U sch ge Quar 7 ay ut 1 15 10 2008 19 12 Seite 6 目次 概要 より少ない燃料消費量でより 大きなパワーを提供 1 第 2 世代の ポルシェ ケイマン 新型ミッドシップエンジンを 搭載したスポーツカー: よりパワフルに、より低燃費に 7 デザインおよび エアロダイナミクス 目に見えるダイナミクス 9 エンジンおよび トランスミッション カレラの遺伝子を受け継ぐ 新型 6 気筒エンジン 11 シャシーおよびブレーキ コーナリングでの俊敏性が ミッドシップエンジンにより実現 21 ホイールおよびタイヤ さらに向上したグリップ性能と ロール特性 27 ボディおよび装備 精緻さと安全性を向上させる 高いボディ剛性 29 仕様 2008 年 11 月 37 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • 概要 1 ニュー ポルシェ 911 タルガ 4 / タルガ 4S より少ない燃料消費量でより大きなパワーを提供 ケイマンおよびケイマン S はそのデビューから 3 年を経て、第 2 世代へと進 化しました。抑制の効いた優美さを持つスポーティなスタイルの中に、全く新 たに開発された 2 種類のエンジンを頂点とするニューテクノロジーが隠され ています。ケイマンには、265 PS(195 kW)を発生させる 2.9 リッターの 6 気 筒エンジンが搭載されます。オプションのポルシェ・ドッペルクップルング (PDK) 搭載車の場合、その燃料消費量は 8.9 リッター/100 km に低減されま した。PDK 搭載のケイマンの 0 - 100 km/h 加速タイムは 5.7 秒、今回標準装 備となった 6 速マニュアルトランスミッションを搭載したモデルでは 5.8 秒 をマークし、最高速度は 265 km/h(PDK 搭載車:263 km/h)に達します。 ケイマン S には同じく新開発の 3.4 リッター水平対向 6 気筒エンジンが搭 載され、ダイレクト・フューエル・インジェクションを採用したことで出力が 増大し、さらに燃料消費量も低減しています。PDK 搭載車では、320 PS(235 kW) の最高出力と 9.2 リッターの燃料消費量(100 km あたり)、そして 5.1 秒の 0 - 100 km 加速タイムが達成されています。また、6 速マニュアルトランス ミッションを標準装備しているモデルは 277 km/h の最高速度、5.2 秒の 0 - 100 km 加速タイムを可能にしています。両スポーツクーペとも EU5 およ び ULEV の厳しい排出ガス基準をクリアしています。 高効率の新型エンジン ケイマン / ケイマン S には、世界デビューを飾った新開発の水平対向 6 気筒 エンジンが搭載されます。このエンジンは、911 シリーズに採用されたばかり の新世代ポルシェエンジンをベースにしています。軽量化を図り、さらにフリ クションと運動質量を低減したことで、出力の増大と燃費性能の改善を両立さ せました。エンジン効率化のためのもう一つの対策としてオンデマンド制御に よるオイルポンプが採用され、潤滑系の最適化も図られています。 2 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • 概要 ケイマン S の 3.4 リッターエンジンに、このモデル、ミッドシップエンジン セグメントでは初めてとなるダイレクト・フューエル・インジェクション(DFI) が採用されました。これにより、均質な混合気が形成されます。ダイレクト・ フューエル・インジェクションは燃料消費量の削減というエンジン効率のみな らず、ケイマン S エンジンの特性にもプラスの影響を与えています。この利点 はドライバーがアクセルペダルを踏むごとに体感できます。燃料は行程の直前 に瞬時に噴射されるので、アクセルペダルのどのような操作にもエンジンが鋭 敏に反応してくれます。 ポルシェ・ドッペルクップルングでより力強く、そしてより経済的に もちろんエンジンだけでなく、ポルシェの技術陣はこのミッドシップエンジン スポーツカーのために、従来のティプトロニック S に代えてオプションで提供 されるポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)の新開発も行いました。新型エ ンジンとこのトランスミッションとの組み合わせは、ポルシェのパイオニア精 神の表れとも言えます。これにより、両スポーツクーペは最大限の加速性能を 発揮できるようになっただけでなく、燃料消費量も著しく低減されています。 しかもこの PDK 搭載のケイマン / ケイマン S は、経験豊富なドライバーの操 る 6 速マニュアルトランスミッション搭載車が達成できる 0 - 100 km/h 加 速タイムをそれぞれ 0.1 秒早いタイムで駆け抜けることができるのです。 さらに、燃費性能も傑出しています。燃料消費量が最大 16 % 低減され、PDK 搭 載のケイマンの燃料消費量は 8.9 リッター/100 km(EU4 規格準拠)となって います。ティプトロニック S を装備した先代モデルと比較すると、燃費が 1.2 リッター(11%)改善されたことになります。PDK 搭載のケイマン S の燃 料消費量は 9.2 リッターで、こちらも従来のティプトロニック S 搭載車より も 16 % 改善されています。また、標準装備のマニュアルトランスミッション 搭載車の燃料消費量は 9.6 リッター/100 km となっています。 ティプトロニック S に代えて、7 速のポルシェ・ドッペルクップルング(PDK) が新たに採用されました。この PDK は 2 つのサブトランスミッションから構 成され、サブトランスミッションはそれぞれ固有のクラッチを介して駆動系統 とつながっています。一方のサブトランスミッションが 1、3、5、7 速とリバー スギア、他方のサブトランスミッションが 2、4 および 6 速を制御します。片 方のクラッチが切れると同時にもうひとつのクラッチがつながるため、ギア チェンジは非常に迅速かつスムーズに行われ、トラクションが中断されること もありません。セレクターレバーがポジション D にあると、ソフトで快適なギ アチェンジが自動的に行われます。ステアリングホイールのスイッチもしくは セレクターレバーを使い、マニュアル操作によるギアチェンジも可能です。ク ラッチ操作はいずれの場合もドライバーの関与なしに行われます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • 概要 3 ダイナミックに洗練された外観 ニューケイマン / ケイマン S で際立つのは、改良が施されたフロント / リア エンドと最新のライトテクノロジー、そして個性的なデザインでポルシェなら ではのダイナミックさを感じさせる新型ヘッドライトとテールライトです。ま た、インジケーターライトはカレラ GT のダブルチューブを想起させる新型ハ ロゲンヘッドライトに組み込まれています。標準装備の丸型フォグランプの横 には、新しい LED ポジションライトが配置されています。オプションとして新 型バイキセノンヘッドライト、ダイナミックコーナリングライトと独立した LED デイタイムランニングライトが用意されています。白色 LED が交差するよ うに配置され、ライトユニットにポルシェのスポーツクーペならではのスタイ ルの独自性を付与しています。従来のフォグランプの機能は散光や側面照明の 点で最適化されているバイキセノンヘッドライトが担ってきましたが、これに 代えて、フロントにはデイタイムランニングライトが取り付けられることにな りました。新しく設計されたスポーツクーペのリアエンドには、赤色ライトに LED を採用し、デザインが完全に一新されたライトユニットが組み込まれてい ます。フェンダーにかけてシェイプされたテールライトが、新しくなったリア エンドにエレガントさを与えています。 オプションのスポーツクロノパッケージと標準装備のスタートアシスタント ケイマン / ケイマン S にはオプションとしてスポーツクロノパッケージ、さ らにポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム(PCM)との組 み合わせでスポーツクロノパッケージ・プラスが用意されています。PDK 搭載 のスポーツクーペの場合は、スポーツクロノパッケージ・プラスには新機能で ある「ローンチコントロール」と極めてスポーティな走行を可能にするレーシ ング・シフトプログラム(スポーツ・プラス・ボタンで操作)が追加されます。 「ローンチコントロール」 は、発進時の加速性能を最大限に高めるためのアシス トプログラムです。ローンチコントロールが作動すると、PDK 装備のケイマン およびケイマン S の場合では 0 - 100 km/h 加速タイムがさらに 0.2 秒短縮 されます。これにより、ケイマン S が静止状態から 100 km/h に達する時間は わずか 4.9 秒となります。 新型スポーツクーペには、どのトランスミッション搭載車であってもスタート アシスト機能が標準装備されます。スタートアシストは日常走行でドライバー をサポートするだけでなく、自動ホールド機能、そしてブレーキペダルから足 を放した後の制動の自動解除により、上り坂で発進するときでも意図しない車 両の前進・後進を防ぐ機能です。これにより、斜面での発進時もハンドブレー キを操作せずにスムーズに行うことができます。 4 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • 概要 スポーティだけでなく快適性も満たすサスペンション 新世代ケイマンのサスペンションは従来のものから変更されていませんが、増 大したエンジン出力に適合するように新たにチューニングされたことで、ス ポーツ性能が向上し、快適性も著しく改善されています。ケイマン / ケイマン S にはアクティブシャシーである PASM をオプションで装備することができ ます。これは、電子制御ダンパーシステムの「ポルシェ・アクティブサスペン ション・マネージメントシステム」のことです。PASM の長所は、2 つのサス ペンションを 1 つにまとめたことです。つまり、スポーティながらも快適性を 重視した日常走行向けの走行モード、そしてサーキットでの走りのようにス ポーツ性あふれる走行モードを想定した 2 つのサスペンションの特性が組み 合わされているのです。PASM 装着車の場合、標準シャシーに比べて車高が 10 mm 低く設定されます。PASM シャシーもさらに改良されたため、サスペン ションの快適性がドライビングダイナミクスを犠牲にすることなく、より一層 高められています。 ニュー ケイマンには、新デザインのリムと先代モデルより 0.5 インチ幅広の 17 インチホイール(フロント 7J x 17、リア 8.5J x 17)が標準装備されていま す。タイヤサイズは変わらず、フロントアクスルは 205/55 ZR 17、リアアクス ルは 235/50 ZR 17 となっています。ニューケイマン S には、新しいデザイン となっているものの従来と同じサイズの 18 インチホイールが標準装備されて います(フロント:8J x 18 235/40 ZR 18、リア:9J x18 265/40 ZR 18)。