パニック障害 1980 年に DSM-III が登場すると、パニック障害は 強烈な⼼配が突然始まり、発汗や失神のような特 徴を持つ独⾃のものに変わった* [7]。ベンゾジア ゼピン系 の抗不安薬は乱⽤が問題となったこと から販売数が低下していた* [7]。 パニック障害(パニックしょうがい、英語: Panic disorder ; PD)とは、予期しないパニック発作が繰 り返し起こっており、1 か⽉以上にわたりパニッ ク発作について⼼配したり、⾏動を変えていると いう特徴を持つ不安障害 に分類される精神障害 である* [1]。きっかけのないパニック発作は、4 つ 以上の特定の症状が急速に、10 分以内に、頂点に 達する* [2]。典型的な悪化の仕⽅では最終的に広 場恐怖症 へと進展する* [3]。 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) であ るパロキセチン は、1991 年にイギリスでセロキ サットの名で、1992 年にアメリカでパキシルの名 で発売され、不安障害の治療をターゲットにし、 『精神障害の診断と統計マニュアル』第 2 版(DSM- 医師はベンゾジアゼピン系と同様、依存性を懸念 II)における不安神経症 は、1980 年の第 3 版の した* [8]。販売後、有害事象報告システムから離脱 DSM-III では本項のパニック障害と、パニックが 症状の報告がはじまり、半減期の短さが考えられ なく不安―⼼配―だけが持続している全般性不安 た* [8]。 障害 へと分離された* [4]。1992 年には、世界保健 英⽶の治療ガイドラインは現在では、SSRI を第⼀ 機関(WHO)の『国際疾病分類』(ICD-10)にも 選択として、ベンゾジアゼピン系薬は第 2 選択以 記載された。DSM-5 ではパニック症の診断名も併 下か短期間の使⽤に限るという位置づけに置かれ 記されている。 ている* [9] 健康な⼈の 10% が著しくないパニック発作を経 験しているが、パニック障害ではない* [3]。実際の 危険にさらされた場合にはパニック症状は⽣じう るしそれも精神障害ではない* [3]。パニック障害 の原因として複数のルートが存在すると考えられ ているが、近年の研究によってその多くは⼼理的 葛藤によるものではなく、脳機能障害として扱わ れるようになってきている(ただし、純⼼理学的 問題に起因するものもある) 。 2 症状 定型的なパニック障害は、突然⽣じるパニック発 作によって始まる。本能的な危険を察知する扁桃 体 が活動しすぎて、必要もないのに戦闘体制に⼊ り、呼吸や⼼拍数を増やしてしまう。続いてその 発作が再発するのではないかと恐れる「予期不安」 治療には認知⾏動療法や薬物療法が推奨されてい と、それに伴う症状の慢性化が⽣じる。さらに⻑ る。治療には抗うつ薬 が有効だが、ベンゾジアゼ 期化するにつれて、症状が⽣じた時に逃れられな ピン系 抗不安薬が多⽤されているという 2008 年 い場⾯を回避して、⽣活範囲を限定する「広場恐 の指摘がある* [5]。45 歳以降の発症では、⾝体疾 怖 症」が⽣じてくる。 患や薬物が原因である可能性がある* [6]。カフェ インを中⽌することが良い結果をもたらすことが ある* [3]。 2.1 パニック発作 パニック障害患者は、⽇常⽣活にストレス を溜 め込みやすい環境で暮らしていることが多く、発 1 歴史 作は、満員電⾞などの⼈が混雑している閉鎖的な 狭い空間、⾞道や広場などを歩⾏中に突然、強い 『精神障害の診断と統計マニュアル』第 2 版、DSM- ストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの⾃ II における不安神経症 は、1980 年の DSM-III にて、 律神経症状と空間認知(空間等の情報を収集する パニック発作を持つパニック障害と、パニック発 ⼒)による強烈な不安感に襲われる。症状や度合 作がなく不安が持続している全般性不安障害 へ は、患者によって様々だが軽度と重度の症状があ と分離された* [4]。 る。しかし軽・重度患者ともに発作が表れる時に 1968 年の DSM-II は不安神経症について、パニッ 感じる⼼理的(空間認知など)印象としては、同 クにまで⾄る過剰な不安の特徴があるとしていた じような傾向が⾒られ、漠然とした不安と空間の が、1964 年にはドナルド・クラインが、実際には 圧迫感や動悸、呼吸困難等でパニックに陥り、「倒 パニックは不安とは別であるとした論⽂を発表し れて死ぬのではないか?」などの恐怖感を覚える た* [7]。