が増加した
¾ PSA倍加時間が3年未満である
• 診察またはPSA検査によって病勢進行の徴候を認めた場合は、前立腺再生検の適応となる
• Active surveillanceの利点:
¾ 不必要な根治的治療による副作用を回避できる
¾ 生活の質/日常生活を維持できる
¾ 進行の遅い小さな癌に対して不必要な治療を行うリスクを回避できる
• Active surveillanceの欠点:
¾ 根治的治療の機会を逸する可能性がある
¾ 進行や転移のリスクが高くなる
¾ その後の治療が副作用の増加により複雑化することがある
¾ 神経温存が困難になり、術後に性機能を温存できる可能性が低くなることがある
¾ 不安が増大する
¾ 頻繁な受診と定期的な生検が必要となる
¾ 前立腺癌の長期の自然史が不明確である
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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PROS-B
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
放射線療法の原則
外照射療法:
• 三次元原体照射およびIMRT(強度変調放射線治療)を採用すべきである。線量を78Gy以上とする場合は、さらに画像誘導放射線治療(IGRT)
が必要となる。
• 低リスク群では、75.6~79Gyを標準的な36~41回分割で前立腺(±精嚢、本治療の一部として)に照射する方法が適切である。中および高リ
スク群では、78~80+Gyの照射によりPSA値で評価した疾患管理の改善が得られる。
• 高リスク群では、骨盤リンパ節照射と合計2~3年間のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADTの適応がある(カテゴリー1)。
• 中リスク群では、骨盤リンパ節照射と4~6ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADTを考慮してもよい。
• 低リスク群では、骨盤リンパ節照射もADTも行うべきではない。
• 腫瘍学的な治癒率の改善および副作用の低減を目的として、日々の前立腺の位置変動に対応した照射を行うことによって治療精度の向上を図る
べきであり、それにはCTによるIGRT、超音波下に埋め込むマーカー、電磁的な標的設定法/追跡法、直腸バルーンなどの技術が利用できる。
• 望ましくない病理学的特徴を認めるかPSA値が検出限界以上であるが、播種性転移の所見は認められない場合については、全例に対する補助/救
済RTの施行がエビデンスにより支持されている。
密封小線源治療:
• 低リスク群の患者は単独療法としての密封小線源治療の適応となる。低リスク群では、密封小線源治療とEBRT(40~50Gy)±4~6ヵ月間の
ネオアジュバント/同時併用/アジュバントADTの併用を考慮する。高リスク群の患者では、一般に密封小線源治療は適さないと考えられている
が、EBRTおよびADTを追加することで一部の患者では有効となる可能性がある。
• 前立腺が非常に大きいまたは非常に小さい患者、下部尿路閉塞症状がみられる(IPSSが高い)患者ならびに経尿道的前立腺切除術(TURP)の
治療歴を有する患者では、線源の挿入が困難となるほか、副作用のリスクが増大する可能性がある。ネオアジュバントADTは、前立腺を治療可
能な大きさまで縮小させることを目的として施行される。
• 線源留置後の線量測定は、治療の質を確認するために施行すべきである。
• 単独療法としての推奨処方線量はヨウ素125で145Gy、パラジウム103で125Gyである。外照射併用時の処方線量はヨウ素125では40~50Gy、
パラジウム103では100Gyである。さらに、低線量照射の代わりに高線量率(HDR)小線源治療を併用することも可能である。
緩和的放射線療法:
• 脊椎以外の骨転移には、3000cGyの10回分割照射ではなく800cGyの単回照射を用いるべきである。
• 広範な骨転移では、ストロンチウム89またはサマリウム153を用いて症状を緩和することができる。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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PROS-C
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
手術の原則
骨盤リンパ節郭清術(PLND):
• 拡大PLNDでは、縮小PLNDの場合の約2倍の頻度で転移巣が発見される。拡大PLNDでは病期分類がより完全なものとなるほか、顕微鏡的転移が
存在する患者の一部では治癒が得られる可能性もあり、したがって、PLNDを施行する場合は拡大郭清が望ましい。
• 拡大PLNDでは、前方を外腸骨静脈、側方を骨盤側壁、内側を膀胱壁、後方を骨盤底、遠位側をクーパー靱帯、近位側を内腸骨動脈に囲まれた領
域内にあるすべてのリンパ節を周囲の組織を含めて郭清する。
• ノモグラムによるリンパ節転移の予測確率が2%未満の患者では、リンパ節転移のある患者を一部見逃すことにはなるものの、PLNDを省略する
ことができる。
• PLNDは開腹下、腹腔鏡下、ロボット支援下のいずれでも施行可能である。
根治的前立腺摘除術:
• 根治的前立腺摘除術(RP)が適切な治療法となる患者は、期待余命が10年以上で、手術の禁忌となるような重篤な併存症を認めない、外科的に
完全切除可能な臨床的限局性前立腺癌の患者である。
• 手術件数の多い施設の経験豊富な外科医が施行する場合は、一般に良好な成績が得られている。
• 腹腔鏡下およびロボット支援下根治的前立腺摘除術が現在広く行われている。熟練した外科医の場合、このアプローチによる手術成績は開腹手
術のそれに匹敵すると思われる。
• 根治的前立腺摘除術での出血はかなりの量となりうるが、前立腺周囲の血管を注意深くコントロールすることで減少させることが可能である。
• 尿失禁については、前立腺尖部より遠位の尿道を長く温存するとともに遠位括約筋機構への損傷を回避することによって減少させることが可能
である。膀胱頸部の温存によっても失禁リスクが減少する可能性がある。吻合部狭窄は長期にわたる失禁のリスクを高める。
• 勃起機能の回復には、根治的前立腺摘除術施行時の年齢、術前の勃起機能および陰茎海綿体神経の温存の程度が直接関係する。切除された神経
を神経移植片で置換する試みについては、有益性は示されていない。勃起機能の回復を狙った早期の治療介入は、その後の回復の改善につなが
る可能性がある。
• EBRT、密封小線源治療または凍結療法後に局所再発を来し転移がない症例のうち厳重に選択された症例に対しては、救済治療としての根治的
前立腺摘除術が選択肢の1つとなるが、合併症(失禁、勃起能喪失、吻合狭窄)の発生率が高くなる。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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PROS-D
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前 立 腺 癌
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(page 1 of 2)
臨床的限局癌に対するADT
• 根治的前立腺摘除術に対する術前補助ADTについては、施行しないことが強く推奨される。
• 放射線治療の施行前、施行中および/または施行後のADTは、放射線治療管理下の患者の一部において生存期間の延長をもたらす。
• 短期(4~6ヵ月)および長期(2~3年)のネオアジュバントADTに関する研究は、いずれも完全アンドロゲン遮断療法(complete androgen
blockade)として実施されたものである。したがって、抗アンドロゲン剤の追加が必要かどうかについては更なる研究が必要である。
• 初回治療の終了後に施行されるアジュバントADTは、放射線療法を受けた高リスク患者の一部を除いて、現時点で標準治療とはされていない
(PROS-3を参照)。体積が小さく悪性度の高い前立腺癌では、4~6ヵ月間のアジュバントADTが妥当となる場合があるが、2~3年間のADTを考慮
してもよい。
• 抗アンドロゲン剤ビカルタミドを単剤高用量(150mg)で用いた現時点で最も大規模なランダム化試験では、癌再発の遅延が認められたものの、生
存率の改善は認められなかった。より長期の追跡が必要である。
• 1件のランダム化試験では、根治的前立腺摘除術を受けたリンパ節転移陽性の患者において、持続的ADTの即時施行により、待機遅延ADTを受けた
群との比較で全生存率の有意な改善がもたらされた。したがって、このような患者には即時ADTを考慮すべきである。
• 持続的ADTの副作用は治療期間に伴い増加していく。
進行例(PSA再発または転移症例)に対するADTの実施時期
• 癌を示唆する所見がPSA値の上昇のみである場合、ADTの開始時期は、PSA年間増加度、患者の不安、短期的および長期的なADTの副作用に影響さ
れる。
• このような患者のうち最終的にその癌が原因で死亡する者はかなりの割合にのぼるが、その予後は、PSAの値、PSA値の経時的な変化率(PSA「倍
加時間」)ならびに根治的治療施行時の病期、悪性度およびPSA値によって最も正確に見積もることができる。
• 早期および遅延の定義(PSA値の基準をどうするか)については依然として議論があるものの、待機遅延ADTよりも早期ADTの方が優れているであ
ろう。早期ADTの有益性は不明であるため、決定的な研究成果が得られるまでは個別化した治療を行っていくべきである。PSA値が高い(>
50ng/mL)かつ/またはPSA倍加時間が短い(PSA年間増加度が高い)患者と、そうでなくとも期待余命が長い患者には、より早期にADTを検討する
ように勧めるべきである。
• 腫瘍関連症状もしくは明らかな転移を認めた場合は、直ちに治療を開始すべきである(カテゴリー1)。より早期のADTは症状発現および転移を遅
らせるが、生存期間の延長につながるかどうかは不明である。長期間のADTによる合併症については、まだ十分な検討がなされていない。
至適なADT
• LHRHアゴニスト(内科的去勢)および両側精巣摘除術(外科的去勢)の有効性は同等である。
• 転移症例に対する複合アンドロゲン遮断療法(内科的または外科的去勢と抗アンドロゲン剤の併用)には、去勢単独を上回る有益性は証明されてい
ない。
• 明らかな転移を認める患者で、LHRHアゴニスト単独投与の当初にみられるテストステロン値の一過性上昇による症状発生のリスクが高い場合は、
抗アンドロゲン療法を先に施行しておくか、高アンドロゲン剤をLHRHアゴニストと同時投与し、これを7日間以上継続するべきである。
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(page 2 of 2)
• 抗アンドロゲン剤単独療法は、内科的または外科的去勢ほど有効ではないようであり、勧めるべきではない。副作用は様々であるが、全体的に忍容
性は不良である。
• 三種アンドロゲン遮断療法(複合アンドロゲン遮断療法とフィナステリドまたはデュタステリドの併用)を支持する臨床的なデータは存在しない。
• 間欠的ADTでは、持続的ADTと比較して生存期間に影響を及ぼすことなく副作用を減らせる可能性があるが、間欠的ADTの長期的な有効性は依然
として証明されていない。
• 内科的または外科的去勢で血清テストステロン値の十分な抑制(50ng/mL未満)が得られない患者では、ホルモン療法(エストロゲン剤、抗アン
ドロゲン剤またはステロイ剤ドを用いる)の追加を考慮してもよいが、その臨床的有益性は不明である。
二次ホルモン療法
• ADT施行中に前立腺癌の再燃をみた患者(去勢後再燃前立腺癌)でも、アンドロゲン受容体の活性は維持されており、したがってADTは継続すべ
きである。
• 初回のADTが失敗に終わった場合も、抗アンドロゲン剤の中止や抗アンドロゲン剤、ケトコナゾール、エストロゲン剤の投与など、様々な戦略が臨
床的に有益となる可能性がある。しかしながら、これらの中にランダム化臨床試験において生存期間の延長効果が実証されているものはまだ1つも
ない。
モニタリング/サーベイランス
• ADTには、骨粗鬆症、臨床的骨折の頻度上昇、肥満、インスリン抵抗性、脂質代謝の変化、糖尿病および心血管疾患リスクの増大など、様々な有害
作用がある。患者および医療提供者には、治療開始前にこれらのリスクについて情報が与えられるべきである。
• National Osteoporosis Foundation(www.nof.org)の一般集団用のガイドラインに準じた骨粗鬆症のスクリーニングおよび治療が推奨される。
このNational Osteoporosis Foundationのガイドラインでは、(1)50歳以上の男性全員に対するカルシウム(1日1,200mg)およびビタミンD3
(1日800~1,000IU)の補充と、(2)10年以内の股関節骨折の確率が3%以上もしくは10年以内の重大な骨粗鬆症関連骨折の確率が20%以上の男
性に対する追加治療が推奨されている。骨折リスクについては、世界保健機関(www.shef.ac.uk/FRAX/index.htm)が最近公表したアルゴリズム
であるFRAX®を使用することで評価できる。ADTについてFRAX®を用いる場合は、「続発性骨粗鬆症(secondary osteoporosis)」と考えるべ
きである。
• ゾレドロン酸(4mg、静注、年1回)とアレンドロン酸(70mg、経口、週1回)は、ADTを受けている前立腺癌患者の骨密度(骨折リスクの代替指
標である)を増加させる。薬物療法が正当化されるだけの絶対的な骨折リスクがある場合は、ゾレドロン酸またはアレンドロン酸による治療が推奨
される。
• ADTを受ける患者には糖尿病および心血管疾患に対するスクリーニングおよび予防/治療介入が推奨される。これらの病態は高齢者に多くみられる
が、ADTを受ける患者における糖尿病および心血管疾患のスクリーニング、予防および治療の戦略が一般集団でのそれと同じでよいかどうかは依然
として不明である。
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
化学療法の原則
• 進行前立腺癌の患者には臨床試験への参加を勧めるべきであり、また早期に腫瘍内科医に紹介すべきである。
• 臨床試験での研究の場合を除き、全身化学療法は転移を有する去勢後再燃前立腺癌の患者だけに施行されるべきである。
• 第III相試験のデータに基づけば、3週毎のドセタキセル+ステロイド剤が望ましい一次化学療法である。代替レジメンとしては、3週毎のドセタキ
セル+エストラムスチン、3週毎のミトキサントロン+プレドニゾンなどがある。
• 次の2件の第III相試験において、ドセタキセルベースのレジメンに生存期間の延長効果のあることが示されている:
¾ SWOG9916試験では、ドセタキセル+エストラムスチンとミトキサントロン+プレドニゾンとの比較が行われた。ドセタキセル群の生存期間中
1
央値は17ヵ月であったのに対し、ミトキサントロン群では15.6ヵ月であった(p=0.01)。
¾ TAX327試験では、2つの投与スケジュール(毎週および3週毎)でのドセタキセル投与とミトキサントロン+プレドニゾンとの比較が行われ
2
た。3週毎ドセタキセル群の生存期間中央値は19.2ヵ月であったのに対し、ミトキサントロン群では16.3ヵ月であった(p=0.009)。
• 全生存に有用性が示されたレジメンは、3週毎のスケジュールでドセタキセルを使用するレジメンだけであった。治療期間は有益性および毒性の
評価に基づいて決定されるべきである。ドセタキセルをベースとした化学療法による生存期間延長効果を証明することを目的としたピボタル試験
では、病勢進行か治療中止とすべき毒性がみられない限り最大10サイクルの治療が行われた。
• PSA値の上昇を進行の唯一の判定基準とするべきではない。治療効果の評価には、臨床的および放射線学的な基準も取り入れるべきである。
• タキソテールによる化学療法が失敗に終わった患者には、臨床試験への参加を勧めるべきである。このような状況でのミトキサントロンの有効性
は限られており、現時点で生存期間ないし生活の質の改善が実証されている化学療法レジメンは存在しない。ドセタキセルによる前治療時に進行
を示唆する決定的な所見が認められなかった患者には、同薬剤による再治療を試みることができる。
• 骨転移を有する去勢後再燃前立腺癌患者には、疾患関連性の骨合併症(病的骨折、脊髄圧迫、骨に対する手術または放射線治療を要する状態な
ど)の予防を目的として3~4週毎のゾレドロン酸投与が推奨される。腎機能障害(推定クレアチニンクリアランス30~60mL/分)がみられる患者
では低用量で開始すべきであり、ベースライン時のクレアチニンクリアランスが30mL/分未満の患者には推奨されない。
• 去勢後再燃前立腺癌に対するゾレドロン酸の至適投与期間はまだ確率されていない。
• 骨転移を有するアンドロゲン感受性の前立腺癌患者におけるゾレドロン酸の潜在的役割を明らかにすることを目的とした臨床試験が現在進行中で
ある。
1
2
Petrylak DP, Tangen CM, Hussain MH, et al. Docetaxel and estramustine compared with mitoxantrone and prednisone for advanced refractory prostate cancer. N Engl J Med 2004; 351: 1513-1520.
