助成 インドネシアの内航船需要に関する調査 2007 年 3 月 社団法人 日 本 中 小 型 造 船 工 業 会 は じ め に 17,000 余 り の 島 々 か ら 形 成 さ れ る 世 界 最 大 の 島 嶼 国 家 で あ る イ ン ド ネ シ ア で は 、社 会 経 済 の 発 展 、国 民 生 活 の 維 持 時・向 上 に 海 運 が 非 常 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る 。同 国 の 造 船 所 は 、規 模 と し て は 日 本 の 中 規 模 造 船 所 に 匹 敵 す る ス ラ バ ヤ の P.T. PAL 造 船 を は じ め 、 ジ ャ カ ル タ 、 バ タ ム 島 な ど 国 内 各 地 に 存 在 す る 。こ の イ ン ド ネ シ ア 造 船 業 界 は 今 、飛 躍 へ の チ ャ ン ス を 掴 み つ つ あ る 時 期 で も あ る 。従 来 同 国 は 、海 運 業 の 振 興 が お ろ そ か に さ れ 、日 本 を 始 め 殆 ど の 国 が 100% 自 国 籍 船 で 行 っ て い る 国 内 海 上 輸 送 の 45% が 外 国 籍 船 で 行 わ れ 、同 国 の 貿 易 外 収 支 を 悪 化 さ せ る 一 因 と な っ て い る 。こ れ に 対 し 、 JICA の 支 援 の 下 、 国 内 海 上 輸 送 を 将 来 イ ン ド ネ シ ア 国 籍 船 の み に す る こ と と し て お り 、こ れ に 伴 い イ ン ド ネ シ ア 造 船 業 界 は 国 内 船 主 か ら の 大 き な 造 船 需 要 が 期 待 で き る 状 況 に な っ て い る 。ま た 、バ タ ム 島 で は 海 外 か ら の 投 資 環 境 を 改 善 す る こ と な ど に よ り 、多 く の 外 資 に よ る 造 船 所( 特 に シ ン ガ ポ ー ル )が 進 出 し て い る 。ま た 、近 年 の 急 増 す る 鉄 鋼 需 要 に 伴 っ て 粗 鋼 生 産 の た め の 原 料 炭 の 増 産 が 行 わ れ て お り 、カ リ マ ン タ ン の 炭 鉱 の 新 規 開 発 な ど が 行われており、輸送用船舶需要を引き起こしている。 加 え て 、 2004 年 10 月 に ユ ド ヨ ノ 新 大 統 領 が 就 任 し た 後 、 2005 年 3 月 に 外国船の国内貨物輸送を原則禁じる沿岸航行規則の大統領令の発布により 海 運 振 興 を 図 っ た 。ま た 、新 造 船 建 造 資 金 を 獲 得 し 本 規 則 の 円 滑 な 運 用 を 図 る た め に 国 内 海 運 会 社 に 対 す る 外 国 資 本 の 導 入 を 認 め る 一 方 、シ ン ガ ポ ー ル の 1.4 倍 、マ レ ー シ ア・タ イ の 2 倍 と い わ れ る イ ン ド ネ シ ア の 港 湾 で の コ ン テ ナ 取 扱 料 金 の 引 き 下 げ を 決 定 し 外 航 船 誘 致 を 図 る な ど 、海 事 関 連 分 野 に お いて積極的な振興策を実現可能な方法で進めてきた。 本 調 査 は 、こ の よ う な 状 況 の 下 、イ ン ド ネ シ ア の 海 運 、造 船 、関 連 工 業 を 取 り 巻 く 環 境 及 び 政 策 に つ い て も 調 査 、整 理 す る と と も に 、こ れ か ら の 展 望 、 内 在 す る 問 題 を 明 ら か に し 、わ が 国 造 船 業 、関 連 工 業 事 業 者 、及 び 海 事 関 係 者の参考に供することを目的としたものである。 ジェトロ・シンガポール・センター船舶部 (社団法人日本中小型造船工業会共同事務所) ディレクター 田中 信行 目 1 次 イ ン ド ネ シ ア の 経 済 ・ 投 資 環 境 ...................................................................1 1-1 イ ン ド ネ シ ア の 経 済 概 況 ........................................................................1 1-1-1 基 礎 デ ー タ ......................................................................................1 1-1-2 マ ク ロ 経 済 ......................................................................................1 1-1-3 貿 易 動 向 .........................................................................................6 1-2 イ ン ド ネ シ ア 投 資 動 向 ...........................................................................8 1-2-1 投 資 環 境 全 般 ...................................................................................8 1-2-2 低 調 に 終 わ っ た 2006 年 の 直 接 外 国 投 資 .......................................... 11 1-2-3 新 投 資 法 ....................................................................................... 12 1-2-4 投 資 促 進 に 向 け た 政 策 ................................................................... 12 1-3 2 3 4 5 2007 年 以 降 の イ ン ド ネ シ ア 経 済 動 向 見 通 し ......................................... 15 イ ン ド ネ シ ア 海 運 業 の 現 状 ........................................................................ 17 2-1 大 統 領 指 令 の 発 令 と そ の 背 景 ............................................................... 17 2-2 大 統 領 指 令 の 発 令 後 の 動 き .................................................................. 22 2-3 大 統 領 指 令 の 発 令 の イ ン パ ク ト ............................................................ 25 海 運 会 社 ア ン ケ ー ト と 主 要 企 業 ................................................................. 27 3-1 海 運 会 社 ア ン ケ ー ト ............................................................................ 27 3-2 主 要 海 運 会 社 の 概 要 ............................................................................ 35 造 船 業 界 の 現 状 ........................................................................................ 41 4-1 造 船 業 界 の 概 要 ................................................................................... 41 4-2 造 船 所 ア ン ケ ー ト ................................................................................ 43 船 舶 需 要 .................................................................................................. 49 5-1 貨 物 量 予 測 ......................................................................................... 49 5-2 海 運 需 要 が 見 込 ま れ る 貨 物 .................................................................. 50 5-3 日 本 か ら の 輸 出 可 能 性 ......................................................................... 53 別添資料 1) ARPENI PRATAMA OCEAN LINE 所 有 船 舶 リ ス ト ·······························57 2) BERLIAN LAJU TANKER 所 有 船 舶 リ ス ト ·········································58 3) HUMPSS 所 有 船 舶 リ ス ト ·······························································60 4) PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk 所 有 船 舶 リ ス ト ·····························63 5) PERTAMINA SHIPPING 所 有 船 舶 リ ス ト ···········································64 6) SAMUDERA 所 有 運 営 コ ン テ ナ 船 リ ス ト ·············································65 7) SAMUDERA 子 会 社 所 有 船 舶 リ ス ト ··················································66 8) そ の 他 の ア ン ケ ー ト 回 答 海 運 会 社 7 社 の 所 有 船 舶 リ ス ト ·························72 9) ア ン ケ ー ト 回 答 海 運 会 社 ( う ち 12 社 ) の 調 達 予 定 船 舶 リ ス ト ··················74 10) ア ン ケ ー ト 回 答 造 船 所 の 従 業 員 数 ······················································75 1 インドネシアの経済・投資環境 1-1 インドネシアの経済概況 1-1-1 基 礎 デ ー タ 表 1 面積 人口 人種 宗教 政体 元首 国会 内閣 192.2 万 平 方 キ ロ メ ー ト ル (日 本 の 5.1 倍 ) 約 2 億 2,200 万 人 人 (2005 年 時 点 推 計 ) 大 半 が マ レ - 系 ( ジ ャ ワ 、 ス ン ダ 等 27 種 族 に 大 別 ) イ ス ラ ム 教 87% 、 キ リ ス ト 教 10% 、 ヒ ン ズ - 教 2% 共和制 ス シ ロ・バ ン バ ン・ユ ド ヨ ノ 大 統 領( 2004 年 10 月 20 日 就 任 、任 期 5 年 ) (1) 国 民 協 議 会 ( MPR、 定 数 700 名 、 内 500 名 が 国 会 議 員 の 兼 任 、 135 名 が 地 域 代 表 、 65 名 が 諸 組 織 代 表 ) (2) 国 会( DPR、定 数 500 名 、内 38 名 は 大 統 領 が 指 名 し た 軍 人 、比 例 代 表制、任期 5 年) 内閣は大統領の補佐機関で、大統領が国務大臣の任免権を有する。 出 所 : JETRO 国 ・ 地 域 別 情 報 、 日 本 外 務 省 1-1-2 マ ク ロ 経 済 (1) 概 要 1980 年 代 以 降 、イ ン ド ネ シ ア で は ス ハ ル ト 政 権 の も と で 積 極 的 な 外 資 導 入 政 策 が 採 用 さ れ 、 同 国 は 1990 年 に は 9% 、 1995 年 に は 8.2% 1 と い う 高 い 経 済 成 長 を 達 成 し た 。 し か し 、1997 年 7 月 に タ イ で 発 生 し た 通 貨 危 機 の 影 響 を 受 け 、同 国 通 貨 ル ピ ア ア は 米 ド ル に 対 し 1 年 間 で 95% 切 り 下 が り 、外 貨 建 で 借 入 を 行 っ て い た 政 府 、企 業 の 負 担 は 増 大 し 、 通 貨 危 機 は 経 済 危 機 へ と 発 展 し た 。通 貨 危 機 後 は IMF プ ロ グ ラ ム に も と づ い た 経 済 運 営 が 行 わ れ た 。そ の 後 、経 済 の 混 乱 は 次 第 に 収 束 に 向 か い 、2000 年 に は 経 済 成 長 率 4.9% に ま で 回 復 し た 。 し か し 、 2001 年 に は 3.8% に 再 度 落 ち 込 み 、 そ の 後 は 4% 前 半 の 成 長 率に留まっていた。 2004 年 10 月 、 イ ン ド ネ シ ア 初 の 大 統 領 直 接 選 挙 で ス シ ロ ・ バ ン バ ン ・ ユ ド ヨ ノ 大 統 領 が 国 民 の 高 い 支 持 を 受 け て 当 選 し た 。 同 年 の GDP 成 長 率 は 5.1% と 5%台 を 回 復 し 、 翌 2005 年 に は 5.6% と い う 経 済 危 機 後 最 高 の 成 長 率 を 記 録 し た 。2006 年 は 、前 半 は 4% 台 に 鈍 化 し た 2 が 、 最 終 的 に は 前 年 2005 年 の 5.6% と ほ ぼ 横 ば い の 5.5%と な っ た 3 。 ユドヨノ大統領は、①法、平等、人権を尊重する社会の実現、②治安の安定、③貧困 削 減・雇 用 拡 大 の た め の 経 済 成 長 促 進 、の 3 点 を 就 任 時 に 公 約 と し て 掲 げ て い る が 、こ の公約の達成に向けて強いリーダーシップを取り続けており、安定した政権基盤の構築 に 成 功 し た と 評 価 さ れ て い る 4 。2007 年 1 月 に ユ ド ヨ ノ 大 統 領 と 会 談 し た IMF の ラ ト 専 務理事も、 「 マ ク ロ 経 済 の 安 定 と い う 観 点 か ら す れ ば 、イ ン ド ネ シ ア は 極 め て 重 要 な 成 果 1 2 3 4 ADB『 Key Indicator of Developing Asian and Pacific Countries』 よ り 信 金 中 央 金 庫 『 イ ン ド ネ シ ア の 投 資 環 境 』 2007 年 1 月 24 日 2007 年 1 月 31 日 、 ユ ド ヨ ノ 大 統 領 に よ る 年 頭 テ レ ビ 演 説 。 (時 事 ニ ュ ー ス 2007 年 2 月 1 日 ) み ず ほ 総 合 研 究 所 『 ユ ド ヨ ノ 政 権 下 の イ ン ド ネ シ ア 経 済 』 2006 年 2 月 14 日 -1- を 達 成 し た 。」と 述 べ て い る 。た だ し 、同 専 務 理 事 は「 今 必 要 な の は 、成 長 を 加 速 さ せ る こ と だ 」 と も 指 摘 し て い る 5。 表 2 インドネシア主要経済指標 実質GDP成長率 失業率 貸出金利(運転資金) 中央政府財政収支/GDP 一般政府総債務/GDP 財サービス輸出額 財サービス輸入額 経常収支/GDP 外貨準備(金除く) 輸入カバー倍率 総対外債務/GDP 純対外債務/GDP 外貨準備/短期対外債務 総対外債務/輸出 純対外債務/輸出 デット・サービス・レシオ 為替相場(年平均) (%) (%) (%) (%) (%) (10億USドル) (10億USドル) (%) 10億USドル (月) (%) (%) (倍) (%) (%) (%) (US$1=) 1998 ▲13.1 5.5 32.2 ▲2.1 74.6 54.8 44.0 4.3 22.7 6.2 158.5 118.7 0.0 275.7 206.6 31.7 10,014 1999 0.8 6.4 27.7 ▲2.3 99.2 55.8 43.0 4.1 26.4 7.4 108.0 76.4 1.4 270.8 191.6 30.0 7,855 2000 4.9 6.1 18.5 ▲1.2 102.7 70.6 56.0 4.8 28.5 6.1 87.5 63.3 1.3 204.5 148.0 22.5 8,422 2001 3.8 8.1 18.6 ▲2.8 86.0 62.9 50.5 4.2 27.2 6.5 81.7 58.2 1.3 213.3 151.9 23.6 10,261 2002 4.3 9.1 19.0 ▲2.4 71.6 65.8 52.7 3.8 31.0 7.1 64.9 44.2 1.4 200.8 136.8 24.7 9,311 2003 4.5 9.6 17.0 ▲1.9 64.9 69.4 56.9 3.4 35.0 7.4 57.4 38.4 1.6 197.3 131.9 25.5 8,577 2004 5.1 9.9 14.3 ▲1.4 59.5 88.4 79.1 0.7 35.0 5.3 54.6 37.7 1.7 159.1 109.7 22.1 8,939 2005 5.6 10.3 16.0 ▲0.5 52.0 100.1 91.8 0.3 33.0 4.3 46.4 30.2 1.4 133.3 86.7 26.0 9,710 出 典 : 中 央 銀 行 、 財 務 省 、 中 央 統 計 局 、 IMF、 世 界 銀 行 、 ADB 出所:日本格付研究所 (2) ソブリンレポート 2006 年 11 月 産業構造 イ ン ド ネ シ ア に お け る 産 業 構 造 を 、2005 年 の 業 種 別 GDP 寄 与 度 か ら 見 る と 、下 記 図 表 1 に あ る と お り 製 造 業 が 28%と 最 も 高 く な っ て お り 、次 い で 商 業 の 17%、農 業 の 15% と続いている。 行政部門 4% 金融・家屋賃貸 9% その他 5% 農業 15% 鉱業 9% 運輸・通信 6% 商業 17% 図 1 建築業 6% 製造業 28% 公益事業(電気、ガ ス、水道) 1% 2005 年実質 GDP 業種別寄与度 出 所 : ADB Key Indicators 2006 各 業 種 別 の 成 長 率 を 見 る と 、 2005 年 は 全 業 種 で プ ラ ス 成 長 と な っ た 。 特 に 運 輸 ・通 信 分 野 が 高 い 成 長 率 を 示 し て お り 対 前 年 比 13%増 で あ る 。 ま た 、 商 業 、 建 築 業 が 同 8.6% 増 、 7.3%増 と 続 い て い る 。 製 造 業 は 、 上 記 図 表 2 の と お り 重 要 な 産 業 と な っ て い る が 、 5 Reuters 2007 年 1 月 24 日 -2- 成 長 率 は 2004 年 の 6.4%か ら 2005 年 に は 4.6%成 長 と 、や や 成 長 の ス ピ ー ド を 落 と し て いる。 表 3 区 分 農業 鉱業 製造業 公益事業(電気、ガス、水道) 建築業 商業 運輸・通信 金融・家屋賃貸 行政部門 その他 実質 GDP 各業種別成長率 2002 年 3.2% 1.0% 5.3% 8.9% 5.5% 3.9% 8.4% 6.4% 0.4% 7.4% 2003 年 3.2% - 1.4% 5.3% 4.9% 6.1% 5.4% 12.2% 7.2% 0.9% 8.0% 2004 年 3.3% - 4.5% 6.4% 5.2% 7.5% 5.7% 13.4% 7.7% 1.7% 7.9% 2005 年 2.5% 1.6% 4.6% 6.5% 7.3% 8.6% 13.0% 7.1% 1.9% 8.1% 出 所 : ADB Key Indicators 2006 (3) 為替およびインフレ率 イ ン フ レ 率 は 2002 年 春 を ピ ー ク に 低 下 傾 向 を 辿 っ た こ と を 受 け 、中 央 銀 行 (イ ン ド ネ シ ア 銀 行 )は 利 下 げ を 継 続 し 、 2004 年 以 降 イ ン フ レ が 上 昇 し 始 め て も 低 金 利 政 策 を 変 更 し な か っ た 。 イ ン フ レ は 加 速 し た が 、 低 金 利 政 策 が 続 い た た め 、 実 質 金 利 は 2005 年 に 入 っ て マ イ ナ ス と な っ た 。 2005 年 8 月 に 入 り 、 中 央 銀 行 は 政 策 金 利 ( BI 金 利 ) を 25bps(8.5%か ら 8.75% )へ と 引 き 上 げ た が 、 こ の 小 幅 な 利 上 げ は 金 融 引 き 締 め に 対 し 躊 躇 す る 態 度 を 市 場 に 示 す 結 果 と な っ た 。原 油 価 格 高 騰 、ス マ ト ラ 島 沖 地 震 ・津 波 後 の 食 料 価 格 の 上 昇 、 更 に 2005 年 の 燃 料 価 格 の 値 上 げ の 断 行 な ど を 背 景 に イ ン フ レ 圧 力 が 強 い 中での上記金融引き締めの遅れは、投資家の市場に対する不信感を買い、急激に資本が 流 出 し 為 替 相 場 が 下 落 し 、株 価 も 同 時 に 下 落 す る と い う 混 乱 を き た し た 。2005 年 8 月 に は 、 対 1 US ド ル が 1 万 ル ピ ア ア を 超 え た 時 期 も あ る が 、 1 万 の 大 台 を 割 り 込 ん だ の は メ ガ ワ テ ィ 政 権 発 足 の 約 半 年 後 に 当 た る 2003 年 3 月 以 来 の 3 年 半 ぶ り で あ っ た 。 そ の 後 、2005 年 9 月 に 中 央 銀 行 は 8.75%で あ っ た 政 策 金 利 を 、10%に 引 き 上 げ 、同 年 末 ま で に さ ら に 12.5%に ま で 引 き 上 げ た 。 ま た 、 財 政 構 造 改 善 た め に 大 幅 な 燃 料 補 助 金 の 削 減 も 行 っ た 。 さ ら に 同 年 12 月 に は 、 経 済 閣 僚 を 中 心 に 内 閣 改 造 を 行 っ た 。 経 済 閣 僚の要である経済担当調整相には、前メガワティ政権でマクロ経済運営の実績があるブ デ ィ オ ノ 前 財 務 相 、財 務 相 に は 元 IMF 理 事 の ス リ・ム リ ア ニ 前 国 家 開 発 企 画 庁 長 官 が 就 任した。中核経済閣僚のポストに実績のあるテクノクラートを起用した経済チームが発 足させたのである。このマクロ経済運営の改善を示唆する動きを受け、海外投資家の信 認は回復し、ルピアア金利の高さもあいまって多額のポートフォリオ資本が流入するよ うになった。なお、ムリアニ財務相は、英投資情報誌『エマージング・マーケッツ』か らアジア地域のベスト財務相に選出されており、英金融情報誌『ユーロマネー』からも 「 世 界 の 今 年 の 財 務 相 」 に 選 出 さ れ た 6。 6 時事通信 2006 年 9 月 19 日 -3- 2005 年 10 月 に 引 き 上 げ ら れ た 燃 料 価 格 の 影 響 が 尾 を 引 き 、 2006 年 9 月 ま で は 高 い イ ン フ レ 率 が 続 く が 、 同 年 10 月 以 降 は 落 ち 着 き 始 め た 。 中 央 統 計 局 の ル ス マ ン 長 官 は 「インフレ動向は石油燃料値上げの影響がなくなり、新しい局面に入った」と分析して い る 7 。ま た 、政 策 金 利 も 2006 年 7 月 よ り 8 回 に わ た っ て 徐 々 に 下 げ る よ う 方 向 転 換 し て お り 、 2007 年 2 月 現 在 は 9.25%と な っ て い る 。 イ ン フ レ 率 は 、 2005 年 末 発 足 の 新 規 経 済 チ ー ム の 主 導 下 で 落 ち 着 き 、2005 年 で は 通 年 17.11% で あ っ た が 、2006 年 は 6.6% に収まった。 図 2 図 3 ルピアア対ドル為替相場の推移 インフレ率(対前年比)の推移 20 8500 9000 15 9500 10000 % 10 10500 5 11000 11500 2004 0 2005 2006 2007 出所:インドネシア中央銀行 Jan04 出所:インドネシア中央銀行 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 通 年 CPI 上昇率 May04 Sep04 Jan05 May05 Sep05 Jan06 May06 Sep06 Jan07 出所:インドネシア中央銀行 表 4 消費者物価指数(CPI)上昇率対(前月比) 2005 年 2006 年 2007 年 CPI 上 昇 率 (% ) CPI 上 昇 率 (% ) CPI 上 昇 率 (% ) 118.53 1.43 138.72 1.36 - 118.33 - 0.17 139.53 0.58 - 120.59 1.91 139.57 0.03 - 121.00 0.34 139.64 0.05 - 121.25 0.21 140.16 0.37 - 121.86 0.50 140.79 0.45 - 122.81 0.78 141.42 0.45 - 123.48 0.55 141.88 0.33 - 124.33 0.69 142.42 0.38 - 135.15 8.70 143.65 0.86 - 136.92 1.31 144.14 0.34 - 136.86 - 0.04 145.89 1.21 - 17.11 6.60 1.04 出所:インドネシア中央統計局 7 時事通信 2006 年 11 月 1 日 -4- 表 5 政策金利(BI レート)の変動 BI レート 8.50% 8.75% 10.00% 11.00% 12.25% 12.75% 12.75% 12.75% 12.75% 12.75% 12.50% 12.50% 12.25% 11.75% 11.25% 10.75% 10.25% 9.75% 9.50% 9.25% 変更期日 2005/7/5 2005/8/9 2005/9/6 2005/10/4 2005/11/1 2005/12/6 2006/1/9 2006/2/7 2006/3/7 2006/4/5 2006/5/9 2006/6/6 2006/7/6 2006/8/8 2006/9/5 2006/10/5 2006/11/7 2006/12/7 2007/1/4 2007/2/6 出所:インドネシア中央銀行 (4) 財政運営 経 済 の 成 長 、為 替 相 場 の 安 定 を 達 成 し 、財 政 赤 字 は 確 実 に 縮 小 し て い る 。2001 年 に は 対 GDP 比 2.8%で あ っ た 財 政 赤 字 は 、2005 年 に は 0.5%に ま で 縮 小 し て い る (上 記 図 表 1 参 照 )。 政 府 債 務 の 水 準 も 順 調 に 下 が り 、 総 債 務 ( IMF 融 資 を 含 む ) の GDP 比 は 2006 年 6 月 末 に は 44%と 2000 年 末 の 103%か ら 大 き く 低 下 し た 8 。 さ ら に 、 2006 年 6 月 に IMF 債 務 の 50%で あ る 約 37.6 億 US ド ル を 、 同 年 10 月 に は 残 る 約 32 億 US ド ル を 返 済 し 、 前 倒 し 完 済 を 達 成 し た 。 IMF 債 務 の 償 還 期 限 は 2010 年 で あ っ た が 、 大 幅 に 早 い 完済となった。 前倒し債務完済の背景にあるのが、好調に推移する経常収支と外貨準備高である。イ ン ド ネ シ ア は 1997 年 に 始 ま っ た ア ジ ア 通 貨 危 機 で 打 撃 を 受 け 、 ス ハ ル ト 政 権 下 だ っ た 同 年 か ら IMF の 経 済 プ ロ グ ラ ム 下 に 入 っ た 。 