ディズニーのレポート 経営情報学部 宮崎 大樹

ディズニーのレポート
経営情報学部 宮崎 大樹
1.ディズニーの研修を受けて
ディズニーテーマパーク原点、コンセプト
基本コンセプト
ファミリーエンターテイメント(親と子が一緒に楽しめる場所)
このコンセプトは、ディズニーの設立者ウォルト・ディズニーは娘達が幼かった頃、娘
達を連れて遊園地に出かけました。そのときウォルトは娘達が遊園地で遊んでいるのをた
だ見守るだけでした。その時ウォルトは「子供も大人も一緒に楽しめる遊園地がどこかあ
ってもいいじゃないか」と考えました。その想いがディズニーテーマパークの発想の原点
になりました。ウォルトは 30 年間の映画製作の経験を活かし、国境を超え、あらゆる年代
の人々が一緒に楽しめる様々なテーマを持つエリアを作り、そこへ人々をショーの顧客と
して招くというコンセプトを生み出しました。
ディズニーテーマパークの行動基準
行動基準は 1960 年代にカルフォニア州のディズニーランドにおいてサービスの規準とし
て作られ、世界中のディズニーテーマパークの共通の規準となっています。
Safety…安全
最も優先されるものが安全です。事故や危険のない一日、それがゲストをおもてなす上
での大前提だからです。目に見えない”安全”を最優先にしなければなりません。キャストが
常にゲストの行動に注意を払い、安全を最優先して行動することで、パーク全体の安全を
高めることができます。ゲストの目になって、やすらぎを感じてもらうことはキャストの
大事な仕事でもあります。
Courtesy…礼儀正しさ
本来の Courtesy の意味は「相手のことを思いやる」
「配慮する」という意味があります。
ゲスト一人ひとりを大切なお客様(VIP)として最高のサービスを提供するというのが基本
な考え方を持ち、キャスト達の礼儀正しさは「その人を”おもてなし”したいという気持ちか
ら生まれる自然な姿勢」を表しています。キャストはゲストが今何を望んでいるかを感じ
とるためによく観察を行い「相手の立場になって自ら行動する」ことを心がけています。
ポイントとして①挨拶(おはようございます、こんにちは)など一言声をかけることによ
ってゲストは返事しやすくコミュニケーションをとりやすくする。②笑顔は作り笑顔では
なく「自然な笑顔」を出す。③言葉遣いで話す相手との年齢、状況を判断して相手に伝わ
りやすいように話をする。④アイコンタクトで相手との目線を合わせて話すようにする。
の4つのポイントがあり、これを当たり前のように行います。
Show…ショー
ディズニーではゲストの目にふれるもの、体験するものをショーの一部分と考え、エン
ターテイメントのショーに出演するダンサーはもちろんのこと、商品店舗やレストランな
どでも働くキャストも重要なショーの一部です。なので、自分の役柄にあったコスチュー
ムを着用し、身だしなみを整え、それぞれの舞台のテーマに沿ったショーを演じています。
商品も各場所のテーマに沿った商品が置かれ雰囲気作りをしています。
Efficiency…効率
ここでの効率はゲストの貴重な時間を無駄にせず、たくさんのショーを体験してもらうこ
とです。そのためにキャストは、チームワークよく働くことで無駄を省き効率を高めるこ
とに繋がっていくと考えています。キャストの役割には、直接ゲストと接する役割とそう
でない役割の2種類あります。どちらのキャストもチームの一員として全員でゲストをも
てなしていることを忘れないようにしています。
例えば、発生した待ち時間に対しては、キャストが積極的に話しかけるなどで待ち時間を
感じさせないようにします。
以上の4つの行動基準があり、その順番にも重要な意味があり、優先順位の高い順に並ん
でいます。この行動基準を4つの鍵と言い、頭文字をとって「SCSE」と呼んでいます。
ハピネス(幸福感)
キャストの製品(サービステーマ)はゲストの嬉しい、楽しいといった気持ち”ハピネス”
(幸福感)です。キャストの目指すゴールは「すべてのゲストにハピネスを提供すること」
です。質の高いショー、美味しい食事、ホテルでのくつろぎなど、様々な体験を提供して
いて、その中心には人と人のコミュニケーションから生まれるハピネスがあります。キャ
ストはこのハピネスをとても大切にしています。
ディズニーテーマパークのサービスは一人ひとりのキャストによって支えられています。
キャストのパフォーマンスが非常に高い水準で保たれるためには、自分たちの仕事に誇り
を感じ、働くことの喜びを実感できるような環境づくりが大切です。キャスト自身が楽し
く働いていなければ、良いパフォーマンスを発揮し、ゲストにも素晴らしい体験を届ける
ことができないでしょう。キャストがゲストに素晴らしい体験を届けることで、ゲストか
らハピネスを得て、更なる原動力となっています。
ゲストのハピネス
キャストの
ゲストの