Tannock IF, de Wit R, Berry WR, et al. Docetaxel plus prednisone or mitoxantrone plus prednisone for advanced prostate cancer. N Engl J Med 2004; vol. 351; 1502-1512.
注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。
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病期分類 NC
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前 立 腺 癌
病理学的病期(pT)
表1
pT2*
前立腺癌の2002年American Joint Committee on Cancer(AJCC)
TNM病期分類
原発腫瘍(T)
臨床病期
pT2a
pT2b
pT2c
pT3
pT3a
pT3b
臓器限局
片葉の半分以下に限局している
片葉の半分を超えて進展しているが、両葉にはまたがらない
両葉にまたがっている
前立腺外進展
前立腺外進展を認める**
精嚢浸潤を認める
膀胱、直腸への浸潤
原発腫瘍の評価が不可能である
原発腫瘍を認めない
触診できず画像検査でも描出されない、臨床的不顕性な腫瘍
pT4
T1a
組織学的に、切除組織の5%以下に、偶発的に発見される腫瘍
*注:病期学的病期ではT1の分類は存在しない。
**注:切除断端陽性の場合は、「R1」(顕微鏡的残存あり)を付記するべきである。
T1b
T1c
組織学的に、切除組織の5%を超え、偶発的に発見される腫瘍
針生検によって腫瘍が同定された場合(PSA高値を理由に施行され
た場合など)
腫瘍が前立腺被膜内に限局している*
腫瘍が片葉の半分以下に限局している
腫瘍が片葉の半分を超えて進展しているが、両葉にはまたがらない
TX
T0
T1
T2
T2a
T2b
T2c
T3
T3a
T3b
T4
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
腫瘍が両葉にまたがっている
腫瘍が前立腺被膜を越えて進展している**
被膜外進展(片側または両側)を認める
腫瘍が精嚢(片側または両側)に浸潤している
腫瘍が精嚢以外の隣接構造物(膀胱頸部、外括約筋、直腸、挙
筋、骨盤壁)の1つ以上に固定されている、または浸潤している。
*注:針生検によって片葉または両葉に発見されたものの、触知できず画像検
査でも確実に描出されない腫瘍は、T1cに分類する。
**注:前立腺尖部または前立腺被膜に浸潤している(ただし被膜を越えない)
ものは、T3ではなくT2に分類する。
所属リンパ節(N)
臨床病期
NX
N0
所属リンパ節の評価が行われなかった
所属リンパ節転移を認めない
N1
所属リンパ節(1つまたは複数)に転移を認める
病理学的病期
所属リンパ節の採取が行われなかった
陽性の所属リンパ節を認めない
所属リンパ節(1個または複数)に転移を認める
PNX
pN0
pN1
遠隔転移(M)*
MX
M0
M1
M1a
M1b
M1c
遠隔転移の評価が不可能である(いかなる方法でも評価できない)
遠隔転移を認めない
遠隔転移を認める
所属リンパ節以外のリンパ節
骨
その他の部位(骨病変の有無は問わない)
*注:転移部位が複数存在する場合は、そのうちで最も進行したカテゴリー
を採用する。pM1c が最も進行したカテゴリーである。
つづく
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前 立 腺 癌
病期の分類
I期
II期
III期
IV期
T1a
T1a
T1b
T1c
T1
T2
T3
T4
すべてのT
すべてのT
N0
N0
N0
N0
N0
N0
N0
N0
N1
すべてのN
M0
M0
M0
M0
M0
M0
M0
M0
M0
M1
G1
G2, 3-4
すべてのG
すべてのG
すべてのG
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
イリノイ州シカゴのAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)の許可を
得て使用。この情報の原本および一次資料は、Springer-Verlag New York社
発行のAJCC Cancer Staging Manual 第6版(2002年)である。(更に詳しい
情報は www.cancerstaging.netを参照。)本資料の引用については、すべて
出典としてAJCCと明記しなければならない。ここに本情報を掲載することは、
AJCCの代理人であるSpringer-Verlag New York社の書面での許可無くして、
再利用および再頒布を行うことを是認するものではない。
すべてのG
すべてのG
すべてのG
すべてのG
すべてのG
組織型
この分類は腺癌および扁平上皮癌に適用され、肉腫および前立腺の移行上皮
癌には適用されない。腺癌に対する修飾語には、粘液性、小細胞、乳頭状、
導管型、神経内分泌などがある。
前立腺の移行上皮癌は尿道腫瘍として分類する。組織学的な病変の確認がな
されるべきである。
病理組織学的異型度(G)
グリソンスコアは、前立腺癌本来の特徴である多様性を考慮に入れているこ
と、また予後予測という点で大きな価値を有することが明確に示されている
ことから、最善の異型度分類法と考えられている。1 番目と 2 番目に優勢な
パターンについてスコア(それぞれ 1~5 点)を決定した後、それらを加算し
て合計スコアを算出する。したがって、スコアは 2 点から 10 点までとなる。
(確認できた病巣がただ 1 つのみの場合は、そのスコアを両スコアとして報
告するべきである。例えば、Gleason 3 の病巣を 1 つだけ認めた場合は、ス
コアは 3+3 と報告する。
)
GX 異型度の評価が不可能である
G1 高分化(軽度の退形成)(Gleason 2~6)
G2 中分化(中等度の退形成)(Gleason 5~6)
G3-4 低分化または未分化(著明な退形成)(Gleason 7~10)
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
下している(1994 年から 2001 年まで毎年-4.1%)。 1 2009 年の前
考察
立腺癌による死亡数は 27,360 例と予測されている。 1 前立腺癌の生物
NCCN のエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー
学的悪性度が低くなっているのでなければ、この比較的低い死亡率は、
前立腺癌の早期発見と治療に対する一般大衆の意識向上がこの頻度の
カテゴリー1:高レベルのエビデンス(例、ランダム化比較試験)に基
高い癌による死亡率に影響を及ぼし始めていることを示唆している。
づく推奨で、NCCN の統一したコンセンサスが存在する。
しかしながら、期待余命に影響を及ぼさない前立腺癌にも早期発見と
治療がなされるようになった結果として、不必要な副作用が発生し、
カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で、NCCN
患者の生活の質や医療費面での損失につながっており、早期発見検査
の統一したコンセンサスが存在する。
としての PSA および直腸指診の価値は減少してきている。 3,4
カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で、NCCN
前立腺癌を始めとする悪性腫瘍の患者を適切に同定し治療するために
の統一したコンセンサスは存在しない(ただし大きな意見の不一致も
は、医師はその自然史を深く理解しておき、さらに診断、病期分類、
ない)。
治療について選択肢を準備しておく必要がある。この目標を達成する
カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づく推奨ではある
が、大きな意見の不一致がある。
特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2A である。
ため、NCCN加盟施設に所属する泌尿器科学、放射線腫瘍学および腫
瘍内科学の第一人者で構成されたNCCNガイドライン委員会によって
前立腺癌治療のガイドラインが策定された。NCCN加盟施設を代表す
る当委員会は前立腺癌ガイドラインの再検討と更新を毎年行っており、
本ガイドラインはNCCNのウェブサイト(www.nccn.org)から入手す
ることができる。治療アルゴリズムおよび推奨事項は、広く普及して
はじめに
いる前立腺癌の治療過程ではなく、容認される治療アプローチについ
米国では 1980 年代後半から 1990 年代初頭にかけて新たに前立腺癌と
て、専門家のコンセンサスを統合した最新のエビデンスを表したもの
診断される患者数が劇的に増加し、前立腺癌は肺癌を上回り男性で最
である。個々の前立腺癌患者の治療を行う医師には、具体的な治療法
1
も多くみられる癌となった。 この変化については、前立腺特異抗原
の決定に当たって独自の判断に従うことが期待される。
(PSA)検査によるスクリーニングによって多数の早期前立腺癌が発
見されたことに起因するとの認識が一般に受け入れられている。実際、
低リスクの前立腺癌患者の占める割合は増加している(1989~1992
年の 29.8%に対し 1999~2001 年では 45.3%、P<0.0001)。 2 前立
期待余命の推定(PROS-A )
PSA 検査が広く普及した結果、大半の患者が無症状の臨床的限局性前
腺癌の発生率は 1995 年から 2001 年まで毎年 2.0%ずつ増加した後、
立腺癌として診断されるようになった。グリソンスコア、PSA 値およ
減少に転じている。2009 年には 192,280 例が新たに診断されると推
び病期を組み合わせることで、患者を治癒の確率が異なるカテゴリー
定され、前立腺癌は 2009 年における男性の新規癌症例の 25%を占め
に効果的に層別化することが可能である。しかしながら初回治療の選
1
ると予想されている。 幸いにも、前立腺癌による年齢調整死亡率も低
択は、治癒の確率だけでなく期待余命、併存症、治療による潜在的副
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前 立 腺 癌
作用、患者の意向などにも大きく左右される。臨床的限局性前立腺癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
ノモグラムおよび予測モデル
に対する初回治療の主な選択肢としては、Active surveillance、根治
的前立腺摘除術、放射線療法などがある。
至適な前立腺癌治療を行うには、前立腺に限局した癌である可能性や
所属リンパ節転移の可能性、治療後に進行あるいは転移を起こす可能
期待余命の推定値は治療に関する意思決定において重要な要因であり、 性、根治的前立腺摘除術が不成功に終わった場合に補助放射線療法で
Active surveillance(下記を参照)を考慮する場合には特に重要とな
救済できる可能性など、様々なリスク評価が必要となる。前立腺癌を
る。集団の期待余命を推定することは可能であるが、この推定値を
最もよく特徴づける指標は臨床(TNM)病期であり、これは直腸指診
個々の患者に外挿することはやや困難である。期待余命はMinnesota
(DRE)所見、生検グリソンスコアおよび血清 PSA 値によって決定さ
Metropolitan Life Insurance TableもしくはSocial Security
れる。画像診断法(超音波、MRI)についても精力的な研究が行われ
Administration Life Insurance Tableを用いて推定することができる。
てきたが、現時点では病期分類に不可欠な補助検査としては受け入れ
5
求めた期待余命は、その患者の健康状態が集団の上位 25%に入ると
考えるか下位 25%に入ると考えるかによって、それぞれ推定値の
50%を加算または減算することで、個々の患者に合わせた調整が可能
られていない。
患者の意思決定、治療法の選択、補助療法を進めていく上では予後予
測が不可欠である。当 NCCN ガイドラインでは、病期、悪性度、PSA
である。例えば、65 歳米国人男性のSocial Security Administration
値という最低限の情報により患者を複数のリスク群に層別化するリス
Life Expectancyは 16.05 年である。上位 25%の健康状態と判断され
ク分類法を取り入れている。このリスク群は、考慮すべき適切な選択
た場合、期待余命は 24 年となる。一方、下位 25%の健康状態と判断
肢を選ぶため、また根治的な局所療法の施行後に生化学的再発
された場合には期待余命は 8 年となる。したがって、65 歳男性が極め
(biological failure)が起こる確率(すなわち、 生化学的再発
て不良または良好な健康状態と判断された場合には、NCCNガイドラ
[ biological recurrence ]や PSA 再発[ PSA failure ] とも呼ばれる
インによる治療に関する推奨内容は劇的に変わる可能性があった。
PSA 値の上昇を来す確率)を予測するために用いられる。 7 このリス