クラインは、DSM-III の製作のメンバーで ⼈が少なくない。先に挙げた⾃律神経症状以外に あった* [7]。 も⼿⾜のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫の 1 3 原因 2 ような息苦しさなどがあるが、それ⾃体が⽣命⾝ 体に危険を及ぼすものではない。 2.2 予期不安 患者は、パニック発作に強烈な恐怖を感じる。こ のため、発作が発⽣した場⾯を恐れ、また発作が 起きるのではないかと、不安を募らせていく。こ れを「予期不安」という。そして、患者は神経質 となりパニック発作が繰り返し⽣じるようになっ ていく。 2.3 広場恐怖 パニック発作が起きた状況が条件づけられ、し ばしばその状況を避けるようになり、積み重 なって最終的に広場恐怖が形成される* [3]。 生物学的仮説 脳のノルアドレナリン により引き 起こされる不安感がいきすぎないように抑 える働きのあるセロトニン という神経伝達 物質が不⾜したり、または受容体が鈍くなっ ているためではないか、という説。また、セ ロトニンの過剰によるという説もある。選択 的にセロトニン系に作⽤する新しい抗不安 薬(SSRI)が開発され、不安障害の治療に中 枢セロトニン系が関与していることが明らか となった。SSRI はほとんどの不安障害亜型に 有効であることが明らかになり、古典的な抗 不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適 応を有する。セロトニン系抗不安薬は扁桃体 に投射するセロトニン系の機能を増強して不 安・恐怖を減弱すると考えられる。 パニック発作の反復とともに、患者は発作が起き た場合にその場から逃れられないと妄想するよう になる。さらに不安が強まると、患者は家にこも りがちになったり、⼀⼈で外出できなくなること もある。このような症状を「広場恐怖(アゴラフォ 3.1 薬物による原因 ビア) 」という* [10]。広場恐怖の進展とともに、患 者の⽣活の障害は強まり、社会的役割を果たせな 3.1.1 カフェイン くなっていく。そして、この社会的機能障害やそ れに伴う周囲との葛藤が、患者のストレスとなり、 カフェイン のような覚醒作⽤ を持つ物質の摂り 症状の慢性化を推進する。 すぎは、パニック発作の⼀般的な原因である* [12]。 パニック障害を持つ⼈は、カフェインの不安誘導 作⽤に敏感である* [13]。 3 原因 3.1.2 アルコールと鎮静薬 原因についてはそれぞれ異なるが、当⼈のそれま での経験から⼼理的あるいは⾝体的に危険だと察 ⽶国のデータでは、パニック障害患者の 30% がア 知した状態の場合、潜在意識が発作を起こす事で、 ルコールを摂取し、17% がその他の向精神薬を使 顕在意識に再認識させるために起こす症状とされ ⽤している* [10]。これは⽶国では⼀般的に 61% が アルコールを使⽤し、* [14] 7.9% がその他の向精 る。 神薬 * [15] を使⽤していることと⽐較してである。 従来は精神分析 的な葛藤が根本にあると思われ 娯楽薬物の使⽤やアルコールの使⽤は、症状を悪 てきた。しかし近年、認知⾏動療法の有効性が明 化させる* [16]。カフェイン、ニコチン、コカイン 確となり、そうした原因よりも、症状に対する患 などの覚醒作⽤を持つ薬物は⼼拍数などのパニッ 者の対処が症状が進展していくメカニズムとして ク症状を増加させるので症状を悪化させる。 は重視されるようになった。 アルコールは初期のパニック症状を緩和させる⼀ また薬物療法の有効性も確認されており、⽣物学 ⽅、中⻑期のアルコール使⽤はパニック障害を引 的因⼦があるという意⾒も強くなっている。その き起こしたり悪化させ、とりわけアルコール離脱 要因としては、思い込みや思い違いによる発作で 症候群 では顕著である* [17]。この現象はアルコー あるために投薬では寛解までは可能でも完治する ルに限らず、同様の作⽤機序を持つ薬物でも同じ 事は不可能な慢性疾患だと⾔える。 である。とくにベンゾジアゼピン はアルコール問 原因についてはまだ完全に解明されていないが、 題のある患者に対し、精神安定剤として多く処⽅ 脳内不安神経機構の異常によって起きるものだと されている* [17]。慢性的なアルコール乱⽤が症状 考えられている。パニック発作や予期不安、恐怖 を悪化させるのは、脳内化学機能の変化のためで などもこの脳の機能のあらわれで、そこに何らか ある* [18]* [19]* [20]。 の誤作動が⽣じるために起こっていると考えられ ベンゾジアゼピンの断薬時に患者の 10% が遷延 ている。 