バラ - Nexyz.BB

バラ
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バラ属植物
バラ属植物の植物学的特性と分類
バラ属(Rosa)植物はバラ科に属し、南はエチオピア、北はシベリアまで、
北半球の亜熱帯から寒帯にかけ広く分布する。常緑または落葉低木で、茎に刺
があり、幹は直立するか、ほふく、樹木等にからまって生育する。
葉は1種を除き、奇数羽状複葉で、たく葉がある。花は枝先に単生するか、
円錐状または散房状の花序につく。花弁は5枚で、内側につぼ状にくぼんだが
く筒上縁部の花盤にがく片とともに着く。がく筒内部、花床に多数の雌しべが
着く。雄しべも多数着き、園芸的に改良された品種で見られる八重咲きは、こ
れらの雄しべが花弁化したものである。花色は、赤、ピンク、黄、白色などが
ある。果実(ローズヒップ)に見えるものは、がく筒が肥大し肉質になった偽
果で、本来の果実はそう果で、がく筒内にあり、種子のように見える。
分類学者により異なるが、Rehder(1940)によれば、バラ属は一般に Hulthemia、
Rosa、Platyrhodon、Hesperhodos の4亜属に分けられる。その分類基準には、葉
の形(単葉か複葉か)、たく葉の着き方(葉柄に沿着するか遊離するか)、がく
筒の形、花柱の突出度、花序の形、がく片の形、刺の形と着き方、小葉数など
が用いられている。しかし、種内変異が大きいこと、種数の豊富な中国にはま
だ未記載の新種が存在すると思われることなどから、バラ属の分類は完全であ
るとはいえない。種の数は分類学者により様々であったが、変種(variety)、品
種(forma)などが整理、統合され、約 150 種から 200 種ぐらいの種が存在す
ると思われる。Hulthemia 亜属に 1 種、Platyrhodon 亜属に 3 種、Hesperhodos 亜
属に 2 種含まれ、種のほとんどは Rosa 亜属に属する。Rosa 亜属の種は新旧両
大陸にまたがり広く、Hulthemia 亜属は西アジアから中央アジアにかけ、
Platyrhodon 亜属は中国と日本に、Hesperhodos 亜属は北米のアリゾナ、テキサ
ス、バハカリフォルニアの限られた地域にそれぞれ分布し、森林から海岸まで
非常に幅広い環境に適応する数多くの種を分化してきている。なお、Rosa 亜属
はさらに 10 節に分けられている。
これらの種のうち、日本には約 12 種 3 変種が自生している。万葉集で、ウマ
ラとして歌に詠まれたノイバラを代表に、テリハノイバラ、ハマナスなどがあ
る。南北に長い日本列島、南の果て石垣島には暑さに強いヤエヤマノイバラが
自生し、本州中部、富士山周辺には唯一の樹木状になるサンショウバラが自生
する。
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バラ属植物の遺伝学的特性
バラ属の染色体数は7本を基本とし、これを基本とする倍数体系列があり、
2倍体(2n=2x=14)から8倍体(2n=8x=56)までの種がある。奇数倍数性を示
す種があり、これらの種は Rosa 亜属 Caninae 節に限られ、
「Balanced heterogamy」
と呼ばれる特殊な減数分裂を行うことにより、種子繁殖でその倍数性を維持し
ている。また、高緯度へいくほど、より高倍数性の種が分布している。
Hurst(1925, 1928)は7本を基本とする染色体単位をセプテットと呼び、形
態観察、染色体観察、交雑試験から、A から E までの染色体組を設けた。これ
らは現在のゲノムに相当するものと思われるが、染色体対合にのみ基づくもの
でないため、現在は一般には用いられない概念である。彼によれば、高倍数性
の種では異質なセプテットの組み合わせからなり、このことにより高緯度の厳
しい条件下で生き残りやすくしていると述べている。このようなセプテットと
いう概念が提唱されているが、今もバラ属植物ではゲノムが明らかにされてお
らず、その理由として、ゲノムそのものがまだ十分に分化していないことがあ
げられる。
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栽培バラの歴史