PROS-Aでは、期待余命はSocial Security Administration Tableを用
ク層別化はすでに広く公表され妥当性も検証されており、治療の推奨
いて予測した上で、医師による全体的な健康状態の評価によって修正
に対して臨床病期単独よりも優れた根拠とされている。 8,9
を加えるべきであると提唱している。期待余命が 5 年ずつ変わる例が
NCCN Senior Adult Oncology Guidelinesに提示されている。その他
の予後指標についても研究が行われているが、これらを臨床的に使用
するのは困難である。例えば、Leeらは併存症と機能の程度を組み合わ
せた情報に基づく 4 年死亡率の予後指標を開発している。 6 死亡率に関
する独立した予測因子として 12 の因子が同定され、その内訳は人口統
計学的尺度が 2 つ(年齢および性別)、併存症が 6 つ(BMIを含む)、
機能に関する変数が 4 つであった。
Partin table 10,11 は、臨床的限局性前立腺癌患者のカウンセリングに広
く用いられるようになった最初の予測ツールである。この表は、臨床
病期、生検グリソングレードおよび術前 PSA 値を組み合わせることに
よって病理病期を予測するものであり、(1)臓器限局性、(2)被膜
外(すなわち前立腺外)進展、(3)精嚢浸潤、(4)リンパ節転移と
いう相互に排他的な 4 群に分類する。 11 この表を用いれば、個々の患
者の臨床病期、グリソンスコアおよび PSA 値から、各病理病期の癌が
存在する確率(95%信頼区間)を求めることができる。
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
より正確にリスクを定量化するには、個々の患者の病期および予後に
死亡リスクの尺度としては PSA 倍加時間の方がより有用となる可能性
ついて正確な予測を可能にすべく複数の予後因子間の相互作用も考慮
がある。 29 現在、再発リスクの評価について分子マーカーや放射線学
したノモグラムを開発することが必要であろう。ノモグラムとは、一
的な前立腺の評価法を取り入れた更なる改良が検討されている。しか
連の入力データ(変数)から転帰を予測するための道具である。ノモ
し、それらのアプローチはまだ研究段階であり、現時点では利用でき
グラムでは実際の値にかかわらず関連する複数の予後変数を組み合わ
ず、ルーチンな適用についての妥当性の検証もなされていない。当
せて用いるため、リスク群よりも個々の患者についてより正確な予測
NCCN ガイドライン委員会は、臨床的限局性前立腺癌に対する治療法
が可能となる。リスク群による評価では、ただ 1 つの望ましくない予
の選択に際して NCCN のリスクカテゴリーを用いるとともに、付加的
後因子が根拠となって中リスク群や高リスク群と分類される可能性も
な情報や各症例個別の情報を提供するべくノモグラムを使用すること
ある。一方でノモグラムを用いれば、反対の意味を持つ複数の値(例、 を推奨している。
PSA は高値だがグリソンスコアと臨床病期は低い)についても、より
正確な予測に組み入れることができる。どのモデルでも、PSA 再発ま
Active surveillanceの原則(PROS-B )
での時間の計算に用いる臨床的な関連情報が多いほど、結果はより正
Active surveillance(経過観察、待機療法、待機的管理、治療の延期
確となる。
などとも呼ばれる)では、進行時には介入を行うことを前提とした上
ノモグラムは、Active surveillance
12
、根治的前立腺摘除術
治的前立腺摘除術中の神経血管束温存
省略
19
、密封小線源治療
13,20,21
16-18
13-15
、根
または骨盤リンパ節郭清の
、外照射療法
13,22
を検討している患
で積極的に病状の経過をモニタリングしていく。剖検での前立腺癌の
発見率が高いこと
30
、直腸指診および血清 PSA 値が正常でも前立腺
生検が陽性となる頻度が高いこと
31
、前立腺癌の発生率と死亡率の間
1
者が治療法を決定する際の情報提供手段として用いることができる。
に大きな差がみられること 、ならびに前立腺癌に起因する死亡 1 件
生化学的無増悪生存期間については、年齢、診断時の血清 PSA 値、病
を予防するのにスクリーニングで発見された前立腺癌患者 48 人 4 もし
理学的悪性度および病理病期を用いて術後に再評価することが可能で
くは低リスク前立腺癌患者 100 人
ある。 6,23 根治的前立腺摘除術が不成功に終わった場合に補助または救
ることなどから、前立腺癌を有する米国人男性の全員を診断および治
済放射線療法が成功する可能性についても、ノモグラムを用いて評価
療する必要性があるのかという議論が繰り返されてきた。前立腺癌の
することができる。 13,24
発見および進行に関する最良のモデルによれば、米国においてスクリ
32
を治療する必要があると推定され
ーニングで発見された前立腺癌の 23~42%で過剰治療が行われており、
現在のところ完璧な正確性を有する予測モデルはないが、転移
と癌特異的死亡
15,27
6,13,25,26
についての予測モデルが存在する。また新たな独
立した予後因子の検討も行われている。
28
競合する死因が他に存在す
PSA 検査での早期発見によるリードタイムバイアスは最大で 6.9 年と
推定されている。 33 当 NCCN ガイドライン委員会は、これらの新たな
データの発表を受けて、Active surveillance が推奨されるべき男性
ることを考えれば、PSA 再発となった患者でも、遠隔転移による臨床
(すなわち、期待余命が 20 年未満の超低リスク[very low risk]前立
症状の発現や前立腺癌による死亡を経験するほど長期に生存する患者
腺癌患者と期待余命が 10 年未満の低リスク癌患者)について入念な検
は少数であろう。PSA 倍加時間が短い患者では死亡リスクが最も高く
討を行っている。
なる。一方、PSA 再発は必ずしも臨床的意義があるわけではないため、
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病期分類、考察、参考文献
しかしながら当 NCCN ガイドライン委員会は、他の死因による死亡の
療を比較したランダム化試験やコホート研究の結果は、一部には患者
可能性を推定する際の不確実性、超低リスクまたは低リスク前立腺癌
集団の不均一性のために一定していない(Sanda & Kaplan によるレ
の定義、治癒の可能性を損なうことなく病状進行を検出できる可能性、 ビュー 40 )。例えば、3,331 人のコホートでは、平均追跡期間 7.7 年
41
治療による副作用の可能性と重大性などについても認識している。
で転移率および疾患特異的死亡率に差は認められなかったが
「臨床的意義のない(insignificant)」前立腺癌を病理学的に予測する
人を対象としたランダム化試験では、根治的前立腺摘除術と比較して
ための臨床基準が Epstein らによって提唱された。
34
Epstein らによれ
、695
Active surveillance を受けた群では 12 年疾患特異的死亡率(95%CI、
ば、臨床的意義のない前立腺癌は次の条件をすべて満たすものとされ
0.45~0.94;P=0.03)と遠隔転移率(CI、0.47~0.88;P=0.006)
る:臨床病期が T1c、生検グリソンスコアが 6 以下、生検での陽性コ
の両方について相対リスクが 0.65 という結果であった。 42 最近 3,720
ア数が 3 未満、前立腺癌組織の占拠率が全コアで 50%以下、PSA
人を対象として実施された提示症例に対する投票の結果は、今もなお
density(PSAD)が 0.15ng/mL/g 未満。この基準は有用であるが、医
続く Active surveillance の是非に関する議論と低リスク群に対する至
師が唯一の意思決定者としてこの基準を使用することには警戒が必要
適戦略を明確に示すことの難しさを浮き彫りにしている。 43,44 しかし
である。この Epstein の基準によって臨床的意義がないと判定された
ながら、高リスク症例では症状出現までの経過観察よりも積極的な介
癌の実に 8%が術後の検討で臓器限局性でないと判明したとの報告が
入を行った場合の方が 5 年全生存率も疾患特異的生存率も良好であり
ある。
36
23,35
一方、改善された可能性のある新しいノモグラムもある。
この定義を基に改変されたノモグラムが数多く提唱されてきたが
(Bastian らによるレビュー
37
45
、高リスク症例では高齢や健康状態不良の場合を除き経過観察は行
うべきでない。
)、当 NCCN ガイドライン委員会では、
臨床的意義のない前立腺癌は(血清 PSA 値により早期に発見された場
結局のところ、Active surveillance を勧める場合は、期待余命、疾患
合は特に)期待余命 20 年未満の男性にとってほとんど脅威とならない
の特徴、全身的な健康状態、治療による副作用の可能性、患者の意向
という見解でコンセンサスを得ている。超低リスク前立腺癌の米国人
など、数多くの因子を症例毎に注意深く比較検討する必要がある。
患者では前立腺癌死亡のリスクが非常に小さいという知見については、
PSA 検査での早期発見によって生じるリードタイムバイアスが 55 歳
で 12.3 年、75 歳で 6 年と推定されている
38
ことからも信頼性が高ま
っている。
上昇するであろうこと、そして時間とともに腫瘍の増殖が進む可能性
もあることを認識しておく必要がある。腫瘍はいつまでも安定した状
態を維持すると患者が思い込んでいるのは問題であり、治療延期とい
低リスク癌の患者と期待余命の短い患者には Active surveillance が最
良の選択肢と考えられる。最近の Lu-Yao ら
Active surveillance に関与する患者および医師は、おそらく PSA 値は
39
の報告によれば、
う方針を再考するだけの心構えをさせておく必要がある。介入開始の
条件としては PSA、病理病期、臨床的進行などに基づく複数の判定基
Active surveillance を選択した患者における疾患特異的死亡率は、
準が用いられてきた。 46-48 これらの判定基準の妥当性が最終的に確立
1992 年から 2002 年までに診断された患者では、PSA 検査普及前のそ
されるか否かは依然として不明である。
れ以前に診断された患者と比べて最大で 74%減少していた。Active
surveillance の役割は、PSA 検査によって診断が早期化するにつれて
増していくはずである。しかしながら、この待機的な戦略と即時の治
患者はDREとPSA検査を含む定期的なフォローアップのスケジュール
に従う必要があり、さらに PROS-Bに概要を示した頻度で前立腺針生
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前 立 腺 癌
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
RT 技術の進歩により、この数十年間で、より多くの線量を安全に照射
することが可能になった。例えば、1990 年代初頭まで用いられていた
を認めた場合、前立腺生検で発見される前立腺癌の生検本数または占
標準的な 2 次元治療計画法では、急性および慢性の毒性のために総線
拠率が増加した場合、もしくはPSA倍加時間が 3 年未満である場合に
量 67~70Gy が限界であった。1990 年代に三次元治療計画法が開発さ
は、癌の進行が示唆される。これらの場合については、当NCCNガイ
ドライン委員会はほとんどの症例で治療を開始するよう推奨している。 れてからは、急性毒性のリスクが軽減されたことにより、より高線量
での治療が可能となった。3D-CRT は、治療実施時の体内構造の位置
Active surveillance の利点としては、(1)必ずしも必要でない根治的
を捉えた CT 画像をコンピュータソフトウェアを用いて統合すること
により、高線量照射を受ける領域を前立腺の形状により正確に「合わ
治療による副作用を回避できる、(2)生活の質と正常な活動を維持で
きる、(3)進行が緩徐な小さな癌に対する不必要な治療を回避できる、 せ込む(conform)」照射技術である。この 3D-CRT は、晩期障害の
リスクを低く抑えつつ累積線量を増加させることを可能にする。 25,50(4)当初の医療費を削減できる、などが挙げられる。一方 Active
52
現在では、第 2 世代の三次元照射技術である強度変調放射線療法
surveillance の欠点としては、(1)根治的治療の機会を逃す可能性が
(IMRT)が最先端の方法であり、これが必要とされている。
ある、(2)治療開始までに癌が進行または転移する可能性がある、
検を繰り返し施行してもよい。再生検でグリソングレード 4~5 の組織
(3)進行性の強い大きな癌の場合には副作用が多くなり治療が複雑に
なる、(4)治療開始後の前立腺摘除術において神経温存が困難となり、
術後の性機能温存の可能性が低くなる、(5)未治療の癌を抱えて生き
ていくことで不安が増す
49
、(6)頻繁な受診と定期的な前立腺生検
が必要となる、(7)未治療で放置した場合の前立腺癌の長期的な自然
史が不明確である、(8)定期的な画像診断の実施時期とその価値が明
らかにされていない、などが挙げられる。現在、Active surveillance
