AirMac Extreme Technology Overview 2004年5月 Technology Overview AirMac Extreme 目次 Page 3 はじめに Page 5 製品の概要 AirMac Extremeベースステーション AirMac Extremeカード Page 7 802.11ワイヤレステクノロジーとは? 802.11g 802.11b Page 9 AirMac Extremeベースステーションの詳細 高速なアクセス ワイヤレスプリンティング ワイヤレスの有効範囲 接続の強度 互換性 接続性 セキュリティ Power over Ethernet UL2043(空調用スペース) Page 18 AirMac Extremeのセットアップ Page 21 AirMac Extremeソフトウェア AirMacクライアントモニタ AirMacマネジメントユーティリティ AirMac管理ユーティリティ Windowsとの互換性 Page 26 AirMac Extremeカードの詳細 ファイル共有 プリント インターネット共有 AirMac Extremeの利用 ネットワークへ自動的に再接続 Page 28 AirMacの利用例 一般家庭で 教育現場で ビジネスで 外出先で Page 34 製品の詳細 2 Technology Overview AirMac Extreme 3 はじめに 毎日、数百万ものAirMac製品が、手軽にお求めやすい価格で利用できるワイヤレスネットワーキ ングとして一般家庭、オフィス、学校などで稼働しています。 定評のある現行バージョンのAirMac Extremeテクノロジーは、シンプルさと使いやすさを維持しな がら、従来のバージョンよりもさらに高速で柔軟な次世代のワイヤレス製品となっています。AirMac Extremeは、一般家庭やSOHOオフィスのワイヤレスネットワークであれば1台のベースステーショ ンで、学校や会社全体のより大規模なワイヤレスネットワークでは複数台のベースステーションで 完全なソリューションを提供します。AirMac Extremeベースステーションの最新モデルは学校や 企業で役立つ新機能を装備しました。例えば、電源ケーブルの代わりにEthernetケーブルで電 源を供給することができます。また吊り天井などの空調用スペースに設置することもできます。こ れらの機能により、AirMac Extremeネットワークの運用では費用対効果が高く柔軟なソリューショ ンを実現することができます。 従来のAirMacテクノロジー同様、AirMac Extremeではネットワークケーブル、電話のモジュラー ケーブル、複雑なネットワーク機器などを使わずに、家庭、学校、オフィスのあらゆる場所からイ ンターネットに接続できます。AirMac Extremeでは、1つのインターネット接続を、使用するコン に関係なく、最大50ユーザで共有できます1。 ピュータ (Mac、Windows PC) しかし、AirMac Extremeの特長はそれだけではありません。次世代のワイヤレステクノロジー である802.11gにより、大幅な高速化が図られています。AirMac Extremeベースステーションと AirMac Extremeカードで用いられている802.11gは、最高54メガビット/秒(Mbps)のデータレー トを実現するように設計されており、これは従来のAirMacの約5倍も高速となります。2このパフォー マンスにより、AirMac Extreme対応機器はワイヤレス通信を再定義すると同時に、これまでのワ イヤレスネットワークでは実現できなかったまったく新しいアプリケーションをも生み出します。 この劇的とも言える通信速度の向上に加え、AirMac Extremeでは強力な新しいハードウェアお よびソフトウェア機能も備えています。ベースステーションのワイヤレスブリッジ機能、USBプリン タのワイヤレス共有機能3、1台のベースステーションで最大50ユーザをサポート、ネットワークの 規模を拡大するその他のオプションなどがあります。また、使いやすいソフトウェアツールで自宅 (AirMac設定アシスタントとAirMac管理ユーティリティ)、学校や会社(AirMacクライアントモニ におけるワイヤレスネットワークの設定と管理をおこなう タとAirMacマネジメントユーティリティ) ことができます。 従来のAirMac製品と同様、AirMac Extremeも国際規格に準拠しています。それが、IEEE(米国 電気電子学会)の802.11g規格です。802.11gは世界中で広まっている802.11b規格と互換性が ありますので、AirMac Extremeもまた、Wi-Fi認定の802.11bネットワークと完全に互換性があり ます。これは、AirMac Extremeが最高54Mbpsのデータレートを実現するだけでなく、Macintosh やWindows向けのWi-Fi認定 802.11b製品とも相互動作することを意味します。2 Technology Overview AirMac Extreme 4 802.11gテクノロジーはワイヤレス通信における革新的なテクノロジーであり、アップルはこのテ クノロジーを提供する最初の企業になれたことを喜ばしく思っています。 大学のキャンパスから、オフィスビル、ホテル、カフェにいたるさまざまな場所でワイヤレスネット ワークが利用されている現在、AirMac Extremeの利点を、あなた自身が、ご家族と、あるいは学 校やオフィスの皆様とともに探ってみてください。 Technology Overview AirMac Extreme 5 製品の概要 AirMac Extremeは、AirMac ExtremeカードとAirMac Extremeベースステーションの2つの製 品から構成されています。これらを組み合わせることで未来的な高速ワイヤレスネットワークを実 現することができます。これらは簡単にセットアップでき、従来のAirMacと同じようにお使いいた だけます。加えて、これら2製品は通信速度が大幅に向上しているだけでなく、ワイヤレスネットワー クの設定・構成もさらに柔軟になっています。 と ハードウェアとソフトウェアの統合ソリューションであるAirMacには「AirMac設定アシスタント」 というソフトウェアが用意されています。また2つの新しいユーティリ 「AirMac管理ユーティリティ」 と 「AirMacマネジメントユーティリティ」は、学校や企業のユー ティ 「AirMacクライアントモニタ」 ザがワイヤレスネットワークをセットアップ・管理するのに役立ちます。 AirMac Extremeベースステーション AirMac Extremeベースステーションは次の機能を提供します。 • スピード AirMac Extremeの最高データレートは54Mbps2と非常に高速なため、ストリーミン グメディアなど、ワイヤレスネットワークの新しい利用方法が生まれます。 • 互換性 AirMac ExtremeベースステーションとAirMac Extremeカードは、他社のWi-Fi認定の 802.11bおよび802.11g製品とも相互に動作します2。 AirMac Extremeベースステーション 1 1 2 3 1 4 2 3 4 5 6 ステータスインジケータ (ワイヤレスの動作状況) 1 外部アンテナコネクタ (2モデルのみ) 2 ステータスインジケータ (通電状態) 2 3 ステータスインジケータ (LANやモデムの動作状況) 10/100BASE-T Ethernet WANポート(RJ-45)。 PoEモデルでは Ethernetで電源を受電可能 4 内蔵アンテナ 3 10/100BASE-T Ethernet LANポート(RJ-45) 4 モデムポート (RJ-11) (モデム内蔵モデルのみ) 5 USBプリンタポート 6 電源アダプタポート Technology Overview AirMac Extreme 6 • 柔軟性 AirMac Extremeベースステーションでは、USBまたはEthernetプリンタを複数のユー ザでワイヤレス共有したり3、ワイヤレスネットワークの有効範囲を調節できます。 • 使いやすさ 従来のAirMacで定評を得た「使いやすさ」は、AirMac Extremeの特長でもありま す。 「AirMac設定アシスタント」でAirMac Extremeベースステーションとコンピュータからのワイ ヤレス接続を簡単に設定できます。ほとんどの場合、10分程度でワイヤレスネットワークを使い始 められます。 AirMac Extremeカード AirMac Extremeカードは名刺サイズよりも小さくなっていますが、802.11gの仕様に基づく最高 54Mbpsの圧倒的なスピードでデータ転送を実行できます。カードをAirMac Extreme対応の Macに装着すれば、このスピードをAirMac Extremeベースステーションを通じて利用できます。 AirMac Extremeカードは、空港、ホテル、カフェ、あるいは公共の場所にある多数のホットスポッ ト (Wi-Fi認定の802.11bまたは802.11g互換アクセスポイント) とも互換性があります。2 Technology Overview AirMac Extreme 7 802.11ワイヤレステクノロジー とは? IEEE(米国電気電子学会)がEthernet(802.3)ネットワークの利点をケーブル接続無しで実現す と呼ばれる る技術の開発に乗り出したのは1990年のことで、その成果は「ワイヤレスEthernet」 IEEE 802.11規格として実を結びました。IEEE 802.11によるワイヤレスのローカルエリアネットワー Wi-Fiとは? 「Wi-Fi(Wireless Fidelity)」 という用語は、Wi-Fi アライアンス(802.11対応製品のメーカーで結成 された非営利の国際団体)によって認定されたこ とを指します。 Wi-Fi認定とは「ある802.11対応製品をテストし、 Wi-Fi 認定の他の製品との相互動作が確認され た」 ことを示します。これは、Wi-Fi認定製品であ れば、任意の(Mac、Windowsのどちらで構築さ れたものかに関係なく)Wi-Fi認定 802.11ネット ワークへワイヤレス接続できるという意味です。 ク (WLAN)ではデータ転送に主に2.4ギガヘルツ(GHz)帯の電波を利用します。そして、このテ クノロジーの実装でもっともポピュラーなものが、現在世界中で使われている802.11bです。 802.11規格の最初のリリース以降もさらなる高速化、互換性の向上、セキュリティの強化を目的に 多くのワーキンググループが開発を継続しています。 1999年のAirMacワイヤレスソリューションの発表により、アップルは802.11bテクノロジーを一般 ユーザに提供する最初の企業となりました。AirMacは、この複雑なテクノロジーをセットアップや 利用が簡単でお求めやすい価格の民生機器として形にしたもので、ワイヤレスネットワークに関す る特別な知識をユーザに要求しませんでした。802.11bテクノロジーに基づくワイヤレスネットワー クは瞬く間に人気を得て、結果的にはかつてないほど多くのユーザが、ポータブルコンピュータを 使ってあらゆる場所でインターネットを楽しむようになりました。もちろん、ビジネスや教育の現 Wi-Fi認定を受けていない802.11対応製品でも他 場でも 「建物内にネットワークケーブルを引き回す必要がない」 ことによるコスト効果が認識され、 の認定製品と相互動作する場合もありますが、 一般家庭でも、ケーブルあるいはADSL接続によるブロードバンド接続の共有が求められていま 「確実な」相互動作が保証さ Wi-Fi認定ロゴにより れるのです。 す。そんな状況下で、より多くのユーザが、より高速に同時利用できるワイヤレスネットワーク技術 への需要が高まってきたのです。 802.11g ング 802.11の最新バージョンが802.11g規格です。802.11gでは最大データレートは54Mbpsとなり、 より約5倍も高速です。 現在世界中で広く使われている802.11b規格(11Mbps) 802.11a規格は802.11の5GHz帯バージョンです。 その名前にもかかわらず802.11aは802.11bの後 も互換性があります。すなわち、802.11g対応のアクセスポイントは、従来のバージョンのAirMac 802.11a:5GHz帯のワイヤレスネットワーキ に公開され、かなりのスピード向上を実現してい ます。802.11gのように最大54Mbpsのデータレー トを実現し、802 .11 bよりも多くの同時接続ユー ザをサポートしています。