ム ル ヤ ニ 財 務 相 は 、 IMF の 貸 付 金 利 が 引 き 上 げ ら れ た こ と や 外 貨 準 備 高 の 増 加 を 背 景 に 、2006 年 2 月 ご ろ か ら 前 倒 し 返 済 を 提 案 し た 。 前 倒 し 完 済 に よ り 、 金 利 負 担 を 前 半 の 50%返 済 だ け で 2 億 US ド ル 削 減 で き た 9 。 外 貨 準 備 高 の 急 増 は 、2005 年 9 月 以 降 の ポ ー ト フ ォ リ オ 資 本 の 流 入 に よ っ て 生 じ た も の で あ る 10 。こ の 資 金 流 入 は 、上 記 (3)で 述 べ た と お り 、金 融 政 策 の 見 直 し (大 幅 な 利 上 げ )、 燃料補助金の削減、信頼の厚い経済閣僚の就任に伴う市場への安心感からもたらされた も の で あ る 。ま た 、政 治 的 な リ ス ク を 冒 し つ つ も 2005 年 10 月 に 断 行 さ れ た 燃 料 補 助 金 の削減は、財政に対して石油価格の上昇などに対するより強い抵抗力を与えることにな った。 日 本 格 付 け 研 究 所 ソ ブ リ ン レ ポ ー ト 2006 年 10 月 時 事 通 信 2006 年 9 月 5 日 10 日 本 格 付 け 研 究 所 ソ ブ リ ン ・ ・ク ォ ー タ リ ー ・ ・レ ビ ュ ー 8 9 -5- 2006 年 6 月 30 日 今後も市場の信認の厚い経済チームによる慎重なマクロ経済の運営が行なわれる中で、 債 務 の 水 準 は 低 下 し て ゆ く 可 能 性 が 高 い 11 。 1-1-3 貿 易 動 向 (1) 輸 出 入 動 向 2006 年 の 輸 出 高 は 、対 前 年 度 比 17.5%増 の 、1,006 億 9,030 万 US ド ル に 達 し 、史 上 初 め て 1,000 億 US ド ル の 大 台 を 突 破 し た 。一 方 、輸 入 高 は 前 年 比 5.9%増 の 610 億 7,810 万 US ド ル で 、 貿 易 黒 字 は 同 41.7% 増 の 396 億 1220 万 ド ル に 拡 大 し た 。 品 目 別 で 見 る と 、輸 出 で は 石 油 ・ガ ス が 国 際 相 場 の 上 昇 を 反 映 し 前 年 比 10.2%増 の 211 億 8,830 万 ド ル と な っ た 。 非 石 油 ・ガ ス 部 門 は 対 前 年 比 19.7%増 の 795 億 200 万 ド ル と 好 調 な 伸 び を 見 せ た 。特 に 、電 気 機 器 ・部 品 部 門 の 占 め る 割 合 が 全 体 の 9.2%と 最 も 多 く 、 伸 び 率 も 前 年 比 26%増 と 堅 調 で あ る 。ま た 、パ ー ム 油 輸 出 の 好 調 を 受 け 、植 物 性 油 脂 の 輸 出 は 全 体 の シ ェ ア 7.56%、 対 前 年 比 54%増 で あ る 。 輸 入 を 品 目 別 に 見 る と 、 石 油 ・ガ ス 製 品 が 全 体 の 3 割 を 占 め る 。 7 割 を 占 め る 非 石 油 ・ ガ ス 製 品 で は 、機 械 ・同 製 品 お よ び 鉄 鋼 ・同 製 品 が そ れ ぞ れ 輸 入 全 体 の 17.6%、6.8% を 占 め 、伸 び 率 も 33% 、24%と な っ て お り 、企 業 に お け る 設 備 投 資 、生 産 動 向 の 好 調 が 伺 え る。 下 記 表 は 2005 年 ま で の デ ー タ と な っ て い る が 、 速 報 に よ る と 2006 年 の 非 石 油 ・ガ ス の 輸 入 元 は 2005 年 ま で は 日 本 が 首 位 で あ っ た が 、2006 年 は 中 国 (55 億 370 万 US ド ル ) が初のトップとなった。 11 日本格付け研究所 ソ ブ リ ン ・ ・ク ォ ー タ リ ー ・ ・レ ビ ュ ー -6- 2006 年 9 月 25 日 表 6 インドネシア商品別輸出入 (単位:100万ドル) 区 分 非石油・ガス製品 電気機器・部品 動植物性油脂 鉱物性燃料 ゴムおよび同製品 木材および木製品 石油・ガス製品 原油 石油製品 ガス 総額 区 分 非石油・ガス製品 機械・同製品 鉄鋼・同製品 電気機器・部品 有機化学品 輸送機器 石油・ガス製品 原油 石油製品 ガス 総額 貿易収支 金額 66,429 7,328 4,951 4,486 3,581 3,111 19,232 8,146 1,921 9,183 85,660 輸 出 2005年 構成比 77.5% 8.6% 5.8% 5.2% 4.2% 3.6% 22.5% 9.5% 2.2% 10.7% 100.0% 2004年 金額 34,793 6,311 2,717 2,776 3,258 2,423 11,732 5,831 5,892 9 46,525 金額 40,243 8,076 3,345 3,329 3,244 3,061 17,458 6,797 10,615 15 57,701 輸 入 2005年 構成比 69.7% 14.0% 5.8% 5.8% 5.6% 5.3% 30.3% 11.8% 18.4% 0.0% 100.0% 25,060 27,959 - 2004年 金額 55,939 6,573 4,421 2,916 2,999 3,271 15,645 6,241 1,654 7,750 71,585 輸出 金額 79,502 9,243 7,612 8,196 7,018 - -21,188 - -- -- -100,690 2006年* 構成比 79.0% 9.2% 7.6% 8.1% 7.0% - -- 21.0% -- - -- -100.0% 伸び率 19.7% 26.1% 53.8% 82.7% 96.0% -- 10.2% - -- -- -17.5% 伸び率 15.7% 28.0% 23.1% 19.9% △0.4% 26.3% 48.8% 16.6% 80.2% 75.3% 24.0% 金額 42,103 - -- --- 4,996 3,457 18,975 -- - -- -61,078 2006年* 構成比 68.9% 17.6% 6.8% - -8.2% 5.7% 31.1% - -- -- -100.0% 伸び率 4.6% - -- -- -54.0% 12.9% 8.7% - -- -- -5.9% 11.6% 39,612 伸び率 18.8% 11.5% 12.0% 53.8% 19.4% △4.9% 22.9% 30.5% 16.1% 18.5% 19.7% 輸入 - 41.7% 注 : *2006 年 に つ い て は 速 報 報 道 (2007 年 2 月 1 日 )に よ り 記 入 。 ま た 、 灰 色 の 部 分 は 速 報 報道値より計算し、記入したもの。 出典:インドネシア中央統計局 出 所 : 2004-2005 年 に つ い て は 『 ジ ェ ト ロ 貿 易 投 資 白 書 2006 年 版 』 2006 年 に つ い て は 速 報 報 道 に よ り 記 入 表 7 区 分 インドネシア 主要国・地域別輸出入 輸出 2005年 金額 構成比 18,049 21.1 11,053 12.9 7,086 8.3 15,825 18.5 7,837 9.1 6,662 7.8 2,868 3.3 9,868 11.5 1,025 1.2 10,238 12.0 878 1.0 1,669 1.9 85,660 100.0 2004年 金額 15,962 日本 9,072 アジアNIES *1 4,830 韓国 ASEAN *2 12,998 6,001 シンガポール 4,605 中国 2,342 中東 8,767 米国 828 中南米 EU25 9,006 643 ロシア・東欧 1,359 アフリカ 71,585 合計 [注] *1 シンガポールを除く。 *2 インドネシアを除くASEAN加盟9カ国 伸び率 13.1 21.8 46.7 21.8 30.6 44.7 22.5 12.6 23.9 13.7 36.6 22.8 19.7 2004年 金額 6,082 3,450 1,943 11,494 6,083 4,101 3,720 3,225 985 5,321 959 2,341 46,525 (単位:100万ドル, %) 輸入 2005年 金額 構成比 伸び率 6,906 12.0 13.6 4,498 7.8 30.4 2,869 5.0 47.7 17,040 29.5 48.2 9,471 16.4 55.7 5,843 10.1 42.5 4,654 8.1 25.1 3,879 6.7 20.3 1,114 1.9 13.1 5,827 10.1 9.5 958 1.7 △0.1 1,607 2.8 △31.4 57,701 100.0 24.0 出 所 :『 ジ ェ ト ロ 貿 易 投 資 白 書 2006 年 版 』 -7- (2) 自 由 貿 易 協 定 関 連 ① 日 本 と の 経 済 連 携 協 定 ( EPA: Economic Partnership Agreement) 12 日 本 と イ ン ド ネ シ ア の EPA に つ い て は 、2003 年 よ り 予 備 協 議 が 開 始 さ れ 、2005 年 6 月のユドヨノ大統領訪日の際に両国首脳によって日本・インドネシア経済連携協協定 ( JIEPA) 交 渉 の 開 始 が 合 意 さ れ た 。 第 1 回 交 渉 は 2005 年 7 月 に 行 わ れ 、 続 い て 同 年 10 月 、2006 年 に は 2 月 、4 月 、8 月 、10 月 と 計 6 回 の 交 渉 が 行 わ れ 、同 年 11 月 に は 大 筋合意に達した。 JIEPA の 網 羅 す る 内 容 は 物 品 貿 易 、サ ー ビ ス 貿 易 、税 関 手 続 き 、投 資 、自 然 人 の 移 動 と関連する協力、エネルギー・鉱物資源、知的財産、政府調達、競争、ビジネス環境の 整 備 と 企 業 の 信 頼 の 醸 成 、そ し て 協 力 と 、広 範 囲 に 及 ん で い る 。物 品 貿 易 の 自 由 化 で は 、 両 国 と も 、協 定 発 効 後 10 年 以 内 に ほ ぼ す べ て の 品 目 の 関 税 を 撤 廃 す る こ と に 合 意 し た 。 今後は、その内容に沿って、日・インドネシア間で協定案文の確定作業を行い、両国の 代 表 者 間 で 署 名 す る こ と と な る 。 2007 年 中 の 発 効 を 目 指 し て い る 。 ただし、インドネシア側にとって同協定の最終合意の前提条件である新投資法案の国 会 審 議 は 難 航 し て い る 。 イ ン ド ネ シ ア 政 府 は 、 新 投 資 法 の 2006 年 中 の 成 立 を 目 標 と し ていたが、国会各会派は慎重姿勢を示し、細則を盛り込む意見が強く、審議は硬直化し て い る 13 。 ② 中 国 ・ ASEAN 自 由 貿 易 協 定 ( ACFTA) 2002 年 11 月 、「 ASEAN-中 国 包 括 的 経 済 協 力 枠 組 み 協 定 」 が 締 結 さ れ 、 右 「枠 組 み 協 定 」に 則 り 、2004 年 11 月 に「 ASEAN-中 国 包 括 的 協 力 枠 組 み 協 定 に お け る 物 品 貿 易 協 定 」 が 締 結 さ れ た 。 「枠 組 み 協 定 」に 則 り 、 ア ー リ ー ハ ー ベ ス ト ( EHP) が 2004 年 前 後 よ り 実 施 さ れ た (国 に よ っ て 開 始 年 が 異 な る )。 イ ン ド ネ シ ア の 中 国 と の EHP 対 象 品 目 は 46 品 目 (パ ー ム 油 や 家 具 な ど )で 、 2004 年 1 月 1 日 か ら 関 税 率 を 10%に 下 げ 、 2006 年 1 月 にこれらの関税を撤廃した。 ま た 、「 物 品 貿 易 協 定 」 に 則 り 、 2006 年 7 月 よ り EHP 対 象 品 目 以 外 の 品 目 に つ い て 関 税 の 引 き 下 げ が 実 施 さ れ 始 め た 。 ASEAN6 お よ び 中 国 は 、 2010 年 ま で に 物 品 の 90% について関税を撤廃することになる。 イ ン ド ネ シ ア は そ の 他 に も 、 米 国 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 、 イ ン ド 14 と の FTA 開 始 に 向 け 研 究 し て い る が 、 い ず れ も 大 き な 進 展 は な い 。 1-2 インドネシア投資動向 1-2-1 投 資 環 境 全 般 イ ン ド ネ シ ア は 、か つ て は 日 本 か ら の 直 接 投 資 の 最 大 の 受 入 国 だ っ た が 、1997 年 の ア ジア危機を境に日本からの投資流入は大幅に減少した。その後、同国経済は次第に落着 1 2 経 済 連 携 協 定( EPA:Economic Partnership Agreement)は 、自 由 貿 易 協 定 の 内 容 を 基 礎 と し な が ら 、 投 資 や 、例 え ば 看 護 師 や 介 護 労 働 者 と い っ た ヒ ト の 移 動 を 促 進 さ せ た り 、政 府 調 達 、競 争 政 策 、知 的 財 産 な ど の 分 野 で の ル ー ル づ く り 、さ ら に は 様 々 な 分 野 で の 協 力 を 通 じ て 、各 種 経 済 制 度 の 調 和 等 を 図 る な ど 、 より幅広い対象分野について経済関係の強化を図ることを目的とした協定 13 時 事 通 信 2006 年 12 月 27 日 1 4 Xinhua、 2005 年 8 月 14 日 -8- きを取り戻したが、日本からの直接投資の多くはその間に台頭したタイ、中国、ベトナ ムなどに向かうようになった。インドネシアにはこれといった投資優遇策が存在せず、 また機械部品などの裾野産業が国内に育っていないなどの問題から、投資メリットを充 分 に 活 用 し に く い 状 況 に あ る こ と が そ の 背 景 と し て 挙 げ ら れ る 15 。 これに加え、高速道路や港湾設備などのインフラの整備の遅れ、労働問題、賄賂の横 行、治安の悪化などの要因が、外資による直接投資を妨げているといえる。 (1) 投資環境の改善課題 JBIC の ア ン ケ ー ト 調 査 16 で は 、イ ン ド ネ シ ア の 投 資 環 境 改 善 の 課 題 と し て 挙 げ ら れ て いるのが、①治安・社会情勢が不安、②インフラの未整備、③他社との激しい競争およ び通貨・物価の不安定、④管理職クラスの人材確保が困難であること、⑤法制の運用が 不透明であること、である。また、未整備なインフラの内訳として最も深刻なものとし て挙げられているのが電力、次いで道路、通信、水関連である。 また、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、イ ンド、中国を比較すると、現地トップマネジメントの不在を問題視する日系企業はイン ドネシアで最も多くなっている。また、地場系企業の技術力不足を問題視する企業の数 は、中国に次いで 2 位となっている。 (2) 優位点 上 記 JBIC の 調 査( 2006 年 )に よ る と 、将 来 の 有 望 事 業 展 開 先 と し て イ ン ド ネ シ ア を 挙げる企業数は前年より減少し、全体における得票率でも減少した。しかしインドネシ アを有望視していると答えた企業がその理由として挙げているのは、①市場の成長性、 ② 安 価 な 労 働 力 、 ③ 第 三 国 輸 出 拠 点 と し て の 位 置 付 け 、 ④ 市 場 の 現 状 規 模 で あ る 17 。 た だ し 2006 年 に 関 し て は 、 前 年 の 燃 料 価 格 上 昇 な ど に よ る 物 価 高 騰 を 反 映 し て 、 最 低 法 定 賃 金 上 昇 率 が 平 均 21% と 急 激 に 上 昇 し た 。水 準 の 高 い 地 域 は 、ジ ャ カ ル タ 、バ タ ムのほか、ベカシ、タンゲランなどの首都周辺地域である。スハルト政権時代は労働運 動 が 制 限 さ れ て い た が 、 同 政 権 後 は 民 主 化 に よ る 労 働 運 動 が 盛 ん に な っ て お り 、 2006 年 は ジ ャ カ ル タ で 15.1% 、 バ タ ム 島 で 28.3% と 上 昇 率 が 大 き く な っ て い る 15 16 17 18 信 金 中 央 金 庫 『 イ ン ド ネ シ ア の 投 資 環 境 』 2007 年 1 月 24 日 JBIC『 わ が 国 製 造 業 企 業 の 海 外 事 業 展 開 に 関 す る 調 査 報 告 』 2006 年 11 月 同上 信 金 中 央 金 庫 『 イ ン ド ネ シ ア の 投 資 環 境 』 2007 年 1 月 24 日 -9- 18 。 表 8 インドネシア 比較項目 ジャカルタ ワーカー賃金(一般工職) 131(月額) エンジニア賃金(中堅技術者) 中間管理職賃金(課長クラス) アジア主要国の投資コスト比較(2005 年) インド バタム島 シンガポール タイ フィリピン ベトナム (単位:USドル)(単位:US ドル) マレーシア 中国 ニューデリー バンガロール ムンバイ シンガポール バンコク マニラ ホーチミン クアラルンプール 上海 85~100(月額) 105~239(月額) 159~234(月額) ― 455~604(月額) 146(月額) 182(月額) 111~185(月額) 205(月額) 172~301(月額) 270(月額) 351~501(月額) 303~498(月額) 339~648(月額) ― 1,668(月額) 316(月額) 279(月額) 249~373(月額) 790(月額) 334~593(月額) 618(月額) 300~1,003(月額) 737~1,219(月額) 660~1,320(月額) ― 2,831~3,154(月額) 584(月額) 649(月額) 572~1,054(月額) 1,643(月額) 772~1,521(月額) ― 4.40/日 4.85/日 54.84/月 ― 85.50(月額) 非熟練工:61.32~63.51/月 法定最低賃金 82.16/月 81.75/月 69.41/月 54.68/月 準熟練工:62.42~64.61/月 熟練工:63.51~65.71/月 工業団地借料(平方メートル当り) 3.60~4.10(月額) 3.94~6.06(月額) ― 3.79~5.92(月額) ― 4.95~12.50(月額) 4.86(月額) 1.00(月額) 0.16 (月額) 40ドル/41年+管理費 0.075ドル ― 1.00(月額) 事務所賃料(平方メートル当り) 22.00~26.00(月額) 9.99(月額) 18.88~35.40(月額) 9.49~14.23(月額) 15.83~36.55(月額) 34.79~36.06(月額) 11.67(月額) 7.4(月額) 23.00(月額) 9.96~14.21(月額) 28.35(月額) .駐在員用住宅借上料 1,800~2,500(月額) 1,470~1,881(月額) 1,535~3,289(月額) 1,534~2,631(月額) 767~4,933(月額) 1,528.5~2,645.5(月額) 1,581(月額) 1,726(月額) 2,200(月額) 924~1,056(月額) 3,400~3,500(月額) 0.79~1.18 固定電話からの料金:0.79 0.79~1.18 携帯電話からの料金:0.94 (月間通話時間により異なる) 1.43 3 3.39 - 10 - .国際通話料金(日本向け3分) (平日9~12時) 2.26(6~9時、12~22時) (月間通話時間により異 2.72(9~12時) なる) (1)1.65、(2)1.35 0.9912 1.46 1.2 1.70(22~6時) (1)土日、7~23時 (平日料金) (2)(1)以外の時間帯 月間基本料金:2.71/ kVA 月間基本料金:2.79/ kVA 月間基本料金:なし 月間基本料金:3.95/kW 月間基本料金:7.76 kWh当たり料金:0.04 kWh当たり料金:0.06 kWh当たり料金:0.09 kWh当たり料金:0.08(最初の 10万kWh)、0.09(それ以上の消 費) kWh当たり料金:0.06 (1)月額基本料金: 4.14/kW 月間基本料金:4.27~ 5.39/kW (契約量内の場合。契約 kWh当たり料金:0.041~ 量超過分は10.56Sドル 0.042 /kW)、 月間基本料金: 月間基本料金:なし 月間基本料金:4.57/kW 月額基本料金:なし 17.27+6.93/kW kWh当たり料金:0.05~ 0.06(電圧により異なる) kWh当たり料金:0.05 1kwh当たり:0.04~0.11 .業務用電気料金(KWhあたり) (2)kWh当たり料金: (時間帯により変動あ り) (契約電力により異なる) kWh当たり料金:0.11 30% 35% 28% 28% 33% (実効税率) (実効税率) (実効税率) (実効税率) 0.098(7~23時)、 0.058(23~7時) 法人所得税(%) 0~5,000万ルピア: 10% 0~5,000万ルピア:10% 33.66% 33.66% 33.66% 20%(2008年課税年度より 18%) 5,000万超~1億ルピ ア:15% 5,000万超~1億ルピア: 15% (実効税率) (実効税率) (実効税率) (実効税率) (実効税率) 5%(2007年7月1日より 7%) 7% 1億ルピア超:30% 付加価値税(%) 1億ルピア超:30% 10% 12.50% 12.50% 12.50% (国税) (VAT)(標準税率) (VAT)(標準税率) (VAT)(標準税率) (物品サービス税(GST)) (財貨サービス税(GST)) 10% 0%、5%、10% 売上税:5~25% 17% (VAT)(標準税率) (VAT)(標準税率) (品目により異なる) (VAT)(標準税率) 10% (品目により異なる) サービス税:5% 出所:ジェトロ海外情報ファイル『投資コスト比較』 1-2-2 低 調 に 終 わ っ た 2006 年 の 直 接 外 国 投 資 直 接 外 国 投 資 (実 現 額 )は 、 2005 年 に は 史 上 2 番 目 89 億 US ド ル を 記 録 し た 。 し か し 2005 年 10 月 の 石 油 燃 料 値 上 げ に よ る コ ス ト 増 大 等 購 買 力 低 迷 が 響 き 、再 び 投 資 に ブ レ ー キ が か か り 、2006 年 の 実 績 値 は 前 年 比 33% 減 の 59 億 7,600 万 US ド ル に 留 ま っ た 19 。 ( 2007 年 2 月 現 在 、投 資 調 整 庁 の URL に は 2006 年 11 月 ま で の 数 値 し か 公 表 さ れ て い な い た め 、 下 記 図 表 10 は 11 月 ま で の 数 値 の み 。) 分 野 別 で は 、 2006 年 は 金 属 ・ 機 械 ・ 電 子 部 門 が 最 も 多 く 全 体 の 約 20%、 次 い で 紙 ・ 製 紙・印 刷 部 門 、自 動 車・そ の 他 輸 送 機 器 部 門 が そ れ ぞ れ 全 体 の 10%を 占 め 上 位 と な っ て い る (い ず れ も 同 年 11 月 ま で の 実 績 )。 2006 年 に 大 き く 減 少 し た の は 、 化 学 ・ 医 薬 品 部門、運輸・通信・倉庫業、建設業である。 表 9 インドネシア分野別外国直接投資実現額 ( 単 位 : 100 万 US ド ル ) 分類 I 1 2 3 4 5 II 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 III 18 19 20 21 22 23 24 第一次産業 農業 牧畜業 林業 水産業 鉱業 第二次産業 食品 繊維 皮革・製靴 木材 紙・製紙・印刷 化学・医薬品 ゴム・プラスチック 非金属鉱物 金属・機械・電子 医療器具・光学機器 自動車・その他輸送機器 その他 第三次産業 電気・ガス・水道 建設業 貿易・商業 ホテル・レストラン 運輸・通信・倉庫業 不動産・工業団地・オフィス関連 その他サービス 合計 2001年 144.7 64.1 4.3 11.0 65.3 2,198.5 133.1 286.9 21.4 45.9 376.5 710.1 103.0 13.2 385.3 3.7 91.7 27.7 1,166.2 195.3 129.5 81.8 35.5 190.7 133.9 399.5 3,509.4 2002年 102.5 9.0 8.0 1.1 84.4 1,552.2 219.3 117.7 57.4 19.3 26.5 527.5 57.7 54.1 352.5 0.4 90.0 29.8 1,435.4 13.7 162.8 18.2 1,166.9 15.3 58.5 3,090.1 2003年 253.4 219.2 1.1 1.0 32.1 1,880.4 319.2 152.4 5.8 157.8 8.4 282.2 99.9 42.9 434.5 6.5 313.5 57.3 3,316.6 76.7 106.7 307.4 80.3 2,667.5 0.7 77.3 5,450.4 2004年 308.5 161.0 20.2 5.3 122.0 2,803.3 574.3 165.5 13.2 4.1 414.3 614.1 81.0 107.1 312.8 13.0 402.6 101.3 1,489.3 6.1 385.6 672.7 89.5 103.8 35.2 196.4 4,601.1 2005年 407.8 171.5 52.8 118.8 5.8 58.9 3,502.1 598.8 70.9 47.8 91.0 9.9 1,152.9 398.5 66.2 522.9 3.1 359.7 180.4 5,004.7 68.7 921.9 380.2 180.3 2,946.8 208.3 298.5 8,914.6 2006年 (1-11月) 467.1 336.3 16.5 15.8 98.5 3,115.6 314.6 418.1 51.8 58.9 440.3 196.6 108.0 94.8 890.6 0.2 424.8 116.9 1,117.2 104.6 133.5 398.9 110.9 116.6 194.7 58.0 4,699.9 出 所 : 投 資 調 整 庁 ( BKPM) 国 別 で は 、 2006 年 に お け る デ ー タ は 公 表 さ れ て い な い が 、 BKPM の 担 当 者 に よ る と 日 本 か ら の 投 資 は 大 幅 に 減 少 し て い る 20 。下 記 の と お り 直 接 投 資 (認 可 )額 を 見 る と 、2005 年 に は シ ン ガ ポ ー ル が 金 融・通 信 業 へ 大 き く 投 資 し 、ト ッ プ に 踊 り 出 た 。2006 年 の 投 資 額も他国を大きく引き離しており、シンガポール一国でインドネシア直接外国投資認可 額 の 12.3%を 占 め る ( 10 月 期 ま で )。 た だ し 、 1967 年 ~2006 年 ま で の 累 積 値 で 見 る と 、 日 本 か ら の 投 資 が 全 体 の 13.7%と ト ッ プ で あ る 。 19 20 時事通信 日経新聞 2007 年 1 月 24 日 2007 年 2 月 5 日 お よ び 日 経 新 聞 2007 年 2 月 5 日 - 11 - 表 10 区 分 日本 英国 シンガポール 香港 台湾 米国 韓国 中国 その他とも合計 2000 2001 1,819 3,680 608 141 134 237 711 124 16,015 818 793 1,173 41 84 88 374 6,055 15,207 インドネシア国別直接外国投資認可額 2002 519 747 3,377 1,712 83 469 378 47 9,956 2003 2004 2005 1,252 999 801 258 117 212 166 264 14,327 1,689 1,318 617 20 69 133 419 25 10,418 1,176 1,529 3,933 125 133 91 417 205 13,579 2006/1-10月 寄与度 362 (2.7%) 858 (6.5%) 1,629 (12.3%) 288 (2.2%) 216 (1.6%) 123 (0.9%) 653 (4.9%) 100 (0.8%) 13,212 (100%) 1967~2006/10累計 寄与度 43,089 (13.7%) 27,892 (8.9%) 31,016 (9.9%) 17,042 (5.4%) 16,898 (5.4%) 11,715 (3.7%) 12,441 (4.0%) 7,128 (2.3%) 314,421 (100%) 出 典 : BKPM 資 料 出所:信金中央金庫『インドネシアの投資環境』 2006 年 は 輸 出 が 好 調 な パ フ ォ ー マ ン ス を 見 せ る 一 方 で 投 資 が 不 振 で あ り 、こ の 投 資 の 不振が成長のスピードを減速させる、という構図となった。