日本市場の安全装備:サイド/カーテンエアバッグ、ESCの設定拡大

2016/4/5
日本市場の安全装備:サイ ド/カ ーテン エアバッグ、ESCの設定拡大 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
日本市場の安全装備:サイド/カーテンエアバッグ、ESCの設定拡大
富士重工が自動ブレーキで完全停止するプリクラッシュシステムを搭載
2010.9.30 No.917
2009年秋以降に発売の新型車:サイド/カーテンエアバッグ、ESCの設定拡大
富士重工が時速 30km 以下で自動ブレーキにより完全停止するシステムを搭載
タイヤ空気圧モニタリングシステム (TPMS) は欧米で搭載義務化、日本では検討中
要 約
日本の自動車メーカーが2009年秋以降に国内発売した新型車の安全装備では、前席サイドエアバッグ、カーテン
エアバッグ、前席アクティブヘッドレスト、ESC 等の設定が拡大している。
衝突回避・衝突被害軽減を図るプリクラッシュシステムでは、トヨタが前方だけでなく、前側方や後方にも対応するシ
ステムを設定。また、富士重工がLegacyに、自動ブレーキで完全停止して衝突を回避する機能を含む EyeSight (ver. 2) を搭載した。
タイヤ空気圧モニタリングシステム (TPMS) は、日本市場での搭載はまだ少ないが、欧米では搭載義務化が実施・
計画されている。日本でも、TPMS の装着効果や装着義務化の要否を検討中である。
2009年秋以降に発売の新型車:サイド/カーテンエアバッグ、ESCの設定拡大
日本の自動車メーカーが2009年秋以降に国内発売した新型車では、衝突安全性装備の前席サイドエアバッグとカ
ーテンエアバッグを、3分の 1 の車種が標準装備し、オプションも含めると大半の車種が設定している。前席アクティ
ブヘッドレスト (または頸部衝撃緩和シート) も半数近くの車種が標準装備している。
走行安定性装備の ESC (Electronic Stability Control:横滑り防止装置) は、3分の 1 の車種が標準装備し、オプ
ションも含めると 3 分の 2 が設定している (ESC の呼称は、トヨタが VSC, ホンダが VSA, 日産/富士重工が
VDC, スズキが ESP, Mazda が DSC など )。
衝突を回避または衝突被害を軽減するプリクラッシュシステムの設定もいくつか見られる。欧米市場で搭載義務付け
が実施・計画されているタイヤ空気圧モニタリングシステム (TPMS) の搭載は、新型車では日産の Elgrand だけで、
日本市場ではまだ少ない。
日本の自動車メーカーが2009年秋以降に国内発売した新型車の衝突安全性・走行安定性装備
衝突安全性と走行安定性に関する装備
デュアルステージエアバッグ、運転席ニーエアバッグ、運転席・助手席シートベルトエアバッグを標
Lexus LFA
(2010年末)
準装備。
LFA 用にチューニングされた VDIM (統合制御システム) を標準装備。3 モード式で、スイッチ操作
により一般道用の Normal, 濡れたサーキット用の Wet, TRC (Traction Control) と VSC の制御
(効き具合) がスポーツモードとなる Sport がある。
Lexus
デュアルステージ式フロント (助手席はツインチェンバー)、サイド、ニー (前席)、カーテンシールドの
RX270
8個のエアバッグは全仕様に標準装備。後席サイドエアバッグは一部仕様に標準装備。
(2010年 8
月)
(RX Series
VDIM (電動パワーステアリング、ABS, VSC, TRC の統合制御システムで、濡れた路面のカーブ等
で車両の横滑りを抑制する) を一部仕様に標準装備。S-VSC (電動パワーステアリング、ABS,
VSC, TRCの機能を協調させることで、車両の挙動が安定する方向に駆動力配分と操舵トルクをア
に追加)
シストする)も一部仕様に標準装備。
Toyota
フロントエアバッグを標準装備。サイド、カーテンシールドエアバッグを設定。前席アクティブヘッドレ
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Passo
スト (後突時にヘッドレストが前方に移動し、頸部への衝撃を緩和) は一部仕様に標準装備。
(2010年 2
VSC (滑りやすい路面でセンサーが横滑りを感知し、ブレーキとエンジン出力を自動的に制御して
月)
