カラーPOD機の多彩な機能をフル活用し、 エンドユーザーと直接対話する

株式会社イニュニック
カラーPOD機の多彩な機能をフル活用し、
エンドユーザーと直接対話することで、
付加価値の高いサービス提供を実現
導入の狙い
印刷通販のビジネス成長を促したい
安定的なオンデマンドカラー印刷を
実現したい
クオリティの高い作品づくりに活用で
きるカラーPOD機の機能が欲しい
導入システム
カラーPOD機
『RICOH
Pro C901』
カラーPOD機
『RICOH
Pro C7110S』
導入効果
クオリティの高いオンデマンドカラー
印 刷を安 定 的に継 続 できるように
なった
ホワイトトナーやクリアトナーなどの
機能を高品質な作品づくりに応用で
きた
オンデマンド印刷部門の売上構成比
が約2倍に増えた
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
株式会社イニュニック
●業種:印刷業
●事業内容:冊子印刷、
同人誌印刷、写真
写真家やデザイナー、クリエーターなどの顧客と綿密なコミュニケーションを図り、高品質な作品集づくりをサポートしている
印刷通販のビジネスを展開する株式会社イニュニックでは、より高品質なカラーオ
ンデマンド印刷を実現するために
『RICOH Pro C901』
を2012年に導入。さら
に写真家、デザイナー、クリエーターからのより高いレベルのニーズに応えるため、
『RICOH Pro C7110S』
を2015年1月に追加導入した。ホワイトトナーやクリ
アトナーなどの機能をフルに活用することで、高品質な作品集づくりに貢献。高付
加価値のサービスを提供することで顧客から厚い信頼を獲得することに成功して
いる。
集、自費出版、はがき、リーフレット、パ
ンフレット、印刷全般
●従業員数:12名
(2015年4月現在)
カラーPOD機を活用して高品質な印刷通販を展開
2015年11月取材
況に置かれていましたが、その状況を
オンデマンドカラー印刷の品質を
高めるためにカラーPOD機を刷新
たところ、インターネットをはじめとし
株式会社イニュニック
(以下、イニュ
たデジタルの時代がくると予測できま
ニック)
は、1992年に創業。以来、大
した。実際にインターネットを通じた
手印刷会社の下請けなどを中心に印
印刷通販を始めていた会社が現れ始
刷ビジネスを推進してきたが、2005
めていた時期でしたのでその情報を
打破するために印刷業の将来を考え
年に新機軸としてインターネットを通じ
調べてみると、もともとは小規模の会
た印刷通販を開始した。
社だったのが、印刷通販開始後は急成
「当時、イニュニックは厳しい経営状
長を遂げていることが分かりました」
1
株式会社イニュニック
と代表取締役の山住 貴志氏は印刷通
して、
『 そのアイデアはすでに出回っ
販に目を向けたきっかけについて説明
ているから変えた方がいい』といった
する。
アドバイスもします。こうした姿勢がお
その後イニュニックではWebサイト
客様から評価され、信頼を獲得してき
を立ち上げて印刷通販を開始。順調に
たのですが、大きな問題もありました。
受注を増やしていった。
それは中古のカラーPOD機の画質で
「当初は軽オフセット印刷機を使った
す。古いモデルだったためかかなり画
モノクロ印刷のみで印刷通販を開始し
質が悪く、お客様に満足していただけ
ましたが、受注の増加に伴いカラー印
ないケースがあったのです」
刷のニーズの高さを痛感しました。そ
この問題を解決するため、
イニュニッ
してレーザープリンターを導入して対
クでは新品のカラーPOD機の導入を
応しようとしましたが、トナーとドラム
検討。その結果、2012年に
『RICOH
のコストがあまりにも高くなってしまい
Pro C901』の採用を決定した。
採算が合わなくなってしまいました。そ
「当時はRICOH製品についての知
こで中古のカラーPOD機を2台導入
識はあまりなかったのですが、印 刷
したのです」
品 質に関してはとても良くなったと
こうしてカラー のオンデマンド印
の評判を聞き、一旦は『RICOH Pro
刷にも対応することで、イニュニック
C901』を複数台入れることを考えま
は印刷通販のビジネスを成長させて
した。しかし、使い慣れたメーカーの
いった。
