23-A特-49 術中MRIを用いた新規外科治療法の開発

(平成 24 年度研究報告書)
23-A 特-49 術中 MRI を用いた新規外科治療法の開発
成 田 善 孝
独立行政法人国立がん研究センター
中央病院 脳脊髄腫瘍科
研究の分類・属性
外科系・その他
研究の概要
(公開用)
[背景と目的]
本研究では、術中 MRI/CT を導入し、様々な画像装置・ナビゲーション装置を融合することにより、脳腫瘍
の摘出をより安全に効率的に行うための研究開発と、脳外科領域で発展してきた撮影法や画像診断装置を用い
て他のがんに対する新規外科治療方の開発を行うことを目的とする。
[方法と予想される成果]
(1)術中 MRI を用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍・脳神経外科手術
膠芽腫等の悪性脳腫瘍はあらゆる癌の中でも最も予後不良の癌の一つである。手術摘出度と予後が相関する
ものの、機能を温存することが優先されるため膠芽腫で腫瘍全摘出が行われるのは約半数である。近年錐体路
や弓状束などの脳の運動・言語機能が関連する白質線維の経路を描写する MRI tractography が開発された。
術前の PET や fMRI など様々な MRI などの高精細画像と、術中画像情報を合成し、覚醒下手術や術中の電気
刺激・脳波と組み合わせた新規の3次元ナビゲーション装置を開発することにより、神経症状を悪化させるこ
となく安全に最大限の腫瘍を摘出することが可能となり、悪性脳腫瘍の治療成績の改善が期待される。
(2)術中 MRI を用いた新規外科治療方の開発
頭頸部癌・乳癌・肺癌・骨軟部腫瘍を対象とし、腫瘍の位置や腫瘍摘出後の断端を術中 MRI/CT にて確認し
ながら、腫瘍の完全摘出や縮小手術について検討する。舌癌や乳癌においては、センチネルリンパ節の同定率
を RI トレーサー法と術中 MRI や術中 CT lymphography にて比較する。乳癌においては縮小手術による乳房
温存療法後の局所再発が問題となるが、術中 MRI の併用により切除範囲の確認ができれば、局所再発割合が低
く必要最小限の切除の乳房温存療法が患者様に提供できると考える。肺癌においては、触知困難な肺野末梢の
早期肺癌(径 2cm 以下)に対する縮小手術が可能となる。転移性骨腫瘍に対するセメント充填術・RF 治療で
は中 MRI/CT により、微細腫瘍残存腫瘍や焼却深達度不十分領域を確認することにより、術中品質管理の精度
や安全性を飛躍的に向上させることが期待される。
平成 24 年度研究経費
20,580 千円
研究班の組織
成田 善孝
国立がん研究センター中央病院
脳脊髄腫瘍科副科長
新規ナビゲーションの開発と術中MRIを
用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍手術
吉本 世一
国立がん研究センター中央病院
頭頸部腫瘍科長
術中MRIを利用した頭頚部癌手術
櫻井 裕幸
国立がん研究センター中央病院
呼吸器外科医長
術中MRIを利用した肺癌手術
-1-
木下 貴之
国立がん研究センター中央病院
乳腺外科副科長
術中MRIを利用した乳癌手術
中馬 広一
国立がん研究センター中央病院
骨軟部腫瘍科、リハビリテーシ
ョン科科長
術中MRIを利用した骨軟部腫瘍手術
佐藤 哲文
国立がん研究センター中央病院
術中MRIにおける麻酔
麻酔科集中治療科科長
国立がん研究センター
がん予防・検診研究センター
センター長
国立がん研究センターがん予
防・検診研究センター 診療放
射線技師
裸眼立体モニターの開発
伊関 洋
東京女子医科大学 先端生命医
科学研究所先端工学外科学分野
教授
新規ナビゲーションの開発と術中MRIを
用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍手術
櫻田 香
山形大学医学部
脳神経外科講師
青木 茂樹
順天堂大学医学部
放射線科教授
比較的低いb値でも可能な非ガウス分布
拡散解析法の開発とその臨床応用
斉藤 延人
東京大学医学部
脳神経外科教授
新規ナビゲーションの開発と術中MRIを
用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍手術
鎌田 恭介
旭川医科大学
脳神経外科教授
新規ナビゲーションの開発と術中MRIを
用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍手術