栽培バラの系統分化史
バラの栽培は、香料用、薬用として利用されたのが始まりで、その起源は古
代ペルシャ(今のイラン)といわれる。ギリシャ、ローマ時代には広く栽培さ
れ、特にローマ人はバラを多用したといわれている。その当時栽培されていた
バラは、ロサ・ガリカ(Rosa gallica)とロサ・ダマスセナ(Rosa × damascena) で、
後者のバラは現在もブルガリアを主として香料用に広く栽培される。これらの
古いバラがもとになり、センティフォリア系、モス系、白花のアルバ系などの
一連の品種群がヨーロッパで成立してきた。いずれも香りが強く、丸弁でカッ
プ咲きやクォーター・ロゼット咲きのバラで、典型的なオールドローズの花形
である。
バラにまつわるエピソードは数多く、英国では、白いバラ「アルバローズ」
を紋章とするヨーク家と赤いバラ「ガリカローズ」を紋章とするランカスター
家が1400年代に30年にわたって王位継承を巡って争い、
「バラ戦争」とし
て歴史に刻まれている。この戦いはランカスター家のヘンリー・チューダーが
ヘンリー7世として即位し、ヨーク家のエリザベスと結婚し、争いは集結した。
両家の紋章は、白いバラに赤いバラを合体させた「チューダーローズ」として
生まれ変わることになった。このチューダーローズは現在でもイギリス王室の
ロイヤル・エンブレムとなっている。
一方、中国でも、古くからバラが栽培されており、その野生種として、中国
四川省を中心に分布する、R. chinensis var. spontanea と雲南省を中心に分布する
香りのよい R. gigantea が関わってきた。これらの野生種は一季咲きであったが、
人が栽培を続ける過程で、シュートが長く伸長せず、背の低いブッシュ(木立
ち)状になる個体が現れ、それとともにシュートの先端には常に花を着ける「四
季咲き」の特性を獲得することになる。この四季咲きのバラをもとに品種が育
成され、宋(960~1279)の時代には、洛陽だけで 41 品種のバラが育成されて
いたという(荻巣 1994)。明(1368~1644)、清(1644~1912)の時代には、剣
弁高芯咲きのかなり完成されたバラが育成されていたようである。この高芯剣
弁咲きの花型も、ヨーロッパのバラにない形質である。また、野生種
R. gigantea は独特の中国バラの香り、ティーの香りを付与することになる。
このような独自の形質をもつ中国のバラが、18~19世紀にかけ、商人や
プラントハンターによりインドを経由し、ヨーロッパに渡ることになる。これ
らのバラには主に、「スレターズ・クリムソン・チャイナ」(花が紅色)、「パー
ソンズ・ピンク・チャイナ」
(ピンク色)、
「ヒュームス・ブラッシュ・ティー・
センティッド・チャイナ」
(淡ピンク色)および「パークス・イエロー・ティー・
センティッド・チャイナ」
(黄色)の4品種あったといわれている。これらのバ
ラがヨーロッパで育成されてきたバラと交雑され、四季咲き、香り、さらには
剣弁高芯咲きの形質が導入されることになった。
ちょうど、これらの中国の栽培バラがヨーロッパへ渡り始めた頃に、フラン
スでは、時の皇帝、ナポレオンの王妃ジョセフィーヌが住まいであるマルメゾ
ン宮殿の庭にその当時のあらゆるバラ 250 種類を収集し、園芸家に改良をさせ
たという。そして、収集したバラをその当時の代表的な植物画家、ルドゥテに
描かせた。これらの図はその頃に栽培されていたバラを知る貴重なものとなっ
ている。このジョセフィーヌのバラへの想いはこれらのバラに関わった園芸家
に引き継がれ、今日のバラの礎を築くことになった。
さて、ハイブリッドティー(HT)としての現代バラの成立は、フランスのギ
ヨーにより、1867 年、「ラ・フランス」の名で発表された品種から始まる。彼
は、ヨーロッパで育成された耐寒性、強健性のハイブリッドパーペチュアル系
統の品種に上記中国のバラを導入しできた四季咲き性で剣弁高芯咲き、芳香性
のティー系統の品種を交配して、「ラ・フランス」を生み出したとされている。
これが初めての完全な四季咲き性品種の誕生となり、現代バラ(モダーンロー
ズ)の時代が幕を開けることになる。その後、ハイブリッドティー系統に、フ
