自動車交通1999の発行にあたって

1999
1999年3月
車両交通研究所
自動車交通1999の発行にあたって
現代は車社会といわれるように、自動車交通は今日の豊かな生活をささえるベースとなっ
ています。しかし、一方では環境や安全など早急に解決しなければならない課題も抱えてい
ます。
こうした課題を解決する切り札として、ITS
(高度道路交通システム)
が注目され、期待さ
れています。具体的には、VICS
(道路交通情報通信システム)
に続いて、ETC
(自動料金収受
システム)
のサービスが二つめのITSとして、まもなく開始されます。さらに、画期的に安全
で円滑な21世紀の道路を目指す
「スマートウェイ
(知能道路)
プロジェクト」
も動いています。
日産のITSコンセプトカー『ITS CAR 2001-c』上にて
これらのシステムが普及し効果をあ
げるには、ユーザーにとってメリット
のわかりやすいサービスが提供される
必要があります。また、投資効果や費
用負担のあり方についても論議され、
広く国民の理解を得られることも重要
だと考えられます。さらに、新しい交
通インフラの整備と同時に、公共交通
機関との連携やTDM
(交通需要マネジメ
ント)
など交通のソフトウェアも重要な
課題です。
「自動車交通」は、日産自動車における安全や環境、ITSなどに関する調査研究を紹介さ
せて頂くとともに、日本の交通に関する分析結果を提供致します。この冊子が皆様に活
用され、将来の交通の改善に少しでもお役に立てば幸いです。
日産 自 動車 株 式会 社
取締役
総合研究所長 中 川 泰 彦 自動車交通 1999 1
もくじ
自動車交通1999の発行にあたって
もくじ
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
日本の交通における最近の動向
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
日産の調査研究から
1 高効率・クリーン自動車の導入効果 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
2 天然ガス起源の次世代自動車用燃料のLCA評価 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10
3 女性ドライバーの交通事故 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
4 ドライバーの交通情報ニーズに関する研究 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
5 日産交通流シミュレータの商業地域への適用 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16
関連発表論文, 資料リスト(1995∼1998) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
交通の現状
1 多様なモビリティとそれを支える交通網
1-1 変化するモビリティの量と質 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
1-2 交通ネットワークの現状 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
1-3 施設整備の将来像 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24
1-4 交通需要マネジメント ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥26
1-5 物流の課題と対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28
1-6 道路財源 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
2 安全で快適なモビリティ確保への取り組み
2-1 道路交通事故への取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥32
2-2 ITS(高度道路交通システム)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥34
ITS関連資料 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥36
2-3 駐車問題 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38
2-4 誰もが使いやすい交通サービスへ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
2-5 既存交通手段の工夫 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42
3 人・自然との共存 3-1 自動車のリサイクルへの取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥44
3-2 騒音対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥48
3-3 大気汚染改善への取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
3-4 エネルギー効率の改善 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥52
3-5 地球温暖化防止への取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥54
高効率化・クリーン化を実現する技術・制度関連資料 ‥‥‥‥‥‥‥56
統計・資料 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥59
索 引 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥81
自動車交通 1999 3
日本の交通における最近の動向
谷口 正明
低迷が続く日本経済は'98年に入ってもその回復の兆しは見えず、'97年度の実質GDP成長率はマイナス0.4%
となり、'98 年度もマイナス 2.2% と予測(政府見通し)されている。'97 年度の人の移動は前年度比 0.7%、物
の輸送は 1.0% 増加したが、ともにその増加率は減少している。交通事故死者数は '97 年が 9,640 人、'98 年が
9,211 人となり、'96 年から 3 年連続して 1 万人を下回った。
地球温暖化対策推進大綱の策定など、COP3の合意を受けた環境問題を意識した各種施策の立案の動きがあっ
た。ITS 分野では、携帯電話を活用した情報提供サービスの開始やスマートウェイ構想など、社会への導入が
進みつつある。また、久々に新しい二つの会社が航空事業に参入した。
1. 交通空間の整備
表 1 国内における交通この 1 年
'96年度
又は
'96年度末
'97年度
又は
'97年度末
14 086
14 185
8 369
8 521
1.8
バス
949
929
-2.1
鉄道
4 022
3 949
-1.8
56
54
-3.6
6.1
合計
乗用車等
旅客
(億人km)
交
通
量
旅客船
690
73 2
5 789
1.0
自動車
3 055
3 063
0.3
鉄道
航空
合計
自動車保有台数
(千台・年次)
24 6
-1.6
2 47 0
2.2
9.6
9. 8
123 403
2.1
(3.1)
48 749
(5.4)
トラック
41 630
(1.9)
バス
1 872
(-0.1)
鉄道
4 858
(-0.3)
海運
17 107
(0.8)
航空
9 187
(3.1)
合計
67 199
68 506
1.9
乗用車
46 868
48 611
3.7
貨物自動車
20 089
19 655
-2.2
242
24 0
-0.8
2.0
合計
69 875
71 271
男性
41 973
42 578
1.4
女性
27 902
28 693
2.8
高規格幹線道路延長(km)
改良済国都道府県道路延長
(km・年度初)
自動車排出ガス測定局
NO2濃度(三大都市地域)
環境基準非適合局比率(%)
交通事故
(年次)
250
2 418
乗用車
バス
運転免許保有者数
(千人・年次)
0.7
5 732
内航海運
エネルギー
消費量
(原油換算千kl)
(%)
合計
航空
貨物
(億トンkm)
前年度比
増加率
6 768
7 265
7.3
123 397
125 085
1.4
84.8
87.5
3.2
発生件数(千件)
771.1
780.4
1.2
30日死者数(人)
11 674
11 254
-3.6
注)1.( )は1996年度/1995年度比
2.出典、参照文献等については本編参照ただし一部は下記の通り
『エネルギー消費量』…[運輸関係エネルギー要覧・運輸省]
『高規格幹線道路延長』
…[道路ポケットブック・全国道路利用者会議]
『改良済国都道府県道路延長』…[道路統計年報・建設省]
『環境基準非適合局比率』
…[平成9年度大気汚染状況について・環境庁]
『交通事故 30日死者数』
…[交通統計・交通事故総合分析センター]
4
3年半以上にわたる国土審議会の調査審議等を経て、'98年3月に新
しい全国総合開発計画が閣議決定された。
「21世紀の国土のグランド
デザイン」
という名称で、価値観や生活様式の多様化と時代の大転換
を踏まえて一極一軸型国土構造から、経済的豊かさとともに精神的
豊かさを重視した多軸型国土構造に転換することを目指している。
交通体系整備では、高規格幹線道路、地域高規格道路、高速鉄道網
の整備に重点を置くとともに、都市内道路交通の円滑化や都市鉄道
の混雑緩和など大都市圏での交通整備にも目をむけている。また、
TDM
(交通需要マネジメント)
施策の推進、ITS
(高度道路交通システ
ム)
の活用、施設の管理運営における民間委託の積極的な活用などに
言及している。
'98年5月には
「新道路整備五箇年計画」
(期間1998∼2002年度)
が閣議
決定された。総額78兆円の道路投資で、2002年度末までに高規格幹線
道路8,626km、地域高規格道路1,497kmの供用を目標にしている。道路
網の整備状況は、'97年度末で高規格幹線道路7,265km、地域高規格道
路1,042kmの供用に達した。'98年4月、世界一の長大吊橋である明石
海峡大橋が完成し、神戸淡路鳴門自動車道が全通した。'99年5月には
西瀬戸自動車道
(瀬戸内しまなみ海道)
の開通が予定されており、瀬
戸中央自動車道
(瀬戸大橋)
と合せて本州四国連絡道路3ルートが完成
することになる。
航空事業に新規参入があった。'98年9月にスカイマークエアライン
ズが羽田∼福岡間で開業し、続いて、'98年12月には北海道国際航空
が羽田∼新千歳間で開業した。いずれも1路線6便の運行だが、低運
賃を売り物に高い利用率を誇っている。
2.ITSの進展
'98年2月の長野オリンピック開催に伴い、長野地域情報検討協議会
は「長野地域ITSショーケース」のプロジェクトを実施した。VICS
(道
路交通情報通信システム)や情報ステーションの設置、情報Kioskや
PDA携帯端末での情報提供などの歩行者等の支援、UTMS
(新交通管
理システム)
、大会関係車両運行システムなどが盛り込まれた。
ITS関連5省庁は、'97年10月にITSモデル地区実験構想フィージビリ
ティスタディ委員会
(井口雅一委員長)
を設置し、
「ITSモデル地区実験
構想」
の検討を進めてきた。自治体の取り組みを事例として、広く他
の自治体等に情報発信することで、ITSの推進・普及を図ることを目
指している。'98年9月、豊田市、高知県、警視庁、岐阜県、岡山県の
5カ所を
「ITSモデル地区実験候補地」
として選定した。
建設省は'98年10月、建設省ITS推進委員会
(原島文雄委員長)
に
「ス
マートウェイ2001/知能道路計画」
を報告した。これまで個別に推進
されてきたVICS、ETC
(自動料金収受システム)
、AHS
(走行支援道路
システム)
などのITSアプリケーションを総合的に効率よく導入してい
くため、ITSの多様な展開の受け皿となる21世紀の新しい道路仕様を
提案する。2001年までにITS仕様の道路規格を策定するために、ス
マートウェイ推進会議
(豊田章一郎委員長)
を設立して検討を進める。
日本のETCは、'98年3月に仕様書案がまとめられた。'99年度中には
首都圏主要料金所等において実用供用が開始され、2002年度までには
主要な有料道路の約730箇所の料金所にETCが配備される予定であ
る。
カーナビゲーションシステムの普及は367.4万台
('98年12月までの出
荷台数累計)
にのぼり、そのうちVICS対応機は89.7万台となった。
VICSの情報提供エリアは'98年1月に長野県、'98年3月には兵庫県に拡
大した。一方、カーナビゲーションシステムと携帯電話を活用した
情報提供サービスが活況を呈している。'97年4月にITGS(Intelligent Traffic Guidance System) がサービス開始したのを始めとして、モネ、モバ
イルリンク、インターナビシステム、コンパスリンクが情報提供
サービスを行なっている。
(本州四国連絡橋公団提供)
図1 明石海峡大橋
橋の全長3,911m、中央支間長1,991m、主搭の高さ297mと、
ハンバー橋(英:'81年完成:中央支間長1,410m)
を抜き、世
界最大の吊橋となった明石海峡大橋は、'88年の着工から10年
の歳月をかけて、'98年4月5日に完成した。大鳴門橋
('85年6月
供用)
と合わせ、神戸・鳴門ルートが全通し、2番目の本州四
国連絡ルートとなった。
3.TDMの取り組み
TDM施策は総合渋滞対策支援モデル事業などの支援を受けて、各
地で実験が繰り返されてきた。'99年度からは、交通容量拡大やマル
チモーダル施策とともに、総合的な都市圏交通円滑化対策の柱とし
て位置づけられる。警察庁、運輸省、建設省は連携して
「都市圏交通
円滑化総合計画」
を策定する。また、TDMは渋滞対策という視点に加
え、環境という視点からの必要性が高まってきている。
東京都では、'97年4月、都庁内の横断的な協力・推進体制として交
通需要マネジメント連絡調整会議を設置し、交通実態調査などをも
とにしたケーススタディ調査を開始した。'97年10月には、東京都交
通需要マネジメント検討会議
(太田勝敏座長)
を設置し、'98年10∼11月
には、マイカー通勤車対策としてのパーク&ライド
(練馬区)
や業務目
的車対策としてのタイムシフト・デイシフト、流入調整
(中央区)
など
4つの対策について、モデル試行を実施した。これらのモデル試行の
結果を踏まえ、'99年度に
「東京交通需要マネジメント計画」
をまとめ
る予定になっている。
4. 交通安全への取り組み
交通事故年間死亡者数は'97年が9,640人、'98年が 9,211人となり、'96
年から3年連続して1万人を下回った。一方、'98年中の負傷者数は
989,297人
(対前年比3.2%増)
となり、交通戦争のピークだった'70年の
記録を抜いて過去最悪となった。
運輸大臣は、'98年6月、運輸技術審議会
(星野二郎会長)
に対し
「安全
と環境に配慮した今後の自動車交通政策のあり方について」
を諮問し
た。運技審では自動車部会
(井口雅一部会長)
に安全小委員会、環境・
交通システム小委員会、検査・整備小委員会を設置し、検討を開始
した。安全小委員会では、安全性の高い
「クルマ」
づくりの推進方策・
普及促進方策、事業用自動車の事故防止対策、最近の事故増加や重
大事故の状況等の事故分析に基づく安全対策について検討する。'99
図2 長野地域 ITS ショーケース
'98年2月に長野オリンピックが、3月に長野パラリンピックが
開催され、これを契機に、日本初のITSショーケースとして、
道路交通情報システムの将来イメージをデモンストレーショ
ンする試みがなされた。ITSの実展開が間近であることを感じ
させる。
関係機関
長野地域情報検討協議会
■長野県
■郵政省
信越電気通信監理局
■建設省
長野国道工事事務所
■長野県警察本部
■日本道路公団
■長野市
■長野オリンピック
冬季競技大会
組織委員会
タイプ1
タイプ2
ITSの開発分野
プロジェクト内容
■VICS
ナビゲーション
■情報ステーション、
システムの高度化 道の駅、SA・PA
■UTMS
交通管理の最適化 ■大会関係車両運行
管理システム
■情報コンセント・
道路管理の効率化 ITV・LED標識車
■道路管理車両支援
システム
(路面センサ搭載車両)
歩行者等の支援
■情報Kiosk
■PDA携帯端末
既存の情報提供メディアの活用・充実
●インターネット、
道路交通情報の
一元化、共有化
CATV、FAX、電話等
を通じた情報提供
●道路交通情報板、路側
放送、ハイウェイラジ
オによる情報提供
●駐車場案内システム
自動車交通 1999 5
年春ごろをめどに答申する予定になっている。
近年、SRS
(Supplemental Restraint System)
エアバッグやABS
(Anti-lock
Brake System)
などの車両側での安全装置の装備の普及が進んでいる
(SRSエアバッグ90.6%、ABS72.1%、'98年1∼12月の新車での装着
率)
。自動車事故対策センターでは、'95年度から
「自動車安全情報」
を
公表している。自動車の安全装置の装備状況、新しい安全装置の紹
介、ブレーキ性能や前面衝突安全性能の比較試験の結果などを掲載
している。さらに'99年度からは、側面衝突試験結果の追加、比較車
の増加など、内容の充実を計画している。
5. 環境・エネルギー問題への取り組み
(鎌倉市提供)
図 3 鎌倉フリー環境手形
鎌倉市では公共交通を主体とした交通実験を行った('98年5∼
6月)
。一つは公共交通機関の乗り継ぎ切符
「鎌倉フリー環境手形」
といわれる、路線バスをフリー区間内で自由に乗り降りができ
るなどの特典が受けられるチケットを東京・横浜方面からの来
訪者を主な対象に、小田急電鉄、JR東日本の既存のフリー切符
と組み合わせて販売した。又、お買物バス乗車券の発行も行わ
れた。
図 4 自動車安全情報
運輸省の指導のもとに自動車事故対策センターでは、
'95年度か
ら
「自動車安全情報」
を公表している。自動車ユーザー・自動車
メーカーの安全に対する意識が高まり、より安全な自動車の普
及促進につながることを目的にしている。
(自動車事故対策センター提供)
6
'97年12月に気候変動枠組条約第3回締約国会議
(COP3)
が京都で開
催された。2008∼2012年を目標年として、温室効果ガスをCO2換算で
先進国全体で少なくとも5%削減する。また、共同実施、排出権取引
などの柔軟措置の導入も合意された。日本は、6%の削減を世界に約
束した。'98年11月にはCOP4がアルゼンチンで開催され、柔軟措置に
ついて2000年のCOP6での決定を目指し、検討を行なうという
「ブエノ
スアイレス行動計画」
を採択して終了した。
我が国では、'98年10月、
「地球温暖化対策の推進に関する法律」
が
公布された。国・地方公共団体・事業者・国民の責務を規定してい
るとともに、温室効果ガスの総排出量の公表、関係行政機関の協力
などを規定している。この法律の公布に先立ち、'98年6月に地球温暖
化対策推進本部が
「地球温暖化対策推進大綱」
を策定した。大綱で
は、自動車の燃費を2010年度までに'95年度比15∼20%超に向上させる
ことを目指している。又、鉄道・船舶・航空機のエネルギー消費原
単位の向上、物流効率化、公共交通機関の利用促進、交通渋滞の緩
和などに関しても具体的な方策に言及している。
'98年12月、運輸技術審議会自動車部会燃費基準小委員会
(齋藤孟小
委員長)
は
「自動車の燃費基準の強化について」
を答申をした。これ
は、総合エネルギー調査会
(通産大臣の諮問機関)
の省エネルギー基
準部会自動車判断基準小委員会と合同で審議したもの。ガソリン自
動車
(乗用車と車両総重量2.5t以下の貨物自動車)
は2010年度を目標年
とし、'95年度比平均21.4%の向上、ディーゼル自動車
(同)
は2005年度
で13.1%の向上を見込む目標基準値となっている。
窒素酸化物などの大気環境改善では、'98年9月、中央環境審議会大
気部会
(齋藤孟部会長)
の
「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方に
ついて」
第二次答申
('97年11月)
を踏まえて、道路運送車両法の保安基
準の改正がなされた。新たな基準では、ガソリン自動車・LPG車につ
いて、窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素の排出量を現行規制値と
比較してそれぞれ68∼69%
(軽貨物自動車は48∼49%)
低減することに
なっている。一方、ディーゼル自動車については、'98年12月、
「今後
の自動車排出ガス低減対策のあり方について」
第三次答申がなされ
た。ディーゼル自動車の排出ガスの低減を2段階に分けて推進するこ
ととし、新短期目標
(車種により2002∼2004年を達成時期とする)
で
は、窒素酸化物は現行規制値の25∼30%、粒子状物質は28∼35%の低
減するなどの内容となっている。新長期目標は、2007年ころを目処
に、排出ガスを新短期目標の更に半分程度に低減することを目指し
ている。
日産の調査研究から
日産の調査研究から
地球環境保全、石油需給の逼迫などへの対応策として、
1 高効率・クリーン自動車の
導入効果
高効率かつクリーンな自動車の導入が期待されている。本
武石 哲夫・藤田 知子
稿では、さまざまな高効率・クリーン自動車について、CO2
排出低減の観点から性能を評価し、それらが世界の乗用車
市場に導入された時の環境保全効果をみた。
世界の交通用エネルギー需要は、経済成長を上回るス
ピードで増加すると予想されており、高効率・クリーン自
動車の技術開発の重要性は、引き続きかわらない。
1.はじめに
地球環境保全やエネルギーの安定供給の対応策とし
て、高効率かつクリーンな自動車の普及が期待されて
いる。高効率・クリーン自動車の環境性能評価を行な
い、普及の影響をみる。
3.高効率・クリーン自動車の環境性能
2.石油需給の予測
地球環境問題については、1997年12月のCOP3京都会
議(気候変動枠組条約第3回締約国会議)を受けて日本
でも地球温暖化防止を目指した地球温暖化対策推進法
やトップランナー方式を導入した省エネルギー法の改
正などの政策が発表されており、関心は非常に高い。
そこでここではもう一つのエネルギーの安定供給に関
連して将来の石油需給を予測してみる。
(億bbl/年)
400
350
100
50
0
1990
石油需給逼迫後に天然ガスを一次エネルギーとする
車載燃料が自動車用燃料に用いられることを想定し、
石油系エネルギーに天然ガスを一次エネルギーとする
自動車を加え、燃費性能と環境性能(CO 2 )を評価
した。
石油
99
採掘
99
海上
輸送
G90、D95、
発電99
精製
総合効率(%)
23
19
ガソリン車走行
95
輸送
給油
27
ディーゼル車走行
2019年 ③ 楽観的試算
究極可採埋蔵量
2 兆 5000 億 bbl
石油需要の増率 1.8%/年
2006年
2013年
300
250
生
産 200
量
150
低価格な石油の需給の逼迫は意外と早くくるという
結果になった。
図1で需給が逼迫する時点以降は価格の高い石油、
非在来型石油あるいは天然ガスなどで需要が賄われる
ものと考えられる。
①
98
海上
輸送
②
② 悲観的試算
究極可採埋蔵量
1 兆 7000 億 bbl
石油需要の増率 2.4%/年
2000
2010
2020
2030
2040
2050
天然ガス
88
98
採掘・
海上
液化
輸送
LNG
(年)
図1 石油需給予測
図1の曲線①に、先進国はCOP3の合意を受けて省エ
ネルギーに努力するとして、エネルギー消費の伸びを
世界平均で年率1.4%に抑えたときの石油需給予測を示
す。究極可採埋蔵量を2兆720億バレル(石油鉱業連盟
の中位推定)とした。また、曲線②と③に悲観ケー
ス、楽観ケースを示す。すべてのケースで、石油生産
の減退は累積生産量が究極可採埋蔵量の60%を迎える
時点とし、減退後はHubbert曲線に従うとした。現在の
8
ガソリンEng発電
30
25
HEV車走行
買電
25
36
発電
石炭
97
採掘・
微粉化
③
① 標準的試算
究極可採埋蔵量
2 兆 720 億 bbl
石油需要の増率 1.4%/年
70
98
採掘・
海上
変換
輸送
メタノール(米国)
24
34
発電
41
発電
94
送変電
76
水素製造
90
貯蔵
99
ガス化
89
充電
輸送
化石燃料平均
27
50
FCV走行
29
98
圧縮
23
天然ガス車走行
19
給油
23
メタノール車走行
15
93
輸送
86
EV走行
注1) □の上の数値は各段階でのエネルギー効率で、総合効率は各段
階の数値の積。
注2) EV の CO2 排出量は日本の電源構成による。
注3) HEV はシリーズタイプとする。
注4) EV、HEV、FCV は、エネルギー回生率を 30%とした。
注5) EVの重量増加は300kgとし、自動車の燃費悪化は20%とした。
HEV、FCV については重量増加による影響は考慮していない。
図2 エネルギーフロー・効率(将来)
燃費性能
CO2 排出性能
DME 車
メタノール車
天然ガス車
FCV:メタノール
FCV:H2
EV
SHEV:D
SHEV:G
PHEV:D
PHEV:G
ディーゼル車
将来ガソリン車
4
3
2
1
0
0
1
1.5
注1) 現行ガソリン車を 1 とした。
注2) EV のエネルギーは化石燃料平均、CO2 は日本の電源構成。
図3 燃費性能と CO2 排出性能の比較
図2に各種の高効率・クリーン自動車のエネルギー
フローに沿った効率評価の例を示す。また、図3には
各種の高効率・クリーン自動車について、燃費性能
(単位熱量当たりに走行可能な距離)、CO2排出性能
を示す。ともに、現在の性能ではなく、2010年頃を想
定し、今後の性能向上が、あるものとした。ハイブ
リッド車において3∼4倍の燃費改善、FCV(燃料電
池電気自動車)においてCO2排出1/4といった改善が
見込まれる。
4.高効率・クリーン自動車の導入影響
高効率・クリーン自動車を世界で一斉に導入したと
して、エネルギー消費、CO 2 排出への影響をみてみ
る。ただし、保有の伸びを世界平均で年率2.5%とし、
自動車エネルギー消費は保有の伸びに比例するとし
た。また、環境性能向上技術は導入初年からすべての
新車に適用されるとし、13年で置換が終わるとした。
倍
図4に、2010年において1990年レベルのCO2排出を
自動車の単体改善だけで達成するとして、CO2排出が
現行車に比べて、1/2(図4- ①)、1/3(同②)の高効率・クリーン自動車および天然ガス車(同③)、電気自動車(同-④)を2000年から導入したとき
の世界のCO2排出への影響を示す。図4から次のこと
がいえる。
・自動車の単体改善だけで2010年において1990年レベ
ルのCO2排出を達成するとした場合、現行車に対し
1/2以下のCO2排出性能を有する高効率・クリー
ン自動車を導入することが求められる。
・置換が一巡すると再びCO2排出は増加する。
2000年から世界の新車をすべて燃費性能2倍の車にす
ることは、非常に困難だと思われる。したがって 自動
車の単体改善に加え、交通の円滑化、自動車の利用方
法の改善などの対策も合わせた総合的な対応が 求めら
れるところである。 図3に示した燃費性能、CO2排出性
能を実現するためには今後、相当な技術開発と投資が
必要となるであろう。しかし、自動車への期待を考え
ると、図3の環境性能をポテンシャルに終わらせること
なく開発の目標と捉え、実現に向けた努力が必要だと
思われる。
5.おわりに
交通におけるエネルギー需要はIEAの予測でも今後
2020年に向けて年率2.3%の向上が見込まれている。
2010年に自動車単体の改善だけでCO2排出を1990年レ
ベルにすることは非常に困難である。交通の円滑化、
自動車利用方法の改善などが平行して求められる。
また、エネルギー需要やCO 2排出は新技術の導入が
一巡すると再び増勢傾向をみせる。高効率・クリーン
自動車の環境性能、燃費性能の向上そしてコストダウ
ンに関する技術開発に終わりはない。
3.0
2.5
ベースケース
(保有年率 2.5%増)
排 2.0
出
量 1.5
③ 天然ガス車
① CO2:1/2
1.0
② CO2:1/3
0.5
0
1990
④ 電気自動車
2000
2010
2020
2030
2040(年)
注)CO2 低減技術は新車のすべてに適用。
図4 CO2 排出の予測
自動車交通 1999 9
日産の調査研究から
2 天然ガス起源の次世代自動車用
燃料の LCA 評価
盛田 幸治
ポスト石油と言われる天然ガスを原料
(一次エネルギー)
とした自動車用燃料は多種多様である。これらを自動車に
適用するには資源消費やCO2排出等の環境負荷を考慮しな
くてはならない。しかし、これら燃料は製造のプロセスが
異なるので走行プロセスだけではなく、製造プロセスを含
めたいわゆるLCA(Life Cycle Assessment)
的な検討が必要
となる。ここでは、それぞれのプロセスで必要となる考え
方を紹介する。
1.はじめに
3.天然ガスを原料とする自動車用燃料
2度の石油危機を経て、現在、石油は低価格で安定的
に供給されている。しかし石油の生産量は、石油資源
の枯渇を迎える前に需要を満たせなくなることが予測
されている。その時には石油危機から始まった石油か
ら天然ガスへの燃料転換のスピードが加速するものと
予測され、自動車へも波及すると考えられる。
2.天然ガスとは
天然ガスは我々の生活にはいわゆる都市ガス
(12A、
13A)
やLNG火力発電として深く関わっている。現在、
天然ガスは随伴ガスとして石油油田や天然ガスのみを
産出する構造性ガス田から生産されており、究極可採
埋蔵量は石油と同量と言われている。しかも、累積生
産量は石油の約半分という石油に比べ歴史の浅いエネ
ルギー資源である。(図1参照)
天然ガス
累 積
生産量
確認埋蔵量
未発見埋蔵量
0.42
0.84
0.83
常温常圧の天然ガスは気体なのでエネルギー密度を
向上させるためや、車載のエネルギー変換システムに
適合させるために、天然ガスはCNG
(Compressed Natural Gas)
、CHG
(Compressed Hydrogen Gas)、LH(Liquid
Hydrogen)
、MH
(Metal Hydrides)
、DME
(DiMethyle Ether
)
、メタノール、GTL
(Gas To Liquid:合成石油)
といっ
た自動車用燃料に変換される
(電気は除いた)
。CNG以
外の燃料は、天然ガスから改質や合成といった化学反
応を利用して製造する。
4.エネルギー変換効率
有限であるエネルギー資源の環境負荷を論ずる場
合、資源を消費するスピードすなわちエネルギー消費
速度が重要である。エネルギー消費速度を決めるの
は、最終エネルギー(自動車で言えば、走行エネル
ギー)の必要量と、最終エネルギーを得るための効率
(エネルギー変換効率)
である。走行エネルギーは車両
重量等に左右されるので、ここではエネルギー変換効
率についてのみ言及する。天然ガスが自動車の走行で
使用されるまでを燃料製造プロセスと走行プロセスに
分けて検討する。
4−1燃料製造プロセス
石油
0.00
0.81
0.50
0.86
1.00
0.40
1.50
2.00
2.50
[石油換算兆bbl]
図1 天然ガスの資源量
10
前述の自動車用燃料は化学反応によって作られるの
で、変換によってエネルギーのロスが生じる。また、
燃料の輸送や充填によってもエネルギーは消費され
る。すなわち、天然ガスから製造された燃料は、資源
として存在した天然ガスエネルギーの100%を車両に搭
載できるわけではない。図2に日本のように生産地と
離れている場合の天然ガス資源から自動車用燃料に至
るまでのプロセスとそのエネルギー変換効率を示す。
一次エネルギー
天然ガス
96%
採掘
98%
海上輸送
87%
LNG変換
自動車用
燃料
CNG
総合エネルギー
変換効率
75%
89%
圧縮
CHG
57%
88%
吸蔵
MH
56%
96%
流通・給油
92%
圧縮
78%
水素変換
78%
水素変換
74%
液化
98%
海上輸送
LH
52%
67%
メタノール変換
98%
海上輸送
96%
流通・給油
メタノール
61%
68%
DME変換
98%
海上輸送
96%
流通・給油
DME
62%
56%
GTL変換
98%
海上輸送
96%
流通・給油
GTL
51%
図2 自動車用燃料までの変換プロセスと効率
4−2走行プロセス
走行プロセスでは車載されたエネルギー変換システ
ムによって燃料の持つエネルギーの一部が走行に必要
なエネルギーに変換される。車載のエネルギー変換シ
ステムは従来では内燃機関が主であったが、燃料電池
(FC)
システムも車載される日が近いと言われている。
エネルギー変換効率は利用するエネルギー変換システ
ムにより大小がある(図3)。
FC+モータ
改質+FC+モータ
diesel機関
した場合のCO2排出量から、単位エネルギーの燃料が
燃焼した場合のCO2排出量を減じて求められる。表1
に燃料製造プロセスのCO2排出原単位を示す。
表1 CO2 排出原単位
自動車用
燃料
使用
製造
[g-C/MJ]
[g-C/MJ]
CNG
13.5
4.4
CHG
0.0
23.5
MH
0.0
23.9
LH
0.0
25.8
メタノール
16.6
5.4
DME
16.5
5.1
GTL
18.5
7.8
otto機関
20%
30%
40%
50%
注)グラフの斜め部分は、負荷率の違いによる効率変化と将来の向上代
図3 車両システムの効率
5.CO2排出
地球温暖化ガスとして話題にあがるCO 2は、炭素が
酸化してエネルギーを放出もしくはエネルギーの形態
を変える時に発生するので、炭素を含む原料をエネル
ギー源として利用する限り発生する。天然ガスも例外
ではない。CO2排出もエネルギー変換効率同様に2つの
プロセスに分けて考えるが、両プロセスのCO2排出量
の合計は天然ガスをどれだけ使用したかだけで決まる
ことに注意が必要である。
5−1燃料製造プロセス
図2で示した効率はエネルギー変換効率であり、物
質の歩留まりを表わしたものではない。単位エネル
ギーの燃料を製造するのに排出されるCO2は、単位エ
ネルギーの燃料を製造するのに要した天然ガスが燃焼
5−2走行プロセス
走行プロセスは燃料をどれだけ使用したかだけで決
まる。前出の表1に自動車用燃料を単位エネルギー使
用するとどれだけCO2が排出されるかを併せて示す。
6.まとめと課題
天然ガスを原料とする自動車用燃料の環境負荷の
LCA的検討例を紹介した。環境負荷の低減には走行・
製造のプロセスの全体を通して、エネルギー変換効率
の高いプロセスの組合せを採用するのが望ましいこと
が分かる。今後の課題として、更に次項を考慮する必
要がある。
1. 走行や燃料製造のどちらかのプロセスに程度の差は
あれ技術課題やコスト課題が存在するので、技術や
コストの動向を勘案すること。
2. 天然ガスもいずれ次世代の一次エネルギー(石炭、
再生可能エネルギー)に置き換わることも考慮し、
その移行が容易であること。
自動車交通 1999 11
日産の調査研究から
3 女性ドライバーの交通事故
女性ドライバーの事故の特徴
木戸 美帆・笠井 純一
1.はじめに
免許保有者数は増加の一途を辿っているが、その要因
の一つは女性の免許保有率の増加である。同時に、女性
ドライバーが第一当事者の事故件数の増加も指摘される
ようになってきた 1)。
本報告では、今後の交通環境、車両などでの事故防止
に向けた取り組みの参考とするため、
「性別年齢層別にみ
た、走行距離あたりの事故件数」を用いて、女性ドライ
バーの関係する事故の特徴をあきらかにした。
120
今回の分析のための事故データは、
(財)交通事故総合
分析センターから提供していただいた 1996 年分の集計
100
値を用いた。また、走行距離データは、科学警察研究所
交通安全研究室の論文から引用させていただいた 2)。女
80
性は昼間に事故を起こすことが多く、
車の使い方をみて
も、昼間に運転することが多いと言われており 1)、昼間
(件/億km)
女・車両相互
60
男・車両相互
40
の事故データについて分析を行なった。
20
2.走行距離あたりでは、女性の方が
事故率が高い
16-24 25-29
月間走行距離
(図1)
は、どの年令層でも男性の方が長
い。しかし、男性は仕事に関係した運転が多いようで、
0
30-39 40-49 50-59 60-64 65歳-
図2 性別 年齢層別 事故類型別
3.女性の事故は出合頭
定年後の60歳代になると走行距離は半減する。女性にそ
れが見られないことから、女性の車の使い方は仕事より
自動車ドライバーが第一当事者の場合、車両相互事
故が 84%(1996 年値 3))で一番多い。そこで、昼間の車
私事に多いことが考えられる。
両相互事故を、事故類型別に集計したのが図3である。
男性は「出合頭」と「追突」が同じくらいであるのに対し
1600 (km)
(各年令層の平均値)
男
1200
て、女性は「出合頭」が圧倒的に多い。
50 (件/億km)
女
40
800
女
400
0
16-24 25-29 30-39 40-49 50-59 60-64 65歳-
図1 性別 年齢層別 月間走行距離
20
0
16-24 25-29 30-39 40-49 50-59 60-64 65歳40 (件/億km)
男
年齢層別免許保有者数と月間走行距離から「年間総走
行距離」を計算し、距離あたりの事故件数を「事故率」
と
した。図2をみると、走行距離あたりでは女性の方が事
故率が高い。今後は女性の免許保有者数が増加するので
(特に50歳以上で保有率が増加する)
、事故件数も増加す
るのではないかと懸念される。
追突
(その他)
10
30
12
出合頭
30
20
追突
出合頭
(その他)
10
0
16-24 25-29 30-39 40-49 50-59 60-64 65歳-
図3 性別 年齢層別 車両相互事故
4.信号のある交差点での事故
出合頭事故の92%(1996年値 )は、交差点で起きてい
信号のない交差点での事故のうち、女性が第一当事者
であるデータを法令違反別に集計したものが図6であ
る。女性に出合頭事故が多い要因を明らかにするため、
交差点での事故を分析した。
る。女性に多い違反は
「安全不確認
(前方、左、右)
」
、次
いで「指定場所一時不停止等」。
3)
6
(件/億km)
外在的前方不注意
5
4
信号無視
女
20 (件/億km)
15
安全不確認
(前方、左、右)
3
1
指定場所
一時不停止等
5
0
16-24
25-29 30-39
40-49 50-59 60-64
0
16-24
25-29
30-39
40-49
50-59
60-64
65歳-
図6 年齢層別 法令違反
(信号なし交差点)
外在的前方不注意
4
65歳-
男
(件/億km)
5
安全不確認
(前方、左、右)
(脇見・車両での戯れ等に
関係する前方不注意)
3
6.考察とまとめ
以上から、
女性ドライバーに特徴的な事故をキーワー
2
1
安全不確認
(前方、左、右)
10
2
6
女
信号
ドにしたのが、表1である。これは「高齢ドライバー」の
キーワード(表2)と非常に良く似ている。高齢ドライ
無視
0
図4 性別 年齢層別 法令違反
(信号あり交差点)
バーについてはこのような特徴が出る原因を、加齢に伴
ない視界中の信号や標識を認識できなくなるせいではな
昼間の車両相互事故のうち、信号のある交差点での
データを、法令違反別に集計してみた
(図4)
。男性に比
いかとしていた 4)が、女性ドライバーは若いうちから特
徴が出ており、原因が違う可能性がある。
べて女性は
「信号無視」
の高さが目立つ。また、行動類型
別に集計してみると、女性は男性に比べて
「右折」
の割合
表1 女性ドライバーの事故のキーワード
16-24
25-29 30-39
40-49 50-59 60-64
65歳-
「昼間」に「交差点」で
「直進(等速)」「右折」時に
「信号無視」「安全不確認」等を犯し
「自動車」に「出合頭」ぶつかる。
が高い。
5.信号の無い交差点での事故
図5は、昼間の車両相互事故のうち、信号のない交差
点でのデータを男女別に集計したものである。女性の方
表2 高齢ドライバーの事故のキーワード
「昼間」に「交差点」で
「直進(等速)」「右折」時に
「信号無視」「一時不停止」等を犯し
「自動車」に「出合頭」ぶつかる。
が事故率が高い。グラフは載せていないが、道路幅員別
の事故率をみると、女性は3.5m未満と 3.5m以上5.5m 未
満の道路に集中しており、信号のない比較的細い道路を
走るような用途が多いことを想起させる。
いずれにせよ、赤信号や停止線に対応した自動ブレー
キシステム等のITS技術は有効と思われる。
60 (件/億km)
50
女
40
〈参考文献〉
1)自動車安全運転センター「女性運転者の運転の実態と意
30
識に関する調査研究」1990.3
2)藤田 悟郎;高齢運転者の交通事故率,科学警察研究所報
男
20
告交通編,Vol.39,No.2,pp.30-40,1998.8.