東 隆
東京大学大学院工学系研究科バ
イオエンジニアリング専攻
特任講師
新規術中超音波装置の開発
塚越 伸介
東芝メディカルシステムズ株式
会社CT開発部主任
裸眼立体モニターの開発
森山 紀之
鈴木 雅裕
裸眼立体モニターの開発
MRI低酸素マッピング統合multimodal navigation
および術中MRIシステムを用いた新規脳腫瘍治療
法の開発
研究の目的と到達目標及び実績要点
全期間(目的と到達目標)
:
2000年4月に東京女子医科大学に術中MRIが導入され脳腫瘍手術が開始されてから、国内では10施設に術中MRI
が導入された。術中に残存腫瘍の有無を確認することにより腫瘍の摘出度があがり予後も改善することや、合併症
の有無確認の有用性が国内外から報告されている。しかし国内において、他の癌腫ではMRT/CT等の術中画像診断
装置を用いた手術がほとんど行われておらず、これらの装置の有用性の検討は行われていない。本研究では脳腫瘍
の摘出をさらに安全に効率的に行うための研究開発と、脳外科領域で発展してきた画像診断装置と様々な撮影法を
用いて他のがんに対する新規外科治療法の開発を行うことを目的とする。
(1)術中MRIを用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍・脳神経外科手術
悪性脳腫瘍の中で代表的な膠芽腫はあらゆるがんの中で最も予後不良の癌の一つである。手術摘出度と予後が相
関するものの、機能を温存することが優先されるため膠芽腫で腫瘍全摘出が行われるのは約半数である。近年皮質
脊髄路や弓状束などの脳の運動・言語機能が関連する白質線維の経路を描写する方法がMRI tractographyとして開
発され利用されている。一方悪性脳腫瘍の広がりはMRIで診断されるものの、腫瘍と脳浮腫はいずれも同じ信号と
して描出されるため、脳腫瘍の広がりを正確に診断することは困難であり、メチオニンPETやMRI perfusion ima
geなど術前の様々な画像診断が行われている。
これらの統合化された画像情報と術中に得られたMRIやCT画像と合
-2-
成し、覚醒下手術や術中の電気刺激・脳波と組み合わせることにより、神経症状を出すことなく安全に最大限に腫
瘍を摘出することが可能となり、悪性脳腫瘍の治療成績の改善が期待される。当研究においては、術中MRIの有用
性を最大限に生かすために、5-アミノレブリン酸を用いた腫瘍摘出術を安全に行うための技術開発も会わせて行
う。
(2)術中MRI/CTを用いた新規外科治療法の開発
まず頭頸部癌・乳癌・肺癌・骨軟部腫瘍を対象とし、術中に断端を含む腫瘍の摘出を確認し、術中MRI/CTの有
用性を検討する。舌癌や乳癌においては、センチネルリンパ節の同定率をRIトレーサー法と術中MRIや術中CT ly
mphographyにて比較する。乳癌においては縮小手術による乳房温存療法後の局所再発が問題となるが、術中MRI
の併用により切除範囲の確認ができれば、局所再発割合が低く必要最小限の切除の乳房温存療法が患者様に提供で
きると考える。肺癌においては、触知困難な肺野末梢の早期肺癌(径2cm以下)に対する縮小手術が可能となる。
転移性骨腫瘍に対するセメント充填術・RF治療ではこれまで単純X線透視に頼っていたが、術中MRI/CTにより、
微細腫瘍残存腫瘍や焼却深達度不十分領域を確認することにより、術中品質管理の精度や安全性を飛躍的に向上さ
せることが期待される。
第2年次(到達目標)
1 脳腫瘍摘出術における様々な画像診断技術の標準化と有用性の検証
脳腫瘍摘出術における様々な画像モダリティについて、各研究者の撮影法・技術につい標準化を行う。人
的資源・ハードウェア等の技術やコストについても検証を行う。
2 術中 MRI を用いた三次元ナビゲーションの開発と有用性の評価
東芝と開発した裸眼立体モニターの有用性の評価を行うとともに、製品化にむけて、立体解剖図譜などを
作成する。
3 術中 MRI の有用性の評価とガイドラインの算定
初年度に術中 MRI を用いた手術を開始することができたが、東京女子医大・山形大学・旭川大学等ととも
に、その有用性について科学的な評価を行う。また術中 MRI 使用のためのガイドラインの策定を行う。
4 頭頚部癌・乳癌・肺癌・骨軟部腫瘍における有用性の検証
平成 23 年には行われなかった乳癌・肺癌・骨軟部腫瘍の手術を行い、その有用性を検証し、国内の他の施
設でも使えるかどうか検証する。