2010 年 より PAH(Poliycyclic Aromatic Hydrocarbons、多環芳香族炭化水素)の使用が規 制されるに伴い、PAH フリーで有害物質の含有量が低減されたタイヤコンパウ ンドが用いられています。また、快適性の向上ところがり抵抗の低減を図るた めに、この新開発タイヤではリアアクスルのタイヤ空気圧が下げられました。 ニュー ケイマンにはレスポンスの早い、新しいタイヤプレッシャー・モニタリ ングシステム RDK がオプションで提供されます。このシステムは運転席ドアが 開くと初期化されるため、イグニッションスイッチを入れたときからタイヤ空 気圧のモニタリングを開始し、数秒のうちにタイヤ空気圧の値をメーターパネ ルに表示します。 純血スポーツカーのインテリア インテリアに用いられた上質の素材、快適な車内環境、そして極上の質感は、 このスポーティなツーシーターがプレミアムポジションを占めていることの表 れです。今回、エレガントなブラックのセンターコンソールが新しくデザイン されました。さらに基本装備に拡充されたのは、見やすくなった 5 インチディ スプレイと MP3 対応 CD プレーヤーを含む、標準装備の新型 CD ラジオ (CDR-30) です。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • 概要 5 また、ラジオをハンズフリーユニットとして使用できる Bluetooth® 携帯電話対応 キットがオプションで提供されます。その他のオプションとして、プレーヤー iPod® および MP3 プレーヤー用コネクターも用意されています。オプションの 6 連奏 CD オートチェンジャーは CDR-30 に組み込まれ、これまでフロントラゲッ ジコンパートメントに取り付けられていた CD オートチェンジャーが不要となり ました。 オプション装備の新しい PCM とシートベンチレーション オプションで提供されるポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシス テム(PCM)は全てのオーディオ、通信機能、そしてナビゲーションの集中制御 ユニットとして一層性能を高め、その機能が拡充されていながらも、操作性は 向上されています。そのハイライトは、5.8 インチから 6.5 インチに拡大され たタッチスクリーン式モニターです。スイッチの数は先代モデルに比べて半減 し、計 16 個となりました。オプションのナビゲーションモジュールには 40 GB のハードディスクが内蔵され、ここからデジタル地図データを読み出します。 オプションの汎用オーディオインターフェースと組み合わせれば、iPod® や USB スティックメモリなどの外部音源を PCM で操作することができます。 また、PCM のオプションとして、新しい音声入力機能と電子式ログブックが用 意されています。ラジオ、CD プレーヤーおよび 9 個のスピーカーを備えたポ ルシェ サウンドパッケージ・プラス、さらに車両に合わせてチューニングされ る 7 チャンネルのデジタルアンプと 10 個のスピーカーを備えた BOSE® サ ラウンドサウンドシステムがオプションで提供されます。 ニュー ケイマンのモデルにはオプションとして、標準シートだけでなくコン フォートシートにおいてもシートヒーターとの組み合わせでシートベンチレー ションを取り付けることができるようになりました。アクティブシートベンチ レーションは暑い季節でも、適温に除湿された快適な空気をシート面に供給しま す。シート面の特に乗員と接触する箇所に空気が送られます。さらに、シートベ ンチレーションはシートヒーターと組み合わせることも可能です。これによって シート面を常に快適な温度に保ちながら除湿を連続的に行うことができます。 (※ 仕様は国により異なることがあります) ポルシェ ケイマン / ケイマン S 7 第 2 世代のポルシェ ケイマン 新型ミッドシップエンジンを搭載したスポーツカー: よりパワフルに、より低燃費に ニュー ケイマンの外観は自信に満ちています。このポルシェの第 2 世代ス ポーツクーペはよりパワフルに、そしてよりダイナミックに変貌しました。 抑制の効いた優美なスタイルの中に、全く新たに開発された 2 種類のエンジン を頂点とするニューテクノロジーが隠されています。もちろんエンジンだけで なく、ポルシェの技術陣はこのミッドシップエンジンスポーツカーのために、 従来のティプトロニック S に代えてオプションで提供されるポルシェ・ドッペ ルクップルング(PDK)の新開発も行いました。 ケイマン S には、先代モデルと同じく 3.4 リッターの水平対向 6 気筒エンジ ンが搭載されています。しかしこれ以外は全て新しくなり、特にこのクラスの スポーツカーでは初めてダイレクト・フューエル・インジェクションが採用さ れました。これは主としてケイマン S の高出力に寄与します。全負荷時におい ても 320 PS(235 kW)を発生するこの新型スポーツカーの場合、PDK 搭載車 では 0-100 km/h 加速タイムが 5.1 秒をマークし、最高速度は 275 km/h に達 します。マニュアル トランスミッションを搭載したケイマン S では 0 - 100 km/h 加速タイムが 5.2 秒、最高速度は 277 km/h に達します。ケイ マンには 2.9 リッターの 6 気筒エンジンが搭載されていますが、PDK 搭載車 では 265 PS(195 kW)を発生させ、静止状態から 100 km/h までを 5.7 秒で 駆け抜けます。これは、経験豊富なドライバーが 6 速マニュアルトランスミッ ションを標準装備したベーシックモデルで達成できる加速タイムよりも 0.1 秒 早い数値です。つまり、熟練ドライバーでなくとも常に最高の加速性能を引き 出すことが可能となるのです。最高速度は 265 km/h(PDK 搭載車:263 km/h) に達します。 燃料消費量を最大 16 % 削減 スポーツクーペの両モデルは PDK を採用したことにより、加速性能だけでなく 燃費の面においても新たなベンチマークを打ち立てました。PDK を搭載した ニューケイマンの場合、100 km あたりの燃料消費量はわずか 8.9 リッター (EU4 準拠) です。ちなみに、ティプトロニック S 搭載の先代モデルでは 10.1 リッターとなっています。燃料消費量を約 11 % 削減したことにより、 CO2 排出量が 242 g/km から 214 g/km に低減されました。 8 ポルシェ ケイマン / ケイマン S ニューケイマン S ではこの数値がさらに上回っています。従来のオートマチッ クトランスミッション(ティプトロニック S)装備の先代モデルと比較した場 合、PDK 搭載車における燃料消費量は 1.8 リッター低減し、9.2 リッター/ 100 km となっています。これは約 16 % の燃料消費量の削減です。それに伴い、 CO2 排出量も 262 g/km から 221 g/km に低減されています。当然のことなが ら、ニューケイマンの両モデルともこれから施行される EU5 の基準値をクリア しています。カリフォルニアでは、このニュースポーツクーペの両モデルは超 低排出ガス車両(ULEV)に分類されます。 この高効率はポルシェのスポーツカーの 1 つの特性であり、ケイマンの両モデ ルも軽量構造を設計の柱として開発されました。その結果、ケイマンの車両重 量は 1330 kg、ケイマン S は 1350 kg となり、ポルシェ 911 GT3 の重量を も下回っています。これは単にダイナミクスや燃料消費量に活かされるだけで なく、俊敏性の面でもメリットをもたらします。ミッドシップエンジンコンセ プトとバランスのとれた重量配分、そして新たにチューニングされた標準サス ペンションにより、ポルシェのこのスポーツクーペは一層滑らかなコーナリン グを実現できるようになりました。また、ケイマンおよびケイマン S には新し いセッティングのポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシス テム(PASM)がオプションで提供されます。このシステムを採用したことで、 より繊細なレスポンスが可能になり、走行特性もさらに改善されています。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • デザインおよびエアロダイナミクス 9 デザインおよびエアロダイナミクス 目に見えるダイナミクス ニューケイマンのモデルで際立つのは、改良されたフロント / リアのライトユ ニット、そして新たなデザインが採用されたフロントエンドとリアエンドです。 大型のエアインテークは外側が縁取られ、これがフロントエンドにダイナミッ クな表情を与えています。さらにこれがリアリッドのラインにつながってから 下方に流れ、センターエアインテークの下まで伸びています。サイドエアイン テークの上には、それぞれ左右に水平配置された LED 式のポジションライトと ともに丸型のフォグランプが取り付けられています。また、インジケーターラ イトはカレラ GT のダブルチューブを想起させる新型ハロゲンヘッドライトに 組み込まれています。オプションとして、新型バイキセノンヘッドライト、ダ イナミックコーナリングライト、独立した LED デイタイムランニングライトと ヘッドライトクリーニングシステムで構成されるライトパッケージが用意され ています。白色 LED が交差するように配置され、ライトユニットにポルシェの スポーツクーペならではのスタイルの独自性を付与しています。従来のフォグ ランプの機能は散光や側面照明の点で最適化されているキセノンヘッドライト が担ってきましたが、これに代えて、フロントにはデイタイムランニングライ トが取り付けられることになりました。 ケイマンのサイドビューはダイナミックな流線、明快なウエストライン、そし て長い大きなホイールベースによって精悍な表情をもっています。これは新し いスタイリングホイールによって実現されています。ケイマン モデルは星型 5 本スポークタイプの 17 インチ ケイマン II ホイールを装備、ケイマン S には 5 本スポークがタービン状に配置された新型 18 インチ ケイマン S II ホイー ルが装備されます。ケイマン / ケイマンのホイールはブレーキシステムが外か ら見えるようにデザインされていますが、これはブレーキシステムのベンチ レーションにも寄与しています。新世代の全スポーツカーと同じく、後方の視 界を広く確保し、今後施行される法規制をクリアしていくために、新設計のダ ブルアーム式ドアミラーが装備されています。さらにエアロダイナミクスの向 上により、降雨時のドアミラーの汚れが付着しにくくなりました。 10 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • デザインおよびエアロダイナミクス 新しい LED 技術を採用したテールライト 新しく設計されたスポーツクーペのリアエンドには、赤色ライトに LED を採用 し、デザインが完全に一新されたライトユニットが組み込まれています。フェ ンダーにかけてシェイプされたテールライトが、新しくなったリアエンドにエ レガントさを与えています。LED の形状は、日中だけでなく夜間でもダイナミッ クな印象を与えるデザインです。また、テールライトのライトデザインはリア フェンダーに沿ったものとなっています。 フロントエンドと同じく、リアバンパー下の新しい尾翼にはナンバープレート用 の開口部が設けられ、さらに中央には新しいデザインのテールパイプが取り付け られています。