ユドヨノ大統領は年頭演説 において、投資低迷の要因は①融資アクセスの悪さと高金利、②税務改革の遅れ、③投 資 認 可 の 非 効 率 性 、④ 法 的 確 実 性 の 欠 如 、⑤ 治 安 問 題 、⑥ 政 局 、⑦ イ ン フ ラ 整 備 の 遅 れ 、 ⑧ 労 働 問 題 、⑨ 投 資 を 阻 む 地 方 条 例 - の 9 つ を 挙 げ 、2007 年 は こ れ ら を 改 善 す る た め 各 種 政 策 や 優 遇 措 置 実 現 に 一 層 注 力 す る こ と を 強 調 し て い る 21 。 1-2-3 新 投 資 法 現 行 投 資 法 は 、外 国 投 資 法( 1967 年 制 定 /70 年 改 訂 )お よ び 内 国 投 資 法( 68 年 制 定 /70 年 改 訂 )の 2 法 か ら 成 る が 、そ の 後 の 環 境 変 化 に 対 応 す る た め 数 回 に わ た り 政 令 や 大 統 領令などの形で実質的に部分的な改訂が行われてきた。これらの包括的な見直しが行わ れ 、 2006 年 3 月 、 新 投 資 法 が 国 会 に 上 程 さ れ た 。 同法案は、内外投資に関する基本的な法的枠組みを示すものである。投資関連行政に か か わ る 中 央 政 府 と 地 方 政 府 と の 関 係 、 投 資 調 整 庁 ( BKPM) の 機 能 と 役 割 、 許 認 可 手 続き、ネガティブリスト、税制上の恩典(インセンティブ)といった主要な項目の詳細 は、別途制定される政令や大統領令・規則などに委ねられている。このような一般規定 にとどまっている政府草案に対し、国会各会派は新投資法に慎重姿勢を示し、細則を盛 り込む意見が強く審議は硬直化している。 1-2-4 投 資 促 進 に 向 け た 政 策 (1) イ ン フ ラ の 整 備 上 記 1-2(1)で も 述 べ た と お り 、 ユ ド ヨ ノ 大 統 領 は 、 ① 法 、 平 等 、 人 権 を 尊 重 す る 社 会 の 実 現 、② 治 安 の 安 定 、③ 貧 困 削 減・雇 用 拡 大 の た め の 経 済 成 長 促 進 の 3 点 を 就 任 時 に 公約として掲げている。③については、インドネシアの投資環境を改善させることが中 心 課 題 と さ れ た 。成 長 促 進 の た め に は 、投 資 を 拡 大 さ せ る こ と が 不 可 欠 と の 認 識 に 立 ち 、 投資環境改善を通じて企業の投資意欲向上を図ろうとしている 投 資 環 境 の 改 善 の た め の 課 題 と し て は 、●雇 用 機 会 の 改 善 と 創 出 、●投 資 環 境 の 改 善 と ビ ジ ネ ス の 保 証 、 ●民 間 部 門 の 参 加 を 通 じ た イ ン フ ラ 開 発 の 加 速 、 が 挙 げ ら れ て い る 。 21 時事通信 2007 年 2 月 1 日 - 12 - 表 11 ユドヨノ政権の基本政策アジェンダ ◎ 安全で平和なインドネシアの実現 ◎ 公正で民主的なインドネシアの実現 ◎ 繁栄するインドネシアの実現 i) 投資環境の改善 ・ 雇用機会の改善と創出 ・ 投資環境の改善とビジネスの保証 ・ 民間部門の参加を通じたインフラ開発の加速 ii) マ ク ロ 経 済 の 安 定 iii) 貧 困 の 解 消 と 社 会 福 祉 の 向 上 出 所 : み ず ほ 総 合 研 究 所 『 ユ ド ヨ ノ 政 権 化 の イ ン ド ネ シ ア 経 済 』 2006 年 2 月 14 日 イ ン フ ラ 開 発 を 促 進 す る た め 、2005 年 1 月 、イ ン ド ネ シ ア 政 府 は「 イ ン フ ラ サ ミ ッ ト 」 を 初 開 催 し た 。同 サ ミ ッ ト で は 、91 の 投 資 案 件 を 内 外 投 資 家 に 紹 介 し 民 間 投 資 を 募 っ た が 、2006 年 3 月 現 在 投 資 希 望 が あ っ た の は 16 件 に 留 ま っ て い る 。政 府 は 低 調 な イ ン フ ラ へ の 投 資 を 加 速 さ せ る た め 、 2006 年 2 月 、 イ ン フ ラ 政 策 パ ッ ケ ー ジ を 策 定 し た 。 上 記 政 策 パ ッ ケ ー ジ で は 、● 規 定・行 政 手 続 き 、認 可 制 度 の 修 正 に よ る 投 資 環 境 改 善 、 ●イ ン フ ラ や 石 油・ガ ス な ど 戦 略 分 野 の 事 業 制 度 見 直 し 、●主 に 国 内 投 資 家 を 対 象 と し た 資 金 調 達 方 法 の 改 善 - の 3 つ の 基 本 方 針 の 下 、 156 の 詳 細 項 目 が 挙 げ ら れ た 22 。 新 投 資 法 の 成 立 、税 法 改 正 、税 関 手 続 き の 改 善 、PPP( Public Private Partnership:官 民 パ ー ト ナ ー シ ッ プ ) の 進 展 等 の 行 動 計 画 が 網 羅 さ れ て い る 23 。 156 項 目 の こ の う ち 、 92 項 目 は 2006 年 中 に 完 了 し た 。2007 年 に 入 り 、残 る 64 項 目 の う ち 18 項 目 は 現 状 に 合 わ な い た め 取 り 消 さ れ る こ と と な り 、 残 り は 46 項 目 と な っ て い る 。 第 二 回 イ ン フ ラ サ ミ ッ ト 開 催 は 2005 年 11 月 に 予 定 さ れ て い た が 、輸 送 関 連 法 案 の 国 会 審 議 の 遅 れ や 、 投 資 取 引 や 土 地 収 用 を め ぐ る 問 題 な ど で 2006 年 6 月 に 延 期 さ れ 、 さ らに中東の投資希望者との協議などを行った結果さらに延長されることになったが、最 終 的 に は 2006 年 11 月 1~ 3 日 、「 イ ン ド ネ シ ア ・ イ ン フ ラ ス ト ラ ク チ ャ ー 2006」 と し て開催された。 第二回目は、第一回目サミットにおいて提示された事業の大半が実現していない現状 を 踏 ま え 、提 示 事 業 は 十 分 準 備 が 整 っ て い る 以 下 の 10 件 に 限 定 さ れ た 。い ず れ も 2007 年 中 の 着 工 、 2009 年 の 完 工 が 目 標 で 、 既 に 売 却 準 備 が 整 っ て い る 。 下 記 10 案 件 と は 別 に 準 備 中 の 事 業 101 件 も 紹 介 さ れ た 。 同 会 議 に は 30 カ 国 の 企 業 ・ 金 融 関 係 者 ら 1,200 人が参加した。 同会議終了後、ジャカルタのスカルノハッタ空港とマンガライ駅を結ぶ鉄道事業(必 要 投 資 額 9,000 億 ル ピ ア ア ) に 、 少 な く と も 内 外 10 社 が 参 加 意 欲 を 示 し て い る こ と 、 バンテン州タンゲラン県と西ジャワ州バンドン市の水道供給事業に外資 3 社が意欲を示 し て い る こ と が 明 ら か に な っ て い る 。ま た 、世 界 銀 行 が 最 大 10 億 US ド ル の イ ン フ ラ 支 援 を 表 明 、 日 本 の 国 際 協 力 銀 行 も 、 日 本 の プ ロ ジ ェ ク ト 参 加 を 条 件 と し て 、 最 大 10 億 US ド ル の 支 援 が 可 能 と 表 明 し た 。 ADB も 同 会 議 開 催 に 先 立 ち 、 2006~ 09 年 の 支 援 プ 時 事 通 信 2006 年 2 月 1 日 日 本 貿 易 保 険『 イ ン ド ネ シ ア に お け る イ ン フ ラ プ ロ ジ ェ ク ト を め ぐ る 現 状 と 今 後 の 見 通 し 』2006 年 7 月 7日 22 23 - 13 - ロ グ ラ ム と し て 、イ ン フ ラ 分 野 中 心 に 融 資 と 贈 与 合 わ せ 計 40 億 US ド ル の 支 援 を 表 明 し ている。 イ ン ド ネ シ ア へ の イ ン フ ラ 投 資 は 1997 年 の 金 融 危 機 以 降 抑 え ら れ た が 、 ユ ド ヨ ノ 政 権 で は 年 間 の イ ン フ ラ 投 資 額 を 現 状 の 対 GDP 比 2% か ら 同 5% 以 上 に 引 き 上 げ る こ と を 目 標 に 、05 年 ~ 09 年 の 累 計 投 資 額 を 1,450 億 米 ド ル と 見 積 も っ て い る 。そ の 大 半 は 外 資に頼らざるを得ないが、第二回インフラサミットのように焦点を絞った上で案件を提 示し、同時に法制度の改正・整備に重点を置き、着実にインフラ整備を進めていくこと が期待されている。 表 12 第二回インフラサミットにおける提示事業 事 業 名 投 資 額 ( 百 万 US ド ル ) 中 ジ ャ ワ 石 炭 火 力 発 電 所 ( 2×600MW) 1,200 パ ス ル ア ン 発 電 事 業 ( 1×500MW) 275 メダン-クアラナム-トゥビンティンギ高速道路(60Km) 142 ソ ロ - ク ル ト ソ ノ 高 速 道 路 ( 165Km) 928 マルガギリ-クタパン間フェリーターミナル 97 トゥルック・ラモン港(スラバヤ港拡張) 280 バンドン水道供給 26 ドゥマイ水道供給 44 タンゲラン水道供給 37 国家通信網事業(光ファイバー網パラパ、全長 3 万キロ) 1,500 出 典 : 国 家 開 発 計 画 庁 ( Bappenas) 出所:時事通信 (2) 2006 年 11 月 1 日 経済特区 投 資 を 呼 び 込 む た め の 手 段 と し て 、イ ン ド ネ シ ア 政 府 は 国 内 7 カ 所 で 産 業 向 け の 経 済 特区設置を計画している。経済特区を計画しているのは、北スマトラ、バンテン、西ジ ャワ、中ジャワ、東ジャワ、南スラウェシ、東カリマンタンの 7 州の一部地域で、各経 済 特 区 で は 税 率 10% の 付 加 価 値 税 免 除 、償 却 の 迅 速 化 、投 資 控 除 な ど の 税 務 優 遇 措 置 を 与える予定である。 政 府 は 同 計 画 を 迅 速 に 進 め る た め に 経 済 特 区 チ ー ム ( KEKI) を 新 た に 発 足 さ せ た 。経 済 特 区 の 開 発 計 画 や 条 件 な ど を 策 定 す る こ と に な る KEKI は 、ブ デ ィ オ ノ 調 整 相 ( 経 済 担 当 ) が 座 長 を 務 め 、 投 資 調 整 庁 ( BKPM) の ル ト フ ィ 長 官 が 作 業を統括する。 上記計画のモデル地区となっているのが、シンガポールとの共同プロジェクトとなっ て い る リ ア ウ 諸 島 州 の バ タ ム 島 、ビ ン タ ン 島 、カ リ ム ン 島 で あ る 。同 島 は 2005 年 10 月 か ら 特 別 保 税 地 域 (Bonded Zone Plus)と し て の 扱 い を 受 け て お り 、 島 内 に お け る 付 加 価 値税の免除、輸入関税の限定的適用、島内での輸入物品の自由な移動などが認められる ようになっている。 2006 年 6 月 25 日 、シ ン ガ ポ ー ル お よ び イ ン ド ネ シ ア 政 府 は 上 記 3 島 を さ ら に「 経 済 特区化」するための枠組み合意に調印した。企業進出と雇用創出に向けて投資手続きの 簡素化、各インフラ構築、効率的な行政整備を進めるため、税関、金融、出入国面でも 特別措置を図る。 - 14 - 経済特区の設立を見越し、シンガポール、マレーシア、オランダ、中国および英国か ら の 16 社 が 同 地 域 で の 新 規 投 資 を す で に 申 請 し た 。総 投 資 額 は 2,854 万 US ド ル 。業 種 はゴム・プラスチック製造、合金業、機械・家電業、繊維などである。このほかにも、 金 属 ・ 機 械 ・ 電 子 機 器 と 建 設 ・ 不 動 産 分 野 の 外 資 5 社 が 拡 張 投 資 ( 総 投 資 額 3,417 万 US ド ル ) を 申 請 し た 。 木 製 家 具 分 野 の 国 内 1 社 も 新 規 投 資 を 申 請 し て い る 。 さ ら に 、 チュニジア、ナイジェリア、ナミビア、タンザニア、スーダンのアフリカ 5 カ国がバタ ム 島 の 経 済 特 区 で の 投 資 に 意 欲 を 示 し て い る 24 。 バ タ ム 、 ビ ン タ ン 、 カ リ ム ン 3 島 の 経 済 特 区 化 に 関 し て は 、2006 年 末 に は 法 案 作 成 も 着 手 さ れ て お り 、準 備 は 着 々 と 進 ん で い る。 他 の 経 済 特 区 化 候 補 地 域 に つ い て は 、 2006 年 11 月 現 在 、 北 ス マ ト ラ 州 、 東 ジ ャ ワ 州 ボ ジ ョ ネ ゴ ロ 県 、南 ス ラ ウ ェ シ 州 の 3 地 域 有 力 候 補 と な っ て い る が 、計 画 は 順 調 に は 進 んでいない。中ジャワ州については、設置条件となるインフラ整備促進が十分でないた め 経 済 特 区 化 は 困 難 で あ る と の 意 見 も 出 て い る 25 。 1-3 2007 年 以 降 の イ ン ド ネ シ ア 経 済 動 向 見 通 し IMF は 2007 年 の イ ン ド ネ シ ア の 済 成 長 率 を 6% と 予 想 し て い る 。2007 年 も 投 資 の 大 幅 な 回 復 は 見 込 め ず 、政 府 目 標 達 成 は 困 難 で あ る と し た 。イ ン フ レ 抑 制 、金 利 低 下 な ど 、 全体的に好調を維持するが、これらを貧困・失業削減に結び付けるための投資が引き続 き伸び悩むとの見方である。投資回復のためには、規制緩和や新投資法・改正税法の早 期成立、法執行の強化、汚職撲滅など山積する課題の早期解決が不可欠であると指摘し て い る 26 。 ま た 、日 本 の ア ジ ア 経 済 研 究 所 は 、2007 年 の イ ン ド ネ シ ア 経 済 は 内 需 が 回 復 す る た め 、 5.8% の 成 長 と な る と 予 測 し て い る 27 。 イ ン フ レ 圧 力 の 後 退 や 為 替 の 安 定 化 な ど 背 景 に 、 2007 年 に は 利 下 げ が 進 み 、経 済 環 境 の 改 善 を 受 け 、前 年 伸 び 悩 ん だ 消 費 や 投 資 は 回 復 に 向かうとしている。政府消費は、貧困対策や災害復興、教育・福祉政策など公共サービ ス の 改 善 を 中 心 に 、 10% の 伸 び と な る と 予 想 し て い る 。 懸 念 材 料 は 、 2006 年 に 好 調 だ った輸出が、米国や日本など先進国経済が若干減速し、輸出増のスピードが落ちること で あ る 。原 油 価 格 は 、2006 年 中 盤 か ら 安 定 し て き て お り 、さ ら な る 燃 料 補 助 金 削 減 が 実 施される可能性は低く、消費者物価上昇率は落ち着くものと見られている。 イ ン ド ネ シ ア 政 府 の 2004 年 ~ 09 年 の 中 期 開 発 計 画 で は 、 下 記 の と お り マ ク ロ 経 済 指 標 に 関 す る 数 値 目 標 を 示 し て お り 、 最 終 的 に は 7% を 上 回 る 経 済 成 長 率 の 達 成 を 目 標 に 掲 げ て い る が 、そ の 段 階 に 至 る ま で の 2006 年 時 点 で は 目 標 を 大 き く 下 回 る 5.6%成 長 、 2007 年 の 成 長 も 上 記 の と お り 6%後 半 に ま で 引 き 上 げ る こ と は 困 難 だ と 見 ら れ て い る 。 24 25 26 27 時 事 通 信 2006 年 時 事 通 信 2006 年 時 事 通 信 2007 年 アジア経済研究所 11 月 10 日 11 月 2 日 1月 5日 記 者 発 表 2006 年 12 月 13 日 - 15 - 表 13 中期開発計画におけるマクロ経済指標数値目標 項目 単位 実質GDP成長率 % 消費者物価上昇率 % 失業率 % 貿易収支 億USドル 外貨準備高 億USドル 財政収支対GDP比 % 公的債務残高対GDP比 % 対外債務残高 億USドル 2004年 5.1 6.1 9.7 251 363 ▲ 1.1 53.9 1,349 2005年 5.5 7.0 9.5 238 368 ▲ 0.7 48.0 1,309 2006年 2007年 2008年 2009年 6.1 6.7 7.2 7.6 5.5 5.0 4.0 3.0 8.9 7.9 6.6 5.1 210 200 192 178 360 356 352 359 ▲ 0.6 ▲ 0.3 0.0 0.3 43.9 39.5 35.4 31.8 1,292 1,287 1,297 1,331 出典:インドネシア国家開発企画庁 出所:みずほ総合研究所『ユドヨノ政権下のインドネシア経済』 ユドヨノ大統領は政治、経済の指揮のみならず、就任直後から繰り返し大きな自然災 害 の 対 応 に も 追 わ れ て き た 。ま ず は 就 任 早 々 に 直 面 し た 2004 年 12 月 の ス マ ト ラ 島 沖 地 震 ・ 津 波 、 2005 年 3 月 に は 再 度 ス マ ト ラ 島 沖 で 大 地 震 発 生 、 同 年 4 月 は ス マ ト ラ 島 タ ラ ン 山 の 火 山 活 動 が 活 発 化 し 2 万 を 超 え る 住 民 が 避 難 、 2006 年 5 月 に は ジ ョ グ ジ ャ カ ル タ ・ 中 部 ジ ャ ワ で 発 生 し た 大 地 震 、 同 年 7 月 に も ジ ャ ワ 南 西 沖 で マ グ ニ チ ュ ー ド 7.2 の 大 地 震 及 び 津 波 が 発 生 、さ ら に 、12 月 に は ア チ ェ 、北 ス マ ト ラ 両 州 で 豪 雨 に よ る 大 洪 水 発 生 、2007 年 に 入 る と 今 度 は 2 月 に ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 の 大 雨 に よ る 洪 水 被 害 が 起 き て い る 。自 然 災 害 で は な い が 、2005 年 10 月 に バ リ 島 ジ ン バ ラ ン 及 び ク タ に て 発 生 し た 同 時爆弾テロ事件にも対応しなければならなかった。また、鳥インフルエンザに対する対 応も迫られている。 しかし現政権の進める汚職の抑制、財政構造の健全化、マクロ経済の健全化は結果が 出 始 め て お り 、上 記 の 災 害 の 対 応 に 対 す る ユ ド ヨ ノ 大 統 領 へ の 批 判 は あ ま り 聞 か れ な い 。 経 済 運 営 の 結 果 が 評 価 さ れ 、 2006 年 5 月 に は ム ー デ ィ ー ズ 、 同 年 7 月 に は ス タ ン ダ ー ド & プ ア ー ズ 、 同 年 9 月 に は 日 本 格 付 け 研 究 所 、 2007 年 1 月 に は 有 力 格 付 け 機 関 フ ィ ッチ・レーティングスがそれぞれインドネシアの国債格付けを上げている。 ユドヨノ政権は更なる投資環境の改善を進め、投資の本格回復と高成長への復帰の期 待に応え、成長を加速させることが期待されている。 - 16 - 2 インドネシア海運業の現状 2-1 大統領指令の発令とその背景 イ ン ド ネ シ ア は 17,000 を 越 え る 島 々 か ら 540 万 平 方 キ ロ メ ー ト ル 超 の 海 域 に 広 が る 世 界 最 大 の 群 島 国 で 、そ の 海 岸 線 は 前 兆 8 万 1,000 キ ロ メ ー ト ル に 及 び 、カ ナ ダ に つ い で 世 界 で 2 番 目 に 長 い 。こ れ ら の 島 々 の 間 の 貨 客 輸 送 手 段 と し て 、内 航 海 運 は イ ン ド ネ シアにとって非常に重要である。 しかし、インドネシアの海上輸送の多くは外国の船会社によって担われているのが現 状 で あ る 。 海 運 総 局 (Directorate General of Sea Communications)の 資 料 に よ る と 、 2005 年 の イ ン ド ネ シ ア の 内 航 貨 物 2 億 633 万 ト ン の う ち 、 イ ン ド ネ シ ア 籍 船 が 輸 送 し た 貨 物 は 1 億 1,445 万 ト ン で 全 体 の 55.5% に 過 ぎ な い 。 表 14 インドネシアの内航貨物量の推移とインドネシア籍船・外国籍船のシェア 単 位 : 100 万 ト ン 、 % 種 別 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 80.63 89.95 77.23 90.72 93.51 114.45 53.0% 60.0% 53.8% 53.2% 52.7% 55.5% 71.47 59.99 66.22 79.80 83.83 91.88 47.0% 40.0% 46.2% 46.8% 47.3% 44.5% 152.10 149.97 143.45 170.52 177.34 206.33 インドネシア籍 船 輸 送 の貨 物 全 体 に占 める割 合 外 国 籍 船 輸 送 の貨 物 量 全 体 に占 める割 合 合 計 出所:海運総局 単位:% 100.0 % 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 60.0% 53.8% 53.0% 47.0% 46.2% 53.2% 46.8% 52.7% 47.3% 55.5% 44.5% 40.0% 40.0 30.0 20.0 10.0 Year 0.0 2000年 2001年 2002年 国内貨物%(インドネシア船籍) 図 4 2003年 2004年 2005年 国内貨物% (外国船籍) インドネシア籍船・外国籍船による内航貨物の輸送割合 出所:海運総局 - 17 - 一 方 、 外 航 貨 物 に い た っ て は イ ン ド ネ シ ア 籍 船 が 輸 送 す る 貨 物 の 割 合 は 、 2002 年 の 1.9% か ら 徐 々 に 上 向 い て い る も の の 、2005 年 の 貨 物 量 全 体 の 4 億 9,297 万 ト ン の 5.1% となっている。 単位:% 100.0 % 95.4% 94.6% 98.1% 96.6% 95.2% 95.0% 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 4.6% 5.4% 2000年 2001年 1.9% 3.4% 4.8% 5.1% 2002年 2003年 2004年 2005年 0.0 国際貨物% (インドネシア船籍) 図 5 国際貨物% (外国船籍) インドネシア籍船・外国籍船の外航貨物の輸送割合 出所:海運総局 現在、このようにインドネシアの内航・外航輸送の多くを外国籍船が占めている理由 の 1 つ に は 1980 年 代 の 規 制 緩 和 が あ る 。 イ ン ド ネ シ ア 政 府 は 1987-88 年 に 海 運 業 の 規 制緩和を行い外航貨物輸送が外国企業に開放した。当時、インドネシアの海運企業は、 貨物のコンテナ化に取り組みはじめたばかりであったが、そこへ、外国企業の参入によ り競争が激化し、運賃が低下。すでにコンテナの設備を有していた外資海運会社がシェ アを伸ばしていくことになった。報道によると、インドネシア籍船が外国貨物輸送に占 め る 割 合 は 1980 年 代 に は 、 20% ほ ど で あ っ た が 、 1998 年 時 点 で は 、 3% に ま で 減 少 し た 28 。 ま た 、 内 航 輸 送 に つ い て も 、 1992 年 の イ ン ド ネ シ ア 海 運 法 第 12 号 に よ る と 、 国 内諸島間の輸送はカボタージュ原則に則るものとなっているが、インドネシア海運会社 の船舶保有量が充分でないため、多くの外国籍船が国内貨物を輸送しており、インドネ シ ア 籍 船 が 占 め る 割 合 は 1998 年 時 点 で 既 に 54% 29 と 、 内 航 輸 送 に も 関 わ ら ず 半 分 近 く を占めるのみになった。 規 制 緩 和 の 他 に も 、 政 府 に よ る 老 朽 船 ス ク ラ ッ プ 政 策 30 、 船 舶 購 入 向 け 資 金 調 達 の 問 28 Lloyd’s List International 1998 年 8 月 17 日 掲 載 Lloyd’s List International 1998 年 10 月 30 日 掲 載 30 イ ン ド ネ シ ア 政 府 は 1984 年 に 、30 年 以 上 の 老 朽 船 は 1984 年 5 月 1 日 よ り 、25 年 以 上 の も の は 1985 年 1 月 よ り 貨 物 輸 送 運 航 を 禁 止 し た 。政 府 は 老 朽 船 の 交 換 を 試 み た が 、資 金 調 達 難 も あ り 、需 要 の す べ て を 満 た す こ と は で き な か っ た 。1999 年 8 月 10 日 付 け Lloyd’s List に よ る と 、こ の 政 策 に よ り イ ン ド ネ シ アの海運業界は大きな打撃を受け、多くのインドネシアの船会社が倒産に陥った。 29 - 18 - 題 31 な ど 、 イ ン ド ネ シ ア の 海 運 業 界 を 取 り 巻 く 環 境 は 1980 年 代 以 降 、 悪 化 し て い っ た 。 さらに、インドネシアの海運会社は少数の船舶しか所有していない零細企業が多く、 船 舶 を 購 入 す る た め の 資 金 調 達 が 困 難 で あ る 。 ASEAN SHIPPING DIRECTORY (2004-2005 年 版 )に 掲 載 さ れ て い る イ ン ド ネ シ ア 船 主 協 会 の 会 員 企 業 を 所 有 船 舶 数 別 に み る と 、1 隻 し か 所 有 し て い な い 企 業 が 841 社 と 全 体( 1014 社 )の 82% を 占 め て い る 。 ま た 10 籍 以 上 の 船 舶 を 所 有 し て い る 企 業 は 74 社 で 全 体 の 7% を 占 め る に 過 ぎ な い 。 10隻以上, 74社, 7% 6~9隻, 99社, 10% 5籍, 36社, 4% 1隻, 431社, 42% 4隻, 78社, 8% 3隻, 107社, 11% 2隻, 189社, 18% 1隻~5隻、841社、83% 図 6 インドネシア船主協会会員の所有船舶数別内訳 出 所 : ASEAN SHIPPING DIRECTORY 2004-2005 年 版 よ り 作 成 こ う し た 状 況 を 踏 ま え 、イ ン ド ネ シ ア 政 府 は JICA の 協 力 を 得 て 2002 年 か ら 2004 年 に自国の内航海運業の育成に関する調査を行った。内航海運業の育成にあたっては、カ ボ タ ー ジ ュ 規 制 の 強 化 が 必 須 と な る 。 そ の た め 、 イ ン ド ネ シ ア 政 府 は 2005 年 3 月 に 大 統領指令第 5 号を発令した。大統領指令第 5 号の全文は以下のとおり。 国 内 海 運 産 業 強 化 に 関 す る イ ン ド ネ シ ア 共 和 国 大 統 領 指 令 2005 年 第 5 号 3 2 国内海運産業の強化政策の実施を最大化する目的で、以下の者に対し: 1.経済担当調整大臣 2.国家開発計画担当国務大臣/国家開発計画庁長官 3.運輸大臣 31 イ ン ド ネ シ ア の 銀 行 は 、 船 舶 フ ァ イ ナ ン ス に 対 す る 知 識 が 乏 し く 、 ま た 不 動 産 な ど の 利 回 り の い い 案 件 に 融 資 を 優 先 さ せ た 。ま た 、外 資 の 銀 行 は 、船 舶 建 造 の 納 期 が 遅 れ る ケ ー ス が 多 か っ た た め 、徐 々 に 船 舶購入への融資をしなくなった。また、インドネシア国内の金利は高く、資金調達は容易ではなかった。 32 時 事 通 信 2005 年 4 月 8 日 - 19 - 4.財務大臣 5.内務大臣 6.産業大臣 7.貿易大臣 8.林業大臣 9.国家教育大臣 10.エネルギー・鉱物大臣 11.海洋・水産大臣 12.国営企業担当国務大臣 13.協同組合・中小企業担当国務大臣 14.