ランスの育種家ぺルネ・デュシェによって、西アジア由来の野生種、Rosa foetida
から黄色い花色が導入されることになった。R. foetida の稔性が非常に低いため、
1900 年に最初の品種、
「ソレイユ・ドール(黄金の太陽)」が育成されるまでに
10 数年の歳月がかかったといわれている。現在栽培される黄色系品種は、すべ
てこの品種までさかのぼり、彼の功績の偉大さを知ることができる。このハイ
ブリッドティー系統が現代バラの主要な系統であり、切り花として流通してい
る大輪一輪咲き品種は多くがこの系統に含まれる。
さらに、
「ラ・フランス」の育成者、ギヨーは、日本のノイバラをもとに、1860
年、四季咲き、わい性で、多数の小輪の花を房咲きに付けるポリアンサ系統を
育成した。このポリアンサ系統は、デンマークのポールセンにより、ハイブリ
ッドティー系統の品種と交雑され、現代のガーデンローズになくてはならない、
四季咲き性で中大輪房咲きのフロリバンダ系統へとつながっていくことになる。
ヨーロッパに導入されたノイバラは、つる性バラの育成にも利用され、
「クリ
ムソンランブラー」に代表されるムルティフロラ・ランブラー系統となり、の
ちに日本から導入されたテリハノイバラに由来するウィクラナ・クライマーに
おき替わっていった。一方、ハイブリッドティーをはじめ、ブッシュローズに
はつる性になる突然変異がみられ、木がつる性になる以外の性質は母樹とまっ
たく同じである。このようにつるバラといっても、その由来により異なったも
のがある。
さて、現代バラとしてはもう一系統、ミニチュア系統がある。この系統は、
現代バラに四季咲きをもたらしたロサ・シネンシスのわい性品種、ロサ・シネ
ンシス・ミニマ(R. chinensis ‘Minima’) に由来し、現在流通している鉢植え
のミニバラは本系統に含まれる。
上記系統分化も実際にはより複雑な経過を経てきているが、簡略的に示すと
図1のようになる。
Rosa multiflora
ノイバラ
房咲き
R. chinensis コウシンバラ
四季咲き
R. gallica
フランスバラ
R. damascena
ダマスクローズ
R. gigantea
Tea の香り
Hybrid China
R. moschata
Polyantha
Hybrid Perpetual
Tea
R. chinensis
minima
わい性
Hybrid Tea
R foetida
黄色
R. luciae
テリハノイバラ
蔓性
Miniature
Climbing
Floribunda
Pernetiana
図1 栽培バラの系譜
現在、庭園等で栽培されているバラは、野生種と人が野生種をもとに育成し
てきた栽培バラ(品種)に分けられる。栽培バラは、中国の栽培バラから四季
咲き性を導入し育成されたハイブリッドティー系統の第一号品種、
「ラ・フラン
ス」の発表年 1867 年で大きく分けられ、この年代以前に育成されていた系統を
オールドローズとし、この年代以降に育成された系統をモダンローズと呼ぶこ
とになっている。育成年代で分けるのではなく、その年代を境にし、育成され
た系統そのものを対象とする。例えば、1867 年以降に育成されたティー系統の
品種であっても、ティー系統はハイブリッドティー系統以前に育成されていた
系統であるので、その品種はオールドローズに含められる。
また、上記の系統とは別に、バラの樹の姿から、ブッシュ、つるバラ、グラ
ウンドカバー型などに分けられる。ブッシュは、木立性のバラのことを指し、
ハイブリッドティーやフロリバンダのような典型的なブッシュから、ミニチュ
アローズにみられるようなミニチュアブッシュまである。一般にシュラブと呼
ばれるものはブッシュの一タイプであり、野生種の多く、オールドローズ、さ
らにはポリアンサ系統が含まれるモダンシュラブが含まれる。半つる性になる
もの、茂み状になるものを指す。また、人工的なものであるが、仕立て方とし
て、長く直立した台木の上方に芽接ぎをし茂らしたものにスタンダード仕立て
がある。
上記のように香料として始まったバラは観賞用植物として大きく発展し、こ
れまで人の手によって育成された品種数は数万ともいわれ、2万数千もの品種