これがリアエンドの力感を強調しています。ケイマンではシング ルチューブ・ツインエグゾーストテール、ケイマン S ではエグゾーストシステ ムの中間パイプと直結されたデュアルチューブ・ツインエグゾーストテールパイ プが、パワフルな印象をそれぞれのモデルのリアエンドに与えています。 常に傑出したエアロダイナミクス 新型エンジンおよびトランスミッションをより効率的に冷却する必要性が増し ているにもかかわらず、ポルシェのエンジニアは空気抵抗係数(Cd 値)を先代 モデル同様の高いレベルに保つことに成功しました。標準装備のケイマン / ケ イマン S の空気抵抗係数は 0.29 で、クラスの水準を凌ぐ数値を実現していま す。この極めて洗練されたエアロダイナミクスは、高速時においる走行安定性 と燃料消費量の低減に大きく寄与しています。 エアロダイナミクスで注目に値するのはケイマンのリアウイングで、車速が 120 km/h を超えると自動的に 80 mm 程せり出し、車速が 80 km/h 以下にな ると再び自動的に格納されるようになっています。従来のスポイラーとは異な り、リアウイングは空気の抵抗をほとんど受けないものの、その形状によりダ ウンフォースを生み出します。リアアクスルのホイールにかかる荷重は時速 270 km で 14 kg 増加することから、ピッチングやローリングが抑えられ、走 行安定性が向上します。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 11 エンジンおよびトランスミッション カレラの遺伝子を受け継ぐ新型 6 気筒エンジン ケイマン / ケイマン S には、世界デビューを飾った新型の水平対向 6 気筒エ ンジンが搭載されます。この 2 つのモデルは高出力、高い信頼性、優れた経済 性や排出量の低減について絶妙なバランスを実現し、同エンジンクラスのベン チマークを打ち立てました。両モデルのエンジンの特長は、直近の 911 シリー ズに搭載された新世代エンジンのものと同じです。 ケイマンには、従来の 2.7 リッターエンジンに代えて 2.9 リッターエンジンが 採用されました。このエンジンの最高出力は 265 PS(195 kW)で、従来の 6 気 筒エンジンの出力よりも 20 PS 増加しています。最大トルクは 300 Nm で、 こちらも 27 Nm 増大しています。ニューケイマン S のエンジンは 3.4 リッ ターに変更ありませんが、新しいダイレクト・フューエル・インジェクション (DFI) が採用され、従来よりも 25 PS アップした 320 PS(235 kW)の出力を 発生させます。最大トルクも 30 Nm 増の 370 Nm となっています。 新型エンジンの効率は、主に基本的なエンジン特性を徹底して改良したことに より一層の改善が図られました。とくに軽量化を進め、フリクションと運動質 量を低減したことで、6 気筒エンジンの両モデルの出力が増大しただけでなく、 燃費も改善されています。その結果、新しいエンジンは従来型より約 6 kg 軽く なっています。従来のエンジンブロックが 4 つに分かれ、それぞれにクランク ベアリングケースを備えていたのに対し、新しいエンジンでは 2 つの部分から なるクランクケースにクランクベアリングが一体化されています。そのメリッ トは、重量の低減のみならず、部品数の削減を図ることができたことです。同 時にポルシェのエンジニアによってシリンダーがオープン構造からクローズド 構造へと変更され、熱的にも力学的にもより堅牢なものとなっています。また、 従来シリンダーヘッドガスケット周辺で露出していたシリンダーライナーは、 ウォータージャケットを含む鋳物製デッキプレートによってハウジングと結合 されています。このためシリンダーの形状安定性が一層改善されました。その 他にも、エンジンオイルの消費量やフリクションの低減による燃費のさらなる 向上という 2 つの効果がもたらされています。さらに、横方向ストッパーと新 仕様ベアリングをもつ新型エンジンベアリングでエンジンが一層強固に固定さ れ、ボディに対する相対運動が抑制されるため、快適性とドライビングダイナ ミクスの向上が両立しています。 12 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション ダイレクト・フューエル・インジェクションを初めてケイマン S に採用 ケイマン S の 3.4 リッターエンジンに、このモデルでは初めてとなるダイレ クト・フューエル・インジェクション(DFI)が採用されました。DFI では、均 質な混合気が直接噴射によって形成されます。つまり、空気と燃料が燃焼室内 に極めて均質に配分され、燃焼が最適に行われるということです。この方式で は、燃料が最大 120 bar(負荷と回転数により異なる)の圧力で燃焼室内に直接 噴射されます。その主な利点は、従来のマニホールド噴射と異なり、混合気が 燃焼室内で直接形成されることです。間接的なインジェクション方法では閉じ た吸気バルブの前で燃料の一部が霧化するのに対して、ダイレクトインジェク ションでは吸気バルブが開いてからシリンダー内に直接燃料が噴射されます。 インジェクターは 2 つの吸気バルブの間に位置し、いずれの側でも吸気に直接 噴射します。これにより、従来の方式で霧化した燃料がマニホールドの壁に付 着するために生ずる、いわゆる壁面付着損失がなくなります。空気と燃料はシ リンダー内でより良好に混合されます。このことはクリーンな完全燃焼のため の重要な前提条件です。燃焼空気は、燃焼室内で燃料の気化に必要な熱量を放 出することで冷却されます。このことからシリンダー内の充填容量が減少し、 吸気バルブが開いて空気が吸入され、再び充填効率が高められます。 さらに、この温度の低下によりノッキングが発生しにくくなり、圧縮比をさら に高めることができるようになりました。先代モデルと比べ、3.4 リッターエ ンジンの圧縮比は 12.5:1 に高められています。圧縮比が高められたことでエ ンジンの熱効率も向上し、エンジン出力の増大と燃料消費量の低減にもつなが りました。ダイレクト・フューエル・インジェクションはエンジン効率のみな らず、ケイマン S エンジンの特性にもプラスの影響を与えています。この利点 はドライバーがアクセルペダルを踏むごとに体感できます。燃料は行程の直前 に瞬時に噴射されるので、アクセルペダルのどのような操作にもエンジンが鋭 敏に反応してくれます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 13 モデルとなる排気ガスマネージメント 両エンジンとも、施行予定のヨーロッパの EU5 とアメリカの ULEV の排出ガ ス基準値をすでにクリアしています。この基準をクリアするために、このモデ ルに搭載されている 2.9 リッターエンジンにはセカンダリーエアポンプが備 えられています。このポンプは、コールドスタート時に排気ガス中の燃焼され なかった燃料を再燃焼させ、触媒コンバーターが速やかに作動温度に到達する のに役立ちます。3.4 リッターエンジンの場合は、いわゆる高圧成層燃焼と触 媒コンバーターの活性温度対策により同様の効果が得られるようになっていま す。この作動モードではデュアルインジェクション方式で排気ガス温度を上昇 させることで、触媒コンバーターを可能な限り急速に加熱します。つまり混合 気の点火を大きく遅らせ、排気ガス温度の上昇により始動段階での排気ガス放 出量を低減するのです。そして、エンジン付近のマニホールドに組み込まれた 2 つのプライマリーコンバーターと 2 つのメインコンバーターを装備した新 開発のエグゾーストシステムが、排気ガスの浄化をできるだけ早期かつ完全に 行います。 可動部品の減少:新しいタイミングチェーンドライブ 新世代エンジンに新しい高強度タイミングチェーンを採用したことで、これま で採用されてきたタイミングチェーンドライブ用の中間シャフトが不要になり ました。これにより、運動質量だけでなくエンジン重量も低減されています。 さらに、フライホイールと第 1 クランクシャフトベアリング間のクリアランス も小さくなったことで、レバーアームがより短くなりました。その結果、結合 がより強固になり、エンジンの作動もよりスムーズにバランスよく行われるよ うになっています。また、カムシャフト駆動用の 2 個のダブルローラーチェー ンのギアがベルト側のクランクシャフトにそれぞれ対置されています。 ベーシックエンジンの開発過程において、カムシャフトベアリングと油圧式切 り替え式カップタペットのガイドシリンダーが組み込まれた一体型シリンダー ヘッドが開発されました。この構造は全体に軽量である上、安定性にも優れて います。従来と同様に、この新型エンジンにもポルシェが開発した定評ある可 変バルブタイミングシステム「バリオカム・プラス」が一体化され、吸気側の タイミング調整と可変バルブリフトが可能になっています。 14 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション バルブリフトコントロールシステムはエンジン吸気側の 2 個の油圧切り替え 式カップタペットから成り、吸気側カムシャフト上の 2 個の大きさの異なるカ ムによって駆動されます。このバリオカム・プラスにより、出力とトルクの最 適化が図られるとともに、燃費性能と排出ガス特性、さらにエンジンの運転特 性も改善されます。つまり、新しいダイレクト・フューエル・インジェクショ ン方式との組み合わせによって、出力とトルクを増大させると同時に燃料消費 量を減少させるという理想的な運転が可能になったのです。 軽くなったバルブ駆動とオンデマンド制御によるオイルポンプ レスポンス、経済性や回転安定性をさらに改善するために、ヴァイザッハのエ ンジニアによってバルブ駆動システムが新たに設計されました。吸気側バルブ の切り替えタペットの直径は 33 mm から 31 mm に、排気側バルブタペット の直径は 33 mm から 28 mm にそれぞれ縮小されています。高速で運動する タペットをこのように軽量・小型化したことで、質量慣性が減少し、回転数を 高めることが可能になりました。その結果、両エンジンモデルは 7,200 rpm で 定格出力に達し、最大回転数は 7,500 rpm へと増加しています。 ポルシェの新しいエンジン効率化のためのもう一つの対策として、潤滑系が最 適化されました。ここでポルシェのエンジニアがとくに注力したのは、横方向 および縦方向加速度が大きくなった場合においてもオイルの供給を確実に行え るようにすることでした。さらに、摩擦損失や駆動損失をさらに減少させるこ とについても配慮されています。 新エンジンのオイル回路は、インテグレーテッドドライサンプ潤滑システムの 原理によって構成され、サクションポンプ 4 台と、初めて採用された制御式オ イルポンプ 1 台を含むシステムから成っています。ここでの圧送は、エンジ ン・マネージメントシステムにより常に実際の必要量に合わせて調節されます。 そのために軸方向に動く油圧式ギアを採用し、このギアの噛み合い面積を変化 させることで、オイルポンプのギアセットの排除容積の制御を行います。