自然的要因による地下水汚染に関する研究

自然的要因による地下水汚染に関する研究
川崎
清人
吉川
寛親
笹島
武司
森
友子
地下水中 の ほ う 素 、 ふ っ 素 、 ひ 素は 、 広 範 囲 に 検 出 さ れ る こ と が 多 く 、 地 質 学 的 考 察
を踏まえ、自然的要因による汚染と推定 されて きている。
そこで、自然要因の ほ う 素に よ ると考えられる地下水汚染について、主成分分析を 行
い地下水の特性を明らかに するとともに 、汚染起源の検討を行った。
地 下 水 中のほ う 素 濃 度は 、 塩 素 イ オ ン に 同 調 し て増減するだ けで は な く 、 地 質 に 由 来
す る ナ ト リ ウ ムイ オ ン、カルシウム イオン 、カリウム イオン 、マグネシ ウム イオン など
についても同様な傾向で増減していたことから、 化 石 海 水 由 来 だ け で な く地質由来 の影
響も受けていると考えられた。
また、ダイアグラムや主成分分析は、自然 的 要 因に よ る 地 下 水 汚 染 の 範 囲や起源の 解
明に有効な手段であることがわかった。
1
はじめに
ほう素、ふっ素、ひ素についても広範囲に検
出されることが多く、地質学的考察を踏まえ、
自然的要因による汚染と推定されてきている。
そこで、自然要因によると考えられる地下水
汚染について、主成分分析などから、地下水の
特性を明らかにして、汚染起源の検討を行った。
県内の地下水の汚染状況については、測定計
画に基づき水質測定を行っているが、現在まで
に、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレ
ン等の人為的汚染が発見され、汚染井戸周辺地
区調査から、汚染範囲の確定や発生源の特定を
行っている。
19
地点番号
20 18
15
17
表1
12
14
13
10
7
8 11
12 5 9
6 16
34
22
21
23
図1
24
調査井戸の深さ
深度(m)
地点番号
深度(m)
1
50
13
20
2
100
14
30
3
80
15
80
4
100
16
25
5
60
17
40
6
40
18
50
7
65
19
80
8
45
20
40
9
20
21
60
10
20
22
75
11
30
23
60
12
50
24
30
(注)No.18∼No.24:対照地点
調査地域
38
2
調査の概要
測定方法については、ほう素はICP質量分
析法、塩素イオンは硝酸水銀(Ⅱ)法、重炭 酸イ
オンは滴定法( pH4.8 アルカリ度)、その他の
項目はイオンクロマトグラフ法により測定し
た。
なお、イオンバランス比が 0.8∼1.2 であるこ
2.1 調 査 地 域
13 年度の測定計画に基づく水質調査で、ほ
う素汚染が発見されたT市T地区 で 17 地 点
(No.1∼17 地点)、また、対照地点として周
辺で7地点 (No.18∼24 地点)選定し、水質調
査を実施した。調査地点を図1、各 調査井戸の
深さを表1に示す。
これまでの調査から、同地区においては化石
塩水の存在が知られており、また、水質中のほ
う素は塩素イオンと高い相関にあることから、
自然由来(主として化石塩水による影響)によ
るものと推定されている。
とを確認して分析の精度を確保した。
3
3.1
測定結果
測 定 結 果 を 表 2 に 示 す 。ほう素 濃 度 が環 境
基準 値 1.0mg/l を 超 過 し た 地 点( 以 下 ① グ ル
ー プ )は 6 地 点 あ っ たが、T地区の O 川流域
に 集 中 し て お り 、離 れ る に 従 っ て 濃 度 は 低 下
す る 傾 向 が あ っ た 。 0.2mg/l 未満の 低 濃 度地
点( 以 下 ② グ ル ー プ ) は 10 地 点あ っ た が、
対 照 地 点 と し て 選 定 し た 周 辺の 地 域 に 多 か
っ た 。塩 素 イ オ ン を は じ め 多 く の 測 定 項 目 で
ほう素濃度の多寡と同様な傾向を示したが、
硝 酸 イ オ ン 、ア ン モ ニ ウ ム イ オ ン は 別 な 傾 向
を示した。
2.2 調 査 項 目
13 年度の結果を踏まえ、ほう素と塩素イオ
ンに加えて 、地下水の主成分と考えられる ナト
リウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイ
オン、マグネシウムイオン、アンモニアイオン、