しかしながら、802.11a テクノロジーは互換性がなく既存の802.11bネッ AirMac Extremeベースステーションを始めとするWi-Fi認定の802.11g対応機器は、802.11bと のようなWi-Fi認定の802.11b対応機器もサポートします。802.11b対応機器からAirMac Extreme ベースステーションを利用した場合、バンド幅は802.11b対応アクセスポイントと同じで、最大デー タレートは従来と同じ11Mbpsになります。同じようにAirMac Extremeカードでは、802.11gと 802.11bの両方のタイプのネットワークに接続できます。例えば、自宅などにAirMacベースステー トワークや製品と干渉します。また、現行の規制 ションをお持ちで、AirMac Extremeカード搭載の新しいMacを購入した場合でも、このMacか では802.11bや802.11gよりも少ない国でしか使 ら既存のAirMacネットワークに問題なく接続できます。 用が許可されていません。 802.11gネットワークはよく利用される2.4GHz周波数帯域で動作するため、電子レンジやコード レス電話といった機器と干渉を起こす場合があります。ただし、そうした電波干渉が起きた場合 でも、その影響はデータレートが下がる程度で、ワイヤレス接続自体が切れたり、転送中のデー タが失われるようなことにはなりません。こうした不利な面も、通常の使用では、壁などの固い物 体も通り抜ける2.4GHz帯の強力な電波によるワイヤレス通信のメリットを考えれば相殺されるも のです。2.4GHz帯で動作することから、AirMac Extremeは、すでに802.11b対応製品の使用が 許可されたすべての国々で問題なく使用することができるのです。 Technology Overview AirMac Extreme Bluetooth Bluetoothは、数多くの周辺機器をケーブルを使 わずにコンピュータと接続するための短距離用の 革新的なワイヤレステクノロジーです。Bluetooth 対応の携帯電話やPDAを用いて重要なデータを 素早く簡単に同期することができます。例えば、 アップルのiSyncソフトウェアでは、Bluetoothテ 8 802.11b同様、802.11gに基づくAirMac Extremeは、家族全員で1つのインターネット接続を共 有する目的で利用できます。学校では、ノートブックコンピュータとカートを使った移動式のコン ピュータ教室を用意すれば、専用のコンピュータ教室に生徒を移動させるような必要がなくなり ます。ビジネスユーザであれば、会議中に大切なファイルを取り出すことができ、重要な決定を 遅らせることがなくなります。AirMac Extremeは建物、学校、あるいはキャンパス全体を簡単に 無線化できるため、教育やビジネスにも適しています。 クノロジーを利用して、アドレスブックの情報や 以上の理由から、アップルでは802.11gをAirMac Extremeの基盤として採用することを決めまし iCalのカレンダーを Macや携帯電話や PDAの間 でシンクします。アップルのBluetoothワイヤレス た。802.11gのメリットは他社でも認識されており、802.11g対応製品の開発は着々と進められて います。 キーボードおよびマウスで、机の上に散らかって いたケーブルをなくすことができます。 Bluetoothは、AirMacと補完しあうテクノロジー です。つまり、802.11を 「ワイヤレスのEthernet」 と考えれば、Bluetoothは「ワイヤレスのUSB」 と 考えることができるでしょう。 有線 ワイヤレス 802.11b 802.11規格でもっともよく知られているのは802.11bで、この最大データレートは11Mbpsです。 802.11bネットワークは今や世界中で利用されており、将来を予測する上で価値ある資源と言え ます。AirMacが切り開いた802.11bネットワークの使いやすさと導入コストの低さにより、例えば、 ホームユーザであれば、インターネットを使って仕事をしたり遊んだりするのに、コンピュータデ スクに常時はりついているような必要はなくなったのです。1 802.11bワイヤレスネットワークが浸透してきたことで「ホットスポット」と呼ばれる場所も数多く出 ネットワーク Ethernet AirMac Extreme 802.11g 現しています。ホテル、空港、カフェあるいはモバイルユーザが多く集まるようなさまざまな場所 に802.11b対応のアクセスポイントが設置され、ユーザはEthernetネットワークにケーブルをつ なぐことなく、インターネットを利用することができるようになっています。まさに 「どこにいても」イ ンターネットに接続できる日が訪れるのは、想像に難くありません。 周辺機器 USB FireWire Bluetooth 主な802.11実装の比較 4 802.11g 802.11b 802.11a 最大データレート 54Mbps 11Mbps 54Mbps 最大データレートの有効範囲 18m 45m 12m 有効範囲(概算) 73m@6 Mbps 91m@1 Mbps 123m@6 Mbps 周波数帯域 2.4GHz 2.4GHz 5GHz 公共場所のホットスポットでの利用 ○ ○ × 全世界で利用可能 ○ ○ × 消費電力(概算) 1.5W 1W 2W∼2.5W Technology Overview AirMac Extreme 9 AirMac Extremeベース ステーションの詳細 AirMac Extremeベースステーションは、その全モデルにおいて802.11gネットワーク機能だけで はなく、ワイヤレスプリンティング機能を備え3、柔軟なワイヤレスネットワークを構築することが できます。 AirMac Extremeカードを備えたMacとともに利用した場合、AirMac Extremeベースステー ションは最高54Mbps(メガビット/秒)の速さでデータ転送ができます。2 これは、従来の802.11b の約5倍のデータレートに当たります。802.11gは802.11b仕様もサポートしていますから、この ベースステーションは802.11bユーザにも利用できます。 1台のAirMac Extremeベースステーションは最大50人までのユーザで同時に利用できるため、 一般家庭なら家族全員、企業なら部門全体、学校ならクラス全員で1台のプリンタを共有したり、 各人がメール、ネットサーフィン、チャットなどのオンライン作業ができます1。 高速なアクセス 54Mbpsものバンド幅を使うと何ができるのでしょうか?以下に、その例を上げましょう。 • メディアストリーミング 54Mbpsものスピードがあれば、オーディオやビデオをワイヤレスでス トリーム配信するようなサービスが実用的になります。アップルのRendezvousテクノロジーと iTunes 4の音楽共有機能により、AirMac Extremeワイヤレスネットワーク上でプレイリストを他 のMacやWindowsコンピュータにストリーミングすることができます。同様に、映像プロダクショ ンスタジオの編集者は、日常的なデジタルビデオのレビューをワイヤレスで驚くべきスピードで実 行することもできます。 • コンピュータ間の高速なファイル共有 自宅で、あるいは会議中に別のコンピュータからファイル を取り出す必要がありませんか?ファイル転送はこれまでよりも高速になり、Ethernetポートを 見つけてケーブルをつなぐ必要はありません。 ワイヤレスプリンティング AirMac ExtremeベースステーションはUSBプリンタのワイヤレス共有にも対応しているため、複 数のユーザがコスト効果の高い方法で印刷できます。ベースステーションのUSBポートにプリン タを接続するだけで、すぐにネットワーク内の全ユーザから利用可能になります。3 さらには、複数 のプリントキューを共有できます。追加のプリンタを購入したり、プリンタを部屋から部屋へ移動 したり、プリンタにつながっているコンピュータに印刷するファイルをメール送信したり、長いケー ブルを引き回す必要もなくなります。 なお、Ethernetネットワークにプリンタを接続している場合は、そのネットワークとベースステー ションのLANポートをつなぐだけで、ワイヤレスネットワークを使っているAirMacユーザからも、 そのプリンタが利用できるようになります。 Technology Overview AirMac Extreme 10 ワイヤレスの有効範囲 Rendezvous AirMacによるワイヤレス接続では、Mac OS X v 10 . 2 から新搭載された革新的なテクノロジー、 Rendezvousが利用できます。Rendezvousは、 コンピュータとその他の機器を一切の設定なしで AirMac Extremeベースステーションの登場によって、ワイヤレスネットワーク1の有効範囲を調節 するのが従来よりも簡単になりました。有効範囲は、ベースステーション1台だけでも、あるいは 別のベースステーションをケーブル接続なしで追加しても広げることができます。 内蔵アンテナ 即時にネットワーク化する機能です。この機能に AirMac Extremeベースステーションの内蔵アンテナは広い範囲に均一な電波を送れます。この より、標準的な IPネットワークプロトコルを使う 電波の状態を図で示した場合は、ベースステーションを中心とする半径45mほどの範囲にほぼ ローカルネットワークで、各機器がそれぞれに提 完全な「球」が描かれることになります。AirMac Extremeカードで利用できるデータレートは、 供する機能やサービス(ファイル共有、プリンタ機 ベースステーションから半径15mほどの範囲までは最大54Mbps、ベースステーションから45m 能など)を互いにダイナミックに見つけられます。 ほど離れた場合には最大11Mbpsになります。AirMacカードやその他の802.11bカードのユーザ 例えば、ワイヤレスネットワーク内にRendezvous が利用できるデータレートは、ベースステーションから半径45mほどの範囲で最大11Mbpsにな 対応のプリンタが存在し、Rendezvous 対応の ります2。 PowerBookやiBookをお持ちの場合、そのコン ピュータを持ってネットワークの有効範囲に入る 外部アンテナ と、コンピュータがプリンタの存在を検出してすぐ AirMac Extremeベースステーションの2つのモデルでは、さらに有効範囲を広げるために外部 に利用できるようになります。なお Rendezvous アンテナを追加できます5。この外部アンテナコネクタには、住宅やビルのワンフロア分で有効範 は、Ethernetのような有線接続されたIPネットワー 囲を広げる無指向性アンテナを接続することができます。外部アンテナを利用すると、最小限 クでも利用できます。 のベースステーションで与えられた範囲をカバーできるようになります。 アップル認定の外部アンテナは他社製品として、オンラインのApple Store (www.apple.com/japanstore)でお求めいただけます。 外部アンテナ(オプション) 無指向性アンテナ 76m@11Mbps、 26m@54Mbps Technology Overview AirMac Extreme 11 送出電波のコントロール 付属ソフトウェアの「AirMac管理ユーティリティ」 と 「AirMacマネジメントユーティリティ」6に用意 された「送信電波の強さ」設定では、ベースステーションの送出電波の強度を増減することで、ワ イヤレスネットワークの有効範囲を調節できます。この機能は複数のベースステーションが存在 する環境でネットワークが重複するのを防ぐのにも役立ちます。つまり、特定の会議室やビルで利 用しているベースステーションの電波を外部に漏らさないようにすることも可能です。 到達範囲をコントロール ワイヤレスブリッジ機能 ワイヤレスブリッジ機能は、WDS( Wireless Distribution System)とも呼ばれる AirMac Extremeベースステーションの機能の1つで、ネットワークケーブルを引き回せない場所でイン ターネット接続を可能にするために、AirMacワイヤレスネットワークを利用するような場合に利 用します7。ワイヤレスブリッジ機能を有効にしたAirMac Extremeベースステーションは、別の AirMac Extremeベースステーションに接続して、そのインターネット接続を使用することができ ます。従来のAirMacベースステーションでは、それぞれがインターネットに物理的にケーブルで 接続されている必要がありました。 