ハピネス
キャストのハピネス
ハピネス
2.アンバサダーホテル
アンバサダーホテルの構成は 1930 年代のカルフォニアをイメージして建てられたホテルに
なっていて、外に出てみると昔のアメリカの雰囲気があります。
ミラコスタホテルではイタリアをイメージに、ディズニーホテルではイギリスをイメージ
したホテルになっています。
アンバサダーホテルのキャストの人にコンセプトを聞くと、子供へのサービス、結婚式と
いう答えがありました。子供へのサービスでは、ディズニーテーマパークのキャストが行
っている目線を合わせて話す。年齢に合わせた言葉遣いがありました。
結婚式では、アンバサダーホテルはホテルでの宿泊以外にも結婚式、披露宴として利用さ
れるゲストの方も多くいて少数人数の結婚式だと年間約 1000 件されていることが分かりま
した。
↓ホテルの中
↓ウエディング
他のサービスでは今年の夏期営業期間 7 月 7 日(土)~9 月 2 日(土)の宿泊のゲストのみ
無料でパームガーデン・プール、パームガーデン・バーを利用することができます。
あと、アンバサダーホテルに泊まれる宿泊ゲストには東京ディズニーランド、東京ディズ
ニーシーのパークチケットの販売を行い、ディズニーランド、ディズニーシーへの直通シ
ャトルバス「ディズニーリゾートクルーザー」を無料で利用することができます。
↓ディズニーリゾートクルーザー
↓手すり
バスの中にはミッキーのアナウンスがされていて、出入口の方にはディズニーのアニメ、
パレードが映る小さい液晶テレビ、手すりはミッキーの形がされていました。
3.コンセプトの違い
ディズニーランド、ディズニーシーでは同じテーマパークでもコンセプトは異なっていま
す。ディズニーランドは「夢と魔法の国」、ディズニーシーは「冒険とイマジネーションの
海へ」という違いです。
ディズニーランド
ディズニーシー
冒険とイマジネーションの海
夢と魔法の国
へ
ディズニーのどちらもみんなが楽しめるテーマパークになっていますが、ファンタジー色
に溢れたディズニーランドと、おしゃれで大人の雰囲気を味わえるディズニーシーという
イメージが感じました。
ショーなどもそのコンセプトに沿ったものになっていました。
ディズニーランドはディズニーシーと比べて子供、家族連れをターゲットにして
いると感じるアトラクション、ショーがたくさんあり、アトラクションの数では
デ ィ ズ ニ ー シ ー は 25 種 類 に 対 し て 40 種 類 あ り ま す が 、 ほ と ん ど 絶 叫 ま で い か な
いが子供があまり怖がらずに楽しめるアトラクションという感じでした。
ディズニーのキャラクターがディズニーシーよりも多く出てきていたので、ディ
ズニーのキャラクターが好き、ディズニーランドの世界が好きというゲストはデ
ィズニーランドの方に行くことが分かります。
↓ミッキーとミニー
↓熊のプーさん
↓トイ・ストーリー
ディズニーシーはランドと比べ街並みが大人の雰囲気になっていて、高級感も感
じました。
アトラクションでは、ランドと比べて絶叫系が多く、迫力もあるのでアトラクションが好
きな人はシーの方がいいと感じました。
あと、ディズニーシーではお酒が飲むことができ、ディズニーランドにはない大人の楽し
めるところがあります。
なので、ディズニーシーはアトラクションが好きな人、高校生以上の学生・大人の人、カ
ップル向けにデザインが楽しめる場所だと感じました。
構造の比較
ディズニーランドは「平たん」な場所が多くありました。クリッターカントリーは若干坂
道でしたが、他の場所はほぼ真っ平らです。通路も広めに出来ていて、歩いても疲れにく
く、移動しやすい設定がされていました。面積は 51ha です。
ディズニーシーは中央に大きな湖があり、道がいっぱいあったため目的地まで直接的に移
動できないので疲れやすかったです。さらに通路は狭く、階段や緩やかな坂道が多く、道
も複雑なのでちょっと移動しにくい構造です。面積は 49ha あります。
お土産の違い
ディズニーで人気キャラクターはおなじみのミッキーなどでありますが、「ダッフィー」や
「シェリーメイ」というキャラクターのぬいぐるみ、コスチューム、グッズはディズニー
ランドでは販売されていませんでした。
逆にシーでは「ドローイングクラス」というキャラクターはディズニーシーには販売され
ていませんでした。
ディズニーのいいところ、よくなかったところ
いいところ
1、
シーではお酒が飲める
ディズニーシーでは、お酒が飲めるという大人の雰囲気づくりをさせています。です
が、お酒の持ち込みは禁止されていて、外での飲酒は禁止になっています。
お酒が飲める場所は
カフェ・ポルトフィーノ
ザンビーニ・ブラザーズ・リストランチなど約 10 店舗のお店があります。
カクテルが飲めるのは「マゼランズ・ラウンジ」、
「ルーズヴェルト・ラウンジ」だけで、