全国の州知事/県知事/市長 以下の内容を指示する: 第1に、カボタージ原則を適切に適用し、国内海運業を強化するため、以下の通り各自 の職務、機能、権限に沿って政策を発表し、必要な措置を取ること。 1.商業: a.国内の港湾間における海運積載物は本大統領指令の施行後、可及的速やかにインド ネシア国旗掲揚船舶により輸送され、国内海運会社により操業されなくてはならない。 b .調 達 お よ び / ま た は 輸 送 の 費 用 が 国 家 予 算 / 地 方 予 算 に よ り 負 担 さ れ る 輸 入 物 品 は 、 政府の財/サービス調達に関する法令に注意した上で、国内海運会社により操業される 船舶を用いなくてはならない。 c.財の所有者と国内海運会社の間で長期輸送契約による提携が実現されるよう推進す る。 2.財務: a.税務: 1)現行の税務規定に沿い、国内海運業と船舶業に付与される既存の諸政策の実施方法 を再編する。 2)国内海運業と船舶業の成長・発展を促進する税制を完全化する。これには、インド ネシア国旗掲揚船舶に輸送され、国内海運会社により操業される輸出積載物所有者に対 する優遇措置を含む。 3)既に優遇措置を得た国内海運会社と国内造船会社がその後に事業分野以外で投資を 行った場合は、ペナルティに関する規定を厳しく適用する。 b.金融機関: 1)国内銀行業界が国内海運産業の発展のための資金拠出において積極的な役割を担う よう、推進する。 2)特に国内海運産業の開発向け資金拠出分野で活動するノンバンク金融機関を開発す る。 3)国内船舶業界の発展実現を促進する資金拠出スキームを開発する。 c.保険: 1)特定の種類・寸法・耐用年数を持ち、国内海運会社が保有および/または操業する 全 て の 船 舶 、お よ び / ま た は 国 内 外 で 購 入 ま た は 製 造 さ れ た 全 て の 中 古 / 新 規 船 舶 に は 、 - 20 - 少 な く と も 船 殻 及 び 機 械 (Hull and Machineries)の 保 険 を 掛 け な く て は な ら な い 。 2)国内または国外で操業する国内海運会社によって輸送される積載物/財には、保険 を掛けなくてはならない。 3)船舶保険分野で活動する国内保険会社が国際船舶保険の保有能力基準を順守するよ う推進する政策を策定する。 3.輸送: a.海運: 1)本大統領指令の施行後、可及的速やかに国内海運の実施を編成し、国内海運は全て インドネシア国旗掲揚船舶が担うこととする。 2)常に秩序立った運航を行っている船舶に対して、停泊の優先、港湾サービス料、燃 料の調達料の軽減などを通じた優遇措置を付与することで、運航路網を再編成する。 3)船舶旗を外国旗からインドネシア国旗に交換するプロセスを再編成する。 4 )海 上 先 取 特 権 お よ び 船 舶 抵 当 権 に 関 す る 国 際 条 約( Maritime Liens and Mortgages 1993) の 批 准 を 迅 速 化 す る と 共 に 、 海 上 先 取 特 権 お よ び 船 舶 抵 当 権 に 関 す る 法 案 の 準 備を完了する。 5 ) 船 舶 だ 捕 ( Arrest of Ship) に 関 す る 国 際 条 約 の 批 准 を 迅 速 化 す る と 共 に 、 国 内 状 況に即した船舶だ捕に関する法案の準備を完了する。 6)資金拠出の便宜、船舶・人材・事業管理の質向上、国内海運向けの港湾インフラと 施設建設など、国内海運の発展を支援する。 7 ) 積 載 物 ・ 船 舶 容 積 情 報 フ ォ ー ラ ム ( IMRK) の 設 置 を 迅 速 化 し 、 既 存 船 舶 の 積 載 物 と船舶容積を、透明性を持って把握可能とする。 b.港湾: 1)効果的で効率的なサービスを付与するため、港湾実行業務を再編成する。 2)外国貿易受け入れ港と越境機能を持つ港を再編成する。 3)最大限のサービス水準を達成するため、港湾インフラおよび施設を開発する。 4)港湾管理を開発することで段階的・選択的に調整者と管理者の機能を分割させ、同 一港湾内でのターミナル間、および港湾間のサービス競争を可能とする。 5)サービス業務のない活動に対する港湾サービス料金の賦課を廃止する。 6)港湾サービスを向上させるため船舶・財・乗客のサービス管理システムと方法を再 編成する。 4.産業: a.国内造船業を含む大企業および中小企業、協同組合の造船産業の成長と発展を推進 するため、特に以下の方法をとる: 1)造船産業の設計、研究、開発センターを開発する。 2)船舶の標準化と部品を開発する。 3)船舶の原料および部品産業を開発する。 4)国内で船舶の製造および/または修理を行い、および/またはオフセット生産スキ ームを通じて外国から船舶を調達する国内海運会社に対して、優遇措置を付与する。 b.国家予算/地方予算で調達費用が負担される船舶の建造は、政府の財/サービス調 達に関する法令に注意した上で、国内造船会社により行われなくてはならない。 - 21 - c.bで意味する船舶への資金拠出で、船舶が外国からのものである場合、船舶の建造 は最大限に地元物品を使用し、技術移転を行うこととする。 d.国家予算/地方予算で費用が負担される船舶のメンテナンスおよび修理は、政府の 財/サービスに関する法令に注意した上で、国内造船会社により行われなくてはならな い。 5.エネルギーと鉱物資源: インドネシア国旗掲揚船舶を操業し、国内で海運活動を行う国内海運会社に対して、航 路と運航日数に則って石油燃料の供給を保証する。 6.教育および研修: a . 地 方 政 府 お よ び 民 間 が 、 国 際 海 事 機 構 (IMO)の 基 準 を 満 た し た 船 員 の 教 育 と 研 修 セ ンターを開発するよう推進する。 b .IMO の 基 準 を 満 た し た 船 員 を 育 成 す る た め 、教 育 機 関 と 船 員 サ ー ビ ス 利 用 者 の 間 の 協力を発展させる。 第2に、経済担当調整大臣は、本大統領指令の実施を調整し、定期的に大統領に報告す ること。 第3に、本大統領指令が十全な責任と共に実施されるよう、実施結果は定期的に大統領 に報告すること。 本大統領指令は、発布日から施行する。 ジャカルタにおいて発布 2005年3月28日 2-2 大統領指令の発令後の動き (1) カ ボ タ ー ジ ュ 規 定 の 細 則 大 統 領 指 令 第 5 号 の 発 令 を 受 け て 、こ の 内 容 の 実 施 に 関 す る 大 臣 規 定 が 発 布 さ れ て い る 。2006 年 7 月 5 日 付 け 時 事 通 信 2006 年 7 月 5 日 付 け に よ れ ば 、大 統 領 指 令 第 5 号 の 発 令 後 1 年 間 で 大 統 領 規 定 1 つ 、運 輸 省 規 定 4 つ 、大 臣 合 同 規 定 1 つ 、エ ネ ル ギ ー 鉱 物 省 規 定 1 つ が 交 付 さ れ て い る 。こ れ ら の す べ て の 詳 細 情 報 は 入 手 す る こ と は で き な か っ た が 、 運 輸 省 規 定 4 つ の う ち 1 つ は 、 2005 年 11 月 18 日 に 交 付 さ れ た 内 航 貨 物 輸 送 に お け る イ ン ド ネ シ ア 籍 船 の 利 用 義 務 を 定 め た 運 輸 省 指 令 第 71 号 で あ る 。第 71 号 で は 一 般貨物、肥料、セメント、米、木材などは即日からインドネシア籍船で輸送することを 義務付け、石炭、パームオイル、鉱物、穀物、農産物、生鮮野菜・果実・魚などはイン ド ネ シ ア 籍 船 が 手 配 で き る 場 合 は そ れ を 使 う こ と を 義 務 付 け 、 ま た 2011 年 ま で に 段 階 的 に 外 国 籍 船 の 利 用 を 廃 止 す る こ と を 定 め て い る 。 そ の 概 要 は 以 下 の と お り 33 。 ・ 内 航 貨 物 は イ ン ド ネ シ ア の 船 会 社 、 特 別 海 運 輸 送 提 供 業 者 34 、 中 小 船 会 社 が 所 有 33 2006 年 4 月 24 日 付 け 海 運 総 局 資 料 よ り イ ン ド ネ シ ア に お け る 特 別 海 運 (Special Shipping)を 定 義 は 、自 社 の 海 運 以 外 の 主 要 事 業 の た め に 自 社 で 海 運 輸 送 を 行 う こ と を 指 す 。す な わ ち 、自 社 で 使 う 原 材 料 、設 備 な ど を 自 社 で 輸 送 す る こ と を 指 し 、主 に 林 業 、観 光 業 、工 業 、漁 業 、救 助 、海 底 浚 渫 作 業 、調 査 、教 育 、ト レ ー ニ ン グ お よ び そ の 他 の 社 会 的 サ ー ビ ス を 指 す ( JICA Study on the Development of Domestic Sea Transportation and Maritime Industry in the Republic of Indonesia (STRAMINDO)最 終 報 告 書 よ り ) 34 - 22 - するインドネシア籍船によって輸送するものとする。 ・インドネシア籍船によって輸送される内航貨物とは、次のものを指す i. 石油及び天然ガス ii. 一般貨物 iii. 石炭 iv. 木材 v. 米 vi. パームオイル vii. 肥料 viii. セメント ix. 鉱 物 (金 属 鉱 物 、 非 金 属 鉱 物 、 第 3 種 鉱 物 35 ) x. その他の穀物 xi. 液体その他の化学品 xii. 農作物 xiii. 野菜、果実、魚(生鮮品) xiv. 石油天然ガス産業に使用するもの ・具体的には次のような品目を含む。 No 1 貨物の種別 石油及び天然ガス 含まれる貨物 原 油 、コ ン デ ン セ ー ト 、燃 料 、ガ ス /LNG/LPG、 アスファルト、その他液体の石油製品 2 一般貨物 繊維および繊維製品、家具、包装された食用 油、手工芸品、機械、エレクトロニクス製品、 ゴム製品、鉄鋼およびその他の金属製品、加 工放送食品および飲料、パルプおよび紙製品、 車両、タバコ、茶、砂糖、塩、その他の製品 35 3 4 石炭 木材 5 6 米 パームオイル 7 8 肥料 セメント すべての石炭鉱物製品 材 木 、 製 材 、 木 材 製 品 原 料 ( 例 ; 合 板 な ど )、 そ の 他 の 木 材 製 品 ( ラ タ ン 、 松 や に 、 な ど )、 木材チップ すべての種類の米 パームオイル、ココナッツオイル すべての種類の肥料 すべての種類のセメント 石 灰 岩 、 粘 土 な ど の 戦 略 的 物 資 で な い 鉱 物 を 指 す 。 (www.usembassyjakarta.org よ り ) - 23 - ・上記に述べる内航貨物をインドネシア籍船で輸送することを義務付ける時期は以 下のとおりとする。 コンテナ貨物およびコンテナ以外の一 本指令発効と同時 般貨物、木材、セメント、肥料、米 パ ー ム オ イ ル 、鉱 物 、そ の 他 の 作 物 、野 遅 く と も 2008 年 1 月 1 日 ま で に 導 入 菜・魚などの生鮮品 液体及びその他の化学品および農作物 遅 く と も 2009 年 1 月 1 日 ま で に 導 入 石油天然ガス、石炭 遅 く と も 2010 年 1 月 1 日 ま で に 導 入 石油天然ガス産業に使用するもの 遅 く と も 2011 年 1 月 1 日 ま で に 導 入 ただし、インドネシア籍船が手配できる場合は、上記の導入前の期日でもインド ネシア籍船を利用する。 さ ら に 、 同 指 令 で は 違 反 し た 場 合 は ラ イ セ ン ス を 剥 奪 す る と し 、 2005 年 11 月 18 日 同指令を発効するとしている。 (2) そ の 他 の 動 き 報道や海運総局の資料によると、上述の内航貨物輸送におけるインドネシア籍船の利 用 義 務 を 定 め た 運 輸 省 指 令 第 71 号 以 外 に 、 次 の よ う な 規 定 が 交 付 、 あ る い は 検 討 さ れ ている。 発 効 済 み ( 2006 年 4 月 現 在 ) ・海 運 会 社 が 徴 収 し て い る 港 湾 サ ー ビ ス 料 (Terminal Handling Charge : THC)を 、2005 年 11 月 1 日 か ら 20 フ ィ ー ト コ ン テ ナ あ た り 150 米 ド ル か ら 95 米 ド ル へ 、40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ あ た り 230 米 ド ル か ら 145 米 ド ル へ 引 き 下 げ る こ と を 発 表 36 。 法 案 作 成 済 み ( 2006 年 4 月 現 在 ) ・インドネシア籍船はインドネシア船級協会で船級を取得することを義務付け ・船舶調達システムと手続きおよび船籍の変更と利用に関する簡素化についての規定 業 界 関 係 者 と 協 議 中 ( 2006 年 4 月 現 在 ) ・貨物および船員情報フォーラムの設置に関する運輸省と貿易省の共同規定 ・政府が輸入する貨物の国内海運会社による輸送に関する運輸省と貿易省の共同規定 ・荷主と国内海運会社の間の長期輸送契約に関する運輸省と貿易省の共同規定 ・ イ ン ド ネ シ ア 港 湾 会 社 (Ind. PT. (Persero) Pelabuhan Indonesia)が 運 営 す る 従 来 の 船 渠 (Conventional dock)に お け る コ ン テ ナ の 積 荷・揚 荷 に 関 わ る サ ー ビ ス 料 金 の 決 定 メ カニズムとガイドラインに関する運輸省規定 ・ 港 湾 オ フ ィ ス 技 術 導 入 ユ ニ ッ ト (Port Office Technical Implementation Unit (Ind. UPT Kantor Pelabuhan))に お け る コ ン テ ナ の 積 荷 ・ 揚 荷 に 関 わ る サ ー ビ ス の 手 続 き THC は 海 運 会 社 が 港 湾 サ ー ビ ス の コ ス ト 回 収 の た め に 徴 収 し て い る も の で 、他 国 で も 徴 収 さ れ て い る が 、イ ン ド ネ シ ア は 港 湾 効 率 が 悪 い た め 、近 隣 諸 国 よ り も 高 く 海 運 会 社 が 設 定 し て お り 、輸 入 業 者 は そ の 廃 止 を 求 め て い た 。た だ し こ の 措 置 は 一 時 的 な も の で 、 ア ー ン ス ト ヤ ン グ に 委 託 し て い る THC の 妥 当 な 金 額 の 調 査 結 果 を 待 っ て 最 終 決 定 す る こ と に な っ て い る 。 (2006 年 11 月 27 日 付 け 時 事 通 信 な ど ) 36 - 24 - とシステムに関する運輸省規定 ・ 国 際 貿 易 に 開 放 す る 港 湾 の 決 定 に 関 す る 運 輸 省 、貿 易 省 、財 務 省 、国 内 産 業 省 の 共 同 規 定 37 ・公共サービス向けの港湾施設開発に関する運輸省規定 ・中小海運会社の発展に関する協同組合中小企業省、運輸省の共同規定 また、大統領指令第 5 条の発令後、次の国際条約の批准がすすんでいる。 ① 海 上 先 取 取 得 権 及 び 船 舶 抵 当 権 に 関 す る 国 際 条 約 (Maritime Liens and Mortgages 1993)の 批 准 と 法 制 度 化 ② 船 舶 だ 捕 に 関 す る 国 際 条 約 (International convention on Arrest of Ship 1999)の 批 准書素案と船舶だ捕法案の策定 2-3 大統領指令の発令のインパクト 大 統 領 指 令 第 5 条 の 発 令 直 後 、 イ ン ド ネ シ ア 船 主 協 会 (INSA)で は 翌 年 2006 年 に は イ ン ド ネ シ ア 籍 船 が 輸 出 貨 物 輸 送 の 10% を 占 め 、2020 年 ま で に 30% を 占 め る よ う に な る と 、イ ン ド ネ シ ア 海 運 業 界 の 大 幅 な 飛 躍 を 期 待 し て い た 。し か し 、2006 年 の デ ー タ は ま だ 発 表 さ れ て い な い が 、2005 年 に イ ン ド ネ シ ア 籍 船 が 輸 送 し た 内 航 貨 物 は 全 体 の 55.5% と 、 前 年 の 52.7% か ら の 微 増 に と ど ま っ た 。 外 航 貨 物 に つ い て も 4.8% か ら 5.1% と 微 増 で あ る 。 微 増 に と ど ま っ て い る 背 景 に つ い て 、 INSA は 、 省 庁 間 の 連 携 の 悪 さ 、 政 府 によるカボタージュ制度の運用が不徹底であること、政府が金融業界向けに船舶の資金 調達を後押しするように働きかけていないこと、などがカボタージュ制度の効果があま り あ が っ て い な い 背 景 だ と 38 不 満 の 声 を 上 げ て い る 。 ま た 、 海 運 総 局 に よ る と 、 イ ン ド ネ シ ア 籍 船 の 数 は 2006 年 3 月 1 日 現 在 で 6,791 隻 と な っ て お り 、 前 年 の 6,041 隻 と 比 べ て 12.4% 増 と な り 39 、 大 統 領 指 令 以 降 、 登 録 船 舶 数は増加している。しかし、増加した船の多くは外国海運会社が所有しているものも多 く 、 内 航 輸 送 に 従 事 す る た め に イ ン ド ネ シ ア 籍 に 移 し た だ け だ と い う 指 摘 も あ る 40 。 一方、大統領指令を受け、資金調達力のある大手海運会社では、次々と船舶調達計画 を発表している。 37 報 道 に よ れ ば 外 国 籍 船 が 入 港 で き る 港 湾 の 数 を 、 現 状 の 一 般 港 141 ヶ 所 、 特 別 港 600 港 か ら 、 25 港 に 限 定 す る こ と で 運 輸 省 は 検 討 中 。 2006 年 2 月 13 日 Asia Pulse 38 Asia Pulse 2006 年 9 月 20 日 3 9 Jakarta Post 2006 年 3 月 29 日 、 Asia Pulse 2006 年 3 月 16 日 4 0 Jakarta Post 2006 年 3 月 29 日 - 25 - 表 15 海運会社などの船舶調達計画の発表 会社名 購入船舶 ARPENI 2006 年 内 に 船 舶 2 8 隻 を 購 入 す る 方 針 を 発 表 。 PRATAMA 投資総額は 1 億 3200 万ドル。これには 1~4 隻の OCEAN LINE 乾バルク船、2隻の一般貨物船、1~3 隻の浮クレ ーン船(floating crane ship)、 10 隻のタグボート 出典 2006/5/19 時 事 通 信 2006/7/5 Asia Pulse 2006/5/19 AFX Asia 2006/2/13 Lloyds List などが含まれる。 海運大手アルペニ・プラタマ・オーシャン・ライ ンは 2006 年に 1 億 2,900 万米ドルを投じて 8 隻 の中古船を購入することを発表した。購入船舶の 総重量は50万DWTの見込み。同社は石炭輸送 の分野に特に強く、購入船舶もその多くが乾バル ク船となる。購入資金は 40%は自己資金で、60% は新たに資金調達する。 BERLIAN LAJU 2009 年までに、4 億 5,000 万~5 億ドルを投じ、 船舶 15 隻を追加する予定であることを発表。一 方、タンカー3 隻をシンガポールのファースト・ 2006/9/12 時 事 通 信 証券会社アナリストレポ ート シップ・リース社に売却する。売却価格は1隻当 たり 4,500 万ドルで、総額1億 3,500 万ドル。2006 年 9 月中に取引を完了する。なお、同社は売却後、 ファースト・シップ・リース社から売却した船舶 をリースしている。 HUMPUSS 海運大手ハンプスは 2006 年 3 月から 4 月にかけ INTERMODA て、7000 万米ドルを当時て 10 隻の新造船を調達 TRANSPORTASI す る 計 画 を 発 表 し た 。 LNG タ ン カ ー 、 タ グ ボ ー 2005/12/22 Asia Pulse ト、バージなどが含まれる。 PELAYARANI イ ン ド ネ シ ア 国 営 海 運 会 社 ペ ル ニ 社 (Pelayarani NASIONAL Nasional Indonesia )は 1,780 億ルピア(1,980 万 INDONESIA 米ドル)を投じて客船を多目的船に改造すること 2006/4/28 Asia Pulse を発表した。 PELINDO III 国 営 1,200 億 ル ピ ア (1,330 万 米 ド ル )を 投 じ て 2006 年 末 ま で に タ グ ボ ー ト や 引 船 ( pilot ship) 2006/6/1 時 事 通 信 2006/6/1 Asia Pulse を調達することを発表。3,000 万ルピアのタグボ ートは 2006 年 6 月に納入。 PERTAMINA 国営石油会社プルタミナは 8 隻の新造船の入札を 行 う 予 定 が あ る こ と を 発 表 し た 。 5000 立 方 メ ー ト ル の LPG キ ャ リ ア 2 隻 、 17,500DWT と 30,000DWT のプロダクトタンカーを 2 隻づつ、 85,000DWT のアフラマックス石油タンカー2隻 を調達する。 国営造船2社とタンカー3 隻の建造契約(総額 8182 万ドル)を締結した。タンカーは 2009 年に 完成の予定。さらに同社は 5 隻のタンカーを発注 する計画。これらは主に液化石油ガス輸送向け で、発注先は外国中心となる見込み。 - 26 - 2005/12/20 Lloyd's List 2007/2/8 時 事 通 信 会社名 RIG TENDERS INDONESIA 購入船舶 2006 年 内 に 船 舶 2 7 隻 を 購 入 す る こ と を 明 ら か 出典 2006/6/6 時 事 通 信 にした。投資額は 5480 万ドルで、外国銀行から の融資と社内資金で調達する。船舶は同社株8 0.54%を保有するマレーシア海運大手のスコ ミ・マリーン、提携会社のバトゥア・アバディ・ ラインなどから購入する。リグの保有船舶数は6 5隻に増える。新たに購入する船舶は、カリマン SAMUDERA INDONESIA タンの鉱業地域からの石炭輸送に利用する。 5,000 万米ドル以上を投じてコンテナ 2 隻を購入 する計画を発表。コンテナ船の輸送能力は 1,500 T E U s で 、 2007 年 の コ ン テ ナ 取 扱 量 は 前 年 比 276%増の 17 万 3,000 ユニット達成を目指す。 2007 年に 2 億ドルを投じてLNGタンカー2 隻購 入することを発表。タンカー2隻の輸送能力は 14 万 5,000DWT。英石油大手BPが主導するタン グー・ガス事業(西イリアンジャヤ州)で生産さ れるLNGを、インドと中国向けに 20 年間輸送 (契約総額8億5000万ドル)する。来年末の 建造完了、2008年の運航開始を目標としてい る。タンカーは日本で建造される予定。 2007/1/22 時 事 通 信 2006/9/20 時 事 通 信 出所:報道記事などより作成 3 海運会社アンケートと主要企業 3-1 海運会社アンケート 本調査では、具体的な各社の船舶需要を考察するため、インドネシアの海運会社にア ン ケ ー ト を 実 施 し た 。 前 述 の よ う に イ ン ド ネ シ ア に は 1,000 社 を 超 え る 海 運 会 社 が 存 在 するが、その多くは保有船舶数の少ない零細企業である。そこで、インドネシア船主協 会 の 協 力 を 得 て 、 大 手 と 考 え ら れ る 33 社 を リ ス ト ア ッ プ し て も ら い 、 訪 問 ア ン ケ ー ト あ る い は 電 話 ア ン ケ ー ト を 試 み た 。 そ の 結 果 、 33 社 中 15 社 か ら 回 答 を 得 る こ と が で き た。また、国営石油会社プルタミナの子会社のプルタミナ・シッピングにもアンケート を実施することができた。アンケートを試みた企業のリストおよび回答企業は以下の通 りである。 - 27 - 表 16 アンケートアプローチ先企業と回答企業一覧 No 会 社 名 インタビュー回 答 1 ADMIRAL LINES ○ 2 AMASNUSA PERSADA ○ 3 ANDHIKA LINES ○ 4 AQUARIA SHIPPING LTD 5 ARMADA BUMI PRATIWI LINES ○ 6 ARPENI PRATAMA OCEAN LINE tbk ○ 7 BARUNA RAYA LOGISTIC INC ○ 8 BERLIAN LAJU TANKER, Tbk ○ 9 BUMI LAUT SHIPPING CORP. 10 DJAKARTA LLOYD ○ 11 GESURI LLOYD ○ 12 GURITA LINTAS SAMUDERA 13 HUMPUSS INTERMODA TRANSPORTASI Tbk ○ 14 JAYAKUSUMA PERDANA LINE 15 KARANA LINES 16 MASKAPAI PELAYARAN PULAU LAUT` 17 MARATUS 18 MUTIARA NUSA ANTAR SAMUDERA LINES 19 PARNARAYA NUSANTARA 20 PELAYARAN BEHTERA ADHIGUNA ○ 21 PELAYARAN NASIONAL INDONESIA (PELNI) 22 PELAYARAN TEMPURAN EMAS TBK 23 ○ PERTAMINA DIT. HILIR BID. PERKAPALAN (PERSERO) 24 PRIMA VISTA 25 RIG TENDERS INDONESIA Tbk ○ 26 RIMBA SEGARA LINES 27 SAMUDERA INDONESIA Tbk ○ 28 SUDJACA TANKER 29 TAHTA BAHTERA 30 TANJUNG GLORY SHIPPING 31 TARUNA CIPTA KENCANA 32 TONASA LINES 33 TRIKORA LLOYD - 28 - 以下、アンケート結果の分析を概説する。 (1) 事業内容 回 答 企 業 16 社 の う ち 、 船 主 、 用 船 主 、 オ ペ レ ー タ ー の す べ て の 事 業 に 従 事 し て い る 企 業 は 9 社 と 最 も 多 く 、続 い て 船 主 ・ オ ペ レ ー タ ー の 事 業 を 行 っ て い る 企 業 が 5 社 、用 船主・オペレーター企業が 2 社であった。また、船主、用船主、オペレーター以外の事 業 も 併 せ て 行 っ て い る 企 業 も 10 社 あ り 、 そ の 内 容 は 船 社 代 理 店 、 荷 役 、 仲 介 業 務 な ど が挙げられた。中にはコンテナターミナルオペレーションを行っている企業もあった。 (2) 資本金 インドネシアでは上場企業以外は資本金や売上高などの財務情報を公開していない。 回 答 企 業 16 社 の う ち 上 場 企 業 が 5 社 あ り 、 そ れ ら 5 社 の 資 本 金 を み る と 1,000 万 米 ド ル か ら 8,000 米 ド ル 超 と な っ て い る 。 表 17 回答企業のうち上場企業の資本金 単 位 : 100 万 ル ピ ア 、 100 万 米 ド ル 、 100 万 S ド ル 会 社 名 米ドル換算 資 本 金 (1US$ = 9050 ル ピ ア ) PR Arpeni Pratama Ocean line Tbk 7,496 億 5,100 万 ル ピ ア 約 8,283 万 米 ド ル PT Berlian Laju Tanker Tbk 2,598 億 2,600 万 ル ピ ア 約 2,871 万 米 ド ル 2,250 億 ル ピ ア 約 2,486 万 米 ド ル 1,240 億 2,500 万 ル ピ ア 約 1,370 万 米 ド ル 4,500 万 S ド ル 約 2,673 万 米 ド ル PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk PT. Samudera Shipping services 出所:各社アニュアルレポートより (3) 売上高 上述のとおり、上場企業以外、売上情報は公開していない。上場企業 5 社の売り上げ は下記の通りである。 - 29 - 表 18 アンケート回答企業の資本金 売上高 会 社 名 2005 年の対前 2003 年 2004 年 PT Arpeni Pratama Ocean 5,971 億 4,700 8,458 億 6,700 1 兆 1,679 億 Line Tbk 万ルピア 万ルピア 3,800 万ルピア 9,698 億 6,600 1 兆 3,514 億 2 兆 6,171 億 万ルピア 3,300 万ルピア 9,200 万ルピア 7,119 億 6,000 8,163 億 4,500 万ルピア 万ルピア 3,656 億 5,000 6,257 億 8,000 万ルピア 万ルピア PT Berlian Laju Tanker Tbk PT Humpuss Intermoda - Transportasi Tbk PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk 1,794 億ルピア 2005 年 PT Samudera Shipping 5 億 500 万Sド 5 億 9,600 万S 6 億 8,000 万S Services ル ドル ドル 年比伸び率 97% 170% 15% 249% 35% 出所:各社アニュアルレポート (4) 企業体 16 社 中 14 社 は 地 場 企 業 で 残 り は 1 社 (PT Arpeni)が 外 資 と の 合 弁( た だ し 外 資 保 有 率 は 5% )、 も う 1 社 PT Rig Tender Indonesia は マ レ ー シ ア の Scomi 社 の 子 会 社 と な っ ている。 (5) 設立年 回 答 企 業 16 社 は 1959 年 か ら 1987 年 の 間 に 設 立 さ れ て い る 。 (6) 従業員数 16 社 中 11 社 か ら 回 答 が あ っ た が 、 20 人 か ら 数 百 人 、 1000 人 ま で 回 答 内 容 は 多 岐 に わたっている。 (7) 所 有 /運 営 船 舶 数 お よ び 所 有 /チ ャ ー タ ー 状 況 所 有 / 運 営 船 舶 数 は プ ル タ ミ ナ ・ シ ッ ピ ン グ の 137 隻 が 最 高 で 最 も 少 な い も の は Admiral Lines, Amasnusa Persada の 2 隻 で あ る 。 ま た 、 154 隻 中 118 隻 を チ ャ ー タ ー し て い る Pertamina Shipping 、 所 有 と チ ャ ー タ ー が 約 半 々 と な っ て Samudera Shipping Services を 除 き 、 全 体 と し て は 所 有 船 舶 の 比 率 が 多 く な っ て い る 。 - 30 - 表 19 回答企業の所有運営船舶数および所有/チャーター状況 所 有 /運 航 船 舶 数 会社名 所 有 /チャーター PT Admiral Lines 2 すべて所有 PT Amasnusa Persada 2 すべて所有 Andhika 2(所有) 2 or 3 (オペレーション) Armada Bumi Pratiwi Lines 2 隻所有、それ以外はチャーター 19 すべて所有 58 すべて所有 PT Baruna Raya Logistics Inc 3 旅客船は所有 PT Berlian Laju Tanker 61 PT Djakarta Lloyd 14 PT Gesuri Lloyd 1 PT Arpeni Pratama Ocean Line Tbk 48 隻所有、そのほか 2 隻チャータ ー、11 隻契約(Contracted) 政府所有(同社は国営海運会社 である) チャーター 18 及 びタグおよびバージを5 PT Gurita Lintas Samudera セット (2007 年 2 月に貨物船 1 隻が すべて所有 納入される予定) PT Humpuss Intermoda 43 36 隻所有、7 隻チャーター 6 5 隻所有、1 隻チャーター 24 すべてチャーター Pertamina Shipping 154 36 隻所有、118 隻チャーター PT Rig Tenders Indonesia Tbk 65 すべて所有 PT. Samudera Shipping services 55 27 隻所有、26 隻チャーター Transportasi Tbk PT Pelayaran Behtera Adhiguna PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk 註:水色のハイライトは上場企業、以下同じ (8) 所 有 /運 営 船 舶 内 訳 回 答 企 業 の 所 有 船 舶 の 内 訳 を み る と 、石 油 タ ン カ ー が 最 も 多 く 182 隻 と な っ て い る が 、 これは国営石油会社プルタミナの子会社、プルタミナ・シッピングの所有石油タンカー 154 隻 が 含 ま れ る か ら で あ る 。 次 に 多 い の は コ ン テ ナ 船 で 69 隻 で あ る が 、 こ れ に は Samudera Shipping が チ ャ ー タ ー し て い る 26 隻 が 含 ま れ る 。 - 31 - 表 20 インタビュー回答企業の所有/運航船舶内訳 所有/運航船舶タイプ 所有/運航船舶タイプ 会社名 PT Admiral Lines PT Amasnusa Persada ANDHIKA Armada Bumi Pratiwi Lines PT Arpeni Pratama Ocean Line Tbk PT Baruna Raya Logistics Inc PT Berlian Laju Tanker Tbk 石油タンカー ケミカルタンカー 一般貨物 14隻 最大30,000 dwt 5隻 最大4,400 dwt 最小1,100 dwt 4隻 LPG船-1隻 レジャー ボート バージ 1隻 その他 バルクキャリア3隻 5隻 9隻 ユーティリティー船1 隻、Ro-Ro船1隻 x ガスタンカー4隻、石 油プロダクトタンカ 油プロダクトタン ー5隻、他に契約船が カー5隻、他に契約 11隻 船が11席 32隻 14隻 多目的船1隻 - 32 - 18隻 7隻 最大37,087 dwt 最小3,565 dwt タグボートとバージ を 5セを5セット ット 14隻 最大231 GT 最小119 GT 7隻 最大5,500 dwt 最小1,329 dwt 3隻 バルクキャリア1隻 24隻 最大1,173 TEUS 最小191 TEUS LNG船を含め154隻 最大300,000 dwt 最小1,500 dwt 2隻 2隻ともとも 17,726DWT 15隻 最大3,139 GT 最小1,351 GT 2隻 PT Rig Tenders Indonesia Tbk PT Samudera Shipping services 漁船 1隻 PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk Pertamina Shipping タグボート 2隻 1隻 PT Gurita Lintas Samudera PT Pelayaran Bahtera Adhiguna 客船 2隻 PT Djakarta Lloyd PT Gesuri Lloyd PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk コンテナ船 10隻 最大 11,277DWT 最小2,781DWT 29隻 29 隻 (チャーター26隻、所有 3隻 ) 3隻) 最最大1,560 大 1,560TEUS TEUS 最 小 115TEUS TEUS 、子 最小115 子 会 社 Foremost 会社Foremost Maritime所有分4隻 Maritime 所有分4隻 オフショア船40隻、 タブボートとバージ 25セ25セット、 ット オイルバージ1隻、 オイルバージ1隻、 油井サービスボート 油井サービスボート 1隻、 アンカーハンド 1隻、アンカーハンド リングボート1隻、 ガ リングボート1隻, ガ スキャリア2隻、石 スキャリア2隻、石 炭運搬船5隻 炭運搬船5隻 出所:アンケート回答結果および各社ウェブサイトから作成 な お 、 所 有 船 舶 の リ ス ト に つ い て は 、 上 場 企 業 5 社 を 含 め 13 社 に つ い て 情 報 を 収 集 した。各社の所有船舶リストは別添1~8 を参照のこと。 (9) 船舶調達先国 船 舶 建 造 国 に つ い て 複 数 回 答 で 聞 い た と こ ろ 、 最 も 多 い の は 日 本 で 11 社 で あ っ た 。 回 答 企 業 の 69% が 日 本 か ら 船 舶 を 調 達 し て い る こ と に な る 。続 い て イ ン ド ネ シ ア 国 内 が 7 社、欧州 6 社となっている。 表 21 回答企業の船舶調達先国 国 回答企業数 11 日本 (10) インドネシア 7 欧州 6 中国 4 韓国 4 シンガポール 3 北米 2 マレーシア 1 その他 3 中古船・新造船別 所有運航船舶を中古船で購入したか新造船で購入したか聞いたところ、回答企業のう ち 8 社 が 「 両 方 」と 応 え た 。新 造 船 の み を 使 っ て い る 企 業 は 3 社 、中 古 船 の み を 使 っ て いる企業は 4 社、無回答は 1 社となった。 (11) 調達予定の有無と時期 今 後 の 船 舶 調 達 計 画 に つ い て 聞 い た と こ ろ 、 調 達 計 画 が あ る 企 業 が 12 社 、 な し と 回 答した企業は 4 社であった。 調達の予定はない, 4社 調達する計画があ る, 12社 図 7 調達予定の有無 - 33 - ま た 、 調 達 予 定 が あ る と 回 答 し た 12 社 の 調 達 時 期 に つ い て は 、 今 年 も 来 年 も 調 達 す る と い う 企 業 が 5 社 、今 年 調 達 す る と い う 企 業 が 2 社 、来 年 調 達 す る と い う 企 業 が 2 社 、 2 年後に調達するが 1 社、未定が 2 社となった。今年も来年も調達すると回答した企業 のうち2社は毎年調達しているということで、旺盛な購買意欲が感じられる。また、未 定と回答した企業のうち1社は、 「 船 が あ れ ば い つ で も ほ し い 」と 回 答 し て お り 、船 舶 供 給が逼迫していることがわかる。 (12) 調達予定船舶 調 達 予 定 の あ る 12 社 に 、 調 達 船 舶 の タ イ プ を 複 数 回 答 で 聞 い た と こ ろ 、 以 下 の 通 り となった。旅客船、漁船、レジャーボートの調達予定はない。 表 22 調達予定船舶タイプ 船舶タイプ 回答企業数 石油タンカー 5社 ケミカルタンカー 4社 一般貨物船 3社 タグボート 1社 バージ 1社 そ の 他 ( ガ ス 、 LNG、 バ ル ク 船 な ど ) 4社 ま た 、調 達 先 に つ い て は 、未 定 と い う 回 答 が 多 か っ た 。調 達 予 定 が あ る と 回 答 し た 12 社の調達予定船舶に関する回答の詳細は別添 9 のとおり。 な お 、 訪 問 イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た 企 業 の う ち Berlian Laju Tanker か ら は 、 今 後 の 調 達予定船舶リストを入手した。 表 23 Berlian Laju Tanker の調達予定船舶リスト 2006 年 8 月 31 日 現 在 発注先造船所 下ノ江造船 臼杵造船所 新来島どっく 福岡造船 STX SHIP YARD HYUNDAIHEAVY INDUSTRIES 船舶名 GAS SULAWESI GAS PAPUA GAS BALI MT.PERTIWI MT.PUJAWATI MT.PRITA DEWI MT.PURWATI MT.PUSPAWATI MT.PRAMONI MT.PRAMESTI MT.PURBASARI MT.GAS LOMBOK MT.GAS SUMBAWA MT.LNG-1 MT.LNG-2 船舶タイプ LPG 5000cbm LPG 5000cbm LPG 5000cbm Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Chemical/19,000dwt Ethylene9000M3 Ethylene9000M3 LNG Carrier155,000M3 LNG Carrier155,000M3 納入時期 27-Oct-2006 1-Feb-2007 May-June-2007 28-Jun-2006 29-Sep-2006 26-Jul-2006 End of Feb-2007 9-Jan-2006 End of May-2008 Apr-2009 End of Jan-2009 June-July-2008 July-August-2008 15-Nov-2008 15-Mar-2009 出 所 : Berlian Laju Tanker - 34 - (13) 調達の背景 調 達 の 背 景 に つ い て 複 数 回 答 で 聞 い た と こ ろ 、需 要 増 と 回 答 し た 企 業 が 9 社 、 規 制 の 変 更 が 7 社 、そ の 他 が 4 社 で あ っ た 。そ の 他 の 理 由 に は 、「 老 朽 船 の 買 い 替 え 」「 コ ン テ ナ 化 へ の 対 応 」「 チ ャ ー タ ー の コ ス ト が 高 い た め 」 な ど で あ っ た 。 (14) 納入トラブル 納入トラブルについて聞いたところトラブルがあったと回答したのはプルタミナ・シ ッ ピ ン グ の 1 社 の み で あ っ た 。別 の 1 社 は 過 去 の 納 期 ト ラ ブ ル で は な い が 、2009 年 ま で 納入してもらえない点が問題と指摘している。造船需要の高まりで造船所が建造能力満 杯の状態で操業しているため、早期の納入ができない状況になっており、インドネシア の船主もその影響を受けていることがわかる。 また、その他のコメントでは、インドネシアにおける金利の高さが船舶調達の障害に なっているという意見があった。 アンケートからは、貨物輸送需要の高まり、前述のようなカボタージュ規制による国 内海運業者の輸送能力増強の必要性から、旺盛な船舶調達需要はあるものの、造船所の 建造能力や、金利の高さなどの問題に直面している企業のあることがわかる。 3-2 主要海運会社の概要 今回のアンケート回答企業のうち、上場企業 5 社について概説する。 (1) PT Arpeni Pratama Ocean Line Tbk 1975 年 に 設 立 さ れ た 海 運 会 社 で 船 主 、船 舶 運 航 、船 舶 マ ネ ー ジ メ ン ト 、代 理 店 業 務 な ど に 従 事 し て い る 。2005 年 に ジ ャ カ ル タ 証 券 取 引 所 に 上 場 し た 。バ ル ク 貨 物( 主 に 石 炭 )、 合板やパルプなどの一般貨物、石油ガス産業向けの液体輸送に従事している。バルク貨 物 は 同 社 の 売 り 上 げ の 約 6 割 を 占 め る が 、そ の 多 く を 占 め る 石 炭 は 主 に 発 電 所 向 け で あ る 。同 社 は 発 電 所 向 け の 石 炭 輸 送 市 場 で は 国 内 の 24% の シ ェ ア を 持 つ と み ら れ て い る 41 。 一般貨物輸送は主に合板、パルプ、紙などの輸送で、仕向け地は日本、台湾、中国、韓 国 で あ る 。平 均 8500DWT の 船 舶 5 隻 を 一 般 貨 物 輸 送 に 使 用 し て い る 。液 体 貨 物 は 同 社 の主力事業ではないが、プルタミナなどの石油会社に船舶を長期チャーターしており、 定期的に用船料が入っている。 同 社 の 2005 年 度 の 売 り 上 げ 内 訳 は 図 8 の と お り 。 41 DGS Vickers 証 券 2006 年 6 月 2 日 ”Indonesia Result Analyzer Arpeni Pratama Ocean” - 35 - 2006年度(見込み) 2005年度 代理店 サービス 9.4% その他 0.5% 液体貨物 10.7% 液体貨物 13.6% バルク貨 物 60.0% 一般貨物 16.5% 図 8 その他 0.5% 代理店 サービス 9.9% バルク貨 物 62.3% 一般貨物 16.6% PT Arpeni Pratama Ocean Line Tbk の売り上げ内訳 出 所 : DBS Vickers 証 券 同 社 の 所 有 船 舶 数 は 、下 記 の 通 り 2003 年 度 か ら 2005 年 度 の 2 年 間 で 約 倍 増 し て い る 。 ま た 、 下 記 の 通 り 2005 年 末 に は 50 隻 で あ っ た が 、 2006 年 9 月 の イ ン タ ビ ュ ー 時 の 情 報 で は 58 隻 と な っ て お り 、 DBS Vickers 証 券 の 予 測 で は 2006 年 末 に は 67 隻 ま で 増 え る見込みとされている。 表 24 PT Arpeni Pratama Ocean Line Tbk の商船態の規模の推移 単 位 : DWT, % 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 454,838 405,767 493,770 510,120 641,453 液体貨物船 35,831 45,996 75,994 67,036 75,994 一般貨物船 41,188 41,188 41,188 46,188 61,188 531,857 492,951 610,952 623,344 778,635 19 18 39 54 54 液体貨物船 1 4 5 5 5 一般貨物船 5 5 5 7 7 クルーボート 1 1 1 1 1 26 28 50 67 67 バルク貨 物 船 98.72% 92.47% 96.82% 99% 99% 液体貨物船 94.52% 100.00% 98.39% 99% 99% 一般貨物船 98.36% 98.30% 96.66% 99% 99% 合計 98.68% 96.73% 97.88% 99% 99% 区 分 商 船 隊 規 模 (DWT) 所 有 およびチャーター バルク貨 物 船 合計 船舶数 バルク貨 物 船 合計 商船隊利用率 出 所 : DBS Vickers 証 券 - 36 - 船 舶 数 の 増 加 に 伴 い 、売 上 高 も 上 昇 し 、2005 年 に は 前 年 比 38% 増 の 1 兆 1,679 億 3,800 万 ル ピ ア を 記 録 、 税 引 き 前 利 益 も 991 億 5,100 万 ル ピ ア か ら 1,893 億 ル ピ ア と 91% 増 となった。 表 25 PT Arpeni Pratama Ocean Lines Tbk の財務内容 単 位 : 100 万 ル ピ ア 区 分 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 所有船舶 511,886 751,944 1,095,344 1,344,958 チャーター船舶 246,492 300,978 150,489 75,245 代理店 84,523 109,742 120,717 132,788 その他 2,966 5,273 5,801 6,381 合計 845,867 1,167,938 1,372,351 1,559,372 粗利益 257,048 386,113 税引き前利益 99,151 189,300 純利益 77,220 168,720 出 所 : DBS Vickers 証 券 、 及 び PT Arpeni Pratama Ocean Lines Tbk ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト (2) Berlian Laju Tankers 1981 年 に 設 立 、 船 主 、 船 舶 運 航 、 船 舶 チ ャ ー タ ー 、 代 理 店 業 務 な ど に 従 事 し て い る 。 1990 年 に は イ ン ド ネ シ ア の 海 運 会 社 と し て は 初 め て ジ ャ カ ル タ 株 式 市 場 に 上 場 し た 。 2006 年 10 月 に は シ ン ガ ポ ー ル 株 式 市 場 に も 上 場 し た 。32 隻 の ケ ミ カ ル タ ン カ ー を 所 有 し、化学品輸送では大手。インドネシアにおけるカボタージュ制度の強化により、プル タミナは国内の石油輸送や石油の輸入にも国内海運会社を使う動きがすすんでおり、同 社 も リ ビ ヤ か ら の 石 油 輸 入 輸 送 の 契 約 を 受 注 し て い る 42 。 同 社 所 有 石 油 タ ン カ ー の う ち 輸 送 能 力 の 35% 程 度 は プ ル タ ミ ナ に チ ャ ー タ ー し て い る と み ら れ て い る 43 。 2005 年 の 売 り 上 げ は 対 前 年 比 94% 増 の 2 兆 6,171 億 9,200 万 ル ピ ア 、 税 引 き 後 利 益 は 対 前 年 比 165% 増 の 6,451 億 8,600 万 ル ピ ア を 記 録 し た 。2006 年 は 石 油 の 輸 送 運 賃 相 場 が 対 前 年 比 31% 程 度 下 降 し た が 、化 学 品 輸 送 の 運 賃 が 堅 調 に 推 移 し 、売 り 上 げ は 12% 増 の 2 兆 9,215 億 ル ピ ア 、税 引 き 後 利 益 は 、3 隻 の タ ン カ ー を 売 却 し た こ と も あ り 、92% 増 の 1 兆 2,412 億 ル ピ ア が 見 込 ま れ て い る 。 42 DBS Vickers 証 券 2006 年 8 月 24 日 43 Danereksa 証 券 レ ポ ー ト 2006 年 12 月 7 日 - 37 - 表 26 Berlian Laju Tankers Tbk の売り上げ内訳 単 位 : 100 万 米 ド ル 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 化学品 76.0 112.7 155.1 133.2 133.8 154.4 石油 29.2 29.9 97.9 146.8 153.3 148.4 ガス 4.8 7.5 12.5 16.0 21.9 23.3 その他 3.1 1.5 0.9 2.8 11.3 9.7 合計 113.1 151.6 266.4 298.8 320.3 335.8 化学品の占める割合 67.2% 74.3% 58.2% 44.6% 41.8% 46.0% 石油の占める割合 25.8% 19.7% 36.7% 49.1% 47.9% 44.2% ガスの占める割合 4.2% 4.9% 4.7% 5.4% 6.8% 6.9% その他の占める割合 2.7% 1.0% 0.3% 0.9% 3.5% 2.9% 区 分 註 : 2006 年 度 以 降 は CIMB-GK 証 券 推 測 値 出 所 : 同 社 ウ ェ ブ サ イ ト お よ び CIMB-GK 証 券 表 27 Berlian Laju Tanker Tbk の財務状況 単 位 : 10 億 ル ピ ア 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 1,351.4 2,617.2 2,921.5 2,938.1 3,098.5 税引き前利益 247.8 653.0 1,250.0 1,034.1 933.2 税引き後利益 243.2 645.2 1,241.2 1,020.1 918.5 区 分 売り上げ 註 : 2006 年 度 以 降 は CIMB-GK 証 券 推 測 値 出 所 : 同 社 ウ ェ ブ サ イ ト お よ び CIMB-GK 証 券 2007 年 1 月 か ら は MARPOL 条 約 に よ り 、化 学 製 品( 食 用 油 を 含 む )を 輸 送 す る タ ン カ ー は IMO II / III 準 拠 を 義 務 付 け る 規 制 が 発 効 す る 。こ の た め 、化 学 品 輸 送 運 賃 が 25% 程 度 上 昇 す る と 見 込 ま れ て い る 。 同 社 の タ ン カ ー は す べ て IMO II/III に 準 拠 し て お り 、 化 学 品 輸 送 に お け る 売 り 上 げ ・ 利 益 増 を 見 込 ん で い る 。 44 ま た 、同 社 は 2009 年 ま で に 4 億 5,000 万 ~ 5 億 米 ド ル を 投 じ て 船 舶 15 隻 を 追 加 す る 予 定 で あ る 45 。 (3) Humpuss Intermoda Transportasi Tbk 1986 年 に 設 立 、1997 年 に ジ ャ カ ル タ 証 券 取 引 所 に 上 場 し た 海 運 会 社 で 、LNG、石 油 、 メ タ ノ ー ル /化 学 品 、石 炭 貨 物 の 輸 送 、船 舶 マ ネ ー ジ メ ン ト 、船 舶 代 理 店 業 務 に 従 事 し て い る 。 石 油 お よ び LNG タ ン カ ー は 長 期 契 約 で プ ル タ ミ ナ に チ ャ ー タ ー し て い る 。 プ ル タ ミ ナ に は 7 隻 の タ ン カ ー 、 1 隻 の LNG タ ン カ ー を チ ャ ー タ ー し て い る 。 メ タ ノ ー ル キ ャ リ ア は 関 連 会 社 の Humpuss Trading が メ タ ノ ー ル 輸 送 に 利 用 し て い る 。 44 CIMB BK 証 券 2006 年 12 月 1 日 45時 事 通 信 2006 年 9 月 12 日 - 38 - 2005 年 の 売 り 上 げ は 対 前 年 比 15% 増 の 8,160 億 ル ピ ア と な っ た が 、 純 利 益 は 5% 減 の 1,430 億 ル ピ ア で あ っ た 。 表 28 Humpuss Intermoda Tranposrtasi Tbk の財務状況 単 位 : 10 億 ル ピ ア 区 分 2003 年 2004 年 2005 年 売り上げ 670 712 816 粗 利 益 318 323 334 営業利益 265 260 268 純 利 益 148 151 143 出所:同社ウェブサイト (4) PT Samudera Indonesia Tbk PT Samudera Indonesia Tbk は 1964 年 に 設 立 さ れ 、域 内 の コ ン テ ナ 輸 送 、タ ン カ ー サービス、オフショアサービス、重機やコンテナの陸上輸送サービス、コンテナの保管 及びメンテナンスサービス、倉庫業、通関業などに従事しているほか、外国海運会社の 代 理 業 も 行 っ て い る 。 1999 年 に ジ ャ カ ル タ 証 券 取 引 所 に 上 場 し た 。 1988 年 に ジ ャ カ ル タとシンガポール間のフィーダーサービスを開始し、コンテナ事業に参入。その後フィ ーダーサービスをインドネシアのジャカルタ以外の港、さらにマレーシアにも拡大して い っ た が 、域 内 の 積 み 替 え ハ ブ で あ っ た シ ン ガ ポ ー ル が 中 心 と な る た め 、1993 年 に フ ィ ー ダ ー コ ン テ ナ サ ー ビ ス 会 社 Samudera Shipping Lines (SSL)を シ ン ガ ポ ー ル に 設 立 、 2000 年 に は シ ン ガ ポ ー ル 株 式 市 場 二 部 に 上 場 さ せ た 。SSL は 現 在 で は 中 東 、イ ン ド 洋 、 東 南 ア ジ ア 、 極 東 に も 航 路 を 持 つ 。 ま た 、 SLL の 子 会 社 の Foremost Maritime 社 は 石 油や化学品などの輸送にも従事している。 PT Samudera Indonesia Tbk は 持 ち 株 会 社 で 、 2005 年 度 の 同 社 の 売 り 上 げ は 対 前 年 比 28% 増 の 4 兆 5,240 億 ル ピ ア 、純 利 益 は 対 前 年 比 69% の 3,430 億 ル ピ ア を 記 録 し た 。 表 29 PT Samudera Indonesia Tbk の財務内容 単 位 : 10 億 ル ピ ア 2003 年 2004 年 2005 年 売り上げ 2,837 3,541 4,524 営業利益 98 351 541 税引き前利益 74 330 557 純 利 益 43 203 343 区 分 出 所 : Worldscope database 一 方 、Samudera Shipping Lines 社 の 2005 年 度 の 売 り 上 げ は 対 前 年 比 14% 増 の 6 億 8,038 万 S ド ル 、 税 引 き 後 利 益 は 52% 増 の 8,330 万 S ド ル を 記 録 し た 。 - 39 - 表 30 Samudera Shipping Lines 社の財務内容 単 位 : 100 万 S ド ル 2003 年 2004 年 2005 年 売り上げ 505.1 596.3 680.4 営業利益 9.4 54.7 84.4 税引き前利益 9.6 55.2 84.7 純 利 益 8.6 54.8 83.3 区 分 出所:同社アニュアルレポート な お 、Samudera Indonesia は 2007 年 に 2 億 ド ル を 投 じ て LNG タ ン カ ー を 2 隻 購 入 す る こ と を 2006 年 9 月 に 発 表 し て い る 。 タ ン カ ー 2 隻 の 輸 送 能 力 は 14 万 5,000DWT。 英 石 油 大 手 B P が 主 導 す る タ ン グ ー・ガ ス 事 業( 西 イ リ ア ン ジ ャ ヤ 州 )で 生 産 さ れ る LNG を 、 イ ン ド と 中 国 向 け に 20 年 間 輸 送 ( 契 約 総 額 8 億 5,000 万 ド ル ) に 使 わ れ る 。 タ ン カ ー は 日 本 で 建 造 さ れ る 予 定 で 、2007 末 の 建 造 完 了 予 定 で 2008 年 の 運 航 開 始 を 目 標 と し て い る 。 46 ま た 、 2007 年 1 月 に は 5,000 万 米 ド ル 以 上 を 投 じ て コ ン テ ナ 2 隻 を 購 入 す る 計 画 を 発 表 し た 。 コ ン テ ナ 船 の 輸 送 能 力 は 1,500TEUs で あ る 。 47 (5) PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk は 1987 年 に 設 立 さ れ た 主 に 国 内 の コ ン テ ナ 輸 送 に従事する海運会社である。ハブ港のジャカルタとスラバヤとその他のインドネシア国 内主要港の間を運航している。主な貨物は米、小麦、砂糖、セメント、その他一般貨物 である。従来これらの貨物はバルク船で輸送されていたが、安全で効率的な貨物輸送へ のニーズが高まる中で、コンテナ化がすすんでいる。海外の主要港への航路も開設して お り 、ジ ャ カ ル タ と マ レ ー シ ア の ポ ー ト ク ラ ン 、シ ン ガ ポ ー ル 、タ イ の レ ム チ ャ バ ン 港 、 バ ン コ ク 港 を 結 ん で い る 。 ま た 、 子 会 社 PT Perusahaan Bongkar Muat Jasa Trisari を 通 じ て ジ ャ カ ル タ 港 で の 荷 役 作 業 も 行 っ て い る 。2003 年 に ジ ャ カ ル タ 証 券 取 引 所 に 上 場した。 2005 年 の 売 り 上 げ は 対 前 年 度 71% の 3,656 億 ル ピ ア 、 純 利 益 は 前 年 よ り 2.5 倍 近 い 539 億 5,300 万 ド ル に 達 し た 。 46時 事 通 信 47時 事 通 信 2006 年 9 月 20 日 2007 年 1 月 22 日 - 40 - 表 31 PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk の財務内容 単 位 : 10 億 ル ピ ア 2003 年 2004 年 2005 年 売り上げ 179.4 365.7 625.8 営業利益 32.4 73.7 164.0 税引き前利益 29.7 58.3 135.3 純 利 益 33.0 54.0 126.5 区 分 出所:同社ウェブサイト 4 造船業界の現状 大 統 領 指 令 第 5 号 で は カ ボ タ ー ジ ュ 原 則 の 徹 底 に よ る 国 内 海 運 業 の 発 展 に 併 せ て 、造 船業の発展推進を目指すことを謳っている。本章では海運振興政策において船舶の供給 源となる造船業界について概略する。 4-1 造船業界の概要 イ ン ド ネ シ ア の 造 船 産 業 は 旧 オ ラ ン ダ 植 民 地 時 代 の 修 理 ド ッ ク を 政 府 が 1960 年 に 接 収し、国営企業として運営を続けている造船所やその後新たに設立された国営造船所が 中 心 と な っ て い る 。 中 で も 大 手 は 、 オ ラ ン ダ か ら 接 収 し た 造 船 所 3 ヶ 所 と 1960 年 代 に 設 立 し た 造 船 所 4 ヶ 所 が 合 併 し た DKB Shipyard (Dok Perkapalan Kodja Bahari)で 、 同 社 は ス マ ト ラ 島 Sabang, Padang, Palemban、 カ リ マ ン タ ン 島 Banjarmasin, ジ ャ カ ル タ に 5 ヶ 所 、ジ ャ ワ 島 Cirebon, Semarang の 合 計 11 ヶ 所 に 造 船 所 を 持 つ 。ま た 、ス ラ バ ヤ の 海 軍 造 船 所 を 改 築 し て 1980 年 に 設 立 さ れ た 国 営 の PT Pal は 、 最 新 の 設 備 を 有し、大型船、軍艦、特殊船舶、海洋オフショア構造物の建造能力を持つインドネシア 屈指の造船所である。 一 方 、 シ ン ガ ポ ー ル か ら フ ェ リ ー で 40 分 に 立 地 す る バ タ ム 島 で は 、 多 く の シ ン ガ ポ ール系造船所が多く立地し、インドネシアでの一大造船集積地を形成している。今回、 本 調 査 の 実 施 に あ た り 、 バ タ ム 島 に 1989 年 に 設 立 し た PT Palma Progress Shipyard に訪問インタビューを行った。同社によると、バタム島では当初、エンジン付きの海上 浮 体 物 の 建 造 は 認 め ら れ て い な か っ た が 、1994 年 頃 か ら 認 め ら れ る よ う に な り 、そ れ を 機にシンガポールからの進出が増えたという。シンガポールは土地面積や労働者数など の面で事業拡大がしにくくなっていたが、バタム島には土地があり、シンガポールの造 船 所 の 事 業 拡 大 に は 格 好 の 選 択 肢 と な っ た わ け で あ る 。 現 在 で は 45 社 の 造 船 所 が 島 の 東 側 を 中 心 に 立 地 し て お り 、そ の う ち イ ン ド ネ シ ア 資 本 は PT Palma Progress Shipyard と PT Vandar Victory Shipyard 社 の 2 社 、 そ の 他 は シ ン ガ ポ ー ル 資 本 な ど の 外 資 と の ことである。また、活発な外資系造船所の進出により、バタム島には造船関連の裾野産 業 も 発 達 し て き て い る と い う 。 2006 年 に は ほ と ん ど 毎 月 の よ う に 新 規 参 入 が あ っ た が 、 最 近 は 立 地 す る 場 所 が 少 な く な っ た 。 PT Palma Progress Shipyard に よ る と 、 州 政 府 はバタム島ではなく、隣接するカリムン島で造船産業を育成したい考えで、新規の造船 - 41 - 投資はカリムン島に誘導する動きがあるようだ。 な お 、イ ン ド ネ シ ア 造 船 工 業 会 (IPERINDO)の 2006 年 ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト に よ る と 、 工 業 省 に 登 録 さ れ て い る 造 船 所 は 240 社 で あ る が 、そ の 大 半 は 小 規 模 修 理 造 船 所 で あ る 。 造船所の立地を地域別にみると、最も多いのはスマトラ島(バタム島を擁するリアウ 州 が ス マ ト ラ 島 南 部 に あ る た め 、バ タ ム 、ビ ン タ ン 、カ リ ム ン 島 を 含 む )で 、82 社 が 立 地 し 、年 間 新 造 船 能 力 は 11 万 6,600GT、年 間 修 繕 能 力 は 378 万 4,100GT と な っ て い る 。 こ の う ち 企 業 数 の 4 割 、年 間 新 造 船 能 力 及 び 年 間 修 繕 能 力 の 約 4 分 の 3 は 、前 述 の よ う にシンガポール資本をはじめ外資系の造船所が多く立地するバタム島が占めている。ス マトラ島でバタムに次いで造船産業が集積しているのは、スマトラ島最大の都市メダン の 近 郊 、べ ラ ワ ン で 10 社 が 立 地 し て い る 。今 回 の 調 査 で 、べ ラ ワ ン に 立 地 す る PT Warna Nusa Sentana Shipyard に 訪 問 イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た 。同 社 に よ れ ば 、ベ ラ ワ ン の 造 船 所は同社が最大で、それ以外は中小の造船所がほとんどだという。 ス マ ト ラ 島 に 続 い て 造 船 所 が 多 い の は ジ ャ ワ 島 で 、77 社 が 立 地 し 、年 間 新 造 船 能 力 は 27 万 2,800GT、 年 間 修 繕 能 力 は 219 万 3,000GT と な っ て い る 。 そ の う ち 、 ジ ャ カ ル タ に は 36 社 が 立 地 し て い る 。 地 域 別 造 船 所 の 立 地 状 況 は 表 32 の と お り で あ る 。 な お 、 同 資 料 は 上 述 の 工 業 省 に 登 録 さ れ て い る 造 船 所 数 と 同 様 、IPERINDO の 2006 年 ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト か ら 抜 粋 し た も の で あ る 。 造 船 所 数 は 合 計 249 と な っ て い る が 、 こ の う ち 11 ヶ 所 は 政 府 系 の DKB Shipyard に 属 す る も の で 、 企 業 数 と し て は 239 社 に な り 、 同 じ IPERINDO の 2006 年 ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト に 記 載 さ れ て い る 上 述 の 企 業 数 240 社 と 若 干 異 な る 。 表 32 地域 スマトラ島 インドネシアの地域別造船所立地状況 年 間 新 造 船 能 力 (GT) 116,600 82 15,000 1 445,500 10 30,000 4 2,976,000 32 5,000 2 132,000 8 3,500 20,000 7 10,000 152,600 15 600 8,000 3 16,000 Riau Batam* 86,500 Padang Jambi Bangka Palembang Lampung 造船所数 3,784,100 Sabang Belawan 年 間 修 繕 能 力 (GT) - 42 - ジャワ島 272,800 Cilegon 2,193,000 77 21,000 4 Jakarta 77,200 1,139,900 36 Cirebon 8,000 60,000 1 Cilacap Tegal 1 1,000 40,000 10 16,600 187,000 6 166,000 730,100 16 4,000 15,000 3 198,100 56 Pontianak 30,000 5 Balikpapan 51,600 14 Samarinda 57,500 20 Banjarmasin 59,000 17 10,000 327,000 18 Bitung 2,000 148,000 8 Makasar 8,000 155,000 6 Kendari 24,000 4 マラク島 22,000 4 Ambon 22,000 4 イリアンジャヤ島 58,000 12 Sorong 31,000 5 Jayapura 27,000 7 6,582,200 249 Semarang Surabaya Banyuwangi カリマンタン島 スラウェジ島 合計 399,400 註:Batam の数字には、ビンタン島に立地する 3 社、カリムン島に立地する1社が含まれる。 出 所 : IPERINDO2006 年 版 ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト よ り 作 成 4-2 造船所アンケート 今 回 、IPERINDO の 協 力 を 得 て IPERINDO に 所 属 す る 造 船 所 へ の ア ン ケ ー ト を 実 施 し た 。IPERINDO に 所 属 す る 造 船 所 46 社 中 、12 社 か ら 回 答 を 得 た 。回 答 企 業 の リ ス ト は以下のとおりである。 - 43 - 表 33 アンケート回答企業リスト 会社名 所在地 PT. DAYA RADAR UTAMA Jakarta PT. DOK & PERKAPALAN KODJA BAHARI Jakarta PT. DOK DAN PERKAPALAN SURABAYA Surabaya PT. INDONESIA MARINA SHIPYARD Jawa Timur PT. INDUSTRI KAPAL INDONESIA (PERSEO) / IKI Makassar PT. INGGOM SHIPYARD Jakarta South PT. INTAN SENGKUNYIT Sumatera PT. JASA MARINA INDAH Jakarta PT. NAGOPATMOLO Banjarmasin PT. PAL INDONESIA (PERSERO) Surabaya PT. PALMA PROGRESS SHIPYARD Batam PT. WARNA NUSA SENTANA Medan *前 述 の よ う に 、 PT Dok & Perkapalan Kodja Bahari は ジ ャ カ ル タ を 含 め 11 ヶ所に造船所を有する。ジャカルタは本社所在地でもある。 以下、アンケート結果の分析を概説する。 (1) 事業内容 回 答 企 業 の す べ て が 造 船 に 従 事 し 、10 社 が 修 繕 に 従 事 し て い る 。船 舶 素 材 タ イ プ で み る と 、回 答 企 業 の す べ て が 鋼 製 船 舶 の 建 造 を 行 っ て お り 、ア ル ミ ニ ウ ム は 2 社 、FRP は 1 社 、木 造 は 2 社 で あ る 。ま た 機 器 の 修 理 に も 従 事 し て い る 企 業 は 8 社 あ っ た 。 「その他」 と 回 答 し た 3 社 は 、具 体 的 に は エ ン ジ ニ ア リ ン グ 、鋼 製 構 造 物 の 建 造 な ど を 行 っ て い る 。 表 34 区 分 (2) アンケート回答企業の事業内容 鉄鋼 アルミニウム FRP 木造 造船 12 12 2 1 2 修繕 10 10 3 1 2 機器修理 9 - - - - その他 3 - - - - 資本金 インドネシアでは通常、資本金などの財務情報は公開していないが、4 社については 開 示 し て も ら っ た 。100 億 ル ピ ア 以 下 の 企 業 が 3 社 、1 兆 ル ピ ア 以 下 が 1 社 、10 兆 ル ピ ア以下が 1 社となっている。 - 44 - (3) 売り上げ 売 り 上 げ に つ い て も 通 常 、上 場 企 業 以 外 は 開 示 し て い な い が 、今 回 は 9 社 か ら 回 答 を 得 た 。 9 社 中 3 社 は 100 億 ル ピ ア 未 満 ( 約 110 万 米 ド ル ) 未 満 、 4 社 が 1,000 億 ル ピ ア 未 満 ( 約 1,100 万 米 ド ル ) 未 満 で 、 売 り 上 げ 規 模 は そ れ ほ ど 大 き く な い 造 船 所 が 多 い 。 ち な み 、1 兆 ル ピ ア 以 上 と 回 答 し た の は 、国 営 の PT Pal で 、2005 年 の 売 上 額 は 1 兆 626 億ルピアであった。 表 35 回答企業の売上高 100 億 ルピア未 満 3 1,000 億 ルピア未 満 4 1 兆 ルピア未 満 1 1 兆 ルピア以 上 1 無回答 1 合 計 (4) 10 企業体 回 答 企 業 10 社 は 全 て イ ン ド ネ シ ア 地 場 資 本 の 企 業 で あ る 。 政 府 系 か 民 間 か は ア ン ケ ートの設問には加えていないが、調べたところ、次の 4 社は政府系であった。 PT Dok & Perkapalan Kodja Bahari PT Dok Dan Perkapalan Surabaya PT Industri Kapal Indonesia PT Pal Indonesia (5) 設立年 設 立 年 に つ い て は 8 社 か ら 回 答 が あ っ た 。1970 年 代 に 設 立 さ れ た と こ ろ が 最 も 多 く 4 社 、ほ か は 1910 年 代 、2000 年 代 が そ れ ぞ れ 1 社 ず つ 、1980 年 代 、 1990 年 代 が そ れ ぞ れ 2 社ずつとなっている。 (6) 従業員数 従 業 員 数 に つ い て 聞 い た と こ ろ 、 政 府 系 造 船 所 の 直 接 雇 用 人 員 は 700 人 か ら 2000 人 以 上 と 大 規 模 で あ る が 、民 間 造 船 所 は 数 十 人 か ら 多 く て も 100 人 強 の と こ ろ が 多 く 、民 間 造 船 所 の 規 模 が 小 さ い こ と が わ か る 。 バ タ ム の PT Palma Progress 社 は 1200 人 と 民 間では規模が大きいが、これは下請けと合わせての人数で、直接雇用人数は非公開であ っ た 。 二 大 造 船 所 の PT. Dok & Perkapalan Kodja Bahari と PT Pal は そ れ ぞ れ 技 術 ス タ ッ フ だ け で 1000 人 以 上 抱 え て い る 。 回 答 企 業 の 従 業 員 数 一 覧 は 別 添 10 の と お り 。 (7) 下請けの利用 回 答 企 業 12 社 全 て が 下 請 け を 使 っ て い る 。 下 請 け に 出 す 業 務 を 複 数 回 答 で 聞 い た と ころ、空調、塗装、鉄骨構造物を挙げた企業がそれぞれ 9 社で最も多くなっている。 - 45 - 表 36 (8) 下請けに出す業務(複数回答) 空調 9 塗装 9 設計 4 配管 8 機械加工 2 鉄骨構造物 9 その他 4 造船実績 過 去 3 年 間 の 主 な 造 船 実 績 を 聞 い た と こ ろ 9 社 か ら 回 答 が あ っ た 。 表 37 に 示 す よ う に 、 PT PAL 以 外 は 小 型 船 の 建 造 が 多 い 。 表 37 造船所名 PT. DAYA RADAR UTAMA PT. Dok & Perkapalan Kodja Bahari アンケート回答企業の造船実績 顧客名 海運総局長室 海運総局長室 顧 客 タイプ 政府機関 政府機関 民間企業 国内企業 PT. Pelindo III, Surabaya Dir. Jend PerHub. Darat PEMDA BENGKALIS Prop. Riau PT.PEL M EKAR SEJATI KHARISMA Dir. Jend PerHub. Darat 造船実績例 建造船舶数 建 造 船 舶 タイプ 貨 物 船 、旅 客 船 9 3 Ro-Ro 船 3 2x 550HP 政府機関 500GRT 350GRT 1000DWT PT. INDUSTRI KAPAL INDONESIA (PERSEO) / IKI 運輸省 政府機関 7 PT. INGGOM SHIPYARD 非公表 政府機関 2 1 1 PT. JASA MARINA INDAH Misi, USA 外国民間企業 PT. RIG PT. MBS PT. MBSS PT. KLI PT. KSA PERTAMINA CUBE S.P.A SIDER NAVIGACAOLDA MS STADT SOLINGEN GmbH & Co MS EMBDENS WEVAART GmbH & Co 外国民間企業 PT. NAGOPATMOLO PT. PAL INDONESIA (PERSERO) PT PALMA PROGRESS PT WARUNA NUSA SENTANA タグボート 建造船舶規模 500 DWT 100-750 GRT 2 x 900 HP 2 x 1200 HP フェリー 300GRT 旅客船 200, 300, 500 GRT 200, 750 DWT タグボート 2x750 HP パイロット船 2x160 HP 係 留 ボート 2x80 HP 209 GT 49 GT 19 GT 1 バージ 500 DWT 国内政府機関 外国民間企業 M000208 M000225 タグボート、バージ タグボート、バージ タグボート、バージ バージ タグボート、バージ 石 油 タンカー 貨物船 8000 8000 8000 2500 8000 30000 DWT 185000 DWT 外国民間企業 M000226 貨物船 185000 DWT 外国民間企業 M000236 コンテナ船 50000 DWT 外国民間企業 M000237 コンテナ船 50000 DWT 10 バージ 15000GT 国内海運会社 石炭採掘会社 国内海運会社 - 46 - (9) 修繕実績 修 繕 実 績 に つ い て は 10 社 か ら 回 答 を 得 た 。 造 船 同 様 、 小 型 船 が 多 く な っ て い る 。 表 38 アンケート回答企業の修繕実績 修繕実績 造船所名 顧客名 顧客タイプ 修繕船舶数 修繕船舶タイプ 政府系企業 19 旅客船 港湾 政府機関 1 タグボート 海軍 政府機関 5 その他 政府機関 4 石油タンカー 政府系企業 1 旅客船 PT.DAYA RADAR PELNI UTAMA プルタミナ PUSRI PT.Dok & Perkapalan PT.RIG TENDERS Kodia Bahari PT.PELNI 2000-3000HP 8000DWT 一般貨物船 国内民間企業 政府系企業 旅客船 PT.JEMBATAN MADURA 国内民間企業 一般貨物船 PT. 外国民間企業 石油タンカー PT.ABADI 外国民間企業 タグボート 2005:50205GT 一般貨物船、旅客船、 2006(-okt):84937 タグボート、バージ GT に浮体修理を 25 隻 PT.INDONESIA 2005 年に浮体修理 MARINA SHIPYARD 非公表 PT.INDUSTRI KAPAL PT.ASDP INDONESIA(PERSEO)/ PT.RUSIANTO IKI 建造船舶規模 国内民間企業 を 17 隻、2006 年 その他 90 旅客船 300-600GRT 国内民間企業 10 バージ 300-400GRT BERSAUDARA PT.TONASA LINES その他 2 タグボート BAHARI NUSANTARA 国内民間企業 10 石油タンカー PI.INGGOM 非公表 国内民間企業 90 クルーボート SHIPYARD 非公表 国内民間企業 50 タグボート、バージ 非公表 国内民間企業 14 タグボート、LCT、MV 非公表 国内民間企業 7 タグボート、バージ バージ 非公表 国内民間企業 5 PT.INTAN PT.ADIQUATRO 国内民間企業 1 バージ SENGKUNYIT PT.SALAMBAHAGIA 国内民間企業 4 石油タンカー、一般貨物船 MASINDO MARINE PTE.LTD 外国民間企業 2 バージ PT.KARYATAMASRIWIJAYA 国内民間企業 2 バージ、タグボート 300GRT 500-1000DWT PT.BUMI CEUDAUA 国内民間企業 3 バージ、旅客船 PT.JASA MARINA PT.SPIL 国内民間企業 13/year コンテナ船 4350DWT INDAH PT.DLU 国内民間企業 4/year コンテナ船 5700DWT PT.KLI 国内民間企業 4/year 一般貨物船 4500DWT PT.GLS 国内民間企業 7/year 一般貨物船 4500DWT PT.RIO TENDERS 外国民間企業 PT.NAGOPA TMOLO PT.PAL INDONESIA ダクボート、バージ 8000 PT.MBS タグボート、バージ 8000 PT.MBSS タグボート、バージ 8000 PT.KLI バージ 2500 PT.KSA タグボート 8000 海軍 政府機関 インドネシアの軍艦 (PERSERO) その他 外国民間企業 石油タンカー、一般 貨物船、コンテナ船、 旅客船、タグボート、 漁船 PT.WARUNA NUSA 非公表 国内海運会社 SENTANA 非公表 政府系企業 コンテナ船、 非公表 政府系企業 タグボート、バージ - 47 - 150 オイルタンカー、バージ (10) 外国顧客の有無 12 社 中 半 数 以 上 の 8 社 が 外 国 顧 客 向 け の 仕 事 を し た こ と が あ る と 答 え て い る 。 (11) 外国市場 主な外国市場を挙げてもらったところ、オーストラリア、中国、ドイツ、インド、イ タリア、韓国、マレーシア、マルタ、オランダ、ポルトガル、シンガポール、台湾が挙 がった。 (12) 機器や資材の調達先 機器や資材の調達先、ブランド名を聞いたところ、電気設備、コンピューター、救済 防火設備、内装、アルミニウム、鉄鋼ではインドネシア国内調達を挙げる企業もあった が、エンジン、推進装置、レーダー、減速装置、発電機では日本製を上げる企業が多か った。航海機器や救済防火設備では中国製という声も上がっている。 表 39 アンケート回答企業の機器・資材調達先 機器・資材 エンジン 国 ブランド・メーカー イ ン ド 、日 本 、ド イ ツ 、 Yanmar, Mitsubishi, WARTSILA FINLAND OY, HRP Asia, Niigata, 韓国 Caterpilar, CAT, MAN B&W, MAK-Caterpillar, STX 推進装置 日本 - レーダー 日本 Furuno, JRC 減速装置 シンガポール、日本 HRP 発電機 英国、日本、ドイツ Taiyo, Stanford, Yanmar, Caterpillar その他補機 インドネシア、日本 PT. TEKNIK TADAKARA, Orient Marine, SIEMENS, TTS インドネシア、日本、 Legrend, Mitsubishi, Taiyo, Sanshin, ドイツ Thor コンピューター インドネシア、日本 Vascom Computer 航海計器 中国、日本、欧州 Furuno, Orient Marine 救命・防火設備 中 国 、日 本 、イ ン ド ネ PT. HASTA INSAN, PT. GADING MAS シア SAKTI, Surya Segara, PT. Adi Jaya 電気設備 Kusuma 内装 インドネシア、日本 CV. Gagas Laras Cipte アルミニウム インドネシア、日本 Komatsu, Seaplus/Korea 鉄鋼 イ ン ド ネ シ ア 、シ ン ガ HG Metal Manufacturing, PT.KS, PT. ポール、韓国 GDS, Krakatau Steel, SDS, KS, Krakatau Steel, Gunawan Dian Jaya Steel, Three house prima, Well Steel - 48 - (13) 今後の市場 今後有望と思われる市場について、複数回答で挙げてもらったところ、国内市場を挙 げ た と こ ろ が 11 社 、 輸 出 市 場 を 挙 げ た と こ ろ が 9 社 と な り 、 国 内 市 場 と 輸 出 市 場 両 方 への期待が高いことがわかる。また、輸出市場を具体的に挙げてもらったところ、アセ ア ン を 挙 げ た 会 社 は 12 社 中 10 社 と な り 、近 隣 諸 国 へ の 期 待 が 大 き い 。他 に は 、欧 州 を 挙げた企業が4社、北米 1 社となっている。 (14) 有望な分野 市 場 と し て 伸 ば し て い き た い 船 舶 タ イ プ を 聞 い た と こ ろ 、 造 船 で は タ グ ボ ー ト が 10 社、石油タンカー、旅客船がそれぞれ9社でとなった。修繕ではタグボート、バージが それぞれ 8 社で最も多くなっている。 表 40 アンケート回答企業の今後ビジネスを伸ばしたい船舶タイプ 区 分 造 船 修 繕 石 油 タンカー 9 7 ケミカルタンカー 3 3 一般貨物船 8 7 コンテナ船 8 7 旅客船 5 4 タグボート 10 8 漁 船 7 5 レジャーボート 2 1 バージ 8 8 その他 2 3 5 船舶需要 5-1 貨物量予測 BMI リ サ ー チ の 試 算 に よ る と 、イ ン ド ネ シ ア の 国 内 輸 送 及 び 国 際 輸 送 に 占 め る 内 航 海 運 の 割 合 は 2006 年 現 在 12.4% 、外 航 海 運 の 割 合 は 23% と な っ て い る 。