その 結果、オイルポンプは必要以上のエネルギーを消費することなく、必要に応じ た潤滑を確実に行うことができます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 15 オイルポンプは 4 台のサクションポンプと共にオイルサンプ付近のシャフト 上に位置し、チェーンによりクランクシャフトで直接駆動されます。2 台ずつ のサクションポンプが両シリンダーヘッドからオイルサンプへオイルを移動さ せます。ここでは新しいバッフルプレートがクランクケースとオイルサンプの 仕切りとなっているため、クランクケース内の攪拌損失も低減されると同時に、 オイルサンプ内の発泡も抑制されます。そのため、摩擦の低減によってエンジ ン出力が増大しながらも、オイル発泡の低減により高負荷時においてもオイル 供給が確実に行われるようになりました。 性能が 20 % 向上した独立ウォーター ポンプ シリンダーヘッドで高い熱負荷がかかる部分の放熱を図るために、シリンダー ヘッドのクーリングダクトが改良され、排気バルブシートの最高温部分に冷却ユ ニットが増設されました。さらにウォーターポンプはクランクケースから独立し たモジュールとして再設計され、位置も変更されています。この設計の利点は、 ウォーターポンプの大きさを柔軟に設定できること、そしてメンテナンスの費用 が低減されることです。エンジン出力の増加に対応して、十分なエンジン冷却を 確保するため、新しいウォーターポンプの最大流量は 20% 増えています。 切り替えフラップを装備した精緻なインテークシステム 両エンジンモデルには新しいインテークシステムが採用されています。左右の インテークディストリビューター間にレゾナンスパイプとディストリビュー ションパイプを備えたプラスチック製レゾナンスインテークシステムです。特 に、左右インテークディストリビューター間の中央部のデザインが新しく変更 されました。旧来のレゾナンスパイプとディストリビューションパイプも互い に独立した形状でしたが、今回よりこれらが 1 つのコンポーネントとして一体 化されています。中央部の形状が楕円形になったことに伴い、レゾナンスフラッ プとディストリビューションフラップの形状も半楕円形に変更されました。切 替式のこのレゾナンスフラップがインテークシステム内の空気振動をエンジン 回転数に合わせて調整することで、低回転域における大きなトルク、よりフラッ トなトルクカーブ、そして最大限の出力を引き出すことが可能になりました。 シフトフラップ付きの 2 ステージ・ディストリビューションパイプも同じく低 回転域のトルクの改善に寄与しています。 16 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 両エンジンモデルのそれぞれの各エンジン特性に適合するように、両シリン ダーバンクのインテークディストリビューターは異なった形状になり、またイ ンテークディストリビューター上部のレゾナンスチャンバーも新たに変更され ました。ベーシックエンジンに追加されたこの新しい機能によって、高回転域 における不快な共鳴音が抑制されます。新開発のエグゾーストシステムととも に、エンジンサウンドも再調整が図られ、いっそう魅力的でダイナミックな響 きを奏でるようになりました。 新開発のポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)をケイマンに装備 ケイマン / ケイマン S に、ティプトロニック S に代えて 7 速ポルシェ・ドッ ペルクップルング(PDK)がオプションで初めて提供されることになりました。 その機能原理は基本的にカレラシリーズに採用された PDK と同じです。しか し、ケイマンのミッドシップレイアウトに対応し、取付け箇所と回転方向、さ らにケイマンのエンジンに適合させたギアレシオが他のモデルのものとは明ら かに異なっています。 原理上、この PDK は、2 つのトランスミッションに分けられた従来型のマニュ アルトランスミッションと油圧制御ユニットから構成されます。このトランス ミッションの中核をなすのは、オイルバス内で互いに組み合わされ、同軸上に 配置された 2 つのマルチプレートクラッチで、これは油圧制御されています。 一方のクラッチが奇数速と後退を割り振られたサブトランスミッション 1、も う一方のクラッチが偶数速を割り振られたサブトランスミッション 2 を受け 持ちます。油圧制御ユニットは、数多くの圧力バルブを介してクラッチと、希 望のギアに入れるためのシフトシリンダーを制御します。片方のクラッチが切 れると同時にもうひとつのクラッチがつながるため、ギアチェンジは非常に迅 速かつスムーズに行われ、トラクションが中断されることもありません。セレ クターレバーがポジション D にあると、ソフトで快適なギアチェンジが自動的 に行われます。ステアリングホイールのスイッチもしくはセレクターレバーを 使い、マニュアル操作によるギアチェンジも可能です。クラッチ操作はいずれ の場合もドライバーの関与なしに行われます。この方式の本質的な利点は、シ フトしたときには既にギアが噛み合っているため、マニュアルトランスミッ ションおよびトルクコンバーター式オートマチックトランスミッションよりも 迅速なギアチェンジが可能で、そのスピードが最大 60 %も向上されたことで す。さらに PDK は重量面でも優れており、従来のティプトロニック S トラン スミッションに比べてポジションが 2 つ増えているにも拘わらず、約 10 kg 軽くなっています。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 17 新しい PDK は、前進 7 速・後退 1 速です。1 ~ 6 速はスポーティな設定と なっており、6 速で最高速度に到達します。第 7 速は燃費の良い、ハイギヤー ドのギアレシオとなっています。 セレクターレバー / ステアリングホイールを使用したギアチェンジ PDK 搭載のケイマン / ケイマン S のドライバーはティプトロニック S のと きと同じように、新設計の PDK 専用ステアリングホイールのシフトスイッチ、 もしくは同じく新設計のセンターコンソールのセレクターレバーを使用してポ ルシェ・ドッペルクップルングを操作することができます。3 本スポーク・ス ポーツステアリングホイールには、エルゴノミクスに基づいて適切に配置され た 2 つのシフトスイッチが取り付けられています。左右どちらかのシフトス イッチを前へ押すとシフトアップ、ステアリングホイールの後ろ側から手前に 引くとシフトダウンが行われます。 メーターパネル上の PDK のシフト表示は、ティプトロニック S の表示方法を 発展させたものです。現在入っているギアポジションが読みやすい数字(1 ~ 7) で表示されます。シフトパターンの横に、現在使用中のシフトプログラム(P、 R、N、D、M)が赤色 LED で示されます。 スポーツクロノパッケージ・プラス、ローンチコントロールとレーシング・シ フトプログラム ニュー ケイマン / ケイマン S には、従来と同じくラジオ CDR-30 との組み合 わせでスポーツクロノパッケージ、さらにポルシェ・コミュニケーション・マ ネージメントシステム(PCM)との組み合わせでスポーツクロノパッケージ・プ ラスがオプションで提供されます。両パッケージとも従来と同様、ダッシュボー ドのアナログストップウォッチ、エンジンやポルシェ・スタビリティ・マネー ジメントシステム(PSM)、さらに(装備されている場合には)スポーツ・プラ ス・スイッチで作動するポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメン トシステム(PASM)用のスポーツモードが含まれます。さらに、ポルシェ・コ ミュニケーション・マネージメントシステム(PCM)との組み合わせで、メーター パネルの出力表示とパーソナルメモリーが設定されています。 18 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 2 つのパッケージでは、ポルシェ・ドッペルクップルング装備のスポーツクー ペに提供されるもう 1 つのスポーツ・プラス機能が新規に採用されています。 新しく装備されたスポーツ・プラス・ボタンを操作すると、サーキットにおけ る最高の走行性能を引き出すためのレーシング・シフトプログラムが選択され ます。さらにこのプログラムでは、発進時の加速性能を最大限に高めるローン チコントロールを作動させることができます。サーキットスタートをするには、 左足でブレーキペダルを踏み、右足でアクセルペダルを十分に踏み込んでキッ クダウンさせます。これによりエンジン回転数は約 6500 rpm に達します。ド ライバーがブレーキペダルから足を放すと、車両は最大限の加速性能を発揮し て発進します。その後、両モデルのスポーツクーペは 0.1 秒毎に加速を続け、 ケイマン S は 4.9 秒、ケイマンは 5.5 秒で時速 100 km に達します。 6 速マニュアル トランスミッションをベーシックモデルに標準装備 ニュー ケイマン / ケイマン S には 6 速マニュアルトランスミッションが標 準装備されています。先代モデルのトランスミッションをベースにしたこのト ランスミッションは、新型エンジンの形状と高出力に適合するように調整され ています。従来の 5 速マニュアルトランスミッションに代えて、ケイマンにも 6 速マニュアルトランスミッションが標準装備されます。今回、自動調整式の いわゆる X-Tend クラッチが両エンジンに装着されることになりました。このク ラッチはライニングの摩耗を記録し、摩耗による移動距離の差を調節リングの 回転によって補正します。このシステムの利点は、摩耗限界に至るまで、踏力 を従来のクラッチと比較して約 50 % 低減できることです。 マニュアルトランスミッション装備の新型スポーツクーペを駆るドライバー は、シフトアップインジケーターのサポートを受けて燃費の良い走行を行うこ とができます。このインジケーターはデジタルスピードメーター右横、タコメー タ内の三角形のものです。シフトアップインジケーターは選択されたギア、エ ンジン回転数とアクセルペダルの位置に応じて作動します。インジケーターが 点灯したときは、燃料消費量を低減するために次のギアにシフトアップしたほ うが良いとドライバーに知らせています。この推奨メッセージは、シフトアッ プしてからも従前の速度または加速度を維持できる場合にのみ出力されます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • エンジンおよびトランスミッション 19 オプションの機械式リミテッド・スリップ・リアディファレンシャル ニューケイマンモデルには、18 インチホイールおよび 19 インチホイールを組 み合わせたリミテッド・スリップ・リアディファレンシャルが用意されていま す。ロック率を加速時 22 %、減速時 27 % としたことでトラクションや安定性 が著しく向上し、とくにサーキットのようなワインディングロードを走行する ときなどにそのパフォーマンスの向上を実感できるようになりました。さらに もたらされた利点は、負荷変動の安定化が図られたことです。片側が滑りやす くなっている路面ではロックの作動でホイールの空転を抑えることで、機械式 リミテッド・スリップ・リアディファレンシャルはオートマチック・ブレーキ・ ディファレンシャル(ABD)の作動をスムーズに行えるようにします。 全モデルにスタートアシストを標準装備 新型スポーツクーペには、どのトランスミッション搭載車であってもスタート アシスト機能が標準装備されます。