2 FreeBSD 6.3-RELEASE-i386 インストール手順

20xx 年 xx 月 xx 日 なまえ
FreeBSD Install Report
1 目的
FreeBSD[1] のインストールを完全に行えるようにする.
2 FreeBSD 6.3-RELEASE-i386 インストール手順
2.1 インストール
1. Install Disc を PC 本体にセットし,起動する.
そして,Disk から boot させる.
2. FreeBSD の起動画面が出る.ここでは,1.
Boot FreeBSD [default] を選択し, Enter を押す.
3. Country Selection(国の選択)
→110 Japan を選択.
4. System Console Keymap(キーマップの選択)
→Japanese 106 を選択.
5. FreeBSDS/i386 6.3-RELEASE - sysinstall Main Menu(sysinstall(8) でのインストール項目の設定)
→Standard(初心者向け,説明付き)を選択.
6. FDISK Partition Editor(スライスの作成)
はじめに,Message にて FDISK Partition Editor の説明ダイアログが表示される.その後,FDISK
Partition Editor が起動する.
Offset
0
Size(ST)
End
398297088
398297087
Name
PType
-
12
Desc
unused
Subtype
Flags
0
図 1 FDISK Partition Editor の一部
Offset
Size(ST)
End
Name
PType
Desc
Subtype
0
63
62
-
12
unused
0
63
398283417
398283479
ad0s1
8
freebsd
165
398283480
13608
398297087
-
12
unused
0
Flags
図 2 FDISK Partition Editor:a キーを押して,すべて FreeBSD に割り当てた後
何もハードディスクにインストールされていなければ,図 1 のような画面になる.
ハードディスクの容量はセクタ単位で表示される.容量がわかりにくい場合は, z を押すことで容量
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の表示を KB → MB → GB → セクタの順に変更できる.ハードディスクすべてを FreeBSD に割り当
てる場合, a を押す.すると,図 2 のようになる.
7. Install Boot Manager for drive ad0 ?(ブートマネージャの設定)
デュアルブートを行う場合は BootMgr を,その PC で FreeBSD のみを起動させる場合は Standard
を選択する.
8. FreeBSD Disklabel Editor(パーティションの作成)
パーティションは,スライスをさらに分けた OS 内のエリアのことであり,Windows における論理
パーティションと似ている.ダイアログが表示されるので,Enter キーを押すと図 3 のような画面の
FreeBSD Disklabel Editor が表示される.
Part
Mount
Size
Newfs
Part
Mount
Size
Newfs
----
-----
----
-----
----
-----
----
-----
図 3 Disklabel Editor
Part
Mount
Size
Newfs
Part
Mount
Size
Newfs
----
-----
----
-----
----
-----
----
-----
ad0s1a
/
256MB
UFS2
ad0s1b
swap
2022MB
SWAP
ad0s1d
/var
256MB
UFS2+S
Y
ad0s1e
/tmp
256MB
UFS2+S
Y
ad0s1f
/usr
187GB
UFS2+S
Y
Y
図 4 Disklabel Editor:a キーを押してパーティションを自動作成した後
a を押すことで,パーティションが自動作成される.作成されるパーティションは表 1 のようになる.
表1
パーティション
パーティション
用途
/
カーネルやカーネルモジュールなど起動時に必要になるファイルや,必要最小限の動作
のためにファイルやディレクトリを保持するパーティション
swap
スワップパーティション
/var
ログファイルやスプールファイルなどを保持するパーティション
/tmp
一時的に使用するファイルを保持するパーティション
/usr
ホームディレクトリやアプリケーションを保持するパーティション
q を押して Disklabel Editor を終了する.
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9. Choose Distribution(ディストリビューションの選択)
インストールするディストリビューションを選択する.表 2 のようなものが用意されている.
表2
ディストリビューション
ディストリビューション
内容
User
基本アプリケーション,ドキュメント
Developer
基本アプリケーション,ドキュメント,ソースコード
Kern-Developer
基本アプリケーション,ドキュメント,カーネルソースコード
X-User
X.Org,User
X-Developer
X.Org,Developer
X-Kern-Developer
X.Org,Kern-Developer
All
すべて
Minimal
最小限
Custom
手動で選択
→ ここでは X-User を選択する. space で X マークのチェックを入れる.