の選択後に根治的治療を開始する時期を決定するための基準について
研究が進められている。
放射線療法の原則(PROS-C )
外照射療法
外照射療法は臨床的限局性前立腺癌に対する主要な治療選択肢の 1 つ
である。当 NCCN ガイドライン委員会では、近年の放射線療法
(RT)および手術の症例集積研究によれば、手術成績に関する研究の
方が一般に追跡期間が長いものの、低リスク群では根治的前立腺摘除
術と RT とで無増悪生存率はほぼ同等である、という見解でコンセン
サスに達している。
これらの照射技術によってより安全な線量増加が可能となったが、線
量増加が生化学的な転帰の改善につながることがランダム化試験の結
果から示唆されている。 53-56 最近、T1b~T3 期の前立腺癌患者 301 人
を対象とした線量増加試験の最新の解析結果が Kuban ら 56 によって発
表された。中央値 8.7 年間の追跡により、78Gy 照射群では 70Gy 照射
群に比べて生化学的または臨床的再発が少なかったと報告された
(78% vs 59%、P=0.004)。この差は当初の PSA 値が 10ng/mL を
超える患者ではさらに大きかった(78% vs 39%、P=0.001)。この
結果から考えれば、もはや従来の 70Gy で十分とは考えられない。低
リスク群では、前立腺に対して(場合により精嚢も含めて)総線量
75.6~79Gy を標準の 36~41 回分割にて照射するのが適切である。中
および高リスク群での線量は 75~80Gy とすべきである。比較的高線
量(75Gy 以上)での治療を行う場合は、日々移動する前立腺の位置確
認を行う画像誘導放射線治療(IGRT)が照射マージンを減らし治療精
度を確保する上で不可欠となる。一方、超音波画像法などの画像診断
技術や埋め込みマーカー、電磁的な原理を利用した標的設定法や動体
追跡法、直腸バルーンなどが、治癒率を改善し合併症を最小限に抑え
る上で有用となる可能性がある。
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in Oncology – v.1.2010
前 立 腺 癌
RT の治療計画における重要事項の 1 つとして、骨盤リンパ節照射とア
ンドロゲン遮断療法(ADT)の追加が有益となる患者を同定するとい
う課題がある。高リスク群を規定する有害因子を 1 つのみ認める高リ
スク群の患者は、骨盤リンパ節照射(78~80+Gy)および 2~3 年間
ないし 4~6 ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT
の追加を検討すべき対象である。中リスク群では、骨盤リンパ節照射
および 4~6 ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT
の追加を考慮してもよい。低リスク群では、骨盤リンパ節照射も ADT
も施行するべきでない。望ましくない病理学的特徴を認める場合と
PSA 値が検出可能な水準である場合については、根治的前立腺摘除術
後の補助/救済 RT を支持するエビデンスがランダム化試験から得られ
ている(「再発高/超高リスク症例に対する補助療法」の節を参照)。
前立腺癌に対する外照射療法には、外科療法にはない特徴的な利点が
いくつか存在する。RT では、出血や輸血関連の有害事象などの手術に
伴う合併症に加えて、心筋梗塞や肺塞栓症などの麻酔に伴うリスクも
回避できる。3D-CRT と IMRT は地域医療にも広く普及しており、幅
広い年齢層の患者に対して施行可能である。この治療法では尿失禁お
よび尿路狭窄のリスクが非常に低く、勃起機能を短期的に温存できる
可能性も高い。 57 ADT を併用した場合は、前立腺の被膜外に進展した
腫瘍も根絶できるため、局所進行癌でも放射線療法により延命効果が
もたらされる。 58 しかしながら、ADT を追加すれば勃起障害のリスク
が増加する。 59
外照射療法の欠点としては、8~9 週間という治療期間が挙げられる。
治療中には最大 50%の患者において何らかの膀胱または腸管症状が一
過性に発生するほか、放射線直腸炎による遷延性の直腸症状のリスク
もわずかながら確かにあり、勃起障害のリスクは経時的に増加してい
く。 57,59 さらに、再発した場合の救済手術では最初から手術を行う場
合よりも合併症のリスクが高くなる。 60 RT の禁忌としては、骨盤照射
の既往、直腸の活動期の炎症性疾患、フォーリーカテーテルの永久留
置などがある。相対的禁忌としては、膀胱容量が非常に小さい、中等
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
度または重度の慢性下痢、恥骨上カテーテル法を必要とする下部尿路
閉塞、非活動期の潰瘍性大腸炎などがある。
密封小線源治療
密封小線源治療では前立腺組織内に放射線源が留置される。大半の施
設が永久挿入法を採用しており、この場合、前立腺組織内に線源が挿
入され、その放射活性は徐々に失われていく。このような低エネルギ
ー線源から放出される放射線では照射距離が短いため、前立腺内部の
癌組織に十分な線量を照射しつつ、一方で膀胱および直腸への過剰照
射を回避することができる。密封小線源治療では外照射療法と比べて
遥かに低い線量率での照射となるため、非常に高い線量を照射するこ
とができず、それゆえ生物学的な効果は比較的小さなものとなる。最
近の密封小線源治療技術では、放射性シードの配置および線量分布に
ついて改善が図られている。単独療法としての前立腺密封小線源治療
は、臨床的に臓器限局性とされた早期前立腺癌(cT1c~T2a、グリソ
ングレード 2~6、PSA<10ng/mL)に対する治療選択肢として現在人
気を博している。
密封小線源治療の利点は、治療が 1 日で完了するため日常生活の時間
的損失がほとんどないことにある。適切に症例を選んだ場合、比較的
長期間の追跡による癌制御率は低リスク群に対する手術での制御率
(90%以上)に匹敵するようである。 61 さらに、経尿道的前立腺切除
術(TURP)の治療歴がない患者の失禁リスクは極めて低く、短期的
な勃起機能も温存される。 59 密封小線源治療の欠点としては、全身麻
酔の必要性や急性尿閉のリスクなどが挙げられる。刺激性の排尿症状
が線源挿入後 1 年にもわたってみられる場合も多い。また TURP の施
行歴がある場合は、急性尿閉や膀胱頸部硬化症による失禁リスクが高
くなり、多くの患者が数年にわたる進行性の勃起障害を来すことにな
る。
単独療法としての密封小線源治療は低リスク群で適応となる。中リス
ク癌では、密封小線源治療にネオアジュバント ADT および外照射療法
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前 立 腺 癌
(40~50Gy)または外照射療法のみを併用することができるが、その
場合は合併症の発生率が高くなる。高リスク群の患者には密封小線源
治療は不適であると一般には考えられているが、限定された症例では、
外照射療法と ADT を追加することで密封小線源治療が有効となる可能
性がある。D’Amico らは、PSA 値が 20ng/mL 以上で臨床病期が
T3/T4 またはグリソンスコアが 8~10 である患者 1,342 人で構成され
るコホートを対象として研究を行った。 62 この研究では、外照射療法
または ADT の追加は密封小線源治療単独の場合を上回る効果をもたら
さなかったが、3 つの治療法をすべて併用した場合には、密封小線源
治療単独と比べて前立腺癌特異的死亡率の低下がみられた(調整 HR=
0.32;95%CI、0.14~0.73)。
放射線療法は前立腺癌の骨転移による症状の緩和にも有効である。最
近の研究によると、カナダおよび欧州では骨転移を伴う前立腺癌の治
療として短期間の放射線療法が広く施行されていることが確認されて
いる。 64 800cGy×1 という短期間の治療では、3,000cGy の 10 回分割
の場合と比べて有効性は同程度ある一方、費用は少額で済む。 65
American College of Radiology の治療ガイドラインに基づき、大半の
患者では脊椎を除く骨転移に対する 800cGy 単回照射を施行すべきで
ある。 66
広範な転移を来した患者には放射性医薬品が有効かつ適切な選択肢と
なり、有効な化学療法の適応がなくなった患者では特に重要となる。
66
前立腺が非常に大きいまたは非常に小さい患者、下部尿路閉塞症状が
みられる(国際前立腺症状スコアが高い)患者ならびに TURP の治療
歴を有する患者は、密封小線源治療の理想的な候補とは言えない。こ
のような場合は、線源の留置が困難となる可能性があり、副作用のリ
スクが高くなる。ネオアジュバント ADT によって前立腺を許容範囲ま
で縮小させることができる。治療の質を確認するために留置後には線
量測定を行うべきである。 63 単独療法としての推奨処方線量はヨウ素
125 で 145Gy、パラジウム 103 で 125Gy である。一方 40~50Gy の
外照射後の追加照射での線量は、それぞれ 110Gy と 100Gy である。
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
多くの患者で多発性の骨痛がみられるため、骨転移巣を標的とした
全身治療によって、副作用を最小限に抑えつつ疼痛の緩和を図れる可
能性がある。有痛性骨転移の治療用に開発された放射性医薬品で前立
腺癌に最も頻用されるものとしては、ストロンチウム 89( 89 Sr)とサ
マリウム 153( 153 Sm)が挙げられる。 67
手術療法の原則(PROS-D )
根治的前立腺摘除術
根治的前立腺摘除術は、臨床的に腫瘍が前立腺に限局していると判断
陽子線治療
される症例で適切となる。しかし、周術期合併症の可能性があること
代替の放射線源として陽子線を使用することも可能である。理論的に
から、根治的前立腺摘除術は期待余命が 10 年以上の患者にのみ施行さ
は、陽子は周辺組織にあまり損傷を与えることなく深部の腫瘍に到達
れるべきである。この推奨は、20 年間の追跡によって悪性度の低い前
する。 しかしながら、前立腺癌治療における従来の外照射療法に対す
立腺癌患者における癌特異的死亡率が 10%未満であることを示したデ
る陽子線治療の優位性ないし同等性を実証したデータが臨床試験から
ータとも矛盾しない。 68,69 Stephenson らの報告
得られていないことから、現時点では陽子線治療をルーチンに施行す
前立腺摘除術を受けた患者の 15 年前立腺癌特異的死亡率は 12%(低
ることは推奨されない。
リスク群では 5%)と低かったが、この良好な予後が手術の有効性に
15
によると、根治的
よるものか PSA 時代に発見された癌の死亡率がそもそも低いことによ
緩和的放射線療法
るものかは明らかでない。
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前 立 腺 癌
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
恥骨後式と経会陰式のどちらの到達法でも大半の患者で癌の長期制御
会は、陽性リンパ節の 12.1%を見逃すものの PLND を 47.7%回避で
が達成されており、手術件数の多い施設の経験豊富な外科医による手
きる
75
ことを根拠として、2%という値を採用している。
術成績は一般に良好である。一方、ロボット支援腹腔鏡下根治的前立
腺摘除術も広く行われており、熟練した外科医が施行する場合の手術
成績は従来のアプローチによる手術に匹敵すると考えられている。
70,71
8,837 例を対象とした最近のコホート研究によると、米国の
Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)と Medicare
の情報を結びつけたデータから、低侵襲手術は開腹手術と比べて入院
期間の短縮、輸血の必要性の減少、手術合併症の減少につながってい
たが、失禁および勃起障害の発生率が高かったことが判明した。 72 追
加治療の有無を指標とした腫瘍学的成績はほぼ同等であった。
術後の尿禁制の回復は、前立腺尖部より遠位の尿道を温存するととも
に遠位括約筋機構の損傷を回避することによって改善される可能性が
PLND としては拡大郭清を行うべきである。拡大 PLND では、前方を
外腸骨静脈、側方を骨盤側壁、内側を膀胱壁、後方を骨盤底、遠位側
をクーパー靱帯、近位側を内腸骨動脈に囲まれた領域内にあるすべて
のリンパ節を周囲の組織を含めて郭清する。より多くのリンパ節を摘
出すれば、リンパ節転移が発見される可能性が高まり、ひいてはより
正確な病期分類が可能となる。 76-78 より広範なリンパ節郭清によって
生存率の改善がみられることが数件の研究から示唆されており、おそ
らくは顕微鏡的転移巣の除去によるものと考えられる。 77,79-81 PLND
は腹腔鏡下、ロボット支援下、開腹下のいずれでも安全に施行でき、
これら 3 つにおける合併症発生率はほぼ同等のはずである。
アンドロゲン遮断療法の原則(PROS-E)
ある。吻合部狭窄は長期の失禁リスクを高めるが、近年の手術手技で
はその頻度は減少している。勃起機能の回復には、陰茎海綿体神経の
アンドロゲン遮断療法(ADT)は前立腺癌の治療に広く用いられてい
温存の程度、手術時の年齢および術前の勃起機能が直接関係する。ま