第2年次(年次評価時点の実績要点)
1 脳腫瘍摘出術における様々な画像診断技術の標準化と有用性の検証
平成24年2月より12月までに、国立がん研究センターにおいて術中 MRI を用いて 70 件の開頭腫瘍
摘出術を施行した。手術の結果、患者有害事象を含め問題はなかった。腫瘍をほぼ全摘できたと術者が判
断した時点で MRI を撮影したが、36% (25/70)の症例で MRI 撮影後に腫瘍切除を追加しており、術中 MRI
の有用性を検証することができた。これらの症例では、これまで術後の MRI で残存症例が見られた症例で
あり、
悪性脳腫瘍の手術に術中 MRI が極めて有用であることが示された。
術中 MRI 室において、
SEP/MEP
などの脳波・ナビゲーションシステムも問題なく動作することが確認できた。
術中 MRI の有用性を最大限に生かすためには、MRI 撮影を行う前に可能な限り腫瘍を摘出することが
重要である。天然のアミノ酸である5-アミノレブリン酸を内服すると、腫瘍細胞のみでプロトポルフィ
リン IX が蓄積し、青紫色光をあてると、暗い部屋のみで腫瘍細胞のみが赤く光る。手術を安全に行うため
に、明視野でもこのプロトポルフィリン IX を検出するデバイスを開発し、臨床試験を開始した。
2 術中 MRI を用いた三次元ナビゲーションの開発と有用性の評価
3次元裸眼立体モニターの有用性の評価を行った。脳神経外科専門医を対象とした試験においても、こ
れまでのモニターでわかりにくかった脳血管などの微少構造を立体的に認知できるようになった。また共
同研究者は、この三次元ナビゲーションを生かすべく、CT/MRI などから、脳腫瘍・正常脳構造・血管・
脳室・神経線維などを表示するソフトウェアを開発した。これまでとは全く異なる3次元モニターを用い
た 3 次元ナビゲーションの製品化にむけて、研究倫理審査委員会の研究許可もおり、今後臨床試験を開始
する予定である。
3 術中 MRI の有用性の評価とガイドラインの算定
国立がん研究センター・東京女子医大・山形大学・旭川大学等の経験をもとに、各施設の術中 MRI 室での
マニュアル・問題点などについて資料を収集した。2013 年初めに予定する班会議で、ガイドライン算定に
向けた会合を予定している。
4 頭頚部癌・乳癌・肺癌・骨軟部腫瘍における有用性の検証
-3-
頭頸部癌の切除手術において 3 例の術中 CT 撮影を行った。外耳癌が 2 例、上顎癌が 1 例で、いずれの
症例も切除が終わった時点での術中 CT を撮影した。3 例中 1 例に必要な追加切除を行うことができた。頭
頸部癌においては、欠損皮膚等に対して長時間の形成術が必要であり、術後に残存腫瘍が見つかった場合
にその処置が極めて困難となる。頭頸部癌における術中画像診断は、正確な切除ラインを確認し、形成術
を行ううえでも極めて有用性があると考えられた。乳癌・肺癌・骨軟部腫瘍においては、術中 MRI 室での
手術を準備中である。
研究成果と考察
第2年次評価時点
(1)術中 MRI を用いた、脳神経機能温存の脳腫瘍・脳神経外科手術
①ナビゲーション画像の融合(成田・鎌田・斉藤・青木・伊関)
1.国立がん研究センター内における術中 MRI/CT の整備を行い、画像融合システムを構築する。(成田)
平成24年2月より、12月までに、術中 MRI を用いて 70 件の開頭腫瘍摘出術を施行した。神経膠腫が 33
件、転移性脳腫瘍が 30 件、その他の腫瘍が 8 件である。手術の結果、患者有害事象を含め問題となるような
ことはなかったが、1 件で、ベッドのロックが解除できずに MRI 内への患者移動ができないことがあり、ベッ
ドシステムを改良した。腫瘍をほぼ全摘できたと術者が判断した時点で MRI を撮影したが、36% (25/70)の症
例で MRI 撮影後に腫瘍切除を追加しており、
術中 MRI の有用性を検証することができた。
これらの症例では、
これまで術後の MRI で残存症例が見られた症例であり、悪性脳腫瘍の手術に術中 MRI が極めて有用であるこ
とが示された。撮影後に、術前の MRI と術中 MRI 画像をマージすることによりナビゲーションを用いて手術
を再開することができた。術中 MRI 撮影時間は 10-15 分であるが、手術中断後から再開までに 45-60 分程度
を必要とし、国内外での報告と同等である。また術中 MRI 室において、SEP/MEP などの脳波・ナビゲーショ
ンシステムも問題なく動作することが確認できた。