10. User Confirmation Requested(Ports の選択)
Ports コレクションをインストールするかどうかを選択する.Ports は 13,000 をこえるアプリケーショ
ンのカタログである.
→[Yes] を選択したまま Enter を押す.
その後 X Exit にカーソルを合わせて, Enter を押してディストリビューションの選択を終了する.
11. Choose Installation Media(インストールメディアの選択)
インストールメディアを選択する.[CD/DVD] を選択して,Enter を押す.2 つ以上の DVD/CD-ROM
ドライブがある場合,どのドライブにするかの選択画面が表示される.どのドライブを使うのかを選択
し, Enter を押す.
12. User Confirmation Requested(インストール前の確認ダイアログ)
イ ン ス ト ー ル 前 の 確 認 ダ イ ア ロ グ が 表 示 さ れ る .イ ン ス ト ー ル す る な ら ,[Yes] を 選 択 し た ま
ま Enter を押す.設定をやり直すのであれば,PC を再起動して最初から作業を行う.
13. Progress(進捗ダイアログ)
インストール中の進捗ダイアログが表示される.
14. インストールが完了すると,ダイアログが表示される.そのまま Enter を押す.
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2.2 設定
FreeBSD の基本的な設定を行う.
1. User Confirmation Requested(ネットワークの設定)
基本となるネットワークの設定を行う.
→[Yes] を選択して Enter を押す.
2. Network interface information requested(ネットワークインターフェースカードの選択)
PC のデバイス情報を参考にして,該当のネットワークインターフェースを選択する.
(a)User Confirmation Requested(IPv6 の選択)
IPv6 の設定ダイアログが表示される.IPv6 は現在主流ではないのでこのサービスは利用しない設
定にしておく.
→[No] を選択して Enter を押す.
(b)User Confirmation Requested(DHCP の設定)
DHCP を使用する場合は,[Yes] を,固定 IP を設定する場合は [No] を選択して Enter を押す.
→ 佐藤研究室は固定 IP で行うため,[No] を選択する.
(c)Network Configuration(ネットワークの設定)
• Host: ホスト名.ss.osaka-kyoiku.ac.jp
• Domain: ss.osaka-kyoiku.ac.jp
• IPv4 Gateway: 150.86.143.254
• Name server: 150.86.143.128
• IPv4 Address: 150.86.143. 各ホストの IP
• Netmask: 255.255.255.0
• Extra options to ifconfig (usually empty): (何も記入しない)
3. User Confirmation Requested(ネットワークインターフェースカードをすぐに有効にするかの設定)
ネットワークのサービスをすぐに使う場合は [Yes] を選択し, Enter を押す.
4. User Confirmation Requested(この PC をデフォルトゲートウェイとして使うかどうかの設定)
設定例では,ゲートウェイとしないので [No] を選択し, Enter を押す.
5. User Confirmation Requested(inetd(8) サービスを有効にするかどうかの設定)
設定例では,無効にするため [No] を選択し, Enter を押す.
6. User Confirmation Requested(sshd(8) サービスを有効にするかどうかの設定)
設定例では,有効にするため [Yes] を選択し, Enter を押す.
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7. User Confirmation Requested(ftpd(8) サービスを有効にするかどうかの設定)
設定例では,無効にするため [No] を選択し, Enter を押す.
8. User Confirmation Requested(nfsd(8)(NFS サーバー)サービスを有効にするかどうかの設定)
設定例では,無効にするため [No] を選択し, Enter を押す.
9. User Confirmation Requested(NFS クライアントとして使うかどうかの設定)
設定例では,無効にするため [No] を選択し, Enter を押す.
10. User Confirmation Requested(コンソールの設定)
コンソールを設定するかどうかを選択するダイアログが表示される.コンソールで日本語キーボードを
使うために,[Yes] を選択して Enter を押す.英語キーボードを使用している場合は [No] を選択し
て Enter を押す.
11. System Console Configuration(キーボード設定の選択)
→ 3. Keymap を選択し, Enter を押す.
日本語キーボードを使用している場合,Japanese 106 を選択して, Enter を押す.
12. User Confirmation Requested(タイムゾーン設定の選択)
タイムゾーンを設定するかどうかを選択するダイアログが表示される.タイムゾーンを日本標準時にす
るために,[Yes] を選択して Enter を押す.
