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組込みソフトウェア製品
特集
MiracastとMirrorLinkを活用した
次世代ネットワークソリューション
無線技術にいち早く着目し、さまざまな新技術に積極的に取り組んできた当社は、スマートフォンの急速な
普及に伴い脚光を浴びつつある新しい通信規格、
「Miracast」
「
、MirrorLink」
への取り組みも開始していま
す。当社がこれまで培ってきた無線分野でのノウハウや保有技術を活かし、今後、製品開発、ポーティングな
どの技術サービスを提供していく考えです。
期待されるスマートフォンとの接続・連携
スマホでの標準対応進む
「Miracast」
急速に普及の進むスマートフォンですが、日本国内でも複数の
Miracastは、スマートフォンやタブレットなどの機器を用いて、
調査会社が2012年の普及率を前年の2倍程度の伸びと発表して
YouTubeなどインターネットからストリーミングした動画をリビン
います。利用環境の整備に伴い、
スマートフォンの活用シーンも拡
グのテレビで楽しみたい、
といったニーズに応える規格です。Wi-
大していくと考えられ、その鍵の1つとなるのが、他の機器との接
Fi Alliance により2012年8月にWi-Fi Display Version 1.00
続・連携です。とりわけ、
ビジネスでもプライベートにおいても、
ま
として規格化され、機器がその仕様に適合していることを保証する
たPCやモバイル機器を問わず、Wi-Fi対応デバイスの利用が目
ための認証プログラム、
Wi-Fi CERTIFIED Miracastも2012年9
立っており、Wi-Fiに接続することでよりスマートフォンの用途が広
月に開始されています。
Miracastは、Wi-Fiデバイス間でグラフィックスやビデオ、
オー
がることが期待されます。
ディオコンテンツを含む画面をシームレスに共有します。Wi-Fiア
そうした点で、
にわかに脚光を浴びている規格に、
「Miracast」
や
クセスポイントがない環境でも2つのデバイス間でWi-Fi接続を
「MirrorLink」
があります。
「Miracast」
は、無線LAN関連業界団体のWi-Fi Allianceが策
確立できるWi-Fi P2Pや、
より高いセキュリティでユーザのプライ
定したディスプレイ転送通信方式の標準規格です。スマートフォン
バシーを保護するWPA2、接続設定やセキュリティ設定を簡単に
をテレビ画面やプロジェクターなどとWi-Fi接続することで、ディ
行えるWPSなど、Wi-Fi接続の基盤技術を活用しているため、開
スプレイのミラーリングを行うことが可能となります。一方、Car
発コスト面でのメリットや移植性・再利用性の高さが特徴として挙
Connectivity Consortium(CCC)
が仕様策定した
「MirrorLink」
げられます。さらには、
テレビと同様の著作権保護
(HDCP)
の仕組
は、
スマートフォンをカーナビやカーオーディオなどの車載機器に
みによりコンテンツが保護されていることや、
デジタル放送の技術
接続することで、さまざまなアプリケーションを車載機器側で操
(MPEG2-TS)
を採用している点も特徴です。既に2012年秋から
Miracastを搭載したスマートフォンやタブレットも続々と販売され
作・表示できるものです(図-1)。
車載との連携
Wi-Fi を使った連携
Miracast
MirrorLink
ており、今後の家電や車載製品での可能性にも注目が
集まっています。
当社は、2012年11月のET2012
(組込み総合技術
展)
にMiracastデモを出展しました。Miracastの導入
Wi-Fi Alliance
を検討されているお客様が想定した以上に多いことと、
Car Connectivity Consortium
Android4.2でMiracast機能が標準対応されたことも
車載との連携
Wi-Fi を使った連携
Miracast
MirrorLink
あり、Miracast 機能を実現するために必要なソフトウェ
アであるWi-Fi Display Manager
(図-2、図-3)
を早
期に提供できるよう、商品化を進めています。Android
4.2 では送信側のみのサポートとなることから、受信側
Car Connectivity Consortium
Wi-Fi Alliance
図 -1
4
MiracastとMirrorLink
Wave 2013.5 vol.17
TOSHIBA INFORMATION SYSTEMS(JAPAN)CORPORATION