性離脱症候群 を経験し、それにはパニック障害も 含まれる。遷延性離脱症候群は、離脱時の最初の 心理社会的仮説 直接の原因ではないが、ストレス 数ヶ⽉間の間に⾒られるものと似ている傾向にあ や過労が最初の発作の原因になると考えられ り、たいてい離脱当初の 2-3ヶ⽉の間に⾒られる ている。* [11]。 症状に⽐べて亜急性の⽔準の重症度である * [21]。 5.1 鑑別診断 3 精神保健サービスに参加する患者においては、彼 5.1 鑑別診断 らのパニック障害や社会恐怖などの不安障害は、 アルコール乱⽤または鎮静薬乱⽤によるもので 正常なパニックには著しさがない* [3]。健康な⼈ あった。アルコールや鎮静薬は、元来の不安を継 の 10% が著しくないパニック発作を経験してい 続させたり悪化させる。アルコール乱⽤者や慢性 るが、パニック障害ではない* [3]。45 歳以降の発 的な鎮静薬使⽤者は、そういった薬物乱⽤が根底 症では、⾝体疾患や薬物が原因である可能性があ にあるため、症状の根本原因に対応しなければ、 る* [6]。 その他の治療や薬物によって利益を得られていな 医学的疾患の原因には甲状腺機能亢進症 や褐⾊ い可能性がある。鎮静状態からの回復は、アルコー 細胞腫 などがある* [3]。 ル離脱症候群やベンゾジアゼピン離脱症候群 の ため⼀時的に悪化する* [22]* [23]* [24]* [25]。世界不 ⾞の事故など、実際の危険にさらされた場合に 安評議会は、ベンゾジアゼピンによる⻑期の不安 はパニック症状は⽣じうるし、銃をつきつけられ 治療については、耐性、精神機能障害、認知や記 るなどして起こるパニック発作は精神障害では * 憶障害、⾝体的依存、ベンゾジアゼピン離脱症候 ない [3]。それらの体験を思い出すことによって パニック症状が起きている場合には、急性ストレ 群のために推奨していない* [26]。 ス障害 や⼼的外傷後ストレス障害 の可能性があ る* [3]。 薬物の⽣理作⽤によって、コカインや過剰なカ フェインの摂取はパニック症状を誘発することが 4 疫学 あり、物質誘発性不安障害である* [3]。また、アル コール、抗うつ薬や抗不安薬といった医薬品の離 疫学 的には、⽣涯有病率 1.6%–2.2% と⾔われる。 脱 が症状を起こしたり悪化させることがある* [3] ⽇本では 0.8% であった* [27]。⽇本の患者数の少 きっかけが特定できる場合には限局性恐怖症 で なさについては、受診率の低さが上げられる* [28]。 ある* [3]。それが社交である場合には、社交不安障 なお、パニック障害にうつ病が併発する場合が少 害 である* [3]。 なくはなく、⽇本では約 5–6 割* [27]、欧⽶では約 5–6 割といった統計も出されている。 5.2 併発疾患 50〜65% に⽣涯のいつの時点かにうつ病が併存 し、また全般性不安障害 25%、社交恐怖 15〜30%、 5 診断 特定の恐怖症 10〜20%、強迫性障害 8〜10% の併 存があるといわれている。パニック障害の初診 患者 100 名中 86 名は、何らかの睡眠障害を有す 診断基準には、アメリカ精神医学会 の『精神障害 る* [29] の診断と統計マニュアル』第 4 版 (DSM-IV) が⽤ いられることが多い* [1]。 パニック発作の基準は、動悸、⼼拍の増加、発汗、 6 治療 震え、息苦しさ、窒息感、胸の不快感、嘔気や腹 部の不快感、めまい、現実感の喪失、⾃制できな い恐怖、死への恐怖、感覚⿇痺やうづきのような 治療的には、⼼理療法と薬物療法があり、様々な 異常感覚、冷感や熱感といった 4 つ以上が発症し 治療が有効性を認められている。 10 分以内にピークとなることを要求している。 英国国⽴医療技術評価機構(NICE) の 2011 年のガ DSM-IV では、パニック障害の診断基準 A が、予 イドラインは、薬物乱⽤ を併発している場合、そ * 期しないパニック発作が繰り返して起こってお の治療が優先されねばならない [30]。 り、発作についての⼼配が 1 か⽉以上続いている ことを要求している。診断基準 B は、広場恐怖の 有無である。 6.1 心理療法 実際の臨床場⾯では、パニック障害は、広場恐怖 最も基礎的で重要なものが、「障害に対する医師 を伴う慢性化したものと、広場恐怖を伴わない軽 の説明」「⼼理教育」である* [31]。パニック障害は、 症例の 2 つに区分される。