し ワイヤレスブリッジ機能では、ケーブルでネットワーク接続(WANポートやLANポートを使用) たベースステーションが「メイン」 となり、追加のベースステーションは「メイン」のベースステー ションにワイヤレス接続して、そのインターネット接続を使用することができます。これらのベース ステーションはスタンドアロンな「リモート」ベースステーションや、それ自身がリモートベースス テーションをもつ「リレー」ステーションになることができます。各「メイン」ベースステーションは 「リレー」 あるいは「リモート」ベースステーションを接続することができ、各「リレー」 最大4台までの 「メイン」ステーションの物理的な ステーションは、同じく4台の「リモート」ステーションを接続して ネットワーク接続を共有することができます。WDSネットワークのベースステーションに接続した 全てのクライアントは、どのベースステーションを経由しても、そのネットワーク内のすべてのサー を利用できます。 ビス (Rendezvous対応サービスを含む) ワイヤレスブリッジ機能は、ベースステーションの内蔵アンテナはもちろん、外部アンテナとも併 用できますから、状況に合わせてワイヤレスの有効範囲を最適に調節できます。ただし、2階建 ての家のような場合には、内蔵アンテナだけでリモートユニットとメインのベースステーション間 の十分な出力を提供することができるでしょう。 Technology Overview AirMac Extreme 12 内蔵アンテナから送出される電波は「球形」 に広がりますから、2台のベースステーションの電波 が1階と2階をそれぞれ行き来できるためです。 ワイヤレスブリッジ機能 リレーベースステーション リモートベースステーション リモートベースステーション リモートベースステーション インターネットに接続した メインベースステーション インターネットへ 接続の強度 AirMac3.1もしくはそれ以降のソフトウェアを使い、AirMac Extremeはワイヤレス接続を強固に する機能を有しています。この機能により、混信状態においても接続を維持する能力が高められ ます。このソフトウェアの接続エラー防止機能には自動チャンネル選択、混信エラー強度、自動探 知の3つがあります。 自動チャンネル選択 AirMac Extremeのベースステーションが起動したときに、自動的に周囲で使われているワイヤ レスのスペクトル(周波数域)をチェックし、使用に最適な(つまり使われていない“静かな”)チャン ネルを選択します。 Technology Overview AirMac Extreme 13 電波干渉の制御 ワイヤレス電波の干渉はさまざまな原因により発生します。それらには他のワイヤレスネットワー ク、コードレス電話、幼児モニター、無線映像配信システムなども含まれます。干渉状態に陥ると、 データパケットが届かない場合がありますが、これらのパケットは自動的に再送されるため、実際 にデータが紛失することはありません。これらデータの再送が著しくデータ転送のスピードに影 響を与えない限り、一般的にユーザーがこの問題に気がつくことはありません。しかし、干渉の状 態がひどい場合にはAirMac Extremeのクライアントはワイアレス接続が切断されてしまいます。 電波干渉の制御と呼ばれる機能は、極度の電波干渉状態においてもAirMac Extremeベースス テーションとAirMac Extremeクライアント間の接続を維持できるように開発されました。この機 能はベースステーションとクライアントコンピュータの両方で作動することになります。この機能 によりクライアントコンピュータとベースステーション間に強度な接続を維持することが可能とな りますが、全体的な無線ネットワークの範囲を縮めることもありますのでご注意ください。 自動探知 接続状態に影響が出ない程度の干渉であっても、データ転送のスピードを下げるだけのデータ再 送が行われる可能性もあります。干渉状態はたいていの場合一時的なものなので、AirMac Extremeでは干渉探知機能を組み込み、干渉が収まると自動的にシステムの処理スピードを最速 に戻す仕組みになっています。 互換性 AirMac Extremeベースステーションは、複数のワイヤレスネットワーク、オペレーティングシステ ム、インターネットサービスプロバイダ(ISP) に対応しているので、さまざまな形態のネットワーク 接続のニーズに対応できます。 ワイヤレスネットワークとの互換性 AirMac Extremeベースステーションでは、802.11b、802.11gどちらのユーザもワイヤレスネッ トワークを利用できます。2 ベースステーションは工場出荷時の状態では802.11b/g互換モードで 動作しますから、802 . 11 b 、802 . 11 g の両方を同時にサポートします。このため、どの AirMac Extremeカード、AirMacカード、その他の802.11b、802.11g製品を使ってもベースステーション に接続できます。 接続しているのが802.11gユーザだけの場合、AirMac Extremeベースステーションの最大データ レートは54Mbpsになります。もし常に802.11gテクノロジーの最大データレートを利用したい場合に は「AirMac管理ユーティリティ」を使って、802.11g接続だけを許可するように設定できます。 接続しているのがAirMac Extremeユーザだけの場合、ベースステーションのネットワークスループッ トは最大データレートとなります。しかし、1人でも802.11bユーザが接続した場合は、それに合わせ てワイヤレスネットワークのデータレートは下がります。ワイヤレスネットワークに多数の802.11bユー ザが接続している場合、ネットワーク全体のデータレートは 802 . 11 bと同等になります。しかし、 802.11gユーザは常に802.11bユーザより速いデータレートで処理されます。AirMac3.1以降のソフ トウェアでパフォーマンスが向上された結果、AirMac ExtremeのユーザはAirMac Extremeネット ワークにおいて、802.11gと802.11bの両方でより良いパフォーマンスを得られるようになりました。 AirMac Extremeベースステーションが802.11bをサポートしていることから、モバイルユーザが多く 集まる店(カフェや書店など)を経営している場合には、ベースステーションを使って顧客向けの「ホッ トスポット」サービスを提供することもできます。ワイヤレスネットワークサービスはコンピュータユーザ に喜ばれ、多くのケースでビジネスに役立つことが確認されています。 Technology Overview AirMac Extreme 14 コンピュータプラットフォームとの互換性 AirMac Extremeで採用されている802.11gテクノロジーは、802.11bとも互換性がありますから、 AirMacカード搭載のMac、Wi-Fi認定の802.11bカード搭載のWindows PCのどちらからでも、 AirMacワイヤレスネットワークが利用できます。 AirMac Extremeに対応したMacintoshシステムをお使いの方は、AirMac Extremeカードを 追加するだけで高速なAirMac Extremeベースステーションを利用できます(新しいすべての NATとDHCPで接続を共有 AirMacおよびAirMac Extremeベースステーショ ンは1つのインターネット接続を安全かつ効率的 に共有できます。それを実現する2 つのテクノロ ジーが、NAT(Network Address Translation) とDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)です。 ネットワーク内のコンピュータが DHCPを使って ネットワーク接続するように設定されている場 PowerBook G4にはAirMac Extremeカードがすでにインストールされています)。もちろん、 AirMac Extremeベースステーションは、AirMac対応のMacintoshシステムに搭載された 802.11b対応のAirMacカードと完全に互換性があります。2 AirMac Extremeベースステーションは、Wi-Fi認定の他の802.11bおよび802.11g機器とも動作 するように設計されているため、802.11bや802.11gカードを搭載したWindowsデスクトップや ノートブックからも接続できます。 ISPとの互換性 合、IPアドレスがDHCPサーバから割り振られ、そ AirMac Extremeベースステーションは、ケーブルモデム、DSLモデム、専用線、モデムによるダ の名が示すとおりIPアドレスは動的に割り振られ イアルアップ(モデム内蔵モデルのみ)を通じて、大半のインターネットサービスプロバイダと接 ます。DHCPサーバは、管理者の方針に応じてコ 続できます。 ンピュータのアドレスを定期的に変更することもで きますし、固定にすることもできます。 AirMacとMac OS Xのバージョン10.2以降に搭載されているiChatソフトウェアを使えば、AIM (AOL Instant Messenger)ユーザと自宅やオフィスのどからでもチャットがお楽しみいただけ AirMacおよびAirMac Extremeベースステーショ ンは DHCP サーバとしての機能も備えており、接 続する全てのコンピュータに IP アドレスを割り振 ます。 ることができます。ベースステーションは、自宅や 接続性 SOHOオフィスなど1つのインターネット接続しか ない場所で、1つのIPアドレスを共有するように設 計されており、ISPから1つだけIPアドレスが割り当 接続用のWANポート1基、ローカルネットワーク接続用のLANポート1基)など、あらゆる接続オ てられていても、各コンピュータにはプライベート プションを備えています。また、ダイアルアップ接続用のモデムも内蔵するモデルもあります。 アドレスを割り振るります。 AirMac Extremeベースステーションは、2基の10/100BASE-T Ethernetポート(インターネット WAN 通常、WANポートにはDSLモデムやケーブルモデムを接続し、高速なインターネット接 ここでNATが必要になります。ベースステーショ 続をワイヤレスネットワーク内のコンピュータから利用できるようにします。あるいは、NAT機能と ン上で動作しているNATソフトウェアがグローバ DHCPサーバ機能を無効にしてAirMacをブリッジとしてのみ使用した場合、WANポートを第2の LANポートとして利用することもできます。PoEモデルのベースステーションのでは、このポートか らEthernetを通して電源の供給を得ることができます。 ルIPアドレスとプライベートIPアドレスを相互に変 換することで、インターネットと情報のやり取りが できるようになります。 インターネットに公開される IP アドレスはベース ステーションに割り振られているグローバルアド レスだけになるため、ベースステーションのファ イアウォール機能の保護下に入るコンピュータ は、目標となるコンピュータのIPアドレスを必要と LAN AirMacワイヤレスネットワークに接続するために、Ethernetを備えるコンピュータやプリ ンタを1台LANポートに接続できます。また、LANポートにEthernetハブを接続すれば、ワイヤ レスユーザがEthernetネットワーク上のプリンタやファイルサーバなどにアクセスすることもでき ます。AirMac Extremeベースステーションを、LANと外部のネットワークの間に配置することで、 LAN内のコンピュータをベースステーション内蔵のファイアウォールで守ることもできます。 するような種類の攻撃を防ぐことができます。ま モデム ケーブルモデムやDSLモデムのない場所でAirMac Extremeベースステーションを使っ たこの方法では、家庭やオフィスで1つのインター てインターネットに接続する場合には、56K V.90モデム内蔵のモデルを利用できます。9 ネット接続を複数のユーザで共有できるため、ネッ トワーク接続のコスト節約にも貢献してくれます。 Technology Overview AirMac Extreme 15 また、このAirMac Extremeベースステーションにはワイヤレスネットワークへのダイアルイン機 能があります。例えば、自宅のMacにあるファイルを外出先から取り出す必要があるとします。も しコンピュータが起動してファイル共有が有効になっており、ベースステーション(モデム内蔵モ デル)のWANポートでDSLやケーブルを経由してインターネット接続しモデムが空いていれば、 ベースステーションのモデムに電話をかけてMacにログインするだけで、ファイルを取り出すこと ができます。