硝酸イオン、硫酸イオン、重炭酸イオンを併せ
て測定した。
表2
結果及び考察
地下水調査結果
( 単 位 : m g/l )
調 査 地 点 No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
-
B
Cl
1.3
0.18
0.17
0.38
0.01
0.4
1.4
1.2
0.54
2.0
1.6
0.26
1.1
0.79
0.81
0.71
0.24
0.04
0.08
0.01
0.1
0.01
0.01
0.01
260
40
33
91
12
59
380
300
63
430
340
69
320
230
98
86
30
10
31
10
16
5
5
5
S O4
2-
22
10
9.2
1.7
8.4
11
23
20
12
28
16
16
29
18
19
14
15
9.2
34
6.0
8.9
7.8
7.5
7.8
NO 3
-
0.82
1.1
1.6
0.41
2.5
1.3
1.4
0.25
1.0
0.7
0.58
1.4
0.61
1.4
0.69
0.8 0
0.86
1.2
1.4
4.5
1.3
2.3
1.6
1.7
H C O3
460
160
160
200
63
190
640
430
200
810
690
200
600
500
300
310
160
100
100
100
120
58
71
61
39
-
Na
+
210
44
37
51
14
71
220
190
90
320
270
51
210
150
140
130
42
19
42
8.0
24
8.9
8.5
8.3
K
+
11
3.3
2.1
5.3
6.1
2.5
12
8.5
2.9
12
12
4.7
6.2
9.0
4.5
3.1
5.7
5.1
7.8
1.5
2.1
0.68
0.76
0.72
2+
Mg 2 +
NH 4 +
67
33
34
65
15
29
110
72
27
170
140
54
170
130
38
47
17
25
18
39
28
15
19
16
46
7.3
7.5
52
2.0
8.6
63
42
5.9
76
63
17
55
53
14
8.3
14
3.0
7.0
1.7
7.5
3.6
4.0
3.3
0.72
0.04
0.1 0
0.17
0.13
0.48
0.7 0
0.66
0.51
0.86
0.71
0.37
0.79
1.1
0.75
0.62
0.57
0.2 7
0.73
0.36
0.69
0.4 0
0.52
0.56
Ca
3.2
ダイアグラムによる考察
中間型の水質組成を示した。一方、②グループ
ヘキサダイアグラムとトリリニア・ダイアグ
の地下水については、溶存成分量が比較的 少な
ラムは図2及び図3の示すとおりである。
く、T 地区から離れた対象地点では、おおむね
ヘキサダイアグラムでは、①グループの地下
Ca−HCO3 型の水質であったが、T地区内では
水 に つ い て は 、全般的に溶存成分量が多く、
Ca-Cl 型と Ca−HCO 3 型の中間型の水質組成
No.13 地点を除いて Na −Cl 型と Ca-Cl 型の
であった。
① グ ル ー プ ( ほ う 素 濃 度 > 1 . 0 m g / l)
Cl-+
Na + +
1.5
1.5
HCO3-
Ca 2 +
0.5
0
-15
-10
-5
-0.5
SO42-
1.5
1.5
1
1
1
1
0.5
0.5
0.5
0
0
0
0
-1
-1.5
5
10
15
-15
-10
-5
-0.5
Mg 2 + N o . 1
0
5
-1
10
15
-15
-10
-5
No.7
-1.5
-0.5
0
5
-1
10
-15
15
-10
-5
-0.5
No.8
-1.5
0
5
-1
10
15
N o .1 0
-1.5
1.5
1.5
1
1
0.5
0.5
0
-15
-10
-5
0
0
-0.5
5
10
15
-15
-10
-5
0
-0.5
5
10
15
-1
-1
No .1 1
-1.5
N o .1 3
-1.5
② グ ル ー プ (ほ う 素 濃 度 >0 . 2 m g / l )
1.5
1.5
1.5
1.5
1
1
1
1
0.5
0.5
0.5
0.5
0
0
0
0
-15
-10
-5
-15
0
-0.5
5
10
-10
-5
5
10
15
-15
-10
-5
-0.5
-15
0