突然のパニック発作で 発作の不可解さと、発作に対する不安感によって 始まり、予期不安を⽣じ、症状が持続するように 悪化していく障害であり、医師が明確に症状につ なり、広場恐怖に進んでいくという経過の確認も、 いて説明し、⼼理教育を⾏うことが全ての治療の 基礎となる。 臨床診断においては、重要であるとされる。 診断基準 C が、他の薬物や⾝体疾患によるもので ⼼理療法の中で有効性について最もよく研究され ないことを、診断基準 D が他の精神障害ではない ているのが、認知⾏動療法 である。認知⾏動療法 では「恐れている状況への暴露」「⾝体感覚につ ことを要求している。 4 7 著名⼈ いての解釈の再構築」「呼吸法」などの訓練・練習 の患者への SSRI/SNRI 処⽅には⾃殺リスクについ が⾏われ、基本的には不安に振り回されず、不安 て警告するよう勧告している* [34]。 から逃れず、不安に⽴ち向かう練習を⾏う。 2008 年までの国内外の治療ガイドラインは、抗う NICE は、パニック障害に対しては認知⾏動療法 つ薬とベンゾジアゼピンは有効性の差がないこと を⽤いなければならない(should be used)* [31]、そ と、第⼀選択としては副作⽤や忍容性から SSRI の治療期間は妥当なものでなければならない(総 を推奨している* [37]。ベンゾジアゼピンの使⽤は、 計 7〜14 時間)* [31]、多くの⼈では毎週⼀回 1〜2 欧⽶のガイドラインは使⽤に慎重であり、第 2 選 時間のセッションを最⼤ 4 か⽉になると勧告して 択以下か、初期の短期間に限定している* [37]。 いる* [31]。 アイルランド、オーストラリア、オランダ、カナ 暴露反応妨害法(暴露療法) 不安が誘発される 状況に想像的、または体験的に⾝を置き、回 避しないことで徐々に慣れる。不安や恐怖の ために避けている場所や状況に少しずつ慣ら し、克服した経験を積んで⾃信をつけていく ⽅法。「⾃分が避けている場所はパニック発 作とは関係がない」ことを⾝をもって確かめ ていく。最初の⽬標がクリアできたら、少し ずつ段階的に⽬標のレベルを上げていく。 6.1.1 セルフヘルプ NICE のガイドラインでは、患者に対し認知⾏動 療法 理論に基づく読書療法 を提案しなければな らない* [32]、利⽤可能な⾃助グループ の情報を提 供しなければならない* [32]、またエクササイズ の ⼀般的な有効性について情報提供しなければなら ないとしている* [32]。 ダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィ ンランドなどでは、ベンゾジアゼピンを第⼀選択 肢として推奨せず、投与は短期間に留めるべきだ としている(ベンゾジアゼピン薬物乱⽤ # 各国の 状況 を参照)。 6.2.2 2014 年の出版バイアス を除外したメタアナリシ ス から、抗うつ薬のパロキセチンの効果量(英語: Effect size)は、パニック障害に対して 0.36 であり、 偽薬をわずかに上回ることが⾒いだされた* [38]。 ベンゾジアゼピン系薬を、規則的に服⽤するので はなく、必要な時にだけ飲むという⽅法は、認知 ⾏動療法の結果を悪くするという研究結果に基づ き、さらに研究したところ薬物療法を⾏わない群 が最も認知⾏動療法の利益を得ていた* [39]。 6.3 6.2 薬物療法 有効性 イノシトール イノシトール は、パニック障害や強迫性障害 の 患者が服⽤することで、その症状を緩和する作⽤ 6.2.1 治療ガイドライン が報告されており、不安の発⽣頻度やその程度を、 アメリカ精神医学会(APA) の 2009 年の治療ガイ 顕著に低下させる効果があるとされる。また、イ ドラインでは、ベンゾジアゼピン系 抗不安薬はパ ノシトールの⾼⽤量摂取が、抗うつ薬のフルボキ ニック障害の治療に対し有効であり、ベンゾジア サミン より症状の軽減に効果があったとする論 * * ゼピンと抗パニック作⽤のある抗うつ薬、⼼理療 ⽂報告もある [40] [41]。 法のうち、どれを使うかは患者の病歴と体質を元 に決めるべきであり、特定の治療法を推奨するに は証拠が乏しいと報告している。また APA では 7 著名人 ベンゾジアゼピンには即効作⽤という利益がある が、ベンゾジアゼピン依存症 の危険性が存在する • イギリスの⾃然科学者チャールズ・ダーウィ と付記している* [33]。また薬物治療は、認知⾏動 ン は若い頃からパニック障害を患っていた 療法が利⽤できないとか薬物療法を希望する場合 とされている* [42]。 の選択である* [33]。 • Kinki Kids の堂本剛 は、⾃⾝の苦しんだ過去 英国国⽴医療技術評価機構(NICE) の 2011 年のガ を公表している。