環境新聞 第5号

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ヒトへの影響
発行日 2010.1.15
環境新聞 第5号
-THE KANKYO TIMES-
環境に関する話題の中で、
『環境ホルモン』ということばをよく聞きます。今回はこの環境ホルモンにスポット
をあてました。
1. 環境ホルモンとは
環境ホルモンが問題となりはじめたのは、1980 年頃に世界各地で異常が発見されることによって、研究が
されるようになりました。イギリスでは下水処理場の下流で雌雄同体の魚が発見され、米国フロリダ州のア
ポプカ湖ではオスのワニの大半に生殖器が正常の 2 分の 1 から 4 分の 1 といった脱雄性化が見られました。
また我が国においても、巻貝の一種のイボニシに雄の生殖器をもつ雌が発見されています。
環境ホルモンという呼び名は、あるひとつの物質の名前ではなく、生物のホルモンの働きを狂わせてしまう
物質の総称です。
ホルモンは、血液の流れによって体内の離れた場所に運ばれ、目的とする細胞と結合することにより、生殖、
発育などを制御する、われわれが正常な生命の営みを続けていく上で非常に重要な物質です。一方、環境ホ
ルモンは、動物の生体内に取り込まれた場合、本来、その生体内で営まれる正常なホルモン作用に影響を与
える物質です。
2.環境ホルモンの原因
環境ホルモンの原因となっているのは、化学物質です。化学物質を大量に
摂取しているとは誰もが思わないでしょうが、日々の生活の中で環境ホルモ
ンは身体の中に取り込まれています。殺菌剤・防腐剤・殺虫剤・農薬・食品
添加物・ダイオキシンなど約 70 種もの化学物質があげられています。
さらに環境汚染された状態の川や海などからも有害物質が検出されています。
産廃処分場の浸出から 30 種以上の環境ホルモンが検出された例もあります。
精子への影響
数の減少、運動率低下、奇形率の増加
子宮への影響
子宮内膜症、不妊症
がん
精巣がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん
免疫異常
自己免疫疾患、アレルギー
先天異常
尿道下裂、停留睾丸、小陰茎、精液異常
発育障害
性的早熟
神経系への影響
生殖行動異常、発達障害、性機能障害、情緒障害
4.環境ホルモンから守るための対策
・有害物質となるものの摂取をしない
有害物質となるものというのは、添加物入りの食品や農薬を使った野菜などです。食品には添加物を使った
ものがたくさんあります。このような有害物質になるものを身体に取り込まないことが大切です。
現在は無農薬野菜なども販売されているので利用できます。またダイオキシンなどはしっかりと水洗いする
ことや火を通すことによって、かなりその量が減少します。
・ビタミン・ミネラルを摂取する
有害物質は身体の中で毒になります。有害物質を解毒するためには、ビタミンやミネラルを積極的に摂取す
ることが大切です。基本的に人間の身体は、有害物質を摂取すると体内に蓄積されることも多いのですが、
このビタミンやミネラルを摂取することによって、解毒作用が働き、身体の外へ排出することができます。
・植物繊維を摂取する
植物繊維を積極的に摂取することによって、身体の中にたまっている有害物質を体外に排泄します。
日頃の対策として
①プラスチック容器に入った食べ物を電子レンジで温めない
②食品はガラス容器や陶磁器容器で保存する
③動物性脂肪を避ける
④野菜をよく洗う
以前からインスタントラーメンは身体によくないと言われてましたが、筆者はあまり気にしてませんでした。
因みに筆者の大好きな(酒の肴として)インスタントラーメンはN社のCヌードルにお湯を注いで1時間置い
たもの。でろんでろんにふやけて美味ですよ。冷めているので猫舌対応ですし。
でも環境ホルモンがたっぷり浸み出てますね。(ショック!)
3.環境ホルモンの影響
環境ホルモンは、知能低下・学力障害・注意力欠如・ストレスへの過剰反応・拒食症・強迫神経症・不安症・
鬱状態・アレルギーなど、人や生物に多大な悪影響を及ぼすことがわかっています。さらに、環境ホルモンの影
響を受けている動物の肉などを食べることも環境ホルモンの影響があります。そして、人間への影響として、キ
レやすい子供が増えたことも環境ホルモンの影響ではないか?と言われています。
私たちが、なにげなく食べているジャンクフードには、着色料や保存料といった食品添加物(化学物質)が大
量に入っています。さらにカップ麺やお弁当などの容器や缶ジュースの缶には、化学物質が使われていて、微量
ですが溶け出しているとのことです。私たちが安全だと思っているものには、実際、多くの化学物質が入ってい
るというのが現状です。
※カップ麺の容器には『スチレン』という発がん性の可能性のある化学物質が含まれており、70°~90°の熱湯
で溶け出します。
5. 雑学
私たちの地球は今から 46 億年前に誕生しました。
よく地球の歴史を地球の誕生から現在までを 1 年として見る方法があります。地球の誕生
した日を 1 月 1 日の午前 0 時、現在を次の年の 1 月 1 日午前 0 時とした見方です。
それによると・・・
1 月 1 日午前 0 時に地球が誕生し、1 月 12 日に地球に天体が衝突し、地球から月が分離し
ました。そして気の遠くなるような長い年月を経て植物や単純な生物が進化し 12 月 13 日
に恐竜時代が始まりました。しかし 12 月 26 日の夜に巨大隕石が地球に衝突し、14 日間
(1 億 8000 万年)栄えた恐竜が絶滅しました。
人類(ホモ・サピエンス)が登場したのが、12 月 31 日の 23 時 57 分です。そして二酸化炭素の放出が始まった
と言われている産業革命は 12 月 31 日の 23 時 59 分 58 秒です。
地球の長い歴史から見ると人類は一瞬で地球の環境を悪化させ、破壊しようとしているのです。