スタートアシストは日常走行でドライバー をサポートするだけでなく、自動ホールド機能、そしてブレーキペダルから足 を放した後の制動の自動解除により、上り坂で発進するときでも意図しない車 両の前進・後進を防ぐ機能です。これにより、斜面での発進時もハンドブレー キを操作せずにスムーズに行うことができます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • シャシーおよびブレーキ 21 シャシーおよびブレーキ コーナリングでの俊敏性がミッドシップエンジンにより実現 新世代ケイマンのサスペンションは従来のものから変更されていませんが、増 大したエンジン出力に適合するように新たにチューニングされたことで、ス ポーツ性能が向上し、快適性も改善されています。この特別なチューニング、 そして曲げ剛性とねじり剛性が非常に高いボディにより、大きな安全性が確保 されただけでなく、高い走行快適性をも兼ね備えたケイマン独自の走行特性が 生み出されました。 ニューケイマン / ケイマン S のシャシーコンポーネントの大部分は伝統を受 け継ぎ、アルミニウム製となっています。これにより、他の全てのポルシェの スポーツカーと同じく、車両重量だけでなくバネ下重量も軽減され、快適性と パフォーマンスがより一層向上しています。当然のことながら、この軽量化は 燃費の向上ならびに CO2 排出量の低減にも貢献しています。 大きなトレッドと幅広なホイール / タイヤ、さらにミッドシップエンジンの組 み合わせにより、このニューモデルも卓越したドライビングダイナミクスと大 きな横 G に対する優れた走行安定性を発揮しています。このため、ピッチング やロールが最小限に抑えられています。また、相対的に長めのホイールベース が直進時の安定性をさらに高めています。 フロントサスペンションは、スプリングストラットと縦方向・横方向のトラッ クコントロールアームで構成されています。このコンセプトが、非常に精緻な ホイールサスペンションと高いアンチロール性を実現しているのです。また、 フロントアクスルのダンパーストラットに追加されたストップスプリングが ロール角を抑え、大きな横 G に対するスポーツクーペの安定性を向上させてい ます。特殊なサポートに新しく取り付けられたリアのスプリングストラットは 衝撃、ロードノイズや振動がボディに伝達されるのを防ぐだけでなく、ロール 特性も高めています。 オプションのアクティブ PASM シャシー ケイマン / ケイマン S にはアクティブシャシーである PASM をオプション で装備することができます。これは、電子制御ダンパーシステムの「ポルシェ・ アクティブサスペンション・マネージメントシステム」のことです。PASM の 長所は、2 つのサスペンションを 1 つにまとめたことです。つまり、スポーティ ながらも快適性を重視した日常走行向けの走行モード、そしてサーキットでの 走りのようにスポーツ性あふれる走行モードを想定した 2 つのサスペンショ ンの特性が組み合わされているのです。 22 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • シャシーおよびブレーキ PASM 装着車の場合、標準シャシーに比べて車高が 10 mm 低く設定されます。 PASM シャシーもさらに改良されたため、サスペンションの快適性がドライビ ングダイナミクスを犠牲にすることなく、より一層高められています。 ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステムでは、ドライ バーがセンターコンソールのスイッチで、2 つのプログラムを選択することが できます。選択されたプログラムに応じて、メーターパネルのディスプレイ上 に当該プログラムの記号と PASM ノーマル または PASM スポーツ の名称が 4 秒間表示されます。ノーマルモードでは快適性を重視したダンピング設定が 選択されます。この設定でダイナミックなドライビングを行うと、スポーツモー ドに自動的に切り換わります。PASM シャシーは路面の小~中程度の凹凸を標 準シャシーよりも一段と良好に吸収するため、特に長距離を走行する際に快適 性の向上を実感できます。これに対し、スポーツモードではダンパーのセッティ ングが固めに切り替えられ、極めて俊敏でスポーティな走行をサポートします。 スポーツシャシーの長所をフルで提供するこの設定では、ボディの振動がさら に低減され、より早いラップタイムを容易に達成することができます。 PASM は、減衰力を無段階に調整できるアダプティブダンパー、ボディの上下 動作を検知するための 2 つの加速度センサーと PASM コントロールユニット から構成されています。このコントロールユニットは横 G、ステアリング角度、 走行速度、ブレーキ圧およびエンジントルクに関して、フロント右側とリア左 側のダンパードームに取り付けられている 2 つの加速度センサーの信号を集 めます。PASM は CAN バス経由で送信されたこれらのデータからその時々の走 行条件の下で最適な減衰曲線を決定し、個々のホイールに適したセッティング の固さを個別に制御します。 可変ギアレシオを採用したラック&ピニオン式ステアリングシステム 従来と同様、可変ギアレシオが採用されている油圧式ラック&ピニオン式ステ アリングシステムが、ドライバーのステアリングコマンドを伝達します。ワイ ンディングロードにおける優れた俊敏性のみならず、高速走行時での卓越した 安定性も実現されています。このシステムでは、ステアリングホイールが直進 位置にあるとき、つまりステアリングを切る量が小さいときは、ギアレシオが 大きくなります。その結果、このスポーツクーペは特に高速走行時の静粛性に たいへん優れています。ステアリングホイールの切れ角が 30 度以上になると、 ステアリングは次第にダイレクトになっていくため、ワインディングロードで の俊敏性とコーナリングや駐車時のハンドリング特性が一段と向上します。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • シャシーおよびブレーキ 23 ステアリングのロック・トゥ・ロックは約 2.5 回転です。ステアリングのバル ブ制御マップを変更すると操舵力が低減するため、より素早く、そしてより自 然なレスポンスとなります。また、車庫入れも容易になります。 ポルシェの比類ないブレーキシステム ケイマン / ケイマン S のブレーキシステムは 911 カレラのものと基本的に 同様の特長をもっており、その制動力も最高度に達しています。ポルシェの伝 統に従い、ディスクサイズはその最高出力に対応したものとなっています。フ ロントは、ケイマン / ケイマン S とも外径 318 mm、厚さ 28 mm のベンチ レーテッドディスクとアルミニウム製の 4 ピストン・モノブロックキャリパー が制動力を発生させます。リアアクスルでは、厚さ 20 mm(ケイマン)/ 24 mm (ケイマン S)、外径 299 mm のブレーキディスクとアルミニウム製 4 ピスト ン・モノブロックキャリパーの組み合わせによって傑出した制動力を発揮しま す。キャリパーは、ケイマンがブラック、ケイマン S ではレッドのカラーリン グが施されています。また、走行時に熱負荷の大きくかかっているブレーキに 空気を導く大型のブレーキスポイラーが、冷却効果を最大限に高めています。 エンジン負荷とは関係なく、ペダルを踏み込む力を軽減させると同時にブレー キのレスポンスを向上するために、ブレーキブースターエンジンの機械式バ キュームポンプからブレーキブースターに負圧が供給されます。スカベンジポ ンプとタンデム式に接続されているバキュームポンプは、右側シリンダーバン クのエグゾースト側カムシャフトによって駆動されます。この構造により安定 した強力なバキュームが可能になったため、高地のような低気圧環境での走行 や、サーキットで負荷がフルでかかるダイナミックな走行を行う場合などの過 酷な状況下においても、絶大な制動力を生み出すことができます。 PCCB でパフォーマンスがさらに向上 ケイマン S には、ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)を オプションで装備することができます。直径 350 mm のセラミック素材のクロ スドリルベンチレーテッドディスクは、同等の鋳鉄製ディスクよりも約 50 % 軽量化されています。そのためバネ下重量も軽くなり、サスペンションのレス ポンスが向上しています。 24 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • シャシーおよびブレーキ セラミックブレーキディスク、そして同じく独自設計のブレーキパッドにより、 制動時に大きく、一定の摩擦値がすぐに得られます。セラミック製ブレーキディ スクの表面硬度は非常に高いため、磨耗は従来のディスクに比べると極めてわ ずかです。使用されている素材も耐食性に優れ、さらに耐用年数も長くなって います。 拡充されたブレーキ機能とスポーティな設計の PSM ニュー ケイマン / ケイマン S は最新世代のポルシェ・スタビリティ・マネー ジメントシステム(PSM)を標準装備しています。最新世代の PSM には ABS (ア ンチロックブレーキシステム)、ASR(トラクションコントロール)、MSR (エンジ ンブレーキトルクコントロール)、ABD (オートマチック・ブレーキ・ディファ レンシャル) のほか、新機能である「ブレーキプレチャージ」と「ブレーキア シスト」も含まれています。 スポーツクーペの PSM に新たに組み込まれたブレーキプレチャージ機能によ りブレーキシステム作動の準備が整えられ、緊急時の制動距離が短縮されるよ うになりました。アクセルペダルから急に足を放すと(急ブレーキをかける前 の特徴的な動作)、ブレーキペダルを踏む前に PSM の油圧系統がブレーキライ ンへの圧力をわずかに上昇させます。これによりブレーキパッドがブレーキ ディスクに向かってわずかに動き、ブレーキシステム作動の準備が整えられる のです。その結果、ブレーキシステムのレスポンスが著しく改善し、制動距離 が短縮されます。同じくブレーキアシスト機能も制動距離を短縮するために作 動します。急制動時には、バキューム式ブレーキブースターによる制動力アシ ストだけでなく、油圧による制動力アシストも行われます。急ブレーキを検知 すると(つまりブレーキペダルを踏み込む力や速さが所定の基準値を上回る と)、PSM の油圧系統が最大限の制動に必要となるブレーキ圧を発生させます。 ドライビングダイナミクスを高めるために、PSM の作動を解除するか(PSM オ フ)、またはオプションのスポーツクロノパッケージのスポーツ・プラス・ボ タンを押すと、ブレーキアシスト機能と補助的なブレーキブースト機能がオフ になります。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • シャシーおよびブレーキ 25 限界領域に近い危険な走行条件下では、PSM が選択的なブレーキ操作を行うこ とで、車両を安定させるような制御を行います。PSM は高度な走行安定性と安 全性を実現すると同時に、ポルシェならではの俊敏性も両立させています。タ イトなコーナリングを愉しめるように、70 km/h までの低速走行では PSM が 介入しないように設定されています。