10
0
16-24
25-29
30-39
40-49
50-59
60-64
65歳-
図5 性別 年齢層別(信号なし交差点)
3)交通統計,平成 8 年版,
(財)交通事故総合分析センター
4)日産自動車
(株)
環境・交通研究所
「自動車交通1998」pp.16 17
自動車交通 1999 13
日産の調査研究から
4 ドライバーの交通情報ニーズに
関する研究
近年、ITS技術の進歩も相まって交通円滑化策の一つ
香月 伸一
しかし、そのためにはドライバーが どんな時にどんな情
として交通情報提供が注目されている。ドライバーに交通
情報を提供することによって交通需要を空間的、または時
間的に分散させ、交通渋滞を緩和しようとするものである。
報を欲しているか、その結果どういう行動をとるのかにつ
いて知らねばならない。
ここでは、ドライバーの情報利用行動や交通情報への
ニーズに関する研究などを紹介する。
1.はじめに
ドライバーの願いは、安全、快適に、そして早く目
的地に着くことではないだろうか。そのためにドライ
バーは渋滞情報や所要時間情報などの交通情報を欲し
ている。また、交通情報を提供することにより出発時
間を調整するなどドライバーの行動に変化が起これ
ば、交通需要の平準化による渋滞改善につながる。近
年、カー・ナビゲーション・システム
(以下カーナビ)
の
普及や路側の交通情報表示板の整備などにより、交通情
報提供サービスを受ける機会が増えてきた。しかし、現
在の交通情報サービスに飽き足らないドライバーも多い
のではないだろうか。
そこで、ドライバーの交通情報の利用実態やニーズに
ついてさまざまな調査手法を用いて探ってみた。
2.情報利用行動の分析
仮想の移動シナリオを設定し、ドライバーが出発前
や走行中に交通情報をどのように利用しているかを
探ってみた。
まず、カーナビ・ユーザー、若者、プロ・ドライ
バー、高齢者/女性の4つのグループから、5人ずつサン
プリングした。そして、プロ・ドライバーのグループ
には業務目的のトリップを、その他のグループに対し
ては私事目的のトリップを想定してもらった。
その上で、出発前の「出発時刻決定」、「情報利用行
動」、「経路選択」、さらに走行中の「情報利用行動」、
「経路選択」
について1対1でインタビューし、そのメカ
ニズムをレパートリー・グリッド法によりパスダイア
グラムにまとめた。
分析結果の中から全サンプルの出発前の情報利用行
動について見てみると、ドライバーはラジオやテレビ
では必ずしも自分の欲しい交通情報が得られないこと
などから、信頼できる交通情報へのアクセス手段がな
いと考えていることがわかった。
そこで、もっぱら経験を頼りに経路と出発時刻を決
14
定するが、途中の不測の事態に備え代替経路を出発前
に地図で確認したり、友人に聞いたりもする(図1)。
情報利用行動
状況変化激し
く予測不能
自宅で見ても
意味がない
出発前は交通情報
参考にしない
+
10分の精度
が限界
経験で経路選択
経験で所要時間推定
出発前は距離
のみ把握
代替経路も
含めて
地図で正確
に道を知る
安全に走行
できる
代替経路を地図で確認
わからない場合
は友人に聞く
正確に着ける
余計な心配がいらない
特に高速道路
出発時間決定
余裕を見て
おく
経路選択
図 1 出発前情報利用行動のパスダイアグラム
しかし、出発前の経路選択はあくまでも暫定的なも
ので、走行中は渋滞、事故、工事など走行中の状況変
化に応じて、ラジオ、路側の交通情報表示板、道路交
通情報センターの情報などを利用しながら現在の交通
状況を把握し、所要時間を予測する。そして、必要な
ら代替経路をとろうとする。
グループ別に見ると、カーナビ・ユーザーや若者の
グループは出発前に交通情報を利用しないとしている
のに対して、プロ・ドライバーのグループのみが出発
前に情報を利用している点が際だっていた。また、高
齢者/女性のグループが安全を強く意識していることが
窺われた。
3.既存交通情報サービスの評価
次に、ドライバーが交通情報サービスを評価する際
にどういった点を重視しているのかを、コンジョイン
ト分析により探った。分析に用いた属性と水準は表1に
示す通りである。
その結果、全体的には利用料金や情報精度、操作性
などが相対的に重要であることがわかった。
者の要求に合わせて情報コンテンツや提供タイミング
を変えられないことがその一因と考えられる。
表 1 情報サービスの評価項目
属性
水準
コンテンツ1
所要時間、渋滞距離
コンテンツ2
代替経路、最短経路
表 2 ドライバーの不満
音声、文字、絵
インターフェイス
アクセス時間
操作をしてから情報が表示
されるまでの時間(0∼30秒)
操作性
情報を得るまでに必要な操作
回数(0∼5)
信頼性
情報の精度(-15∼+15分)
料金(0∼100円/回)
情報サービス料金
グループ毎の特徴は、
・カーナビ・ユーザーは情報精度よりも
操作性を重視する
・若者は情報サービスの機能よりも利用料金や
情報精度に敏感である
・高齢者/女性はアクセス時間を重視し、
利用料金が高いとアクセスしない
・プロ・ドライバーは操作性とともに
情報精度を重視する
ことなどがわかった(図2)。
コンテ インター アクセス
時間
ンツ2 フェイス
コンテ
ンツ1
カーナビ・
ユーザー
若者
14.7
6.5
高齢者/女性
プロ・
ドライバー 5.8
9.2
10.5
16.0
10.4
12.8
10.2
9.3
13.0
5.6
6.0
12.0
6.5
12.7
操作性
利用料金
29.8
16.2
21.5
10.5
25.1
23.5
情報の
範囲
・細切れの情報は使えない
・地方では高速道路以外の情報が少ない
情報の
鮮度
・いつ時点の情報かわからない
・事故情報が遅い
・正確でなければ利用しなくなる
表 3 ドライバーが望む交通情報
24.6
15.1
・事故の情報量が少ない
ex. 車線規制、詳細な場所など
・文字、簡易図形では混雑状況が正確に
わからない
一方、あれば利用したいサービスとしては迅速な事
故情報呈示を挙げたドライバーが多かった。カーナ
ビ・ユーザーは自分の感覚にあった経路探索を望む人
が多い。若者と高齢者/女性からは「垂れ流し的な情報
呈示には安全面で不安を感じる」、「情報の自動選別機
能が欲しい」という意見が多かった(表3)。
情報精度
22.9
24.1
コン
テンツ
8.3
コン
テンツ
・事故情報の充実
・レベルを細分化した渋滞情報
・交通状況に応じたスケジュール
・自分の感覚にあった経路探索情報
・迅速な事故情報呈示
情報の鮮度 ・経路分岐点前での情報呈示
・渋滞時の自動経路探索、自動呈示
・
タイミング ・見る頻度を減らすための情報自動
選別機能
4.まとめ
16.9
図 2 評価項目の相対重視度
前述の4グループに対しフォーカス・グループ・イン
タビューを実施した。インタビューの内容は、道路交
通情報サービスの利用状況とその評価、あれば便利だ
と思われる情報コンテンツ、情報の呈示方法、有料
サービスの利用意向などである。
その結果、ほとんどのドライバーが情報コンテンツ
や範囲、情報の鮮度などに関する不満を表明した(表
2)
。路側の交通情報表示板やラジオでは、個々の利用
ここではドライバーの交通情報利用行動、交通情報
サービス評価に関する研究の一端をご紹介した。ドラ
イバーはより詳細でタイムリーな交通情報を欲してい
る。また、ドライバーの情報利用行動を考慮に入れた
交通情報提供が行われれば、交通円滑化につながるこ
とが期待される。ドライバーの安全、かつ快適に、そ
して早くという願いが叶えられることを目標に、今後
もドライバーの情報利用行動に関する知見を深め、交
通情報提供のあり方について提言して行きたいと考え
ている。
自動車交通 1999 15
日産の調査研究から
5 日産交通流シミュレータの商業
都市圏周辺部にある商業地域では、買い物客等の自動車
地域への適用
である。対策案を定量的に評価するためにシミュレーショ
ンが有効であるが、商業地域では駐車場へ流出入する車両
貴志 泰久・谷口 正明
の集中によって交通環境の悪化を招いており、対策が必要
が交通流へ与える影響を考慮する必要がある。
ここでは、モデル化の工夫により駐車場機能を表現した
汎用的なシミュレーションを用いて、東京周辺部の商業地
域を対象とした再現性の検討結果について報告する。
1.検討対象商業地域の交通状況
東京都市圏周辺部にある T 駅南口(図 1)は、都市再
開発事業によって、駅前広場、公園、および商業施設、
文化施設、オフィスからなる複合施設が整備されてい
る。また、T駅南口へ向かう主要道路は、駅前から南方
向に伸びる片側2車線のメインストリート、
この通りか
ら東方向に分岐する道路、
駅前から南西方向に延びる片
側1車線の道路、また、駅前から東方向に鉄道線路に
沿って延びる片側1車線の道路の四本である。
この地域にある主な駐車場は全部で6ヶ所ある。
収容
台数の合計は 1,200 台余であり、施設の規模からみて通
常は充分の容量を持っているが、
休日など繁忙日には駐
車場への利用者が集中し、駐車待ち行列が形成される。
10時間交通調査におけるこのエリアへの流入台数は、
約 19,000 台であり、その中で駐車場利用車は、約 6,500
台と流入の約 30% を占めており、買い物などを目的と
したこのエリアへのトリップが多いと思われる。
至 駅北口
T駅
駅前広場
とロータリ
複合施設
P1
(270)
日産交通流シミュレータは、海外で広く使われてい
るミクロシミュレータ「TRAF-NETSIM」をベースに
独自に改良したものである。このシミュレータは、路
上駐車による交通流阻害や左側通行、燃費、環境解析
などの特徴を持っている。
2-2. 駐車場再現のためのモデル化
今回の商業地域のシミュレーションでは、
駐車場の容
量や駐車場への流出入の挙動の再現が重要である。
しか
し、
日産交通流シミュレータでは駐車場の容量などの表
現機能を持っていないため、以下の表1に示すモデル化
によって駐車場の表現を行った。
表 1 駐車場再現のためのモデル化
駐車容量設定
駐車場の駐車容量を設定するために、停止時の有効車両長
(車両長+1m)×駐車可能台数で算出した長さをもつ道路
ネットワークを駐車場とした。
信号による流出制御
主要道路
駐車場内部での走行制御
交差点
駐車場
(収容台数)
上記の設定による駐車場の表現では、駐車容量の大きい (長い道路ネットワークが必要)駐車場では、流出と流入
の時間遅れが大きくなる。
そのため、この時間遅れを小さくするために、駐車場とし
て設定したリンクの走行速度を大きくし、また、車頭時間
を小さく設定した。
メイン
ストリート
P2 P5
(142) (511)
P6
P4
(31)
(174)
P3
(100)
断面4
至 幹線道路
2-1. 日産交通流シミュレータの概要
駐車場からの車両の流出は、信号制御を用いて流出台数を
表現するものとした。
断面1
公園
2.駐車場に伴う車両挙動のモデル化
断面3
至 幹線道路
2-3. 駐車に伴う車両挙動再現のためのモデル化
断面2
0
図 1 T 駅南口周辺図
100m
シミュレーションを行うに際して、
道路ネットワーク
は実際の道路条件に従って設定したが、
駐車場の流出入
や待ち行列の他の車両への影響を考慮することによっ
て、
シミュレーション上の車両挙動の再現性の向上を図
るため、以下の表2に示す駐車に伴う車両挙動再現のた
めのモデル化を行った。
16
(台/15分)
250
表 2 駐車に伴う車両挙動再現のためのモデル化
駐車場の出入口の位置の変更
シミュレーション上では、駐車場の待ち行列が延び出口に
かかると、出庫が不可能となる。現実には譲り合って出庫
に支障はないが、このシミュレーションではそのような挙
動が再現できないため、駐車場出口は入口の前方に設定。
駐 200
車
場
150
滞
留
台 100
数
隣接する駐車場の入口の集約
駐車場P2とP5の入り口は隣接しており、別個に設定すると
前方にあるP2の待ち行列が後方にあるP5の入庫を塞ぎ再現
が困難となるため、1つの駐車場として設定。
実測値
50
シミュレーション値
駐車場待ち行列のための車線付加
ピーク時には、全駐車場において待ち行列が発生する。
しかし、待ち行列が存在する道路によって車線幅が異なっ
ており、走行車両への影響も異なる。
この状況を表現するために、待ち行列の影響が見受けられ
ないリンクでは、待ち行列のための車線を付加。
0
9:00
10:00
10:30
11:00
11:30
時刻
図 3 駐車場滞留台数の再現性(P1)
3.交通流シミュレータによる再現結果
3-1. シミュレーション条件
シミュレーションの対象時間帯は、9:00∼12:00(3時
間)とし、データ更新時間は 15 分とした。
3-2. 現況再現結果
現況再現は、区間交通量、駐車場の流出入台数および
滞留台数、旅行速度を評価指標として確認した。
1)区間交通量
ネットワーク内の道路区間単位での流出交通量は、
各
道路区間毎のミクロな再現性を示している。
道路区間単位での流出交通量(図 2)は、相関係数は
0.92 程度であり、概ね実測値と整合している。
(シミュレーション値:台/15分)
350
9:30
9時∼12時
3)平均旅行速度
対象地域内の設定コースでの平均旅行速度は、
渋滞量
が増加するに従って低下する傾向を再現した(図4)
。
尚 2km/h 程度の誤差が見られるが、実測値は 1 回の走行
結果であり合流や車線変更時のドライバーの判断や、
瞬
間的な待ち行列の延伸による待ち時間の増加等の変動に
よる誤差と考え、ほぼ再現しているものと判断した。
(km/h)
20
実測値
シミュレーション値
16
平
均
旅 12
行
速
8
度
4
300
250
0
9:00
200
9:30
10:00
10:30
11:00
11:30
時刻
図 4 平均旅行速度の再現性
150
4.まとめ
100
50
0
0
50
100
150
200
250
300
350
(実測値:台/15分)
図 2 区間交通量の再現性
2)駐車場の流出入台数と滞留台数
各駐車場ごとの入庫出庫台数と滞留台数のシミュレー
ション値と実測値を比較し、確認した。駐車場 P1 での
滞留台数の再現結果を図 3 に示す。この結果から、出口
での信号制御による流出台数の調整等を行うことによっ
て、両者は概ね整合しているといえる。
本報告での検討により、汎用交通流シミュレーショ
ンにおいて、1)道路延長による駐車容量の設定、2)
信号設置による流出制御、3)流出と流入のタイムラグ
を短縮させるための駐車場内部での走行制御といった
モデル化の工夫を行うことで駐車場機能を表現するこ
とができた。これにより、汎用交通流シミュレーショ
ンが、郊外の商業地域における交通流円滑化施策の検
討に適用可能であることを示すことができた。
付記;日本自動車工業会都市環境分科会では、活動の
一部として交通流の円滑化による大気環境改善の検討を
行っている。本研究は、その事例検討の一環として実施
したものである。
自動車交通 1999 17
日産の調査研究から
関連発表論文,資料リスト
(1995∼1998)
1. 高効率・クリーン自動車の導入効果
●小林 紀;将来の環境・エネルギーの展望,日産交通フォーラム第1部資料,1996.
●小林 紀 他;日産における省エネルギーへの取り組み,日産技報第40号,p30∼37,1996.
●武石 哲夫 他;代替エネルギー車の受容性研究(2)
∼代替エネルギー車システムのエネルギー、CO2、走行コスト∼,第14回エネル
ギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集,p73∼76,1998.
●小林 紀 他;高効率クリーン自動車の最近の動向,技術と経済12月号,p18∼25,1997.
2. 天然ガス起源の次世代自動車用燃料のLCA評価
●盛田 幸治 他;天然ガス資源利用の代替エネルギー車の研究,第13回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集,
p329∼334,1997.
●石油鉱業連盟;石油・天然ガス等の資源に関するスタディ,1997.
●IEA;World Energy Outlook98 ,1998.
3. 女性ドライバーの交通事故
●自動車安全運転センター「女性運転者の運転の実態と意識に関する調査研究」
1990.3
●藤田 悟郎;高齢運転者の交通事故率,科学警察研究所報告交通編,Vol.39,No.2,pp.30-40,1998.8.
●「平成8年版交通統計」(財)交通事故総合分析センター
●木戸美帆,笠井純一;高齢ドライバーの交通事故∼高齢ドライバーの事故の特徴∼,自動車交通1998,pp.16-17,1998.
4. ドライバーの交通情報ニーズに関する研究
●羽藤 英二,香月 伸一,杉恵 頼寧;Intranet SurveyによるSPデータを用いた交通情報獲得・経路選択行動分析,土木計画学研究・講
演集,No.20
(1),pp.403∼406,1997.
●Hato, E., Katsuki, S. and Taniguchi, M.; An analysis of drivers' route choice and information acquisition behavior based on stated preference
data collected through an intranet survey, The 4th Intelligent Transportation Systems World Congress Proceedings, 1997.
●Hato, E., Taniguchi, M. and Sugie, M.; Influence of traffic information on drivers' route choice, The 7th WCTR Selected Proceedings, pp. 27
∼40, 1996.
●Hato, E., Taniguchi, M., Sugie, M., Katsuki, S., Morita, I.; Simulation system for predicting influences of driver reaction to real-time information on network performance, The 2nd Intelligent Transportation Systems World Congress Proceedings, pp. 1865∼1870, 1995.
●羽藤 英二,谷口 正明,杉恵 頼寧;経路選択時の交通情報に対するドライバーの反応,交通工学,No.1,Vol.30,pp.23∼32,1995.
●羽藤 英二,香月 伸一,森田 育宏,杉恵 頼寧;交通情報提供下における信号制御評価に着目したミクロシミュレーション,第15
回交通工学研究発表会論文集,pp.77∼80, 1995.
●羽藤 英二,香月 伸一,杉恵 頼寧;Internet SurveyによるSPデータを用いた交通情報獲得・経路選択行動分析;土木計画学研究・論
文集,No.15,pp.451∼459,1998.9.
●羽藤 英二,香月 伸一,朝倉 康夫,平井 千智;交通情報提供下の経路選択行動データの収集方法に関する一考察;第18回交通工
学研究発表会論文報告集,pp.1∼4,1998.
●Hato, E., Katsuki, S. and Taniguchi, M.; An analysis of Drivers’Information Acquisition and Route Choice Behavior Based on A Simulation
and Intranet Survey;The 8th WCTR,1998.
●羽藤 英二,香月 伸一;人−情報−交通系モデルによるドライバーの交通ニーズと渋滞改善効果の分析;自動車交通1998,pp.18∼
19,1998.
5. 日産交通流シミュレータの商業地域への適用
●貴志他;交通流シミュレーションの商業地区への適用,土木計画学・講演集,21(2),pp787-790、1998
●伊藤他;商業施設が立地する地域における交通の現状と円滑化対策の展望,土木計画学・講演集,21(2),pp799-802,1998
●貴志他;路上駐車の影響モデルの開発による交通流シミュレータの国内適用性の向上,第16回交通工学研究発表会論文報告集,
pp113-116,1996
●貴志他;GUIを用いた交通流シミュレーションの入力データ作成プログラムの開発,第15回交通工学研究発表会論文報告集,pp4144,1995
●羽藤他;シミュレーションによる交通制御の最適化とそれに伴う交通流の変化,第14回交通工学研究発表会論文報告集,pp49-52,
1994
●貴志他;交通流シミュレーションによる渋滞改善検討とその経済効果試算,自動車交通1996,pp6-9,1996
●羽藤他;交通流シミュレータの渋滞改善策検討への適用,自動車交通’
94-95,pp12-15,1995
18
交 通 の 現 状
交通の現状 1. 多様なモビリティとそれを支える交通網
1-1 変化するモビリティの量と質
岩崎 雅彦
国民一人あたりの人の移動および貨物の輸送量は、自動
車を中心に増加してきた。
近年の自動車による移動の特徴としては、高齢者や女性
の利用増加といった利用者層の拡大や、地方都市での自動
車利用の増加があげられる。また、不況により物流が低迷
してきているのも最近の傾向である。
今後は、利用者層の拡大に対応する交通機関や施設の使
いやすさ・安全性の向上が重要である。
図1 我が国の一人あたりの移動回数は年々増加 してきた。中でも自動車による人の移動は過去20年
間で移動回数、距離とも2倍以上に増加している。
■ 年間移動回数(一人あたり)
(年度)
1967
112
163
■ 年間移動キロ(一人あたり)
1.4 0.1
66
343
(年度)
1967
2,699
38 39
903
1.4 0.3
1977
156
89
1987
163
69
170
4,418
740
417
57 207
1977
2,735
917 2,312
1987
2,820
842
6,228
51 315
1.3 0.4
176
鉄道
1997
0
248
483
旅客船1.1 航空0.7
58
バス
357
乗用車
200
400
計593
3,730
バス
3,129
鉄道
1997
0
600
736
2,000
4,000
(回/人・年)
7,757
旅客船43 航空580
5,579
計10,066
乗用車
6,000
8,000 10,000 12,000
(km/人・年)
資料:運輸省「陸運統計要覧」ただし 1997 年度データについては「自動車輸送統計速報」、「航空輸送統計に見る平成 9 年度輸送実績」
(それぞ
れ平成 9 年度版)、鉄道データは運輸省運輸政策局資料、旅客船データは運輸省海上交通局資料
図2 物の移動でも自動車が中心的役割を果たしている。トンキロでみると、長距離大量輸送性に向
く内航海運が自動車と二分している。
■ 年間貨物輸送トン数(一人あたり)
鉄道
(年度)
2.1
2.6
8.5
1967
16.2
0
22.0
26.1
営業用自動車
自家用自動車
20
40
(トン/人・年)
3,386
1,772
5.2
1,271
581
195 鉄道
4.3
0.5
1997
1987
47.0
26.3
552
167
3.8
0.7
2,437
1,034
1.6
701
1977
44.6
26.9
594 371 438
359
4.1
12.1
1987
1967
37.4
24.2
1.5
1977
■ 年間貨物輸送トンキロ(一人あたり)
0.4
(年度)
内航海運
計52.9
60
営業用自動車
0
航空 7.8
自家用自動車
1,874
1997
3,672
1,647
1,000
1,957
552
2,000
内航海運
3,000
4,000
計4,586
5,000
(トン・km/人・年)
資料:運輸省「陸運統計要覧」ただし 1997 年度データについては「自動車輸送統計速報」、「航空輸送統計に見る平成 9 年度輸送実績」
(それぞ
れ平成 9 年度版)、鉄道と内航海運のデータは運輸省運輸政策局資料
20
図3 高齢者、女性の移動の中で車の割合が増加している。
■ 65歳以上の高齢者
徒歩
■ 女性
二輪車
バス 鉄道
徒歩
自動車
7.6 4.6
44.0
1987年
22.3
65歳以上
21.4
1992年
17.5
19.5
31.9
1992年
15.2
21.8
全体
17.8
39.4
7.9
13.3
7.0
10.8
1987年
男性
7.7
0
40.5
51.2
7.7
2.0
7.1
3.9
23.5
1992年
自動車
6.1
19.9
4.1
27.5
1987年
バス 鉄道
7.0
7.3
27.7
女性
6.7 4.3
37.6
1987年
二輪車
47.2
1.9
1992年
50
67.9
8.8
71.3
9.0
0
100%
100%
50
資料:建設省「第2回全国都市パーソントリップ調査結果」より作成
図4 中高年層のトリップ増加が顕著である。
(トリップ
/人・日) 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65(歳)
3.5
平均トリップ数(1993年)
男性
女性
3.0
2.5
(トリップ
/人・日)
男女 トリップの変化(差分)
性性 (1988→1993)
+0.30
+0.20
+0.10
0.00
-0.10
-0.20
バス 自動車
3.6
22.8
24.4
2.8
25.0
27.5
2.7
26.9
31.0
4.5
10.4
34.9
鉄道
東京1978
東京1988
東京1993
2.0
1.5
図5 地方都市では、公共交通利用が減少し、自
動車利用が増加している。
仙台1982
仙台1992 8.7
宇都宮1975
二輪車・徒歩
49.1
44.6
39.4
50.1
39.2
46.4
5.7
3.6
7.6
2.8
51.5
37.3
宇都宮1992
57.6
37.1
2.4
0
資料:「東京都市圏パーソントリップ調査結果 1993」より作成
20
40
60
80
100%
資料:各都市圏「パーソントリップ調査」より作成
図6 不況により物流の伸び率が低迷する。
■景況により物流量の伸びが変わる。
■貨物車の走行台キロの伸びが鈍化している。
1.20
(%)
110
108
1994年度を1.0としたときの走行台キロ推移
国内総生産
1.10
前
年 106
度 104
比
102
1.00
貨物車
0.90
100
輸送トンキロ
98
0.80
乗用車
96
第2次石油
94 ショック
円高不況
バブル崩壊後
1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996年度
資料:経済企画庁「国民経済計算年報」
運輸省「陸運統計要覧」より作成
0.70
0.60
1985
1988
1990
1994
1997年度
資料:建設省「道路交通センサス」
自動車交通 1999 21
交通の現状
1-2 交通ネットワークの現状
道路・鉄道・航空といった各種交通の施設整備が継続
貴志 泰久
して行われてきたが、未だ不十分である。交通渋滞や鉄
道の通勤混雑等は大きな社会問題となっており、交通渋
滞による時間損失は年間約 12 兆円にも上っている。
道路交通や鉄道においては、ネットワーク整備の効果
は大きい。こうした交通施設の整備には時間がかかるた
め、長期的な視野に立ち今後も計画的に推進していく必
要がある。
図2 都市部の旅行速度は相変わらず低い。
図1 年々、交通量・道路延長ともに延びている。
(千km)
140
(10億台キロ)
800
自動車走行台キロ
120.9 122.9 124.8
(左目盛)
117.4 119.3
道路延長
108.7
98.1
700
600
127.2 129.3
86.4
120
35
100
30
平
均
旅 25
行
速 20
度
15
軽自動車
500
400
300
389
428
(km/h) 39.4
40
(720) (738) 80
(694)
610
(678) (684) 576 596
60
(629) (657) 566 568
551
528
100
0
'75
21.5
大阪市
20.1
19.5
'80
'85
'90
'91
'92
'93
'94
19.1
17.3
21.4
36.7
20.1
19.8
18.3
16.6
16.7
15.8
東京23区
14.8
10
20
36.0
全国
40
200 286
37.3
37.3
36.9
36.4
11.6
5
0
0
'95 '96年度
'80
'83
'85
'88
'90
'94
'97年度
注)1. 道路延長:改良済み 5.5m 以上の高速自動車国道、国道、及び
都道府県道
2.1990 年度以降( )内は軽自動車を含む
資料:建設省「道路交通経済要覧」、建設省「道路統計年報」
注)平均旅行速度は一般国道での値
資料:建設省「道路交通センサス」
図3 鉄道旅客列車の運行量は増加しているが、利用
量は頭打ちの状態である。
図4 空港の整備も進み輸送能力が向上、航空機の利
用が増加している。
(10億人キロ)
500
400 5.88
旅客列車車両キロ
(右目盛)
6.21
7.18
(10億車両キロ)
7.55 7.54 7.69 7.70 8
7.32 7.47
(10億人キロ)
80
6.11
6
60
輸送人キロ
国内線着陸回数
(右目盛)
国内線
輸送人キロ
700
713
768
768
800
600
300
387
200
(千回)
1000
324
315
400 402
403 396 400 402
4
40
330
51.6
2
100
20
29.7
33.1
'80
'85
55.3 56.7 57.1
69.0
61.3 65.0
400
200
19.1
0
'75
'80
'85
資料:運輸省「陸運統計要覧」
22
'90
'91
'92
'93
'94
0
'95 '96年度
0
'75
'90
資料:運輸省「数字で見る航空」
'91
'92
'93
'94
0
'95 '96年度
図5 交通渋滞は大きな社会損失である。
図6 渋滞箇所のほとんどは交差点や合流部である。
その他狭あい部 1%
時間損失 時間損失
時間損失
約56億時間/年
踏切
3%
失
損
間
時
1人あたり約50時間
時間損
その他
急勾配等 本線合流
14%
20%
トンネル
13%
高速道路 入路合流
13%
料金所
11%
インター・出口部
29%
橋梁
17%
失
一般道路
費用に換算すると
交差点
79%
約12兆円/年
1人あたり約10万円
注)1988 年時点
資料:(社)交通工学研究会「交通渋滞対策 交通事故対策」
第 43 回・第 44 回交通工学講習会テキスト 1989
注)1990 年時点
資料:建設省資料
図7 快適な通勤空間の実現のために鉄道整備が進められているが、未だ混雑率は高い。
■ 混雑率の推移
■ 特定都市鉄道工事概略図
岩槻
小川町
(%)
200
春日部
194
北越谷
森林公園
190
竹ノ塚
逆井
石神井公園
桜台
池袋
吉祥寺
東北沢
和泉多摩川
180
大岡山
溝の口
192
191
187
177
176
172
170
馬込沢
渋谷
目黒
二子玉川園
日吉
押上
新宿
193
183
新鎌ヶ谷
曳舟
198
'96
混
雑
率
183
六実
京王八王子
'95
混
雑
率
169 169 169 170
167
166
158
160
品川
:複々線化工事
:複線化工事
:大規模改良工事
(車両大型化、長編成化など)
多摩川園
150
西武新宿線
京王線
小田急小田原線 東急新玉川線
東武伊勢崎線
東武東上線
京成押上線
東急東横線
京王井の頭線
資料:
(財)運輸振興協会「運輸の動き」
図8 道路ネットワーク整備による効果は大きく、今後も整備促進が必要。
■道路ネットワーク図
■ 主要都市間の時間短縮効果
盛岡方面
仙台
仙台
11:11
10:00
1:11
大阪
東北縦貫自動車道
磐越自動車道
福島
'97年10月1日
全線開通
郡山
国道49号
新潟
宇都宮
9:12
9:12
0
8:12
8:12
0
5:34
2:53
2:41
4:52
3:00
1:52
新潟
いわき
いわき
上段:磐越道未供用時
中段:磐越道供用時
下段:短縮時間
太字は時間短縮効果の
あるODペア
4:57
3:05
1:52
所要時間の算出は道路時刻表(1997)によるが、道路時刻表にない磐越道新
規供用区間は80km/h、首都高速道路は40km/hとして算出したもの。
AAAAAAAAA
■磐越道及び国道 49 号の交通量の推移
北陸自動車道
関越
自動車道
(百台/日)
400
宇都宮
高速供用前年の交通量×11次五計伸び率
350
常磐自動車道
長岡
磐越道(磐梯熱海∼猪苗代磐梯高原)、国道 49 号(熱海)
国道49号+磐越道
300
243
年
平
均
交
通
量
西日本各地
250
200
187
名神高速道路
150
国道49号
誘発交通量
東京
東名高速道路
資料:磐越道地域交流連携会事務局
「磐越自動車道全線供用に伴う整備効果」
道路交通経済 1998-10 No85
191
196
199
202
264
270
204
207
285
291
誘発交通量
210
213
転換交通量
100
大阪 米原 名古屋
194
238
254
181
164
47
39
'91
'92
50
150
153
148
53
59
63
'93
'94
'95
155
159
75
79
0
'88
'89
'90
'96
'97年度
自動車交通 1999 23
交通の現状
新しい全国総合開発計画が発表され、21世紀の国土のグ
1-3 施設整備の将来像
岡本 智
ランドデザインが示された(1998年3月閣議了承)。
今後の 交通施設整備に対する考え方は、費用対効果の高
い大都市部や幹線交通網に対する投資と、道路と車を情報
通信技術で結ぶITSなどの既存ストックを有効利用する投資
が重視されるようになる。また、より効率的な施設整備を
行うために、民間活力を利用するPFI(Private Finance
Initiative)の検討が進められている。
表1 国土開発の骨格として交通施設が整備されてきた。
開発計画
概要・目標
主なプロジェクト
1962年∼
全国総合開発計画
地域格差の拡大を是正、資本・労働・技術などの 東海道新幹線開業(1964年)
適切な地域配分を行い均衡ある発展を目標。拠点 高速道路7600km構想(1966年)
開発方式を採用し新産業都市(15都市)を指定。 東名・名神高速全線開通(1969年)
1969年∼
新・全国総合開発計画
自然の恒久的保存、開発の全国的な均衡、国土利 本四公団設立(1970年)
用の再編成、安全快適で文化的な環境条件の整備 山陽新幹線開業(1972年)
列島改造計画構想(1973年∼)
が目標。交通・通信ネットワークの充実。
1977年∼
全国土の利用の均衡を図りつつ、人間居住の総合 新東京国際空港開港(1978年)
第3次全国総合開発計画 的環境の形成を図る。自然環境、生活環境、生産 東北・上越新幹線開業(1982年)
環境の調和。職住近接の定住構想。
国土の均衡ある発展を図るため、多極分散型国土 高規格幹線道路14,000km構想(1987年)
1987年∼
第4次全国総合開発計画 の形成を基本目標とし、これを効果的に達成する 瀬戸大橋、青函トンネル開通(1988年)
ための交流ネットワーク構想を推進する。
関西国際空港開港(1994年)
東京湾横断道路開通(1997年)
一極一軸型から多軸型国土構造への変換を目標と 明石海峡大橋(1998年)
1998年∼
新しい全国総合開発計画 して、多様な主体の参加と地域連携による国土造 第2東名・名神一部開通(2003年予定)
りを行う。
中部新国際空港(2005年予定)
資料:運輸省、国土庁、建設省資料より作成
表2 量だけでなく質も考慮した整備が進む。財源を考慮した整備が重要である。
第7次空港整備七箇年計画(1996∼2002年度)
新道路整備五箇年計画(1998∼2002年度)
目標 (1)新たな経済構造実現に向けた支援
道
路
(2)活力ある地域づくり、都市づくりの支援
(3)よりよい生活環境の確保
(4)安心して住める国土の実現
具体的施策 高規格幹線道整備、ITSの研究開発
今後の
課題
鉄
道
空
港
今後の
課題
港
湾
空港使用料の引き下げ
過大な地元の費用負担
第9次港湾整備七箇年計画(1996∼2002年度)
目標(1)国際競争力を有する物流ネットワークの形成
(2)信頼性の高い空間の創造
(3)活力に満ちた地域づくりの推進国際海上
具体的施策 コンテナターミナルの整備
新規路線の採算性
運賃制度(プライスキャップ等)
注)課題は車両交通研究所の検討による 資料:運輸省、建設省資料より作成
24
(1)大都市圏における拠点空港の整備
(2)地域拠点空港及び地方空港の整備
(3)震災対策の推進・新技術の検討
具体的施策 関西空港2次事業、中部新国際空港、
首都圏空港整備の重点的な推進
道路整備事業の効率化・重点化
環境問題への対応
運輸政策審議会答申(1992年6月)
目標 (1)高速化・快適化
(2)大都市圏の混雑緩和
具体的施策 東北、北陸、九州新幹線建設
幹線鉄道の高速化
都市鉄道の整備による混雑緩和
今後の
課題
目標
耐震強化岸壁や臨海部防災拠点等の整備
今後の
課題
国際交流拠点としての機能確立
競争力のある港湾運営方法の確立
図1 社会情勢を受けて、公共投資に関する考え方が変化してきており、交通体系整備の目標も変化している。
公共投資基本計画改正のポイント(1997年6月3日閣議決定)
新しい全国総合開発計画における、交通体系整備目標の変化
○経済構造改革関連の社会資本の優先的、重点整備
四全総
公共投資の配分に関して、経済構造改革関連
重点投資と費用
の社会資本整備(高規格幹線道路、拠点空港、
道路 高規格幹線道路14,000km
中枢・中核港湾、市街地整備等)について、物
対効果の重視
流の効率化に資するものを中心として、優先的
・重点的に整備する。
整備新幹線5線の逐次建設
鉄道
在来線と新幹線の乗り継ぎ向上
○社会資本の整備・運営にあたり、効率的・効果的
な公共事業の実施を図る
●事業箇所の重点化による早期完成の促進
港湾 国際拠点15港湾の整備
●各種事業間の連携・整合性の確保による総合的
な整備の推進
●「公共工事コスト縮減に関する行動指針」を踏
地方空港の国際化
空港
まえた諸施策の実施
コミューター空港の導入
●費用効果分析の活用、情報開示など
図2 既存の道路を ITS 技術を用いて有効活用する
「スマートウェイ」構想
新しい全総
高規格幹線道路14,000km
ITSの研究開発
幹線鉄道の高速化
都市鉄道の混雑緩和
4大域に国際コンテナターミナル
海陸複合一貫輸送の拠点整備
羽田、成田、関空、中部の
整備推進
図3 道路ネットワークの整備により移動時間が短
縮される。 情報
環境
ex.VICS
ex. 走行・物流の効率化
◆東海北陸自動車道
名古屋∼富山
約5時間→約3時間15分
◆東北横断自動車道
仙台∼山形∼酒田
約2時間45分→約2時間15分
◆関越自動車道
東京∼上越∼金沢
約5時間45分→約5時間15分
円滑
◆四国縦貫自動車道
ex.ETC
安全
ex.AHS
大阪∼高知 約5時間 →約3時間45分
大阪∼松山 約4時間45分→約3時間45分
情報
ex. 光ファイバー
資料:建設省
資料:建設省「新道路整備五箇年計画」より作成
図4 インフラ整備に民間の力を活用する。
図5 最高速度の更新ではなく、乗り心地の良さや
騒音の低減を目指した新型新幹線 700 系
PFI(Private Finance Initiative)
…民間の参加とこれによる市場原理等の導入により、
社会資本の効率的整備と公共の財政支出の有効活用を
図ることによって社会資本整備を促進することを目的
とした手法。
対象となる事業分野
第1分類
料金収入または関連事業収入を充当することにより
民間事業者が整備費用を回収するもの。
例)有料道路
第2分類
公共交通と民間施設とを一体的に整備することによ
り、公共施設整備を単独で実施するよりも効率が向上
する(公共負担が削減される)もの。
例)公的機関の、ショッピングセンターへの併設など
第3分類
防音材
公共主体に代わって民間事業者が施設を整備・管理す
ることが相当合理的であり、当該公共主体から対価を
受け取れるもの。
例)スポーツ施設、図書館、美術館などの整備、運営委託
資料:建設省「日本版 PFI ガイドライン」より作成
ダブルスキン型の車体構造により、
●車体構造
車内騒音を大幅に低減した。
資料:東海旅客鉄道株式会社
自動車交通 1999 25
交通の現状
1-4 交通需要マネジメント
原 加代子
道路整備により交通容量を拡大する供給側の施策に対
し、交通需要側に対する施策を交通需要マネジメント
(TDM:Transportation Demand Management)と呼ぶ。道路
整備には時間と多額の投資を要し、空間や環境の制約もあ
る。TDMは、地域の交通需要に合わせた施策を組み合わせ
て交通行動を変化させ、供給側施策を補完して地域レベル
の交通を改善するものである。
日本でも、国のモデル事業などの支援もあり、社会実験
が積み重ねられてきている。地球温暖化防止の観点から
も、日本型 TDM を求める試行が続けられている。
表 1 交通需要マネジメント施策とねらい
主なねらい
TDM手法名
相乗り
パーク&ライド
パーク&バスライド
概 要
時
間
帯
の
変
更
経
路
の
変
更
1 人 乗 り 通 勤 車 を 減 ら す 。 カ ー プ ール ( 乗 用 車 相 乗 り ) 、 バ ン プ ー ル
(相乗り用バンを利用)、シャトルバスなど。相乗り車(HOV)優先レ
ーン、優先駐車場などの優遇策も併せて実施されることが多い。
自
動
車
の
効
率
的
利
用
手
段
の
変
更
発
生
源
の
調
整
適用場面
からみた
分類
●
都市の外縁部において、自家用車から大量公共交通機関に乗り換え
る。乗り換え拠点の駐車場、バスレーン整備による定時制確保など
も実施されることが多い。
●
大量交通機関の利用促進 鉄道、バス等の整備、サービスレベル向上により利用を促進する。
●
歩行者 ・ 自転車ゾーン
トランジットモール
業務集積地域や商業地域の特定道路を、路面電車・バスなどの大量
公共交通機関や自転車・歩行者の、優先または専用とする。
●
物資の共同集配
貨物車の積載率を向上し、効率化を図る。
効率的な
交通方法へ
転換する
手法
●
効率的な
物流を実現
する手法
ロジスティクスの効率化 物流拠点の整備、配車計画・荷捌きの情報化・自動化などを行い、
● ● ● ●
物流の効率化を図る。
フレックスタイム
時差勤務
従業員に勤務時間帯を選択させたり、企業内・企業間で出退勤時間
●
をずらし、通勤交通の集中を緩和する。
勤務形態に
着目した手法
交通情報の提供
自動車運転者に道路交通情報・駐車場情報を提供することにより、
交通量の分散を図る。出発前に自宅やオフィスに対して、道路交通
● ●
情報や公共交通情報を提供し、出発時間や利用交通機関の分散を促
進することも考えられている。
路上駐車の適正化
混雑地域の路上駐車規制強化により円滑な交通流の実現を図る。
通信手段による代替
通信販売、SOHO(在宅勤務など)、テレビ会議など、通常移動を