車両安定性を確保する) と TRC (発進・加速時にタイヤの空転を抑えて、アクセル操作を容易にす
る) を組み合わせた VSC & TRC を設定。
フロント、サイド、カーテンシールド、運転席ニーの7個のエアバッグを標準装備。後左右席に、サイ
ドエアバッグとプリテンショナー&フォースリミッター機構付シートベルトを設定。
後突時に、ヘッドレストが上方・前方へ移動して、頸部への衝撃を軽減する前席アクティブヘッドレス
トを標準装備。急制動時にすべてのストップランプが自動的に点滅し、後続車に注意を促す緊急ブ
Toyota SAI
(2009年12
月)
レーキシグナルを標準装備。
ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステム (前方) を一部仕様に標準装備。ミリ波レー
ダー方式の後方プリクラッシュセーフティシステムを設定。
高速道路等で白線をカメラで認識し、電動パワーステアリングを制御することで、車線内走行がしや
すいようにドライバーをサポートするレーンキーピングアシスト (LKA) を一部仕様に標準装備。
電動パワーステアリング、ブレーキ制御、駆動力制御の機能を協調させることにより、車両挙動を安
定させるステアリング協調車両安定制御システム S-VSC (Steering-assisted Vehicle Stability
Control) を標準装備。
前席用 i-サイドエアバッグシステム (助手席乗員の体格や姿勢を検知してエアバッグの展開を制
Honda
御) とサイドカーテンエアバッグシステムを一部仕様に標準装備。
Freed Spike 後方から低速で追突された際に首への負担を軽減する頸部衝撃緩和フロントシートを標準装備。
(2010年 7
制動時の車輪ロックを防ぐ ABS, 加速時等の車輪空転を抑える TCS (Traction Control System),
月)
旋回時の横滑り抑制を組み合わせ、車両挙動の急激な変化を抑えて走行を安定させる VSA (車両
挙動安定化システム) を設定 (一部仕様に標準装備)。
運転席用 i-SRS エアバッグシステム (連続容量変化タイプ) (乗員の体格・着座位置・衝突形態によ
Honda CR- り、"ステアリングに近い小柄なドライバーには早く"、"ステアリングから遠いドライバーには長
Z
く"、"一定の圧力で優しく"作動する) を標準装備。前席 i-サイドエアバッグシステム (助手席乗員
(2010年 2
姿勢検知機能付) とサイドカーテンエアバッグシステムを設定。 頸部衝撃緩和フロントシートを標準
月)
装備。
VSA (ABS+TCS+横滑り抑制を組み合わせた車両挙動安定化システム) を標準装備。
フロント、前席サイド、カーテンの 6個のエアバッグ、前席アクティブヘッドレストを標準装備。
インテリジェントブレーキアシスト (追突時の被害を軽減するプリクラッシュシステム) を設定。
Nissan
Elgrand
(2010年 8
月)
タイヤ空気圧警報システム (ホイールに装着したセンサーが空気圧をモニタリングし、空気圧が減っ
た場合は警告を表示)を標準装備。空気を充填した時に、指定圧に達すると音で知らせる空気圧充
填完了ガイド機能付き (日産によると日本初)。
滑りやすい路面やコーナリング時に発生する横滑りを軽減し、車両の安定性を向上させる VDC
(Vehicle Dynamics Control) を標準装備。
Nissan
March
(2010年 7
フロントエアバッグを標準装備。カーテンエアバッグを設定 (一部仕様に標準装備)。
月)
Nissan Juke
(2010年 6
フロント、前席サイド、カーテンの 6個のエアバッグ、前席アクティブヘッドレストを標準装備。
月)
フロント、前席サイド、カーテンの 6個のエアバッグ、前席アクティブヘッドレスト、エアバッグ展開連
動ハザードランプ (いずれかのエアバッグが作動した場合、自動でハザードランプを点滅させ、周囲
に非常事態を告知) を標準装備。
インテリジェントブレーキアシスト (追突時の被害を軽減するプリクラッシュシステム) 、インテリジェン
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トペダル (アクセルペダルを押し戻す力とブレーキ制御により、車間距離維持操作を支援) を設定
(一部仕様に標準装備)。インテリジェントペダルには、ナビゲーションから前方のカーブ情報を取得
し、必要に応じて減速制御を行う新機能を追加。
Nissan