また、自宅のネットワーク上のファイル共有中のすべてのコンピュータにアクセスす ることもできます。 セキュリティ AirMac Extremeベースステーションには何重ものセキュリティ機能が用意されており、Webサ イトへのアクセス、オンラインバンキングの利用、メールの送受信などを安心して行うことができ ます。また、AirMac Extremeベースステーションは、許可されていないユーザのワイヤレスネッ トワークへのアクセスを防ぐこともできます。ベースステーションには、本体の盗難を防止するた Wi-Fi Protected Access めの、Kensington社のセキュリティケーブルに対応するスロットも用意されています。 現行のワイヤレスセキュリティ規格 WEP( Wired Equivalent Privacy)の脆弱性を懸念する声が 高まってきています。これを受けWi-Fiアライアン スは、IEEEと協力して、WPA(Wi-Fi Protected Access)と呼ばれる、大幅に改良されたセキュリ 意しました。これらの機能は、AirMacを自宅、オフィス、外出先のどこで使っていたとしても、機 ティ規格を開発しました。 密データを保持し許可されていないユーザを排除するのに役立ちます。 WPAは、標準に基づいた相互運用可能なセキュ リティの向上をもたらし、ワイアレスLANのデータ ファイアウォール ワイヤレスネットワークと外部ネットワークは、ファイアウォールで隔てられま 保護とアクセス制御のレベルを劇的に高めます。 WPAは、データ保護と、許可されたユーザのみが ネットワークにアクセスできることを高いレベルで 保証します。 WPAに取り入れられた標準に基づく主要技術に すべてのAirMacネットワークに対するセキュリティ ネットワークを通じた攻撃は、ワイヤレス、ケーブル接続どちらのネットワークにも起こりえます。 このため、アップルではAirMacネットワーク全体、さらにはそこを流れるデータも守る機能を用 す。AirMac Extremeベースステーション内蔵のファイアウォール機能でローカルネットワークと インターネットの間に防壁を築くことで、WebベースのIPアタックからデータを守れます。ファイ アウォール機能はインターネット接続を共有するようにベースステーションを設定すると自動的 に有効になるため、コンピュータをケーブルモデムやDSLモデムに直結するよりもはるかに安全 です。 は、TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)、 非公開ネットワーク ワイヤレスネットワークを隠すことで、ネットワーク名を (つまり、ネットワー 802.1x、MIC(Message Integrity Check)、お クの存在自体を) プライベートにできます。 「利用可能なネットワーク」をスキャンした場合でも、こ よびEAP(Extensible Authentication Protocol) のワイヤレスネットワークは見つかりません。このネットワークに接続するユーザは、ネットワーク があります。TKIPは強化したデータ暗号を提供し、 名とパスワード (暗号化している場合)の両方を知っている必要があります。 MICはワイヤレスで送信されたデータの整合性を チェックし、802.1xとEAPはユーザ認証機能を提 パスワード保護と暗号化 AirMacにはパスワード保護と暗号化機能が装備されており、従来の 供します。 ケーブル接続ネットワークと同様のセキュリティを確保することができます。ユーザがワイヤレス TIKPは、ワイヤレス接続を暗号化するためのキー を定期的にリフレッシュするなどして、WEP暗号固 有の脆弱性を解決します。ユーザがネットワーク パスワードを入力したときに、TKIPは暗号化処理 を始めます。TKIPは定期的に暗号化キーを変更 し、同じキーは 2 度と使用されません。これらは すべて自動的に処理されます。 WPAには、ユーザ認証に RADIUS サーバを必要 とするエンタープライズモードと、TKIPとパスワー ド保護に頼るパーソナルモードがあります。 ネットワークへ接続する際には、パスワード入力が求められます。データやパスワードの送信時、 ベースステーションはWi-Fi Protected AccessかWEPの128ビット暗号化機能を用いてデータを 安全にやり取りできるようにします。 WPA(Wi-Fi Protected Access) この機能より、お使いのワイヤレスネットワーク上でのデー タ保護とアクセスコントロールが向上します。WPAは、強力な暗号化アルゴリズム(Temporal Key Integrity Protocol)を含み、ワイヤレスで送信されたデータの整合性をチェックすることが でき、802.1xユーザ認証をおこなうことができます。詳細についてはサイドバーを参照してくだ さい。 AirMac ExtremeはWPAとWEP両方のセキュリティに対応しています。お使いのAirMacネット ワークの安全性をできるかぎり保証するためには、WPAセキュリティの使用が必要となります。 WPAはAirMac3.2以降のソフトウェアとMac OS X v10.3 “Panther”、そしてWPAに対応している Windowsコンピュータでご利用いただけます。10 PantherにアップグレードできないMacintosh ユーザや、WPAに対応していないWindowsユーザが存在する場合、代わりにWEPオプションを 使用することでAirMacネットワークに接続することができます。 なお、ネットワークのセキュリティはその最弱部によって決まるため、WPAによって保護されたワ イヤレスネットワークにWEPクライアントは接続できないようになっています。これは、WPAのセ キュリティを大幅に低下させるからです。 Technology Overview AirMac Extreme 16 自宅のAirMacネットワークに対するセキュリティ 自宅では、必要に応じてWPAパーソナルモード、WEP暗号化、MACアドレスフィルタリングなど のセキュリティ機能が利用できます。許可されていない人をネットワークに接続させないこれらの 機能はホームユーザにとっても重要となります。 自宅でのWPA利用 自宅では、ユーザ認証にRADIUSサーバを必要としないパーソナルモード でWPAを利用できます。自宅でAirMacネットワークをセットアップする場合、RADIUSサーバの 代わりにネットワーク接続用のパスワードを設定し、ネットワークに接続するすべてのユーザはこ のパスワードの入力が必要になります。ユーザのネットワークへのログインとともに、パスワードに よってTKIP暗号化処理が行われます。家庭でのWPAの利用に際しては、このネットワークパスワー ドの設定以外には特に必要な設定はありません。 128ビットWEP暗号化 AirMac Extremeにはパスワード保護と暗号化機能が装備されており、 従来のケーブル接続ネットワークと同様のセキュリティを確保することができます。ユーザはネッ トワークにログインするためにパスワードの入力を要求されます。データが転送される間、ベー スステーションは最大128ビットの暗号化機能を用いてデータを安全にやり取りできるようにし ます。 MACアドレスフィルタリング MAC(Media Access Control)アドレスフィルタリングに対応して (またはAirMac IDナンバー) いるため、ワイヤレスネットワークへの接続を許可するMACアドレス のリストを設定することができます。 オフィスや学校でのAirMacネットワークに対するセキュリティ オフィス、小中高等学校、大学では、認証したユーザだけにネットワーク通信を制限することで データが盗み見されるのを防ぎたいと考えるでしょう。このため、AirMac Extremeのハードウェ アとソフトウェアには強力なセキュリティ機構が組み込まれています。 送信電波の制御 電波はあらゆる方向に放射されるため、建物から外に飛び出すこともあります。 「AirMac管理ユーティリティ」 と 「AirMacマネジメントユーティリティ」の「送信電波の強さ」設定で は、ベースステーションからの電波の到達範囲を調節することで、この種の「漏れ」を最小限に抑 え、許可されていない人がワイヤレスネットワークに不正アクセスするチャンスを与えないように できます。 RADIUSのサポート RADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)を利用すると、 大規模ネットワークを簡単に保護できます。この方法では、ユーザの認証にリモートサーバを使用 します。ユーザのコンピュータのアドレス(各802.11ワイヤレスカードでユニーク)がリモートサー バ側の認証リストにない場合、そのユーザはネットワークに接続できません。RADIUSはアクセス 制御プロトコルで、ネットワーク管理者は、ネットワークにアクセスできるコンピュータの一元的な リストを作成できます。このリストを中央サーバに置くと、複数のベースステーションがリストにア クセスでき、アップデートが簡単になります。 LEAPのサポート LEAP(Lightweight Extensible Authentication Protocol)はCisco社のア クセスポイントで使われるセキュリティプロトコルで、各ユーザに異なるWEPキーを動的に割り 当てる仕組みです。AirMac ExtremeはCisco社のLEAPセキュリティプロトコルと互換性がある ため、Macユーザは、LEAPで保護されるワイヤレスネットワークにも接続できます。 強力な認証保護を必要とするネットワークにとって、802.1xと安全な EAPを併用することはおそらく最良の策でしょう。AirMac ExtremeはLEAPの他に、EAP-TLS (Transport Layer Security)、EAP-TTLS(Tunneled Transport Layer Security)、PEAP (Protected Extensible Authentication Protocol)、そしてEAP-MD-5(Message Digest Challenge)にも対応しています。 その他の認証プロトコル Technology Overview AirMac Extreme 17 Power over Ethernet AirMac Extremeベースステーションの1モデルは、Power over Ethernet規格に対応しており、 IEEE 802.3af PD, Class 0に準拠しています。その名前が示すように、ベースステーションはデー タ通信用のEthernetケーブルを利用して電力の供給を受けることができます。11 Power over Ethernetにより、AirMac Extremeベースステーションは電源のための通常の配線 をおこなう必要がなくなり、ネットワークや施設の管理者がベースステーションを設置するうえで 非常に高い柔軟性を提供します。ベースステーションはCAT-5 Ethernetケーブルさえ利用可能 であればどんな場所にでも設置できるようになりました。 (次のセクションで解説するように、ベー スステーションを空調用スペースで使用するにはUL2043規格に準拠したケーブルを使用する必 要があります。) 802.3af用の電源(Power Sourcing EquipmentまたはPSEと呼ぶ)は、CAT-5ケーブルの束が 配線してあるようなネットワークルームに設置することができます。PSE機能はEthernetスイッチ やルータなどの装置に内蔵することができます。また既存のネットワーク装置をPSE対応にアップ グレードできる製品もあります。つまり、ネットワーク接続に用いるのと同じ装置がリモートの AirMac Extremeベースステーションに電源も供給できるのです。 UL2043(空調用スペース) Power over EthernetをサポートするモデルのAirMac Extremeベースステーションは、米国の UL2043規格(空調用スペースへの設置に対する耐火規格)にも準拠しています。このため、ベー スステーションを通常設置するであろう場所ではなく、Ethernetケーブルを使ってつり天井の中 などに配置できます。つり天井へのベースステーションの設置は、電源配線をおこなう費用をか けずにベースステーションを追加するのに適していますし、学生がうっかり、あるいは故意にベー スステーションをいじることを防げます。 UL2043規格への準拠は、火災発生時に建物の換気システムを通って追加の煙が発生しないこと を証明しています。 (UL2043準拠は火災後に装置が動作することを保証するものではありません) AirMac Extremeベースステーションをつり天井に設置するときには、Power over Ethernet機 能を使用しなければなりません。なぜならば、AirMac Extreme電源パックはUL2043規格に準 拠していないからです。同じ理由で、つり天井に設置したベースステーションで外部アンテナを使 用することはできません。つり天井を支える梁や壁に取り付けるためのブラケットがベースステー ションに付属しています。 新しい「AirMacマネジメントユーティリティ」 と 「AirMacクライアントモニタ」を使えば、AirMac Extremeを最適なパフォーマンスに簡単に調整できます。これらのソフトウェアを使用すれば、近 くのベースステーションに干渉することなく、確実に各ベースステーションに適切な範囲をカバー させることができます。また、ネットワーク上のどの、Macからもすべてのベースステーションの設 定を監視・管理することができます。6 詳細は「AirMac Extremeソフトウェア」を参照してください。 Technology Overview AirMac Extreme 18 AirMac Extremeのセットアップ AirMac Extremeワイヤレスネットワークは、簡単にセットアップできます。 AirMac Extremeベースステーションをインターネットに接続する前に、以下の点を確認してくだ さい。 • コンピュータにAirMacカードまたはAirMac Extremeカードが装着されていること。 • コンピュータが内蔵モデム、ケーブルモデムやDSLモデム、またはEthernetネットワークを通じて インターネットに接続できるように設定されていること。 • ISPから接続アカウントを取得していること(使用料が課せられることもあります)、または既存の ネットワークを通じてインターネットに接続できること。 インターネット接続アカウントのAirMac Extremeでの利用に関するより詳しい情報は、ISPに問 い合わせるか、WebでTech Info Library(http://til.info.apple.co.jp)を参照してください。 複数のベースステーションネットワークを構築するには、 「AirMac Extremeネットワークの管理」 (http://www.apple.co.jp/support/airmac)を参照してください。ベースステーションをセット アップするため、以下の準備をします。 • 適切なAirMac Extremeベースステーションの設置場所を選びます。机や本棚などの平らな面に 置くか、付属のブラケットを利用して壁に掛けます。自宅やオフィスの中心となる場所に設置し、 電子レンジや大型の金属製品など、電波干渉の原因になりそうな物の近くは避けながら、電源、 電話のモジュラージャック、ネットワークポートに近い場所を選びます。 • コンピュータに最新のAirMacソフトウェアがインストールされているのを確認します。AirMacソ フトウェアに関する最新情報は、以下のWebサイトでチェックできます。 – AirMac:www.apple.co.jp/airmac – AppleCareサポート:www.apple.co.jp/support/airmac 以上の準備が完了したら、次の3つのステップでAirMac Extremeベースステーションをセットアッ プします。 Step 1:お使いのMacでインターネット接続を試す 最初に、コンピュータの内蔵モデムを使ったダイアルアップ、またはEthernetポート経由で(DSL モデム、ケーブルモデム、LANを使って)インターネットに接続できることを確認してください。 Step 2:AirMac Extremeベースステーションを電源につなぐ ベースステーションに電源アダプタを接続し、電源アダプタをコンセントに接続します。これで、 ベースステーションの電源は自動的に入ります(電源スイッチはありません)。 重要:AirMac Extremeベースステーションには、必ず付属の電源アダプタだけを使用してくださ い。他製品向けの電源アダプタは、ベースステーションを破壊してしまう場合もあるので絶対に 使用しないでください。 Technology Overview AirMac Extreme 19 ベースステーションの電源が入ると、本体正面の3つのステータスインジケータが白色で点滅を 始め、ベースステーションが起動中であることが分かります。30秒ほどで起動が完了すると、中 央のインジケータが白色で点灯した状態になります。 次に、コンピュータにつないでいたモジュラーケーブルや、ネットワークケーブルを外し、それを AirMac ExtremeベースステーションのWANポート(ADSLモデム、ケーブルモデム、LAN経由の 場合)、またはモデムポート (ダイアルアップの場合) に接続します。 ベースステーションのポート セキュリティ スロット 外部 アンテナコネクタ (上位モデルのみ) WANポート (Ethernet) LANポート (Ethernet) モデムポート USB (上位モデルのみ) プリンタポート 電源 アダプタポート • DSLモデムやケーブルモデムを通じてインターネットに接続する場合は、これらの機器につながっ (WAN) に接続 たネットワークケーブルをベースステーションの10/100BASE-T Ethernetポート します。 • オフィスや学校の Ethernet ネットワーク( LAN )を通じてインターネットに接続する場合は、 Ethernetケーブルをベースステーションの10/100BASE-T Ethernetポート(LAN)に接続します。 • ワイヤレス未対応またはインターネット未接続のコンピュータを、AirMac Extremeベースステー ションのEthernetポート (LAN) に接続してインターネットにつなぐこともできます。なお、ベース ステーションは、Ethernetポート (WAN)経由か、モデムポート経由でインターネットと接続する 必要があります。 • 標準的なモデムとアナログ電話回線(一般家庭で利用する通常の電話回線)でインターネットに 接続している場合は、そのモデムに接続しているモジュラーケーブルの一方を、ベースステーショ ンのモデムポートにつなぎ換え、もう一方が電話のモジュラージャックにつながっているのを確認 してください。 (モデム内蔵モデルのAirMac Extremeベースステーションが必要です) 「AirMac設定アシスタント」でAirMac Extremeベースステーションを設定 Step 3: する このアプリケーションでワイヤレスネットワークを設定し、Macで現在使っているインターネット設 定をベースステーションに転送して、Macからワイヤレスネットワークにアクセスできるようにしま はハードディスクの「アプリケーション」 フォルダにある 「ユーティリ す。 「AirMac設定アシスタント」 ティ」 フォルダの中に入っています。 (Windows 2000およびWindows XPを搭載したコンピュー タから AirMac ネットワークを設定するための「 AirMac 管理ユーティリティ」は、各 AirMac Extreme ベ ース ステ ーションに 付 属 する CD で 提 供されます。また 、このソフトウェアは http://www.apple.co.jp/airmacからもダウンロードできます。) ベースステーションの電源が入り、3つのうち中央のインジケータが白色に点灯した状態である を開いて、画面に表示される指示に従ってセットアッ ことを確認したら、 「AirMac設定アシスタント」 プを進めます。 Technology Overview AirMac Extreme 20 この画面は、コンピュータがAirMac用に設定されておらず、新しいAirMac Extremeベースステーションを 検出した場合に表示されます。近くに別のベースステーションがあり、AirMac用の設定が済んでいる場合は、 別の画面が表示されます。 Technology Overview AirMac Extreme 21 AirMac Extremeソフトウェア AirMacネットワークを使いやすくするためには、ハードウェアと同様にソフトウェアも重要です。3 つのユーティリティプログラムがAirMac Extremeベースステーションとともに提供され、ベース ステーションを設置するのに最適な場所を探し、設置後に設定をおこない、パフォーマンスをモ ニタリングすることができます。1台のベースステーションを管理するには「AirMac管理ユーティ リティ」、複数台のベースステーションによるワイヤレスネットワークを管理するには「AirMacクラ イアントモニタ」 と 「AirMac管理ユーティリティ」を用います。 AirMacクライアントモニタ AirMac Extremeベースステーションに新しく付属したこのユーティリティで、ワイヤレスネット ワークを運用する前に、簡単に設置場所の調査をおこなうことができます。このような調査は、 ベースステーションを設置する最も有効ワイヤレス範囲が広く効果的な場所がどこかを決めるの に役立ちます。 「AirMacクライアントモニタ」 は現在のデータレート、信号の強度、特定のベースステーションの ノイズのレベルを表示します。また、信号の強度とノイズレベルを解釈して全体的な信号品質を 表示します。 「AirMacクライアントモニタ」は802.11gと802.11bの両方のアクセスポイントをレ ポートできます。 「AirMacクライアントモニタ」 は、AirMac Extremeベースステーションに関する重要な情報を分かりやすい、 リアルタイムチャートで表示します。 Technology Overview AirMac Extreme 22 「AirMacクライアントモニタ」をPowerBookや AirMac Extremeを使用予定の場所に設置し、 iBookで実行してベースステーションから様々な方向にゆっくりと移動すれば、ベースステーショ ンからの電波の到達範囲を示す正確なマップを作成することができます。他のベースステーショ ンに対しても同じことを繰り返して、ワイヤレスネットワークアクセスが必要な範囲に応じて、設置 場所を調整します。 「AirMac Extremeネットワーク 「AirMacクライアントモニタ」の使用に関するより詳しい情報は、 の管理」 (http://www.apple.co.jp/support/airmac)を参照してください。 「AirMacクライアントモニタ」を使用するにはMac OS X v10.3 “Panther”が必要です。 AirMacマネジメントユーティリティ 「AirMacマネジメントユーティリティ」 は多機能なプログラムで、AirMac Extremeベースステー ションの管理、監視、設定を実行できます。このソフトウェアでネットワーク上のどのMacからも ベースステーションをコントロールできます。6 ベースステーションのグループを定義することもで き、グループ全体の設定を一度に変更することもできます。あるベースステーションは目的別に 異なるグループに所属させることもできます。例えば、ある建物の1フロアにあるすべてのベース ステーションや、同一チャンネルで通信するすべてのベースステーションを1つのグループにまと めることができます。 は、個々のベースステーションやグループの状態を4種類の 「AirMacマネジメントユーティリティ」 画面を使って表示します。 • 要約画面では、ベースステーションの名前、MACアドレス、IPアドレス、ファームウェアのバージョ ン、状態など最も一般的な情報を表示します。 概要画面では、最も簡単に各ベースステーションやグループについての重要な情報を表示でできます。 Technology Overview AirMac Extreme 23 • 設定画面では、ベースステーションの利用可能なすべての設定および現在の設定値のリストを表 示します。 「AirMacマネジメントユーティリティ」ではほとんどの設定をポップアップのリストや新し い値の入力で変更することができます。 (いくつかの設定は「AirMac管理ユーティリティ」からのみ 変更できます) 設定画面ではベースステーションの設定を表示したり変更したりできます。 • ログ画面は、各ベースステーションが適切に動作していることを確認したり、問題を解決するのに 役立ちます。AirMac Extremeは常に動作状況を記録しており、ログ画面を表示して特定のベー スステーションを選択したとき、 「AirMacマネジメントユーティリティ」はベースステーションから 最新のログメッセージを表示します。 