伴う活動を情報通信によって移動なくして行う。
交通負荷の小さい街づ
くり
職住近接、交通アセスメント(交通負荷を考慮した大規模開発)な
● ● ● ● ●
ど、都市計画において交通混雑回避を考慮する。
駐車マネジメント
混雑地域の駐車について規制や課金を行ったり、駐車場整備を制限
● ● ● ● ●
して、区域内に流入する車を少なくするもの。
ロードプライシング
混雑地域や混雑時間帯の道路利用に対して課金し、大量公共交通機
● ● ● ●
関の利用促進や時間の平滑化を図る。
自動車走行規制
混雑地域や混雑時間帯の道路利用、あるいは特定の車利用に対し
て、規制や自粛運動によって、大量公共交通機関の利用促進や時間
● ● ● ●
の平滑化を図る。ナンバー制(車のナンバープレート末尾数字に応
じた走行規制)などがある。
効率的な
交通流を
実現する
手法
● ● ● ●
●
実施内容に
より様々な
場面に
運用可能
資料:交通需要マネジメントに関する調査研究委員会「平成8年度版 わが国における交通需要マネジメント実施の手引き」をもとに作成
26
表 2 国の TDM 補助事業が拡充され、自治体の試行を支援している
省庁
建設省
担当部局など
道路局
都市局
補助名など
‘98 年度補助規模
交通需要マネージメント推
進調査
(道路・街路事業調査の一部
として実施)
公共交通の利便性向上・利
用促進事業
(道路・街路事業調査の一部
として実施)
運輸省
建設省
警察庁
通産省
環境庁
200 百万円
713,700 百万円
(施設整備費を
含む全体予算)
概 要
TDM 導入に向けての検討や、調査、実験などに対
しての補助
主に各地方建設局などを通して行われる
バス利用促進のための道路整備、都市モノレール、
新交通システム及び路面電車の整備、駅前広場の
整備等
各省庁
担当部局
オムニバスタウンプロジェ
クト
各省により
異なる
バスを中心とした街作り促進のためのモデル検討
として実験費、車両購入費などの補助
運輸省
自動車交通局
都市圏交通安全円滑化総合
対策
1,401 百万円
市町村などの申請に基づいて対策実施都市圏を指
定、TDM を中心とする各種の施策実施を支援
中小企業庁
中小企業事業団
高度化支援、共同化・協業化
支援として各種
詳細は
担当部局に
中小企業の事業効率化を目的として、集団化や共
同輸配送などに対して一定の補助を行う
中小企業庁
商店街等活性化のための施
設整備事業等に対する支援
121 百万円
中心市街地の活性化を支援する目的で、パーク&
ライド策や循環バスの運用などの実験、検討に対
しての補助等
大気保全局
低公害車大量普及制度基盤
確立調査
50 百万円
低公害車の普及のため、地方公共団体による集中
導入を推進するための補助
環境保全局
環境基本計画推進事業費補助
1,070 百万円
環境基本計画を推進するため、地方公共団体が自
主的積極的に行う先駆的な環境保全に関する事業
及び地域環境計画の策定等に対する補助
資料:(社)交通工学研究会「渋滞緩和の知恵袋─TDMモデル都市・ベストプラクティス集」1999
運輸省ホームページ
表3 日本における施策はバス関連が先行
■日本における TDM 施策試行の現状
表 4 東京でも TDM 試行が実施された
■東京都モデル試行の概要
★実施中 ☆実験・検討・一時的実施 施 策 名
実 施 件 数
バス利用促進
うちバス情報提供
バス定時性向上
バス料金割引、カード
シャトルバス
★★★★★★★★★★★★★★★★★★☆☆☆☆☆☆
★★★★★☆
★★★★★
★★★★
★★★☆☆
★★★★★★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
パーク&ライド
うちパーク&バスライド ★★★☆☆☆☆☆☆☆
路上駐車の適正化
★★★★★★☆☆☆☆
時差出勤
★☆☆☆☆
自動車走行規制
★☆☆
自転車利用促進
★☆
公共交通機関料金割引 ☆☆☆☆
交通情報提供
☆
注)
TDMを意図して導入されたもの(TDMモデル事業など)の
みをカウントした。
資料:
(社)
交通工学研究会
「渋滞緩和の知恵袋─TDMモデル都
市・ベストプラクティス集」
1999
交通需要マネジメントに関する調査研究委員会
「平成8年
版わが国における交通需要マネジメント実施の手引き」
1996
北九州市建設局、岡山県ホームページ
運輸省記者発表資料
「都市交通円滑化プロジェクトの推進
について」1997.5.15、他
対象
モデル試行内容
主担当局
①実施場所、②実施時期
パーク&ライド
①練馬区練馬駅北口 ②'98/11/2∼13
マイカー
シャトルバス運行と企業・従業者等の協
通勤者
力による公共交通への転換
①大田区蒲田 ②'98/11/24∼29
建設局
タイムシフト・デイシフト、ナンバーに
よる流入調整
業務 ①中央区:八重洲地区から新川地区まで
目的車 ②タイムシフト '98/11/1∼14
デイシフト '98/11/5,10
流入調整 '98/11/24∼30
環境
保全局
路上荷捌き車の路外ポケットローディン
グへの誘導
物流車
①港区:六本木
②'98/11/4∼20(除土日祭日)
都市
計画局
パーク&バスライド用駐車場設置と買物
買物・
循環バス運行
レジャー
①立川市立川駅北口
車
②'98/10/17∼11/14の土日祭日
労働
経済局
資料:東京都
自動車交通 1999 27
交通の現状
トラック輸送はその利便性の高さから国内の物流におい
1-5 物流の課題と対策
て重要な役割を担っている。しかし近年の環境や渋滞問題
佐藤 康治
の顕在化に伴い、物流の効率化が強く求められている。
広域物流センター整備や共同輸送事業などの諸施策が進
められ、物流効率化は実を結びつつある。 ’
97 年に取りま
とめられた総合物流施策大綱によって、さらなる促進が期
待できる。また物流の情報化についても、事業者の意識の
変化が始まっており、今後進むことが予測される。
表1 各輸送機関は輸送量や時間、機動性等それぞれの特徴を活かして役割分担を行っている。
輸送量
輸送時間
輸送頻度
定時性
ドア・ツー・
ドア性
突発の貨物
への対応力
コスト
輸送距離
船
◎
大量輸送に向く
×
△
○
×
×
◎
安価
中∼長
航空
△
小量輸送
◎
○
○
×
×
△
高価
長
鉄道
○
○
○
○
×
△
○
中∼長
◎
経路は幹線道路
◎
○
短∼長
◎
宅配
◎
○
短∼中
大型トラック
○
○
◎
△
渋滞が弱点
小型トラック
○
小口輸送
○
◎
△
渋滞が弱点
図2 物流の占める割合は道路交通の中でも大きい。
図1 物流では内航海運の比率が高いが、トラック
の分担率の伸張が著しい。
900 (千台km)
(億トンkm)
6,000
0.1
5.0
航空
5,000
4,000 0.0
0.1
5.0
0.1
8.5
鉄道
13.0
2,000
42.7
12.8
12.0
14.6
50.9
16.1
1,000 16.8
0
'75
35.6
31.6
23.6
19.2
'80
'85
39.9
40.9
営業用貨物車
'90
'95 '96 '97 年度
資料:運輸省「自動車輸送統計年報」などより作成
注)グラフ中、斜体表示は%。
走行台km構成比
(1997年度)
400
300
'80
'83
'85
'88
17.316.9
18.7
17.7
宮城
新潟
23.9 22.3
東京
名古屋
大阪
37.0
北海道
香川
38.3
33.6
福岡
沖縄
16.9 18.3
'90 '95
調 調
査 査
注1)物流時間とは貨物が出荷されてから届出地に到着までの全所要
時間(件数ベース)
注2)数字は東京からの所要時間(単位 h)
資料:
(財)物流技術センター「数字でみる物流1997」
28
'97 年度
14
営業用(普通)
39.9 39.7
33.8
'94
図4 トラックは重要な役割を担っており、輸送効
率の向上が重要である。
17.8 17.8
広島
'90
資料:建設省「道路交通センサス」
図3 物流時間は全体的に微増の傾向にある。
28.0 28.1
乗用車
58.3%
貨物車
500
自家用貨物車
17.2
貨物車
41.7%
乗用車
700
600
47.2
50.6
42.6
800
44.7
内航海運
3,000
0.2
4.5
0.2
4.3
一 12
日
一 10
車
平 8
均
輸 6
送
ト
ン 4
数
2
自家用(普通)
営業用(小型)
自家用(小型)
0
1975
1980
1985
資料:運輸省「自動車輸送統計年報」
1990
1995 1996 1997 年度
図5 輸送距離に応じて、トラック輸送の施策を実施していくことが重要である。
都
市
圏
間
輸
送
複合一貫輸送/
複合ロジスティックス拠点の整備
海運・鉄道輸送へのモーダルシフト
長
距
離
・船腹量制限の緩和
・集配業務をトラックが分担
・帰り荷情報システムが普及
複合一貫輸送の高速化、国際化
・船/鉄道の高速化、高度化
アジアなどとの海外高速輸送の発展
・海運、鉄道輸送とトラック輸送の
情報ネットワーク化
・貨物列車の高速運転化
・一貫輸送の効率化(ピギーパック等の推進)
中
距
離
高規格道路網充実
・東名高速拡充
・外郭環状道路など
大型トラック、トレーラ
総重量規制緩和→大量輸送化
共同輸送の推進
都
市
圏
輸
内
送
都市間物流システムの発展
都市間貨物輸送の施設整備
・トラック自動運転(AHS)
・道路給電型EVトラック
・第2東名高速完成
・道路一体型広域物流拠点の設置
・貨物車専用レーン化
都市内地下物流システム
共同輸送の拡大
・都市内共同輸送拡大(自治体)
・企業間共同輸送拡大(複数企業)
・荷量情報のネットワーク化
・帰り荷斡旋情報システム
・EVトラック
・HEVトラック
・デュアルモード運転
代替燃料車の普及促進
・CNG車、EVトラック、HEVトラック
・荷捌き駐車場の整備/貨物パーキングメータの設置
都市内輸送施設の整備
2000年
2010年
図6 広域物流拠点が整備され、交通量削減など環境への効果が期待される。
■広域物流ネットワークのイメージとその社会的効果推計例
広域物流ネットワークの構築
社会的効果(約 100ha の広域物流拠点を整備した場合)
全 体
物流施設
交通量削減効果
空港
都市
広域物流拠点
空港
都市
港湾
都市
地域内の小型貨物車交通が約2,200台km
削減
●
都心部の小型貨物車交通が約14,700台km
削減
●
約36,000kcal/日(ドラム缶(200リットル)約
20本分)
省労働力効果
●
約300人
NOx排出量削減効果
●
約60kg /日
物流コスト削減効果
●
約16億円/年
雇用機会拡大効果
●
約4,500人
税収の増加
●
約8.5億円
地域環境(景観)の保全
●
大型貨物車の市街地内走行の抑制
省エネルギー効果
広域物流ネットワーク構築後
約 7 5 , 6 0 0 台 k mから約 5 4 , 0 0 0 台 k mへと
29%の削減
●
一般道
部 分
都市
港湾
●
資料︰(財)道路新産業開発機構「地域ロジスティクスの推進に向けて」
図7 共同輸送システムのモデル実験が行われ、効
果が確認されている
図8 運送会社における物流情報機器の導入意向は
高い。
■ 一般トラックターミナルにおける共同化に関するモデ
ル事業
■ 物流情報システムの現状保有率と導入意向
<効果>
・総コスト
:▲50%
・車両台数 :▲66%
・積載率
:+8%
・CO2排出量 :▲38%
A社が代行一括配送
午前/午後2回配達
参加事業者7社
配達をA社に依託
東京都世田谷区
顧客:300軒
荷量:100トン/日
0
10
車載運行情報
現状35
車両・運転手管理
40
運行日報
配車支援
資料︰東京路線トラック協議会「一般トラックターミナルにおける共
同化に関する調査研究報告書」1998
リアルタイム情報 3
30
50
60(%)
13
14
24
14
40
今後23
29
倉庫管理
京浜トラックターミナル
(東京都品川区)
20
1
9
18
資料︰(株)物流研究所(1997)
自動車交通 1999 29
交通の現状
道路財源は、①自動車ユーザーが車の取得・保有・走行
1-6 道路財源
の各段階で負担する道路特定財源、②国・地方の一般財源、
畠山 太作
③財政投融資等の借入金によって賄われている。道路財源
の中で道路特定財源が占める比率は大きく、これまで道路
投資額の増大と共に、道路特定財源は暫定税率の適用に
よって増税が行われてきた。
①の道路特定財源と②の一般財
源は国費あるいは地方費の財源として使われ、
ほとんどが一
般道路事業と地方単独事業に、
③の財政投融資等の借入金は
道路公団等による有料道路の建設費に充てられている。
表1 自動車関係諸税と道路特定財源
税 目
取
得
段
階
保
有
段
階
走
行
段
階
国税・地方税
…道路特定財源
仕 組 み
使 途
税率・税額
消費税
国税・地方税
自動車価格に課税
自動車取得税
都道府県税
購入時の取得価格を基準に 道路特定財源(地方) 自家用
課税(50万円以下は免税)
営業用・軽
(暫定:∼'03.3)
自動車重量税
国税
車検時毎に車の重量に応じ 道路特定財源(国)
て課税
[注1]
自動車税
都道府県税
毎年4月1日現在の持ち主に 一般財源(地方)
対して定額で課税
一般財源(国・地方)
本 則
[注2]5%
―――
5%
3%
3%
―――
2,500円
自家用車の例
・乗用6,300円/年(自重0.5t毎)
(暫定:∼'03.4)
自家用乗用車の例
1,001∼1,500cc
―――
34,500円/年
軽自動車税
市町村税
毎年4月1日現在の持ち主に 一般財源(地方)
対して定額で課税
揮発油税
国税
ガソリンに課税
地方道路税
軽油引取税
都道府県税
軽油に課税
石油ガス税
国税
LPガスに課税
消費税
国税・地方税
燃料価格に課税
自家用軽自動車(四輪乗用車)
の例
7,200円/年
―――
48.6円/ l
(暫定:∼'03.3)
24.3円
道路特定財源(地方)
5.2円/ l
(暫定:∼'03.3)
4.4円
道路特定財源(地方)
32.1円/ l
(暫定:∼'03.3)
15.0円
道路特定財源(国)
17.5円/kg
17.5円
[注2]5%
―――
道路特定財源
(国 1/2)
(地方1/2)
一般財源(国・地方)
注1)自動車重量税収の3 / 4の8割は国の道路特定財源、1 / 4は地方の道路特定財源に充当される
2) 5 % のうち1 % 相当分は地方消費税(地方税)
資料︰(社)日本自動車工業会資料
表2 最近の道路財源を巡る議論
新道路整備五箇年計画の財源論議
●’
97 年後半に行われた’
98 年度税制改正論議では、自動車・石油業界を始めと
する関係業界等から暫定税率の本則税率戻しの要望が強く出されたが、与党内
には新五箇年計画案通りの投資規模(78兆円)を求める声が強く、暫定税率を
5年延長し財源を確保することが’
97年末に決定。’
98年6月、新五箇年計画が閣
議決定され、正式発効した。
旧国鉄債務への道路特定財源転用論
● 20 数兆円にのぼる旧国鉄債務の処理は、’
87年の国鉄改革以降先送りされてきた
が、’
96 年 12 月、
「’
97 年中に抜本処理策の成案を得る」ことが閣議決定された。
●その後の政府・与党の検討では自動車重量税の転用論も出されたが、道路投資
の確保や「道路投資を前提に高額の暫定税率を負担する自動車ユーザーの理解
が得られない」とする考えから転用反対論が大勢を占め、当面の間の返済財源
として郵貯剰余金、たばこ税増税(たばこ特別税の創設)、JR 負担等を充当す
ることが ’97 年末に決定。たばこ税増税は ’98 年 12 月より実施。
図1 道路整備五箇年計画の投資額と道路特定
財源の暫定税率の推移
6,300円
5,000円
自動車重量税
(乗用車 円/0.5t・年)2,500円
揮発油税
(円/ l)
13.0円 14.8円 19.2円 22.1円
11.0円
地方道路税
(円/ l)
2.0円
3.5円
4.0円
軽油引取税
(円/ l)10.4円12.5円
6.0円 8.0円
24.3円
29.2円
4.4円
5.3円
6.6円
45.6円
48.6円
8.2円
5.2円
19.5円 24.3円
15.0円
17.5円
10.0円
(億円) 石油ガス税
(円/kg)5.0円
800,000
36.5円
自動車取得税
(乗用車)
32.1円
5%
760,000
3%
780,000
700,000
600,000
530,000
30
500,000
382,000
400,000
285,000
300,000
195,000
200,000
103,500
100,000
2,600
0 ︵
10,000 21,000
︵
'54 第 '58 第
∼ 1 ∼ 2
'58 次 '62 次
︶
︶
︵
'61 第
∼ 3
'65 次
︶
41,000
︵
'64 第
∼ 4
'68 次
︶
66,000
︵
'67 第
∼ 5
'71 次
︶
︵
'70 第
∼ 6
'74 次
︶
︵
'73 第
∼ 7
'77 次
︶
︵
'78 第
∼ 8
'82 次
︶
︵
'83 第
∼ 9
'87 次
︶
︵
'88 第
∼ 10
'92 次
︶
︵
'93 第
∼ 11
'97 次
︶
︵
'98 第
∼ 12
'02 次
︶
(案)
自動車関係諸税のグリーン化
● 自動車関係諸税のグリーン化(燃費別課税)は、’97 年 4 月の運輸政策審議会
総合部会報告 「運輸部門における地球温暖化問題への対応方策について」の
中で、初めて具体的に提言。
●’
97 年 8 月運輸省は、
「自動車の取得段階(自動車取得税)における税率を低燃
費車ほど低く、高燃費車ほど高くする方向で検討する」考えを明らかにし、’
98
年 6 月に取りまとめられた政府の「地球温暖化対策推進大綱」では、
「自動車関
係税制を含めあらゆる政策手段について検討する」ことが盛り込まれた。
●’
98 年 9 月運輸省は、自動車関係税制のグリーン化の具体的検討を運輸政策審議
会に諮問。運輸政策審議会では総合部会の下に学識者を中心とした小委員会を設
置し、’
99年4月を目処にグリーン化の具体案を取りまとめる予定。それを受け
て運輸省は、 ’
00 年度税制改正においてグリーン化の導入要望を行う意向。
●小委員会では、①どの税制について導入するか(自動車取得税、自動車税、自
動車重量税等が候補)
、②現行の自動車関係諸税の排気量・重量区分等とどの
ように整合させるか、③グリーン化によるCO 2 排出削減効果の推計、等の点を
中心に審議が行われる予定。
注1) は本則税率
2)第 2 次∼第 7 次計画は先次計画の途中で改訂されたため、
計画期間が重複している。
図2 道路投資の財源構成('98 年度当初予算)
貸付金償還金 669(1.9)
財投等
21,844
(16.8)
国費
35,064
(26.9)
(単位:億円)
( )内は構成比(単位:%)
自動車重量税
6,720
(19.2)
国費
35,064
(100.0)
石油ガス税
150
(0.4)
一般財源 うち純一般財源 14(0.0)
911(2.6) NTT-A財源 897(2.6)
{
ユーザー負担
34,153
(97.4)
揮発油税
26,614
(75.9)
総道路投資
130,376
(100.0)
地方道路譲与税 2,797(3.8)
石油ガス譲与税 151(0.2)
その他
一般財源
28,245
(38.4)
地方費
73,468
(56.4)
一般財源
46,899
自動車重量譲与税 2,784(3.8)
地方費
73,468
(100.0)
注1)国税から地方に配分される財源を譲与税という
(63.8)
2)貸付金償還金は道路特定財源より有料道路整備等
のために貸付けられた資金の償還金
3)自動車税と軽自動車税は道路特定財源ではないが、道路整備に充当さ
れる一般財源に含まれると想定
4)四捨五入の関係で、各計数の和が合計と一致しないところがある
資料︰建設省資料より作成
軽油引取税 14,173(19.3)
自動車取得税 6,664(9.1)
自動車税 17,522(23.8)
軽自動車税 1,132(1.5)
ユーザー負担
45,223(61.6)
図3 財源と事業費の関係図('98 年度当初予算)
財政投融資等
21,844億円
地方公共団体
出資金・貸付金
地方費
73,468億円
国費
35,064億円
財
1,484億円
源
21,844億円
51,500億円
29,989億円
20,484億円
5,075億円
有料道路事業
地方単独事業
一般道路事業
28,403億円
51,500億円
50,473億円
事
業
費
有料道路
28,403億円
一般道路 101,973億円
1998年度道路工事事業総額 130,376億円
注1)国費の一般道路事業費には緊急地方道路整備事業費等(7,465 億円)を含む
2)四捨五入の関係で内訳が合計と一致しない場合がある
資料︰建設省資料より作成
道路関係社会資本 2,826(5.6)
調査 219(0.4)
図4 一般道路事業 50,473 億円の使途別内訳('98 年度当初予算)
単位:億円、( )内は%
一般国道
20,807
(41.2)
街路
10,978
(21.8)
地方道
10,064
(20.0)
その他 254(0.5)
交通安全
3,939
(7.8)
住宅宅地関連
160
(0.3)
雪寒対策 1,226(2.4)
注1)街路は区画整理、再開発を含む
2)道路関係社会資本は、河川改修・ダム建設等に伴う橋梁、付替道路等。 ’98 年度より道路特定財源から事業費を充当。
資料︰建設省資料より作成
自動車交通 1999 31
交通の現状 2. 安全で快適なモビリティ確保への取り組み
1998 年の交通事故の死者数は 9,211 人で、3 年連続して
2-1 道路交通事故への取り組み
1 万人を切ったが、人身事故件数は依然として増加中であ
木戸 美帆
る。今後は死者数低減策とともに、人身事故を低減させる
視点での事故対策にも積極的な取り組みが必要である。
ユーザーの意識は、車両安全の情報公開の定着によって高
揚しており、自動車メーカー各社は、多くの車両安全性向
上技術を実用化してきている。既存の道路に工夫を加えて
事故低減の実績も出てきた。人・車・道路、三者の努力が大
幅な事故低減につながるのである。
図1 交通事故死者数は 3 年連続して 1 万人を割った
が、人身事故件数は増加中である。
(万件)
(人)
20,000
80
人身事故件数
120
1970年=100
110
100
15,000
60
人
身
40 事
故
件
数
死
者 10,000
数
5,000
図2 日本の交通事故死者数は '92 年以降減少傾向に
転じた。
20
死者数
アメリカ
イギリス
90
フランス
80
アメリカ 79
(41,798人)
ドイツ
70
日本 62
(12,670人)
フランス 54
(8,891人)
イギリス 48
(3,765人)
ドイツ 44
(9,454人)
60
日本
50
40
0
0
’
70
’
75
’
80
’
85
’
90
’
95 ’
98(年)
資料︰(財)
交通事故総合分析センター「交通統計」平成 9 年版
警察庁資料
30
’
70
’
75
’
80
’
85
’
90
’
95 年
注) 死者数は事故発生後 30 日以内の死者。フランス、日本では死者
の定義がそれぞれ 6 日以内、24 時間以内であるため、1.09 倍、
1.21 倍し、30 日死者へ換算してある。ただし日本の '93 年以降
は統計値。ドイツの '90 年以前は旧西ドイツ地域のみ。
資料:
(財)
全日本交通安全協会
「安全・円滑・快適な道路交通を目指して」
図3 65 歳以上の高齢者の死者が増加傾向、16 ∼
24 歳の若者の死者は減少している。
図4 自動車乗車中の死者は '93 年以降減少傾向に転
じた。
(人)
3,500
3,158人
('90)
5,000
3,240人
('95)
(人)
4,835人
4,251人
(36.7)
3,152人
3,000
2,500
死
亡 2,000
者
数
1,500
1,845人
死
16-24歳
65歳以上
50-59歳
30-39歳
884人
733人(60-64歳)
708人(30-39歳)
596人(25-29歳)
25-29歳
500
15歳以下
'85
'90
'95
資料:
(財)
交通事故総合分析センター「交通統計」
32
者
295人
'97 年
歩行中
2,888人
(34.1)
2,000
1,246人
60-64歳
3,178人
3,000
数
1,623人
40-49歳
1,000
2,998人
(35.4%)
亡
2,026人
0
'79'80
4,000
自動車乗車中
2,575人
二輪車乗車中
1,662人
(19.3)
1,538人
(18.2)
1,065人
(12.0)
1,000
1,005人 自転車乗用中
(11.9)
0
'79'80
2,643人
(31.6)
'85
1,210人
'90
'95 '97年
注)( )内は、全交通事故死者数に対する各状態別死者数の構成率(%)
資料:
(財)
交通事故総合分析センター「交通統計」
図5 全体の死者数が減少している中で、65歳以上の
自動車乗車中死者数だけは大幅に増加している。
■ 年齢層別状態別死者数の増分(1997 年← 1992 年)
図7 経年変化でみると、「追突」の増加が大きい。
■ 事故類型別事故件数の増減(1997 年← 1992 年)
(万件)
5
178
2
(人)
200
全体の死者数
1997年9,640人
↑
1992年11,451人
1
正面衝突
150
0
100
自動車乗車中
自動二輪車乗車中
原付乗車中
自転車乗用中
歩行者
その他
9
出合頭
右折
その他の
車両相互
車両単独
-1
3
1
15歳以下
追突
人対車両
65歳以上
16∼24歳 25∼60歳
50
車両相互
資料︰(財)
交通事故総合分析センター「交通統計」
0
図8 追突事故での乗員被害軽減策の例
■ むち打ち症を低減するアクティブヘッドレスト
資料︰(財)
交通事故総合分析センター「交通統計」
図6 高齢ドライバーの意識の高まりに対応して、シル
バードライビングスクールが各地で行われている。
■ 主なメニューの例
○日常点検・運転姿勢・車の死角確認
○スムーズなハンドル操作体験(スラローム走行体験)
○危険なブレーキ(見学)
・滑りやすい路面体験(ABS用スリップマット使用)
◎交差点での安全な右折方法(距離感の錯覚・右折所要時間の測定)
資料︰日産自動車
◎一時停止交差点の安全な通過方法
(多段階停止安全確認方法の習得)
表1 高速道路の、改良された箇所では、事故低減の
効果をあげている。
○狭い場所からの脱出(車両感覚の習得)
○座学(ディスカッション・意見交換)
■ 排水性舗装 施行前後 1 年間の比較
(対策前 1 年間に路面湿潤時の事故が多発していた 110 箇所の合計)
対策前
対策後
増減数
増減率
総事故
1,275
426
▲ 849
▲ 67%
湿潤事故
1,004
138
▲ 866
▲ 86%
■ 高視認性区画線 施行前後 1 年間の比較
(対策前 1 年間に夜間(19∼7時)事故が多発していた 43 箇所の合計)
総事故
狭い場所からの脱出
資料︰(社)
日本自動車工業会ホームページ
対策前
対策後
増減数
増減率
450
347
▲ 103
▲ 23%
夜間事故
270
162
▲ 108
▲ 40%
資料︰久米富美男「高速道路における交通安全対策の効果分析」、
(社)
交通工学研究会「交通工学」1998、No.2、Vol.33、p49-53
表2 最近実用化された、主な車両安全性向上技術
インフォメーションセーフティ
(危険予知)
コントロールセーフティ
(危険回避)
● キセノンヘッドランプ
● ロングライフ撥水ガラス
● 広角&親水ドアミラー
● ブラインドコーナーモニター
● 車間距離警報
● タイヤ空気圧警報
● ふらつき運転検知機構 など
● ブレーキアシスト
● 横滑り防止装置/車両挙動安定化
制御システム
● 電子制御制動力配分システム
(EBD)など
インパクトセーフティ(被害低減)
● 高強度安全ボディ
● ロードリミッター付プリテンショナーシー
トベルト
● 側面衝突用エアバッグ
● むち打ち症低減ヘッドレスト(図8)
● 頭部衝撃緩和インテリア
● 衝撃感応型ドアロック解除システム
● 耐水タイプパワーウィンドウスイッチなど
自動車交通 1999 33
交通の現状
2-2 ITS(高度道路交通システム)
岡本 智・堀越 実・福村 友博
ITS(Intelligent Transport Systems)は、高度に発達した
電子技術や通信技術を用いて、人とクルマと道路を有機的
に結合させ、安全性、輸送効率、快適性を飛躍的に向上さ
せると共に環境保全を実現するシステムである。
日本の ITS は、1996 年 7 月、交通関係 5 省庁
(警察・通商
産業・運輸・郵政・建設)から全体構想が示され、9 つの分野
で研究開発が進められている。
ITS 技術を盛り込んだコンセプトカーやスマートウェイ
など、実用化を視野に入れた研究開発が進んでいる。
図1 安全、効率的、快適な交通と環境保全を目指して、日本では 9 つの分野で ITS 技術の開発が進んでいる。
交通運用
交通管理の最適化
緊急車の運行支援
商用車の効率化
公共交通の支援
道路管理の効率化
歩行者等
の支援
自動料金収受
システム
ナビゲーション
システムの高度化
安全運転の支援
○安全性
輸送効率 快適性 の向上
○環境保全
自動車
資料:川嶋弘尚「Advanced Software Engineering と ITS」交通工学 1996No.1 Vol.31
図2 将来の道路交通は ITS 技術を用いて大きく進化する。
R
資料:日産自動車「NISSAN & ITS」
34
図3 ITS の進展を受けて、道路の質的な変化となる
「スマートウェイ」構想の検討が始まった。
図4 AHS は、情報系からスタートし、運転操作のサ
ポート、自動運転へと発展していく。
スマートウェイとは…
来るべきITS時代に対応し、ITS技術を統合
して組み込んだ次世代の道路構造基準。
情
報
収運
集転
操
作
スケジュール
1999年
ドライバー
AHS-i
AHS-c
実現プログラムの策定
進化の段階
制度、基準類の整備着手
2000年
実証実験
2001年
制度、基準類の策定
2002年
整備着手
AHS-a
AHS-i…情報システムの一部をシステムがサポート
(道路情報や危険警告など)
AHS-c…運転操作の一部をシステムがサポート
(車線逸脱防止など)
AHS-a…自動運転
資料:建設省
資料:技術研究組合 走行支援道路システム開発機構
図5 交通情報をリアルタイムに入手できるVICSは、
情報提供エリアが拡大し、対応機器も急速に普
及している。
図6 自動的に料金収受ができる ETC は、諸外国に
比べ実用化が遅れていたが、今後急速に普及が進む
予定である。 導入スケジュール
AA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAA
A
AAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
A
A
AAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
A
AAAAAAAAAAAAAAAAAAA
A
累計台数(万台)
400 350
300
250
200
150
100
500
0
ナビゲーション 2002年度まで
98/12実績値
長期構想
1993
1994
1995
1996
(年度)
1997
730箇所で導入(全国主要箇所)
1300箇所に導入(すべての料金所)
■東京湾横断道路での実験風景
VICS車載器
1992
50箇所に導入開始(千葉県中心)
1999年度
■ ナビゲーション出荷累計台数
1998
(予測値)
■ VICS 情報提供エリア
一般道 情報提供エリア
1998年12月現在
高速道 情報提供路線
1998年12月現在
資料:建設省
資料:
(財)VICSセンター資料
図7 先行している情報系だけでなく、車両が運転
操作をサポートしてくれるようになる。
カメラ
表1 情報提供サービスが開始され、車中でさまざま
な情報が入手できるようになってきた。
名称
事業主体
IT GS
( Int elligent
Traf f ic Guidance
Syst em)
ダイムラー・ベンツ・
インターサービス・テ
レマティック日本( 株)
モネ( MONET)
( 株) トヨタメディアス
テーション
道路交通情報、ニュース、気象情報の他、レストラ
ン、ガソリンスタンド、病院などの情報を提供。ハ
1 9 9 7 年1 1 月 ンドフリー機能、電子メール送受信が可能。
ソニーコミュニケーシ
ョンネットワーク( 株)
任意のプロバイダーと契約を結び、ホームページ上
で情報提供を受ける。9 8 / 5 よりホームページ紹介
の店舗/施設の位置情報サービスを開始。
ミリ波レーダー
サービス開始
特徴
1 9 9 7 年4 月
最短距離のルートを示すルートガイダンスの他、ニ
ュース、気象情報、成田フライト情報等を提供。
●専用センター利用
●専用センター利用
モバイルリンク
1 9 9 7 年1 1 月
●インターネット利用 インターナビシス
テム
( 株) ホンダアクセス
1 9 9 8 年7 月
プロバイダー契約をホンダアクセスと結び、インタ
ーナビ情報センターから主に情報を受ける。パソコ
ンと車載カーナビにリンク。
●専用センター利用
新型メディアメーター
ステアリング
ブレーキ
アクチュエータ アクチュエータ
レーザーレーダー
日産自動車の ITS コンセプトカー「ITS CAR 2001-c」
コンパスリンク
+
コンパスリンク( 株)
1 9 9 8 年9 月
ハンドフリー機能によるオペレータとの直接対話形
式を採用することで、安全かつ簡単に、交通情報の
他、店舗/ 施設などの情報サービスを提供。
●専用センター利用 資料:
(財)道路新産業開発機構「ITS HANDBOOK]
自動車交通 1999 35
ITS 関連資料
図1 日米欧の ITS 開発年表
第1期
70
’
第2期
75
’
80
’
85
’
90
’
91
’
第3期
92
’
93
’
94
’
95
’
96
’
97
’
98
’
ALI
PROMETHEUS
欧 州
PROMOTE
DRIVE Ⅰ
米 国
DRIVE Ⅱ
TELEMATICS
ERGS
IVHS
MOBILITY 2000
CACS
RACS
ITS
VICS
AMTICS
ARTS
日 本
ITS
SSVS
ASV
UTMS
資料:
道路新産業開発機構「ITS HANDBOOK」
表1 米国の主な動き(構想・プログラム)
TEA21の成立
⃝ FY98-03における道路行政予算を決めるTEA21(Transportation Equity Act for the 21st century)が ’98年6月に成立。
⃝ その中でITSに関しては12.8億ドル/6年が確定し、それ以外にもITS用のインフラに関しては、全米標準に合致していることを条件に通
常道路整備予算から引き当てることが可能になった。
⃝ 全米標準を推進するために、運輸省(DOT)長官に対し’99年6月迄に主要な標準化項目を規定することを、FCC(連邦通信委員会)に対し
2000年1月迄にITS用周波数の割り当てを完了させることを要求している。
⃝ 前法(ISTEA91)では既存道路の効率的利用が狙いであったのに対し、TEA21では安全が重視され、具体的施策として、シートベルト着
用率の向上、飲酒運転の防止、安全性向上の為の先進技術開発が行われる。
IVI(Intelligent Vehicle Initiative)
プロジェクトの開始
⃝ これまで別々に進められてきたDOTのNHTSA(道路交通局)のCAS(衝突回避システム)と、FHWA(道路庁)のAHS(自動運転プログラ
ム)が一緒になり、ITS国家プロジェクトとして、IVIプログラムがスタートした。
⃝ 安全性向上を目的としたドライバアシスト装置の開発を目的とし、政府、大学、民間のパートナーシップにより、早期商品化を目指す。
⃝ 開発ターゲットとして26のユーザーサービスを定義し、それらを技術難易度と商品化時期に応じて、第一世代(情報提供)、第二世代(部
分自動化)、第三世代(完全自動化)に分けている。
⃝ ’98年末にRFA(Request For Application)を発表し、プログラムに対する具体的提案および参加募集が行われた(募集締切は ’99年3月)。
ITI(Intelligent Transportation Infrastructure)
構想
⃝ DOTは’96年 1 月、オペレーションタイムセーバーという政策を打ち出した。
《内容》ITIを、今後10年間で全米75の大都市において配備。
∼米国はITSのユーザーサービスを実現するため、その基盤となるインフラの実配備に向け既に動き出す。
《ITIのモデル展開都市》 ( )内は’97年度の国家補助予算
①シアトル(1,370万ドル) ②ニューヨーク及び周辺地域(1,040万ドル) ③フェニックス(750万ドル) ④サンアントニオ(710万ドル)
表2 ITS America(Intelligent Transportation Society of America)の概要
・前身はIVHS AMERICAといい、’
91年に、DOTの諮問機関として正式に活動を開始した。
・研究開発から実施展開に至るまで、ITSの推進にあたり幅広い活動を行う。
・会員は米国に限らず、日本を含め世界各国の組織/団体が参加している。
表3 欧州 T-TAP(Transport Telematics Applications Programme)の分野別内容
分 野
内 容
エリア1
情報通信技術の
適用とサービス
水平的な活動
36
内 容
分 野
エリア2
エリア3
3.1
3.2
3.3
3.4
エリア4
エリア5
エリア6
旅行者へのインターモービル情報と公共交通情報
水平的な活動
(マルチモーダル情報や統合支払サービスなどを含む)
貨物輸送オペレーション
道路交通
ドライバー情報
自動支払と自動料金収受
情報通信のインフラ
ネットワークと交通管制
ストラクチャと共通
車両制御
サービス
航空交通
鉄道交通
海上交通と内陸の水上交通
エリア7
7.1
7.2
7.3
7.4
水平的な活動
ユーザーニーズ
評価
標準化
ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)
EUの政策への貢献
7.5
7.6
高齢者と障害者のニーズ
交通安全
エリア8
8.1
8.2
8.3
8.4
8.5
8.6
情報通信のインフラストラク
チャと共通サービス
システムアーキテクチャ
通信技術
デジタル交換
デジタル道路地図
サテライトナビゲーション
システムの安全性
エリア9
9.1
9.2
9.3
EUの政策への貢献
需要管理
統合されたデモンストレーション
展開課題
表4 ERTICO(European Road Transport Telematics Implementation Coordination Organization)の概要
・研究から市場導入に至るまでの欧州内での調整(インフラへの投資等も含む)、及びスムーズな市場導入への移行を目的とし、' 91年に
設立された。
・欧州の約65の組織/団体により構成される。ITS Americaと違い、構成メンバーは欧州内だけに限られている。
・具体的には、ITS推進の計画立案、研究開発によって得られた結果の評価/統合、共通仕様の作成、標準化の支援、制度/法律上の問題
の検証等を行う。
表5 日本における主な ITS 推進プロジェクト/団体およびシステム
名 称
概 要
推進官庁
道路交通情報通信システム
警察庁
(VICS:Vehicle Information &
郵政省
Communication System)
建設省
・道路上に設置したビーコンとFM多重放送によって、渋滞・規制・道路案内・駐車場などの情報を
車載器に送るデジタルデータ通信システム。
・'95年 7 月
VICSセンターが設置され、'96年 4 月より首都圏と首都高速、東名、名神にてサービ
ス開始。その後、大阪地区、愛知県、京都府、長野県、兵庫県と全国展開中。
・交通管理システムをより一層高度化し、道路利用者の利便性を向上し、
「安全・快適にして環境に
新交通管理システム
やさしい交通社会の実現」を目指す、総合交通管理システム。現在UTMS21として推進している。
(UTMS:Universal Traffic
警察庁
Management Systems)
・高度交通管制システムを中心に、サブシステムとして交通情報提供システム、公共車両優先シス
テム、車両運行管理システム、動的経路誘導システム、緊急通報システム、交通公害低減システ
ム、安全運転支援システム、高度画像情報システムの、8つのシステムがある。
・20∼30年後を想定し、電子技術や通信技術を利用した快適な「人と社会に高度に調和した自動
高知能自動車交通システム
(SSVS:Super Smart Vehicle
通産省
System)
車システム」を目指す。
・車々間通信に関するフィージビリティスタディや走行路の自動認識の研究等SSVSが提唱した
インテリジェントな車どうしの「協調走行」を実現するための要素技術の研究を行っている。
・エレクトロニクス技術の応用により自動車を高知能化し、ドライバーが運転する車としての安
先進安全自動車
全性を格段に高めるため、21世紀に向けて開発される試作車。一部はすでに実用化されている。
(ASV:Advanced Safety
運輸省
Vehicle)
・'91年度から 5 ヵ年計画で開始された第1期計画は終了し、'96年度から開始された第2期計画
では商用車や二輪車を含め検討されている。
・道路と車両の協調により危険警告から運転補助等の安全な走行を支援するための技術を開発し、
最終的には安全で快適な自動運転を実現するもの。
走行支援道路システム
建設省
(AHS:Advanced Cruise-Assist
・'96年 9月技術研究組合走行支援道路システム開発機構(AHSRA)が設立された。電気 /インフラ
メーカーや自動車メーカーなど民間企業21社が参加し、AHS実用化に向けた研究開発を行って
Highway System)
いる。
・料金所における渋滞解消のため、路車間通信を利用し自動的に料金の支払を行う。
自動料金収受システム
(ETC:Electronic Toll
建設省
Collection)
・建設省と各道路公団が、民間企業を加えて共同開発を進めている。'98年度実用化目標。
・'97年 3 月から小田原厚木道路の小田原料金所で、12月から東京湾アクアラインで試験運用を開始。
・'99年度には首都圏の主要料金所でサービスを開始予定。
道路・交通・車両インテリ
ジェント化推進協議会
・第 2 回 ITS 世界会議 '95 横浜への対応を契機に、'94 年に設立された民学を中心とする ITS の統一
民間企業
(VERTIS:Vehicle, Road and
大学
Traffic Intelligence Society)
組織。
・ITS America や ERTICO と共に、ITS 世界会議の日本の運営事務局となっている他、研究開発に
必要な諸活動、欧米やアジア諸国との情報交換などを行っている。
表6 ISO / TC204(国際標準化機構の ITS 関連の技術委員会)のワーキンググループ
WG-NO.
