神経内科研修プログラム

神経内科研修プログラム
Ⅰ.概要
医師数
正職員 7 名
病床数
29 床
外来患者数
日に約 110 名
入院患者数
年に約 451 名
専攻医 1 名
(延患者数 23,351/年)
入院患者の疾患名の内訳:
脳血管障害約 180 名、髄膜炎・脳炎約 45 名、筋萎縮性側索硬化症約 10 名、多発性硬化
症約 20 名、ギラン・バレ症候群・フィッシャー症候群約 20 名、重症筋無力症約 20 名、
パーキンソン病・その類縁疾患約 50 名、正常圧水頭症約 30 名、筋疾患約 20 名、他。
てんかん約 50 名、脊髄小脳変性症約 15 名。
Ⅱ.研修目的
回診、カンファレンス、セミナー、外来見学、各種検査を通じて神経疾患の診察法、診断、
治療について学ぶ。臨床神経学に興味を持ち、科学的な視野を持って臨床実習を行うことを期
待する。
1)病歴のとりかたと神経系の診察法を修得し、神経解剖学的な知識をもとに病変の部位診
断法をマスターする。実際に患者さんの神経学的診察を体験し、所見より局在診断を下
す能力を身につける。
2)神経系の画像診断法(CT、MRI、SPECT、血管エコーなど)と神経生理学的検査法(脳
波、筋電図、誘発電位、神経伝導速度検査など)を理解し、実際に施行し、上記1)と
合わせて病因的診断に至るプロセスを学ぶ。
3)代表的な神経疾患の病歴、神経兆候、臨床経過を把握し、病状評価、病因メカニズムに
ついての考察を行う。(部長回診を参考に)
4)一般内科学、老年医学、脳神経外科、整形外科、精神神経科など神経内科と隣接した科
との関連を学ぶ(他科コンサルト、紹介など)。
5)腰椎穿刺、神経生検、筋生検、中心静脈確保等、手技を見学し、手法を学ぶ。
6)代表的神経疾患の臨床経過、治療法、予後について理解する。
7)症例提示の方法を学び、実際にプレゼンテーションを行う。
8)Journal club を英語での presentation にて行い、discussion を英語で行う。
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9)神経病理学、神経生化学の知識を身につけ、基本事項を理解する。(脳切、神経病理カ
ンファレンス)
10)学会・研究会発表、可能であれば論文の作成を行う。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
1)入院病棟と外来で研修し、カンファレンスに参加する。
2)外来では指導医のもとで患者の病歴をとり、診察しその所見を診療録に記載する。
指導医より診察方法、所見の意義について学ぶ。
3)病棟では入院患者を受け持ち、指導医のもとで診察し治療にあたる。
4)週に 3 回行う神経内科医局カンファランスに出席して、発表と議論に参加する。
<指導医リスト>
研修指導責任者:高橋
牧郎(神経内科部長)神経学会専門医、指導医、代議員、
近畿地方会評議員
指
導
医:鈴木
中村
峠
聡(神経内科部副部長)神経学会専門医
毅(神経内科部医員)
理絵(神経内科部医員)神経学会専門医
<研修評価>
受け持った患者の診断、治療方針、患者への病状説明について指導医の評価を受ける。
Ⅳ.到達目標
1)神経学的診察ができ、記載できる。
2)病態と臨床像から以下の検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。
①髄液検査
②頭部 X 線 CT 検査
③頭部 MRI 検査
④核医学検査(脳血流シンチグラフィー、MIBG 心筋シンチグラフィー、DaT スキャン)
⑤神経生理学的検査(脳波、筋電図、神経伝導検査、誘発電位検査など)
⑥神経病理学的検査(脳生検、筋生検、神経生検、脳切など)
3)腰椎穿刺を実施し、所見が理解できる。
4)下記の症状を経験し、レポートを提出する。
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①頭痛
②めまい
③失神
④けいれん発作
⑤視力障害、視野狭窄
⑥嚥下困難
⑦歩行障害
⑧四肢のしびれ
⑨排尿障害
5)下記の病態の初期治療に参加すること。
①意識障害
②脳血管障害
③てんかん発作
6)下記の疾患の入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例レポートを提出する。
①脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)
②認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症など)
③パーキンソン病および運動障害疾患
7)下記の疾患についての経験が求められる。
①神経系変性疾患(パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、脊髄小脳変性症など)
②神経感染症(脳炎、髄膜炎)
③膠原病とその神経系合併症(神経免疫疾患)
④老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥そう)
⑤発作性疾患(てんかん、片頭痛など)
⑥末梢神経、節疾患(GBS、CIDP、筋ジストロフィー、ミトコンドリア脳筋症など)
Ⅴ.週間スケジュール
火:病棟患者の総回診
金:臨床カンファレンス、抄読会(Journal club)
月・金:新患カンファレンス、回診
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