ドライバーは PSM の作動を解除すること もできます。その場合には、PSM は制動時にのみ再び作動します。このシステ ムはブレーキペダルを強く踏み込んだとき、つまりフロントホイールの一方が ABS 作動基準値を超えたときに限り、再び作動します。ブレーキペダルを軽く 踏んだだけでは PSM は作動せず、カーブでブレーキをかけても滑らかなコーナ リングが可能になるため、スポーツ性能を追求するドライバーは自由に走りを 愉しむことができます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ホイールおよびタイヤ 27 ホイールおよびタイヤ さらに向上したグリップ性能とロール特性 ニューケイマンには先代モデルから刷新されたデザインの、幅広いリムを持つ 17 インチホイールが標準装備されます。このホイールはそれぞれ 0.5 インチ 拡大され、フロントアクスルでは 7J x 17、リアアクスルでは 8.5J x 17 となっ ています。サイズが拡大されたことで、フロントアクスルにより大きなブレー キディスクを組み合わせ、トラクションとドライビングダイナミクスの向上を 図ることができるようになりました。タイヤサイズは変更されず、フロントタ イヤは 205/55 ZR 17、リアタイヤは 235/50 ZR 17 です。ニューケイマン S に は、新しいデザインとなった従来と同サイズの 18 インチホイールが標準装備 されます(フロント:8J x 18 235/40 ZR 18、リア:9J x18 265/40 ZR 18)。 ハイライトとなるのは、新開発されたタイヤです。2010 年より PAH(Poliycyclic Aromatic Hydrocarbons、多環芳香族炭化水素)の使用が規制されるに伴い、PAH フリーで有害物質の含有量が低減されたタイヤコンパウンドが用いられていま す。快適性の向上ところがり抵抗の低減を図るために、この新開発タイヤでは リアアクスルのタイヤ空気圧が下げられ、17 および 18 インチホイールのリア のタイヤ空気圧は 2.1 bar となっています(従来のタイヤ空気圧:2.5 bar)。 19 インチホイールでは、リアのタイヤ空気圧は 2.5 bar から 2.3 bar に低減さ れました。 ケイマン S には、19 インチホイール(×4、フロント:8J、リア:9.5J)がオ プションとして用意されています。 • 19 インチ カレラ S II ホイールは新しいカレラ S ホイールをベースとし、 デザインが新しくなっただけでなく、ケイマン S 固有のサイズとなってい ます。 • 19 インチ スポーツデザイン ホイールの特徴は 15 本の細いスポークです。 精緻なスタイリングにより、レーシングカーのような外観を演出します。 • 19 インチ 911 カレラ クラシック ホイールも非常にエレガントなホイー ルです。5 本スポークは非常にスリムなデザインとなっており、その隙間か らブレーキが良く見えます。これは、車両の技術的ハイライトがはっきりわ かるように意図的に設計されたものです。 • 19 インチ カレラ スポーツ ホイール(フロント:8.5J、リア:10J)は、 星形に均等配置されたスポークが特徴的な 10 本スポークのホイールです。 28 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ホイールおよびタイヤ ケイマン / ケイマン S にも、スペアタイヤやジャッキの代わりにタイヤシー ル剤と電動コンプレッサーが装備されています。ほとんどのタイヤのトラブル は、タイヤシール剤を使用すれば、手間と時間のかかるタイヤ交換を現場で行 わずに済みます。釘やボルトを踏んでできたような小さな傷の場合、タイヤシー ル剤を注入すれば、車両はもちろん、損傷したタイヤをさらに傷めることなく、 80 km/h 以下の速度で最寄のポルシェセンターまで走行できます。タイヤシー ル剤は取扱いが容易であるだけでなく、スペアタイヤとジャッキが不要になる ため、車両重量も 10 kg 軽くなります。 レスポンスがより早くなったタイヤプレッシャー・モニタリングシステム(RDK) ニュー ケイマンにはレスポンスの早い、新しいタイヤプレッシャー・モニタリ ングシステム RDK がオプションで提供されます。このシステムがタイヤ損傷時 の圧損を早期に警告することにより、安全性が高まるだけでなく、このシステ ムによって適正なタイヤ空気圧を容易にモニタリングできるようになるため、 タイヤの不均等な磨耗や燃料消費量の増加をも防ぐことができます。このシス テムは運転席ドアが開くと初期化されるため、イグニッションスイッチを入れ たときからタイヤ空気圧のモニタリングを開始し、数秒のうちにタイヤ空気圧 の値をメーターパネルに表示します。ホイールを交換したときは、タイヤ内の 新しいホイールエレクトロニクスをシステムに改めて登録し学習する時間が必 要ですが、その場合でも遅くとも 3 分後にはドライバーは新しい値を確認する ことができます。この新システムにより、ホイールエレクトロニクスのうち 1 つ または 2 つの系統が故障しても、他のホイールのタイヤ空気圧は引き続きモニ タリングすることが可能です。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 29 ボディおよび装備 精緻さと安全性を向上させる高いボディ剛性 最高のシャシー、最も強力なブレーキ、そして最もダイナミックなパワートレ インが揃ってこそ、優れた走行性能が実現されます。しかしそれも、それらの コンポーネントをつなぐボディが最適なものであることが前提となります。こ の点において、ケイマン/ケイマン S は最初から有利な条件に恵まれていまし た。ケイマンの構造はオープントップスポーツカーとして設計され、オープン トップの状態で優れた安定性を誇るボクスターをベースにすることができたか らです。ここに固定式のクーペルーフを組み合わせることで、ミッドシップエ ンジン搭載のスポーツクーペセグメントにおいてベンチマークとなる、非常に 優れた曲げ剛性とねじり剛性を持つボディが完成しました。 このきわめて高いボディ剛性は、シャシーの精緻さに直接的な影響を与えてい ます。大きな負荷もボディ構造のジオメトリーには影響を与えず、シャシーの ジオメトリーも変化しないため、このスポーツクーペは文字通りレールの上を 滑るように走行できるのです。さらに、高剛性ボディは高度のパッシブセーフ ティをも実現します。ターゲットとなる市場のパッシブセーフティに関して、 ケイマンは現在施行されている規制値をすべてクリアしているだけでなく、前 方、側面、斜め、後方からの衝突や横転に関する世界各国のあらゆる安全基準 も大きくクリアしています。 アルミニウム製のフロントリッドと軽量スチール構造のリアリッド スポーツクーペのフロントリッドはアルミニウム製シェル構造となり、スチー ル製の同様の構造と比べて 6 kg の軽量化が図られています。大型の熱線入りリ アウインドウを装備し、大きく開口するスチール軽量構造のリアリッドは、リ アの流れるような形状に調和しています。また、リアウインドウウォッシャー がオプションで用意されています。 標準装備の 6 個のエアバッグが乗員を保護 当然ながら、ケイマンも他の全てのポルシェ スポーツカーと同等のパッシブ セーフティシステムを備えています。運転席および助手席側の側胸部保護用エ アバッグは、側面衝突が発生した場合でもシートの前後可動全域にわたって乗 員を安全に保護します。これは、ポルシェ・サイドインパクト・プロテクショ ンシステム(POSIP)と呼ばれています。運転席側は 62 リッター、助手席側は 122 リッターとなるスペースも、フルサイズエアバッグが正面衝突時に乗員を 保護します。 30 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 ミッドシップエンジンのメリット:2 つのラゲッジコンパートメント ケイマンはその卓越したスポーツ性能に加え、実用性の面でも非常に優れてい ます。最大 410 リッターの容量を持つフロント / リアのラゲッジコンパート メント、さらに機能的で実用的な収納ボックスにより、十分な収納スペースが 実現されています。 116 x 90 cm の大型リアリッドは 2 段式ガス封入式ダンパーによって楽に開 けることができ、その開口部も大きく、リアラゲッジコンパートメントへのア クセスも容易です。リアリッドを完全にオープンした時の高さは約 1.95 m と なり、背の高い人でも荷物を積み込みやすくなっただけでなく、ガレージの天 井が低い場合でも十分なクリアランスが確保されています。ストップ位置を越 えてさらに押すと、リアリッドを水平線に対して角度が約 70 度のサービスポ ジションにすることができます。 2 つのスペースで構成されたリアラゲッジコンパートメント リアラゲッジコンパートメントは、ステンレス製のパネルで視覚的に分けられる 2 つのスペースで構成されています。リア側に設けられた広いスペースは、リア リッドを閉めると標準装備のスクリーンカバーで覆われます。ケイマンの場合、 ラゲッジコンパートメント容量(ウインドウ下端まで)は 185 リッター、ルー フまで含めると 260 リッターのスペースを備えています。2 つのスペースには ラゲッジネット固定用の 4 つの金具が取り付けられているため、荷物の移動を 防止できます。また、ヘッドレストの間にあるメタルバーは荷物が前方に滑り出 すことを防ぎます。4 つのクイックロックでルーフフレームとシートの背後にラ ゲッジパーティションを固定する、取り外し可能なラゲッジコンパートメント用 固定器具もオプションで用意されています。その他にも、C ピラー横に容量が約 4.5 リッターの蓋付き収納ボックスがひとつずつ設けられており、女性用ハンド バックなどの中程度の大きさの荷物を収納することができます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 31 仕切りのあるフロントラゲッジコンパートメント フロントラゲッジコンパートメントの容量は約 150 リッターです。ラゲッジコ ンパートメントの内装は、ラゲッジコンパートメント回りからフロントウイン ドウ下端に到るまで、カーペットで仕上げられています。タイヤシール剤、タ イヤコンプレッサーやツールキットは、ラゲッジコンパートメントの全幅を覆 う垂直パネルの背面に収納されています。このパネルの下端はラゲッジコン パートメントと接し、ホールドレールに差し込まれた状態になっています。容 易に開けられるようになっているため、ラゲッジコンパートメントに詰め込ん だ荷物にも楽に手が届きます。上面には、緊急用の三角表示板が入っているホ ルダーが取り付けられています。また、救急箱はバルクヘッドパネルの右側に 収納されています。 純血スポーツカーのインテリア インテリアには全て上質の素材が用いられ、滑らかな手ざわりと優雅さをま とった内装に仕上げられています。新しくデザインされたのは、エレガントな ブラックのセンターコンソールです。また、標準装備となった新しい CDR-30 オーディオシステムには、はっきりと見やすい 5 インチの大型モノクロディス プレイと MP3 対応 CD チェンジャー 1 つが装備され、CDR-30 オーディオシ ステムが携帯電話用のハンズフリーユニットとして機能する Bluetooth® 携帯 電話対応キットがオプションとして用意されます。