検討テーマ
WG-NO.
検討テーマ
WG 1
システムアーキテクチャー
イギリス
WG 8
公共交通/緊急車両運行管理
アメリカ
WG 2
品質・信頼性の要求事項
アメリカ
WG 9
交通情報管理・制御
オーストラリア
WG 3
データベース
日本
WG10
旅行者情報
イギリス
WG 4
自動車両識別
ノルウェー
WG11
経路誘導・ナビ
ドイツ
WG 5
料金収受
オランダ
WG14
車両道路警告及び制御
日本
WG 6
一般車両運行管理
アメリカ
WG15
狭域通信
ドイツ
WG 7
商用車両運行管理
カナダ
WG16
広域通信
アメリカ
資料:
幹事国
幹事国
道路新産業開発機構「ITS HANDBOOK」
自動車交通 1999 37
交通の現状
駐車問題は、場所や状況によって、その問題の質、解決
2-3 駐車問題
岩崎 雅彦
法などが違う。幹線道路では駐車車両による影響が大きく、
駐車行為を防止することが重要になる。
近年自治体主導による駐車対策などにより、路上駐車は
減少傾向にあるが、更なる効果を挙げるには、補助制度の
充実による駐車場の整備、駐車ニーズに合わせた対策の工
夫などが大切である。
図1 都市圏での瞬間路上駐車台数は、改正車庫法
施行後、減少傾向で推移している。
図2 駐車施設の整備が進んでいる。
(万台)
300
(万台)
25
車庫法改正施行
車輪止め装置導入
250
駐車場総供給台数
200
20
大阪市
15
東京都(特別区)
142,098
150
131,844
100
附置義務駐車場
10
名古屋市(旧市内の12区)
5
届出駐車場
50
80,671
都市計画駐車場
0
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995
(年度末)
0
1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997(年)
資料:警察庁「警察白書」
注)路上駐車場は路外駐車場が整備されるまでの暫定的措置のため除
外した。また道路交通法による、パーキングメーター/パーキン
グチケットは含んでいない。
資料:(社)立体駐車場工業会「自動車駐車場年報」
表1 駐車場整備と有効利用を促進するため、各種補助制度の充実が図られている。
国等の助成
制度の例
駐車場整備計画
対象
事業名称・融資機関・適用
駐車場整備計画調査
特定交通安全施設等整備事業
摘要
道路特別会計、補助率1/2
道路特別会計、補助率1/2
駐車場整備事業
街並み・まちづくり総合支援事業 補助率国1/3、市町村1/3
商業基盤等施設整備事業
補助率国1/4、県1/4
市街地再開発事業
補助率1/3
優良建築物等整備事業
補助率1/3
面的整備事業に関連する駐車場
住宅系地域における駐車場(車庫)
駐車場の有効利用
公営住宅等駐車場整備事業
補助率1/3
都心共同住宅供給事業
補助率1/3
駐車場案内システム
道路特別会計、補助率1/2
事業主体・整備主体
地方公共団体等
道路管理者
地方公共団体、公団、
第三セクター等
商店街振興組合等
地方公共団体、公団、
組合・個人等
地方公共団体、住都公団、
地方住宅公社等
地方公共団体
地方公共団体、
住宅・都市整備公団等
地方公共団体
地方公共団体の地方債(縁故債・ 融資限度100%、低利子
公営企業金融公庫債)
特定民間都市開発事業による駐車場 日本開発銀行等NTT株式の売却収 無利子
公的融資制度
入の活用(NTT-Cタイプ)
の例
届出駐車場、車庫等の専用駐車場
日本開発銀行
低利子
地方公共団体
「中小小売商業振興法」に基づく認
定計画によるもの
中小の駐車場業
税制上の優遇 都市計画駐車場
措置の例
附置義務駐車施設
都市計画駐車場
38
第三セクター、民間
中小企業事業団
無利子
第三セクター、民間
国民金融公庫
所得税・法人税
地価税・事業所税
低利子
当初5年間15%の割増償却
1/2に軽減
第三セクター、民間
民間(第三セクター含む)
民間(第三セクター含む)
補助、融資、利子補給、
税免除/軽減等
商店街振興組合、
中小企業団体等
地方公共団体 「商店街団体が設置する買い物客用 北海道旭川市など全国284都府県
の助成措置
駐車場」の類が多い
市町に助成措置有り
資料:(社)立体駐車場工業会「自動車駐車場年報」1997年版
第三セクター
図3 自治体の違法駐車防止条例も効果をあげている。
■政令指定都市における条例効果
■違法駐車防止条例制定自治体数の推移
自
治
体
数
350
300
250
200
150
100
50
0
299
319
1995
1996
258
331
91
22
1992
1993
1994
1997(年)
資料:(財)都市交通問題調査会
「駐車場建設の手引き’98」より作成
■違法駐車防止条例の主な内容
・警察だけではなく、行政、市民、事業者の協力によ
る違法駐車問題の改善。
・違法駐車等防止重点地域を指定し、指導員(交通安全
協会、
警備会社等に委託)
による助言、
啓発活動を実施。
違法駐車* 対象エリア 路線距離 指導員 施行時期
減少率(%) (ha) (km) (人)(年.月.日)
17.0
12
札幌市
5.8
1994. 6.1
15.9
32.5
9
4.7
仙台市
3.4
1994.10.1
19.8
16
千葉市
5.7
1995. 9.1
47.3
19.5
20
川崎市
2.3
73.4
1993. 6.1
53.3
49
30∼35
横浜市
6.7
1994. 2.1
80.0
10
名古屋市
−
1994. 8.1
35
300
15
京都市
−
1995. 5.20
34
170
20
45
大阪市
2.0
1994.10.1
0.22
23
神戸市
11.5
1994. 5.10
20
52.0
20
広島市
3.2
1994. 7.1
30.4
−
25
40
福岡市
8.2
1994.10.1
32.4
9
北九州市
4.4
1994.10.1
20
*条例導入前比 (データ1997.9現在)
資料:(財)都市交通問題調査会
「駐車場建設の手引き’
98」より作成
資料:各市条例より車両交通研究所作成
図4 路上での荷さばき駐車時間帯を設定して、交通環境を向上させる試みが行われた(札幌市)
。
■荷さばきのタイムシェアリング実験
重点地域
テレビ塔
大通公園
南大通
北洋●
銀行
●三越
駅
前
通
創
成
川
丸井
今井●
南1条線
●パルコ
西
西
3
2
丁
丁
南2条線
目
目
●
線 ラルス 線
●ビッグ
オフ
創
成
川
通
プラザ
南3条線
国道36号
目的
荷さばき駐車の新秩序づく
りと一般車の違法駐車防止
による交通環境の向上
実施日
1997.10.22∼28、
1998.2.19・20、
1998.7.17∼10.9の金曜
荷さばき時間帯
9:30∼11:30、14:30∼16:30
実験路線
重点地域内5路線
ワーキンググループ
商店街、トラック協会、町
内会、行政等
■ 1997.10 実験の結果およびアンケート結果
●一般車の違法駐車台数が約5割減少(48.5→27.1台)
し、貨物車
の駐車時間は2割以上短縮
(11.5→9.0分/台)
と、荷さばき効率
が向上した。
●バス運転者の評価では、7割が走行性向上を感じた。
荷さばきのルール化には、運転手の協力とともに荷主の理解
を深めることが課題。
実験期間中の道路の
走りやすさ評価
(バス運転者)
荷さばき時間を設定
することへの評価
(荷さばき運転者)
無回答 1%
大変よい
9%
感じない
8%
大いに感じた
35%
あまり感じない
23%
どちらとも
言えない 22%
やめてほしい
22%
34%
やや感じた
よい
25%
21%
あまりよくない
資料:札幌市資料より車両交通研究所作成
資料:田島, 山川「民間駐車場の成立可能性等を考慮した中心市街地に
おける駐車整備検討の一手法」、JPOニュース, Vol.20, pp20∼
27, 1998.10
120
B
90
32:40
30:20
路上駐車除去
23:20
0
路上駐車発生
21:00
30
28:00
駐車なし
60
18:40
平日ピーク時の需要が 休日ピーク時の需要が多い
街区
多い街区
・平日の業務交通が多い ・休日の買物レジャー目的の
交通が多い
・短時間の駐車が多い ・比較的長時間の駐車が多い
・目的地に対する直近性 ・平日と比較すると、
目的地に
が強く、
路上駐車等が 対する直近性が弱く、
比較的
発生しやすい
遠い駐車場でも利用する
路駐対策を念頭に置 休日の需要を想定し、
(125m)
き、理想的サービス 一般的サービス圏域
を設定
圏域(100m)を設定
交差点から駐車
車両までの距離
150
16:20
サービ
ス圏域
の設定
商業施設集積地区
11:40
推定さ
れる駐
車行動
業務施設集積地区
30m…A
50m…B
A
180
14:00
地区
分類
210
所要時間 (分)*
■街区特性による駐車場サービス圏域の設定
交差点
240
25:40
理想的サービス圏域=駐車場・目的地間距離100m
平日・休日ともに、全利用者の約80%の利用が期待できる距離
一般的サービス圏域=駐車場・目的地間距離125m
平日・休日ともに、全利用者の過半数の利用が期待できる距離
09:20
■利用者特性から設定した駐車場サービス圏域
図6 路上駐車による悪影響は、交差点に近づくほど
駐車車両
大きい。
07:00
図5 利用者と街区の特性に合わせた駐車場が必要
シミュレーション開始からの経過時間(分:秒)
(*…500mの区間を走行した車の全走行時間)
資料:車両交通研究所による試算
自動車交通 1999 39
交通の現状
2-4 誰もが使いやすい交通サービスへ
木戸 美帆
日本は超高齢社会に向かっている。現在の交通システム
のままでは、身体的な面で移動に制約が生ずる人が増加す
る。こうした人々のモビリティの保障が急務である。
自分で自由に移動できることは、生活の質向上に大きく
貢献する。今まで介助が必要だった人が交通環境の改善に
より自分で動けるようになれば、活動範囲も広がる。資源
と工数が限られている以上、それらを効率的に使うために
も、自立を可能にするモビリティの充実に向けた整備が必
要である。
図1 移動に身体的な制約がある人々は、高齢化の
進展に伴い増加が予想される。
総人口
125,864
図2 動線すべてをカバーできるバリアフリー化が
求められている。
(単位:千人)
歩行空間
路面の平滑化
歩道橋・歩行者信号
の青時間の改良
病人・けが人
7,330
屋根
ベンチ
BUS
自転車利用空間
高齢者
19,017
バス停
出発地
妊婦 41
道路幅員の確保
障害物の排除
路面の平滑化
バス車両
乗降口の改善
手すり、押し
ボタンの改良
振動の緩和
BUS
(15.1%)
えき
車両本体
身体障害者
2,933
操作性・
視認性の
向上
安全性能
の充実
鉄道車両
手すり・吊革の改良
振動の緩和
駅構内・駅前広場
えき
注1)総人口は '96 年 10 月 1 日時点(推計値)
注2)高齢者は 65 歳以上、( )内は総人口比構成率
注3)身体障害者は '96 年 11 月時点
注4)病人・けが人は '96 年 10 月時点の外来患者数(全国推計)
注5)妊婦は '96 年10 月時点の正常妊娠・産じょくの管理外来患者数
(全国推計)
資料:総務庁統計局ホームページ
(財)厚生統計協会「国民衛生の動向」1998 年
垂直移動施設の整備
車両とホームの段差解消
券売機・改札の改良
使いやすいトイレ
自動車利用空間
右折車線の設置
信号現示の見直し
緩速車線の設置
BUS
目的地
図3 高齢者の生活の質向上のためには、車の運転をあきらめずにすむ環境づくりが有効。
■ 外出頻度/主体性と生活充実度の関係
■ 運転免許を持つ高齢者はよく外出する
生
活
充
実
度
指
標
(%)
60
2.73
(53.4)
50
1.0
非常に高い
高い
0.0
-1.0
普通
-2.0
-3.0
月
に
1
回
以
上
低い
年
数
回
年
1
回
程
度
な
い
2.25
1.59
1.52
外出主体性
1.25
非常に低い
注) 55 歳以上 900 名対象のアンケート調査(1995.10)より
調査地域は、東京都北区、埼玉県熊谷市、群馬県館林市
資料:家田他「モビリティの改善は、高齢者の生活活力向上をもたら
すか?」IATSS Review Vol.22、No.2、1996.9
1.96
1.95
2
レジャー・観光目的での
外出頻度
40
( )
内は免許保有率
(トリップ/人/日)
3
2.0
1
(17.7)
0.86
(10.6)
免
許
有
免
許
無
65∼69歳
70∼74歳
75∼99歳
30
20
10
(3.8)
0
40
保有可能
階層合計
0
資料:東京都市圏交通計画協議会「平成元年度東京都市圏総合交通
体系調査報告書」
表1 交通の公共施設のバリアフリー化は徐々に進んでいる。
■ 駅/ターミナル
( )内は'98/3時点の整備率
営団・
旅客船 空港旅客
JR
私鉄
ターミ ターミ
(国鉄) (大手15社) 公営
地下鉄
ナル
ナル
'83/3
エレベーター '98/3
41
23
18
━
21
186
212
227
67
49
(4.0%) (12.0%) (44.1%) (34.7%)(96.1%)
73
75
230
━
━
288
398
442
33
44
(6.2%) (22.6%) (85.8%) (17.1%)(86.3%)
120
164
112
━
30
'83/3
1,505
1,483
445
193
70
'98/3
(32.2%) (84.1%)(86.4%) (46.8%)(87.5%)
'83/3
'98/3
エスカ
レーター
障害者用
トイレ
'83/3
'98/3
改札口の
拡幅
232
813
320
3,251
1,634
515
(69.6%) (92.6%) (100.0%)
━
━
表2 国が「スペシャルトランスポートサービス」の
実験を始めた。
■ 道路交通
ノンステップバス
リフト付バス(うち路線バス)
スロープ付バス
リフト付タクシー
寝台タクシー
高速道路SA、PA
障害者用駐車ます
障害者用トイレ
145両
1,320(280)
695
933
382
333箇所 整備率100%
333箇所 整備率100%
注1)1983 年は「国連・障害者の十年」初年にあたる。
注2)私鉄の '83 年 3 月は大手 14 社、'98 年 3 月は大手 15 社。
注3)旅客船および空港旅客ターミナルの、'98 年 3 月の数値は、'98
年 4 月 1 日現在。
注4)高速道路 SA、PA は、'98 年 4 月 1 日現在。箇所数は、上下 注1)合わせて 1 箇所として計上。
注5)旅客船および空港旅客ターミナルにおけるエレベーター、エ注
注1)スカレーターの整備率は、総ターミナル数を 193 および 51(二
注1)階建て以上のターミナル数)として算出。
資料:運輸省、日本道路公団
図4 電動カートは最高速 6km/h なので歩行者扱い。
免許不要。ちょっとした外出に便利。
■ 運輸省のスペシャルトランスポートサービス
(STS)
の実験
(東京都三鷹市のケース)
実施期日…1998年9月5∼25日
タイプ1…定時定路線型
●バス停間隔100∼200m
●バス停数約40ケ所
●料金200円
タイプ2…ドア・ツー・ドア型(日本初のモデル運行)
●料金片道市内1000円、近隣市2000円など
●運行時間…原則9:00∼23:00
●利用資格…市内在住の障害者(児)または75歳以上
で歩行移動に支障のある人
●利用方法…予約制(利用日の2日前までに電話で)
●予約受付…月∼金曜日の9:00∼16:00
資料:運輸省
資料:日産自動車
図5 身体的制約がある人が、自分で車を運転することへの需要は高い。
■ 運転免許の条件付与件数の推移
■ 車椅子のまま運転できる乗用車の例
25 (万件)
20 179,240
185,784 191,878
15
197,184 202,193
207,740
212,759 217,670
義手または
義足の条件
身体障害者用
車両に限定
10
5
補聴器の使用
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997年
資料:警察庁
資料:JOY PROJECT 事務局
自動車交通 1999 41
交通の現状
2-5 既存交通手段の工夫
佐々木 恭子
より便利で快適な交通サービスをめざし、交通機関の特
性を活かした共通カードシステムの導入など、多種多様な
工夫がなされている。
最近では、需給調整規制廃止をはじめとした運輸関連の
規制緩和策の推進により、利用者ニーズに適合したサービ
スが提供され始めている。特に、各種交通機関での料金体
系の多様化の動きが活発である。
図1 交通の便利さや快適さをつくるいろいろな工夫の例
交通手段のつなぎめに関する工夫
○異種交通機関の接続条件の向上により煩わしさを
解消する
●共通カードシステム …表1
○鉄道の相互直通運転
○複数交通手段の複合化(パッケージ化)により
特徴を活かした移動手段の使い分けをする
●自転車を中心とした …図2
パッケージサービス
○パーク&ライド
○レール&レンタカー
○バス総合案内システム
○インターネットを使った
チケットレス予約サービス
情報通信の活用による効率的利用
○必要な情報を入手しやすくすることにより移動
手段・経路の選択性を向上させる
移動についての快適性を高める工夫
○利用者のニーズに対応したサービスを提供する
ことにより移動の負担を軽減したり、移動中の
付加価値を高める
○鉄道駅の各種施設の併設
(宿泊施設など)
○モト・トレイン
○ハイウェイ・オアシス
○各種ジョイフルトレイン
(お座敷列車など)
●環境定期券
●お買物バス券 ●ONE COIN電車・バス
●回数券・カード …表3
料金体系の工夫
○利用の場面に合った柔軟な料金体系を設定する
ことにより需要の増加・平準化を図る
表1 共通カードシステム
異種および複数の交通機関で共通に利用できる、交通機関の連続性を追求した、共通カードシステムは好調な普及を
みせ、各地で導入・ネットワーク拡大されている。
札幌
市内
共通ウィズユーカード
導入日
備 考
'97.4.1
─
'94.9
─
'96.3.26
─
仙台
都市圏
スキップカード
仙台市交通局 市営地下鉄・バス
宮城交通バス
東京
都内
Tカード …
SFメトロカード …
東京都交通局 都営地下鉄
帝都高速度交通営団
東京
都市圏
バス共通カード
京阪神
都市圏
スルッとKANSAI
松江
都市圏
共通バスカード
広島
都市圏
パセオカード …
アストラムカード …
バスカード …
山口
都市圏
共通バスカード
福岡
都市圏
よかネットカード
熊本
市内
TO熊カード
資料:車両交通研究所調べ
42
参加機関('99.1現在)
札幌市交通局 市営地下鉄・バス・市電
バス 3社
(共通化)
東京、神奈川、埼玉、千葉
地域内の、バス 19社・局
'92.6.13
(神奈川県内3事業者)
○導入開始時より着々と利用者増加
カード発行枚数…56.7%増('97/'96年度比)
○千葉県内においても導入車両運行開始('98.2∼)
○バス 1社参加予定('99.3頃)
鉄道・バス 7社・局
'96.3.20
○鉄道・バス 6社参加予定('99.4頃)
○鉄道・バス 12社・局参加予定('99年度中)
松江市交通局 バス
バス 2社
'98.3.22
○バス 2社参加予定('99年中)
広島電鉄 バス・路面電車
高速交通 アストラムライン
バス 6社
バス 3社
'97.3.31
'92.3.1
(サンデン交通)
福岡市交通局 市営地下鉄
西日本鉄道 鉄道・バス
'99.春
熊本市交通局 市営バス・市電
バス 2社
'98.3.30
(予定)
─
○バス 4社・市営参加予定('99年度中)
─
○バス 3社参加予定('99年度中)
図2 公共交通機関と、端末交通手段である自転車のパッケージ化が、各地で展開されている。
■自転車持ち込み列車・富士急行(山梨)
運行期間 ‘98.10.15 ∼‘99.1.29
(平日のみ、年末年始除く)
利用者 約 30 名(10.15 ∼ 11.13)
運転本数 上下各 2 本・オフピーク時
自転車 & 電車
写真:富士急行株式会社
■自転車持ち込みバス・日本中央バス
(群馬)
運転開始 ‘96.4.1
利用者 約 1,200 名(‘97 年度)
積載台数 自転車 10 台/バス 1 台
■自転車キャリア付きタクシー・
松阪名鉄タクシー(愛知)
運転開始 ‘97.9
利用者 約 30 件/月
積載台数 自転車 2 台/タクシー 1 台
自転車 & バス
自転車 & タクシー
写真:日本中央バス株式会社
写真:松阪名鉄タクシー株式会社
表2 規制緩和の運輸部門への影響
《航空業界》
新規参入の認可
スカイマークエアラインズ 開業
'98.9.19 (東京∼福岡間)
35年ぶりの国内定期航空の新会社
搭乗率 86.4%('98.11)
《女性ドライバー》
女性ドライバーのみを採用する事業者 開業
バ ス ・東急トランセ(東京) '98.7.28
タクシー・第一観光バス(秋田) '98.7.7
女性ドライバー人数は年々増加している
バス運転手…32.6%増加(97/96年比)
タクシー運転手…4.8%増加(97/96年比)
女性の時間外や深夜労働の制限撤廃
ゾーン運賃制 '97.4.1
割引運賃制度の多様化
498事業者(3,165車両)が採用('98.10末現在)
《タクシー業界》
運賃設定の認可
初乗距離を短縮した運賃設定 '97.4.1
139事業者(5,753車両)が採用('98.10末現在)
《石油業界》
セルフスタンド 開業 第一号店 '98.4.1
セルフ式の給油所の認可
セルフスタンド店 … 79店舗('98.12末現在)
遠距離割引、日曜・休日割引
高齢者割引、ノーマイカーデー割引 など
ドライバーアンケート結果
潜在的利用希望者(57.9%)の割には利
用者(3.5%)がわずか。未だ発展段階。
資料:車両交通研究所調べ
表3 利用者ニーズに合わせた料金体系の工夫で、潜在需要の発掘がなされている。
環境定期券
…
マイカー利用低減に貢献している
'97.11の一日平均 約1,700人
利用状況の推移
'98. 7の一日平均 約2,700人
《神奈川中央交通》
'97.9.20∼
ONE COINバス・電車 …
《群馬県バス協会》
加盟7社
'98.1.1∼12.31 試験運行
お買物バス券
《大阪市交通局》
'98.2.1∼
全国で10地域で導入('98.12現在)
通勤・通学の利用者が増加している
利用状況の推移
実施前 118人
(前橋駅∼本町停留所利用者数) '98/2/5 調査 197人 '98/5/21調査 246人
…
《長岡市》
《長岡市商店街連合会》
'96.3.29∼ 他
回数券・カード
全国で36社が導入('98.12現在)
…
全国で4地域で導入('98.11現在)
バス需要の拡大に効果が出ている
発行枚数の推移
'96年度平均 約3,600枚/月
'97年度平均 約6,800枚/月
回数券仕様のプリペイドカードが誕生
○割引率 … 9.1%
○回数カードの残高不足の時、定期券で乗り越しを
する時、回数カードでの精算が可能
通勤定期券を持つ人と同伴する
家族の運賃を休日(土日・祝日
など)に限り、割り引く。
ターミナル駅や繁華街周辺など
に限り、一定の乗車距離までの
運賃を大人100円(小人50円)
に値下げする。
バス車内に引換券を設置し、参
加加盟店では定額以上買物をし
た方に、引換券と交換で、お買
物バス券(1枚150円分)を渡す。
乗車時に1区料金分が差し引か
れ、降車時に利用した区数金額
分まで差し引かれる。
資料:車両交通研究所調べ
自動車交通 1999 43
交通の現状 3 . 人・自然との共存
3-1 自動車のリサイクルへの
廃車の適正処理方法、最終処分場の逼迫問題などから、
取り組み
なっている。
自動車は、現在 75%(重量比)という工業製品の中では
使用済自動車のリサイクルの促進が産業界全体の課題に
岩城 千穂
高い比率でリサイクルされているが、樹脂、ゴム、ガラス
などはシュレッダーダストとしてその多くが埋立てられて
いる。この問題に向け、行政、自動車業界、消費者それぞ
れの役割の中で、新しい法制度のもと、新たなリサイクル
の取り組みが求められている。
図1 廃車の規模は年間約 500 万台である。
■ 最終処分場があと数年で満杯になる
4輪車保有台数
(左軸)
4輪車廃車台数
(右軸)
新規登録台数
(右軸)
(万台)
7,000
図2 最終処分場残存容量の見通し
(万台)
800
6,000
新
600
規
廃登
車
録
400
台台
数数
保 5,000
有
台 4,000
数
3,000
2,000
残存容量
残余年数
(年)
(万m3)
25,000
3
20,000
15,000
残存容量
2.5
残余年数
2
1.5
10,000
1
200
5,000
1,000
0
0
0
1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 (年度)
0.5
1992
1996
2000
2004
2008
0
(年)
注)廃車台数:前年度保有台数+当年度新規登録台数─当年度保有
台数
資料:(社)日本自動車工業会「日本の自動車工業平成 10 年版」
注)産業廃棄物全体( 4 億トン)に占める車のシュレッダーダストは
約 80 万トン(0.2%)
資料:厚生省生活衛生局資料
図3 使用済自動車の処理・リサイクルの流れ
図4 使用済自動車リサイクル推進のための役割
廃車(500万台/年)
販売会社 25%
中古車事業者
モータース等 70%
個人 5 %
解体事業者
シュレッダー事業者
産業廃棄物
処理事業者
シュレッダーダスト
解
体
シュレッダー
取り外し
選 別
鉄、非鉄スクラップ
エンジン、
ミッション
シート、
ドア、
タイヤ
ホイール、電装部品
中古部品20%
材料リサイクル55%
政府
埋立
25%
廃現
車在
リの
サ平
イ均
ク的
ルな
率
は
75 ※
%
地方自治体
●処理費用を
負担する。
●キチンと処理
・リサイクルし
てくれる事業
者にわたす。
●法律・制度により社会システ
ムの整備を行う。
●リサイクル技術開発への支援
を行う。
事業者
消費者
クルマの最終使用者
●リサイクルし
やすいクルマ
●カーメーカー/販売会社
をつくる。
●解体事業者
●シュレッダー事業者 ●リサイクルの
ため の 技 術
●廃棄物処理事業者
開発を行う。
注)上図の流れでリサイクルを進め、現在約 75%※ という工業製品の
中でかなり高率のリサイクルを達成している。
(*クルマの重量に
対する比率)
資料:日産自動車「日産リサイクルの本」
資料:通産省「使用済み自動車リサイクルイニシアティブ」'97 年 5 月
表1 使用済自動車リサイクルのための行政目標
表2 日本自動車工業会の取り組み
●適正処理する。
■使用済み自動車のリサイクル数値目標
● 2002年以降の新型車 リサイクル可能率90%以上
● 2002年以降の全ての使用済車 リサイクル率85%以上
● 2015年以降の全ての使用済車 リサイクル率 95%以上
●ダストの埋立て容積の年間総量
2002年に1996年の3/5以下
2015年に1996年の1/5以下
●新型車の鉛使用量(バッテリー除く)
2000年末までに1996年の約1/2以下
2005年末までに1996年の約1/3以下
資料:通産省「使用済み自動車リサイクルイニシアティブ」'97 年 5 月
44
●2002年以降の新型車のリサイクル可能率90%以上を目標と
した製品開発。
●使用済み自動車から発生するシュレッダーダストの減容化と有
効利用技術の実証研究の実施と成果の公開。
●使用済み自動車の部品等の分解・除去、適正処理技術の
研究及び装置の開発、並びにリサイクル関連事業者への
情報提供。
●生産工場から発生する廃棄物の最終処分量を2000年に
おいて、1990年レベルの40%以下を実現。
資料:(社)日本自動車工業会「環境行動計画 1996」
図5 カーエアコン用特定フロン(CFC)の回収・破壊システムの概要
CFC12 を 1 リットルの小型ボンベに回収する場合と、大型ボンベに回収する場合の二通りのケースがあり、各々のケースに対応した二つの
ルートを設定し、どちらかのルートで回収している。(「フロン回収ハンドブック」日本自動車販売協会連合会他発行より)
1リットルボンベルート
回収済みの1リットルボンベを専用パレットに詰め、各回収拠点から指定のエアコンメーカーサービスステーションに宅配便で搬送。
サービスステーションにて1リットルボンベから、大型ボンベに移充填し、専用便で直接工場に搬送する。
回収・破壊
フロン回収機
フロン回収機
<宅配便>
ボンベ
使用済み車
<チャーター便>
ボンベ
販売会社
回収拠点
消費者
(最終使用者)
費用
エアコンメーカー
サービスステーション
フロン回収作業
移充填作業
費用徴収
費用請求
費用請求
(移充填・搬送・破壊)
費用請求
(破壊)
(搬送)
宅配業者
大型ボンベルート
搬送作業
回収済みの大型ボンベを1個単位で各回収拠点から宅配便等で
フロン回収機
直接工場に搬送する。
費用請求
(搬送)
破壊工場
破壊作業
<宅配便>
ボンベ
使用済み車
販売会社
回収拠点
消費者
(最終使用者)
フロン回収作業
費用徴収
費用請求
(搬送・破壊)
図6 使用済み自動車マニフェスト制度の導入
マニフェスト制度は、廃棄物処理法とリサイクル法に基づき、排出された全ての使用済み自動車に 1998 年 12 月より導入された。
(注)マニフェストとは
消費者
「管理票」を表す言葉。マニフェスト制度とは、
(最終使用者)
廃棄物や廃車の処理を業者に委託する場合に、
排出事業者が責任を持ってマニフェストを発行・
回収し、処理状況を把握して、不法投棄や不適
使用済み自動車
正な処理を防止する制度。
消費者へ適正処理と
費用負担の説明
販売会社
適正処理の実施確認と
マニフェスト保管
マニフェスト
マニフェスト
消費者の代わりに
マニフェストの
記入と発行
マニフェスト
信頼できる
処理業者に委託
マニフェスト
マニフェスト
解体事業者
シュレッダー
事業者
自動車交通 1999 45
表3 自動車メーカーにおける自動車リサイクルの取り組み
■ 日産自動車の例
<新型車リサイクル可能率>
●2000年以降リサイクル可能率90%以上
リサイクルしやすい車作り
<新型車の鉛使用量の削減> ※バッテリーを除く
●2002年末までに概ね廃止
使用過程
もどす
設計段階 リサイクルしやすい
(図7参照) 車作りの工夫
(リサイクル)
使用済み
1)解体/分離しやすい車両・部品構造
・部品の単一素材化
・液体が抜き取りやすいドレイン構造
・部品点数の削減及び締結点数の削減
2)再利用しやすい材料の採用
・熱可塑性樹脂の採用促進
・材料種類の削減と統合化
3)材料を識別しやすい工夫
・樹脂部品の素材を表示
リサイクル材を使用した ・ペットボトル等のPET製品をリサイクル
・修理/交換等で回収した樹脂バンパーをリサイクル
部品
環境を汚染しない
適正な解体処理
使用済み部品・材料を
可能な限り再利用
・鉛使用量の大幅削減
有害物質の削減
・バンパーリサイクル活動(図8)
使用過程 販売会社での
/使用済 リサイクル活動
段階
シュレッダー
・特定フロンの回収、破壊(図5)
・使用済み自動車マニフェスト制度の実施(図6)
適正解体研究 ・適正解体の実証工場(図10)
中古部品研究
・中古部品販売アンテナショップの開設
サーマルリサイクル研究 ・直接溶融炉実証研究(図11)
情報提供 リサイクル促進のため
の情報提供 (図9)
サーマルリサイクル
・リサイクル自主行動計画の発行
・解体マニュアルの発行
・リサイクル情報誌の定期発行
図7 リサイクルしやすい車作り
■ 日産自動車の例
分離しやすい工夫
リサイクルしやすいクルマのポイント
●解体しやすいこと
●材料を識別しやすいこと
●分離しやすいこと
●再利用しやすいこと
部品の単一素材化
インストルメントパネルのPP化
フロアカーペットのPET化
従来品
単一素材化
ポリエステル(PET)繊維
ポリエチレン(PE)
または
エチレン・ビニル
アセテートコポリマー(EVA)
再生フェルト
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
ポリエステル(PET)
繊維
ポリエステル(PET)
繊維中間層
ポリエステル(PET)
ファイバークッション
分離しやすい構造
ヘッドレスト表皮とパッドの別体化
新型車鉛使用量の削減
ペットボトル等の
PET製品をリサイクル
1850g
2000
リサイクル材を使用した部品
(日本自動車工業会
調査値)
ダッシュインシュレーター、
フロアカーペット
鉛 1500
使
用
量
1000
g
/
台
325g
シート表皮固定方法の工夫
(クリップ→フック)
再利用しやすい工夫
PP樹脂の統合(30
→6種類)
繊維材料の統合(ダッシュ、
フロアの
吸音材は全てPET繊維)
ポリエステルダッシュインシュレーター
修理、交換等で回収した
樹脂バンパーをリサイクル
500
ポリエステルフロアインシュレーター
トランクトリム、
フットレスト、など
0
’
96年
’
98年
’
02年
新型サニー
平均的乗用車
(1500∼2000cc)
46
生産段階などで発生したフロア
カーペットの端材をリサイクル
材料を識別しやすい工夫
樹脂部品のマーキング
(材料識別表示)
PP…ポリプロピレン
フロアカーペット
表示例:
EPDM…エチレンプロピレンジエンラバー
SAE PP >+EPDMーT20< (耐衝撃性改質剤)
T20…タルク含有量20%
図8 バンパーリサイクル活動
図9 リサイクル促進のための情報提供
■ 回収量推移 ■ バンパーリサイクルの流れ
■日産自動車の例
リサイクル啓発の
パンフレット
(本)
回 収
145,000
150,000
リサイクル啓発の
情報誌
「環境行動計画」の
啓発版パンフレット
120,000
販売会社
サービス
90,000
76,000
※ペレット化
:樹脂として再生した後に
成形しやすい小さな粒状
にすること
60,000
30,000 23,000
0
29,000
34,000
再生
メーカー
使用済み
バンパー
40,000
ペレット化 ※
粉砕
・
再生
他部品に
再利用
新車部品
・エンジンアンダーカバー
・トランクトリム 等
’
92 ’
93 ’
94 ’
95 ’
96 ’
97
(年度)
解
体
作
業
の
衝
と
な
る
冊
子
﹁
自
主
行
動
計
画
﹂
解
説
書
部品メーカー
■ バンパーリサイクル材を使用した部品例
●エンジンアンダーカバー ●フットレスト
●トランクトリム ●バッテリーカバー
図 10 適正解体の実証工場
リサイクル会社と自動車会社共同の適正解体への取り組み
■ 日産自動車の例
① 車種別解体内容指示
・ストック
(商品をいためないためのガレージ)
・中古部品 取り用、材料リサイクル用の仕分け
専門処理事業者へ
,,,,,,
,,,,,,
,,,
,,,
,,,,,,
,,,,,
,,
,,,,,,
③ 適正処理 2 (廃油、廃液抜き取り)
研究
再生
グ
バッ
エア 研究
展開
中古部品取り
工程 C
解体評価場
(リサイクル解体研究)
LLC
・オイル、廃液は中間処理事業者で焼却処理
・フロンガスは専門事業者で高温破壊
中古部品取り
工程 B
イン
理ラ
処
車両保管ヤード
液
廃
油・
廃
屋
燃料抜き工程
・燃料タンクやパイプに残っている燃料の
抜き取りをして工場内で再使用
・タイヤ、バッテリーなどもこのエリアで外す
中古部品取り
工程 A
内
② 適正処理 1(燃料、タイヤ、バッテリー)
④ 中古部品取り
・エンジン・パネル・足まわり等使用できる
部品を効率よく取り出す
・鉛含有部品を外す 置
装
転 り)
反
取
両
品
車
部
古
中
(
外
屋
⑤ 非金属材料リサイクル
・プラスチック等非金属材料取り出し
ラ
ニブ
ガラ
⑥ 金属材料リサイクル
シュレッダー会社へ
材料
材料再処理工場へ
・ニブラでアルミ、鉄、その他に分ける
・金属ガソリンタンク・触媒を外す
・鉄は電炉メーカーへ
・アルミは、精錬メーカーヘ
図 11 サーマルリサイクル研究
シュレッダーダスト
直接
溶融炉
,,
,
,
,,
,
,
酸素富化
空気
2次燃焼炉
蒸気
,,
,,
,,
,,
排気筒
消石灰・活性炭
供給機
排ガス
バグフィルター
,,
,,,水冷ロストル
,,,
,,,
,
,,
,,,
,,
,
,,,,,
,,,
,,
,,,
,,
,,
,,
,,
,
,,
,,
ガス燃料
酸素富化空気
水冷ロストル
発電(タービン)
熱利用(暖房等)
・ 発生する熱エネルギーは、発電及
び暖房などに有効利用(サーマル
リサイクル)。
(排熱ボイラー)
タイル
(リサイクル製品)
スラグ・メタル
スラグ
ホッパー
吸引ファン
ガスクーラー
ガス燃料
酸素富化空気
スラグ排出装置
スラグ
シュレッダー
ダスト
直接溶融炉技術の特徴
・ シュレッダーダストを熱分解から
溶融・スラグ化まで一工程
(直接溶
融)で行い、シュレッダーダスト
を 1/30 の容積に減容化。
メタル
(リサイクル)
飛灰
・ 排ガス中のダイオキシンは0.1ng/
Nm3 以下を達成。
・ 発生するスラグは、道路建設資材
やセラミック化などに材料リサイ
クル。
・ 処理コストは、シュレッダーダス
トの最終処分(埋立)費用以下。
自動車交通 1999 47
交通の現状
騒音苦情件数はここ 10 年は減少傾向にあるが、環境基
3-2 騒音対策
準の達成度は相変わらず低い。
新保 雄二
環境基準の評価方法は、従来の騒音レベル中央値L 50
から、騒音全体量を正確に反映できるなどの理由により、
等価騒音レベル LAeq に変更された。自動車単体の騒音規
制については、総重量 1.7 トン超の小型車等に対して告示
改正が行われ、2000年からの騒音規制強化が決定された。
さらに今後寄与率が大きくなると見込まれるタイヤ単体騒
音について、専門家による調査検討会が設けられた。
図1 1996 年度の騒音苦情件数(15,059 件)のうち、
交通騒音は 1,019 件(6.8%)
交通(6.8%)
自動車 3.0%
航空機 3.0%
鉄 道 0.8%
その他
(23.7%)
深夜営業
(8.4%)
工場等
(39.5%)
建設作業
(21.6%)
1992年度
1085(57.8%)
596(31.8%)
196(10.4%)
1993年度
1100(58.6%)
568(30.3%)
209(11.1%)
1994年度
1072(57.1%)
586(31.2%)
219(11.7%)
1995年度
1096(58.4%)
572(30.5%)
209(11.1%)
4 時間帯すべてで非達成
4 時間帯のすべてで達成
昼
夜
昼
夜
昼
夜
AA
45
35
50
40
50
40
主として住居の用に供せられる
A
地域
50
40
55
45
55
45
相当数の住居と併せて商業、
B
工業等の用に供せられる地域
60
50
63
54
60
50
C 55∼60 45∼50 67
65
60
55
主として住居の用に供せられる
地域及び住居と併せて商業、 D 55∼65 45∼60 67∼72 65∼70 65
工業等の用に供される地域
60
道路に面する地域
図2 継続測定地点
(1877 地点)で見ると、1996 年度
に環境基準が達成された状況は引き続き低い水
準で推移している。
1102(58.7%)
567(30.2%)
現行環境基準 現行環境基準 新環境基準
(L50,T) (LAeq,T換算値) (LAeq,T)
地域の区分
特に静穏を要する地域
資料:環境庁「環境白書 各論」平成 10 年版より作成
1996年度
表1 新しい環境基準は全体として強化されたもの
になる。
一般地域
208(11.1%)
4 時間帯のいずれかで非達成
専ら住居の用に供せられる
地域
幹線道路近接空間の特例
幹線道路近接空間
65
55∼65 45∼60 67∼72 65∼70 70
(45)*(40)*
*屋内へ透過する騒音に係る基準
注)表中 LAeq,T への換算値は地方公共団体等による LAeq,T と L50,T の
同時計測結果により両者の関係式を求めて導出したものである。
資料:「騒音評価手法等の在り方について(中央環境審議会答申)」
環境資源対策 Vol.34,No9(1998)より作成
資料:環境庁「環境白書 各論」平成 10 年版より作成
図3 道路交通騒音問題を抜本的に解決するためには、自動車単体の騒音低減に加え、交通流対策、道路構造
の改善、沿道対策などの諸施策を総合的に推進する必要がある。
■道路交通騒音対策の体系図
道
路
交
通
騒
音
対
策
発生源対策
自動車構造の改善
交通流対策
道路網の整備による対応
物流の合理化による対応
旅客輸送の合理化による対応
交通規制等による対応
基本構造による対応
遮へい施設の設置による対応
道路構造対策
沿道対策
環境施設帯等の設置による対応
路面の改良等による対応
緩衝空間の設置による対応
緩衝建築物の配置による対応
沿道住宅の防音化による対応
資料:環境庁「環境白書 各論」平成 10 年版より作成
48
・許容限度の強化(表2)及び前倒しの実施
・技術開発の推進(図5)
など
・環状道路・バイパスの整備
・流通業務団地の整備等
・公共交通機関の整備促進等
・信号の系統化等
・立体交差点化の推進等
・遮音壁の設置(図6)
・築堤の設置等
・特殊吸音体の設置(図7)
・2層構造道路の高架裏面吸音板設置(図6)等
・低騒音舗装等の敷設(図6)等
・公園の配置、用途地域の指定等における配慮等
・建築物の高さ・開口率等の指定等
・既存住宅の防音工事助成等
図4 定常走行騒音はタイヤ/路面騒音の寄与率が
極めて高い。
大型車
表2 告示改正(1998.12)後の自動車単体騒音許容
限度
単位;dB(A)、
( )内は現行規制値
中型車
許容限度設定目標値
加速
定常
近接
種 別
エンジン等
38%
エンジン等
47%
タイヤ
62%
小型車
全輪駆動車など
大型車 トラック
バス
全輪駆動車
中型車 トラック
バス
軽 総重量1.7トン超
以外 総重量1.7トン以下
小型車
ボンネット型
軽
キャブオーバー型
定員6人超
乗用車
定員6人以下
小型
二輪
自動車
軽
第二種
原付
自転車
第一種
タイヤ
53%
乗用車
エンジン等
20%
エンジン等
32%
タイヤ
68%
タイヤ
80%
資料:環境庁大気保全局
「今後の自動車騒音低減対策のあり方について
(自動車単体対策関係)報告の参考資料」
図5 自動車騒音低減対策例
① 中型バスの対策例
82(83)
81(83)
81(83)
81(83)
80(83)
80(83)
76(78)
76(78)
76(78)
76(78)
76(78)
76(78)
73(75)
73(75)
71(72)
71(72)
83(84)
82(84)
82(84)
80(82)
79(82)
79(82)
74(78)
74(78)
74(78)
74(78)
72(74)
72(74)
72(78.1)
71(75.1)
68(71.1)
65(69.6)
−
−
1998
−
−
2000
2000
1999
1999
2000
1999
1998
−
1998
−
1998
資料:環境庁 自動車騒音低減技術評価検討会「自動車騒音低減技
術に関する第 3 次報告書(概要版)」1998 年 4 月より作成
② 小型車の対策例(遮へい対策例)
車両左側面後部
車両後面
トランスミッションカバー
遮へい範囲拡大
トランスミッション
アッパーカバー
エンジンルーム左側二重隔壁化
その他の
騒音低減対策
トランスミッション
ケース剛性向上
・エンジン対策
・駆動系対策
・吸気系対策
・排気系対策
・タイヤ対策
トランスミッション
アンダーカバー
エンジン・トランスミッション
アンダーカバー吸音材変更
99(107)
99(107)
99(107)
98(105)
98(105)
98(105)
97(103)
97(103)
97(103)
97(103)
96(103)
96(103)
94(99)
94(99)
90(95)
84(95)
施行
予定年
フレキシブル
チューブ追加
マフラー構造変更
路面反射音吸音材追加
オイルパン遮蔽追加
(グラスウール付)
エンジンサイドカバー
オイルパンカバー
資料:環境庁 自動車騒音低減技術評価検討会「自動車騒音低減技術に関する第 3 次報告書(概要版)」1998 年4月
図6 1998 年に販売が開始された国内初の総合的な
道路騒音低減システム
1
2
3
4
図7 吸音パネルの適用例
吸音パネル
既設遮音壁上部のノイズリデューサ
高性能高架裏面吸音板
排水性舗装用高粘度改質アスファルト
弾性舗装材
レ
ー
ン
3
レ
ー
ン
2
受音点
レ
ー
ン
1
1.2m
1.1m
0
レーン1
レーン3
1
1
3
-2
減
音
効
果 -4
3
道路構造
2
(dB)
2
-6
4
3 4
3 4
4
レーン2
7.5
15
22.5
0
受音点と試験車の距離(m)
試験車によるトンネル内の減音効果
資料:
「ブリヂストン、遮音壁などを『騒音低減商品システム』として
販売」月刊タイヤ(1998.7)
資料:日本ガイシ(株)「吸音材の新技術」日本音響学会誌
Vol.54,No.1(1998)
自動車交通 1999 49
交通の現状
3-3 大気汚染改善への取り組み
藤田 知子
日本の大気汚染状況は、CO や HC の濃度は減少傾向に
あるものの、NO2 や SPM による汚染は大都市を中心に厳
しい状況にある。自動車 NOx 法特定地域における自動車
NOx排出量は、規制適合車の割合増加にも関わらず、2000
年度目標値に達していない。
このような中、自動車単体としては排出ガス規制が強化
され、2000 年から施行される。特にガソリン乗用車は現
行規制値に対し約 7 割の大幅削減となる。また、道路施設
による脱硝技術の開発も盛んである。
図1 自動車排出ガス規制によって CO、HC 濃度は自動車排出ガス測定局で減少している。
NO2 濃度については、ほぼ横ばい傾向で推移しており、大都市地域を中心に環境基準達成率が低い水準にある。
■ 非メタン HC 濃度の推移(午前6∼9時における年平均値)
■ CO 濃度の推移(年平均値)
(ppm)
(ppmC)
5
1.0
自動車排出ガス測定局全国平均
自動車排出ガス測定局継続14局平均
4
一般環境大気測定局全国平均
3
0.5
2
1
0’
70
’
75
’
80
’
85
’
90
’
95 ’
96 ’
97
(年度)
資料:環境庁「平成 9 年度大気汚染状況について」1998 年 9 月
■ NO2 濃度の推移(年平均値)
(ppm)
一般環境大気測定局全国平均
0.05
0.03
0.02
局 60
数 40
0.01
20
’
80
’
85
’
90
’
90
’
95 ’
96 ’
97
(年度)
¢Q,À€@
Q,À€@¢¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@ 環境基準達成局 全測定局
100
80
’
75
’
85
資料:環境庁「平成 9 年度大気汚染状況について」1998 年 9 月
0.04
0.00 ’
70
’
80
■ 総量規制 3 地域における NO2 環境基準達成状況
(自動車排出ガス測定局)
自動車排出ガス測定局全国平均
0.06
0’
76
’
95 ’
96 ’
97
(年度)
資料:環境庁「平成 9 年度大気汚染状況について」1998 年 9 月
73
72
76
78
79
80
達成率
(12.5%)
,@€ÀQ¢19 ,@€ÀQ¢
¢Q,À€@ 18¢Q,À€@ ¢Q,À€@ ¢Q,À€@¢Q,À€@ ¢Q,À€@19¢Q,À€@¢Q,À€@ (15.2%)
Q,À€@¢,@€ÀQ¢¢Q,À€@,@€ÀQ¢¢Q,À€@,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢¢Q,À€@,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢ (11.0%)
¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@ ,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢10,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢
¢Q,À€@8,@€ÀQ¢ ¢Q,À€@¢Q,À€@ ,¢QÀ€@¢Q,À€@,¢QÀ€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@ ¢Q,À€@,¢QÀ€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@ ,¢QÀ€@¢Q,À€@,¢QÀ€@¢Q,À€@12
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,
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Q
¢
(26.4%)
@
€
À
Q
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,
@
€
À
,
Q
¢
,
@
€
À
Q
¢
(23.7%)(24.4%)
,¢QÀ€@¢QÀ€@¢Q,À€@,¢QÀ€@¢Q,À€@¢Q,À€@,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢ ,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢¢Q,À€@ ,¢QÀ€@,¢QÀ€@,¢QÀ€@¢Q,À€@,¢QÀ€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@ ,¢QÀ€@,¢QÀ€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@ ,¢QÀ€@,¢QÀ€@,¢QÀ€@,¢QÀ€@¢Q,À€@¢Q,À€@¢Q,À€@,@€ÀQ¢ ,¢QÀ€@,¢QÀ€@,@€ÀQ¢,¢QÀ€@¢Q,À€@,@€ÀQ¢¢Q,À€@,@€ÀQ¢¢Q,À€@¢Q,À€@,@€ÀQ¢,@€ÀQ¢
,@€ÀQ¢ ¢Q,À€@ ,¢QÀ€@ ¢Q,À€@
0 ,
¢Q,À€@
,¢QÀ€@ ,¢QÀ€@ ,@€ÀQ¢ ,¢QÀ€@ ,¢QÀ€@
,¢QÀ€@
’
92
’
93
’
94
’
95
’
96
’
97(年度)
注)総量規制3地域:東京都特別区等、横浜市等、大阪市等
資料:環境庁「平成 9 年度大気汚染状況について」1998 年 9 月
図2 浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)
の年平均濃度は近年ほぼ横ばいで、東京都は全
国を上回って推移している。また、環境基準の達成状況は低い水準で推移している。
■ 全国および東京都の SPM 年平均値の推移
■ SPM の環境基準達成状況
0.18
全国:
0.16
一般環境大気測定局全国平均
自動車排出ガス測定局全国平均
2000
1500
1000
0.14
東京都:
0.12
一般環境大気測定局継続7局平均
自動車排出ガス測定局継続6局平均
500
0
0.10
0.08
(局数)
0.06
300
0.04
200
0.02
100
0.00
’
74’
75
’
80
’
85
資料:環境庁、東京都資料より作成
50
AAA
AAA
AAA
AAA
AAA
AA
AAA
AAA
AAA
AAA
AA
AAA
AAA
AAA
AAA
AAAAAAAAAAAAAA
AA
AAAAAA
AAA
AAA
AA
AAA
AAA
AAA
AAA
AA
AAA
AAA
AAA
AAA
AA
AAA
AAA
AAAAAAAAAAAAAA
AAA
(局数) 一般環境大気測定局
(mg/m3)
’
90
’
95 ’
96 ’
97
(年度)
0
1441
1485
1511
1533
1508
924
840
918
960
1070
達成率
58.3%
61.8%
63.5%
69.8%
'93
'94
'95
'96
自動車排ガス測定局
190
210
216
'97(年度)
229
246
97
81
69
76
達成率
40.5%
32.9%
35.2%
42.4%
'93
'94
'95
'96
77
61.3%
全測定局
環境基準達成局
32.9%
'97(年度)
資料:環境庁「平成9年度大気汚染状況について」1998 年 9 月
図3 走行量に対し、ディーゼル車は NOx 排出量が
多い。
ディーゼル車
図 4 NOx 法に基づく、特定地域内における使用車
種規制の進捗状況
ガソリン・LPG車
基準適合車
391億台km/年
(76%)
125億台km/年
走行量
(516億台km/年) (24%)
14,600トン/年
(32%)
注)1995 年度都内全域
資料:東京都「東京都自動車公害防止計画」
29.9%
70.1%
58.8%
'96年3月
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)
22.2%
77.8%
'98年3月
'97年3月
30,400トン/年
(68%)
NOx排出量
(45,000トン/年)
基準非適合車
41.2%
36.9%
'93年12月
(推定値)
0
10
20
63.1%
30
40
50
60
70
80
90
100(%)
資料:運輸省
図5 光触媒による NOx 除去実験。持続性のある効果が確認されている。
■塗料別週間 NOx 除去量
単位:μmol/週/ピース(1ピースは20cm角の大きさ)
350
300
250
200
■実験中の様子
塗料の種類
A
B
C
E
F
A-50
K
150
100
50
0
1
10
20
30
40
50(週)
資料:東京都板橋区 資源環境部 環境保全課
写真:MMBC(マルチメディアブロードキャスティング)
表1 自動車排出ガス規制が強化される。ガソリン車・LPG 車については 1998 年 9 月に量の許容限度目標値が
公示され、ディーゼル車については 1998 年 12 月に中央環境審議会により規制強化の答申が行われた。
■ガソリン・LPG 自動車
車種区分
乗用車
軽貨物車
軽量車
(GVW≦1.7t)
中量車
(1.7t<GVW≦3.5t)
重量車
(3.5t<GVW)
成分
CO
HC
NOx
CO
HC
NOx
CO
HC
NOx
CO
HC
NOx
CO
HC
NOx
■ ディーゼル自動車
目標値
0.67
0.08
0.08
3.30
0.13
0.13
0.67
0.08
0.08
2.10
0.08
0.13
16.0
0.58
1.40
削減率
68
68
68
49
48
48
68
68
68
68
68
68
69
68
69
施行年月日
新型車
2000.10.1
継続生産車 2002. 9.1
輸入車
2002. 9.1
新型車
2002.10.1
継続生産車 2003. 9.1
輸入車
2002. 9.1
新型車
2000.10.1
継続生産車 2002. 9.1
輸入車
2002. 9.1
新型車
2001.10.1
継続生産車 2003. 9.1
輸入車
2002. 9.1
新型車
2001.10.1
継続生産車 2003. 9.1
輸入車
2002. 9.1
注1)目標値は「平均規制値」、削減率は「現行規制値に対する削減率」
注2)単位は、測定モード 10・15 モード:g/km
(重量車のみ G13 モード:g/kWh)
削減率:%
注3)GVW(車両総重量):車両重量+最大積載量+乗車定員×55kg
資料:環境庁「自動車排出ガスの量の許容限度の改正について」1998年9月
■耐久走行距離の大幅延長
車種区分
乗用車
ト
GVW≦2.5t
デ
ラ
ィ
2.5t<GVW≦3.5t
ッ
ー
ク
3.5t<GVW≦8t
ゼ
・
ル
8t<GVW≦12t
バ
ス
12t<GVW
ガ 乗用車
ソ ト
GVW≦2.5t
リ ラ バ
ン ッ・ス 2.5t<GVW≦3.5t
・
3.5t<GVW≦8t
LPG ク
現行 改定後
3万km
2万km 8万km
3万km
25万km
45万km
65万km
3万km
2万km
8万km 注)耐久走行距離:累積走行距離が
その値までは、規制値の排出ガス性
18万km 能を維持しなければならない
資料:中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」
(第二次
答申)1997.11、(第三次答申)1998.12
車種区分
成分
NOx
PM
HC
乗
CO
用
NOx
車 中型車
PM
HC
(1.25t≦EIW)
CO
NOx
軽量車
PM
HC
(GVW≦1.7t)
CO
NOx
ト 中量車
PM
ラ (1.7t<GVW≦2.5t) HC
ッ
CO
ク
・
NOx
バ 重量車
PM
ス
(2.5t<GVW≦12t) HC
CO
小型車
(EIW≦1.25t)
重量車
(12t<GVW)
NOx
PM
HC
CO
新短期目標
新長期目標
目標値 削減率
時期
0.28
30
○2007年頃を目途に、
新短期目標の1/2
0.052
35
2002年末 程度を目途に技術
0.12
70
開発を推進
0.63
70
0.30
25
○具体的な目標値、
0.056
30
2002年末 達成時期等は、
0.12
70
2002年度末を目途
0.63
70
に決定
0.28
30
0.052
35
2002年末 ○削減率
(1997∼1999年規制比)
0.12
70
NOx 60%強
0.63
70
PM 60%強
0.49
30
HC 80%強
0.06
33
2003年末 CO 80%強
0.12
70
0.63
70
3.38
25
0.18
28
2003年末
0.87
70
2.22
70
44 *1
3.38
32 *2
25 *3
2004年末
74
0.18
28
0.87
70
2.22
70
*1…直噴式 1994 年規制値に対する削減率
*2…副室式 1994 年規制値に対する削減率
*3…1999 年規制値に対する削減率
注1)答申の目標値が、WTO 通報等の諸手続を経て、大気汚染防止に基づく環
境庁告示「自動車排出ガスの量の許容限度」で告示され、
「平均規制値」 となる。
注2)単位は、測定モード 10・15 モード:g/km
(重量車のみ D13 モード:g/kWh)
削減率:%
注3)EIW(等価慣性重量):等価慣性重量 1.25t 以下=車両重量 1.265t 以下
資料:中央環境審議会
「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」
(第三次
答申)1998 年 12 月
自動車交通 1999 51
交通の現状
日本のエネルギー供給源は、55%が石油であり、またそのほ
3-4 エネルギー効率の改善
とんどを輸入に頼る構造となっている。
しかも依然としてエネ
藤田 知子
ルギー消費量は増加傾向であり、石油依存度の低減に加え、最
近では地球温暖化防止の観点からも、
省エネの推進が強く求め
られている。
国内石油需要の3割を占める自動車については、1999年4月
から施行予定の改正「省エネルギー法」において厳しい燃費目
標が設定された。しかし自動車単体の改善だけでなく、交通シ
ステムの改善や使い方の工夫を含めた省エネが必要である。
図1 日本ではエネルギー供給源の 55%を石油に依存。
■一次エネルギー供給比率(1996 年度)
水力 3.4%
図2 最終エネルギー消費量は依然増加傾向。2010
年度に向けて 56 百万 kl(原油換算)の省エネ
を推進していく。
■最終エネルギー消費量の推移
地熱など 1.3%
500 (原油換算100万kl)
400
350
天然ガス
11.4%
456
450
原子力
12.3%
一次エネルギー
総供給量
597百万kl
(100%)
300
250
石油
55.2%
200
393 112 400
376 388
358 360 362
349
95
96
325 336
91 94
301 294 308
80 84 86 87
285
77
72
131
47 60 66 69
113
97 102 102
94
89
85
93
80 82
52 63
72 76
運輸
民生
産業
150
石炭
16.4%
100 187 178 156 163 173 178 183 185 181 181 188 192 195 213 192
50
0
’
73 ’
79 ’
86 ’
87 ’
88 ’
89 ’
90 ’
91 ’
92 ’
93 ’
94 ’
95 ’
96 2010 2010 年度
(基準ケース)
(追加施策ケース)
注)値は原油換算したもの。
資料︰資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」平成 9 年度版より作成
注)産業部門には非エネルギー向け消費を含む。
資料︰ 9 5 年度までの実績は資源エネルギー庁「総合エネルギー統
計」平成 8 年度版より作成
96 年度実績、見通しは通産省「総合エネルギー調査会需給部
会中間報告」平成 10 年 6 月改定
図3 石油の国内需要に占める自動車の割合が増加
している。
図4 自家用自動車、自家用トラックの利用におけ
るエネルギー効率の向上が重要。
■石油の国内需要の推移(用途別)
■エネルギー消費原単位の比較(1996 年度)
(原油換算100万kl)
21.6
26.9
28.3
30.6
31.2
350
300
287
304
304
303
電力
都市ガス
260
250
(%)
50 自
31.8 40 動
30 車
20 の
10 割
0 合
231
家庭・業務
鉱工業
農林・水産
船舶・鉄道等
航空機
自動車
100
50
’
80
’
85
資料︰石油連盟資料より作成
52
旅客
営業用バス
自家用自動車
エネルギー
消費量
分担率
70
輸送量
(人km)
分担率
48
0
石 200
油
需
要 150
0
●
’
90
’
94
’
95
’
96 年度
●
40
貨物
エネルギー
消費量
分担率
自家用トラック
輸送量
(トンkm) 13
分担率
0
2 7
5
20
21
28
60
19
80
44
41
4
40
100(%)
海運
航空
鉄道
営業用トラック 1
45
20
鉄道
その他
60
9
42
80
資料︰運輸省「運輸関係エネルギー要覧」平成 10 年版
1
0.2
100(%)
表1 ガソリン乗用車・貨物車およびディーゼル乗用車・貨物車に、「省エネ法」の改正によるトップランナー
方式を導入した新燃費目標が設定された。
■ ガソリン乗用車の目標基準値< 2010 年度>
区分(車両重量kg)
∼720
721∼
827
828∼
1015
1016∼
1265
1266∼
1515
1516∼
1765
1766∼
2015
2016∼
2265
2266∼
平 均
目標基準値( km/ l)
21.2
18.8
17.9
16.0
13.0
10.5
8.9
7.8
6.4
15.1
向上率(’
95年度比)
(%)
11.0
11.9
14.0
24.0
30.0
23.5
20.3
18.2
12.3
22.8
■ ディーゼル乗用車の目標基準値< 2005 年度>
1016∼
1265
1266∼
1515
1516∼
1765
1766∼
2015
2016∼
2265
2266∼
平 均
18.9
16.2
13.2
11.9
10.8
9.8
8.7
11.6
2.7
10.2
12.8
13.3
17.4
16.7
14.5
14.9
区分(車両重量kg) ∼1015
目標基準値( km/ l)
向上率(’
95年度比)
(%)
注 1)貨物車は、車両総重量 2.5 t以下について AT・MT 別に目標基準値が設定されている。
注 2) トップランナー方式:最良のエネルギー消費効率の製品かそれ以上の水準を基準に目標を設定する考え方。
注 3)平均: 出荷台数比率が '95 年度と同じと仮定した場合の値。
資料: 総合エネルギー調査会自動車判断基準小委員会・運輸技術審議会燃費基準小委員会/第 6 回合同小委員会資料(1998.12.2)
図5 車両の技術開発や道路建設によるエネルギー効率の改善が進められている。
■車両の技術開発による燃費改善効果
新燃焼方式などの新しいディーゼルエンジン技術を採用すること
で、従来のディーゼル車に比べ、燃費を約40%向上させることが
実現した。
●燃費(km/l)の改善効果
(10・15 モード/社内比較による参考値)
■道路建設によるエネルギー効率改善効果
阪神高速11号池田線の延伸(7.4km)で、年間ガソリ
ンドラム缶約7万本(13,000kl)の節約
国
道
42
号 3
国
道
173
号
● NEO-Di
(直噴ディーゼルエンジン)
阪神高速11号
池田線延伸区間
(1998年4月2日)
+約60%
国
中国自
動車道
17
道
+約40%
池田木部
池田
号
171
6号
←宝塚
国道
神田
1号
17
吹田→
道
国
大
阪
空
港
11
空港 国
分岐 道
176
号
池田線
名神高速道路
NEO Di車
従 来 ガソリン車
ディーゼル車
資料︰日産自動車(株)
豊中
←西宮
(日産プレサージュに搭載)
吹田→
資料︰阪神高速道路公団ホームページ
表2 効率を高めるため、走り方を変える工夫が求
められる。
■ アイドリング 10 分間あたりの燃料消費量
図6 都市内での物流の効率化が課題。
■ トラックの積載効率(終日平均)
(%)
100
乗用車(ガソリン車)
0.14 リットル
小型トラック(2 トン車)
0.08 ∼ 0.12 リットル
75
中形トラック(4 トン車)
0.13 ∼ 0.17 リットル
50
大型トラック(10 トン車)
0.22 ∼ 0.30 リットル
注)1996 年度中に「アイドリング・ストップ運動」に関し、何らか
の取り組みを行った団体・企業の報告は 763 件。(環境庁調べ)
資料:環境庁「アイドリングストップ運動」
71.3
25
0
21.1
都市内小型貨物
地域圏間普通貨物
資料:建設省「道路交通センサス」
自動車交通 1999 53
交通の現状
日本における’
96 年度の CO2 排出総量は’
90 年度比 9.8%
3-5 地球温暖化への取り組み
増加、その 2 割を運輸部門が占めている。通産省がまとめ
藤田 知子
た部門別 CO2 排出削減策によると、運輸部門は 2010 年度
に’
95 年度レベルで安定化させるべく対策の推進が求めら
れている。
’
98 年 11 月にはブエノスアイレスで COP4 が開催され、
COP3 で残された排出権取引などの課題について、COP6
(2000 年)までに最終決定するとした「ブエノスアイレス
行動計画」が採択された。
図1 途上国で CO2 排出量の増加率が高まっている。
先進国とともに取り組みが必要。
図2 日本の CO2 排出量は世界の 4.8%を占めている。
■ 世界各国の CO2 排出量(1995 年)
■ 世界の地域別 CO2 排出量
(炭素換算億トン)
120
Non-OECD(2010、2020年はNon-OECDに旧ソ連を含む)
(単位%)
アメリカ 21.9
旧ソ連
100
OECD
その他
32.4
80
世界合計
64億トン
(炭素換算)
中国 13.6
60
40
20
0
’
70 ’
75 ’
80 ’
85 ’
86 ’
87 ’
88 ’
89 ’
90 ’
91 ’
92 ’
93 ’
94 ’
95 2010 2020(年)
フランス 1.4
メキシコ 1.5
韓国 1.5
イタリア 1.7
カナダ 1.9
ウクライナ 1.9
英国 2.3
ドイツ 3.5
インド 3.9
ロシア 7.7
日本 4.8
注)2010 年、2020 年は、現行施策推進ケースでの値
資料:OECD「Environmental Data」1993、同 1997、IEA「World
Energy Outlook」1998 より作成
資料:環境庁資料
図3 1人当たりの CO2 排出量は米国、カナダで多い。
■ 世界各国の人口一人当たりの CO2 排出量
図4 1996 年度の日本の CO2 排出量は、1990 年度
比 9.8%増。
(1994 年)
■ 日本の CO2 排出量の推移
0
1
2
3
アメリカ
カナダ
ロシア
5.3
4.2
3.0
2.7
ドイツ
イギリス
日本
ポーランド
南アフリカ
2.6
2.4
2.4
2.1
2.1
1.9
韓国
イタリア
フランス
メキシコ
中国
インド
1.5
1.1
0.7
0.3
資料:環境庁「環境白書 総説」平成9年版
54
(炭素換算トン /人)
6
4
5
(炭素換算百万トン)
360
350
340
2.48
2.52
2.55
313.0
317.0
2.65
2.65
331.1
332.8
2.50
330
排
出 320
総
量 310 306.7
︵
棒 300
︶
(炭素換算トン)
2.8
336.8
2.6
一
2.4 人
当
た
2.2 り
排
出
2.0 量
︵
1.8 折
線
︶
311.9
290
280
1.6
270
260
2.68
’
90
’
91
資料:環境庁資料
’
92
’
93
’
94
’
95
1.4
’
96(年度)
図5 民生・運輸部門の CO2 排出割合が高まっている。1996 年度の運輸部門の内訳では自動車が 88%を占め
ている。
■ 日本の CO2 排出量
1990年度
■ 運輸部門の CO2 排出量(1996 年度)
1996年度
エネルギー その他(統計誤差等)
エネルギー その他(統計誤差等)
転換 6.9% 0.8%
転換 6.7% 1.4%
廃棄物 1.1%
廃棄物 1.8%
工業プロセス
工業プロセス
運輸
運輸
5.2%
4.9%
19.0%
20.6%
民生(業務)
11.1%
排出総量
3億700万トン
(炭素換算)
民生(家庭)
12.3%
民生(業務)
11.6%
内航海運 6%
民鉄 1%
バス 2%
全体に占める
自動車の割合
88%
排出総量
3億3,700万トン
(炭素換算)
民生(家庭)
12.8%
産業
43.6%
産業
40.2%
資料:環境庁資料
航空 3%
JR 2%
乗用車
46%
貨物車
40%
資料:運輸省「運輸関係エネルギー要覧」平成 10 年版、
(財)運輸経済研究センター「環境と運輸・交通」
より作成
表1 京都議定書に盛り込まれた温室効果ガス削減目標は、日本▲ 6%、米国▲ 7%、EU ▲ 8%。政府は日本
の削減目標達成に向け、具体策を示した。
■ 気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)の概要
会 期:1997年12月1日∼11日
場 所:国立京都国際会館
参加国:161ヶ国(締約国155ヶ国、非締約国6ヶ国)
京都議定書の概要:
温室効果ガス6種類
対象ガス
(CO2、メタン、亜酸化窒素、 HFCs、PFCs、SF6)
目標年
2008年∼2012年
基準年
1990年(HFCs、PFCs、SF6は1995年としてもよい)
先進国全体で5%以上削減
(日本▲6%、米国▲7%、EU▲8%、
数値目標
カナダ▲6%、ロシア0%等)
*1990年以降の新規の植林などによるCO2吸収を一部
考慮する。
先進国間での「排出権取引」、「共同実施」およびい
数値目標達成の
わゆる途上国との共同実施である「クリーン開発メカ
ための柔軟性
ニズム」を導入
資料:(財)日本エネルギー経済研究所 第 27 回エネルギー懇談会(’98
年 3 月)資料ほか
図6 運輸部門が 2010 年度に 1995 年度レベ
ルに抑えるためには、追加施策の推進
が必要。
■ 日本政府による 6%削減に向けた地球温暖化対策
(2010 年頃)
1990年比
(%)
対 策
0.0
▲ 0.5
エネルギー起源のCO2排出抑制
メタン、亜酸化窒素などの排出抑制
革新的技術開発、国民各層における
更なる努力
▲ 2.0
代替フロンなど3ガス
(HFC、PFC、
SF6)
の排出抑制
2.0
植林などによる吸収源
▲ 3.7
共同実施、クリーン開発メカニズム、
排出権取引の活用
▲ 1.8
合 計
▲ 6.0
注)京都議定書の規定では 0.3%。3.7%分確保するためには今後の
国際交渉で合意が必要。
資料:通産省「総合エネルギー調査会需給部会中間報告」平成 10 年 6 月
表2 運輸部門の具体的な CO2 削減策のうち、3 割を自動
車単体が占めている。
■ CO2 排出削減に向けた具体的追加施策(通産省)
■ 運輸部門における CO2 排出量推移と見通し
(炭素換算百万トン)
90
80
81 現行施策
(基準)
ケース
70
60
68 追加施策
ケース
50
40
30
20
10
0
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2010(年度)
資料:(財)日本エネルギー経済研究所資料
注)
CO2削減量(炭素換算万トン)
法的措置による省エネの義務付け
産業 省エネ法に基づく措置の強化等による省エネ対策の実施
民生 省エネ法に基づく機器の効率改善の強化措置
運輸 省エネ法に基づく自動車の燃費改善の強化措置 *
省エネルギーの誘導
産業 中堅工場等の省エネ対策 など
民生 住宅の省エネ性能の向上 など
運輸 クリーンエネルギー自動車の普及促進 *
個別輸送機器のエネルギー消費効率の向上
高性能電池搭載型電気自動車等の技術開発 *
間接的措置による省エネルギーの誘導
運輸 物流の効率化
交通対策
情報通信を活用したテレワークの推進
国民のライフスタイルの抜本的変革
民生 冷房28度以上への引上げ、暖房20度以下への引下げ等
運輸 駐停車時のアイドリングストップ
自動車利用の自粛等
2,720
1,430
970
320
1,630
220
1,270
60
50
30
670
250
310
110
640
500
30
110
注)*印が自動車単体を対象とした施策
資料:日本原子力情報センター講演会資料ほかより作成
自動車交通 1999 55
高効率化・クリーン化を実現する技術・制度関連資料
図1 高効率・クリーン化を実現するさまざまな車
両・技術の開発が進められている。
NOX
低公害車(広義)
低
■自動車の環境保全に関する技術開発
名 称
ディーゼル ディーゼル
高
レ
ベ
ル
図2 日米欧では燃費目標を2∼3倍におき、車両
の開発に取り組んでいる。
DI
IDI
高効率クリーン
日本 エネルギー自動車
(通産省)
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
ガソリン リーンバーン
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
DI
低公害車(狭義)
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
ガソリン車
〈代替エネルギー車〉 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
(三元触媒)
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
メタノール
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
天然ガス ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
HEV
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
低NOX車
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
EV・FCV
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
高
低
レベル
CO2
目標
候補技術例
燃費 直噴オットー
2∼3倍
直噴ディーゼル
PNGV
(Partnership for a New
米国
Generation Vehicles)
(DOE)
燃費
3倍
The Car of Tomorrow
欧州 3リッターカー(100km/ l)
(EU)
燃費
3倍
二次電池EV
燃料電池EV
ハイブリッドEV
車体の軽量化
注1)オットー:いわゆるガソリンエンジンのことで、正式な言い方。
注2)EV:電気自動車
表1 電気自動車は環境改善性が高い。その反面、一充電航続距離が短いことや価格が高いことが課題。
ガソリン自動車を基準:□ 劣る ▲←△←□→○→◎ 優れる
燃 料
車両駆動システム
オットー
ガソリン
オットー/モーター(ハイブリッド)
LPG
オットー
ディーゼル
軽油
ディーゼル/モーター(ハイブリッド)
天然ガス(CNG) オットー
メタノール
オットー
改質器+燃料電池+モーター
水素
オットー
燃料電池+モーター
電気(二次電池) モーター
排出ガス
都市環境
NOx
□
○
□
▲∼△
△
□
□
◎
□
◎
◎
HC/CO
□
○
□
□
□
□
□
◎
◎
◎
◎
地球環境
航続
距離
車両
価格
燃費・CO2
□
◎
□
○
○∼◎
○
□
○
○
◎
◎
燃料
供給
設備
□
○
△∼□
○
○
▲
△
△
▲
△
▲
□
□
△
□
□
▲
▲
▲
▲
▲
▲
□
△
△∼□
□
△
△
△
▲
▲
▲
▲
注1)オットー:いわゆるガソリンエンジンのことで、正式な言い方。 3)メタノールおよび水素の原料は天然ガス。
2)CO2 は燃料のライフサイクルを考慮した。 4)二次電池電気自動車は、日本の発電のエネルギー構成の場合。
図3 低 NOx と低燃費を両立する電気自動車
■日産ルネッサ EV
一充電航続距離
高性能リチウムイオン電池搭載により、
1度の充電で230kmの航続距離を実現
エネルギー効率
A4ノートサイズの超小型ネオジム磁石
同期モーター搭載により、エネルギー
効率90%以上を実現
充電方式
パドルを軽く挿入するだけで簡単に充電
できる、非接触タイプのインダクティブ
充電器を採用
図4 低 NOx と低燃費を両立しつつ、ガソリン車並
みの性能を実現するハイブリッド電気自動車
■パラレルハイブリッドのシステム構成
バッテリー
インバーター
駆動モーター
発電機
エンジン
クラッチ
ベルト式
変速機構
モータ内蔵 CVT
56
電動油圧
ポンプ
図5 技術開発により燃料電池の出力密度は飛躍的
に向上、車載可能なレベルとなった。
■ PEM 型燃料電池における出力密度の進化
1000
1000
PNGV Goal
’
90
■低公害・代替エネルギー車の普及台数
(台)
出
力 800
密
度
︵ 600
W
/
ガソリンエンジン
リ 400
ッ
ト
140
ル 200 85
︶
0
’
88
図6 ハイブリッド自動車は 1997 年 12 月に乗用車
タイプが販売され、1997 年度の保有台数が大
きく伸びた。また、天然ガス自動車の普及も
進んでいる。
4000
570
3500
電気
ハイブリッド
3000
圧縮天然ガス
メタノール
2500
2000
290
1500
1000
’
92
’
94
500
’
96年
注1)PEM:Proton Exchange Membrance
2)ガソリンエンジン:日産自動車 SR20DE 型
3)PNGV:米国の高効率自動車の共同開発プログラム
資料:Ballard Power Systems
0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
(年度末)
資料:運輸省「運輸関係エネルギー要覧」平成 9 年版、環境庁資料
表2 国や地方自治体によって、低公害車に対する助成が行われている。
■低公害車の導入に対する助成措置(1998 年度)
施策名および実施主体
低公害車普及促進
事業費補助
<環境庁>
対象地域および対象者
対象車種(*はリース事業を含む)
助 成 率
自動車NOx法特定地域 低公害車:
●一般車両との差額の1/2
公害防止計画地域
電気、天然ガス、
メタノール、ハイブリッド ●スタンド工事費の1/2
●自治体(5台以上まと スタンドの設置
めて導入すること)
大気環境パトロールカー 公害防止計画地域
の購入補助
その他地域
<環境庁>
●自治体
低公害車
普及(助成)事業
<公害健康被害
補償予防協会>
予防事業地域
●自治体
●民間事業者
クリーンエネルギー
自動車普及事業
<通産省>
全国
●自治体
●民間
低公害車
●公害防止計画地域:基準額の1/2
●その他地域:基準額の2/3
注)基準額は環境庁が設定
低公害車:
●低公害車普及事業
電気(ゴミ、小型、軽、
スクーター)
(例)電気ゴミ収集…1050万円×購入台数
*天然ガス(ゴミ、
トラック、小型、軽)
メタノールゴミ収集車…220万円× *メタノール(ゴミ、
トラック、小型、
スタンド)
リース台数×リース月数÷12
●低公害車助成事業…上記の額の1/2
ハイブリッド
(ゴミ、
トラック、バス)
クリーンエネルギー自動車:
●一般車両との差額の1/2
電気、天然ガス、
メタノール、ハイブリッド ●スタンド工事費の1/2
スタンドの設置
トラックに対する低公害 全国
低公害車:
●リース料の1/2
車導入促進事業
●都道府県トラック協会 *電気、*天然ガス、*メタノール、*ハイブリッド ●購入価格の1/10または80万円の低い方の額
<運輸省>
の会員
メタノールスタンドの設置
●トラック協会が設置するスタンド:設置費の4/5
●トラック事業者が設置するスタンド:設置費の1/10
資料:環境庁、通産省、運輸省編「低公害車ガイドブック 1998」より作成
■低公害車の導入に対する税制上優遇措置(1998 年度)
種 類
対 象
内 容
期 間
低公害車
地方税
(電気、天然ガス、メタノール、ハイブリッド)
(自動車取得税)
① 電気、天然ガス、メタノール:2.4%の軽減 ① 1999 年 3 月 31 日まで
②ハイブリッド(トラック、バス):2.4%の軽減
②、③ 2000 年 3 月 31日まで
③ハイブリッド(乗用車):2.0%の軽減
●低公害車
国 税
(電気、天然ガス、メタノール、ハイブリッド)
(法人税、所得税)
●スタンド(天然ガス、メタノール)
初年度30%の減価償却の特例または、7%の
所得税(法人税)の特別控除
2000 年 3 月 31 日まで
資料:環境庁、通産省、運輸省編「低公害車ガイドブック 1998」より作成
自動車交通 1999 57
Page
1. 日本の旅客・貨物輸送量 …………………………………60
1-1 日本の旅客輸送量(輸送人員・人キロ) …………………60
1-2 日本の貨物輸送量(輸送トン数・トンキロ) ……………62
2. 各国の旅客・貨物輸送量 …………………………………62
2-1 各国の旅客輸送量(輸送人キロ) ………………………62
2-2 各国の貨物輸送量(輸送トンキロ) ……………………63
3. 日本および各国の自動車走行台キロ ……………………64
3-1 日本の自動車走行台キロ …………………………………64
3-2 各国の自動車走行台キロ …………………………………64
4. 日本の自動車交通量 ………………………………………65
4-1 道路種別自動車交通量・ピーク時平均旅行速度 …………65
4-2 主要都市の自動車交通量・ピーク時平均旅行速度 ………64
5. 日本および各国の道路 ……………………………………66
5-1 日本の道路延長 …………………………………………66
5-2 各国の道路延長 …………………………………………66
5-3 日本の道路投資額の推移 …………………………………67
6. 日本および各国の自動車保有台数 ……………………67
6-1 日本の自動車保有台数 …………………………………67
6-2 各国の自動車保有台数 …………………………………68
7. 日本の運転免許保有者数 …………………………………68
8. 日本の交通事故
…………………………………………69
8-1 交通事故発生件数・死者数・負傷者数 ……………………69
8-2 年齢層別・状態別死者数 …………………………………69
9. 各国の交通事故死者数 ……………………………………70
10. 日本の交通安全施設等整備状況 ………………………70
11. 日本の駐車場整備状況 …………………………………71
11-1 駐車容量の推移 …………………………………………71
11-2 パーキング・メーター、パーキング・チケット設置基数 …71
11-3 主要都市の駐車場整備状況 ……………………………71
12. 日本人の生活時間における移動時間 …………………72
12-1 日本人の生活時間の変化 ………………………………72
12-2 各層別移動時間 …………………………………………73
13. 日本人の家計における交通・通信費 ……………………73
13-1 交通・通信に関わる消費者物価の推移 …………………73
13-2 家計における交通・通信費 ……………………………74
14. 自動車電話の普及状況
14-1 日本の通信市場の推移
…………………………………74
…………………………………74
15. 日本および各国のエネルギー消費量
…………………75
15-1 日本の輸送機関別エネルギー消費量 …………………75
15-2 各国のエネルギー消費量 ………………………………75
16. 交通関係年表(1998 年1月∼ 12 月) …………………76
17. 日本の高規格幹線道路網
………………………………80
統計・資料
統計・資料
1. 日本の旅客・貨物輸送量
1-1 日本の旅客輸送量
輸送人員(1,000人、%)
自動車
バス
乗用車計
営業用
自家用
登録車
軽自動車
7 900 743 (38.9)
14 863 470 (48.3)
24 032 433 (59.2)
28 411 450 (61.5)
33 515 233 (64.8)
34 678 904 (64.4)
6 290 722
10 557 428
11 811 524
10 730 770
9 903 047
8 780 339
1 610 021
4 306 042
12 220 909
17 680 680
23 612 186
25 898 565
1 205 255
2 626 631
4 288 853
3 220 221
3 426 567
3 256 748
404 766
1 679 411
7 932 056
14 460 459
20 185 619
22 641 817
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
49 164 738 (70.9)
52 217 608 (71.4)
55 828 655 (72.3)
55 767 427 (71.6)
8 469 516
8 537 892
8 571 890
8 558 007
30 379 055
32 635 364
35 497 519
36 203 558
3 342 320
3 326 220
3 300 500
3 223 166
25 272 383
27 482 654
30 299 440
30 847 009
1 764 352
1 826 490
1 897 579
2 133 383
57 555 953 (71.6)
58 841 075 (72.0)
59 284 686 (72.1)
59 934 869 (72.4)
61 271 653 (72.8)
8 581 527
8 444 624
8 224 853
7 835 945
7 619 016
37 738 091
39 195 780
40 120 796
41 468 428
43 054 973
3 177 338
3 041 414
2 921 600
2 821 934
2 758 386
31 703 753
32 686 088
33 126 915
34 004 081
35 018 454
2 857 000
3 468 278
4 072 281
4 642 413
5 278 133
1996
1997
61 542 541 (72.9)
62 199 844 (73.5)
7 492 001
7 350 681
43 735 581
45 117 374
2 684 353
2 614 960
35 071 869
35 869 364
5 979 359
6 633 050
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
輸送人キロ(100万人キロ、%)
自動車
バス
乗用車計
営業用
自家用
登録車
軽自動車
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
55 531 (22.8)
120 756 (31.6)
284 229 (48.4)
360 868 (50.8)
431 669 (55.2)
489 260 (57.0)
43 998
80 134
102 893
110 063
110 396
104 898
11 533
40 622
181 335
250 804
321 272
384 362
5 162
11 216
19 311
15 572
16 243
15 763
6 370
29 406
162 024
235 232
305 030
368 600
1987
1988
1989
1990
718 478 (64.8)
782 033 (65.7)
845 123 (66.7)
853 060 (65.7)
102 895
107 221
109 130
110 372
456 030
501 388
556 031
575 507
16 055
16 056
15 922
15 639
421 782
465 901
519 351
536 773
18 193
19 431
20 758
23 095
1991
1992
1993
1994
1995
869 337 (65.3)
888 279 (65.6)
889 873 (65.6)
896 751 (65.9)
917 419 (66.1)
108 212
106 637
102 909
99 781
97 288
595 481
617 551
626 979
640 384
664 625
16 055
15 645
15 166
14 338
13 796
548 805
564 654
567 999
576 710
594 712
30 621
37 252
43 814
49 336
56 117
1996
1997
931 721 (66.1)
944 972 (66.6)
94 892
92 900
684 177
704 127
13 277
12 818
606 741
618 615
64 159
72 694
資料:運輸省「陸運統計要覧」、「自動車輸送統計年報」他
注)1.1987 年度より自動車には軽自動車および自家用貨物車を含む。
2. 鉄道の輸送人員・人キロの 1987 年度分以降は、JR 各社間の重複等
があり、前年度までと連続しない。
60
3. 旅客船の輸送量については 1970 年度までは定期のみ、1975 年度から
は定期と不定期の合計。なお 1965 年度までの輸送人キロは、輸送人
員に 27km
(1人平均輸送キロ)を乗じて推計した。
鉄道
旅客船
航空
合計
自家用貨物車
登録車
軽自動車
12 290 380 (60.6)
15 798 168 (51.3)
16 384 034 (40.3)
17 587 925 (38.1)
18 004 962 (34.8)
18 989 703 (35.3)
98 887 (0.5)
126 007 (0.4)
173 744 (0.4)
169 864 (0.4)
159 751 (0.3)
153 477 (0.3)
1 260 (0.01)
5 194 (0.02)
15 460 (0.04)
25 467 (0.06)
40 427 (0.08)
43 777 (0.08)
20 291 270 (100.0)
30 792 839 (100.0)
40 605 671 (100.0)
46 194 706 (100.0)
51 720 373 (100.0)
53 865 861 (100.0)
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
3 372 599
3 465 627
3 581 914
3 454 128
6 943 568
7 578 725
8 177 332
7 551 734
19 971 994 (28.8)
20 742 139 (28.3)
21 210 767 (27.5)
21 938 609 (28.2)
165 000 (0.2)
157 400 (0.2)
160 200 (0.2)
162 600 (0.2)
50 046 (0.07)
52 945 (0.07)
60 120 (0.08)
65 252 (0.08)
69 351 778 (100.0)
73 170 092 (100.0)
77 259 742 (100.0)
77 933 888 (100.0)
1987
1988
1989
1990
3 404 271
3 377 578
3 263 258
3 159 741
3 133 874
7 832 064
7 823 093
7 675 779
7 470 755
7 463 790
22 559 810 (28.1)
22 694 082 (27.8)
22 759 159 (27.7)
22 597 951 (27.3)
22 630 439 (26.9)
162 000 (0.2)
157 855 (0.2)
157 250 (0.2)
150 866 (0.2)
148 828 (0.2)
68 687 (0.09)
69 687 (0.09)
69 584 (0.08)
74 547 (0.09)
78 101 (0.09)
80 346 450 (100.0)
81 762 699 (100.0)
82 270 679 (100.0)
82 758 233 (100.0)
84 129 021 (100.0)
1991
1992
1993
1994
1995
3 068 844
2 936 947
7 246 115
6 794 842
22 593 304 (26.8)
22 197 786 (26.2)
148 107 (0.2)
144 896 (0.2)
82 131 (0.1)
85 555 (0.1)
84 366 083 (100.0)
84 628 081 (100.0)
1996
1997
鉄道
旅客船
航空
合計
自家用貨物車
登録車
軽自動車
184 340 (75.8)
255 484 (66.8)
288 815 (49.2)
323 800 (45.6)
314 542 (40.2)
330 101 (38.5)
2 670 (1.1)
3 402 (0.9)
4 814 (0.8)
6 895 (1.0)
6 132 (0.8)
5 752 (0.7)
737 (0.3)
2 952 (0.8)
9 319 (1.6)
19 148 (2.7)
29 688 (3.8)
33 119 (3.9)
243 278 (100.0)
382 594 (100.0)
587 177 (100.0)
710 711 (100.0)
782 031 (100.0)
858 232 (100.0)
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
71 241
75 653
77 221
74 659
88 312
97 770
102 741
92 523
344 729 (31.1)
361 796 (30.4)
368 818 (29.1)
387 478 (29.8)
6 242 (0.6)
5 711 (0.5)
5 962 (0.5)
6 275 (0.5)
38 535 (3.5)
