ITALICO JAPAN(イタリコジャパン)株式会社 本場イタリアのカプセルコーヒーメーカーの輸入会社が 販促ツールを内製化。ブランドイメージの 維持とコスト削減・納期短縮に成功 導入の狙い 印刷・製本費用を削減したい 代理店向けの販促ツールをより短納 期で提供したい 複合機のA3対応とプリント作業の迅 速化 導入システム カラーPOD印刷機 『RICOH Pro C5100SHT』 電動断裁機『Horizon PC-450』 導入効果 印刷・製本作業の内製化により外注コ ストを削減できた 販促ツールを必要な時、必要なだけ 印刷できるようになった 印刷が速くなり、業務効率が向上した エスプレッソの本場、イタリアのカプセルコーヒーブランド 「Italico」の日本総輸入元として、国内市場を開拓している ITALICO JAPAN(イタリコジャパン)株式会社は、本場イタリアのカプセルコー ヒーブランドの日本総輸入元である。代理店を主要な販売チャネルに、富裕層を ターゲットにしたビジネスを展開する同社にとって、ブランドの世界観を伝えるクオ リティの高い販促ツールの提供は、創業当初から重要な役割を担ってきた。これま — U S E R P R O F I L E ——————————————————— ITALICO JAPAN株式会社 ●業種:輸入販売業 で各種ツール製作を印刷会社に外注してきた同社は、コスト削減と納期短縮を目的 に、カラーPOD機による内製化を開始。クオリティの高いツールを、必要な時、必 要な部数だけ低コストで印刷できる体制の構築に成功した。 ●事業内容:コーヒーメーカーの販売 ●従業員数:10名 (2014年12月現在、 関連会社を含む) POD機の導入で印刷物を内製化し、品質向上と コスト削減を実現したITALICO JAPAN株式会社 2014年12月取材 世界的ブームのカプセルコーヒー その国内市場を開拓 している。その市場規模は全世界で 120億ドルにも及ぶと見られ、日本に も大手メーカーが次々と上陸し、市場 ITALICO JAPAN株式会社(以下、 を拡大している。 ITALICO JAPAN) は、エスプレッソ 「I t a l i c oは、イタリアの大手家電 の本場、イタリアのカプセルコーヒー メーカーTERMOZETA社とカプセル ブランド「Italico」の日本総輸入元。カ コーヒー専門のESPRESSOcap社 フェのエスプレッソの味がオフィスや が共同で立ち上げたブランドです。そ 家庭で手軽に味わえるカプセルコー の一番の魅力は、芳醇な香りと濃厚な ヒーは、世界的なブームを巻き起こ 味わい。当社のエスプレッソマシンは、 1 ITALICO JAPAN株式会社 業務用レベルの最大20気圧を実現 その経営は順風満帆に見えるが、も し、最適な圧力と温度による抽出が可 ちろん苦労もある。その一つが日本と 能です。また、カプセルが真空状態を イタリアの商慣習の違いだ。 保っている点もその特長の一つ。それ 「例えば日本の家電メーカーであれ によって酸化を防ぎ、いつまでも挽き ば、たとえ小ロットでも輸出先の仕様 たての状態を維持することが可能にな に合わせた専用ラインを用意するの るのです」と広報業務などを担当する は当たり前のことです。しかしイタリア 池田 慧里子氏は説明する。 では、決して一般的なことではありま I T A L I C O J A P A Nの創業は、 せん。こうした商慣習の違いは、常々 2011年10月。代表取締役の中村 実感しています」 と中村氏は語る。 良之氏が、韓国で行われたItalicoの 粘り強い交渉を通し、日本仕様のエ 日本進出パートナーを募集する説明 スプレッソマシンの専用ラインを確保 会に参加したことがそのきっかけだっ した同社だが、イタリア本国から届く た。複数の日本企業が参加した説明会 カプセルの納期など、今も苦労は多い で、唯一手を挙げたのが中村氏だった という。 という。 「しかし日本におけるパートナーとし 「当時も今も、国内のカプセルコー て、当社のような名もない企業をパー ヒー市場は大手数社による寡占状態が トナーに選んだことは、彼らにとって 続いています。説明会に参加し、 『これ も大きな冒険だったはずです。国内 で味が確かなら、シェアは必ず確保でき シェアを拡大していくことを通して、課 る』 と直感した中村がその味を確かめた 題を一つ一つ改善していくほかないと ところ、実際においしかった。当社の歴 考えています」 と中村氏は語る。 史はそこから始まりました」 と説明する シェア拡大に向けた取り組みの一つ のは、同社取締役の中村 具之氏だ。 