車速が約 15km/h 以上で走行中、前方車両に接近した場合、表示と音でドライバーに注意を促す
Fuga
FCW (前方車両接近警報)、約 70km/h 以上で走行中に車両が車線から逸脱しそうになると、表示
(2009年11
と音でドライバーに注意を促す LDW (車線逸脱警報)、各輪のブレーキをコントロールし、車線内に
月)
戻す方向に力を発生させることで、ドライバーに車を車線内に戻す操作を促す LDP (車線逸脱防
止支援システム) を設定 (一部仕様に標準装備)。
前席緊急ブレーキ感応型プリクラッシュシートベルト (緊急ブレーキを感知するとモーターでシート
ベルトを巻き取る)、小学校付近の安全運転ガイド (小学校周辺等のスクールゾーンで、車両の走行
情報をもとに、表示と音で安全運転の注意喚起) を設定 (一部仕様に標準装備)。
車両の挙動を安定させる従来の VDC (Vehicle Dynamics Control) 機能に、カーブで車両の応答
性を高めるコーナリングスタビリティーアシスト機能、走行状態に応じて"効きが良い"と感じられるブ
レーキ効き感向上機能、ブレーキング時にカーブの度合いに応じて各車輪の制動力の配分を制御
する左右制動力配分機能を追加 (標準装備)。
フロントエアバッグを標準装備。ブレーキペダル後退抑制機構 (前面衝突時にブレーキペダルがド
Suzuki Alto ライバー方向へ押し出されることを抑え、脚部への衝撃を緩和) を標準装備。
(2009年12
EBD (電子制御制動力配分システム:積載重量に応じて最適な制動力を前後に自動配分) 付 4輪
月)
ABS (急ブレーキ時に作動し、車体を安定させ、ハンドル操作で障害物を回避できるようサポート) +
ブレーキアシスト (ブレーキを踏む力を補助) を一部仕様に標準装備。
Suzuki
Swift
(2010年 8
月)
フロントエアバッグを標準装備。前席サイド、カーテンエアバッグを設定 (一部仕様に標準装備)。前
席に頚部衝撃緩和シートを採用。ブレーキペダル後退抑制機構を標準装備。
坂道での発進を補助するヒルホールドコントロール付のESP (エンジンとブレーキを電子制御し、タイ
ヤスリップや横滑りを抑える車輌走行安定補助システム) を設定 (一部仕様に標準装備)。
フロントエアバッグを標準装備。カーテン&フロントサイドエアバッグを設定。形と位置を最適化したヘ
ッドレストと、衝突時に上体がシートバックに沈み込みやすい構造を採用した頸部衝撃緩和フロント
Mazda
Premacy
(2010年 7
月)
シートを標準装備。
後退抑制ブレーキペダル、水平移動式衝撃吸収ステアリングシステム、衝撃吸収ソフトインテリア
(各ピラーとルーフサイドトリム部の衝撃吸収構造) 等も標準装備。
DSC (Dynamic Stability Control) & TCS (Traction Control System) を一部仕様に標準装備。
4W-ABS, EBD, ブレーキアシストを全仕様に標準装備。
Mitsubishi
フロント、運転席ニーエアバッグを標準装備。前席サイド、カーテンエアバッグを設定。
RVR
(2010年 2
月)
エマージェンシーストップシグナルシステム (急制動時やABS作動時にハザードランプが自動点滅
し、後続車に危険を知らせる) を標準装備。
Daihatsu
Tanto Exe
(2009年12
フロントエアバッグを標準装備。ABS (EBD & ブレーキアシスト付) を設定 (一部仕様に標準装備)。
月)
フロントエアバッグを標準装備。前席サイド、カーテンエアバッグを設定 (一部仕様に標準装備)。
Subaru
EyeSight (ver. 2) を一部仕様に標準装備。プリクラッシュブレーキ (衝突の手前で自動ブレーキを
Legacy
作動させ、衝突回避または被害軽減)、プリクラッシュブレーキアシスト (衝突の危険がある状況で、
(2010年 5
月)
(一部改良)
ドライバーのブレーキ操作をアシスト)、AT誤発進抑制制御 (ペダルの踏み間違い等による急前進を
防ぐ)、全車速追従機能付クルーズコントロール、車線逸脱警報、ふらつき警報等の機能がある。
AWD トルク配分制御、エンジン出力制御、4輪個別のブレーキ制御を行い、横滑りなど不安的な挙
動を抑える VDC (Vehicle Dynamics Control) を標準装備。
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資料:各社の新型車発表リリース、2010年 9月下旬の Web カタログ