41 102 (3.5)
47 141 (3.7)
51 623 (4.0)
1 107 984 (100.0)
1 190 642 (100.0)
1 267 044 (100.0)
1 298 436 (100.0)
1987
1988
1989
1990
75 428
75 749
74 647
73 804
73 887
90 217
88 343
85 338
82 782
81 620
400 083 (30.1)
402 258 (29.7)
402 727 (29.7)
396 332 (29.1)
400 056 (28.8)
6 195 (0.5)
6 097 (0.5)
6 061 (0.4)
5 946 (0.4)
5 527 (0.4)
55 349 (4.2)
56 680 (4.2)
57 118 (4.2)
61 289 (4.5)
65 012 (4.7)
1 330 964 (100.0)
1 353 314 (100.0)
1 355 779 (100.0)
1 360 318 (100.0)
1 388 014 (100.0)
1991
1992
1993
1994
1995
73 111
72 034
79 541
75 911
402 156 (28.6)
394 933 (27.8)
5 635 (0.4)
5 368 (0.4)
69 049 (4.9)
73 243 (5.2)
1 408 561 (100.0)
1 418 516 (100.0)
1996
1997
自動車交通 1999 61
統計・資料
1-2 日本の貨物輸送量
輸送トン数(1,000トン、%)
自動車
営業用
1960年度
1965 1970 1975 1980 1985 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 登録車
登録車
軽自動車
775 563
1 528 968
3 513 008
3 141 377
3 656 477
3 156 111
775 563
1 528 968
3 513 008
3 141 377
3 656 477
3 156 111
8 568
9 579
10 146
11 241
3 219 262
3 431 889
3 596 794
3 685 940
3 069 652
3 296 781
3 465 513
3 557 161
149 610
135 108
131 281
128 779
2 559 405
2 503 720
2 477 742
2 504 830
2 633 277
12 533
13 070
13 008
13 125
13 790
3 688 873
3 584 916
3 330 787
3 292 419
3 369 504
3 547 528
3 444 392
3 193 002
3 152 639
3 230 135
141 345
140 524
137 785
139 780
139 369
2 764 245
2 760 452
14 609
15 378
3 39 8 41 1
3 289 554
3 26 3 23 6
3 158 681
135 175
130 873
1 156 291 (75.8)
2 193 195 (83.8)
4 626 069 (88.1)
4 392 859 (87.4)
5 317 950 (88.9)
5 048 048 (90.2)
380 728
664 227
1 113 061
1 251 482
1 661 473
1 891 937
380 728
664 227
1 113 061
1 251 482
1 661 473
1 891 937
5 204 257 (90.5)
5 578 451 (90.6)
5 888 248 (90.5)
6 113 565 (90.2)
1 984 995
2 146 562
2 291 454
2 427 625
1 976 427
2 136 983
2 281 308
2 416 384
6 260 811 (90.5)
6 101 706 (90.7)
5 821 537 (90.5)
5 810 374 (90.1)
6 016 571 (90.6)
2 571 938
2 516 790
2 490 750
2 517 955
2 647 067
6 177 265 (90.9)
6 065 384 (90.8)
2 778 854
2 775 830
輸送トンキロ(100万トンキロ、%)
自動車
営業用
登録車
1960年度
1965 1970 1975 1980 1985 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 自家用
軽自動車
自家用
軽自動車
登録車
軽自動車
11 163
26 006
68 586
60 455
75 360
68 642
11 163
26 006
68 586
60 455
75 360
68 642
355
382
393
422
71 093
75 425
78 594
80 023
69 076
73 593
76 850
78 358
2 017
1 832
1 744
1 665
203 752
204 405
204 442
209 278
222 655
446
439
420
421
435
79 578
76 754
71 023
70 888
71 558
77 834
75 030
69 374
69 231
69 911
1 744
1 724
1 649
1 657
1 647
232 797
236 066
458
486
72 255
69 711
70 641
68 140
1 614
1 571
20 801 (15.0)
48 392 (26.1)
135 916 (38.8)
129 701 (36.0)
178 901 (40.8)
205 941 (47.4)
9 639
22 385
67 330
69 247
103 541
137 300
9 639
22 385
67 330
69 247
103 541
137 300
226 425 (50.4)
246 088 (51.0)
262 857 (51.7)
274 244 (50.2)
155 332
170 664
184 263
194 221
154 977
170 282
183 870
193 799
283 776 (50.7)
281 599 (50.5)
275 885 (51.5)
280 587 (51.5)
294 648 (52.7)
204 198
204 844
204 862
209 699
223 090
305 510 (53.3)
306 263 (52.9)
233 255
236 552
資料:運輸省「陸運統計要覧」、「自動車輸送統計年報」他
2. 各国の旅客・貨物輸送量
2-1 各国の旅客輸送量(輸送人キロ)
調査年
乗用車
(1 0 億人キロ、%)
バス
鉄道
内陸水運
5.4(0.4)
航空
合計
73.2 (5.2)
1 418.5(100)
666.8 (17.7)
3 760.4(100)
日本
1997
852.1(60.1)
92.9 (6.5)
394.9(27.8)
アメリカ
1995
3 026.7(80.5)
44.6 (1.2)
21.9(0.6)
―
イギリス
1996
620.0(87.5)
44.0 (6.2)
38.0(5.4)
―
6.3 (0.9)
708.3(100)
フランス
1994
652.6(85.5)
42.2 (5.5)
68.7(9.0)
―
―
763.5(100)
ドイツ イタリア
スウェーデン
1996
1996
1996
742.8(81.5)
662.0(81.5)
86.8(81.0)
76.6 (8.4)
95.8(11.8)
9.5 (8.9)
65.4(7.2)
54.1(6.7)
7.6(7.1)
―
―
0.7(0.7)
資料:運輸省「陸運統計要覧」
(社)日本自動車工業会「自動車産業関連統計」
ENO "TRANSPORTATION IN AMERICA"
62
26.4 (2.9)
―
2.6 (2.4)
911.4(100)
811.9(100)
107.2(100)
注)1. 日本は年度の値。 2. アメリカは都市間交通のみ。
3. ドイツのバスの値はタクシー、市街電車も含む公共輸送の和。
4. アメリカ、ドイツは合計が合わないが原資料のまま。
鉄道
内航海運
航空
合計
229 856
243 524
250 360
180 616
162 827
96 285
(15.1)
(9.3)
(4.8)
(3.6)
(2.7)
(1.7)
138 849
179 645
376 647
452 054
500 258
452 385
(9.1)
(6.9)
(7.2)
(9.0)
(8.4)
(8.1)
9
33
116
192
329
538
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.00)
(0.01)
(0.01)
1 525 005
2 616 397
5 253 192
5 025 721
5 981 364
5 597 256
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
82 189
82 338
82 827
86 619
(1.4)
(1.3)
(1.3)
(1.3)
462 546
493 000
538 029
575 199
(8.0)
(8.0)
(8.3)
(8.5)
698
761
827
874
(0.01)
(0.01)
(0.01)
(0.01)
5 749 690
6 154 550
6 509 931
6 776 257
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
1987
1988
1989
1990
85 697
82 402
79 259
78 948
76 932
(1.2)
(1.2)
(1.2)
(1.2)
(1.2)
571 891
540 410
528 841
555 764
548 542
(8.3)
(8.0)
(8.2)
(8.6)
(8.3)
874
854
859
910
960
(0.01)
(0.01)
(0.01)
(0.01)
(0.01)
6 919 273
6 725 372
6 430 496
6 445 996
6 643 005
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
1991
1992
1993
1994
1995
6 798 734 (100.0)
6 677 063 (100.0)
1996
1997
鉄道
内航海運
53 916
56 678
63 031
47 058
37 428
21 919
1 002 (0.01)
1 014 (0.02)
546 909 (8.0)
541 437 (8.1)
73 558 (1.1)
69 228 (1.0)
航空
合計
(39.0)
(30.5)
(18.0)
(13.1)
(8.5)
(5.0)
63
80
151
183
222
205
579
635
243
579
173
818
(46.0)
(43.4)
(43.2)
(50.9)
(50.6)
(47.4)
6
21
74
152
290
482
(0.00)
(0.01)
(0.02)
(0.04)
(0.07)
(0.11)
138
185
350
360
438
434
302
726
264
490
792
160
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
20
23
25
27
474
478
136
196
(4.6)
(4.9)
(4.9)
(5.0)
201
212
220
244
386
628
063
546
(44.9)
(44.0)
(43.3)
(44.7)
634
683
753
799
(0.14)
(0.14)
(0.15)
(0.15)
448
482
508
546
919
877
809
785
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
1987
1988
1989
1990
27
26
25
24
25
157
668
433
493
101
(4.8)
(4.8)
(4.7)
(4.5)
(4.5)
248
248
233
238
238
203
002
526
540
330
(44.3)
(44.5)
(43.6)
(43.8)
(42.6)
812
804
817
871
924
(0.15)
(0.14)
(0.15)
(0.16)
(0.17)
559
557
535
544
559
948
073
661
491
002
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
1991
1992
1993
1994
1995
24 968
24 618
(4.4)
(4.3)
241 756 (42.2)
247 018 (42.7)
962
982
(0.17)
(0.17)
573 196 (100.0)
578 881 (100.0)
1996
1997
注)1.1987 年度より自動車には軽自動車を含む。 2. 鉄道は有賃のみ。 3. 航空は超過手荷物・郵便物を含む。
2-2 各国の貨物輸送量(輸送トンキロ)
調査年
トラック
(1 0 億トンキロ、%)
鉄道
24.6 (4.3)
内陸水運
航空
247.0(42.7)
1.0(0.2)
799.7(14.6)
20.5(0.4)
パイプライン
合計
578.9(100)
─
日本
1997
306.3(52.9)
アメリカ
1995
1 481.9(27.0)
イギリス
1995
150.0(65.8)
13.0 (5.7)
53.0(23.2)
─
フランス
1994
152.5(74.3)
47.2(23.0)
5.6 (2.7)
─
ドイツ
1995
237.8(61.3)
70.9(18.3)
64.0 (16.5)
0.5(0.1)
15.0 (3.9)
388.2(100)
イタリア
1994
198.0(84.7)
23.6(10.1)
0.09 (0.0)
─
12.1 (5.2)
233.8(100)
スウェーデン
1996
29.3(51.4)
19.4(34.0)
資料:運輸省「陸運統計要覧」
(社)日本自動車工業会「自動車産業関連統計」
ENO "TRANSPORTATION IN AMERICA"
2 212.4(40.4)
8.3(14.6)
─
967.0(17.6)
5 481.9(100)
12.0 (5.3)
228.0(100)
205.3(100)
─
57.0(100)
─
注)1. 日本の値は年度。
2. アメリカは合計が合わないが原資料のまま。
自動車交通 1999 63
統計・資料
3. 日本および各国の自動車走行台キロ
3-1 日本の自動車走行台キロ
乗用車
(1 , 0 0 0 台キロ)
登録車
1960年度
1965
1970
1975
1980
1985
8 724 773
34 002 311
120 582 367
176 035 354
241 459 291
275 556 532
8 724 773
34 002 311
120 582 367
176 035 354
241 459 291
275 556 532
1987
1988
1989
1990
308 061 832
321 496 210
341 373 627
365 597 317
295 083 745
308 629 245
328 375 855
350 316 534
1991
1992
1993
1994
1995
387 014 820
405 729 478
413 029 718
425 545 346
446 387 310
1996
1997
464 123 200
475 598 789
バス
軽自動車
貨物自動車
登録車
軽自動車
合 計
1 994 286
3 589 909
5 394 083
5 450 669
6 045 821
6 351 738
17 444 933
44 563 004
100 040 408
104 859 125
141 546 599
146 533 450
17 444 933
44 563 004
100 040 408
104 859 125
141 546 599
146 533 450
28 163 992
82 155 224
226 016 858
286 345 148
389 051 711
428 441 720
12 978 087
12 866 965
12 997 772
15 280 783
6 626 287
6 736 993
6 373 371
7 111 973
234 146 414
247 352 018
251 881 483
255 871 744
156 147 759
162 922 548
165 849 122
170 535 985
77 998 655
84 429 470
86 032 361
85 335 759
548 834 533
575 585 221
599 628 481
628 581 034
366 288 675
380 102 242
383 356 180
391 598 967
407 001 030
20 726 145
25 627 236
29 673 538
33 946 379
39 386 280
7 185 231
7 068 182
6 933 858
6 806 980
6 767 953
263 105 335
265 413 748
263 789 626
261 983 757
267 128 018
177 635 617
179 104 668
178 210 267
177 725 843
182 594 034
85 469 718
86 309 080
85 579 359
84 257 914
84 533 984
657 305 386
678 211 408
683 753 202
694 336 083
720 283 281
418 980 169
425 987 921
45 143 031
49 610 868
6 706 027
6 641 053
266 933 939
262 139 616
184 496 400
182 470 151
82 437 539
79 669 465
737 763 166
744 379 458
資料:運輸省「陸運統計要覧」、「自動車輸送統計年報」
3-2 各国の自動車走行台キロ
(1 0 0 万台キロ)
調査年
乗用車
バス
6
10
4
3
2
トラック
262
294
69
59
101
641
515
770
500
300
合 計
744
2 666
436
563
467
140
054
700
700
000
379
103
470
200
300
日本
アメリカ
イギリス
ドイツ
フランス
1997
1996
1996
1996
1996
475
2 361
362
500
364
599
534
000
000
000
イタリア
オランダ
ベルギー
デンマーク
ポーランド
1996
1996
1996
1996
1996
393
94
81
34
80
000
000
400
100
500
5 160
600
―
500
5 130
55 000
13 500
―
6 900
32 900
453 160
108 100
―
41 500
118 530
スペイン
スウェーデン
中国
韓国
香港
タイ
1996
1996
1996
1996
1996
1996
112
58
436
27
6
39
895
000
000
100
324
200
2 138
2 080
―
3 540
872
10 200
19 508
5 360
―
26 300
3 318
50 500
134 541
65 440
―
56 940
10 514
99 900
資料:運輸省「陸運統計要覧」、 IRF "World Road Statistics"
AAMA "Motor Vehicle Facts & Figures"
注)日本は年度の値。
4-2 主要都市の自動車交通量・ピーク時平均旅行速度
調査延長
(km) 1980
1985
1990
北海道札幌市
東京都特別区
神奈川県横浜市
神奈川県川崎市
愛知県名古屋市
京都府京都市
大阪府大阪市
兵庫県神戸市
広島県広島市
福岡県北九州市
152.7
135.3
186.7
149.1
47.2
118.6
121.3
109.9
109.3
113.4
148.4
85.5
乗用車
2 572
―
5 491
3 428
444
3 181
1 923
2 177
2 463
1 909
3 251
1 673
福岡県福岡市
資料:建設省「道路交通センサス」
64
2 688
―
5 584
4 597
527
3 408
2 070
2 893
2 786
2 144
3 413
1 868
3
2
5
4
3
2
2
3
2
3
2
099
373
663
968
861
629
292
945
340
503
688
223
3
2
5
5
1
3
2
3
3
2
3
2
463
627
917
998
349
785
339
434
469
783
209
144
ピーク時平均旅行速度(k m / h )
1997
1994
1997
宮城県仙台市
(年度)
12時間走行台キロ(1,000台キロ)
2
1
3
3
2
1
1
1
1
2
1
468
737
262
796
659
088
413
793
885
738
013
298
バス
70
39
67
60
11
30
35
29
27
52
47
39
貨物車
1 146
994
2 794
2 443
510
1 666
832
1 395
1 518
987
1 151
702
1980
1985
1990
1994
1997
29.4
―
21.4
31.4
24.6
25.6
29.7
21.5
38.6
30.9
33.6
24.5
29.0
―
14.8
23.3
17.4
19.7
23.8
19.5
32.9
24.3
26.9
18.7
30.3
19.6
19.1
27.0
19.3
19.3
20.2
18.3
30.4
25.7
26.6
22.2
27.5
24.1
11.6
18.2
19.7
13.1
20.9
20.1
28.2
21.7
23.5
17.1
26.0
26.8
16.7
21.7
21.7
19.4
23.0
19.8
28.5
20.7
24.7
15.9
合 計
3
2
6
6
1
3
2
3
3
2
3
2
684
770
123
298
179
783
280
218
430
778
211
039
4. 日本の自動車交通量
4-1 道路種別自動車交通量・ピーク時平均旅行速度
道路種別
年 度
高速自動車
国道
1980
1985
1988
1990
1994
1997
都市高速
道路
1980
1985
1988
1990
1994
1997
高速道路計
1980
1985
1988
1990
1994
1997
一般国道
(直轄)
一般国道
(その他)
12時間走行台キロ(1,000台キロ)
調査延長
(km)
698.8
555.4
280.0
675.3
567.7
114.9
38
51
70
80
105
121
933
762
043
526
461
653
15
22
30
34
49
61
424
699
544
973
661
571
250.8
322.5
379.8
421.0
490.7
548.7
12
16
19
20
23
26
316
013
222
820
738
801
5
7
8
9
11
14
638
299
588
750
497
088
2
3
4
5
6
6
949.6
877.9
659.8
096.3
058.4
663.6
51
67
89
101
129
148
249
775
265
346
198
453
21
29
39
44
61
75
062
998
132
724
158
658
1980
1985
1988
1990
1994
1997
19
19
19
20
20
20
025.0
710.0
955.8
052.3
622.1
641.4
191
208
230
242
263
274
007
403
809
582
293
013
91
101
109
119
142
156
1980
1985
1988
1990
1994
1997
20
26
26
26
32
32
920.9
395.7
498.5
672.3
428.6
368.0
93
123
138
148
185
199
836
550
775
720
088
331
一般国道計
1980
1985
1988
1990
1994
1997
39
46
46
46
53
53
945.9
105.7
454.3
724.6
050.7
009.4
284
331
369
391
448
473
主要
地方道
1980
1985
1988
1990
1994
1997
43
49
49
49
56
56
582.3
159.7
474.7
710.0
178.6
579.4
一般都道
府県道
1980
1985
1988
1990
1994
1997
86
74
75
75
64
67
地方道計
1980
1985
1988
1990
1994
1997
一般道路計
合 計
2
3
4
4
5
6
乗用車
バス
1
1
2
2
2
2
推計24時間走行台キロ(1,000台キロ) ピーク時平均
乗用車
小型貨物車 普通貨物車
貨物車
旅行速度
(k m / h )
130
465
226
256
620
126
9
10
15
16
21
22
590
953
753
838
051
758
12
16
21
26
32
35
789
646
520
460
128
198
55
76
105
121
153
177
512
438
516
629
673
900
21
35
48
55
75
91
352
066
495
180
083
803
34
41
57
66
78
86
160
372
021
449
590
098
82.95
82.81
84.36
84.99
78.34
83.45
102
194
200
235
236
298
3
5
5
5
5
6
943
139
813
766
915
056
2
3
4
5
6
6
632
381
622
068
090
359
17
23
29
32
35
39
118
592
030
172
634
736
8
10
13
15
17
21
638
997
220
322
436
223
8
12
15
16
18
18
480
595
810
850
198
514
42.27
40.05
46.34
51.28
24.58
36.62
1
1
2
2
2
2
232
659
425
490
855
425
13
16
21
22
26
28
533
092
566
604
967
813
15
20
26
31
38
41
422
027
142
528
218
557
72
100
134
153
189
217
630
030
544
802
307
637
29
46
61
70
92
113
990
063
714
502
518
025
42
53
72
83
96
104
640
967
830
300
789
611
79.42
76.06
79.07
80.62
66.55
75.50
783
545
750
468
268
007
3
3
3
3
3
2
457
269
393
365
053
896
59
64
73
72
66
60
238
800
473
413
134
308
36
38
44
47
51
54
530
789
194
336
838
802
254
284
318
336
362
379
878
962
171
002
013
213
130
142
155
169
199
219
363
869
607
790
372
253
124
142
162
166
162
159
515
093
564
212
642
960
40.86
37.08
37.46
36.92
34.92
35.25
46
61
66
74
101
115
721
379
853
334
366
710
2
2
2
2
2
2
048
258
339
366
444
350
31
43
50
50
54
51
900
637
113
639
502
682
13
16
19
21
26
29
167
275
471
381
777
590
119
159
180
194
239
258
232
835
503
672
627
279
65
82
90
100
134
153
154
397
146
544
577
052
54
77
90
94
105
105
078
438
357
128
051
227
38.01
36.74
37.11
37.63
36.66
37.66
843
952
584
302
381
344
138
162
176
193
243
271
504
925
603
802
634
717
5
5
5
5
5
5
505
528
731
732
497
245
91
108
123
123
120
111
137
436
585
052
636
990
49
55
63
68
78
84
697
064
664
717
614
391
374
444
498
530
601
637
110
797
674
674
641
492
195
225
245
270
333
372
517
266
753
334
948
305
178
219
252
260
267
265
593
531
921
340
692
187
39.37
36.88
37.26
37.32
35.96
36.68
156
184
203
216
259
277
748
220
933
726
128
568
79
92
99
110
145
164
204
800
892
233
938
079
3
3
3
3
3
3
079
134
191
191
223
147
54
66
74
75
76
72
995
155
962
183
502
680
19
22
25
28
33
37
470
131
887
119
465
663
201
240
268
287
339
365
848
932
845
033
056
713
114
125
136
150
195
220
493
619
231
468
382
366
87
115
132
136
143
145
355
313
614
565
674
347
36.22
33.73
34.16
35.63
32.91
33.96
583.6
198.8
105.3
730.9
341.2
635.2
165
162
182
195
173
193
874
282
240
980
097
563
85
82
89
99
97
115
537
354
735
843
566
435
3
2
2
2
2
2
132
678
707
743
100
168
60
61
70
72
54
53
391
202
644
168
768
817
16
16
19
21
18
22
814
047
153
226
663
142
210
210
237
253
221
249
507
693
563
172
357
051
121
110
120
133
127
151
844
677
969
017
801
612
88
100
116
120
93
97
663
016
594
155
556
439
― 34.24
48.40
33.60
32.11
33.41
130
123
124
125
120
124
165.9
358.5
580.0
440.9
519.8
214.6
322
346
386
412
432
471
622
503
173
706
225
131
164
175
189
210
243
279
741
155
628
077
504
514
6
5
5
5
5
5
211
813
899
934
323
315
115
127
145
147
131
126
387
357
607
351
270
497
36
38
45
49
52
59
284
178
040
345
128
805
412
451
506
540
560
614
355
625
410
205
413
763
236
236
257
283
323
371
337
296
201
485
183
977
176
215
249
256
237
242
018
329
209
720
230
786
36.22
33.74
34.17
34.19
32.48
33.66
1980
1985
1988
1990
1994
1997
170
169
171
172
173
177
111.8
464.2
034.3
165.5
570.5
224.0
607
678
755
804
880
944
466
455
757
008
607
475
303
338
366
403
487
551
245
080
231
879
138
231
11
11
11
11
10
10
716
340
630
665
820
560
206
235
269
270
251
238
524
794
192
403
906
487
85
93
108
118
130
144
981
242
704
061
743
196
1
1
1
1
786
896
005
070
162
252
466
422
083
879
054
256
431
461
502
553
657
744
854
562
954
819
132
282
354
434
502
517
504
507
612
860
130
060
922
973
37.74
35.19
35.60
34.41
33.48
34.51
1980
1985
1988
1990
1994
1997
173
173
175
177
179
183
061.4 658
342.1 746
694.1 845
261.8 905
628.9 1 009
887.6 1 092
715
230
022
351
805
928
324
368
405
448
548
626
307
077
363
602
296
890
12
12
14
14
13
12
948
999
055
156
675
985
220
251
290
293
278
267
057
885
757
007
872
300
101
113
134
149
168
185
402
269
846
586
961
753
1
1
1
1
859
996
139
224
351
469
115
452
629
681
361
892
461
507
564
624
749
857
863
625
668
321
650
307
397
488
574
600
601
612
252
827
961
360
711
585
39.15
35.95
36.53
34.41
34.06
35.21
資料:建設省「道路交通センサス」
自動車交通 1999 65
統計・資料
5. 日本および各国の道路
5-1 日本の道路延長
(各年度初、k m )
高速自動車国道
一般国道
都道府県道
一般道路計
合計
─
814 872
836 382
859 953
901 775
939 760
950 078
─
961 914
984 753
1 013 951
1 066 028
1 110 808
1 123 950
144 628
961 914
984 934
1 014 589
1 067 547
1 113 387
1 127 505
市町村道
主要地方道 一般都道府県道
92 517
28 019
94 705
27 419
87 738
32 775
92 730
28 450
92 211
33 503
86 930
43 906
77 489
49 947
1955年度
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1987 1988 1989 1990 ─
─
181
638
1 519
2 579
3 555
24 092
24 918
27 858
32 818
38 540
40 212
46 435
120 536
122 124
120 513
121 180
125 714
130 836
127 436
3 910
4 280
4 407
4 661
46 523
46 661
46 805
46 935
127 682
128 202
128 539
128 782
50 031
50 183
50 283
50 354
77 651
78 020
78 255
78 428
920 817
925 138
930 230
934 319
1 095 021
1 100 002
1 105 574
1 110 037
1 098 931
1 104 282
1 109 981
1 114 698
1991 1992 1993 1994 1995 4 869
5 054
5 410
5 568
5 677
47 000
47 033
53 304
53 302
53 327
129 040
129 284
123 536
123 877
125 512
50 388
50 455
44 647
56 808
57 040
78 652
78 830
78 889
67 069
68 472
939 552
943 472
948 642
953 600
957 792
1 115 592
1 119 790
1 125 482
1 130 778
1 136 631
1 120 461
1 124 844
1 130 892
1 136 346
1 142 308
1996 1997 5 932
6 114
53 278
53 355
126 915
127 663
57 206
57 338
69 709
70 325
961 406
965 074
1 141 600
1 146 092
1 147 532
1 152 206
資料:建設省「道路統計年報」 注)主要地方道には主要市道を含む。
5-2 各国の道路延長
調査年
(k m )
高速道路
主要道路
二級道路
その他の道路
合 計
高速・主要道路密度
面積あたり(m/km2)
保有あたり(m/台)
日本
アメリカ*
カナダ
イギリス*
ドイツ*
1997
1996
1995
1996
1996
6 114
88 400
16 600
3 270
11 300
53 355
727 000
15 000
15 400
41 600
127 663
694 000
224 800
36 200
75 800
965 074
4 910 000
655 800
317 000
505 000
1 152 206
6 420 000
912 200
372 000
633 000
157.4
84.7
3.2
76.5
148.2
0.9
4.0
1.8
0.6
1.2
フランス
イタリア*
オランダ*
ベルギー
デンマーク*
1996
1996
1996
1995
1996
9 500
9 500
2 360
1 666
880
28 000
46 900
2 120
12 583
3 690
355 000
118 000
8 580
─ 7 090
500 000
142 000
114 000
128 926
60 000
892 500
317 000
127 000
143 175
71 600
68.0
187.2
109.7
466.9
106.1
1.2
1.7
0.7
3.0
2.2
スイス
オーストリア
スペイン
スウェーデン*
ウクライナ
1996
1996
1996
1996
1996
1 594
1 607
7 747
1 330
─ 18 326
9 668
23 131
14 700
31 078
51 197
19 780
138 969
83 300
141 487
─ 98 000
175 000
38 500
─ 71 117
129 055
344 847
138 000
172 565
482.4
134.5
61.2
36.4
─
5.6
2.8
1.7
4.0
─
ポーランド
エジプト
南アフリカ*
メキシコ*
ブラジル*
1996
1996
1995
1996
1996
258
─ 1 142
6 740
─ 45 417
26 000
59 900
45 600
116 000
128 684
25 000
147 828
63 500
236 000
200 631
13 000
122 095
136 000
1 630 000
374 990
64 000
331 265
252 000
1 980 000
146.1
26.0
50.0
26.7
13.6
5.1
15.3
11.3
4.2
7.7
アルゼンチン
韓国*
香港
台湾
シンガポール*
1996
1996
1996
1996
1996
567
1 920
─ 447
150
37 137
12 100
─ 4 246
570
180 572
15 000
─ 2 543
1 970
─ 54 600
─ 12 465
340
218 276
83 400
1 760
19 701
3 010
13.6
141.6
─
130.8
1 165.0
6.4
1.5
─
1.0
1.4
マレーシア*
インドネシア*
タイ
オーストラリア*
ニュージーランド
1996
1996
1996
1996
1996
580
─ ─ 1 360
─ 15 900
31 000
64 600
47 200
─ 43 100
56 900
─ 85 000
─ 35 000
305 000
─ 779 000
─ 94 500
393 000
64 600
913 000
92 200
50.0
16.3
125.9
6.3
─
4.4
8.5
15.4
4.6
─
資料:建設省「道路統計年報」、IRF "World Road Statistics"
注)1. 各道路分類は、日本では主要道路は一般国道、二級道路は
都道府県道、その他の道路は市町村道に相当する。
2. アメリカの主要道路は高速道路を含む。
66
3. スイス、ウクライナの二級道路はその他の道路を含む。
4.* 印の国の合計は合わないが原資料のまま。
5-3 日本の道路投資額の推移
(億円、%)
一般道路事業
投資額
有料道路事業
前年度比増加率
投資額
地方単独事業
前年度比増加率
投資額
計
前年度比増加率
投資額
前年度比増加率
589
628
095
893
795
26.5
13.3
31.9
△3.1
10.5
2
6
15
29
58
113
991
979
550
290
20.1
12.4
21.4
1.3
3.2
21 376
22 355
21 473
2.2
4.6
△3.9
64 329
66 145
71 874
3.0
2.8
8.7
1960年度
1965 1970 1975 1980 1
4
7
14
26
243
109
784
140
428
8.4
15.4
17.9
0.7
△1.6
1
3
7
13
281
254
100
517
067
92.1
2.7
15.0
7.6
3.3
1983 1984 1985 26 304
26 216
31 581
0.8
△0.3
20.5
16 649
17 574
18 819
7.9
5.6
7.1
1986 1987 1988 1989 1990 33
41
41
43
43
495
668
848
057
675
6.1
24.4
0.4
2.9
1.4
20
23
25
25
27
691
669
018
785
399
9.9
14.4
5.7
3.1
6.3
22
24
26
31
36
850
473
973
832
253
6.4
7.1
10.2
18.0
13.9
77
89
93
100
107
036
811
840
674
328
7.2
16.6
4.5
7.3
6.6
1991 1992 1993 1994 1995 44
53
63
50
66
685
110
568
130
131
2.3
18.9
19.7
△21.1
31.9
30
33
36
36
35
311
874
918
476
677
10.6
11.8
9.0
△1.2
△2.2
39
46
50
49
50
647
937
156
368
937
9.4
18.4
6.9
△1.6
3.2
114
133
150
135
152
643
921
642
974
745
6.8
16.8
12.5
△9.7
12.3
1996 1997 1998 54 572
51 873
50 473
△17.5
△4.9
△2.7
34 236
33 839
28 403
△4.0
△1.2
△16.1
53 348
51 500
51 500
△4.7
△3.5
0.0
142 156
137 211
130 376
△6.9
△3.5
△5.0
1
5
7
18
資料:全国道路利用者会議「道路ポケットブック」
注)1. 道路事業費のうち一般道路、有料道路事業は、1997 年度まで最終実施計画、1998 年度は当初予算。地方単独事業は、1995 年度まで決算、
1996 年度以降は推計値。
2. 地方単独事業の 1980 ∼ 88 年度までは、臨時地方道整備事業費を含み、1980 ∼ 84 年度までは、住宅関連公共施設整備促進事業費を含む。
3. 本州四国連絡橋公団は道路分のみ。
6. 日本および各国の自動車保有台数
6-1 日本の自動車保有台数
乗用車
うち軽四輪車
トラック
2
2
2
2
37
393
244
611
176
016
530
786
417
130
110
487
3
8
10
13
17
152
250
775
865
281
043
177
139
342
243
046
172
1
1
1
2
843
792
993
584
268
840
326
926
19
20
21
21
162
349
084
321
015
793
325
430
037
3
3
4
5
5
217
800
392
043
775
2
8
17
23
27
42
153
457
181
778
236
659
844
588
325
333
275
972
321
520
580
1987 1988 1989 1990 29
30
32
34
478
776
621
924
1991 1992 1993 1994 1995 37
38
40
42
44
076
963
772
678
680
1996 1997 46 868 362
48 610 747
1950年
1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 (各年 1 2 月末時点、台)
バス
特種用途車
四輪車計
三輪車計
12 494
32 572
64 286
150 572
333 132
584 100
789 155
941 647
225 497
471 306
1 353 526
6 300 020
17 581 843
28 090 558
37 856 174
46 157 261
111 888
429 491
822 159
682 949
243 934
47 998
17 724
6 123
四・三輪車
合計
1
3
2
4
8
36
405
005
785
527
791
648
442
017
182
794
289
18 306
34 421
56 192
102 695
187 980
226 284
230 020
231 228
476
801
656
439
10
11
12
12
871
866
433
535
716
611
107