る。ADT は LHRH アゴニスト(内科的去勢)か両側精巣摘除術(外科
た神経温存によって排尿機能にも改善がみられたという報告がある。
73
神経血管束が広範に切除された患者に対して切除部を神経移植片で
置換する試みの有効性は明らかではない。 74 術後早期から薬理学的な
手法により勃起刺激を行うことで、後々の性機能の回復が改善される
可能性がある。外照射療法、密封小線源治療または凍結療法後に局所
再発を来した転移のない患者では、症例を十分に選択した上で救済治
療としての根治的前立腺摘除術を考慮してもよいが、合併症(失禁、
勃起機能の喪失、吻合部狭窄など)の発生率は高い。
骨盤リンパ節郭清術(PLND)
PLND の施行については、リンパ節転移の確率を考慮して決定すべき
的去勢)によって行われ、両者の有効性は同等である。複合アンドロ
ゲン遮断療法(combined androgen blockade、内科的または外科的去
勢と抗アンドロゲン剤の併用)と三種アンドロゲン遮断療法(triple
androgen blockade、フィナステリドまたはデュタステリド+抗アン
ドロゲン剤+内科的または外科的去勢)については、去勢単独を上回
る有益性は証明されていない。明らかな転移を認める患者で、LHRH
アゴニスト単独投与の当初にみられるテストステロン値の一過性上昇
による症状発生のリスクが高い場合は、抗アンドロゲン剤を先に投与
しておくか、LHRH アゴニストと同時投与して 7 日間以上併用を継続
するべきである。 82,83 内科的または外科的去勢では血清テストステロ
ン値の十分な抑制(<50ng/mL)が得られない患者には、別のホルモ
ン療法(エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤またはステロイド剤を用
である。PLND 施行のカットオフ値として当 NCCN ガイドライン委員
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
いる)の追加を考慮してもよいが、その臨床的有益性については不明
および医師の不安、短期的および長期的な ADT の副作用に影響される。
である。
早期から持続的 ADT を施行することも許容されるが、癌の進行時まで
綿密な経過観察を行って、その時点で適切な治療法を検討するという
持続的 ADT に対するいくつかの代替治療レジメンについて限定的なが
アプローチもまた選択肢の 1 つである。早期および遅延の定義(すな
らも研究が行われている。間欠的 ADT は副作用を軽減するためのアプ
わち PSA 値の基準をどうするか)については依然として議論があるも
ローチとして広く用いられているが、長期間での有効性はまだ証明さ
のの、待機遅延 ADT よりも早期 ADT の方が優れているであろう。
れておらず、間欠的 ADT と持続的 ADT を比較する大規模な多施設研
ADT の有益性は不明であるため
究(SWOG 9346 および NCI Canada PR7)が現在進行しているとこ
は個別化した治療を行っていくべきである。PSA 値が高い(>
ろである。抗アンドロゲン剤単独療法は内科的または外科的去勢ほど
50ng/mL)かつ/または PSA 倍加時間が短い(PSA 年間増加度が高
は有効でないようであるが、明らかな転移を認めない場合(M0)は例
い)患者と期待余命が長い患者には、より早期に ADT を検討するよう
外である可能性がある。Active surveillance を行っている限局癌患者
に勧めるべきである。
90
、決定的な研究成果が得られるまで
では、抗アンドロゲン剤単独療法は死亡率の上昇と関連している可能
性がある。 84 副作用は ADT と異なるが、全体的に抗アンドロゲン剤単
骨盤リンパ節転移陽性の患者における術後補助 ADT の有益性に関する
独療法は忍容性が低いと考えられている。
研究では、相矛盾する知見が得られている。Messing らの研究では、
根治的前立腺摘除術でリンパ節転移陽性とされた患者が即時 ADT 群
高リスクの臨床的限局癌または局所進行癌の患者では、根治的放射線
(n=47)と経過観察群(n=51)とにランダムに割り付けられた。 91
療法との併用で ADT がルーチンに施行される。この状況では、放射線
中央値 11.9 年間の追跡により、即時 ADT 群に有意な全生存率の改善
療法の施行前、施行後および施行中に ADT を行うことにより、選択さ
が認められた(HR=1.84;95%CI、1.01~3.35)。しかし、この試
れた症例では生存期間の延長が得られる。 85-89 ADT はまた転移例にも
験結果には異議が唱えられた。メタアナリシスの結果、ASCO ガイド
ルーチンに施行される。早期 ADT は症状出現と転移を遅らせるが、早
ラインではリンパ節転移陽性の前立腺癌患者には ADT は行うべきでな
期 ADT が生存期間の延長につながるかどうかは不明である。長期間の
いと推奨されるようになった。 90 最近報告された 731 人のコホートの
ADT の合併症については、まだ十分な検討が行われていない。
分析でも、経過観察との比較で根治的前立腺摘除術後 4 ヵ月以内に
根治的治療の施行後に PSA 値の上昇を認めるものの癌を示唆する症状
ADT を開始した場合の生存期間の延長を示すことはできなかった。 92
や臨床所見が認められない患者においては、治療上の ADT の役割を判
初回治療完了後の抗アンドロゲン剤単独療法は、早期前立腺癌患者を
断することは非常に難しくなる。このような患者の一部は最終的にそ
対象とした進行または再発の可能性を低減するための補助療法として
の癌が原因で死亡する。その予後は(1)PSA の絶対値、(2)経時的
も検討されてきた。Early Prostate Cancer(EPC)は、これまでに実
な PSA 値の変化率(PSA「倍加時間」)ならびに(3)当初の病期、
施されてきた中で最も大規模な前立腺癌の臨床試験であり、待機療法、
悪性度および根治的治療施行時の PSA 値を総合することによって最も
放射線療法または根治的前立腺摘除術により管理されていた前立腺癌
良好に推定される。したがって、癌を示す所見が PSA 値の上昇だけで
患者 8,113 人を対象として、補助療法としてのビカルタミド 1 日
ある患者に対して ADT が開始される時期は、PSA 年間増加度、患者
150mg 投与の評価が行われた。最初の報告は 2001 年に発表され、
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前 立 腺 癌
2004 年に追加解析の結果が、さらに 2006 年に 7.4 年間の追跡結果が
発表された。
93
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
限局性(T1-2, N0)または局所進行性(T3-4, any N
ADT には、骨粗鬆症、臨床的骨折の頻度上昇、肥満、インスリン抵抗
性、脂質代謝の変化、糖尿病および心血管疾患リスクの増大など、
または any T, N+)前立腺癌の患者が登録された。主要エンドポイン
様々な有害作用がある。一般に、持続的 ADT の副作用は治療期間が長
トは無増悪生存率(PFS)および全生存率とされた。限局癌患者では
くなるほど増加する。患者および医療提供者には治療開始前にこれら
ビカルタミドを追加しても臨床的な有益性は得られないようであった
のリスクについて情報が与えられるべきである。
と報告された。一方、局所進行性前立腺癌患者では、標準療法へのビ
カルタミド 150mg 投与の追加により主治療に関係なく無増悪生存率の
改善が認められた。
骨粗鬆症は重要な問題であるが、男性では世界的に過小評価されてい
る。 96 米国では、男性の骨粗鬆症患者が 200 万人存在するほか、骨粗
鬆症のリスクを有する男性がさらに 1,200 万人存在する。性腺機能低
同試験の北米人被験者のみに対象を絞った結果が別に報告されている。 下症、長期のグルココルチコイド療法およびアルコール乱用が男性に
94
このサブセットでは、全例が前立腺摘除術または放射線療法のいず
おける後天性の骨粗鬆症の主な原因である。
れかを受けており、骨盤リンパ節陽性の患者は対象外とされた。ラン
ダム化の後、被験者には補助療法としてビカルタミド 1 日 150mg かプ
ADT では臨床的骨折のリスクが増大する。例えば、集団ベースの大規
ラセボのいずれかが 2 年間投与された。中央値 7.7 年間の追跡が行わ
模研究では、ADT による 21~54%の骨折リスクの増大が報告されて
れたが、両群とも臨床的イベントはほとんどみられず、主要エンドポ
いる。 97-99 治療期間が長くなるほど骨折リスクは増大した。また年齢
イントである無増悪生存率と全生存率のいずれにも差は認められなか
および併存症にも骨折頻度との関連が認められた。ADT は骨代謝回転
った。しかしながら、ビカルタミド群では PSA 進行までの時間が有意
を亢進させ、骨折リスクの代替指標である骨密度
に延長していた。著者らは、このデータでは早期前立腺癌患者に対す
大腿骨近位部および脊椎の骨密度は初回治療中、年間約 2~3%のペー
るビカルタミドによる補助療法の有益性は支持されないと結論づけて
スで低下していく。ほとんどの研究で、骨密度は長期間の治療中に着
いる。一方で、この結果が試験全体としての結果と整合しなかった事
実に低下し続けるという結果が報告されている。ADT では筋肉量の有
についても言及している。
意な減少もみられ
104
100-103
を低下させる。
、治療関連性の筋肉減少症が高齢患者における虚
弱や転倒リスク増大の一因となっているようである。
最終的に ADT は、早期の低リスク癌(特に高齢患者)に対する一次療
法として一般的に用いられている。高齢の限局性前立腺癌(T1~T2)
National Osteoporosis Foundation(www.nof.org)の一般集団用のガ
患者 19,271 人のコホート研究において、Lu-Yao らは、経過観察単独
イドラインに準じた骨粗鬆症のスクリーニングおよび治療が推奨され
と比べて ADT による延命効果は認められず
95
、高齢の前立腺癌患者
る。このNational Osteoporosis Foundationのガイドラインでは、
に対し ADT を施行することはルーチンの診療とすべきではないと報告
(1)50 歳以上の男性全員に対するカルシウム(1 日 1,200mg)およ
している。
びビタミンD3(1 日 800~1,000IU)の補充と、(2)10 年以内の股関
節骨折の確率が 3%以上または 10 年以内の重大な骨粗鬆症関連骨折の
ADT の有害作用
確率が 20%以上の男性に対する追加治療が推奨されている。骨折リス
クについては、世界保健機関(http://www.sheffield.ac.uk/FRAX/)が最
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
近公表したアルゴリズムであるFRAX®を使用することで評価できる。
ある画期的な集団ベースの研究において、ADT には糖尿病および心血
ADTについてFRAX®を用いる場合は、「続発性骨粗鬆症(secondary
管疾患の発生頻度との関連が示されている。 112 年齢や併存症などの他
osteoporosis)」と考えるべきである。
の変数について調整がなされた後も、GnRH アゴニストによる ADT に
は新たな糖尿病(HR=1.44;P<0.001)、冠動脈疾患(HR=1.16;
ADT 施行中の骨折予防に関するエビデンスは限られている。数件の小
P<0.001)および心筋梗塞(HR=1.11;P=0.03)のリスク増加との
規模なランダム化比較試験からは、ADT 施行中にビスホスホネート系
関連が認められた。その後の大規模な集団ベースの研究でも、ADT と
薬剤を使用することで骨折リスクの代替指標である骨密度が増加する
心血管合併症発生率との間に有意な関連が報告されている。 113 ADT
ことが実証されている。GnRH アゴニスト療法を受ける患者へのパミ
と心血管死亡率の潜在的関係について評価した研究では、一定の結果
ドロン酸の静脈内投与により、骨代謝回転の生化学マーカーの有意な
は得られていない。 112,114--118
減少と股関節部および脊椎の骨密度の増加がみられた。
103,105
前立腺
癌患者 106 人を対象とした 12 ヵ月間の多施設プラセボ対照試験では、 ADT 施行中の糖尿病および心血管疾患リスクの増大には、いくつかの
3 ヵ月毎のゾレドロン酸の静脈内投与により股関節部および脊椎の骨
密度がそれぞれ 3.9%および 7.8%増加した。
106
年 1 回のゾレドロン
酸投与でも同様の結果が報告されている。 107 前立腺癌患者 112 人を対
象としたランダム化比較試験では、アレンドロン酸投与により 12 ヵ月
間で股関節部および脊椎の骨密度が 2.3%および 5.1%増加した。
108
機序が寄与している可能性がある。ADT は体脂肪量を増加させ、除脂
肪体重を減少させる。 104,119,120 また GnRH アゴニストによる ADT は、
空腹時血漿インスリン濃度を増加させ
下させる。
123
121,122
、インスリン感受性を低
ADT はさらに、血清中のコレステロール値およびトリグ
リセリド値も増加させる。 121-124 .