ライブ中に過呼吸 等で突然 イドラインでは、薬物療法を選択する場合は SSRI 倒れたり、控え室に戻ったりしている。また、 であり、その第⼀選択肢はセルトラリン を推奨し、 1st ソロアルバムの中には「Panic Disorder」と それが効果を⽰さない場合は他の SSRI/SNRI を検 いう楽曲を本⼈作詞作曲で収録している。 * 討するとしている [34]。ベンゾジアゼピン は⻑期 的には予後の悪化に関連するため(短期間を除い • 中川剛(中川家)は 1997 年頃に患い仕事を休 て* [34])処⽅すべきでない (should not)* [35]、抗ヒ んでいた時期があり、このことについてたび スタミン薬 および抗精神病薬 は処⽅してはなら たび番組で発⾔している。 ない* [36] と勧告している。また薬物療法を⾏う前 • ⼥優の⽥中美⾥ が、2002 年 8 ⽉ 28 ⽇放送の には必ず、患者に利益・危険性・副作⽤について 『わたしはあきらめない』(NHK)で、2000 年 書⾯および⼝頭にて説明するよう* [34]、30 歳以下 5 末に発作に襲われパニック障害と診断された [11] 齋藤英⼆監修(築地サイトウクリニック院⻑)『⼼ の病気』 と語った* [43]。また、その⽇の放送で、番組 の司会者の⻑嶋⼀茂 が、⾃⾝も 1996 年以来、 [12] Vilarim MM, Rocha Araujo DM, Nardi AE (August パニック障害を患っていると明かした。 • タレントの安⻄ひろこ は著書「バルドーの告 ⽩」の中で、2001 年から 2008 年まで休業し た理由がパニック障害であったことを明らか にした。 • 演歌歌⼿の⼤江裕 は、2010 年 11 ⽉の中頃に 突発的体調不良から 2012 年 2 ⽉まで休業し ていたが、2012 年 3 ⽉ 7 ⽇の新曲発表を兼ね た復帰会⾒でパニック障害を発症していた事 を明らかにした。 2011). “Caffeine challenge test and panic disorder: a systematic literature review”. Expert Rev Neurother 11 (8): 1185–95. doi:10.1586/ern.11.83. PMID 21797659. [13] Lara DR (2010). “Caffeine, mental health, and psychiatric disorders”. J. Alzheimers Dis. 20 Suppl 1: S239–48. doi:10.3233/JAD-2010-1378. PMID 20164571. [14]“CDC”. 2015 年 10 ⽉ 22 ⽇閲覧。 [15]“CDC”. 2015 年 10 ⽉ 22 ⽇閲覧。 • プロ野球選⼿の⼩⾕野栄⼀ は「同病者を勇気 [16]“Practice guideline for the treatment of patients with panic disorder. Work Group on Panic Disorder. American づけたい」とパニック障害であったことを公 Psychiatric Association”. Am J Psychiatry 155 (5 Suppl): 表* [44] 現在も疾患を抱えながらプレーを続 1-34. (May 1998). PMID 9585731. けている。 • SEKAI NO OWARI の深瀬慧は、かつてパニッ ク障害を患い精神病院の閉鎖病棟に⼊院した 経験があり、完治してからも精神安定剤を服 ⽤している。 • 作家の宮本輝 はパニック障害に苦しんだこ とで作家になることを決意したが、家の中で もパニック障害を起こすまで悪化したことも ある* [45]。 8 脚注 [1]『DSM-IV-TR』§ パニック障害 [2]『DSM-IV-TR』§ パニック発作 [3] アレン・フランセス 2014, pp. 79-82. [4] Catherine L. Woodman, MD (1997). “The Natural History of Generalized Anxiety Disorder: A Review”. Medscape Psychiatry & Mental Health eJournal 2 (3). [5] 『パニック障害ハンドブック』2008, p. 14. 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