415
234
238
241
245
137
021
842
668
1
1
1
1
026
086
145
206
981
090
584
390
49
52
55
57
901
450
093
697
936
155
128
669
4
4
4
4
946
637
366
056
49
52
55
57
906
454
097
701
882
792
494
725
371
515
208
434
386
21 323 397
21 131 580
20 881 286
20 667 495
20 430 149
12
12
12
11
11
427
223
026
840
642
907
962
161
040
311
248
248
247
245
243
258
624
794
387
095
1
1
1
1
1
266
314
361
420
500
953
147
129
160
219
59
61
63
65
66
914
658
262
011
853
623
144
534
472
500
3
3
3
3
3
898
762
646
575
621
59
61
63
65
66
918
661
266
015
857
521
906
180
047
121
6 552 382
7 264 826
20 089 329
19 652 180
11 336 096
10 983 683
↑
三輪車に含まれる
↓
109
988
715
478
759
853
479
806
うち軽四輪車
↑
三輪車に含まれる
↓
337 385
900 797
2 175 685
6 982 969
17 825 777
28 138 556
37 873 898
46 163 384
242 243
240 354
1 601 444
1 500 016
68 801 378
70 003 297
3 695
3 752
68 805 073
70 007 049
資料:運輸省調べ
注)軽乗用車・軽トラックの保有統計は、1975 年 10 月に車検未了車両が抹消されたため、'75 年以降は '70 年以前とは連続していない。
自動車交通 1999 67
統計・資料
6-2 各国の自動車保有台数(1996年末)
乗用車
(台)
商用車
人口1,000人
当り台数
人口1,000人
当り台数
合 計
人口1,000人
当り台数
46 868 362
129 000 000
13 800 000
25 547 607
41 045 217
372.7
483.9
460.6
434.6
501.1
21 933 016
74 350 000
3 745 000
3 248 845
3 121 556
174.4
278.9
125.0
55.3
38.1
68 801 378
203 350 000
17 545 000
28 796 452
44 166 773
547.1
762.9
585.6
489.9
539.2
フランス
イタリア
オランダ
ベルギー
デンマーク
25 500 000
30 400 000
5 740 000
4 307 704
1 743 483
436.9
529.8
369.8
424.0
331.5
5 255 000
2 915 500
681 000
500 982
348 297
90.0
50.8
43.9
49.3
66.2
30 755 000
33 315 500
6 421 000
4 808 686
2 091 780
526.9
580.6
413.7
473.3
397.7
スイス
オーストリア
スペイン
スウェーデン
ノルウェー
3 268 073
3 690 692
14 753 809
3 654 950
1 661 247
462.2
455.1
375.7
413.5
379.3
300 681
353 355
3 200 309
326 504
392 087
42.5
43.6
81.5
36.9
89.5
3 568 754
4 044 047
17 954 118
3 981 454
2 053 334
504.8
498.6
457.2
450.4
468.8
ポーランド
エジプト
南アフリカ
メキシコ
ブラジル
7 500 000
1 225 000
3 831 000
8 500 000
12 500 000
194.2
20.2
90.4
88.0
79.2
1 430 000
470 000
1 631 000
3 842 000
2 520 000
37.0
7.8
38.5
39.8
16.0
8 930 000
1 695 000
5 462 000
12 342 000
15 020 000
231.2
28.0
128.9
127.8
95.1
アルゼンチン
中国
韓国
香港
シンガポール
4 665 329
2 600 000
6 893 633
319 000
370 000
132.5
2.1
151.4
50.6
121.7
1 238 137
4 720 000
2 659 459
171 600
137 000
35.2
3.8
58.4
27.2
45.1
5 903 466
7 320 000
9 553 092
490 600
507 000
167.6
5.9
209.8
77.7
166.8
マレーシア
インドネシア
台湾
フィリピン
タイ
2 982 852
1 890 000
3 900 000
533 000
1 800 000
145.0
9.6
181.6
7.4
30.0
799 109
1 750 000
800 000
1 026 000
2 400 000
38.8
8.9
37.3
14.3
40.0
3 781 961
3 640 000
4 700 000
1 559 000
4 200 000
183.9
18.5
218.9
21.7
70.0
インド
サウジアラビア
オーストラリア
ニュージーランド
4 313 000
2 670 000
8 628 806
1 718 910
4.6
141.7
471.8
481.5
2 488 000
1 700 000
2 022 096
363 612
2.6
90.2
110.6
101.9
6 801 000
4 370 000
10 650 902
2 082 522
7.2
232.0
582.3
583.3
日本
アメリカ
カナダ
イギリス
ドイツ
資料:SMMT"The Motor Industry of Great Britain"
7. 日本の運転免許保有者数(1997年末)
(人)
男
女
合計
16∼19歳
20∼24歳
25∼29歳
30∼34歳
35∼39歳
1 217 419
4 302 506
4 684 688
4 092 399
3 823 008
647 116
3 582 261
4 102 106
3 595 287
3 278 814
1 864 535
7 884 767
8 786 794
7 687 686
7 101 822
29.2
82.6
92.0
92.5
90.7
40∼44歳
45∼49歳
50∼54歳
55∼59歳
60∼64歳
3 892 342
4 980 028
4 064 207
3 573 274
3 064 221
3 167 906
3 716 226
2 677 487
1 875 423
1 153 485
7 060 248
8 696 254
6 741 694
5 448 697
4 217 706
86.5
81.4
75.4
65.5
54.6
65∼69歳
70∼74歳
75歳以上
2 407 457
1 531 328
945 464
609 671
234 140
52 959
3 017 128
1 765 468
998 423
44.6
33.2
12.7
計
42 578 341
28 692 881
71 271 222
67.7
資料:(財)全日本交通安全協会「安全・円滑・快適な道路交通を目指して」
68
免許保有率(%)
8. 日本の交通事故
8-1 交通事故発生件数・死者数・負傷者数
交通事故発生件数
死亡事故件数
(件、人)
死者数
うち高速道路での事故発生件数
負傷者数
死亡事故件数
2
2
2
2
─
─
─
18
119
134
107
165
─
─
─
22
148
147
124
186
179
845
832
295
3
4
5
5
402
084
274
541
161
237
327
318
175
277
371
373
245
003
633
723
677
6
5
6
6
6
016
659
295
563
803
359
314
309
284
286
418
355
355
318
320
6 660
6 574
286
289
336
327
11
15
10
8
8
4
6
12
12
16
10
8
9
202
379
055
484
765
792
760
261
25
76
289
425
981
622
598
681
450
501
156
666
096
467
719
346
723
481
363
097
8
9
10
10
981
865
570
651
9
10
11
11
347
344
086
227
722
752
814
790
388
345
675
457
789
10
10
10
10
10
547
891
395
154
227
11
11
10
10
10
105
451
942
649
679
810
844
878
881
922
33
93
449
567
718
472
476
552
212
981
917
286
080
938
677
788
1987 1988 1989 1990 590
614
661
643
1991 1992 1993 1994 1995 662
695
724
729
761
1996 1997 771 084
780 399
942 203
958 925
9 942
9 640
9 517
9 220
死者数
─
─
─
303
671
271
152
802
─
─
─
922
801
165
329
826
1950年
1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 資料:(財)交通事故総合分析センター「交通統計」
注)高速道路での事故発生件数は '95 年より物損事故を含まない数字。
1. 日本の旅客・貨物輸送量
8-2 年齢層別・状態別死者数(1998年)
状態別
年齢層別
(人)
二輪車乗車中
自動車乗車中
運転中 同乗中
自動二輪
小計
原付
運転中 同乗中
計
小計
自転車
歩行中 その他
乗用中
合計
死者数
増減数
0
0
86
16
86
16
5
-2
3
-2
8
-4
15
1
23
-3
75
7
137
6
0
0
321
26
16∼19歳
死者数
増減数
171
-28
178
-27
349
-55
206
-22
35
7
241
-15
137
-39
378
-54
35
-16
22
-3
0
0
784
-128
20∼24歳
死者数
増減数
503
-54
169
-38
672
-92
208
2
7
-8
215
-6
62
1
277
-5
12
-8
45
-2
0
-1
1 006
-108
16∼24歳
死者数
増減数
674
-82
347
-65
1 021
-147
414
-20
42
-1
456
-21
199
-38
655
-59
47
-24
67
-5
0
-1
1 790
-236
25∼29歳
死者数
増減数
349
14
66
-15
415
-1
127
13
5
5
132
18
23
1
155
19
14
2
37
5
0
0
621
25
30∼39歳
死者数
増減数
372
-49
63
-8
435
-57
97
9
0
0
97
9
33
9
130
18
24
10
80
-9
1
0
670
-38
40∼49歳
死者数
増減数
441
-73
69
2
510
-71
50
15
0
0
50
15
40
-7
90
8
46
-16
175
17
2
1
823
-61
50∼59歳
死者数
増減数
480
-42
111
7
591
-35
31
-9
1
0
32
-9
82
-13
114
-22
115
-15
293
-58
0
-3
1 113
-133
60∼64歳
死者数
増減数
196
-8
65
-9
261
-17
19
5
0
0
19
5
70
0
89
5
103
-21
244
0
2
-1
699
-34
65∼69歳
死者数
増減数
171
-21
73
13
244
-8
27
7
0
-1
27
6
78
15
105
21
126
27
265
6
3
0
743
46
70歳以上
死者数
増減数
290
61
119
-20
409
41
62
6
3
2
65
8
206
-25
271
-17
438
-47
1 307
0
6
-1
2 431
-24
65歳以上
死者数
増減数
461
40
192
-7
653
33
89
13
3
1
92
14
284
-10
376
4
564
-20
1 572
6
9
-1
3 174
22
死者数
増減数
2 973
-200
999
-79
3 972
-279
832
24
54
3
886
27
746
-57
1 632
-30
988
-77
2 605
-38
14
-5
9 211
-429
15歳以下
合計
資料:警察庁調べ 注) 増減数は前年比。
自動車交通 1999 69
統計・資料
9. 各国の交通事故死者数
調査年
人口(1,000人)
日本
アメリカ
カナダ
イギリス
ドイツ
1997
1996
1996
1996
1997
126166
265 284
29 964
57 138
82 012
フランス
イタリア
オランダ
ベルギー
デンマーク
1997
1997
1997
1996
1997
58 700 (96)
57 461
15 567
10 160
5 275
オーストリア
スイス
スペイン
ポーランド
スウェーデン
1997
1997
1997
1996
1996
ポルトガル
ノルウェー
ウクライナ
マレーシア
韓国
1997
1997
1996
1995
1996
香港
オーストラリア
1996
1996
死者数(人)
人口10万人あたり
死者数(人/10万人)
自動車1万台あたり 自動車走行台キロあた
死者数(人/1万台) り死者数(人/10億台キロ)
8.9
15.8
10.3
6.3
10.4
1.64
2.12
1.50
1.40
1.77
16.2
16.9
―
8.2
14.4 (96)
7 989
5 829
1 163
1 356
481
13.8(96)
10.1
7.5
13.3
9.1
2.80
1.39
1.65
2.59
1.79
17.3 (96)
13.7 (96)
10.9 (96)
16.7
12.6 (96)
8 076
7 081 (96)
39 270 (96)
38 620
8 844
1 105
587
5 604
6 359
537
13.7
8.7(96)
14.0(96)
16.5
6.1
2.70
1.38
2.76
7.12
1.35
―
12.2 (96)
40.8 (96)
53.6
8.2
9 433 (96)
4 393
51 090
20 110
45 545
1 961
303
3 259
5 712
12 653
22.9(96)
6.9
6.4
28.4
27.8
5.87(96)
0.93
―
19.05
13.24
25.5 (96)
10.8 (96)
54.2
―
222.2
11 254
41 907
3 082
3 598
8 549
25.0
―
5.36
1.86
4.2
10.8
263
1 977
6 310
18 289
資料:総務庁「交通安全白書」、IRF "World Road Statistics"、(財)全日本交通安全協会「人と車」
注)1. イタリアは 1 週間以内、カナダは州により異なる。その他は 30 日以内死亡数の値。
2. 人口、自動車保有、走行台キロあたり死者数は、同じ年で両方のデータが取れる年のうち最新のもの。( )内の年のデータ。
10. 日本の交通安全施設等整備状況
(各年度末時点)
1985年度
1990年度
1993年度
1994年度
1995年度
1996年度
(都市)
74
74
75
75
75
75
(基)
─
1 604
1 92 8
2 013
2 175
2 680
(基)
─
192
259
262
274
273
(基)
32 585
43 019
47 862
49 232
50 556
51 861
(基)
5 576
4 682
4 535
12 814
14 355
17 340
17 481
(基)
1 164
801
4 590
16 915
1 203
4 585
(基)
4 646
16 521
1 159
1 213
1 435
(基)
1 120
984
(基)
6 640
7 788
(基)
238
101
(基)
228
162
978
9 439
169
192
981
9 875
169
182
(基)
35 577
41 200
(基)
23 113
20 713
(基)
465
1 829
42 979
22 187
3 350
(基)
119 520
135 634
灯 車両用
器 歩行者用
(灯)
─
─
720 725
(灯)
道 可変式標識
路
固定式 大型
標
標識
路側式
識
(面)
23 089
交通管制センター
交通情報 交通情報板
提供装置 路側通信端末
地域制御
路線自動感応
系統
プログラム多段系統
信 制御
押ボタン系統
感 全感応式
応 半感応式
号 単
制 バス感応式
独
御 列車感応式
制
定 周 期 (プログラム多段等)
機 御
押ボタン式
一灯点減式 他
合 計
道路
標示
横断歩道
実線標示
図示標示
959
970
10 110
10 471
165
163
180
173
44 127
22 600
3 859
45 282
46 234
23 083
23 859
4 319
4 709
149 482
153 733
157 792
161 891
821 912
598 252
853 245
610 856
885 383
896 067
524 122
634 959
666 777
24 109
24 074
23 831
23 259
26 827
546 542
10 201 151
560 266
10 162 820
582 255
603 774
10 379 062
10 358 151
857 386
117 217
4 075 327
875 530
128 311
4 091 985
890 723
907 424
(枚)
420 640
500 347
(枚)
9 705 165
10 020 616
(本)
719 548
801 464
(km)
110 465
116 248
(箇)
3 238 374
3 913 961
115 898
122 522
3 995 149
3 831 461
資料:(財)交通事故総合分析センター「交通統計」 注)プログラム多段系統には、多段系統、一段系統を含む。
(財)全日本交通安全協会「安全・円滑・快適な道路交通を目指して」
70
11. 日本の駐車場整備状況
11-1 駐車容量の推移
(各年度末時点、台)
都市計画駐車場
届出駐車場
附置義務駐車施設
路上駐車場
自動車1万台あた
りの駐車スペース
合 計
1960年度
1965 1970 1975 1980 1985 1
8
18
33
48
56
313
948
120
781
627
535
9
53
124
287
458
598
908
597
429
457
053
808
2
39
123
276
403
559
830
448
997
285
355
709
6 576
2 189
750
2 400
2 339
2 033
20
104
267
599
912
1 217
627
182
296
923
374
085
89.5
143.7
147.0
211.2
240.3
263.3
1987 1988 1989 1990 60
64
68
73
858
792
175
092
636
674
746
774
309
916
265
504
643
694
772
863
422
469
371
955
1
1
1
1
904
792
519
417
1
1
1
1
342
435
588
712
493
969
330
968
267.3
273.3
287.3
296.6
1991 1992 1993 1994 1995 1996 74
79
85
88
93
768
176
012
716
431
812
861
924
965
995
509
694
983
275
735
949
041
129
198
297
909
567
575
266
958
1
1
1
1
1
353
577
363
377
381
1
1
2
2
2
838
984
140
253
388
539
014
933
634
505
307.0
322.0
338.1
346.2
356.1
2 505 699
364.5
1
1
1
1
1 333
1 386 157
1 021 554
96 655
資料:(社)立体駐車場工業会「自動車駐車場年報」
注)1. 都市計画駐車場または附置義務駐車施設と届出駐車場の両方に該当する駐車場は、
2. 自動車保有台数は軽自動車を含む。
それぞれ都市計画駐車場または附置義務駐車施設として計算している。
11-2 パーキング・メーター、パーキング・チケット設置基数
(各年 3 月末値、基、台)
パーキング・チケット発給設備
パーキング・ メーター設置基数
基 数
駐車可能台数
合 計
基 数
駐車可能台数
1986年
1987 1988 1989 1990 14 157
14 737
15 903
17 569
19 039
0
0
498
968
1 333
─
─
4 334
8 299
10 793
14 157
14 737
16 401
18 537
20 372
14 157
14 737
20 237
25 868
29 832
1991 1992 1993 1994 1995 21 627
24 892
27 023
27 576
27 627
1 537
1 588
1 607
1 641
1 635
12 348
12 786
12 860
13 128
13 043
23 164
26 480
28 630
29 217
29 262
33 975
37 678
39 883
40 704
40 670
1996 1997 1998 27 682
27 636
27 561
1 642
1 630
1 602
12 926
12 748
12 467
29 324
29 266
29 163
40 608
40 384
40 028
資料:
(財)全日本交通安全協会「安全・円滑・快適な道路交通を目指して」
11-3 主要都市の駐車場整備状況
1996
北海道札幌市
東京都区部
神奈川県横浜市
神奈川県川崎市
愛知県名古屋市
京都府京都市
大阪府大阪市
兵庫県神戸市
広島県広島市
福岡県北九州市
福岡県福岡市
都市計画駐車場
箇所数
2
38
2
1
11
4
8
10
6
3
6
台数
677
14 554
862
380
4 131
673
2 550
3 108
2 428
913
1 774
(各年度末時点、箇所、台)
届出駐車場
箇所数
172
259
131
45
169
131
586
104
148
68
180
台数
27 507
34 835
24 198
5 792
29 081
19 714
40 348
24 098
15 410
15 477
29 279
附置義務駐車場
箇所数
1 486
14 805
4 688
339
2 302
284
4 802
646
618
567
1 677
台数
57 709
404 113
123 433
11 678
97 909
18 962
166 646
35 641
17 640
25 477
54 425
路上駐車場
箇所数
1
−
−
−
−
−
−
−
1
−
−
台数
27
−
−
−
−
−
−
−
965
−
−
合 計
箇所数
1 661
15 102
4 821
385
2 482
419
5 396
760
773
638
1 863
台数
85 920
453 502
148 493
17 850
131 121
39 349
209 544
62 847
36 443
41 867
85 478
登録自動車
1万台当り 1995
駐車
スペース 合計(台)
1 136
1 901
1 291
488
1 239
847
2 812
1 405
880
1 124
1 745
1990
合計(台)
82 096 59 253
443 962 340 384
137 929 80 932
12 602
4 292
123 347 82 976
36 767 21 486
199 271 139 666
65 528 44 871
33 979 21 768
38 190 25 480
79 276 53 009
資料:(社)立体駐車場工業会「自動車駐車場年報」
自動車交通 1999 71
統計・資料
12. 日本人の生活時間における移動時間
12-1 日本人の生活時間の変化(国民全体、行為者平均時間)
睡
食
療
仕
学
家
通
養
事
業
事
勤
(時間:分)
社
学
そ
の
他
の
移
動
加
際
レ
ジ
ャ
︱
活
動
通
会
マ
ス
メ
デ
ィ
ア
接
触
休
息
そ
の
他
・
不
明
眠
事
身
の
ま
わ
り
の
用
事
平 男
日 女
8:05
1:31
0:59
1:33
8:17
7:46
1:13
1:14
1:04
0:56
─
1:35
1:42
6:35
0:54
─
7:40
1:36
1:07
1:28
6:27
8:09
5:00
0:59
1:05
0:55
─
1:28
1:36
7:18
0:55
─
土 男
曜 女
8:10
1:32
0:58
1:29
7:23
6:20
1:27
1:10
1:02
1:07
─
2:13
2:27
6:56
0:58
─
7:46
1:37
1:08
1:33
5:53
6:26
4:59
0:55
1:05
1:05
─
1:50
1:55
7:18
0:58
─
日 男
曜 女
9:04
1:36
0:58
2:00
6:02
3:54
1:54
1:01
1:01
1:23
─
2:51
3:19
7:49
1:11
─
8:37
1:41
1:06
1:56
5:13
3:48
4:58
0:54
0:57
1:18
─
2:20
2:32
7:30
1:07
─
平 男
1 日 女
9
土 男
8
曜 女
5
年 日 男
曜 女
7:54
1:31
0:59
2:00
8:41
8:08
1:08
1:10
1:04
0:52
─
1:32
1:55
6:14
0:50
─
7:33
1:36
1:09
1:27
6:33
8:14
4:53
0:56
1:05
0:52
─
1:34
1:50
6:56
0:52
─
8:05
1:34
0:57
1:46
7:49
6:08
1:26
1:08
1:00
1:00
─
2:13
2:39
6:44
0:56
─
7:42
1:38
1:09
1:43
5:59
6:14
4:48
0:51
1:00
1:00
─
1:53
2:07
7:05
0:56
─
8:58
1:36
0:57
3:08
6:38
4:01
1:51
0:58
1:02
1:21
─
2:45
3:42
7:33
1:09
─
8:28
1:42
1:07
2:35
5:27
3:40
4:48
0:48
1:05
1:15
─
2:21
2:49
6:56
1:04
─
平 男
1 日 女
9
土 男
9
曜 女
0
年 日 男
曜 女
7:51
1:33
0:56
2:03
8:41
7:52
1:19
1:13
1:05
1:00
─
1:43
1:59
3:57
0:51
0:54
7:28
1:37
1:09
1:49
6:40
7:59
4:38
0:57
1:08
0:56
─
1:46
1:48
4:22
0:49
0:54
7:59
1:36
0:57
2:24
7:43
6:23
1:41
1:08
1:01
1:15
─
2:16
2:43
4:40
0:55
1:11
7:34
1:39
1:11
1:54
6:02
6:18
4:45
0:52
1:04
1:09
─
2:05
2:05
4:35
0:53
1:11
8:49
1:38
1:00
3:09
6:32
4:12
2:04
1:04
1:03
1:29
─
2:51
3:34
5;17
1:01
1:29
8:20
1:41
1:13
2:38
5:22
4:08
4:44
0:55
0:55
1:22
─
2:33
2:43
4:41
0:57
1:13
平 男
1 日 女
9
土 男
9
曜 女
5
年 日 男
曜 女
7:36
1:29
0:58
3:06
8:58
7:53
1:42
1:23
1:10
─
2:05
1:37
2:36
4:22
1:00
1:10
7:21
1:34
1:10
2:12
6:50
7:53
4:43
1:02
1:12
─
2:00
1:32
2:18
4:48
1:03
1:16
8:00
1:34
0:59
3:37
7:51
5:38
2:16
1:11
1:07
─
3:16
2:20
4:11
5:07
1:14
1:25
7:35
1:38
1:10
2:10
6:19
5:17
5:02
0:58
1:08
─
2:39
2:08
3:23
5:05
1:05
1:17
8:34
1:36
0:59
5:34
6:44
3:58
2:35
1:10
1:03
─
3:58
2:50
4:31
5:43
1:21
1:28
8:08
1:41
1:11
3:09
5:46
4:05
4:48
0:57
1:09
─
3:20
2:22
3:54
5:05
1:10
1:28
1
9
8
0
年
養
・
静
会
・
参
資料:NHK 放送文化研究所「日本人の生活時間」
注)1.二つの行動が同時に行われた場合は、それぞれ独立に集計しているので各合計は24時間にならない。
2.'95 年から調査方式を変更したため、'90 年以前の調査結果との直接比較はできない。
3.'80 年、'85 年の会話・交際は、交際のみのデータ。
4.'80 年、'85 年のマスメディア接触は、新聞・雑誌・本・テレビ・ラジオを合計したデータ。
5.'80 年の休息は、くつろぎ・休息のデータ。
72
話
交
12-2 各層別移動時間(平日、行為者平均時間)
(時間:分)
1985年
国民全体
男女別
男 年層別
女 年層別
職業別
都市規模別
通勤
1:05
1:10
:56
:23
1:02
1:09
1:05
1:12
1:15
1:17
:59
:00
:55
1:14
:46
:49
:58
1:00
:45
:40
:52
1:04
1:01
1:13
1:24
1:13
:50
─
1:29
1:17
1:02
:58
:56
:54
男
女
10∼15歳
16∼19歳
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳以上
10∼15歳
16∼19歳
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳以上
農林漁業者
自営業者
販売・サービス職
技能・作業職
事務・技術職
経営者・管理者
専門職・自由業・その他
家庭婦人
無職
東京圏
大阪圏
50万人以上の市
10万人以上50万人未満の市
10万人未満の市
町村部
通学
1:05
1:04
1:05
:49
1:26
1:56
:45
:00
:00
:00
:00
:52
1:30
1:50
:00
2:00
:00
:00
:00
:00
:00
3:00
1:30
:00
:00
:00
3:00
─
1:07
1:08
1:00
1:03
1:03
1:07
1990年
その他
:52
:52
:52
:43
:53
:51
:46
:54
1:06
1:06
:51
:41
:47
:53
:48
:56
:55
:59
:55
:44
:52
:51
:41
:46
:59
1:24
:57
─
:57
:57
:56
:49
:47
:49
通勤
1:07
1:13
:57
:35
:56
1:09
1:10
1:16
1:17
1:16
1:00
:34
1:02
1:13
:50
:48
:55
:56
:55
:46
:53
1:02
1:02
1:15
1:28
1:12
:51
1:11
1:32
1:20
1:03
:59
:55
:56
通学
1:06
1:05
1:08
:50
1:22
1:38
:46
:46
:42
1:48
1:50
:52
1:29
1:40
:31
:35
:51
:31
1:00
:29
1:05
:51
:48
:46
1:27
:58
:48
:58
1:17
1:09
1:04
:59
1:03
1:06
1995年
その他
:58
1:00
:56
:41
:53
1:01
:53
1:06
1:05
1:18
1:05
:37
:52
:58
:50
1:00
1:02
1:07
1:04
:57
1:05
1:00
:48
:52
1:16
1:06
1:06
1:14
1:08
:57
:57
:54
:56
:56
通勤
1:15
1:23
1:02
:51
1:02
1:18
1:20
1:22
1:30
1:25
1:20
:39
:59
1:14
1:00
:55
:59
1:05
:55
1:12
1:09
1:09
1:10
1:21
1:37
1:13
:58
1:12
─
─
─
─
─
─
通学
1:11
1:10
1:12
:54
1:31
1:45
:44
1:22
:31
:32
1:15
:55
1:34
1:42
:53
:48
:55
:47
1:10
:35
:42
1:11
:45
:49
1:17
:48
:50
1:10
─
─
─
─
─
─
資料:NHK 放送文化研究所「国民生活時間調査」 注)'95 年から調査方式を変更したため、'90 年以前の調査結果との直接比較はできない。
13. 日本人の家計における交通・通信費
13-1 交通・通信に関わる消費者物価の推移
(年平均、1 9 9 5 年 = 1 0 0 )
1985年
1990年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
87.4
93.5
98.1
99.4
100.1
100.0
100.1
101.9
交通通信
97.1
99.0
100.2
100.5
99.9
100.0
99.3
99.3
交 通
85.4
93.5
96.6
97.7
98.2
100.0
102.9
104.5
77.4
91.7
76.1
77.5
107.4
83.4
86.8
100.0
88.8
82.2
100.3
95.2
95.1
100.0
93.5
88.9
100.0
95.2
95.7
100.0
95.2
95.1
100.0
95.2
96.1
100.0
98.3
96.7
100.0
95.2
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
107.5
101.3
101.0
103.2
99.8
101.6
109.4
102.7
103.1
105.8
100.1
102.6
101.3
100.1
101.9
102.7
102.2
100.0
97.4
96.8
103.3
100.6
124.7
70.3
75.4
100.4
100.0
110.4
82.0
87.7
100.7
102.3
109.1
93.8
93.9
101.0
103.4
109.4
98.0
97.8
100.9
102.8
106.3
99.2
98.7
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
99.3
96.7
93.7
101.1
100.2
100.8
95.2
91.8
102.6
100.8
108.1
78.7
113.8
80.5
105.8
81.0
110.0
89.8
101.8
81.1
104.1
100.1
99.4
81.9
101.0
100.1
96.2
98.5
95.6
100.1
100.0
100.0
100.0
100.0
99.1
100.0
99.5
100.0
98.5
100.0
99.5
101.4
総合消費者物価
鉄道運賃(JR以外)
鉄道運賃(JR)
バ ス 代
タクシー代
航空運賃
高速自動車道路料金
自動車等関係費
自 動 車
自動車等維持
ガソリン(レギュラー)
車庫借料
駐車料金
通 信
郵 便 料
通 話 料
運 送 料
資料:総務庁「消費者物価指数年報」
自動車交通 1999 73
統計・資料
13-2 家計における交通・通信費(全国・勤労者世帯平均1ヵ月あたり)
消費支出
(円)
1980年
1985年
1990年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
238 126
289 489
331 595
355 276
353 116
349 663
351 755
357 636
369
748
125
182
176
814
79
16
16
13
23
8
993
475
797
103
902
670
82
20
18
13
23
9
81
22
19
13
21
9
477
258
674
144
134
586
513
446
150
239
963
474
78
23
19
13
21
9
947
412
551
040
085
334
78
24
19
12
20
9
131
679
971
811
438
858
79
24
20
12
20
10
879
114
841
599
264
386
66
11
12
10
17
5
交通・通信
20 236
27 950
33 499
38 561
37 301
38 524 40 611 41 552
15 900
22 574
27 072
31 995
30 859
31 419
32 961
32 968
4 725
1 796
1 188
399
340
633
369
6 103
2 375
1 692
427
436
651
522
7 543
2 730
1 877
423
463
671
1 379
8 092
2 865
2 195
382
450
594
1 606
8 031
2 838
2 154
374
421
601
1 643
8 064
2 654
2 269
356
474
545
1 766
8 189
2 940
1 875
409
426
704
1 834
8 511
2 797
2 385
357
454
525
1 993
11 175
3 413
275
7 487
16 471
5 505
295
10 671
19 529
6 842
369
12 319
23 903
8 891
401
14 612
22 828
7 144
429
15 255
23 355
7 734
337
15 284
24 773
9 409
360
15 004
24 457
8 795
323
15 339
4 336
5 376
6 426
6 565
6 442
7 104
7 649
8 584
8 637
20 135
65 105
12 157
25 269
79 699
16 827
31 761
90 569
18 269
34 799
96 373
18 988
34 549
94 491
18 467
33 221
94 082
18 511
33 804
92 939
19 162
34 295
94 543
交通・自動車等関係費
交 通
鉄道運賃
鉄道定期代
バ ス 代
バス定期代
タクシー代
航空運賃他の交通
自動車等関係費
自動車等購入
自転車購入
自動車等維持
通 信
教 育
教養娯楽
その他の消費支出
資料:総務庁「家計調査年報」
245
297
693
092
914
771
74
13
17
12
20
6
食 料
住 居
光熱・水道
家具・家事用品
被服・はきもの
保健医療
注)交通費の内訳は、交通費の合計(1ヵ月平均額)を各項目の年間の支出割合で按分した推計値である。
14. 自動車電話の普及状況
14-1 日本の通信市場の推移
1989年度
1990年度
(億円)
1991年度
1992年度
1993年度
1994年度
1995年度
1996年度
1997年度
電 話
47 436 (3.1) 48 841 (3.0) 49 400 (1.1) 49 687 (0.5) 50 387 (1.4) 51 783 (2.8) 54 834 (5.9) 54 715 (△0.2) 50 355 (△8.0) 専 用
3 990 (11.5) 4 380 (9.7) 4 644 (6.0) 5 299 (14.1) 5 623 (6.1) 5 736 (2.0) 5 722 (△0.2) 6 214 (8.6) 7 043 (13.3) 自動車電話
・携帯電話
1 356 (60.6) 2 470 (82.2) 3 397 (37.5) 4 665 (37.3) 6 080 (30.3) 8 732 (43.6) 14 031 (60.7) 23 400 (66.8) 33 484 (43.1) P H S
― ( ― ) ― ( ― ) ― ( ― ) ― ( ― ) ― ( ― ) ― ( ― ) 307 ( ― ) 2 825 (820.3) 5 120 (81.2) 船舶電話
111 (△4.3) 118 (6.3) 127 (7.6) 142 (11.8) 158 (10.1) 159 (1.3) 159 (0.0) 153 (△3.8) 138 (△9.8) 無線呼出し
1 160 (8.1) 1 252 (7.9) 1 506 (20.3) 1 788 (18.7) 2 184 (22.1) 2 729 (25.0) 2 889 (5.9) 2 872 (0.6) 2 270 (△21.0) そ の 他
2 928 (△2.8) 3 442 (17.6) 4 057 (17.9) 4 539 (11.8) 5 520 (21.6) 5 832 (5.7) 6 667 (14.3) 7 959 (19.5) 10 102 (26.9) 合 計
56 981 (4.3) 60 503 (6.1) 63 131 (4.3) 66 122 (4.7) 69 955 (5.8) 74 973 (7.2) 84 612 (12.9) 98 140 (16.0) 108 512 (10.6) 資料:(株)情報通信総合研究所「情報通信ハンドブック」
注)1. 億円未満の数字は切り捨て。 2.( )内は対前年度伸び率。
3. その他は、電報・電信・ファクシミリ通信網・CRP・データ通信・データ伝送・ISDN 等
74
15. 日本および各国のエネルギー消費量
15-1 日本の輸送機関別エネルギー消費量
(1 0 0 億 k c a l)
1975年度 1980年度 1985年度 1990年度 1992年度 1993年度 1994年度 1995年度 1996年度
24 437
32 72 4
33 089
47 437
53 307
54 802
56 408
59 162
61 446
鉄 道
JR(国鉄)
民 鉄
2 987
1 913
1 074
3 225
2 018
1 207
3 141
1 895
1 246
3 919
2 444
1 475
4 009
2 473
1 536
4 082
2 527
1 554
4 139
2 533
1 606
4 213
2 589
1 624
4 182
2 576
1 606
バ ス
営業用バス
自家用バス
1 436
1 124
312
1 532
1 184
348
1 556
1 211
345
1 713
1 334
379
1 718
1 332
386
1 737
1 361
376
1 729
1 368
361
1 734
1 383
351
1 731
1 387
344
17 268
1 878
15 390
24 575
2 090
22 485
25 349
2 037
23 313
32 671
2 029
30 642
37 721
2 059
35 662
38 853
2 033
36 820
40 399
2 029
38 370
42 793
2 041
40 752
45 093
2 025
43 068
旅客輸送
乗 用 車
営業用乗用車
自家用乗用車
自家用貨物車
―
―
―
5 563
5 837
5 906
5 772
5 812
5 690
旅 客 船
1 432
1 51 8
1 381
1 567
1 697
1 770
1 751
1 852
2 012
航 空
1 314
1 87 4
1 661
2 005
2 325
2 454
2 618
2 757
2 738
22 621
26 93 0
25 728
31 636
34 117
34 070
34 640
35 794
36 724
684
670
14
565
552
13
347
339
8
306
299
7
312
306
6
300
294
6
287
283
4
295
291
4
289
285
4
16 547
4 498
12 049
21 929
6 793
15 137
22 612
8 430
14 183
27 969
12 036
15 933
30 429
13 846
16 583
30 491
14 225
16 266
30 924
14 814
16 110
31 973
15 526
16 447
32 817
16 313
16 504
内航海運
5 250
4 19 3
2 446
2 948
2 936
2 810
2 934
2 999
3 109
航 空
140
243
323
414
440
468
495
527
509
47 058
59 65 4
58 817
79 073
87 424
88 872
91 048
94 956
98 170
貨物輸送
鉄 道
JR(国鉄)
民 鉄
自 動 車
営業用自動車
自家用自動車
旅客・貨物合計
資料:運輸省「運輸関係エネルギー要覧」
15-2 各国のエネルギー消費量(1995年)
日 本
イギリス
フランス
3.96
7.90
4.15
3.79
4.15
2.15
3.02
1.66
1.42
1.49
一次エネルギーベース
497.23
2 078.27
339.29
221.91
241.32
最終消費ベース
346.21
1 403.20
245.90
155.77
159.15
147.89
(42.7)
362.98
(25.9)
78.65
(32.0)
42.46
(27.3)
46.29
(29.1)
86.94
(25.1)
544.43
(38.8)
64.02
(26.0)
48.05
(30.8)
46.60
(29.3)
111.38
(32.2)
495.79
(35.3)
103.22
(42.0)
65.26
(41.9)
66.26
(41.6)
一人当たりエネルギー消費量
アメリカ
ドイツ
(石油換算 トン/人)
一人当たりエネルギー消費量
(石油換算 トン/人)
エネルギー消費量総計
(石油換算 100万トン)
最終エネルギー消費量の内訳
(石油換算 100万トン)
産業部門
(%)
運輸部門
(%)
民生部門
(%)
資料:運輸省「運輸関係エネルギー要覧」
自動車交通 1999 75
年表・資料
16. 交通関係年表(1998年1月∼12月)
年月日
1998. 1. 12
1. 19
1. 21
1. 23
2. 3
2. 4
2. 5
2. 15
2. 20
3. 6
3.