(注) 新型車は、フルモデルチェンジ車と新規モデル (OEM モデルと派生モデルを除く)。ただし、Lexus RX270 は
RX Series の追加モデル、Subaru Legacy は一部改良モデル。
日本市場でのESC新車装着率は23% (Bosch Group調査)
独 Bosch Group の調査によると、日本市場における2009年の ESC 新車装着率は、08年比 4ポイント増の23%。
世界全体の 36%、欧米の 6~7割を大きく下回る。中型車クラス (排気量 1.8L級) では 08年の 46% から 85% へと
大幅に増加したが、軽自動車では 1%未満と搭載が進んでいない。欧米では乗用車の新車装着が義務化されたほ
か、韓国も2010年夏に義務化計画を発表している。
資料:日経産業新聞2010.9.21, 日刊自動車新聞 2010.9.21
富士重工が時速 30km 以下で自動ブレーキにより完全停止するシステムを搭載
衝突防止や衝突被害軽減を図るプリクラッシュシステムでは、トヨタが、従来のミリ波レーダーによるシステムに加え、
ミリ波レーダーとステレオカメラ併用によるシステムも採用。また、前方を検知するだけでなく、前側方や後方にも対
応するプリクラッシュシステムを追加している。
日産は、レーダーセンサーで先行車との車間距離を検知し、アクセルペダルを押し戻す力を発生させて、車間距離
の維持操作をアシストするインテリジェントペダルの設定を開始した。また、時速 60km でも自動ブレーキで完全停
止できる衝突回避支援コンセプトを発表した。
ステレオカメラを使用する富士重工の EyeSight (ver.2) は、前方の障害物と自車との速度差が時速 30km 以下の
場合、自動ブレーキで完全停止するシステムを採用。国土交通省が2009年に低速域での自動ブレーキによる完全
停止を認めたため、このシステムの搭載が可能となった (既にトヨタ、日産、富士重工が設定している全車速追従機
能付クルーズコントロールでは、低速で追従走行中に先行車が停止すると、自車もそれに応じて停止する機能があ
る)。
トヨタのプリクラッシュシステム
トヨタ:最新型プリクラッシュセーフティシステム (前方対応)
センサー ミリ波レーダーとステレオカメラ
センサー
の
ミリ波レーダーは車両前部のエンブレム奥、ステレオカメラはフロントウィンドウ上部
位置
進路上の車、障害物、歩行者を検知し、衝突する可能性が高いと、ドライバーに警報を発する。ドライ
概要
バーがブレーキを踏むと、プリクラッシュブレーキアシストにより、制動力を高める。衝突不可避と判断す
ると、プリクラッシュブレーキが作動して衝突速度を低減するとともに、シートベルトを巻き取ってプリテ
ンショナーの効果を高め、衝突被害を軽減する。
ミリ波レーダーで検知した情報に、ステレオカメラによる立体物認識情報を付与することで、車や障害
特徴
物に加え、歩行者も検知する。夜間は、ヘッドランプ内臓の近赤外線投光器により、検知をサポートす
る。
搭載モデ
ル
価格
Crown Majesta (2009年 3月発売) に設定
プリクラッシュセーフティシステム&後方プリクラッシュセーフティシステム、レーンキーピングアシストが
セットでオプション価格は 598,500円。
(注) Crown Majesta に設定したミリ波レーダー・ステレオカメラ併用のプリクラッシュセーフティシステムは、ドライバ
1. ーの眼の開閉状態等を検知するドライバーモニター付き。ドライバーの認知ミスの兆候を検知すると、通常のプリ
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クラッシュセーフティシステムより早期に警告する。
2.SAI や Crown Majesta の一部仕様に標準装備したミリ波レーダーのみによるプリクラッシュセーフティシステム
(車や障害物を検知)のオプション価格は、レーダークルーズコントロールとセットで126,000円。
トヨタ:前側方プリクラッシュセーフティシステム
センサー 前方および前側方ミリ波レーダー
センサー
の
車両前部のエンブレム奥とフロントバンパー左右
位置
概要
特徴
搭載モデ
ル
価格
検知範囲を前側方に広げることで、斜め前方からの出合い頭衝突などの危険を検知し、側面衝突の可
能性が高いと判断すると、サイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグの応答性を高める。
ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムに、斜め前方に向けたミリ波レーダーを追加。
Crown Majesta (2009年 3月発売) に設定
プリクラッシュセーフティシステム&後方プリクラッシュセーフティシステム&前側方プリクラッシュセーフ
ティシステム、レーンキーピングアシストがセットでオプション価格は829,500円。
トヨタ:後方プリクラッシュセーフティシステム
センサー 後方ミリ波レーダー
センサー
の
リヤバンパー内
位置
後方車両の接近を検知し、追突の危険性があると判断すると、ハザードランプを点滅させ、後方車両に
概要
注意を喚起。さらに後方車両が接近すると、プリクラッシュインテリジェントヘッドレストを適切な位置に
移動させ、むち打ち傷害軽減を図る。
搭載モデ
ル
価格
Crown Majesta (2009年 3月発売) 、SAI (2009年12月発売) に設定
プリクラッシュインテリジェントヘッドレスト付きで 219,450円。
日産のプリクラッシュシステム
日産:インテリジェントブレーキアシスト
センサー レーダーセンサー
センサー
の
車両前部
位置
概要
搭載モデ
ル
価格
先行車との距離を測定し、追突の恐れがある場合は警報を鳴らす。ドライバー操作では追突が避けら
れない場合は、ブレーキをかけて減速し、追突時の被害を軽減する。
Fuga (2009年11月発売)の一部仕様に標準装備、Elgrand (2010年 8月発売) に設定
セーフティシールドパッケージ (インテリジェントブレーキアシスト、インテリジェントペダル、車線逸脱防
止支援システム等のセット) は 273,000円。
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日産:インテリジェントペダル (ディスタンスコントロールアシスト)
センサー レーダーセンサー
センサー
の
車両前部
位置
先行車が減速した場合、ドライバーがアクセルペダルを戻すと、システムが滑らかにブレーキをかけ、ド
ライバーの車間維持操作を支援する。先行車が停止すると、自車もそれに応じて停止まで制御する。ド
概要
ライバーがアクセルペダルを踏んだままの場合は、アクセルペダルを押し戻す方向に力を発生させ、ア
クセルペダルを戻す操作を支援する。ドライバーのブレーキ操作が必要とシステムが判断した場合は、
表示と音で報知し、アクセルペダルを押し戻す力を発生させる。
特徴
搭載モデ
ル
価格
頻繁に加減速を繰り返す状況で車間を維持する操作をアシストする。ドライバーがアクセルペダルを踏
んでいないときに限り、システムがブレーキを作動させる。
Fuga (2009年11月発売) の一部仕様に標準装備
セーフティシールドパッケージ (インテリジェントブレーキアシスト、インテリジェントペダル、車線逸脱防
止支援システム等のセット) は 273,000円。
日産:衝突回避支援コンセプト (2010年7月発表)
センサー レーダーセンサー
センサー
の
車両前部
位置
先行車を発見すると、先行車との距離と相対速度を監視し、減速操作が必要と判断すると、表示と音で
注意を喚起。ドライバーの減速操作を促すとともに、アクセルペダルを押し戻して緩やかに減速させる。
概要
それでも減速が足りず先行車に接近し、追突の可能性があると判断すると、自動的に急ブレーキがか
かり、約35km/h以下であれば停止するとしている。この際、シートベルトを巻き上げて、乗員の拘束性
も高める。
特徴
60km/h というこれまでにない高い速度域から、システムが減速を開始し、さらに先行車に接近すると、
自動ブレーキを作動させ、停止する。
搭載モデ
ル・
未定
時期
富士重工のプリクラッシュシステム
富士重工:EyeSight (ver.2) のプリクラッシュブレーキアシスト
センサー ステレオカメラ (CCD カメラ)
センサー
の
フロントウィンドウ内側
位置
前方の車両、歩行者、自転車等を検知し、衝突の危険性がある場合、警報と警告灯でドライバーに注
概要
意喚起。ドライバーがブレーキ操作を行わない場合、軽いブレーキをかけて回避操作を喚起。衝突の
危険性が高まった場合、強い自動ブレーキをかける。自車と対象物との速度差が30km/h以下であれ
ば自動ブレーキにより衝突を回避し、30km/hを超える場合は被害軽減を図る。
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特徴