が、Italicoのカプセルを持ち込めば 代理店を主な販売チャネルにする 無料でコーヒーが飲める実店舗の展 同社の業績は、設立以来順調に伸び 開だ。アンテナショップとしての役割と 続け、カプセル販売実績はすでに10 「Italico」のブランドイメージを生か 万個を越える。 した集客の両立がその狙い。すでに 「誤解されがちですが、私たちのビ 2014年には、大阪経済大学のキャン ジネスモデルにおいてエスプレッソマ パス内にその第一号店がオープンし シン販売の比重は決して大きくありま ている。 せん。むしろビジネスのコアは、カプ セル販売による新たなコーヒー文化 す」と中村氏は語る。ある調査による カラーPOD機によって品質維持と コスト削減の両立を図る と、マシン1台あたりのカプセル消費 Italicoのマーケティングにおいて、 量は1日3.5個に及ぶという。代理店 同社が設定したターゲットは富裕層。 の創造という部分にあると考えていま 数が順調に伸び続ける背後に、マシン そのため、外資系制作会社によるイ 販売に留まらないメリットがあること メージCMの制作など、広告宣伝にお は間違いないだろう。 いても、Italicoの世界観を伝えること 2 取締役 中村 具之氏 「オフィスの課題にワンストップで対応できる ことが大塚商会さんの魅力ですね。専任の IT管理者がいない当社のような規模の企 業にとってはとても心強い存在です。今は ネットワーク環境に関する革新的な提案を 期待しているところです」 池田 慧里子氏 「大塚商会さんは、オフィス機器に関する問 い合わせにすぐ回答してくれるので本当に 助かっています。今後もこれまで同様、フッ トワークのいいサポートを期待しています」 さまざまな味と香りを楽しめる 「Italico」のカプセルコーヒー は、真空状態を保つことで酸化を防ぎ、いつでも挽きたて の香りと味を楽しめる に力を入れてきた。そのこだわりは、 らず、各種ツールをより安く代理店様 代理店に提供する各種販促ツールや、 に提供できる体制の構築が重要と考 名刺、封筒といったビジネスツールの えたからです。そうした面で『RICOH デザインにも反映されている。 Pro C5100SHT』は理想的なマシ 「印刷物の内製化によって、必要な ンでした。また、他社製品に比べ、対 時に必要な部数だけ印刷する形にし 応する用紙の幅が広かったことも選定 たいという思 いは以 前からありまし 理由の一つでした。特に専用封筒が内 た。また内製化すれば、製品情報の変 製化できることは大きな魅力でした」 更などにもスピーディに対応できるよ と中村氏は語る。 うになります。しかしこれまで当社が 利用してきた家庭用のレーザー複合 刷物を製作することはとても無理でし 面付けなどの工夫によって 印刷コストの大幅削減を実現 た。そのため、各種ツールの印刷はす ITALICO JAPANにカラーPOD べて印刷会社に外注していました」と 機が導入されたのは2014年10月。 中村氏は語る。 稼働から約2カ月が過ぎた今、効果は そうした中、浮上したのが複合機の 確実に表れはじめている。 機では、我々が求めるクオリティの印 POD機の幅広い用紙対応力によって、さまざまな販促 ツールを自社内で印刷できるようになった リプレース計画だった。A3印刷が必要 「小ロット印刷を随時行えるように になったことがその直接的な理由だっ なったことで、必要な時に必要な部数 たが、業容が拡大する中、家庭用複合 だけ印刷できるようになり、在庫管理 機の印刷速度では業務への対応が難 が不要になったことがその第一の効果 しいという課題も生じていたという。 です。また外注の場合、入稿後のデー 中村氏が「待てよ、カラーPOD機を タ修正などに伴う納期遅れがどうして 導入すれば、販促ツールの印刷も内製 も発生しがちです。しかし内製化への 化できるはずだ」と思い立ったのはそ 移行後は、データ修正も随時行えるよ の時のことだった。ECサイトの運営な うになったため、納期が遅れる心配は どを手掛ける同社のグループ会社に まずなくなりました」 と中村氏は語る。 はデザイナーも在籍するため、デザイ また印刷コスト削減という面でも、 ンも含む全面的な内製化が可能だっ 効果は表れている。ネットで注文を受 たのだ。 け付けるいわゆる「印刷通販」の普及 同 時 期に飛 び 込 み で 営 業に訪 れ によって、今日印刷コストは劇的に下 た大塚商会の担当者に、中村氏はカ がっている。しかし運用の工夫によっ ラーPOD機の導入を相談。