13. Select local or UTC(Greenwich Mean Time) clock(タイムゾーン設定:ローカルタイムの選択)
[Yes] で PC の内部時計が協定世界時間であること,[No] で PC の内部時計が現地時間であることを
選択する.
→ [No] を選択して Enter を押す.
14. Time Zone Selector(タイムゾーン設定:地域の選択)
→ 5 Asia を選択して, Enter を押す.
15. Countries in Asia(タイムゾーン設定:国または地域の選択)
→ 18 Japan を選択して, Enter を押す.
16. Confirmation(日本標準時の設定)
→ [Yes] を選択して, Enter を押す.
17. User Confirmation Requested(Linux バイナリ互換機能の設定)
設定例では,無効にするため [No] を選択し, Enter を押す.
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18. User Confirmation Requested(マウスの設定)
マウスを使用するかどうかを選択するダイアログが表示される.→ [Yes] を選択して,Enter を押す.
なお,USB マウスの場合はここでは設定できないので別途設定が必要となる.
19. Please configure your mouse
→ 2 Enable を選択して, Enter を押す.するとマウスが試用状態になる.マウスを動かしてみて,マ
ウスポインタが正しく動作するようであれば,[Yes] を選択して Enter を押す.マウスポインタが正
しく動作しない場合は [No] を選択し, Enter を押す.
→ X Exit を選択して, Enter を押す.
20. User Confirmation Requested(アプリケーションインストールの選択)
アプリケーションをインストールするかどうかを選択するダイアログが表示される.→ ネットワーク
インストールのほうが楽なので,ここではインストールをしない.[No] を選択して, Enter を押す.
21. User Confirmation Requested(ユーザーの作成)
ユーザーを作成するかどうかを選択するダイアログが表示される.ユーザーを作成する場合は,[Yes]
を選択して Enter を押す.ここではユーザーを作成する設定で行う.
22. User and group management(ユーザーアカウント設定:ユーザー作成の選択)
→ User を選択して, Enter を押す.
23. User and Group Management(ユーザーアカウント設定:ユーザーの追加)
入力できたら,[OK] にカーソルを合わせ, Enter を押す.
表3
ユーザーアカウント設定:項目の説明
項目
内容例
説明
Login ID
ozaki
ユーザー名.16 文字以内
UID
1001
ユーザー ID.自動的に入力される
Group
wheel
グループ.管理者ユーザーに su(8) するためには,wheel グループ
に所属しておく必要がある.
Password
******
パスワード.入力したパスワードは*のように表示される.
Full name
Takuro OZAKI
ユーザーのフルネーム
その他の所属グループ.operator に所属しておくと,ユーザーから
Members gruops
PC の電源を切ることができる.
Home directory
/home/char
ユーザーのホームディレクトリ.自動的に入力される.
Login shell
/bin/tcsh
ユーザーのシェル
24. User and group management(ユーザーアカウント設定の終了)
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→ [OK] を選択して, Enter を押す.
25. Message(管理者ユーザーのパスワード設定)
管理者ユーザー(root,スーパーユーザー)のパスワードを設定する.→ そのまま [OK] を選択し
て Enter を押す.
26. 管理者ユーザーのパスワード入力画面
New Password:と出るので,root のパスワードを入力する.パスワードは入力しても画面には出力さ
れないので注意する.一度入力し, Enter を押すと,Retype Password:と出るので,再度 root のパ
スワードを入力し, Enter を押す.このパスワードは必ず忘れないようにすること.
27. User Confirmation Requested(引き続き設定を行うか選択)
続けて設定を行うかを選択するダイアログが表示される.→ [No] を選択して, Enter を押す.
28. sysinstall Main Menu(インストール終了)
Tab キーで項目間を移動して [X Exit Install] を選択し, Enter を押す.
29. User Confirmation Requested(インストーラの最終確認)
→ [Yes] を選択し, Enter を押す.
30. インストールの終了
PC は再起動され,インストールした FreeBSD の起動が始まる.
参考文献
[1] The FreeBSD Project,http://www.freebsd.org/ja/
[2] 後藤大地,改訂第二版 FreeBSD ビギナーズバイブル,技術評論社,2005.
[3] FreeBSD Expert 2006,技術評論社,2006.
[4] Software Design 2008 年 4 月号特集 FreeBSD フルコース 2008,pp.15-74,技術評論社,2008.
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