2つのカメラから得られた映像を、3D画像処理エンジンが超高速で処理。車や車線のほか、自転車、歩
行者も認識。また、正面だけでなく斜め前方の対象物を広い範囲で検知する。
搭載モデ
ル
価格
Legacy (2010年5月に一部改良) の一部仕様に標準装備
同グレードで、EyeSight 搭載車と非搭載車の価格差は105,000円。
国土交通省:2009年に低速域で自動ブレーキによる完全停止を認可
国土交通省の技術指針は、自動ブレーキによる完全停止は、ドライバーが装置を過信しかねないとして従来は認
めていなかった。しかし、停止技術の精度向上と世界的な流れを受けて、2009年 に低速域 (30km/h以下) に限
定して、装置の搭載を認めた (2009年 8月報道)。2009年 8月には、この種の装置を搭載した Volvo XC60, 2010
年5月には Subaru Legacy が発売された。ただし、ドライバーの過信を抑制するため、"急ブレーキ"と"前方車と近
い距離での停止"を条件とし、作動時にドライバーが不快感・危機感を抱くようにしている。
資料:日刊自動車新聞 09.8.27, 他
タイヤ空気圧モニタリングシステム (TPMS) は欧米で搭載義務化、日本では検討中
タイヤの空気圧が低下すると、パンクや磨耗を引き起こし、重大事故の原因となるだけでなく、燃費が低下し、環境に
も悪影響を与える。タイヤ空気圧モニタリングシステム (TPMS: Tire Pressure Monitoring System) は、タイヤの空
気圧を常時監視し、規定値より低下すると警告灯等でドライバーの注意を喚起して、空気圧の適正管理を促進す
る。
TPMSには、タイヤの内側に組み込んだセンサーにより空気圧を検知する直接式と、ABS/ESC を利用してタイヤの
回転速度を監視し、空気圧の変化を推定する間接式 (ランフラットタイヤと組み合わせる場合が多い) の 2種があ
る。
米国では、運輸省 NHTSA が、米国販売される車両に対し、TPMS の搭載を2005年後半から段階的に導入し、
2007年 9月からは全車両に搭載を義務付けている。
欧州では、欧州議会が安全と環境保護の観点から TPMS の搭載を義務付ける提案を承認。2011年11月から導入
し、新規車種は2012年11月まで、継続車種は2014年11月までに、TPMSの搭載を求めている。
日本では、2009年 1月から国土交通省と経済産業省の協議会で、主に省エネ対策の観点から TPMS の装着効果
やタイヤの空気圧管理について協議を開始。今後、装着義務化の要否について検討する。
TPMS:構成機器と仕組み
・タイヤ空気圧センサー (送信機) :各タイヤ内部に装着され、直接タイヤ空気圧を検知する。
・受信機 (アンテナ付き):検知されたタイヤ空気圧の値を電波信号として受信する。 (自車両と他車両を
直接式
識別するためにIDナンバー信号を使用する)
・ECU (electronic control unit):タイヤ空気圧が規定値を下回ると、警告灯を点灯させてドライバーに
タイヤ空気圧低下を知らせる。
・ホイール速度センサー (ABS/ESC の一部):各ホイールの回転速度を測定する。
間接式
・ECU (ABS/ESC の一部):空気圧低下により、タイヤの半径が減少すると、回転数が変わる。あるタイヤ
の回転速度が残りのタイヤの回転速度と異なっていれば、空気圧の低下と判断して、警告灯を点灯さ
せ、ドライバーに知らせる。
TPMS:直接式と間接式の比較
メリット
直接式
1. 各輪のタイヤ内圧 (絶対値) の表示が可能
2. 高速域 (~250km/h) でも検出可能
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間接式
1. 低コスト
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課題
1. コストが高い
1. メーカー指定以外のタイヤでは、精度に限界
2. スノータイヤなどに追加センサーが必要(負担増)
2. ABS 付車でない場合は、コスト高
3. バルブ一体型センサーの場合、装着できない
3. LSD (リミテッド・スリップ・デフ) 付車両 (RV,
ホイールもある
Truck, Sport等) では機能できない
4. センサー内のバッテリーに寿命がある
4. 高速域では機能が制限される
資料:国土交通省 低燃費タイヤ等普及促進協議会 取りまとめ 2009.7.