陸 運 が 国 内 輸 送 及 び 国 際 輸 送 合 計 の 46% を 占 め て い る 。 17,000 以 上 の 島 か ら 成 る イ ン ド ネ シ ア で 陸 運 の割合がこれだけ多いのは、工業化がジャワ島など一部の国土に集中しているためと考 え ら れ る 。 こ の 傾 向 は こ こ 数 年 で 大 き く 変 化 す る も の で は な い が 、 内 航 海 運 量 の 2006 年 か ら 2011 年 は 43% 上 昇 、 年 平 均 伸 び 率 に し て 6.16% と な り 、 外 航 海 運 は 同 38% 、 年 平 均 伸 び 率 に し て 6.26% と 陸 運 や 鉄 道 よ り 高 い 伸 び が 見 込 ま れ て い る 。 - 49 - 表 41 インドネシアのモード別貨物輸送量(国内輸送及び国際輸送)の推移 単位:百万トン・キロ、% 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 CAGR 06-11* 運 20,034 21,056 22,353 23,632 25,244 26,882 28,715 30,642 32,687 5.56% 前 年 比 (%) 4.7% 5.1% 6.2% 5.7% 6.8% 6.5% 6.8% 6.7% 6.7% シ ェ ア (%) 47% 47% 47% 46% 46% 46% 46% 45% 45% 道 4,281 4,325 4,446 4,561 4,731 5,066 5,433 5,841 6,267 前 年 比 (%) -2.4% 1.0% 2.8% 2.6% 3.7% 7.1% 7.4% 7.3% 7.3% 区 分 陸 鉄 シ ェ ア (%) 10% 10% 9% 9% 9% 9% 9% 9% 9% 内航海運 4,809 5,201 5,784 6,325 6,835 7,319 7,863 8,439 9,053 前 年 比 (%) 7.1% 8.2% 11.2% 9.4% 8.1% 7.1% 7.4% 7.3% 7.3% シ ェ ア (%) 11.3% 11.6% 12.1% 12.4% 12.5% 12% 12% 12% 13% 外航海運 9,739 10,484 11,188 11,945 12,907 13,897 14,931 16,024 17,191 前 年 比 (%) 6.6% 7.7% 6.7% 6.8% 8.1% 7.7% 7.4% 7.3% 7.3% シ ェ ア (%) 23% 23% 23% 23% 24% 24% 24% 24% 24% 運 1,634 1,759 1,897 2,075 2,396 2,792 3,138 3,425 3,737 前 年 比 (%) 2.4% 7.7% 7.8% 9.4% 15.5% 16.5% 12.4% 9.1% 9.1% シ ェ ア (%) 3.85% 3.92% 3.96% 4.07% 4.38% 5.11% 5% 5% 5% パイプライン 2,003 2,106 2,247 2,387 2,580 2,793 3,001 3,220 3,455 前 年 比 (%) 4.7% 5.1% 6.7% 6.2% 8.1% 8.3% 7.4% 7.3% 7.3% 空 シ ェ ア (%) 4.7% 4.7% 4.7% 4.7% 4.7% 5% 5% 5% 5% 計 42,501 44,931 47,915 50,925 54,693 58,749 63,092 67,592 72,389 前 年 比 (%) 4.5% 5.7% 6.6% 6.3% 7.4% 7.4% 7.4% 7.1% 7.1% 総 註 : CAGR06-11 5.44% 6.16% 6.26% 10.3% 6.36% 6.04% 2006-2011 年 6 年 間 年 平 均 成 長 率 出 所 : BMI リ サ ー チ 、 2006 年 第 4 四 半 期 版 5-2 海運需要が見込まれる貨物 今後海運需要が見込まれる貨物としては、石炭、石油、化学品などの分野が挙げられ る。 (1) 石炭 インドネシアは深刻な電力不足で停電が頻繁におこり、これが製造業などの投資活性 化 の 足 か せ と も な っ て い る 。 さ ら に 国 営 電 力 会 社 PLN が 運 営 す る 発 電 所 の 多 く は 老 朽 化 し て い る 。 そ の た め 、 PLN で は 24 ヶ 所 の 石 炭 火 力 発 電 所 を 建 設 す る 計 画 で 、 総 発 電 能 力 8,500MW が 見 込 ま れ 、 2009 年 ま で に 完 成 さ せ る 予 定 で あ る 。 48 さ ら に 、 民 間 投 資 に よ る 総 発 電 力 1 万 MW の 石 炭 発 電 所 建 設 プ ロ ジ ェ ク ト も 始 動 し 、 2006 年 10 月 か ら 入 札 が 開 始 さ れ た 。11 月 に は 双 日 が 参 加 す る 企 業 連 合 が 南 ス マ ト ラ 州 の ム シ ラ マ ス 石 炭 火 力 発 電 所 ( 1200MW) の 電 力 売 買 契 約 を 結 ん だ 。 推 定 投 資 額 は 15 億 ド ル で 、 同 企 業 連 合 が 炭 鉱 開 発 か ら 発 電 所 の 建 設 ・ 操 業 を 担 う 。 49 48 49 DBS Vickers 証 券 2006 年 6 月 2 日 。 時 事 通 信 2006 年 11 月 2 日 - 50 - 10,000MW 分 の 発 電 に は 年 間 3000 万 ト ン の 石 炭 が 必 要 に な る と み ら れ て い る 50 。 INSA で は 、 現 在 の 商 船 隊 の ま ま で は 十 分 な 船 の 手 当 て は 困 難 で 、 電 力 セ ク タ ー 振 興 に 障 害 が で る と の 見 解 を 示 し て い る 。長 期 的 に は ハ ン デ ィ マ ッ ク ス 船 35 隻 、SEA TRAIN SHIP 55 隻 が 必 要 に な り 、 そ の 調 達 に は 12 億 5000 万 米 ド ル を 要 し 、 短 期 的 に は 2007 年 ま で に 18 隻 の ハ ン デ ィ サ イ ズ 船 が 必 要 に な る と し て い る 。 51 な お 、 2006 年 2 月 14 日 の DBS Vickers 証 券 の レ ポ ー ト に よ る と 、 イ ン ド ネ シ ア に お け る 石 炭 輸 送 大 手 は シ ン ガ ポ ー ル 系 の Sembawang Kimtrans や Labroy で あ る が 、 カ ボ タ ー ジ ュ 規 制 の 強 化 に よ り 、 国 内 海 運 会 社 で 石 炭 輸 送 強 い Arpeni Pratama Ocean Line 社 な ど が 有 利 に な る と 見 て い る 。 (2) 石油 国 営 石 油 会 社 の プ ル タ ミ ナ で は 石 油 や ガ ス の 輸 送 に 154 の 船 舶 を 使 用 し て い る が 、そ の う ち 所 有 し て い る の は 36 隻 の み で あ る 。 そ の た め 同 社 は 年 間 4 億 米 ド ル 程 度 を 船 舶 チャーター費用に投じているが、インドネシアの国内海運企業向けに発注されていたの は そ の 25% 程 度 で あ る 52 。カ ボ タ ー ジ ュ 規 制 の 強 化 に よ り 、プ ル タ ミ ナ の 用 船 契 約 が イ ンドネシア国内の海運会社に振り向けられると考えられ、石油タンカーやガスキャリア への需要も見込める。 ま た 、2006 年 9 月 に 同 社 に イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た と こ ろ 、用 船 料 が 高 い た め 、自 社 所 有 の 船 舶 を 増 や し た い 意 向 を 持 っ て い る 。実 際 、2007 年 2 月 に は 国 営 造 船 所 2 社 に タ ン カー3 隻を発注、さらに 5 隻の液化石油ガス輸送用タンカーを調達する計画を明らかに し た 。 液 化 石 油 ガ ス 輸 送 用 タ ン カ ー は 外 国 に 発 注 す る 計 画 で あ る 53 。 (3) 化学品 前 述 の よ う に 2007 年 1 月 よ り MARPOL 条 約 準 拠 の 船 舶 を 化 学 品 輸 送 に 使 う こ と が 義務付けられている。インドネシアではパーム粗油の生産が伸び、輸出量が世界トップ の マ レ ー シ ア に 迫 る 勢 い で 、パ ー ム 粗 油 輸 送 用 で MARPOL 条 約 準 拠 の 船 舶 の 需 要 が 伸 びることが予想される。またバイオ燃料への関心が高まり、インドネシアでもバイオ燃 料プラントへの投資が始動しているが、こうしたプラント向けの材料輸送のニーズも高 まるものと思われる。 (4) INSA 予 測 に よ る 船 舶 需 要 こうしたことから、石炭、パーム粗油、原油の内航海運需要を満たすために、インド ネ シ ア 船 主 協 会 ( INSA) は 政 府 と 造 船 迅 速 化 チ ー ム を 結 成 し た 。 同 チ ー ム に は 政 府 機 関 か ら は 工 業 省 、化 学 技 術 応 用 研 究 庁 、運 輸 省 、中 央 銀 行 、国 営 出 力 PLN、民 間 か ら は INSA な ど の 海 運 業 界 団 体 と 石 炭 鉱 業 協 会 が 参 加 。 造 船 は 国 内 の 造 船 所 に 委 託 す る こ と 50 51 52 53 時 事 通 信 2007 年 2 月 8 日 Asia Pulse2006 年 10 月 4 日 DBS Vickers 証 券 2006 年 6 月 2 日 時 事 通 信 2007 年 2 月 8 日 - 51 - に な っ て い る 。54 2006 年 9 月 に INSA か ら 入 手 し た 資 料 に よ れ ば 、イ ン ド ネ シ ア の 今 後 10 年 間 の 船 舶 需 要 は 2,553 隻 ~ 3,976 隻 と 見 込 ま れ 、そ の 内 訳 は 次 の と お り と な っ て いる。 表 42 今後 10 年間のインドネシアにおける船舶需要 No. 種別 重量 隻数 1 一 般 貨 物 (国 内 ) 3,500 - 5,000 DWT 1,200 - 1,700 2 一 般 貨 物 (海 外 ) 10,000 - 15,000 DWT 10 - 20 3 石 炭 キャリア(海 外 ) 60,000 - 70,000 DWT 18 - 20 4 バージ 5,000 - 8,000 DWT 400 - 800 5 タグボート 2,400 HP 500 - 1,000 6 多 目 的 一 般 貨 物 船 (海 外 ) 6,500 DWT 10 - 20 7 パームオイル運 搬 船 (国 内 ) 3,000 - 5,000 DWT 250 8 原 油 運 搬 船 (国 内 ) 35,000 DWT 30 9 原 油 運 搬 船 (VLCC)(海 外 ) 300,000 DWT 5 - 6 10 Clean Oil Carrier 3,500 DWT 72 11 Clean Oil Carrier 6,500 DWT 36 12 Clean Oil Carrier 17,500 DWT 12 13 Clean Oil Carrier 35,000 DWT 6 14 Clean Oil Carrier 85,000 DWT 4 - 2,553 - 3,976 合 計 出 所 : INSA (5) 問題点 一方、カボタージュ制度の強化により国内商船隊を増強するには課題もある。1 つは 船 舶 購 入 の 資 金 調 達 で あ る 。バ タ ム 島 の PT Palma Progress Shipyard に 訪 問 し た 際 も 、 船舶資金調達の問題を指摘していた。同社によると、インドネシアの銀行は船舶ファイ ナンスの経験が乏しく、 「 船 舶 の よ う に 移 動 し て い る も の 」を 担 保 に 融 資 す る こ と に 消 極 的なことが多く、同社の顧客も資金調達に苦労しているという。この問題を解消するた め 、大 統 領 指 令 第 5 号 で は 海 運 産 業 開 発 向 け 資 金 提 供 者 と な る ノ ン バ ン ク 金 融 機 関 の 開 発や、海運業界振興のために国内銀行がより積極的な役割を担うことを挙げている。運 輸 省 は 、カ ボ タ ー ジ ュ の 実 現 に 向 け た 内 外 銀 行 の 融 資 は 活 発 化 し て お り 、2005 年 7 月 に インドネシアが海上先取特権および船舶抵当権に関わる国際条約を批准して以来、国営 銀 行 に よ る 新 規・中 古 船 舶 の 調 達 融 資 は 1 兆 7,000 億 ル ピ ア に 達 し た と 発 表 し て い る 55 。 ま た INSA の ウ ン ト ロ 会 長 は 2006 年 5 月 、 国 内 船 舶 会 社 を 対 象 に 融 資 す る フ ァ イ ナ ン ス 機 関 の 設 立 計 画 が あ る こ と を 明 ら か に し た 56 。 徐 々 に で は あ る が 、 資 金 調 達 の 問 題 に 2006 年 9 月 27 日 時 事 通 信 2006 年 2 月 20 日 時 事 通 信 2006 年 5 月 4 日 54時 事 通 信 55 56 - 52 - も 取 り 組 ん で い る よ う で あ る 。し か し イ ン ド ネ シ ア の 国 内 金 利 は 2006 年 現 在 年 利 10% 前後と高いので、これも船舶購入資金調達においては阻害要因となっている。 ま た 、INSA の ウ ン ト ロ 会 長 は 、2006 年 9 月 に カ ボ タ ー ジ ュ 強 化 の 大 統 領 指 令 を 発 令 したあと1年たってもインドネシアの商船隊が増強されないのは、政府省庁間の連携が 悪いせいだと不満のコメントを発している。内航海運強化にあたっては、政府省庁間、 業界団体の密接な連携プレーが必要となろう。 5-3 日本からの輸出可能性 海運会社へのアンケートでは、資金力のある大手を中心に実施したが前述のアンケー ト分析のとおり、旺盛な購買意欲が感じられた。内航のみならず、外航船の分野でもプ ルタミナの船舶入札など、今後も活発な船舶需要が見込まれる。しかし、アンケートに 回答したのは一部の大手企業のみであり、それ以外の大方の中小船主については、船舶 を購入したくても資金調達の問題が立ちはだかっている。日本の造船所がインドネシア への輸出を考える場合、資金的な問題からどうしても一部の大手海運会社に焦点を絞る ことになろうが、その際にはインドネシア国内の造船所も含め、厳しい国際競争にさら される。需要増が見込まれているのは石炭輸送船やオイルタンカーなど、必ずしも日本 の技術でなくても建造できるものが多い。日本が強みを発揮できるのは一部の限られた 市場になる可能性もあることを留意すべきである。 - 53 - 白 - 54 - 別 添 資 - 55 - 料 白 - 56 - 別添1 PT Arpeni Pratama Ocean Line 所有船舶リスト No. Name of Vessel General Cargo Vessels 1 MV Alas 2 MV Gayatri 3 MV Hanjani 4 MV Dewi Laksmi 5 MV Dewi Parwati Type of Vessle General General General General General Bulk Coal Vessels 6 MV Saraswati 7 MV Dewi Umayi 8 MV Urmila 9 MV Banowati 10 MV Citrawati 11 MV Indrani 12 MV Suryawati Bulk Bulk Bulk Bulk Bulk Bulk Bulk Year built Cargo Cargo Cargo Cargo Cargo Carrier Carrier Carrier Carrier Carrier Carrier Carrier Vessels for Liquid Services 13 MT Duragandini Oil Tanker 14 MT Srikandi Product Tanker 15 MT Shinta Product Tanker 16 MT Gas Jaya LPG Carrier 17 MT Aditi Product Tanker Tugboats 18 TB Suralaya Tug 19 TB Tarahan Jaya Tug 20 TB Kertapati Tug 21 TB Benoa Tug 22 TB Buana Satu Tug 23 TB Tuban Tug 24 TB Lotus 669 Tug 25 TB Adangbay Tug 26 TB Muara Pantai Tug 27 TB Cigading Tug 28 TB Buana Sukses Tug 29 TB Tanjung Jati Tug 30 TB Cilegon Tug 31 TB Paiton Tug 32 TB Tubansan Indah Tug Barges 33 BG 34 BG 35 BG 36 BG 37 BG 38 BG 39 BG 40 BG 41 BG 42 BG 43 BG 44 BG 45 BG 46 BG 47 BG 48 BG 49 BG 50 BG 51 BG APOL 3001 APOL 2702 APOL 3002 APOL 3003 APOL 3005 APOL 3006 APOL 3007 APOL 3008 APOL 3009 Buana 3001 Buana 3002 APOL 3010 APOL 3012 APOL 3011 APOL 3015 APOL 3018 APOL 3019 APOL 3016 APOL 3017 Floating Cranes 52 FC Lotus Satu 53 FC Lotus Dua 54 FC Lotus 328 55 FC Lotus 118 56 FC Lotus 668 57 FC Tekko Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Boat Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Barge Floating Floating Floating Floating Floating Floating Cranes Cranes Cranes Cranes Cranes Cranes Crew Boat 58 MV Ayu Wulandari Crew Boat Size No. 1985 1985 1985 2001 2002 14.4 7,775 7,774 7,760 8,930 8,930 41,169 DWT DWT DWT DWT DWT 1986 1981 1984 1983 1990 1986 1996 19.4 27,547 61,190 62,635 63,638 69,332 69,611 69,124 423,077 DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT 1992 1997 1998 1998 1990 11.0 35,831 3,582 3,580 3,003 29,998 75,994 DWT DWT DWT DWT DWT 1997 1992 2002 2005 2005 2005 1972 2005 2005 2006 2006 2006 2006 2006 1983 5.6 2,400 1,600 2,400 2,400 2,826 2,826 1,900 2,400 2,400 2,400 2,400 2,400 2,400 2,400 3,400 36,552 HP HP HP HP HP HP HP HP HP HP HP HP HP HP HP 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 2000 2001 2001 2004 2005 2005 2005 2005 2005 2005 2005 2006 2006 2006 2006 2006 2006 2006 2006 1.3 8,000 5,500 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 149,500 DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT DWT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 1985 1985 1989 1988 1997 1971 20.2 10,000 10,000 15,000 15,000 30,000 11,000 80,000 1976 Total DWT 689,740 Total HP 37,632 - 57 - MT/day MT/day MT/day MT/day MT/day MT/day 1,080 HP 1 2 3 4 5 2nd 2nd 2nd 2nd 2nd 2nd 2nd hand hand hand hand hand hand hand 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 2nd 2nd 2nd 2nd 2nd 2nd hand hand hand hand hand hand 1 2 3 4 5 6 1 別添 2 Berlian Laju Tanker 所有船舶リスト NO. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT OWNED Gagarmayang Anjasmoro Hartati Harsandai Indradi Nolowati Nogogini Wulansari Ratih Rasawulan Yanaseni Gerbera Fatmarini Frabandari Freesia Celosia Erowati Jembawati Ulupi Dragonaria Tirtasari Bauhinia Kunti Rengganis Larasati Mustokoweni Setyawati Cendanawati Dewi Madrim Eustoma Trijata Tribuana Barunawati badraini Barawati Bandondari Pergiwo Pergiwati Pradapa Gandari Gandini Ontari Dewayani Dewi Sri Gas Sumatera Gas Jawa Gas Indonesia Gas Kalimantan BUILT 2004 1996 2004 2005 1993 1998 1996 1992 1996 1996 1992 2004 2004 2004 2003 1997 1999 1999 1999 1998 1997 1997 1992 1993 1991 1991 1994 1997 1987 1994 1991 1989 1992 1991 1990 1983 1993 1993 1993 1999 1998 1993 1999 1999 1989 1989 1990 1996 DWT 40,000 32,000 14,200 14,200 13,944 11,636 11,600 11,055 10,300 10,300 9,202 8,700 8,500 8,500 8,500 7,477 6,688 6,688 6,688 6,555 5,878 5,851 3,984 3,667 3,665 3,199 3,159 3,159 1,376 5,000 147,275 147,500 107,000 107,000 101,000 89,000 36,403 36,000 36,000 30,482 30,482 18,520 3,557 3,557 3,512 CBM 3,599 CBM 3,518 CBM 3,518 CBM TYPE Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Crude Oil Tanker Oil Product Tanker Oil Product Tanker Oil Product Tanker Oil Product Tanker Oil Product Tanker Gas Tanker Gas Tanker Gas Tanker Gas Tanker NO. 49 50 CH ARTERED MT Bestari MT Bidadari BUILT 2003 2003 DWT 6,500 6,500 TYPE Chemical Tanker Chemical Tanker NO. 