ホームページ http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/ 図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情 報のとびらがあります。そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。 サッカーは世界の共通語 いよいよワールドカップ・ブラジル大会が2014年6月12日(日本時間13日)に開幕しました。7月13日(日本時間14日) の決勝に向けて熱戦を繰り広げています。12時間の時差にも負けず、興奮で眠気を吹き飛ばし応援している人も多い のではないでしょうか。 日本の「けまり」をはじめ、足でボールを蹴る遊びは昔から世界中に存在しましたが、近代スポーツとしてのサッカー の起源は、中世イングランドで盛んだった「フットボール」になります。1863年12月に「フットボール」の全国統一ルール が作られ、現在のサッカーの直接のルーツとなりました。うまく転がるものと地面さえあれば、どんな人でもどんなとこ ろでもプレイできるサッカーは、今や世界規模に普及し、地球上に数えきれないほどの観客とサポーターを抱える競技 へと成長しています。「サッカーで世界を変えることは難しいかもしれない。しかし、サッカーを観ることで世界を知るこ とはできる。」(木村元彦『蹴る群れ』)サッカーの力を改めて感じています。 図書のとびら 書 名・内 容 著者等 出版者 出版年 請求記号 (資料番号) フーリガンの社会学 1960年代のイギリスで、サッカーの試合に合わせて組織化され計画された新しい形の暴力 が出現しました。この暴力事件をリポートするのに、あるジャーナリストが反社会的・暴力的 行為が原因でヴィクトリア女王治世下で処刑された一家「フーリハン」の名前を使ったのが、 現在の「フーリガン」という名前の由来だとも言われています。イギリスの若者でアルコール臭 くて、貧しい無職の人間というフーリガンのイメージ。フランスの社会学者である著者は、なぜ フーリガン現象はアングロ・サクソンのもので、かつサッカーに頻繁に現れるのか、従来のス テレオタイプな見方では捉えきれないその実態を明らかにしています。 ドミニック・ボ 白水社 783.47PP 75 ダン著 文庫クセ 2005年 (21883996) 陣野俊史訳 公開 ジュ894 相田淑子訳 蹴る群れ 前日本代表監督イビツァ・オシムのノンフィクション『オシムの言葉』で知られる著者は、本書 の冒頭で元ユーゴスラビア代表の名選手ストイコビッチの言葉を引用しています。「フットボー ルの魔法は、瞬時に国境や大陸を超える力を持っているのです。」現代史とダイレクトにつな がり、その時々の政治状況を如実に映し出すサッカーというスポーツ。ユーゴスラビア紛争に 木村元彦著 よるスポーツ制裁措置のため出場を禁止され、自身の全盛期に代表で活躍することができな かったデヤン・サビチェビッチ。1998年、南アフリカ代表チーム唯一の白人選手としてプレーし たハンス・フォンク。時代に翻弄されながらも希望をつなぎ続けるフットボーラー達の生き方を 綿密に取材した作品です。 講談社 783.47SS 84 2007年 (22044713) 公開 大和書 房 783.47 110 2010年 (22419410) 公開 ワールドクラスサッカー戦術の軌跡 ブラジル、アルゼンチン、フランスといった優勝国を中心に、ワールドカップにおける各国の 戦術がどう移り変わっていったか、あるいは変わらない部分はどういったところか詳細に分析 しています。古くはイングランドが西ドイツを延長の末に下した1966年のイングランド大会決 勝から、最近ではイタリアが通算4度目の優勝を勝ち取った2006年のドイツ大会まで、臨場感 西部謙司著 たっぷりに図入りで解説しているので、それほどサッカーに詳しくなくても理解できる内容に なっています。たとえば徹底したマンツーマンディフェンスを伝統としていた西ドイツやイタリア の現在は? ブラジルの60~80mの距離を一気に走り切るランニングはどう受け継がれてい るのか。サッカー観戦をさらに面白くする一冊です。 