米国:2007年 9月から TPMS の搭載義務付け
米国運輸省の NHTSA は、2005年後半からの移行期間を経て、2007年 9月から、米国で販売される全車両 (車
両重量 1万ポンド未満の乗用車・小型トラック・バン) に TPMS を搭載することを義務付けた。NHTSA の規定で
は、メーカーが推奨するタイヤの空気圧より、25% 以上低下させてはならないとしている。米国では、一部を除いて
直接方式が採用されている。
NHTSA は、TPMS を搭載することにより、タイヤの空気圧低下による事故が減り、年間で死者が 120人、負傷者が
8,500人減少すると推定している
資料:NHTSA "safercar.gov", Automotive News Europe 09.2.2
欧州:2011年11月から TPMS の搭載義務付け
欧州では2009年3月に、交通安全と環境保護 (燃費向上) の観点から、欧州議会が TPMS の搭載を義務付ける
提案を承認。2011年11月以降に製造される自動車について、新規車種については2012年11月までに、継続車種
については2014年11月までに、TPMSを搭載するよう求めている。
欧州では、ドイツのアウトバーン等で、米国より高速走行が認められているため、空気圧低下の許容幅は、メーカー
が推奨するタイヤの空気圧の 13~14% 以内になる見込み。現時点では、TPMSの方式について、直接方式か間
接方式かを規定してはいない。
European Commission (EC) の資料によると、現在走行している全車両のうち、約 20% の車が、1つ以上のタイヤ
について、空気圧が適正値より20%以上減少している。フランスの関連機関 Securite Routiere (Road Safety) の
調査では、死亡事故の 9% がタイヤの空気圧低下を原因としている。また、ドイツの 関係機関 DEKRA は、負傷を
伴う事故の 41% には、タイヤの問題との関係が認められるとしている。
環境との関係については、ECの資料によると、タイヤの空気圧が 20% 低下すると、燃料消費は 2.5% 増加し、
CO2 排出量もそれに応じて増加するとされる。
資料:European Commission (EC) Intelligent Car Home Website, プレゼンテーション資料 2009.2.10, その他
日本:国土交通省・経済産業省の協議会で TPMS 装着義務化の要否を検討中
日本では、国土交通省と経済産業省が、2009年 1月に "低燃費タイヤ等普及促進協議会"を設置。主にタイヤに
関する省エネ対策の観点から、TPMS の装着による効果の検証やタイヤの適正な空気圧の管理のあり方について
協議を重ねている。
2009年 7月の同協議会の"取りまとめ"によると、TPMS は、米国で既に義務化、欧州でも義務化が予定されてお
り、日本においても対応の検討が必要であるとしている。一方、日本では欧米諸国に比して空気圧管理が比較的
適正に行われていることから、装置の義務化によるコスト増も含め、費用対効果についても検討する必要がある。
今後は、最新の空気圧の管理状況等を調査し、費用対効果について十分検討した上で、装着義務化の要否を検
討する。
日本自動車タイヤ協会が発表した2009年 "タイヤ点検結果" によると、点検車両 2,264台のうち、タイヤに整備不
良があった車両は 689台、不良率 30.4% となっており、2008年点検結果に比べ、1.0ポイントの増加となっている。
整備不良のうち、空気圧不適正は19.4%。
資料:国土交通省 低燃費タイヤ等普及促進協議会 取りまとめ 2009.7,
日本自動車タイヤ協会 JATMA News 2010.2.10
http://www.marklines.com/ja/report/rep917_201010
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2016/4/5
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