の要望が大きくなると見込んでいます。そのため、
Wi-Fi
Display Managerは受信側をターゲットとしています。
ゲーションや楽曲など、さまざまなアプリケーションを車載ディス
プレイに表示して操作することが可能です。そのため、常に最新の
Wi-Fi Display Manager
地図データでナビゲーションしたり、
スマートフォンと同じ操作で音
Media Player
楽を再生したりといった利用シーンに応えます。
MirrorLinkは、2011年2月より活動している業界団体(CCC)
TCP
Wi-Fi P2P
and WPS, WPA
で、世界の主要な自動車メーカ、車載メーカ、
スマートフォンメーカ
UDP
など83社(2013年2月時点)が加盟しており、
自動車業界の標準と
IP
して推進されています。
当社は2012年8月にCCCに加盟してMirrorLinkへの取り組み
Wi-Fi ドライバ
図 -2
を開始しました。2012年9月には図研エルミック(株)とパートナー
Wi-Fi Display Manager 構成
契約を締結し、
同社のMirrorLink対応ミドルウェア
ソースデバイス
ディスプレイデバイス
コンテンツ
- 画面
エンコード
- Video/Audio
ファイル
MPEG2-TS
デコード
レンダリング
Wi-Fi Display Manager
デバイス能力交渉と
図 -3
デバイス能力交渉と
コントロール
セッション管理
セッション管理
商品提供
サンプル提供
別途購入が必要
Ze-PRO Mirror(Client)
VNC
OS(μITRON)
DAP
RFB
ルーチン
Display
Touch Panel
図 -4
USB
(3) 低スペックのハードウェアで動作可能
Audioデータ、画像データは、RAWデータの状
「Ze-PRO Mirror (Client)」
として、ITRON環境で
スマートフォンと車載オーディオ機器をUSB2.0で
接続するための商品を用意していますが、Linux 環
SH7269 評価ボード ( ルネサスエレクトロニクス製 )
CMT0
向に通信することが可能です。
付加価値を付けたサービスを展開しています。現在、
Serial Audio
Host Control
Memory
etc...
トフォンと車載ディスプレイ・オーディオ機器の双方
ポートにとどまらず、当社の組込み技術を活かして
USB
IP-NCM I/F
CDC/NCM
Class
タッチ操作イベント、Audio/音声データをスマー
当社では、
「Ze-PRO Mirror (Client)」
の販売・サ
Sample Drivers
Startup
(2) 双方向の操作
スペックのハードウェアで動作が可能です。
Socket I/F
TCP/IP Functions
System
MirrorLinkは、PC、組込み機器で広く普及し
た規格を組み合わせています。サービス管理は
態で通信するため、専用デコーダが不要となり、低
TCP/IP
BSD
(1) 広く普及した規格がベース
るため、
移植性・安定性の高い規格と言えます。
Sample
RTP
MirrorLink は次のような特徴があります。
データはVNCといった成熟した規格を基にしてい
Sample Applications
UPnP
SOAP
SSDP
HTTP
GENA
います。
UPnP、Audio/音声データはRTP、画像/イベント
Wi-Fi Display Manager 機能の位置付け
Audio
「Ze-PRO Mirror (Client)」
(図-4)
を取り扱って
SSIF1/SRC0/
IIC1
VDC4
IIC2
Ze-PRO Mirror(Client)のソフトウェア構成
今後は、当社が保有しているWi-Fi技術やノウハウを優位性とし
て、お客様のニーズに合わせた積極的なビジネス展開を進めてい
きます。
境への移行、および 無線LANへの対応も順次進め
ていきます。
今後は、お客様のニーズに応じて、提案、移植、サポート、上位ア
プリケーション開発まで、当社で一括してお任せいただけるよう取
り組んでいきます。
(エンベデッドシステム事業部
阪 国博、
板谷越元太)
「MirrorLink」
のミドルウェアを提供
MirrorLink は、車載ディスプレイ・オーディオ機器とスマート
フォンを接続するための通信規格で、スマートフォンにあるナビ
TOSHIBA INFORMATION SYSTEMS(JAPAN)CORPORATION
Wave 2013.5 vol.17
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