5
-1
No.2
-1
0
-0.5
15
-10
-5
-0.5
15
0
5
-1
No.5
-1
No.3
-1.5
-1.5
10
10
15
N o .1 8
-1.5
-1.5
1.5
1.5
1.5
1.5
1
1
1
0.5
0.5
1
0.5
0.5
0
0
-15
-10
-5
-15
0
-0.5
5
10
-10
-5
-0.5
15
0
5
10
0
0
15
-15
-10
-5
-0.5
0
5
10
-15
15
-10
-5
0
-0.5
5
10
15
-1
-1
N o .1 9
-1.5
-1
N o .2 0
-1.5
-1
N o .2 1
-1.5
N o .2 2
-1.5
1.5
1.5
1
1
0.5
0.5
0
0
-15
-10
-5
-0.5
0
5
10
-15
15
-10
-5
N o .2 3
-1
-1.5
-0.5
0
5
10
15
N o .2 4
-1
-1.5
その他 (ほ う 素 濃 度 :0 . 2∼ 1 . 0 m g / l )
1.5
1.5
1.5
1.5
1
1
1
1
0.5
0.5
0.5
0.5
0
-15
-10
-5
-0.5
0
5
10
0
0
15
-15
-10
-5
0
-0.5
5
10
15
-15
-10
-5
-0.5
0
5
10
15
0
-15
-1
No.6
-1
No.4
-1.5
-1.5
-1
-10
-5
-0.5
No.9
-1.5
0
5
10
15
N o .1 2
-1
-1.5
1.5
1.5
1.5
1.5
1
1
1
1
0.5
0.5
0.5
0.5
0
0
0
-15
-10
-5
-0.5
-15
0
5
10
15
-10
-5
-0.5
0
5
10
0
15
-15
-10
-1
-1
-1.5
N o .1 4
-1.5
図2
-5
-0.5
-15
0
5
10
-10
-5
-0.5
0
5
10
15
15
-1
-1
N o .1 5
-1.5
ヘキサダイアグラム
40
N o .1 6
-1.5
N o .1 7
表3
B
ClS O 42 N O3 H C O3 Na+
K+
Ca2+
M g 2+
NH 4 +
相関行列
B
ClS O 4 2 - N O 3 - H C O3 - N a +
1.00
0.96 1.00
0.52 0.55 1.00
-0 . 7 4 -0 . 6 8 -0 . 2 1 1 . 0 0
0 . 9 4 0 . 9 7 0 . 5 6 -0 . 6 3
1.00
0 . 9 8 0 . 9 8 0 . 6 2 -0 . 7 1
0.96 1.00
0 . 7 5 0 . 8 2 0 . 5 4 -0 . 5 4
0.76 0.80
0 . 7 8 0 . 8 8 0 . 3 8 -0 . 5 0
0.92 0.81
0 . 8 7 0 . 9 1 0 . 4 2 -0 . 7 2
0.90 0.87
0 . 3 5 0 . 3 6 0 . 5 3 -0 . 2 2
0.42 0.40
トリリニア・ダイアグラムでは、①グループ
K+
1.00
0.66
0.73
0.23
Ca2+
1.00
0.86
0.34
M g 2+
1.00
0.40
NH 4 +
1.00
ン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、
の一部の地下水でアルカリ非炭酸塩型(Ⅲ)に
カリウムイオン、マグネシウムイオ
分類されるものがあったが、全般的にアルカリ
ンには互いに強い相関があった。硝酸イオン
土類炭酸塩型(Ⅰ)またはアルカリ炭酸塩型
は他のどの項目とも相関が低かった。
(Ⅱ)との中間型(Ⅴ)に分類され、アルカリ
寄 与 率 及 び 累 積 寄 与 率の結果は表4及び表
土類非炭酸塩型(Ⅳ)を示すものはなかった。
5に示すとおりである。データは対数変換し
かつ基準化して解析を行った。第1主成分か
ら第3主成分までに全情報の 89%が集約され
-
+Cl
2+
Ⅴ
4
14
13
12
20
78
10
24
11
23
22
1
21 3 52 19
18 17
6
15
16
9
→
3
HC
O
←
2+
+
図3
2-
Mg
+K
2+
← Ca
4
SO
+
20
71781
14
12
10
13 11
23
2221
24
19
3
18 5 2 61615
9
Ⅴ
Ⅱ
寄与率
累積寄与率
Ⅲ
寄与率及び累積寄与率
第1主成分 第2主成分 第3主成分