【国立がん研究センターの術中 MRI 室】
【術中 MRI の有用性】
左前頭神経膠腫(A)。覚醒下手術に腫瘍が摘出でき
たと判断し MRI を撮影したが、残存腫瘍が認め
られた(B)。さらに追加切除を行い、腫瘍が全摘で
きたことを術後の MRI で確認した(C)。
2, 術中 MRI 及び術前画像データを融合させた 3 次元コンピュータグラフィックスの構築方法の開発(鎌田)
平成24年度は従来型の fiber tracking 法よりも詳細な tractography を得られる probabilistic map の計算
を可能とした。この probabilistic map は Windows, Linux, および Macintosh 上でだ動作する FSL (Oxford)
を用いる。さらに機能 MRI のデータ処理も本ソフトウエアで可能であるため、術中機能 MRI,tractography の
-4-
計算を行いながらナビゲーション画像の更新をすることが可能となる。また、顕微鏡位置を登録して、ナビゲ
ーション上に表示可能とする。さらに術中インドシアニングリーン(ICG)血管撮影情報から、mean transit time
(MTT), cerebral blood volume (CBV)などを計算して、結果をナビゲーション上に投影した。術前解剖学的情
報に加えて、術中に得た機能情報を付加して、リアルタイム脳機能的ニューロナビゲーションを行った。FSL
を用いて Corticobulbar tract, hand motor fiber, leg motor fiber を分離して表示することが可能となった。さ
らに FSL に用いている NIFTI フォーマットを DICOM に変換して、結果をニューロナビゲーション装置に転
送表示可能とした。また、WEB カメラを用いて顕微鏡位置をリアルタイムにトラッキングできる位置座標登
録システムも作成した。一方、術中 ICG データ処理用ソフトウエアは AJS(日本)と共同で作成中である。蛍光
カメラ経由でハイビジョン信号をリアルタイムにデータ処理専用ソフトウエアに ICG 血管撮影動画を取り込
む。各ピクセルの輝度変化から MTT, CBF を計算する。さらにその計算結果を自然光下の通常画像と fusion
表示することを計画している。
3, 高精細 3 次元画像による手術ナビゲーションシステムの開発(斉藤)
平成 23 年度に開発した本研究の 3 次元コンピュータグラフィックスによる手術シミュレーションの臨床応用
は 160 症例に達し、手術前のシミュレーションとして有用であることが証明された。さらに、3 次元コンピュ
ータグラフィックス、複合現実コンピュータグラフィックスを組み合わせた、手術ナビゲーションシステムを
組み合わせた臨床応用レベルでの開発に成功し、東京大学医学部附属病院倫理委員会に申請準備中であり、今
後臨床試験を行う予定である。本技術と、後述する3次元裸眼ディスプレーを用いた融合ナビゲーションシス
テムの開発も行っていく予定である。
4, 拡散テンソル解析の標準化と新たな拡散解析の臨床応用(青木)
比較的低い b 値でも可能な非ガウス分布拡散解析法を開発し、まずは高磁場で種々の疾患に対して臨床評価を
行う。
脳腫瘍における有用性を評価した。
比較的低い b 値 2000s/mm2 まででも可能な diffusional kurtosis imaging
の撮像法および解析ソフトを開発し、高磁場 MRI で臨床応用を行った。種々の脳疾患で従来の撮像法では得られ
なかった微細構造の情報や、拡散テンソルとは異なる組織情報が得られる可能性が示された。比較的低い b 値で
も可能な非ガウス分布拡散解析法として diffusional kurtosis imaging の解析ソフトを開発した。術中 MRI へ応
用可能な計算時間を世界で初めて達成したと考えている。脳腫瘍では従来の方法とは異なる組織コントラストが得
られることがすでに Radiology に報告されており、術中 MRI へ導入すれば、とくに造影されない腫瘍の切除範囲
の決定に役立つ可能性がある。
5, 術中 MRI から立体画像の構成・解析・手術工程の可視化を行う。
(伊関)
MRI からの立体画像の構成・解析による解剖学的形状パタンからの機能野の推定,覚醒下手術におけるマッピ
ングプロセスの可視化、戦略デスクでの術中情報の統合について試作および基礎検討を行った。MRI からの立体