提案され て、印刷通販よりも安く印刷すること たのは、カラーPOD機『RICOH Pro が可能になるという。 C5100SHT』だった。他社製品との 「確かにA4判のツールをA4用紙に 比較検討を入念に行った上でその採 印刷した場合、印刷通販の方が安いこ 用が決定された。 とも少なくありません。しかし2枚分 「最も重視したのは、保守料金も含 をA3用紙に面付けして印刷し、断裁 めたランニングコストでした。クオリ することでそのコストは確実に印刷通 ティの維持と短納期の両立だけに留ま 販よりも安くなるのです」 (中村氏) 3 ITALICO JAPAN株式会社 同社は電動断裁機『Horizon PC- カラーPOD機の導入後、ITALICO 450』 も大塚商会を通して導入してい JAPANは、アパレル事業やECサイト る。その効果は、1枚の用紙に面付け 運営を行う関連会社ベニーノの販促 する枚数が多ければ多いほど大きく、 ツール製作も一手に引き受けるように 専用名刺の印刷では、コストの大幅削 なった。それにより、一層のコストメリッ 減を実現しているという。 トが生まれている。 『 R I C O H P r o C5100S H T 』 「『RICOH Pro C5100SHT』の のオプションである「中綴じフィニッ 印 刷クオリティは 、アパレル 事 業 の シャー」の導入もポイントの一つだ。こ ツールにも十分対応できるものでし れは用紙の二つ折りや、ステープルに た。また写真の断ち落とし処理ができ よる中綴じを自動的に行う装置。それ るようになるなど、電動裁断機の導入 により、中綴じによる簡易製本も内製 の効果も大きかったですね」 (中村氏) できるようになった。 同社は今後、 『RICOH Pro 「中綴じ加工料金は、印刷通販でも C5100S H T』の幅広い用紙対応力 決して安くはありませんから、そのコ を生かすことで内製化の範囲をさらに スト削減効果はかなり大きいですね」 広げていく考えだ。 (中村氏) POD機とあわせて電動断裁機も導入。印刷後の後加工 も社内で行えることで、外注費を大幅に削減している 「例えば、店舗のメニュー表の印刷 複合機としての用途においても、社 です。当社は今後、大阪経済大学内 内の評判は上々だと言う。 で運営しているカフェをフランチャイ 「以前は印刷が終わるのを待つ時間 ズ展開していく予定です。店舗運営に が生じていましたが、今は20枚程度 は、メニュー表やショップカード、POP の印刷であれば一瞬で終えられます。 など、さまざまな印刷物が必要です。 綴じの自動化も含め、業務効率の向上 こうした小ロットの印刷物において、カ に貢献していると社内でも好評です。 ラーPOD機は大きな力を発揮するは また当社の場合、受発注にFAXを使う ずです」 (中村氏) ことも多いのですが、以前と違い、出 今後はエスプレッソ以外にも紅茶や 力前に内容を確認できるようになった 緑茶などを濃厚に抽出できるお茶の ため、無駄な印刷を減らすことにもつ カプセルも投入し、楽しみ方をどんど ながっています」 (池田氏) ん拡げていく予定だという。 「コーヒーを巡る “文化を変えよう” が私たちの合い言葉。まだまだドリッ 幅広い用紙対応力を生かし カラーPOD機をさらに活用 プコーヒーが主流の日本では、濃厚な 印刷クオリティに対する評価も高い。 いません。良質なエスプレッソは健康 「当社の印刷物を社外の方にお渡し や美容にも良いと言われており、日本 すると、 『本当にこれ、社内で印刷した 人が知らないエスプレッソの魅力はま エスプレッソを楽しむ文化が根付いて の?』 とまず驚かれます。それは、当社 だまだあります。日本のコーヒー文化 に対する評価のアップにもつながって を変えるために、これからも挑戦し続 いるようですね」と中村氏は満足げに けます」と池田氏は語る。その挑戦を うなずく。 カラーPOD機が支えている。 ITALICO JAPAN株式会社のホームページ http://italicojapan.com/ ・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。 ・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 ・この記事は2015年1月に作成されました。 Copyright©2015 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved. 4
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