製品も残したいとの意見が現場に根
しかし、中古のカラーPOD機も印刷
強くありましたので、それを考慮して
画質という大きな課題を抱えていた。
『RICOH Pro C901』
と以前から使
イニュニックの印刷通販では写真家や
用していたメーカーの新品を1台ずつ
デザイナー、クリエーターなどさまざ
導入することにしました」
と山住氏。
まな顧客を獲得しており、高いレベル
の画質が求められるためだ。
て、DTPオペレーターの経験もあるこ
さらに高度な品質を求めて、
最新のRICOH製品を追加導入
とから、例えば写真家のお客様と直接
2台のカラーPOD機の性能につい
対話し、作品づくりについて深く話し
ては、それぞれに特長があり、それを
合うことがあります。その際、紙は何を
生かして使い分けるようにしている。
使うのか、印刷はどの方式にするのか
「お客様によっては、従来メーカーの
といった印刷方面からの技術的提案を
方の画質を好まれる方もいらっしゃい
することで、より高品質な写真集に仕
ますが、多くの枚数を印刷する場合に
上げることをサポートしています。ま
トラブルなく一定の画質を維持する性
た場合によっては、作品集のデザイン
能については『RICOH Pro C901』
やレイアウトにまで踏み込むこともあ
の方が優れていると思います。例えば
「 私自身が写 真に興 味を持ってい
ります。これまで世に現れていないデ
展示会で使用できるレベ ルのクオリ
ザイン、形の方が人々の手に届きやす
ティで40ページのパンフレットを200
いので、これまで蓄積した知識を生か
冊程度印刷する場合、ノンストップで刷
2
代表取締役
山住 貴志氏
「RICOH製品については、大塚商会さんを
介して購入しています。メーカー工場の見
学ツアーなどの企画や各種サポートを受け
ることができるので、とてもありがたいと思っ
ています」
り上げることが可能です。こうした違い
よりお客様のニーズに応えることがで
ホワイトトナーやクリアトナー
などの新しい機能を提案に生かす
きます」
『RICOH Pro C7110S』
を導入し
イニュニックはカラーPOD機を活用
たイニュニックでは、その機能を生か
することで、順調にオンデマンド印刷の
した提案を通じて、画期的な作品を生
ビジネスを推進していたが、2年ほど
み出すことに貢献している。例えば、
経過したころには、より高い品質を実
写真家のお客様が好みのカラーPOD
現できるカラーPOD機の新製品が登
機で写真を印刷した後、
『RICOH Pro
場してきた。
C7110S』のクリアトナーを組み合わ
「『RICOH Pro C901』は高いク
せることで、ニス引きの効果を生み出
オリティを実現していたのですが、写
したものがある。
真家やクリエーターといったお客様の
また、ホワイトトナーの活用例として
ニーズにより高いレベルで対応するた
は、アート系の作品集が挙げられる。白
めには新製品の導入が必要だと考えて
い紙にホワイトトナーで四角い枠を刷
いました。そこで新しいカラーPOD機
り、その上に作品を載せるように印刷
の導入を検討し、別の切り口からお客
した。
を把握して、両者を使い分けることで、
安定的に稼働を続ける
『RICOH Pro C901』
様に提案する方向性を模索し始めたの
「白い紙の上にあえてホワイトトナー
です」
の枠を刷ることにより、作品を印刷し
こ の ように 考 え て い た とこ ろ 、
ているブラックトナーがより鮮明に浮
2014年12月にタイミングよく大塚
き上がるという効果が得られます。こ
商会から新製品である
『RICOH Pro
れは作家の方のアイデアなのですが、
C7110S』
を紹介された。
『RICOH Pro C7110S』だからこ
「まずは長 尺 印 刷が可 能だという
そ活用できるこうした機能は、間違い
点に着目しました。最大700m m×
なく作品のクオリティ向上に役立って
330mmの用紙が通るので『A4冊子
いますね」
のカバー』
『 A4仕上がりの三つ折パン
こうした新しい機能が追加されて
フレット』
『 A4横本中綴じ冊子』などの
も、顧客がそれを知らなければ有効に
仕様に対応することができます。さら
活用することは難しい。顧客と綿密な
にはホワイトトナーとクリアトナーが
コミュニケーションを図り、強固な信頼