ログ画面ではステータスとエラーメッセージを表示します。 Technology Overview AirMac Extreme 24 • モニタ画面は、特定のベースステーションのステータスをリアルタイム5秒ごとにアップデート)に 表示します。 「AirMacクライアントモニタ」のように「AirMacマネジメントユーティリティ」のこの画 面は、ベースステーションに接続した各クライアントコンピュータが受信した信号の品質、信号の 強度、ノイズレベルをレポートします。また、送受信したパケット数や各クライアントコンピュータ のエラー回数も表示します。 モニタ画面は、ベースステーションに接続したワイヤレスクライアントについてのリアルタイム情報を表示し ます。 「AirMacマネジメントユーティリティ」の使用に関するより詳しい情報は、 「AirMac Extremeネッ トワークの管理」 (http://www.apple.co.jp/support/airmac)を参照してください。 「AirMacマネジメントユーティリティ」を使用するにはMac OS X v10.3 “Panther”が必要です。 AirMac管理ユーティリティ AirMac Extremeベースステーションが利用できる状態になったら、設定作業が必要になります。 「AirMac管理ユーティリティ」 は1台のAirMac Extremeベースステーションを設定するための優 れたツールです。すでに説明した「送信電波の強さ」設定を始め、ワイヤレスネットワークの管理 に必要なさまざまな設定が用意されています。 インターネット ベースステーションをインターネットに接続するための設定を管理できます。 ISPに関する内容が変わったときも、内容をすばやく簡単に変更できます。 名前とパスワード ワイヤレスネットワークとAirMac Extremeベースステーションのそれぞれに 名前とパスワードを設定できます。 非公開ネットワーク ワイヤレスネットワークを隠すことで、ネットワーク名を (つまり、ネットワー クの存在自体も) プライベートにできます。 「利用可能なネットワーク」をスキャンした場合でも、こ のワイヤレスネットワークは見つかりません。このネットワークに接続するユーザは、ネットワーク 名とパスワード (暗号化している場合に必要)の両方を知っている必要があります。 ポートマッピング もしAirMacネットワーク上でWeb、AppleShare、FTPサーバなどを起動し ていれば、他のコンピュータから通信できる必要があります。ベースステーションは外部への接 続リクエストに対するポートとプライベートIPアドレスのテーブルしか持っていないため、外部 からの接続を適切なコンピュータへと導くことができません。リクエストをサーバにルーティン 「AirMac管理ユーティリティ」を用いて グするためには、サーバに固定のIPアドレスを割り振り、 インバウンドのポートマッピング情報をAirMac Extremeに設定します。 Technology Overview AirMac Extreme 25 チャンネルの選択 複数のベースステーションを同時に利用している環境では、電波干渉を最小 限に抑えるため、それぞれに別個のチャンネルを割り当てる必要があります。ベースステーショ ンが1台しかない環境でも、近くにあるコードレス電話などの電子機器との電波干渉を避けるため に、チャンネル変更が必要な場合があります。この機能により、個々のベースステーションが動作 するチャンネルを選べます。AirMac 3.1以降のソフトウェアでは、自動チャンネル選択のオプショ ンを選択することもでき、ベースステーションが起動あるいは再起動したときに、最も適切あるい は空いているチャンネルを選択することができます。 AirMac管理ユーティリティ 1 2 3 4 1 ベースステーションの設定項目がタブで区分けされています。 2 ベースステーションの現在の設定状態を一目で確認できます。 3 ベースステーション、ワイヤレスネットワークのそれぞれの名前とパスワードを素早く変更でき ます。 4 ベースステーションの設定項目をすべて表示します。 Technology Overview AirMac Extreme 26 AirMac Extremeカードの詳細 AirMac Extremeカードは従来のAirMacカードよりも小型で、AirMac Extreme対応のMacintosh コンピュータに装着できます。そのサイズにもかかわらず、このカードは従来のAirMacカードの約 5倍の速さでデータ転送ができます。 AirMac Extremeカードはすべての新しいPowerBook G4コンピュータに搭載済みで、他の Macintoshモデルは購入時に追加することができます。またAirMac Extremeカードを装着する のは簡単です。コンピュータを開けて専用スロットにカードを装着し、コンピュータにあらかじめ 組み込まれているアンテナからケーブルを取り付け、コンピュータを閉じればセットアップは完了 です。後は「AirMac設定アシスタント」のステップにしたがって設定を終えれば、準備完了です。 これで、自宅・学校・オフィスなどで、ワイヤレスネットワークを利用できます。もちろん、世界中の ホテル・空港・カフェ・図書館その他のオフィスや公共の場所で提供されている802.11b対応のホッ トスポットでも、ワイヤレスでインターネットに接続できるようになります。AirMac Extremeカー ドはWi-Fi認定の802.11bまたは802.11gネットワークと互換性があり、そのままの状態でホット スポットでのインターネット接続が楽しめます。2 ホットスポットの有効範囲にコンピュータを持ち 込むだけで、ネットサーフィンをすぐに始められる状態になります。外出先でのメールチェックや Webサイトへのアクセスなどに、まさに最高の方法と言えるでしょう。 もちろん、AirMac Extremeカードの最高速度を得るにはAirMac Extremeベースステーション が必要となります。802.11bネットワークの802.11gシステムへの移行が進むにしたがって、最高 54Mbpsのデータレートをフルに利用できる機会は増えていきます。ネットサーフィン、ファイル共 有、ネットワークプリントがいかに快適になるかを想像してみてください。AirMac Extremeや Wi-Fi認定の802.11bベースステーションの両方に簡単にアクセスでき、その場合にもハードウェ アやソフトウェアを手動で設定変更する必要はありません。すべては自動で行われます。 ファイル共有 AirMac Extremeでは、仲間や同僚とのファイル交換もはるかに簡単になります。Mac OS Xの ファイル共有機能を有効にすれば、ベースステーションがない場所でもファイル共有はすぐに始 められます。これは、AirMac Extreme、AirMac、および他の802.11bまたは802.11g対応のコン ピュータ同士が直接通信することができるからです。2 プリント AirMac ExtremeカードとMac OS X v10.2.7以降を組み合わせると、AirMac Extremeベースス テーションに接続したUSBプリンタを利用できます。3 同様のことは、ベースステーションにケーブ ル接続したネットワーク上のEthernetプリンタでもできます。Mac OS X v10.2以降が備える Rendezvousテクノロジーにより、プリンタおよびその他のネットワークサービスを検出すること もできます。プリンタ、ファイルサーバおよびその他のサービスのリストを自動的に表示することが でき、選択すればそれだけですぐに利用できます。設定などは必要ありません。互換性のある USBプリンタのリストはhttp://www.apple.co.jp/airmac/printcompatibility.htmlを参照して ください。 Technology Overview AirMac Extreme 27 インターネット共有 コンピュータがケーブルでインターネットに接続しているとき、他のAirMac対応のコンピュータか ら接続を共有することができます。1 Mac OS Xのシステム環境設定の「共有」の「インターネット」 パネルでチェックボックスをクリックするだけでこの機能を利用できます。この方法ではAirMac Extremeベースステーションほどのセキュリティ機能はありませんが、素早く簡単に利用すること ができます。 AirMac Extremeの利用 AirMac Extremeワイヤレスネットワークは、ケーブルを使ってインターネットに接続している場合 とまったく同じにように利用できます。ネットワークがインターネットにつながっている状態なら、 普段使うインターネットアプリケーションで、Webサイトのブラウズや、メールの受信などができ ます。ファイルサーバや共有プリンタといったネットワークサービスが利用可能な場合、Ethernet のネットワークと同じ手順で選択できます。 Mac OS XのデスクトップにあるAirMacメニューは重要な情報を表示します。このメニュー(メニュー バーのAirMacアイコンからアクセス可能)では、コンピュータが現在受信している信号の強度や、 利用可能なAirMac Extreme、AirMac、他のWi-Fi認定の802.11bまたは802.11gネットワークの リストを確認できます。また、ベースステーションのない場所や、2台のコンピュータ間を直接接続 する必要があるときに、コンピュータ間のワイヤレス接続を素早く作成することもできます。 簡単にワイヤレス接続 1 2 1 AirMacメニューで「AirMacを入にする」を選びます。 2 接続するワイヤレスネットワークを選びます。 3 ネットサーフィンなどを始めます。 3 ネットワークへ自動的に再接続 システム環境設定の 「ネットワーク」 にある 「AirMac」パネルでオプションを選択すれば、コンピュー タの再起動後やスリープ解除後に、コンピュータがワイヤレスネットワークに自動的に再接続しま す。例えば、最近利用した利用可能なネットワークにコンピュータを接続できます。自動ログイン のためにMac OS Xにネットワークパスワードを憶えさせることもできます。 28 Technology Overview AirMac Extreme AirMacの利用例 現在、数百万に上るAirMacおよびAirMac Extreme製品が利用されています。このセクションで は一般家庭、教育機関、ビジネス、外出先などにおいてAirMac Extremeワイヤレスネットワーク がどのように役立つかをあらためて確認します。 一般家庭で どんなに上手く設計された家でも、電話線のモジュラージャックやブロードバンド接続用のケー ブルコネクタの位置が、コンピュータを使いたいと思う位置にないことは多々あります。しかし、 AirMac Extremeを利用すれば、自宅の床中にケーブルを這わせる必要はなくなります。 ネットサーフィン、 AirMac Extremeベースステーションで1つのインターネット接続を共有すれば、 メールのやり取り、ネットワークゲームなどを、家族全員がそれぞれに楽しめます。1 電波の到達 距離はベースステーションを中心とする半径45mもの範囲に及びますから、ポータブルコンピュー タもデスクトップコンピュータも、モジュラージャックのある場所にしばられずに、好きな場所に置 いて使えます。AirMacカードや互換カードを備えるコンピュータであば、Mac、Windows PCを 問わず、誰もがワイヤレスネットワークを通じてインターネットに接続できます。 自宅でAirMacを使う 1 2 USB 4 5 3 お求めやすい価格のAirMac Extremeベースステーションを1台用意するだけで、家族全員が それぞれの目的でネットワークを活用できます。以下は、その一例です。 1 インターネット接続 2 共有プリンタ 3 AirMacカード搭載のMac 4 AirMac Extremeカード搭載のMac 5 互換ワイヤレスネットワークカード搭載のMac以外のコンピュータ Technology Overview AirMac Extreme 29 AirMacは、セットアップするのも使うのも簡単です。AirMac Extremeベースステーションは、 「AirMac設定アシ ADSLモデムやケーブルモデムを直結できるEthernetポートを備えています。 スタント」を使えば、ガイドにしたがって簡単にベースステーションの設定を進められます。 