画像構成については feasibility が示されたが、
術前の高磁場 MRI 画像に比べ術中 MRI 画像では解析時間が長く、
また精度も及ばないことから今後さらなる検討が必要である.マッピングプロセスの可視化は、複数例の覚醒下手
術を対象に全ての作業を書き下すことができた。
戦略デスクへの情報統合については高解像度映像を用いるための
システム部分試作を行なっており,23 年度に試作した録画装置との統合を行なっている。
画像誘導下手術のさらなる発展と考えられる情報誘導下手術を目的とした取り組みとして、MRI 画像、マッピ
ング時の術野映像・ナビゲーション画面、そして手術室内の各所に取り付けたカメラによる術室内映像というリッ
チコンテンツに対する情報工学的アプローチを行った。術者の思考プロセス可視化・意思決定支援に寄与すること
が期待される成果が得られている。今後の課題としては,それらリッチコンテンツに対して如何に医学的見地から
のタグ付け,関連付けを行い、医師が情報を得たときにどのような捉え方・考え方をするかを可視化し、コンピュ
ータ上で実現することである。これにより,経験の浅い医師でもベテラン医師と同等の意思決定が行えると考えら
れる。
9,5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた安全な腫瘍摘出術法のデバイス開発
5-ALA の代謝物であるプロトポルフィリンIX(PpIX)
を検出するために、照射/計測兼用ファイバーおよびコリ
メートレンズを開発し、8mm のスポット径でレーザーを
照射し、同時に励起されたスポットの蛍光スペクトルを
望遠鏡の原理で限定的に測定することができた。これま
で腫瘍から発せられる PpIX は暗視野でのみ検出可能で
あったが、このレーザーシステムと分光器を組み合わせ
ることにより、通常の明視野でも PpIX を検出すること
が可能となり、手術の安全性が極めて向上することが予
想された。国立がん研究センター研究倫理審査委員会の
-5-
承認をへて、平成 24 年 11 月から臨床試験が開始された(研究許可番号 2012-146)
。この技術と、3 次元ナビゲー
ションおよび、術中 MRI を用いることにより腫瘍摘出術がさらに向上することが期待される。
②裸眼立体モニターおよび3次元ナビゲーションの開発(成田・森山・鈴木・塚越)
平成 23 年度に開発した3次元裸眼ディスプ
レーを用いて、2次元モニターおよび2次元画
像を3次元に見せる疑似画像と、3次元裸眼デ
ィスプレーをもちいて、脳の微細構造(脳血管
など)の前後関係などを、脳神経外科専門医 20
人にテストを行った。その結果、前後関係を正
しく判定する正答率、
通常の 1 方向 MRA(MIP
画像)で平均 10%、ZEIO ソフトウェアを用い
た3次元疑似画像で 50%程度であったのに対
し、3次元裸眼ディスプレーでは 90%以上で容
易に血管の前後関係を同定することが可能で、
この技術が日常臨床に極めて有用であることが判明した。
さらに、この技術をナビゲーションシステムに応用するためのソフトウェアの開発が行われ(①-2,3,4,
5)
、実験段階でその有用性が証明された。臨床に応用するために、
「高精細3次元ディスプレイによる立体術中ナ
ビゲーション技術の開発研究 」を当センターの研究倫理審査委員会に申請し、承認 (課題番号:2012-161)を得て、
今後実際の臨床現場で有用性を検証していく予定である。
③腫瘍の代謝の解析(櫻田)
脳内の酸素濃度の変化を実際に検出できているのかを確認するため、頸部内頸動脈狭窄症の患者において、低酸
素マッピングを施行した。その結果、頭蓋内血管反応性と一致した変化が低酸素マッピングによっても認められ、
MRI 低酸素マッピング方法を確立することができた。MRI による組織内低酸素部のマッピングを試みた。実験に
よる人体への有害事象は認められなかった。内頸動脈狭窄症患者においては、頭蓋内の血管反応性、血流変化が低
酸素マッピングにても検出可能と考えられた。現在、悪性神経膠腫での検討を行っているが、今のところ MRI ガ
ドリニウム造影効果との相関、MRS の lactate peak との相関は認められていない。悪性神経膠腫においては、腫
瘍内の血管反応性のみならず、血管密度や石灰化、微小壊死の存在など複雑な組織環境が存在するため内頸動脈狭
窄症に比べて変化が検出しにくい可能性が考えられる。症例数が少ないこと、再発症例を含んでいることなども理