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT MT DWT 5,000 CBM 19,900 19,900 19,900 19,900 19,900 5,000 CBM 5,000 CBM 5,000 CBM 155,000 CBM 155,000 CBM TYPE Gas Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Chemical Tanker Gas Tanker Gas Tanker Gas Tanker LNG Tanker LNG Tanker CONTRACTED Gas Maluku Pujawati Pertiwi Prita Dewi Purwati Puspawati Gas Sulawesi Gas Papua Gas Bali LNG 1 LNG 2 BUILT 1996 2006 2006 2006 2007 2008 2006 2007 2007 2008 2008 - 58 - Berlian NEW BUILDING SCHEDULE Revised: 31 August 2006 Berlian Laju Tanker 新造船計画 2006 年 8 月 31 日 現 在 発注先造船所 船舶名 船 舶 タイプ GAS SULAWESI LPG 5000cbm 27-Oct-2006 GAS PAPUA LPG 5000 cbm 1-Feb-2007 GAS BALI LPG 5000 cbm May - June 2007 USUKI MT.PERTIWI Chemical/19,000 dwt 28-Jun-2006 SHIPYARD MT.PUJAWATI Chemical/19,000 dwt 29-Sep-2006 MT.PRITA DEWI Chemical/19,000 dwt 26-Jul-2006 MT.PURWATI Chemical/19,000 dwt End of Feb 2007 MT.PUSPAWATI Chemical/19,000 dwt 9-Jan-2006 MT.PRAMONI Chemical/19,000 dwt End of May 2008 MT.PRAMESTI Chemical/19,000 dwt Apr-2009 MT.PURBASARI Chemical/19,000 dwt End of Jan 2009 MT.GAS LOMBOK Ethylene 9000 M3 June - July 2008 MT.GAS SUMBAWA Ethylene 9000 M3 July - August 2008 HYUNDAI HEAVY MT.LNG-1 LNG Carrier 155,000 M3 15-Nov-2008 INDUSTRIES MT.LNG-2 LNG Carrier 155,000 M3 15-Mar-2009 SHITANOE SHIPYARD SHINKURUSHIMA SHIPYARD FUKUOKA SHIPYARD STX SHIP YARD - 59 - 納入時期 別添 3 Humpuss Intermoda Transportasi 所有及び運営船舶リスト No. Name Of Vessel Owner of Vessel - 60 - Cometco Shipping Inc PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk Heritage Maritime Ltd S.A Genuine Maritime Ltd S.A Humpuss Sea Transport Pte .Ltd Anadain Company Inc 1 Ekaputra 2 Eka Samudra 3 Dwi Samudra 4 Tri Samudra 5 Catur Samudra 6 Panca Samudra 7 Sad Samudra 8 Sapta Samudra 9 Asta Samudra 10 Nawa Samudra First Topaz Inc 11 Dasa Samudra 12 Griya Asmat 13 Griya Bali 14 Griya Dayak 15 Semar Satu 16 Box Satu 17 Semar Dua Lucky Vision Management Corp New Century Maritime Inc PT Humpuss Intermoda Transportasi Kimia PT Humpuss Intermoda Transportasi Kimia PT Humpuss Intermoda Transportasi Curah PT Humpuss Intermoda Transportasi Curah PT Humpuss Intermoda Transportasi Curah Type Of Vessel Size Year Built Place of Building Present Employment End of Chater Period LNG 136,400 CM 1990 Japan 20 Years January 2010 Methanol 3,336 DWT 1982 Japan Methanol Trader January 2010 Methanol 2,386 DWT 1977 Japan Methanol Trader Methanol 2,153 DWT 1977 Japan Methanol Trader Methanol 5,500 DWT 1994 Malaysia Methanol Trader Oil Tanker Oil Tanker Oil Tanker Oil Tanker Oil Tanker Oil Tanker Oil Tanker 37,087 DWT 37,087 DWT 6,864 DWT 17,500 DWT 3,565 DWT 3,565 DWT 18,144 DWT 1993 Japan 1993 Japan 12 years + 1 year option 12 years + 1 year option 1994 Singapore 12 years August 2006 1994 Singapore 12 years 1997 Korea 10 years 1998 Korea 10 years December 2006 December 2007 November 2008 1998 China 10 years March 2009 Chemical Tanker 3,670 DWT 1991 Japan Chemical Trader Chemical Tanker 1,329 DWT 1989 Japan Chemical Trader Tug Boat 229 GT 2004 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,013 GT 2004 Indonesia Bulk Cargo Trader Tug Boat 227 GT 2003 Indonesia Bulk Cargo Trader June 2006 October 2006 No. Name Of Vessel - 61 - 18 Box Dua 19 Semar Tiga 20 Box Tiga 21 Semar Empat 22 Box Empat 23 Semar Lima 24 Box Lima 25 Semar Enam 26 Box Enam 27 Semat Tujuh 28 Semar Delapan 29 Box Delapan 30 Semar Sembilan 31 Box Sembilan 32 Semar Sepuluh Owner of Vessel PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Type Of Vessel Size Year Built Place of Building Present Employment Barge 3,100 GT 1993 Singapore Bulk Cargo Trader Tug Boat 167 GT 2003 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,129 GT 1997 China Bulk Cargo Trader Tug Boat 167 GT 2004 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,013 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Tug Boat 119 GT 2002 Malaysia Bulk Cargo Trader Barge 1,351 GT 2004 China Bulk Cargo Trader Tug Boat 231 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,013 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Tug Boat 230 GT 2004 Indonesia Bulk Cargo Trader Tug Boat 231 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 3,139 GT 2001 China Bulk Cargo Trader Tug Boat 231 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,995 GT 2001 Indonesia Bulk Cargo Trader Tug Boat 231 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader End of Chater Period - 62 - No. Name Of Vessel 33 Box Sepuluh 34 Semar Sebelas 35 Box Sebelas 36 Semar Dua Belas 37 Box Dua Belas 38 Box Empat Belas 39 Box Lima Belas 40 Semar Enam Belas 41 Box Enam Belas 42 Semar Tujuh Belas 43 Box Tujuh Belas Owner of Vessel PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi PT Humpuss Intermoda Transportasi Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Curah Type Of Vessel Size Year Built Place of Building Present Employment Barge 3,139 GT 2001 China Bulk Cargo Trader Tug Boat 231 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,118 GT 2002 Malaysia Bulk Cargo Trader Tug Boat 231 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 3,028 GT 1996 Singapore Bulk Cargo Trader Barge 3,009 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Barge 2,013 GT 2005 Indonesia Bulk Cargo Trader Tug Boat 164 GT 2005 Malaysia Bulk Cargo Trader Barge 2,087 GT 2005 China Bulk Cargo Trader Tug Boat 234 GT 2005 Malaysia Bulk Cargo Trader Barge 3,137 GT 2005 China Bulk Cargo Trader End of Chater Period 別添 4 PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk 所有船舶リスト Name of the ship Type DWT MV. Kanal Mas Container 958 TEUS Germany MV. Hilir Mas Container 504 TEUS Germany MV. Gulf Mas Container 623 TEUS Germany MV. Umbul Mas Container 504 TEUS Germany MV. Selat Mas Container 486 TEUS Japan MV. Warih Mas Container 294 TEUS Germany MV. Kisik Mas Container 623 TEUS Germany MV. Telaga Mas Container 252 TEUS Holland MV. Curug Mas Container 352 TEUS Germany MV. Tasik Mas Container 223 TEUS Germany MV. Kuala Mas Container 226 TEUS Japan MV. Muara Mas Container 214 TEUS Japan MV. Pasir Mas Container 219 TEUS Germany MV. Danu Mas Container 268 TEUS Japan MV. Guhi Mas Container 191 TEUS Spain MV. Mahar Mas Container 424 TEUS Germany MV. Ayer Mas Container 326 TEUS Japan MV. Belik Mas Container 443 TEUS Taiwan MV. Palung Mas Container 430 TEUS Japan MV Supitan Mas Container 428 TEUS Germany MV. Cahya Mas Container 650 TEUS Japan MV. Strait Mas Container 1,173 TEUS Germany MV. River Mas Container 1,173 TEUS Germany MV. Kedung Mas Container 481 TEUS Germany - 63 - Country constructed 別添 5 Pertamina Shipping 所有船舶リスト - 64 - Name Year of Built BALONGAN 2004 CENDRAWASIH - P.3005 1977 FASTRON 2004 GEBANG - P.8002 1986 GEUDONDONG - P.8001 1985 KARMILA - P.58 1992 KATOMAS 1999 KETALING 1998 KLASOGUN 1999 KLAWOTONG 1999 KRASAK 1999 KUANG 1998 KURAU - P.59 1992 MANGUN JAYA - P.33 1987 MELAHIN - P.36 1985 MENGGALA - P.34 1985 MERBAU - P.37 1985 MINAS - P.35 1985 MUNDU 2005 PALU SIPAT - P.1025 2000 PALUH TABUHAN/P.1019 1979 PANDAN 2000 PEGADEN - P.1924 1988 PELITA - P.1023 1981 PEMATANG/ P.1021 1979 PENDOPO/ P.1020 1979 PLAJU 2004 PUNGUT/ P.1022 1979 SANGA-SANGA/ P.3009 1983 SELSE/ P.3006 1983 SENGETI - P.3007 1982 SEPINGGAN/ P.3008 1982 SERANG JAYA/ P.3011 1983 SINDANG/ P.3010 1982 Flag PANAMA INDONESIA PANAMA INDONESIA INDONESIA INDONESIA PANAMA PANAMA PANAMA PANAMA PANAMA PANAMA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA PANAMA PANAMA INDONESIA SINGAPORE PANAMA INDONESIA INDONESIA INDONESIA PANAMA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA DWT 6,500 36,503 30,284 87,069 87,206 6,500 6,500 6,500 6,500 6,500 6,500 6,500 6,500 3,500 3,500 3,500 3,500 3,500 3,500 17,500 15,277 1,470 17,500 17,780 17,706 17,723 6,500 15,270 30,792 29,944 30,792 30,792 29,900 29,900 Type SMALL TANKER II MEDIUM RANGE MEDIUM RANGE LARGE RANGE II LARGE RANGE II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER II SMALL TANKER I SMALL TANKER I SMALL TANKER I SMALL TANKER I SMALL TANKER I SMALL TANKER I GENERAL PURPOSE II GENERAL PURPOSE I BULK LIGHTER GENERAL PURPOSE II GENERAL PURPOSE II GENERAL PURPOSE I GENERAL PURPOSE II SMALL TANKER II GENERAL PURPOSE I MEDIUM RANGE MEDIUM RANGE MEDIUM RANGE MEDIUM RANGE MEDIUM RANGE MEDIUM RANGE Country of Building INDONESIA JAPAN INDONESIA JAPAN KOREA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA INDONESIA JAPAN INDONESIA INDONESIA JAPAN JAPAN JAPAN INDONESIA JAPAN JAPAN JAPAN JAPAN JAPAN JAPAN KOREA 別添 6 Samudera 所有運営コンテナ船リスト 船舶名 No. 規模 籍 1 Sinar Surya 1, 560 teus Panama 2 Sinar Sunda 1, 560 teus Panama 3 Sinar Batam 1, 560 teus Panama 4 Hansa Stavanger 1, 550 teus Germany 5 Sinar Toba 1, 404 teus British 6 Sinar Lombok 1, 354 teus Singapore 7 Kuo Chia 1, 295 teus People’s Republic of China 8 Sinar Java 1, 174 teus Panama 9 Sinar Solo 1, 054 teus Panama 10 Sinar Bontang 1, 054 teus Panama 11 Sinar Bintan 1, 054 teus Panama 12 Sinar Bangka 1, 054 teus Panama 13 Sinar Bandung 1, 054 teus Panama 14 Sinar Bali 1, 048 teus Singapore 15 Sinar Nusa 1, 030 teus Singapore 16 Harmony 1, 022 teus Liberia 17 Vinashin Mariner 1, 016 teus Vietnam 18 Sinar Riau 1, 012 teus Hong Kong 19 Oriental Bright 1, 001 teus Panama 20 Mol Silver Fern 1, 001 teus Panama 21 Yong Wang 950 teus Hongkong 22 Pancaran Sinar 918 teus Panama 23 Sea Space 884 teus Cyprus 24 Providence 650 teus Bahamas 25 Lumoso Express 646 teus Singapore 26 Sinar Padang 495 teus Singapore 27 Pancon Diamond 295 teus Singapore 28 Sinar Salju 197 teus Indonesia 29 Caraka J.N.III 115 teus Indonesia - 65 - 別添 7 SAMUDERA 子会社所有船舶リスト - 66 - - 67 - - 68 - - 69 - - 70 - - 71 - 別添 8 その他のアンケート回答海運会社 7 社の所有船舶リスト PT Admiral Lines 所 有 船 舶 船舶名 - 72 - 船 舶 タイプ General Cargo General Cargo DWT 7,800 dwt 7,800 dwt 建造年 1991 1985 建造国 Japan Japan 所 有 /チャーター Owned Owned PTAmanusa 所 有 船 舶 船舶名 MV. Lautan Arafura MV. Caraka Jaya Niaga III-7 船 舶 タイプ Container Container DWT 12,000DWT 12,000DWT 建造年 1979 1992 建造国 Germany Indonesia 所 有 /チャーター Owned Owned PT Banuna Raya Logistics 所 有 船 舶 船舶名 Poksay 船 舶 タイプ Passenger DWT 206 建造年 2002 建造国 Singapore 所 有 /チャーター Owned 船 舶 タイプ Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container Full Container DWT 26.2 26.2 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 建造年 2000 2001 2000 2001 2001 1997 1997 1997 1997 1997 1997 1997 1997 1997 建造国 所 有 /チャーター PT Djakarta Lloyd 所 有 船 舶 船舶名 mv. M.H. Thamrin PB 1600 mv. Sam Ratulangi PB 1600 mv. Jatiwangi PB 400 mv. Jatianom PB 400 mv. Jatipura PB 400 mv. Pontianak Caraka Jaya Niaga III - 34 mv. Semarang Caraka Jaya Niaga III - 35 mv. Cirebon Caraka Jaya Niaga III - 36 mv. Palembang Caraka Jaya Niaga III - 37 mv. Belawan Caraka Jaya Niaga III - 38 mv. Makassar Caraka Jaya Niaga III - 39 mv. Lhokseumawe Caraka Jaya Niaga III - 40 mv. Panjang Caraka Jaya Niaga III - 41 mv. Manado Caraka Jaya Niaga III - 42 - 73 - PT Gesuri Lloyd 所 有 船 舶 船舶名 Ganda Setia 船 舶 タイプ Multi-purpose DWT 10.138 建造年 1979 建造国 所 有 /チャーター Chartered PT Gurita Lintas Samudera 所 有 船 舶 船舶名 MV. Mandiri Satu MV. Mandiri Dua MV. Mandiri Tiga MV. Mandiri Lim MV. Mandiri Enam MV. Mandiri Tujuh MV. Mandiri Delapan MV. Salindo Perdana I MV. Ayu Permata MV. Ayumas Samudera MV. Buddy Rakhmadi MV. Dwi Buddyarto MV. Dimaz Arianto MV. Ardhianto MV. Fitria Perdana MV. Fitria Permata MV. Fitria Paramitra MV. Fitria Persada 船 舶 タイプ General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo General Cargo DWT 6,163.73 6,771.39 8,273.02 7,855.18 8,173.00 6,668.00 7,104.67 10,058.00 8,621.00 6,944.00 11,406.00 7,081.80 6,508.00 9,090.00 6,543.00 6,806.95 6,438.00 6,612.85 建造年 1974 1975 1975 1974 1983 1981 1981 1975 1978 1990 1978 1981 1981 1994 1974 1974 1983 1977 建造国 所 有 /チャーター PT Pelayaran Bahtera Adhiguna 所 有 船 舶 船舶名 MV Adhiguna Tarahan MV Adhiguna Nugraha 1 MV Adhiguna Purnamarga MV Adhiguna Rayamarga TB Adhiguna Bahari TB Uchida 船 舶 タイプ Bulk Carrier General Cargo General Cargo General Cargo Barges Barges DWT 11,096 8,180 3,700 3,700 建造年 建造国 所 有 /チャーター 別添 9 調達予定があると回答した 12 社の調達予定船舶に関する回答 会社名 隻数 石油タンカー 新造船 調達 サイズ /中古 先国 ケミカルタンカー 新造船 調達 隻数 サイズ /中古 先国 PT Admiral Lines 1隻 PT Amasnusa Persada ANDHIKA Armada Bumi Pratiwi Lines - 74 - PT Arpeni Pratama Ocean Line Tbk PT Berlian Laju Tanker Tbk 1 ○ 所有船舶 どちら と同等の でも もの 4,0005,000 dwt 所有船舶と 同等のも ○バ どちら の。handy ルク船 でも max or Panamax 未定 4,0005,000 dwt 中古 タグボート 新造船 調達 隻数 サイズ /中古 先国 バージ 新造船 調達 隻数 サイズ /中古 先国 その他 新造船 調達 隻数 サイズ /中古 先国 国内 未定 〇 8,000 どちら 未定 dwt でも 1隻 (バル カーあ るいは 乾貨物 船) 1隻 2隻 ○ 20,000 dwt 4隻 中古 中古 ガスキ ャリア ○ 5隻 PT Humpuss Intermoda Transportasi Tbk 3000 DWT 以上 未定 2 ある いは3 隻 PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk 4隻 85,000 & 30,000 dwt LPG 2隻 所有船 と同等 のもの PT Rig Tenders Indonesia Tbk PT Samudera Shipping services 船舶タイプ コンテナ船 新造船 調達 隻数 サイズ /中古 先国 1隻 中古 物色中 PT Djakarta Lloyd PERTAMINA SHIPPING 隻数 一般貨物船 新造船 調達 サイズ /中古 先国 7000 to 中古 8000 dwt 2 隻 MRMMR 新造船 4 20,000 新造船 35,000 5,000 新造船 com 別添 10 造船所従業員数 Company (6) Number of employees in 2004 Direct Manageri Administr al ative 15 - 75 - Technical Skilled 25 25 50 154 882 1092 55 99 61 Subcontractor Semi Manageri Administr Technical Skilled Semi ative 140 10 15 20 225 275 2403 80 80 200 160 520 521 35 710 130 270 190 80 731 300 300 600 4 41 22 38 12 117 3 2 48 6 8 67 4 13 39 27 12 95 2 3 40 25 15 85 PT. JASA MARINA INDAH 5 12 57 11 85 400 PT. NAGOPATMOLO PT. PAL INDONESIA (PERSERO) 1 11 4 2 3 21 584 414 1093 298 296 2685 25 skilled Total al PT. DAYA RADAR UTAMA PT. Dok & Perkapalan Kodja Bahari PT. DOK DAN PERKAPALAN SURABAYA PT. INDONESIA MARINA SHIPYARD PT. INDUSTRI KAPAL INDONESIA (PERSEO) / IKI PT. INGGOM SHIPYARD PT. INTAN SENGKUNYIT skilled Total 75 345 400 5 20 25 0 別添 10 Company - 76 - PT. DAYA RADAR UTAMA PT. Dok & Perkapalan Kodja Bahari PT. DOK DAN PERKAPALAN SURABAYA PT. INDONESIA MARINA SHIPYARD PT. INDUSTRI KAPAL INDONESIA (PERSEO) / IKI PT. INGGOM SHIPYARD PT. INTAN SENGKUNYIT PT. JASA MARINA INDAH PT. NAGOPATMOLO PT. PAL INDONESIA (PERSERO) (6) Number of employees in 2005 Direct Manageri Administr al ative 20 Subcontractor Semi Skilled 30 30 60 140 825 1065 262 66 96 468 33 17 28 60 39 21 59 128 269 190 79 725 4 43 17 28 4 96 4 13 39 27 12 95 2 50 12 57 11 130 400 1 11 4 2 3 21 560 390 1069 271 272 2562 skilled 30 Total Manageri Administr Technical Technical Skilled al ative 170 15 20 25 235 2292 94 94 235 188 3 6 60 35 300 300 Semi skilled 85 Total 380 611 25 600 0 3 45 30 15 95 400 5 20 25 0 この報告書は競艇の交付金による日本財団の助成金を受けて作成しました。 インドネシアの内航船需要に関する調査 2007 年 ( 平 成 19 年 ) 3 月 発 行 発行 社団法人 日本中小型造船工業会 〒 105-0001 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 1-15-16 海 洋 船 舶 ビ ル TEL 03-3502-2063 FAX 03-3503-1479 本書の無断転載、複写、複製を禁じます。 インドネシアの内航船需要に関する調査 二〇〇七年三月
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