72.0%
11.2%
6.3%
72.0%
83.2%
89.4%
←
Na
→
Ⅰ
4
表4
+Ca
SO
2+
Ⅳ
Mg
2
4 -
←
→
ているので、特性を説明できると考えられる。
主成分との相関を示しているといわれる各
19
22
24 17
23
18
21 3521615
20
961214
13
17 8
11
410
測定項目における因子負荷量については表5
-
Cl →
に示すとおりである。各主成分において、因
水質当量濃度組成(%)
トリリニア・ダイアグラム
子負荷量が他の項目に比べ高い値を示すもの
は、第1主成分では、ほう素、塩素イオン、
3.3
主成分分析による考察
重炭酸イオン、ナトリウムイオン、カルシウ
主成分分析とは、多くの変数(分析項目等)
ムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイ
を持つデータにおいて、情報を圧縮して本質
オン、第2主成分では硫酸イオンとアンモニ
ウムイオンであり、第3主成分では硝酸イオ
的特徴を示す主成分として集約することによ
り、事象をわかりやすくするものである。こ
こでは地下水の特性を把握するため、測定し
ンであった。
た 10 項目について主成分分析を行った。デー
属、アルカリ土類金属は、一般的に地質から
タ解析については市販ソフト(エクセル統計)
供給されることが知られている。一方、硫酸
を使用した。
イオンは、周囲の酸化還元雰囲気によって硫
ところで、地下水においては、アルカリ金
各測定項目間の相関行列は表3に示すとお
化物との平衡状態が異なるため、濃度が増減
りである。ほう素、塩素イオン、重炭酸イ オ
し、さらに、アンモニアイオンは、地質から
41
供給されることが少なく、かつ、酸化して硝
表6
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
酸イオンに変化することも知られている。
以上のことから、第1主成分は 化石塩水由
来に地質由来からの可能性が加味された特性
を表している因子であると考えられる。また、
第2主成分については、地質によって変化を
与えられる特性を表している因子であると考
えられる。
B
C lSO 4 2NO 3 HCO 3 Na +
K+
C a2+
Mg 2+
NH4 +
表5 各 項 目 の 因 子 負 荷 量
第1主成分
第2主成分
第3主成分
0.96
-0.11
-0.01
0.98
-0.09
0.07
0.61
0.64
0.35
-0.72
0.34
0.36
0.98
-0.02
0.02
0.98
-0.01
0.06
0.83
-0.05
0.35
0.87
-0.11
-0.03
0.93
-0.13
-0.15
0.46
0.73
-0.47
次に測定項目間の関連をより明らかにする
地点別主成分因子得点
第1主成分
2.93
-1.20
-1.46
0.47
-3.49
-0.29
3.29
3.26
-0.08
4.30
3.79
0.30
3.55
2.76
1.41
0.92
-0.23
-2.19
-0.62
-3.79
-1.55
-4.24
-3.81
-4.02
第2主成分
0.39
-2.28
-1.25
-3.59
-0.39
0.16
0.52
-0.44
0.11
0.41
-0.36
0.14
0.45
0.77
0.52
0.15
0.41
-0.25
1.77
0.47
0.44
0.59
0.56
0.72
第3主成分
0.31
1.69
0.93
-1.55
1.60
-0.19
0.69
-0.73
-0.23
0.18
-0.21
0.55
-0.15
0.05
-0.32
-0.44
-0.13
0.44
0.86
0.29
-0.84
-0.63
-1.09
-1.08
ため各主成分間の散布図を図4に示す。第1
主成分と第2主成分の因子負荷量の分布から、
化石塩水由来に地質由来からの可能性が加味
された特性を表すと考えられるほう素、塩素
イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、
カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネ
シウムイオンのグループ、硫酸イオンとアン
モニウムイオンのグループ、そして硝酸イオ
ンの3つに分類することができた。
図4 各主成分間の因子負荷量
42
各変数に特性を重み付けしているといわれ