由の一つと考えられるため、今後、造影効果を示さない low grade glioma も含めさらに症例を増やしていく予定
である。
④術中 MRI の有用性の評価とガイドラインの確立
国立がん研究センター・東京女子医大・山形大学・旭川大学等の経験をもとに、各施設の術中 MRI 室でのマニ
ュアル・問題点などについて資料を収集した。2013 年初めに予定する班会議で、ガイドライン算定に向けた会合
を予定している。
(2)術中 MRI/CT を用いた新規外科治療法の開発
①頭頸部癌(吉本)
頭頸部癌の切除手術において 3 例の術中 CT 撮影を行った。外耳癌が 2 例、上顎癌が 1 例で、いずれの症例も
切除が終わった時点での術中 CT を撮影し、主に骨の切除ラインが術前に想定したラインに一致していたかどうか
をその場でチェックした。3 例中 1 例に必要な追加切除を行うことができた。頭頸部癌においては、欠損皮膚等に
対して長時間の形成術が必要であり、術後に残存腫瘍が見つかった場合にその処置が極めて困難となる。頭頸部癌
における術中画像診断は、正確な切除ラインを確認し、形成術を行ううえでも極めて有用性があると考えられた。
従来のナビゲーションシステムと比較しても、より詳細な情報を得ることができた。
②乳癌(木下)
1, 鏡視下手術には、傷が目立たないという美容上のメリットがある。しかし、小さな皮切や作業空間確保の問
題が存在し、皮切から離れた部分の腫瘤と切除断端の確認が困難となる。そこで第 2 年目の目標としては、
MRI 手術室にて乳房温存療法を行う際の広がり診断として有用である MRI や CT による画像情報を、手術
中にリアルタイムに確認しながら鏡視下手術を行うことで、適切な切除範囲かつ小さな皮切での新しい手術
法の開発が可能となる。MRI 室で手術を行うために、当院での手技手慣れ期間として、鏡視下併用の腫瘍切
除及び温存手術を 5 例(良性腫瘍:3 症例、悪性腫瘍:2 症例)に対して行い、安全に行われた。
2, 早期乳癌に対する Non-surgical ablation therapy のひとつであるラジオ波熱焼灼療法を全身麻酔下でイメー
ジガイド下に実施し、術中のその焼灼範囲を評価する。施術直後の超音波検査や MRI 検査にて腫瘍から十分
なマージンが確保されているかを評価する。5 例の早期乳癌を対象に全身麻酔下にラジオ波熱焼灼療法を実施
-6-
し、術中超音波検査にて焼灼範囲を直後の超音波検査にて焼灼範囲を評価した。1cm 以下の腫瘍を対象とし
たが、焼灼領域の長径は平均 3.3cm(2.8-4.2cm)であり、いずれの症例においても十分なマージンが確保さ
れた。今後、実際に術中 MRI を用いることによりさらに正確な評価を行う予定である。
③肺癌(櫻井)
症例を選択し、現在手術室に配置されている単軸撮影 CT 装置では、実際に肺切除時の体位(側臥位)を維持し
た状態での CT 撮影が難しい現状に直面した。CT 撮像する際、現在の単軸撮影 CT 装置において円形に固定され
たガントリが想定よりも小さく、肺切除時の体位を維持した状況下での撮影が困難である。症例の適応および手術
時体位の問題点など工夫すべき点などを考察中である。手術室に固定配置された現在の単軸撮影 CT 装置では肺切
除を行う際の側臥位を維持した状態でガントリ内を通過させることが困難であり、術中 CT 撮影を用いた手術手技
が厳しく制限される状況である。克服するためには多軸撮影 CT 装置(シーメンス「Artis zeego」など)といった
CT 装置自体のフレキシビリティが要求されるが、今後も現状の単軸撮影 CT 装置で手術時にどのように応用でき
るかどうかの検討を重ねていく。
④骨軟部腫瘍(中馬)
術中画像情報の利用し、腫瘍位置、浸潤情報、切除縁情報を術中に取得することが可能で、有用性を確認して
きた。切除面での微細腫瘍描出や腫瘍近接した重要血管、神経、骨との浸潤状況を術中イメージングで確認しな
がら今年度中に手術を行う予定である。
倫理面への配慮
本研究における新規の技術開発や腫瘍組織の代謝・遺伝子解析においては施設の倫理審査委員会の承認と被験
者の同意を得て行い、同意を得ている症例のみを対象とする。施設間のデータ提供においては個人情報の連結可
能匿名化を行い、被験者のプライバシーと人権は高度に擁護される。
本研究に関連する、本研究期間中の主な発表論文等
(平成24年 雑誌論文)
【成田 善孝】
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【斉藤 延人】