が現存しているといわれている。切り花、鉢花、花木として、花き産業におい
て最も重要な位置を占めている植物である。
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香料としてのバラ
香料バラの起源と歴史
上述したように、バラの栽培の起源は、香料用、薬用であったと思われる。
起源前12世紀には古代ペルシャのマギ僧族の宗教的なセレモニーに利用する
ために栽培されていたといわれる。その場所は、南ペルシャの山岳地域、シラ
ズとその周辺といわれている。紀元前3~4世紀にはギリシャや小アジアのミ
レトスで栽培され、紀元後1世紀にはローマ人により輸入されていた。7~8
世紀にはアラブ人により、北アフリカに香料バラが導入され、モロッコは今も
主要なバラ精油の産地である。12世紀になると、同様にアラブ人により北ア
フリカ経由で香料バラがスペインにもたらされ、ヨーロッパで最初の香料バラ
の栽培が行われた。北アフリカへの香料バラ導入の5世紀後(13世紀)、十字
軍遠征の帰国とともに中近東からも香料バラがフランスにもたらされ、南フラ
ンスのグラースに香料バラの産地が築かれた。
ところで、現在、香料バラとして栽培されている重要な種は、R. × damascena
(ダマスクローズ)である。世界の主要な香料バラの産地、ブルガリアで栽培
されているのもこの種である。この種の起源については諸説あるが、
Widrlechner(1981) によれば、雑種起源で、R. gallica と R. phoenicia の2種が分
布の重なる、トルコのエーゲ海に面した西岸で自然交雑により成立したと述べ
ている。本種は4世紀には、アビシニア(現、エチオピア)に導入されていた
とされ、クレタ島のフレスコ画に本種に似たバラの画があり、これはバラの最
も古い描写といわれている。クレタ島のミノア文化が栄えたのが、紀元前 2000
年から 3000 年の間であるので、もし、この画のバラがダマスクローズだとする
と、ダマスクローズの起源がいかに古いものであるかが分かる。ダマスクロー
ズは R. gallica に比べて樹高が高く、強健であり、多花性である。また、香り
の拡散性が強いのが特徴である。これまで、ダマスクローズにとって替わるよ
うな香料生産に適したバラはなく、今もなお香料用としてなくてはならないバ
ラである。
ローズオイルといえば、ブルガリアが有名であるが、上記のような香料バラ
生産の古い歴史に比べ、この国で香料バラの生産が始まったのは比較的新しく、
17世紀以降のことである。ギリシャとトルコの北、ブルガリアのカザンリッ
クが香料バラの産地で、山岳地の谷の中に産地があり、栽培される種は、上記
のダマスクローズで、カザンリック・ローズと呼ばれ、精油生産量が多く、栽
培に適したものが選抜されたものである。
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バラの香気成分の特徴
一般にローズオイルといっても、採油方法により異なり、水蒸気蒸留により
得られるエッセンシャルと溶剤抽出により得られるアブソリュートオイルがあ
る。このように採油方法が異なるため、それぞれのオイルの成分組成も異なる。
エッセンシャルオイルは、華やかで新鮮でしかも強烈、香料の効きがよく、軽
くやわらかな香りを出すが、アブソリュートオイルは、匂いが甘くかつ濃厚で、
保留性が強い(蓬田 1998 から)。
先述のブルガリアンローズオイル(エッセンシャルオイル)の主な成分は、
シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、フェニルエチルアル
コール、メチルオイゲノール、オイゲノールなどである。
これらのエッセンシャルオイルのような花弁から抽出した香気成分に対し、
実際の花から発散している香気成分が、近年の分析技術の向上とともに詳細に
分析されるようになった。
香気成分分析の技術進歩と簡易化により、観賞用のバラを含む数多くのバラ
の野生種、品種の花が香気分析に供されることになった。その結果、ハイブリ
ッドティー系統を主とする現代バラの香気分析から、ヨーロッパで古くから栽
培されていた香料バラやヨーロッパで育成されてきたオールドローズにみられ