る各測定地点における各主成分毎の因子得点
(総合特性値)は表6に示すとおりであり、
また、各主成分間の散布図は図5に示すとお
りである。
第1主成分と第2主成分の因子得点の分布
状況から、ほう素濃度が環境基準値の 1.0mg/l
を超過した地点を中心とする A グル−プ
(7地点)、0.2mg/l 未満の低濃度の B グル
ープ(6地点)、0.2mg/l 未満∼1.0mg/l 検出
の C グループ(9地点)に分類できた。また、
No.4 と No.19 地点については単独に分布して
いた。なお、第2主成分と第3主成分の因子
得点の分布状況から、No.2∼5地点と No.19
地点の5地点が他の 17 地点とは別に分布し
ていた。
4
まとめ
以前に自然要因によるほう素汚染が発見さ
れたT市T地区の地下水について、主成分分
析の解析から汚染起源の検討を行った。
地下水水質中、ほう素濃度は塩素イオンに
同調して増減するのではなく、地質に由来す
ると考えられるナトリウムイオン、カルシウ
ムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイ
オンなどについても同様な傾向で増減してい
た。このことは、ほう素が自然起源の汚染で
あり、化石塩水だけでなく地質由来による可
能性を示唆する。
また、ダイアグラムや主成分分析は、地下
水汚染の範囲や起源の解明に有効な手段であ
ることがわかった。
A グループ:No.1,7,8,10,11,13,14 地点
参
B グループ:No.6,9,5,12,15,16 地 点
考
文
献
1) 高岡市長慶寺地区地下水におけるほう素の
C グループ:No. 2,3,5, 18,20,21,22,23,24 地 点
検出について,富山県生活環境部環境保全
図5 各主成分間の因子得点
課ホームページ
2) 高井健太郎,田瀬則雄,地下水学会誌,42,145
(2000)
No.4 地 点 に つ い て は 0.2mg/l 未 満 ∼
1.0mg/l 検出の地点であるが、深さ 100mの深
井戸であり別の帯水槽の地下水であるため、
同濃度のグループから分離していると考えら
れる。No.19 地点については、②グループの
地点であるが、他の地点とは離れており別の
地下水層であると考えられるため、②グルー
プの他の地点と異なるものと考えられる。
3) 田瀬則雄,地下水学会誌,45,463(2003)4)
山田寿寛,熊谷宏之,高田敏夫,白崎健一,
福井県環境科学センター年報,30,79(2000)
5) 近藤紘之,水環境学会誌,20,438(1997)
Groundwater contamination caused by natural origins
Kiyoto KAWASAKI
Hirochika YOSHIKAWA
Takeshi SASAJIMA
Tomoko MORI
To clarify the contamination of boron in ground water, numerical analysis of the
principal component in ground water was performed in T area and T city.
Since the concentration boron changes with concentration of not only chlorine ion but
sodium, calcium, potassium, and magnesium ions which are originated in underground
soil, it was considered that boron was effected by the fossil salt water and the
underground soil in the tested ground water.
Moreover, it was found that the diagrammatic anaysis of the principal components was
an effective mean to elucidate the region of the groundwater contamination caused by
natural origins.
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