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4. 金 太一、吉野 正紀、庄島 正明、今井 英明、中冨 浩文、小山 博史、斉藤 延人.高精細融合 3 次元画
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【成田 善孝】
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【中馬 広一】
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3. Yonemori K, Tsuta K, Ando M, Hirakawa A, Hatanaka Y, Matsuno Y, Chuman H, Yamazaki N, Fujiwara Y,
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【木下 貴之】
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1. Koga T, Shin M, Maruyama K, Kamada K, Ota T, Itoh D, Kunii N, Ino K, Aoki S, Masutani Y, Igaki
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【伊関 洋】
1. 伊関洋,村垣善浩,丸山隆志,鈴木孝司,吉光喜太郎,生田聡子,田村学,岡本淳:手術戦略による外科
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外科治療支援技術とその展望.生体医工学 49(5):664-668,2011.
3. 鈴木孝司,櫻井康雄,吉光喜太郎,南部恭二郎,村垣善浩,伊関洋:術室内映像を用いた潜在的リスク源
候補半自動抽出システムの開発,日本コンピュータ外科学会誌,13(2):75-85,2011.
4. 相沢知明,中村亮一,村垣善浩,丸山隆志,田中雅彦,伊関洋,手術ナビゲーション情報を利用した MRI
誘導下脳腫瘍摘出術の進捗工程解析法,日本コンピュータ外科学会誌,Vol.13,No.1,pp.25-32,2011.
5. Kitaro Yoshimitsu, Takashi Maruyama, Yoshihiro Muragaki, Takashi Suzuki, Taiichi Saito, Masayuki
Nitta, Masahiko Tanaka, Mikhail Chernov, Manabu Tamura, Soko Ikuta, Jun Okamoto, Yoshikazu Okada,
and Hiroshi Iseki, Wireless Modification of the Intraoperative Examination Monitor for Awake Surgery,
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による術中モニタリングと手術戦略デスク,電子情報通信学会誌,94(4):288-293,2011.
【斉藤 延人】
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Kin T, Shin M, Oyama H, Kamada K, Kunimatsu A, Momose T, Saito N. Impact of multiorgan fusion
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Takai K, Kin T, Oyama H, Iijima A, Shojima M, Nishido H, Saito N. The use of 3D computer graphics
in the diagnosis and treatment of spinal vascular malformations. J Neurosurg Spine. 2011 Sep 9. [Epub
ahead of print]
(知的財産権)
なし
(政策提言(寄与した指針等)
)
なし
(その他)
なし
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