ブロードバンド回線を使わずにインターネット接続している場合でも、AirMacを使ってワイヤレス 化しておくと、コンピュータ間でファイルを共有する場合などにとても便利です。AirMac Extremeカードを装着したコンピュータ同士では、最高54Mbpsでファイルを転送できます。自 宅にある別のコンピュータが802.11bカードを備えていれば、そのコンピュータと最高11Mbpsで 通信できます。ほとんどのホームユーザには満足できる速度でしょう。また、ワイヤレス化によっ てノートブックコンピュータはまさに 「ポータブル」 となり、快適な場所でネットワークを使う仕事や 遊びができます。 AirMac ExtremeベースステーションはUSBプリンタポートも備えていますから、1台のプリンタ を家族全員で、家中のどこからでもワイヤレスで利用できます。簡単・便利で、家計の節約にもな ります。3 1モデルは56Kモデムも内蔵しているため、ケーブルやADSL回線がなくても、インターネット接 続が共有できます。内蔵モデムは、ブロードバンド回線が不通になった場合の予備としても利用 できます(モデムを使ったダイアルアップ接続にはISPへの接続アカウントが必要で、使用料が課 せられることもあります)。さらに、内蔵モデムはインターネットへのダイアルアップ接続だけでな く、外出先から自宅のネットワークへのダイアルインにも利用できます。 教育現場で ケーブル接続のネットワークでは、コンピュータの設置場所が、教育的な視点よりも経済的な理由 を優先して決められることがよくあります。AirMac Extremeでは、簡単かつコスト的にも効果的 にキャンパスあるいは学校全体をワイヤレスネットワーク化することが可能です。AirMacのワイ ヤレス環境では、追加の電源コンセントを設置するコストをかけずに、教育者が自由にテクノロ ジーを利用でき、コンピュータを生徒、教職員、管理者の個々のニーズに合った場所に設置でき る自由が得られます。それに加え、多くの先進的な機能がAirMac Extremeに組み込まれており、 既存のネットワークおよびMacとWindowsコンピュータのどちらからも利用することができます。 AirMacを選ぶ決定的な理由は「ユーザ数の多いネットワークほどコスト効果が高まる」点と言え るでしょう。 教育現場におけるAirMacシステムには、以下のようなメリットがあります。 教育を支援するテクノロジー ケーブル接続されたネットワークでは、コンピュータを使う場所が 限られてしまいます。AirMacのワイヤレス環境では、教室、図書館、ラボ、カフェテリアなどコン ピュータの設置場所を必要に応じて決められます。1 大幅な経費節約 AirMacは、小中高等学校から、各種学校、大学などの教室、ラボ、事務室、学 生会館、学生寮などにネットワークの敷設工事を実施することなく、ネットワーク接続環境を用意 できます。新たにPower over Ethernetをサポートしたことにより、AirMac Extremeベースス テーションに電源ケーブルを接続する必要がなくなりました。そして新しい「AirMacマネジメント ユーティリティ」では、管理者が現場に出向かずに、ネットワーク上ですべてのベースステーション を監視することができます。6 標準ベースの安全なネットワーク AirMacはIEEE 802.11規格に基づいているので、テクノロジー への投資が無駄になるような心配がありません。またWPA(Wi-Fi Protected Access)で認定さ れた802.1xをサポートしています。その他のセキュリティ機能には、コンピュータ対コンピュータ (アドホック接続)のファイル転送の禁止、RADIUS認証のサポート、AirMacクライアントに対す るCisco社のLEAP認証のサポートなどがあります。 AirMac Extremeベースステーションは他にも、教育現場には欠かせない数々の新機能を備えて います。 Technology Overview AirMac Extreme 30 プリンタ共有 ベースステーションのUSBポートに直結したUSBプリンタや、ベースステーション に接続したEthernetネットワーク上のEthernetプリンタを、複数のユーザで共有できます。3 リモート管理 管理者は、 「AirMacマネジメントユーティリティ」を使って特定のベースステーショ ンの設定変更や、特定のグループや、すべてのベースステーションに対する一括変更をネットワー ク内のどの場所からでも実行できます。 有効範囲の管理 外部アンテナコネクタ (2モデルのベースステーションのみ) に無指向性アンテ ナを接続することで、ワイヤレスネットワークの有効範囲を拡大できます。アンテナを接続するだ けで、一時的にネットワークを広げたり、追加のベースステーションを使わずにネットワークアク セスのエリアを拡大したりできます。さらに、ネットワークの電波が特定の教室や建物から外に漏 れるのを防ぐ必要がある場合、 「送信電波の強さ」の設定を使ってベースステーションからの送信 電波を減らすことができ、その結果ネットワークのオーバーラップや干渉を防ぐことができます。 この機能は、各教室にベースステーションを設置するときに特に重要となり、新型のベースステー ションを空調用スペースに設置する方法はこれまでよりも簡単です。アンテナとの組み合わせは 1台のベースステーションの有効範囲を広げ、最小台数のベースステーションでワイヤレスブリッ ジ(下記参照)を機能させるのに便利です。 ワイヤレスブリッジ インターネットにケーブル接続したAirMac Extremeベースステーションに 対してワイヤレス接続するもう1つの追加のAirMac Extremeベースステーションを設置すれば、 ワイヤレスブリッジでネットワークの有効範囲を広げることができます。 複数のAirMac Extremeベースステーションによるワイヤレスブリッジ 5 他の教室 6 6 6 2 本校舎 USB 4 1 4 4 4 1 インターネットに接続したメインのベースステーション 2 共有プリンタ 3 Ethernet LANを経由したケーブル接続のコンピュータ 4 AirMacカードまたはAirMac Extremeカード搭載のMac 5 リモートのベースステーション 6 リモートベースステーションを経由したネットワーク 3 Technology Overview AirMac Extreme 31 Power over Ethernetのサポート AirMac Extremeベースステーションの電源をEthernet ケーブルから供給することで、別途電源ケーブルを用意する手間と費用を省くことができます。ま た、ベースステーションを電源コンセント近くに置かなくてはならないという制約もなくなります (1モデルのベースステーションでのみ可能)。 UL 2043 準拠 UL 2043 規格に準拠した CAT- 5 Ethernet ケーブルを使って Power over Ethernetを使用する場合、ベースステーションを空調用スペースに設置することもできます。こ れにより、いたずらや不正な変更がされにくくなります。 (PoEモデルのみが対応しています)。 ビジネスで AirMacを導入することで、既存のケーブル接続のEthernetネットワークを拡張したり、ワイヤレ スネットワークを新たに構築することもできます。1 AirMacは、オフィスに導入しているブロードバンドのインターネット接続を効果的に利用するた めの低コストで柔軟なソリューションになります。例えば、オフィスを新しいビルに移転した場合 も、ネットワークケーブルの敷設工事などは不要です。AirMacでネットワークを構築すれば、すぐに でも仕事が始められる状態になり、ケーブルを敷設するコストと手間が不要になります。Ethernet ケーブルをオフィス全体に引き回すよりもはるかに低コストで、柔軟性と自由も手に入ります。 AirMac Extremeベースステーションは業界標準の802.11テクノロジーに基づき、Wi-Fi認定の 802.11bおよび802.11gにも対応しています。このため、Mac、Windows PCのどちらを使っても、 スムーズにインターネットに接続できます。これらのコンピュータはファイアウォールに保護され るほか、ビジネスの規模が大きくなった場合にも、ケーブルの配線を変更する必要なく、コンピュー タを増やせます。 AirMacワイヤレスネットワークの高速性により、社内全体で作業が効率化します。ネットワークポー トのない会議室でも、その場でリモートのファイルにアクセスして、会議の出席者や不在者にメー ル添付して送信したりできます。もはや、フロッピーディスクを交換したり、自分の席に戻るまで待 つ必要はありません。さらに、インターネット接続を保ったまま、複数のベースステーション間を 自由に移動できます。AirMacは十分扱いやすいので、IT管理の担当者を必要としないほどです。 AirMac Extremeベースステーション(2モデル)が備える外部アンテナコネクタを利用すると、 ベースステーション1台がカバーする範囲を広げることができ、必ずしもベースステーションを追 加する必要はなくなります。オフィスにEthernetがない場合でも、ベースステーションのUSBポー トやEthernetポートに接続したプリンタを費用効果よく共有することができます。 最新のPoEモデルのAirMac Extremeは、UL2043規格に対応し、Power over Ethernetをサ ポートしています。これらの機能によって、ベースステーションをさまざまな場所に設置できるよう になりました。Power over Ethernetにより、ベースステーションをコンセント近くに設置したり、 ベースステーションに繋げる電源ケーブルをコンセントから引っ張ってくる必要がなくなりました。 さらに、UL2043に対応したことでベースステーションを空調用スペース(例えば天井の上など) に設置することも可能となり、いたずらや不正な操作から守ることができます。 Technology Overview AirMac Extreme 32 オフィスでAirMac Extremeを使う 2 4 USB 1 6 5 5 1 インターネット接続 2 共有プリンタ 3 Ethernet LANを経由したケーブル接続のコンピュータ 4 AirMac Extremeカード搭載のMac 5 AirMacカード搭載のMac 6 互換ワイヤレスネットワークカード搭載のMac以外のコンピュータ 3 外出先で AirMac Extremeに対応しているPowerBook G4またはiBook G4をご利用いただくと、ご自宅だ けでなく、世界中どこででもワイヤレスネットワークをお楽しみいただけます。多くのカフェ、ホテ ル、空港、オフィスや公共施設などで「ホットスポット」 と呼ばれる802.11b無線アクセスポイント が設置されており、ワイヤレスでインターネットに接続することができます。より多くの航空機、列 車、そして公園などでもWi-Fi認定のホットスポットが増えつつあります。AirMac ExtremeはWi- Fi認証の802.11bまたは802.11gネットワークに対応しているため、ホットスポットの範囲内なら PowerBookまたはiBookでネットサーフィンを始めることができます。外出中にメールがチェック でき、Webサイトにアクセスできるのはすばらしいことです。 AirMacソフトウェアはすべてのPowerBookおよびiBookにインストールされており、携帯電話の ように最適な場所にあらかじめ内蔵アンテナが備わっているため、快適なパフォーマンスでお使 いいただけます。現行のPowerBook全モデルと、iBookのいくつかのモデルにはAirMac Extreme カードがあらかじめ装備してあります。そうでないコンピュータをお使いの方でも、ご自分で簡単 にカードを追加することができます。 ワイヤレス対応のノートブックコンピュータをMac OS Xのデスクトップからホットスポットに接続 「入」 にし、ネットワーク するのはとても簡単です。メニューバーのAirMacメニューからAirMacを 接続を選択し、ログインしてインターネットへ接続すればネットサーフィンを始められます。 便利なAirMacメニューには、現在コンピュータが受信している信号の強さおよび、利用可能な AirMac Extreme、AirMac、その他Wi-Fi認証の802.11bおよび802.11gネットワークのリストが 表示されます。また、ベースステーションの範囲外で利用に際しては、メニューからコンピュータ 同士のダイレクトなワイヤレス接続を簡単に設定することができます。 