さらに、オプションとして 新たに採用されたシートベンチレーションスイッチが組み込まれている新しい エアコンディショナー操作ユニットが、センターコンソール内に美しく収めら れています。特にこの操作ユニットの下側のスイッチは、その配置と操作性の 面で最適化が図られました。すべてのニューモデルには、リムがスムースレザー 仕上げとなっているステアリングホイールが標準装備されており、ハイレベル な質感は機械で行われる縫合によってさらに強調されています。また、ソフト カラーのエアバッグモジュールもステアリングホイールの調和のとれたデザイ ンに寄与しています。 ポルシェのシートが最適なフィードバックを提供 ドライバーと車両とのコミュニケーションの大部分はシートを介して集中的に 行われます。つまり、ケイマンのドライバーはポルシェのシートから縦 G およ び横 G、さらに路面状態に関する最適なフィードバックを受け取ります。そし てこれが、ポルシェの哲学に基づいたスポーツカーの形なのです。 32 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 ケイマンのシートは 6 方向に調整可能です。バックレストの角度は電動、前後 位置と調整は手動で調節することができます。高さ調整については、シートお よびサイドシル間に取り付けられた手動式のメカニズム部で行います。これを 使用して、シートの高さを正確かつ容易に調整できます。オプションとしてエ レクトリックコントロールシート、スポーツシートおよびアダプティブスポー ツシートが用意されています。 初設定のオプション、シートベンチレーションが快適な車内環境を提供 ニュー ケイマンのモデルにはオプションとして、標準シートだけでなくコン フォートシートにおいてもシートヒーターとの組み合わせでシートベンチレー ションを取り付けることができるようになりました。アクティブシートベンチ レーションは暑い季節でも、適温に除湿された快適な空気をシート面に供給し ます。シートベンチレーションはセンターコンソール内のボタンを押して起動 します。ボタンを押すと、快適性の 3 段階のうち最高段階がまず選択されます。 それぞれ選択された換気段階は 3 個の青色 LED で表示されます。この選択は、 ドライバーまたは助手席乗員が別の段階を選択するまで有効です。唯一の例外 として、過冷却を防ぐため、シートの表面温度が 15 ℃ 以下になるとシステム は停止します。 空気は、シート面の特に乗員と接触する箇所に送られます。その場所はシート 表面の特徴的な穴によって知ることができます。通気はシートとバックレスト それぞれのファンにより行われ、シートとバックレストに設けられた穴から乗 員とシート面の間の発汗による湿気が吸引されます。空気は特殊な気流ガイド を通って流れ、シート下部または背面のホースで運ばれます。このようにして 直射日光で高温となったシート面が急速冷却され、走行中の乗員の発汗も防止 されます。最強段階でも両ベンチレーションの音はわずかで、運転中はほとん ど聞こえません。シートベンチレーションはシートヒーターの温度調節と組み 合わせることも可能です。これによってシート面を常に快適な温度に保ちなが ら除湿を連続的に行うことができます。 タッチスクリーン式 PCM と HDD ナビゲーションシステム 操作の容易さと人間工学的なデザインをより一層向上させるために、エンジニ アとデザイナーはオプションの新しいポルシェ・コミュニケーション・マネー ジメントシステム(PCM)を開発しました。PCM は全てのオーディオ、通信機 能、そしてナビゲーションの集中制御ユニットとして一層性能を高め、その機 能が拡充されていながらも、操作性は向上されています。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 33 新しい PCM の主な特徴は、堅牢で清掃しやすい表面層をつけたタッチスクリー ン方式のモニターです。カラーディスプレイは先代の 5.8 インチから 6.5 イン チへと拡大されました。従来モニターの横に設けられていた数字キーをタッチ スクリーン操作に統合したため、モニターの大型化が可能になっています。ス イッチの数は先代モデルに比べて半減し、わずか 16 個となりました。メニュー 操作のために、論理的でわかりやすいメニューディスプレイが選択されていま すので、ドライバーや助手席乗員は重要な機能をメインメニューで見つけるこ とができます。比較的利用頻度の少ない機能を第 2 のメニューレベル(「オプ ション」)に移すことで、メニューのフィールド数を従来の 7 つから 5 つに 減らすことができるようになりました。 抜群のサウンドと感度 PCM のラジオは最大 48 の放送局を記憶でき、RDS 付き FM ダブルチュー ナーと最新世代のダイバーシティ機能を備えています。この機能により、選択 された局について、最適の受信周波数および 4 つある FM アンテナのうち最良 の受信状態にあるものを常時バックグラウンドで探索することができます。組 み込み式ドライブは CD、オーディオ DVD、ビデオ DVD のいずれも音楽を再生 することができ、オプション装備の BOSE® サラウンドサウンドシステムを組 み合わせ、ステレオ再生のほか 5.1 ディスクリートサラウンドフォーマットに も対応させることも可能です。フォーマットとしては MP3、AAC、WMA、Dolby Digital、MLP、DTS に対応しています。 標準装備のシングル CD/DVD ドライブの代わりに、オプションの使いやすい 6 連奏 CD/DVD チェンジャーを PCM に組み込むことも可能です。このチェン ジャーはシングル CD/DVD ドライブと同じフォーマットに対応しています。音 楽 DVD であれば約 25,000 分の曲を保存できるほど、チェンジャーは非常に 大きな容量を持っています。PCM コンパートメントであらかじめ順次マガジン を選択しておくと、CD/DVD がロード・イジェクトされます。 さらに新しいオプションである汎用オーディオインターフェースを利用すれ ば、iPod® や USB スティックメモリなどの外部音源が接続でき、PCM で快適 に操作することができます。これに対応してセンターコンソールの収納ボック スには 3 つの接続ポイントがあります。オプションの TV チューナーでは、暗 号化されていないアナログまたはデジタルの DVB-T 信号が受信できます。安全 上の理由により、また法規制に従い、走行中は TV の映像は表示されず、音声 再生のみ可能となります。 34 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 ルート計算を高速化:ハードディスク内蔵ナビゲーションモジュール PCM のナビゲーションモジュールには、ナビゲーションデータが保存されてい る 40 GB のハードディスクが内蔵されています。これによりルート計算が高速 化され、3 つのルート候補を表示・選択することができます。また、タッチス クリーン機能によって目的地の入力もすばやく行えます。渋滞情報や特定目的 地の情報は地図上の記号に触れるだけで呼び出すことができますが、オプショ ンの電話モジュールと組み合わせると直接呼び出しも可能になります。さらに、 中間目標、たとえば最寄りのガソリンスタンドなどの情報を簡単かつすばやく ナビゲーション中に入力することも容易にできます。 Bluetooth® インターフェースによる電話モジュール オプションで提供される内部 GSM 電話モジュールは、操作性だけでなく通話 品質も優れています。このシステムの操作方法には 2 通りあります。第 1 は 内蔵 SIM カードを用いる方法、第 2 は Bluetooth® により SAP をサポートし ている携帯電話(SIM アクセスプロファイル)と電話モジュールを自動接続す る方法です。顧客が GSM Bluetooth 対応携帯電話を所有している場合、ネット ワークとの無線接続は携帯電話経由ではなく外部アンテナを介して行われるた め、電話モジュールが最善の技術的ソリューションとなります。顧客がハンズ フリープロファイル(HFP)接続の携帯電話を所有している場合でも、オプショ ンとして電話モジュールの代わりに携帯電話を用いるシステムが用意されてお り、Bluetooth® 機能を快適に利用できます。ハンズフリープロファイルによる 接続の場合、PCM は単に携帯電話用のハンズフリーシステムとしてのみ機能し ます。いずれの場合でも、電話帳と PCM が同期され、全ての登録データを画面 上、またはオプションの音声入力で選択できます。 快適な選択肢:音声入力 新しいハードディスク内蔵ナビゲーションシステムでは、快適さと安全性を一 層高めるオプションとして、複語音声入力方式の最新世代システムを初めて利 用できるようになりました。音声入力は、オンボードコンピュータ用のステア リングコラムレバーのボタンを押すと起動します。PCM の機能のほとんどで音 声入力を選択することが可能です。この音声入力機能は、一般に各メニューで 画面に表示されている選択肢を読み上げて動作するように設計されています。 システムは(話し手を問わず)コマンドや数字列を認識するため、時間をかけ てシステムに学習させる必要はありません。音声入力では応答も音声でなされ、 機能全体を対話形式で進行させることができます。 ポルシェ ケイマン / ケイマン S • ボディおよび装備 35 その他のオプション装備:電子式ログブックと BOSE® サウンドシステム PCM のオプションとして、電子式ログブックが用意されています。このログブッ クはナビゲーションシステムとのセットで提供されるもので、最大 1500 件の 走行データを独自に保存します。保存したデータは Bluetooth® インターフェー ス、またはオプションの PCM の USB コネクターを介してコンピューターに読 み込まれ、同梱のソフトウェアで処理されます。 ラジオ、CD プレーヤーおよび 9 個のスピーカーを備えたポルシェ サウンド パッケージ・プラス、さらに車両に合わせてチューニングされる 7 チャンネル のデジタルアンプと 10 個のスピーカーを備えた BOSE® サラウンドサウンド システムがオプションで提供されます。新しいアンプの定格出力は旧モデルの 325 W から 385 W に増加しています。オプションの PCM と組み合わせてオー ディオ DVD やビデオ DVD の音楽を再生するときには、デジタル 5.1 録音の 素晴らしい音響効果が発揮されます。5.1 フォーマットではマルチチャンネル で録音されているため、再生に際して本来の情報が失われることはありません。 その他のオプションとしては、ルーフトランスポートシステム、自動防眩機能 付きルームミラー、超音波で障害物との距離を測定し、必要に応じてドライバー に衝突の危険を警告するパークアシストシステムやプログラミング可能な HomeLink システムなどがあります。HomeLink システムにはガレージドアオー プナーが組み込まれており、照明およびアラームシステム用のハンドトランス ミッターを最大 3 個まで移すことが可能です。 