あとはビールとワインになっています。
カクテルは各種(イベントに合わせたスペシャルカクテルもある)1000 円前後であり、
ビールは約 600 円です。
ワインが置いてあるレストランでは赤、白、ロゼ、スパークリングともに、フルボト
ルで 3000 円から数万円まであり、ハーフボトルもあり、グラスワインは 600 円から数
千円位まであります。ちなみにワインをフルボトルかハーフボトルを頼むと、ディズ
ニーシーのワインメダルが貰えるそうです。あと、飲んだあとボトルのラベルをはが
して、記念に持って帰ることができます。
2、
キャラクターが多い
ディズニーにはユニバーサルと同じでキャラクターは多くいますが、ディズニーの方
が子供から大人に親しまれているキャラクターが多くいます。ディズニーに出てくる
ミッキー、ドナルドなどの定番キャラクター以外にもトイ・ストーリー、モンスター
ズインク、チップとデールなどアニメ、映画に出ているキャラクターがいっぱいいま
す。
ユニバ-サルと比べてみると知名度が高いキャラクターがいっぱいいることがわかり、
キャラクターがいっぱいパーク内にいます。ミッキーに会えるのはパレードなどでし
かあえず、一定の時間しかパーク内に姿を出さないので、それも人気のひとつなのだ
と思いました。
3、
ポップコーン
パーク内にあるポップコーンのお店のですが、各エリアによって味が異なっているのは
いいなと思いました。ディズニーランドではバター醤油、キャラメル、ハニー、カレー、
ソルト味があり、ディズニーシーではブラックペッパー、キャラメル、シーソルト、ス
トロベリー、カリー、ミルクティー、クランベリーがありました。定番の味から食べた
ことのないような味がいっぱいあってゲストの人も楽しめるなと思いました。
4、
アトラクションの長さ
ユニバ-サルと比べてですが、一つのアトラクションが長く感じました。「タワー・オ
ブ・テラー」ではアトラクションに乗る前にマンションについての話がありましたが、
ゲストをそのアトラクションの世界に入れるような映像、話をされていて凄いと思い
ました。アトラクションに乗った時も「1 回落ちておわりかな。」と思っていたのです
が、3 回位上がり下がりしてびっくりしました。長くアトラクションを体験させること
で、アトラクションでの満足感、また乗りたいという気持ちにさせるのだろうと感じ
ました。
5、
隠れミッキー
ディズニーランド、ディズニーシーには隠れミッキーが存在します。各エリアにひと
つはあるみたいで、パーク内での楽しみがまた一つ増えると思いました。
良くなかったところ
1.
落ち葉の処理
ディズニーシーのロストリバーデルタの方で落ち葉が 1 枚落ちていたので、掃除の人
がいつ掃くのか見ていたら 6 人位の掃除の人が通ったが掃く人はいなかったので残念
でした。
2.
誕生日シールを貼っても…
ディズニーランド、ディズニーシーで「誕生日シール」を貼って一日まわってみると、
ディズニーランドではキャストの人と目があってもあまり声をかけてくれる人がいな
くて、約 10 人位しか話かけてくれませんでした。ディズニーシーでは会ったほとんど
のキャストの人が声をかけてくれました。
3.
喫煙場所
ディズニーランドの「クリッターカントリー」の喫煙場所があったのですが、他と比
べて煙を防ぐ、隠すような対応がされていませんでした。
「夢と魔法の国」で子どもが
いっぱい来ることは理解していてこの喫煙所はすこしショックでした。
4.
工事中
ディズニーランドのファンタジーランドの方で工事中のような場所がありました。
夢の国を体験しに来たゲストが見るとちょっとショックを受けてしまうので仕方ない
ですがあんまり目立たないようにした方がいいと思いました。
5.
待ち時間の対応
これはユニバーサルとの比較ですが、アトラクションに並んでいる時、室内にあるア
トラクションの待ち時間に何か映像などゲストを退屈させないものがあればいいかな
と感じました。
ユニバーサルではほとんどのアトラクションでは乗る前に映像があって待ち時間のイ
ライラなどの不快な気持ちが無くなります。
今回は木、金曜日に行きましたが、土日や夏休みなどの連休の時にはゲストがいっぱ
い来ると思うのでその時はゲストの不快な気持ちをするのではと思いました。
今後の方向性
今後の方向性でディズニーはユニバーサルみたいにワンピースとコラボで新しい挑
戦などはしないで、この状態のままやってほしいと感じました。
理由は異なるものとコラボしてしまうとコンセプトから大きくズレてしまってディズ
ニーがなくなってしまうからです。今のディズニーが好きで多くのゲスト、リピータ
ーが来られているのでそのゲストを大切にした方がいいと感じました。
なので、ディズニーは今のディズニーのキャラクターのままで新しいアトラクション、
パレードをやっていった方がいいと思いました。