Technology Overview AirMac Extreme 33 より便利に使えるように、システム環境設定の「ネットワーク」 にある 「AirMac」パネルでオプショ ンを選択すれば、コンピュータの再起動後やスリープ解除後に、コンピュータがワイヤレスネット ワークに自動的に再接続します。例えば、最近利用した利用可能なネットワークにコンピュータを 接続できます。自動ログインのためにMac OS Xにネットワークパスワードを憶えさせることもでき ます。 34 Technology Overview AirMac Extreme 製品の詳細 モデル構成 AirMacおよびAirMac Extreme製品は、アップルのオンラインストア、Apple Store (www.apple.com/japanstore)、またはお近くのアップル製品取扱販売店でお求めいただけま までどうぞ。 す。電話でのお問い合わせは、0120-APPLE-1(0120-27753-1) AirMac Extreme AirMac Extreme AirMac Extreme ベースステーション 標準モデル ベースステーション モデム・アンテナポート 内蔵モデル ベースステーション PoEモデル 製品番号 M8930J/A M8799J/A M9397J/A ワイヤレスプロトコル2 802.11g 802.11g 802.11g 10/100BASE-T Ethernet WANポート ○ ○ ○ 10/100BASE-T Ethernet LANポート ○ ○ ○ 56K V.90 モデム × ○ × 内蔵アンテナ ○ ○ ○ 外部アンテナ用コネクタ5 × ○ ○ USBポート3 ○ ○ ○11 Power over Ethernet × × ○ UL2043準拠 × × ○ サービスとサポート 90日間有効の無料電話サポート、1年間の製品保証 製品番号 AirMac Extremeカード M8881J/A AirMacカード M7600J/E ワイヤレスプロトコル2 802.11g 802.11b (IEEE 802.3af)対応 関連製品 • 無指向性アンテナ(製品番号:T6052J/A) Technology Overview AirMac Extreme 35 システム条件 Macユーザ • AirMac Extremeカード、またはAirMacカードを装着したMacintoshコンピュータ • Mac OS X v10.2.7以降 –「AirMacクライアントモニタ」と「AirMacマネジメントユーティリティ」を利用するには、Mac OS X v10.3が必要です。 – WPAを利用するには、Mac OS X v10.3が必要です。 • AirMacソフトウェア(バージョン3.2以降) PCユーザ • Wi-Fi認定のIEEE 802.11bまたは802.11gワイヤレスカードを装着したWindows搭載マシン サービス&サポートの延長 AppleCare Protection Planに加入すると、新規に購入されたMacのサービス&サポートを購 入日より3年間に延長できます。このプランでは、登録されるMacで利用されるAirMacカード、ま たはAirMac Extremeカード、AirMac Extremeベースステーションのほか、アップル製メモリも (www.apple.co.jp/support/products/) 保証対象となります。詳しくは、アップルのWebサイト (月∼金9:00∼19:00、土日祝 をご覧いただくか、0070-800-APPLE-1(0070-800-27753-1) まで電話でお問い合わせください。 祭日9:00∼17:00) 技術仕様 AirMac Extreme ワイヤレスデータ通信速度2 • AirMac Extremeが利用可能なコンピュータの場合、最大54Mbps(環境により異なります ) • AirMacもしくはWi-Fi 802.11bが利用可能なコンピュータの場合、最大11Mbps(環境により異な ります) 通信可能範囲2 • 54Mbpsのデータ通信速度で使用する場合、ベースステーションを中心とする半径約15m(建築 物の構造により変化します) • 11Mbpsのデータ通信速度で使用する場合、ベースステーションを中心とする半径約45m(建築 物の構造により変化します) 周波数帯域 • 2.4GHz 使用が許可されているチャンネル • 米国、カナダ、ラテンアメリカ、台湾ではチャンネル1-11の使用が認可されています • 日本ではチャンネル1-14の使用が認可されています フランスではチャンネル10-13の使用が認可されています • 上記以外の他の国ではチャンネル1-13の使用が認可されています ワイヤレス出力 • 15 dBm Technology Overview AirMac Extreme 36 互換性 • Wi-Fi認定のIEEE 802.11bおよび802.11g製品対応2 • MacコンピュータおよびWindows搭載マシン • NAT、DHCP、FTP、PPPoE、VPNパススルー(IPSec、PPTP、L2TP)、PPPクライアントおよび サーバ(AirMac Extremeベースステーション モデム・アンテナポート内蔵モデルのみ)、 QuickTime Streaming、DNS Proxy、SNMP • America Online8 • Cisco LEAP 付属ソフトウェア • • • • • AirMac設定アシスタント:コンピュータおよびベースステーションのインターネットアクセス設定 AirMac管理ユーティリティ:ベースステーションの設定およびネットワーク管理 AirMacクライアントモニタ:さまざまな場所に設置したベースステーションの信号品質を測定 AirMacマネジメントユーティリティ:ベースステーション管理の効率化6 インターネット接続:ISPへの接続および切断、接続状況の監視、AirMac機能のオン/オフ、ネット ワークの切り換え、信号レベルの確認 • AirMacメニューバーステータスアイコン:接続状況の監視、信号レベルの確認、ネットワークの切 り換え、AirMacのオン/オフ AirMac Extremeベースステーション インターフェイス • 10/100BASE-T Ethernet WANポート(RJ-45コネクタ)DSL、ケーブルモデム接続用 • 10/100BASE-T Ethernet LANポート(RJ-45コネクタ)ケーブル接続のコンピュータ、ハブおよび プリンタ接続用 • • • • USBポート(USBプリンタ接続用)3 56K V.90モデム(RJ-11コネクタ)ダイアルアップ接続用(1モデルのみ内蔵) • • • • • • Wi-Fi Protected Access(WPA)10 40ビットあるいは128ビット暗号のワイヤレスセキュリティ(WEP) MACアドレスフィルタリング NATファイやウォール RADIUS認証のサポート 802.1X、PEAP、LEAP、TTLS、TLS、MD-5 外部アンテナ接続用の外部アンテナコネクタ (2モデルのみ内蔵)5 付属の電源アダプター用電源ポート セキュリティ 設置方法 • 平置き、または壁掛け(壁掛け用ブランケット付属) • 空調用スペース(1モデルのみ可能) 電源条件および動作環境 • • • • • • • • • 電源電圧:100∼240V 電源周波数:50/60Hz 入力電流:0.4 A Power over Ethernet:IEEE 802.3af PD、クラス0(PoEモデルでのみ利用可能)11 動作時温度:0° ∼35°C 保管時温度:-25° ∼60°C 相対湿度(動作時) :20%∼90%(結露しないこと) 動作時高度:最高3,048m 保管時高度:最高4,572m Technology Overview AirMac Extreme 37 対応標準規格 • FCC Part 15 Class B、Canada RSS-210、EN 300-328、EN 301-489、ARIB STD-T66、RCR STD-T33、AS/NZS 4771:2000、UL 60950、CSA-C22.2 No. 60950 • 空調用スペースへの設置に対する耐火規格であるUL2043に準拠(PoEモデルのみ) サイズ/重量 • 直径:175mm • 高さ:80mm • 重量:565g(壁掛け用ブランケット除く)12 さらに詳しい情報 AirMac Extremeについて詳しくは、 www.apple.co.jp/airmacをご覧ください。 1ワイヤレスインターネット接続には、ワイヤレス対応のコンピュータ、ベースステーションあるいは他のアクセスポイント、インターネット接続アカウント が必要です(使用料が課せられることがあります)。インターネットサービスプロバイダによってはAirMacやAirMac Extremeに対応しない場合もありま す。 254Mbpsのデータレートを達成するには、AirMac Extremeベースステーションに接続する全ユーザがAirMac ExtremeカードまたはWi-Fi認定 の 802 . 11 g 機能を備えたコンピュータを使用する必要があります。Wi-Fi 準拠の 802 . 11 b カードを使った接続時は最大 11 Mbpsとなり、この場合、 AirMac Extremeカードを使っているユーザは54Mbpsの転送速度を維持できなくなります。実際の通信速度は、ベースステーションからの距離、接続 レート、建物の構造、ネットワーク規模、その他の要因によって異なります。 3USB経由のワイヤレスプリントには、Mac OS X v10.2.7以降と対応するプ リンタが必要です。 4 802.11g、802.11b、802.11aの各仕様に基づく比較では、以下の状況を想定しています:送信電力=+15dBm、送受信時のアン テナゲイン=0dBi、ダイバーシティ2レベルへの切り換え(到達範囲99%の状態でフェードマージン9.8dB)、伝播環境:自由空間(損失指数=2)で最高 8.5M;損失指数=3.3で8.5M以上(パーティションで区切られた1区画のようなセミオープンな環境を想定)。受信機感度:1/2/5.5/11Mbpsについては アップルのAirMacカード仕様より計測;5.2GHzおよび2.44GHzでのOFDMレートは802.11a規格の感度を用いて計測。5外部アンテナコネクタは対応 モデルでのみ利用可能で、アップルが認可した外部アンテナ専用です。外部アンテナは別売です。 6「AirMacマネジメントユーティリティ」 はオリジナル の “グラファイト”AirMacベースステーションでは動作しません。 7ワイヤレスブリッジ機能は、AirMac Extremeベースステーション間でのみ有効です。 8AOL 5.0以降との互換は米国のみです。AOL接続を同時に共有するには複数のAOLアカウントが必要です。 9モデムの実際の転送速度は、接続スピー ドその他の条件により異なります。 10Wi-Fi Protected Access(WPA)を利用するにはMac OS X v10.3以降が必要です。WPAを使用すると最大接 続ユーザが減少します。11PoE(Power over Ethernet)を利用するには、IEEE 802.3afに準拠した電源供給デバイスが必要です。またPoEで運用中 はUSBポートを使用できません。 12 重量は構成や製造工程により異なります。 © 2004 Apple Computer, Inc. All rights reserved. Apple、Appleロゴ、AppleShare、Apple Store、iBook、iCal、iTunes、Mac、Macintosh、 Mac OS、PowerBook、QuickTimeは、米国およびその他の国で登録されているApple Computer, Inc.の商標です。iChat、Panther、Rendezvous は、Apple Computer, Inc.の商標です。AirMacは、登録されたApple Computer, Inc.の商標です。AppleCareは、米国およびその他の国で登録さ れているApple Computer,Inc.のサービスマークです。Wi-Fi認定およびWi-Fi Protected AccessはWi-Fiアライアンスの認定マークです。この資料に 記載のその他の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。この資料の記載内容は2004年5月現在のものです。この資料に記載された 仕様は予告なく変更することがあります。この資料は情報提供のみを目的とするもので、アップルではその使用に関連する一切の責任を負いません。
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