マンチェスター・ユナイテッドクロニクル 世界で最も「劇的」なフットボールクラブの130年物語 マンチェスターに生を受けた生粋のマンキューニアンにして、生まれついての「マンチェス ター・ユナイテッド」のサポーターである著者が、イングランドプレミアリーグに所属する赤い軍 ジム・ホワイト 大和書 団の130年にも及ぶ壮大なドラマを描いています。産業革命真っただ中の1878年、騒音と埃 著 と煤に埋め尽くされた街の鉄道員たちによって結成された「ニュートン・ヒース」は、その後「マ 東本貢司訳 房 ンチェスター・ユナイテッド」と名前を変え、幾多の伝説を歴史に刻みつけてきました。この15 年間はほぼ独占的に多くのタイトルとトロフィーを獲得し、まさにイングランドだけでなく世界を 代表するビッグクラブである「マンチェスター・ユナイテッド」。現在日本代表MF香川真司選手 もプレーするこのクラブの歴史を辿ってみませんか。 783.47 107 2010年 (22394878) 公開 サムライブルーの料理人 サッカー日本代表専属シェフの戦い 2004年以来著者はサッカー日本代表の専属シェフとして、7年にわたり海外遠征試合に帯 同しました。「人を良くする」と書く「食」。食べることは体の状態を維持するだけでなく、人の心 を豊かにすること。環境や食習慣の異なる海外で試合をする選手たちのために、どう献立を 西芳照著 組み立てるのか。「24」の番号が入ったシェフコートとキャップを身につけ、チームの一員とし て日本代表を支え続けた日々を、監督や選手、スタッフとの数々のエピソードと共に語ってい ます。毎日の具体的なメニューに加えて、「チキンの照り焼き」といった人気定番メニューの作 り方が分かる「西流最強レシピ」も付録としてついているので、ぜひお試しあれ。 白水社 783.47 121 2011年 (22531891) 公開 雑誌のとびら ~2002年ワールドカップ日韓大会をめぐって~ 記事名・内容 雑誌名・出版者 巻号・ページ 請求記号 AD WATCHING ワールドカップ・イヤーで広告は元気になるか? 2002年のワールドカップ・イヤーを迎え、ぐんと増えたサッカーを扱うCMを特集しています。 たとえば「おばあちゃんも、フェイスペインティング:priceless」というコピーが印象的なマス ターカードのCMや、世界最高と讃えられたフランスのジダン選手が、実際に地団太を踏む 『広告批評 』 シーンに「ジダンがじだんだ」というコピーを入れた日清カップヌードルのCMなど。ワールド マドラ出版 カップはFIFAとの契約により、「オフィシャル・パートナー」(世界スポンサー)、「オフィシャル・ サプライヤー」(日本国内スポンサー)といった企業しか扱えない上、描ける内容が厳密に決 められているという制約があります。その中でいかに人を惹きつけるか、工夫を凝らしたCM の数々です。 257号 2002年2月 p36-37 Z674.9-251 特集 2002年ワールドカップの闇 サッカーバブルがはじける日。 ワールドカップはオリンピックをも凌ぐ世界最大のスポーツイベントです。そのために利権は 膨張し、FIFA(国際サッカー連盟)の体質も変化しました。本特集ではワールドカップをめぐる 資金の流れを取材しています。FIFAがビジネスモデルを、現在の多額の放送権料を徴収す る形に変更したのは2002年の日韓大会からです。放映権料は1998年のフランス大会に比べ て10倍に跳ね上がり、FIFAは世界最大規模のNGOとなりました。ただし、2002年の放映権を 所有していたドイツのメディアグループ・キルヒが経営破綻するなど、放映権料の高騰は暗い 影を落としています。ちなみにブラジル大会では、NHKと民放でつくるJCと共に巨額の放送 権料を払い続けてきたスカパーJSATが撤退しています。 『週刊東洋経 5755号 済』 2002年4月20日 東洋経済新 p82-90 報社 Z330.5-2 観戦記 ガムを噛むハムレット 特集記事「作家・文学者のみたワールドカップ」中の一つで、作家の島田雅彦氏による日韓 大会の観戦記です。前回大会王者フランスがセネガルにまさかの敗北を喫した開幕戦から、 ブラジルのロナウド選手によって、ドイツのゴールがとうとうこじ開けられた決勝戦まで、島田 『文學界』 氏独特のシニカルなユーモアを交えながら一気に読ませます。