現在のところ、薬物療法が正当化されるだけの絶対的な骨折リスクが
ある場合には、ゾレドロン酸(4mg、静注、年 1 回)またはアレンド
心血管疾患と糖尿病は一般集団における罹病および死亡の主要原因で
ロン酸(70mg、経口、週 1 回)による治療が推奨される。
ある。これまでに観察されてきた ADT の有害な代謝作用ならびに
ADT と糖尿病および心血管疾患の頻度増加との関連性を根拠として、
ADT 施行中の骨量減少と骨折を予防するための新規薬剤に関する 2 件
ADT を受ける患者には糖尿病および心血管疾患のスクリーニングとそ
の大規模ランダム化比較試験が最近終了した。一方の試験では、NF-κ
の予防/治療のための介入が推奨される。ADT を受ける患者での糖尿病
B 活性化受容体リガンド(RANKL)を標的とした新規のヒトモノクロ
および心血管疾患のスクリーニング、予防および治療の戦略が一般集
ーナル抗体であるデノスマブを年 2 回投与することにより、骨密度の
団でのそれと同じでよいかどうかは依然として不明である。
増加と骨折発生率の減少が認められた。
109
もう一方の試験では、選択
的エストロゲン受容体調節薬であるトレミフェンの評価が行われた。
110,111
現在も進行中のこの試験の中間報告では、トレミフェン群では
プラセボ群と比べて骨密度だけでなく脂質プロファイルも改善されて
いた。 110,111
アルゴリズム
初回の前立腺癌診断
前立腺癌はまず、直腸指診(DRE)の異常もしくはPSA値の上昇から
疑われる。PSAは 4.0ng/mL以下が正常とされているが、このPSA「正
常」とされる男性でも、その 15%には前立腺癌が存在し、2%は悪性
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
度の高い癌である。その値を下回る限り癌は検出されないというPSA
期待余命が 5 年未満で臨床症状を認めない患者では、症状が発現する
値は実際には存在せず、PSA値 0.5ng/mL未満の男性でも、生検を行え
まで更なる精査や治療を延期してもよい。水腎症または転移の発生に
ば悪性度の高い前立腺癌を認める者が少数存在する。
31
別のNCCNガ
関わる危険因子(大きな T3~T4 癌またはグリソンスコア 8~10)を
イドライン委員会によって前立腺癌の早期発見に関するガイドライン
認める場合は、ADT または放射線療法(RT)を考慮してもよい。進行
が作成されている(NCCN前立腺癌早期発見ガイドラインを参照)。
癌の患者でも、治療によるリスクと合併症が生存期間の延長や生活の
確定診断には前立腺生検が必須であり、通常は泌尿器科医により経直
質の改善でみた治療の有益性を上回ると判断される場合は、経過観察
腸超音波ガイド下での針生検が実施される。続いて、得られた生検標
の候補となりうる。
本について最も優勢なグリソングレードと 2 番目に優勢なグリソング
レードが病理医によって判定される。臨床病期分類はAmerican Joint
症状を認めるか期待余命が 5 年以上である患者では、PSA 値が
Committee on Cancerによる 2002 年のTNM分類に基づいて行われる
20ng/mL を超えるかグリソンスコアが 8 以上である T1~T2 症例の場
(ST-1を参照)。
125
NCCN治療ガイドラインの目標は、治療に関係す
合には骨スキャンの施行が適切となる。T3~T4 症例または症状を認め
る合併症を最小限に抑えつつ癌患者の生存期間を可能な限り延長する
る症例にも骨スキャンが施行されるべきである。T3 または T4 症例と
ことにある。
ノモグラムによるリンパ節転移の確率が 20%を超える T1 または T2
病理概要報告書(pathology synoptic reports、プロトコル)は手術標
本での検査結果を報告する上で有用であり、臨床的に有用な関連情報
を病理医が提示する際の助けとなる。当 NCCN ガイドライン委員会は、
College of American Pathologists(CAP)の病理概要報告書を支持し
ている。 126
2004 年 1 月 1 日、American College of Surgeons の Commission on
Cancer(COC)は、Cancer Program Standards for Approved
Cancer Programs の一環として具体的なチェックリスト項目で構成さ
れるプロトコルの使用を義務づけた。したがって、病理医はこれらの
文書に精通しておくべきである。CAP プロトコルはこの COC の要件
を満たしている。
症例では骨盤 CT(コンピュータ断層撮影)または MRI(磁気共鳴画
像法)が推奨されるが、リンパ節陽性の確率が 45%以上でない限り病
期分類検査としての費用対効果は乏しい。 127 疑わしいリンパ節所見を
認めた場合は、更なる評価のために生検を考慮する必要がある。上記
以外の患者では、病期分類に追加的な画像検査は不要である。
病期分類のための精査が終了したら、再発リスクに従って、低・中・
高リスクの臨床的限局癌、超高リスクの局所進行癌または転移癌のい
ずれかに患者を分類する。
低リスク群(PROS-2)
当 NCCN ガイドラインの定義に従えば、生化学的再発のリスクが低い
患者には T1~T2a 期かつグリソンスコア低値(2~6)かつ血清 PSA
初回の臨床評価および病期評価(PROS-1)
値 10ng/mL 未満の患者が該当する。50 歳以上の男性では 40%に前立
診断時には、推奨する初回治療の決定を目的とした、期待余命および
腺癌が存在するが、臨床症状を呈するのはその 1/4 にすぎず、また前
癌症状の有無に基づく患者の層別化を行う。
立腺癌特異的死亡となるのは 1/14 にすぎない。したがって、低リスク
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
前立腺癌で期待余命が 10 年未満の患者には Active surveillance が推
たが、低リスク患者における凍結療法後の 5 年生化学的無病生存率は
奨される。このアプローチに関するエビデンスは、低分化癌を除く大
65~92%と報告されている。 131 しかしながら、この治療法については
半の前立腺癌では 5~10 年癌特異的死亡率が非常に低いことを示した
放射線療法や根治的前立腺摘除術と比べて長期研究のデータが不足し
データから支持されている。
68,69,128
ているため、初回治療としては推奨されない。
期待余命が 10 年以上の場合の推奨治療としては根治的前立腺摘除術が
その選択肢の 1 つであり、骨盤リンパ節転移の確率が 2%以上と予測
超低リスク群(PROS-2)
当NCCNガイドライン委員会は、早期発見やスクリーニングへのPSA
される場合には骨盤リンパ節郭清術も推奨される。患者 223 人を 21
検査の普及による前立腺癌の診断頻度の増加に関連する過剰治療とい
年間追跡した Johansson らによる研究において、未治療の早期前立腺
う問題について依然として懸念を抱いている(NCCN前立腺癌早期発見
癌の長期間の自然史が評価されている。
129
早期の段階で診断された前
ガイドラインを参照)。根治的治療による副作用の可能性を考慮すれば、
立腺癌は大半が緩徐な経過をたどるが、長期的には局所進行癌や活動
超低リスクの基準を満たす前立腺癌で期待余命が 20 年未満の患者には、
性の高い転移癌になりうることが示された。最初の 5 年間と比較する
Active surveillanceが行われるべきである。サーベイランスが望まし
と 15 年間の追跡後の死亡率は有意に高かった。この結果は(特に期待
い臨床的意義のない腫瘍を識別する一助とするため、患者の評価に
余命が 15 年以上の患者における)根治的前立腺摘除術の早期施行を支
Epsteinの基準の改定版を組み込むことが推奨される。これはカテゴリ
持している。一方、連日の IGRT による 3D-CRT/IMRT もしくは密封
ー2Bの推奨事項であるが、このことは、Active surveillanceという戦
小線源治療による放射線療法がもう 1 つの選択肢である。手術と外照
略のリスクと有益性のバランスに関して議論が続いていることと、現
射療法と密封小線源治療は、それぞれで副作用のプロファイルが異な
時点で高水準のエビデンスが不足している(最終的には現在進行中の
っており、このことが意思決定に影響を及ぼすことが多い。限局癌に
臨床試験から得られるであろう)ことを反映している。
対し治療を受けた患者 475 人の分析では、前立腺摘除術後の方が放射
線療法後と比べて失禁の発生率が高く、性機能がベースライン時の状
態まで回復する可能性も低かったが、腸管機能障害の発生率は低かっ
た。 130
当委員会はまた、様々な理由で Active surveillance 下にある患者を区
別することの重要性についても強調する。高齢患者や重篤な併存症の
ある患者は他の原因により死亡する可能性が高い。前立腺癌の治療は
治癒を目的とするものではないため、可能な限り長く経過観察を行っ
限局性前立腺癌に対する初回治療としての ADT は生存期間を改善しな
ていくことは医師の判断に基づく合理的な選択肢となりうる。対照的
いため、当 NCCN ガイドライン委員会はこれを推奨しない。 95
に、進行が緩徐であると思われる若年患者での Active surveillance の
目標は、治療の開始と副作用の発現を遅らせることにある。このよう
凍結手術(凍結療法や cryoablation としても知られる)は、現在発展
な患者は期待余命が長いため、綿密なフォローアップを行うとともに、
を続けている低侵襲の治療法であり、局所的な凍結によって腫瘍組織
根治的治療の機会を逃すことがないよう癌の進行時には迅速に治療を
に損傷を与えるというものである。生化学的再発の定義は様々であっ
開始するべきである。
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病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
た。Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)8610 試験
中リスク群(PROS-3)
当 NCCN ガイドラインの定義に従えば、中リスク群には T2b~T2c 期、
グリソンスコア 7 または PSA 値 10~20ng/mL の患者が含まれる。有
害因子を複数有する場合は高リスク群としてもよい。
期待余命が 10 年未満の患者では、ここでも Active surveillance が合
理的な選択肢の 1 つとなる。Johansson ら
132
の観察によると、T0~
115
では
被験者のほぼ全員が高リスク群であった一方、Tran-Tasman
Radiation Oncology Group(TROG)9601 試験
Cancer Institute(DFCI)95096 試験
133
89
と Dana Farber
には中リスク群の被験者も約
20%と約 60%ずつ含まれていた。中リスク群の割合が最も大きかった
DFCI95096 試験
133
では全生存率と癌特異的生存率の両方で有益性が
認められたが、TROG9601 試験
89
と RTOG8610 試験
133
では癌特異
T2 癌の診断から 15 年後に転移が認められた男性は 13%に過ぎず、前
的生存率でのみ有益性が認められた。これらの試験はどれも中リスク
立腺癌が原因で死亡した患者は 11%にすぎなかった。治療選択肢とし
群の患者だけを対象としたものではないことから、中リスク群におけ
ては RT と根治的前立腺摘除術がある。外照射療法(連日の IGRT に
る RT への短期 ADT の追加は実行可能な選択肢の 1 つとされる。
よる 3D-CRT/IMRT の単独または密封小線源治療との併用)にはネオ
アジュバント/同時併用/アジュバント ADT を追加してもよい。ADT は
4~6 ヵ月間の短期療法として施行すべきである。もう 1 つの選択肢は
根治的前立腺摘除術であり、リンパ節転移の予測確率が 2%未満でな
い限り骨盤リンパ節郭清術を追加する。
単独療法としての密封小線源治療は、この群の患者には推奨されない。
リスク別の解析から、(1)グリソンパターン 4~5 を認める患者と
(2)血清 PSA 値が 10ng/mL を超える患者では、密封小線源治療は外
照射療法または根治的手術よりも生化学的無再発生存期間で劣ること
が分かっている。 9
期待余命が 10 年以上の患者に対する治療選択肢としては、RT と根治
的前立腺摘除術がある。根治的前立腺摘除術では、リンパ節転移の予
