帳簿・伝票・試算表 (1) 仕訳帳と総勘定元帳 ① 仕訳帳とは? 「仕訳帳」とは、毎日起こした仕訳を記入する下記のノートのようなものを言 います。 仕訳帳 借方 金額 貸方 金額 4 月 1 日 現金 3,000 売上 3,000 4 月 2 日 仕入 2,000 現金 2,000 4 月 3 日 通信費 300 現金 300 4 月 3 日 現金 300 売上 300 しかし、このままでは各勘定の残高がいくらあるのかわかりづらいです。 ② 転記 各勘定ごとに BOX を作成します。形がアルファベットの T に似ているので T 勘定と呼ばれています。仕訳を切ったらすぐにこの T 勘定に転記します。 ③ 転記の仕方 4 月 1 日の仕訳をそれぞれの勘定口座に記載します。4/1 の仕訳は借方現金な ので現金勘定口座の借方に相手勘定の売上と金額、日付を記載します。 現金 4/1 売上 3,000 また、貸方が売上なので売上勘定口座の貸方に同様の方法で記載します。 売上 4/1 現金 3,000 引き続き、4/2 から 4/4 まで毎日仕訳を各勘定口座に転記すると下記のように なります。 現金 4/1 売上 4/4 売上 3,000 4/2 仕入 300 2,000 4/3 通信費 300 勘定口座の借方と貸方の差額でその勘定科目の残高が分かります。ちなみにこの 現金勘定は、借方 3,300、貸方 2,300 なので差額は借方残高 1,000 円になり、現金 は 1,000 円あるということが分かります。 売上 4/1 現金 3,000 4/4 現金 300 仕入 4/2 現金 2,000 通信費 4/3 現金 300 上記、現金勘定・売上勘定・仕入勘定・通信費勘定などの個々の勘定をまとめ てつづったものを「総勘定元帳」と言います。今回学習した仕訳帳と総勘定元帳 の正確な記帳は、会社で経理を担当する人にとって重要な仕事になってきます。 (2) 帳簿とは? ① 帳簿とは? 帳簿は、大きく「主要簿」と「補助簿」の2つに分けられます。主要簿は必ず 作成するもので、補助簿は特定の勘定科目をより詳細に管理したい場合などに作 成されます。主要簿には仕訳帳と総勘定元帳があります。補助簿はその目的によ り、さらに「補助記入帳」と「補助元帳」に分けられます。 (3) 実際の帳簿への記載方法 ① 帳簿への記載方法 ・主要簿 → ・補助記入帳 仕訳帳、総勘定元帳 → 現金出納帳、当座預金出納帳、受取手形記入帳、支払手形 記入帳、小口現金出納帳、仕入帳、売上帳 ・補助元帳 → 商品有高帳、売掛金元帳、買掛金元帳 上記、各帳簿への記載方法には一定のルールがあります。しかし、今回は、紙面 の都合上割愛させていただきますが、無料講座「決算手続き【3】」編でこの対策に ついてご説明致します。 (4)伝票会計 伝票会計 簿記3級の範囲に伝票会計は含まれていますが、こちらも上記と同様にここでの ご説明は割愛させていただきます。無料講座「決算手続き【3】」編でこの対策につ いてご説明致します。 (5)試算表の作成 ① 試算表とは? 「試算表」とは、毎月の業績を把握するために作成される重要な表の1つです。 毎日仕訳帳に取引を記載し、総勘定元帳に転記しているのは月末締めでこの試算 表を作成するためと言っても良いくらいです。 ② 例題 次の 2 月の仕訳から総勘定元帳を作成し、試算表を作成しなさい。 仕訳 2/1 (借)現金 10,000 (貸)資本金 10,000 2/8 (借)仕入 3,000 (貸)現金 3,000 2/15 (借)現金 5,000 (貸)売上 5,000 2/20 (借)給料 500 (貸)現金 500 総勘定元帳 現金 2/1 資本金 2/15 売上 10,000 2/8 仕入 3,000 5,000 2/20 給料 500 資本金 2/1 現金 10,000 売上 2/15 現金 仕入 2/8 現金 3,000 5,000 給料 2/20 現金 500 合計残高試算表 上記の各勘定科目の総勘定元帳の借方・貸方の合計を下記の表に転記し、 残高を借方か貸方に記載すれば完成です。借方と貸方の合計は必ず一致しま す。 合計残高試算表 借方残高 11,500 借方合計 勘定科目 15,000 現 貸方合計 貸方残高 金 3,500 金 10,000 10,000 売 上 5,000 5,000 3,000 3,000 仕 入 500 500 給 料 18,500 15,000 資 15,000 18,500 本
© Copyright 2024 Paperzz