表題の「ガムを噛むハムレッ 文藝春秋 ト」とは実はトルシエ監督のこと。日本-チュニジア戦では、「中田はチームプレイに徹し、”ガ ムを噛むハムレット”トルシエを蚊帳の外に置き、ピッチ上で監督の役割を果たしたが…」と島 田節を炸裂させています。日韓大会の興奮が一気に甦ってくるようです。 56巻8号 2002年8月 p11-20 Z910.5-9 新聞のとびら ~サッカー王国かながわ~ 記事名・内容 新聞名 掲載日・ページ 2020神奈川 未来予想図(中) スポーツと介護で地域に絆 「サッカー王国」へ今季6クラブ飛躍 昨季のサッカー界では神奈川県勢が活躍しました。J1では「横浜F・マリノス」が2位、「川崎 産経新聞 フロンターレ」が3位。記事では「サッカーが非日常から日常になり、社会に溶け込むことで サッカー先進国といわれる欧州や南米に近づいてきた」と語る、川崎フロンターレの風間八宏 監督の言葉を取り上げています。各クラブの下部組織が育ち、地域貢献の意識も芽生えてき た神奈川県は、「サッカー王国」へと成長しつつあります。 2014年1月4日 朝刊 神奈川版 p23 ルポかながわ J3から飛躍 カギは 経営安定が一番の懸案 横浜SCC 昇格へ競技場整備が壁 SC相模原 日本のプロサッカーリーグJ1、J2に、今季から新しくJ3が発足します。県内から加入する のは「横浜スポーツ&カルチャークラブ(横浜SCC)」と「スポーツクラブ相模原(SC相模原) 朝日新聞 」。両チームのJ2昇格に向けた課題を追った記事です。運営主体がNPO法人の横浜SCC に必要なのは安定した経営基盤づくり。またSC相模原は、アマチュアリーグ最高峰のJFLに 昇格した昨季に3位と好成績をあげていますが、相模原市内にはJ2の基準である椅子席1万 人以上の競技場がありません。両チーム共に難しい課題を抱えています。 2014年1月19日 朝刊 横浜版 p35 JR武蔵小杉駅 発車メロディー フロンターレ応援歌に J1のクラブ「川崎フロンターレ」のサポーター応援ソングが、本拠地の等々力陸上競技場に 近いJR南武線武蔵小杉駅の発車メロディーに2014年2月26日から導入されたことを報じてい ます。採用されたのは、人気ロックバンド「ザ・クロマニヨンズ」の「ナンバーワン野郎!」をフロ 神奈川新聞 ンターレサポーターがアレンジして歌っている応援歌だそうです。なお、チームの応援歌が発 車メロディーに使われるのは、東急東横線武蔵小杉駅・新丸子駅、JR南武線武蔵中原駅に 続いて4駅目とのことです。この機会に耳を傾けてみませんか。 2014年2月27日 横浜・川崎・横須賀版 p19 わが街スポーツ ノジマステラ神奈川相模原「地域活動にも注力」 市ホームタウ ン認定 相模原市南区に本拠地を置く女子サッカーチーム「ノジマステラ神奈川相模原」が、相模原 市のホームタウンチームに認定されたことを伝える記事です。チームは2012年2月に創設さ 神奈川新聞 れ、2013年には日本のトップリーグである「なでしこリーグ」の2部リーグ、「チャレンジリーグ」 に初参戦し、16チーム中4位と結果を残しました。今季リーグ昇格を狙うため、試合はもちろ ん地域貢献活動にも力を入れてより地域密着を目指すとあります。 2014年3月8日 湘南・相模・原県央・県西版 p18 インターネットのとびら タイトル FIFA.com ※英文 内容 FIFA(国際サッカー連盟)の公式サイトです。2014年ブラジル大会の特設ページを設けて いる他、「World Cup Timeline」では、ウルグアイで開催された第1回ワールドカップから、写 真付きで大会の様子を振り返ることができます。また、この機会にサッカーの試合を支える 裏方、審判にもぜひ注目を。「Football Officials - Referees」のページには、高評価を受け、 ブラジル大会も開幕戦審判としても選出された西村雄一主審、相樂亨・名木利幸両副審の 名前があります。 URL http://www.fifa.c om/
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