測確率が 2%以上の場合は骨盤リンパ節郭清術を追加するべきである。
早期前立腺癌患者 695 人(大半が T2)を対象としたランダム化試験に
期待余命が 10 年を超える患者には Active surveillance は推奨されな
い(カテゴリー1)。
高リスク群(PROS-4)
おいて、根治的前立腺摘除術と待機療法(watchful waiting)の比較が
行われた。 42 中央値 11 年間の追跡により、根治的前立腺摘除術群に疾
当 NCCN ガイドライン委員会は、T3a の臨床的限局癌、グリソンスコ
患特異的死亡率、全死亡率、転移および局所進行のリスクについて有
ア 8~10 または PSA 値 20ng/mL 超のいずれかを満たす前立腺癌患者
意な改善が認められた。この試験の結果は、治療選択肢として根治的
を根治的治療後の再発リスクが高い集団と定義している。有害因子を
前立腺摘除術を支持する質の高いエビデンスとなっている。
複数有する場合は超高リスク群としてもよい。この群で望ましい治療
法は、連日の IGRT による 3D-CRT/IMRT と長期間の ADT の併用であ
外照射療法(連日の IGRT による 3D/CRT/IMRT の単独または密封小
り、ADT 単独では不十分である(カテゴリー1)。 134 特に、体積が小
線源治療との併用)単独治療または外照射療法と 4~6 ヵ月間のネオア
さい低悪性度腫瘍の場合には、局所に対する積極的な放射線照射と通
ジュバント/同時併用/アジュバント ADT の併用治療がもう 1 つの選択
常 2~3 年間の ADT が妥当となる。
肢である。3 件のランダム化試験
89,115,133
において、外照射療法に 4~
6 ヵ月間の ADT を追加した場合の生存期間延長効果の有無が評価され
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前 立 腺 癌
高リスク群でのネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT につい
ては、短期より長期の実施を支持するエビデンスが多くなってきてい
る。RTOG92-02 試験
135
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
では、RT 施行前から施行中にかけて 4 ヵ月
間 ADT を受けた T2c~T4 の前立腺癌患者 1,521 人が、そこで治療を
終了する群とさらに 2 年間 ADT を継続する群とにランダム化された。
10 年時点で、長期 ADT 群では全生存を除くすべてのエンドポイント
について改善が示されている。さらにグリソンスコア 8~10 の患者だ
けを対象としたサブグループ解析では、長期 ADT の全生存における優
位性が示された(32% vs 45%、P=0.0061)。また EORTC22961
試験でも、970 人(大半が T2c-T3, N0 症例)の被験者において RT と
6 ヵ月間の ADT の併用にさらに 2.5 年間の ADT を追加することで生
存率の向上が認められた。 136
隣接臓器への固定がみられない選択された症例では、骨盤リンパ節郭
清を伴う根治的前立腺摘除術も選択肢の 1 つである。グリソンスコア
8 以上の患者における根治的前立腺摘除術後の無増悪生存率は 36%と
報告されている。 137
Active surveillance
Active surveillanceを選択した期待余命 10 年以上の患者では、癌の進
行をみた場合に根治的な局所療法が有益となる可能性が高い。したが
って、適切なサーベイランスには 3 ヵ月から少なくとも 6 ヵ月毎に行
う頻繁なPSA測定、6 ヵ月毎から少なくとも 12 ヵ月毎に行う頻繁な
DREならびに 1 年毎に行う頻繁な前立腺再生検が含まれる。最初に 10
~12 コアの生検が行われた場合は、少なくとも 18 ヵ月の間は再度の
針生検は不要である。(PROS-B)一方、期待余命 10 年未満の患者で
は、それほど集中的なサーベイランスを行う必要はなく、PSA検査お
よびDREの実施頻度を減らすことも可能であり(6~12 ヵ月毎)、フ
ォローアップとして前立腺生検が必要となることはまれである。
リスクは小さいように見えても悪性度の高い成分が成長している可能
性もあることから再生検が推奨されるが
138
、その結果が予後に影響す
る場合もあり、したがって Active surveillance の継続か根治的な局所
療法への移行かの決定にも影響を及ぼしうる。2 回目以降の再生検は、
経過観察を行っている医師の判断によって施行していってもよい。前
超高リスク群(PROS-4)
述のように、治療の延期を選択した後で根治的介入が確実に成功する
当 NCCN ガイドラインでは、臨床病期 T3b~T4(局所進行癌)の患者
いる。進行の判定基準は明確に定義されておらず、医師の判断が要求
を再発リスクが非常に高い群と定義している。この群に対する選択肢
されるが、リスク群の変更は病勢の進行を強く意味する。進行性の癌
としては、(1)連日の IGRT による 3D-CRT/IMRT と短期 ADT の併
が発見された場合は、RT もしくは根治的前立腺摘除術が必要となるこ
用(カテゴリー1)、(2)隣接臓器への固定がみられない選択された
とがある。
ような適切な治療開始条件を同定するべく、現在も研究が続けられて
症例での根治的前立腺摘除術+骨盤リンパ節郭清術、(3)ADT があ
る。
治療後のモニタリング(PROS-5)
転移例(PROS-4)
初回治療として治癒を目標とした治療が行われた患者では、血清 PSA
N1 症例では ADT 単独もしくは放射線療法+短期のネオアジュバント/
くべきである。根治的前立腺摘除術施行後に前立腺癌の再発をみる場
同時併用/アジュバント ADT が選択可能であるが、M1 症例では ADT
合、最初の 2 年間で 45%、最初の 5 年間で 77%、そして 10 年間で
単独だけが推奨される。
96%が再発していたことが Pound らによって報告された。 139 局所再
値の測定を最初の 5 年間は 6~12 ヵ月毎、その後は 1 年毎に行ってい
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前 立 腺 癌
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
発はかなりの状態悪化につながる場合があり、まれに PSA の上昇を伴
合と比べて 10 年生化学的無再発生存率の改善がみられた(36% vs
わないこともあるため、大腸癌の場合と同様に前立腺癌再発のモニタ
12%、P=0.001)。 142 そして SWOG8794 試験の最新の報告では、
リングにおいても年 1 回の DRE が適切となる。RT 施行後の場合も同
全生存および無転移生存率の改善が実証された。 140 European
様に、血清 PSA 値のモニタリングを最初の 5 年間は 6 ヵ月毎、その後
Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC) 143
は 1 年毎に行っていくことが推奨されるほか、少なくとも年 1 回の
により実施された別のランダム化試験では、1,005 人の患者を対象と
DRE の実施も推奨される。
して前立腺摘除術後の経過観察と補助 RT との比較が行われた。全例
が被膜外進展および/または断端陽性であった。断端陽性の患者では 5
局所進行または転移性前立腺癌患者に対する臨床的なモニタリングの
年生化学的無増悪生存率が経過観察群と比べて RT 群で有意に改善
程度は、初回治療としての ADT、放射線療法またはその両方に対する
(49% vs 78%)されていたが、断端陰性の患者では有益性は認めら
反応に基づいて決定する。このような患者のフォローアップ評価には、 れなかった。最近、Wiegel らによる 268 人を対象としたドイツの研究
6~12 ヵ月毎の病歴聴取・身体診察、DRE および PSA 測定を含める
結果が報告された。 144 被験者はすべて pT3 で根治的前立腺摘除術後の
べきである。
PSA 値は検出限界以下であった。術後の放射線療法により経過観察の
内科的または外科的 ADT を受けている患者では、骨粗鬆症の存在また
は発症のリスクがある。これらの患者では、ベースライン時の骨密度
の測定を考慮するべきである。カルシウム(500mg)およびビタミン
D(400IU)の補充が推奨される。骨減少/骨粗鬆症を認める患者には
ビスホスホネート療法を考慮すべきである。
根治的前立腺摘除術後の補助または救済療法
みの場合と比べて 5 年生化学的無増悪生存率の改善が認められた
(72% vs 54%;HR=0.53;95%CI、0.37~0.79)。以上をまとめ
ると、これらの試験結果からは、上記の一連の患者では継続的なフォ
ローアップによって生存率の改善が示される可能性のあることが示唆
される。
以上の結果に基づけば、断端陽性、精嚢浸潤、被膜外進展などの望ま
しくない病理所見を認める患者では手術からの回復後に補助 RT を施
根治的前立腺摘除術を受けた患者の大半は治癒に至る。一方で、一部
行することが、おそらく有益となるであろう。断端陽性がびまん性
の患者は病理学的または生化学的再発を起こす。補助または救済放射
(陽性部の大きさが 10mm を超えるか陽性部が 3 ヵ所以上ある場合)
線療法の対象者を適切に選択するのは困難である。しかし、患者への
である場合もしくは血清 PSA 値が低下しない場合には、断端陽性は特
助言に活用できる高水準のエビデンスが最近発表された試験結果から
に予後不良の所見となる。補助 RT を考慮するのであれば、PSA 値が
得られている。根治的前立腺摘除術を受けた被膜外進展を認める患者
1.5ng/mL を超える前に施行するべきである。術中にリンパ節転移が確
425 人が登録された SWOG8794 試験の結果が Thompson らによって
認された患者では、補助 ADT を考慮するべきである。しかしながら、
報告された。被験者は補助 RT を受ける群と通常のケアを受ける群に
持続的 ADT の早期施行について報告されていた生存期間の延長効果
ランダム化され、中央値で 12.6 年間に及ぶ追跡が行われた。 140 最初
は、より最近の報告では否定されている。 90,92 したがって、PSA 値が
の報告では、補助 RT によって PSA 再発および癌再発のリスクが低下
検出限界以上となるまでは経過観察が推奨され、検出可能となった時
したことが示された。
141
その後の報告では、前立腺摘除術後に補助
91
点で臨床試験への参加か ADT を考慮すべきである。
RT を受けていた高リスク患者(精嚢浸潤陽性)において経過観察の場
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病期分類、考察、参考文献
前 立 腺 癌
数件の後ろ向き研究により、治療前 PSA 値、グリソンスコア、PSA
生化学的再発がみられた際に遠隔転移の疑いがほとんどない場合、初
倍加時間ならびに陽性断端の有無を様々に組み合わせた指標について
回の救済療法はRT単独かRT+ネオアジュバント/同時併用/アジュバン
の予後予測における有用性が評価されている。
145-149
前立腺摘除術後
に PSA の検出および上昇を認めたために救済 RT を受けた患者 501 人
を対象とした大規模な後ろ向き研究
148
では、グリソンスコア 8~10、
RT 前の PSA 値 2ng/mL 超、精嚢浸潤、断端陰性および PSA 倍加時間
トADTとなる。遠隔転移が確認されるか強く疑われる場合は、RTが有
用となる可能性は低く、ADT単独が主な救済治療となる。ここでもま
た選択された症例では経過観察が許容可能となる。いかなる場合でも、
一次または二次全身療法の形態は患者のホルモン状態に基づいて決定
10 ヵ月以下が進行の予測因子であったことが示された。しかしながら、 されるべきである(PROS-7)。
臨床的および病理学的な基準を用いて個々の症例を局所再発の可能性
が高い患者と全身転移の可能性が高い患者とに振り分けること、ひい
放射線療法後の再発(PROS-7)
ては術後照射への反応性を予測することは、不可能であることが証明
Phoenix において American Society for Therapeutic Radiology and
されている。 150 補助または救済 RT は治療だけでなく診断にもなる―
PSA 値に反応があれば局所の残存/再発を意味する。晩期の生化学的再
発には病期の見直しが必要であり、新しいノモグラム
13,24
が治療効果
Oncology(ASTRO)と Radiation Therapy Oncology Group により