3.
3.
3.
3.
3.
8
14
14
14
14
16
3.
3.
3.
3.
3.
3.
3.
18
20
20
20
20
20
20
3. 23
3. 23
3. 24
3.
3.
3.
3.
3.
3.
26
26
26
26
30
30
3. 30
3. 31
3. 31
3. 31
76
事
項
VICSセンター 長野県下の主要一般道路において道路交通情報通信システムの運用を開始 【長野】
運輸省 「地域物流マネジメント研究会」(座長・中田 信哉)第一回会合開催 (地域の物流効率化をめざす
「物流マネジメントモデル都市構想」に着手)
環境庁 21世紀の低公害車に対応した排出ガス性能の新たな指針を策定し、環境負荷の一層の低減を図ること
を目的に「低公害車等排出ガス技術指針策定調査検討会」(座長・大聖 泰弘)発足 (自動車全般のクリーン
度の評価基準の検討 など)
環境庁 京都議定書に盛り込まれた排出量取引等の国際制度についての検討を目的に「京都議定書・国際制度
検討会」(座長・佐和 隆光)第一回会合開催 (削減手法の実施方法などについて日本の考えを検討)
日本道路公団 高速道路の交通情報をFAXで提供する「ハイウェイFAXサービス」開始 (情報は5分ごとに更
新され、24時間、情報料無料で提供 FAX番号:JH岩槻:048-757-1495 他)
運輸省 航空審議会に対し「今後の航空安全規制のあり方について」諮問
運輸省 「物流高度化アークテクチャー(構造)の構築」に着手するため「次世代物流研究会」
(座長・相田 仁)第一回会合開催 (荷主や物流事業者の物流高度化へのニーズを把握し、有効な技術の最新
動向の整理・検討)
阪神電気鉄道・山陽電気鉄道 阪神本線 阪神梅田∼山陽本線 山陽姫路駅間(91.8km) 相互直通特急運行
開始(最速87分で結ぶ) 【大阪・兵庫】
東海北陸自動車道 尾西∼一宮木曽川間(3.8km)供用開始 【愛知】
中央環境審議会 「今後の地球温暖化防止対策の在り方について」中間答申 (京都議定書にそって対策を進
めるためには、新たな法律の制定が必要 など)
綾部宮津道路 綾部JCT∼舞鶴大江間(12.1km)供用開始 【京都】
JR東日本「武蔵野線」 東松戸駅(新八柱∼市川大野駅間)開業 【千葉】
JR東日本「東北本線」 紫波中央駅(日詰∼古館駅間)開業 【岩手】
JR東日本「常磐線」 ひたち野うしく駅(牛久∼荒川沖駅間)開業 【茨城】
JR四国「高徳線」 オレンジタウン駅(志度∼造田駅間)開業 【香川】
通産省 環境負荷の低い製品の購入を促すため「環境ラベル検討会」(委員長・茅 陽一)第一回会合開催 (環境情報提供や、製品へのラベルのあり方の検討 など)
近畿自動車道(敦賀線) 舞鶴西∼舞鶴東間(9.8km)供用開始 【京都】
高知自動車道 南国∼伊野間(17.9km)供用開始 【高知】
三陸自動車道 鳴瀬奥松島∼石巻河南間(12.4km)供用開始 【宮城】
東名高速道路 横浜青葉IC(東名川崎∼横浜町田間)供用開始 【神奈川】
山陰自動車道(米子道路) 淀江大山∼米子東間(6.2km)供用開始 【鳥取】
山陰自動車道(安来道路) 米子西∼安来間(6.6km)供用開始 【鳥取・島根】
港湾審議会 「今後のコンテナターミナルの整備及び管理運営のあり方」答申 (日本のコンテナターミナル
の利用料金が割高なため、物流の中心がアジアにシフトしていると指摘 港湾施設の利用料金引き下げを求め
る)
日高自動車道(苫東道路) 苫小牧東∼沼ノ端西間(4.0km)供用開始 【北海道】
九州自動車道 広川IC(久留米∼八女間)供用開始 【福岡】
運輸技術審議会 「経済社会状況の変化を踏まえた運輸技術施策の基本的なあり方について」答申 (技術的
規制については、安全情報の適切な提供・活用の推進、技術的規制の評価手法検討 などの必要性を指摘)
高松自動車道(高松東道路) 津田東∼さぬき三木間(13.3km)供用開始 【香川】
関越自動車道 昭和IC(赤城∼沼田間)供用開始 【群馬】
南九州自動車道(鹿児島道路) 鹿児島西∼伊集院間(10.2km)供用開始 【鹿児島】
仙台空港 B滑走路(3,000m)供用開始 (欧米などへの長距離直行便の就航も可能に)【宮城】
伊勢湾岸自動車道(高速道路区間) 名古屋南∼東海間(5.1km)供用開始 【愛知】
伊勢湾岸自動車道(一般有料道路区間) 東海∼名港中央間(4.1km)供用開始 (名港中央大橋(全長
1,170m)をはじめとして世界的規模を誇る3つの長大斜張橋「名港トリトン」が特徴) 【愛知】
千葉東金道路 東金∼松尾横芝間(16.1km)供用開始 【千葉】
九州自動車道 筑紫野IC(太宰府∼鳥栖JCT間)供用開始 【福岡】
政府 「新たな全国総合開発計画─21世紀の国土のグランドデザイン」(目標年次:2010∼2015年)閣議決定
(地域の価値観に応じて安全・環境を考慮し、自然との調和を図った交通体系の形成を目指す など)
VICSセンター 兵庫県下の主要一般道路において道路交通情報通信システムの運用を開始 【兵庫】
年月日
事
4. 1
4.
4.
4.
4.
4.
1
2
2
2
5
4.
4.
4.
4.
5
5
5
9
4. 11
4. 14
4.
4.
4.
4.
4.
17
19
20
21
23
4. 28
5. 1
5. 6
5. 15
5. 18
5. 22
5. 26
5. 27
5. 27
5. 28
5. 28
5. 29
5. 29
6. 2
6. 9
項
北九州高速鉄道「北九州都市モノレール小倉線」 小倉∼平和通駅間(0.4km)開業 (JR九州「小倉駅」
ターミナルに乗り入れ) 【福岡】
西瀬戸自動車道 因島北∼因島南間(3.4km)供用開始 【広島】
阪神高速道路 7号北神戸線 有馬口JCT∼柳谷JCT間(3.3km)供用開始 【兵庫】
阪神高速道路 7号北神戸線 箕谷∼有馬口間(8.7km)供用開始 【兵庫】
阪神高速道路 11号池田線 空港JCT∼池田木部間(7.4km)供用開始 【大阪・兵庫】
世界最長のつり橋 明石海峡大橋(全長3,911m)(愛称:パールブリッジ)を含む神戸淡路鳴門自動車道 神
戸西∼津名一宮間(44.4km)供用開始 【兵庫】
阪神高速道路 湾岸(垂水)線 垂水JCT∼名谷JCT間(1.2km)供用開始 【兵庫】
山陽自動車道 神戸西∼三木JCT間(9.6km)供用開始 【兵庫】
第二神明道路(北線) 垂水JCT∼永井谷JCT間(5.6km)供用開始 【兵庫】
運輸政策審議会 「国内航空路線の需給調整規制の原則廃止に向けた航空行政の基本的な方向と課題」答申 (需給調整規制廃止後の国内航空運賃の自由化 など)
深川留萌自動車道(深川沼田道路) 深川JCT∼深川西間(4.4km)供用開始 【北海道】
運輸省 「エコ・トラック推進プログラム」まとめ、地方運輸局長などへ通達 (低公害トラック導入や共同
配送による輸送の効率化が柱)
西九州自動車道(佐世保道路) 佐世保みなと∼佐世保大塔間(4.9km)供用開始 【長崎】
能越自動車道 徳田大津∼田鶴浜間(6.0km)供用開始 【石川】
南九州自動車道(八代日奈久道路) 八代JCT∼八代南間(6.6km)供用開始 【熊本】
郵政省 電気通信技術審議会に対し「高度道路交通システムにおける情報通信システムの在り方」諮問
埼玉、山梨の両県を結ぶ 雁坂トンネル(6.6km)開通 (一般国道トンネルとしては日本最長)
【埼玉・山梨】
政府 気候変動枠組み条約第三回締約国会議(温暖化防止京都会議)の議定書に署名 (議定書は先進国の温
室効果ガス排出量の削減目標を定めたもの 日本は14番目に署名)
中部国際空港を建設、運営する「中部国際空港株式会社」(会長・安部 浩平)設立 (日本国際博覧会が開催
される2005年に開港を予定している) 【名古屋】
運輸省 ナンバープレートの希望番号予約の受付開始 (東京陸運支局「品川」など全国26地域で先行して実
施 実施地域においては、5月19日から自動車の分類番号について3桁化を実施 1年後には全国的に希望ナン
バー制および分類番号の3桁化を実施予定)
運輸省 航空会社ごとに決まっている空港の発着枠を再配分するため「スロット配分方式検討懇談会」(座長・
杉山 武彦)発足 (発着枠は航空会社の既得権益となっており、その再配分によって競争の促進を狙う)
首都高速道路 高速埼玉大宮線 美女木JCT∼与野間(8.0km)供用開始 【埼玉】
中央環境審議会 「騒音の評価手法等の在り方について」答申 (騒音評価手法を「等価騒音レベル(LAeq, T)」
に変更し、新たな環境基準の指針値を示す など)
運輸省・新東京国際空港公団 成田空港に総合的な環境対策を導入する「エコ・エアポート構想」まとめた (機内食工場から出る生ごみを堆肥にして、農家に提供する など、空港が総合的な環境対策を打ち出すのは
初めて)
運輸省 自動車の型式指定制度の合理化などに関わる「道路運送車両法」の一部改正公布 (施行:'98.11.24よ
り)
電気通信審議会 「情報通信を活用した地球環境問題への対応」答申 (ネットワークを使った在宅勤務が通
勤交通などの減少や都市の分散などでCO2削減に効果があるとして、税制支援制度などを求めている など)
環境庁 自動車騒音の一層の低減を図るため「タイヤ単体騒音実態調査検討会」(座長・黒田 道雄)第一回会
合開催 (タイヤの単体レベルの実測調査などを通じてタイヤ単体騒音規制の有効性を評価)
運輸省 高速道路に接続するショッピングセンターなどの通路と高速道路との連結位置基準などに関わる「高
速自動車国道法」の一部改正公布 (施行:公布日より3ヶ月以内)
航空審議会 「航空安全規制のあり方について」答申 (機長や整備士の資格制度などの見直し など)
政府 「新道路整備五箇年計画」(1998∼2002年度)閣議決定 (高規格幹線道路を新たに1,361kmの新規開通
を図り、2002年度末までに供用総延長を8,626kmにする など)
運輸政策審議会 「貸切バスの需給調整規制廃止に向けて必要となる環境整備方策等について」答申 (事業
許可制と事業撤廃の届出制、変更命令をつけた運賃届出制の導入を提言)
運輸政策審議会 「需給調整規制廃止後の交通運輸政策の基本的な方向について」答申 (交通市場を自由競
争に大転換し、交通インフラ整備などに関する行政関与のあり方を提言)
自動車交通 1999 77
年表・資料
年月日
6. 11
6. 11
6. 15
6. 16
6. 16
6. 19
6. 26
7. 1
7.
7.
7.
7.
7.
7.
6
16
18
23
28
29
7. 30
8. 5
8. 20
8. 20
8. 25
8. 28
9. 2
9. 19
9. 22
9. 26
9. 30
9. 30
10. 1
78
事
項
運輸技術審議会 「今後の鉄道技術行政のあり方について」中間答申 (鉄道事業の効率化、活性化等の観点
から、事業者の自主性判断を尊重することが重要 など)
運輸政策審議会 「国内旅客船事業における需給調整規制廃止に向けて必要となる環境整備方策等について」
答申 (規制撤廃に伴い、行政役割の変化や生活航路の維持、安全確保など提言)
運輸政策審議会 「旅客鉄道分野における需給調整規制廃止に向けて必要となる環境整備方策等について」答
申 (参入・退出規制のあり方、新しい運賃規制についての基本的な考え方など提言)
運輸省 運輸技術審議会に対し「安全と環境に配慮した今後の自動車交通政策のあり方について」諮問
運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁 四省庁を再編・統合する国土交通省の在り方などを検討するため「国
土交通省に向けての準備協議会」第一回会合開催(各省庁の官房長、北海道開発庁総務監理官が中心) (国
土交通省の役割や組織の在り方を検討)
政府 2008年から2012年にかけての温室効果ガス排出量を1990年に比べ6%削減するため「地球温暖化対策推進
大綱」閣議決定 (クリーンエネルギー自動車・低公害車の普及促進と開発の推進 など)
環境庁 低公害車以外のあらゆる自動車にも排ガス低減を求める新しい「低公害車等排出ガス技術指針」決定
(2000年の規制値をベースに、より厳しい指針値を策定 排出ガスのクリーン度に応じて自動車を3段階評価す
る)
JALエクスプレス(JEX)開業 (大阪空港(伊丹空港)∼鹿児島空港・宮崎空港間) (JALの路線
を移管し、大阪を拠点に運航 今後も地方路線を引き継いでいく予定)
日高自動車道 沼ノ端西∼厚真間(15.7km)供用開始 【北海道】
運輸省 運輸技術審議会に対し「自動車の燃費基準の強化について」諮問
大館能代空港(滑走路延長2,000m)開業 (愛称・あきた北空港) 【秋田】
深川留萌自動車道 深川西∼秩父別間(7.2km)供用開始 【北海道】
佐賀空港(滑走路延長2,000m)開業 (国内では80番目) 【佐賀】
大阪高裁 「西淀川公害訴訟」和解成立 (淀川区内を通る幹線道の沿道の環境対策や、交通量の抑制対策に
ついて、国と阪神高速道路公団は問題の解決を図る 第1次訴訟以来20年ぶりの全面解決)
運輸省「地域における物流マネジメントのあり方に関する研究会」 中間報告まとまる (地域物流の効率化
を推進するために、地域における総合的かつ計画的な取り組みの推進が必要。又、ケーススタディを実施する
モデル都市を選定)
横浜地裁 「川崎公害訴訟(2∼4次)」判決下す (排出ガス中の大気汚染物質と健康被害の因果関係を認
定 国と首都高速道路公団に賠償を命じる)
警察庁 交通安全教育のガイドラインとなる「交通安全教育指針」まとめる (年齢層別に目的や目標、教育
内容などをまとめた)
国土審議会 2015年を目標とする新首都圏整備基本計画の策定に向けた「首都圏基本計画の調査検討報告」中
間答申 (東京都心部などの都市空間を再生し、有効活用する「大都市のリノベーション」を積極的に推進す
る など)
建設省 道路審議会に対し「今後の幹線道路網の整備・管理のあり方について」諮問
スカイレールサービス「広島短距離交通 瀬野線」(スカイレールみどり坂線) みどり口∼みどり中央駅間
(1.3km)供用開始 (ロープ駆動式懸垂型交通システム) 【広島】
運輸省 全省的に物流施策を推進していくための「運輸省物流アクション・プラン」決定 (共同輸配送を行
うための物流拠点等の整備などの効率的な地域物流システムの構築などに取り組む)
スカイマークエアラインズ(SKYMARK)開業 (東京国際空港∼福岡空港間) (規制緩和による35年
ぶりの国内定期航空新会社 大手エアラインズの半額に設定した低価格運賃や、広告を機体にデザインしたこ
となどで話題を呼ぶ)
運輸省 運輸政策審議会に対し「低燃費自動車の一層の普及促進策について」諮問
西九州自動車道(福岡前原道路) 福岡西料金所∼周舟寺間(4.6km)供用開始 【福岡】
環境庁 新しい「自動車排出ガスの量の許容限度」公示 (ガソリン、LPG車を対象とし、車種ごとにCO、
HC、NOxを最大7割程度削減を目指す 施行日:新型車2000年10月から順次適用)
環境庁 新しい「騒音に係わる環境基準について」公示 (評価手法として等価騒音レベルを採用、又、2車線
以上の沿道の住居地で昼60dB(A)以下、夜55dB(A)以下と規定 など) (施行日:一部地域1999年4月より)
運輸省 国内メーカー5社の新規格軽自動車の全16車種・36型式について、型式認定 (新規格では全長
10cm、幅8cm拡大し、衝突安全性の向上を図る)
年月日
10. 1
10. 2
10. 14
10.
10.
10.
10.
16
21
28
30
11. 2
11. 10
11. 13
11. 18
11. 20
11. 25
11. 27
11. 27
12. 8
12. 8
12. 10
12. 10
12. 13
12. 14
12. 17
12. 18
12. 20
事
項
大阪高速鉄道「国際文化公園都市モノレール線」 万博記念公園∼大阪大学病院前駅間(2.6km)供用開始 【大阪】
地球温暖化を防ぐための基本法である「地球温暖化対策推進法」成立 (京都議定書により、日本に課せられ
た温暖化ガスの排出削減目標を達成するために策定)
運輸技術審議会 「自動車燃費目標基準値等に関する中間とりまとめ」報告 (ガソリン車については2010年
度までに1995年度比で21.4%向上させる など)
環境庁 中央環境審議会に対し「環境研究技術基本計画について」諮問
郵政省 電気通信審議会に対し「次世代における地域情報化政策の在り方について」諮問
山形自動車道 寒河江∼西川間(14.0km)供用開始 【山形】
JR東日本「東海道線」 東静岡駅(静岡∼草薙駅間)開業 【静岡】
気候変動枠組み条約第四回締約国会議(COP4)開催 (主要な論点:京都議定書のにおいて導入されたメ
カニズム(排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム)の制度の具体化 成果:目標およびそのための
具体的取組を規定する「ブエノスアイレス行動計画」の作成 ∼11.13) 【アルゼンチン】
運輸省 港湾審議会に対し「経済・社会の変化に対応した港湾の整備・管理のあり方について」諮問
運輸技術審議会 「今後の鉄道技術行政のあり方について」答申 (鉄道技術行政の基本方針を鉄道各社の自
主性と国の一定の役割の二つとして示した)
京浜急行電鉄「空港線」 羽田∼羽田空港駅間(3.2km)供用開始 (合わせて、新東京国際空港の京成電鉄 成田空港駅∼京浜急行電鉄 羽田空港駅間に初の直通列車「エアポート快速特急」運行開始 所要時間最速102
分で結ぶ) 【東京】
道路審議会 建設省に対し「より良い沿道環境の実現に向けて」答申 (道路構造対策と自動車交通の需要調
整の導入などの施策を提言)
運輸省 運輸政策審議会に対し「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備について」諮問
多摩都市モノレール 立川北∼上北台駅間(5.4km)供用開始 【東京】
建設省 「新道路技術五箇年計画」策定 (高度道路交通システム(ITS)を実現する「スマートウェイ2
001・知能道路計画」などを重点的な技術研究開発の項目に揚げている)
JR東日本 「成田エクスプレス」 大宮∼成田空港駅間の直通運行開始 【埼玉・千葉】
環境庁 騒音規制法に基づく「自動車騒音の大きさの許容限度」の一部改正を公示 (中型バス、小型貨物車、
軽貨物車の騒音規制を強化) (施行日:新型車2000年10月より など)
運輸技術審議会 「自動車検査証の有効期間及び点検整備の項目等の見直しを中心とした今後の自動車点検整
備及び検査のあり方について(第一次)」答申 (トラックの初回の検査について、自動車検査証の有効期間
の延長 など)
環境庁 排出ガスの少ない自動車の技術開発目標および性能の指標として新しい「低公害車等排出ガス技術指
針」通知 (ガソリン車などの排出ガス削減技術が向上したため、指針の適用範囲を3.5トン以下の全車種に拡
大)
東海北陸自動車道 一宮JCT∼尾西間(3.9km)供用開始 (一宮JCTで名神高速道路と直結) 【愛知】
中央環境審議会 「今後の自動車排ガス低減対策のあり方について(第三次)」答申 (ディーゼル車につい
ての排ガス規制の二段階強化 など)
運輸技術審議会 「自動車の燃費基準の強化について」答申 (2010年度にガソリン乗用車の燃費を1995年度
比約23%改善する など)
運輸省 運輸政策審議会に対し「中長期的な鉄道整備の基本方針および鉄道整備の円滑化方策について」諮問
北海道国際航空(AIR DO)開業 (東京国際空港∼新千歳空港間) (規制緩和で新参入したスカイマー
クエアラインズに次いで2社目 大手エアラインズの36%安く設定した低価格運賃などで話題を呼ぶ)
自動車交通 1999 79
80
許田
函館
西原
七飯
虻田
洞爺湖
加治木
水俣
志布志
国分
北郷
清武
宮崎西
宮崎
高千穂
熊本
嘉島
矢部
国分∼隼人東
玖珠
北九州
日田
鳥栖
福岡
深川
浦河
4.8km
内海
中村
中土佐
須崎
松山
呉
広島北
広島
千代田
遠軽
10.1 km
東九州自動車道
高知
伊野
6.2 km
福山
三次
美馬
龍野
井川
池田
川之江東
御坊
海南
吉備
白浜
和歌山
井川池田∼川之江東JCT
21.5 km
五条
松原
吹田
城陽
吹田
尾鷲
亀山
津
菰
野
敦賀
福井
伊勢
予定路線区間
基本計画区間
整備計画区間
供 用 区 間
名古屋
一宮
岐阜
小牧
勝山
金沢
21.9 km
土岐
関美濃
荘川
白鳥
清見
小矢部
砺波
中郷∼上越JCT
四
日
市
飛
鳥
松本
双葉
長坂
清水
岡谷
長野
飛鳥∼鍋田
5.1 km
鶴ヶ島
修善寺
御殿場
館山
温海
猪苗代
磐梯高原
米沢
上山
田麦俣
月山沢
寒河江
鶴岡
新空港
宮野木
千葉
牛久
友部
宇都宮
酒田
潮来
本荘
いわき四倉
相馬
山元 亘理
仙台
北上
宮守
盛岡
宮古
久慈
釜石
大船渡
八戸
14.9 km
友部JCT∼水戸南
14.3 km
北関東自動車道
磐梯熱海∼猪苗代磐梯高原
東北横断自動車道(4車線化)
石巻
花巻
安代
小坂
青森
資料:日本道路公団資料
注)この図では、国土開発幹線自動車道等の開通予定区間を示す。
インターチェンジの名称等は仮称である。
いわき
いわき中央
福島
笹谷
村田
郡山
大谷PA∼宇都宮(6車線化) 3.7 km
村山
河辺
横手
尾花沢
大館
鯵ヶ沢
琴丘
昭和男鹿半島
秋田北
山形
関沢 富谷
庄内
あさひ
水戸
茨城
ひたち
なか
鉾田
磐梯熱海
新潟空港
神林
松戸
成田
木更津
富津
横浜
三郷
市川
浦和
川口
久喜白岡
岩舟
都賀
新潟
中央
寒河江
西川
月山沢
16.5 km
東北縦貫自動車道
海老名
伊勢原
練馬
大泉
藤岡
高崎
前橋
長岡
西川∼月山沢
東北横断自動車道
大月
八王子
秦野
小諸
下田
沼津
富士
吉田
上越
8.4 km
中郷
甲府
佐久
更埴
名立谷浜
第二名神高速道路
鍋
田
静岡
引佐
飯田
富山
高山
福光
高岡
七尾
輪島
20.4 km
関 越 自 動 車 道
上越∼名立谷浜(4車線化)
北 陸 自 動 車 道
事 業 区 間
供 用 区 間
高速自動車国道に並行する自動車専用道路
計 画 区 間
事 業 区 間
供 用 区 間
一般国道自動車専用道路
四
日 飛 東名豊
市 鳥 海古田
屋
南
勢和多気
三ケ日
米原
関
大津
紀勢
天理
奈良
箕
神戸 面 高
槻
那智勝浦
橋本
泉佐野
神戸
西宮
大阪
りんくう
吉川
舞
鶴
東
丹波
京都
大山崎
白鳥∼荘川
凡 例
高速自動車国道
東海北陸自動車道
宮津
綾部
春日
豊岡
三木
神戸西
山崎
大原
小松島
阿南
徳島
鳥取
智頭
佐用
津田東
鳴門
高松
岡山
根室
平成11年度開通予定区間
高速自動車国道の開通予定区間
四国縦貫自動車道
安芸
井
川
池
田
坂出
早島
落合
境港
倉敷
北房
米子
網走
宍道 松江
釧路
端野
川之江
小松
今治
尾道
出
雲
北見
紋別
東九州自動車道
宇和島
大洲
伊予
大竹
廿日市
浜田
大分米良∼宮河内
蒲江
大分米良
山口
益田
広尾
本別
池田
名寄
帯広
十勝清水
旭川鷹栖
24.3 km
宮崎西∼清武JCT
門川
延岡
美祢
三隅
宇部
日出
宮河内
湯布院
豊津
下関
日田∼玖珠(4車線化)
えびの
八代
御船
隼人東
武雄
佐賀
伊万里
静内
夕張
留萌
42.1 km
九州横断自動車道
7.8 km
東九州自動車道
鹿児島
川内
長崎
長崎多良見
佐世保
肥後トンネル(4車線化)
札幌
苫小牧
千歳
九州縦貫自動車道
那覇空港
那覇
江差
長万部
黒松内
小樽
千歳JCT∼夕張
北海道横断自動車道
稚内
統計・資料
17. 日本の高規格幹線道路網
(1999年3月現在)
索 引
ア行
環境
アイドリング・ストップ運動 …… 53
鎌倉フリー---手形
相乗り ……………………………… 26
---基準
安全
---定期券
交通---
…………………… 5, 32, 33
交通---施設
6
一般道路---
……………………… 31
地方単独---
……………………… 31
有料道路---
……………………… 31
気候変動枠組条約第3回締約国会議→COP3
気候変動枠組条約第4回締約国会議→COP4
……………………
6
規制緩和 ……………………… 42, 43
……………………… 32, 33
共通カードシステム ……………… 42
アンチロックブレーキシステム→ABS
---整備
移動
---整備七箇年計画
---キロ
…………………………… 20
---の制約 ………………………… 40
各層別---時間
…………………………… 22
……………… 32, 70
…………… 4, 5, 32, 33
……… 33, 69
自動料金収受システム→ETC
……………… 24
(道路関係)
社会資本 ……………… 31
車椅子 ……………………………… 41
(旅客列車)
車両キロ ……………… 22
現況再現(交通流の) ……………… 17
(交通)渋滞 …………………… 14, 23
車両挙動 ……………………… 16, 17
…………………… 73
シュレッダーダスト ………… 44, 47
高効率・クリーン自動車
運賃
各国の交通--死者数
年齢層別・状態別---
一酸化炭素→CO
…………………………… 20
事故 ………………… 4, 12, 13, 32, 69
交通事故--空港
---回数
事業費
…………………… 42, 43
……………………… 70
自動車---情報
車両---
………………
……………………… 48, 50
……………………… 8, 9 , 56
障害者 ………………………… 40, 41
情報
ゾーン---制(タクシー) ………… 43
高知能自動車交通システム→SSVS
交通---
……………………… 14, 26
初乗距離短縮---設定
(タクシー)… 43
交通・通信費 ……………………… 74
渋滞---
…………………………… 14
交通需要マネジメント→TDM
---公開
…………………………… 32
交通流
---提供サービス
運転免許
---保有者数
…………………… 4, 68
---の条件付与件数の推移 ……… 41
シミュレーション
シミュレータ
………… 16, 17
……………… 16, 17
交通量 ……………………………… 22
エアバッグ ……………………… 6, 33
区間---
エネルギー
主要都市の自動車---
一次---
…………………… 8, 11, 52
---効率
…………………… 8, 52, 53
---消費量
……………………… 8, 75
---の安定供給
---フロー
…………………………… 17
道路種別自動車---
…………… 64
……………… 65
高度道路交通システム→ITS
高齢
……………………
8
---者
…………………………
8
---者の移動
---ドライバー
---の移動
…… 12, 13, 14, 15, 43
………………………… 21
審議会
運輸技術---
………………… 5, 6, 30
中央環境---
………………………
6
……………………… 21
スカイマークエアラインズ ……… 43
…………………… 13
スペシャルトランスポートサービス→STS
港湾整備七箇年計画 ……………… 24
スマートウェイ ………… 5, 25, 34, 35
最終---消費
……………………… 52
………………………… 8, 52
(旧)国鉄債務 ……………………… 30
…………………………
国費 …………………………… 30, 31
9
女性
………………………… 32, 40
……………………… 10
代替---車
………… 5, 14, 35
……………………… 14
新交通管理システム→UTMS
---変換効率
省---法
所要時間---
---ドライバー
混雑率(電車) ……………………… 23
税
揮発油---
………………………… 30
オムニバスタウンプロジェクト … 27
グリーン化---制
温室効果ガス削減目標 …………… 55
軽自動車---
……………………… 30
軽油引取---
……………………… 30
サ行
カ行
カープール ………………………… 26
最終処分場 ………………………… 44
暫定---率
財政投融資 …………………… 30, 31
自動車関係諸---
………………… 30
………………………… 30
自動車重量---
………………… 30
…………………… 30
自動車交通 1999 81
索 引
自動車取得--自動車--消費---
…………………… 30
………………………… 30
…………………………… 30
---制改正論議
石油ガス--地方道路--本則---率
…………………… 30
ナ行
駐車
………………… 39
二酸化炭素→CO2
……………………… 38
二酸化窒素→NO2
違法---防止条例
---施設整備
---場サービス圏域
……………… 39
……………………… 30
---場再現
………………………… 16
……………………… 30
---場整備
………………………… 71
………………………… 30
生活
---場滞留台数
…………………… 17
---場補助制度
…………………… 38
---時間の変化
…………………… 72
---場流出入台数
………………… 17
---の質の向上
…………………… 40
---マネジメント
………………… 26
積載効率 …………………………… 53
---容量
石油
荷さばき---
……………………… 39
路上---台数
……………………… 38
合成---→GTL
---需要予測 ………………………
騒音
自動車---低減対策
……………… 49
自動車単体---許容限度
………… 49
---苦情件数
……………………… 48
道路交通---
……………………… 48
走行
自動車---規制
9
……………………………
9
燃料電池→FC
燃料電池電気自動車→FCV
ハ行
パーキングチケット ……………… 71
パーク&バスライド …………… 26, 27
パーク&ライド ……………… 26, 27
低公害車助成措置 ………………… 57
廃車台数 …………………………… 44
鉄道整備 …………………………… 22
排出ガス
電気自動車 ……………………… 9, 56
自動車---規制 …………………… 50
電動カート ………………………… 41
自動車---低減対策 ………………
天然ガス …………………………… 10
ハイブリッド電気自動車 ……… 9, 56
---自動車
……………………… 9, 57
………………… 42, 43
ノンステップ---
………………… 41
………… 64
各国の---延長
…………………… 26
高規格幹線---
…………… 4, 24, 25
パッケージサービス(交通手段の) … 42, 43
…………… 22, 64
地域高規格---
……………………
バリアフリー ……………………… 41
自動車---台キロ
走行支援道路システム→AHS
---延長
タ行
タイムシフト・デイシフト ……… 27
地球温暖化 …………………… 54, 55
4
---財源
…………………………… 30
---整備
…………………… 22, 24, 25
………………………… 67
---ネットワークの整備
ONE COIN電車・--- ……… 42, 43
………… 25
非メタン炭化水素→NMHC
ブエノスアイレス行動計画 …… 6, 54
負傷者数 ……………………………
5
道路・交通・車両インテリジェント化推進協議会→VERTIS
物価 ………………………………… 73
道路交通情報通信システム→VICS
物流
道路整備五箇年計画
…………………
6
新---
---対策の推進に関する法律 ……
6
---投資額
地球環境保全 ………………………
8
---対策推進大網
…………………… 66
……………………… 22, 66
---投資額
大気汚染 …………………………… 50
……………………… 4, 24, 30
………………………… 30
広域---拠点
……………………… 29
広域---ネットワーク
---時間
…………… 29
…………………………… 28
特定都市鉄道工事 ………………… 23
---情報システム
窒素酸化物→NOx
特定フロン→CFC
---の伸び率
地方都市での移動 ………………… 21
トップランナー方式 ……………… 53
地方費 ………………………… 30, 31
ドライビングスクール …………… 33
着陸回数 …………………………… 22
トラック分担率 …………………… 28
中高年層の移動 …………………… 21
トランジットモール ……………… 26
82
6
バス
お買物---券
道路
各国の自動車---台キロ
……………………………
---性能
パーキングメータ ………………… 71
通信市場 …………………………… 74
全国総合開発計画 ……………… 4, 24
先進安全自動車→ASV
---改善
…………………………… 71
8
セルフスタンド …………………… 43
燃費(燃料消費) …………………… 53
………………… 29
……………………… 21
浮遊粒子状物質→SPM
数字
保有台数
各国の自動車--自動車---
………………… 68
……………………… 4, 67
ITI ………………………………… 36
ITS ……………………………… 4, 34
3リッターカー
The Car of Tomorrow --- ………… 56
--- America ……………………… 36
--- CAR 2001−c ……………… 35
ABS
マニフェスト制度 ………………… 45
---モデル地区実験構想
A
マ行
…………………………………
6
AHS …………………………… 35, 37
…………
長野地域---ショーケース ……
4
4, 5
IVI ………………………………… 36
---−i ……………………………… 35
メタノール ……………… 8, 9, 10, 11
---自動車 ………………………… 57
---−c ……………………………… 35
L
---−a ……………………………… 35
LCA ………………………………… 10
ASV ………………………………… 37
N
ヤ行
C
輸送
貨物---トン
……………… 20, 62, 63
貨物---トンキロ ………… 20, 62, 63
共同---システム
………………… 29
---効率 …………………………… 28
旅客---人員 ……………………… 60
旅客---人キロ …………… 22, 60, 62
CFC
NMHC ……………………………… 50
………………………………… 45
CNG ………………………………… 10
NO2 ………………………………… 50
NOx
…………………………… 50, 51
CO …………………………………… 50
CO2
P
---排出原単位
---排出性能
…………………… 11
………………………
世界各国の---排出量
9
PFI …………………………… 24, 25
PNGV ……………………………… 56
…………… 54
世界各国一人当たり---排出量 … 54
ラ行
リサイクル ………………………… 44
バンパー---
……………………… 47
流入調整 …………………………… 27
世界地域別---排出量 …………… 54
日本の---排出量
………………… 54
COP3 ……………………… 6, 54, 55
COP4 …………………………… 6, 54
S
SSVS ………………………………… 37
STS ………………………………… 41
SPM ………………………………… 50
旅行速度 …………………………… 22
平均---
T
E
…………………………… 17
ERTICO …………………………… 37
ロードプライシング ……………… 26
ETC
………………………… 5, 35, 37
T-TAP ………………………………… 36
TDM ……………………………… 5, 26
---施策
………………………… 5, 26
---補助事業
F
FC ……………………………… 11, 57
FCV
……………………… 27
東京都---モデル試行
TEA21
………… 5, 27
……………………………… 36
……………………………… 9, 56
U
G
(実質)GDP成長率 …………………
GTL
UTMS …………………………… 4, 37
4
………………………………… 10
V
VERTIS …………………………… 37
I
VICS …………………… 4, 5, 35, 37
ISO/TC204 ………………………… 37
ITGS …………………………………
(財)
---センター ………………… 37
5
自動車交通 1999 83
自動車交通 1999 年刊 第 8 巻
1999年3月16日発行 非売品
編集・発行 日産自動車株式会社
総合研究所
車両交通研究所
〒104-8023 東京都中央区銀座6-17-1
TEL 03(5565)
2133 FAX 03(5565)2134
印 刷 相互印刷株式会社
【編集・執筆スタッフ】
(五十音順)
岩城 千穂 リサイクル推進室
岩崎 雅彦 車両交通研究所
岡本 智 車両交通研究所
笠井 純一 車両交通研究所 主任研究員
香月 伸一 車両交通研究所 シニアリサーチエンジニア
貴志 泰久 車両交通研究所
木戸 美帆 車両交通研究所
佐々木恭子 車両交通研究所
佐藤 康治 電子情報研究所
新保 雄二 車両交通研究所 主査
武石 哲夫 動力環境研究所 主査((財)日本電動車両協会出向)
谷口 正明 車両交通研究所 シニアリサーチエンジニア
中川 泰彦 取締役 総合研究所長
畠山 太作 法務・渉外部
原 加代子 車両交通研究所 主査
福村 友博 Nissan Research & Development, Inc.
藤田 知子 動力環境研究所
堀越 実 研究推進部 主査
盛田 幸治 動力環境研究所