使えることが魅力的ですね。作品のク
関係を構築しているイニュニックだか
オリティへのこだわりが強いお客様に
らこそ、ここまで効果的に作品づくり
対して多彩なアイデアを提供すること
に活用することができているといえる
ができます。もちろん画質については
だろう。
『RICOH Pro C901』
より大幅に向
イニュニックここまで顧客と信頼関
上しており、解像度が約2倍になってい
係を構築できた背景には、これまで
ます。また封筒や厚紙にも対応すると
推 進してきたマーケティング方針が
いうことも評価ポイントとなり、導入を
あり。
決定しました」
「印刷通販を開始した当初はS E O
(Search Engine Optimization:
3
株式会社イニュニック
検索エンジン最適化)の対応を施して
側の方針変更をきっかけに戦略を見
新たに3階建てビルを借り、
オンデマンドファクトリーを開設
直しました。より付加価値の高いサー
今後ビジネスの拡大状況に応じて
ビ スを 提 供 するた め に は む や み に
新しいカラーPOD機を追加導入する
SEO対策でアクセスを増やすよりも、
ことも考えられるが、新機種としては
S N Sなどの口コミを重視した方がい
『RICOH Pro C9100 Series』
に
成果を上げてきましたが、検索サイト
いということです。例えば、有名な写
も着目していると山住氏は言う。
真家の方にS N Sでイニュニックのこ
「特に400g/m2の厚紙に対応する
とを取り上げてもらえれば大きな宣伝
ことには驚きました。これまでの常識
効果になる上、値下げ競争に巻き込ま
では、この厚さは専用の印刷会社でな
れることなく、品質で勝負することが
ければ対応できないようなレベルで
できるようになります。このように口
す。まだ実際に試していないのですが、
コミをベースにお客様と信頼関係を
この厚紙対応が安定的に機能するの
構築していくと、サービスを販売しそ
であれば、大きな需要が見込めると思
の代金はいくらという単純なビジネス
います」
ではなくなります。よりクオリティの高
オンデマンド領域を中心にビジネス
い作品集を作るためにお客様と納得
成長を続けているイニュニックでは、オ
がいくまで直接対話し、印刷のプロの
ンデマンド印刷部門専門工場の開設を
立場から提案・製作していくことで高
計画している。
付加価値を提供するビジネスが成立
「2016年1月にオンデマンド印刷
するのです。カラーPOD機の選択に
部門は新工場に移転する予定です。3
際しても、そうしたビジネスを展開で
階建てのビル1棟を借りて、オンデマ
きる点が大切で、現時点ではRICOH
ンドファクトリーとして開設します。新
製品は最適な選択だと感じています」
工場の開設は、現在のビルでは手狭に
と山住氏。
なってきたので広いスペースを確保す
このようにRICOH製品をはじめとし
ることが目的の一つですが、今後オン
た複数のカラーPOD機を使い分けな
デマンド印刷部門はさらなる成長が見
がらビジネスを推進することにより、イ
込めるということも大きな狙いです。
ニュニックではオンデマンド印刷の売り
将来的には売上構成比は5割を超える
上げを大きく伸ばしている。
のではないかと予測しています。この
「2012年ごろはオンデマンド印刷
ようにビジネス成長を促しながら、お
の売上比は全体の2割程度だったので
客様、従業員および家族などの全ての
すが、現在では4割ほどにまで伸びて
ステークホルダーにとって素晴らしい
います。しかもオフセット印刷の売り上
結果が出るように会社を運営したいと
げも伸びている状態なので、構成比だ
思っています」
けではなく金額そのものも伸びてい
イニュニックは今後もお客様のニー
ます」
ズを満たす高付加価値のサービスを
提供しながら、ビジネスの躍進を実現
していく。
ホワイトトナー、クリアトナーをはじめとした
『RICOH Pro
C7110S』
の機能をフルに活用
株式会社イニュニックのホームページ
http://inuuniq.co.jp/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2016年2月に作成されました。
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