改定された 2006 年の Phoenix 定義
153
に従えば、PSA nadir 値(PSA
の最低値と定義される)から 2ng/mL 以上の上昇をみることが、外照
の予測に有用である可能性があるが、妥当性の検証はまだなされてい
射療法(単独またはネオアジュバント ADT 併用の場合)施行後の生化
ない。
学的再発に対する現時点での標準的定義である。再発日は上昇が確認
前立腺摘除術後に生化学的再発を来す患者は、(1)術後にPSA値が検
された日(“at call”)とし、遡って起算すべきではない。
出限界以下まで低下しない患者と(2)術後にPSA値が検出限界以下ま
追跡期間の短さのために生じるアーチファクトを回避するため、制御
で低下するが、その後 2 回以上の測定で検出限界以上となる患者に分
率に関するデータは追跡期間中央値より 2 年短い時点のものを提示す
類できる。PSA値の上昇だけでは必ずしも臨床的再発につながるわけ
るべきである。例えば、追跡期間中央値が 5 年の場合は 3 年時の制御
ではないため
151
、上記のどちらの場合でも精査では遠隔転移の評価に
重点が置かれる(PROS-6)。具体的な検査は臨床経過に応じて異なっ
率を提示すべきである。この厳格化された ASTRO 定義に従えば、膨
大にある既存文献との比較も可能になるであろう。
てくるが、考えられるものとしては骨スキャン、生検、PSA倍加時間、
CT/MRI、放射免疫シンチグラフィー(すなわちProstaScintスキャ
局所療法の候補とみなされる患者には更なる精査が必要となる。その
ン)などがある。症状が発現した場合もしくはPSA値の急上昇をみた
ような患者としては、当初の臨床病期が T1-2 で、期待余命が 10 年を
場合には、骨スキャンの施行が適切である。ある研究によると、根治
超え、かつ最新の PSA 値が 10ng/mL 未満の患者が挙げられる。 154 精
的前立腺摘除術後にADTを受けていない患者が骨スキャンで陽性とな
査には前立腺生検と骨スキャン、さらに臨床的に適応となる場合は腹
る確率は、PSA値が 40~45ng/mLまで上昇した場合を除くと 5%未満
部/骨盤部 CT、MRI、放射免疫シンチグラフィー(すなわち
であった。
152
ProstaScint スキャン)などの追加検査を含める。
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前 立 腺 癌
ガイドライン索引
前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
生検は陽性であるが転移の疑いが少ない患者に対する一次救済療法の
肢の 1 つである。転移症例において CAB の有益性が去勢単独のそれを
選択肢としては、経過観察と選択された症例に対する救済前立腺摘除
上回るという証明は得られていない。
術がある。合併症(失禁、勃起障害、膀胱頸部硬化症など)の発生率
は、初回治療として根治的前立腺摘除術が施行される場合と比べて有
ADT が奏効しない症例では、神経内分泌分化の可能性を考慮すべきで
意に高いままである。 155 局所的介入の他の選択肢としては、凍結療法
ある。当初のグリソンスコアが 9~10 の患者では、特にそのリスクが
156
高い。したがって、神経内分泌分化のある患者を同定するため、到達
と密封小線源治療(Allen らによるレビュー 157 がある)がある。し
かしながら、個々の患者の進行リスク、成功の可能性および各治療法
可能な病変に対する生検を考慮すべきであり、診断された場合はシス
に伴うリスクに基づいて個別化した治療を行う必要がある。
プラチン/エトポシドやカルボプラチン/エトポシドなどの細胞障害性薬
剤を用いた化学療法によって管理していく。 160
RT 後の生化学的再発の後に生検が陰性となった場合、その後の臨床経
過は不確実となる。経過観察、ADT または臨床試験への登録が考えら
救済全身療法(PROS-9)
れる選択肢である。もしくは、再生検や MR スペクトロスコピー、経
初回 ADT 後に再燃した去勢後再燃前立腺癌の患者では、臨床検査によ
直腸コイル MRI など、より積極的な精査を行ってもよい。 158,159
る評価を行いながらテストステロン値を去勢レベルに維持していくべ
検査で転移巣の存在が明らかになった場合もしくは当初から局所療法
の適応がない場合は、経過観察かADTによる治療を行うべきである
(PROS-7)。
全身療法(PROS-8)
きである。数多くある救済全身療法の選択肢については、転移の状態
に基づいて考慮されるべきである。転移の徴候がない(M0)患者では、
臨床試験への参加が望ましい選択肢であり、経過観察が第 2 の選択肢
となる。CAB 療法を受けていた患者の場合は「抗アンドロゲン剤除去
反応」を除外するために抗アンドロゲン剤を中止すべきである。 161,162
アンドロゲン受容体の活性が維持されている可能性があるため、M0 患
内科的または外科的去勢による ADT が最も一般的な全身療法である。
者では二次ホルモン療法も可能である。具体的には、抗アンドロゲン
LHRH アゴニスト単独での治療を受けている転移巣を示す画像所見を
剤(最初に内科的または外科的去勢を受けていた患者の場合)、グル
認める患者の場合、治療開始から数週間以内に LH(黄体形成ホルモ
ココルチコイド併用または非併用下でのケトコナゾール(副腎酵素の
ン)およびテストステロンの血清値の上昇「フレアアップ現象」をみ
阻害薬)もしくはエストロゲン/プロゲステロン製剤の使用により施行
ることがあり、これにより病状悪化を来す場合もある。したがって
可能である。 163 しかしながら、これらの治療戦略にランダム化臨床試
LHRH アゴニストの投与時には、アンドロゲン受容体に結合するリガ
験で生存期間の延長が示されたものはまだない。全例に対して支持療
ンドを減少させるべく抗アンドロゲン剤を 7 日間以上併用することが
法を行うべきである。
多い。
転移性前立腺癌(M1)患者に対する救済全身療法としては、ビスホス
一般には複合アンドロゲン遮断療法(CAB)として知られる抗アンド
ホネート系薬剤+全身化学療法、二次ホルモン療法、サマリウムまた
ロゲン剤と LHRH アゴニストの長期間の併用治療は、許容可能な選択
はストロンチウムを用いた全身RTなどがある( PROS-Fを参照)。こ
れらの患者については、2 件の第III相試験(Southwest Oncology
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
Group[SWOG]9916 試験およびTAX 327 試験)においてドセタキ
予防を目的とした 3~4 週毎のゾレドロン酸投与が推奨される(カテゴ
セルベースのレジメンに生存率の改善効果があることが示されており
リー1)。その他のビスホスホネート系薬剤については、疾患関連性の
164-166
骨合併症の予防における有効性は不明である。
、3 週毎のドセタキセル+ステロイド剤が望ましい一次化学療法
である。ドセタキセル治療ではPSA値の上昇だけでは失敗と判断され
ない。臨床的に進行が明白でない場合は、化学療法を継続することが
多施設共同のピボタル試験において、無症状またはわずかに症候性の
有益となる可能性がある。ドセタキセルへのエストラムスチンの追加
骨転移を有する去勢後再燃前立腺癌患者 643 人がゾレドロン酸静注
については、有効性の向上もなく副作用が増加することが示されてお
(4mg または 8mg、3 週毎)群とプラセボ群にランダムに割り付けら
り、推奨されない。 167
れた。 170 すべての被験者が試験期間を通して ADT(両側精巣摘除術ま
たは GnRH アゴニスト投与)を継続したほか、試験担当医の裁量で追
ミトキサントロンとプレドニゾンの併用は、去勢後再燃前立腺癌によ
加の抗腫瘍療法も受けていた。主要エンドポイントは、15 ヵ月間で骨
る有痛性骨転移を認める患者の緩和療法として有益であることが示さ
関連事象(病的骨折、脊髄圧迫、骨に対する手術または放射線治療も
れている。しかし、ドセタキセル治療後の二次療法としての生存期間
しくは骨痛治療を目的とした抗腫瘍療法の変更)を 1 回以上経験した
への影響については明らかにされていない。症候性骨転移に対する従
被験者の割合とされた。腎の有害事象のために試験内容の変更が 2 回
来からの選択肢であるグルココルチコイドおよび外照射療法は、限局
行われた。1 回目の変更では、ゾレドロン酸の投与時間が 5 分から 15
性の疼痛を有するか病的骨折が切迫している患者では現在も利用でき
分に延長された。2 回目の変更では、8mg 治療群のゾレドロン酸投与
る。ストロンチウム 89 またはサマリウム 153 による全身放射線療法
量が 4mg に減量され、毎回の投与前に血清クレアチニン値のモニタリ
は、緩和化学療法や全身性の鎮痛薬が奏効しない広範な有痛性骨転移
ングを行うこととされ、さらに主な有効性評価が 4mg 群とプラセボ群
を有する局所的な外照射療法の適応ではない患者において、時に有益
の比較へと変更された。
となる場合がある。
67
全身化学療法の追加への耐容能に影響を及ぼし
うる骨髄抑制のリスクについて、治療開始前に考慮しておくべきであ
15 ヵ月時点で、ゾレドロン酸 4mg 群ではプラセボ群と比べて骨関連
る。
事象を経験した患者が少なかった(33% vs 44%;P=0.02)。24 ヵ
月時の報告では、最初の骨関連事象発生までの期間の中央値が延長し
転移症例におけるドセタキセル治療失敗後の最善の追加療法について
たことも明らかになった(488 日 vs 321 日;P=0.01)。 171 全生存率
は、現時点でコンセンサスは得られていない。臨床試験への登録が推
に有意差は認められなかった。この試験結果に基づき、ゾレドロン酸
奨される。現在開発中の 2 つのワクチンについては、抄録のみではあ
(4mg、静注、3~4 週毎)は、ADT による一次治療後に病勢進行を認
るが去勢後再燃前立腺癌男性を対象としたランダム化比較試験での生
めた骨転移を有する前立腺癌患者に対する治療薬として認可されるこ
存率の改善が報告されている。
168,169
ビスホスホネート系薬剤と前立腺癌
骨転移を有する去勢後再燃前立腺癌の患者では、疾患関連性の骨合併
症(病的骨折、脊髄圧迫、骨に対する手術または放射線療法など)の
ととなった。
腎機能障害(推定クレアチニンクリアランス 30~60mL/分)のある患
者では、ゾレドロン酸は低用量で開始すべきである。ベースライン時
のクレアチニンクリアランスが 30mL/分未満の患者には推奨されない。
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前立腺癌 目次
病期分類、考察、参考文献
骨転移を有する去勢後再燃前立腺癌患者に対するゾレドロン酸の至適
投与期間は確立されていない。ゾレドロン酸およびその他のビスホス
ホネート系薬剤には顎骨壊死(ONJ)のリスク増大との関連がみられ
る。ONJ を発症する患者では、以前から歯科的問題を有していた患者
が全員ではないが大半を占めている。 172,173 ONJ のリスクを低減する
ため、口腔衛生、高リスク患者を対象としたベースライン時の歯科評
価および治療期間中の侵襲的歯科手術の回避が推奨される。 174
新たに診断された骨転移を有する前立腺癌患者におけるゾレドロン酸
の潜在的役割を明らかにすることを目的とした臨床試験が現在進行中
である。ゾレドロン酸またはその他のビスホスホネート系薬剤に骨転
移の予防効果は示されていない。NF-κB 活性化受容体リガンド
[RANKL]を標的とした新規なヒトモノクローナル抗体であるデノス
マブについて、前立腺癌患者における骨転移の予防上および治療上の
役割を評価するための大規模ランダム化比較試験が進行中である。
要約
この NCCN 前立腺癌ガイドラインの意図は治療法の決定の基礎となる
枠組みを提供することにある。前立腺癌は複雑な疾患であり、その管
理については論議を呼ぶ側面も多く、治療法に関する推奨を支持する
健全なデータが不足している。前立腺癌の治療法を個別化していく上
では、患者および医師がいくつかの変数(期待余命、疾患の特徴、予
測される転帰、患者の意向など)を考慮する必要がある。
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2010 年第 1 版 02/17/10 © 2010 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。
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