仕様 • ポルシェ ケイマン 37 仕様:ケイマン ボディシェル: エアロダイナミクス: エンジン: 2 シータークーペ 亜鉛コート軽量オールスチールモノコック構造 運転席 / 助手席用フロントエアバッグ(2 段階作動式) 側胸部保護用および側頭部保護用エアバッグ (運転席・助手席用) x 空気抵抗係数: Cd = 0.29 x 前面投影面積: A = 1.99 m2 x Cd × A = 0.58 x x x x x x x x x x x x x x x x x ボア: ストローク: 総排気量: 圧縮比: 最高出力: 最大トルク: リッター当たりの出力: 最高エンジン回転数: 使用燃料: エレクトリカル システム: 水冷式水平対向 6 気筒エンジン アルミ製エンジンブロック / シリンダーヘッド ダブルオーバーヘッドカムシャフト 4 バルブヘッド 可変バルブタイミングシステムおよび可変バルブリスト システム(バリオカム・プラス) 油圧式バルブクリアランス調整 2 ステージ可変インテークマニホールド;マルチポイント式 シーケンシャルフューエルインジェクション インテグレーテッドドライサンプ潤滑システム(オンデマンド 制御式オイルポンプを使用) 2 ステージ式トリメタル触媒コンバータ(各シリンダーバンク に 1 基) O2 センサー(各シリンダーバンクに 2 個) エンジンオイル:10.0 リッター クーラント:23.4 リッター 静高電圧配電システム(6 個のイグニッションコイルを装備) 89.0 mm 77.5 mm 2,893 cc 11.5:1 195 kW(265 PS)/ 7,200 rpm 300 Nm / 4,400 - 6,000 rpm 67.4 kW(91.6 PS / リッター) 7,500 rpm 無鉛ハイオクガソリン オルタネーター 12 V、2,100 W バッテリー容量 60 Ah(PDK 搭載車:70 Ah) 38 仕様 • ポルシェ ケイマン 駆動系統: x ボルト結合一体構造型エンジン / トランスミッションユニット x ツイン等速ドライブシャフトによる後輪駆動方式 ギヤ比: MT PDK 1 速 3.67 3.91 2 速 2.05 2.29 3 速 1.41 1.65 4 速 1.13 1.30 5 速 0.97 1.08 6 速 0.84 0.88 7 速 0.62 後退 3.33 3.55 最終減速比: 3.88 3.72 クラッチ径: 240 mm 153 mm / 202 mm シャシー/ サスペンション: フロントアクスル: x 各ホイールをトラックコントロールアーム、トレーリング アーム、スラストロッドおよびスプリングストラットで懸架 したスプリングストラットアクスル x 内側にツインチューブガス封入式ショックアブソーバーを 配置した円錐形コイルスプリング(ポルシェチューンの 独立式マクファーソンストラット) リアアクスル: x 各ホイールをトラックコントロールアーム、トレーリング アーム、スラストロッドおよびスプリングストラットで懸架 したスプリングストラットアクスル x 内側にツインチューブガス封入式ショックアブソーバーを 配置したコイルスプリング(ポルシェチューンの独立式 マクファーソンストラット) ブレーキ: x x x x x x 前後系統式ブレーキシステム アルミニウム製対向 4 ピストン・モノブロックキャリパー クロスドリルベンチレーテッドディスク フロントアクスル(直径×幅): 318 x 28 mm リアアクスル(直径×幅): 299 x 20 mm ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム(PSM)8.0 (ブレーキアシスト機能を追加) x バキュームサーボブレーキ 39 仕様 • ポルシェ ケイマン 7 J x 17 8.5 J x 17 ホイール/タイヤ: フロント リア 重量: 車両重量(DIN 規格) 車両総重量 ルーフ積載能力: 寸法: 全長 全幅 全高 ホイールベース トレッド フロント リア トランク ルーム容量 (VDA 方式): 燃料タンク容量: 性能 *: 最高速度 205/55 ZR 17 235/50 ZR 17 1,330 kg 1,635 kg 60 kg 4,347 mm 1,801 mm 1,304 mm 2,415 mm 1,490 mm 1,534 mm 合計 410 l 65 l 265(263)km/h 加速(秒): 0 - 100 km/h 5.8(5.7) 0 - 160 km/h 13.4(13.2) 0 - 200 km/h 22.0(21.8) 0 - 1.000 m 25.4(25.2) * 括弧内の数値は PDK 搭載車に基づきます。 40 燃費* (EU4/EU5**): (l/100 km) 仕様 • ポルシェ ケイマン 市街地 13.6/13.8(13.3/13.6) 高速道路 6.8/ 6.9(6.5/6.4) 総合 9.2/ 9.4(8.9/9.1) CO2 排出量*: 221(214)g/km * 括弧内の数値は PDK 搭載車に基づきます。 ** ポルシェ ケイマンは排出ガス規制である EU5 をクリアしています。先行モデルや EU4 基準に適合した他の車両の燃料消費量と比較するために、EU4 の基準値も記 載してあります。EU5 基準への適合に伴い、エタノール混合率をより高めた新しい 燃料の使用が規定されました。この燃料の熱量は、EU4 基準に適合した同量の燃料 の熱量よりも低くなっています。そのため EU5 基準の燃料消費量は、同量の CO2 排出量であっても、EU4 基準に適合したものよりもわずかに増加しています。 (※ 仕様は国により異なることがあります) 仕様 • ポルシェ ケイマン S 41 仕様:ケイマン S ボディシェル: エアロダイナミクス: 2 シータークーペ 亜鉛コート軽量オールスチールモノコック構造 運転席 / 助手席用フロントエアバッグ(2 段階作動式) 側胸部保護用および側頭部保護用エアバッグ (運転席・助手席用) x 空気抵抗係数: Cd = 0.29、PDK 搭載車:Cd = 0.30 x 前面投影面積: A = 1.99 m2 x Cd × A = 0.58、PDK 搭載車:Cd x A =0.60 x x x x 水冷式水平対向 6 気筒エンジン アルミ製エンジンブロック / シリンダーヘッド ダブルオーバーヘッドカムシャフト 4 バルブヘッド 可変バルブタイミングシステムおよび可変バルブリスト システム(バリオカム・プラス) x 油圧式バルブクリアランス調整 x 2 ステージ可変インテークマニホールド x ダイレクト・フューエル・インジェクション x エンジン・マネージメントシステム DME(デジタルエンジン 制御) x インテグレーテッドドライサンプ潤滑システム(オンデマンド 制御式オイルポンプを使用) x 2 ステージ式トリメタル触媒コンバータ(各シリンダーバンク に 1 基) x O2 センサー(各シリンダーバンクに 2 個) x エンジンオイル:10.0 リッター x クーラント:23.2 - 25.0 リッター x 静高電圧配電システム(6 個のイグニッションコイルを装備) ボア: 97.0 mm ストローク: 77.5 mm 総排気量: 3,436 cc 圧縮比: 12.5:1 最高出力: 235 kW(320 PS)/ 7,200 rpm 最大トルク: 370 Nm / 4,750 rpm リッター当たりの出力: 68.4 kW(93.1 PS /リッター) 最高エンジン回転数: 7,500 rpm 使用燃料: 無鉛ハイオクガソリン エレクトリカル オルタネーター 12 V、2,100 W システム: バッテリー容量 70 Ah エンジン: x x x x x 42 仕様 • ポルシェ ケイマン S 駆動系統: x ボルト結合一体構造型エンジン / トランスミッションユニット x ツイン等速ドライブシャフトによる後輪駆動方式 1 速 3.31 3.91 2 速 1.95 2.29 3 速 1.41 1.65 4 速 1.13 1.30 5 速 0.95 1.08 6 速 0.81 0.88 7 速 0.62 後退 3.00 3.55 最終減速比: 3.89 3.62 クラッチ径: 240 mm 153 mm / 202 mm シャシー/ サスペンション: フロントアクスル: x 各ホイールをトラックコントロールアーム、トレーリング アーム、スラストロッドおよびスプリングストラットで懸架 したスプリングストラットアクスル; x 内側にツインチューブガス封入式ショックアブソーバーを 配置した円錐形コイルスプリング(ポルシェチューンの独立式 マクファーソンストラット) リアアクスル: x 各ホイールをトラックコントロールアーム、トレーリング アーム、スラストロッドおよびスプリングストラットで懸架 したスプリングストラットアクスル; x 内側にツインチューブガス封入式ショックアブソーバーを 配置したコイルスプリング(ポルシェチューンの独立式 マクファーソンストラット) ブレーキ: x x x x x x 前後系統式ブレーキシステム アルミニウム製対向 4 ピストン・モノブロックキャリパー クロスドリルベンチレーテッドディスク フロントアクスル(直径×幅): 318 x 28 mm リアアクスル(直径×幅): 299 x 24 mm ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム(PSM)8.0 (ブレーキアシスト機能を追加) x バキュームサーボブレーキ 43 仕様 • ポルシェ ケイマン S 8 J x 18 9 J x 18 ホイール/タイヤ: フロント リア 重量: 車両重量(DIN 規格) 車両総重量 ルーフ積載能力: 寸法: 全長 全幅 全高 ホイールベース トレッド トランク ルーム容量 (VDA 方式): 燃料タンク容量: 性能 *: 最高速度 フロント リア 235/40 ZR 18 265/40 ZR 18 1,350 kg 1,645 kg 60 kg 4,347 mm 1,801 mm 1,306 mm 2,415 mm 1,486 mm 1,528 mm 合計 410 l 65 l 277(275)km/h 加速(秒): 0 - 100 km/h 5.2(5.1) 0 - 160 km/h 11.4(11.2) 0 - 200 km/h 18.1(19.7) 0 - 1.000 m 24.1(23.9) * 括弧内の数値は PDK 搭載車に基づきます。 44 燃費* (EU4/EU5**): (l/100 km) 仕様 • ポルシェ ケイマン S 市街地 14.1/14.4(13.9/14.1) 高速道路 7.0/7.2(6.5/6.6) 総合 9.6/9.8(9.2/9.4) CO2 排出量*: 230(221)g/km * 括弧内の数値は PDK 搭載車に基づきます。 ** ポルシェ ケイマンは排出ガス規制である EU5 をクリアしています。先行モデルや EU4 基準に適合した他の車両の燃料消費量と比較するために、EU4 の基準値も記 載してあります。EU5 基準への適合に伴い、エタノール混合率をより高めた新しい 燃料の使用が規定されました。この燃料の熱量は、EU4 基準に適合した同量の燃料 の熱量よりも低くなっています。そのため EU5 基準の燃料消費量は、同量の CO2 排出量であっても、EU4 基準に適合したものよりもわずかに増加しています。 (※ 仕様は国により異なることがあります)
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