ない香気成分が発見されることになった。1, 3-ジメトキシ-5-メチルベンゼン
がその主要成分で、中国由来の品種群、ティー系統に由来することから、ティ
ローズエレメントとも呼ばれる(蓬田、2004)。この成分は、中国雲南省原生の
R. gigantea に辿ることができる。本種は中国語で、大花香水月季(月季は中国
でのバラの呼称)といい、その名のとおり、白色大輪で強い芳香を放つ種であ
る。このティーローズエレメントは、他のバラの香気成分やラベンダーよりも
人への鎮静効果が高いことが脳波測定により確認されている。また、この香気
成分を人にストレスを加えた後に嗅がせるとストレスホルモンである、コルチ
ゾールの分泌が抑制されることも報告されており、ストレス緩和作用があるこ
とが分かっている。同様な化学構造の 1, 3, 5-トリメトシキベンゼンは上記 R.
gigantea の近縁種 R. chinensis var. spontanea に特有の香気成分であり、ティー
ローズエレメントより鎮静効果が高いことが分かっている。これらの中国のバ
ラは上述のように現代バラの成立に大きな影響を及ぼし、バラの香りを多様化
することに果たした役割は大きい。
このように新たな中国バラの香りが加わり多様化したバラであるが、野生種
から現代バラまで幅広い種と品種を用いた香気分析とパフューマーの香気評価
から、バラの香りは、①ダマスク・クラシック、②ダマスク・モダン、③ティ
ー、④フルーティ、⑤ブルー、⑥スパイシーの6つの香りタイプに分類されて
いる(蓬田、1992)。
一方、新たな品種群として、イングリッシュローズと称されるバラが英国の
バラ育種家、デービッドオースチンにより育成されてきた。このイングリッシ
ュローズの多くの品種が、これまでのバラ品種にみられなかった独特の香りを
放つ。ミルラの香りと呼ばれる香りで、その主要成分は、4-メトシキスチレン
で、独特のアニスシード様の香りである。この成分は、ヨーロッパ原生の
R. arvensis に由来する。最近、この成分が人への美白効果を示すことが、一企
業の研究で報告されている(駒木ら、2007)。その効果は、メラニン色素合成に
関わる酵素チロシナーゼを抑制することによる。
また、バラの香気成分による人への効果として、代表的な成分、フェニルエ
チルアルコールが人の記憶の活性化に関わりがあることが最近、報告されてい
る(Rasch, B.ら、2007)。
このように、近年、バラの香りの人への効果につき、盛んに研究が進められ、
解明されきている。なぜ、人が古くからバラに執心であったか、視覚的なもの
だけでなく、嗅覚にもあったことが証明されつつあるようである。
文献
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2)
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5)
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7)
蓬田勝之:ローズオイルの香気組成について、aromatopia、No.28、1-5(1998)
8)
蓬田勝之:現代バラの香り研究、香料、第 222 号、129-140(2004)
9)
蓬田勝之:バラの香り研究の新たな視点、農林水産技術研究ジャーナル、
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prompt declarative memory consolidation、Science、315、1426-1429(2007)
11)
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Botany、35(1)、42-58(1981)
本稿は、平成 17-18 年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書(研究
課題番号 17580021
バラ香気成分の官能検査における尺度構成と評価)第1章
を掲載したものです。内容の一部あるいは全部を無断で転載することを禁じま
す。